スポットライト
【課題】旅客列車における座席の反転等に対応するに際し、簡単な構成および操作によって照明方向を変更することができるスポットライトを提供すること。
【解決手段】支持体3に対して支持された状態で設けられるスポットライト1であって、開口部11を有し、支持体3に対して固定されるハウジング部4と、LEDランプ2を保持し、ハウジング部4に対して両側方向に傾動可能に支持され、LEDランプ2からの光の照射および傾動操作が行われる端面部5aを有し、端面部5aを開口部11に臨ませるとともに開口部11側に付勢支持された状態でハウジング部4に収容される灯具部5とを備え、灯具部5は、両側方向それぞれについて、第一の傾動状態で、ローラ61をローラ当接面15に当接させた状態で保持され、傾動操作により第一の傾動状態からさらに傾動した第二の傾動状態とされ、第二の傾動状態となる度にLEDランプ2の点灯および消灯の切換えを行う。
【解決手段】支持体3に対して支持された状態で設けられるスポットライト1であって、開口部11を有し、支持体3に対して固定されるハウジング部4と、LEDランプ2を保持し、ハウジング部4に対して両側方向に傾動可能に支持され、LEDランプ2からの光の照射および傾動操作が行われる端面部5aを有し、端面部5aを開口部11に臨ませるとともに開口部11側に付勢支持された状態でハウジング部4に収容される灯具部5とを備え、灯具部5は、両側方向それぞれについて、第一の傾動状態で、ローラ61をローラ当接面15に当接させた状態で保持され、傾動操作により第一の傾動状態からさらに傾動した第二の傾動状態とされ、第二の傾動状態となる度にLEDランプ2の点灯および消灯の切換えを行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旅客列車の各座席に対して設けられる個別照明として好適に用いられるスポットライトの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、旅客列車や旅客機等においては、座席に着席している乗客に対して、読書やパソコンの使用等のための個別照明のサービスが行われる場合がある。かかる場合、客室内を全体的に照らす室内照明に加え、各座席に対して個別の照明が設けられる。一方で、例えば旅客列車においては、上り方向と下り方向の変更等の車両の進行方向の切換えや乗客の好み等によって、座席が反転される場合がある。座席が反転されると、座席に着席する乗客の、車体(車両)に対する位置や姿勢(向き)が変化する。したがって、車体側に設けられる個別照明については、座席の反転にともなう乗客の車体に対する位置や姿勢の変化に合わせて、光の照射方向(照明方向)が変更されることが必要となる。
【0003】
このような、旅客列車における座席の反転に対応するための個別照明についての技術が、特許文献1に開示されている。具体的には、特許文献1には、座席の反転に対応して、車体側に設けられる個別照明(読書灯)と、座席側に設けられて個別照明を操作するための操作装置との接続が自動的に切り換えられる装置構成が開示されている。しかし、特許文献1に示されている技術によれば、個別照明と操作装置との接続処理について、例えば一つの車両が備える全座席についての座席の向きが対象となる等、装置構成が複雑で大掛かりなものとなる。
【0004】
また、各座席に対して設けられる個別照明について、旅客列車における座席の反転に対応するため、特許文献2に開示されている技術を応用することが考えられる。特許文献2には、車両の室内灯等として用いられるスポットランプであって、光の照射範囲を変更することができる構成のものが開示されている。具体的には、特許文献2のスポットランプにおいては、光を発する光源の、反射面により構成されるリフレクタとの相対的な距離の段階的な変化による照射範囲の広さの変更と、ボールジョイント構造によるボールジョイントの可動範囲内での光源の向き(光の照射方向)の変更とによって、光の照射範囲の変更が行われる。
【0005】
確かに、特許文献2のスポットランプによれば、座席の反転にともなって照射範囲が変更されることで、座席の反転にともなう乗客の車体に対する位置等の変化に対応することができると考えられる。しかし、特許文献2のスポットランプにおいては、照明範囲の変更ための構成や操作が複雑であり、比較的多くの部品点数が必要とされている。また、座席の反転にともなう照明方向の変更については、必ずしも複雑な変更機能や広範な変更範囲が要求されない場合がある。
【0006】
以上のように、従来技術においては、個別照明による照明方向について、簡単な構成および操作によって旅客列車における座席の反転等に対応することが困難であると考えられる。言い換えると、簡単な構成および操作によって、旅客列車における座席の反転等に対応することができる個別照明サービスが必要とされている。
【特許文献1】特開2004−255970号公報
【特許文献2】特開2002−114095号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、旅客列車における座席の反転等に対応するに際し、簡単な構成および操作によって照明方向を変更することができるスポットライトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
すなわち、請求項1においては、所定の光源を有し、所定の支持体に対して支持された状態で設けられるスポットライトであって、少なくとも一側に開口部を有し、前記支持体に対して固定されるハウジング部と、前記光源を保持し、前記ハウジング部に対して所定の基準線を中心として互いに反対側となる両側方向に傾動可能に支持され、前記光源からの光の照射および傾動操作が行われる端面部を有し、該端面部を前記開口部に臨ませるとともに該開口部側に付勢支持された状態で前記ハウジング部に収容される灯具部と、を備え、前記灯具部は、前記両側方向それぞれについて、前記開口部の開口面に対して所定の角度傾動した状態である第一の傾動状態で、該灯具部に設けられる当接部材を前記ハウジング部の内側面に当接させた状態で保持され、傾動操作により前記第一の傾動状態からさらに傾動した状態である第二の傾動状態とされ、前記第二の傾動状態となる度に前記光源の点灯および消灯の切換えを行う、ものである。
【0010】
請求項2においては、前記当接部材が当接する前記内側面の位置が、前記開口部の開口面に対して平行方向に調整可能に構成され、前記内側面の位置の調整により、前記所定の角度が調整されるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
すなわち、本発明によれば、旅客列車における座席の反転等に対応するに際し、簡単な構成および操作によって照明方向を変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、例えば旅客列車の各座席に対して設けられる読書灯として用いられるスポットライトについて、座席以外の車体部分(例えば座席の上方に設けられる荷棚)により構成される所定の支持体に固定された状態で設けられるハウジング部に対して、所定の光源を有する灯具部をシーソーのごとく傾動可能に内装する構成を採用したものである。そして、灯具部のハウジング部に対する傾動動作が、スポットライトにおける照明方向の変更操作、および点灯・消灯の切換え操作として用いられる。つまり、本発明に係るスポットライトにおいては、灯具部をハウジング部に対して傾動させる操作によって、照明方向の変更および点灯・消灯の切換えがワンタッチで行われる。以下、本発明の実施の形態について、図面に即して説明する。
【0013】
本発明の第一実施形態について説明する。図1および図2に示すように、本実施形態に係るスポットライト1は、所定の光源を有し、所定の支持体3に対して支持された状態で設けられる。本実施形態のスポットライト1は、光源としてLEDランプ2を有する。また、支持体3としては、例えば旅客列車において座席の上方に設けられる荷棚の下面部が採用される。
【0014】
スポットライト1は、ハウジング部4と、このハウジング部4に対して傾動可能に内装される灯具部5とを備える。灯具部5は、スポットライト1において、光を照射する部分である照射部6と、操作される部分となる操作部7とを構成する。そして、スポットライト1においては、灯具部5がハウジング部4に対して傾動させられることにより、照明方向の変更、および点灯・消灯の切換えが行われる。
【0015】
ハウジング部4について、図3〜図6および図12を加えて説明する。ハウジング部4は、少なくとも一側に開口部11を有し、支持体3に対して固定される。本実施形態では、ハウジング部4は、全体として略直方体形状を有するケーシングを構成するものであり、その一面側に開口部11を形成する。開口部11は、ハウジング部4の一面側を全体的に開放させる部分となる。
【0016】
支持体3は、本実施形態では、孔部3aを有する板状の部分である。支持体3の一側(図1等において上側)の板面が、ハウジング部4を支持する支持面3bとなる。ハウジング部4は、支持体3に対して、開口部11が孔部3aに臨む状態で支持される。このため、ハウジング部4は、開口部11の外縁に形成される鍔部12を有する。つまり、ハウジング部4は、鍔部12の部分が支持面3bに対して固定されることによって支持体3に対して固定される。このように、ハウジング部4が支持体3に対して固定されることにより、スポットライト1が、支持体3に対して支持された状態で設けられる。以下の説明では、支持体3に対してハウジング部4が固定される側(図1等において上側)を上側、その反対側を下側として、上下方向を定義する。
【0017】
ハウジング部4は、第一カバー体10と、第二カバー体20とを有する。つまり、第一カバー体10と第二カバー体20とが接合されることにより、ハウジング部4が構成される。第一カバー体10および第二カバー体20は、それぞれアルミ鋳造や樹脂成形等によって構成される。
【0018】
第一カバー体10は、一面側が開放された略直方体状の外形を有する。第二カバー体20は、対向する一対の両面側が開放された略直方体状の外形を有する。第二カバー体20の一側の開放部分により、ハウジング部4が有する開口部11が形成される。第一カバー体10においては、その開放側の端面によって第二カバー体20に対する接合面10aが形成される。一方、第二カバー体20においては、開口部11と反対側の開放側の端面によって第一カバー体10に対する接合面20aが形成される。第一カバー体10の接合面10aと第二カバー体20の接合面20aとは、略同一の形状および大きさを有する。そして、第一カバー体10と第二カバー体20とは、互いの接合面10a、20a同士が合わさった状態で接合される。
【0019】
第一カバー体10と第二カバー体20との接合状態の固定は、締結具としてのネジ13が用いられて行われる。このため、第一カバー体10においては、内周側の四隅に、第二カバー体20に対する接合方向(接合面10aに対して垂直方向)に貫通する挿通孔10cを形成するボス部10bが設けられている。同様にして、第二カバー体20においては、内周側の四隅に、第一カバー体10に対する接合方向(接合面20aに対して垂直方向)に貫通する締結孔20cを形成するボス部20bが設けられている。
【0020】
第一カバー体10の挿通孔10cおよび第二カバー体20の締結孔20cは、第一カバー体10と第二カバー体20とが接合した状態(接合面10a、20a同士が合わさった状態)で互いに連通するように形成される。そして、挿通孔10cと連通状態となっている締結孔20cに対して、ネジ13が、第一カバー体10の外側(図5等において上側)から挿通孔10cを介してねじ込まれることにより、第一カバー体10と第二カバー体20とが接合した状態で固定される。このように、第一カバー体10と第二カバー体20とが接合され固定されることにより、前記のとおり一面側に開口部11を有する略直方体形状のハウジング部4が構成される。
【0021】
灯具部5について、図7〜図10を加えて説明する。灯具部5は、LEDランプ2を保持し、ハウジング部4に対して所定の基準線を中心として互いに反対側となる両側方向に傾動可能に支持される。また、灯具部5は、LEDランプ2からの光の照射および傾動操作が行われる端面部5aを有する。そして、灯具部5は、端面部5aをハウジング部4の開口部11に臨ませるとともに開口部11側(下側)に付勢支持された状態でハウジング部4に収容される。
【0022】
すなわち、灯具部5は、LEDランプ2からの光を照射する照射部6および傾動させられるための操作が行われる操作部7を共通の端面部5aに有する。そして、灯具部5は、照射部6および操作部7が構成される端面部5aをハウジング部4の開口部11に臨ませた状態でハウジング部4に収容される。本実施形態では、灯具部5は、全体として略楕円筒形状の外形を有し、ハウジング部4に内装された状態で、一端側の略楕円形状の面部が開口部11に臨んだ状態となる。
【0023】
灯具部5は、本体30と、蓋体40とを有する。つまり、本体30が有する開口部が、蓋体40によって覆われることにより、灯具部5の略楕円筒形状の外殻が構成される。本体30および蓋体40は、それぞれアルミ鋳造や樹脂成形等によって構成される。
【0024】
本体30は、一面側が開放された略楕円筒形状の外形を有する。つまり、本体30は、その一面側に、略楕円形状の開口部30aを有する。蓋体40は、略楕円板状の外形を有する。すなわち、蓋体40が、本体30が一面側に有する開口部30aに対して嵌合した状態で取り付けられる。
【0025】
蓋体40の本体30に対する嵌合状態での固定は、締結具としてのネジ33が用いられて行われる。このため、本体30においては、本体30の内部に、蓋体40の嵌合方向(図9等における上下方向)に穿設される締結穴30cを形成するボス部30bが設けられている。ボス部30bは、本体30において、蓋体40が取り付けられる側と反対側の面部に対して立設される円筒状の部分である。本実施形態では、ネジ33が螺挿される締結穴30c(ボス部30b)は、本体30が有する略楕円形状において中心位置に対して互いに略点対称となる二箇所の位置に設けられている(図7参照)。
【0026】
一方、蓋体40には、ネジ33を挿通させるための挿通孔40cが設けられている。挿通孔40cは、蓋体40が本体30に対して嵌合した状態で、本体30側の締結穴30cに連通するように形成される。そして、挿通孔40cが連通した状態の締結穴30cに対して、ネジ33が、蓋体40の外側(図9等において上側)から挿通孔40cを介してねじ込まれることにより、蓋体40が本体30に対して嵌合した状態で固定される。このように、蓋体40が本体30に対して嵌合され固定されることにより、前記のとおり略楕円筒形状の外形を有する灯具部5が構成される。
【0027】
灯具部5において保持されるLEDランプ2は、灯具部5に内装された状態で保持される。図11に示すように、LEDランプ2は、半導体発光素子を内装するLEDレンズ2aと、実装基板2bと有し、これらが一体的となるユニット体として構成される。LEDランプ2においては、LEDレンズ2aの一端面側に、実装基板2bが取り付けられる。そして、LEDレンズ2aにおける実装基板2bが取り付けられる側と反対側(図11(b)において上側)の端面が、光を照射する照射面2cとなる。
【0028】
