説明

ステントと繊維の構造的組み合わせ

【課題】繊維ブリッジによって軸方向に連結された複数の腔内セグメントを提供する。
【解決手段】腔内セグメントは、バルーン拡張可能であるか、または自己拡張するか、いずれであってもよく、好ましい実施形態では、超弾性ニチノールである。管腔内セグメントは、セグメントごとに、肌理のある表面、または少なくとも1つの幾何学的特徴部を有してもよく、幾何学的特徴部は、好ましくは、管腔内セグメントを構成する支柱ペアの先端に配され、好ましくは、繊維ブリッジの固定点として作用することができる。これらの幾何学的特徴部は、カテーテルなどの装置から出て設置される際に、軸方向の圧縮負荷を伝達してもよく、さらに、カテーテルなどの装置内で圧迫される際に、腔内セグメントを重ね合わせることができてもよい。ブリッジを含む繊維は、ポリマー、シルク、コラーゲン、生体吸収性物質、またはそれらの混合物であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の背景〕
〔発明の分野〕
本発明は、軸方向に連結された管腔内セグメントに関するものであり、より詳細には、繊維によって少なくとも部分的に連結された、個々に拡張可能なセグメントに関するものである。さらに、本発明は、管腔内装置に関するものであり、より詳細には、隣接するステントセグメントを軸方向に連結するブリッジとして作用する繊維を組み込んだステントなどの管腔内装置に関するものである。本発明は、本明細に記載される繊維の固定点として作用する幾何学的特徴部を有するステント構造にも関する。
【0002】
〔関連技術に関する記載〕
管腔内装置は、長きに亘って、当技術分野において認識されている。こうした装置は、様々な材料を利用しているが、一般的に2つの大きなカテゴリー、すなわち、自己拡張する装置(self-expanding)とバルーン拡張可能な装置(balloon-expandable)というカテゴリーに分かれる。ニッケル‐チタニウムは、自己拡張する装置の設計において使用するために選択される一般的な材料であり、一方、ステンレス鋼およびコバルト合金は、バルーン拡張可能な装置における一般的な材料である。
【0003】
こうした装置の可撓性は、患者の体内における送達および性能に影響を及ぼす重要な要素である。湾曲した血管構造によって、装置は、装置の本来の機能性を維持しつつ、設置前および設置後に、解剖学的構造状態に適合可能であることが求められる。自己拡張する材料は、バルーン拡張可能な材料に比べ、より高い可撓性を呈するが、これは、自己拡張する材料が、バルーン拡張可能な材料よりも、組織への外傷が少ない形で、湾曲した解剖学的構造に適合しがちであるという特定の理由による。自己拡張する管腔内装置の例には、ステント、大静脈フィルター、遠位保護装置(distal protection devices)、および閉塞装置(occluders)が含まれる。しかしながら、管腔内装置の可撓性を最大にすることによって、径方向の強度や座屈(buckling)に対する耐性など、装置の機械的な性能の他の面においてマイナスの代償がもたらされる可能性がある。加えて、心臓血管における多くの使用において、装置には、ねじれ、軸方向の拡張/圧縮、および屈曲など、脈管構造の他の部分では見られない、重大な力学的変形がもたらされうる。このような状況下で、装置は、好ましくは、本来の機能性が維持されるように、損なわれていない状態(intact)を保ちながら、大きな力学的変形に耐えられなければならない。
【0004】
径方向に拡張可能な管腔内装置は、一般的に、軸方向に隣接する、径方向に拡張可能な複数のセグメントを含む。このような、軸方向に隣接する、径方向に拡張可能なセグメントは、しばしば、一般的にブリッジと記載される連結要素によって、接合される。いくつかの事例では、こうしたブリッジ要素は、径方向には変形し得ないが、軸方向には変形が可能であり、軸方向に隣接する、径方向に拡張可能なセグメントの間の相対的な動きを可能にする。この相対的な動きは、望ましくは、植え込まれる装置の、静的または動的な屈曲、伸長もしくは圧縮に順応することができる。設計の外周部の周囲に存在するブリッジ要素の数は、設計上の重要な考慮事項である。ブリッジ連結が少ないと、より高い可撓性および適合性を可能にするが、潜在的に、スカッフォールドの均一性(scaffolding uniformity)および血管の保護範囲(vessel coverage)を損なう。ブリッジ連結が多いと、スカッフォールドの均一性は高められるが、潜在的に、好ましくないほどに硬い構造をもたらす。
【0005】
径方向に拡張可能な管腔内装置は、一般的に、径方向に拡張可能なセグメントおよびブリッジ要素が一体化(integral)しているか、単一の連続した材料で形成されるように製造されており、したがって、仕上がった装置は連続した構造物となる。
【0006】
上記の屈曲、湾曲、伸長および圧縮を負荷する事例では、管腔内インプラント物の可撓性および耐久性に対する設計上の課題がもたらされる。こうした設計上の問題に対する1つの解決策は、より少数の一体化ブリッジ要素(integral bridging elements)を備えた設計、または、究極的には一体化ブリッジ要素をまったく備えない設計を提供し、それによって、各セグメントが近接位置での局所的な力および変形のみを受けるようにすることである。この設計は、管腔の対象領域内に個別のセグメントを正確に設置するという点において、ある問題をもたらす。具体的には、自己拡張する材料の場合、装置は、シース内で圧迫された状態で導入される。自己拡張するセグメントから圧迫が取り除かれると、直径の急激な増加が、軸方向に向かう力を生成し、この力は、拡張するセグメントと、軸方向に隣接する、まだ完全にまたは部分的にシース内にある圧迫されたセグメントとの間に、軸方向の十分な圧迫がない状態で、セグメントを前に進ませる傾向がある。このことは、セグメントの長さが、その直径に比べていくぶん短い状態において、セグメントを送達装置の遠位端部から前方に勢いよく進ませることになり、よって、セグメントの正確な設置が困難になる。さらに、設置されている間、隣接するセグメントの均一性および安定性を保証する手段を提供する必要がある。管腔内装置の正確な設置は、重要な分枝脈管構造における標的となる病変、ゆがみ、または閉塞に対し、不正確な設置などの問題が起きないことを保証するために、最も重要である。
