説明

スパウト付き袋の搬送装置

【課題】スパウト付き袋の連続製造装置から取り出したスパウト付き袋を、下流側のレール式搬送装置に引き渡す場合に、レール式搬送装置でトラブルが発生した場合でも、連続製造装置においてシール不良等が発生しないようにする。
【解決手段】周囲にスパウト保持部が複数設置され、間欠回転する受渡しローター25の下流側に、受け渡しレール装置16を設置する。スパウト保持部からプッシャーで突き出されたスパウト付き袋のスパウトは、受け渡しレール装置16の受け渡しレール54に入り、続いて固定搬送レール71に送られる。受け渡しレール装置16は、受け渡しレール54を通常のスパウト受取り位置からスパウトの受け取りを回避する退避位置に移動させる駆動手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスパウト付き袋の搬送装置に関し、特にスパウト付き袋の連続製造装置の下流側に設置され、該装置からスパウト付き袋を受け取り、これを一列に整列させて液状物充填装置やスパウト付き袋収容装置に向けて搬送するのに好適なスパウト付き袋の搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スパウト付き袋のロータリー式連続製造装置(特許文献1,2等参照)で製造されたスパウト付き袋は、隣接配置された取出用ローターを介して連続的に取り出された後、搬送用レールに引き渡され(例えばスパウトのフランジ間の溝がレールの間に挿入される)、そのまま該搬送用レールに沿って液状物充填装置に向け一列で供給されるか(特許文献2参照)、搬送用レールからいったんレール状の収容部材に整列収容された後、その収容部材に収容された状態で液状物充填装置に供給されている(特許文献3,4等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−208884号公報
【特許文献2】特開平11−124213号公報
【特許文献3】特開平11−263302号公報
【特許文献4】特許2500557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この場合、連続回転する取出用ローターの周囲に保持したスパウト付き袋を停止状態にある搬送用レールに引き渡すことになるが、この引渡しはスパウト付き袋が搬送用レールの位置に移動してきた瞬間に行う必要があるため、引渡し作業の処理速度(個/分)を上げた場合、引渡し工程が急激に不安定になり、引渡しミス(スパウトの挿入の失敗等)を多発するようになる。従って、スパウト付き袋の生産性向上を目的として上記のようなロータリー式連続製造装置や取出用ローターを用いているにも関わらず、安定した高速処理ができないという問題があった。
【0005】
また、取出用ローターの下流側のラインにおいて何らかのトラブルが起きたとき、例えば取出用ローターから搬送用レールへの引渡しミスが起きたとき、搬送用レールに何らかの故障が発生したとき、レール状の収容部材へスパウト付き袋を整列収容する装置に何らかの故障が発生したとき、あるいは搬送用レールの下流側に充填装置が連結されている場合において該充填装置が停止したときなどには、直ちにスパウト付き袋の連続製造装置を停止したうえで、故障箇所の点検及び修理を行うようになっている。しかし、スパウト付き袋の連続製造装置を停止すると、当該装置内において現に処理中のスパウトと袋のシール処理が不良となるだけでなく、停止したシール装置に挟持されたスパウトと袋がその熱で溶融し、シール装置にプラスチックの融着等が生じてしまう。
【0006】
本発明は、従来技術の上記問題点に鑑み、取出用ローターから搬送用レールへのスパウトの受渡しについて安定した高速処理を可能とすることを目的とする。また、本発明は、取出用ローターの下流側のライン、例えばレール式搬送装置において何らかのトラブルが発生したときでも、シール不良の発生やシール装置へのプラスチックの融着などが生じないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るスパウト付き袋の搬送装置は、周囲にスパウトのフランジの間の溝部を挟持する半径方向外向きの挟持溝を有するスパウト保持部が複数設置された受渡しローター、該受渡しローターを所定角度づつ間欠回転させる駆動手段、及びスパウト保持部の所定の停止位置において停止したスパウト保持部の挟持溝の上方で受渡しローターの半径方向に進退するプッシャーにより前記挟持溝からスパウトを突き出す突き出し装置を備えたロータリー式受渡し装置と、その下流側に設置されたレール式搬送装置からなり、該レール式搬送装置の一部としてその最上流側に受渡しレール装置が設置され、該受渡しレール装置は、前記停止位置の半径方向外側に設置され、該停止位置に停止したスパウト保持部の挟持溝から突き出されたスパウト付き袋のスパウトを受け取り、前方側に位置する後続のレール式搬送装置の搬送レールに引き渡すための受渡しレールと、該受渡しレールを前記設置位置からスパウトの受け取りを回避する前方の退避位置に移動させる駆動手段を備え、前記受け渡しレールと搬送レールは、スパウトの側面に形成された溝にはまり込む左右一対のスパウトガイド部をそれぞれ有することを特徴とする。
上記スパウト付き袋の搬送装置において、前記受け渡しレールと搬送レールは、望ましくは、前記受け渡しレールと搬送レールのスパウトガイド部が互いに段違いに設置され、はまり込むスパウトの溝が上下異なっている。この場合、いうまでもなく側面に上下複数段の溝が形成されたスパウトが用いられる。
【0008】
また、上記スパウト付き袋の搬送装置は、必要に応じて、次のような具体的構成をとることができる。
(1)前記突き出し装置は、受渡しローターの半径方向外側へ移動中にプッシャーに所定以上の抵抗が掛かったとき、その移動を自動的に停止させる安全機構を備えること。
