説明

ストーム保護のための複合材

竜巻からのような風に吹き飛ばされる破片からの保護を与える建物の複合部分として好適な複合材は、順に軽量材料、樹脂で接合された高強力繊維の布の層および合板のような構造外装材料の層を含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厳しい暴風雨、特に竜巻によって発生するもののような風に運ばれる破片による貫通に耐えるための壁およびドアの補強用の高強力複合外装の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ストームシェルターおよび地下室は、竜巻またはハリケーン活動を受ける傾向がある地方で厳しい暴風雨からの保護のための安全な安息所を提供するために必要である。これらのシェルターは典型的には現場打ちコンクリート、スチール補強石造建築、または重い重量のシート金属で建設されてきた。ストームシェルターおよび地下室に適切なデザインの詳細は、嵐からの保護獲得−刊行物320(Taking Shelter from the Storm−Publication 320)および地域共同体シェルターについてのデザインおよび建設手引き−刊行物361(Design and Construction Guidance for Community Shelters−Publication 361)のような連邦危機管理庁(Federal Emergency Management Agency)(FEMA)からの刊行物に詳述されている。現行デザインは、暴風雨で発生する風に運ばれる破片に対する抵抗性を提供するためにコンクリートおよびスチールのような普通の重い重量の建築材料の使用に依存している。
【0003】
現行デザインは現行建物慣行へ容易に組み入れられず、壁構造の著しい重量増加をもたらす。FEMA刊行物320に記載されている木材骨組みアプローチは、中空でない石造建築または14ゲージ・スチール板の連続外装での壁セクションの内部充填を必要とする。これらのシェルター用のドアは、必要とされる耐貫通性を与えるために最小14ゲージ・シート金属での補強を必要とした。これらのアプローチは面倒であり、据え付けるのが困難であり、現場作業して糊付けするのが困難である。ドアに関しては、現在の解決策は安全性問題および不満足な美学を導入する重い重量のドアをもたらす。
【0004】
連邦危機管理庁に提出された「厳しい風嵐に対する高められた保護(Enhanced Protection for Severe Wind Storms)」という表題のクレムソン大学(Clemson University)による2000年5月31日付け報告書は、風に運ばれる破片に対するシェルター壁の補強への幾つかの追加アプローチを記載している。概念は、ケブラー(Kevlar)(登録商標)クロスを利用した4壁(番号9、10、11および17)を含んだ。36ページの図12は、これらの軟質のクロス概念が「竜巻シェルターについての全米性能判定基準(National Performance Criteria for Tornado Shelters)」を満たすのに必要とされる耐衝撃性の44%以下を提供したことを示している。この研究で提案された何の概念も前記要件の60%より多くを提供しなかった。
【0005】
竜巻およびハリケーンで発生するもののような風に運ばれる破片からの保護を提供するための現場にやさしい軽量材料を使用する壁およびドアの補強方法を求める大きな要求が存在する。しかしながら、竜巻によってもたらされる風速は、ハリケーンによってもたらされる風速を大きく上回る200マイル毎時を超え得る。それ故、より高い竜巻風速によって発生する風に運ばれる破片に耐えるための現場で作業可能な軽量外装を求める特別の要求が存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、順に
(a)0.25グラム毎立方センチメートル以下の密度を有する材料の層と、
(b)樹脂で接合された高強力繊維を含む布の層と、
(c)構造外装の層と
を含んでなる複合材であって、
前記複合材がラーメンに取り付けられて、前記布層が米国材料試験協会(ASTM)試験手順E1886−97に従って161キロメートル(100マイル)毎時の速度で33キログラム(15ポンド)2×4発射体によって衝打される際、5.0〜17.5センチメートルの範囲で偏位するであろう複合材に関する。
【0007】
本発明の好ましい実施形態では、複合材は順に
(a)構造外装の層と、
(b)0.10グラム毎立方センチメートル以下の密度を有する材料の層と、
(c)樹脂で接合された高強力繊維を含む布の層と、
(d)構造外装の層と
を含んでなり、
