説明

スプレーガン貯蔵器用ドロップインフィルタ

スプレーガン(図1)で使用する液体供給アセンブリは、貯蔵器9を備え、貯蔵器9には、前記貯蔵器9に追加される液体から固体粒子を除去するドロップインフィルタ10が設けられる。貯蔵器9は、注ぎ口16を介してスプレーガンに接続可能な出口開口12Eと、フィルタ10の支持カラー27が配置される別個の入口開口12Dと、を有する蓋12を有する。フィルタ10は、開放端と閉鎖端とを有する管状メッシュ本体10を備える。開放端は、支持カラー27に接続され、メッシュ本体10Aは、貯蔵器9内で入口開口12Dから離れる方向に延在する。メッシュ本体10Aは、フィルタ開口12Dを通過するようなサイズであり、貯蔵器9の迅速な充填を可能にするように高流量を有する。スプレーガンに貯蔵器9を接続する時に、フィルタ10を適所に残してもよく、使用後に貯蔵器9をフィルタ10とともに破棄してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体供給アセンブリ用のフィルタにおけるまたはそれに関連する改良に関する。本発明は、特に、排他的ではないが、スプレーガン、特に、スプレーガンに取り付けられる、噴霧される液体のための貯蔵器を備える液体供給アセンブリとともに提供される、手持ち式スプレーガン等の液体噴霧装置のための液体供給アセンブリに対し適用することができる。
【背景技術】
【0002】
スプレーガンは、種々の業界で基板に液体を噴霧するために広く使用されている。既知のスプレーガンでは、液体はスプレーガンに取り付けられた貯蔵器に収容され、そこからスプレーノズルに供給される。液体は、スプレーノズルから出てくると、ノズルに供給される圧縮空気により霧化され噴霧を形成する。液体は、重力供給または吸引供給される場合があり、あるいは、より最近では、圧縮空気ラインから貯蔵器にまたはさらにはスプレーガン自体から抽気によって加圧供給される場合がある。
【0003】
スプレーガンの一般的な適用は、車体修理店において、事故の後に修理された車両に再吹付けする場合である。典型的な塗装仕上げでは、下塗剤、ベースコート、トップコートおよびクリアラッカーを塗布する必要のある場合がある。噴霧される液体に固体粒子等の汚染物質が存在することにより、塗料仕上げが損なわれ、許容可能な塗料仕上げを行うために全面的なやり直しが必要となる場合がある。場合によっては、固体粒子がスプレーガン自体の閉塞をもたらすこともあり、その閉塞を除去するためにスプレーガンを解体し清掃する必要がある。さらに、閉塞は、スプレーに対し悪影響を与える可能性があり、結果としての塗料仕上げを許容できないものとし、それにより、許容できる塗料仕上げをもたらすために再び全面的なやり直しが必要となる。塗料仕上げをやり直すことと、必要な場合はスプレーガンの閉塞を取り除くこととは、材料と時間との両方の意味でコストを加算する。
【0004】
スプレーガンの動作中に貯蔵器から液体が引き出される際に汚染物質を除去するために、貯蔵器にフィルタを設けることはすでに知られている。通常、貯蔵器は、スプレーガンの入口に接続される出口を有し、フィルタはその出口に亙りまたは出口の中に配置される。出口は、通常、スプレーガンへの接続に適合するように比較的サイズが小さい。貯蔵器に追加される液体に固体粒子が存在することにより、フィルタが閉塞する場合があり、そのため、スプレーガンへの液体の流れが制限されるか、または極端な場合は液体がまったく流れなくなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
スプレーガンへの液体の流れが低減することは、スプレーに悪影響を与える可能性があり、結果としての塗料仕上げは、許容可能な塗料仕上げを得るためにやり直しが再び必要となるような許容できないものとなる虞がある。さらに、閉塞したフィルタを除去して新たなフィルタと交換するために、貯蔵器を開放することが必要である。これは時間がかかり、貯蔵器に残っている液体を別の容器に移す必要のある場合があり、それは後に、新たなフィルタが配置されると貯蔵器に戻される。その結果、液体がこぼれ、液体に汚染物質がもたらされるという危険性が増大する。さらに、液体によっては、噴霧する前に活性化が必要であり、活性化の後の寿命が比較的短い。フィルタの閉塞によって遅延がもたらされることにより、かかる液体が使用不可能となる場合があり、それによってさらにコストがかかる。
【0006】
貯蔵器の外部にフィルタを採用することにより、貯蔵器に液体を追加する前または追加する時に固体粒子を除去するように液体を濾過することも知られている。これにより、貯蔵器内にフィルタを設ける必要がなくなるが、フィルタの能力が、液体を貯蔵器内に自由に注ぐことができる速度を下回るため、通常時間がかかる。さらに、追加される液体がフィルタの容量を超える場合、こぼれる危険性が増大し、液体が溢れ出ることになる。また、上に概説した結果としての可能性のある問題により、濾過された液体に塵または他の気中汚染物質が混入する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ユーザに利益および利点をもたらすスプレーガンを提供するために使用される、液体供給アセンブリ用の改良されたフィルタを提供するように意図されている。
【0008】
より詳細には、本発明の少なくとも1つの実施形態は、液体を貯蔵器に追加する時に液体内の汚染物質を除去することができる簡単な方法で、液体を貯蔵器に追加することができるようにする、液体供給アセンブリ用のフィルタを提供する。
【0009】
さらに、本発明の少なくとも1つの実施形態は、貯蔵器をスプレーガンに供給するための濾過された液体で高速に充填することができるようにする液体供給アセンブリ用の高流量フィルタを提供する。
【0010】
さらに、本発明の少なくとも1つの実施形態は、フィルタを収容する貯蔵器がスプレーガンに取り付けられた時に適所に維持することができる液体供給アセンブリ用のフィルタを提供する。
【0011】
さらに、本発明の少なくとも1つの実施形態は、フィルタを収容する貯蔵器を、貯蔵器から液体を抜き出す際につぶすことができる液体供給アセンブリ用のフィルタを提供する。