(2)前記受渡しローターのスパウト保持部と受渡しレールのスパウトガイド部は互いに段違いに設置され、そのスパウト保持部の挟持溝に挟持されるスパウトの溝と受渡しレールのスパウトガイド部がはまり込むスパウトの溝が上下異なること。この場合、いうまでもなく側面に上下複数段の溝が形成されたスパウトが用いられる。
(3)前記受渡しレールの一対のスパウトガイド部のうち受渡しローターの回転の前方側に位置する側のスパウトガイド部が受渡しローターのスパウト保持部のスパウト保持位置中心の移動経路と重なる位置まで延び、かつ受渡しレールが水平面内で揺動自在とされ、スパウト保持部に保持されて移動するスパウトが当接した場合に水平に揺動してその移動経路から逃げるようになっていること。
【0009】
上記スパウト付き袋の搬送装置において、スパウト付き袋のロータリー式受け渡し装置として、例えば次のようなロータリー式受け渡し装置を用いることができる。これは、定速で連続回転する作業ローターの周囲に複数設置された第1スパウト保持部からスパウト付き袋を受け取り、これを回転搬送し下流側のレール式搬送装置に引き渡すようにしたロータリー式受け渡し装置であり、周囲に第2スパウト保持部が複数設置された受渡しローターと、該受渡しローターを停止、加速、定速、減速、停止の一定サイクルで所定角度づつ間欠回転させ、その定速回転の間第2スパウト保持部の速度を第1スパウト保持部の速度と一致させるとともに両者を並走させる駆動手段を備え、その定速回転の間に第2スパウト保持部が第1スパウト保持部からスパウト付き袋を受け取り、第2スパウト保持部の所定の停止位置において、該第2スパウト保持部から下流側のレール式搬送装置に引き渡すようにしている。
ここで、作業ローターはロータリー式受渡し装置の上流側に隣接して設置されたローターであり、例えばロータリー式連続製造装置自体のローター又は取出用ローターを意味する。
【0010】
上記スパウト付き袋のロータリー式受渡し装置は、より具体的には、第2スパウト保持部のスパウト保持位置中心の移動経路と第1スパウト保持部のスパウト保持位置中心の移動経路が近接し、かつ第2スパウト保持部が両移動経路の最接近位置の近傍を通過するあいだ受渡しローターが定速回転するように設定され、さらに両スパウト保持部がスパウトのフランジの間の溝部を挟持する半径方向外向きの挟持溝を有し、かつ前記挟持溝の入口近傍に外広がりのテーパーが形成され、受渡しローターの定速回転の間に第1スパウト保持部の挟持溝内に保持されたスパウト付き袋のスパウトが第2スパウト保持部の挟持溝内に移送されるようになっている。
【0011】
この場合、作業ローターと受渡しローターの間において、第1スパウト保持部から第2スパウト保持部へスパウト付き袋を移送させるガイド部材を設置することが望ましい。該ガイド部材は、第1スパウト保持部のスパウト保持位置中心の移動経路から第2スパウト保持部のスパウト保持位置中心の移動経路にかけて連続的に形成された案内溝を備え、この案内溝にスパウトのヘッド部を嵌入させかつ案内溝に沿って案内する。
また、前記停止位置に停止した第2スパウト保持部の挟持溝の上方で受渡しローターの半径方向に進退するプッシャーにより前記挟持溝からスパウトを突き出し、レール式搬送装置に向けて送り出す突き出し装置を設置することが望ましい。この突き出し装置は、望ましくは、受渡しローターの半径方向外側への移動中にプッシャーへ所定以上の抵抗が掛かったとき、その移動を自動的に停止させる安全機構を備える。
【0012】
なお、以上具体的に述べたスパウト付き袋のロータリー式受渡し装置は、連続回転する作業ローターが上流側に存在し、かつ該作業ローターから連続的にスパウト付き袋を受け取ることを前提とし、特定のサイクルで間欠回転動作を行うものである。しかし、前記スパウト付き袋の搬送装置において、レール式搬送装置と組み合わされるロータリー式受渡し装置は、上記のものに限らず、周囲にスパウトのフランジの間の溝部を挟持する半径方向外向きの挟持溝を有するスパウト保持部が複数設置された受渡しローターと、該受渡しローターを所定角度づつ間欠回転させる駆動手段を備えたものであればよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るスパウト付き袋の搬送装置は、ロータリー式受渡し装置とレール式搬送装置を組み合せ、該レール式搬送装置の一部であるレール式受渡し装置を通常の位置とスパウトの受け取りを回避できる退避位置に移動できるようにしたことで、例えばレール式搬送装置が故障等により停止したときでも、上流側のスパウト付き袋製造装置をいきなり停止する必要がなくなり、不良製品が製造されるのを防止し、かつ製造装置内のシール装置にプラスチックの融着等が生じるのを防止できる。
なお、ロータリー式受渡し装置として、受渡しローターに停止、加速、定速、減速、停止という特定の間欠回転動作を行わせ、受渡しローターが定速回転している間に、同じ速度で連続回転する作業ローターからスパウトを受け取り、一方、受渡しローターが停止している間に、停止しているレール式搬送装置に引き渡すようにした場合、作業ローターとレール式搬送装置の間でスパウト付き袋を高速で受渡しができ、かつ受け取りミスが発生しにくいという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】スパウト付き袋の連続製造装置の平面図である。
【図2】スパウト付き袋の搬送装置及びスパウト付き袋収容装置の平面図である。
【図3】ロータリー式受渡し装置(受渡しローター停止時)及び取出装置の平面図である。
【図4】ロータリー式受渡し装置(受渡しローター定速回転時)及び取出装置の平面図である。
【図5】取出装置のスパウト保持部からロータリー式受渡し装置のスパウト保持部へのスパウトの移送を説明する図である。
【図6】スパウトの正面図(a)及び側面図である。
