説明

ストレージ装置の起動可能なディスクグループ数の管理

【課題】外部に設けられたストレージ装置において起動中のディスクグループの数が制限される場合に、該ストレージ装置において適切な論理ボリュームを利用することのできる技術を提供する。
【解決手段】管理装置は、外部に設けられたストレージ装置を管理する。管理装置は、ストレージ装置から、ストレージ装置に含まれる複数のディスクグループのうちの起動中のディスクグループを示す管理データを取得する。また、管理装置は、管理データを参照して、ストレージ装置内の起動中のディスクグループの数が上限値を超えないように、ストレージ装置内のディスクグループに属する論理ボリュームを利用するための所定の処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレージシステムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ストレージ装置は、多数のディスクを備えている。多数のディスクをすべて動作させると、ストレージ装置の消費電力は大きくなってしまう。
【0003】
従来では、ストレージ装置内で同時に起動可能なRAIDグループの数を制限することによって、ストレージ装置の消費電力が抑制されている。
【0004】
【特許文献1】米国特許第5423046号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来では、管理装置が仮想化等の技術を利用して外部に設けられたストレージ装置を管理する場合において、該ストレージ装置内の論理ボリュームを適切に利用することは困難であった。これは、管理装置が該ストレージ装置内の起動中のRAIDグループの数を管理することが困難なことに起因する。
【0006】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、外部に設けられたストレージ装置において起動中のディスクグループの数が制限される場合に、該ストレージ装置において適切な論理ボリュームを利用することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第1の装置は、外部に設けられたストレージ装置を管理するための管理装置であって、
前記ストレージ装置から、前記ストレージ装置に含まれる複数のディスクグループのうちの起動中のディスクグループを示す管理データを取得するための管理データ取得部と、
前記ストレージ装置の前記管理データを参照して、前記ストレージ装置内の起動中のディスクグループの数が上限値を超えないように、前記ストレージ装置内のディスクグループに属する論理ボリュームを利用するための所定の処理を実行する処理実行部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
この装置では、外部のストレージ装置の管理データを参照して、起動中のディスクグループの数が上限値を超えないように、ストレージ装置内のディスクグループに属する論理ボリュームを利用するための所定の処理が実行されるため、ストレージ装置において起動中のディスクグループの数による制限を受けることなく、適切な論理ボリュームを利用することが可能となる。
【0009】
上記の装置において、さらに、
少なくとも1台のストレージ装置に含まれる論理ボリュームを仮想ボリュームにマッピングするための仮想化部を備え、
前記処理実行部は、
前記仮想ボリュームに論理ボリュームをマッピングする場合に、前記少なくとも1台のストレージ装置の前記管理データを参照して、前記各ストレージ装置内の起動中のディスクグループの数が前記上限値を超えないように、前記少なくとも1台のストレージ装置に含まれ、前記仮想ボリュームにマッピングされる前記論理ボリュームを作成可能な複数の記憶領域を示す複数の候補を選択するための候補選択部と、
前記複数の候補の中から選択された1つの候補に対応する記憶領域を含む特定のストレージ装置に、前記1つの候補に対応する前記記憶領域に論理ボリュームを作成するように指示する作成指示部と、
を備え、
前記仮想化部は、前記作成された論理ボリュームを前記仮想ボリュームにマッピングするようにしてもよい。
【0010】
こうすれば、仮想ボリュームに論理ボリュームを迅速にマッピングすることができる。すなわち、ストレージ装置における起動中のディスクグループの数が上限値を超えないように論理ボリュームを作成可能な複数の記憶領域を示す複数の候補が選択されれば、複数の候補の中から選択された1つの候補を利用することによって、迅速に、論理ボリュームを作成し、仮想ボリュームに作成された論理ボリュームをマッピングすることができる。
【0011】
上記の装置において、
前記候補選択部は、
前記仮想ボリュームの容量の利用率を取得する利用率取得部を備え、
前記候補選択部は、
前記利用率が所定値を超えた場合に、前記仮想ボリュームに新たな論理ボリュームをマッピングするために、前記複数の候補を選択するようにしてもよい。
【0012】
こうすれば、仮想ボリュームの容量の利用率が所定値を超えた場合に、迅速に、仮想ボリュームの容量を増大させることができる。
【0013】
上記の装置において、
前記候補選択部は、予め設定された条件を満足する論理ボリュームを作成可能な記憶領域を前記候補として選択するようにしてもよい。
【0014】
こうすれば、適切な論理ボリュームを容易に作成して、該論理ボリュームを仮想ボリュームにマッピングすることができる。
【0015】
上記の装置において、
前記候補選択部は、
前記候補として、前記少なくとも1台のストレージ装置に含まれる2以上の部分記憶領域を含む前記記憶領域を選択可能であり、
前記2以上の部分記憶領域を含む前記記憶領域は、前記少なくとも1台のストレージ装置のそれぞれにおける起動中のディスクグループの数が前記上限値を超えない場合に、前記候補として選択されるようにしてもよい。
【0016】
上記の装置において、
前記処理実行部は、さらに、
所定のルールに従って、前記複数の候補の中から前記1つの候補を選択するための候補決定部を備えることが好ましい。
【0017】
こうすれば、1つの候補を容易に選択することができる。
【0018】
あるいは、上記の装置において、さらに、
少なくとも1台のストレージ装置に含まれる論理ボリュームを仮想ボリュームにマッピングするための仮想化部を備え、
前記処理実行部は、
前記仮想ボリュームに論理ボリュームをマッピングする場合に、前記少なくとも1台のストレージ装置の前記管理データを参照して、前記各ストレージ装置内の起動中のディスクグループの数が前記上限値を超えないように、前記少なくとも1台のストレージ装置に含まれ、前記仮想ボリュームにマッピング可能な複数の論理ボリュームを示す複数の候補を選択するための候補選択部を備え、
前記仮想化部は、前記複数の候補の中から選択された1つの候補に対応する論理ボリュームを前記仮想ボリュームにマッピングするようにしてもよい。
【0019】
こうすれば、仮想ボリュームに論理ボリュームを迅速にマッピングすることができる。すなわち、ストレージ装置における起動中のディスクグループの数が上限値を超えないように複数の論理ボリュームを示す複数の候補が選択されれば、複数の候補の中から選択された1つの候補を利用することによって、迅速に、仮想ボリュームに論理ボリュームをマッピングすることができる。
【0020】
上記の装置において、
前記候補選択部は、他の仮想ボリュームにマッピングされていない論理ボリュームを、前記候補として選択することが好ましい。
【0021】
こうすれば、適切な論理ボリュームを容易に仮想ボリュームにマッピングすることができる。
【0022】
あるいは、上記の装置において、
前記処理実行部は、
少なくとも1台のストレージ装置に論理ボリュームを作成する場合に、前記少なくとも1台のストレージ装置の前記管理データを参照して、前記各ストレージ装置内の起動中のディスクグループの数が前記上限値を超えないように、前記少なくとも1台のストレージ装置に含まれ、論理ボリュームを作成可能な複数の記憶領域を示す複数の候補を選択するための候補選択部と、
前記複数の候補の中から選択された1つの候補に対応する記憶領域を含むストレージ装置に、前記1つの候補に対応する前記記憶領域に論理ボリュームを作成するように指示する作成指示部と、
を備えるようにしてもよい。
【0023】
こうすれば、ストレージ装置内に論理ボリュームを迅速に作成することができる。すなわち、ストレージ装置における起動中のディスクグループの数が上限値を超えないように論理ボリュームを作成可能な複数の記憶領域を示す複数の候補が選択されれば、複数の候補の中から選択された1つの候補を利用することによって、迅速に、論理ボリュームを作成することができる。
【0024】
上記の装置において、
前記候補選択部は、ユーザによって指定される条件を満足する論理ボリュームを作成可能な記憶領域を前記候補として選択することが好ましい。
【0025】
こうすれば、所望の論理ボリュームを容易に作成することができる。
【0026】
あるいは、上記の装置において、
少なくとも1台のストレージ装置には、第1のディスクグループに含まれるコピー元の論理ボリュームと、前記第1のディスクグループと異なる第2のディスクグループに含まれるコピー先の論理ボリュームと、が含まれており、
前記処理実行部は、
特定のストレージ装置に含まれる前記コピー元論理ボリュームに対するデータの読み出し要求が発生した場合に、前記少なくとも1台のストレージ装置の前記管理データを参照して、前記各ストレージ装置内の起動中のディスクグループの数が前記上限値を超えないように、前記コピー元論理ボリュームまたは前記コピー先論理ボリュームを読み出し処理の対象論理ボリュームとして選択するための対象論理ボリューム選択部と、
前記コピー元論理ボリュームを含む前記特定のストレージ装置に、前記対象論理ボリュームの情報を送信する送信部と、
を備えるようにしてもよい。
【0027】
こうすれば、コピー元論理ボリュームに対するデータの読み出し要求が発生した場合に、迅速にデータを読み出すことができる。すなわち、ストレージ装置における起動中のディスクグループの数が上限値を超えないようにコピー元論理ボリュームまたはコピー先論理ボリュームが対象論理ボリュームとして選択されれば、該対象論理ボリュームに対する読み出し処理を実行することによって、迅速にデータを読み出すことができる。
【0028】
上記の装置において、
前記コピー元論理ボリュームと前記コピー先論理ボリュームとは、前記特定のストレージ装置に含まれていてもよいし、異なるストレージ装置に含まれていてもよい。
【0029】
上記の装置において、
前記対象論理ボリューム選択部は、前記各ストレージ装置内の起動中のディスクグループの数が前記上限値を超えないように、前記コピー元論理ボリュームと前記コピー先論理ボリュームとの双方を前記対象論理ボリュームとして選択可能である場合には、ディスクグループの新たな起動を必要としない一方の論理ボリュームを優先して選択することが好ましい。
【0030】
こうすれば、ディスクグループの起動に要する消費電力を低減させることができる。
【0031】
また、本発明の他の装置は、ストレージシステムであって、
上記の管理装置と、
前記特定のストレージ装置と、
を備え、
前記特定のストレージ装置は、
前記管理装置から前記対象論理ボリュームの情報を取得して、前記情報に応じた処理を実行する制御部を備え、
前記制御部は、
前記対象論理ボリュームが前記特定のストレージ装置に含まれる場合には、前記対象論理ボリュームに対する読み出し処理を実行し、
前記対象論理ボリュームが前記特定のストレージ装置と異なる他のストレージ装置に含まれる場合には、前記他のストレージ装置に前記対象論理ボリュームに対する読み出し処理を実行するように指示することが好ましい。
【0032】
この発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、管理装置、該管理装置を備えるネットワークシステム、これらの装置における管理方法、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A−1.ネットワークシステムの構成:
A−1−1.ストレージ装置の構成:
A−1−2.管理サーバの構成:
A−1−3.仮想化装置の構成:
A−2.各ストレージ装置におけるRAIDグループの管理処理:
A−3.システムRAIDグループ管理テーブルの生成処理:
A−4.仮想ボリュームに対する実ボリュームのマッピング処理:
B.第2実施例:
B−1.ネットワークシステムの構成:
B−1−1.ストレージ装置の構成:
B−1−2.管理サーバの構成:
B−1−3.高機能ストレージ装置の構成:
B−2.仮想ボリュームに対する外部ボリュームのマッピング処理:
C.第3実施例:
C−1.ネットワークシステムの構成:
C−1−1.ストレージ装置の構成:
C−1−2.管理サーバの構成:
C−2.論理ボリュームの作成処理:
D.第4実施例:
D−1.ネットワークシステムの構成:
D−1−1.ストレージ装置の構成:
D−1−2.管理サーバの構成:
D−2.読み出し処理:
E.ストレージ装置の変形例:
【0034】
A.第1実施例:
A−1.ネットワークシステムの構成:
図1は、第1実施例におけるネットワークシステムの概略構成を示す説明図である。ネットワークシステムは、仮想化装置100と、複数のストレージ装置200と、管理サーバ400と、業務サーバなどのホスト700と、を備えている。仮想化装置100と複数のストレージ装置200とホスト700とは、SAN(Storage Area Network)を介して接続されている。また、仮想化装置100と複数のストレージ装置200と管理サーバ400とは、管理用ネットワークNWを介して接続されている。
【0035】
後述するように、仮想化装置100には、仮想ボリュームが作成され、仮想ボリュームには、ストレージ装置200の論理ボリューム(以下、「実ボリューム」とも呼ぶ)がマッピングされる。仮想ボリュームを利用すれば、ホスト700は、仮想化装置100の仮想ボリュームにアクセスすることによって、ストレージ装置200を意識することなく、ストレージ装置200の実ボリュームにアクセスすることができる。
【0036】
A−1−1.ストレージ装置の構成:
図2は、ストレージ装置200の内部構成を示す説明図である。ストレージ装置200は、ストレージコントローラ210と、ディスク装置260と、管理用ネットワークNWに接続される管理用インタフェース(IF)216と、SANに接続されるSANインタフェース(IF)218と、を備えている。なお、管理用IF216は、管理用のデータを管理サーバ400などの他の装置と遣り取りするためのインタフェースであり、SANIF218は、ディスク装置260から読み出されたデータやディスク装置260に書き込まれるデータを仮想化装置100やホスト700などの他の装置と遣り取りするためのインタフェースである。