【0012】
本発明の他の利点および利益については、本明細書において後に言及する。
【0013】
本発明の第1態様によれば、スプレーガン等の噴霧装置に接続される貯蔵器を有する液体供給アセンブリ用のフィルタであって、一端が閉鎖され他端が開放された細長い管状本体を備え、管状本体の開放端には、貯蔵器の充填開口に位置する支持カラーが設けられ、それによりフィルタ本体が、液体が充填開口を通して貯蔵器に追加される時に貯蔵器内で充填開口から離れる方向に延在し、貯蔵器に追加される液体を濾過する、フィルタが提供される。
【0014】
本明細書で使用する「液体」という用語は、材料の特性および/または意図された用途に応じて霧化されたまたは霧化されていない形態で塗布することができる、塗料、下塗剤、ベースコート、ラッカー、ニスおよび類似の塗料状材料と、他の流動材料とを非限定的に含む、スプレーガンを使用して表面に塗布することができるすべての形態の流動性材料(表面を着色することが意図されているか否かに係らず)をいい、「液体」という用語はそれに従って解釈されるべきである。
【0015】
本発明により、フィルタの管状本体は、貯蔵器内に延在し、貯蔵器内のフィルタの表面積がフィルタの容積に比較して最適化されるように配置されることが可能である。結果として、フィルタは、こぼれる危険性を低減して、貯蔵器の高速充填を可能にする高流量を実現することができる。このように、液体を、貯蔵器内に注がれる際に濾過することにより、貯蔵器がスプレーガンに接続された時に、貯蔵器内に、スプレーガンに供給する濾過済み液体の供給をもたらすことができる。したがって、フィルタは、スプレーガンに供給される濾過済み液体の流れを妨げることがなく、スプレーガンが閉塞されるかまたは最終仕上げが液体内の固体粒子によって汚染される危険性が、なくならないまでも低減される。
【0016】
管状本体の表面積対容積比は、液体をこぼすことなく貯蔵器を高速に充填することができるように、液体の追加の速度と適合する速度で液体を濾過することができるものであることが好ましい。表面積対容積比は、液体の特性、たとえば粘性と、除去されるべき粒子のサイズとによって変化してもよい。
【0017】
フィルタの管状本体は、その形状を維持するように比較的剛性であってもよい。たとえば、フィルタの本体は、ワイヤメッシュを含んでもよい。しかしながら、フィルタが形状を変化させることができるように、管状本体は可撓性であることがより好ましい。たとえば、フィルタの本体は、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド(ナイロン(登録商標))または他の任意の適当な材料等のプラスチック材料のメッシュを含んでもよい。このように、フィルタを小型形状にすることにより、保管および輸送のための空間を低減することができる。さらに、使用時に液体が抜き出される際に貯蔵器が圧潰可能である場合、フィルタを貯蔵器内の適所に残してもよく、フィルタは、貯蔵器のつぶされた状態に適合してもよい。メッシュは、材料、用途、ならびにメッシュサイズおよび/または一様性等の要件に応じて、織物、不織物または編物であってもよい。メッシュを、任意の適当な方法で形成してもよく、たとえば、プラスチックメッシュを成形または押出しによって形成してもよい。
【0018】
フィルタは、濾過される液体を適当な流量にすべく選択される軸長を有してもよい。たとえば、フィルタは、それが収容される貯蔵器の深さと実質的に同じ軸長を有してもよい。このように、貯蔵器内のフィルタの利用可能な表面積を、充填開口の所与のサイズに対して最大化してもよい。さらに、貯蔵器が、フィルタを貯蔵器内の適所に残してスプレーガンに接続される場合、貯蔵器内の液体のレベルが下がると、フィルタに収容された液体は、液体の表面においてメッシュ本体を通過することができる。その結果、スプレーガンへの液体の流れは、液体がメッシュ本体を通過する際に低減せずまたは妨げられない。
【0019】
支持カラーは、充填開口に適合するようなサイズを有していてもよく、カラーを開口に配置し保持するために外端に外部リップを有することが好ましい。リップは、充填開口の境界を画する壁の外端において、充填開口の周縁の周囲に着座してもよい。別法として、充填開口は、壁の外端において、リップが充填開口内の内部肩に接して位置するように収容されるカウンタボアを有してもよい。このように、カラーは、充填開口を完全に通過しないようにされる。
【0020】
支持カラーは、ポリプロピレン、ポリアミド(ナイロン(登録商標))またはポリエチレン等のプラスチックから作製されてもよく、フィルタのメッシュ本体に一体的であることが好ましい。たとえば、支持カラーを、メッシュ本体の外端上に成形してもよい。このように、支持カラーは、貯蔵器内のフィルタのメッシュ本体に位置し、開放端を充填開口の形状に適合させる。たとえば、支持カラーは、充填開口の形状に一致するように円形、長円形、正方形または他の形状であってもよい。
【0021】
フィルタには、少なくとも液体が貯蔵器に追加される時にメッシュ本体の管状形状を維持するのを助ける手段が設けられてもよい。一構成では、メッシュ本体の管状形状を維持するために、フィルタに、端部の間において軸方向に間隔が空けられた位置でメッシュ本体の周囲に延在する支持フープを設けてもよい。支持フープは、メッシュ本体と一体的であってもよく、たとえば、支持フープをメッシュ本体とともに成形してもよい。好ましくは、支持フープにより、フィルタは、たとえば使用時に液体が抜き出される際に貯蔵器がつぶれるように構成される場合、貯蔵器の形状に適合することができる。別の構成では、支持カラーを、貯蔵器内のメッシュ本体を包囲するケージに接続してもよい。ケージは、メッシュ本体の開放端におけるカラーからメッシュ本体の閉鎖端における基部要素まで延在する複数の脚を備えてもよい。脚は、一様に間隔が空けられて配置されることが好ましく、たとえば、使用時に液体が抜き出される際に貯蔵器がつぶれるように構成される場合に、フィルタが貯蔵器の形状に適合できるように可撓性であってもよい。別法として、ケージは、たとえば使用時に液体が抜き出される際に貯蔵器がつぶれない場合、液体が貯蔵器に追加される場合と、使用時に液体が貯蔵器から抜き出される場合との両方においてフィルタの形状を維持するように比較的剛性であってもよい。ケージは、メッシュ本体と一体的であってもよく、たとえば、ケージを、メッシュ本体とともに成形してもよい。