【図7】ロータリー式受渡し装置の突き出し装置の平面図である。
【図8】その正面断面図である。
【図9】その側面図(一部断面)である。
【図10】受渡しレール装置の平面図である。
【図11】その正面断面図である。
【図12】第2レール装置の平面図である。
【図13】その側面断面図である。
【図14】第3レール装置及びスパウト付き袋収容装置の平面図である。
【図15】その側面断面図である。
【図16】その正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図1〜図16を参照して、本発明に係るスパウト付き袋の搬送装置についてより具体的に説明する。
まず、図1はスパウト付き袋の連続製造装置の一例(詳しく特願2000−180633参照)であり、袋は袋連続供給装置1からスパウト挿入仮シール装置2に供給され、スパウトはスパウト供給装置3からスパウト挿入仮シール装置2に供給され、スパウト挿入仮シール装置2内でスパウトが袋に挿入され、仮シール装置4によりシール部に仮シールが施されて両者が連結される。スパウト挿入仮シール装置2の下流側には、1次シール装置5、2次シール装置6及び冷却シール装置7がそれぞれ受渡し装置8〜10を介して直列に配置され、最後に取出し装置11が配置されている。スパウト挿入仮シール装置2及び各装置5〜11はすべて連続回転するローターを備え、スパウト及び袋を連続的に回転搬送しながら所要の処理を施す。
【0016】
図2は、取出し装置11の下流側に設置されるスパウト付き袋の搬送装置12及びスパウト付き袋収容装置13を示す。搬送装置12は、取出し装置11のローターに隣接して設置されたロータリー式受渡し装置14とその下流側に設置されたレール式搬送装置15からなり、さらにレール式搬送装置15は第1レール装置(受渡しレール装置)16、第2レール装置17、第3レール装置18からなる。また、スパウト付き袋収容装置13は、空収容レールの搬入装置21、実収容レールの搬出装置22及び収容レール昇降装置23等からなる。
【0017】
図3に示すように、ロータリー式受渡し装置14は、周囲にスパウト保持部24が複数設置された受渡しローター25と、該受渡しローター25を停止、加速、定速、減速、停止の一定サイクルで所定角度(隣接するスパウト保持部24間の角度)ずつ間欠回転させる図示しない駆動手段を備え、スパウト保持部24のスパウト保持位置中心の移動経路Aが取出し装置11のスパウト保持部26のスパウト保持位置中心の移動経路Bと近接するように設置されている。なお、上記のサイクルを起こさせる機構自体はインデックス装置として公知である。
上記駆動手段により、スパウト保持部24の1サイクルの時間はスパウト保持部26が1ピッチ(隣接するスパウト保持部26間の角度)進む時間と等しくされ、スパウト保持部24が両移動経路A、Bの最接近位置(移送位置C)の近傍を通過するあいだ受渡しローター25は定速回転し、さらに、その定速回転の間、スパウト保持部24はスパウト保持部26と同速で回転し、かつ両者並走するようになっている。
【0018】
スパウト保持部24及び26は、共に各ローターの半径方向外向きのほぼ平行な挟持溝24a、26aを有し、その入口近傍には外広がりのテーパー部24b、26bが形成されている。また、スパウト保持部24の位置はスパウト保持部26とは互いに段違い(高さが異なる)とされ、両者の平面視経路は一部で重なる(両者のテーパー部24b、26bが重なる程度)が、互いに干渉し合わないようになっている(図5参照)。一方、スパウトSは、図6に示すように、フランジ部a、b、cを有し、その間の溝部d、eがそれぞれ前記挟持溝24a、26aにより挟持される。また、fはシール部、hはヘッド部である。
【0019】
取出し装置11のローターと受渡しローター25の間には、スパウト保持部26からスパウト保持部24にスパウト付き袋を移送させるガイド部材27が設置されている。このガイド部材27はスパウトSのヘッド部hが嵌入する凹溝27a(図5参照)を備え、該凹溝27aはその入口では中心が上流側の移動経路B上にあり、移送位置Cに近づくにつれ移動経路Bから次第に遠ざかり(移動経路Aに近づく)、移送位置Cにおいて両経路A、Bの中間位置を通り、続いて移動経路Aに次第に近づき、出口では移動経路A上にくるように連続的に形成されている。
【0020】
溝eをスパウト保持部26の挟持溝26aに挟持されたスパウトSが回転してガイド部材27に近づくと、そのヘッド部hが凹溝27aに入り(図5(a)参照)、スパウトSはこの凹溝27aに案内されて次第にスパウト保持部材26の保持位置中心から外向きに引き出される。続いて受渡しローター25が定速回転に入り、かつ両挟持溝24a、26aのテーパー部24b、26bが平面視で一部重なった状態になり、続いて両挟持溝24a、26aが移送位置Cにきたときは、スパウトSは挟持溝26aのテーパー部26bまで引き出され、同時に溝dが挟持溝24aのテーパー部24bへ導入されている(図4及び図5(b)参照)。さらに定速回転している間にスパウトSは挟持溝26aのテーパー部26bから完全に引き出され、続いて、スパウト保持位置中心まで挟持溝24aに押し込まれ、移送が完了する(図5(c)参照)。
なお、スパウト保持部24とスパウト保持部26の高さを変え、移送位置Cの前後で両者が平面視で重なるようにしたので、スパウトSが安定してスパウト保持部26の挟持溝26aからスパウト保持部24の挟持溝24aへ乗り移ることができる。
【0021】
上記移送において、スパウト保持部24、26の挟持溝24a、26aの入口近傍にはそれぞれ扇状の外広がりのテーパー部24b、26bが形成されているため、挟持溝24aへのスパウトSの導入及び挟持溝26aからのスパウトSの引出しは支障なく行われる。また、スパウト保持部24、26は板状で、その厚みがスパウトSのフランジ間の溝d、eの幅とほぼ同程度とされ、スパウトSを正確に位置決め保持できるようにされ、そのテーパー部24b、26bでは先端部にいくほど厚みが小さくされ、溝d、eへ挿入しやすくなっている。さらに、挟持溝24a、26aの幅はスパウトSの左右の溝d−d、e−e間の間隔とほぼ同程度とされている。
