説明

ストレス軽減ガラス

【課題】太陽光を浴びることによって生じるストレスや疲労感を軽減し、免疫力の低下を抑制することのできるストレス軽減ガラスを提供する。
【解決手段】ガラス板(10、40)とガラス板上に形成された多層膜(20)とを備えるガラス積層体(1)であって、波長380nm以上450nm以下における可視光線透過率の平均値T1が35%以下であり、波長525nm以上625nm以下における可視光線透過率の平均値T2が80%以上である

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガラス積層体に関し、より特定的にはストレス軽減特性を有する窓ガラス等のガラス積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、居住性や安全性を高めたガラスが広く普及している。近年では種々の性能を有するガラスに対するニーズが高まり、これに伴い、建築物用多機能ガラスや自動車用多機能ガラス等が普及しつつある。
【0003】
現在の自動車に使われている一般的なガラスは、主にフロントガラスに用いられる合わせガラスと、主にドアガラスやリヤガラスに用いられる強化ガラスの2種類に分けられる。特にフロントガラスは乗員に対して十分な視界を提供する必要があり、高い可視光透過性が求められる。さらに近年では、可視光だけでなく、様々な波長の光をコントロールすることにより、いくつもの役割を果たすガラスが提案されている(非特許文献1)。様々な波長の光をコントロールするガラスとして、例えば微量な金属元素を添加することにより発色をコントロールしたガラスや、表面にUV吸収剤をコーティングして紫外線を遮光したガラス、さらに2枚の板ガラスの間に赤外線吸収剤を設けて熱負荷を軽減させたガラス等が知られている。
【0004】
特許文献1には、人的物的両面で居住性と安全性をより高めて、高環境性を有し軽量化を可能とした濃色グレー系ガラスが提案されている。特許文献1の濃色グレー系ガラスは、可視光透過率Tvを50%以下、日射透過率Ts45%以下ならびに紫外線透過率Tuvを15%以下、しかも波長350nmにおける紫外線透過率Tuv350を8%以下かつ波長370nmにおける紫外線透過率Tuv370を35%以下としている。この構成により、特許文献1は高性能の紫外線および赤外線の吸収で、特に紫外線Bを遮蔽し紫外線Aをより遮り、プライバシー性能を有し、濃いグレー系色調を呈し、かつ易強化性に優れた濃色グレー系ガラスを提供することができるとしている。
【0005】
また特許文献2には、自動車の室内内装の高級化に伴う内装材の劣化防止の要請や冷房負荷低減の観点から紫外線赤外線吸収効果を有する緑色ガラスが提案されている。特許文献2の紫外線赤外線吸収緑色ガラスは、酸化鉄、CeO2、TiO2、NiO、CoOを適量に含み、可視光透過率を70%以上、全太陽光透過率を60%以下、紫外線透過率を25%以下としている。この構成により、特許文献2は高い可視光透過率と緑色系の色調を有する紫外線赤外線吸収ガラス、特に風冷強化して用いられる場合には強化前後の色味の変化を抑制するために、とりわけ自動車に用いられる窓ガラスとして好適であるとしている。
【非特許文献1】「自動車技術Vol.60 No.5」自動車技術会、2006年5月、p.59−63
【特許文献1】特開平10−72236号公報
【特許文献2】特開2002−160938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年の研究により、人体が太陽光に連続的にさらされると免疫力が低下したり、疲労感やストレスが増大することが知られている。特に太陽光はガラスを介して車両内に入射するため、乗員は長時間に渡って太陽光にさらされる場合も多い。そのため、従来のガラスを介して太陽光を浴びた車両内の乗員は、ストレスや疲労感が増大したり、免
疫力が低下するという問題があった。
【0007】
これに対して特許文献1及び2は、人間の皮膚の老化を促進させると言われる紫外線や、熱負荷を与え車内温度を上昇させる赤外線の入射を防止したり、車室内のプライバシー機能を実現するガラスを提案している。しかしながら、人間特性(ストレス軽減、疲労軽減及び免疫力向上)を考慮したガラスについては提案されていない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、太陽光を浴びることによって生じるストレスや疲労感を軽減し、免疫力の低下を抑制することのできるストレス軽減ガラスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、以下の構成を備えるガラス積層体によって達成される。