【0022】
本発明の第2態様によれば、スプレーガン等の噴霧装置で使用される液体供給アセンブリであって、液体を収容する貯蔵器であって、使用時に、液体をスプレーガンの入口に供給するためにスプレーガンに接続可能であり、液体を貯蔵器に追加するための充填開口を有する貯蔵器と、貯蔵器に充填開口を通して追加される液体を濾過するフィルタであって、一端が閉鎖され他端が開放された細長い管状本体を備え、管状本体の開放端に、充填開口に位置する支持カラーが設けられることにより、フィルタ本体が、液体が充填開口を通して貯蔵器に追加される時に貯蔵器内で充填開口から離れる方向に延在し、貯蔵器に追加される液体を濾過する、フィルタと、を備える液体供給アセンブリが提供される。
【0023】
充填開口は、貯蔵器の端壁に設けられることが好ましい。一構成では、貯蔵器は、上部が開放された容器と、容器の開放端を閉鎖するように配置されるとともに充填開口が形成される端壁を形成する蓋と、を備える。
【0024】
スプレーガンに接続可能な出口を蓋に設けることが有利である。一構成では、出口は、充填開口から分離して蓋に形成され、スプレーガンに接続可能な管状注ぎ口に通じる供給開口を備える。このように、貯蔵器がスプレーガンに接続される時、フィルタを貯蔵器内の適所に残してもよい。
【0025】
充填開口に、液体を貯蔵器に追加したい場合に取り外し可能であり、貯蔵器をスプレーガンに接続する時に充填開口を閉鎖するように再度取り付け可能である、ねじキャップ等の離脱可能クロージャを設けてもよい。この構成により、貯蔵器がスプレーガンに接続された時に貯蔵器に液体を追加するために充填開口へのアクセスを提供することができる。
【0026】
充填開口は供給開口より広く、両開口は貯蔵器の中心長手軸からずれていることが好ましい。このように、貯蔵器がスプレーガンに接続された時に充填開口へのアクセスを改良することができ、スプレーガンから貯蔵器を分離することなく貯蔵器に液体を追加することができる。
【0027】
別の構成では、充填開口は蓋の中心に配置され、出口は、充填開口の周囲において蓋に離脱可能に固定されスプレーガンに接続可能な管状注ぎ口を有する別個のコネクタによって提供される。このように、貯蔵器に液体を追加したい場合に、貯蔵器をコネクタから脱着して充填開口へのアクセスを提供することができる。この構成では、液体を追加した後でありかつ貯蔵器をコネクタに再度取り付ける前に、フィルタが除去される。
【0028】
蓋および容器を、容器の開放部の周縁の周囲で互いに永久的に固定してもよい。たとえば、蓋および容器を、液体密封式に互いに接着または溶接してもよい。別法として、蓋および容器を、流体密封式に互いに離脱可能に固定してもよい。たとえば、蓋を容器にクランプしてもよい。
【0029】
一構成では、使用時に液体が貯蔵器から抜き出される際、容器は圧潰可能である。この構成では、容器は可撓性の側壁と比較的剛性な基部とを有してもよく、それにより、容器を、基部で支持なしに直立して起立させることができ、液体が貯蔵器から抜き出される際に基部を蓋に向かって移動させるように側壁が折り畳み可能である。蓋は比較的剛性であり、容器が蓋によって支持されるように、容器の開放端の内部周縁内に配置されかつその周囲に固定される垂下するスカートを有してもよい。その結果、液体で充填されスプレーガンに取り付けられると、貯蔵器の安定性が向上し、特に液体が抜き出される際に貯蔵器がつぶされ、スプレーガンの取扱いが容易になる。容器のために追加の支持を提供するために、蓋に、容器を包囲する拡張スリーブまたはケージを設けてもよい。
【0030】
別の構成では、容器は、外部容器に収容され、貯蔵器は、蓋の上で外部容器に離脱可能に取り付けられたカラーによって、その外部容器に固定される。この構成では、貯蔵器の容器は、外部容器のライナとして作用し、使用後貯蔵器を捨てることができ、外部容器およびカラーを別の貯蔵器と組み立てることができる。
【0031】
貯蔵器は、スプレーガンに離脱可能に接続されるように構成されることが好ましい。たとえば、貯蔵器およびスプレーガンに、協働するバヨネットタイプ構造が設けられてもよい。このように、貯蔵器は簡単な方法でスプレーガンに対し着脱可能である。別法として、貯蔵器およびスプレーガンに相補的なねじ山を設けてもよい。
【0032】
スプレーガン入口は、貯蔵器出口を入口に接続する注ぎ口を収容するソケットを備えてもよい。スプレーガンおよび貯蔵器に、協働するバヨネットタイプ構造または貯蔵器をスプレーガンに離脱可能に固定する相補的なねじ山を設けてもよい。一構成では、注ぎ口およびソケットに、ソケット内に係合可能なバヨネット構造が設けられる。たとえば、注ぎ口のバヨネットラグが、ソケットのバヨネット溝に収容される。別の構成では、スプレーガンおよび貯蔵器に、ソケットの外部に係合可能なバヨネット構造が設けられる。たとえば、ソケットは、注ぎ口の両側に配置された一対のフック部材と協働可能な外部フランジを有してもよい。ソケットは、スプレーガンの一体部分であってもよく、または脱着可能であってもよい。たとえば、ソケットを、スプレーガンに永久的にまたは離脱可能に固定されるアダプタによって形成してもよい。
【0033】
貯蔵器を、ユーザがすぐに液体で充填することができるようにフィルタを適所に配置して、空のまま提供してもよい。別法として、フィルタを、ユーザが液体を追加する前に充填開口に挿入することができるように別個に提供してもよい。貯蔵器は、圧潰可能である場合、保管および輸送のために小型形態になるまでつぶされてもよく、使用後、つぶされた状態で破棄可能である。フィルタもまた圧潰可能であることが好ましく、それにより、フィルタを、貯蔵器がつぶされた状態で適所に提供することができ、使用後、貯蔵器とともに破棄することができる。
【0034】