なお、詳細な説明は省略するが、冷却シール装置7と取出し装置11の間の移送をはじめ、スパウト付き袋の連続製造装置において各作業ローター2、5〜11間の移送は前記と同様に行われる。
【0022】
さて、上記ロータリー式受渡し装置14では、スパウト保持部24の停止位置の1つがスパウト付き袋の移送位置Dとされ、そこに停止したスパウト保持部24からスパウト付き袋が受渡しレール装置16に引き渡される。そのため、上記ロータリー式受渡し装置14には、スパウト保持部24の挟持溝24aから半径方向外側へスパウトSを突き出す突き出し装置28が設置されている。
この突き出し装置28は、図7〜9に示すように、前後に移動する進退プレート29の側面部29aに支点軸31を中心として揺動自在に取り付けられた略L字形のプッシャー32を備える。プッシャー32の下方に延びる腕32aの下端には前方(受渡しローター25の半径方向外側)に向けてエア吹出パイプ33が設置され、これは図示しない高圧源に切換弁、フィルター等を介してつながっている。またプッシャー32の後方に向けて水平に延びる腕32bには前後方向に長い長孔34が形成されている。
【0023】
また、進退プレート29の側面部29aには、腕32aの位置を規定するストッパー35が設置され、かつばねガイド軸36が支点軸37を中心として揺動自在に設置され、前記長孔34を通り上方に抜けている。ばねガイド軸36には圧縮ばね38が取り付けられ、その付勢力により腕32bがストッパー35に向けて押し付けられている。その結果、プッシャー32の腕32aは一定の付勢力で前方に向けて付勢され、ストッパー35に規制されて通常は真下を向いた位置にあるが、進退プレート29の前進に伴って移動する際に、圧縮ばね38の付勢力を超える抵抗が掛かった場合、その移動が止まり、支点軸31を中心として後方に向け揺動し傾斜する(仮想線参照)。
このように、プッシャー32が後方へ揺動自在とされていることと、ストッパー35や圧縮ばね38等が組み合わされて本発明でいう安全機構が構成され、これによりスパウト付き袋(特にスパウトS)の破損が防止できる。
【0024】
進退プレート29の下部にはスライドブロック39が取り付けられ、これがベースプレート40(突き出し装置28と受渡しレール装置16のベースプレート)上に固定されたスライドレール41上を摺動自在とされている。進退プレート29を前後に移動させる駆動機構は、支持スタンド42に回転自在に支持され図示しない駆動源により回転する駆動軸43、その上端に取り付けられた溝カム44、支点軸45を中心として揺動自在であり中間位置に溝カム44内で転動するカムローラ46を有する揺動アーム47、一端が揺動アーム47の先端に固定された連結軸48に回動自在に取り付けられ、他端が進退プレート49に固定された連結軸49に回動自在に取り付けられた連結リンク50を有する。駆動軸43が回転すると揺動アーム47が揺動し、連結リンク50が前後に移動し、これに伴いプッシャー32が進退する(実線=前進位置、仮想線=後退位置)。
【0025】
また、ベースプレート40上には近接センサ51が取り付けられ、一方、プッシャー32の腕32bの後方位置に前記近接センサ51により検知される被検知部材52が取り付けられている。先に述べたように安全機構が働いてプッシャー32が後方に向け揺動すると、被検知部材52が腕32bとともに上方に揺動し、近接センサ51が被検知部材52を検知しなくなるので、これにより安全機構が作動したことが分かる。
さらに、図3に示すように、ロータリー式受渡し装置14には強制排出ガイド53が設置されている。強制排出ガイド53は、移送位置Dの回転前方側において受渡しローター25の上方に設置され、移動経路Aの内側から外側に向かう当接面53aを有し、この当接面53aがスパウトSのヘッド部hに当接して、挟持溝24aから押し出す作用をもつ。
【0026】
続いて、ロータリー式受渡し装置14からレール搬送装置15へのスパウト付き袋の移送を説明する前に、レール搬送装置15の一部である受渡しレール装置16及び第2レール装置17について説明する。
受渡しレール装置16は、図8及び図10、11に示すように、左右一対のスパウトガイド部(スパウトSの溝eにはまり込み、スパウトSを掛止する部分)54a、54bを有する受渡しレール54、レール取付部55を介して受渡しレール54を支持する支軸56、進退プレート57に固定され支軸56を回転自在に支持する軸受部材58、支軸56の上端に固定された略L字形の揺動部材59等を備える。また、進退プレート57上の取付プレート61に揺動部材59の長い腕59aの位置を規定するストッパー62が設置され、かつ揺動部材59の短い腕59bの端部に立設するフック63と進退プレート57上に立設するフック64の間に引張ばね65が張設され、揺動部材59は右回り(移送位置Dにおける受渡しローター25の回転方向とは逆方向)に付勢され、ストッパー62に向けて押し付けられている。その結果、受渡しレール54は一定の付勢力で右回りに付勢され、通常はストッパー62に規制されて前後(移送位置Dにおける受渡しローター25の半径方向)に向いた位置にあるが、左回りに引張ばね65の付勢力を超える力が掛かった場合左回りに回転し得る。これにより、スパウト付き袋(特にスパウトS)の破損が防止できる。なお、スパウト付き袋はWで示している。
【0027】