実装基板2bの一端部には、電線2dが接続される。電線2dは、スポットライト1内において所定の経路で配線され、スポットライト1の外部に延出されて電源等に接続される。このため、灯具部5においては、蓋体40に、電線2dが灯具部5外に延出されるための電源用孔40fが形成されている。同様にして、ハウジング部4においては、第一カバー体10の天井面部(上側面部)に、電源用孔10fが形成されている。
【0029】
灯具部5においては、蓋体40側と反対側の端面部に、LEDランプ2からの光が照射される照射部6が設けられる。照射部6は、灯具部5に内装されるLEDランプ2からの光を外部に照射させる照射窓として構成される。具体的には、灯具部5を構成する本体30において、蓋体40が嵌合される側と反対側(図9等において下側)の面部に、LEDランプ2からの光の外部への照射を許容する開口部(以下「照射用開口部」という。)30dが設けられる。照射用開口部30dは、円形状の孔部として形成され、本体30が有する略楕円形状における中心位置に設けられる。
【0030】
そして、LEDランプ2は、その照射面2cが、灯具部5の内部から本体30の照射用開口部30dに臨むような姿勢で保持される。ここで、LEDランプ2と照射用開口部30dとの間には、LEDランプ2からの光を透過させるガラス体31が介装される。ガラス体31としては、例えば耐熱ガラス等が用いられる。ガラス体31は、円形状の照射用開口部30dよりも大きい径の円板形状を有し、照射用開口部30dを本体30の内部側から塞ぐように設けられる。ガラス体31は、本体30の内部において照射用開口部30dの周縁に突出形成される嵌合部30eに嵌合することで、位置決めされた状態となる。嵌合部30eは、ガラス体31の外周面形状に沿う位置決め面を内周面として有する略円筒状の部分として形成される(図9参照)。
【0031】
このように、LEDランプ2は、灯具部5内において、照射面2cをガラス体31を介して照射用開口部30dに臨ませる姿勢で設けられる。かかる姿勢で灯具部5に内装されるLEDランプ2は、蓋体40の内面側に突出形成される支持突部が用いられることで位置決めされた状態となる。本実施形態における蓋体40は、LEDランプ2を位置決めするための支持突部として、一対の平行な板状部分である突条部40dと、矩形状の四隅に対応する配置で四本設けられる円柱状の部分である突起部40eとを有する。突条部40dは、LEDランプ2を実装基板2bにおけるLEDレンズ2a側と反対側の板面側から支持する。突起部40eは、LEDランプ2を実装基板2bの側面側から支持する。
【0032】
すなわち、LEDランプ2は、照射面2cがガラス体31の内側面に接触し、実装基板2bの板面が突条部40dの先端面に接触した状態で、本体30とこれに嵌合する蓋体40とによって挟まれるとともに、実装基板2bが側面側から四本の突起部40eに支持されることにより、灯具部5内において位置決めされた状態で保持される。以上のようにして、灯具部5においては、蓋体40側と反対側の端面部における中央部分に、スポットライト1の照射部6が構成される。
【0033】
また、灯具部5においては、照射部6が構成される側と同じ側の端面部に、スポットライト1の操作部7が構成される。本実施形態では、操作部7として、本体30の底面(図9等における下側面)において、本体30が有する略楕円形状における長手方向(長軸方向)の両端側にスリット群30fが形成されている。スリット群30fは、本体30が有する略楕円形状の短手方向(短軸方向)に沿う複数の平行なスリット(溝)により構成される形状部分である。
【0034】
操作部7として形成される各スリット群30fは、灯具部5がハウジング部4に対して傾動させられるために押圧操作される部分となる。すなわち、本体30の端面部において両端側に設けられる操作部7のうち、一方の操作部7が、灯具部5がハウジング部4に対して一側方向に傾動させられる際に押圧される部分となり、他方の操作部7が、その反対側方向に傾動させられる際に押圧される部分となる。言い換えると、本体30の端面部において両端側に設けられる操作部7は、互いに反対側となる両側方向に灯具部5をハウジング部4に対して傾動させるための被押圧部となる。このように、灯具部5のハウジング部4に対する傾動は、灯具部5の平面視形状である略楕円形状(以下「灯具部5の略楕円形状」という。)の長手方向側について行われる。
【0035】
以上のように、灯具部5においては、蓋体40側と反対側の端面部となる共通の端面部に、照射部6と操作部7とが構成される。このような構成を有する灯具部5が、ハウジング部4に対して傾動可能に支持される。
【0036】
続いて、灯具部5のハウジング部4に対する支持構成について説明する。灯具部5は、ハウジング部4を構成する第一カバー体10と第二カバー体20とによって挟まれた状態で支持される。具体的には、灯具部5は、略楕円筒形状の外形における外周側面に設けられる支持突起34が第一カバー体10と第二カバー体20とによって挟まれることで、ハウジング部4に対して支持される。
【0037】
支持突起34は、灯具部5を構成する本体30の外周側面において、灯具部5の略楕円形状の短手方向の両側に突出形成される。支持突起34は、本体30の外周側面において、本体30が有する略楕円筒形状における長手方向(長軸方向)および筒軸方向(上下方向)について略中央位置に設けられる。つまり、灯具部5は、灯具部5の略楕円形状における短手方向(短軸方向)に対向する位置にて、同短手方向の両側に向けて突出するように形成される二つの支持突起34を有する。
【0038】
支持突起34は、灯具部5の略楕円筒形状における筒軸方向(上下方向)を長手方向とする略長円形状であって、その長手方向の下端側が略V字状に尖った部分となる形状を有する。したがって、支持突起34においては、上端側の側面部は、略円弧形状に沿う形状を有し、下端側の側面部は、略V字状に沿う形状を有する。
【0039】
このように灯具部5に設けられる二つの支持突起34が、第一カバー体10が有する支持凸部10dと、第二カバー体20が有する支持凹部20dとによって挟まれた状態となることにより、灯具部5がハウジング部4に対して傾動可能に支持される。
【0040】
支持凸部10dは、第一カバー体10において、ハウジング部4の平面視形状(図3等参照)である略長方形状における短手方向(以下「平面視短手方向」という。)に対向する両側壁部の下端面(接合面10a)にて下方に向けて突出形成される部分である。支持凸部10dの先端面10eは、灯具部5が有する支持突起34の上端側の側面部に沿うように、略円弧状に湾曲する凹部形状を有する。
【0041】
支持凹部20dは、第二カバー体20において、平面視短手方向に対向する両側壁部の上端面(接合面20a)にて下方に向けて形成される切欠き部分である。支持凹部20dの底面20eは、灯具部5が有する支持突起34の下端側の側面部に沿うように、略V字状に屈曲した凹部形状を有する。
【0042】
支持凸部10dおよび支持凹部20dは、いずれもハウジング部4の平面視形状である略長方形状における長手方向(以下「平面視長手方向」という。)の略中央位置に設けられる。そして、第一カバー体10と第二カバー体20とが接合した状態で、支持凸部10dが支持凹部20dに嵌合した状態となる。つまり、支持凸部10dは、第一カバー体10と第二カバー体20とが接合した状態で、ハウジング部4において第二カバー体20の壁部の一部を構成する部分となる。
【0043】
第一カバー体10と第二カバー体20とが接合することで支持凸部10dが支持凹部20dに嵌合した状態で、ハウジング部4を構成する壁部において、支持凸部10dの先端面10eと、支持凹部20dの底面20eを含む面部とにより、孔部が形成される。この先端面10eと底面20eを含む面部とにより形成される孔部に対して、ハウジング部4に内装される灯具部5の支持突起34が嵌合した状態となる。つまり、灯具部5は、先端面10eと底面20eを含む面部とによりハウジング部4の壁部に形成される孔部に対して支持突起34を嵌合させた状態となることにより、ハウジング部4に対して内装された状態で傾動可能に支持された状態となる。そして、灯具部5は、支持突起34の下端部が支持凹部20dの底面20eに支持された状態で、灯具部5のハウジング部4に対する傾動にともなう支持突起34の上端部の移動が支持凸部10dの先端面10eの形状によって許容されながら、ハウジング部4に対して傾動する。
【0044】
ここで、灯具部5は、前記のとおりハウジング部4に対して所定の基準線を中心として互いに反対側となる両側方向に傾動可能に支持される。本実施形態において、灯具部5の傾動についての所定の基準線は、スポットライト1において二箇所存在する、灯具部5の支持突起34によるハウジング部4に対する支持部(詳細には、支持突起34の下端の、支持凹部20dの底面20eに対する接触部、図15符号P参照。)が位置する直線SL(以下「基準線SL」とする。)に対応する(図8、図14参照)。
【0045】
また、灯具部5の傾動について、基準線SLを中心として互いに反対側となる両側方向(以下単に「両側方向」という。)とは、前記のとおり灯具部5の略楕円形状の長手方向側について行われる灯具部5の傾動動作において、その長手方向の一側への傾動により傾く方向と、同長手方向の他側への傾動により傾く方向とを意味する。言い換えると、灯具部5の傾動について基準線SLを中心とする両側方向とは、灯具部5が支持突起34によるハウジング部4に対する支持部を略中心位置として互いに反対方向に回転するように傾く両方向となる。このように、ハウジング部4に対して基準線SLを中心として両側方向に傾動可能に支持される灯具部5は、ハウジング部4に対して基準線SLを中心としてシーソーのごとく傾動する。
【0046】
このようにハウジング部4に対して傾動可能に支持される灯具部5は、照射部6および操作部7が構成される端面部5aをハウジング部4の開口部11に臨ませた状態でハウジング部4に収容される。すなわち、灯具部5がハウジング部4に内装された状態においては、ハウジング部4の開口部11から、共通の端面部5aに構成される照射部6および操作部7が露出した状態となる。
【0047】
このように、スポットライト1が支持体3に支持された状態においては、照射部6および操作部7が、支持体3の孔部3aを介して下側に向けて露出した状態(臨んだ状態)となる。かかる状態となることにより、孔部3aを介して、支持体3の下側への照射部6からの光の照射と、支持体3の下側からの操作部7に対する操作が可能となる。したがって、支持体3の孔部3aは、支持体3に支持された状態のスポットライト1において、操作部7によって操作されることによる灯具部5のハウジング部4に対する傾動を許容する大きさ・形状を有するように形成される。例えば、支持体3の孔部3aは、灯具部5の略楕円形状よりも一回り大きい略楕円形状として形成される。
【0048】
以上のようにハウジング部4に対して傾動可能に支持される灯具部5は、ハウジング部4に対する傾動状態として、両側方向それぞれについて、第一の傾動状態と第二の傾動状態とを有する。第一の傾動状態は、開口部11の開口面(以下「基準開口面」という。)に対して所定の角度傾動した状態である。灯具部5は、この第一の傾動状態で、灯具部5に設けられる当接部材としてのローラ61をハウジング部4の内側面に当接させた状態で保持される。ここでローラ61が当接するハウジング部4の内側面は、ハウジング部4において平面視長手方向に対向する両側壁部の内側面(以下「ローラ当接面」という。)15となる。また、第二の傾動状態は、灯具部5の、操作部7による傾動操作により第一の傾動状態からさらに傾動した状態である。
【0049】
すなわち、スポットライト1において、灯具部5の第一の傾動状態は、灯具部5が操作部7による操作等外部からの負荷を受けてない状態(以下「通常状態」という。)での灯具部5の傾動状態である。そして、灯具部5の第二の傾動状態は、灯具部5が第一の傾動状態から操作部7による操作等によって押し上げられることで実現される灯具部5の傾動状態である。
【0050】
したがって、図1に示すように、第一の傾動状態の灯具部5は、基準開口面に対して(図1における左右方向(水平方向)に対して)、角度θ1傾いた状態となる。また、図2に示すように、第二の傾動状態の灯具部5は、基準開口面に対して(図2における左右方向(水平方向)に対して)、角度θ2(>θ1)傾いた状態となる。本実施形態では、第一の傾動状態は、灯具部5が所定の角度として5°傾いた状態(θ1=5°)として設定され、第二の傾動状態は、灯具部5が7°傾いた状態(θ2=7°)として設定される。
【0051】
そして、灯具部5は、第二の傾動状態となる度にLEDランプ2の点灯および消灯の切換えを行う。すなわち、スポットライト1においては、灯具部5が、操作部7によって第二の傾動状態とされる度に、LEDランプ2の点灯により照射部6からの光の照射が行われる点灯状態と、LEDランプ2の消灯により照射部6からの光の照射が行われない消灯状態とが切り換わる。
【0052】
図1等に示すように、スポットライト1における灯具部5の傾動による点灯状態と消灯状態との切換えは、スポットライト1が有する二個のスイッチ21が用いられて行われる。つまり、スイッチ21によってLEDランプ2がONの状態とされることで、スポットライト1は点灯状態となり、スイッチ21によってLEDランプ2がOFFの状態とされることで、スポットライト1は消灯状態となる。なお、以下の説明においては、二個のスイッチ21をそれぞれ区別して指す場合は、便宜上、一方のスイッチ21を「第一スイッチ21a」とし、他方のスイッチ21を「第二スイッチ21b」とする。
【0053】
図13、図15および図16に示すように、スイッチ21は、スポットライト1において、ハウジング部4の内部に設けられる。スイッチ21は、ハウジング部4を構成する第一カバー体10の天井面部に対してステー22を介して支持された状態で設けられる。ステー22は、略L字状に折曲げ形成された板状の部材であり、略L字状の一側の板状部分が第一カバー体10の天井面部に対してネジ23によって固定されるとともに、略L字状の他側の板状部分にスイッチ21を支持する。スイッチ21は、ステー22において第一カバー体10の天井面部から垂下した状態となる前記他側の板状部分に対して、二本のネジ24によって固定される。
【0054】
スイッチ21は、その一端側にボタン25を有する。スイッチ21は、ボタン25が押されるあるいは接触を受けるたびに、LEDランプ2のON/OFFが切り換わる構成を有する。したがって、スイッチ21は、ハウジング部4内において、灯具部5が第二の傾動状態となることにより、LEDランプ2のON/OFFが切り換わるようにボタン25が押されるあるいは接触を受けるような位置および姿勢で支持される。本実施形態では、二つのスイッチ21は、ハウジング部4の平面視形状である略長方形状において略対角位置に配置される(図13参照)。そして、各スイッチ21は、ボタン25が下側を向くとともに、灯具部5の両側方向における各第二の傾動状態における傾きに応じて傾いた姿勢で支持される(図15参照)。
【0055】
図18に示すように、スイッチ21(第一スイッチ21aおよび第二スイッチ21b)は、電源等を含む制御回路26を介してLEDランプ2に接続される。スイッチ21は、制御回路26に対してLEDランプ2を点滅させる信号を送る。第一スイッチ21aと第二スイッチ21bとは、制御回路26に対してパラレル接続(並列接続)される。かかる回路構成において、制御回路26により、第一スイッチ21aおよび第二スイッチ21bそれぞれによってLEDランプ2のON/OFFが切り換えられるような制御が行われる。
