説明

スラリー脱水装置及びスラリー脱水方法

【課題】 濾布1上に供給されるスラリー11をロール3にて圧搾脱水するスラリー脱水装置び供給方法において、スラリー供給の不均衡を発生させることなく、幅の広い濾布の全幅にスラリーを供給するとともに、濾布と圧搾ロールとの角度が直角からずれた場合においても、圧搾ロールの幅中央でスラリーを脱水する。
【解決手段】 濾布1上にスラリーを供給するスラリー供給口9を濾布1の幅方向に往復動作させながらスラリーを供給する。これにより、スラリー供給の不均衡を発生させることなく、幅の広い濾布の全幅にスラリーを供給することができる。ロール3から排出されるスラリー12の幅方向の分布を検出し、ロール3から排出される脱水スラジ排出位置の幅方向偏差に応じて、スラリー供給位置を濾布1の幅方向に移動する。これにより、圧搾ロールの幅中央でスラリーを脱水することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濾布上に供給されたスラリーを1対のロールで圧搾脱水する双ロール型のスラリー脱水装置、及び双ロール型のスラリー脱水装置を用いたスラリー脱水方法とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
含水率の高いスラリーを脱水して含水率を低減するためのスラリー脱水装置として、ループを形成したベルト状の濾布と、該濾布を挟み込む1対のロールとを有し、濾布を移送しつつ濾布上に供給されるスラリーを前記ロールにて圧搾脱水するスラリー脱水装置が知られている。以下、このような形式のスラリー脱水装置を、双ロール型スラリー脱水装置ともいう。
【0003】
双ロール型スラリー脱水装置においては、ベルト状の濾布は無端状に巻き回され、その濾布は1対のロール(以下「圧搾ロール」ともいう。)に挟み込まれる。濾布は圧搾ロールの回転と共に所定の速度で移動する。濾布上に供給されたスラリーは、濾布の移送に伴って圧搾ロールに送り込まれ、ロール間で圧搾されることによってスラリー中の水分が排出される。排出された水分は濾布を通過し、濾布の下方で回収される。圧搾ロールで圧搾されて含水率が低下したスラリーは、一方の圧搾ロールに転着するので、この転着した脱水スラジをスクレーパーで掻き落として回収される。
【0004】
圧搾ロールを通過した濾布は、付着したスラリーを洗浄した後、スクイズロールによって水分を除去される。濾布がスクイズロールを出てから圧搾ロールに到達する間において、スラリー供給口から濾布上にスラリーが供給される。
【0005】
特許文献1には、上記構成に加え濾布へのスラリー供給位置と圧搾ロールとの中間に濾布の下面側から吸引負圧を作用させてスラリーを初期脱水する負圧脱水部を備えた双ロール型スラリー脱水装置が記載されている。
【0006】
特許文献1に記載のスラリー脱水装置は、圧搾ロールとスクイズロールとは左右に離間して配置され、圧搾ロールとスクイズロールとの中間部の若干上方にガイダーロールが配置されている。そして、ガイダーロールに内面がガイドされた濾布は、緩いスロープの山形を描いて圧搾ロールとスクイズロールとの間に張設されており、ガイダーロールによって幅方向の位置ずれが修正されるようになっている。
【0007】
特許文献2には、双ロール型スラリー脱水装置を用いて、製鉄工程で発生する酸化鉄を含むスラリーを脱水する方法が記載されている。スラリー供給口と圧搾ロールとの間において、濾布の下方に真空吸引装置を設置してスラリーを吸引する方法、及び真空吸引装置を設置しない方法とが記載されている。
【0008】
【特許文献1】特開2001−170419号公報
【特許文献2】特開2002−136998号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図1、図3に基づいて双ロール型スラリー脱水機について説明する。図1は双ロール型スラリー脱水機を横から見た概念図、図3は濾布1の上にスラリーが供給されてから圧搾ロール3で脱水するまでの状況を上から見た概念図である。
【0010】
双ロール型スラリー脱水装置においては、単位時間あたりのスラリー処理能力を高めることが要請される。そのため、濾布1の幅及び圧搾ロール3のロール長さを大きくし、スラリー処理能力の向上が図られている。
【0011】
