説明

スプレー冷却を伴う可変倍率光学系

【課題】半導体チップの観察において、チップのオーバーヒートを防ぐための流体冷却を停止することなく対物レンズを切り換えることができる可変倍率の集光光学系を提供する。
【解決手段】集光光学系は、種々の倍率を有し、スプレー冷却を停止させることなく倍率を変更できる。可変倍率は、倍率が異なるいくつかの対物レンズ105を移動させるタレット100によってもたらされる。フレーム110は、タレット100の上方に設けられ、スプレー冷却が行われる。タレット100を回転させ、高さを変えることによって、タレット100の異なる対物レンズ105がフレーム110内のドッキングポート120に「ドックト」され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は、2008年11月4日に出願された米国仮特許出願(出願番号61/111,302)に基づく優先権の利益を主張する。本明細書中、この関連出願の内容を参考として援用する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、試料を検査する光学システムに関し、特に、半導体チップのように試料の冷却を必要とするシステム等に関するものである。
【背景技術】
【0003】
種々の工学システムは、試料を観察するために対物レンズを用いる。対物レンズは、所定の拡大倍率と視野が得られるように作られ得る。一般に、低倍率はより広い視野をもたらす。それゆえ、いくつかの実施では、ユーザが異なる倍率を選択できるように、いくつかの対物レンズがタレットに取り付けられる。例えば、ユーザは、最初に、試料における関心のある注目部分を探し出すために、広視野な低倍率を選択し、次に、その注目部分を詳細に調べるために、より高い倍率のレンズを選択することができる。また、大きな開口数を得るために、対物レンズと組み合わせたソリッドイマージョンレンズ(SIL)を用いることも知られている。対物レンズとSILとの配置は、集光光学系と呼ぶことができる。そのような集光光学系は、例えば特許文献1〜3に記載されているように、半導体チップの検査およびテストなど、高倍率で試料を観察するために特に有益である。そのような光学系を用いた商業的なシステムの例としては、何れもカリフォルニア州フリーモントのDCG Systemsから入手可能な、Ruby(登録商標)などのレーザー・ボルテージ・プルービング(LVP)、およびEmiScope(登録商標)やMeridian(登録商標)などの放射顕微鏡が含まれる。
【0004】
そのような光学系がチップの検査に用いられる場合、チップのエンキャプスレーションが除去され、チップの基板が、時には100ミクロン程度に、薄くされる。チップは、また、例えば一般的な自動テスト装置(ATE:Automated Testing Equipment)を用いてテストベクタでシミュレーションされる。そのような状況下では、チップはオーバーヒートしがちであり、または少なくとも標準的な動作温度よりも高い温度で動作しがちである。そこで、チップを冷却するために、流体スプレーを用いることが提案されていた。これについては、例えば特許文献2、4、5に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6594086号明細書
【特許文献2】米国特許第6621275号明細書
【特許文献3】米国特許第6828811号明細書
【特許文献4】米国特許第6836131号明細書
【特許文献5】米国特許第7102374号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、時々チップの検査中に倍率を切り替えることが望ましい上記の技術には課題がある。チップはテストベクタを受け取るため、発熱し、絶えず冷却される必要がある。したがって、倍率を切り替えるために冷却が停止されると、チップがオーバーヒートしないように、テストも中断されなければならない。それゆえ、上記の技術では、流体冷却を停止することなく対物レンズを切り替えることのできる可変倍率の集光光学系が必要とされていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下のサマリーは、本発明のいくつかの側面および特徴の基本的な理解をもたらすために含められる。このサマリーは、本発明を広く概観するものではなく、したがって、そのように、本発明のキーや重要な要素をとりわけ特定したり、発明の範囲の輪郭を描いたりするものではない。それは、以下に示すより詳細な説明に先立って、本発明のいくつかの概念を簡潔に提示することを目的とするに過ぎない。
