説明

スパンレース不織布用ポリ乳酸繊維

【課題】スパンレース法による優れた工程通過性と耐久性の優れた吸水性の両面を併せ持った脂肪族ポリエステル繊維を提供する。
【解決手段】単糸繊度2.2dtex以下、捲縮数10山/25mm以上、捲縮度が10%以上15%以下、繊維表面に(B)芳香族ジカルボン酸とエチレングリコールとポリオキシエチレン付加アルキルエーテルまたはポリオキシエチレン付加フェニルエーテルとから得られるブロック型ポリエーテルエステル共重合体を成分とする繊維表面付加用油剤(以下油剤と呼ぶ)が0.09〜0.5重量%付着してなることを特徴とするスパンレース不織布用ポリ乳酸繊維。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた工程通過性と吸水性を有するポリ乳酸繊維に関するものであり、その目的とするところは特にスパンレース法による不織布加工後も優れた吸水性を保持するスパンレース不織布用ポリ乳酸繊維に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、おむつ等の衛生材料やおしぼり、ワイピングクロス等の生活資材に使用されている繊維は、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド等の合繊繊維が一般的に用いられている。これらの繊維は、使用後自然界に放置させると分解されにくいため、いろいろな環境問題が生じている。これら使用済みの衛生材料や生活資材等は土中に埋められたり、焼却処分を一般的に行っている。しかし、土中に埋めると生分解性が低いため、その土地の利用方法には制限があった。このような課題を解決するためには、自然界で分解する素材への置き換えが考えられる。
【0003】
これらの衛生材料や生活資材には不織布が用いられ、その製造法としては、繊維状物をバインダーによって接合する方法(接着法)、繊維状物のウェッブにニードルパンチを施して繊維相互を交絡させる方法(ニードルパンチ法)、繊維状物をジェット水流によって相互に交絡させるスパンレース法などの製造法が一般的である。このうち特にスパンレース法は繊維損傷が少なく、強度、伸度タフネス等の物理特性やドレープ性に優れ、また接着法のようにバインダーを使用していないため安全面での利点もあり、衛生材料や生活資材等の各種分野への利用に好適な不織布を得ることができる。
【0004】
スパンレース法により不織布を製造する工程は、ウェッブを形成するカード工程とジェット高圧水流により繊維を交絡させるスパンレース工程とに大別される。ウェッブを形成するカード工程では、通常カードを通過しやすい摩擦特性および静電気を抑制させることが油剤に要求される。一方、高圧水流により繊維を交絡させるスパンレース工程で用いる油剤は、高圧水流を浴びても油剤脱落しにくい耐久性と吸水特性が要求される。また、高圧水流に使用される循環水中に対する泡立ち,スカムが発生しにくいことも要求される。スパンレース法により不織布を製造する工程は通常、カードによるウェッブ製造工程と、高圧水流による交絡工程とが一連の連続した工程として行われるため油剤は上記したウェッブ製造工程において要求される特性と交絡工程において要求される特性を同時に有していることが必要とされる。一般的にスパンレース不織布用合繊繊維の油剤として、高級脂肪酸部分エステル、高級脂肪酸アルカリ金属塩を含有する油剤(特許文献1)、セリシンとアルキルリン酸エステルアルカリ金属塩を含有する界面活性剤(特許文献2)、ポリエステル繊維を吸水加工する油剤として、親水基を含有するポリエステルポリエーテルブロック共重合体を繊維表面に付着させる方法(特許文献3および4)等がある。しかしながら、これらの油剤ではカード通過性不良、スパンレース工程での泡立ちによるスカム発生でノズルが詰まる等の生産性が悪くなること、更には吸水性の耐久性能が劣り、吸水性を要求される不織布製品には油剤が浸透しない等の問題点がある。
【特許文献1】特開平04−073266号公報(請求項1)
【特許文献2】特開2001−271272号公報(請求項1)