【0007】
さらに、管腔内装置は、患者の体内の局所領域に治療用物質(therapeutic agents)を送達するための既知の手段である。治療用物質の送達を管腔内装置の作用と組み合わせる一般的手段には、治療用物質を含むポリマーで装置の表面を被覆することが含まれる。装置の表面領域は、送達され得る治療用物質の量の制限要素となる。装置をポリマーで被覆することはまた、被覆粘着力の制御、被覆厚さの制御、および治療用物質と被覆の相互作用の制御における問題をもたらす。結果として、装置の機械的性能および可撓性を犠牲にすることなく、または装置表面の被覆の必要性を排斥することなく、装置の利用可能な表面領域を増やすことは、こうした装置の製造および有効性を単純化し得る。
【0008】
したがって、本明細書に記載された問題点を回避する管腔内装置に対する需要が存在しているのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特表平8−509899号公報
【特許文献2】特開2002−291904号公報
【特許文献3】特表2001−503285号公報
【特許文献4】特開2005−118570号公報
【0010】
〔発明の概要〕
本発明は、上記に概説されたような、現在の管腔内インプラント物の設計に関連した不利な点を克服するものである。
【0011】
一態様によれば、本発明は、植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールド(scaffold)に関するものである。植え込み可能なスカッフォールドは、径方向に拡張可能な1つまたは複数のステントセグメント、および、この径方向に拡張可能な1つまたは複数のセグメントを相互連結して実質的に管状の構造物を形成する、1つまたは複数の繊維ブリッジを含む。
【0012】
径方向に拡張可能な管腔内装置は、一般的に、径方向に拡張可能なセグメントとブリッジ要素とが一体化するか、または単一の連続的な材料から形成されるように製造され、したがって完成した装置は単一の連続構造物である。本発明は、ブリッジ要素の一部または全てが、径方向に拡張可能な管腔内装置が製造される材料とは別の異なる材料で構成されるという点において、独特なものである。好ましくは、径方向に拡張可能な管腔内装置構造物(structure)は、金属で製造され、一方、別個のブリッジ要素は、非金属性のポリマー材料で製造される。本発明はまた、金属要素および非金属性要素またはポリマー要素を接合して、有効な装置組立体を提供する手段についても記載する。
【0013】
例示的な一実施形態では、本発明は、繊維の網状組織(network of fibers)によって少なくとも部分的に相互連結された、隣接する一連の管腔内セグメントに関するものである。繊維は、径方向に拡張可能なセグメントに連続している、従来の一体化ブリッジ要素を補完するか、またはそれに置き換わるものである。繊維は、好ましくは、個々の管腔内セグメントが、ある程度、互いに独立して動くことを可能にし、同時に、セグメント間における可撓性のある軸方向の連結という利点をもたらす。繊維は、好ましくは、管腔の開放性を維持するのに十分な直径まで管腔内セグメントが拡張し、かつ、管腔内セグメントが短い直径に圧迫され得ることを、妨げないようにしつつ、不規則的または規則的に向きが定められてよい。
【0014】
別の例示的な実施形態では、本発明は、個々の管腔内セグメントに繊維を固定する手段を提供する1つまたは複数の特徴部を備えた、個々の管腔内セグメントに関するものである。個々のセグメントは、繊維が取り付けられ得る1つまたは複数の特徴部を備えることができる。特徴部は、繊維を固定する手段をもたらす任意の幾何学的構造を備えてもよい。意図される特徴部の幾何学的構造例には、肌理のある表面(textured surfaces)などの微小な特徴部(micro features)、および、アイレット、タブ、アンビルなどの大きな特徴部(macro features)が含まれる。特徴部はまた、繊維の固定と組み合わせた、または繊維の固定を除いた、他の機能性を提供してもよい。追加的な機能性には、完全に設置する前の管腔内要素の相互連結が含まれてもよい。繊維は、溶剤により接着する、輪で括る(looping)、結び目を作る(knotting)、糸を通す(threading)など、適切な任意の手段によって、特徴部に固定されてよい。繊維は、好ましくは、管腔の開放性を維持するのに十分な直径まで管腔内セグメントが拡張するのを妨げないようにしつつ、不規則的または規則的に向きを定められてもよい。さらに、繊維要素は、規則的または不規則的な配置を備えた、個々のフィラメントとして構成されてもよく、あるいは、繊維要素は、組みひも(braids)、織物(weaves)、より糸(threads)などのより大きな繊維網状組織に組み込まれる個々の綱(strands)であってもよい。繊維は、個別のパターン、もしくは局所的なパターンを形成してもよく、または、連続的なパターンを形成してもよい。繊維要素は、生きている患者の体内への植え込みに適した、ポリマー、シルク、コラーゲン、生体吸収性物質など、任意の組成物を備えていてもよい。繊維は、好ましくは、正確なインプラント物の設置、インプラント物の可撓性、およびインプラント物の耐性について、改善された手段を提供する。さらに、繊維の一部または全ては、患者に治療用物質を送達するための手段として、排他的手段、または、管腔内セグメントおよび処置的方法を含めた、同種の機能性を補完する追加的手段のうち、いずれの手段としても使用されてもよい。管腔内セグメントは、任意の自己拡張する材料もしくはバルーン拡張可能な材料、またはそれらの組み合わせであってよい。
