ストロボ装置及び撮影装置
【課題】プリ発光時の発光バラツキを低減するとともに、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができるストロボ装置及び撮影装置を提供する。
【解決手段】電源装置から端子Eを介してプリ発光用のトリガ印加電圧がスイッチSW2に印加され、スイッチSW2がONになると、トリガ用トランスT1により高周波高電圧(トリガ電圧)を発生する。このトリガ電圧Vは、放電管40の管壁に印加され、放電管40内のキセノンガスがイオン化され励起する。プリ発光用のトリガ印加電圧の印加開始後のキセノンガスの励起中に、プリ発光用の発光制御電圧がスイッチSW1に印加されると、メインコンデンサC2に蓄積された電荷が放電され、放電管40に放電管電流I1が流れて発光エネルギーが与えられ、プリ発光が行われる。なお、本発光時にも同様の制御が行われる。
【解決手段】電源装置から端子Eを介してプリ発光用のトリガ印加電圧がスイッチSW2に印加され、スイッチSW2がONになると、トリガ用トランスT1により高周波高電圧(トリガ電圧)を発生する。このトリガ電圧Vは、放電管40の管壁に印加され、放電管40内のキセノンガスがイオン化され励起する。プリ発光用のトリガ印加電圧の印加開始後のキセノンガスの励起中に、プリ発光用の発光制御電圧がスイッチSW1に印加されると、メインコンデンサC2に蓄積された電荷が放電され、放電管40に放電管電流I1が流れて発光エネルギーが与えられ、プリ発光が行われる。なお、本発光時にも同様の制御が行われる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はストロボ装置及び撮影装置に係り、特に放電管や発光ダイオード(LED)を用いて被写体を照明するストロボ装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本撮影の前にストロボ放電管を発光(プリ発光)させ、調光センサや撮像素子を用いて被写体からの反射光を測光して、本撮影時のストロボの発光時間(本発光の時間)を算出する調光制御方式が用いられている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、特許文献2には、放電管にトリガ電圧を与えて放電を開始させるためのトランスを有し、該トランスにより連続した交流電圧を放電管に印加して発光を開始させるようにした放電管の発光開始装置について開示されている。
【特許文献1】特開2002−131810号公報
【特許文献2】特開2003−249396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の放電管は管内の物質(例えば、キセノンガス)をイオン化して発光するが、電圧の印加の仕方等によってイオン化から発光までの時間にバラツキが生じることがあった。また、発光ダイオードを用いたストロボ装置では、発光ダイオードのロットや周囲の温度によって順電圧が変化して発光量にバラツキが生じることがあった。
【0005】
上記のような調光制御方式では、プリ発光時の発光量にバラツキが生じると本発光の発光量に影響する。例えば、プリ発光量が大きい場合には本発光が暗くなったり、プリ発光量が小さい場合には本発光が明るくなったりする。このため、撮影された画像の明るさが適正に調整できなくなるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、プリ発光時及び本発光時の発光バラツキを低減して、被写体のストロボ照明を適正に行うことができるストロボ装置及び撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願請求項1に係るストロボ装置は、所定の物質が封入された放電管と、前記放電管にトリガ電圧を印加して前記放電管内の物質をイオン化させるイオン化手段と、前記トリガ電圧の印加を制御する第1のスイッチと、前記放電管に流れる放電管電流の経路の接続/非接続を制御して、前記放電管の発光を制御する第2のスイッチと、前記第1及び第2のスイッチを制御して、前記放電管を所定のプリ発光時間プリ発光させるプリ発光制御手段と、前記プリ発光時に被写体からの反射光を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された反射光量に基づいて、本発光時間を算出する算出手段と、前記第1及び第2のスイッチを制御して、前記放電管を前記算出された本発光時間本発光させる調光制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項1に係る発明によれば、トリガ電圧の印加を制御する第1のスイッチと、放電管電流の経路を制御するスイッチを独立に設けることにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0009】
請求項2に示すように、請求項1に係るストロボ装置において、前記測定手段は、前記第2のスイッチにより前記放電管電流の経路が接続されている期間に調光積算期間を設定して、前記調光制御期間における前記被写体からの反射光を積算し、前記調光制御手段は、前記第2のスイッチにより前記放電管電流の経路が接続されている期間に撮影手段の露光期間を設定すればよい。
【0010】
請求項2に係る発明によれば、トリガ電圧の印加を制御する第1のスイッチと、放電管電流の経路を制御するスイッチを独立に設け、第2のスイッチがONの期間を調光積算期間及び露光期間とすることにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0011】
請求項3に係るストロボ装置は、所定の物質が封入された放電管と、前記放電管にトリガ電圧を印加して前記放電管内の物質をイオン化させて、前記放電管を発光させる発光制御手段と、前記放電管の発光時に流れる放電管電流を検出する放電管電流検出手段と、前記発光制御手段により前記放電管を所定のプリ発光時間プリ発光させる手段であって、前記放電管電流検出手段により検出された放電管電流に基づいて、前記プリ発光時間を制御するプリ発光制御手段と、前記プリ発光時に被写体からの反射光を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された反射光量に基づいて、本発光時間を算出する算出手段と、前記発光制御手段により前記放電管を前記算出された本発光時間本発光させる手段であって、前記放電管電流検出手段により検出された放電管電流に基づいて、前記本発光時間を制御する調光制御手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、放電管電流が検出された期間に調光積算及び露光を行うことにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0013】
請求項4に示すように、請求項3に係るストロボ装置において、前記放電管電流検出手段は、前記トリガ電圧の印加時に流れる電流を放電管電流として検出せず、前記トリガ電圧の印加後に流れる電流を放電管電流として検出することが好ましい。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、トリガ電圧の印加時に流れるトリガ電流を放電管電流として誤って検出することを防止できる。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項3に係るストロボ装置において、前記トリガ電圧の印加時に流れる電流をマスキングするマスキング手段を更に備えることを特徴とする。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、トリガ電圧の印加時に流れる電流をマスキングすることにより、トリガ電圧の印加時に流れるトリガ電流を放電管電流として誤って検出することを防止できる。
【0017】
請求項6に係るストロボ装置は、所定の物質が封入された放電管と、前記放電管にトリガ電圧を印加して前記放電管内の物質をイオン化させるイオン化手段と、前記トリガ電圧の印加を制御する第1のスイッチと、前記放電管に流れる放電管電流の経路の接続/非接続を制御して、前記放電管の発光を制御する第2のスイッチと、前記放電管の発光時に流れる放電管電流を検出する放電管電流検出手段と、前記第1及び第2のスイッチを制御して、前記放電管を所定のプリ発光時間プリ発光させる手段であって、前記放電管電流検出手段により検出された放電管電流に基づいて、プリ発光時間を制御するプリ発光制御手段と、前記プリ発光時に被写体からの反射光を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された反射光量に基づいて、本発光時間を算出する算出手段と、前記第1及び第2のスイッチを制御して、前記放電管を前記算出された本発光時間本発光させる手段であって、前記放電管電流検出手段により検出された放電管電流に基づいて、本発光時間を制御する調光制御手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
請求項6に係る発明によれば、放電管電流が検出された期間に調光積算及び露光を行うことにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。また、トリガ電圧の印加を制御する第1のスイッチと、放電管電流の経路を制御するスイッチを独立に設けることにより、トリガ電圧の印加時に流れるトリガ電流を放電管電流として誤って検出することを防止できる。
【0019】
前記放電管電流検出手段は、請求項7に示すように、前記放電管電流が流れる経路に配置された電源検出抵抗と、前記電源検出抵抗に流れる放電管電流を検出する電流検出回路とを備えるものや、請求項8に示すように、前記放電管電流が流れる経路に配置されたダイオードと、前記ダイオードに放電管電流が流れるときに発生する発生電圧により、前記放電管電流を検出する手段とを備えるものを用いることができる。
【0020】
請求項9に示すように、請求項3から8に係るストロボ装置において、前記測定手段は、前記第2のスイッチにより前記放電管電流の経路が接続されている期間に調光積算期間を設定して、前記調光制御期間における前記被写体からの反射光を積算し、前記調光制御手段は、前記第2のスイッチにより前記放電管電流の経路が接続されている期間に撮影手段の露光期間を設定すればよい。
【0021】
請求項10に係るストロボ装置は、流れる電流量に応じて発光する発光手段と、前記発光手段に電圧を印加して、前記発光手段を発光させる発光制御手段と、前記発光手段の発光時に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段からの出力に基づいて、前記発光手段に流れる電流量が一定になるように制御する定電流制御手段と、前記発光制御手段により前記発光手段を所定のプリ発光時間プリ発光させるプリ発光制御手段と、前記プリ発光時に被写体からの反射光を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された反射光量に基づいて、本発光時間を算出する算出手段と、前記発光制御手段により前記発光手段を前記算出された本発光時間本発光させる調光制御手段とを備えることを特徴とする。
【0022】
請求項10に係る発明によれば、発光手段のロットや温度変化により発光手段に流れる電流量が変動して生じる発酵バラツキを低減することができる。
【0023】
請求項11に係る発明は、請求項10に係るストロボ装置において、前記測定手段が、前記プリ発光の開始後、前記発光手段に流れる電流が安定するまでに見込まれた所定の時間経過後に調光積算期間を設定して、前記調光制御期間における前記被写体からの反射光を積算し、前記調光制御手段は、前記本発光の開始後、前記発光手段に流れる電流が安定するまでに見込まれた所定の時間経過後に撮影手段の露光期間を設定することを特徴とする。
【0024】
請求項11に係る発明によれば、発光手段に流れる電流量が安定するまでの時間を予め見込んでおき、予め見込んだ時間の経過後に調光積算及び露光を行うことにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキを低減し、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0025】
請求項12に係る発明は、請求項10に係るストロボ装置において、前記測定手段が、前記プリ発光の開始後、前記電流検出手段により前記発光手段に流れる電流が安定したことが検出されたとき以降に調光積算期間を設定して、前記調光制御期間における前記被写体からの反射光を積算し、前記調光制御手段は、前記本発光の開始後、前記電流検出手段により前記発光手段に流れる電流が安定したことが検出されたとき以降に撮影手段の露光期間を設定することを特徴とする。
【0026】
請求項12に係る発明によれば、発光手段に流れる電流量が安定したことが検出された後に、調光積算及び露光を行うことにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキを低減し、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0027】
請求項13に示すように、請求項10から12に係るストロボ装置では、前記発光手段として発光ダイオードを用いることができる。
【0028】
請求項14に係る撮影装置は、請求項1から13のいずれか1項記載のストロボ装置と、前記本発光時に画像を撮像する撮影手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、放電管や発光ダイオードの発光が安定した期間に、調光積算期間及び露光期間を設定することにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、添付図面に従って本発明に係るストロボ装置及び該ストロボ装置を備えた撮影装置の好ましい実施の形態について説明する。
【0031】
[撮影装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るストロボ装置を備える撮影装置(電子カメラ)の主要構成を示すブロック図である。図1に示すように、撮影装置10は、CPU12と、操作部14と、ROM16と、RAM18と、電源装置20と、撮像部22と、ストロボ装置24と、モニタ26と、メモリカード28の接続用インターフェース(I/F)30とを備えている。
【0032】
CPU12は、撮影装置10の各ブロックを制御する統括制御部である。操作部14は、電源スイッチやレリーズスイッチ、各種設定ボタン等の操作入力手段を含むブロックである。
【0033】
ROM16は、CPU12が処理するプログラム及び制御に必要な各種データ等を格納する。RAM18は、画像処理領域の他、CPU12が各種の演算処理等を行う作業用領域を有する。
【0034】
電源装置20は、撮影装置10の各ブロックに電源を供給するためのブロックであり、例えば、電池やAC電源等の外部電源である。電源装置20は、DC/DCコンバータを含んでおり、電池等から供給される電力を所要の電圧に変換して各回路ブロックに電源を供給する。
【0035】