【0037】
ディスク装置260は、多数のハードディスクを含んでいる。図示するように、ディスク装置260内部には、複数のRAID(Redundant Arrays of Independent(Inexpensive) Disks)グループが設定されており、各RAIDグループは、複数のハードディスクを含んでいる。そして、各RAIDグループには、1以上の論理ボリューム(LU)が設定される。
【0038】
ストレージコントローラ210は、CPU212と、キャッシュ213と、ROMやRAMなどのメモリ214と、ドライブインタフェース(IF)219と、を備えており、ディスク装置260を制御する機能を有する。キャッシュ213は、ディスク装置260に書き込まれるデータまたはディスク装置260から読み出されたデータが一時的に格納される記憶領域である。ドライブIF219は、ディスク装置260内のハードディスクの動作を制御し、ハードディスクからデータを読み出したりハードディスクにデータを書き込んだりするためのインタフェースである。
【0039】
メモリ214には、RAIDグループ制御プログラム222と、RAIDグループ管理テーブル224と、監視エージェント232と、入出力制御プログラム242と、構成管理プログラム252と、構成管理テーブル254と、が格納されている。
【0040】
構成管理プログラム252は、構成管理テーブル254を利用して、ストレージ装置の構成を管理する。具体的には、構成管理プログラム252は、RAIDグループ内に論理ボリュームを作成し、ディスク装置260内の論理ボリュームとRAIDグループとの対応関係を示す構成管理テーブル254を作成および更新する。また、構成管理プログラム252は、構成管理テーブル254の情報が変更されたときに、該テーブルの情報を管理サーバ400に送信する。
【0041】
入出力制御プログラム242は、仮想化装置100やホスト700から与えられるI/Oコマンドに従って、ディスク装置260に対するデータの入出力を制御する。具体的には、入出力制御プログラム242は、仮想化装置100またはホスト700から、ディスク装置260内の特定の論理ボリュームに対するアクセス要求(読み出し要求または書き込み要求)を受け取った場合に、該特定の論理ボリュームに対するアクセス処理(読み出し処理または書き込み処理)を実行する。
【0042】
ただし、入出力制御プログラム242は、RAIDグループ制御プログラム222にアクセス処理の実行の可否を問い合わせ、アクセス処理の実行が許可された場合に、特定の論理ボリュームに対するアクセス処理を実行する。なお、入出力制御プログラム242は、アクセス処理の実行が許可されない場合には、RAIDグループ制御プログラム222から待機するように指示され、アクセス処理の実行が許可されるまで待機する。この際、入出力制御プログラム242は、仮想化装置100またはホスト700に対して、待機中であることを通知する。
【0043】
RAIDグループ制御プログラム222は、RAIDグループ管理テーブル224を利用して、ストレージ装置200に含まれるRAIDグループを管理する。
【0044】
図3は、RAIDグループ管理テーブル224の内容を示す説明図である。図示するように、テーブル224には、「起動RAIDグループ数」と、「起動RAIDグループ番号」と、「上限値」と、が登録されている。「起動RAIDグループ数」と「起動RAIDグループ番号」とは、それぞれ、起動中のRAIDグループの数と識別番号とを示す。「上限値」は、起動中のRAIDグループの数の上限値を示す。なお、上限値は、例えば、ストレージ装置の仕様に応じて、あるいは、ネットワークシステムの管理者等によって、予め設定されている。
【0045】
RAIDグループ制御プログラム222は、RAIDグループ管理テーブル224を参照して、起動中のRAIDグループの数が上限値を超えないように、RAIDグループの起動を制御する。これにより、ストレージ装置200の消費電力が抑制される。
【0046】
具体的には、RAIDグループ制御プログラム222は、特定の論理ボリュームに対するアクセス要求が発生した場合に、構成管理テーブル254を参照して、該特定の論理ボリュームを含む特定のRAIDグループが、上限値による利用制限を受けるか否かを判断する。そして、特定のRAIDグループが利用制限を受けない場合には、RAIDグループ制御プログラム222は、入出力制御プログラム242に対してアクセス処理の実行を許容する。一方、特定のRAIDグループが利用制限を受ける場合には、RAIDグループ制御プログラム222は、入出力制御プログラム242に対して待機するように指示する。
【0047】
また、RAIDグループ制御プログラム222は、RAIDグループが起動した場合や、RAIDグループが停止した場合には、RAIDグループ管理テーブル224を更新する。
【0048】
監視エージェント232(図2)は、RAIDグループ管理テーブル224を監視し、該テーブル224の情報が変更される毎に、RAIDグループ管理テーブルの情報を、仮想化装置100に供給する。
【0049】
A−1−2.管理サーバの構成:
管理サーバ400(図1)は、CPU412と、メモリ414と、管理用IF416と、キーボードやマウスなどの入力部418と、表示部419と、を備えている。
【0050】
メモリ414には、システム構成管理プログラム422と、システム構成管理テーブル424と、が格納されている。
【0051】
システム構成管理プログラム422は、各ストレージ装置200の構成を示す情報を各ストレージ装置200の構成管理プログラム252から取得し、システム構成管理テーブル424を作成および更新する。
【0052】
図4は、システム構成管理テーブル424の内容を示す説明図である。図示するように、テーブル424には、論理ボリューム毎に、「装置名」と、「モデル」と、「LU_ID」と、「RAIDグループ番号(RAIDレベル)」と、「サイズ」と、「使用サイズ」と、が登録されている。「装置名」は、特定の論理ボリュームが属するストレージ装置の名前を示し、「モデル」は、該ストレージ装置の機種を示す。また、「LU_ID」は、特定の論理ボリューム(LU)の識別番号を示し、「RAIDグループ番号(RAIDレベル)」は、該論理ボリュームが属するRAIDグループの番号および該RAIDグループのRAIDレベルを示す。「サイズ」は、特定の論理ボリュームの総容量を示し、「使用サイズ」は、該論理ボリュームの使用中の容量を示す。「LU_ID」欄の「未割当」は、論理ボリュームが未だ作成されていない記憶領域を示している。
【0053】
例えば、図4のシステム構成管理テーブル424の2番目の項目から、「ストレージ装置A」には、RAIDレベル「5」のRAIDグループ「02」が含まれており、該RAIDグループには、論理ボリューム「02」が含まれており、該論理ボリュームの「50G」バイトの容量うちの「2G」バイトの容量が使用中であることが分かる。
【0054】
なお、前述した各ストレージ装置200の構成管理テーブル254(図2)には、システム構成管理テーブル424に登録された複数のストレージ装置に関する情報のうち、対応するストレージ装置に関する「モデル」と「LU_ID」と「RAIDグループ番号(RAIDレベル)」と「サイズ」と「使用サイズ」とが登録されている。
【0055】
A−1−3.仮想化装置の構成:
仮想化装置100(図1)は、CPU112と、ROMやRAMなどのメモリ114と、管理用IF116と、SANIF118と、を備えている。
【0056】
メモリ114には、仮想化プログラム122と、仮想化管理テーブル124と、AOU(Allocation On Use)プログラム132と、AOU管理テーブル134と、候補管理テーブル136と、システムRAIDグループ管理プログラム142と、システムRAIDグループ管理テーブル144と、が格納されている。
【0057】
仮想化プログラム122は、仮想ボリュームを作成し、ストレージ装置200の論理ボリューム(実ボリューム)を仮想ボリュームにマッピングし、仮想ボリュームを管理する。仮想化プログラム122は、システム構成管理テーブル424(図4)を参照して、仮想化管理テーブル124を作成する。
【0058】
図5は、仮想化管理テーブル124の内容を示す説明図である。図示するように、テーブル124には、仮想ボリューム毎に、「仮想ボリュームID」と、「仮想ボリュームサイズ」と、「実ボリューム」と、「実ボリュームサイズ」と、「使用サイズ」と、が登録されている。「仮想ボリュームID」は、仮想ボリュームの識別番号を示す。「仮想ボリュームサイズ」は、仮想ボリュームの設定値であり、最大容量を示す。「実ボリューム」は、ストレージ装置内の論理ボリューム(実ボリューム)を示し、ストレージ装置の「装置名」と実ボリュームの識別番号「LU_ID」とで表される。「実ボリュームサイズ」は、実ボリュームの総容量を示し、「使用サイズ」は、該実ボリュームの使用中の容量を示す。
【0059】
図5では、仮想ボリューム「001」に、「ストレージ装置A」の実ボリューム「01」と、「ストレージ装置A」の実ボリューム「02」と、がマッピングされている。2つの実ボリュームの「実ボリュームサイズ」と「使用サイズ」とは、システム構成管理テーブル424(図4)から取得される。なお、図5では、仮想ボリューム「001」のサイズは「1T」バイトに設定されているが、仮想ボリューム「001」の実際のサイズは、2つの実ボリュームのサイズを合計して得られる100G(=50G+50G)バイトである。
【0060】
AOUプログラム132(図1)は、AOU管理テーブル134を利用して、仮想ボリュームの実際の残容量が少なくなった場合に、より具体的には、仮想ボリュームの利用率が閾値以上となった場合に、仮想ボリュームに実ボリュームを追加するための処理を実行する。
【0061】
図6は、AOU管理テーブル134の内容を示す説明図である。図示するように、テーブル134には、仮想ボリューム毎に、「仮想ボリュームID」と、「仮想ボリュームサイズ」と、「利用率の閾値」と、「追加実ボリューム条件」と、が登録されている。「利用率の閾値」は、仮想ボリュームの実際のサイズを基準とする使用中のサイズ(利用率)の閾値を示す。「追加実ボリューム条件」は、仮想ボリュームに追加されるべき実ボリューム(以下、「追加実ボリューム」とも呼ぶ)の条件を示す。
【0062】
図6では、仮想ボリューム「001」の利用率の閾値として、「90%」が登録されており、追加実ボリューム条件として、「50G」バイトとRAIDレベル「5」とが登録されている。なお、「利用率の閾値」と「追加実ボリューム条件」とは、例えば、管理者によって予め設定されている。
【0063】
AOUプログラム132(図1)は、仮想ボリュームの現在の利用率が閾値以上となった場合に、システム構成管理テーブル424(図4)を参照して、候補管理テーブル136(後述する)を作成する。候補管理テーブル136には、追加実ボリューム条件を満足する実ボリュームを作成可能な記憶領域の候補が登録される。
【0064】
そして、AOUプログラム132は、いずれかの候補に対応する記憶領域を含むストレージ装置200の構成管理プログラム252に実ボリュームの作成を指示する。また、AOUプログラム132は、仮想化プログラム122に、仮想ボリュームに作成された実ボリュームを追加(マッピング)するように指示する。
【0065】
システムRAIDグループ管理プログラム142(図1)は、各ストレージ装置200の監視エージェント232(図2)からRAIDグループ管理テーブル224の情報を取得し、システムRAIDグループ管理テーブル144を作成および更新する。
【0066】
図7は、システムRAIDグループ管理テーブル144の内容を示す説明図である。図示するように、テーブル144には、ストレージ装置毎に、「起動RAIDグループ数」と、「起動RAIDグループ番号」と、「上限値」と、が登録されている。
【0067】
例えば、図7のテーブル144から、「ストレージ装置B」では、起動中のRAIDグループは無く、上限値が「1」であることが分かる。なお、「ストレージ装置A」に関する情報は、図3と同じである。
【0068】
また、システムRAIDグループ管理プログラム142(図1)は、システムRAIDグループ管理テーブル144を参照して、候補管理テーブル136に登録された各候補が、追加実ボリュームが作成される記憶領域として適しているか否かを判断する。なお、後述するように、この判断において、各ストレージ装置の起動中のRAIDグループの数が考慮される。
【0069】
A−2.各ストレージ装置におけるRAIDグループの管理処理:
図8は、ストレージ装置200におけるRAIDグループの管理処理の手順を示すフローチャートである。なお、図8の処理は、RAIDグループ制御プログラム222(図2)によって実行される。この処理は、例えば、入出力制御プログラム242が、仮想化装置100やホスト700からストレージ装置200内の特定の論理ボリュームに対するアクセス要求を受け取り、アクセス処理の実行の可否をRAIDグループ制御プログラム222に問い合わせたときに、実行される。
【0070】
ステップS102では、RAIDグループ制御プログラム222は、RAIDグループ管理テーブル224を参照して、停止中のRAIDグループを新たに起動させる必要があるか否かを判断する。
【0071】
具体的には、RAIDグループ制御プログラム222は、まず、構成管理テーブル254を参照して、特定の論理ボリュームが属するRAIDグループの番号を調べる。そして、RAIDグループ制御プログラム222は、RAIDグループ管理テーブル224(図3)を参照して、特定の論理ボリュームが属するRAIDグループの番号が「起動RAIDグループ番号」に登録されているか否かを判断する。登録されている場合には、換言すれば、特定の論理ボリュームが既に起動しているRAIDグループに属する場合には、RAIDグループを新たに起動させる必要はないと判断される。登録されていない場合には、換言すれば、特定の論理ボリュームが停止中の他のRAIDグループに属している場合には、該他のRAIDグループを新たに起動させる必要があると判断される。
【0072】
RAIDグループを新たに起動させる必要がない場合には、図8の処理は終了する。なお、このとき、RAIDグループ制御プログラム222は、入出力制御プログラム242に対してアクセス処理の実行を許可する。一方、RAIDグループを新たに起動させる必要がある場合には、ステップS104に進む。
【0073】