【0015】
より具体的には、本発明は、繊維の網状組織または網目(mesh)により相互連結された、径方向に拡張する、隣接するステントセグメントを含むステントに関するものである。本発明は、任意の構造のステントに対し、治療上の増大した融通性を提供する。さらに、本発明は、軸方向に隣接する、径方向に拡張可能なセグメントを連結する従来の一体化(integral)金属ブリッジを有するステント構造物(architectures)の軸方向の安定性および均一性を高める手段を提供し、また、他の手段では連結されない、径方向に拡張可能な一連の短いステントセグメントの繊維連結を、さらに提供する。この設計はまた、各セグメントの間に所定の溝を備えた、軸方向に連続したステントの設置も提供する。
【0016】
本発明は、一連のステントに軸方向の完全性(integrity)を提供し、それにより、上記にあるように、構造物が軸方向の緊張状態へと引っ張られる場合、個々のステントセグメントが、互いから離れてしまうことはない。
【0017】
本発明は、一連のステントが、圧迫された形態または拡張した形態にある場合の、一連のステントの完全性(integrity)を提供する。本発明は、ステント構造物が標的の血管に送達され設置されるまで、構造上の完全性を提供する。この軸方向の完全性は、圧迫されたステントセグメントが送達システムから出て、直ぐに拡張し始める際に、特に重要である。この拡張する力は、記載される繊維連結によってもたらされる軸方向の連結がなければ、個々のステントセグメントを制御不能な状態で前に進ませる傾向がある。
【0018】
繊維によってもたらされる軸方向の連結は、インプラント物が送達され設置された後には、必ずしも必要ではない。したがって、繊維は、生体吸収性のある材料または融解する材料で製造され得る。
【0019】
繊維は、ステント構造物が拡張形態にある場合(典型的には5〜10mm)、ステント構造物に組み合わせられることが求められる。繊維は、好ましくは、拡張形態から扁平な送達形態(典型的には1〜2mm)への、ステントの径方向の圧迫を妨げてはならない。
【0020】
ニチノールなど自己拡張する材料で構成される装置については、繊維は、好ましくは、植え込み時にステント構造物が設置される際、送達形態から記憶形態へのステント構造物の径方向の拡張を妨げてはならない。
【0021】
ニチノール製の構造物は、非常に冷えた状態(典型的には、摂氏−10〜−60度)において、拡張形態から送達形態へと圧迫されてもよい。望ましくは、繊維材料は、そのような冷えに耐えることができ、ステント構造物の径方向の圧迫を妨げることなく直径を圧迫する能力を維持する。
【0022】
ニチノールの形状記憶特性および機械的特性は、当技術分野で既知の、様々な温度での慎重に制御された一連の熱曝露を用いて、プログラムを組み込まれる。望ましくは、完成したニチノール製のステント構造物は、高い温度(摂氏60度を超える)に曝されてはならない。望ましくは、繊維材料は、そうした温度に耐えることができ、ステント構造物の径方向の圧迫を妨げることなく、直径を圧迫する能力を維持する。
【0023】
好ましくは、繊維材料は、構造上の要素としてのみならず、薬品または関連する治療用物質の送達のためのプラットフォームとして機能してもよい。
【0024】
好ましくは、繊維は、植え込み可能な材料として、証明された生体適合性を有し、また、そうした目的で、市販されているものでなくてはならない。
【0025】
本発明に関する前述の特徴および利点ならびにその他の特徴および利点は、添付の図面に図示される本発明の好ましい実施形態に関する、以下の、より詳細な説明によって明らかとなるであろう。
【0026】
〔好ましい実施形態の詳細な説明〕
本発明は、網目(mesh)または繊維(fibers)により相互連結される個々のセグメントを含むステントに関するものである。これらの繊維は、ステントセグメントの径方向の拡張または圧迫を妨げることなく、ステントセグメントの間に軸方向のブリッジ連結をもたらす方法で、互いに、また、径方向に拡張可能なステントセグメントに統合される。
【0027】
図1は、繊維101(x)の網状組織(network)により軸方向に連結された、隣接する複数の管腔内ステントセグメント100を図示しており、「x」とは、存在する繊維の数を示し、1〜約1x10の範囲にわたっている。隣接する各セグメント100は、好ましくは自己拡張するが、バルーン拡張可能なものであってもよい。隣接するセグメントは、セグメント103の群にあるように一体化ブリッジ要素102によって軸方向に連結されてもよいし、セグメント104の群にあるように軸方向に独立していてもよいし、または、セグメント105の群にあるように両方の組み合わせであってもよい。繊維101は、隣接する少なくとも2つのセグメント100を軸方向に連結する。好ましい例示的実施形態は、ニッケル-チタニウム(ニチノール)のような超弾性合金から製造される自己拡張する管腔内セグメント100であり、ニッケル-チタニウムは、約50.0重量パーセント〜約60重量パーセントのニッケルを含み、残りがチタニウムとなっている。好ましくは、管腔内セグメント100の各々は、体温において超弾性であり、摂氏約22度〜摂氏約37度の範囲のオーステナイト最終温度(austenitic finish temperature)を有するように、設計される。繊維101(x)は、最も好ましくは、ポリマー、シルク、コラーゲン、または生体吸収性のある組成物(compositions)である。図1では、繊維101(x)は、1つまたは複数の材料組成から成っていてもよく、これには、単一の繊維101(x)または繊維101(x)の群が、絡み合った網状組織を形成する他の繊維101(x)とは異なる材料で構成されるという実施形態も含まれる。繊維101(x)は、不規則的に、または規則的なパターンで向きを決められてもよく、繊維101(x)は、好ましくは、管腔内セグメント100が繊維101(x)の網状組織によって軸方向に連結されつつ、相互に動くのを可能にする。相対的な動きを可能にする1つの好ましい手段が図7に示されており、ここでは、繊維701(x)は、個々の管腔内セグメント700を形成する支柱の上および下を通過しながら、互いの上に輪をなしている。