撮像部22は、被写体を撮像するためのブロックであり、レンズや撮像素子32(例えば、CCD)を含んでいる。ストロボ装置24については後述する。撮像部22によって撮像された画像データは、CPU12のデジタル信号処理部34によって処理されて、メモリカード28に格納される。
【0036】
また、撮像素子32は、ストロボ装置24のプリ発光時に被写体からの反射光を測定する。測光制御部36は、プリ発光時に撮像素子32によって検知された被写体からの反射光に基づいてストロボ装置24の調光制御を行う。
【0037】
モニタ26は、撮影時に画角確認用の電子ファインダとして使用できるとともに、撮影した画像のプレビュー画や、撮影装置10に装填されたメモリカード28から読み出した再生画像等を表示する。
【0038】
[第1の実施形態]
次に、ストロボ装置24について説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図である。図2に示すように、本実施形態のストロボ装置24は、放電管40、スイッチSW1、SW2、トリガ用トランスT1、トリガ用コンデンサC1、メインコンデンサC2及びトリガ用コンデンサ充電抵抗R1を備える。スイッチSW1及びSW2は、例えば、IGBTにより構成される。また、端子A、C及びEは電源装置20(図1参照)に接続されており、端子Bは接地されている。
【0039】
スイッチSW2は、電源装置20から端子Eに入力される制御電圧VCによってそのON/OFFが制御され、トリガ電圧V1の印加を制御する。スイッチSW1は、電源装置20から端子Cに入力される発光制御電圧VCによってそのON/OFFが制御され、放電管40に流れる電流I1(I11、I12)を制御してプリ発光時間及び本発光時間を制御する。
【0040】
放電管(例えば、キセノン管)40は、発光に必要な発光電圧(DC300V)を蓄えるメインコンデンサC2と並列に、スイッチSW1を介して接続されている。また、放電管40内のキセノンガスをイオン化して励起するための高圧電圧(約4から5kV)を発生するためのトリガ用トランスT1がメインコンデンサC2と並列に、トリガ用コンデンサ充電抵抗R1及びトリガ用コンデンサC1を介して接続されている。更に、トリガ用トランスT1の中間タップは、スイッチSW2に接続されている。
【0041】
以下、図2の回路の動作について説明する。スイッチSW1及びSW2がOFFの間は、電源装置20から電源入力端子Aに供給された電力により、トリガ用コンデンサC1及びメインコンデンサC2に電荷が蓄積される。電源装置20から端子Eを介してプリ発光用のトリガ印加電圧VE1がスイッチSW2に印加され、スイッチSW2がONになると、トリガ用コンデンサC1に蓄積された電荷がトリガ用トランスT1の1次巻線を介して放電され、その2次巻線に高周波高電圧(トリガ電圧V11)を発生する。このトリガ電圧V11は、放電管40の管壁に印加され、放電管40内のキセノンガスがイオン化され励起する。プリ発光用のトリガ印加電圧VE1の印加開始後のキセノンガスの励起中に、プリ発光用の発光制御電圧VC1がスイッチSW1に印加されると、メインコンデンサC2に蓄積された電荷が放電され、放電管40に放電管電流I11が流れて発光エネルギーが与えられ、プリ発光が行われる。なお、本発光時にも同様の制御が行われる。
【0042】
次に、本実施形態の調光制御方法について、図3を参照して説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャートである。まず、図3に示すように、電源装置20から端子Eにトリガ印加電圧VE1が印加されてスイッチSW2がONになる。すると、第1のトリガ電圧V11が放電管40に印加されて、放電管40内のキセノンガスがイオン化され励起する。そして、キセノンガスの励起中に、プリ発光用の発光制御電圧VC1がスイッチSW1に印加されると、メインコンデンサC2に蓄積された電荷が放電され、放電管40に放電管電流I11が流れて発光エネルギーが与えられ、プリ発光が行われる。このプリ発光用の発光制御電圧VCの印加期間(プリ発光期間)を調光積算期間として、撮像素子32により被写体からの反射光を積算・測定する。このプリ発光時に撮像素子32により測定された被写体からの反射光に基づいて、測光制御部36によって本発光の発光時間が算出される。そして、算出された発光時間に基づいて本発光用の発光制御電圧VC2の印加される期間(本発光期間)が制御される。
【0043】
そして、本発光時には、プリ発光時と同様に、トリガ印加電圧VE2がスイッチSW2に印加され、トリガ用トランスT1から放電管40にトリガ電圧V12が印加され、キセノンガスがイオン化され励起される。そして、上記算出された本発光期間、発光制御電圧VC2が印加されて、本発光が行われる。
【0044】
本実施形態によれば、トリガ電圧の印加を制御するスイッチSW1と、放電管電流の接続/非接続を制御するスイッチSW2を独立に設け、プリ発光用の発光制御電圧VC1が印加されスイッチSW2がONの期間(プリ発光期間)を調光積算期間とし、本発光用の発光制御電圧VC2が印加されスイッチSW2がONの(本発光期間)を露光期間とすることにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0045】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図4は、本発明の第2の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図である。図4に示すように、放電管(例えば、キセノン管)40は、発光に必要な発光電圧(DC300V)を蓄えるメインコンデンサC2と並列に、スイッチSW1及び電流検出抵抗R2(ラインインピーダンスを含む)を介して接続されている。電流検出抵抗R2は、例えば、基準電圧、電圧比較器等から構成される電流検出回路42に接続されている。また、放電管40内のキセノンガスをイオン化して励起するための高圧電圧(約4から5kV)を発生するためのトリガ用トランスT1がメインコンデンサC2と並列に、トリガ用コンデンサ充電抵抗R1及びトリガ用コンデンサC1を介して接続されている。更に、トリガ用トランスT1の中間タップは、スイッチSW1に接続されている。
【0046】
次に、本実施形態の調光制御方法について、図5を参照して説明する。図5は、本発明の第2の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャートである。スイッチSW1がOFFの間は、電源装置20から電源入力端子Aに供給された電力により、トリガ用コンデンサC1及びメインコンデンサC2に電荷が蓄積される。電源装置20から端子Cを介してプリ発光用の発光制御電圧VC1がスイッチSW1に印加され、スイッチSW1がONになると、トリガ用コンデンサC1に蓄積された電荷がトリガ用トランスT1の1次巻線を介して放電され、その2次巻線に高周波高電圧(トリガ電圧V11)を発生する。このトリガ電圧V11は、放電管40の管壁に印加され、放電管40内のキセノンガスがイオン化され励起する。そして、メインコンデンサC2に蓄積された電荷が放電され、放電管40に放電管電流I11が流れて発光エネルギーが与えられ、プリ発光が行われる。
【0047】
放電管電流I11は、電流検出抵抗R2により検出されて、電流検出回路42により放電管電流I11が流れ出すタイミングが検出され、端子Dに出力される。測光制御部36は、端子Dから出力される電流検出出力DI11により、放電管電流I11が流れ出すタイミングを検出する。なお、トリガ電圧V11の発生時には、トリガ用コンデンサC1からトリガ電流I2が電流検出抵抗R2に一瞬流れるので、電流検出回路42は、このトリガ電流I2を放電管電流I11として誤って検出しないように、例えば、放電管電流として検出すべき電流値の下限値が設定されるか、又は、電流が所定時間以上継続して流れた場合に放電管電流として検出するように設定されている。測光制御部36は、電流検出回路42により放電管電流I11が所定のプリ発光期間流れたことが検出されたときに発光制御信号を停止させて発光制御電圧VC1の印加を停止し、放電管電流I11が実際に流れる時間を制御する。
【0048】
このプリ発光時に撮像素子32により被写体からの反射光を積算・測定された被写体からの反射光に基づいて、測光制御部36によって本発光の発光時間が算出される。
【0049】
本発光時には、プリ発光時と同様に、本発光用の発光制御電圧VC2がスイッチSW2に印加され、トリガ用トランスT1から放電管40にトリガ電圧V12が印加され、キセノンガスがイオン化され励起される。そして、上記算出された本発光期間本発光が行われる。本発光時に流れる放電管電流I12は、電流検出抵抗R2により検出されて、電流検出回路42により放電管電流I12が流れ出すタイミングが検出される。測光制御部36は、電流検出回路42により放電管電流I12がプリ発光時に算出された本発光時間流れたことが検出されたときに発光制御信号を停止させて発光制御電圧VC2の印加を停止し、放電管電流I12が実際に流れる時間を制御する。
【0050】
本実施形態によれば、放電管電流I11が検出された期間(プリ発光期間)を調光積算期間とし、本発光時の放電管電流I12の検出期間(本発光期間)を制御して露光期間を制御することにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0051】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図6は、本発明の第3の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図である。図6に示すように、放電管(例えば、キセノン管)40は、発光に必要な発光電圧(DC300V)を蓄えるメインコンデンサC2と並列に、スイッチSW1及びダイオードD1を介して接続されている。ダイオードD1のアノード側は電流検出出力として使用される。また、放電管40内のキセノンガスをイオン化して励起するための高圧電圧(約4から5kV)を発生するためのトリガ用トランスT1がメインコンデンサC2と並列に、トリガ用コンデンサ充電抵抗R1及びトリガ用コンデンサC1を介して接続されている。更に、トリガ用トランスT1の中間タップは、スイッチSW1に接続されている。
【0052】
次に、本実施形態の調光制御方法について、図7を参照して説明する。図7は、本発明の第3の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャートである。スイッチSW1がOFFの間は、電源装置20から電源入力端子Aに供給された電力により、トリガ用コンデンサC1及びメインコンデンサC2に電荷が蓄積される。電源装置20から端子Cを介してプリ発光用の発光制御電圧VC1がスイッチSW1に印加され、スイッチSW1がONになると、トリガ用コンデンサC1に蓄積された電荷がトリガ用トランスT1の1次巻線を介して放電され、その2次巻線に高周波高電圧(トリガ電圧V11)を発生する。このトリガ電圧V11は、放電管40の管壁に印加され、放電管40内のキセノンガスがイオン化され励起する。そして、メインコンデンサC2に蓄積された電荷が放電され、放電管40に放電管電流I11が流れて発光エネルギーが与えられ、プリ発光が行われる。
【0053】
放電管電流I11は、ダイオードD1により検出されて、端子Dに出力される。測光制御部36は、端子Dから出力される電流検出出力DI11により、放電管電流I11が流れ出すタイミングを検出する。なお、トリガ電圧V11の発生時には、トリガ用コンデンサC1からトリガ電流I2がダイオードD1に一瞬流れるので(電流検出出力DI21)、測光制御部36は、2回目の電流検出出力DI11を放電管電流I11が流れ出すタイミングとして検出する。測光制御部36は、ダイオードD1により放電管電流I11が所定のプリ発光期間流れたことが検出されたときに発光制御信号を停止させて発光制御電圧VC1の印加を停止し、放電管電流I11が実際に流れる時間を制御する。
【0054】
このプリ発光時に撮像素子32により被写体からの反射光を積算・測定された被写体からの反射光に基づいて、測光制御部36によって本発光の発光時間が算出される。
【0055】
本発光時には、プリ発光時と同様に、本発光用の発光制御電圧VC2がスイッチSW2に印加され、トリガ用トランスT1から放電管40にトリガ電圧V12が印加され、キセノンガスがイオン化され励起される。そして、上記算出された本発光期間本発光が行われる。本発光時に流れる放電管電流I12は、ダイオードD1により検出されて、測光制御部36により放電管電流I12が流れ出すタイミングが検出される。測光制御部36は、放電管電流I12がプリ発光時に算出された本発光時間流れたことが検出されたときに発光制御信号を停止させて発光制御電圧VC2の印加を停止し、放電管電流I12が実際に流れる時間を制御する。
【0056】
本実施形態によれば、放電管電流I11が検出された期間(プリ発光期間)を調光積算期間とし、本発光時の放電管電流I12の検出期間(本発光期間)を制御して露光期間を制御することにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0057】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図8は、本発明の第4の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図である。図8に示すように、放電管(例えば、キセノン管)40は、発光に必要な発光電圧(DC300V)を蓄えるメインコンデンサC2と並列に、スイッチSW1及び電流検出抵抗R2(ラインインピーダンスを含む)を介して接続されている。電流検出抵抗R2は、例えば、基準電圧、電圧比較器等から構成される電流検出回路42に接続されている。また、放電管40内のキセノンガスをイオン化して励起するための高圧電圧(約4から5kV)を発生するためのトリガ用トランスT1がメインコンデンサC2と並列に、トリガ用コンデンサ充電抵抗R1及びトリガ用コンデンサC1を介して接続されている。更に、トリガ用トランスT1の中間タップは、スイッチSW2に接続されている。
【0058】
次に、本実施形態の調光制御方法について、図9を参照して説明する。図9は、本発明の第4の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャートである。スイッチSW1及びSW2がOFFの間は、電源装置20から電源入力端子Aに供給された電力により、トリガ用コンデンサC1及びメインコンデンサC2に電荷が蓄積される。電源装置20から端子Eを介してプリ発光用のトリガ印加電圧VE1がスイッチSW2に印加され、スイッチSW2がONになると、トリガ用コンデンサC1に蓄積された電荷がトリガ用トランスT1の1次巻線を介して放電され、その2次巻線に高周波高電圧(トリガ電圧V11)を発生する。このトリガ電圧V11は、放電管40の管壁に印加され、放電管40内のキセノンガスがイオン化され励起する。なお、図8に示すように、トリガ電圧V11の印加時にトリガ用コンデンサC1から一瞬流れるトリガ電流I2は、電流検出抵抗R2には流れないようになっている。
【0059】