ステップS104では、RAIDグループ制御プログラム222は、RAIDグループ管理テーブル224を参照して、仮にRAIDグループを新たに起動させた場合に、仮の起動RAIDグループ数が上限値を超えるか否かを判断する。例えば、図3では、上限値は「2」であり、起動RAIDグループ数は「2」である。この場合には、仮にRAIDグループを新たに起動させると、仮の起動RAIDグループ数は「3」となり、上限値「2」を超えると判断される。
【0074】
仮の起動RAIDグループ数が上限値を超えると判断された場合には、ステップS106に進み、超えないと判断された場合には、ステップS108に進む。
【0075】
ステップS106では、特定の論理ボリュームが属するRAIDグループの起動を延期し、ステップS104に戻る。そして、ステップS104,S106の処理が、起動中のいずれかのRAIDグループが停止するまで繰り返し実行される。これにより、上限値を超える数のRAIDグループの起動が抑制される。なお、ステップS106では、RAIDグループ制御プログラム222は、入出力制御プログラム242に待機するように指示する。
【0076】
ステップS108では、RAIDグループ制御プログラム222は、特定の論理ボリュームが属するRAIDグループを起動させる。なお、このとき、RAIDグループ制御プログラム222は、入出力制御プログラム242に対してアクセス処理の実行を許可する。
【0077】
ステップS110では、RAIDグループ制御プログラム222は、RAIDグループの起動に伴ってRAIDグループ管理テーブル224(図3)を更新する。具体的には、「起動RAIDグループ数」の値がインクリメントされると共に、「起動RAIDグループ番号」に新たに起動したRAIDグループの番号が追加される。
【0078】
なお、図8のステップS110では、RAIDグループが新たに起動する場合におけるRAIDグループ管理テーブル224の更新について説明したが、起動中のRAIDグループが停止する場合にも、RAIDグループ管理テーブル224は更新される。すなわち、起動中のRAIDグループに属する論理ボリュームに対するアクセス処理が終了すると、RAIDグループ制御プログラム222は、該RAIDグループを停止させる。そして、RAIDグループ制御プログラム222は、RAIDグループの停止に伴ってRAIDグループ管理テーブル224を更新する。具体的には、「起動RAIDグループ数」の値がデクリメントされると共に、「起動RAIDグループ番号」から停止したRAIDグループの番号が削除される。
【0079】
上記のようにして、各ストレージ装置200では、起動中のRAIDグループの数が上限値を超えないように、RAIDグループの起動が制御される。
【0080】
ところで、従来では、仮想化装置が各ストレージ装置の実ボリュームを仮想ボリュームにマッピングする場合には、仮想化装置は、各ストレージ装置における起動中のRAIDグループの数を管理できない。このため、各ストレージ装置の実ボリュームを仮想ボリュームにマッピングすることができない場合が発生し得る。具体的には、仮想化装置が1台のストレージ装置の特定の実ボリュームを仮想ボリュームにマッピングしようと試みても、該特定の実ボリュームが属するRAIDグループを起動させることができない場合が発生し得る。そこで、本実施例では、仮想化装置100が、仮想ボリュームに各ストレージ装置200の実ボリュームを迅速にマッピングすることができるように工夫している。
【0081】
A−3.システムRAIDグループ管理テーブルの生成処理:
図9,図10は、システムRAIDグループ管理テーブル144の生成処理の手順を示すフローチャートである。図9は、各ストレージ装置200の監視エージェント232(図2)によって実行され、図10は、仮想化装置100のシステムRAIDグループ管理プログラム142(図1)によって実行される。
【0082】
図9のステップS122では、監視エージェント232は、RAIDグループ管理テーブル224の情報が変更されたか否かを判断する。なお、RAIDグループ管理テーブル224の情報は、RAIDグループが新たに起動したり停止したりするときに変更されると共に、該テーブル224が初期化されるときに変更される。
【0083】
ステップS124では、監視エージェント232は、仮想化装置100のシステムRAIDグループ管理プログラム142に、RAIDグループ管理テーブル224の情報を送信する。
【0084】
図10のステップS202では、システムRAIDグループ管理プログラム142は、各ストレージ装置200の監視エージェント232から与えられたRAIDグループ管理テーブル224の情報を取得する。
【0085】
ステップS204では、システムRAIDグループ管理プログラム142は、取得した各ストレージ装置200のRAIDグループ管理テーブル224の情報を、システムRAIDグループ管理テーブル144に登録する。これにより、図7に示すシステムRAIDグループ管理テーブル144が作成される。
【0086】
なお、本実施例では、システムRAIDグループ管理プログラム142は、各ストレージ装置200のRAIDグループ管理テーブル224の情報が変更された場合にのみ、各ストレージ装置200の監視エージェント232から該テーブルの情報を取得する。しかしながら、これに代えて、あるいは、これと共に、システムRAIDグループ管理プログラム142は、所定の時間間隔毎に、各ストレージ装置200からRAIDグループ管理テーブル224の情報を取得するようにしてもよい。
【0087】
A−4.仮想ボリュームに対する実ボリュームのマッピング処理:
図11は、仮想ボリュームの実際の容量を増大させる際の処理手順を示すフローチャートである。図11の処理は、仮想化装置100(図1)のAOUプログラム132とシステムRAIDグループ管理プログラム142とが協働することによって、実行される。
【0088】
ステップS302では、AOUプログラム132は、仮想ボリュームの利用率、換言すれば、仮想ボリュームに既にマッピングされた1以上の実ボリュームの利用率が閾値以上であるか否かを判断する。
【0089】
具体的には、AOUプログラム132は、まず、仮想化管理テーブル124(図5)を参照して、仮想ボリュームを構成する1以上の実ボリュームの利用率を算出する。例えば、図5では、仮想ボリューム「001」を構成する2つの実ボリュームの合計サイズは100G(=50G+50G)バイトであり、合計使用サイズは52G(=50G+2G)バイトであるため、利用率は52%と算出される。次に、AOUプログラム132は、AOU管理テーブル134(図6)を参照して、算出された利用率が閾値以上であるか否かを判断する。例えば、図6では、仮想ボリューム「001」の利用率の閾値は「90%」に設定されているため、閾値未満であると判断される。
【0090】
ステップS302において仮想ボリュームの利用率が閾値未満であると判断されると、ステップS302の処理が繰り返し実行される。一方、ステップS302において仮想ボリュームの利用率が閾値以上であると判断されると、ステップS304に進む。
【0091】
ステップS304では、AOUプログラム132は、AOU管理テーブル134(図6)を参照して、仮に仮想ボリュームに実ボリュームを追加(マッピング)すると、仮想ボリュームの実際のサイズが設定値(最大容量)を超えるか否かを判断する。
【0092】
具体的には、AOUプログラム132は、まず、仮想ボリュームを構成する1以上の実ボリュームの合計サイズと、追加実ボリューム条件として設定された追加実ボリュームのサイズと、を加算した値を算出する。図6では、追加実ボリューム条件は「50G」バイトに設定されているため、仮想ボリューム「001」を構成する2つの実ボリュームの合計サイズ(100Gバイト)と追加実ボリュームのサイズ(50Gバイト)との加算値は、150Gバイトと算出される。次に、AOUプログラム132は、加算値が仮想ボリュームサイズの設定値を超えるか否かを判断する。例えば、図6では、仮想ボリュームサイズは「1T」バイトに設定されているため、加算値150Gバイトは設定値以下であると判断される。
【0093】
ステップS304において加算値が設定値を超えると判断されると、ステップS306に進む。一方、ステップS304において加算値が設定値以下であると判断されると、ステップS308に進む。
【0094】
ステップS306では、AOUプログラム132は、管理者に容量超過を通知する。具体的には、仮想ボリュームサイズの設定値を超えるため、仮想ボリュームに新たな実ボリュームを追加することができないことが通知される。
【0095】
ステップS308では、AOUプログラム132は、システム構成管理テーブル424(図4)とAOU管理テーブル134(図6)とを参照して、追加実ボリューム条件を満足する追加実ボリュームを作成可能な記憶領域の候補を選択し、該候補が登録された候補管理テーブル136を生成する。
【0096】
図12は、候補管理テーブル136の内容を示す説明図である。図示するように、テーブル136には、追加実ボリュームを作成可能な記憶領域毎に、「装置名」と、「RAIDグループ番号」と、「フラグ」と、が登録されている。なお、「フラグ」には、未だ有意な値は登録されていない。
【0097】
図12では、候補番号「1」には、「ストレージ装置A」のRAIDグループ「02」が登録されている。候補番号「3」には、「ストレージ装置B」の2つのRAIDグループ「01」,「02」が登録されている。候補番号「5」には、「ストレージ装置A」のRAIDグループ「02」と、「ストレージ装置B」のRAIDグループ「01」と、が登録されている。
【0098】
このように、本実施例では、追加実ボリュームを作成可能な記憶領域として、1以上のストレージ装置内の1以上のRAIDグループ内の1以上の部分記憶領域で構成される記憶領域を選択可能である。すなわち、追加実ボリュームを作成可能な記憶領域として、1つのストレージ装置内の1つのRAIDグループ内の1つの記憶領域だけでなく、1つのストレージ装置の複数のRAIDグループ内の複数の部分記憶領域で構成される記憶領域や、複数のストレージ装置の複数のRAIDグループ内の複数の部分記憶領域で構成される記憶領域を選択可能である。
【0099】
候補管理テーブル136は、上記のように、システム構成管理テーブル424(図4)とAOU管理テーブル134(図6)とを参照して作成される。具体的には、システム構成管理テーブル424に登録された複数の項目のうち、「LU_ID」欄が「未割当」に設定された項目の情報が参照される。そして、候補管理テーブル136には、AOU管理テーブル134(図6)の「追加実ボリューム条件」を満足する追加実ボリュームを作成可能な複数の記憶領域の候補が登録される。
【0100】
例えば、図4の3番目の項目に登録された「ストレージ装置A」のRAIDグループ「02」に属する未割当領域は、「80G」バイトのサイズを有し、かつ、RAIDレベル「5」に設定されているため、図6の追加実ボリューム条件「50G(RAID5)」を満足する。このため、3番目の項目の未割当領域に関する情報が、図12の候補番号「1」として候補管理テーブル136に登録されている。
【0101】
また、図4の5番目の項目に登録された「ストレージ装置B」のRAIDグループ「01」に属する未割当領域は、「50G」バイトよりも少ない「20G」バイトのサイズを有しているため、追加実ボリューム条件を満足しない。しかしながら、図4の5番目および6番目の項目に登録された「ストレージ装置B」の2つのRAIDグループ「01」,「02」に属する2つの未割当領域は、50G(=20G+30G)バイトの合計サイズを有しているため、追加実ボリューム条件を満足する。このため、5,6番目の項目の2つの未割当領域に関する情報が、図12の候補番号「3」として候補管理テーブル136に登録されている。
【0102】
同様に、図4の5番目の項目に登録された「ストレージ装置B」のRAIDグループ「01」に属する未割当領域は、「50G」バイトよりも少ない「20G」バイトのサイズを有しているため、追加実ボリューム条件を満足しない。しかしながら、図4の5番目の項目に登録された「ストレージ装置B」のRAIDグループ「01」に属する第1の未割当領域と、3番目の項目に登録された「ストレージ装置A」のRAIDグループ「02」に属する第2の未割当領域とは、100G(20G+80G)バイトの合計サイズを有しているため、追加実ボリューム条件を満足する。このため、3,5番目の項目の2つの未割当領域に関する情報が、図12の候補番号「5」として候補管理テーブル136に登録されている。
【0103】
なお、本実施例では、候補番号「5」に示すように、追加実ボリュームを作成可能な記憶領域の候補として、2以上のストレージ装置内の2以上の部分記憶領域で構成される記憶領域を選択可能であるが、選択されないようにしてもよい。
【0104】
ステップS310(図11)では、システムRAIDグループ管理プログラム142は、AOUプログラム132からの指示に従って、システムRAIDグループ管理テーブル144(図7)を利用して、各候補の利用が制限されるか否かを判断する。具体的には、各候補に対応する記憶領域の利用が、起動RAIDグループ数の上限値によって制限されるか否かが判断される。そして、システムRAIDグループ管理プログラム142は、判断結果に応じて、候補管理テーブル136を更新する。なお、ステップS310の具体的な処理内容については、後述する。
【0105】
図13は、更新済みの候補管理テーブル136’の内容を示す説明図である。なお、図13は、図12とほぼ同じであるが、「フラグ」欄に「1」または「0」の値が登録されている。フラグ「1」が登録された候補は、対応する記憶領域の利用が制限されないことを示しており、フラグ「0」が登録された候補は、対応する記憶領域の利用が制限されることを示している。なお、「記憶領域の利用が制限される」とは、該記憶領域が属するRAIDグループは停止中であり、該RAIDグループの起動は上限値によって制限されることを意味している。
【0106】
なお、本実施例では、候補管理テーブル136,136’には、フラグ欄が設けられているが、フラグ欄は省略可能である。この場合には、フラグ「1」に設定されるべき候補が候補管理テーブル136に残され、フラグ「0」に設定されるべき候補が候補管理テーブル136から削除されればよい。
【0107】
ステップS312(図11)では、AOUプログラム132は、更新済みの候補管理テーブル136’に含まれる利用制限を受けない候補の中から、換言すれば、フラグ「1」が設定された候補の中から、最適な1つの候補を選択する。なお、ステップS312における選択は、予め設定された選択ルールに従って実行される。
【0108】
選択ルールとしては、例えば、以下のようなルールが挙げられる。
・1つのストレージ装置内の記憶領域のみを含む候補を優先して選択する。
・1つのストレージ装置内の1つのRAIDグループに属する記憶領域のみを含む候補を優先して選択する。
