説明

ステータス表示切替

【課題】 複数のマイクロプロセッサで構成されたコンピュータシステムで,コンピュータシステムの状態を表示するステータス表示器を制御するマイクロプロセッサに異常が生じ,ステータス表示ができななくなった場合にも他のマイクロプロセッサがステータス表示する事によって,不具合の解析を容易にし,コンピュータシステムの異常を迅速に復元する。
【解決手段】 コンピュータシステムの状態を表示するステータス表示器と,ステータス表示用信号を切り換えるセレクタと,複数のマイクロプロセッサ同士の状態をお互いに相互監視する相互監視用信号とを有し,通常,ステータス表示器を制御するマイクロプロセッサが異常になった場合,セレクタによりステータス表示用信号を切り替え,他のマイクロプロセッサがステータス表示器を制御できるようにする事を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数のマイクロプロセッサで構成されたコンピュータシステムの状態を表示するステータス表示器を有した組み込み型制御装置において,ステータス表示を制御するマイクロプロセッサが異常を起こした場合でもコンピュータシステムの状態を表示できる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のマイクロプロセッサで構成された組み込み型制御装置では,従来,マイクロプロセッサ毎に状態表示をする為のLEDを数個組み合わせた簡単な表示器を設けるのが一般的であったが,近年,システムが複雑になり,簡単な表示器では表示しきれなくなり,また,コスト・スペース上の問題等で簡単な表示器を設けれないことも多くなっている。
【0003】
そこで,近年は多くの情報を表示できるステータス表示器を設けて複数のマイクロプロセッサの状態を一括して表示する方法が採られている。図2に従来の方法のブロック図を示す。しかし,ステータス表示を制御するマイクロプロセッサは1つに限定され,そのマイクロプロセッサが異常を起こすと,その他のマイクロプロセッサが正常であってもコンピュータシステムの状態を表示できなくなってしまい,不具合原因を特定することが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-292801
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は,上述した1つのマイクロプロセッサでしか表示できない多くの情報を表示できるステータス表示器を用いて,その他のマイクロプロセッサから表示制御できるようにする方法を提供する事によって,通常ステータス表示を制御しているマイクロプロセッサに異常が生じた場合にも容易に不具合の解析ができ,コンピュータシステムの異常からの復元を迅速にする事にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する為に,コンピュータシステムの状態を表示するステータス表示器と,ステータス表示用信号を切り換えるセレクタと,複数のマイクロプロセッサ同士の状態をお互いに相互監視する相互監視用信号とを有する事を特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば,通常ステータス表示を制御しているマイクロプロセッサ(プロセッサ1)に異常が生じた場合にも,その他のマイクロプロセッサ(プロセッサ2)がステータス表示し,容易に不具合の解析ができ,コンピュータシステムの異常からの復元を迅速にする事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明によるステータス表示実施例ブロック図
【図2】従来のステータス表示例ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下,本発明の実施例を説明する。
【実施例】
【0010】
本発明によるステータス表示方法の実施例を図1を参照して説明する。図1は,本発明による実施例を示すブロック図である。図1のコンピュータシステムは複数のマイクロプロセッサを有し,ステータス表示器 3にセレクタ 4を介してそれぞれのステータス表示用信号をやり取りする例で,通常,図1のプロセッサ2 2のステータスを表示する場合は,相互監視用信号 8を介してプロセッサ1 1がプロセッサ2 2から情報を入手し,プロセッサ1 1が表示する。
【0011】
それぞれのステータス表示用信号及び相互監視用信号はそれぞれのマイクロプロセッサのバス信号を使用しても実現は可能であり,ステータス表示器 3は各マイクロプロセッサの状態であるステータスを表示するだけではなく,ステータス表示器 3側にスイッチ等を設けてオペレータからどんな情報を表示するかを指定する事もできるように双方向の信号になっている。
【0012】
セレクタ 4は,通常プロセッサ1 1側に接続されており,プロセッサ1 1が異常になり,ステータス表示器 3を制御できなくなってしまった場合,プロセッサ2 2が相互監視用信号 8からプロセッサ1 1が異常になったと判断し,セレクタ 4をプロセッサ2 2側に切り換え,プロセッサ2 2がステータス表示器 3を制御する。
【0013】
相互監視用信号 8は一定時間毎に相手側 プロセッサ1 1であればプロセッサ2 2,プロセッサ2 2であればプロセッサ1 1の状態を監視するための信号で,通常はそれぞれのマイクロプロセッサ間に双方向RAM(Random Access Memory)を設けてデータをやり取りし監視する。ウォッチドッグタイマー信号を用いて監視する方法も考えられる。
【符号の説明】
【0014】
1 プロセッサ1
2 プロセッサ2
3 ステータス表示器
4 セレクタ
5 ステータス表示器用信号
6 プロセッサ1ステータス表示用信号
7 プロセッサ2ステータス表示用信号
8 相互監視用信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のマイクロプロセッサで構成された組み込み型制御装置のコンピュータシステムにおいて
コンピュータシステムの状態を表示するステータス表示器と,
ステータス表示用信号を切り換えるセレクタと,
複数のマイクロプロセッサ同士の状態をお互いに相互監視する相互監視用信号とを
備えた事を特徴とするステータス表示切り換え方法。
【請求項2】
通常,ステータス表示器を制御するマイクロプロセッサが異常になった場合,セレクタによりステータス表示用信号を切り替え,他のマイクロプロセッサがステータス表示器を制御できるようにする事を特徴とする請求項1記載のステータス表示器のステータス表示切り換え方法。
【請求項3】
ステータス表示用信号としてそれぞれのマイクロプロセッサのステータス信号を用いる事を特徴とする請求項1記載のステータス表示器のステータス表示切り換え方法。
【請求項4】
ステータス表示用信号としてそれぞれのマイクロプロセッサのバス信号を用いる事を特徴とする請求項1記載のステータス表示器のステータス表示切り換え方法。
【請求項5】
相互監視用信号としてそれぞれのマイクロプロセッサ間に双方向RAM(Random Access Memory)を用いる事を特徴とする請求項1記載のステータス表示器のステータス表示切り換え方法。
【請求項6】
相互監視用信号としてそれぞれのマイクロプロセッサのウォッチドッグタイマー信号を用いる事を特徴とする請求項1記載のステータス表示器のステータス表示切り換え方法。

【図1】
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【図2】
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