濾布1の幅が広くなると、濾布上にスラリーを供給するに際し、図3(b)に示すように濾布幅中央の1点のみにスラリーを供給したのではスラリーが濾布幅全体に広がらず、十分に幅の広い濾布を利用した脱水が行われないことがある。そこで、図3(c)に示すように、スラリー供給口9の手前でスラリー供給配管21を分岐させ、2口以上のスラリー供給口9から濾布上にスラリーを供給し、幅の広い濾布の全幅を用いて脱水を行うことが行われている。
【0012】
ところが、スラリー供給配管21の分岐位置でスラリーの詰まりが発生しやすく、その結果2口以上のスラリー供給口からのスラリー供給が不均衡となり、図3(d)に示すように、幅方向一方に偏ってスラリーが供給されることがある。スラリー供給が幅方向一方に偏ると、それに起因して濾布の張力に不均衡が生じ、濾布にしわ寄りが発生する原因となることがあった。
【0013】
双ロール型スラリー脱水装置で用いるベルト状濾布は、ループを形成して脱水装置内を回転するに従い、図4(b)に示すように幅方向の位置ずれが生じることがある。特許文献1に記載の装置のように、図1に示すガイダーロール8を有する脱水装置においては、濾布に位置ずれが発生したらガイダーロール8を濾布面に平行な面内で回転させ、それによって位置ずれの修正を行うことができる。
【0014】
ところが、ガイダーロール8を用いた濾布の位置ずれ修正時には、図4(c)に示すように、ガイダーロール8から圧搾ロール3にかけて濾布1と圧搾ロール3との間の角度が直角からずれることとなる。濾布上へのスラリー供給は、濾布1と圧搾ロール3との間の角度が直角であることを前提に位置を定めて供給している。従って、濾布1と圧搾ロール3との角度が直角からずれると、圧搾ロール3の位置において脱水スラジ12の位置が幅方向にずれてしまい、それに起因して濾布の張力に不均衡が生じて濾布にしわ寄りが発生する原因となったり、脱水スラジ12の幅方向のずれが非常に大きくなって、濾布幅より外方向へスラリーがあふれるという問題を起こすことがある。
【0015】
また、単位時間あたりのスラリー処理能力を高める上では、常に濾布の幅を有効に使って、極力、脱水スラジ12の幅を、濾布の幅方向に広くすることが望ましいが、供給するスラリー11の濃度が変化すると、脱水スラジ12の幅が変化し、スラリー11の濃度が減少した場合には、脱水したスラリーの幅が狭くなって、濾布の張力に不均衡が生じてしわ寄りが発生する原因になるだけでなく、脱水機の生産性が低下するという問題を起こすことがある。一方、供給するスラリー11の濃度が増加した場合は、脱水スラジ12の幅が広くなって、その幅が濾布幅より広くなると、スラリーが濾布より外方向にあふれるという問題を起こすことがある。
【0016】
本発明は、スラリー供給の不均衡を発生させることなく、幅の広い濾布の全幅にスラリ
ーを供給することのできるスラリー供給装置及び供給方法を提供することを第1の目的とする。また、濾布と圧搾ロールとの角度が直角からずれた場合においても、圧搾ロールの幅中央でスラリーを脱水することのできるスラリー供給装置及び供給方法を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
即ち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)ループを形成したベルト状の濾布1と、濾布1を挟み込む1対のロール3とを有し、濾布1を移送しつつ濾布上に供給されるスラリーをロール3にて圧搾脱水するスラリー脱水装置において、濾布上へのスラリー供給口9を濾布の幅方向に移動させる移動機構20を有することを特徴とするスラリー脱水装置。
(2)移動機構20により、スラリー供給口9を濾布1の幅方向に往復動作させながらスラリーを供給することを特徴とする上記(1)に記載のスラリー脱水装置。
(3)ロール3から排出される脱水スラジ12の幅方向の分布を検出する検出器24を備えることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のスラリー脱水装置。
(4)濾布上に供給されるスラリー流量とベルト状の濾布の走行速度を可変とする手段を備えたことを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のスラリー脱水装置。
(5)ループを形成したベルト状の濾布1と、濾布1を挟み込む1対のロール3とを有し、濾布1を移送しつつ濾布上に供給されるスラリーをロール3にて圧搾脱水するスラリー脱水装置を用いてスラリーを脱水するに際し、スラリー供給口9を濾布1の幅方向に往復動作させながらスラリーを供給することを特徴とするスラリー脱水方法。