【0056】
すなわち、LEDランプ2がOFFの状態で、第一スイッチ21aおよび第二スイッチ21bのいずれかが操作(灯具部5の傾動によるボタン25に対する押圧あるいは接触)を受けると、LEDランプ2がONの状態となる。また、LEDランプ2がONの状態で、第一スイッチ21aおよび第二スイッチ21bのいずれかが操作を受けると、LEDランプ2がOFFの状態となる。
【0057】
続いて、灯具部5のハウジング部4に対する傾動状態の保持構成について説明する。前記のとおり、灯具部5のハウジング部4に対する支持状態としての第一の傾動状態については、基準開口面に対して所定の角度(5°)傾動した状態の灯具部5の傾動状態が保持される。第一の傾動状態における、灯具部5の傾動状態の保持は、ハウジング部4に対して傾動する灯具部5を付勢した状態で支持する付勢支持部50による付勢作用と、ハウジング部4に対して傾動する灯具部5をハウジング部4に当接した状態で支持する当接支持部60による付勢作用とが用いられて行われる。
【0058】
付勢支持部50による付勢作用としては、ハウジング部4と灯具部5との間に介装され灯具部5をハウジング部4に対して開口部11側に付勢する弾性部材としてのバネ51による付勢作用が用いられる。バネ51は、ハウジング部4の平面視形状である略長方形状の中心位置において、伸縮方向が略上下方向となる姿勢で、ハウジング部4と灯具部5との間に介装支持される。したがって、付勢支持部50は、ハウジング部4と灯具部5との間に介装されるバネ51を、前記のとおり中心位置において伸縮方向が略上下方向となる姿勢で支持する部分となる。
【0059】
付勢支持部50において、バネ51の上側の部分は、ハウジング部4を構成する第一カバー体10に対してバネ受け52を介して支持される。具体的には、第一カバー体10の内側(下側)において、バネ51の上側の部分を支持するための上側バネ支持部14が設けられる。上側バネ支持部14は、第一カバー体10に対して一体的に形成される部分であり、突壁部14aと、嵌合突部14bと、支持突部14cとを有する。
【0060】
突壁部14aは、第一カバー体10の天井面部の内面中央部において四方を囲むように下方に向けて突出形成される壁状部分である。突壁部14aは、その平面視形状である略長方形状が、ハウジング部4の平面視形状である略長方形状に対して沿うとともに同心となるように形成される。
【0061】
嵌合突部14bは、突壁部14aを構成する壁部のうち、平面視短手方向に対向する両壁部の内側面にて突出形成される。嵌合突部14bは、平面視長手方向の中央位置において、上下方向に沿うように形成される突条部分である。したがって、両嵌合突部14bは、平面視短手方向に対向する方向に突出した部分となる。
【0062】
支持突部14cは、第一カバー体10の天井面部の内側面(突壁部14aの突出面)にて突出形成される。支持突部14cは、対向する二つの嵌合突部14bの間において、平面視短手方向に沿うように形成される、断面形状が略V字状(山型)となる突条部分である。
【0063】
これらの各部を有する上側バネ支持部14に対して、バネ受け52が、傾動可能に嵌合された状態となる。図19に示すように、バネ受け52は、底板部52aと、底板部52aの両端側から底板部52aに対して略直角方向に形成される互いに平行な側板部52bとを有する略U字状に折曲げ形成された板状の部材である。バネ受け52は、底板部52a側(図19(b)、(c)において上側)から、上側バネ支持部14に対して嵌合される。したがって、バネ受け52が上側バネ支持部14に嵌合された状態では、支持突部14c(の稜線部)が底板部52aの外側底面52cに当接した状態となる。
【0064】
また、バネ受け52は、上側バネ支持部14に対して、互いに対向する嵌合突部14bによって位置決めされた状態で嵌合される。すなわち、バネ受け52は、底板部52aに、嵌合突部14bの形状に沿うように形成される凹部52dを有する。つまり、凹部52dは、底板部52aにおいて一対の対向する辺部に形成される切欠き部分である。したがって、図19(a)に示すように、バネ受け52は、外側底面52c側からの方向視で略H字状の形状を有する。
【0065】
このような形状を有するバネ受け52が、上側バネ支持部14に対して、外側底面52cが支持突部14cに接触するとともに、凹部53dが嵌合突部14bに対して嵌合した状態となる。かかる状態において、バネ受け52は、平面視短手方向および平面視長手方向について位置決めされるとともに、支持突部14cに対する接触部分(支持突部14cの外側底面52cに対する当接部分)を支点として傾動可能に支持された状態となる。したがって、嵌合突部14bと凹部52dとの間には、外側底面52cの支持突部14cに対する接触部を支点部とするバネ受け52の傾動が許容される程度の隙間が設けられる。
【0066】
このようにして上側バネ支持部14に対して支持されるバネ受け52の傾動は、バネ受け52を構成する側板部52bの対向方向側(平面視長手方向側)について行われる。そして、上側バネ支持部14に対して傾動可能に支持されるバネ受け52により、バネ51の上側の部分が支持される。バネ51は、その上端がバネ受け52の底板部52aの内側底面52eに当接するとともに、対向する側板部52b間に挟まれた状態で、バネ受け52に支持される。このように、バネ51の上側の部分は、バネ受け52を介して上側バネ支持部14に対して支持される。
【0067】
一方、付勢支持部50において、バネ51の下側の部分は、灯具部5を構成する蓋体40に対して支持される。具体的には、蓋体40の外側面(上側面)において、バネ51の下側の部分を支持するための下側バネ支持部44が設けられる。下側バネ支持部44は、バネ51が挿入される穴部44cを形成する。下側バネ支持部44は、穴部44cを形成する部分となる円筒部44aと、リブ部44bとを有する。
【0068】
円筒部44aは、蓋体40の上側面において、蓋体40の平面視形状である略楕円形状における中心位置において立設される円柱状の部分である。円筒部44aにおいて、穴部44cは、円筒部44aの軸心に沿って上下方向に形成される。
【0069】
リブ部44bは、円筒部44aの外周側に形成される。リブ部44bは、蓋体40の上側面と円筒部44aの外周面との間に架設される略三角形状の板状の部分である。本実施形態では、リブ部44bは、円筒部44aの外周側において平面視長手方向に対向する位置となる二箇所に設けられる。
【0070】
これらの各部を有する下側バネ支持部44に対して、バネ51が挿入された状態となる。つまり、バネ51の下側の部分が、下側バネ支持部44の穴部44cに挿入された状態となる。ここで、穴部44cの径(円筒部44aの内径)は、バネ51の外径と略同じとなるように設定される。
【0071】
以上のように、付勢支持部50においては、上側バネ支持部14と下側バネ支持部44とにより支持されることでハウジング部4と灯具部5との間に介装されるバネ51により、灯具部5が、ハウジング部4に対して開口部11側に付勢される状態で支持される。そして、このような構成を有する付勢支持部50においては、灯具部5が傾動することにより、下側バネ支持部44の穴部44cに挿入されているバネ51の下側の部分が、灯具部5の移動にともなって移動する。これにともない、バネ受け52の側板部52b間に挟まれた状態となっているバネ51の上側の部分を介して、バネ受け52が灯具部5と反対方向に傾動する。これにより、灯具部5が傾いた状態においては、バネ51は、側板部52b間に挟まれた状態となる上側の部分と穴部44cに挿入されている下側の部分との間の部分から折れ曲がった状態となる(図1、図2参照)。
【0072】
なお、本実施形態では、付勢支持部50において一本のバネ51が用いられているが、複数のバネが用いられてもよい。この場合、例えば、複数のバネが平面視短手方向に並列に配置され、上側バネ支持部14と下側バネ支持部44とが各バネに対応するように設けられる。
【0073】
当接支持部60による当接作用としては、灯具部5に設けられ灯具部5がハウジング部4に対して傾動することでハウジング部4の内側面に当接するローラ61による当接作用が用いられる。ローラ61は、灯具部5の平面視形状である略楕円形状における長手方向の両端側において、回転軸方向が平面視短手方向となる姿勢で、蓋体40の上方の位置に回転自在に支持される。したがって、当接支持部60は、蓋体40の上方に設けられる二つのローラ61を、前記のとおり略楕円形状における長手方向の両端側において回転軸方向が平面視短手方向となる姿勢で支持する部分となる。
【0074】
当接支持部60において、ローラ61は、蓋体40に形成されるステー45に支持される。ステー45は、蓋体40の外側面(上側面)において、略楕円形状における長手方向の端部に立設される板状の部分である。ステー45に対して、ローラ61が、止め具62によって回転自在に軸支される。つまり、止め具62は、ローラ61を貫通するとともに、ステー45に対して螺挿されること等によって固定される。
【0075】
ローラ61は、平面視において、灯具部5の外周側面(本体30の外周側面)に対して、略楕円形状における長手方向にわずかに外側にはみ出た状態で設けられる。また、二つのローラ61は、略楕円形状における長軸上(長手方向の中心線上)に位置するように設けられる(図7参照)。ローラ61は、灯具部5が傾動することによって、ローラ当接面15に当接する。
【0076】
このように、灯具部5を構成する蓋体40にステー45を介して二つのローラ61が設けられる構成において、灯具部5が傾いた状態で下側に位置するローラ61が、ローラ当接面15に当接した状態となる(図1、図2参照)。
【0077】
以上のような付勢支持部50による付勢作用と当接支持部60による当接作用とが用いられることで、灯具部5が第一の傾動状態で保持される。すなわち、灯具部5が傾いた状態で付勢支持部50において前記のとおり折れ曲がった状態となるバネ51によって、その傾いた状態の灯具部5が下側(開口部11側)に向けて付勢される。これにより、灯具部5側に設けられる支持突起34の略V字状に尖った部分である下端部がハウジング部4側に形成される略V字状の底面20eに嵌った状態で、灯具部5が支持される(図1参照)。そして、このように支持突起34の尖端部(下端部)によって支持された状態となる灯具部5が、当接支持部60においてローラ61がローラ当接面15に対して当接することにより、第一の傾動状態、つまり基準開口面に対して5°傾いた状態に保持される。
【0078】
つまり、第一の傾動状態で保持される灯具部5は、バネ51からの下側に向かう付勢力を受けるとともに、両側の支持突起34の尖端部の底面20eに対する接触部(図15符号P参照)と、ローラ61のローラ当接面15に対する当接部との計三箇所で支持された状態となる。したがって、本実施形態では、灯具部5をハウジング部4に内側から当接させるローラ61の径の大きさ等は、灯具部5が第一の傾動状態で基準開口面に対して5°傾いた状態が保持されるように適宜設定される。
【0079】
そして、灯具部5が、第一の傾動状態から、傾動操作(操作部7に対する押圧操作)によってさらに傾動して第二の傾動状態に達することにより、スイッチ21がボタン25を介して操作を受けて、LEDランプ2のON/OFFの切換え、つまりスポットライト1の点灯状態と消灯状態との切換えが行われる。ここで、灯具部5が第一の傾動状態から第二の傾動状態に至るまでの過程においては、灯具部5は、ローラ61の回転をともないローラ61のローラ当接面15に対する当接部を支点部として傾動する。つまり、ローラ61のローラ当接面15に対する当接状態は、ローラ61の回転をともなって維持される。このため、かかる第一の傾動状態から第二の傾動状態に至るまでの過程においては、支持突起34の尖端部が底面20eに嵌った状態が解除される(図2参照)。
【0080】
そして、灯具部5の第二の傾動状態から、傾動操作が解除されると、灯具部5はバネ51による付勢力や自重等によって第一の傾動状態に戻り、その第一の傾動状態が保持される。このように、灯具部5のハウジング部4に対する傾動構成においては、ローラ61は、灯具部5の第一の傾動状態を保持する機能と、灯具部5が第二の傾動状態まで傾動する過程において灯具部5とハウジング部4との接触部における摩擦を軽減させる機能とを兼ね備える。
【0081】
また、第一の傾動状態における、灯具部5の傾動状態の保持に際しては、灯具部5のハウジング部4に対する支持部における、灯具部5のハウジング部4に対する接触作用を用いることもできる。すなわち、前述したように、灯具部5は、支持突起34をハウジング部4の壁部において形成される孔部(支持凸部10dの先端面10eと支持凹部20dを形成する面とにより形成される孔部)に対して嵌合させることにより、ハウジング部4に対して支持された状態となる。また、支持突起34は、灯具部5の略楕円筒形状における筒軸方向を長手方向とする略長円形状を有する。このため、灯具部5のハウジング部4に対する傾動にともない、支持突起34もハウジング部4に対して傾くこととなる。
【0082】
そこで、灯具部5の傾動にともなってハウジング部4に対して傾く支持突起34の、ハウジング部4の壁部に形成される孔部(支持突起34が嵌合した状態となる孔部)に対する接触作用が、灯具部5の傾動状態の保持に用いられる。具体的には、本実施形態では、ハウジング部4の壁部に形成される孔部を形成する面のうち、第二カバー体20側の支持凹部20dを形成する面に対する支持突起34の接触作用が用いられる。したがって、支持突起34の形状や大きさ、あるいはハウジング部4の壁部に形成される孔部の形状や大きさ(例えば幅寸法の大きさ等)の調整により、灯具部5が保持される傾動状態における灯具部5の傾動角度を変えることが可能となる。
【0083】
以上のような構成を備えるスポットライト1における動作について、図20を用いて説明する。図20において、(a)は一側の傾動方向における灯具部5の第一の傾動状態を示す図、(b)は同じく一側の傾動方向における灯具部5の第二の傾動状態を示す図、(c)は他側の傾動方向における灯具部5の第一の傾動状態を示す図、(d)は同じく他側の傾動方向における灯具部5の第二の傾動状態を示す図である。
【0084】
スポットライト1は、通常状態では、灯具部5が第一の傾動状態となる。つまり、スポットライト1の通常状態においては、灯具部5が両側方向のいずれかの方向について第一傾動状態となる。そこで、図20(a)に示すように、灯具部5が一側の傾動方向について第一の傾動状態にある場合であって、スポットライト1が消灯状態であるとする。かかる状態において、一側(図20において左側、以下単に「左側」という。)の操作部7が押圧操作されることにより、灯具部5が第二の傾動状態に達する(同図(b))。これにより、LEDランプ2がONの状態、つまりスポットライト1が点灯状態となる。そして、灯具部5が第二の傾動状態に達した後、操作部7に対する押圧操作が解除されることにより、灯具部5は第一の傾動状態に戻って保持された状態(図20(a))となる。反対側の傾動方向についても同様に、図20(c)に示すように、第一の傾動状態にある灯具部5に対して、他側(同図において右側、以下単に「右側」という。)の操作部7が押圧操作されることにより、灯具部5が第二の傾動状態に達し(同図(d))、スポットライト1が点灯状態となり、操作部7に対する押圧操作が解除されることで灯具部5が第一の傾動状態に戻って保持された状態(同図(c))となる。
【0085】