次に、電源装置20から端子Cを介してプリ発光用の発光制御電圧VC1がスイッチSW1に印加され、スイッチSW1がONになると、メインコンデンサC2に蓄積された電荷が放電され、放電管40に放電管電流I11が流れて発光エネルギーが与えられ、プリ発光が行われる。
【0060】
放電管電流I11は、電流検出抵抗R2により検出されて、電流検出回路42により放電管電流I11が流れ出すタイミングが検出され、端子Dに出力される。測光制御部36は、端子Dから出力される電流検出出力DI11により、放電管電流I11が流れ出すタイミングを検出する。測光制御部36は、電流検出出力DI11に基づいて放電管電流I11が所定のプリ発光期間流れたことを検出すると、発光制御信号を停止させて発光制御電圧VC1の印加を停止し、放電管電流I11が実際に流れる時間を制御する。
【0061】
このプリ発光時に撮像素子32により被写体からの反射光を積算・測定された被写体からの反射光に基づいて、測光制御部36によって本発光の発光時間が算出される。
【0062】
本発光時には、プリ発光時と同様に、トリガ印加電圧VE2がスイッチSW2に印加され、トリガ用トランスT1から放電管40にトリガ電圧V12が印加され、キセノンガスがイオン化され励起される。そして、上記算出された本発光期間本発光が行われる。本発光時に流れる放電管電流I12は、電流検出抵抗R2により検出されて、電流検出回路42により放電管電流I12が流れ出すタイミングが検出される。測光制御部36は、電流検出出力DI12に基づいて放電管電流I12がプリ発光時に算出された本発光時間流れたことを検出すると、発光制御信号を停止させて発光制御電圧VC2の印加を停止し、放電管電流I12が実際に流れる時間を制御する。
【0063】
本実施形態によれば、放電管電流I11が検出された期間(プリ発光期間)を調光積算期間とし、本発光時の放電管電流I12の検出期間(本発光期間)を制御して露光期間を制御することにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0064】
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図10は、本発明の第5の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図である。図10に示すように、放電管(例えば、キセノン管)40は、発光に必要な発光電圧(DC300V)を蓄えるメインコンデンサC2と並列に、スイッチSW1及びダイオードD1を介して接続されている。ダイオードD1のアノード側は電流検出出力として使用される。また、放電管40内のキセノンガスをイオン化して励起するための高圧電圧(約4から5kV)を発生するためのトリガ用トランスT1がメインコンデンサC2と並列に、トリガ用コンデンサ充電抵抗R1及びトリガ用コンデンサC1を介して接続されている。更に、トリガ用トランスT1の中間タップは、スイッチSW2に接続されている。
【0065】
次に、本実施形態の調光制御方法について、図11を参照して説明する。図11は、本発明の第5の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャートである。スイッチSW1及びSW2がOFFの間は、電源装置20から電源入力端子Aに供給された電力により、トリガ用コンデンサC1及びメインコンデンサC2に電荷が蓄積される。電源装置20から端子Eを介してプリ発光用のトリガ印加電圧VE1がスイッチSW2に印加され、スイッチSW2がONになると、トリガ用コンデンサC1に蓄積された電荷がトリガ用トランスT1の1次巻線を介して放電され、その2次巻線に高周波高電圧(トリガ電圧V11)を発生する。このトリガ電圧V11は、放電管40の管壁に印加され、放電管40内のキセノンガスがイオン化され励起する。なお、図8に示すように、トリガ電圧V11の印加時にトリガ用コンデンサC1から一瞬流れるトリガ電流I2は、ダイオードD1には流れないようになっている。
【0066】
次に、電源装置20から端子Cを介してプリ発光用の発光制御電圧VC1がスイッチSW1に印加され、スイッチSW1がONになると、メインコンデンサC2に蓄積された電荷が放電され、放電管40に放電管電流I11が流れて発光エネルギーが与えられ、プリ発光が行われる。
【0067】
放電管電流I11は、ダイオードD1により検出されて、端子Dに出力される。測光制御部36は、端子Dから出力される電流検出出力DI11により、放電管電流I11が流れ出すタイミングを検出する。測光制御部36は、電流検出出力DI11に基づいて放電管電流I11が所定のプリ発光期間流れたことを検出すると、発光制御信号を停止させて発光制御電圧VC1の印加を停止し、放電管電流I11が実際に流れる時間を制御する。
【0068】
このプリ発光時に撮像素子32により被写体からの反射光を積算・測定された被写体からの反射光に基づいて、測光制御部36によって本発光の発光時間が算出される。
【0069】
本発光時には、プリ発光時と同様に、トリガ印加電圧VE2がスイッチSW2に印加され、トリガ用トランスT1から放電管40にトリガ電圧V12が印加され、キセノンガスがイオン化され励起される。そして、上記算出された本発光期間本発光が行われる。本発光時に流れる放電管電流I12は、ダイオードD1により検出されて、測光制御部36により放電管電流I12が流れ出すタイミングが検出される。測光制御部36は、電流検出出力DI12に基づいて放電管電流I12がプリ発光時に算出された本発光時間流れたことを検出すると、発光制御信号を停止させて発光制御電圧VC2の印加を停止し、放電管電流I12が実際に流れる時間を制御する。
【0070】
本実施形態によれば、放電管電流I11が検出された期間(プリ発光期間)を調光積算期間とし、本発光時の放電管電流I12の検出期間(本発光期間)を制御して露光期間を制御することにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0071】
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。図12は、本発明の第6の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図である。図12に示すように、放電管(例えば、キセノン管)40は、発光に必要な発光電圧(DC300V)を蓄えるメインコンデンサC2と並列に、スイッチSW1及びダイオードD1を介して接続されている。ダイオードD1のアノード側は電流検出出力として使用される。また、放電管40内のキセノンガスをイオン化して励起するための高圧電圧(約4から5kV)を発生するためのトリガ用トランスT1がメインコンデンサC2と並列に、トリガ用コンデンサ充電抵抗R1及びトリガ用コンデンサC1を介して接続されている。更に、トリガ用トランスT1の中間タップは、スイッチSW1に接続されている。
【0072】
電流検出出力端子Dは、マスキング回路44に接続されている。マスキング回路44は、発光制御電圧VCの立ち上がり時(印加開始時)に、トリガ用コンデンサC1から一瞬流れるトリガ電流I2をマスキングして、トリガ電流I2と放電管電流I1とを誤検出しないようにする。
【0073】
次に、本実施形態の調光制御方法について、図13を参照して説明する。図13は、本発明の第6の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャートである。スイッチSW1及びSW2がOFFの間は、電源装置20から電源入力端子Aに供給された電力により、トリガ用コンデンサC1及びメインコンデンサC2に電荷が蓄積される。電源装置20から端子Cを介してプリ発光用の発光制御電圧VC1がスイッチSW1に印加され、スイッチSW1がONになると、トリガ用コンデンサC1に蓄積された電荷がトリガ用トランスT1の1次巻線を介して放電され、その2次巻線に高周波高電圧(トリガ電圧V11)を発生する。このトリガ電圧V11は、放電管40の管壁に印加され、放電管40内のキセノンガスがイオン化され励起する。
【0074】
そして、メインコンデンサC2に蓄積された電荷が放電され、放電管40に放電管電流I11が流れて発光エネルギーが与えられ、プリ発光が行われる。
【0075】
放電管電流I11は、ダイオードD1により検出されて、端子Dに出力される。マスキング回路44は、発光制御電圧VCの立ち上がり時(印加開始時)に電流検出出力DI21をマスキングし、発光制御電圧VCの立ち上がり後の電流検出出力DI11をマスキング出力端子Gに出力する。測光制御部36は、マスキング出力端子Gから出力されるマスキング出力M1により、放電管電流I11が流れ出すタイミングを検出する。測光制御部36は、マスキング出力M1に基づいて放電管電流I11が所定のプリ発光期間流れたことを検出すると、発光制御信号を停止させて発光制御電圧VC1の印加を停止し、放電管電流I11が実際に流れる時間を制御する。
【0076】
このプリ発光時に撮像素子32により被写体からの反射光を積算・測定された被写体からの反射光に基づいて、測光制御部36によって本発光の発光時間が算出される。
【0077】
本発光時には、プリ発光時と同様に、発光制御電圧VC2がスイッチSW1に印加され、トリガ用トランスT1から放電管40にトリガ電圧V12が印加され、キセノンガスがイオン化され励起される。そして、上記算出された本発光期間本発光が行われる。本発光時に流れる放電管電流I12は、ダイオードD1により検出されて電流検出出力端子Dに出力される。マスキング回路44は、発光制御電圧VCの立ち上がり時(印加開始時)に電流検出出力DI22をマスキングし、発光制御電圧VCの立ち上がり後の電流検出出力DI12をマスキング出力端子Gに出力する。測光制御部36は、マスキング出力端子Gから出力されるマスキング出力M2により、放電管電流I12が流れ出すタイミングを検出する。測光制御部36は、マスキング出力M2に基づいて放電管電流I12がプリ発光時に算出された本発光時間流れたことを検出すると、発光制御信号を停止させて発光制御電圧VC2の印加を停止し、放電管電流I12が実際に流れる時間を制御する。
【0078】
本実施形態によれば、マスキング回路44を用いて発光制御電圧VCの立ち上がり時に流れるトリガ電流I2の検出出力をマスキングすることにより、放電管電流I1が流れ出すタイミングを正確に検出することができる。これにより、プリ発光時に放電管電流I11が検出された期間(プリ発光期間)を調光積算期間とし、本発光時の放電管電流I12の検出期間(本発光期間)を露光期間として発光制御を行う際に、調光積算期間及び露光期間を正確に制御できるので、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。なお、本実施形態では、電流検出用のダイオードD1に代えて、電流検出回路及び電流検出抵抗を設けてもよい。
【0079】
[第7の実施形態]
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。図14は、本発明の第7の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図である。図14に示すように、本実施形態のストロボ装置は、発光ダイオード(LED)を光源とするLEDストロボである。発光ダイオードLED1は、発光に必要なDC電源が入力される電源入力端子A、制御スイッチSW1及び電流検出抵抗R10と接続されている。なお、制御スイッチSW1は、例えば、FETにより構成される。平滑コンデンサC10は、電源入力端子Aから入力されるDC電源により充電され、制御スイッチSW1のON時にLED1に流れる電流量を確保するとともに、制御スイッチSW1のOFF時に回路内の余分な電流量を吸収するためのものである。
【0080】
電流検出抵抗R10は、例えば、基準電圧及び電圧比較器等から構成される電流検出回路50に接続されている。電流検出回路50の電流検出出力端子は、定電流制御回路52に接続されている。定電流制御回路52は、電流検出回路50からの電流検出出力に基づいて、制御スイッチSW1を制御してLED1に流れる電流I1が一定になるように制御する。
【0081】
次に、本実施形態の調光制御方法について、図15を参照して説明する。図15は、本発明の第7の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャートである。電源装置20から端子Cを介してプリ発光用の発光制御電圧VC1が制御スイッチSW1に印加され、スイッチSW1がONになると、電源装置20から電源入力端子Aを介してLED1及び電流検出抵抗R10にLED電流I11が流れる。
【0082】
LED電流I11は、電流検出抵抗R10により検出されて、電流検出回路50に入力される。電流検出回路50は、電流検出抵抗R10からの入力に基づいて、電流検出出力信号を定電流制御回路52に入力する。定電流制御回路52は、電流検出回路50からの電流検出出力信号に基づいて、制御スイッチSW1に印加される電圧を制御して、LED電流I11が一定になるように制御する。これにより、プリ発光期間中にLED電流I11が一定の状態が維持される。
【0083】
このプリ発光時に撮像素子32により被写体からの反射光を積算・測定された被写体からの反射光に基づいて、測光制御部36によって本発光の発光時間が算出される。
【0084】
本発光時には、プリ発光時と同様に、発光制御電圧VC2が制御スイッチSW1に印加され、電源装置20から電源入力端子Aを介してLED1及び電流検出抵抗R10にLED電流I12が流れる。LED電流I12の電流検出出力信号は、電流検出回路50から定電流制御回路52に入力され、制御スイッチSW1が制御される。これにより、LED電流I12が一定になるように制御される。
【0085】
本実施形態によれば、LED1の順電圧Vfのバラツキのために、LED電流I1が変動して生じる発光バラツキを低減することができ、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0086】
[第8の実施形態]
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。なお、ストロボ装置24の構成については、図14と同様である。
【0087】
図16は、本発明の第8の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャートである。電源装置20から端子Cを介してプリ発光用の発光制御電圧VC1が制御スイッチSW1に印加され、制御スイッチSW1がONになると、電源装置20から電源入力端子Aを介してLED1及び電流検出抵抗R10にLED電流I11が流れる。
【0088】
LED電流I11は、電流検出抵抗R10により検出されて、電流検出回路50に入力される。電流検出回路50は、電流検出抵抗R10からの入力に基づいて、電流検出出力信号を定電流制御回路52に入力する。定電流制御回路52は、電流検出回路50からの電流検出出力信号に基づいて、制御スイッチSW1に印加される電圧を制御して、LED電流I11が一定になるように制御する。これにより、プリ発光期間中にLED電流I11が一定の状態が維持される。
【0089】