ラーメンに取り付けられて、前記接合された布層はASTM試験手順E1886−97に従って161キロメートル(100マイル)毎時の速度で33キログラム(15ポンド)発射体を用いて5.0〜17.5センチメートルの範囲で偏位するであろう。
【0008】
本複合材は、ハリケーンによるのみならず実質的により高い風速の竜巻からの風に吹き飛ばされる破片にさらされる世界の地域に設置されるストームシェルターおよび住宅の建設に特に適合する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、課題を解決するための手段で定義されたような高強力偏位層を用いる複合材の形成での改善である。高強度偏位層は構造外装と組み合わせて風に吹き飛ばされる破片からの保護を提供するのに非常に有効であるが、支持壁内の骨組み木材が高強力偏位層の効率を達成することができる。
【0010】
本発明は、高強力偏位層に隣接する軽量材料の層の使用によって、得ることができる保護の程度の改善を提供する。この層は、変形するのを遮るものがない偏位領域を提供する。
【0011】
200マイル毎時を上回る風速の竜巻によって発生するような風に吹き飛ばされる破片からの保護用の建造物の材料の形成において、必要な出発原料は高強力繊維を含む布である。織布が好ましいが、布は織布または不織布であってもよい。高強力繊維は周知であり、本明細書で用いるところでは、デシテックス当たり少なくとも10グラムのテナシティおよびデシテックス当たり少なくとも150グラムの引張弾性率を有する繊維を意味する。糸はアラミド、ポリオレフィン、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ガラスなどのような繊維から製造することができ、かかる糸の混合物から製造されてもよい。
【0012】
布は100パーセントまでのアラミド繊維を含んでもよい。「アラミド」とは、アミド(−CO−NH−)結合の少なくとも85%が2つの芳香環に直接結合しているポリアミドを意味する。アラミド繊維の例は、ダブリュ.ブラック(W.Black)ら著、人造繊維−科学および技術、第2巻、繊維形成芳香族ポリアミドという表題のセクション、インターサイエンス・パブリッシャーズ(Interscience Publishers)社、1968年、297ページに記載されている。アラミド繊維は、また、米国特許第4,172,938号明細書、同第3,869,429号明細書、同第3,819,587号明細書、同第3,673,143号明細書、同第3,354,127号明細書、および同第3,094,511号明細書に開示されている。
【0013】
パラ−アラミドはアラミド糸中の一般ポリマーであり、ポリ(p−フェニレンテレフタルアミド)(PPD−T)は一般パラ−アラミドである。PPD−Tとは、p−フェニレンジアミンと塩化テレフタロイルとのモル対モル重合から生じるホモポリマー、ならびにまた、p−フェニレンジアミンと共に少量の他のジアミンおよび塩化テレフタロイルと共に少量の他の二酸クロリドの組み入れから生じる共重合体をも意味する。原則として、他のジアミンおよび二酸クロリドが重合反応を妨げる何の反応基も持たないことのみを条件として、他のジアミンおよび他の二酸クロリドは、p−フェニレンジアミンまたは塩化テレフタロイルの約10モルパーセントほどに多くまで、または多分僅かにそれよりも高い量で使用することができる。PPD−Tは、また、例えば、塩化2,6−ナフタロイルまたは塩化クロロ−もしくはジクロロテレフタロイル、または3,4−ジアミノジフェニルエーテルのような他の芳香族ジアミンおよび他の芳香族二酸クロリドの組み入れから生じる共重合体をも意味する。
【0014】
「ポリオレフィン」とは、ポリエチレンまたはポリプロピレンを意味する。ポリエチレンとは、少量の鎖分岐または100個の主鎖炭素原子当たり5変性単位を超えないコモノマーを含んでもよい、およびまた、アルケン−1−ポリマー、特に低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのような約50重量パーセント以下の1つもしくはそれ以上のポリマー添加物、または一般に組み入れられる酸化防止剤、滑剤、紫外線遮断剤、着色剤などのような低分子量添加剤をそれと主に混合されて含んでもよい好ましくは百万よりも大きい分子量の主に線状のポリエチレン材料を意味する。かかるものは一般に拡大連鎖ポリエチレン(ECPE)として知られている。同様に、ポリプロピレンは、好ましくは百万よりも大きい分子量の主に線状のポリプロピレン材料である。高分子量の線状ポリオレフィン繊維は商業的に入手可能である。
【0015】
ポリベンゾオキサゾールおよびポリベンゾチアゾールは好ましくは次の構造のポリマーで構成されている。