【0008】
集光光学系は、可変な拡大倍率を有し、また、スプレー冷却を有効に含んでいる。一実施例では、集光光学系は、いくつかの対物レンズを有するタレットを含む。流体冷却は、テスト中のチップの周囲に配置されるハウジングを含んでいる。ハウジングは、1度に対物レンズの1つが結合可能なドッキングポートを有している。他の対物レンズが必要な場合には、1つ目の対物レンズが冷却ハウジングとの結合から解除され、代わりに2つ目のレンズが結合される。この切り替え工程の間、冷却およびテストは、中断することなく継続することができる。一実施例では、冷却ハウジングは、ダイヤモンドウィンドウなどの透明ウィンドウを含み、他の例では、SILを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付された、明細書に取り込まれてその一部を構成する図面は、本発明の実施例を例示するものであり、明細書の記述と伴に本発明の原理を説明し図示するものである。図面は、代表的な実施例の主な特徴を図表形式で表すことを意図するものである。図面は、実際の実施例の全ての特徴や、描かれた要素の相対的な大きさを描いたりすることを意図するものではなく、正しい縮尺で描かれてはいない。
【図1】図1は、本発明の実施例に係る可変倍率を有する集光光学系の例を示す図である。
【図2】図2(a)、図2(b)は、図1に示したような実施例の断面図である。
【図3】図3は、本発明の他の実施例の断面図である。
【図4】図4(a)は、ドッキング位置にある対物レンズの断面図、図4(b)は、対物レンズがドッキング解除位置にある状態を示す断面図である。
【図5】図5は、本発明のシステムの実施例を示す概略図である。
【図6】図6は、本発明のさらに他の実施例を示す図である。
【図7】図7は、本発明のまたさらに他の実施例を示す図である。
【図8】図8は、本発明のまたさらに他の実施例を示す図である。
【図9】図9は、本発明のシステムの実施例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施例によれば、テスト中にスプレー冷却を停止させることなく拡大倍率を変更できる集光光学系が提供される。ある実施例では、倍率の変更は、互いに倍率が異なるいくつかの対物レンズを移動させるタレットによって行われる。これが好適ではあるが、他の種々の対物レンズを切り替える手段、例えば、互いに倍率が異なる複数の対物レンズを有するリニアスライドなども用いることができる。システムは、空間的、および昇降の両方の動作が可能である。空間的、すなわちX−Y方向の移動は、対物レンズが試料における関心のある位置をポイント可能にする一方、昇降、すなわちZ方向の移動は、対物レンズを流体スプレー冷却システムにドッキング可能にする。フレームは、スプレージェットを収容するため、および対物レンズのドッキングを可能にするために、試料の周囲に設けられる。タレットを回転させ、昇降位置を変えることによって、タレットの他の対物レンズがフレームに「ドックト」され得る。いくつかの実施例では、フレームは、ダイヤモンドウィンドウなどの透明ウィンドウを含み、他の実施例では、フレームはSILを含む。冷却システムは、例えば、テスト中の装置(DUT)に流体をスプレーするスプレー冷却システムであり得る。
【0011】
図1は、本発明の一実施例に係る、可変倍率を有する集光光学系の例を示す。図1の例では、タレット100は、それぞれ互いに異なる倍率の対物レンズを収容する3つの対物レンズハウジング105A〜105Cを支持している。タレットは、曲線矢印Aで示すように回転し、また、矢印Bで示すように直線的に昇降するように構成されている。回転は、単にステップモータ等を用いることによって可能になる一方、直線移動は、例えばラックアンドピニオン装置130、または他の公知の手段を用いることによって可能になる。
【0012】