さらに、取付プレート61には近接センサ66が取り付けられ、一方、揺動部材59の長い腕59aの先端が前記近接センサ66により検知される被検知部材を兼ねている。受渡しレール54に左回りに引張ばね65の付勢力を超える力が掛かった場合、受渡しレール54とともに揺動部材59の長い腕59aが左回りに回転し、近接センサ66が腕59aを検知しなくなる。逆に、これにより受渡しレール54に左回りに引張ばね65の付勢力を超える力が掛かったことが分かる。
【0028】
進退プレート57の下部にはスライドブロック67が取り付けられ、これが前記スライドレール41上を摺動自在とされている。進退プレート57はエアシリンダ68により前後に移動し、これにより受渡しレール54が前後に移動する。進退プレート57の後端位置、すなわち受渡しレール57の後端位置は、ベースプレート40上に設置されたストッパー69により規定される。受渡しレール54は通常は後端位置(図8、10に実線で示す位置)にあり、エアシリンダ68の駆動により、必要に応じて前方位置(図8、10に仮想線で示す位置)に移動させることができる。この前方位置は、受渡しレール54がスパウトSの受け取りを行わない退避位置である。
【0029】
受渡しレール54は受渡しローター25の移送位置Dの半径方向外側において通常は受渡しローター25の半径方向に向き、かつそのスパウトガイド部54a、54bが移送位置Dに停止したスパウト保持部24の挟持溝24aの延長上にくるように配置されている。また、スパウトガイド部54a、54bはスパウト保持部24とは互いに段違い(高さが異なる)とされ、さらに、受渡しレール54が通常の後端位置にあるとき、受渡しローター25の回転の前方側に位置する側のスパウトガイド部54aが、移動経路Aと重なる位置まで延びている。後方側に位置する側のスパウトガイド部54bは、移送位置Dに停止したスパウト保持部24の挟持溝24aの先端(テーパー部24b)と平面視重なる位置まで延びている。
【0030】
第2レール装置17は、図12、13に示すように、それぞれスパウトガイド部(スパウトSの溝dにはまり込み、スパウトSを掛止する部分)71a、71bを有する一対の固定搬送レール71、固定搬送レール71の上方に所定間隔をおいて設置された一対のベルト搬送装置72、同じく搬送レール71の上方に設置され図示しない高圧源に切換弁、フィルター等を介してつながったエア吹出ノズル73及びエア吹出パイプ74等からなり、これらがベースプレート75に取り付けられている。
各ベルト搬送装置72は固定搬送レール71に沿って設置されるもので、入口側(後方側)に配置された従動プーリー76、出口側(前方側)に配置された駆動プーリー77、複数の中間プーリー78、これらに掛け渡された丸ベルト79及びモータ80からなり、丸ベルト79がスパウトSのヘッド部hに両側から接触し、丸ベルト79の回転に伴いその摩擦力でスパウトSを前方に向け搬送するようになっている。ただし、ベルト搬送装置72の入口近傍及び出口近傍では所定範囲にわたり丸ベルト79同士の間隔が広がり、丸ベルト79がヘッド部hに接触していない。エア吹出ノズル73は丸ベルト79同士の間隔が広がり始める直前の位置に、スパウトSのヘッド部hに向けて配置され、エア吹出パイプ74はベルト搬送装置72の出口に、スパウトSのヘッド部hに向けて一対配置されている。
【0031】
固定搬送レール71は受渡しレール54の前方側に位置し、かつそのスパウトガイド部71a、71bが、受渡しレール54のスパウトガイド部54a、54bの延長上にくるように配置されている。また、スパウトガイド部71a、71bはスパウトガイド部54a、54bとは互いに段違い(高さが異なる)とされ、さらに、受渡しレール54が通常の後端位置にあるときでも、スパウトガイド部54a、54bと平面視重なるように後方側に延びている。そして、受渡しレール54がエアシリンダ68の作用で前方側に移動しても、受渡しレール54と固定搬送レール71が互いに干渉することはない。
【0032】
ここで、ロータリー式受渡し装置14から受渡しレール装置16へのスパウト付き袋Wの移送、及び受渡しレール装置16から第2レール装置17への移送動作を説明する。
ロータリー式受渡し装置14において、スパウト保持部24の挟持溝24aに挟持されたスパウトSが移送位置Dに停止すると、後退していたプッシャー32が前進し、腕32aの下端が挟持溝24aに挟持されたスパウトSのヘッド部hに当り、これを前方に突き出し、同時にエア吹き出しパイプ33からスパウトSのヘッド部hに向けて高圧エアが吹き出し、スパウトSを受渡しレール装置16及びその先の第2レール装置17に向けて送り出す。なお、ロータリー式受渡し装置14では挟持溝24aはスパウトSの溝dを挟持していたが、受渡しレール装置16ではスパウトガイド部54a、54bが溝eを掛止する。
【0033】
ロータリー式受渡し装置14では、受渡しローター25が定速回転している間に、スパウト保持部24が同じ速度で連続回転するスパウト保持部26からスパウトSを受け取るため、高速処理が可能であると同時に、移送位置Dに停止している間に、スパウト保持部24に保持されたスパウトSを同じく停止している受渡しレール54に引き渡すため、受け取りミスが発生しにくいという利点がある。
また、受渡しレール54のスパウトガイド部54a、54bとスパウト保持部24の高さが異なり、一方のスパウトガイド部54aが移動経路Aと重なる位置まで延び、さらに他方のスパウトガイド部54bがスパウト保持部24の挟持溝24aの先端と平面視重なる位置まで延びているので、スパウトSが安定してスパウト保持部24の挟持溝24aから受渡しレール54へ乗り移ることができる。
【0034】