図20(a)に示すように、灯具部5が一側の傾動方向について第一の傾動状態にある場合であって、スポットライト1が点灯状態であるとする。かかる状態から、左側の操作部7が押圧操作されることで、灯具部5がさらに傾動して第二の傾動状態に達すること(図20(b))、あるいは右側の操作部7が押圧操作されることで、灯具部5が第一の傾動状態(同図(c))を介して第二の傾動状態に達すること(同図(d))により、LEDランプ2がOFFの状態、つまりスポットライト1が消灯状態となる。
【0086】
一方、スポットライト1が点灯状態であって図20(a)に示す状態(第一の傾動状態)から、右側の操作部7が押圧操作されることで、灯具部5が右側に傾動して第一の傾動状態に保持された状態(同図(c))となることにより、スポットライト1の照射方向が変更される。つまり、スポットライト1の点灯状態において、灯具部5の第一の傾動状態(図20(a)または(c))が両側方向で切り換えられることにより、スポットライト1の照明方向の切換えが行われる。ここで、灯具部5の第一の傾動状態が両側方向で切り換えられる過程においては、灯具部5は、支持突起34の尖端部の底面20eに対する接触部(図15符号P参照)を支点部として傾動する。
【0087】
以上のように、本実施形態のスポットライト1においては、灯具部5は、両側方向それぞれについて、基準開口面に対して所定の角度傾動した状態である第一の傾動状態で、灯具部5に設けられるローラ61をローラ当接面15に当接させた状態で保持され、傾動操作により第一の傾動状態からさらに傾動した状態である第二の傾動状態とされる。そして、灯具部5は、第二の傾動状態となる度にLEDランプ2の点灯および消灯の切換えを行う。つまり、灯具部5は、第一の傾動状態から第二の傾動状態へ傾動操作されることによって、LEDランプ2の点灯または消灯を行う。
【0088】
なお、本実施形態のスポットライト1においては、光源としてLEDランプ2が備えられているが、これに限定されるものではない。つまり、スポットライト1においては、光源として、LEDランプ2のほか、例えば白熱電球(蛍光灯)等、他の光源が用いられてもよい。
【0089】
以上のような本実施形態のスポットライト1によれば、旅客列車における座席の反転等に対応するに際し、簡単な構成および操作によって照明方向を変更することができる。すなわち、本実施形態のスポットライト1は、ハウジング部4に対して光源としてのLEDランプ2を有する灯具部5が傾動可能に支持されるという簡単な構成である。そして、灯具部5のハウジング部4に対する傾動動作が、スポットライト1における照明方向の変更操作、および点灯・消灯の切換え操作として用いられる。このため、本実施形態のスポットライト1によれば、灯具部5をハウジング部4に対して傾動させる操作によって、旅客列車における座席の反転等に対応した照明方向の変更および点灯・消灯の切換えがワンタッチで(同方向への押圧操作で)行うことができる。つまり、本実施形態のスポットライト1においては、照明方向を変更するための操作部7が、そのままスポットライト1の点灯状態と消灯状態とを切り換えるためのスイッチとなっているため、簡単かつ良好な操作性が得られる。
【0090】
また、本実施形態のスポットライト1によれば、例えば、旅客列車における車両によって、あるいは設けられる位置によって、座席の反転に対応する光の照射角度(照明方向)が異なる場合であっても、簡単な調整(例えばローラ61の径の大きさを変更すること等)によって対応が可能である。
【0091】
次に、本発明の第二実施形態について説明する。なお、第一実施形態と共通する部分については、同一の符号を用いる等して適宜その説明を省略する。本実施形態に係るスポットライトは、灯具部5の傾動状態が保持される第一の傾動状態における灯具部5の基準開口面からの傾動角度(以下「保持傾動角度」という。)の調整が可能となる構成を備える。
【0092】
すなわち、本実施形態のスポットライト71は、ローラ61が当接するハウジング部4の内側面(ローラ当接面)の位置が、基準開口面に対して平行方向に調整可能に構成されている。そして、ローラ当接面の位置の調整により、保持傾動角度が調整される。
【0093】
具体的には、図21に示すように、本実施形態のスポットライト71においては、第一の傾動状態における、灯具部5の傾動状態の保持は、第一実施形態のスポットライト1の場合と同様に、付勢支持部50におけるバネ51による付勢作用と、当接支持部60におけるローラ61による当接作用とが用いられて行われる。そして、本実施形態のスポットライト71は、ローラ当接面の位置が基準開口面に対して平行方向(図21において左右方向)に調整可能とされるために、傾動角度調整機構80を備える。
【0094】
傾動角度調整機構80は、ローラ61が当接するローラ当接面の位置を、基準開口面に対して平行方向に移動可能とする。したがって、図21に示すように、傾動角度調整機構80は、灯具部5において二箇所に設けられる当接支持部60(ローラ61)それぞれに対して設けられる。傾動角度調整機構80は、ハウジング部4内に設けられローラ当接面85を形成する可動壁81と、可動壁81を移動可能に支持する送り軸82とを有する。つまり、本実施形態のスポットライト71においては、ローラ当接面85が、ローラ61が当接するハウジング部4の内側面となる。
【0095】
可動壁81は、ハウジング部4において平面視長手方向に対向する両側壁部(以下「支持壁部72」とする。)に対して略平行に設けられる板状の部材である。可動壁81は、内側(支持壁部72の内側面と対向する側と反対側)の板面により、ローラ61が当接するローラ当接面85を形成する。可動壁81は、支持壁部72に対して近接離間する方向(図21において左右方向)に移動可能に設けられる(矢印A1参照)。これにより、ローラ当接面85が、基準開口面に対して平行方向に移動可能となる。つまり、本実施形態では、ローラ当接面85についての基準開口面に対して平行方向は、可動壁81が支持壁部72に対して移動する方向となる。
【0096】
なお、ローラ当接面85の移動方向は、ローラ当接面85が移動することで保持傾動角度が変化する方向であればよい。このため、ローラ当接面85の移動方向について、基準開口面に対して平行方向には、基準開口面に対して略平行な方向も含まれる趣旨である。
【0097】
可動壁81によって形成されるローラ当接面85は、少なくとも灯具部5の傾動範囲においてローラ61が当接することができる程度の大きさ(面積)を有する。可動壁81は、送り軸82によって、ハウジング部4の支持壁部72に対して支持される。すなわち、送り軸82は、支持壁部72に対して、支持壁部72を略垂直方向に貫通する状態で支持される。そして、送り軸82のハウジング部4内部側の先端部に、可動壁81が支持される。本実施形態では、上下方向に平行に配される二本の送り軸82が設けられている。なお、送り軸82は、一本あるいは三本以上であってもよい。
【0098】
送り軸82の操作によって、可動壁81が前記のとおり支持壁部72に対して近接離間する方向に移動する。このため、送り軸82は、可動壁81を支持する側と反対側の端部に操作部83を有する。送り軸82の操作によって可動壁81を移動させるための構成としては、例えば、送り軸82が支持壁部72に対して螺挿されることにより、送り軸82の回転操作にともなう軸方向に沿う移動が、可動壁81の移動となる構成が用いられる。ただし、操作部83の操作によって可動壁81を移動させるための構成は、特に限定されるものではない。
【0099】
このように、本実施形態のスポットライト71においては、傾動角度調整機構80により、ローラ当接面85の位置が、基準開口面に対して平行方向に調整可能とされる。そして、傾動角度調整機構80によるローラ当接面85の位置の調整により、灯具部5の保持傾動角度が調整される。
【0100】
すなわち、傾動角度調整機構80において、ローラ当接面85の位置が変化することにより、付勢支持部50のバネ51による付勢作用とともに、当接支持部60のローラ61による当接作用を受ける灯具部5の保持傾動角度が変化する。したがって、操作部83の操作によって可動壁81が移動させられることでローラ当接面85の位置が調整されることにより、灯具部5の保持傾動角度が調整される。
【0101】
なお、本実施形態では、ローラ当接面の位置を基準開口面に対して平行方向に調整可能とするための構成として、ローラ当接面85を形成する可動壁81と送り軸82とを有する構成が用いられているが、これに限定されるものではない。ローラ当接面の位置が、基準開口面に対して平行方向に調整可能となる構成としては、例えば、ハウジング部4を構成する支持壁部72が、ローラ当接面を形成するとともに、支持壁部72の一部が部分的に移動可能となる構成等、他の構成を採用することができる。
【0102】
本実施形態のスポットライト71によれば、光の照射角度(照明方向)の調整を、部材の交換等を必要とせずに容易に行うことができる。これにより、例えば、旅客列車における車両によって、あるいは設けられる位置によって、必要とされる照明方向が変化する場合であっても、容易に対応することができ、汎用性を向上させることができる。
【0103】
本実施形態のスポットライトの使用例について、図22〜図24を用いて説明する。本使用例は、第一実施形態に係るスポットライト1が、旅客列車としての新幹線100において各座席101に対して設けられる読書灯(個別照明)として用いられる場合についてのものである。
【0104】
図22に示すように、本使用例に係る新幹線100は、座席101として、二人掛け座席102と、三人掛け座席103とを有する。二人掛け座席102および三人掛け座席103それぞれの上方には、新幹線100の車体から延出される荷棚104が設けられている。この荷棚104の内部空間に、スポットライト1が設けられる。すなわち、図24に示すように、荷棚104の下面部104aが、スポットライト1を支持する支持体3として用いられ、この支持体3としての下面部104aに対して、スポットライト1が下側に向けて光を照射するように設けられる。
【0105】
スポットライト1は、各座席101に対して設けられるため、二人掛け座席102の上方の荷棚104においては、二つのスポットライト1が設けられ、三人掛け座席103の上方の荷棚104においては、三つのスポットライト1が設けられる。スポットライト1は、灯具部5のハウジング部4に対する傾動による照明方向の変更が、新幹線100の前後方向(図23における左右方向)側について行われるように設けられる。したがって、図22に示すように、スポットライト1は、座席101の並列方向(図22における左右方向)については、予め各座席101に対して最適な照明範囲(符号L参照)が得られる姿勢となるように設けられる。
【0106】
二人掛け座席102および三人掛け座席103は、それぞれ新幹線100の前後方向で反転可能に設けられる。つまり、図23に示すように、新幹線100においては、座席101として、前後方向の一側方向(新幹線100の進行方向、矢印A2参照)を向く座席(以下「前向き座席」という。)101aと、これに対して反転した状態となる前後方向の他側方向(新幹線100の進行方向と反対方向)を向く座席(以下「後向き座席」という。)101bとが存在する。このように互いに反転した状態である前向き座席101aと後向き座席101bに対して、スポットライト1の照明方向が切り換えられる。
【0107】
具体的には、スポットライト1は、座席101の反転にともなう前向き座席101aと後向き座席101bとの向きの変化における前後方向略中心位置に設けられる。これにより、前向き座席101aに対する照明範囲(符号L1参照)と、後向き座席101bに対する照明範囲(符号L2参照)とが、座席101との関係において同様の照明範囲となる。つまり、スポットライト1の照明方向の切換えにより、座席101に着席する乗客105に対して、前向き座席101aおよび後向き座席101bの各座席101の向きにかかわらず、同様の照明範囲が得られる。
【0108】
このようなスポットライト1の使用例によれば、座席101に着席する乗客105は、座席101の反転に対応して、照明方向の変更および点灯・消灯の切換えを、荷棚104の下側からの操作部7に対するワンタッチの操作で行うことができる。これにより、車両内が混雑しているような状況でも、簡単に操作することができる。
【0109】
また、スポットライト1においては、照明範囲が、灯具部5が両側方向に5°傾いた状態に対応するものとなる。つまり、スポットライト1において光を照射する部分となる灯具部5の可動範囲は、5°〜−5°として設定される。このため、座席101の反転にともなって照明方向が切り換えられることによっても、他の座席101(前後の座席101)へ直接光が漏れることが防止される。このように、スポットライト1によれば、前後の座席101の乗客105の快適性を損なうことなく、各座席101に対する個別照明としてのプライベート性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の第一実施形態に係るスポットライトの構成を示す側面一部断面図。
【図2】同じく灯具部の第二の傾動状態を示す図。
【図3】ハウジング部の構成を示す平面図。
【図4】同じく底面図。
【図5】図4におけるA−A断面図。
【図6】図4におけるB−B断面図。
【図7】灯具部の構成を示す平面図。
【図8】同じく底面図。
【図9】図8におけるC−C断面図。
【図10】図8におけるD−D断面図。
【図11】LEDランプの構成を示す図。
【図12】本発明の第一実施形態に係るスポットライトの構成を示す一部切欠き分解斜視図。
【図13】同じく平面図。
【図14】同じく底面図。
【図15】図14におけるE−E断面図。
【図16】図14におけるF−F断面図。
【図17】図16におけるG−G断面図。
【図18】LEDランプとスイッチの回路構成を示す図。
【図19】バネ受けの構成を示す図。
【図20】本発明の第一実施形態に係るスポットライトの動作説明図。
【図21】本発明の第二実施形態に係るスポットライトの構成を示す側面一部断面図。
【図22】本発明に係るスポットライトの使用例を示す図。
【図23】本発明に係るスポットライトの使用例を示す図。
【図24】本発明に係るスポットライトの使用例を示す図。
【符号の説明】
【0111】
1 スポットライト
2 LEDランプ(光源)
3 支持体
4 ハウジング部
5 灯具部
5a 端面部
6 照射部
7 操作部
11 開口部
15 ローラ当接面(ハウジング部の内側面)
51 バネ(弾性部材)
61 ローラ(当接部材)
71 スポットライト
80 傾動角度調整機構
85 ローラ当接面(ハウジング部の内側面)
【技術分野】
【0001】
本発明は、旅客列車の各座席に対して設けられる個別照明として好適に用いられるスポットライトの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、旅客列車や旅客機等においては、座席に着席している乗客に対して、読書やパソコンの使用等のための個別照明のサービスが行われる場合がある。かかる場合、客室内を全体的に照らす室内照明に加え、各座席に対して個別の照明が設けられる。一方で、例えば旅客列車においては、上り方向と下り方向の変更等の車両の進行方向の切換えや乗客の好み等によって、座席が反転される場合がある。座席が反転されると、座席に着席する乗客の、車体(車両)に対する位置や姿勢(向き)が変化する。したがって、車体側に設けられる個別照明については、座席の反転にともなう乗客の車体に対する位置や姿勢の変化に合わせて、光の照射方向(照明方向)が変更されることが必要となる。