サポートフレーム110は、タレットの上方に位置合わせして設けられる。使用中は、フレームはDUTの周囲に位置し、流体冷却をもたらす。フレームには、ジェットまたは開口135が設けられている。上記ジェットまたは開口135には、冷却された流体が冷却器146からハウスまたはパイプ145を通して供給される。上記流体は、冷却された気体または液体であってもよい。フレーム110は、フレーム110に固定的にまたは弾力的に取り付けられた、ウィンドウ125を有するドッキングポート120を支持する。この例では、ドッキングポート120は、スプリング115で例示されるように、フレーム110に弾力的に取り付けられている。ウィンドウ125は、例えば試料から熱を奪うのを助けるダイヤモンドウィンドウであってもよい。または、高い開口数が得られるSILであってもよく、その場合、ドッキングポートは、また、ソリッドイマージョンレンズハウジングとして機能し、また、そのように称され得る。フレーム110は、タレット100と位置合わせされ、対物レンズハウジング105A〜105Cのうちの1つが、直立位置にあるときにドッキングポート120と一直線に並ぶ。したがって、対物レンズハウジング105A〜105Cのうちの1つが直立位置にあるときに、タレットは、対物レンズハウジングをドッキングポート120に「ドック」するように上昇させられ得る。また、対物レンズを試料における関心のある注目部分に合わせるように、タレットフレーム装置全体が、概略的にx−yステージ140によって図示されるような通常のx−yステージに固定されてもよい。逆に、フレーム−タレット装置はx−y方向に固定されて試料ホルダが位置合わせのためにx−y方向に移動できるようにすることもできる。
【0013】
図2A、および図2Bは、図1に示したような実施例の断面図を示す。図2Aは、下降位置にあるタレット200の部分視を示し、図2Bは、上昇位置にあるタレット200を示す。対物レンズ203を収容する対物レンズハウジング205は、直立位置で、かつ、ドッキングポート220(SILハウジング)とx−y方向に位置合わせした位置に表されている。ドッキングポート220は、スプリングローデッドスリーブ215を用いてフレーム210に弾力的に取り付けられている。装置全体は、試料ホルダ250に固定されたDUTなどの試料255の下方に設けられる。試料を観察できるように、対物レンズハウジング205をドッキングポート220にドッキングさせるため、タレットが矢印Bで示すように上昇させられる。ドッキング位置は、図2Bに図示されている。フレーム−タレット装置がx−yステージに固定される場合には、ドッキングポート220にドッキングした対物レンズハウジング205は、試料255の関心のある注目部分に合わせるようにx−y方向に一緒に移動可能になる。
【0014】
図1の実施例について説明したように、ドッキングポート220は、透明なウィンドウまたはSILを有していてもよい。SILを有する実施例の興味を引く利点は、ドッキングポート220が、例えばスプリングローデッドスリーブ215を用いてフレーム210に弾力的に取り付けられていることである。それゆえ、対物レンズハウジング205がドッキングポート220にドッキングした後には、タレット200が微少量だけ上下動するのにつれて、ドッキングポート220が対物レンズハウジング205と伴に移動する。これによって、SIL225を試料に「ランディング」させるコントロールが可能になる。すなわち、いくつかの環境下では、SIL225を試料255に非常に近づけることが好ましいことがあり得て、他の環境下では、SIL225を実際に接触させ、時には、むしろ試料255に押し付けることが好ましいことがあり得る。ドッキングポート220をフレーム210に弾力的に取り付けることによって、図2(b)に示すように、単にタレットをZ方向、すなわち上下に移動させることによって、SIL225を試料から種々の距離に位置させ、または接触させて試料に押し付けることができるようになる。そして、一旦観察が完了すると、タレットは、対物レンズハウジング205をドッキングポート220からドッキング解除すべく下降することができ、ドッキングポート220は、スプリングローデッドスリーブ215または他の弾力手段により付勢されて、図2(a)に示す通常の位置に戻る。このように、本実施例は、スプレー冷却を用いず、または組み込まない場合でも、有益である。