【特許文献3】特許第03487424号公報(請求項1)
【特許文献4】特開2001−303449号公報(請求項1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、スパンレース法による優れた工程通過性と優れた耐久吸水性の両面を併せ持ったポリ乳酸繊維を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
【0007】
単糸繊度2.2dtex以下、捲縮数10山/25mm以上、捲縮度が10%以上15%以下のポリ乳酸繊維であり、繊維表面に(B)芳香族ジカルボン酸とエチレングリコールとポリオキシエチレン付加アルキルエーテルまたはポリオキシエチレン付加フェニルエーテルとから得られるブロック型ポリエーテルエステル共重合体を必須成分として含有する繊維表面付加用油剤が付着し、かつ前記ブロック型ポリエーテルエステル共重合体の繊維全体に対する付着量が0.09〜0.5重量%であることを特徴とするスパンレース不織布用ポリ乳酸繊維。
【0008】
さらに、本発明の好ましい態様は次のとおりである。
【0009】
油剤が、(B)芳香族ジカルボン酸とエチレングリコールとポリオキシエチレン付加アルキルエーテルまたはポリオキシエチレン付加フェニルエーテルとから得られるブロック型ポリエーテルエステル共重合体に加えて、さらに(A)芳香族ジカルボン酸とエチレングリコールとポリエチレングリコールを縮重合させたランダム型ポリエーテルエステル共重合体および(C)炭素数4〜6のアルキル基を有するアルキルリン酸エステル塩を必須成分として含有し、前記(A),(B),(C)3成分の含有比率が(A)30〜50重量%、(B)30〜50重量%、(C)20〜40重量%の割合である。
油剤が繊維全体の0.3〜1.0重量%付着している。
【発明の効果】
【0010】
本発明のポリ乳酸繊維は、スパンレース法による不織布を製造する一連の工程において、カード工程では優れた制電性と絡合性を有し、更にスパンレース工程では循環水中の泡立ち抑制と製品における耐久性の優れた高吸水性を有する。このため、安定した工程通過性により生産性が向上し、更には高性能な製品を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明で用いられるポリ乳酸とは、乳酸やラクチドのオリゴマーを重合したものをいい、L体あるいはD体の光学純度が90%以上であると融点が高く好ましく、97%以上であるとより好ましい。ハンドリング性等を考慮し、L体の光学純度90%以上のポリ乳酸とD体の光学純度90%以上のポリ乳酸をブレンドしても良い。また、ポリ乳酸の性質を損なわない範囲で、ポリ乳酸以外の成分を共重合しても、ポリ乳酸以外の粒子、つや消し剤、抗菌剤、着色顔料等の添加物を含有しても良い。ポリ乳酸ポリマーの分子量は、重量平均分子量で5万〜50万であると、力学特性と成形性のバランスが良く好ましい。より好ましくは10万〜30万である。
【0012】
本発明で用いられるポリ乳酸の製造方法は、特に限定されない。例えば特開平6−65360号公報に記載されている製造方法を採用できる。すなわち、乳酸を有機溶媒および触媒の存在下、そのまま脱水重合する直接脱水縮合法である。また、特開平7−173266号公報に記載されている少なくとも2種類のホモポリマーを重合触媒存在下、共重合並びにエステル交換反応させる方法も採用できる。さらには、米国特許2,703,316号明細書に記載されている方法でも良い。すなわち、乳酸をいったん脱水し環状二量体とした後に、開環重合する直接重合法である。
【0013】
本発明で用いられるポリ乳酸は、融点が130℃以上であることが好ましい。融点が130℃より低い場合は、紡糸時に単糸間の融着が著しくなったり、延伸不良が発生し製品の品位が損なわれる恐れがある。好ましくは150℃以上であり、更に好ましくは160℃以上である。具体的にはネイチャーワークス社製グレード6201Dポリ乳酸が好ましく、常法により紡糸し、延伸しポリ乳酸繊維とすることができる。
【0014】