【0003】
このような、旅客列車における座席の反転に対応するための個別照明についての技術が、特許文献1に開示されている。具体的には、特許文献1には、座席の反転に対応して、車体側に設けられる個別照明(読書灯)と、座席側に設けられて個別照明を操作するための操作装置との接続が自動的に切り換えられる装置構成が開示されている。しかし、特許文献1に示されている技術によれば、個別照明と操作装置との接続処理について、例えば一つの車両が備える全座席についての座席の向きが対象となる等、装置構成が複雑で大掛かりなものとなる。
【0004】
また、各座席に対して設けられる個別照明について、旅客列車における座席の反転に対応するため、特許文献2に開示されている技術を応用することが考えられる。特許文献2には、車両の室内灯等として用いられるスポットランプであって、光の照射範囲を変更することができる構成のものが開示されている。具体的には、特許文献2のスポットランプにおいては、光を発する光源の、反射面により構成されるリフレクタとの相対的な距離の段階的な変化による照射範囲の広さの変更と、ボールジョイント構造によるボールジョイントの可動範囲内での光源の向き(光の照射方向)の変更とによって、光の照射範囲の変更が行われる。
【0005】
確かに、特許文献2のスポットランプによれば、座席の反転にともなって照射範囲が変更されることで、座席の反転にともなう乗客の車体に対する位置等の変化に対応することができると考えられる。しかし、特許文献2のスポットランプにおいては、照明範囲の変更ための構成や操作が複雑であり、比較的多くの部品点数が必要とされている。また、座席の反転にともなう照明方向の変更については、必ずしも複雑な変更機能や広範な変更範囲が要求されない場合がある。
【0006】
以上のように、従来技術においては、個別照明による照明方向について、簡単な構成および操作によって旅客列車における座席の反転等に対応することが困難であると考えられる。言い換えると、簡単な構成および操作によって、旅客列車における座席の反転等に対応することができる個別照明サービスが必要とされている。
【特許文献1】特開2004−255970号公報
【特許文献2】特開2002−114095号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、旅客列車における座席の反転等に対応するに際し、簡単な構成および操作によって照明方向を変更することができるスポットライトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
すなわち、請求項1においては、所定の光源を有し、所定の支持体に対して支持された状態で設けられるスポットライトであって、少なくとも一側に開口部を有し、前記支持体に対して固定されるハウジング部と、前記光源を保持し、前記ハウジング部に対して所定の基準線を中心として互いに反対側となる両側方向に傾動可能に支持され、前記光源からの光の照射および傾動操作が行われる端面部を有し、該端面部を前記開口部に臨ませるとともに該開口部側に付勢支持された状態で前記ハウジング部に収容される灯具部と、を備え、前記灯具部は、前記両側方向それぞれについて、前記開口部の開口面に対して所定の角度傾動した状態である第一の傾動状態で、該灯具部に設けられる当接部材を前記ハウジング部の内側面に当接させた状態で保持され、傾動操作により前記第一の傾動状態からさらに傾動した状態である第二の傾動状態とされ、前記第二の傾動状態となる度に前記光源の点灯および消灯の切換えを行う、ものである。
【0010】
請求項2においては、前記当接部材が当接する前記内側面の位置が、前記開口部の開口面に対して平行方向に調整可能に構成され、前記内側面の位置の調整により、前記所定の角度が調整されるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
すなわち、本発明によれば、旅客列車における座席の反転等に対応するに際し、簡単な構成および操作によって照明方向を変更することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、例えば旅客列車の各座席に対して設けられる読書灯として用いられるスポットライトについて、座席以外の車体部分(例えば座席の上方に設けられる荷棚)により構成される所定の支持体に固定された状態で設けられるハウジング部に対して、所定の光源を有する灯具部をシーソーのごとく傾動可能に内装する構成を採用したものである。そして、灯具部のハウジング部に対する傾動動作が、スポットライトにおける照明方向の変更操作、および点灯・消灯の切換え操作として用いられる。つまり、本発明に係るスポットライトにおいては、灯具部をハウジング部に対して傾動させる操作によって、照明方向の変更および点灯・消灯の切換えがワンタッチで行われる。以下、本発明の実施の形態について、図面に即して説明する。
【0013】
本発明の第一実施形態について説明する。図1および図2に示すように、本実施形態に係るスポットライト1は、所定の光源を有し、所定の支持体3に対して支持された状態で設けられる。本実施形態のスポットライト1は、光源としてLEDランプ2を有する。また、支持体3としては、例えば旅客列車において座席の上方に設けられる荷棚の下面部が採用される。
【0014】
スポットライト1は、ハウジング部4と、このハウジング部4に対して傾動可能に内装される灯具部5とを備える。灯具部5は、スポットライト1において、光を照射する部分である照射部6と、操作される部分となる操作部7とを構成する。そして、スポットライト1においては、灯具部5がハウジング部4に対して傾動させられることにより、照明方向の変更、および点灯・消灯の切換えが行われる。
【0015】
ハウジング部4について、図3〜図6および図12を加えて説明する。ハウジング部4は、少なくとも一側に開口部11を有し、支持体3に対して固定される。本実施形態では、ハウジング部4は、全体として略直方体形状を有するケーシングを構成するものであり、その一面側に開口部11を形成する。開口部11は、ハウジング部4の一面側を全体的に開放させる部分となる。
【0016】
支持体3は、本実施形態では、孔部3aを有する板状の部分である。支持体3の一側(図1等において上側)の板面が、ハウジング部4を支持する支持面3bとなる。ハウジング部4は、支持体3に対して、開口部11が孔部3aに臨む状態で支持される。このため、ハウジング部4は、開口部11の外縁に形成される鍔部12を有する。つまり、ハウジング部4は、鍔部12の部分が支持面3bに対して固定されることによって支持体3に対して固定される。このように、ハウジング部4が支持体3に対して固定されることにより、スポットライト1が、支持体3に対して支持された状態で設けられる。以下の説明では、支持体3に対してハウジング部4が固定される側(図1等において上側)を上側、その反対側を下側として、上下方向を定義する。
【0017】
ハウジング部4は、第一カバー体10と、第二カバー体20とを有する。つまり、第一カバー体10と第二カバー体20とが接合されることにより、ハウジング部4が構成される。第一カバー体10および第二カバー体20は、それぞれアルミ鋳造や樹脂成形等によって構成される。
【0018】
第一カバー体10は、一面側が開放された略直方体状の外形を有する。第二カバー体20は、対向する一対の両面側が開放された略直方体状の外形を有する。第二カバー体20の一側の開放部分により、ハウジング部4が有する開口部11が形成される。第一カバー体10においては、その開放側の端面によって第二カバー体20に対する接合面10aが形成される。一方、第二カバー体20においては、開口部11と反対側の開放側の端面によって第一カバー体10に対する接合面20aが形成される。第一カバー体10の接合面10aと第二カバー体20の接合面20aとは、略同一の形状および大きさを有する。そして、第一カバー体10と第二カバー体20とは、互いの接合面10a、20a同士が合わさった状態で接合される。
【0019】
第一カバー体10と第二カバー体20との接合状態の固定は、締結具としてのネジ13が用いられて行われる。このため、第一カバー体10においては、内周側の四隅に、第二カバー体20に対する接合方向(接合面10aに対して垂直方向)に貫通する挿通孔10cを形成するボス部10bが設けられている。同様にして、第二カバー体20においては、内周側の四隅に、第一カバー体10に対する接合方向(接合面20aに対して垂直方向)に貫通する締結孔20cを形成するボス部20bが設けられている。
【0020】
第一カバー体10の挿通孔10cおよび第二カバー体20の締結孔20cは、第一カバー体10と第二カバー体20とが接合した状態(接合面10a、20a同士が合わさった状態)で互いに連通するように形成される。そして、挿通孔10cと連通状態となっている締結孔20cに対して、ネジ13が、第一カバー体10の外側(図5等において上側)から挿通孔10cを介してねじ込まれることにより、第一カバー体10と第二カバー体20とが接合した状態で固定される。このように、第一カバー体10と第二カバー体20とが接合され固定されることにより、前記のとおり一面側に開口部11を有する略直方体形状のハウジング部4が構成される。
【0021】
灯具部5について、図7〜図10を加えて説明する。灯具部5は、LEDランプ2を保持し、ハウジング部4に対して所定の基準線を中心として互いに反対側となる両側方向に傾動可能に支持される。また、灯具部5は、LEDランプ2からの光の照射および傾動操作が行われる端面部5aを有する。そして、灯具部5は、端面部5aをハウジング部4の開口部11に臨ませるとともに開口部11側(下側)に付勢支持された状態でハウジング部4に収容される。
【0022】
すなわち、灯具部5は、LEDランプ2からの光を照射する照射部6および傾動させられるための操作が行われる操作部7を共通の端面部5aに有する。そして、灯具部5は、照射部6および操作部7が構成される端面部5aをハウジング部4の開口部11に臨ませた状態でハウジング部4に収容される。本実施形態では、灯具部5は、全体として略楕円筒形状の外形を有し、ハウジング部4に内装された状態で、一端側の略楕円形状の面部が開口部11に臨んだ状態となる。
【0023】
灯具部5は、本体30と、蓋体40とを有する。つまり、本体30が有する開口部が、蓋体40によって覆われることにより、灯具部5の略楕円筒形状の外殻が構成される。本体30および蓋体40は、それぞれアルミ鋳造や樹脂成形等によって構成される。
【0024】
本体30は、一面側が開放された略楕円筒形状の外形を有する。つまり、本体30は、その一面側に、略楕円形状の開口部30aを有する。蓋体40は、略楕円板状の外形を有する。すなわち、蓋体40が、本体30が一面側に有する開口部30aに対して嵌合した状態で取り付けられる。
【0025】
蓋体40の本体30に対する嵌合状態での固定は、締結具としてのネジ33が用いられて行われる。このため、本体30においては、本体30の内部に、蓋体40の嵌合方向(図9等における上下方向)に穿設される締結穴30cを形成するボス部30bが設けられている。ボス部30bは、本体30において、蓋体40が取り付けられる側と反対側の面部に対して立設される円筒状の部分である。本実施形態では、ネジ33が螺挿される締結穴30c(ボス部30b)は、本体30が有する略楕円形状において中心位置に対して互いに略点対称となる二箇所の位置に設けられている(図7参照)。
【0026】
一方、蓋体40には、ネジ33を挿通させるための挿通孔40cが設けられている。挿通孔40cは、蓋体40が本体30に対して嵌合した状態で、本体30側の締結穴30cに連通するように形成される。そして、挿通孔40cが連通した状態の締結穴30cに対して、ネジ33が、蓋体40の外側(図9等において上側)から挿通孔40cを介してねじ込まれることにより、蓋体40が本体30に対して嵌合した状態で固定される。このように、蓋体40が本体30に対して嵌合され固定されることにより、前記のとおり略楕円筒形状の外形を有する灯具部5が構成される。
【0027】
灯具部5において保持されるLEDランプ2は、灯具部5に内装された状態で保持される。図11に示すように、LEDランプ2は、半導体発光素子を内装するLEDレンズ2aと、実装基板2bと有し、これらが一体的となるユニット体として構成される。LEDランプ2においては、LEDレンズ2aの一端面側に、実装基板2bが取り付けられる。そして、LEDレンズ2aにおける実装基板2bが取り付けられる側と反対側(図11(b)において上側)の端面が、光を照射する照射面2cとなる。
【0028】
実装基板2bの一端部には、電線2dが接続される。電線2dは、スポットライト1内において所定の経路で配線され、スポットライト1の外部に延出されて電源等に接続される。このため、灯具部5においては、蓋体40に、電線2dが灯具部5外に延出されるための電源用孔40fが形成されている。同様にして、ハウジング部4においては、第一カバー体10の天井面部(上側面部)に、電源用孔10fが形成されている。
【0029】
灯具部5においては、蓋体40側と反対側の端面部に、LEDランプ2からの光が照射される照射部6が設けられる。照射部6は、灯具部5に内装されるLEDランプ2からの光を外部に照射させる照射窓として構成される。具体的には、灯具部5を構成する本体30において、蓋体40が嵌合される側と反対側(図9等において下側)の面部に、LEDランプ2からの光の外部への照射を許容する開口部(以下「照射用開口部」という。)30dが設けられる。照射用開口部30dは、円形状の孔部として形成され、本体30が有する略楕円形状における中心位置に設けられる。
【0030】
そして、LEDランプ2は、その照射面2cが、灯具部5の内部から本体30の照射用開口部30dに臨むような姿勢で保持される。ここで、LEDランプ2と照射用開口部30dとの間には、LEDランプ2からの光を透過させるガラス体31が介装される。ガラス体31としては、例えば耐熱ガラス等が用いられる。ガラス体31は、円形状の照射用開口部30dよりも大きい径の円板形状を有し、照射用開口部30dを本体30の内部側から塞ぐように設けられる。ガラス体31は、本体30の内部において照射用開口部30dの周縁に突出形成される嵌合部30eに嵌合することで、位置決めされた状態となる。嵌合部30eは、ガラス体31の外周面形状に沿う位置決め面を内周面として有する略円筒状の部分として形成される(図9参照)。
【0031】
このように、LEDランプ2は、灯具部5内において、照射面2cをガラス体31を介して照射用開口部30dに臨ませる姿勢で設けられる。かかる姿勢で灯具部5に内装されるLEDランプ2は、蓋体40の内面側に突出形成される支持突部が用いられることで位置決めされた状態となる。本実施形態における蓋体40は、LEDランプ2を位置決めするための支持突部として、一対の平行な板状部分である突条部40dと、矩形状の四隅に対応する配置で四本設けられる円柱状の部分である突起部40eとを有する。突条部40dは、LEDランプ2を実装基板2bにおけるLEDレンズ2a側と反対側の板面側から支持する。突起部40eは、LEDランプ2を実装基板2bの側面側から支持する。
【0032】