【0015】
試料255が互いに異なる倍率および/または視野で観察される場合には、適切な対物レンズがドッキングポート220と一直線に並ぶ直立位置になるように、タレット200が回転させられる。次に、新たな対物レンズハウジングがドッキングポート220にドッキングするようにタレット200が上昇させられる。このようにして、1つのSILが、いくつかの異なる倍率および視野の異なる対物レンズと伴に用いられることができる。これは、チップ中のトランジスタのように、特に種々の小さな注目部分を見る場合には、非常に重要である。図1および図2に示された実施例を用いて、最小倍率の対物レンズをドッキングポートにドッキングさせ、最も広い視野を得ることができる。この場合には、試料上の所望の位置に導くことが容易にできる。そこで、一旦、試料上の所望の位置への光学系のx−y方向の位置合わせが行われると、タレットを下降させて、最小倍率の対物レンズをドッキング解除し、より高い倍率の対物レンズがドッキングポートと一直線に並ぶようにタレットを回転させた後、タレットを上昇させて新たな対物レンズをドッキングポートにドッキングさせることができる。ドッキングポートは既に関心のある位置に位置合わせされているので、新たにドッキングされた対物レンズも、既に同じ位置に位置合わせされている。もちろん、2つよりも多くの対物レンズがタレットに取り付けられている場合には、中間のステップを設けることができ、最小倍率の対物レンズが、試料上の関心のある大まかな領域に光学系を位置させるのに用いられ、中間倍率の対物レンズが、関心のある位置に光学系を正確に位置させるのに用いられ、そして、最高倍率の対物レンズが、試料上の関心のある位置の実際の観察に用いられる。
【0016】
図3は、本発明の他の実施例の断面図を示す。明確化のため、図3ではタレットは図示されていないが、対物レンズハウジング305A,305Bは、上記実施例と同様にタレットに取り付けられている。図3では、対物レンズハウジング305Aは、ドッキングポート320にドッキングして示されている。ドッキングポート320は、例えばスプリングローデッドスリーブ315を用いて、フレーム310に弾力的に取り付けられている。この実施例では、スプレー冷却装置が設けられ、試料を観察の間冷却するようになっている。それゆえ、スリーブ315は、また、フレーム310とドッキングポート320との間に張り渡されるシールとして作用する。図3では、2つの冷却ブロック360がフレーム310に取り付けられている。それぞれの冷却ブロック360は、クーラント、例えば冷却された気体または液体を試料に吹きかけるように、注入穴または噴出口365を有している。クーラントはリザーバ370からパイプ375を通って、冷却ブロックに供給される。
【0017】
図4(a)は、ドッキング位置にある対物レンズの断面を示し、図4(b)は、ドッキング解除位置にある対物レンズの状態を示す。図4に示すように、タレットは対物レンズハウジングがSILハウジングにドッキングするように上昇させられる。冷却流体は、試料を観察の間冷却するように、試料に吹きかけられる。図4(b)は、ドッキング解除位置でドッキングポートからドッキング解除された対物レンズを示す。この位置では、スプリングローデッドスリーブは、ドッキングポートをタレットの直立位置とx−y方向に位置合わせされた自由位置に戻す。必要があれば、このとき、タレットは他の対物レンズ、例えば405Bを直立位置にするように回転させられることができる。そこで、タレットは、新たな対物レンズハウジングをドッキングポートにドッキングさせるように上昇させられることができる。
【0018】
図5は、本発明の他の実施例を示す。図5では、DUT555はホルダまたはアダプタ550に取り付けられている。フレーム510はDUT555の周囲に設けられている。任意のシールまたはポーラスシール552がフレーム510とアダプタ550との間に設けられてもよい。ドッキングポート520は、シーリングスリーブ515を介してフレーム510に弾力的に取り付けられている。ドッキングポート520には透明ウィンドウ525が設けられている。このウィンドウ525は、DUT555に接触したときにDUTから熱を奪うのを助け得るサファイア、ダイヤモンドなどであってもよい。それは、また、対物レンズハウジングがドッキングポート520にドッキングしたときに対物レンズハウジングに冷却流体が流入するのを防止する。