本発明のポリ乳酸繊維は、単糸繊度2.2dtex以下、捲縮数10山/25mm以上、捲縮度が10%以上15%以下のポリ乳酸繊維であり、繊維表面に(B)芳香族ジカルボン酸とエチレングリコールとポリオキシエチレン付加アルキルエーテルまたはポリオキシエチレン付加フェニルエーテルとから得られるブロック型ポリエーテルエステル共重合体を必須成分として含有する繊維表面付加用油剤(以下油剤と呼ぶ)が付着し、かつ前記ブロック型ポリエーテルエステル共重合体の繊維全体に対する付着量が0.09〜0.5重量%であることが必要である。
【0015】
ここで、(B)成分であるブロック型ポリエーテルエステル共重合体は、ポリオキシエチレン付加エーテル(b1)と芳香族ジカルボン酸(b2)とエチレングリコール(b3)を縮合して得るものである。ポリオキシエチレン付加エーテル(b1)としては、ポリオキシエチレン付加アルキルエーテル(b11)もしくはポリオキシエチレン付加フェニルエーテル(b12)が好ましく使用され、アルキル基は炭素数が1〜9のアルキル基が特に好ましく、最も好ましくはポリオキシエチレン付加フェニルエーテル(b12)が用いられる。ポリオキシエチレン付加エーテル(b1)におけるブロック型ポリエーテルエステル共重合体の分子量は、5000〜7000である。また、ポリオキシエチレン付加フェニルエーテル(b12)を用いた場合に、ポリオキシエチレン付加フェニルエーテル(b12)の分子量は2500〜3000である。上記(B)成分であるブロック型ポリエーテルエステル共重合体の市販品として、松本油脂製薬(株)製のM651が挙げられる。
【0016】
本発明で使用する油剤は、(B)芳香族ジカルボン酸とエチレングリコールとポリオキシエチレン付加アルキルエーテルまたはポリオキシエチレン付加フェニルエーテルとから得られるブロック型ポリエーテルエステル共重合体に加えて、さらに(A)芳香族ジカルボン酸とエチレングリコールとポリエチレングリコールを縮重合させたランダム型ポリエーテルエステル共重合体および(C)炭素数4〜6のアルキル基を有するアルキルリン酸エステル塩を必須成分として含有するのが好ましい。
【0017】
ここで(A)成分中の芳香族ジカルボン酸(a1)としては、テレフタル酸、イソフタル酸などが挙げられる。また、ポリエチレングリコール(a3)の分子量としては、分子量は5000以下が好ましい。分子量が5000を超えると、泡が消えにくくなる場合がある。ポリエチレングリコールの種類は問わない。(A)成分であるランダム型ポリエーテルエステル共重合体は、芳香族ジカルボン酸(a1)とエチレングリコール(a2)とポリエチレングリコール(a3)を縮合反応させて得るものである。この縮合反応は、常圧で行っても良く、減圧で行っても良い。
【0018】
本発明で使用するアルキル基の炭素数4〜6のアルキルリン酸エステル塩(C)においてアルキルリン酸エステルのアルキル基の炭素数が6より大きくなると、例えば炭素数8のオクチルリン酸エステル塩ではヘキシルリン酸エステル塩に比べて起泡性が大きく、また硬水安定性も非常に悪い。炭素数が3以下のリン酸エステル塩では、静電気発生の抑制が十分でない。アルキルリン酸エステルの塩としては、カリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩が挙げられ、好ましくはカリウム塩である。アルキル基の炭素数は4〜6で、好ましくは6である。上記アルキルリン酸エステル塩(C)を使用した市販品として、松本油脂製薬(株)製のM652が挙げられる。
【0019】
さらに、本発明において、油剤が、(A)芳香族ジカルボン酸とエチレングリコールとポリエチレングリコールを縮重合させたランダム型ポリエーテルエステル共重合体、(B)芳香族ジカルボン酸とエチレングリコールとポリオキシエチレン付加アルキルエーテルまたはポリオキシエチレン付加フェニルエーテルとから得られるブロック型ポリエーテルエステル共重合体および(C)炭素数4〜6のアルキル基を有するアルキルリン酸エステル塩、3成分の含有比率が(A)30〜50重量%、(B)30〜50重量%、(C)20〜40重量%の割合であることが好ましい。
【0020】