測光制御部36は、発光制御電圧VC1の印加開始後、LED電流I11が安定する迄の間は、被写体からの反射光の測定を行わず、LED電流I11が一定値で安定している期間に、撮像素子32により被写体からの反射光を積算・測定する。また、測光制御部36は、反射光の積算期間(調光積算期間)の終了後に、発光制御電圧VC1の印加を停止する。そして、撮像素子32により測定された被写体からの反射光に基づいて、測光制御部36によって本発光の発光時間を算出する。
【0090】
本発光時には、プリ発光時と同様に、発光制御電圧VC2が制御スイッチSW1に印加され、電源装置20から電源入力端子Aを介してLED1及び電流検出抵抗R10にLED電流I12が流れる。LED電流I12の電流検出出力信号は、電流検出回路50から定電流制御回路52に入力され、制御スイッチSW1が制御される。これにより、LED電流I12が一定になるように制御される。測光制御部36は、発光制御電圧VC2の印加開始後、LED電流I12が安定する迄の間は、被写体からの反射光の測定を行わず、LED電流I12が一定値で安定している期間に、撮像素子32により被写体を撮像する。また、測光制御部36は、撮像(露光期間)の終了後に、発光制御電圧VC1の印加を停止する。
【0091】
本実施形態によれば、LED電流I1が安定している期間を見込んで調光積算時間及び露光期間とすることにより、積算時及び撮像時における発光バラツキを低減することができ、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0092】
[第9の実施形態]
次に、本発明の第9の実施形態について説明する。図17は、本発明の第9の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図である。図17に示すように、本実施形態のストロボ装置は、発光ダイオード(LED)を光源とするLEDストロボである。発光ダイオードLED1は、発光に必要なDC電源が入力される電源入力端子A、制御スイッチSW1(例えば、FET)及び電流検出抵抗R10と接続されている。平滑コンデンサC10は、電源入力端子Aから入力されるDC電源により充電され、制御スイッチSW1のON時にLED1に流れる電流量を確保するとともに、制御スイッチSW1のOFF時に回路内の余分な電流量を吸収するためのものである。
【0093】
電流検出抵抗R10は、例えば、基準電圧及び電圧比較器等から構成される電流検出回路50に接続されている。電流検出回路50の電流検出出力端子は、定電流制御回路52に接続されている。定電流制御回路52は、電流検出回路50からの電流検出出力に基づいて、制御スイッチSW1を制御してLED1に流れる電流I1が一定になるように制御する。
【0094】
電流検出回路50からの電流検出出力は、測光制御部36にも入力される。測光制御部36は、この電流検出出力に基づいてLED電流I1が一定で安定している期間を検出し、撮像素子32による調光積算時間及び露光時間を決定する。
【0095】
次に、本実施形態の調光制御方法について、図18を参照して説明する。図18は、本発明の第9の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャートである。電源装置20から端子Cを介してプリ発光用の発光制御電圧VC1が制御スイッチSW1に印加され、制御スイッチSW1がONになると、電源装置20から電源入力端子Aを介してLED1及び電流検出抵抗R10にLED電流I11が流れる。
【0096】
LED電流I11は、電流検出抵抗R10により検出されて、電流検出回路50に入力される。電流検出回路50は、電流検出抵抗R10からの入力に基づいて、電流検出出力信号を定電流制御回路52に入力する。定電流制御回路52は、電流検出回路50からの電流検出出力信号に基づいて、制御スイッチSW1に印加される電圧を制御して、LED電流I11が一定になるように制御する。これにより、プリ発光期間中にLED電流I11が一定の状態が維持される。
【0097】
測光制御部36は、電流検出回路50からの電流検出出力信号に基づいて、LED電流I11が安定したかどうかを判断する。そして、LED電流I11が一定値で安定している期間に、撮像素子32により被写体からの反射光を積算・測定する。そして、撮像素子32により測定された被写体からの反射光に基づいて、測光制御部36によって本発光の発光時間が算出される。
【0098】
本発光時には、プリ発光時と同様に、発光制御電圧VC2が制御スイッチSW1に印加され、電源装置20から電源入力端子Aを介してLED1及び電流検出抵抗R10にLED電流I12が流れる。LED電流I12の電流検出出力信号は、電流検出回路50から定電流制御回路52に入力され、制御スイッチSW1が制御される。これにより、少なくとも測光制御部36により算出された本発光の発光時間、LED電流I12が一定になるように制御される。測光制御部36は、LED電流I12が一定値で安定している期間を露光期間として、撮像素子32により被写体を撮像する。
【0099】
本実施形態によれば、LED電流I1が安定している期間を検出して調光積算時間及び露光期間とすることにより、積算時及び撮像時における発光バラツキを低減することができ、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0100】
なお、上記の各実施形態では、ストロボ装置24を撮影装置10に内蔵した例について説明したが、本発明は単体のストロボ装置にも適用できる。単体のストロボ装置に本発明を適用する場合には、プリ発光時に被写体からの反射光を測定するための測光センサと、測光制御部36を含む構成とすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の一実施形態に係るストロボ装置を備える撮影装置(電子カメラ)の主要構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図
【図3】本発明の第1の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャート
【図4】本発明の第2の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図
【図5】本発明の第2の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャート
【図6】本発明の第3の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図
【図7】本発明の第3の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャート
【図8】本発明の第4の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図
【図9】本発明の第4の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャート
【図10】本発明の第5の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図
【図11】本発明の第5の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャート
【図12】本発明の第6の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図
【図13】本発明の第6の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャート
【図14】本発明の第7の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図
【図15】本発明の第7の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャート
【図16】本発明の第8の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャート
【図17】本発明の第9の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図
【図18】本発明の第9の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャート
【符号の説明】
【0102】
10…撮影装置(電子カメラ)、12…CPU、14…操作部、16…ROM、18…RAM、20…電源装置、22…撮像部、24…オートストロボ装置、26…モニタ、28…メモリカード、30…メモリカード接続用インターフェース(I/F)、32…撮像素子、34…デジタル信号処理部、36…測光制御部、SW1、SW2…スイッチ、T1…トリガ用トランス、C1…トリガ用コンデンサ、C2…メインコンデンサ
【技術分野】
【0001】
本発明はストロボ装置及び撮影装置に係り、特に放電管や発光ダイオード(LED)を用いて被写体を照明するストロボ装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本撮影の前にストロボ放電管を発光(プリ発光)させ、調光センサや撮像素子を用いて被写体からの反射光を測光して、本撮影時のストロボの発光時間(本発光の時間)を算出する調光制御方式が用いられている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、特許文献2には、放電管にトリガ電圧を与えて放電を開始させるためのトランスを有し、該トランスにより連続した交流電圧を放電管に印加して発光を開始させるようにした放電管の発光開始装置について開示されている。
【特許文献1】特開2002−131810号公報
【特許文献2】特開2003−249396号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の放電管は管内の物質(例えば、キセノンガス)をイオン化して発光するが、電圧の印加の仕方等によってイオン化から発光までの時間にバラツキが生じることがあった。また、発光ダイオードを用いたストロボ装置では、発光ダイオードのロットや周囲の温度によって順電圧が変化して発光量にバラツキが生じることがあった。
【0005】
上記のような調光制御方式では、プリ発光時の発光量にバラツキが生じると本発光の発光量に影響する。例えば、プリ発光量が大きい場合には本発光が暗くなったり、プリ発光量が小さい場合には本発光が明るくなったりする。このため、撮影された画像の明るさが適正に調整できなくなるという問題があった。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、プリ発光時及び本発光時の発光バラツキを低減して、被写体のストロボ照明を適正に行うことができるストロボ装置及び撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本願請求項1に係るストロボ装置は、所定の物質が封入された放電管と、前記放電管にトリガ電圧を印加して前記放電管内の物質をイオン化させるイオン化手段と、前記トリガ電圧の印加を制御する第1のスイッチと、前記放電管に流れる放電管電流の経路の接続/非接続を制御して、前記放電管の発光を制御する第2のスイッチと、前記第1及び第2のスイッチを制御して、前記放電管を所定のプリ発光時間プリ発光させるプリ発光制御手段と、前記プリ発光時に被写体からの反射光を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された反射光量に基づいて、本発光時間を算出する算出手段と、前記第1及び第2のスイッチを制御して、前記放電管を前記算出された本発光時間本発光させる調光制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項1に係る発明によれば、トリガ電圧の印加を制御する第1のスイッチと、放電管電流の経路を制御するスイッチを独立に設けることにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0009】
請求項2に示すように、請求項1に係るストロボ装置において、前記測定手段は、前記第2のスイッチにより前記放電管電流の経路が接続されている期間に調光積算期間を設定して、前記調光制御期間における前記被写体からの反射光を積算し、前記調光制御手段は、前記第2のスイッチにより前記放電管電流の経路が接続されている期間に撮影手段の露光期間を設定すればよい。
【0010】
請求項2に係る発明によれば、トリガ電圧の印加を制御する第1のスイッチと、放電管電流の経路を制御するスイッチを独立に設け、第2のスイッチがONの期間を調光積算期間及び露光期間とすることにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0011】
請求項3に係るストロボ装置は、所定の物質が封入された放電管と、前記放電管にトリガ電圧を印加して前記放電管内の物質をイオン化させて、前記放電管を発光させる発光制御手段と、前記放電管の発光時に流れる放電管電流を検出する放電管電流検出手段と、前記発光制御手段により前記放電管を所定のプリ発光時間プリ発光させる手段であって、前記放電管電流検出手段により検出された放電管電流に基づいて、前記プリ発光時間を制御するプリ発光制御手段と、前記プリ発光時に被写体からの反射光を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された反射光量に基づいて、本発光時間を算出する算出手段と、前記発光制御手段により前記放電管を前記算出された本発光時間本発光させる手段であって、前記放電管電流検出手段により検出された放電管電流に基づいて、前記本発光時間を制御する調光制御手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、放電管電流が検出された期間に調光積算及び露光を行うことにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0013】
請求項4に示すように、請求項3に係るストロボ装置において、前記放電管電流検出手段は、前記トリガ電圧の印加時に流れる電流を放電管電流として検出せず、前記トリガ電圧の印加後に流れる電流を放電管電流として検出することが好ましい。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、トリガ電圧の印加時に流れるトリガ電流を放電管電流として誤って検出することを防止できる。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項3に係るストロボ装置において、前記トリガ電圧の印加時に流れる電流をマスキングするマスキング手段を更に備えることを特徴とする。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、トリガ電圧の印加時に流れる電流をマスキングすることにより、トリガ電圧の印加時に流れるトリガ電流を放電管電流として誤って検出することを防止できる。
【0017】