ガラス板とガラス板上に形成された多層膜とを備えるガラス積層体であって、
波長380nm以上450nm以下における可視光線透過率の平均値T1が35%以下であり、波長525nm以上625nm以下における可視光線透過率の平均値T2が80%以上である。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明により太陽光にさらされることによって生じるストレスや疲労感を軽減し、免疫力の低下を抑制することのできるストレス軽減ガラスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(実施の形態1)
次に、本実施の形態のストレス軽減ガラスについて説明する。一般的に、生体がストレスにさらされると副腎からホルモンが分泌される。特に、分泌されるホルモンに含まれるコルチゾールは、生体にストレスが加わると急激に血液中の濃度が増大する。また、生体に加わるストレスにより、疲労感を生じさせるTGF−βや、免疫力を低下させるIL10が過剰に分泌される。上述のように、長時間に渡って太陽光を浴びると、コルチゾールやTGF−β、IL10の分泌量が増加することが知られている。そこで、本実施の形態のストレス軽減ガラスは、太陽光を浴びることによって分泌されるコルチゾールやTGF−β、IL10の増加を抑制することを特徴としている。
【0012】
なお、ガラス積層体としては、1枚のガラス板に多層膜が設けられたものであってもよく、複数枚のガラス板が中間層を介して積層された合わせガラスであってもよい。合わせガラスである場合、多層膜は1枚のガラス板のみに設けられてもよく、複数枚のガラス板に設けられてもよい。さらに、これらに使用されるガラス板は強化処理が施されていてもよい。特に強化処理された1枚のガラス板に多層膜を備えたものは、自動車のリヤガラス等に好適に使用できる。また、合わせガラスは自動車のフロントガラスに好適に使用できる。なお、本実施の形態では、説明を簡略化するために、上記のガラス積層体を単にストレス軽減ガラスと称する。
【0013】
具体的には、本実施の形態のストレス軽減ガラスは、人間特性(ストレス、疲労及び免疫力)を考慮した最適な分光特性を有している。詳細には、ストレス軽減ガラス1は、波長380nm以上450nm以下における可視光線の透過率の平均値T1と波長525nm以上625nm以下における可視光線の透過率の平均値T2の比(T1/T2)が0.45以下となるように構成される。なお、本実施の形態ではストレス軽減ガラス1を車両用ガラス、特に自動車のフロントガラスに適用した場合を例に説明する。かかる場合、ストレス軽減ガラス1は、T1/T2が0.45以下でかつ、波長380nm以上450nm以下における可視光線の透過率の平均値T1が85%以下、波長525nm以上625nm
以下における可視光線の透過率の平均値T2が80%以上となるように構成される。より好ましくは、波長380nm以上450nm以下における可視光線の透過率の平均値T1が20%以下、波長525nm以上625nm以下における可視光線の透過率の平均値T2が90%以上となるように構成される。以下、ストレス軽減ガラス1の具体的な構成について説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態に係るストレス軽減ガラスの構造を示す概略断面図である。ここで、自動車のフロントガラスには安全性能を確保するために合わせガラスが用いられる。図1において、ストレス軽減ガラス1は、車外側から順に、車外側ガラス板10と多層膜20と中間膜30と車内側ガラス板40と多層膜20とを備える。
【0015】
車外側ガラス板10及び車内側ガラス板40には、例えばソーダライムシリカガラスが用いられ、無色透明ガラスでも有色透明ガラスのどちらでもよい。なお、有色透明ガラスとしてはグリーン系有色ガラスが好ましい。詳細には、グリーン系有色透明ガラスは、鉄を含有するソーダライムシリカガラスであり、ソーダライムシリカ系の母ガラスに質量百分率で表示して、例えばFe23換算した全鉄0.3〜1%を含有する。
【0016】