本発明において、(A)成分であるランダム型ポリエーテルエステル共重合体の使用量が30重量%より少ない量では、(B)および(C)成分により泡を低減することが難しくなる場合があり、50重量%を超えると耐久吸水性を保持することが困難になる場合がある。(B)成分であるブロック体ポリエーテルエステル共重合体の使用量が30重量%より少ない量では、耐久吸水性を保持することが困難になる場合があり、50重量%を超えると泡を低減することが困難になるばあいがある。(C)成分であるアルキルリン酸エステル塩の使用量が20重量%より少ない量では、制電性が劣る問題があり、40重量%を超えると、耐久吸水性と泡の低減との両立が困難になる場合がある。
【0021】
本発明においては、繊維に(B)芳香族ジカルボン酸とエチレングリコールとポリオキシエチレン付加アルキルエーテルまたはポリオキシエチレン付加フェニルエーテルとから得られるブロック型ポリエーテルエステル共重合体を成分とする油剤が0.09重量%〜0.5重量%付着していることが好ましい。繊維表面に付着する。付着量が0.09重量%より少ない量では、耐久吸水性を保持することが困難となり、0.5重量%を超えるとスパンレース時の泡立ちが多くなることでスカムが発生し、ノズル詰まり等の問題に繋がる。
【0022】
また、本発明において、油剤は繊維に繊維全体の0.3〜1.0重量%付着するのが好ましい。0.3重量%未満であると静電気の発生や吸水性が悪化するなどの障害を生じる。1.0重量%を超えるとカード工程での油剤脱落が多くなったり、スパンレース工程での泡立ちが多くなるといった問題など生産性に障害を生じたり、コストアップに繋がる。
【0023】
本発明の繊維は、単糸繊度は2.2dtex以下である必要がある。単糸繊度2.2dtexを越えると、繊維間に緻密な隙間が生じにくくなるので毛細管現象を引き起こしにくく吸水性が大きく悪くなる。単糸繊度の下限は0.1texである。
【0024】
本発明の繊維は、捲縮は捲縮数10山/25mm以上、捲縮度は10%以上15%以下である必要がある。捲縮数が10山/25mm未満、捲縮度が10%未満であると、繊維の絡合性が不足してカード工程で巻き付きが発生し操業性が著しく悪化する。更には、不織布の嵩高性に欠け製品のボリューム感が損なわれるといった問題が生じる傾向がある。また、捲縮度が15%を超えると繊維の絡みが強くなり開繊性が悪く、カード工程でネップが発生し製品の品位が著しく悪化する。捲縮数の上限値は通常200山/25cmである。
【0025】
本発明のポリエステル繊維の形態は、特に限られているわけではないが、スパンレース不織布用に好適な短繊維が好ましい。更に、これらのポリエステル繊維の断面形状は丸、異型等いずれの形状でも差し支えない。
【0026】
得られた繊維は常法によりカード工程にてウェッブを形成し、スパンレース工程によりジェット高圧水流により繊維を交絡させ不織布を製造し、スパンレース不織布とする。
【実施例】
【0027】
以下実施例により、本発明の効果を具体的に説明する。
【0028】
なお、実施例中の測定方法は以下の通りである。
【0029】
(1)カード通過性
ポリ乳酸短繊維を、温湿度30℃×40%RHの雰囲気下で豊田製CK−7Dフラットカード紡出速度50m/分で紡出させた時に、ウェッブ絡合性、ネップ発生状態を視感により判定した。
【0030】
(2)静電気発生量(制電性)
ポリ乳酸短繊維を、温湿度30℃×40%RHの雰囲気下で豊田製CK−7Dフラットカード紡出速度50m/分で紡出させた時に、ドッファー出ウェッブ表面の帯電圧を春日電機(株)製の集電式電位測定器KS−525にて測定した。
【0031】
(3)吸水性
脂肪族ポリエステル短繊維を目標目付100g/m,ウォータージェットの水圧90kg/cm2,速度1m/分、ノズル形状:0.1mmφ、0.6mmピッチ、834ホール、500mm効き幅で両面加工により得られる不織布の吸水性がJIS L 1907 5.1.2のバイレッグ評価法にて吸い上げ高さを測定した。
【0032】
実施例1