【0016】
【化1】

【0017】
窒素原子に結合して示される芳香族基は複素環であってもよいが、それらは好ましくは炭素環であり、そしてそれらは縮合または非縮合多環系であってもよいが、それらは好ましくは単一六員環である。ビス−アゾールの主鎖中に示される基は好ましいパラ−フェニレン基であるが、当該基はポリマーの製造を妨げない任意の二価有機基で置き換えられてもよいし、何の基もなくてもよい。例えば、当該基は12個までの炭素原子の脂肪族、トリレン、ビフェニレン、ビス−フェニレンのどれかなどであってもよい。
【0018】
本発明でのさらなる要件は、使用される布中の高強力繊維の個々の繊維を結合するための樹脂の使用である。樹脂は、ポリエチレン、アイオノマー、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ビニルエステル、エポキシおよびフェノール樹脂および熱可塑性エラストマーのような多種多様な成分から選択されてもよい。
【0019】
樹脂は、例えば圧力下になど、コーティングまたは含浸によって高強力繊維を含む布に塗布されてもよい。
【0020】
しかしながら、本発明には布と高強力繊維/樹脂組合せとの組合せに決定的に重要なことが存在する。この組合せは支持構造にしっかりと固定された時にある種のパラメーター内で偏位する能力を持たなければならないことが発見された。
【0021】
従って、高強力布/樹脂組合せは、「飛翔体によって衝打されるおよび周期的な圧力差にさらされる外部窓、ある種の壁、ドアおよび雨戸の性能についての標準試験方法(Standard Test Method for Performance of Exteior Window,Certain Walls,Doors and Storm Shutters Impacted by Missile(s)and Exposed to Cyclic Pressure Differentials)」という表題のASTM試験方法E1886−97を用いて竜巻シェルターについての全米性能判定基準、第1追加(First Addition)、FEMA、1999年5月28日に従って試験した時に、層状複合材内で偏位能力を持たなければならない。試験のハイライトには、試験検体を取り付ける工程、検体を161キロメートル(100マイル)毎時の速度で推進する33キログラム(15ポンド)2×4飛翔体で衝打する工程および試験結果を観察し、測定する工程が含まれる。ASTM試験手順E1886−97は、2×4材木飛翔体、飛翔体推進装置、速度測定システムの使用および高速ビデオまたは写真カメラの使用のような様々な要件に特有である。本明細書では、本開示の目的のための試験手順は、実際の壁据え付けを代表するようなやり方で、任意の試験検体を好適な支持骨組みに取り付ける工程を含むことが理解される。次にかかる検体は、パネルの中心でまたはその近くで合板面上で衝打される。2×4材木飛翔体は、発射体の貫入深さの追跡を可能にするのに好適な指標付けマークでマークされるべきである。写真またはビデオカメラは、発射体の貫入深さを監視するために配置されるべきであり、かかるカメラは1000フレーム毎秒の最低フレーム速度を有するべきである。
【0022】
記載された試験手順に従って、樹脂で接合された高強力繊維を含む布の組合せは5.0〜17.5cmの範囲内で偏位するであろう。より好ましくは。偏位は8.0〜16.0cm、最も好ましくは10.0〜15.0cmの範囲にあろう。偏位の程度は建物構造でのその最終使用によって決定されてもよい。例示的には、布/樹脂組合せの最大規定偏位は、クロス/樹脂組合せを含む壁に近接する居住者の近さのために住宅では望ましくないかもしれない。しかしながら、上記範囲内の最小偏位は布の追加厚さを必要とし、建造物の高コストをもたらし得る。本明細書で用いられるところでは、布は2層以上のクロスを含む。本明細書で用いられるところでは、偏位は構造外装からの高強力布/樹脂組合せの分離の最大測定距離を意味する。測定は高速写真と併用して行われなければならないことが理解される。偏位測定についての例示目的のためには、発射体での試験手順中に、構造外装の幾らかの胴曲がりがあってもよい。偏位についての測定値は距離である、すなわち、外装の胴曲がり部分からの高強力布/樹脂組合せの分離である。それは、先に記載された試験実施中に集められた写真またはビデオ記録の再検討から、事象中の貫入の最大深さを測定し、構造外装の厚さを差し引くことから測定することができる。
【0023】
合板と組み合わせた高強力繊維、すなわち、ケブラー(登録商標)アラミドを含む布の使用は、本発明の背景で参照されたクレムソン大学報告書で以前に試験された。しかしながら、この報告書の試験手順に従って、ケブラー(登録商標)アラミド/合板の完全貫通は73マイル毎時の速度の9ポンド発射体で起こった。