【0019】
図6は、本発明のさらに他の実施例を示す。図6では、DUT655は、ホルダまたはアダプタ650に取り付けられている。フレーム610は、DUT655の周囲に設けられている。任意のシールまたはポーラスシール652がフレーム610とアダプタ650との間に設けられてもよい。ドッキングポート620は、シーリングスリーブ615を介してフレーム610に弾力的に取り付けられている。シールド622は、スプレー流体がシールド622の内部に達するのを防ぐようにドッキングポート620に設けられている。シールド622は、例えばO−リングなどから作られ、これがDUT655に接触したときに冷却流体がDUTにおけるシールド622で囲まれた領域に達するのを防止する。これはまた、対物レンズハウジングがドッキングポート620にドッキングしたときに対物レンズハウジングに冷却流体が流入するのを防止する。
【0020】
図7は、本発明のまたさらに他の実施例を示す。図7では、DUT755は、ホルダまたはアダプタ750に取り付けられている。フレーム610はDUT755の周囲に設けられている。任意のシールまたはポーラスシール752がフレーム710とアダプタ750との間に設けられてもよい。ドッキングポート720は、シーリングスリーブ715を介してフレーム710に弾力的に取り付けられている。SIL725は、リング721内に設けられ、リング721は今度はサポート723に保持されている。サポート723は、フレーム710に固定されていてもいなくてもよい。リング721およびサポート723は、米国特許出願公開第2005/0094258号明細書に示されているのと同じようにデザインされてもよい。透明ウィンドウ724は、ドッキングポート720に設けられ、対物レンズハウジングがドッキングポート720にドッキングしたときに対物レンズハウジングに冷却流体が流入するのを防止する。
【0021】
図8は、本発明のまたさらに他の実施例を示す。図8では、DUT855は、ホルダまたはアダプタ850に取り付けられている。フレーム810はDUT855の周囲に設けられている。任意のシールまたはポーラスシール852がフレーム810とアダプタ850との間に設けられてもよい。SIL825はリング821内に設けられ、リング821は今度はマニピュレーションロッド823に固定されている。マニピュレーションロッド823はDUT855上の所望の位置にSIL825を位置させるのに用いられる。そこで、対物レンズは、SILに光学的に一直線に並ぶように整列され、または単にスリーブ815に取り付けられるだけでもよい。それゆえ、この実施例では、ドッキングポートは必要とされない。むしろ、対物レンズは、SIL825に一直線に並ぶように整列される。
【0022】
図9は、本発明のシステムの実施例を示す概略図である。図9では、DUT960は、例えばテストベクタ942をATE(Automated Testing Equipment または Automated Testing and Evaluation)などのテスタ940から受け取って試験される。または、DUT960は単なるパワーオン信号または単なるクロックサイクル信号が供給されるだけでもよい。DUT960は、例えば、何れもカリフォルニア州フリーモントのDCG Systemsから入手可能な、Meridian(登録商標)などの放射顕微鏡、EmiScope(登録商標)などの時間分解発光、Ruby(登録商標)などのレーザー・ボルテージ・プルーバー等のオプティカルテスタ900にマウントされ得る。一般に、オプティカルテスタ900は、DUT960上のナビゲーションのためのx−yステージ920、ビームのシェーピング、および/またはコンディショニングのためのレンズ、および/またはミラーなど、種々の光学要素を構成するBMO935(ビーム・マニピュレーション・オプティクス)、およびレーザ走査顕微鏡930などの走査メカニズムを含む。これらの要素は、一般的なものであり、本発明の実施例に直接関係するものではない。
【0023】