(6)ループを形成したベルト状の濾布1と、濾布1を挟み込む1対のロール3とを有し、濾布1を移送しつつ濾布上に供給されるスラリーをロール3にて圧搾脱水するスラリー脱水装置を用いてスラリーを脱水するに際し、ロール3から排出される脱水スラジ12の幅方向の分布を検出し、ロール3から排出される脱水スラジ排出位置の幅方向偏差に応じて、スラリー供給位置を濾布1の幅方向に移動することを特徴とするスラリー脱水方法。
(7)ループを形成したベルト状の濾布1と、濾布1を挟み込む1対のロール3とを有し、濾布1を移送しつつ濾布上に供給されるスラリーをロール3にて圧搾脱水するスラリー脱水装置を用いてスラリーを脱水するに際し、ロール3から排出される脱水スラジ12の幅方向の分布を検出し、ロール3から排出される脱水スラジ12の排出幅に応じて、供給するスラリー流量と濾布の走行速度の一方又は両方を調整することを特徴とするスラリー脱水方法。
(8)脱水するスラリーとして、鉄鋼製造工程において発生するダストあるいはスラジを含むことを特徴とする上記(5)乃至(7)のいずれかに記載のスラリー脱水方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、濾布上に供給されたスラリーを1対のロールで圧搾脱水する双ロール型のスラリー脱水装置において、スラリー供給口を単一として濾布の幅方向に往復運動をさせることにより、スラリー供給の不均衡を発生させることなく、幅の広い濾布の全幅を利用してスラリーの脱水を行うことが可能となる。
【0019】
本発明はまた、双ロール型のスラリー脱水装置において、圧搾ロールから排出される脱水スラジ排出位置の幅方向偏差に応じて、スラリー供給位置を濾布の幅方向に移動することにより、濾布と圧搾ロールとの角度が直角からずれた場合においても、圧搾ロールの幅中央でスラリーを脱水することが可能となる。
【0020】
さらに、供給するスラリー濃度が変動しても、供給するスラリー流量と濾布の走行速度の一方または両方を調整することで、濾布の幅を極力広く使った脱水が可能となり、脱水機の生産性を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
双ロール型スラリー脱水装置の基本的構成を図1に基づいて説明する。
【0022】
ループを形成したベルト状の濾布1は、繊維で編み込まれた布や不撚布で構成されるものであり、素材としては合成繊維を用いることができる。スラリーの水分吸収のよい合成繊維製のフェルトを用いた濾布が特に望ましい。ループを形成した濾布1は1対のロール(圧搾ロール3)に挟み込まれており、濾布1は圧搾ロール3の回転と共に所定の速度で移動する。スラリー供給口9からスラリー11が濾布1に注がれる。濾布1は定常速度で、圧搾ロール3に向かって移動して、圧搾ロール3は定常速度で回転しながら、濾布1とその上のスラリー11を上下から圧搾して水分を絞る。スラリー11は水分が低下した状態で圧搾ロール3の下流側に送られる。スラリー11に含有された水分の多くは、圧搾ロール3に押されて、濾布1の下側に押し出される。また、脱水後の脱水スラジ12は、濾布が圧搾ロールで下方に曲がる部分で、濾布1から分離させる。ただし、多くの脱水スラジは濾布と上側の圧搾ロール3aに付着するので、これをスクレーパー10によって削ぎ落とす。
【0023】
脱水が終了して、スラリーを分離した後の濾布1には、スラリー中の粉体が付着している。このまま、次の脱水サイクルで使用すると更に粉体の付着が増えて、濾布の目詰まりが起きる。そこで、濾布洗浄を行う。洗浄ノズルにて、水を吹き付けて、洗浄槽において粉体で汚れた水を流す。あるいは必要に応じて2段の洗浄を行う。第一段の洗浄では、洗浄ノズルから界面活性剤を含んだ水を吹き付けて、粉体を落とすとともに、油分を乳化して落とす。第二段で、洗浄ノズルにて水を吹き付け、洗浄槽にて、粉体を洗い落とす。洗浄の段数は任意に決定できるので、限定されるものでない。
【0024】
ループ状の濾布を伸延状態で保持し所定の速度で移送するため、脱水装置には種々のロールが配置され、ループ状の濾布はこれらのロールに順次巻き回される。1対の圧搾ロール3は濾布1を駆動する駆動ロールを兼ねることができる。濾布1の移送に伴い、圧搾ロール3を出た濾布は、濾布を洗浄する洗浄槽内に設けられた水中ロール5を経由し、ループ状の濾布に長手方向の張力を与える張力付与ロール6を経由し、1対のスクイズロール4の間を通過する。濾布1は洗浄槽を経由する際に洗浄され、スクイズロール4によって濾布に含まれる水分が除去される。スクイズロール4から圧搾ロール3までの間において、スラリー供給口9から濾布上にスラリー11が供給される。スクイズロール4と圧搾ロール3との間の位置には、濾布の走行位置を定めるためのガイダーロール8が配置される。その他、濾布1に沿って各所にフェルトロール7と呼ばれるロールを配置することがある。