請求項6に係るストロボ装置は、所定の物質が封入された放電管と、前記放電管にトリガ電圧を印加して前記放電管内の物質をイオン化させるイオン化手段と、前記トリガ電圧の印加を制御する第1のスイッチと、前記放電管に流れる放電管電流の経路の接続/非接続を制御して、前記放電管の発光を制御する第2のスイッチと、前記放電管の発光時に流れる放電管電流を検出する放電管電流検出手段と、前記第1及び第2のスイッチを制御して、前記放電管を所定のプリ発光時間プリ発光させる手段であって、前記放電管電流検出手段により検出された放電管電流に基づいて、プリ発光時間を制御するプリ発光制御手段と、前記プリ発光時に被写体からの反射光を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された反射光量に基づいて、本発光時間を算出する算出手段と、前記第1及び第2のスイッチを制御して、前記放電管を前記算出された本発光時間本発光させる手段であって、前記放電管電流検出手段により検出された放電管電流に基づいて、本発光時間を制御する調光制御手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
請求項6に係る発明によれば、放電管電流が検出された期間に調光積算及び露光を行うことにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。また、トリガ電圧の印加を制御する第1のスイッチと、放電管電流の経路を制御するスイッチを独立に設けることにより、トリガ電圧の印加時に流れるトリガ電流を放電管電流として誤って検出することを防止できる。
【0019】
前記放電管電流検出手段は、請求項7に示すように、前記放電管電流が流れる経路に配置された電源検出抵抗と、前記電源検出抵抗に流れる放電管電流を検出する電流検出回路とを備えるものや、請求項8に示すように、前記放電管電流が流れる経路に配置されたダイオードと、前記ダイオードに放電管電流が流れるときに発生する発生電圧により、前記放電管電流を検出する手段とを備えるものを用いることができる。
【0020】
請求項9に示すように、請求項3から8に係るストロボ装置において、前記測定手段は、前記第2のスイッチにより前記放電管電流の経路が接続されている期間に調光積算期間を設定して、前記調光制御期間における前記被写体からの反射光を積算し、前記調光制御手段は、前記第2のスイッチにより前記放電管電流の経路が接続されている期間に撮影手段の露光期間を設定すればよい。
【0021】
請求項10に係るストロボ装置は、流れる電流量に応じて発光する発光手段と、前記発光手段に電圧を印加して、前記発光手段を発光させる発光制御手段と、前記発光手段の発光時に流れる電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段からの出力に基づいて、前記発光手段に流れる電流量が一定になるように制御する定電流制御手段と、前記発光制御手段により前記発光手段を所定のプリ発光時間プリ発光させるプリ発光制御手段と、前記プリ発光時に被写体からの反射光を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された反射光量に基づいて、本発光時間を算出する算出手段と、前記発光制御手段により前記発光手段を前記算出された本発光時間本発光させる調光制御手段とを備えることを特徴とする。
【0022】
請求項10に係る発明によれば、発光手段のロットや温度変化により発光手段に流れる電流量が変動して生じる発酵バラツキを低減することができる。
【0023】
請求項11に係る発明は、請求項10に係るストロボ装置において、前記測定手段が、前記プリ発光の開始後、前記発光手段に流れる電流が安定するまでに見込まれた所定の時間経過後に調光積算期間を設定して、前記調光制御期間における前記被写体からの反射光を積算し、前記調光制御手段は、前記本発光の開始後、前記発光手段に流れる電流が安定するまでに見込まれた所定の時間経過後に撮影手段の露光期間を設定することを特徴とする。
【0024】
請求項11に係る発明によれば、発光手段に流れる電流量が安定するまでの時間を予め見込んでおき、予め見込んだ時間の経過後に調光積算及び露光を行うことにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキを低減し、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0025】
請求項12に係る発明は、請求項10に係るストロボ装置において、前記測定手段が、前記プリ発光の開始後、前記電流検出手段により前記発光手段に流れる電流が安定したことが検出されたとき以降に調光積算期間を設定して、前記調光制御期間における前記被写体からの反射光を積算し、前記調光制御手段は、前記本発光の開始後、前記電流検出手段により前記発光手段に流れる電流が安定したことが検出されたとき以降に撮影手段の露光期間を設定することを特徴とする。
【0026】
請求項12に係る発明によれば、発光手段に流れる電流量が安定したことが検出された後に、調光積算及び露光を行うことにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキを低減し、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0027】
請求項13に示すように、請求項10から12に係るストロボ装置では、前記発光手段として発光ダイオードを用いることができる。
【0028】
請求項14に係る撮影装置は、請求項1から13のいずれか1項記載のストロボ装置と、前記本発光時に画像を撮像する撮影手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、放電管や発光ダイオードの発光が安定した期間に、調光積算期間及び露光期間を設定することにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、添付図面に従って本発明に係るストロボ装置及び該ストロボ装置を備えた撮影装置の好ましい実施の形態について説明する。
【0031】
[撮影装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係るストロボ装置を備える撮影装置(電子カメラ)の主要構成を示すブロック図である。図1に示すように、撮影装置10は、CPU12と、操作部14と、ROM16と、RAM18と、電源装置20と、撮像部22と、ストロボ装置24と、モニタ26と、メモリカード28の接続用インターフェース(I/F)30とを備えている。
【0032】
CPU12は、撮影装置10の各ブロックを制御する統括制御部である。操作部14は、電源スイッチやレリーズスイッチ、各種設定ボタン等の操作入力手段を含むブロックである。
【0033】
ROM16は、CPU12が処理するプログラム及び制御に必要な各種データ等を格納する。RAM18は、画像処理領域の他、CPU12が各種の演算処理等を行う作業用領域を有する。
【0034】
電源装置20は、撮影装置10の各ブロックに電源を供給するためのブロックであり、例えば、電池やAC電源等の外部電源である。電源装置20は、DC/DCコンバータを含んでおり、電池等から供給される電力を所要の電圧に変換して各回路ブロックに電源を供給する。
【0035】
撮像部22は、被写体を撮像するためのブロックであり、レンズや撮像素子32(例えば、CCD)を含んでいる。ストロボ装置24については後述する。撮像部22によって撮像された画像データは、CPU12のデジタル信号処理部34によって処理されて、メモリカード28に格納される。
【0036】
また、撮像素子32は、ストロボ装置24のプリ発光時に被写体からの反射光を測定する。測光制御部36は、プリ発光時に撮像素子32によって検知された被写体からの反射光に基づいてストロボ装置24の調光制御を行う。
【0037】
モニタ26は、撮影時に画角確認用の電子ファインダとして使用できるとともに、撮影した画像のプレビュー画や、撮影装置10に装填されたメモリカード28から読み出した再生画像等を表示する。
【0038】
[第1の実施形態]
次に、ストロボ装置24について説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図である。図2に示すように、本実施形態のストロボ装置24は、放電管40、スイッチSW1、SW2、トリガ用トランスT1、トリガ用コンデンサC1、メインコンデンサC2及びトリガ用コンデンサ充電抵抗R1を備える。スイッチSW1及びSW2は、例えば、IGBTにより構成される。また、端子A、C及びEは電源装置20(図1参照)に接続されており、端子Bは接地されている。
【0039】
スイッチSW2は、電源装置20から端子Eに入力される制御電圧VCによってそのON/OFFが制御され、トリガ電圧V1の印加を制御する。スイッチSW1は、電源装置20から端子Cに入力される発光制御電圧VCによってそのON/OFFが制御され、放電管40に流れる電流I1(I11、I12)を制御してプリ発光時間及び本発光時間を制御する。
【0040】
放電管(例えば、キセノン管)40は、発光に必要な発光電圧(DC300V)を蓄えるメインコンデンサC2と並列に、スイッチSW1を介して接続されている。また、放電管40内のキセノンガスをイオン化して励起するための高圧電圧(約4から5kV)を発生するためのトリガ用トランスT1がメインコンデンサC2と並列に、トリガ用コンデンサ充電抵抗R1及びトリガ用コンデンサC1を介して接続されている。更に、トリガ用トランスT1の中間タップは、スイッチSW2に接続されている。
【0041】
以下、図2の回路の動作について説明する。スイッチSW1及びSW2がOFFの間は、電源装置20から電源入力端子Aに供給された電力により、トリガ用コンデンサC1及びメインコンデンサC2に電荷が蓄積される。電源装置20から端子Eを介してプリ発光用のトリガ印加電圧VE1がスイッチSW2に印加され、スイッチSW2がONになると、トリガ用コンデンサC1に蓄積された電荷がトリガ用トランスT1の1次巻線を介して放電され、その2次巻線に高周波高電圧(トリガ電圧V11)を発生する。このトリガ電圧V11は、放電管40の管壁に印加され、放電管40内のキセノンガスがイオン化され励起する。プリ発光用のトリガ印加電圧VE1の印加開始後のキセノンガスの励起中に、プリ発光用の発光制御電圧VC1がスイッチSW1に印加されると、メインコンデンサC2に蓄積された電荷が放電され、放電管40に放電管電流I11が流れて発光エネルギーが与えられ、プリ発光が行われる。なお、本発光時にも同様の制御が行われる。
【0042】
次に、本実施形態の調光制御方法について、図3を参照して説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャートである。まず、図3に示すように、電源装置20から端子Eにトリガ印加電圧VE1が印加されてスイッチSW2がONになる。すると、第1のトリガ電圧V11が放電管40に印加されて、放電管40内のキセノンガスがイオン化され励起する。そして、キセノンガスの励起中に、プリ発光用の発光制御電圧VC1がスイッチSW1に印加されると、メインコンデンサC2に蓄積された電荷が放電され、放電管40に放電管電流I11が流れて発光エネルギーが与えられ、プリ発光が行われる。このプリ発光用の発光制御電圧VCの印加期間(プリ発光期間)を調光積算期間として、撮像素子32により被写体からの反射光を積算・測定する。このプリ発光時に撮像素子32により測定された被写体からの反射光に基づいて、測光制御部36によって本発光の発光時間が算出される。そして、算出された発光時間に基づいて本発光用の発光制御電圧VC2の印加される期間(本発光期間)が制御される。
【0043】
そして、本発光時には、プリ発光時と同様に、トリガ印加電圧VE2がスイッチSW2に印加され、トリガ用トランスT1から放電管40にトリガ電圧V12が印加され、キセノンガスがイオン化され励起される。そして、上記算出された本発光期間、発光制御電圧VC2が印加されて、本発光が行われる。
【0044】
本実施形態によれば、トリガ電圧の印加を制御するスイッチSW1と、放電管電流の接続/非接続を制御するスイッチSW2を独立に設け、プリ発光用の発光制御電圧VC1が印加されスイッチSW2がONの期間(プリ発光期間)を調光積算期間とし、本発光用の発光制御電圧VC2が印加されスイッチSW2がONの(本発光期間)を露光期間とすることにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0045】
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図4は、本発明の第2の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図である。図4に示すように、放電管(例えば、キセノン管)40は、発光に必要な発光電圧(DC300V)を蓄えるメインコンデンサC2と並列に、スイッチSW1及び電流検出抵抗R2(ラインインピーダンスを含む)を介して接続されている。電流検出抵抗R2は、例えば、基準電圧、電圧比較器等から構成される電流検出回路42に接続されている。また、放電管40内のキセノンガスをイオン化して励起するための高圧電圧(約4から5kV)を発生するためのトリガ用トランスT1がメインコンデンサC2と並列に、トリガ用コンデンサ充電抵抗R1及びトリガ用コンデンサC1を介して接続されている。更に、トリガ用トランスT1の中間タップは、スイッチSW1に接続されている。
【0046】
次に、本実施形態の調光制御方法について、図5を参照して説明する。図5は、本発明の第2の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャートである。スイッチSW1がOFFの間は、電源装置20から電源入力端子Aに供給された電力により、トリガ用コンデンサC1及びメインコンデンサC2に電荷が蓄積される。電源装置20から端子Cを介してプリ発光用の発光制御電圧VC1がスイッチSW1に印加され、スイッチSW1がONになると、トリガ用コンデンサC1に蓄積された電荷がトリガ用トランスT1の1次巻線を介して放電され、その2次巻線に高周波高電圧(トリガ電圧V11)を発生する。このトリガ電圧V11は、放電管40の管壁に印加され、放電管40内のキセノンガスがイオン化され励起する。そして、メインコンデンサC2に蓄積された電荷が放電され、放電管40に放電管電流I11が流れて発光エネルギーが与えられ、プリ発光が行われる。
【0047】
放電管電流I11は、電流検出抵抗R2により検出されて、電流検出回路42により放電管電流I11が流れ出すタイミングが検出され、端子Dに出力される。測光制御部36は、端子Dから出力される電流検出出力DI11により、放電管電流I11が流れ出すタイミングを検出する。なお、トリガ電圧V11の発生時には、トリガ用コンデンサC1からトリガ電流I2が電流検出抵抗R2に一瞬流れるので、電流検出回路42は、このトリガ電流I2を放電管電流I11として誤って検出しないように、例えば、放電管電流として検出すべき電流値の下限値が設定されるか、又は、電流が所定時間以上継続して流れた場合に放電管電流として検出するように設定されている。測光制御部36は、電流検出回路42により放電管電流I11が所定のプリ発光期間流れたことが検出されたときに発光制御信号を停止させて発光制御電圧VC1の印加を停止し、放電管電流I11が実際に流れる時間を制御する。