上記のようなテスト要素が使用されることによって、光の反射または光子の放出が、DUTの種々の領域から例えば光ファイバ932によって収集され、アバランシェフォトダイオード(APD)などの光センサ936によって検出される。もちろん、反射または放射を収集するために他の構成要素または装置が用いられてもよい。信号取り込みボード950は、センサ936の信号を受信し調整するために、センサに接続され得る。信号は、次に、専用にプログラムされたPCなどのプロセッサ970に与えられる。図示のように、プロセッサ970は、また、オプティカルテスタ900の種々の要素を制御するために用いられる。さらに、トリガおよびクロック信号がテスタ940から信号取り込みボード950、および/またはプロセッサ970に供給されてもよい。
【0024】
DUTからの光の反射または放射を収集するために、図1〜図8に示された何れかの実施例に応じた集光光学系980が設けられる。このように、タレットは、DUT上をナビゲートし、関心のある注目部分に位置させるよう、低倍率、広視野の対物レンズをDUTに向けるために用いられる。次に、低倍率の対物レンズをドッキング解除するためにタレットが下降させられ、より高倍率の対物レンズがDUTに一直線に並ぶようにタレットが回転させられ、高倍率の対物レンズをドッキングさせるようにタレットが上昇させられる。そこで、高倍率の対物レンズは、低倍率の対物レンズを用いることによって関心のある注目部分と一直線に並ぶように整列されたSILハウジングにドッキングされることによって、高倍率の対物レンズも既に関心のある注目部分と一直線に並ぶように整列されているので、DUTのテストが開始できる。
【0025】
本発明は、特定の例に関して、全ての点で限定のためでなく説明のためを意図して述べられている。当業者は、多くの異なる機能的要素の組み合わせが、本発明を実施するために適していることを十分理解するであろう。さらに、本発明の他の実施は、明細書およびそこに開示された発明の実施の考慮から、当業者に明らかであろう。記載された実施例の種々の側面および/または構成要素は、単独に、または関連する技術のいくつかを組み合わせて用いられ得る。明細書および実施例は、例示的とのみ考慮され、発明の真の範囲および思想は、以下の請求の範囲によって示されることが意図される。
【符号の説明】
【0026】
100 タレット
105A〜105C 対物レンズハウジング
110 サポートフレーム
110 フレーム
115 スプリング
120 ドッキングポート
125 ウィンドウ
130 ラックアンドピニオン装置
135 ジェットまたは開口
140 x−yステージ
145 ハウスまたはパイプ
146 冷却器
200 タレット
203 対物レンズ
205 対物レンズハウジング
210 フレーム
215 スプリングローデッドスリーブ
220 ドッキングポート
225 SIL
250 試料ホルダ
255 試料
305A,305B 対物レンズハウジング
310 フレーム
315 スプリングローデッドスリーブ
315 スリーブ
320 ドッキングポート
360 冷却ブロック
365 注入穴または噴出口
370 リザーバ
375 パイプ
510 フレーム
515 シーリングスリーブ
520 ドッキングポート
525 ウィンドウ
525 透明ウィンドウ
550 ホルダまたはアダプタ
552 任意のシールまたはポーラスシール
555 DUT
610 フレーム
615 シーリングスリーブ
620 ドッキングポート
622 シールド
650 ホルダまたはアダプタ
652 任意のシールまたはポーラスシール
655 DUT
710 フレーム
715 シーリングスリーブ
720 ドッキングポート
721 リング
723 サポート
724 透明ウィンドウ
725 SIL
750 ホルダまたはアダプタ
752 任意のシールまたはポーラスシール
755 DUT
810 フレーム
815 スリーブ
821 リング
823 マニピュレーションロッド
825 SIL
850 ホルダまたはアダプタ
852 任意のシールまたはポーラスシール
855 DUT
900 オプティカルテスタ
920 x−yステージ
930 レーザ走査顕微鏡
932 光ファイバ
935 BMO
936 センサ
936 光センサ
940 テスタ
942 テストベクタ
950 信号取り込みボード
960 DUT