【0024】
本発明では、高強力繊維/樹脂を含む布の組合せの追加目的は壁またはドアの構造補強であるので、前記組合せは木材ベースのまたは他の構造外装材料との併用のためである。用語「構造外装」は、構造建物支持を提供する任意の材料を含む。好ましい材料は、建築業での広範な使用のために、木材、特に合板である。しかしながら、他の材料が建物支持としての機能を果たす構造外装として知られており、典型的な例はセメントで補強された繊維板である。布/樹脂組合せは一般に軟質で、例示目的のために少なくとも0.65cm(4分の1インチ)、好ましくは支持目的のために少なくとも1.27cm(2分の1インチ)であってもよい外装と共に使用されるであろう。構造外装のタイプは本発明の成功に決定的に重要ではない。外装は硬材または軟材製のように中空でなくてもよく、または合板のような複合材の形にあっても、もしくはセメントの多い繊維板のような非木材外装であってもよい。実際問題として、合板が壁構造体で使用される普通の材料であるので、本発明のほとんどの用途は合板との併用であろう。建物構造中で、内部部分、すなわち、例えば居住者を保護すべき部屋に面する布/樹脂の組合せの外壁であるまたはその外壁に面する構造外装には何の最大厚さもない。
【0025】
それゆえ、住宅での保護シェルターまたは1つもしくはそれ以上の部屋の建設では、破片が接触およびクロス/樹脂の組合せの偏位での保持の前に貫入して木材に一撃を加えるように、構造外装は風に運ばれる任意の破片の方向に向くことが意図される。構造外装での通常の建物建設および技術が用いられてもよいので、本発明は特に有利であることが理解される。
【0026】
屋内射撃訓練場の壁、天井および床の被覆加工材としてアラミド繊維/木材組合せの使用が独国特許第195 12582号明細書に開示されたことは注目される。しかしながら、高速/低重量発射体の射撃訓練場の要件は、壁偏位と200マイル毎時を超える風速による風に運ばれる破片の貫通を阻止する能力との本発明の要件とは全く異なる。
【0027】
先に述べられたように、高強力偏位層と構造外装との組合せは風に吹き飛ばされる破片を止めるのに有効である。しかしながら、偏位層および構造外装は支持される必要がある、すなわち、居住施設のような建築構造では、支持材料は典型的には木材であるが、商業建造物では支持材料は典型的には木材または金属である。
【0028】
さらに、住宅建築では、偏位層および構造外装用の支持構造は典型的には耐荷重性であり、すなわち、建物の一部を支持するのを助けるが、商業建築では支持は耐荷重性であってもそうでなくてもよい。
【0029】
しかしながら、偏位層および構造外装の衝撃(例えば、風に吹き飛ばされる破片などからの)に耐える効率性は耐荷重性支持材によってもたらされ得ることが見いだされた。
【0030】
本発明では、次の複合建造物
・軽量材料
・高強力偏位層
・構造外装
が順に存在する軽量材料の使用によって耐衝撃性または耐打撃性について改善がある。
【0031】
軽量材料は0.25グラム毎立方センチメートル以下、好ましくは、0.10グラム毎立方センチメートル以下、より好ましくは、0.05グラム毎立方センチメートル以下の密度を有するであろう。
【0032】
軽量材料は軟質でも硬質でもよい。しかしながら、硬質性が支持材または補強材によって提供されることは本発明の範囲内である。それゆえ、軽量材料は自立性でなくてもよいが、全体的な軽量材料層は、この特性を提供するための支持材または補強材の使用によって軟質性または硬質性を有するであろう。それゆえ、好ましい様式では、軽量材料を含む層は自立性である、すなわち、それは崩壊しないであろう。例示的には、軽量材料には、例えば、クラフト紙、アラミド紙、アルミニウム敷布およびプラスチックでできた発泡体またはハニカム構造体として存在し得る、例えば、ポリスチレンおよびポリウレタンが含まれる。軽量材料はその上米国特許第4,241,555号明細書に記載されているような軽ゲージ・スチール部材またはワイヤで補強された発泡体構造であることもできる。
【0033】
軽量材料層の厚さは、例えば5.0〜20.0センチメートルの範囲で、決定的に重要ではない。
【0034】
本発明の好ましい実施形態では、軽量材料がさらなる構造外装層によって適所に保持されるコアとして配置されるように、さらなる構造外装層が用いられるであろう。かかる場合には複合材は、順に
・構造外装
・硬質軽量材料
・高強力偏位層
・構造外装
を含んでなるであろう。
【0035】
構造外装の層が同一である必要はなく、多くの場合には変わってもよいことが理解される。構造外装の例には、合板または木材複合材のような木材、プラスチック複合材、繊維セメントおよび金属が挙げられる。