別法として、貯蔵器を、液体で事前に充填して提供してもよく、貯蔵器をスプレーガンに取り付けることが望まれるまで注ぎ口を密封してもよい。たとえば、注ぎ口に、取り外し可能なクロージャまたは破断可能な膜を設けてもよい。膜を設ける場合、注ぎ口をスプレーガンに取り付ける前または取り付ける時に膜を破断してもよい。この構成では、貯蔵器を、フィルタを適所に配置して提供してもよく、それによりユーザは、液体を貯蔵器に追加する時にフィルタを提供する必要がない。別法として、フィルタを、液体を貯蔵器に追加することが望まれる場合にユーザが挿入できるように別個に提供してもよい。
【0035】
必要とされるまで劣化することなくパッケージ化し貯蔵することができる液体については、事前充填を行ってもよい。このため、事前充填は、すぐに使用できるように(すなわち、色を既存の色に一致させるように変更する必要なく)提供することができる液体に対して特に有用であり得る。たとえば、非活性化形態で供給し使用時にエネルギー源、たとえば紫外線、可視光線または電気エネルギーへの露出による等適当な手段によって活性化する(必要な場合)ことができる、指定された色合いの標準色のベースコートおよび/または下塗剤またはラッカーである。
【0036】
本発明の第3態様によれば、スプレーガンと本発明の第2態様による液体供給アセンブリとを備える噴霧装置が提供される。
【0037】
スプレーガンは、重力供給式であっても、吸引供給式であっても、圧力供給式であってもよい。
【0038】
ここで、本発明の実施形態を、添付図面を参照して単に例としてより詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
まず図面の図1〜図5を参照すると、手持ち式重力供給式スプレーガン1(図1)は、液体供給アセンブリ3(図3〜図5)を離脱可能に接続する入口アダプタ2(図1および図2)を有する。
【0040】
ガン1(図1)は、本体4と、本体の後端から下方に延在するハンドル5と、本体の前端にあるスプレーノズル6とを備える。ガン1は、ガン1の両側に枢着される引金7によって手動で操作される。
【0041】
入口アダプタ2(図1および図2)は、本体4の上部に配置され、本体4を通ってノズル6まで延在する内部通路(不可視)と連通する。
【0042】
本実施形態では、入口アダプタ2は、本体4に脱着可能であり、たとえばねじ嵌合する。このように、適当なアダプタ2を選択し取り付けることにより、スプレーガン1を、異なるタイプの液体供給アセンブリで使用するように切り替えることができる。また、破損したアダプタ2も交換可能である。
【0043】
他の実施形態(図示せず)では、入口アダプタ2は、スプレーガン1の本体4の一体部分であってもよい。たとえば、入口アダプタ2を、スプレーガン1の本体4とともに形成してもよく、あるいは、別個に形成してスプレーガン1の本体4に永久的に固定してもよい。別法として、アダプタ2を省略してもよく、液体供給アセンブリをスプレーガン1の本体4に直接取り付けてもよい。
【0044】
使用時、ガン1は、ハンドル5の下端においてコネクタ8を介して圧縮空気源(図示せず)に接続され、ユーザが引金7を引くと圧縮空気がガンを通してノズル6まで供給される。その結果、重力下で液体供給アセンブリ3からノズル6まで供給された液体、たとえば塗料が、ノズル6を離れる時に霧化され、ノズル6から出る圧縮空気とともに噴霧を形成する。
【0045】
ここで図3〜図5を参照すると、図示する液体供給アセンブリ3は、噴霧される液体(図示せず)のための貯蔵器9と、貯蔵器9に液体を追加する時に固体粒子を除去するためのフィルタ10と、を備える。
【0046】
貯蔵器9は、容器11と蓋12(図5)とを備える。容器11は、可撓性の側壁11Cによって接続された開放端11Aと閉鎖端11Bとを有する、略円柱形状である。本実施形態では、容器11は透明であり、プラスチック材料、好ましくはポリエチレンまたはポリプロピレンの単一片から熱成形される。容器11は、任意の適当なサイズであってよいが、手持ち式スプレーガンで使用するために、典型的には、貯蔵器9が取り付けられるスプレーガンの取扱いおよび操作を容易にするために容量は250、500または800mlである。側壁11Cに、貯蔵器9の液体の容量を示すマーキング(図示せず)を設けてもよい。
【0047】
蓋12は、略環状形状であり、本実施形態ではまた、射出成形または他の適当な工程により透明なプラスチック材料、好ましくはポリエチレンまたはポリプロピレンから作製される。蓋12は、周縁12Bから挿入される垂下するスカート12Aを有する。スカート12Aは、容器11の開放端11Aの内側に収容され、側壁11Cの環状ステップ11Dに接して位置する。蓋12の周縁12Bは、容器11の開放端において外部フランジ11E上に着座する。蓋12は、接着または溶接によりスカート12Aと側壁11Cとの間でかつ周縁12Bとフランジ11Eとの間で、容器11に永久的に固定される。
【0048】
蓋12は、容器の側壁11Cに比べて比較的剛性であり、容器11の開放端11Aの環状形状を維持する。容器11の閉鎖端11Bもまた、側壁11Cに比べて比較的剛性であり、平坦な基部を提供し、貯蔵器9はその基部で、側壁11Cを伸張して支持なしで直立状態で起立することができる(図3)。
【0049】
側壁11Cは可撓性であり、液体をスプレーガン1に供給するために貯蔵器9から抜き出す際につぶれるように作製されてもよい。側壁11Cがつぶされる際、比較的剛性の基部11Bはその形状を維持するが、蓋12に向かって移動する。側壁11Cは、破断する(たとえば、割れる、裂けるまたはひび割れることにより)ことなくプラスチックバッグと同様につぶされる。
【0050】
蓋12は、凸形状の上面12Cを有し、入口すなわち充填開口12Dと出口すなわち供給開口12Eとを有するように形成される。充填開口12Dは、直径が蓋12の直径のおよそ半分であり、上面12C上において外部ねじ山14Aを有する環状スピゴット14によって境界が画されている。充填開口12Dは、スカート15Aを有する脱着可能なねじキャップ15により、スピゴット14の外部ねじ山14Aと相補的な内部ねじ山によって閉鎖される。