すなわち、LEDランプ2は、照射面2cがガラス体31の内側面に接触し、実装基板2bの板面が突条部40dの先端面に接触した状態で、本体30とこれに嵌合する蓋体40とによって挟まれるとともに、実装基板2bが側面側から四本の突起部40eに支持されることにより、灯具部5内において位置決めされた状態で保持される。以上のようにして、灯具部5においては、蓋体40側と反対側の端面部における中央部分に、スポットライト1の照射部6が構成される。
【0033】
また、灯具部5においては、照射部6が構成される側と同じ側の端面部に、スポットライト1の操作部7が構成される。本実施形態では、操作部7として、本体30の底面(図9等における下側面)において、本体30が有する略楕円形状における長手方向(長軸方向)の両端側にスリット群30fが形成されている。スリット群30fは、本体30が有する略楕円形状の短手方向(短軸方向)に沿う複数の平行なスリット(溝)により構成される形状部分である。
【0034】
操作部7として形成される各スリット群30fは、灯具部5がハウジング部4に対して傾動させられるために押圧操作される部分となる。すなわち、本体30の端面部において両端側に設けられる操作部7のうち、一方の操作部7が、灯具部5がハウジング部4に対して一側方向に傾動させられる際に押圧される部分となり、他方の操作部7が、その反対側方向に傾動させられる際に押圧される部分となる。言い換えると、本体30の端面部において両端側に設けられる操作部7は、互いに反対側となる両側方向に灯具部5をハウジング部4に対して傾動させるための被押圧部となる。このように、灯具部5のハウジング部4に対する傾動は、灯具部5の平面視形状である略楕円形状(以下「灯具部5の略楕円形状」という。)の長手方向側について行われる。
【0035】
以上のように、灯具部5においては、蓋体40側と反対側の端面部となる共通の端面部に、照射部6と操作部7とが構成される。このような構成を有する灯具部5が、ハウジング部4に対して傾動可能に支持される。
【0036】
続いて、灯具部5のハウジング部4に対する支持構成について説明する。灯具部5は、ハウジング部4を構成する第一カバー体10と第二カバー体20とによって挟まれた状態で支持される。具体的には、灯具部5は、略楕円筒形状の外形における外周側面に設けられる支持突起34が第一カバー体10と第二カバー体20とによって挟まれることで、ハウジング部4に対して支持される。
【0037】
支持突起34は、灯具部5を構成する本体30の外周側面において、灯具部5の略楕円形状の短手方向の両側に突出形成される。支持突起34は、本体30の外周側面において、本体30が有する略楕円筒形状における長手方向(長軸方向)および筒軸方向(上下方向)について略中央位置に設けられる。つまり、灯具部5は、灯具部5の略楕円形状における短手方向(短軸方向)に対向する位置にて、同短手方向の両側に向けて突出するように形成される二つの支持突起34を有する。
【0038】
支持突起34は、灯具部5の略楕円筒形状における筒軸方向(上下方向)を長手方向とする略長円形状であって、その長手方向の下端側が略V字状に尖った部分となる形状を有する。したがって、支持突起34においては、上端側の側面部は、略円弧形状に沿う形状を有し、下端側の側面部は、略V字状に沿う形状を有する。
【0039】
このように灯具部5に設けられる二つの支持突起34が、第一カバー体10が有する支持凸部10dと、第二カバー体20が有する支持凹部20dとによって挟まれた状態となることにより、灯具部5がハウジング部4に対して傾動可能に支持される。
【0040】
支持凸部10dは、第一カバー体10において、ハウジング部4の平面視形状(図3等参照)である略長方形状における短手方向(以下「平面視短手方向」という。)に対向する両側壁部の下端面(接合面10a)にて下方に向けて突出形成される部分である。支持凸部10dの先端面10eは、灯具部5が有する支持突起34の上端側の側面部に沿うように、略円弧状に湾曲する凹部形状を有する。
【0041】
支持凹部20dは、第二カバー体20において、平面視短手方向に対向する両側壁部の上端面(接合面20a)にて下方に向けて形成される切欠き部分である。支持凹部20dの底面20eは、灯具部5が有する支持突起34の下端側の側面部に沿うように、略V字状に屈曲した凹部形状を有する。
【0042】
支持凸部10dおよび支持凹部20dは、いずれもハウジング部4の平面視形状である略長方形状における長手方向(以下「平面視長手方向」という。)の略中央位置に設けられる。そして、第一カバー体10と第二カバー体20とが接合した状態で、支持凸部10dが支持凹部20dに嵌合した状態となる。つまり、支持凸部10dは、第一カバー体10と第二カバー体20とが接合した状態で、ハウジング部4において第二カバー体20の壁部の一部を構成する部分となる。
【0043】
第一カバー体10と第二カバー体20とが接合することで支持凸部10dが支持凹部20dに嵌合した状態で、ハウジング部4を構成する壁部において、支持凸部10dの先端面10eと、支持凹部20dの底面20eを含む面部とにより、孔部が形成される。この先端面10eと底面20eを含む面部とにより形成される孔部に対して、ハウジング部4に内装される灯具部5の支持突起34が嵌合した状態となる。つまり、灯具部5は、先端面10eと底面20eを含む面部とによりハウジング部4の壁部に形成される孔部に対して支持突起34を嵌合させた状態となることにより、ハウジング部4に対して内装された状態で傾動可能に支持された状態となる。そして、灯具部5は、支持突起34の下端部が支持凹部20dの底面20eに支持された状態で、灯具部5のハウジング部4に対する傾動にともなう支持突起34の上端部の移動が支持凸部10dの先端面10eの形状によって許容されながら、ハウジング部4に対して傾動する。
【0044】
ここで、灯具部5は、前記のとおりハウジング部4に対して所定の基準線を中心として互いに反対側となる両側方向に傾動可能に支持される。本実施形態において、灯具部5の傾動についての所定の基準線は、スポットライト1において二箇所存在する、灯具部5の支持突起34によるハウジング部4に対する支持部(詳細には、支持突起34の下端の、支持凹部20dの底面20eに対する接触部、図15符号P参照。)が位置する直線SL(以下「基準線SL」とする。)に対応する(図8、図14参照)。
【0045】
また、灯具部5の傾動について、基準線SLを中心として互いに反対側となる両側方向(以下単に「両側方向」という。)とは、前記のとおり灯具部5の略楕円形状の長手方向側について行われる灯具部5の傾動動作において、その長手方向の一側への傾動により傾く方向と、同長手方向の他側への傾動により傾く方向とを意味する。言い換えると、灯具部5の傾動について基準線SLを中心とする両側方向とは、灯具部5が支持突起34によるハウジング部4に対する支持部を略中心位置として互いに反対方向に回転するように傾く両方向となる。このように、ハウジング部4に対して基準線SLを中心として両側方向に傾動可能に支持される灯具部5は、ハウジング部4に対して基準線SLを中心としてシーソーのごとく傾動する。
【0046】
このようにハウジング部4に対して傾動可能に支持される灯具部5は、照射部6および操作部7が構成される端面部5aをハウジング部4の開口部11に臨ませた状態でハウジング部4に収容される。すなわち、灯具部5がハウジング部4に内装された状態においては、ハウジング部4の開口部11から、共通の端面部5aに構成される照射部6および操作部7が露出した状態となる。
【0047】
このように、スポットライト1が支持体3に支持された状態においては、照射部6および操作部7が、支持体3の孔部3aを介して下側に向けて露出した状態(臨んだ状態)となる。かかる状態となることにより、孔部3aを介して、支持体3の下側への照射部6からの光の照射と、支持体3の下側からの操作部7に対する操作が可能となる。したがって、支持体3の孔部3aは、支持体3に支持された状態のスポットライト1において、操作部7によって操作されることによる灯具部5のハウジング部4に対する傾動を許容する大きさ・形状を有するように形成される。例えば、支持体3の孔部3aは、灯具部5の略楕円形状よりも一回り大きい略楕円形状として形成される。
【0048】
以上のようにハウジング部4に対して傾動可能に支持される灯具部5は、ハウジング部4に対する傾動状態として、両側方向それぞれについて、第一の傾動状態と第二の傾動状態とを有する。第一の傾動状態は、開口部11の開口面(以下「基準開口面」という。)に対して所定の角度傾動した状態である。灯具部5は、この第一の傾動状態で、灯具部5に設けられる当接部材としてのローラ61をハウジング部4の内側面に当接させた状態で保持される。ここでローラ61が当接するハウジング部4の内側面は、ハウジング部4において平面視長手方向に対向する両側壁部の内側面(以下「ローラ当接面」という。)15となる。また、第二の傾動状態は、灯具部5の、操作部7による傾動操作により第一の傾動状態からさらに傾動した状態である。
【0049】
すなわち、スポットライト1において、灯具部5の第一の傾動状態は、灯具部5が操作部7による操作等外部からの負荷を受けてない状態(以下「通常状態」という。)での灯具部5の傾動状態である。そして、灯具部5の第二の傾動状態は、灯具部5が第一の傾動状態から操作部7による操作等によって押し上げられることで実現される灯具部5の傾動状態である。
【0050】
したがって、図1に示すように、第一の傾動状態の灯具部5は、基準開口面に対して(図1における左右方向(水平方向)に対して)、角度θ1傾いた状態となる。また、図2に示すように、第二の傾動状態の灯具部5は、基準開口面に対して(図2における左右方向(水平方向)に対して)、角度θ2(>θ1)傾いた状態となる。本実施形態では、第一の傾動状態は、灯具部5が所定の角度として5°傾いた状態(θ1=5°)として設定され、第二の傾動状態は、灯具部5が7°傾いた状態(θ2=7°)として設定される。
【0051】
そして、灯具部5は、第二の傾動状態となる度にLEDランプ2の点灯および消灯の切換えを行う。すなわち、スポットライト1においては、灯具部5が、操作部7によって第二の傾動状態とされる度に、LEDランプ2の点灯により照射部6からの光の照射が行われる点灯状態と、LEDランプ2の消灯により照射部6からの光の照射が行われない消灯状態とが切り換わる。
【0052】
図1等に示すように、スポットライト1における灯具部5の傾動による点灯状態と消灯状態との切換えは、スポットライト1が有する二個のスイッチ21が用いられて行われる。つまり、スイッチ21によってLEDランプ2がONの状態とされることで、スポットライト1は点灯状態となり、スイッチ21によってLEDランプ2がOFFの状態とされることで、スポットライト1は消灯状態となる。なお、以下の説明においては、二個のスイッチ21をそれぞれ区別して指す場合は、便宜上、一方のスイッチ21を「第一スイッチ21a」とし、他方のスイッチ21を「第二スイッチ21b」とする。
【0053】
図13、図15および図16に示すように、スイッチ21は、スポットライト1において、ハウジング部4の内部に設けられる。スイッチ21は、ハウジング部4を構成する第一カバー体10の天井面部に対してステー22を介して支持された状態で設けられる。ステー22は、略L字状に折曲げ形成された板状の部材であり、略L字状の一側の板状部分が第一カバー体10の天井面部に対してネジ23によって固定されるとともに、略L字状の他側の板状部分にスイッチ21を支持する。スイッチ21は、ステー22において第一カバー体10の天井面部から垂下した状態となる前記他側の板状部分に対して、二本のネジ24によって固定される。
【0054】
スイッチ21は、その一端側にボタン25を有する。スイッチ21は、ボタン25が押されるあるいは接触を受けるたびに、LEDランプ2のON/OFFが切り換わる構成を有する。したがって、スイッチ21は、ハウジング部4内において、灯具部5が第二の傾動状態となることにより、LEDランプ2のON/OFFが切り換わるようにボタン25が押されるあるいは接触を受けるような位置および姿勢で支持される。本実施形態では、二つのスイッチ21は、ハウジング部4の平面視形状である略長方形状において略対角位置に配置される(図13参照)。そして、各スイッチ21は、ボタン25が下側を向くとともに、灯具部5の両側方向における各第二の傾動状態における傾きに応じて傾いた姿勢で支持される(図15参照)。
【0055】
図18に示すように、スイッチ21(第一スイッチ21aおよび第二スイッチ21b)は、電源等を含む制御回路26を介してLEDランプ2に接続される。スイッチ21は、制御回路26に対してLEDランプ2を点滅させる信号を送る。第一スイッチ21aと第二スイッチ21bとは、制御回路26に対してパラレル接続(並列接続)される。かかる回路構成において、制御回路26により、第一スイッチ21aおよび第二スイッチ21bそれぞれによってLEDランプ2のON/OFFが切り換えられるような制御が行われる。
【0056】
すなわち、LEDランプ2がOFFの状態で、第一スイッチ21aおよび第二スイッチ21bのいずれかが操作(灯具部5の傾動によるボタン25に対する押圧あるいは接触)を受けると、LEDランプ2がONの状態となる。また、LEDランプ2がONの状態で、第一スイッチ21aおよび第二スイッチ21bのいずれかが操作を受けると、LEDランプ2がOFFの状態となる。
【0057】
続いて、灯具部5のハウジング部4に対する傾動状態の保持構成について説明する。前記のとおり、灯具部5のハウジング部4に対する支持状態としての第一の傾動状態については、基準開口面に対して所定の角度(5°)傾動した状態の灯具部5の傾動状態が保持される。第一の傾動状態における、灯具部5の傾動状態の保持は、ハウジング部4に対して傾動する灯具部5を付勢した状態で支持する付勢支持部50による付勢作用と、ハウジング部4に対して傾動する灯具部5をハウジング部4に当接した状態で支持する当接支持部60による付勢作用とが用いられて行われる。
【0058】
付勢支持部50による付勢作用としては、ハウジング部4と灯具部5との間に介装され灯具部5をハウジング部4に対して開口部11側に付勢する弾性部材としてのバネ51による付勢作用が用いられる。バネ51は、ハウジング部4の平面視形状である略長方形状の中心位置において、伸縮方向が略上下方向となる姿勢で、ハウジング部4と灯具部5との間に介装支持される。したがって、付勢支持部50は、ハウジング部4と灯具部5との間に介装されるバネ51を、前記のとおり中心位置において伸縮方向が略上下方向となる姿勢で支持する部分となる。
【0059】
付勢支持部50において、バネ51の上側の部分は、ハウジング部4を構成する第一カバー体10に対してバネ受け52を介して支持される。具体的には、第一カバー体10の内側(下側)において、バネ51の上側の部分を支持するための上側バネ支持部14が設けられる。上側バネ支持部14は、第一カバー体10に対して一体的に形成される部分であり、突壁部14aと、嵌合突部14bと、支持突部14cとを有する。
【0060】
突壁部14aは、第一カバー体10の天井面部の内面中央部において四方を囲むように下方に向けて突出形成される壁状部分である。突壁部14aは、その平面視形状である略長方形状が、ハウジング部4の平面視形状である略長方形状に対して沿うとともに同心となるように形成される。
【0061】
嵌合突部14bは、突壁部14aを構成する壁部のうち、平面視短手方向に対向する両壁部の内側面にて突出形成される。嵌合突部14bは、平面視長手方向の中央位置において、上下方向に沿うように形成される突条部分である。したがって、両嵌合突部14bは、平面視短手方向に対向する方向に突出した部分となる。