ロータリー式受渡し装置14から送り出されたスパウト付き袋は、受渡しレール装置16を通り、第2レール装置17に入る。第2レール装置17に入ったスパウト付き袋はスパウトSが固定搬送レール71のスパウトガイド部71a、71bに掛止され、該スパウトガイド部71a、71bに沿ってベルト搬送装置72の丸ベルト79により前方に送られ、丸ベルト79による搬送が終ってからはエア吹出ノズル73及びエア吹出パイプ74によりさらに前方へ固定搬送レール71上を勢いよく搬送され、続いて第3レール装置18に送り込まれる。固定搬送レール71上を丸ベルト79により搬送されている間は、スパウト付き袋は固定搬送レール71上で密集して搬送されるが、固定搬送レール71の出口及びその近傍では高圧エアにより搬送されるのでスピードが上がり、各スパウト付き袋の間隔は広がっている。
なお、受渡しレール54のスパウトガイド部54a、54bと固定搬送レール71のスパウトガイド部71a、71bは高さが異なり、前者はスパウトSの溝eを掛止し、後者は溝dを掛止するようになっている。そして、スパウトガイド部71a、71bの後端は、スパウトガイド部54a、54bと平面視重なる位置まで延びているので、スパウトSが安定して受渡しレール54から固定搬送レール71に乗り移ることができる。
【0035】
一方、受渡しレール装置16の下流側の装置、例えば第2レール装置17が故障して停止した場合、すぐに固定搬送レール71及び受渡しレール54にスパウトSが溜り、ロータリー式受渡し装置14から送り出される後続のスパウトSがそれにつかえて挟持溝24aから突き出せなくなる。すると、安全機構が作動してプッシャー32が前方へ移動しなくなり、それを近接センサ51が検知する。この場合、例えばスパウト挿入仮シール装置2への袋及びスパウトの供給を止め、同時にエアシリンダ68を作動させて受渡しレール54を前方に移動させたうえで、点検又は修理に入るとよい。なお、挟持溝24aから突き出せずに残ったスパウトSは、強制排出ガイド53により押し出される。
【0036】
スパウト付き袋の連続製造装置のうち、スパウト挿入仮シール装置2への袋及びスパウトの供給のみを止めると、スパウト挿入仮シール装置2及び受渡し装置8以降の各装置内を搬送されているスパウト、袋及びスパウト付き袋は、通常通りスパウト付き袋の製品として移送位置Cからロータリー式受渡し装置14に入り、移送位置Dにおいて挟持溝24aから突き出される。一方、受渡しレール54が前方の退避位置に移動しているので、送り出されたスパウト付き袋は受渡しレール54に受け取られず落下し、これはシュート81(図2参照)により所定位置に集められる。
従って、多数の不良品が製造されるということがなく、かつシール装置へのプラスチックの融着という問題も生じない。また、受渡しレール装置16の下流側の固定搬送レール71などに無理にスパウトSが押し込まれることがないので、さらなる故障の発生が防止される。
なお、この例では、受渡しレール54は全体が前方に退避することで、ロータリー式受渡し装置14のスパウト保持部24からのスパウトの受け取りを回避したが、スパウトの受け取りを回避できるのであれば、適宜別の退避形態をとるようにしてもよい。
【0037】
また、例えば受渡しローター25の停止のタイミングが合わずスパウトSが受渡しレール54のスパウトガイド部54aに突き当たるなど、何らかの理由で受渡しレール54に引張ばね65の付勢力を超える左回りの力が加わると、それを近接センサ66が検知する。この場合も前記と同様に、例えばスパウト挿入仮シール装置2への袋及びスパウトの供給を止め、同時にエアシリンダ68を作動させて受渡しレール54を前方に移動させたうえで、点検又は修理に入るとよい。
【0038】
続いて、第3レール装置18及びスパウト付き袋収容装置13について説明する。
図14〜16に示すように、第3レール装置18は、後方側の固定搬送レール82と、水平面内で回転する一対の駒状レール搬送体83及び前方側の固定搬送装置84からなる。各駒状レール搬送体83は、スプロケット85、86に無端状に巻かれたチェーン87と、その周囲にそれぞれ水平外向きに取り付けられた駒状レール88からなる。各駒状レール88は図13(b)に示す固定搬送レール71とほぼ同様の断面形状をもち、直線部分においては前後方向に密接状態となり、かつ所定間隔を置いて互いに向き合い、全体としてあたかも一対のレールのような形態をとり、かつ前方へ一定速度で移動している。
【0039】
上記固定搬送レール82のスパウトガイド部(図示せず)は、第2レール装置17の固定搬送レール71のスパウトガイド部71a、71bの延長上に位置し、かつスパウトガイド部71a、71bとは互いに段違い(高さが異なる)とされ、さらに平面視重複している。また、上記駒状レール88のスパウトガイド部(図示せず)は、上記直線部分において、固定搬送レール82のスパウトガイド部の延長上に位置し、かつそのスパウトガイド部とは互いに段違い(高さが異なる)とされ、同じく平面視重複している。さらに、固定搬送レール84のスパウトガイド部(図示せず)は、上記直線部分における駒状レール88のスパウトガイド部の延長上に位置し、かつそのスパウトガイド部とは互いに段違い(高さが異なる)とされ、同じく平面視重複している。
【0040】
また、駒状レール搬送体83の上方の所定位置には、駒状レール搬送体83上でスパウトSを停止させる第1ストッパー91とそれを昇降させるエアシリンダ92が設置され、固定搬送レール84の上方の所定位置にはスパウトSを停止させる第2ストッパー93とそれを進退させるエアシリンダ94が設置されている。前記エアシリンダ92は、スパウトの数をカウントする図示しない検知装置の検知信号により作動する。
【0041】
スパウト付き袋収容装置13は、収容レール95に所定数のスパウト付き袋を収容するもので、図14〜16に示すように、空収容レールの搬入装置21、実収容レールの搬出装置22、収容レール昇降装置23、収容レール移送装置96、挿入装置97等からなる。なお、収容レール95自体は公知のものであり、例えば特許第2500557号公報等に記載されているように、一対のスパウトガイド部を有し、ここにスパウトSの溝dがはまり込み掛止される。
【0042】