【0036】
本発明をさらに例示するために、次の実施例が提供される。
【実施例】
【0037】
実施例1
順に5/8インチ合板の1層、1ポンド/立方フィート(0.016gm/cc)の密度の5−1/2インチ厚さのスチール補強発泡ポリスチレン・コア、ポリエチレン共重合体樹脂で一緒に接合された3層の13オンス/平方ヤード・アラミド・クロスでできている積層布、および5/8インチ合板の1層を使用して47インチ×88インチ複合壁パネルを製造した。スチール補強は、パネルの各面上にフラットに置かれた16インチ心板上に24ゲージ2×4一般金属骨組みスタッドで行った。補強材は米国特許第4,241,555号明細書に記載されているように発泡工程中に加えた。
【0038】
建物における床間または床−屋根の据え付けをシミュレートするために、10インチ構造梁上に十分に支持された壁パネルの各側面上に47インチ寸法の硬質の試験骨組み上に壁パネルを取り付けた。壁パネルはこの梁と各端で4インチだけオーバーラップした。竜巻シェルターについての全米性能判定基準、第1追加、FEMA、1999年5月28日の「シェルター壁および天井の風送飛翔体耐衝撃性(Windborne Missile Impact Resistance on Shelter Wall and Ceiling)」規定を満たす能力にアクセスするために、試料は100mphで進む15ポンド2×4(インチ)木材発射体で衝打された。大砲セットアップおよび発砲はASTM E1886−97に従って行った。
【0039】
壁部分は、FEMA規定で要求されるように発射体がそれを通過するのを阻止し、発射体は跳ね返された。事象の間ずっと撮られた高速写真は、跳ね返される前に発射体が壁空洞中へおおよそ5インチ貫入することを示した。複合外装の偏位は4.5インチであると計算された。壁の外側上の合板層は、発射体入力のポイント周りに局所的にのみ損傷を示した。裏側上の合板層は、衝打ポイント周りに非常に軽微なクラッキングを示したにすぎなかった。
【0040】
実施例2
順に5/8インチ合板の1層、1ポンド/立方フィート(0.016gm/cc)の密度の5−1/2インチ厚さの発泡ポリスチレン・コア、ポリエチレン共重合体樹脂で一緒に接合された積層13オンス/平方ヤード・アラミド布の2層でできている積層布、および5/8インチ合板の1層を使用して48インチ×48インチ複合壁パネルを製造した。エッジは、合板および積層外装を適所に固定するために使用した標準2×6インチ木材スタッドで組み立てた。固定は、5cm心板上に#10動力駆動釘で周囲周りに行った。硬質パネルを作るために標準建築接着剤を木材面、接合された布層、および発泡体層の間に塗布した。
【0041】
建物における床間または床−屋根の据え付けをシミュレートするために、10インチ構造スチール梁上に十分に支持されたパネルの2側面で硬質の試験骨組み上に壁パネルを取り付けた。壁パネルは前記梁と各端で4インチだけオーバーラップした。竜巻シェルターについての全米性能判定基準、第1追加、FEMA、1999年5月28日の「シェルター壁および天井の風送飛翔体耐衝撃性」規定を満たす能力にアクセスするために、試料は100mphで進む15ポンド2×4木材発射体で衝打された。大砲セットアップおよび発砲はASTM E1886−97に従って行った。
【0042】
壁部分は、FEMA規定で要求されるように発射体がそれを通過するのを阻止し、発射体は跳ね返された。事象の間ずっと撮られた高速写真は、跳ね返される前に発射体が壁空洞中へおおよそ5.5インチ貫入することを示した。複合外装の偏位は5.0インチであると計算された。壁の外側上の合板層は、発射体入力のポイント周りに局所的にのみ損傷を示した。裏側上の合板層は、衝打ポイント周りに非常に軽微なクラッキングを示したにすぎなかった。
【0043】
実施例3
順に5/8インチ合板の1層、ポリエチレン共重合体樹脂で一緒に接合された積層13オンス/平方ヤード・アラミド布の2層でできている積層布、2×6骨組み木材対2×4骨組み木材を用いる図面AG−5および14に特有のFEMA刊行物320、改訂1に従って構築した木材骨組み構造体を使用して48インチ×48インチ複合壁パネルを製造した。固定は、FEMA明細に従って5cm心板上におよび10cm心板を用いてフィールドスタッド上に#10動力駆動釘で周囲周りに行った。硬質パネルを作るために標準建築接着剤を骨組み木材、接合された布層および合板仕上面の間に塗布した。
【0044】