【0048】
このプリ発光時に撮像素子32により被写体からの反射光を積算・測定された被写体からの反射光に基づいて、測光制御部36によって本発光の発光時間が算出される。
【0049】
本発光時には、プリ発光時と同様に、本発光用の発光制御電圧VC2がスイッチSW2に印加され、トリガ用トランスT1から放電管40にトリガ電圧V12が印加され、キセノンガスがイオン化され励起される。そして、上記算出された本発光期間本発光が行われる。本発光時に流れる放電管電流I12は、電流検出抵抗R2により検出されて、電流検出回路42により放電管電流I12が流れ出すタイミングが検出される。測光制御部36は、電流検出回路42により放電管電流I12がプリ発光時に算出された本発光時間流れたことが検出されたときに発光制御信号を停止させて発光制御電圧VC2の印加を停止し、放電管電流I12が実際に流れる時間を制御する。
【0050】
本実施形態によれば、放電管電流I11が検出された期間(プリ発光期間)を調光積算期間とし、本発光時の放電管電流I12の検出期間(本発光期間)を制御して露光期間を制御することにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0051】
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図6は、本発明の第3の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図である。図6に示すように、放電管(例えば、キセノン管)40は、発光に必要な発光電圧(DC300V)を蓄えるメインコンデンサC2と並列に、スイッチSW1及びダイオードD1を介して接続されている。ダイオードD1のアノード側は電流検出出力として使用される。また、放電管40内のキセノンガスをイオン化して励起するための高圧電圧(約4から5kV)を発生するためのトリガ用トランスT1がメインコンデンサC2と並列に、トリガ用コンデンサ充電抵抗R1及びトリガ用コンデンサC1を介して接続されている。更に、トリガ用トランスT1の中間タップは、スイッチSW1に接続されている。
【0052】
次に、本実施形態の調光制御方法について、図7を参照して説明する。図7は、本発明の第3の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャートである。スイッチSW1がOFFの間は、電源装置20から電源入力端子Aに供給された電力により、トリガ用コンデンサC1及びメインコンデンサC2に電荷が蓄積される。電源装置20から端子Cを介してプリ発光用の発光制御電圧VC1がスイッチSW1に印加され、スイッチSW1がONになると、トリガ用コンデンサC1に蓄積された電荷がトリガ用トランスT1の1次巻線を介して放電され、その2次巻線に高周波高電圧(トリガ電圧V11)を発生する。このトリガ電圧V11は、放電管40の管壁に印加され、放電管40内のキセノンガスがイオン化され励起する。そして、メインコンデンサC2に蓄積された電荷が放電され、放電管40に放電管電流I11が流れて発光エネルギーが与えられ、プリ発光が行われる。
【0053】
放電管電流I11は、ダイオードD1により検出されて、端子Dに出力される。測光制御部36は、端子Dから出力される電流検出出力DI11により、放電管電流I11が流れ出すタイミングを検出する。なお、トリガ電圧V11の発生時には、トリガ用コンデンサC1からトリガ電流I2がダイオードD1に一瞬流れるので(電流検出出力DI21)、測光制御部36は、2回目の電流検出出力DI11を放電管電流I11が流れ出すタイミングとして検出する。測光制御部36は、ダイオードD1により放電管電流I11が所定のプリ発光期間流れたことが検出されたときに発光制御信号を停止させて発光制御電圧VC1の印加を停止し、放電管電流I11が実際に流れる時間を制御する。
【0054】
このプリ発光時に撮像素子32により被写体からの反射光を積算・測定された被写体からの反射光に基づいて、測光制御部36によって本発光の発光時間が算出される。
【0055】
本発光時には、プリ発光時と同様に、本発光用の発光制御電圧VC2がスイッチSW2に印加され、トリガ用トランスT1から放電管40にトリガ電圧V12が印加され、キセノンガスがイオン化され励起される。そして、上記算出された本発光期間本発光が行われる。本発光時に流れる放電管電流I12は、ダイオードD1により検出されて、測光制御部36により放電管電流I12が流れ出すタイミングが検出される。測光制御部36は、放電管電流I12がプリ発光時に算出された本発光時間流れたことが検出されたときに発光制御信号を停止させて発光制御電圧VC2の印加を停止し、放電管電流I12が実際に流れる時間を制御する。
【0056】
本実施形態によれば、放電管電流I11が検出された期間(プリ発光期間)を調光積算期間とし、本発光時の放電管電流I12の検出期間(本発光期間)を制御して露光期間を制御することにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0057】
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図8は、本発明の第4の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図である。図8に示すように、放電管(例えば、キセノン管)40は、発光に必要な発光電圧(DC300V)を蓄えるメインコンデンサC2と並列に、スイッチSW1及び電流検出抵抗R2(ラインインピーダンスを含む)を介して接続されている。電流検出抵抗R2は、例えば、基準電圧、電圧比較器等から構成される電流検出回路42に接続されている。また、放電管40内のキセノンガスをイオン化して励起するための高圧電圧(約4から5kV)を発生するためのトリガ用トランスT1がメインコンデンサC2と並列に、トリガ用コンデンサ充電抵抗R1及びトリガ用コンデンサC1を介して接続されている。更に、トリガ用トランスT1の中間タップは、スイッチSW2に接続されている。
【0058】
次に、本実施形態の調光制御方法について、図9を参照して説明する。図9は、本発明の第4の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャートである。スイッチSW1及びSW2がOFFの間は、電源装置20から電源入力端子Aに供給された電力により、トリガ用コンデンサC1及びメインコンデンサC2に電荷が蓄積される。電源装置20から端子Eを介してプリ発光用のトリガ印加電圧VE1がスイッチSW2に印加され、スイッチSW2がONになると、トリガ用コンデンサC1に蓄積された電荷がトリガ用トランスT1の1次巻線を介して放電され、その2次巻線に高周波高電圧(トリガ電圧V11)を発生する。このトリガ電圧V11は、放電管40の管壁に印加され、放電管40内のキセノンガスがイオン化され励起する。なお、図8に示すように、トリガ電圧V11の印加時にトリガ用コンデンサC1から一瞬流れるトリガ電流I2は、電流検出抵抗R2には流れないようになっている。
【0059】
次に、電源装置20から端子Cを介してプリ発光用の発光制御電圧VC1がスイッチSW1に印加され、スイッチSW1がONになると、メインコンデンサC2に蓄積された電荷が放電され、放電管40に放電管電流I11が流れて発光エネルギーが与えられ、プリ発光が行われる。
【0060】
放電管電流I11は、電流検出抵抗R2により検出されて、電流検出回路42により放電管電流I11が流れ出すタイミングが検出され、端子Dに出力される。測光制御部36は、端子Dから出力される電流検出出力DI11により、放電管電流I11が流れ出すタイミングを検出する。測光制御部36は、電流検出出力DI11に基づいて放電管電流I11が所定のプリ発光期間流れたことを検出すると、発光制御信号を停止させて発光制御電圧VC1の印加を停止し、放電管電流I11が実際に流れる時間を制御する。
【0061】
このプリ発光時に撮像素子32により被写体からの反射光を積算・測定された被写体からの反射光に基づいて、測光制御部36によって本発光の発光時間が算出される。
【0062】
本発光時には、プリ発光時と同様に、トリガ印加電圧VE2がスイッチSW2に印加され、トリガ用トランスT1から放電管40にトリガ電圧V12が印加され、キセノンガスがイオン化され励起される。そして、上記算出された本発光期間本発光が行われる。本発光時に流れる放電管電流I12は、電流検出抵抗R2により検出されて、電流検出回路42により放電管電流I12が流れ出すタイミングが検出される。測光制御部36は、電流検出出力DI12に基づいて放電管電流I12がプリ発光時に算出された本発光時間流れたことを検出すると、発光制御信号を停止させて発光制御電圧VC2の印加を停止し、放電管電流I12が実際に流れる時間を制御する。
【0063】
本実施形態によれば、放電管電流I11が検出された期間(プリ発光期間)を調光積算期間とし、本発光時の放電管電流I12の検出期間(本発光期間)を制御して露光期間を制御することにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0064】
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。図10は、本発明の第5の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図である。図10に示すように、放電管(例えば、キセノン管)40は、発光に必要な発光電圧(DC300V)を蓄えるメインコンデンサC2と並列に、スイッチSW1及びダイオードD1を介して接続されている。ダイオードD1のアノード側は電流検出出力として使用される。また、放電管40内のキセノンガスをイオン化して励起するための高圧電圧(約4から5kV)を発生するためのトリガ用トランスT1がメインコンデンサC2と並列に、トリガ用コンデンサ充電抵抗R1及びトリガ用コンデンサC1を介して接続されている。更に、トリガ用トランスT1の中間タップは、スイッチSW2に接続されている。
【0065】
次に、本実施形態の調光制御方法について、図11を参照して説明する。図11は、本発明の第5の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャートである。スイッチSW1及びSW2がOFFの間は、電源装置20から電源入力端子Aに供給された電力により、トリガ用コンデンサC1及びメインコンデンサC2に電荷が蓄積される。電源装置20から端子Eを介してプリ発光用のトリガ印加電圧VE1がスイッチSW2に印加され、スイッチSW2がONになると、トリガ用コンデンサC1に蓄積された電荷がトリガ用トランスT1の1次巻線を介して放電され、その2次巻線に高周波高電圧(トリガ電圧V11)を発生する。このトリガ電圧V11は、放電管40の管壁に印加され、放電管40内のキセノンガスがイオン化され励起する。なお、図8に示すように、トリガ電圧V11の印加時にトリガ用コンデンサC1から一瞬流れるトリガ電流I2は、ダイオードD1には流れないようになっている。
【0066】
次に、電源装置20から端子Cを介してプリ発光用の発光制御電圧VC1がスイッチSW1に印加され、スイッチSW1がONになると、メインコンデンサC2に蓄積された電荷が放電され、放電管40に放電管電流I11が流れて発光エネルギーが与えられ、プリ発光が行われる。
【0067】
放電管電流I11は、ダイオードD1により検出されて、端子Dに出力される。測光制御部36は、端子Dから出力される電流検出出力DI11により、放電管電流I11が流れ出すタイミングを検出する。測光制御部36は、電流検出出力DI11に基づいて放電管電流I11が所定のプリ発光期間流れたことを検出すると、発光制御信号を停止させて発光制御電圧VC1の印加を停止し、放電管電流I11が実際に流れる時間を制御する。
【0068】
このプリ発光時に撮像素子32により被写体からの反射光を積算・測定された被写体からの反射光に基づいて、測光制御部36によって本発光の発光時間が算出される。
【0069】
本発光時には、プリ発光時と同様に、トリガ印加電圧VE2がスイッチSW2に印加され、トリガ用トランスT1から放電管40にトリガ電圧V12が印加され、キセノンガスがイオン化され励起される。そして、上記算出された本発光期間本発光が行われる。本発光時に流れる放電管電流I12は、ダイオードD1により検出されて、測光制御部36により放電管電流I12が流れ出すタイミングが検出される。測光制御部36は、電流検出出力DI12に基づいて放電管電流I12がプリ発光時に算出された本発光時間流れたことを検出すると、発光制御信号を停止させて発光制御電圧VC2の印加を停止し、放電管電流I12が実際に流れる時間を制御する。
【0070】
本実施形態によれば、放電管電流I11が検出された期間(プリ発光期間)を調光積算期間とし、本発光時の放電管電流I12の検出期間(本発光期間)を制御して露光期間を制御することにより、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0071】
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。図12は、本発明の第6の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図である。図12に示すように、放電管(例えば、キセノン管)40は、発光に必要な発光電圧(DC300V)を蓄えるメインコンデンサC2と並列に、スイッチSW1及びダイオードD1を介して接続されている。ダイオードD1のアノード側は電流検出出力として使用される。また、放電管40内のキセノンガスをイオン化して励起するための高圧電圧(約4から5kV)を発生するためのトリガ用トランスT1がメインコンデンサC2と並列に、トリガ用コンデンサ充電抵抗R1及びトリガ用コンデンサC1を介して接続されている。更に、トリガ用トランスT1の中間タップは、スイッチSW1に接続されている。
【0072】
電流検出出力端子Dは、マスキング回路44に接続されている。マスキング回路44は、発光制御電圧VCの立ち上がり時(印加開始時)に、トリガ用コンデンサC1から一瞬流れるトリガ電流I2をマスキングして、トリガ電流I2と放電管電流I1とを誤検出しないようにする。
【0073】
次に、本実施形態の調光制御方法について、図13を参照して説明する。図13は、本発明の第6の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャートである。スイッチSW1及びSW2がOFFの間は、電源装置20から電源入力端子Aに供給された電力により、トリガ用コンデンサC1及びメインコンデンサC2に電荷が蓄積される。電源装置20から端子Cを介してプリ発光用の発光制御電圧VC1がスイッチSW1に印加され、スイッチSW1がONになると、トリガ用コンデンサC1に蓄積された電荷がトリガ用トランスT1の1次巻線を介して放電され、その2次巻線に高周波高電圧(トリガ電圧V11)を発生する。このトリガ電圧V11は、放電管40の管壁に印加され、放電管40内のキセノンガスがイオン化され励起する。
【0074】