【0051】
供給開口12Eは、直径が蓋12の直径のおよそ1/6であり、上面12C上において円柱状注ぎ口16により境界が画されている。注ぎ口16は、アダプタ2の外部自由端においてカウンタボア17(図2)に押込み嵌合可能なサイズを有する。
【0052】
本実施形態では、注ぎ口16は、カウンタボア17内に流体密封シールを提供する外部環状リブ16Aを有する。しかしながら、カウンタボア17内にかつ/または注ぎ口16に1つまたは複数のOリング等の任意の適当な密封手段を設けてもよい。
【0053】
充填開口12Dは、供給開口12Eよりはるかに広く、供給開口12Eと同じ端部から貯蔵器9に液体を追加するのを容易にするように可能な限り広く作製される。このように、貯蔵器を基部で独立して起立させて、または供給開口12Eをスプレーガン1に取り付けて直立位置にし、液体を充填開口12Dを通して貯蔵器に追加することができる。
【0054】
本実施形態では、充填開口12Dの断面積の供給開口12Eの断面積に対する比はおよそ9:1であるが、異なるサイズの開口12D、12Eを採用してもよい、ということが理解されよう。
【0055】
蓋12の開口12D、12Eは、貯蔵器9の中心長手方向軸からずれており、長手方向軸に対してある角度をなして延在する。このようにして、貯蔵器9をスプレーガン1に取り付けた時に液体を貯蔵器9に追加するための、充填開口12Dに対するアクセスが改善される。
【0056】
本実施形態では、開口12Dは貯蔵器9の長手方向軸に対して約17°の角度で延在し、開口12Eは約13°の角度で延在し、すなわち、互いに約30°の角度を成して延在する。望ましい場合は、開口12D、12Eの一方または両方を、長手方向軸に対して平行にまたは長手方向軸に対して任意の角度で延在させてもよい、ということが理解されよう。
【0057】
また、蓋12には、注ぎ口16の両側に配置されかつ注ぎ口16から間隔が空けられた一対のフック部材18、18’が設けられている。フック部材18、18’、注ぎ口16およびスピゴット14は、蓋12の直径の上で一列に並べられる。
【0058】
各フック部材18、18’は互いに類似しており、アンダーカットされたリブ18C、18C’で終端する面取り面18B、18B’を夫々備える拡大頭部18A、18A’を有する。
【0059】
スプレーガンの入口アダプタ2は、外端に、フック部材18、18’と協働して、注ぎ口16をカウンタボア17に収納して貯蔵器をスプレーガンに離脱可能に固定する外部フランジ2Aを有する。
【0060】
図2にもっともよく示すように、フランジ2Aは、外部周縁部の周囲に円周方向に一様に間隔を空けて配置された4つの弓形凹部19、20、21、22を備え、凹部19、21は互いに対向し、凹部20、22は互いに対向する。
【0061】
各凹部19、20、21、22は、右回り方向に(図2に示すように)カムローブ19A、20A、21A、22Aを介して当接部23A、24A、25A、26Aで終端する平面部23、24、25、26に至る。
【0062】
使用時、貯蔵器9を入口アダプタ2に固定するために、フック部材18、18’を、フランジ2Aにおいて一対の対向する凹部19、21または20、22と位置合せする。そして、注ぎ口16をカウンタボア17に押し込むことにより、フック部材18、18’の遠位端における拡大頭部18A、18A’が、位置合せされた凹部19、21または20、22を通過する。
【0063】
そして、貯蔵器9を入口アダプタ2に対して回転させることにより、フック部材18、18’がカムローブ19A、21Aまたは20A、22Aの上に乗り、ヘッド18A、18A’のロックリブ18C、18C’を平面部23、25または24、26の後方に位置するようにする。このように、貯蔵器9を入口アダプタ2に固定し、貯蔵器9が入口アダプタ2から軸方向に分離するのを阻止する。上記操作を逆に行うことにより、貯蔵器9を入口アダプタ2から脱着することができる。
【0064】
貯蔵器9を固定するために押してねじる(push−twist)締結動作で結合される貯蔵器9の中心長手方向軸から、注ぎ口16をずらして配置することにより、貯蔵器がスプレーガン1の本体4上を一方の側に張り出すことになる場合がある。対向する凹部19、21および20、22の2つの対を提供することにより、貯蔵器9を、一対の凹部19、21または20、22を使用して取り付けることができ、貯蔵器9の張出しが低減しまたはなくなる。このように、組み立てられたガン1と貯蔵器9とのバランスが、取扱いおよび操作を容易にするように改善される。
【0065】
フィルタ10は、充填開口12Dに挿入され、貯蔵器9の基部に延在することにより、キャップ15を取り外して充填開口12Dを通して貯蔵器9に追加される液体から任意の固体粒子を除去する。
【0066】
図4にもっともよく示すように、フィルタ10は、一端が閉鎖し他端が開放した管状メッシュ本体10Aを備える。本実施形態では、メッシュ本体10Aは、40ミクロン以上、可能性として1000ミクロンまでの粒子を除去するようなメッシュサイズを有する、ポリプロピレン、ポリエステルまたはポリアミド(ナイロン(登録商標))等のプラスチックから作製される。メッシュ本体10Aは、他の材料から作製されてもよく、任意の所与の用途に適合するように任意の所望のメッシュサイズを有してもよいことが理解されよう。
【0067】
フィルタ10には、メッシュ本体10Aの開放端において、比較的剛性の環状カラー27が設けられる。カラー27は、プラスチック、たとえばポリアミド(ナイロン(登録商標))、ポリプロピレンまたはポリエチレンから作製され、メッシュ本体10Aと一体的であり、たとえば、カラー27をメッシュ本体10A上に成形してもよい。
【0068】
カラー27は、スピゴット14に押込み嵌合可能なサイズであり、外端に、フィルタ10を貯蔵器9内に配置しねじキャップ15と充填開口12Dとの間にシールを提供すべくスピゴット14の外端に位置する外部環状リップ27Aを有する。フィルタ10のメッシュ本体10Aは、略円筒状であり、フィルタを充填開口12Dに容易に挿入できるように充填開口12Dの直径に類似する最大直径を有する。