さらに車外側ガラス板10及び車内側ガラス板40に対して紫外線吸収性能を付与する場合には、ソーダライムシリカ系の母ガラスにセリウム等を加えることが望ましい。したがって、車外側ガラス板10及び車内側ガラス板40の好ましい組成は、質量百分率で表示して、65〜75%のSiO2、0.1〜5%のAl23、10〜18%のNa2O+K2O、5〜15%のCaO、1〜6%のMgO、0.3〜1%のFe23換算した全鉄、および0.5〜2%のCeO2換算した全セリウムおよび/またはTiO2である。
【0017】
また、本実施の形態のストレス軽減ガラス1は自動車のフロントガラスに用いるため、車外側ガラス板10及び車内側ガラス板40の厚さは1.5〜3.0mmであることが好ましい。
【0018】
多層膜20は、車外側ガラス板10の車内側面及び車内側ガラスの車内側面のそれぞれにコーティングされる。多層膜20は、ガラス板側から順に、ガラス板の屈折率よりも高い屈性率の材料(以下、単に高屈折率材料という)からなる高屈折率層と、高屈折率材料よりも低い屈折率の材料(以下、単に低屈折率材料という)からなる低屈折率層とが交互に積層される。
【0019】
高屈折率層は、波長550nmにおける屈折率が2.10以上であり、好ましくは2.20〜2.60である。より望ましい屈折率は2.40〜2.60である。高屈折材料には、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ及び酸窒化チタン等が用いられる。
【0020】
低屈折率層は、波長550nmにおける屈折率が1.56以下であり、好ましくは1.40〜1.56である。より望ましい屈折率は1.40〜1.48である。低屈折材料には、例えば酸化ケイ素が用いられる。
【0021】
図2(a)、(b)は、多層膜20の構成を示す拡大断面図である。図2(a)に示すように、多層膜20は、ガラス板側から順に、厚さ105〜130nmの高屈折率層H1及び高屈折率層H2と、厚さ70〜110nmの低屈折率層L1と、それら3層の合計厚さが280〜370nmで構成されることが好ましい。より望ましい各層の厚さは、高屈折率層H1及びH2がそれぞれ110〜125nm、低屈折率層L1が80〜100nm、3層の合計厚さが300〜350nmである。多層膜20の具体的な構成は、例えばガラス側から順にTiO2/SiO2/TiO2である。
【0022】
また、例えば図2(b)に示すように多層膜20は、図2(a)の高屈折率層H1の部分を「高屈折率層H/低屈折率層L/高屈折率層H」の3層に分割した構成でもよい。ここで、「高屈折率層H/低屈折率層L/高屈折率層H」からなる3層の厚さの合計は、高屈折率層H1の厚さ(105〜130nm)と等しくなるように構成される。多層膜20の具体的な構成は、例えばガラス側から順にTiO2/SiO2/TiO2/SiO2/TiO2である。
【0023】
多層膜20は、例えば公知のスパッタリング法を用いてTiO2とSiO2とが交互に積層される。スパッタリング法としては、DC(直流)スパッタリング方式やAC(交流)スパッタリング方式、高周波スパッタリング方式、マグネトロンスパッタリング方式等が挙げられる。特に、DC(直流)スパッタリング方式及びAC(交流)スパッタリング方式は、プロセスが安定しており、表面積の大きい箇所にも成膜が容易である。なお、多層膜20はスパッタリング法に限られず、真空蒸着法や気相成長法など公知の技術を用いて成膜されてもよい。
【0024】
多層膜20と車内側ガラス板40との間には中間膜30が構成される。中間膜30は、例えばポリビニルブチラール系膜またはエチレン―酢酸ビニル共重合体系膜からなる。赤外線遮蔽効果を持たせるために、ポリビニルブチラール系膜またはエチレン―酢酸ビニル共重合体系膜に赤外線遮光性微粒子を分散配合してもよい。
【0025】
上記の構成を備えたストレス軽減ガラス1について分光光度計を用いて透過率を測定した。図3は、本実施の形態のストレス軽減ガラス1の分光透過率曲線を示し、実線はストレス軽減ガラス1の分光透過率曲線である。なお、参考のために従来のガラスの分光透過率曲線を破線で示す。グラフの縦軸は透過率(%)であり、横軸は波長(nm)である。
【0026】
図3に示すようにストレス軽減ガラス1は、波長380nm以上450nm以下における可視光線の透過率の平均値T1と、波長525nm以上625nm以下における可視光線の透過率の平均値T2の比(T1/T2)を0.45以下にすることができる。
【0027】
また図3に示すように、波長380nm以上450nm以下における可視光線の透過率の平均値T1は20%以下である。さらに波長525nm以上625nm以下における可視光線の透過率の平均値T2は90%以上である。したがって、本実施の形態のストレス軽減ガラス1は、運転者の視界を妨げることなく、また法規で定められた透過率を確保することができる。