970 プロセッサ
980 集光光学系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集光光学システムであって、
複数の対物レンズハウジングが取り付けられたタレットと、
上記タレットに位置合わせされるフレームと、
上記フレームに設けられるドッキングポートと、
上記タレットを垂直に移動させる垂直移動機構と、
を備え、
上記垂直移動機構は、上記タレットを、上記複数の対物レンズハウジングのうちの1つを上記ドッキングポートにドッキングさせるために上昇させ、前記ドッキングされた対物レンズハウジングをドッキングポートからドッキング解除させるために下降させる、
集光光学システム。
【請求項2】
上記ドッキングポートは、上記フレームに弾力的に設けられている、
請求項1の集光光学システム。
【請求項3】
上記フレーム、およびタレットは、x−yステージに取り付けられている、
請求項1の集光光学システム。
【請求項4】
スプレー冷却機構をさらに含む、
請求項1の集光光学システム。
【請求項5】
上記スプレー冷却機構は、上記フレームに設けられたスプレー冷却ブロックを含む、
請求項4の集光光学システム。
【請求項6】
上記スプレー冷却ブロックは、複数の流体噴出口を含む、
請求項5の集光光学システム。
【請求項7】
上記ドッキングポートに設けられた透明ウィンドウをさらに含む、
請求項1の集光光学システム。
【請求項8】
上記ウィンドウは、サファイアウィンドウまたはダイヤモンドウィンドウを含む、
請求項7の集光光学システム。
【請求項9】
上記ドッキングポートに設けられたソリッドイマージョンレンズをさらに含む、
請求項1の集光光学システム。
【請求項10】
上記フレーム内に設けられたソリッドイマージョンレンズをさらに含む、
請求項1の集光光学システム。
【請求項11】
上記ソリッドイマージョンレンズを上記フレーム内に支持するリングをさらに含む、
請求項10の集光光学システム。
【請求項12】
上記ドッキングポートに取り付けられたシールドをさらに含む、
請求項1の集光光学システム。
【請求項13】
上記ドッキングポートをフレームに取り付けるシーリングスリーブをさらに有する、
請求項1の集光光学システム。
【請求項14】
半導体チップをテストする顕微鏡であって、
その上に上記チップが配置されるアダプタと、
上記アダプタの下方および上記チップの周囲に設けられるフレームと、
上記フレームの内部に設けられる流体噴出システムと、
ソリッドイマージョンレンズハウジングと、
上記ソリッドイマージョンレンズハウジングと、上記フレームとの間に取り付けられるシーリングスリーブと、
上記ソリッドイマージョンレンズハウジング内に設けられるソリッドイマージョンレンズと、
それぞれ内部に対物レンズを有する複数の対物レンズハウジングを備え、上記複数の対物レンズハウジングのうちの1つが上記ソリッドイマージョンレンズハウジングと一直線に並ぶように配置されたタレットと、
を含む顕微鏡。
【請求項15】
上記ソリッドイマージョンレンズハウジングは、上記複数の対物レンズハウジングのうちの1つをドッキングさせることが可能なドッキングポートを含む、
請求項14の顕微鏡。
【請求項16】
上記ソリッドイマージョンレンズハウジングは、リングを含む、
請求項14の顕微鏡。
【請求項17】
上記フレームとアダプタとの間に設けられ、噴出された流体が上記アダプタ、チップ、シール、フレーム、およびシーリングスリーブとで囲まれた領域に制限されるシールをさらに含む、
請求項16の顕微鏡。
【請求項18】
上記シーリングスリーブは、上記ソリッドイマージョンレンズハウジングとフレームとの間の弾力部材を構成する、
請求項14の顕微鏡。
【請求項19】
上記フレームとタレットとは、x−y−zステージに取り付けられている、
請求項14の顕微鏡。
【請求項20】
上記スプレー冷却機構は、上記フレームと、冷却流体を当該スプレー冷却ブロックに伝達する冷却器とに取り付けられたスプレー冷却ブロックを含む、
請求項14の顕微鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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