【0069】
本実施形態では、メッシュ本体10Aの軸長は、カラー27をスピゴット14に着座させた時に、閉鎖端が貯蔵器9の基部に隣接して配置されるような長さである。このように、管状メッシュ本体10Aの表面積対容積比を、フィルタのメッシュサイズと追加される液体の特性とに対して最適化することができる。
【0070】
その結果、フィルタ10は、あふれるまたはこぼれることなく液体を、充填開口12Dを通して貯蔵器9内に注ぐことができるようにする高流量を有する。これにより、貯蔵器9を、固体粒子を除去するために濾過された液体で迅速に充填することができる。
【0071】
メッシュ本体10Aは、使用時に液体が貯蔵器9から抜き出される際に貯蔵器9とともに圧潰可能であるように可撓性である。このように、フィルタ10を、充填後に貯蔵器9内の適所に残すことができ、ねじキャップ15を、充填開口12Dを閉鎖しフィルタ10を適所に固定するように取り付けることができる。
【0072】
出口開口12Eは、充填開口12Dから分離しており、貯蔵器9にフィルタ10が存在することが、注ぎ口16を通るスプレーガン1への液体の流れを妨げない。また、貯蔵器9は、スプレーガン1に供給される濾過済みの液体を収容するため、液体の流れが、貯蔵器9から抜き出される時に液体を濾過することに影響されない。
【0073】
貯蔵器9において液体のレベルが下がると、メッシュ本体10Aに収容される液体は、貯蔵器9における液体の表面においてメッシュ本体10Aを通過して貯蔵器9に入ることができる。その結果、スプレーガン1への液体の供給は、貯蔵器9が充填された時のフィルタ本体10Aに収容される量の液体を濾過することによって影響を受けない。
【0074】
代替構成では、液体で充填した後にフィルタ10を除去してもよく、濾過された液体を収容する貯蔵器9をスプレーガン1に取り付ける前に、充填開口12Dを閉鎖するようにねじキャップ15を取り付けてもよい。
【0075】
貯蔵器9にフィルタ10を残すことにより、フィルタ10が除去された時のこぼれる危険性が回避される。また、貯蔵器9に液体を継ぎ足したい場合に、ねじキャップ15を取り外すことができ、フィルタ10が任意の固体粒子を除去するためにすでに適所にある状態で、液体を充填開口12Dを通して貯蔵器に注ぐことができる。
【0076】
ここで図6および図7を参照すると、本発明による代替フィルタを有する液体供給アセンブリが示されている。便宜上、100番代の同様の参照数字を使用することにより先の実施形態に対応する部分を示す。
【0077】
図7に示すように、フィルタ110のメッシュ本体110Aは、カラー127に一体的な支持ケージ128の内側に配置される。本実施形態では、支持ケージ128は、カラー127から軸方向に延在しフィルタ本体110Aの閉鎖端において基部リング128Bに接合される4つの脚128Aを備える。支持ケージ128は、液体が貯蔵器109に追加される時にフィルタ本体110Aの管状形状を維持するのに役立つ。
【0078】
メッシュ本体110Aの表面積は、この場合もまた、濾過された液体で貯蔵器109を迅速に充填する高流量を実現できるように、フィルタ110の容積に比較して最適化される。
【0079】
本実施形態では、脚128Aは、強度を提供しメッシュ本体110Aの管状形状を維持すべく比較的剛性である。この構成により、貯蔵器109を充填した後、スプレーガン1(図1)に貯蔵器109を固定するのに先立って充填開口112Dを閉鎖するようにねじキャップ115を取り付ける前に、フィルタ110を除去する。このように、フィルタ110は、使用時に液体が抜き出される際に貯蔵器109の圧潰を妨げない。他の点では、本実施形態の構成および動作は、先の実施形態と同様であり、上述した説明から理解されよう。
【0080】
変更態様(図示せず)では、ケージ128を、軸方向に間隔が空けられた位置においてメッシュ本体110Aの周囲に延在する複数の環状支持フープ(図示せず)で置き換えてもよい。フープは、液体が貯蔵器109に追加される時にメッシュ本体110Aの管状形状を維持する強度を有するが、使用時に液体が抜き出される際は、フィルタ110が貯蔵器109とともにつぶれることができる。このように、液体で充填した後、貯蔵器109を、フィルタ110を貯蔵器109内の適所に残してスプレーガンに接続することができる。別法として、ケージ128を、フィルタ110がつぶれることができるように形成してもよく、たとえば、脚128が可撓性であってもよい。
【0081】
例示的な実施形態の上述した説明から、充填開口12D、112Dを供給開口12E、112Eから分離させることにより、貯蔵器9、109をスプレーガン1に接続して貯蔵器9、109に液体を追加することができることが理解されよう。このため、スプレーガン1をその使用の通常の位置から逆転させ、貯蔵器9、109が、蓋12、112を最上部にして配置されるようにすることにより、貯蔵器9、109の底まで残っている任意の液体を排出する(貯蔵器9、109を、噴霧中に液体を抜き出すことによりつぶれた状態から伸張しなければならない場合がある)。そして、ねじキャップ15、115を取り外すことにより、こぼれる危険性なくさらなる液体を追加することができる。そして、キャップ15、115を再度取り付けることができ、噴霧を続けるために、スプレーガン1をその使用の通常の位置に再度逆転させることができる。
【0082】
別法として、貯蔵器9、109を、スプレーガン1から脱着し、さらなる液体を追加するためにねじキャップ15、115を取り外す前に、蓋12、112を最上部にして平坦面で直立して起立させてもよい(貯蔵器9、109を、噴霧中に液体を抜き出すことによりつぶれた状態から伸張しなければならない場合がある)。そして、キャップ15、115を再度固定することができ、噴霧を続けるために貯蔵器9、109をスプレーガン1に再度取り付けることができる。
【0083】