【実施例】
【0028】
次にストレス軽減ガラス1を用いた実施例について説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
【0029】
上記構成を備えたストレス軽減ガラス1を自動車のフロントガラスとして設置し、被験者試験を行った。被験者試験は、ストレス軽減ガラス1を透過した太陽光を浴びた被験者から血液を採取し、血液中に含まれるコルチゾール、TGF−β及びIL10の分泌量をそれぞれ測定した。被験者は20〜30歳代が4人、40〜50歳代が4人の合計8人である。被験者試験の実施手順は次の通りである。まず実験を開始する前に各被験者の血液が採取される。続いて、8人の被験者はストレス軽減ガラスが設置された自動車に乗車し、ストレス軽減ガラス1を介して太陽光に約90分間さらされる。そして約1時間経過した後、各被験者の血液が採取される。以上により得られた実験開始前及び実験後の血液を分析し、血液中に含まれるコルチゾール、TGF−β及びIL10の変化量が測定される。かかる被験者試験は、ストレス軽減ガラス1及び従来のガラスの2種類のガラスについ
て実施した。
【0030】
図4〜図6は、被験者試験の結果を示す。図4はコルチゾール分泌の変化量、図5はTGF−β分泌の変化量、図6はIL10分泌の変化量を示す。各図において、従来のガラスにおける各物質の分泌の変化量を1として、各物質の分泌の変化量を比率で示している。なお、上記結果は被験者8人の平均値である。図4に示すように、ストレスが加わることによって分泌されるコルチゾールの変化量の比率は、従来のガラスにおいて分泌されるコルチゾール変化量を1としたとき、ストレス軽減ガラス1では0.29である。すなわち、ストレス軽減ガラス1を用いることによって、コルチゾール分泌量が約70%軽減されている。
【0031】
図5に示すように、疲労感が生じることによって分泌されるTGF−βの変化量の比率は、従来のガラスが1に対して、ストレス軽減ガラス1では0.74であることが分かる。すなわち、ストレス軽減ガラス1を用いることによって、TGF−βの分泌量が約25%軽減されている。
【0032】
また図6に示すように、免疫力の低下に影響を与えるIL10の変化量の比率は、従来のガラスが1に対して、ストレス軽減ガラス1では0.3であることが分かる。すなわち、ストレス軽減ガラス1を用いることによって、IL10の分泌量が約65%軽減され、免疫力の低下を抑制することができる。
【0033】
以上のように、本実施の形態のストレス軽減ガラス1は、波長380nm以上450nm以下における可視光線の透過率の平均値T1と波長525nm以上625nm以下における可視光線の透過率の平均値T2の比(T1/T2)が0.45以下となるので、太陽光を浴びることによって生じるコルチゾール、TGF−β及びIL10の分泌量を軽減することができる。これにより、ストレスや疲労感を軽減し、免疫力の低下を抑制することのできるガラスを提供できる。
【0034】
また、本実施の形態のストレス軽減ガラスは、波長380nm以上450nm以下における可視光線の透過率の平均値T1が20%、波長525nm以上625nm以下における可視光線の透過率の平均値T2が90%以上となるように構成されるので、視界を妨げることがなく、また70%以上の透過率を確保することができるので、自動車のフロントガラスにも適用できる。
【0035】
なお、本実施の形態におけるストレス軽減ガラスは、波長380nm以上450nm以下における可視光線の透過率の平均値T1が20%以上、波長525nm以上625nm以下における可視光線の透過率の平均値T2が90%以上となるように構成されたが、これに限られない。波長380nm以上450nm以下における可視光線の透過率の平均値T1を35%以下、波長525nm以上625nm以下における可視光線の透過率の平均値T2を80%以上、かつT1/T2を0.45以下となるように構成されたガラスであれば、従来のガラスと比較してストレス軽減の効果を得ることができる。
【0036】
なお、本実施の形態のストレス軽減ガラスは、車内に入射する太陽光の輻射エネルギーを遮蔽するために、多層膜20と車内側ガラス板40との間に中間膜を構成したが、これに限られない。本実施の形態では中間膜の構成例として赤外線遮光性微粒子が分散配合されたポリビニルブチラール系膜またはエチレン―酢酸ビニル共重合体系膜を示したが、これに限られず、公知の技術を用いて赤外線を遮蔽してもよい。また、紫外線吸収性能を付与するために各ガラス板にセリウムを添加したが、例えば中間層に紫外線吸収剤を添加してもよい。