【0028】
図2は、径方向に拡張可能な金属製の管腔内インプラント物へのポリマー繊維の粘着を最も効果的にするために設計された、肌理のある表面(textured surface)の好ましい実施形態を表している。この大きく拡大された図は、基面(substrate)200の上に配された、肌理のある表面202を備えた金属被覆201を表している。肌理のある表面202は、ポリマー繊維203の接着を高めるために増加された表面領域を提供する。好ましい実施形態では、金属被覆201は、生体適合性のある表面をもたらし、物理的な気相成長法プロセス(physical vapor deposition process)を用いて、基礎となる金属製の構造部200にしっかりと結合される。好ましい実施形態では、金属被覆201はタンタルであり、基面200は、径方向に拡張可能な金属ニチノールセグメントである。タンタルは、放射線不透過性を高め、かつ、装置の生体適合性を維持するという利点を有する。ポリマー繊維203は、溶解したポリマーの少なくとも一部が、肌理のある表面と繊維との間の接触面を形成するのを可能にする溶剤を利用して金属製の表面202に接合される。
【0029】
別の例示的な実施形態によれば、図3および図4は、複数の繊維302(x)によって連結された複数の管腔内セグメント300を図示している。この「x」は、存在する繊維の数を示し、1〜約1x10の範囲にわたっている。管腔内セグメント300および繊維302(x)は、実質的には、図1に示されるとおりであり、管腔内セグメント300は、少なくとも1つの補助的な幾何学的特徴部305を有し、好ましくは、この特徴部は、管腔内セグメント300構造物を構成する個々の支柱ペアの先端に配される。幾何学的特徴部305は、繊維302(x)と管腔内セグメント300との間の取付点として作用する。幾何学的特徴部305、つまりノッチつきのタブは、標的とする管腔内に設置する際に、管腔内セグメント300の間に軸方向の圧縮負荷(compressive load)を伝達する手段を提供するために、さらに作用してもよい。さらに、幾何学的特徴部305は、構造物の残りの部分よりも放射線不透過性が高い材料を含んでもよく、これにより、装置の正確な設置の指標として作用する。図3および図4に示されるように、管腔内セグメント300の幾何学的特徴部305に繊維302(x)を取り付けるための1つの好ましい手段は、結び目のある輪304を生成することである。管腔内セグメント300を連結する網状組織を形成する繊維302(x)は、図1で好ましいと言及されたような、単一の材料組成から成っていてもよく、または、複数の好ましい材料から成っていてもよい。
【0030】
図5Aおよび図5Bは、図3および図4で図示され、かつ、本明細書に記載される例示的な実施形態を概略的に表したものである。図5Aは、幾何学的特徴部305を有する複数の管腔内セグメント300、および連結された繊維302(x)を示しており、これらは、カテーテル内で圧迫されている状態と概して一致した形で、径方向に圧縮されている。図5Bは、図5Aにおけるものと同じ複数の管腔内セグメント300、幾何学的特徴部305、ならびに連結された繊維302(x)および304を示しているが、管腔内セグメント300は、完全に拡張した状態にある。
【0031】
別の代替の例示的な実施形態によると、図1に示される繊維101(x)の網状組織、または図3〜図5Bに示される繊維302(x)の網状組織によって連結された管腔内セグメント100は、患者に治療用物質を送達するための手段である。例示的な物質の詳細な記載が本明細書に含まれている。繊維101(x)または302(x)は、排他的な送達手段であってもよく、あるいは管腔内セグメント100、300の表面領域に加えて表面領域を提供するものであってもよい。繊維101(x)または302(x)は、最も好ましくは、血栓の形成もしくは狭窄症の再発を防ぐ治療用物質などの治療用物質またはそれらの組み合わせを浸み込ませてある。管腔内セグメント100、300を連結する網状組織を形成する繊維101(x)または302(x)は、図1において好ましいと言及されたような、単一の材料組成で成っていてもよく、あるいは、混合された繊維を生成する複数の好ましい材料で成っていてもよい。
【0032】
さらに別の例示的な実施形態によると、図6は、図3および図4に示された特徴部305と同様の幾何学的特徴部606の詳細を図示している。この例示的な実施形態では、幾何学的特徴部606は、1つまたは複数の繊維607の一固定点(an anchoring point)として作用し、さらに標的の管腔に設置する際、管腔内セグメント600の間に軸方向の圧縮力を伝達するための手段を提供する点で、特徴部305と実質的に同様である。この例示的な実施形態では、繊維607は、幾何学的特徴部606で形成されるのが好ましいアイレットを通過し、ここで繊維607は、好ましくは、繊維607の終端部が幾何学的特徴部606から抜け落ちるのを防ぐ結び目のような形で終端する。繊維607が複数の管腔内セグメント600に固定される手段は、第1の(近位の)管腔内セグメント600および最後の(遠位の)管腔内セグメント600において繊維607の終端点で、または、繊維607の長さに沿って管腔内セグメント600の間の所々で、繊維607に結び目を作ることによるものであってもよい。