・1つのストレージ装置内の1つのRAIDグループに属し、追加実ボリューム条件として設定されたサイズと等しいサイズを有する記憶領域を含む候補を優先して選択する。
【0109】
また、選択ルールとしては、RAIDグループの新たな起動を必要としない記憶領域を含む候補を優先して選択すること、などの他のルールが利用されてもよい。ただし、この場合には、RAIDグループの新たな起動の必要の有無に応じて、各候補のフラグの値が変更されることが好ましい。例えば、RAIDグループの新たな起動が不要な場合にはフラグ「2」が設定され、RAIDグループの新たな起動が必要な場合にはフラグ「1」が設定されればよい。こうすれば、利用制限を受けず、かつ、RAIDグループの新たな起動を必要としない記憶領域を示す候補を容易に選択することができる。
【0110】
このように、選択ルールを利用すれば、利用制限を受けない複数の候補の中から、最適な1つの候補を容易に選択することができる。
【0111】
なお、本実施例では、ステップS312において、AOUプログラム132によって1つの候補が選択されているが、これに代えて、管理者によって1つの候補が選択されるようにしてもよい。この場合には、例えば、AOUプログラム132は、ステップS310で得られた候補管理テーブル136’の情報を管理サーバ400の管理者に提供し、管理サーバ400から与えられる管理者の選択指示に従って、1つの候補を選択すればよい。なお、この場合には、管理サーバ400の表示部419には、フラグ「1」が設定された候補のみが表示されてもよいし、すべての候補がフラグの値に応じて区別された状態で表示されてもよい。
【0112】
ステップS314では、AOUプログラム132は、ステップS312で選択された1つの候補に対応する記憶領域(未割当領域)を含むストレージ装置200に実ボリュームの作成を指示する。
【0113】
このとき、ストレージ装置200のRAIDグループ制御プログラム222は、図8の処理を実行し、ステップS312で選択された記憶領域(未割当領域)が属するRAIDグループを新たに起動させる必要がある場合には、該RAIDグループを起動させる(ステップS108)。ただし、該記憶領域(未割当領域)の利用が上限値によって制限されることはない(ステップS310参照)ため、図8のステップS104,S106の処理は実行されない。
【0114】
そして、ストレージ装置200の構成管理プログラム252は、ステップS312で選択された記憶領域(未割当領域)に、追加実ボリュームを作成し、識別番号(LU_ID)を割り当てる。作成される追加実ボリュームのサイズは、追加実ボリューム条件に従ったサイズ(50Gバイト)である。なお、追加実ボリュームの作成に伴って、構成管理プログラム252によって構成管理テーブル254が更新されると共に、管理サーバ400のシステム構成管理プログラム422によってシステム構成管理テーブル424が更新される。
【0115】
なお、選択された1つの候補が1つのストレージ装置の2以上の部分記憶領域で構成される記憶領域に対応する場合には、該1つのストレージ装置に2以上の追加実ボリュームの作成が指示される。また、選択された1つの候補が2以上のストレージ装置の2以上の部分記憶領域で構成される記憶領域に対応する場合には、該2以上のストレージ装置に2以上の追加実ボリュームの作成が指示される。なお、この場合にも、作成される2以上の追加実ボリュームの合計サイズは、追加実ボリューム条件に従ったサイズである。
【0116】
ステップS316では、AOUプログラム132は、仮想化プログラム122に、新たに作成された実ボリュームを仮想ボリュームに追加(マッピング)するように指示する。
【0117】
具体的には、AOUプログラム132は、ストレージ装置200の構成管理プログラム252から新たに作成された追加実ボリュームの識別番号(LU_ID)を取得し、ストレージ装置の装置名と追加実ボリュームの識別番号(LU_ID)とを仮想化プログラム122に通知する。そして、仮想化プログラム122は、ストレージ装置200内に新たに作成された追加実ボリュームを仮想ボリュームに追加(マッピング)する。この際、仮想化プログラム122は、仮想化管理テーブル124(図5)を更新する。
【0118】
図14は、ステップS310(図11)の具体的な処理内容を示す説明図である。ステップS332では、システムRAIDグループ管理プログラム142は、候補管理テーブル136に登録された複数の候補の中から、判断対象の候補(以下、「注目候補」とも呼ぶ)を選択する。
【0119】
ステップS334では、システムRAIDグループ管理プログラム142は、システムRAIDグループ管理テーブル144(図7)を参照して、注目候補に対応する記憶領域を追加実ボリュームとして利用する場合に、停止中のRAIDグループを新たに起動させる必要があるか否かを判断する。
【0120】
具体的には、システムRAIDグループ管理プログラム142は、注目候補に対応する記憶領域が属する特定のストレージ装置内のRAIDグループの番号が、システムRAIDグループ管理テーブル144(図7)の特定のストレージ装置に関する「起動RAIDグループ番号」に登録されているか否かを判断する。登録されている場合には、換言すれば、注目候補に対応する記憶領域が特定のストレージ装置内の既に起動しているRAIDグループに属する場合には、他のRAIDグループの起動が必要でないと判断される。登録されていない場合には、換言すれば、注目候補に対応する記憶領域が特定のストレージ装置内の停止中のRAIDグループに属する場合には、該停止中のRAIDグループの起動が必要であると判断される。
【0121】
例えば、図12の候補管理テーブル136において、候補番号「2」は、ストレージ装置AのRAIDグループ「03」に属する記憶領域を示している。システムRAIDグループ管理テーブル144(図7)を参照すると、ストレージ装置AのRAIDグループ「03」は停止中であることが分かる。このため、候補番号「2」に対応する記憶領域を追加実ボリュームとして利用する場合には、停止中のRAIDグループ「03」を新たに起動させる必要があると判断される。
【0122】
なお、注目候補が、1つのストレージ装置の2以上のRAIDグループに属する2以上の部分記憶領域で構成される記憶領域に対応する場合には、部分記憶領域毎に、RAIDグループを新たに起動させる必要があるか否かが判断される。また、注目候補が、2以上のストレージ装置の2以上のRAIDグループに属する2以上の部分記憶領域で構成される記憶領域に対応する場合には、ストレージ毎に、かつ、部分記憶領域毎に、RAIDグループを新たに起動させる必要があるか否かが判断される。
【0123】
RAIDグループを新たに起動させる必要がある場合には、ステップS336に進み、RAIDグループを新たに起動させる必要がない場合には、ステップS340に進む。
【0124】
ステップS340では、システムRAIDグループ管理プログラム142は、注目候補の利用が制限されないと判断する。具体的には、注目候補に対応する記憶領域の追加実ボリュームとしての利用が、起動RAIDグループ数の上限値によって制限されないと判断される。このとき、システムRAIDグループ管理プログラム142は、候補管理テーブル136を更新する。具体的には、注目候補のフラグ欄に「1」が設定される。
【0125】
一方、ステップS336では、システムRAIDグループ管理プログラム142は、システムRAIDグループ管理テーブル144を参照して、仮にRAIDグループを新たに起動させた場合に、仮の起動RAIDグループ数が上限値を超えるか否かを判断する。
【0126】
例えば、図12の候補管理テーブル136において、候補番号「2」は、ストレージ装置AのRAIDグループ「03」に属する記憶領域を示している。システムRAIDグループ管理テーブル144(図7)を参照すると、ストレージ装置Aの起動RAIDグループ数は「2」であり、上限値は「2」であることが分かる。仮に、RAIDグループ「03」を起動させると、仮の起動RAIDグループ数は「3」となり、上限値「2」を超えると判断される。
【0127】
なお、ステップS336の判断は、RAIDグループを新たに起動させる必要があるストレージ装置毎に実行される。具体的には、ステップS334において、1つのストレージ装置内のRAIDグループの起動が必要と判断された場合には、該1つのストレージ装置に関して上記の判断が実行される。また、ステップS334において、第1のストレージ装置に属するRAIDグループの起動と、第2のストレージ装置に属するRAIDグループの起動と、が必要と判断された場合には、第1のストレージ装置に関して上記の判断が実行されると共に、第2のストレージ装置に関して上記の判断が実行される。
【0128】
注目候補に対応する記憶領域を含む1以上のストレージ装置のいずれかにおいて、仮の起動RAIDグループ数が上限値を超えると判断された場合には、ステップS338に進み、他の場合には、前述のステップS340に進む。
【0129】
ステップS338では、システムRAIDグループ管理プログラム142は、注目候補の利用が制限されると判断する。具体的には、注目候補に対応する記憶領域の追加実ボリュームとしての利用が、起動RAIDグループ数の上限値によって制限されると判断される。このとき、システムRAIDグループ管理プログラム142は、候補管理テーブル136を更新する。具体的には、注目候補のフラグ欄に「0」が設定される。
【0130】
ステップS342では、候補管理テーブル136に登録されたすべての候補の判断が完了したか否かが判断される。すべての候補の判断が完了していない場合には、ステップS332に戻り、図14の処理が繰り返し実行される。すべての候補の判断が完了した場合には、図14の処理(すなわち図11のステップS310の処理)は終了し、図11のステップS312に進む。
【0131】
図14の処理を実行することにより、前述した図13に示す候補管理テーブル136’が作成される。例えば、図13では、候補番号「3」にはフラグ「1」が設定されている。これは、「ストレージ装置B」のRAIDグループ「01」,「02」の新たな起動が上限値によって制限されないためである。また、候補番号「4」にはフラグ「0」が設定されている。これは、「ストレージ装置A」のRAIDグループ「02」は起動中であるが、「ストレージ装置A」のRAIDグループ「03」の新たな起動が上限値によって制限されるためである。さらに、候補番号「5」にはフラグ「1」が設定されている。これは、「ストレージ装置A」のRAIDグループ「02」は起動中であり、「ストレージ装置B」のRAIDグループ「01」の新たな起動が上限値によって制限されないためである。
【0132】
上記のようにして、図11(および図14)の処理を実行すれば、仮想ボリュームの実際の残容量が少なくなった場合に、仮想ボリュームの実際の容量および実際の残容量を迅速に増大させることができる。
【0133】
なお、図11(および図14)では、仮想ボリュームに既に実ボリュームがマッピングされており、該仮想ボリュームに他の実ボリュームが追加してマッピングされる場合について説明した。しかしながら、図11の処理は、仮想ボリュームに最初に実ボリュームがマッピングされる場合にも適用可能である。この場合には、図11のステップS308〜S316の処理が実行されればよい。
【0134】
以上説明したように、本実施例を採用すれば、仮想化装置100の仮想ボリュームにストレージ装置200の実ボリュームを迅速にマッピングすることができる。具体的には、システムRAIDグループ管理プログラム142は、起動中のRAIDグループの数が上限値を超えないように、実ボリュームを作成可能な複数の記憶領域を示す複数の候補を選択する。このため、複数の候補の中から選択された1つの候補を利用することによって、迅速に、実ボリュームを作成し、仮想ボリュームに作成された実ボリュームをマッピングすることができる。
【0135】
また、本実施例では、追加実ボリューム条件を満足する追加実ボリュームを作成可能な記憶領域が候補として選択されているため、適切なサイズおよびRAIDレベルを有する追加実ボリュームを容易に作成して、該追加実ボリュームを仮想ボリュームにマッピングすることができる。
【0136】
以上の説明から分かるように、本実施例における仮想化装置100が本発明における管理装置に相当する。具体的には、仮想化プログラム122が、仮想化部に相当し、システムRAIDグループ管理プログラム142が、管理データ取得部に相当し、AOUプログラム132とシステムRAIDグループ管理プログラム142とが、処理実行部に相当する。また、AOUプログラム132とシステムRAIDグループ管理プログラム142とが、候補選択部に相当し、AOUプログラム132が、作成指示部と利用率取得部と候補決定部とに相当する。
【0137】
なお、本実施例では、システムRAIDグループ管理プログラム142およびシステムRAIDグループ管理テーブル144は、仮想化装置100内に設けられているが、これに代えて、他の装置、例えば、ストレージ装置200や管理サーバ400に設けられていてもよい。なお、この場合には、仮想化装置と他の装置とが本発明における管理装置に相当する。
【0138】
また、本実施例では、管理サーバ400が設けられているが、省略可能である。この場合には、管理サーバ400の機能は、他の装置、例えば、仮想化装置100やストレージ装置200が有していればよい。
【0139】
さらに、本実施例では、仮想化装置100が利用されているが、これに代えて、仮想化装置の機能を有するスイッチ(バーチャリゼーションスイッチ)が利用されてもよい。
【0140】
B.第2実施例:
B−1.ネットワークシステムの構成:
図15は、第2実施例におけるネットワークシステムの概略構成を示す説明図である。本実施例では、第1実施例(図1)と比較すると、仮想化装置100が省略されており、外部接続機能を有するストレージ装置300が追加されている。なお、ストレージ装置300は、SANに接続されていると共に、管理用ネットワークNWに接続されている。
【0141】
後述するように、外部接続機能を有するストレージ装置300には、仮想ボリュームが作成され、仮想ボリュームには、他のストレージ装置200の論理ボリューム(以下、「外部ボリューム」とも呼ぶ)がマッピングされる。これにより、ホスト700は、ストレージ装置300の内部に実際に含まれる論理ボリューム(内部ボリューム)にアクセスすることができると共に、ストレージ装置300の仮想ボリュームにアクセスすることによって、ストレージ装置200を意識することなく、ストレージ装置200内の外部ボリュームにアクセスすることができる。
【0142】
なお、以下では、外部接続機能を有するストレージ装置300を「高機能ストレージ装置」とも呼ぶ。
【0143】
B−1−1.ストレージ装置の構成:
ストレージ装置200は、第1実施例のストレージ装置200(図2)と同じである。
【0144】
B−1−2.管理サーバの構成:
管理サーバ400は、第1実施例の管理サーバ400(図1)とほぼ同じであるが、システム構成管理テーブル424Bが変更されている。
【0145】
図16は、システム構成管理テーブル424Bの内容を示す説明図である。図示するように、テーブル424Bには、図4と同様に、論理ボリューム毎に、「装置名」と、「モデル」と、「LU_ID」と、「RAIDグループ番号(RAIDレベル)」と、「サイズ」と、「使用サイズ」と、が登録されている。
【0146】
第1実施例では、ストレージ装置200内の未割当領域に論理ボリューム(追加実ボリューム)が作成され、作成された論理ボリュームが仮想ボリュームにマッピングされていた。一方、本実施例では、ストレージ装置200内に既に作成された論理ボリューム(外部ボリューム)が外部接続機能を有する高機能ストレージ装置300の仮想ボリュームにマッピングされる。このため、図16では、未割当領域の図示が省略されている。なお、図16では、2台のストレージ装置200に対応する「ストレージ装置A」および「ストレージ装置B」の外部ボリュームのみが図示されているが、実際には、システム構成管理テーブル424Bには、高機能ストレージ装置300に対応する「ストレージ装置S」の内部ボリュームも登録されている。
【0147】
B−1−3.高機能ストレージ装置の構成:
高機能ストレージ装置300は、図2のストレージ装置200と同様に、ストレージコントローラ310と、ディスク装置360と、管理用IF316と、SANIF318と、を備えている。
【0148】
ディスク装置360は、図2のディスク装置260と同様に、多数のハードディスクを含んでいる。また、ディスク装置360には、複数のRAIDグループが設定されており、各RAIDグループには、1以上の論理ボリューム(内部ボリューム)が設定されている。
【0149】
ディスク装置360には、さらに、1以上の仮想ボリュームが設定されており、各仮想ボリュームには、他のストレージ装置200の論理ボリューム(外部ボリューム)がマッピングされている。
【0150】
ストレージコントローラ310は、図2のストレージコントローラ210と同様に、CPU312と、キャッシュ313と、メモリ314と、ドライブIF319と、を備えている。
【0151】
メモリ314には、図2のメモリ214と同様に、RAIDグループ制御プログラムと、RAIDグループ管理テーブルと、監視エージェントと、入出力制御プログラムと、構成管理プログラムと、構成管理テーブルと、が格納されている(図示せず)。なお、RAIDグループ制御プログラムは、RAIDグループ管理テーブルを利用して、高機能ストレージ装置300内部に設定されたRAIDグループを管理する。
【0152】
メモリ314には、さらに、外部接続プログラム322と、外部ボリューム対応テーブル324と、候補管理テーブル326と、システムRAIDグループ管理プログラム332と、システムRAIDグループ管理テーブル334と、が格納されている。
【0153】
システムRAIDグループ管理プログラム332は、第1実施例の仮想化装置100内のシステムRAIDグループ管理プログラム142(図1)と同様の処理を実行する。
【0154】
外部接続プログラム322は、仮想ボリュームを作成し、各ストレージ装置200の論理ボリューム(外部ボリューム)を仮想ボリュームにマッピングし、仮想ボリュームを管理する。外部接続プログラム322は、仮想ボリュームと外部ボリュームとの対応関係を示す外部ボリューム対応テーブル324を作成および更新する。
【0155】
図17は、外部ボリューム対応テーブル324の内容を示す説明図である。図示するように、テーブル324には、仮想ボリューム毎に、高機能ストレージ装置300に関する「装置名」および「仮想ボリュームID」と、他のストレージ装置に関する「装置名」および「LU_ID」と、が登録されている。「仮想ボリュームID」は、高機能ストレージ装置300の仮想ボリュームの識別番号を示し、「LU_ID」は、他のストレージ装置200の論理ボリューム(外部ボリューム)の識別番号を示す。
【0156】
図17では、例えば、「ストレージ装置S」の仮想ボリューム「001」に、「ストレージ装置A」の外部ボリューム「01」がマッピングされており、「ストレージ装置S」の仮想ボリューム「002」に、「ストレージ装置A」の外部ボリューム「02」がマッピングされている。
【0157】
また、外部接続プログラム322(図15)は、仮想ボリュームに外部ボリュームをマッピングする際に、システム構成管理テーブル424B(図16)と外部ボリューム対応テーブル324(図17)とを利用して、候補管理テーブル326(後述する)を作成する。
【0158】
B−2.仮想ボリュームに対する外部ボリュームのマッピング処理:
図18は、仮想ボリュームに外部ボリュームをマッピングする際の処理手順を示すフローチャートである。図18の処理は、高機能ストレージ装置300(図15)の外部接続プログラム322とシステムRAIDグループ管理プログラム332とが協働することによって、実行される。
【0159】
ステップS402では、外部接続プログラム322は、管理者からの外部接続の指示を受け取る。具体的には、管理者は、管理サーバ400を操作して、高機能ストレージ装置300の外部接続プログラム322に外部接続の実行を指示する。ここで、「外部接続」は、高機能ストレージ装置300の仮想ボリュームに他のストレージ装置200の外部ボリュームをマッピングすることを意味する。高機能ストレージ装置300内に外部ボリュームがマッピングされるべき仮想ボリュームが既に作成されている場合には、ステップS402において、管理者は、該仮想ボリュームのIDを指定する。逆に、高機能ストレージ装置300内に外部ボリュームがマッピングされるべき仮想ボリュームが未だ作成されていない場合には、ステップS402において、管理者は、新たな仮想ボリュームの作成を指示する。
【0160】
ステップS404では、外部接続プログラム322は、システム構成管理テーブル424B(図16)と外部ボリューム対応テーブル324(図17)とを参照して、仮想ボリュームにマッピングされ得る外部ボリュームの候補を選択し、該候補が登録された候補管理テーブル326を生成する。
【0161】
図19は、候補管理テーブル326の内容を示す説明図である。図示するように、テーブル326には、外部ボリューム毎に、「装置名」と、「LU_ID」と、「RAIDグループ番号」と、「フラグ」と、が登録されている。なお、「フラグ」には、未だ有意な値は登録されていない。図19では、例えば、候補番号「1」には、「ストレージ装置A」のRAIDグループ「02」に属する外部ボリューム「03」が登録されている。
【0162】
候補管理テーブル326には、システム構成管理テーブル424B(図16)に登録された複数の外部ボリュームのうち、外部ボリューム対応テーブル324(図17)に登録されていない、換言すれば、いずれの仮想ボリュームにも未だマッピングされていない複数の外部ボリュームの候補が登録される。
【0163】
例えば、図16のシステム構成管理テーブル424Bの3番目の項目に登録された「ストレージ装置A」の外部ボリューム「03」は、図17に示す外部ボリューム対応テーブル324において、いずれの仮想ボリュームにもマッピングされていない。このため、該外部ボリュームに関する情報が、図19の候補番号「1」として候補管理テーブル136に登録されている。
【0164】
ステップS406では、システムRAIDグループ管理プログラム332は、外部接続プログラム322からの指示に従って、システムRAIDグループ管理テーブル334(図7参照)を利用して、各候補の利用が制限されるか否かを判断する。具体的には、各候補に対応する外部ボリュームの利用が、起動RAIDグループ数の上限値によって制限されるか否かが判断される。
【0165】
ステップS406における処理は、図14と同様に実行される。具体的には、各候補が注目候補として選択され(ステップS332)、注目候補毎に、RAIDグループを新たに起動させる必要があるか否か(ステップS334)、RAIDグループを新たに起動させると仮の起動RAIDグループ数が上限値を超えるか否か(ステップS336)が判断される。そして、注目候補に対応する外部ボリュームの利用が上限値によって制限されるか否かに応じて、候補管理テーブル326(図19)の各候補にフラグが設定され、候補管理テーブル326が更新される(ステップS338,S340)。
【0166】
ステップS408では、外部接続プログラム322は、管理者からの選択指示に従って、更新済みの候補管理テーブル326に含まれる利用制限を受けない複数の候補の中から1つの候補を選択する。
【0167】
具体的には、ステップS408では、外部接続プログラム322は、ステップS406において更新された候補管理テーブル326の情報を管理サーバ400の管理者に提供し、管理サーバ400から与えられる管理者の選択指示に従って、1つの候補を選択する。なお、管理サーバ400の表示部419には、フラグ「1」が設定された候補のみが表示されてもよいし、すべての候補がフラグの値に応じて区別された状態で表示されてもよい。この際、管理サーバ400は、システム構成管理テーブル424Bを利用して、各候補に対応する外部ボリュームのサイズや使用サイズを表示することが好ましい。
【0168】
また、外部接続プログラム322は、ストレージ装置200のRAIDグループ制御プログラム222に図8の処理を実行させる。RAIDグループ制御プログラム222は、ステップS408で選択された1つの候補に対応する外部ボリュームが属するRAIDグループを新たに起動させる必要がある場合には、該RAIDグループを起動させる(ステップS108)。ただし、該外部ボリュームの利用が上限値によって制限されることはない(ステップS406参照)ため、図8のステップS104,S106の処理は実行されない。
【0169】
ステップS410では、外部接続プログラム322は、ステップS408で選択された1つの候補に対応する外部ボリュームを、ステップS402で指定または作成された仮想ボリュームにマッピングする。なお、外部ボリュームが仮想ボリュームにマッピングされると、外部接続プログラム322は、外部ボリューム対応テーブル324を更新する。
【0170】
なお、本実施例では、ステップS402において仮想ボリュームが指定または作成されているが、これに代えて、ステップS410においてマッピングに先行して仮想ボリュームが指定または作成されるようにしてもよい。
【0171】
以上説明したように、本実施例を採用すれば、高機能ストレージ装置300の仮想ボリュームにストレージ装置200の外部ボリュームを迅速にマッピングすることができる。具体的には、システムRAIDグループ管理プログラム332は、起動中のRAIDグループの数が上限値を超えないように、複数の外部ボリュームを示す複数の候補を選択する。このため、複数の候補の中から選択された1つの候補を利用することによって、迅速に、外部ボリュームを仮想ボリュームにマッピングすることができる。
【0172】
また、本実施例では、他の仮想ボリュームにマッピングされていない外部ボリュームが候補として選択されているため、適切な論理ボリュームを容易に仮想ボリュームにマッピングすることができる。
【0173】
さらに、本実施例を採用して、既存のネットワークシステムに高機能ストレージ装置300を追加すれば、ストレージ装置200は、高機能ストレージ装置300の機能を利用することができる。例えば、高機能ストレージ装置300のキャッシュ313の容量が大きい場合には、ホスト700は、高機能ストレージ装置300の仮想ボリュームに対して高速にデータを書き込むことができる。また、ストレージ装置200が同期コピープログラムを備えておらず、高機能ストレージ装置300が同期コピープログラムを備えている場合には、仮想ボリュームを同期コピーの対象に設定すれば、ストレージ装置200の外部ボリュームを同期コピーの対象として利用することが可能となる。
【0174】
以上の説明から分かるように、本実施例における高機能ストレージ装置300が本発明における管理装置に相当する。具体的には、外部接続プログラム322が、仮想化部に相当し、システムRAIDグループ管理プログラム332が、管理データ取得部に相当し、外部接続プログラム322とシステムRAIDグループ管理プログラム332とが、処理実行部に相当する。また、外部接続プログラム322とシステムRAIDグループ管理プログラム332とが、候補選択部に相当する。
【0175】
なお、本実施例では、図17に示すように、1つの仮想ボリュームに対して1つの外部ボリュームがマッピングされているが、1つの仮想ボリュームに対して2以上の外部ボリュームがマッピングされるようにしてもよい。
【0176】
また、本実施例では、システムRAIDグループ管理プログラム332とシステムRAIDグループ管理テーブル334とは、高機能ストレージ装置300に設けられているが、これに代えて、他の装置、例えば、ストレージ装置200や管理サーバ400に設けられていてもよい。この場合には、高機能ストレージ装置と他の装置とが本発明における管理装置に相当する。
【0177】
さらに、本実施例では、管理サーバ400が設けられているが、省略可能である。この場合には、管理サーバ400の機能は、他の装置、例えば、高機能ストレージ装置300やストレージ装置200が有していればよい。
【0178】
C.第3実施例:
C−1.ネットワークシステムの構成:
図20は、第3実施例におけるネットワークシステムの概略構成を示す説明図である。本実施例では、第1実施例(図1)と比較すると、仮想化装置100が省略されており、管理サーバ500が変更されている。
【0179】
C−1−1.ストレージ装置の構成:
ストレージ装置200は、第1実施例のストレージ装置200(図2)と同じである。
【0180】
C−1−2.管理サーバの構成:
管理サーバ500は、第1実施例の管理サーバ400(図1)と同様に、CPU512と、メモリ514と、管理用IF516と、入力部518と、表示部519と、を備えている。
【0181】
メモリ514には、図1のメモリ414と同様に、システム構成管理プログラム522とシステム構成管理テーブル524とが格納されている。
【0182】
メモリ514には、さらに、システムRAIDグループ管理プログラム532と、システムRAIDグループ管理テーブル534と、プロビジョニングプログラム542と、候補管理テーブル544と、が格納されている。
【0183】
システム構成管理プログラム522は、第1実施例のシステム構成管理プログラム422(図1)と同様の処理を実行する。
【0184】