空収容レールの搬入装置21は、両端をスプロケットに張架された一対のチェーンコンベア98と、分離ストッパー99及び位置決めストッパー100からなる。チェーンコンベア98は空収容レール(スパウト付き袋を収容していない収容レール)95を載置して収容レール昇降装置23に向け搬送し、分離ストッパー99は上昇して先頭から2番目以降の収容レール95を停止させ、位置決めストッパー100は先頭の収容レール95の位置決めを行う。なお、このとき停止した収容レール95とチェーンコンベア98の間に滑りが生じている。
収容レール昇降装置23は、空収容レール搬入装置21の前端部に設置されるもので、一定間隔を置いて2つの収容レール95をそれぞれ載置する2組の係合部材101、102と、これらを昇降させるロッドレスシリンダ103からなる。係合部材101はチェーンコンベア98上の先頭の空収容レール95を載置して上昇し、係合部材102は実収容レール(スパウト付き袋Wを収容した収容レール)95aを載置して下降し、後述する載置台122、123上に置く。
【0043】
収容レール移送装置96は、2列に設置された移送吸盤104、進退プレート105に取り付けられ移送吸盤104を昇降させるエアシリンダ106、移送吸盤104の昇降をガイドする昇降ガイド軸107、進退プレート105に取り付けられ前記昇降ガイド軸107が摺動する軸受108、進退プレート105の下部に取り付けられたスライドブロック109、フレーム110上に設置されたスライドレール111及び左右移動用のエアシリンダ112等からなる。
上記収容レール移送装置96は、2列に設置された移送吸盤104を昇降及び左右に移動させることにより、係合部材101上の空収容レール95を吸着しスパウト付き袋の収容位置E(詳しくは後述)へ移動して載置プレート113、114上に置き、同時に該収容位置Eにおいてスパウト付き袋を収容した実収容レール95aを吸着して係合部材102上に移動して置く。
【0044】
挿入装置97は駒状レール搬送体83及び固定搬送レール84の上方に設置され、駒状レール88及び固定搬送レール84に掛止されているスパウトSを前方に押し出すプッシャー115、プッシャー115を昇降させるエアシリンダ116、これらを前後方向に移動させるロッドレスシリンダ117からなる。
なお、前記収容位置Eは固定搬送レール84の延長上に位置し、ここで位置決め用エアシリンダ118及び位置決め部材119により前後端を位置決めされる。この収容位置Eに位置決めされた収容レール95のスパウトガイド部は、固定搬送レール84のスパウトガイド部の延長上に位置し、かつそのスパウトガイド部とは互いに段違い(高さが異なる)とされ、さらに平面視重複している。
【0045】
収容レールの搬出装置22は、両端をスプロケットに張架された一対のチェーンコンベア121、実収容レール95aの両端を支持する載置台122、123、及び載置台122、123の端に置かれた実収容レール95aをチェーンコンベア121まで引き寄せる取出装置124からなる。チェーンコンベア121には外向きに突出する送り爪125が等間隔で取り付けられ、この送り爪125が載置台122、123のすぐ内側を移動している。また、取出装置124は、引き寄せ部材126とそれを昇降させるエアシリンダ127、及びそれらを左右に移動させるロッドレスシリンダ128からなる。
下降した係合部材102により載置台122、123上に置かれた実収容レール95aは、引き寄せ部材126によりチェーンコンベア121の方向へ引き寄せられ、続いて送り爪125に係合し搬出される。
【0046】
ここで、第2レール装置17から第3レール装置18へ、及び第3レール装置18からスパウト付き袋収容装置13へのスパウトSの移送動作を説明する。
第2レール装置17から送り出されたスパウトSは、固定搬送レール82を通り、続いて駒状レール搬送体83の直線部分に入る。第2レール装置17の固定搬送レール71のスパウトガイド部71a、71bから固定搬送レール82のスパウトガイド部への乗り移り、及び固定搬送レール82のスパウトガイド部から駒状レール88のスパウトガイド部への乗り移りはこれまで述べたと同様の態様で安定して行われる。
駒状レール搬送体83では、スパウトSは少しずつ間隔を置いて搬送されるので、検知装置により搬送されるスパウトSの数を正確にカウントすることができる。
また、駒状レール搬送体83から送り出されたスパウトSは固定搬送レール84に入る。駒状レール88のスパウトガイド部から固定搬送レール84のスパウトガイド部への乗り移りもこれまで述べたと同様の態様で安定して行われる。
【0047】
さて、エアシリンダ94が作動し第2ストッパー93が固定搬送レール84上に前進すると、そこでスパウトSは停止し密接状態に溜り、固定搬送レール84上が一杯になると駒状レール搬送体83の方まで密接状態に溜っていく。このスパウトSは駒状レール88のスパウトガイド部との間で滑りを起こしている。図示しない検知装置により第1ストッパー91の下を通過するスパウトSの数がカウントされ、その数が所定値に達すると、エアシリンダ92が作動して第1ストッパー91が下降し、後続のスパウトSの搬送がそこで停止する。
【0048】
一方、スパウト付き袋収容装置13では、チェーンコンベア98上の空収容レール95が係合部材101に載置されて上昇し、上昇端で移送吸盤104に吸着されて収容位置Eに横移送され(このとき同時に、前回の収容作業でスパウトを収容した実収容レール95aが係合部材102上に横移送される)、続いて収容位置Eに位置決めされる。
ここでエアシリンダ116が作動してプッシャー115が下降し、同時にエアシリンダ94が作動して第2ストッパー93が後退し、さらにロッドレスシリンダ117が作動し、プッシャー115を前方へ移動させる。これにより、固定搬送レール84及び駒状レール搬送体83上に溜っていた所定数のスパウトSは、プッシャー115に押されて収容レール95内に送り込まれ収容される。