幾何学的特徴部606は、好ましくは、管腔内セグメント600を構成する隣接する支柱によって形成される先端部に配され、存在する各管腔内セグメント600に少なくとも1つの特徴部606があることが好ましい。管腔内セグメント600を連結する網状組織を形成する繊維607は、図1において好ましいと言及されたような、単一の材料組成で成っていてもよく、または、複数の好ましい材料で成っていてもよい。存在する繊維607の数は、1〜約1x10の範囲であってよい。選択的に、繊維607は、治療用物質を送達するための排他的手段であってもよく、または、治療用物質を送達するために管腔内セグメント600の表面領域に加えて表面領域を提供してもよい。繊維607は、最も好ましくは、血栓の形成もしくは狭窄症の再発を防ぐ治療用物質などの治療用物質またはそれらの組み合わせを浸み込ませてあってもよい。
【0033】
注意することが重要なこととして、繊維は、適用に応じて非吸収性または吸収性であってよい、任意の適切な生体適合性材料を組み込んでいてもよい。
【0034】
上記にあるように、ステントセグメント、繊維、またはその両方は、治療用物質および薬剤を送達するために用いられてもよく、治療用物質および薬剤には、以下のものが含まれる。すなわち、
ビンカアルカロイド(つまり、ビンブラスチン、ビンクリスチン、およびビノレルビン)、パクリタクセル、エピディポドフィロトキシン(epidipodophyllotoxins)(つまり、エトポシド、テニポシド)、抗生物質(ダクチノマイシン(アクチノマイシン D)、ダウノルビシン、ドキソルビシン、およびイダルビシン)、アンスラサイクリン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン(ミトラマイシン)、およびマイトマイシン、などの自然産物を含む増殖抑制薬/抗有糸分裂物質、
酵素(体系的に(systemically)L-アスパラギンを新陳代謝させ、アスパラギン合成の機能のない細胞を取り除くL-アスパラギナーゼ)、
G(GP) llb/llla阻害薬およびビトロネクチン受容体拮抗薬、などの抗血小板薬、
ナイトロジェンマスタード(メクロレタミン、シクロホスファミドおよび類似体、メルファラン、クロラムブチル)、エチレンイミンおよびメチルメラミン(ヘキサメチルメラミンおよびチオテパ)、アルキルスルホン酸−ブスルファン(alkyl sulfonates-busulfan)、ニトロソウレア(nirtosoureas)(カルムスチン(BCNU)および類似体、ストレプトゾシン)、トラゼン(trazenes)−ダカルバジニン(DTIC)、などの増殖抑制/抗有糸分裂性のアルキル化薬、
葉酸類似体(folic acid analog)(メトトレキセート)、ピリミジン類似体(フルオロウラシル、フロクスウリジン、およびシタラビン)、プリン類似体、および関連する抑制剤(メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン、2-クロロデオキシアデノシン(クラドリビン))、などの増殖抑制/抗有糸分裂性の代謝拮抗物質、
プラチナ配位錯体(シスプラチン、カルボプラチン)、プロカルバジン、ヒドロキシ尿素、ミトテン、アミノグルテチミド、
ホルモン(つまり、エストロゲン)、
抗凝血薬(ヘパリン、合成ヘパリン塩(synthetic heparin salts)、および他のトロンビン阻害薬)、
フィブリン溶解薬(組織プラスミノゲン活性化因子、ストレプトキナーゼ、およびウロキナーゼなど)、アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン、クロピドグレル、アブシキシマブ、
抗遊走剤(antimigratory)、
分泌抑制薬、
副腎皮質ステロイド(コルチゾール、コルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、6α-メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、およびデキサメタゾン)、非ステロイド性薬(サルチル酸誘導体(salicylic acid derivatives)、つまり、アスピリン)、などの抗炎症薬、
パラアミノフェール誘導体(para-aminophenol derivatives)、つまりアセトアミノフェン、
インドールおよびインデン酢酸(インドメタシン、スリンダク、およびエトダレック(etodalec))、ヘテロアリール酢酸(トルメチン、ジクロフェナク、およびケトロラック)、アリールプロピオン酸(イブプロフェン、および誘導体)、アントラニル酸(メフェナム酸、およびメクロフェナミン酸)、エノール酸(ピロキシカム、テノキシカム、フェニルブタゾン、およびオキシフェンタトラゾン(oxyphenthatrazone))、ナブメトン、金化合物(オーラノフィン、オーロチオグルコース、および金チオリンゴ酸ナトリウム)、
免疫抑制薬(シクロスポリン、タクロリムス (FK 506)、シロリムス(ラパマイシン)、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル)、
血管形成剤(angiogenic agents)である血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、
アンギオテンシン受容体拮抗薬、
一酸化窒素ドナー、アンチセンスオリジオヌクレオチド(antisense oligionucleotide)、および、それらの組み合わせ、
細胞周期阻害剤(cell cycle inhibitors)、mTOR 阻害剤、および成長因子受容体シグナル伝達キナーゼ阻害剤(growth factor receptor signal transduction kinase inhibitors)、
レテノイド(retenoids)、