システムRAIDグループ管理プログラム532は、第1実施例の仮想化装置100内のシステムRAIDグループ管理プログラム142(図1)と同様の処理を実行する。
【0185】
プロビジョニングプログラム542は、管理者からの指示に従って、ストレージ装置200に論理ボリュームの作成を指示する。この際、プロビジョニングプログラム542は、システム構成管理テーブル524(図4参照)を利用して、候補管理テーブル544(後述する)を作成する。
【0186】
C−2.論理ボリュームの作成処理:
図21は、論理ボリュームを作成する際の処理手順を示すフローチャートである。なお、図21の処理は、管理サーバ500のプロビジョニングプログラム542とシステムRAIDグループ管理プログラム532とが協働することによって、実行される。
【0187】
ステップS502では、プロビジョニングプログラム542は、管理者からの論理ボリューム作成の指示を受け取る。具体的には、管理者は、管理サーバ600を操作して、プロビジョニングプログラム542に論理ボリュームの作成を指示する。この際、プロビジョニングプログラム542は、管理者から、作成されるべき論理ボリュームの条件を受け取る。論理ボリューム条件としては、サイズや、RAIDレベルなどが挙げられる。例えば、論理ボリューム条件として、50Gバイト,RAIDレベル5などが指定される。
【0188】
ステップS504では、プロビジョニングプログラム542は、システム構成管理テーブル524(図4参照)を参照して、ユーザによって指定された論理ボリューム条件を満足する論理ボリュームを作成可能な記憶領域の候補を選択し、該候補が登録された候補管理テーブル544を作成する。
【0189】
図22は、候補管理テーブル544の内容を示す説明図である。図示するように、テーブル544には、RAIDグループ毎に、「装置名」と、「RAIDグループ番号」と、「フラグ」と、が登録されている。なお、「フラグ」には、未だ有意な値は登録されていない。例えば、図22では、候補番号「2」には、「ストレージ装置A」のRAIDグループ「03」が登録されている。
【0190】
候補管理テーブル544は、上記のように、システム構成管理テーブル524(図4参照)を参照して作成される。具体的には、システム構成管理テーブル524に登録された複数の項目のうち、「LU_ID」欄が「未割当」に設定された項目の情報が参照される。そして、候補管理テーブル544には、ユーザによって指定された論理ボリューム条件を満足する複数の記憶領域の候補が登録される。
【0191】
例えば、図4の3番目の項目に登録された「ストレージ装置A」のRAIDグループ「03」に属する未割当領域は、「80G」バイトのサイズを有し、かつ、RAIDレベル「5」に設定されているため、ユーザによって指定された論理ボリューム条件(50G,RAID5)を満足する。このため、3番目の項目の未割当領域に関する情報が、図22の候補番号「2」として候補管理テーブル544に登録されている。
【0192】
なお、本実施例では、論理ボリュームを作成可能な記憶領域として、1つのストレージ装置内の1つのRAIDグループ内の1つの記憶領域が選択されている。しかしながら、第1実施例(図12)で説明したように、論理ボリュームを作成可能な記憶領域として、1以上のストレージ装置内の1以上のRAIDグループ内の1以上の部分記憶領域で構成される記憶領域が選択されてもよい。すなわち、1つのストレージ装置の複数のRAIDグループ内の複数の部分記憶領域で構成される記憶領域や、複数のストレージ装置の複数のRAIDグループ内の複数の部分記憶領域で構成される記憶領域が選択されてもよい。ただし、本実施例のように、論理ボリュームを作成可能な記憶領域の候補として、1以上のストレージ装置内の2以上の部分記憶領域で構成される記憶領域が選択されないようにしてもよい。
【0193】
ステップS506(図21)では、システムRAIDグループ管理プログラム142は、プロビジョニングプログラム542からの指示に従って、システムRAIDグループ管理テーブル534(図7参照)を利用して、各候補の利用が制限されるか否かを判断する。具体的には、各候補に対応する記憶領域の利用が、起動RAIDグループ数の上限値によって制限されるか否かが判断される。
【0194】
ステップS506における処理は、図14と同様に実行される。具体的には、各候補が注目候補として選択され(ステップS332)、注目候補毎に、RAIDグループを新たに起動させる必要があるか否か(ステップS334)、RAIDグループを新たに起動させると仮の起動RAIDグループ数が上限値を超えるか否か(ステップS336)が判断される。そして、注目候補に対応する記憶領域の利用が上限値によって制限されるか否かに応じて、候補管理テーブル544(図22)の各候補にフラグが設定されて、候補管理テーブル544が更新される(ステップS338,S340)。
【0195】
なお、ステップS504において、論理ボリュームを作成可能な記憶領域の候補として、1以上のストレージ装置内の2以上の部分記憶領域で構成される記憶領域を選択可能である場合には、第1実施例で説明した手法で、ステップS334,S336の判断が実行されればよい。具体的には、ステップS334では、ストレージ装置毎に、かつ、部分領域毎に、RAIDグループを新たに起動させる必要があるか否かが判断され、ステップS336では、ストレージ装置毎に、仮の起動RAIDグループ数が上限値を超えるか否かが判断されればよい。
【0196】
ステップS508では、プロビジョニングプログラム542は、管理者からの選択指示に従って、更新済みの候補管理テーブル544に含まれる利用制限を受けない複数の候補の中から1つの候補を選択する。
【0197】
具体的には、ステップS508では、プロビジョニングプログラム542は、ステップS506において更新された候補管理テーブル544の情報を管理者に提供し、管理者の選択指示に従って、1つの候補を選択する。なお、管理サーバ500の表示部519には、フラグ「1」が設定された候補のみが表示されてもよいし、すべての候補がフラグの値に応じて区別された状態で表示されてもよい。
【0198】
なお、本実施例では、管理者によってプロビジョニングプログラム542が利用されているが、複数のユーザ(管理者)によって利用される場合には、候補の表示は、ユーザに応じて変更されてもよい。例えば、第1のグループのユーザによって利用される場合には、フラグ「0」および「1」が設定された候補が表示され、第2のグループのユーザによって利用される場合には、フラグ「1」が設定された候補のみが表示されてもよい。また、候補の表示は、ストレージ装置に応じて変更されてもよい。例えば、ストレージ装置Aに関しては、フラグ「0」および「1」が設定された候補が表示され、ストレージ装置Bに関しては、フラグ「1」が設定された候補のみが表示されてもよい。
【0199】
また、本実施例では、プロビジョニングプログラム542は、管理者の選択指示に従って、1つの候補を選択しているが、これに代えて、第1実施例(具体的には図11のステップS312)で説明したように、予め設定された選択ルールに従って、最適な1つの候補を選択するようにしてもよい。
【0200】
ステップS510では、プロビジョニングプログラム542は、ステップS508で選択された1つの候補に対応する記憶領域(未割当領域)を含むストレージ装置200に論理ボリュームの作成を指示する。
【0201】
このとき、ストレージ装置200のRAIDグループ制御プログラム222は、図8の処理を実行し、ステップS508で選択された記憶領域(未割当領域)が属するRAIDグループを新たに起動させる必要がある場合には、該RAIDグループを起動させる(ステップS108)。ただし、該記憶領域(未割当領域)の利用が上限値によって制限されることはない(ステップS506参照)ため、図8のステップS104,S106の処理は実行されない。
【0202】
そして、ストレージ装置200の構成管理プログラム252は、ステップS508で選択された記憶領域(未割当領域)に、論理ボリュームを作成し、識別番号(LU_ID)を割り当てる。なお、作成される論理ボリュームのサイズは、指定された論理ボリューム条件に従ったサイズ(50Gバイト)である。なお、論理ボリュームの作成に伴って、構成管理プログラム252によって構成管理テーブル254が更新されると共に、管理サーバ500のシステム構成管理プログラム522によってシステム構成管理テーブル524が更新される。
【0203】
以上説明したように、本実施例を採用すれば、管理サーバ500が、ストレージ装置200内に論理ボリュームを迅速に作成することができる。具体的には、システムRAIDグループ管理プログラム532は、起動中のRAIDグループの数が上限値を超えないように、論理ボリュームを作成可能な複数の記憶領域を示す複数の候補を選択する。このため、複数の候補の中から選択された1つの候補を利用することによって、迅速に論理ボリュームを作成することができる。
【0204】
また、本実施例では、ユーザによって指定される論理ボリューム条件を満足する論理ボリュームを作成可能な記憶領域が候補として選択されているため、所望のサイズおよびRAIDレベルを有する論理ボリュームを容易に作成することができる。
【0205】
以上の説明から分かるように、本実施例における管理サーバ500が本発明における管理装置に相当する。具体的には、システムRAIDグループ管理プログラム532が、管理データ取得部に相当し、プロビジョニングプログラム542とシステムRAIDグループ管理プログラム532とが、処理実行部に相当する。また、プロビジョニングプログラム542とシステムRAIDグループ管理プログラム532とが、候補選択部に相当し、プロビジョニングプログラム542が作成指示部に相当する。
【0206】
なお、本実施例では、システムRAIDグループ管理プログラム532およびシステムRAIDグループ管理テーブル534は、管理サーバ500に設けられているが、これに代えて、他の装置、例えば、ストレージ装置200に設けられていてもよい。この場合には、管理サーバと他の装置とが本発明における管理装置に相当する。
【0207】
また、本実施例では、システムRAIDグループ管理プログラム532およびシステムRAIDグループ管理テーブル534は、管理サーバ500に設けられているが、第1実施例と同様に仮想化装置100が利用される場合には、該仮想化装置に設けられていてもよい。この場合には、管理サーバと仮想化装置とが本発明における管理装置に相当する。
【0208】
D.第4実施例:
D−1.ネットワークシステムの構成:
図23は、第4実施例におけるネットワークシステムの概略構成を示す説明図である。本実施例では、第1実施例(図1)と比較すると、仮想化装置100が省略されており、複数のストレージ装置200Dと管理サーバ600とが変更されている。
【0209】
D−1−1.ストレージ装置の構成:
ストレージ装置200Dは、第1実施例のストレージ装置200(図2)とほぼ同様であるが、入出力制御プログラム242Dが変更されている。入出力制御プログラム242Dの処理については後述する。なお、図23では、図示の便宜上、ディスク装置260が省略されている。
【0210】
D−1−2.管理サーバの構成:
管理サーバ600は、第1実施例の管理サーバ400(図1)と同様に、CPU612と、メモリ614と、管理用IF616と、入力部618と、表示部619と、を備えている。
【0211】
メモリ614には、図1のメモリ414と同様に、システム構成管理プログラム622とシステム構成管理テーブル624とが格納されている。
【0212】
メモリ614には、さらに、システムRAIDグループ管理プログラム632と、システムRAIDグループ管理テーブル634と、候補管理テーブル636と、コピー管理プログラム642と、コピーペア管理テーブル644と、が格納されている。
【0213】
システム構成管理プログラム622は、第1実施例のシステム構成管理プログラム422(図1)と同様の処理を実行する。
【0214】
システムRAIDグループ管理プログラム632は、第1実施例の仮想化装置100のシステムRAIDグループ管理プログラム142(図1)と同様の処理を実行する。ただし、本実施例では、システムRAIDグループ管理プログラム632は、後述する他の処理も実行する。
【0215】
コピー管理プログラム642は、コピーペア管理テーブル644を利用して、2つの論理ボリューム(コピーペア)間のコピー関係を管理する。
【0216】
図24は、コピーペア管理テーブル644の内容を示す説明図である。図示するように、テーブル644には、コピーペア毎に、コピー元の「装置名」および「LU_ID」と、コピー先の「装置名」および「LU_ID」と、が登録されている。図24では、例えば、第1のコピーペアに関し、コピー元として「ストレージ装置A」の論理ボリューム「01」が設定されており、コピー先として「ストレージ装置B」の論理ボリューム「02」が設定されている。また、第2のコピーペアに関し、コピー元として「ストレージ装置A」の論理ボリューム「02」が設定されており、コピー先として「ストレージ装置A」の論理ボリューム「03」が設定されている。
【0217】
このように、本実施例では、コピー管理プログラム642は、2つのストレージ装置内の2つの論理ボリューム間のコピー関係や、1つのストレージ装置内の2つの論理ボリューム間のコピー関係が、管理される。
【0218】
本実施例では、コピーペア間では、いわゆる同期コピーが実行されており、コピー元の論理ボリュームとコピー先の論理ボリュームとには、同一のデータが格納されている。
【0219】
D−2.読み出し処理:
図25,図26は、コピー元論理ボリュームに対する読み出し要求が発生した際の処理手順を示すフローチャートである。なお、図25の処理は、コピー元論理ボリュームを含むストレージ装置200Dの入出力制御プログラム242Dによって実行され、図26の処理は、管理サーバ600のシステムRAIDグループ管理プログラム632によって実行される。
【0220】
図25のステップS602では、ストレージ装置200Dの入出力制御プログラム242Dは、ホスト700から、特定の論理ボリューム(コピー元論理ボリューム)に対する読み出し要求を受け取る。なお、以下では、ホスト700によって指定された特定の論理ボリュームを、「指定論理ボリューム」とも呼ぶ。
【0221】
ステップS604では、入出力制御プログラム242Dは、管理サーバ600のシステムRAIDグループ管理プログラム632に、実際に読み出し対象となる論理ボリュームの選択を依頼する。なお、以下では、実際に読み出し対象となる論理ボリュームを「対象論理ボリューム」とも呼ぶ。
【0222】
なお、図25のステップS652〜S662の処理については、後述する。
【0223】