【0062】
支持突部14cは、第一カバー体10の天井面部の内側面(突壁部14aの突出面)にて突出形成される。支持突部14cは、対向する二つの嵌合突部14bの間において、平面視短手方向に沿うように形成される、断面形状が略V字状(山型)となる突条部分である。
【0063】
これらの各部を有する上側バネ支持部14に対して、バネ受け52が、傾動可能に嵌合された状態となる。図19に示すように、バネ受け52は、底板部52aと、底板部52aの両端側から底板部52aに対して略直角方向に形成される互いに平行な側板部52bとを有する略U字状に折曲げ形成された板状の部材である。バネ受け52は、底板部52a側(図19(b)、(c)において上側)から、上側バネ支持部14に対して嵌合される。したがって、バネ受け52が上側バネ支持部14に嵌合された状態では、支持突部14c(の稜線部)が底板部52aの外側底面52cに当接した状態となる。
【0064】
また、バネ受け52は、上側バネ支持部14に対して、互いに対向する嵌合突部14bによって位置決めされた状態で嵌合される。すなわち、バネ受け52は、底板部52aに、嵌合突部14bの形状に沿うように形成される凹部52dを有する。つまり、凹部52dは、底板部52aにおいて一対の対向する辺部に形成される切欠き部分である。したがって、図19(a)に示すように、バネ受け52は、外側底面52c側からの方向視で略H字状の形状を有する。
【0065】
このような形状を有するバネ受け52が、上側バネ支持部14に対して、外側底面52cが支持突部14cに接触するとともに、凹部53dが嵌合突部14bに対して嵌合した状態となる。かかる状態において、バネ受け52は、平面視短手方向および平面視長手方向について位置決めされるとともに、支持突部14cに対する接触部分(支持突部14cの外側底面52cに対する当接部分)を支点として傾動可能に支持された状態となる。したがって、嵌合突部14bと凹部52dとの間には、外側底面52cの支持突部14cに対する接触部を支点部とするバネ受け52の傾動が許容される程度の隙間が設けられる。
【0066】
このようにして上側バネ支持部14に対して支持されるバネ受け52の傾動は、バネ受け52を構成する側板部52bの対向方向側(平面視長手方向側)について行われる。そして、上側バネ支持部14に対して傾動可能に支持されるバネ受け52により、バネ51の上側の部分が支持される。バネ51は、その上端がバネ受け52の底板部52aの内側底面52eに当接するとともに、対向する側板部52b間に挟まれた状態で、バネ受け52に支持される。このように、バネ51の上側の部分は、バネ受け52を介して上側バネ支持部14に対して支持される。
【0067】
一方、付勢支持部50において、バネ51の下側の部分は、灯具部5を構成する蓋体40に対して支持される。具体的には、蓋体40の外側面(上側面)において、バネ51の下側の部分を支持するための下側バネ支持部44が設けられる。下側バネ支持部44は、バネ51が挿入される穴部44cを形成する。下側バネ支持部44は、穴部44cを形成する部分となる円筒部44aと、リブ部44bとを有する。
【0068】
円筒部44aは、蓋体40の上側面において、蓋体40の平面視形状である略楕円形状における中心位置において立設される円柱状の部分である。円筒部44aにおいて、穴部44cは、円筒部44aの軸心に沿って上下方向に形成される。
【0069】
リブ部44bは、円筒部44aの外周側に形成される。リブ部44bは、蓋体40の上側面と円筒部44aの外周面との間に架設される略三角形状の板状の部分である。本実施形態では、リブ部44bは、円筒部44aの外周側において平面視長手方向に対向する位置となる二箇所に設けられる。
【0070】
これらの各部を有する下側バネ支持部44に対して、バネ51が挿入された状態となる。つまり、バネ51の下側の部分が、下側バネ支持部44の穴部44cに挿入された状態となる。ここで、穴部44cの径(円筒部44aの内径)は、バネ51の外径と略同じとなるように設定される。
【0071】
以上のように、付勢支持部50においては、上側バネ支持部14と下側バネ支持部44とにより支持されることでハウジング部4と灯具部5との間に介装されるバネ51により、灯具部5が、ハウジング部4に対して開口部11側に付勢される状態で支持される。そして、このような構成を有する付勢支持部50においては、灯具部5が傾動することにより、下側バネ支持部44の穴部44cに挿入されているバネ51の下側の部分が、灯具部5の移動にともなって移動する。これにともない、バネ受け52の側板部52b間に挟まれた状態となっているバネ51の上側の部分を介して、バネ受け52が灯具部5と反対方向に傾動する。これにより、灯具部5が傾いた状態においては、バネ51は、側板部52b間に挟まれた状態となる上側の部分と穴部44cに挿入されている下側の部分との間の部分から折れ曲がった状態となる(図1、図2参照)。
【0072】
なお、本実施形態では、付勢支持部50において一本のバネ51が用いられているが、複数のバネが用いられてもよい。この場合、例えば、複数のバネが平面視短手方向に並列に配置され、上側バネ支持部14と下側バネ支持部44とが各バネに対応するように設けられる。
【0073】
当接支持部60による当接作用としては、灯具部5に設けられ灯具部5がハウジング部4に対して傾動することでハウジング部4の内側面に当接するローラ61による当接作用が用いられる。ローラ61は、灯具部5の平面視形状である略楕円形状における長手方向の両端側において、回転軸方向が平面視短手方向となる姿勢で、蓋体40の上方の位置に回転自在に支持される。したがって、当接支持部60は、蓋体40の上方に設けられる二つのローラ61を、前記のとおり略楕円形状における長手方向の両端側において回転軸方向が平面視短手方向となる姿勢で支持する部分となる。
【0074】
当接支持部60において、ローラ61は、蓋体40に形成されるステー45に支持される。ステー45は、蓋体40の外側面(上側面)において、略楕円形状における長手方向の端部に立設される板状の部分である。ステー45に対して、ローラ61が、止め具62によって回転自在に軸支される。つまり、止め具62は、ローラ61を貫通するとともに、ステー45に対して螺挿されること等によって固定される。
【0075】
ローラ61は、平面視において、灯具部5の外周側面(本体30の外周側面)に対して、略楕円形状における長手方向にわずかに外側にはみ出た状態で設けられる。また、二つのローラ61は、略楕円形状における長軸上(長手方向の中心線上)に位置するように設けられる(図7参照)。ローラ61は、灯具部5が傾動することによって、ローラ当接面15に当接する。
【0076】
このように、灯具部5を構成する蓋体40にステー45を介して二つのローラ61が設けられる構成において、灯具部5が傾いた状態で下側に位置するローラ61が、ローラ当接面15に当接した状態となる(図1、図2参照)。
【0077】
以上のような付勢支持部50による付勢作用と当接支持部60による当接作用とが用いられることで、灯具部5が第一の傾動状態で保持される。すなわち、灯具部5が傾いた状態で付勢支持部50において前記のとおり折れ曲がった状態となるバネ51によって、その傾いた状態の灯具部5が下側(開口部11側)に向けて付勢される。これにより、灯具部5側に設けられる支持突起34の略V字状に尖った部分である下端部がハウジング部4側に形成される略V字状の底面20eに嵌った状態で、灯具部5が支持される(図1参照)。そして、このように支持突起34の尖端部(下端部)によって支持された状態となる灯具部5が、当接支持部60においてローラ61がローラ当接面15に対して当接することにより、第一の傾動状態、つまり基準開口面に対して5°傾いた状態に保持される。
【0078】
つまり、第一の傾動状態で保持される灯具部5は、バネ51からの下側に向かう付勢力を受けるとともに、両側の支持突起34の尖端部の底面20eに対する接触部(図15符号P参照)と、ローラ61のローラ当接面15に対する当接部との計三箇所で支持された状態となる。したがって、本実施形態では、灯具部5をハウジング部4に内側から当接させるローラ61の径の大きさ等は、灯具部5が第一の傾動状態で基準開口面に対して5°傾いた状態が保持されるように適宜設定される。
【0079】
そして、灯具部5が、第一の傾動状態から、傾動操作(操作部7に対する押圧操作)によってさらに傾動して第二の傾動状態に達することにより、スイッチ21がボタン25を介して操作を受けて、LEDランプ2のON/OFFの切換え、つまりスポットライト1の点灯状態と消灯状態との切換えが行われる。ここで、灯具部5が第一の傾動状態から第二の傾動状態に至るまでの過程においては、灯具部5は、ローラ61の回転をともないローラ61のローラ当接面15に対する当接部を支点部として傾動する。つまり、ローラ61のローラ当接面15に対する当接状態は、ローラ61の回転をともなって維持される。このため、かかる第一の傾動状態から第二の傾動状態に至るまでの過程においては、支持突起34の尖端部が底面20eに嵌った状態が解除される(図2参照)。
【0080】
そして、灯具部5の第二の傾動状態から、傾動操作が解除されると、灯具部5はバネ51による付勢力や自重等によって第一の傾動状態に戻り、その第一の傾動状態が保持される。このように、灯具部5のハウジング部4に対する傾動構成においては、ローラ61は、灯具部5の第一の傾動状態を保持する機能と、灯具部5が第二の傾動状態まで傾動する過程において灯具部5とハウジング部4との接触部における摩擦を軽減させる機能とを兼ね備える。
【0081】
また、第一の傾動状態における、灯具部5の傾動状態の保持に際しては、灯具部5のハウジング部4に対する支持部における、灯具部5のハウジング部4に対する接触作用を用いることもできる。すなわち、前述したように、灯具部5は、支持突起34をハウジング部4の壁部において形成される孔部(支持凸部10dの先端面10eと支持凹部20dを形成する面とにより形成される孔部)に対して嵌合させることにより、ハウジング部4に対して支持された状態となる。また、支持突起34は、灯具部5の略楕円筒形状における筒軸方向を長手方向とする略長円形状を有する。このため、灯具部5のハウジング部4に対する傾動にともない、支持突起34もハウジング部4に対して傾くこととなる。
【0082】
そこで、灯具部5の傾動にともなってハウジング部4に対して傾く支持突起34の、ハウジング部4の壁部に形成される孔部(支持突起34が嵌合した状態となる孔部)に対する接触作用が、灯具部5の傾動状態の保持に用いられる。具体的には、本実施形態では、ハウジング部4の壁部に形成される孔部を形成する面のうち、第二カバー体20側の支持凹部20dを形成する面に対する支持突起34の接触作用が用いられる。したがって、支持突起34の形状や大きさ、あるいはハウジング部4の壁部に形成される孔部の形状や大きさ(例えば幅寸法の大きさ等)の調整により、灯具部5が保持される傾動状態における灯具部5の傾動角度を変えることが可能となる。
【0083】
以上のような構成を備えるスポットライト1における動作について、図20を用いて説明する。図20において、(a)は一側の傾動方向における灯具部5の第一の傾動状態を示す図、(b)は同じく一側の傾動方向における灯具部5の第二の傾動状態を示す図、(c)は他側の傾動方向における灯具部5の第一の傾動状態を示す図、(d)は同じく他側の傾動方向における灯具部5の第二の傾動状態を示す図である。
【0084】
スポットライト1は、通常状態では、灯具部5が第一の傾動状態となる。つまり、スポットライト1の通常状態においては、灯具部5が両側方向のいずれかの方向について第一傾動状態となる。そこで、図20(a)に示すように、灯具部5が一側の傾動方向について第一の傾動状態にある場合であって、スポットライト1が消灯状態であるとする。かかる状態において、一側(図20において左側、以下単に「左側」という。)の操作部7が押圧操作されることにより、灯具部5が第二の傾動状態に達する(同図(b))。これにより、LEDランプ2がONの状態、つまりスポットライト1が点灯状態となる。そして、灯具部5が第二の傾動状態に達した後、操作部7に対する押圧操作が解除されることにより、灯具部5は第一の傾動状態に戻って保持された状態(図20(a))となる。反対側の傾動方向についても同様に、図20(c)に示すように、第一の傾動状態にある灯具部5に対して、他側(同図において右側、以下単に「右側」という。)の操作部7が押圧操作されることにより、灯具部5が第二の傾動状態に達し(同図(d))、スポットライト1が点灯状態となり、操作部7に対する押圧操作が解除されることで灯具部5が第一の傾動状態に戻って保持された状態(同図(c))となる。
【0085】
図20(a)に示すように、灯具部5が一側の傾動方向について第一の傾動状態にある場合であって、スポットライト1が点灯状態であるとする。かかる状態から、左側の操作部7が押圧操作されることで、灯具部5がさらに傾動して第二の傾動状態に達すること(図20(b))、あるいは右側の操作部7が押圧操作されることで、灯具部5が第一の傾動状態(同図(c))を介して第二の傾動状態に達すること(同図(d))により、LEDランプ2がOFFの状態、つまりスポットライト1が消灯状態となる。
【0086】
一方、スポットライト1が点灯状態であって図20(a)に示す状態(第一の傾動状態)から、右側の操作部7が押圧操作されることで、灯具部5が右側に傾動して第一の傾動状態に保持された状態(同図(c))となることにより、スポットライト1の照射方向が変更される。つまり、スポットライト1の点灯状態において、灯具部5の第一の傾動状態(図20(a)または(c))が両側方向で切り換えられることにより、スポットライト1の照明方向の切換えが行われる。ここで、灯具部5の第一の傾動状態が両側方向で切り換えられる過程においては、灯具部5は、支持突起34の尖端部の底面20eに対する接触部(図15符号P参照)を支点部として傾動する。
【0087】
以上のように、本実施形態のスポットライト1においては、灯具部5は、両側方向それぞれについて、基準開口面に対して所定の角度傾動した状態である第一の傾動状態で、灯具部5に設けられるローラ61をローラ当接面15に当接させた状態で保持され、傾動操作により第一の傾動状態からさらに傾動した状態である第二の傾動状態とされる。そして、灯具部5は、第二の傾動状態となる度にLEDランプ2の点灯および消灯の切換えを行う。つまり、灯具部5は、第一の傾動状態から第二の傾動状態へ傾動操作されることによって、LEDランプ2の点灯または消灯を行う。
【0088】
なお、本実施形態のスポットライト1においては、光源としてLEDランプ2が備えられているが、これに限定されるものではない。つまり、スポットライト1においては、光源として、LEDランプ2のほか、例えば白熱電球(蛍光灯)等、他の光源が用いられてもよい。
【0089】