サイクリン/CDK阻害剤、
HMGコエンザイムレダクターゼ阻害剤(スタチン)、ならびに、
プロテアーゼ阻害薬、である。
【0035】
別の例示的な実施形態によると、本明細書に記載されるステントは、金属またはポリマーのいずれで構成されるステントであっても、治療用物質または薬剤の送達装置として使用されてよい。金属製のステントは、生物学的安定性のある(biostable)ポリマーもしくは生体吸収性のポリマー、またはそれらの組み合わせによって、その中に治療用物質を組み込ませて、被覆されてもよい。被覆用の典型的な材料の特性には、可撓性、延性、粘着性、耐久性、接着性および凝集性が含まれる。これらの望ましい特性を呈する生物学的安定性および生体吸収性のあるポリマーには、メタクリル酸塩、ポリウレタン、シリコン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリトリメチレンカーボネート、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド(polyanhydrides)、ポリフォスフォエステル(polyphosphoester)、ポリアミノ酸(polyaminoacids)、ならびにそれらの共重合体および混合物が含まれる。
【0036】
治療用物質を含ませることに加え、被覆には、放射線不透過性の構成要素、被覆および/または治療用物質のための化学安定剤、放射性物質、トリチウム(つまり、重水)などの放射性同位元素や強磁性粒子といった追跡物質、およびセラミック微小球などの機械的緩和物(mechanical modifiers)など、その他の添加剤が含まれてもよい。あるいは、装置の表面と被覆との間、および/または被覆自体の中に、閉じ込め間隙(entrapped gaps)が生成されてもよい。こうした間隙の例には、空気およびその他の気体、ならびに物質の不在(つまり、真空環境)が含まれる。こうした閉じ込め間隙は、マイクロカプセルに入れられたガス状の物質の注入など、多くの既知の技術を利用して生成されてもよい。
【0037】
好ましい実施形態では、繊維要素は、連続的な繊維紡績(spinning)工程を使用して形成される。この工程において、ポリマーは、溶剤によって高い粘着性のある溶液中に溶解される。溶液は、ノズルまたは紡糸口金(spinneret)を通って供給され、ポリマー繊維を形成する。この繊維は、ステントセグメントが配された紡績主軸(spinning mandrel)によって集められる。主軸は回転し、軸方向に前後に動いて(indexes)、ステントセグメントをポリマー繊維で覆う。ポリマー繊維がステントセグメントの表面に接触する際、ポリマー繊維は、繊維を互いに、かつ金属製の基面の表面に適切に溶剤接着させるのを可能にするのに十分な溶剤を、優先的に依然として含んでいる。この工程では、典型的には10ミクロン〜100ミクロンの範囲の直径を備えた繊維がもたらされる。
【0038】
別の好ましい実施形態では、繊維要素は、電気紡績工程(electrospinning process)を使用して形成される。ここでは、ポリマーは、典型的には溶剤溶液中に溶解され、紡糸口金から供給され、標的に向かう。紡糸口金と標的との間の高電圧ポテンシャル(high voltage potential)は、1キロボルト〜50キロボルトの範囲であり、溶液を標的にひきつける静電気力を生成する。紡糸口金と主軸との間で、溶液中のポリマーの流れは、溶剤のほとんどが気化すると、細い繊維に変わる。標的は、典型的には回転する金属製の主軸であり、主軸は、接地されている(grounded)か、または帯電している。ステントセグメントは、この回転する主軸上に配され、この静電気による形成工程を用いてポリマー繊維で被覆される。主軸は、様々な速度で回転し、かつ、軸方向に前後に動くか、または回転式コンベヤー(carousel)の周りを回って、軸方向または周方向に繊維の選択的な整列を達成してもよい。この静電気による紡績工程では、典型的には、1ミクロンより小さい範囲の直径を備えた繊維が製造される。
【0039】
繊維の密度は、相対的に疎らな網状組織から、相対的に密集した網状組織まで、様々であってよい。密度が増すと、装置はステントグラフトの形態に近づき、流動浸透または流体浸透(flow or fluid penetration)に対する防御壁をもたらすこともある。生物学的安定性のある繊維が密集した網目による、そのような実装(implementation)は、ステントグラフトの形態および機能に近づく。しかしながら、生体吸収性または溶解性の繊維が密集した網目は、一時的なステントグラフトの機能性もたらし、そのような装置は、血管穿孔の救急の修復を含め、様々な臨床環境における有用性をもち得る。好ましい実施形態では、繊維は、相対的に疎らな網状組織に配列され、繊維は、流動浸透または流体浸透に対する完全な防御壁を提供しない。そのような疎らな構成は、特に、分枝血管の開放性を維持することが望まれる場合、そのような分枝血管を、植え込まれる装置が横切る場合に、望ましい。
【0040】
最も実践的かつ好ましい実施形態と確信されるものが、表示および記載されているが、記載および表示された特定の設計および方法からの変更が、当業者には連想され、また、本発明の精神および範囲から逸脱することなく用いられてもよいことは明らかである。本発明は、記載および図示される具体的な構成に限定されることなく、添付の請求項の範囲内に入りうる、あらゆる改変に従って構成されるべきである。
【0041】
〔態様〕
(1)植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
径方向に拡張可能な1つまたは複数のステントセグメントと、
1つまたは複数の可撓性繊維ブリッジであって、前記径方向に拡張可能な1つまたは複数のステントセグメントを相互連結して実質的に管状の構造物を形成する、可撓性繊維ブリッジと、