そして、メインコンデンサC2に蓄積された電荷が放電され、放電管40に放電管電流I11が流れて発光エネルギーが与えられ、プリ発光が行われる。
【0075】
放電管電流I11は、ダイオードD1により検出されて、端子Dに出力される。マスキング回路44は、発光制御電圧VCの立ち上がり時(印加開始時)に電流検出出力DI21をマスキングし、発光制御電圧VCの立ち上がり後の電流検出出力DI11をマスキング出力端子Gに出力する。測光制御部36は、マスキング出力端子Gから出力されるマスキング出力M1により、放電管電流I11が流れ出すタイミングを検出する。測光制御部36は、マスキング出力M1に基づいて放電管電流I11が所定のプリ発光期間流れたことを検出すると、発光制御信号を停止させて発光制御電圧VC1の印加を停止し、放電管電流I11が実際に流れる時間を制御する。
【0076】
このプリ発光時に撮像素子32により被写体からの反射光を積算・測定された被写体からの反射光に基づいて、測光制御部36によって本発光の発光時間が算出される。
【0077】
本発光時には、プリ発光時と同様に、発光制御電圧VC2がスイッチSW1に印加され、トリガ用トランスT1から放電管40にトリガ電圧V12が印加され、キセノンガスがイオン化され励起される。そして、上記算出された本発光期間本発光が行われる。本発光時に流れる放電管電流I12は、ダイオードD1により検出されて電流検出出力端子Dに出力される。マスキング回路44は、発光制御電圧VCの立ち上がり時(印加開始時)に電流検出出力DI22をマスキングし、発光制御電圧VCの立ち上がり後の電流検出出力DI12をマスキング出力端子Gに出力する。測光制御部36は、マスキング出力端子Gから出力されるマスキング出力M2により、放電管電流I12が流れ出すタイミングを検出する。測光制御部36は、マスキング出力M2に基づいて放電管電流I12がプリ発光時に算出された本発光時間流れたことを検出すると、発光制御信号を停止させて発光制御電圧VC2の印加を停止し、放電管電流I12が実際に流れる時間を制御する。
【0078】
本実施形態によれば、マスキング回路44を用いて発光制御電圧VCの立ち上がり時に流れるトリガ電流I2の検出出力をマスキングすることにより、放電管電流I1が流れ出すタイミングを正確に検出することができる。これにより、プリ発光時に放電管電流I11が検出された期間(プリ発光期間)を調光積算期間とし、本発光時の放電管電流I12の検出期間(本発光期間)を露光期間として発光制御を行う際に、調光積算期間及び露光期間を正確に制御できるので、プリ発光、調光積算期間の発光バラツキが低減され、本発光を適正に行って、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。なお、本実施形態では、電流検出用のダイオードD1に代えて、電流検出回路及び電流検出抵抗を設けてもよい。
【0079】
[第7の実施形態]
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。図14は、本発明の第7の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図である。図14に示すように、本実施形態のストロボ装置は、発光ダイオード(LED)を光源とするLEDストロボである。発光ダイオードLED1は、発光に必要なDC電源が入力される電源入力端子A、制御スイッチSW1及び電流検出抵抗R10と接続されている。なお、制御スイッチSW1は、例えば、FETにより構成される。平滑コンデンサC10は、電源入力端子Aから入力されるDC電源により充電され、制御スイッチSW1のON時にLED1に流れる電流量を確保するとともに、制御スイッチSW1のOFF時に回路内の余分な電流量を吸収するためのものである。
【0080】
電流検出抵抗R10は、例えば、基準電圧及び電圧比較器等から構成される電流検出回路50に接続されている。電流検出回路50の電流検出出力端子は、定電流制御回路52に接続されている。定電流制御回路52は、電流検出回路50からの電流検出出力に基づいて、制御スイッチSW1を制御してLED1に流れる電流I1が一定になるように制御する。
【0081】
次に、本実施形態の調光制御方法について、図15を参照して説明する。図15は、本発明の第7の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャートである。電源装置20から端子Cを介してプリ発光用の発光制御電圧VC1が制御スイッチSW1に印加され、スイッチSW1がONになると、電源装置20から電源入力端子Aを介してLED1及び電流検出抵抗R10にLED電流I11が流れる。
【0082】
LED電流I11は、電流検出抵抗R10により検出されて、電流検出回路50に入力される。電流検出回路50は、電流検出抵抗R10からの入力に基づいて、電流検出出力信号を定電流制御回路52に入力する。定電流制御回路52は、電流検出回路50からの電流検出出力信号に基づいて、制御スイッチSW1に印加される電圧を制御して、LED電流I11が一定になるように制御する。これにより、プリ発光期間中にLED電流I11が一定の状態が維持される。
【0083】
このプリ発光時に撮像素子32により被写体からの反射光を積算・測定された被写体からの反射光に基づいて、測光制御部36によって本発光の発光時間が算出される。
【0084】
本発光時には、プリ発光時と同様に、発光制御電圧VC2が制御スイッチSW1に印加され、電源装置20から電源入力端子Aを介してLED1及び電流検出抵抗R10にLED電流I12が流れる。LED電流I12の電流検出出力信号は、電流検出回路50から定電流制御回路52に入力され、制御スイッチSW1が制御される。これにより、LED電流I12が一定になるように制御される。
【0085】
本実施形態によれば、LED1の順電圧Vfのバラツキのために、LED電流I1が変動して生じる発光バラツキを低減することができ、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0086】
[第8の実施形態]
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。なお、ストロボ装置24の構成については、図14と同様である。
【0087】
図16は、本発明の第8の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャートである。電源装置20から端子Cを介してプリ発光用の発光制御電圧VC1が制御スイッチSW1に印加され、制御スイッチSW1がONになると、電源装置20から電源入力端子Aを介してLED1及び電流検出抵抗R10にLED電流I11が流れる。
【0088】
LED電流I11は、電流検出抵抗R10により検出されて、電流検出回路50に入力される。電流検出回路50は、電流検出抵抗R10からの入力に基づいて、電流検出出力信号を定電流制御回路52に入力する。定電流制御回路52は、電流検出回路50からの電流検出出力信号に基づいて、制御スイッチSW1に印加される電圧を制御して、LED電流I11が一定になるように制御する。これにより、プリ発光期間中にLED電流I11が一定の状態が維持される。
【0089】
測光制御部36は、発光制御電圧VC1の印加開始後、LED電流I11が安定する迄の間は、被写体からの反射光の測定を行わず、LED電流I11が一定値で安定している期間に、撮像素子32により被写体からの反射光を積算・測定する。また、測光制御部36は、反射光の積算期間(調光積算期間)の終了後に、発光制御電圧VC1の印加を停止する。そして、撮像素子32により測定された被写体からの反射光に基づいて、測光制御部36によって本発光の発光時間を算出する。
【0090】
本発光時には、プリ発光時と同様に、発光制御電圧VC2が制御スイッチSW1に印加され、電源装置20から電源入力端子Aを介してLED1及び電流検出抵抗R10にLED電流I12が流れる。LED電流I12の電流検出出力信号は、電流検出回路50から定電流制御回路52に入力され、制御スイッチSW1が制御される。これにより、LED電流I12が一定になるように制御される。測光制御部36は、発光制御電圧VC2の印加開始後、LED電流I12が安定する迄の間は、被写体からの反射光の測定を行わず、LED電流I12が一定値で安定している期間に、撮像素子32により被写体を撮像する。また、測光制御部36は、撮像(露光期間)の終了後に、発光制御電圧VC1の印加を停止する。
【0091】
本実施形態によれば、LED電流I1が安定している期間を見込んで調光積算時間及び露光期間とすることにより、積算時及び撮像時における発光バラツキを低減することができ、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0092】
[第9の実施形態]
次に、本発明の第9の実施形態について説明する。図17は、本発明の第9の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図である。図17に示すように、本実施形態のストロボ装置は、発光ダイオード(LED)を光源とするLEDストロボである。発光ダイオードLED1は、発光に必要なDC電源が入力される電源入力端子A、制御スイッチSW1(例えば、FET)及び電流検出抵抗R10と接続されている。平滑コンデンサC10は、電源入力端子Aから入力されるDC電源により充電され、制御スイッチSW1のON時にLED1に流れる電流量を確保するとともに、制御スイッチSW1のOFF時に回路内の余分な電流量を吸収するためのものである。
【0093】
電流検出抵抗R10は、例えば、基準電圧及び電圧比較器等から構成される電流検出回路50に接続されている。電流検出回路50の電流検出出力端子は、定電流制御回路52に接続されている。定電流制御回路52は、電流検出回路50からの電流検出出力に基づいて、制御スイッチSW1を制御してLED1に流れる電流I1が一定になるように制御する。
【0094】
電流検出回路50からの電流検出出力は、測光制御部36にも入力される。測光制御部36は、この電流検出出力に基づいてLED電流I1が一定で安定している期間を検出し、撮像素子32による調光積算時間及び露光時間を決定する。
【0095】
次に、本実施形態の調光制御方法について、図18を参照して説明する。図18は、本発明の第9の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャートである。電源装置20から端子Cを介してプリ発光用の発光制御電圧VC1が制御スイッチSW1に印加され、制御スイッチSW1がONになると、電源装置20から電源入力端子Aを介してLED1及び電流検出抵抗R10にLED電流I11が流れる。
【0096】
LED電流I11は、電流検出抵抗R10により検出されて、電流検出回路50に入力される。電流検出回路50は、電流検出抵抗R10からの入力に基づいて、電流検出出力信号を定電流制御回路52に入力する。定電流制御回路52は、電流検出回路50からの電流検出出力信号に基づいて、制御スイッチSW1に印加される電圧を制御して、LED電流I11が一定になるように制御する。これにより、プリ発光期間中にLED電流I11が一定の状態が維持される。
【0097】
測光制御部36は、電流検出回路50からの電流検出出力信号に基づいて、LED電流I11が安定したかどうかを判断する。そして、LED電流I11が一定値で安定している期間に、撮像素子32により被写体からの反射光を積算・測定する。そして、撮像素子32により測定された被写体からの反射光に基づいて、測光制御部36によって本発光の発光時間が算出される。
【0098】
本発光時には、プリ発光時と同様に、発光制御電圧VC2が制御スイッチSW1に印加され、電源装置20から電源入力端子Aを介してLED1及び電流検出抵抗R10にLED電流I12が流れる。LED電流I12の電流検出出力信号は、電流検出回路50から定電流制御回路52に入力され、制御スイッチSW1が制御される。これにより、少なくとも測光制御部36により算出された本発光の発光時間、LED電流I12が一定になるように制御される。測光制御部36は、LED電流I12が一定値で安定している期間を露光期間として、撮像素子32により被写体を撮像する。
【0099】
本実施形態によれば、LED電流I1が安定している期間を検出して調光積算時間及び露光期間とすることにより、積算時及び撮像時における発光バラツキを低減することができ、被写体のストロボ照明を適正に行うことができる。
【0100】
なお、上記の各実施形態では、ストロボ装置24を撮影装置10に内蔵した例について説明したが、本発明は単体のストロボ装置にも適用できる。単体のストロボ装置に本発明を適用する場合には、プリ発光時に被写体からの反射光を測定するための測光センサと、測光制御部36を含む構成とすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本発明の一実施形態に係るストロボ装置を備える撮影装置(電子カメラ)の主要構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図
【図3】本発明の第1の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャート
【図4】本発明の第2の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図
【図5】本発明の第2の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャート
【図6】本発明の第3の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図
【図7】本発明の第3の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャート
【図8】本発明の第4の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図
【図9】本発明の第4の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャート
【図10】本発明の第5の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図
【図11】本発明の第5の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャート
【図12】本発明の第6の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図
【図13】本発明の第6の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャート
【図14】本発明の第7の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図
【図15】本発明の第7の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャート
【図16】本発明の第8の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャート
【図17】本発明の第9の実施形態に係るストロボ装置を示す回路図
【図18】本発明の第9の実施形態に係る調光制御方法を示すタイミングチャート
【符号の説明】
【0102】
10…撮影装置(電子カメラ)、12…CPU、14…操作部、16…ROM、18…RAM、20…電源装置、22…撮像部、24…オートストロボ装置、26…モニタ、28…メモリカード、30…メモリカード接続用インターフェース(I/F)、32…撮像素子、34…デジタル信号処理部、36…測光制御部、SW1、SW2…スイッチ、T1…トリガ用トランス、C1…トリガ用コンデンサ、C2…メインコンデンサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の物質が封入された放電管と、
前記放電管にトリガ電圧を印加して前記放電管内の物質をイオン化させるイオン化手段と、
前記トリガ電圧の印加を制御する第1のスイッチと、
前記放電管に流れる放電管電流の経路の接続/非接続を制御して、前記放電管の発光を制御する第2のスイッチと、
前記第1及び第2のスイッチを制御して、前記放電管を所定のプリ発光時間プリ発光させるプリ発光制御手段と、
前記プリ発光時に被写体からの反射光を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された反射光量に基づいて、本発光時間を算出する算出手段と、
前記第1及び第2のスイッチを制御して、前記放電管を前記算出された本発光時間本発光させる調光制御手段と、
を備えることを特徴とするストロボ装置。
【請求項2】
前記測定手段は、前記第2のスイッチにより前記放電管電流の経路が接続されている期間に調光積算期間を設定して、前記調光制御期間における前記被写体からの反射光を積算し、
前記調光制御手段は、前記第2のスイッチにより前記放電管電流の経路が接続されている期間に撮影手段の露光期間を設定することを特徴とする請求項1記載のストロボ装置。
【請求項3】
所定の物質が封入された放電管と、
前記放電管にトリガ電圧を印加して前記放電管内の物質をイオン化させて、前記放電管を発光させる発光制御手段と、
前記放電管の発光時に流れる放電管電流を検出する放電管電流検出手段と、
前記発光制御手段により前記放電管を所定のプリ発光時間プリ発光させる手段であって、前記放電管電流検出手段により検出された放電管電流に基づいて、前記プリ発光時間を制御するプリ発光制御手段と、
前記プリ発光時に被写体からの反射光を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された反射光量に基づいて、本発光時間を算出する算出手段と、
前記発光制御手段により前記放電管を前記算出された本発光時間本発光させる手段であって、前記放電管電流検出手段により検出された放電管電流に基づいて、前記本発光時間を制御する調光制御手段と、
を備えることを特徴とするストロボ装置。
【請求項4】
前記放電管電流検出手段は、前記トリガ電圧の印加時に流れる電流を放電管電流として検出せず、前記トリガ電圧の印加後に流れる電流を放電管電流として検出することを特徴とする請求項3記載のストロボ装置。
【請求項5】
前記トリガ電圧の印加時に流れる電流をマスキングするマスキング手段を更に備えることを特徴とする請求項3記載のストロボ装置。
【請求項6】
所定の物質が封入された放電管と、
前記放電管にトリガ電圧を印加して前記放電管内の物質をイオン化させるイオン化手段と、
前記トリガ電圧の印加を制御する第1のスイッチと、
前記放電管に流れる放電管電流の経路の接続/非接続を制御して、前記放電管の発光を制御する第2のスイッチと、
前記放電管の発光時に流れる放電管電流を検出する放電管電流検出手段と、
前記第1及び第2のスイッチを制御して、前記放電管を所定のプリ発光時間プリ発光させる手段であって、前記放電管電流検出手段により検出された放電管電流に基づいて、プリ発光時間を制御するプリ発光制御手段と、
前記プリ発光時に被写体からの反射光を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された反射光量に基づいて、本発光時間を算出する算出手段と、
前記第1及び第2のスイッチを制御して、前記放電管を前記算出された本発光時間本発光させる手段であって、前記放電管電流検出手段により検出された放電管電流に基づいて、本発光時間を制御する調光制御手段と、
を備えることを特徴とするストロボ装置。
【請求項7】
前記放電管電流検出手段は、
前記放電管電流が流れる経路に配置された電源検出抵抗と、
前記電源検出抵抗に流れる放電管電流を検出する電流検出回路と、
を備えることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項記載のストロボ装置。
【請求項8】
前記放電管電流検出手段は、
前記放電管電流が流れる経路に配置されたダイオードと、
前記ダイオードに放電管電流が流れるときに発生する発生電圧により、前記放電管電流を検出する手段と、
を備えることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項記載のストロボ装置。
【請求項9】
前記測定手段は、前記第2のスイッチにより前記放電管電流の経路が接続されている期間に調光積算期間を設定して、前記調光制御期間における前記被写体からの反射光を積算し、
前記調光制御手段は、前記第2のスイッチにより前記放電管電流の経路が接続されている期間に撮影手段の露光期間を設定することを特徴とする請求項3から8のいずれか1項記載のストロボ装置。
【請求項10】
流れる電流量に応じて発光する発光手段と、
前記発光手段に電圧を印加して、前記発光手段を発光させる発光制御手段と、
前記発光手段の発光時に流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段からの出力に基づいて、前記発光手段に流れる電流量が一定になるように制御する定電流制御手段と、
前記発光制御手段により前記発光手段を所定のプリ発光時間プリ発光させるプリ発光制御手段と、
前記プリ発光時に被写体からの反射光を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された反射光量に基づいて、本発光時間を算出する算出手段と、
前記発光制御手段により前記発光手段を前記算出された本発光時間本発光させる調光制御手段と、
を備えることを特徴とするストロボ装置。
【請求項11】
前記測定手段は、前記プリ発光の開始後、前記発光手段に流れる電流が安定するまでに見込まれた所定の時間経過後に調光積算期間を設定して、前記調光制御期間における前記被写体からの反射光を積算し、
前記調光制御手段は、前記本発光の開始後、前記発光手段に流れる電流が安定するまでに見込まれた所定の時間経過後に撮影手段の露光期間を設定することを特徴とする請求項10記載のストロボ装置。
【請求項12】
前記測定手段は、前記プリ発光の開始後、前記電流検出手段により前記発光手段に流れる電流が安定したことが検出されたとき以降に調光積算期間を設定して、前記調光制御期間における前記被写体からの反射光を積算し、
前記調光制御手段は、前記本発光の開始後、前記電流検出手段により前記発光手段に流れる電流が安定したことが検出されたとき以降に撮影手段の露光期間を設定することを特徴とする請求項10記載のストロボ装置。
【請求項13】
前記発光手段は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項10から12のいずれか1項記載のストロボ装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項記載のストロボ装置と、
前記本発光時に画像を撮像する撮影手段と、
を備えることを特徴とする撮影装置。
【請求項1】
所定の物質が封入された放電管と、
前記放電管にトリガ電圧を印加して前記放電管内の物質をイオン化させるイオン化手段と、
前記トリガ電圧の印加を制御する第1のスイッチと、
前記放電管に流れる放電管電流の経路の接続/非接続を制御して、前記放電管の発光を制御する第2のスイッチと、
前記第1及び第2のスイッチを制御して、前記放電管を所定のプリ発光時間プリ発光させるプリ発光制御手段と、
前記プリ発光時に被写体からの反射光を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された反射光量に基づいて、本発光時間を算出する算出手段と、
前記第1及び第2のスイッチを制御して、前記放電管を前記算出された本発光時間本発光させる調光制御手段と、
を備えることを特徴とするストロボ装置。
【請求項2】
前記測定手段は、前記第2のスイッチにより前記放電管電流の経路が接続されている期間に調光積算期間を設定して、前記調光制御期間における前記被写体からの反射光を積算し、
前記調光制御手段は、前記第2のスイッチにより前記放電管電流の経路が接続されている期間に撮影手段の露光期間を設定することを特徴とする請求項1記載のストロボ装置。
【請求項3】
所定の物質が封入された放電管と、
前記放電管にトリガ電圧を印加して前記放電管内の物質をイオン化させて、前記放電管を発光させる発光制御手段と、
前記放電管の発光時に流れる放電管電流を検出する放電管電流検出手段と、
前記発光制御手段により前記放電管を所定のプリ発光時間プリ発光させる手段であって、前記放電管電流検出手段により検出された放電管電流に基づいて、前記プリ発光時間を制御するプリ発光制御手段と、
前記プリ発光時に被写体からの反射光を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された反射光量に基づいて、本発光時間を算出する算出手段と、
前記発光制御手段により前記放電管を前記算出された本発光時間本発光させる手段であって、前記放電管電流検出手段により検出された放電管電流に基づいて、前記本発光時間を制御する調光制御手段と、
を備えることを特徴とするストロボ装置。
【請求項4】
前記放電管電流検出手段は、前記トリガ電圧の印加時に流れる電流を放電管電流として検出せず、前記トリガ電圧の印加後に流れる電流を放電管電流として検出することを特徴とする請求項3記載のストロボ装置。
【請求項5】
前記トリガ電圧の印加時に流れる電流をマスキングするマスキング手段を更に備えることを特徴とする請求項3記載のストロボ装置。
【請求項6】
所定の物質が封入された放電管と、
前記放電管にトリガ電圧を印加して前記放電管内の物質をイオン化させるイオン化手段と、
前記トリガ電圧の印加を制御する第1のスイッチと、
前記放電管に流れる放電管電流の経路の接続/非接続を制御して、前記放電管の発光を制御する第2のスイッチと、
前記放電管の発光時に流れる放電管電流を検出する放電管電流検出手段と、
前記第1及び第2のスイッチを制御して、前記放電管を所定のプリ発光時間プリ発光させる手段であって、前記放電管電流検出手段により検出された放電管電流に基づいて、プリ発光時間を制御するプリ発光制御手段と、
前記プリ発光時に被写体からの反射光を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された反射光量に基づいて、本発光時間を算出する算出手段と、
前記第1及び第2のスイッチを制御して、前記放電管を前記算出された本発光時間本発光させる手段であって、前記放電管電流検出手段により検出された放電管電流に基づいて、本発光時間を制御する調光制御手段と、
を備えることを特徴とするストロボ装置。
【請求項7】
前記放電管電流検出手段は、
前記放電管電流が流れる経路に配置された電源検出抵抗と、
前記電源検出抵抗に流れる放電管電流を検出する電流検出回路と、
を備えることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項記載のストロボ装置。
【請求項8】
前記放電管電流検出手段は、
前記放電管電流が流れる経路に配置されたダイオードと、
前記ダイオードに放電管電流が流れるときに発生する発生電圧により、前記放電管電流を検出する手段と、
を備えることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項記載のストロボ装置。
【請求項9】
前記測定手段は、前記第2のスイッチにより前記放電管電流の経路が接続されている期間に調光積算期間を設定して、前記調光制御期間における前記被写体からの反射光を積算し、
前記調光制御手段は、前記第2のスイッチにより前記放電管電流の経路が接続されている期間に撮影手段の露光期間を設定することを特徴とする請求項3から8のいずれか1項記載のストロボ装置。
【請求項10】
流れる電流量に応じて発光する発光手段と、
前記発光手段に電圧を印加して、前記発光手段を発光させる発光制御手段と、
前記発光手段の発光時に流れる電流を検出する電流検出手段と、
前記電流検出手段からの出力に基づいて、前記発光手段に流れる電流量が一定になるように制御する定電流制御手段と、
前記発光制御手段により前記発光手段を所定のプリ発光時間プリ発光させるプリ発光制御手段と、
前記プリ発光時に被写体からの反射光を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された反射光量に基づいて、本発光時間を算出する算出手段と、
前記発光制御手段により前記発光手段を前記算出された本発光時間本発光させる調光制御手段と、
を備えることを特徴とするストロボ装置。
【請求項11】
前記測定手段は、前記プリ発光の開始後、前記発光手段に流れる電流が安定するまでに見込まれた所定の時間経過後に調光積算期間を設定して、前記調光制御期間における前記被写体からの反射光を積算し、
前記調光制御手段は、前記本発光の開始後、前記発光手段に流れる電流が安定するまでに見込まれた所定の時間経過後に撮影手段の露光期間を設定することを特徴とする請求項10記載のストロボ装置。
【請求項12】
前記測定手段は、前記プリ発光の開始後、前記電流検出手段により前記発光手段に流れる電流が安定したことが検出されたとき以降に調光積算期間を設定して、前記調光制御期間における前記被写体からの反射光を積算し、
前記調光制御手段は、前記本発光の開始後、前記電流検出手段により前記発光手段に流れる電流が安定したことが検出されたとき以降に撮影手段の露光期間を設定することを特徴とする請求項10記載のストロボ装置。
【請求項13】
前記発光手段は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項10から12のいずれか1項記載のストロボ装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項記載のストロボ装置と、
前記本発光時に画像を撮像する撮影手段と、
を備えることを特徴とする撮影装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−9052(P2008−9052A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−178173(P2006−178173)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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