噴霧が完了したら、貯蔵器9、109をスプレーガン1から脱着し、供給穴12E、112Eを任意の適当な手段で閉鎖することにより、貯蔵器9、109に残っている任意の塗料を一時的に格納してもよい。そして、残りの液体を使用するために、貯蔵器9、109をスプレーガン1に再度取り付けてもよい。別法として、供給穴12E、112Eを閉鎖した後に、貯蔵器9、109をフィルタ10、110とともに破棄してもよい。
【0084】
本発明は、上述した実施形態に限定されないことが理解されよう。
【0085】
たとえば、供給開口とは分離して充填開口を配置することにより、貯蔵器をスプレーガンに取り付ける場合にフィルタをその場に残すことができ、貯蔵器をスプレーガンに取り付けた状態で液体を追加することができる。充填開口と供給開口とを貯蔵器の同じ端部の蓋に設けてもよい。別法として、充填開口を容器の側壁または底壁に設けてもよく、供給開口を蓋に設けてもよい。
【0086】
別の構成では、蓋に、フィルタを収容する中心に配置された充填開口と、貯蔵器をスプレーガンに固定するための、出口注ぎ口を有する別個のコネクタとを設けてもよい。コネクタは、充填開口の周囲において蓋に離脱可能に取り付けられ、蓋を、液体が貯蔵器に追加された後にスプレーガンに接続されるように変える。この構成により、貯蔵器をコネクタから脱着することができ、フィルタを充填開口に挿入して、液体を貯蔵器に追加することができる。そして、フィルタを除去し、貯蔵器を、スプレーガンに固定するためにコネクタに取り付ける。
【0087】
蓋および容器を、望ましい場合は互いに永久的に固定してもよい。別法として、蓋および容器を、互いに離脱可能に固定してもよい。たとえば、容器は、剛性の外部容器のためのライナを形成してもよく、蓋は、外部容器上にねじ込まれるカラーによりライナに離脱可能に固定される。このタイプの液体供給アセンブリは、国際公開第98/32539号パンフレットとして1998年7月30日に発行された本出願人による国際特許出願の主題を形成する。
【0088】
貯蔵器は、液体が抜き出される際に圧潰可能であってもよい。この構成では、フィルタは、フィルタが適所に残され貯蔵器がスプレーガンに取り付けられる時に貯蔵器とともにつぶすことができるように可撓性であってもよい。別法として、フィルタは、貯蔵器に比較して堅くてもよく、それにより、貯蔵器をスプレーガンに取り付ける前にフィルタを除去しなければなない。
【0089】
フィルタを適所に配置して貯蔵器を空の状態で提供してもよく、それにより、ユーザのみがねじキャップを取り外し噴霧される液体を追加しなければならない。別法として、液体を追加する前にエンドユーザが充填開口に挿入するように、フィルタを別個に提供してもよい。
【0090】
貯蔵器は、圧潰可能である場合、エンドユーザが液体を追加する前に貯蔵器を伸張させることにより、保管および輸送のために必要な空間を低減するように、つぶされた状態で空のまま提供してもよい。この構成では、貯蔵器に、フィルタを、つぶされた状態で適所に配置してまたはエンドユーザにより充填開口に挿入するように別個に提供してもよい。
【0091】
別の構成では、貯蔵器を、液体で事前充填して提供してもよい。この構成において、使用時に液体を貯蔵器に追加することが望まれる場合に、フィルタを、エンドユーザが挿入するように別個に提供してもよい。別法として、貯蔵器を、フィルタを適所に配置して提供してもよく、それにより必要な場合にエンドユーザが液体を追加することができる。
【0092】
さらなる構成では、貯蔵器は剛性であってもよい。この構成により、フィルタは、可撓性であっても堅くてもよく、貯蔵器がスプレーガンに取り付けられた時に適所に残されてもよい。貯蔵器を、空で提供しても液体で事前充填して提供してもよく、フィルタを適所に固定して提供しても別個で提供してもよい。この構成では、使用時に液体を貯蔵器から抜き出すことができるように、液体供給システムに空気口が必要であり、たとえば、貯蔵器に、貯蔵器をスプレーガンに接続した場合に開放することができる空気穴を設けてもよい。
【0093】
当業者には、他の変更態様および改良態様が明らかとなろう。
【0094】
ここで明らかとなるように、本発明は、貯蔵器の高速充填を可能にするようにスプレーガン等の噴霧装置のための液体供給アセンブリで使用される、大流量のドロップインフィルタを提供する。このように、液体が、貯蔵器に追加される際に濾過されることにより、スプレーガンに供給されるための濾過済み液体の供給が提供される。
【0095】
さらに、供給開口から分離して充填開口を提供することにより、貯蔵器にさらなる液体を継ぎ足したい場合に利用できるように、貯蔵器をスプレーガンに取り付ける時に、フィルタを適所に残すことができる。
【0096】
さらに、フィルタに可撓性のメッシュ本体を設けることにより、液体が抜き出される際に圧潰可能である貯蔵器と剛性な貯蔵器との両方においてフィルタを採用することができる。
【0097】
本明細書で説明した例示的な実施形態は、本発明の種々の範囲および適用を例示することが意図されており、実施形態の特徴を、別個に採用してもよく、または同じかもしくは異なる実施形態の任意の他の特徴と組み合わせて採用してもよい、ということも理解されよう。
【0098】
さらに、説明し図示した例示的な実施形態は、現時点で出願人に既知である最良の手段を表すものと考えられるが、本発明はそれに限定されず、本明細書において概略的に説明したような本発明の精神および範囲内で、さまざまな変更および改良を行うことができる、ということが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明による液体供給アセンブリで使用するスプレーガンの斜視図である。
【図2】図1に示すスプレーガンアダプタの端面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による図1および図2のスプレーガンで使用しフィルタを組み込んだ液体供給アセンブリの斜視図である。
【図4】図3に示すフィルタの斜視図である。
【図5】図3に示す貯蔵器の組立分解斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態による図1および図2のスプレーガンで使用しフィルタを組み込んだ液体供給アセンブリの斜視図である。