図26のステップS622では、管理サーバ600のシステムRAIDグループ管理プログラム632は、ストレージ装置200Dの入出力制御プログラム242Dから、対象論理ボリュームの選択の依頼(ステップS604参照)を受け取ると共に、指定論理ボリュームの情報を受け取る。該情報には、指定論理ボリュームが属するストレージ装置の装置名と、指定論理ボリュームの識別番号(LU_ID)と、が含まれている。
【0224】
ステップS624では、システムRAIDグループ管理プログラム632は、コピーペア管理テーブル644を参照して、対象論理ボリュームの候補を、候補管理テーブル636に登録する。具体的には、指定論理ボリュームであるコピー元論理ボリュームと、指定論理ボリュームと同一のデータを保持するコピー先論理ボリュームと、が登録される。
【0225】
図27は、候補管理テーブル636の内容を示す説明図である。図示するように、テーブル636には、1つのコピーペアを構成する2つの論理ボリュームが登録されている。具体的には、論理ボリューム毎に、「装置名」と、「LU_ID」と、「RAIDグループ番号」と、「フラグ」と、が登録されている。なお、「フラグ」には、未だ有意な値は登録されていない。
【0226】
図27では、候補番号「1」には、コピー元論理ボリュームである「ストレージ装置A」のRAIDグループ「01」に属する論理ボリューム「01」が登録されている。候補番号「2」には、コピー先論理ボリュームである「ストレージ装置B」のRAIDグループ「02」に属する論理ボリューム「02」が登録されている。なお、RAIDグループ番号は、システム構成管理テーブル624(図16参照)を参照することによって登録されている。
【0227】
ステップS626(図26)では、システムRAIDグループ管理プログラム632は、システムRAIDグループ管理テーブル534(図7参照)を利用して、各候補の利用が制限されるか否かを判断する。具体的には、各候補に対応する論理ボリュームの利用が、起動RAIDグループ数の上限値によって制限されるか否かが判断される。
【0228】
ステップS626における処理は、図14と同様に実行される。具体的には、各候補が注目候補として選択され(ステップS332)、注目候補毎に、RAIDグループを新たに起動させる必要があるか否か(ステップS334)、RAIDグループを新たに起動させると仮の起動RAIDグループ数が上限値を超えるか否か(ステップS336)が判断される。そして、注目候補に対応する論理ボリュームの利用が上限値によって制限されるか否かに応じて、候補管理テーブル636(図27)の各候補にフラグが設定されて、候補管理テーブル636が更新される(ステップS338,S340)。
【0229】
ステップS628では、システムRAIDグループ管理プログラム632は、すべての候補にフラグ「0」が設定されているか否か、換言すれば、すべての候補に対応する論理ボリュームが利用制限を受けるか否かを判断する。
【0230】
少なくとも1つの候補が上限値による利用制限を受けない場合には、ステップS630に進む。一方、すべての候補が上限値による利用制限を受ける場合には、ステップS632に進む。
【0231】
ステップS630では、システムRAIDグループ管理プログラム632は、利用制限を受けない1つの候補を選択して、選択結果を、指定論理ボリュームを含むストレージ装置200Dの入出力制御プログラム242Dに送信する。なお、選択結果には、選択された1つの候補に対応する対象論理ボリュームに関する情報、具体的には、対象論理ボリュームが属するストレージ装置の装置名と対象論理ボリュームの識別番号(LU_ID)とが含まれる。
【0232】
本実施例では、ステップS630において、仮に、すべての候補が利用制限を受けない場合には、対象論理ボリュームとしてコピー元論理ボリュームが優先して選択される。しかしながら、これに代えて、コピー先論理ボリュームが優先して選択されてもよい。
【0233】
なお、ステップS630において、仮に、すべての候補が利用制限を受けず、かつ、第1の論理ボリューム(例えばコピー元論理ボリューム)の利用にはRAIDグループの新たな起動が必要であり、第2の論理ボリューム(例えばコピー先論理ボリューム)の利用にはRAIDグループの新たな起動が不要な場合には、第2の論理ボリューム(例えばコピー先論理ボリューム)が優先して選択されるようにしてもよい。ただし、この場合には、RAIDグループの新たな起動の必要の有無に応じて、各候補のフラグの値が変更されることが好ましい。例えば、RAIDグループの新たな起動が不要な場合にはフラグ「2」が設定され、RAIDグループの新たな起動が必要な場合にはフラグ「1」が設定されればよい。こうすれば、利用制限を受けず、かつ、RAIDグループの新たな起動を必要としない論理ボリュームを示す候補を容易に選択することができると共に、RAIDグループの起動に必要な消費電力を低減させることができる。
【0234】
ステップS632では、システムRAIDグループ管理プログラム632は、利用制限を受ける1つの候補を選択して、選択結果を、指定論理ボリュームを含むストレージ装置200Dの入出力制御プログラム242Dに送信する。
【0235】
本実施例では、ステップS632において、対象論理ボリュームとしてコピー元論理ボリュームが優先して選択されるが、これに代えて、コピー先論理ボリュームが優先して選択されてもよい。
【0236】
図25のステップS652では、指定論理ボリュームを含むストレージ装置200Dの入出力制御プログラム242Dは、管理サーバ600のシステムRAIDグループ管理プログラム632から、選択結果(ステップS630,S632参照)を取得する。
【0237】
ステップS654では、入出力制御プログラム242Dは、選択された対象論理ボリュームが自己のストレージ装置に属するか否かを判断する。なお、この判断は、取得済みの選択結果に含まれる装置名の情報を利用して行われる。
【0238】
対象論理ボリュームが自己のストレージ装置に属する場合には、ステップS656に進む。一方、対象論理ボリュームが自己のストレージ装置に属さない場合、換言すれば、他のストレージ装置に属する場合には、ステップS658に進む。
【0239】
ステップS656では、入出力制御プログラム242Dは、自己のストレージ装置に属する対象論理ボリュームに対する読み出し処理を実行する。この際、RAIDグループ制御プログラム222によって、図8の処理が実行される。
【0240】
なお、図8で説明したように、対象論理ボリュームの利用が上限値によって制限されない場合には、RAIDグループ制御プログラム222は、入出力制御プログラム242Dに対して読み出し処理の実行を許可する。一方、対象論理ボリュームの利用が上限値によって制限される場合には、RAIDグループ制御プログラム222は、入出力制御プログラム242Dに対して待機するように指示する。
【0241】
ステップS658では、入出力制御プログラム242Dは、他のストレージ装置200Dの入出力制御プログラム242Dに、他のストレージ装置に属する対象論理ボリュームに対するデータの読み出し処理の実行を依頼する。このとき、他のストレージ装置の入出力制御プログラム242Dは、対象論理ボリュームに対する読み出し処理を実行する。この際、他のストレージ装置200のRAIDグループ制御プログラム222によって、図8の処理が実行される。
【0242】
ステップS660では、入出力制御プログラム242Dは、対象論理ボリュームから読み出されたデータを他のストレージ装置200Dから取得する。
【0243】
ステップS662では、入出力制御プログラム242は、対象論理ボリュームから読み出されたデータをホスト700に対して送信する。
【0244】
なお、本実施例では、選択結果として、対象論理ボリュームの装置名と識別番号とを含む情報が送信されているが、さらに、対象論理ボリュームが利用制限を受けるか否かの情報が送信されるようにしてもよい。こうすれば、ステップS656,S658において実行される図8の処理を簡略化することができる。具体的には、利用制限を受けない場合には、RAIDグループの新たな起動が不要であるか、RAIDグループを直ちに起動可能であるため、図8のステップS104,S106の処理を省略することができる。
【0245】
上記のように、ストレージ装置200Dは、ホスト700から指定論理ボリュームに対する読み出し要求を受け取った場合に、自己のストレージ装置内のコピー元論理ボリューム(指定論理ボリューム)と、自己または他のストレージ装置内のコピー先論理ボリュームと、のうちの一方から読み出されたデータを、ホスト700に送信することができる。このため、ストレージ装置200Dは、自己のストレージ装置内のコピー元論理ボリューム(指定論理ボリューム)に対する読み出し処理を直ちに実行することができない場合にも、自己または他のストレージ装置内のコピー先論理ボリュームから読み出されたデータをホスト700に送信することができる。
【0246】
以上説明したように、本実施例を採用すれば、コピー元論理ボリュームに対するデータの読み出し要求が発生した場合に、迅速にデータを読み出すことができる。具体的には、システムRAIDグループ管理プログラム632は、起動中のRAIDグループの数が上限値を超えないように、コピー元論理ボリュームまたはコピー先論理ボリュームを対象論理ボリュームとして選択する。このため、対象論理ボリュームに対する読み出し処理を実行することによって、データを迅速に読み出すことができる。
【0247】
以上の説明から分かるように、本実施例における管理サーバ600が本発明における管理装置に相当する。具体的には、システムRAIDグループ管理プログラム632が、管理データ取得部と処理実行部とに相当する。また、システムRAIDグループ管理プログラム632が、対象論理ボリューム選択部と送信部とに相当する。さらに、ストレージ装置200Dの入出力制御プログラム242Dが、制御部に相当する。
【0248】
なお、本実施例では、2つの論理ボリュームに同一のデータが保持されている場合について説明したが、3以上の論理ボリュームに同一のデータが保持されている場合には、3以上の論理ボリュームが候補として候補管理テーブルに登録されればよい。そして、3以上の論理ボリュームの候補の中から1つの対象論理ボリュームが選択されればよい。一般には、コピー元論理ボリュームと少なくとも1つのコピー先論理ボリュームとの中から、1つの対象論理ボリュームが選択されればよい。
【0249】
E.ストレージ装置の変形例:
図28は、第1実施例のストレージ装置の変形例を示す説明図である。図28のストレージ装置200aは、図2のストレージ装置200とほぼ同じであるが、ストレージコントローラ210aが変更されている。具体的には、ストレージコントローラ210aは、キャッシュ213aと、メモリ214aと、スイッチ215aと、管理用IF216aと、複数のSANIF218aと、複数のドライブIF219aと、を備えている。なお、図28ではメモリ214aの図示は簡略化されているが、メモリ214aには、図2のメモリ214と同様に、複数のプログラムが格納されている。また、各SANIF218aと各ドライブIF219aとには、それぞれCPUが設けられている。
【0250】
管理用IF216aは、キャッシュ213aと、メモリ214aと、スイッチ215aと、複数のSANIF218aと、複数のドライブIF219aと、に接続されている。そして、各SANIF218aは、メモリ214aとスイッチ215aとに接続されており、各ドライブIF219aも、メモリ214aとスイッチ215aとに接続されている。
【0251】
上記のように、各SANIF218aと各ドライブIF219aとは、スイッチ215aを介して接続されており、スイッチ215aには、キャッシュ213aが接続されている。この構成を採用すれば、各SANIF218aと各ドライブIF219aとの間のデータ伝送を高速に行うことが可能となる。換言すれば、図2に示すいわゆる「共通バス方式」に代えて、図28に示すいわゆる「スイッチ接続方式」を利用すれば、データ伝送を高速化することができる。
【0252】
また、図28に示すように、複数のSANIF218aと複数のドライブIF219aとが設けられていれば、いずれかのインタフェースに障害が発生したときに、他のインタフェースに切り替えることによって、継続的にストレージ装置を使用することができるという利点がある。
【0253】
なお、図28では、第1実施例のストレージ装置200(図2)に「スイッチ接続方式」を適用した場合について説明したが、第2〜第4実施例のストレージ装置200,300,200D(図15,図20,図23)にも「スイッチ接続方式」を適用可能である。
【0254】
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0255】
(1)上記実施例では、ネットワークシステムには複数のストレージ装置200,200Dが設けられているが、少なくとも1つのストレージ装置が設けられていればよい。一般には、管理装置は、外部に設けられた少なくとも1つのストレージ装置を管理すればよい。
【0256】
(2)上記実施例では、RAIDグループの起動数が管理されているが、これに代えて、RAID構成を有さないグループの起動数が管理されるようにしてもよい。
【0257】
一般には、ストレージ装置内の起動中のディスクグループの数が上限値を超えないように、ストレージ装置内のディスクグループに属する論理ボリュームを利用するための所定の処理が実行されればよい。
【0258】
(3)上記実施例では、システムRAIDグループ管理プログラムは、各ストレージ装置200,200Dから、起動RAIDグループ数と、起動RAIDグループ番号と、上限値と、を取得している(図7参照)。しかしながら、起動RAIDグループ数の取得は省略可能である。この場合には、起動RAIDグループ番号の個数から、起動RAIDグループ数が求められればよい。また、上限値の取得は省略可能である。この場合には、システムRAIDグループ管理テーブルに、ストレージ装置毎の上限値が予め設定されてもよいし、すべてのストレージ装置に共通の上限値が予め設定されてもよい。
【0259】
また、上記実施例では、システムRAIDグループ管理プログラムは、各ストレージ装置200,200Dから、上限値を取得しているが、これに代えて、メーカによって設定される最大消費電力の値を取得するようにしてもよい。この場合には、各ストレージ装置の最大消費電力の値に応じて上限値が決定されればよい。
【0260】
この説明から分かるように、上記実施例における起動RAIDグループ番号が、本発明における管理データに相当する。
【0261】
(4)上記実施例では、SANと管理用ネットワークNWとの双方が利用されているが、SANのみを利用してネットワークシステムが構築されてもよいし、管理用ネットワークNWのみを利用してネットワークシステムが構築されてもよい。
【0262】