を含む、スカッフォールド。
(2)態様1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記径方向に拡張可能な1つまたは複数のステントセグメントは、バルーン拡張可能な材料を含む、スカッフォールド。
(3)態様2に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記バルーン拡張可能な材料は、ステンレス鋼を含む、スカッフォールド。
(4)態様2に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記バルーン拡張可能な材料は、コバルトクロム合金を含む、スカッフォールド。
(5)態様1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記径方向に拡張可能な1つまたは複数のステントセグメントは、自己拡張する材料を含む、スカッフォールド。
(6)態様5に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記自己拡張する材料は、ニッケル‐チタニウム合金を含む、スカッフォールド。
(7)態様1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記1つまたは複数の可撓性繊維ブリッジは、個々のフィラメントを含む、スカッフォールド。
(8)態様1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記1つまたは複数の可撓性繊維ブリッジは、繊維網状組織を含む、スカッフォールド。
(9)態様1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記可撓性繊維ブリッジは、ポリマー材料を含む、スカッフォールド。
(10)態様1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記可撓性繊維ブリッジは、シルクを含む、スカッフォールド。
【0042】
(11)態様1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記可撓性繊維ブリッジは、コラーゲンを含む、スカッフォールド。
(12)態様1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記可撓性繊維ブリッジは、生体吸収性材料を含む、スカッフォールド。
(13)態様1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記可撓性繊維ブリッジは、非生体吸収性材料を含む、スカッフォールド。
(14)態様1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記径方向に拡張可能な1つまたは複数のステントセグメントは、肌理のある表面を含む、スカッフォールド。
(15)態様1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記径方向に拡張可能な1つまたは複数のステントセグメント、および、前記1つまたは複数の可撓性繊維ブリッジのうち、少なくとも1つは、それに付着した治療用物質を含む、スカッフォールド。
(16)態様1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記径方向に拡張可能な1つまたは複数のステントセグメント、および、前記1つまたは複数の可撓性繊維ブリッジのうち、少なくとも1つは、それに組み込まれた治療用物質を含む、スカッフォールド。
(17)態様1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記1つまたは複数の可撓性繊維ブリッジは、絡み合った網状組織を形成する、スカッフォールド。
(18)態様1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
取付要素、
をさらに含む、スカッフォールド。
(19)態様18に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記取付要素は、前記径方向に拡張可能な1つまたは複数のステントセグメントのうち、1つまたは複数に付着されている、スカッフォールド。
(20)態様19に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記1つまたは複数の可撓性繊維ブリッジのうち、1つまたは複数は、前記取付要素に連結されている、スカッフォールド。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明にしたがった、繊維の網状組織が管腔内セグメントと絡み合った、例示的なステントと繊維との組み合わせの概略図である。
【図2】肌理のある金属製の表面が、繊維と金属製の基面との間の接着を高める、図1の好ましい実施形態の一連の写真である。
【図3】本発明にしたがった、繊維が管腔内セグメントの固定特徴部に取り付けられた、図1の別の例示的な実施形態である。
【図4】図3に図示された例示的な実施形態の拡大詳細図である。
【図5A】本発明にしたがった、管腔内セグメントが直径の圧縮された状態にある、図3に図示された例示的な実施形態の概略図である。
【図5B】本発明にしたがった、管腔内セグメントが直径の拡張された状態にある、図3に図示された例示的な実施形態の概略図である。
【図6】本発明にしたがった、図3に図示されたステントと繊維との組み合わせの別の例示的な実施形態の詳細図である。
【図7】本発明にしたがった、図1に図示されたステントと繊維との組み合わせの別の例示的な実施形態の詳細図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