【図7】図6に示すフィルタの斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプレーガン等の噴霧装置に接続される貯蔵器を有する液体供給アセンブリ用のフィルタであって、一端が閉鎖され他端が開放された細長い管状本体を備え、前記管状本体の開放端には、貯蔵器の充填開口に適合し前記開放端に位置する支持カラーが設けられ、それによりフィルタ本体が、液体が前記充填開口を通して前記貯蔵器に追加される時に前記貯蔵器内で前記充填開口から離れる方向に延在し、前記貯蔵器に追加される前記液体を濾過する、フィルタ。
【請求項2】
前記フィルタの前記管状本体が、細長い管状形状を維持すべく十分な剛性を有する、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項3】
前記フィルタの前記管状本体が、前記支持カラーを前記充填開口に配置するように前記フィルタを前記貯蔵器内に投入することができるような断面を有する、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項4】
前記フィルタの前記管状本体が、該管状本体が収容される前記貯蔵器の深さと実質的に同じ軸長を有する、請求項3に記載のフィルタ。
【請求項5】
前記支持カラーの外端に、前記支持カラーを前記充填開口に配置しかつ保持するように前記充填開口の周縁の周囲に着座する外部リップが設けられる、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項6】
前記支持カラーが前記フィルタの前記管状本体と一体的である、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項7】
前記支持カラーが、前記貯蔵器内で前記フィルタの前記管状本体を包囲するケージに接続される、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項8】
前記ケージが、前記管状本体の前記開放端における前記支持カラーから前記管状本体の閉鎖端における基部部材まで延在する複数の脚を備える、請求項7に記載のフィルタ。
【請求項9】
前記管状本体に、前記カラーから間隔を空けて配置された少なくとも1つの環状支持フープが設けられる、請求項1に記載のフィルタ。
【請求項10】
スプレーガン等の噴霧装置で使用される液体供給アセンブリであって、
液体を収容する貯蔵器であって、使用時に、前記液体をスプレーガンの入口に供給するために前記スプレーガンに接続可能であり、液体を前記貯蔵器に追加するための充填開口を有する貯蔵器と、前記貯蔵器に前記充填開口を通して追加される液体を濾過するフィルタであって、一端が閉鎖され他端が開放された細長い管状本体を備え、前記管状本体の開放端に、前記充填開口に適合する支持カラーが設けられ、それにより、フィルタ本体が、液体が前記充填開口を通して前記貯蔵器に追加される時に前記貯蔵器内で前記充填開口から離れる方向に延在し、前記貯蔵器に追加される液体を濾過する、フィルタと、
を備える、液体供給アセンブリ。
【請求項11】
前記充填開口が前記貯蔵器の端壁に設けられる、請求項10に記載の液体供給アセンブリ。
【請求項12】
前記貯蔵器が、上部が開放された容器と、前記容器の前記開放端を閉鎖するように配置されるとともに前記充填開口が形成される前記端壁を形成する蓋と、を備える、請求項11に記載の液体供給アセンブリ。
【請求項13】
前記蓋に、前記スプレーガンに接続可能な出口が設けられ、該出口は、前記充填開口から分離され前記スプレーガンに接続可能な管状注ぎ口に通じる、前記蓋に形成された供給開口を備える、請求項12に記載の液体供給アセンブリ。
【請求項14】
前記充填開口と前記供給開口とがともに、前記貯蔵器の中心長手方向軸からずれている、請求項13に記載の液体供給アセンブリ。
【請求項15】
前記蓋および容器が、前記容器の前記開放端の周縁の周囲において互いに永久的に固定される、請求項12に記載の液体供給アセンブリ。
【請求項16】
前記容器が、使用時に液体が前記容器から抜き出される際に圧潰可能である、請求項12に記載の液体供給アセンブリ。
【請求項17】
前記容器が、可撓性の側壁と比較的剛性の基部とを有し、前記側壁は、液体が前記貯蔵器から抜き出される際に前記基部を前記蓋に向かって移動させるように折り畳み可能である、請求項16に記載の液体供給アセンブリ。
【請求項18】
前記蓋に、前記容器に対する支持を提供するために前記容器を包囲する拡張スリーブまたはケージが設けられる、請求項17に記載の液体供給アセンブリ。
【請求項19】
前記容器は外部容器に収容され、前記貯蔵器は、前記蓋の上で前記外部容器に離脱可能に取り付けられたカラーによって前記外部容器に固定される、請求項17に記載の液体供給アセンブリ。
【請求項20】
スプレーガンと、請求項10に記載の液体供給アセンブリと、を備える噴霧装置であって、前記貯蔵器およびスプレーガンに、前記貯蔵器を前記スプレーガンに離脱可能に固定するための協働するバヨネットタイプ構造が設けられる、噴霧装置。
【請求項21】
スプレーガンと、前記貯蔵器の前記端壁に前記充填開口から分離し前記スプレーガンに接続可能な管状注ぎ口に通じる開口を備える出口を有する、請求項11に記載の液体供給アセンブリと、を備える噴霧装置であって、前記スプレーガンが、前記注ぎ口を収容するソケットを有し、前記ソケットが前記スプレーガンから脱着可能である、噴霧装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−511340(P2006−511340A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−565148(P2004−565148)
【出願日】平成15年12月2日(2003.12.2)
【国際出願番号】PCT/US2003/038072
【国際公開番号】WO2004/060575
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】