建物における床間または床−屋根の据え付けをシミュレートするために、10インチ構造スチール梁上に十分に支持されたパネルの2側面で硬質の試験骨組み上に壁パネルを取り付けた。壁パネルは前記梁と各端で4インチだけオーバーラップした。検体の方位は、フィールドスタッドが10インチ構造梁にまたがるようにであった。竜巻シェルターについての全米性能判定基準、第1追加、FEMA、1999年5月28日の「シェルター壁および天井の風送飛翔体耐衝撃性」規定を満たす能力にアクセスするために、試料は100mphで進む15ポンド2×4木材発射体で衝打された。大砲セットアップおよび発砲はASTM E1886−97に従って行った。
【0045】
壁部分は、FEMA規定で要求されるように発射体がそれを通過するのを阻止しなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
順に
(a)0.25グラム毎立方センチメートル以下の密度を有する材料の層と、
(b)樹脂で接合された高強力繊維を含む布の層と、
(c)構造外装の層と
を含んでなる複合材であって、
前記接合された布層がラーメンに取り付けられ、ASTM試験手順E1886−97に従って161キロメートル(100マイル)毎時の速度で33キログラム(15ポンド)2×4材木発射体で衝打される際、5.0〜17.5センチメートルの範囲で偏位するであろう複合材。
【請求項2】
前記偏位が8.0〜16.0センチメートルの範囲にある請求項1に記載の複合材。
【請求項3】
前記高強度繊維がアラミド繊維、ガラス繊維、ポリエチレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアリレート繊維、ポリベンザゾール繊維、または炭素繊維よりなる群から選択される請求項1に記載の複合材。
【請求項4】
前記高強度繊維がアラミドを含んでなる請求項1に記載の複合材。
【請求項5】
前記高強力繊維がガラスである請求項1に記載の複合材。
【請求項6】
前記第2層が少なくとも0.65センチメートル(4分の1インチ)の厚さである請求項1に記載の複合材。
【請求項7】
前記第2層が合板を含んでなる請求項1に記載の複合材。
【請求項8】
層(a)が0.10グラム毎立方センチメートル以下の密度を有する請求項1に記載の複合材。
【請求項9】
層(a)が発泡体である請求項1に記載の複合材。
【請求項10】
層(a)がハニカムまたはハニカム様構造を有する請求項1に記載の複合材。
【請求項11】
層(a)が硬質である請求項1に記載の複合材。
【請求項12】
層(a)が軟質である請求項1に記載の複合材。
【請求項13】
層(a)が補強されている請求項1に記載の複合材。
【請求項14】
順に
(a)構造外装の層と、
(b)0.25グラム毎立方センチメートル以下の密度を有する材料の層と、
(c)樹脂で接合された高強力繊維を含む布の層と、
(d)構造外装の層と
を含んでなる複合材であって、
前記接合された布層がラーメンに取り付けられ、ASTM試験手順E1886−97に従って161キロメートル(100マイル)毎時の速度で33キログラム(15ポンド)2×4材木発射体で衝打される際、5.0〜17.5センチメートルの範囲で偏位するであろう複合材。
【請求項15】
建造物であって、
(a)0.25グラム毎立方センチメートル以下の密度を有する材料の層と、
(b)樹脂で接合された高強力繊維を含む布の層と、
(c)構造外装の層と
を含んでなる前記建造物の複合部分を有し、
前記接合された布層がラーメンに取り付けられ、ASTM試験手順E1886−97に従って161キロメートル(100マイル)毎時の速度で33キログラム(15ポンド)2×4材木発射体で衝打される際、5.0〜17.5センチメートルの範囲で偏位するであろう建造物。
【請求項16】
建造物であって、
(a)構造外装の層と、
(b)0.25グラム毎立方センチメートル以下の密度を有する材料の層と、
(c)樹脂で接合された高強力繊維を含む布の層と、
(d)構造外装の層と
を含んでなる前記建造物の複合部分を有し、
前記接合された布層がラーメンに取り付けられ、ASTM試験手順E1886−97に従って161キロメートル(100マイル)毎時の速度で33キログラム(15ポンド)2×4材木発射体で衝打される際、5.0〜17.5センチメートルの範囲で偏位するであろう建造物。


【公表番号】特表2006−508829(P2006−508829A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−557519(P2004−557519)
【出願日】平成15年12月2日(2003.12.2)
【国際出願番号】PCT/US2003/038366
【国際公開番号】WO2004/050346
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】