【0025】
圧搾ロール3とスクイズロール4とは左右に離間して配置され、ガイダーロール8は圧搾ロール3とスクイズロール4との中間部の若干上方に配置されている。そして、濾布1はその内面がガイダーロール8にガイドされ、緩いスロープの山形を描いて圧搾ロール3とスクイズロール4との間に張設されており、ガイダーロール8によって幅方向の位置ずれが修正されるようになっている。
【0026】
本発明のスラリー脱水装置は、図2に示すように、濾布上へのスラリー供給口9を濾布1の幅方向に移動させる移動機構20を有することを特徴とする。図2(a)はスラリー供給口の移動機構20を上から見た概念図、図2(b)はB−B矢視図、図2(c)はC−C矢視図である。このようにスラリー供給口の移動機構20を有することにより、以下に示すようにスラリー供給口9を濾布の幅方向に往復動作させながらスラリーを供給することが可能となる。
【0027】
スラリー供給口の移動機構としては、例えば図2に示すように、スラリー供給配管21とスラリー供給口9との間の可動部22をフレキシブルなホースとし、可動部22先端部分あるいはスラリー供給口9をロッドレスシリンダーなどの駆動機構23を用いて左右に往復運動させる機構を採用することができる。
【0028】
本発明のスラリー脱水装置はまた、上記スラリーの供給口の移動機構20を有することと圧搾ロールから排出される脱水スラジの幅方向の分布を検出する検出器24を備えることとが相まって、後述するように、圧搾ロールから排出される脱水スラジ12の幅方向の分布を検出し、圧搾ロールから排出される脱水スラジ排出位置の幅方向偏差に応じて、スラリー供給位置を濾布の幅方向に移動することが可能となる。
【0029】
前述のとおり、脱水スラジ12は濾布1と上側の圧搾ロール3aに付着するので、これをスクレーパー10によって削ぎ落とす。削ぎ落とされた脱水ケーキは、フレーク状となって下方に落下する。本発明の上記検出器24としては、落下するフレーク状の脱水ケーキが存在する幅方向範囲を、例えばマイクロ波や光電センサを用いて検出することができる。このような検出器を幅方向の両端に設けることにより、圧搾ロールから排出される脱水スラジの幅方向分布を検出することが可能となる。
【0030】
本発明の第1のスラリー脱水方法について説明する。
【0031】
前述のとおり、図3(c)に示すようにスラリー供給口9の手前でスラリー供給配管21を分岐させ、2口以上のスラリー供給口9から濾布上にスラリーを供給する方法を用いた場合、スラリー供給配管21の分岐位置でスラリーの詰まりが発生しやすく、その結果図3(d)に示すように各スラリー供給口9からのスラリー供給が不均衡となり、幅方向一方に偏ってスラリーが供給されることがあった。スラリー供給が幅方向一方に偏ると、それに起因して濾布の張力に不均衡が生じ、濾布にしわ寄りが発生する原因となる。
【0032】
本発明においては、図3(a)に示すように、スラリー供給口9を1口とし、スラリー供給口9を濾布1の幅方向に往復動作41をさせながらスラリー11を供給することにより、スラリー供給の不均衡を発生させることなく、幅の広い濾布の全幅を利用してスラリーの脱水を行うことが可能となる。
【0033】
スラリー供給口9が単一なので、分岐位置での詰まりが原因で生じるスラリー供給の不均衡が発生することがない。また、スラリー供給口9を濾布の幅方向に往復動作41をさせながらスラリーを供給するので、幅の広い濾布1を使用する場合においても、濾布幅の全体にわたって均一にスラリーを供給することが可能となる。
【0034】
スラリー供給口9を往復動作させるに際しての振幅については、圧搾ロール3に達したスラリー11が幅方向に広がる広がり範囲を確認しつつ、圧搾ロールから排出される脱水スラジ12(脱水ケーキ)の幅が所要の幅となるように決定すればよい。往復動作の周期については、圧搾ロール3に達したスラリー11が幅方向に広がった際にできるスラリー11の広がり形状が、圧搾ロール3からスラリー供給口9に向かって等辺の台形状に均一に広がるような周期や移動速度を決定すれば良く、往復動作の両端部で短時間の停止時間を持たせることもできる。