続いて、係合部材101、102が下降し、係合部材102上の実収容レール95aは載置台122、123に置き残される。次いでエアシリンダ127及びロッドレスシリンダ128が作動し、実収容レール95aは引き寄せ部材126によりチェーンコンベア121上に引き寄せられ、その送り爪125により搬出される。
【符号の説明】
【0049】
2 スパウト挿入仮シール装置
5 1次シール装置
6 2次シール装置
7 冷却シール装置
8〜11 受渡し装置
11 取出し装置
12 スパウト付き袋の搬送装置
13 スパウト付き袋収容装置
14 ロータリー式受渡し装置
15 レール式搬送装置
16 第1レール装置(受渡しレール装置)
17 第2レール装置
18 第3レール装置
24、26 スパウト保持部
24a、26a 挟持溝
25 受渡しローター
27 ガイド部材
28 突き出し装置
32 プッシャー
33 エア吹出パイプ
54 受渡しレール
54a、54b 受渡しレールのスパウトガイド部
71 固定搬送レール
71a、71b 固定搬送レールのスパウトガイド部
72 ベルト搬送装置
73 エア吹出ノズル
74 エア吹出パイプ
82 固定搬送レール
83 駒状レール搬送体
88 駒状レール
91 第1ストッパー
93 第2ストッパー
95 収容レール
97 挿入装置
115 プッシャー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲にスパウトのフランジの間の溝部を挟持する半径方向外向きの挟持溝を有するスパウト保持部が複数設置された受渡しローター、該受渡しローターを所定角度づつ間欠回転させる駆動手段、及びスパウト保持部の所定の停止位置において停止したスパウト保持部の挟持溝の上方で受渡しローターの半径方向に進退するプッシャーにより前記挟持溝からスパウトを突き出す突き出し装置を備えたロータリー式受渡し装置と、その下流側に設置されたレール式搬送装置からなり、該レール式搬送装置の一部としてその最上流側に受渡しレール装置が設置され、該受渡しレール装置は、前記停止位置の半径方向外側に設置され、該停止位置に停止したスパウト保持部の挟持溝から突き出されたスパウト付き袋のスパウトを受け取り、前方側に位置する後続のレール式搬送装置の搬送レールに引き渡すための受渡しレールと、該受渡しレールを前記設置位置からスパウトの受け取りを回避する前方の退避位置に移動させる駆動手段を備え、前記受け渡しレールと搬送レールはスパウトの側面に形成された溝にはまり込む左右一対のスパウトガイド部をそれぞれ有することを特徴とするスパウト付き袋の搬送装置。
【請求項2】
周囲にスパウトのフランジの間の溝部を挟持する半径方向外向きの挟持溝を有するスパウト保持部が複数設置された受渡しローター、該受渡しローターを所定角度づつ間欠回転させる駆動手段、及びスパウト保持部の所定の停止位置において停止したスパウト保持部の挟持溝の上方で受渡しローターの半径方向に進退するプッシャーにより前記挟持溝からスパウトを突き出す突き出し装置を備えたロータリー式受渡し装置と、その下流側に設置されたレール式搬送装置からなり、該レール式搬送装置の一部としてその最上流側に受渡しレール装置が設置され、該受渡しレール装置は、前記停止位置の半径方向外側に設置され、該停止位置に停止したスパウト保持部の挟持溝から突き出されたスパウト付き袋のスパウトを受け取り、前方側に位置する後続のレール式搬送装置の搬送レールに引き渡すための受渡しレールと、該受渡しレールを前記設置位置からスパウトの受け取りを回避する前方の退避位置に移動させる駆動手段を備え、前記受け渡しレールと搬送レールはスパウトの側面に形成された溝にはまり込む左右一対のスパウトガイド部をそれぞれ有し、前記受け渡しレールと搬送レールのスパウトガイド部は互いに段違いに設置され、はまり込むスパウトの溝が上下異なることを特徴とするスパウト付き袋の搬送装置。
【請求項3】
前記突き出し装置は、受渡しローターの半径方向外側へ移動中にプッシャーに所定以上の抵抗が掛かったとき、その移動を自動的に停止させる安全機構を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載されたスパウト付き袋の搬送装置。
【請求項4】
前記受渡しローターのスパウト保持部と受渡しレールのスパウトガイド部は互いに段違いに設置され、そのスパウト保持部の挟持溝に挟持されるスパウトの溝と受渡しレールのスパウトガイド部がはまり込むスパウトの溝が上下異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載されたスパウト付き袋の搬送装置。
【請求項5】
前記受渡しレールの一対のスパウトガイド部のうち受渡しローターの回転の前方側に位置する側のスパウトガイド部が受渡しローターのスパウト保持部のスパウト保持位置中心の移動経路と重なる位置まで延び、かつ受渡しレールが水平面内で揺動自在とされ、スパウト保持部に保持されて移動するスパウトが当接した場合に水平に揺動してその移動経路から逃げるようになっていることを特徴とする請求項4に記載されたスパウト付き袋の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−215412(P2010−215412A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116365(P2010−116365)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【分割の表示】特願2000−305427(P2000−305427)の分割
【原出願日】平成12年10月4日(2000.10.4)
【出願人】(000222727)東洋自動機株式会社 (91)
【Fターム(参考)】