以上のような本実施形態のスポットライト1によれば、旅客列車における座席の反転等に対応するに際し、簡単な構成および操作によって照明方向を変更することができる。すなわち、本実施形態のスポットライト1は、ハウジング部4に対して光源としてのLEDランプ2を有する灯具部5が傾動可能に支持されるという簡単な構成である。そして、灯具部5のハウジング部4に対する傾動動作が、スポットライト1における照明方向の変更操作、および点灯・消灯の切換え操作として用いられる。このため、本実施形態のスポットライト1によれば、灯具部5をハウジング部4に対して傾動させる操作によって、旅客列車における座席の反転等に対応した照明方向の変更および点灯・消灯の切換えがワンタッチで(同方向への押圧操作で)行うことができる。つまり、本実施形態のスポットライト1においては、照明方向を変更するための操作部7が、そのままスポットライト1の点灯状態と消灯状態とを切り換えるためのスイッチとなっているため、簡単かつ良好な操作性が得られる。
【0090】
また、本実施形態のスポットライト1によれば、例えば、旅客列車における車両によって、あるいは設けられる位置によって、座席の反転に対応する光の照射角度(照明方向)が異なる場合であっても、簡単な調整(例えばローラ61の径の大きさを変更すること等)によって対応が可能である。
【0091】
次に、本発明の第二実施形態について説明する。なお、第一実施形態と共通する部分については、同一の符号を用いる等して適宜その説明を省略する。本実施形態に係るスポットライトは、灯具部5の傾動状態が保持される第一の傾動状態における灯具部5の基準開口面からの傾動角度(以下「保持傾動角度」という。)の調整が可能となる構成を備える。
【0092】
すなわち、本実施形態のスポットライト71は、ローラ61が当接するハウジング部4の内側面(ローラ当接面)の位置が、基準開口面に対して平行方向に調整可能に構成されている。そして、ローラ当接面の位置の調整により、保持傾動角度が調整される。
【0093】
具体的には、図21に示すように、本実施形態のスポットライト71においては、第一の傾動状態における、灯具部5の傾動状態の保持は、第一実施形態のスポットライト1の場合と同様に、付勢支持部50におけるバネ51による付勢作用と、当接支持部60におけるローラ61による当接作用とが用いられて行われる。そして、本実施形態のスポットライト71は、ローラ当接面の位置が基準開口面に対して平行方向(図21において左右方向)に調整可能とされるために、傾動角度調整機構80を備える。
【0094】
傾動角度調整機構80は、ローラ61が当接するローラ当接面の位置を、基準開口面に対して平行方向に移動可能とする。したがって、図21に示すように、傾動角度調整機構80は、灯具部5において二箇所に設けられる当接支持部60(ローラ61)それぞれに対して設けられる。傾動角度調整機構80は、ハウジング部4内に設けられローラ当接面85を形成する可動壁81と、可動壁81を移動可能に支持する送り軸82とを有する。つまり、本実施形態のスポットライト71においては、ローラ当接面85が、ローラ61が当接するハウジング部4の内側面となる。
【0095】
可動壁81は、ハウジング部4において平面視長手方向に対向する両側壁部(以下「支持壁部72」とする。)に対して略平行に設けられる板状の部材である。可動壁81は、内側(支持壁部72の内側面と対向する側と反対側)の板面により、ローラ61が当接するローラ当接面85を形成する。可動壁81は、支持壁部72に対して近接離間する方向(図21において左右方向)に移動可能に設けられる(矢印A1参照)。これにより、ローラ当接面85が、基準開口面に対して平行方向に移動可能となる。つまり、本実施形態では、ローラ当接面85についての基準開口面に対して平行方向は、可動壁81が支持壁部72に対して移動する方向となる。
【0096】
なお、ローラ当接面85の移動方向は、ローラ当接面85が移動することで保持傾動角度が変化する方向であればよい。このため、ローラ当接面85の移動方向について、基準開口面に対して平行方向には、基準開口面に対して略平行な方向も含まれる趣旨である。
【0097】
可動壁81によって形成されるローラ当接面85は、少なくとも灯具部5の傾動範囲においてローラ61が当接することができる程度の大きさ(面積)を有する。可動壁81は、送り軸82によって、ハウジング部4の支持壁部72に対して支持される。すなわち、送り軸82は、支持壁部72に対して、支持壁部72を略垂直方向に貫通する状態で支持される。そして、送り軸82のハウジング部4内部側の先端部に、可動壁81が支持される。本実施形態では、上下方向に平行に配される二本の送り軸82が設けられている。なお、送り軸82は、一本あるいは三本以上であってもよい。
【0098】
送り軸82の操作によって、可動壁81が前記のとおり支持壁部72に対して近接離間する方向に移動する。このため、送り軸82は、可動壁81を支持する側と反対側の端部に操作部83を有する。送り軸82の操作によって可動壁81を移動させるための構成としては、例えば、送り軸82が支持壁部72に対して螺挿されることにより、送り軸82の回転操作にともなう軸方向に沿う移動が、可動壁81の移動となる構成が用いられる。ただし、操作部83の操作によって可動壁81を移動させるための構成は、特に限定されるものではない。
【0099】
このように、本実施形態のスポットライト71においては、傾動角度調整機構80により、ローラ当接面85の位置が、基準開口面に対して平行方向に調整可能とされる。そして、傾動角度調整機構80によるローラ当接面85の位置の調整により、灯具部5の保持傾動角度が調整される。
【0100】
すなわち、傾動角度調整機構80において、ローラ当接面85の位置が変化することにより、付勢支持部50のバネ51による付勢作用とともに、当接支持部60のローラ61による当接作用を受ける灯具部5の保持傾動角度が変化する。したがって、操作部83の操作によって可動壁81が移動させられることでローラ当接面85の位置が調整されることにより、灯具部5の保持傾動角度が調整される。
【0101】
なお、本実施形態では、ローラ当接面の位置を基準開口面に対して平行方向に調整可能とするための構成として、ローラ当接面85を形成する可動壁81と送り軸82とを有する構成が用いられているが、これに限定されるものではない。ローラ当接面の位置が、基準開口面に対して平行方向に調整可能となる構成としては、例えば、ハウジング部4を構成する支持壁部72が、ローラ当接面を形成するとともに、支持壁部72の一部が部分的に移動可能となる構成等、他の構成を採用することができる。
【0102】
本実施形態のスポットライト71によれば、光の照射角度(照明方向)の調整を、部材の交換等を必要とせずに容易に行うことができる。これにより、例えば、旅客列車における車両によって、あるいは設けられる位置によって、必要とされる照明方向が変化する場合であっても、容易に対応することができ、汎用性を向上させることができる。
【0103】
本実施形態のスポットライトの使用例について、図22〜図24を用いて説明する。本使用例は、第一実施形態に係るスポットライト1が、旅客列車としての新幹線100において各座席101に対して設けられる読書灯(個別照明)として用いられる場合についてのものである。
【0104】
図22に示すように、本使用例に係る新幹線100は、座席101として、二人掛け座席102と、三人掛け座席103とを有する。二人掛け座席102および三人掛け座席103それぞれの上方には、新幹線100の車体から延出される荷棚104が設けられている。この荷棚104の内部空間に、スポットライト1が設けられる。すなわち、図24に示すように、荷棚104の下面部104aが、スポットライト1を支持する支持体3として用いられ、この支持体3としての下面部104aに対して、スポットライト1が下側に向けて光を照射するように設けられる。
【0105】
スポットライト1は、各座席101に対して設けられるため、二人掛け座席102の上方の荷棚104においては、二つのスポットライト1が設けられ、三人掛け座席103の上方の荷棚104においては、三つのスポットライト1が設けられる。スポットライト1は、灯具部5のハウジング部4に対する傾動による照明方向の変更が、新幹線100の前後方向(図23における左右方向)側について行われるように設けられる。したがって、図22に示すように、スポットライト1は、座席101の並列方向(図22における左右方向)については、予め各座席101に対して最適な照明範囲(符号L参照)が得られる姿勢となるように設けられる。
【0106】
二人掛け座席102および三人掛け座席103は、それぞれ新幹線100の前後方向で反転可能に設けられる。つまり、図23に示すように、新幹線100においては、座席101として、前後方向の一側方向(新幹線100の進行方向、矢印A2参照)を向く座席(以下「前向き座席」という。)101aと、これに対して反転した状態となる前後方向の他側方向(新幹線100の進行方向と反対方向)を向く座席(以下「後向き座席」という。)101bとが存在する。このように互いに反転した状態である前向き座席101aと後向き座席101bに対して、スポットライト1の照明方向が切り換えられる。
【0107】
具体的には、スポットライト1は、座席101の反転にともなう前向き座席101aと後向き座席101bとの向きの変化における前後方向略中心位置に設けられる。これにより、前向き座席101aに対する照明範囲(符号L1参照)と、後向き座席101bに対する照明範囲(符号L2参照)とが、座席101との関係において同様の照明範囲となる。つまり、スポットライト1の照明方向の切換えにより、座席101に着席する乗客105に対して、前向き座席101aおよび後向き座席101bの各座席101の向きにかかわらず、同様の照明範囲が得られる。
【0108】
このようなスポットライト1の使用例によれば、座席101に着席する乗客105は、座席101の反転に対応して、照明方向の変更および点灯・消灯の切換えを、荷棚104の下側からの操作部7に対するワンタッチの操作で行うことができる。これにより、車両内が混雑しているような状況でも、簡単に操作することができる。
【0109】
また、スポットライト1においては、照明範囲が、灯具部5が両側方向に5°傾いた状態に対応するものとなる。つまり、スポットライト1において光を照射する部分となる灯具部5の可動範囲は、5°〜−5°として設定される。このため、座席101の反転にともなって照明方向が切り換えられることによっても、他の座席101(前後の座席101)へ直接光が漏れることが防止される。このように、スポットライト1によれば、前後の座席101の乗客105の快適性を損なうことなく、各座席101に対する個別照明としてのプライベート性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明の第一実施形態に係るスポットライトの構成を示す側面一部断面図。
【図2】同じく灯具部の第二の傾動状態を示す図。
【図3】ハウジング部の構成を示す平面図。
【図4】同じく底面図。
【図5】図4におけるA−A断面図。
【図6】図4におけるB−B断面図。
【図7】灯具部の構成を示す平面図。
【図8】同じく底面図。
【図9】図8におけるC−C断面図。
【図10】図8におけるD−D断面図。
【図11】LEDランプの構成を示す図。
【図12】本発明の第一実施形態に係るスポットライトの構成を示す一部切欠き分解斜視図。
【図13】同じく平面図。
【図14】同じく底面図。
【図15】図14におけるE−E断面図。
【図16】図14におけるF−F断面図。
【図17】図16におけるG−G断面図。
【図18】LEDランプとスイッチの回路構成を示す図。
【図19】バネ受けの構成を示す図。
【図20】本発明の第一実施形態に係るスポットライトの動作説明図。
【図21】本発明の第二実施形態に係るスポットライトの構成を示す側面一部断面図。
【図22】本発明に係るスポットライトの使用例を示す図。
【図23】本発明に係るスポットライトの使用例を示す図。
【図24】本発明に係るスポットライトの使用例を示す図。
【符号の説明】
【0111】
1 スポットライト
2 LEDランプ(光源)
3 支持体
4 ハウジング部
5 灯具部
5a 端面部
6 照射部
7 操作部
11 開口部
15 ローラ当接面(ハウジング部の内側面)
51 バネ(弾性部材)
61 ローラ(当接部材)
71 スポットライト
80 傾動角度調整機構
85 ローラ当接面(ハウジング部の内側面)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の光源を有し、所定の支持体に対して支持された状態で設けられるスポットライトであって、
少なくとも一側に開口部を有し、前記支持体に対して固定されるハウジング部と、
前記光源を保持し、前記ハウジング部に対して所定の基準線を中心として互いに反対側となる両側方向に傾動可能に支持され、前記光源からの光の照射および傾動操作が行われる端面部を有し、該端面部を前記開口部に臨ませるとともに該開口部側に付勢支持された状態で前記ハウジング部に収容される灯具部と、を備え、
前記灯具部は、前記両側方向それぞれについて、前記開口部の開口面に対して所定の角度傾動した状態である第一の傾動状態で、該灯具部に設けられる当接部材を前記ハウジング部の内側面に当接させた状態で保持され、傾動操作により前記第一の傾動状態からさらに傾動した状態である第二の傾動状態とされ、前記第二の傾動状態となる度に前記光源の点灯および消灯の切換えを行う、
ことを特徴とするスポットライト。
【請求項2】
前記当接部材が当接する前記内側面の位置が、前記開口部の開口面に対して平行方向に調整可能に構成され、
前記内側面の位置の調整により、前記所定の角度が調整されることを特徴とする請求項1に記載のスポットライト。
【請求項1】
所定の光源を有し、所定の支持体に対して支持された状態で設けられるスポットライトであって、
少なくとも一側に開口部を有し、前記支持体に対して固定されるハウジング部と、
前記光源を保持し、前記ハウジング部に対して所定の基準線を中心として互いに反対側となる両側方向に傾動可能に支持され、前記光源からの光の照射および傾動操作が行われる端面部を有し、該端面部を前記開口部に臨ませるとともに該開口部側に付勢支持された状態で前記ハウジング部に収容される灯具部と、を備え、
前記灯具部は、前記両側方向それぞれについて、前記開口部の開口面に対して所定の角度傾動した状態である第一の傾動状態で、該灯具部に設けられる当接部材を前記ハウジング部の内側面に当接させた状態で保持され、傾動操作により前記第一の傾動状態からさらに傾動した状態である第二の傾動状態とされ、前記第二の傾動状態となる度に前記光源の点灯および消灯の切換えを行う、
ことを特徴とするスポットライト。
【請求項2】
前記当接部材が当接する前記内側面の位置が、前記開口部の開口面に対して平行方向に調整可能に構成され、
前記内側面の位置の調整により、前記所定の角度が調整されることを特徴とする請求項1に記載のスポットライト。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2010−6284(P2010−6284A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−169436(P2008−169436)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(505455945)コイズミ照明株式会社 (65)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(505455945)コイズミ照明株式会社 (65)
【Fターム(参考)】
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