【0037】
なお、本実施の形態では、ストレス軽減ガラスを自動車のフロントガラスに適用した例を示したが、これに限られない。例えば、自動車のリヤガラス(リヤ席ガラス、バックウィンドガラス)に適用してもよい。すなわち、ストレス軽減ガラスは、合わせガラスだけでなく単板ガラスにも適用可能である。かかる場合、ストレス軽減ガラスは、T1/T2が0.45以下となるように構成されればよい。また、自動車に限られず、鉄道車両や航空機、船舶等、建築用窓ガラス、サングラス等にストレス軽減ガラスを適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
太陽光を浴びることによって生じるストレスや疲労感を軽減し、免疫力低下の抑制が可能なガラスが要望される自動車、鉄道車両、航空機、船舶用窓ガラスや、建築用窓ガラス、サングラス等に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施の形態に係るストレス軽減ガラスの構造を示す概略断面図
【図2】実施の形態に含まれる多層膜の構成を示す拡大断面図
【図3】実施の形態に係るストレス軽減ガラスの分光透過率曲線
【図4】実施例におけるコルチゾール分泌の変化量を示す図
【図5】実施例におけるTGF−β分泌の変化量を示す図
【図6】実施例におけるIL10分泌の変化量を示す図
【符号の説明】
【0040】
1 ストレス軽減ガラス
10 車外側ガラス板
20 多層膜
30 中間膜
40 車内側ガラス板
H 高屈折率層
L 低屈折率層



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス板と前記ガラス板上に形成された多層膜とを備えるガラス積層体であって、
波長380nm以上450nm以下における可視光線透過率の平均値T1が35%以下であり、波長525nm以上625nm以下における可視光線透過率の平均値T2が80%以上である、ガラス積層体。
【請求項2】
前記ガラス積層体は、第1のガラス板と多層膜と中間膜と第2のガラス板と前記多層膜とが順次積層された合わせガラスである、請求項1に記載のガラス積層体。
【請求項3】
前記多層膜は、各前記ガラス板から順に、各前記ガラス板よりも大きい屈折率を有する高屈折率層と、前記高屈折率層よりも小さい屈折率を有する低屈折率層とが交互に積層される、請求項2に記載のガラス積層体。
【請求項4】
前記多層膜は、各前記ガラス板から順に、各前記ガラス板よりも大きい屈折率を有する高屈折率層と、前記高屈折率層よりも小さい屈折率を有する低屈折率層とが交互に積層され、合計の層数が少なくとも3層である、請求項2に記載のガラス積層体。
【請求項5】
前記多層膜は、各前記ガラス板から順に、各前記ガラス板よりも大きい屈折率を有する高屈折率層と、前記高屈折率層よりも小さい屈折率を有する低屈折率層とが交互に積層され、
前記高屈折率層は、波長550nmにおける屈折率が2.20〜2.60で、かつ膜厚が110〜130nmであり、
前記低屈折率層は、波長550nmにおける屈折率が1.40〜1.56で、かつ膜厚が70〜110nmである、請求項2に記載のガラス積層体。
【請求項6】
前記多層膜は、各前記ガラス板から順に、前記ガラス板よりも大きい屈折率を有する高屈折率層と、前記高屈折率層よりも小さい屈折率を有する低屈折率層とが交互に積層され、
前記高屈折率層は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ及び酸窒化チタンからなる群から選ばれた少なくとも1つを含有し、
前記低屈折率層は、少なくとも酸化ケイ素を含有する、請求項2に記載のガラス積層体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−111516(P2010−111516A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−13479(P2007−13479)
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(506122327)公立大学法人大阪市立大学 (122)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】