ネイチャーワークス社製6201Dポリ乳酸樹脂を紡糸、延伸して単糸繊度1.6dtexのトウを得た。このトウに捲縮付与し、捲縮数12山/25mm,捲縮度13%の捲縮糸とし、このトウを切断して、51mmのポリ乳酸繊維を得た。この繊維に次の組成を有する油剤をスプレー法により、繊維の繊維全体に0.50重量%付着させた。
【0033】
(A)成分:ランダム型ポリエーテルエステル共重合体(A):テレフタル酸、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量:4000)を縮合反応させて得るランダム型ポリエーテルエステル共重合体(平均分子量6000)
【0034】
(B)成分:(2)ブロック型ポリエーテルエステル共重合体(B):ポリオキシエチレン付加フェニルエーテル(分子量:3000)とテレフタル酸とエチレングリコールから得られるブロック型ポリエーテルエステル共重合体(平均分子量6000)
【0035】
(C)成分:(3)ヘキシルリン酸エステルカリウム塩(C)/松本油脂製薬(株)製M652
【0036】
その後、油剤が付着した繊維を100℃×1時間乾燥し、カード通過性,静電気発生量,吸水性の評価を行った。結果は表1のとおりであった。
【0037】
比較例1〜4
単糸繊度、捲縮数、捲縮度、油剤の(A)、(B)、(C)の各成分組成比、付着量を表1のように変更した以外は、実施例1と同様にしてポリ乳酸繊維を得た。実施例1と同様にしてカード通過性,静電気発生量,吸水性の評価を行った結果は表1のとおりであった。
【0038】
【表1】

【0039】
本発明の脂肪族ポリエステル繊維は、スパンレース法による不織布を製造する一連の工程において、安定した操業性を得られると共に高性能な不織布を得ることができる。さらに、カード工程では優れた制電性と絡合性を有することで、巻き付き,フライ,ウェッブ切れが無くなり、スパンレース工程では循環水中の泡立ちを抑制することで、ライン詰まりやノズル詰まりが無くなり、また製品における耐久性の優れた高吸水性を有することで、吸水性を要求される不織布用途に幅広く適用することができる。このため、安定した工程通過性により生産性が向上し、更には高性能な製品を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単糸繊度2.2dtex以下、捲縮数10山/25mm以上、捲縮度が10%以上15%以下のポリ乳酸繊維であり、繊維表面に(B)芳香族ジカルボン酸とエチレングリコールとポリオキシエチレン付加アルキルエーテルまたはポリオキシエチレン付加フェニルエーテルとから得られるブロック型ポリエーテルエステル共重合体を必須成分として含有する繊維表面付加用油剤が付着し、かつ前記(B)ブロック型ポリエーテルエステル共重合体の繊維全体に対する付着量が0.09〜0.5重量%であることを特徴とするスパンレース不織布用ポリ乳酸繊維。
【請求項2】
油剤が、(B)芳香族ジカルボン酸とエチレングリコールとポリオキシエチレン付加アルキルエーテルまたはポリオキシエチレン付加フェニルエーテルとから得られるブロック型ポリエーテルエステル共重合体に加えて、さらに(A)芳香族ジカルボン酸とエチレングリコールとポリエチレングリコールを縮重合させたランダム型ポリエーテルエステル共重合体および(C)炭素数4〜6のアルキル基を有するアルキルリン酸エステル塩を必須成分として含有し、前記(A),(B),(C)3成分の含有比率が(A)30〜50重量%、(B)30〜50重量%、(C)20〜40重量%の割合であることを特徴とする請求項1記載のスパンレース不織布用ポリ乳酸繊維。
【請求項3】
油剤が繊維全体の0.3〜1.0重量%付着していることを特徴とする請求項1記載のスパンレース不織布用ポリ乳酸繊維。

【公開番号】特開2007−224467(P2007−224467A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−49245(P2006−49245)
【出願日】平成18年2月24日(2006.2.24)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】