内部を通る流体流動のために第1および第2の開口端部を有し、血管の管腔の開放性を維持するように構成され、径方向に拡張可能な複数のステントセグメントを含む、実質的に管状の構造物であって、前記拡張可能なステントセグメントは、互いに軸方向に隣接して配され、前記ステントセグメントはそれぞれ、複数の支柱ペアから形成される、実質的に管状の構造物と、
前記ステントセグメントそれぞれの少なくとも1つの支柱ペアの先端に配される、少なくとも1つのノッチつきのタブ構造物であって、隣接するステントセグメントの支柱ペアに向かい合って配される、少なくとも1つのノッチつきのタブ構造物と、
前記径方向に拡張可能な2つまたは3つ以上のステントセグメントを取り付けるように構成され、前記管状の構造物を通る流体流動に対して実質的に全くインピーダンスをもたらさないように構成された、1つまたは複数の可撓性繊維ブリッジであって、アイレットを通って前記ステントセグメントそれぞれの前記少なくとも1つのノッチつきのタブ構造物に固定される、1つまたは複数の可撓性繊維ブリッジと、
を含む、スカッフォールド。
【請求項2】
請求項1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記径方向に拡張可能な少なくとも1つまたは複数のステントセグメントは、バルーン拡張可能な材料を含む、スカッフォールド。
【請求項3】
請求項2に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記バルーン拡張可能な材料は、ステンレス鋼を含む、スカッフォールド。
【請求項4】
請求項2に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記バルーン拡張可能な材料は、コバルトクロム合金を含む、スカッフォールド。
【請求項5】
請求項1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記径方向に拡張可能な少なくとも1つまたは複数のステントセグメントは、自己拡張する材料を含む、スカッフォールド。
【請求項6】
請求項5に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記自己拡張する材料は、ニッケル‐チタニウム合金を含む、スカッフォールド。
【請求項7】
請求項21に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記1つまたは複数の可撓性繊維ブリッジは、個々のフィラメントを含む、スカッフォールド。
【請求項8】
請求項1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記1つまたは複数の可撓性繊維ブリッジは、繊維網状組織を含む、スカッフォールド。
【請求項9】
請求項1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記可撓性繊維ブリッジは、ポリマー材料を含む、スカッフォールド。
【請求項10】
請求項1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記可撓性繊維ブリッジは、シルクを含む、スカッフォールド。
【請求項11】
請求項1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記可撓性繊維ブリッジは、コラーゲンを含む、スカッフォールド。
【請求項12】
請求項1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記可撓性繊維ブリッジは、生体吸収性材料を含む、スカッフォールド。
【請求項13】
請求項1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記可撓性繊維ブリッジは、非生体吸収性材料を含む、スカッフォールド。
【請求項14】
請求項1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記径方向に拡張可能な2つまたは3つ以上のステントセグメントは、肌理のある表面を含む、スカッフォールド。
【請求項15】
請求項1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記径方向に拡張可能な2つまたは3つ以上のステントセグメント、および、前記1つまたは複数の可撓性繊維ブリッジのうち、少なくとも1つは、それに付着した治療用物質を含む、スカッフォールド。
【請求項16】
請求項1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記径方向に拡張可能な2つまたは3つ以上のステントセグメント、および、前記1つまたは複数の可撓性繊維ブリッジのうち、少なくとも1つは、それに組み込まれた治療用物質を含む、スカッフォールド。
【請求項17】
請求項1に記載の植え込み可能な管腔内医療用スカッフォールドにおいて、
前記1つまたは複数の可撓性繊維ブリッジは、絡み合った網状組織を形成する、スカッフォールド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−52306(P2013−52306A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−279248(P2012−279248)
【出願日】平成24年12月21日(2012.12.21)
【分割の表示】特願2008−140447(P2008−140447)の分割
【原出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(597041828)コーディス・コーポレイション (206)
【氏名又は名称原語表記】Cordis Corporation
【Fターム(参考)】