(5)上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0263】
【図1】第1実施例におけるネットワークシステムの概略構成を示す説明図である。
【図2】ストレージ装置200の内部構成を示す説明図である。
【図3】RAIDグループ管理テーブル224の内容を示す説明図である。
【図4】システム構成管理テーブル424の内容を示す説明図である。
【図5】仮想化管理テーブル124の内容を示す説明図である。
【図6】AOU管理テーブル134の内容を示す説明図である。
【図7】システムRAIDグループ管理テーブル144の内容を示す説明図である。
【図8】ストレージ装置200におけるRAIDグループの管理処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】システムRAIDグループ管理テーブル144の生成処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】システムRAIDグループ管理テーブル144の生成処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】仮想ボリュームの実際の容量を増大させる際の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】候補管理テーブル136の内容を示す説明図である。
【図13】更新済みの候補管理テーブル136’の内容を示す説明図である。
【図14】ステップS310(図11)の具体的な処理内容を示す説明図である。
【図15】第2実施例におけるネットワークシステムの概略構成を示す説明図である。
【図16】システム構成管理テーブル424Bの内容を示す説明図である。
【図17】外部ボリューム対応テーブル324の内容を示す説明図である。
【図18】仮想ボリュームに外部ボリュームをマッピングする際の処理手順を示すフローチャートである。
【図19】候補管理テーブル326の内容を示す説明図である。
【図20】第3実施例におけるネットワークシステムの概略構成を示す説明図である。
【図21】論理ボリュームを作成する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図22】候補管理テーブル544の内容を示す説明図である。
【図23】第4実施例におけるネットワークシステムの概略構成を示す説明図である。
【図24】コピーペア管理テーブル644の内容を示す説明図である。
【図25】コピー元論理ボリュームに対する読み出し要求が発生した際の処理手順を示すフローチャートである。
【図26】コピー元論理ボリュームに対する読み出し要求が発生した際の処理手順を示すフローチャートである。
【図27】候補管理テーブル636の内容を示す説明図である。
【図28】第1実施例のストレージ装置の変形例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0264】
100…仮想化装置
112…CPU
114…メモリ
116…管理用インタフェース
118…SANインタフェース
122…仮想化プログラム
124…仮想化管理テーブル
132…AOUプログラム
134…AOU管理テーブル
136…候補管理テーブル
142…システムRAIDグループ管理プログラム
144…システムRAIDグループ管理テーブル
200,200D…ストレージ装置
210…ストレージコントローラ
212…CPU
213…キャッシュ
214…メモリ
216…管理用インタフェース
218…SANインタフェース
219…ドライブインタフェース
222,222D…RAIDグループ制御プログラム
224…RAIDグループ管理テーブル
232…監視エージェント
242,242D…入出力制御プログラム
252…構成管理プログラム
254…構成管理テーブル
260…ディスク装置
300…高機能ストレージ装置
310…ストレージコントローラ
312…CPU
313…キャッシュ
314…メモリ
316…管理用インタフェース
318…SANインタフェース
319…ドライブインタフェース
322…外部接続プログラム
324…外部ボリューム対応テーブル
326…候補管理テーブル
332…システムRAIDグループ管理プログラム
334…システムRAIDグループ管理テーブル
360…ディスク装置
400…管理サーバ
412…CPU
414…メモリ
416…管理用インタフェース
418…入力部
419…表示部
422…システム構成管理プログラム
424,424B…システム構成管理テーブル
500…管理サーバ
512…CPU
514…メモリ
516…管理用インタフェース
518…入力部
519…表示部
522…システム構成管理プログラム
524…システム構成管理テーブル
532…システムRAIDグループ管理プログラム
534…システムRAIDグループ管理テーブル
542…プロビジョニングプログラム
544…候補管理テーブル
600…管理サーバ
612…CPU
614…メモリ
616…管理用インタフェース
618…入力部
619…表示部
622…システム構成管理プログラム
624…システム構成管理テーブル
632…システムRAIDグループ管理プログラム
634…システムRAIDグループ管理テーブル
636…候補管理テーブル
642…コピー管理プログラム
644…コピーペア管理テーブル
700…ホスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部に設けられたストレージ装置を管理するための管理装置であって、
前記ストレージ装置から、前記ストレージ装置に含まれる複数のディスクグループのうちの起動中のディスクグループを示す管理データを取得するための管理データ取得部と、
前記ストレージ装置の前記管理データを参照して、前記ストレージ装置内の起動中のディスクグループの数が上限値を超えないように、前記ストレージ装置内のディスクグループに属する論理ボリュームを利用するための所定の処理を実行する処理実行部と、
を備えることを特徴とする管理装置。
【請求項2】
請求項1記載の管理装置であって、さらに、
少なくとも1台のストレージ装置に含まれる論理ボリュームを仮想ボリュームにマッピングするための仮想化部を備え、
前記処理実行部は、
前記仮想ボリュームに論理ボリュームをマッピングする場合に、前記少なくとも1台のストレージ装置の前記管理データを参照して、前記各ストレージ装置内の起動中のディスクグループの数が前記上限値を超えないように、前記少なくとも1台のストレージ装置に含まれ、前記仮想ボリュームにマッピングされる前記論理ボリュームを作成可能な複数の記憶領域を示す複数の候補を選択するための候補選択部と、
前記複数の候補の中から選択された1つの候補に対応する記憶領域を含む特定のストレージ装置に、前記1つの候補に対応する前記記憶領域に論理ボリュームを作成するように指示する作成指示部と、
を備え、
前記仮想化部は、前記作成された論理ボリュームを前記仮想ボリュームにマッピングする、管理装置。
【請求項3】
請求項2記載の管理装置であって、
前記候補選択部は、
前記仮想ボリュームの容量の利用率を取得する利用率取得部を備え、
前記候補選択部は、
前記利用率が所定値を超えた場合に、前記仮想ボリュームに新たな論理ボリュームをマッピングするために、前記複数の候補を選択する、管理装置。
【請求項4】
請求項3記載の管理装置であって、
前記候補選択部は、予め設定された条件を満足する論理ボリュームを作成可能な記憶領域を前記候補として選択する、管理装置。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれかに記載の管理装置であって、
前記候補選択部は、
前記候補として、前記少なくとも1台のストレージ装置に含まれる2以上の部分記憶領域を含む前記記憶領域を選択可能であり、
前記2以上の部分記憶領域を含む前記記憶領域は、前記少なくとも1台のストレージ装置のそれぞれにおける起動中のディスクグループの数が前記上限値を超えない場合に、前記候補として選択される、管理装置。
【請求項6】
請求項2ないし5のいずれかに記載の管理装置であって、
前記処理実行部は、さらに、
所定のルールに従って、前記複数の候補の中から前記1つの候補を選択するための候補決定部を備える、管理装置。
【請求項7】
請求項1記載の管理装置であって、さらに、
少なくとも1台のストレージ装置に含まれる論理ボリュームを仮想ボリュームにマッピングするための仮想化部を備え、
前記処理実行部は、
前記仮想ボリュームに論理ボリュームをマッピングする場合に、前記少なくとも1台のストレージ装置の前記管理データを参照して、前記各ストレージ装置内の起動中のディスクグループの数が前記上限値を超えないように、前記少なくとも1台のストレージ装置に含まれ、前記仮想ボリュームにマッピング可能な複数の論理ボリュームを示す複数の候補を選択するための候補選択部を備え、
前記仮想化部は、前記複数の候補の中から選択された1つの候補に対応する論理ボリュームを前記仮想ボリュームにマッピングする、管理装置。
【請求項8】
請求項7記載の管理装置であって、
前記候補選択部は、他の仮想ボリュームにマッピングされていない論理ボリュームを、前記候補として選択する、管理装置。
【請求項9】
請求項1記載の管理装置であって、
前記処理実行部は、
少なくとも1台のストレージ装置に論理ボリュームを作成する場合に、前記少なくとも1台のストレージ装置の前記管理データを参照して、前記各ストレージ装置内の起動中のディスクグループの数が前記上限値を超えないように、前記少なくとも1台のストレージ装置に含まれ、論理ボリュームを作成可能な複数の記憶領域を示す複数の候補を選択するための候補選択部と、
前記複数の候補の中から選択された1つの候補に対応する記憶領域を含むストレージ装置に、前記1つの候補に対応する前記記憶領域に論理ボリュームを作成するように指示する作成指示部と、
を備える、管理装置。
【請求項10】
請求項9記載の管理装置であって、
前記候補選択部は、ユーザによって指定される条件を満足する論理ボリュームを作成可能な記憶領域を前記候補として選択する、管理装置。
【請求項11】
請求項9または10記載の管理装置であって、
前記候補選択部は、
前記候補として、前記少なくとも1台のストレージ装置に含まれる2以上の部分記憶領域を含む前記記憶領域を選択可能であり、
前記2以上の部分記憶領域を含む前記記憶領域は、前記少なくとも1台のストレージ装置のそれぞれにおける起動中のディスクグループの数が前記上限値を超えない場合に、前記候補として選択される、管理装置。
【請求項12】
請求項9ないし11のいずれかに記載の管理装置であって、
前記処理実行部は、さらに、
所定のルールに従って、前記複数の候補の中から前記1つの候補を選択するための候補決定部を備える、管理装置。
【請求項13】
請求項1記載の管理装置であって、
少なくとも1台のストレージ装置には、第1のディスクグループに含まれるコピー元の論理ボリュームと、前記第1のディスクグループと異なる第2のディスクグループに含まれるコピー先の論理ボリュームと、が含まれており、
前記処理実行部は、
特定のストレージ装置に含まれる前記コピー元論理ボリュームに対するデータの読み出し要求が発生した場合に、前記少なくとも1台のストレージ装置の前記管理データを参照して、前記各ストレージ装置内の起動中のディスクグループの数が前記上限値を超えないように、前記コピー元論理ボリュームまたは前記コピー先論理ボリュームを読み出し処理の対象論理ボリュームとして選択するための対象論理ボリューム選択部と、
前記コピー元論理ボリュームを含む前記特定のストレージ装置に、前記対象論理ボリュームの情報を送信する送信部と、
を備える、管理装置。
【請求項14】
請求項13記載の管理装置であって、
前記コピー元論理ボリュームと前記コピー先論理ボリュームとは、前記特定のストレージ装置に含まれている、管理装置。
【請求項15】
請求項13記載の管理装置であって、
前記コピー元論理ボリュームと前記コピー先論理ボリュームとは、異なるストレージ装置に含まれている、管理装置。
【請求項16】
請求項13ないし15のいずれかに記載の管理装置であって、
前記対象論理ボリューム選択部は、前記各ストレージ装置内の起動中のディスクグループの数が前記上限値を超えないように、前記コピー元論理ボリュームと前記コピー先論理ボリュームとの双方を前記対象論理ボリュームとして選択可能である場合には、ディスクグループの新たな起動を必要としない一方の論理ボリュームを優先して選択する、管理装置。
【請求項17】
ストレージシステムであって、
請求項13記載の管理装置と、
前記特定のストレージ装置と、
を備え、
前記特定のストレージ装置は、
前記管理装置から前記対象論理ボリュームの情報を取得して、前記情報に応じた処理を実行する制御部を備え、
前記制御部は、
前記対象論理ボリュームが前記特定のストレージ装置に含まれる場合には、前記対象論理ボリュームに対する読み出し処理を実行し、
前記対象論理ボリュームが前記特定のストレージ装置と異なる他のストレージ装置に含まれる場合には、前記他のストレージ装置に前記対象論理ボリュームに対する読み出し処理を実行するように指示する、ストレージシステム。
【請求項18】
管理装置において、外部に設けられたストレージ装置を管理する方法であって、
前記ストレージ装置から、前記ストレージ装置に含まれる複数のディスクグループのうちの起動中のディスクグループを示す管理データを取得する工程と、
前記ストレージ装置の前記管理データを参照して、前記ストレージ装置内の起動中のディスクグループの数が上限値を超えないように、前記ストレージ装置内のディスクグループに属する論理ボリュームを利用するための所定の処理を実行する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項19】
管理装置に、外部に設けられたストレージ装置を管理させるためのコンピュータプログラムであって、
前記ストレージ装置から、前記ストレージ装置に含まれる複数のディスクグループのうちの起動中のディスクグループを示す管理データを取得する機能と、
前記ストレージ装置の前記管理データを参照して、前記ストレージ装置内の起動中のディスクグループの数が上限値を超えないように、前記ストレージ装置内のディスクグループに属する論理ボリュームを利用するための所定の処理を実行する機能と、
を前記管理装置に実現させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項20】
請求項19記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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