【0035】
本発明の第2のスラリー脱水方法について説明する。
【0036】
前述のとおり、ガイダーロール8を有するスラリー脱水装置においては、濾布が幅方向に偏って位置ずれが生じた際に、ガイダーロールを用いて濾布の位置ずれを修正する。このとき、ガイダーロールから圧搾ロールにかけて濾布と圧搾ロールとの間の角度が直角からずれることとなり、圧搾ロール位置においてスラリー位置が幅方向に偏る。
【0037】
この点を図4に基づいて説明する。
【0038】
図4(a)は濾布1が正常な位置にあり、濾布1の幅中心と圧搾ロール3の幅中心とが一致している。図4(b)においては、濾布1が図面の上方に偏った状態に位置している。このような場合、ガイダーロール8を操作することにより、濾布1の偏りを修正する。この修正の途中においては、図4(c)に示すように、ガイダーロール8から圧搾ロール3の間にかけて、濾布1と圧搾ロール3との間の角度が直角からずれることとなる。その結果、図4(c)にあるように、圧搾ロール3の位置において脱水スラジ12の位置が幅方向に偏る。
【0039】
本発明においては、スラリーの供給口9の移動機構20を設け、同時に圧搾ロール3から排出される脱水スラジ12の幅方向の分布を検出する検出器24を備える。この検出器24によって圧搾ロール3から排出される脱水スラジ12の幅方向の分布を検出する。圧搾ロール3から排出される脱水スラジ12の排出位置が幅方向に偏っていることが検出されたら、その偏差に応じて、スラリー供給口9の位置を濾布1の幅方向に移動する。具体的には、圧搾ロール3から排出される脱水スラジ12の幅方向偏り方向と反対方向にスラリー供給口9を移動し、その移動量は脱水スラジの幅方向偏り量と同一の量とすればよい。
【0040】
この点を図4に基づいて説明する。
【0041】
図4に示す例では、検出器24として24a〜24dの4箇所で検出を行っている。脱水スラジ12が検出器24bにかかっており同時に検出器24aにかかっていなければ脱水スラジ12の図面上方側の幅端部は正常であると判断される。脱水スラジ12が検出器24cにかかっており同時に検出器24dにかかっていなければ脱水スラジ12の図面下方側の幅端部は正常であると判断される。一方、脱水スラジ12が検出器24aにかかると脱水スラジ12は図面の上方側に偏り過ぎと判断され、脱水スラジ12が検出器24dにかかると脱水スラジ12は図面の下方側に偏り過ぎと判断される。
【0042】
図4(a)(b)においては、脱水スラジ12には幅方向偏りが存在しない。図4(c)において、濾布1と圧搾ロール3との間の角度が直角からずれた結果として、脱水スラジ12の位置が図面の下方側に偏り、脱水スラジ12が検出器24dの位置にかかることとなった。そこで、図4(d)に示すように、スラリー供給口9の移動機構20を作動させ、スラリー供給口9の位置を図面の上方側に移動する。その結果、脱水スラジ12は正常な位置に戻される。
【0043】
また、スラリー供給位置を濾布の幅方向に移動する別の態様として、図4(e)に示すように、スラリー供給口9を濾布の幅方向に往復動作させることとし、その往復動作の範囲として、スラリーの偏り方向と反対側の半分領域のみとすることができる。
【0044】
ガイダーロール8を用いた濾布1の位置ずれ修正が進むと、ガイダーロール8から圧搾ロール3にかけて濾布1と圧搾ロール3との間の角度がまた直角に近づいていき、最終的には直角となって安定する。スラリー供給口9は上記のように本来の位置から移動しているので、スラリー供給口9の位置をそのままとしておくと、濾布の位置ずれ修正の進行とともにスラリー排出位置が幅方向逆の方向にずれていくこととなる。従って、検出器24によってスラリー排出位置が逆の方向にずれていることを検知したときには、スラリー供給口9の位置を元の位置に戻す操作を行うこととなる。検出器24による検知を待たず、スラリー供給口9の位置を元の位置に戻すこととしても良い。
【0045】
上記本発明の第2のスラリー脱水方法は、前述の本発明第1のスラリー脱水方法と併用することとしても良い。即ち、濾布に位置ずれが生じていない正常状態において、図5(a)に示すようにスラリー供給口9を濾布1の幅方向に往復動作41をさせながらスラリー11を供給する。濾布1の位置が図5(b)に示すように一方向に偏った場合、ガイダーロール8を用いて偏り修正を行う。その結果、図5(c)に示すように、脱水が終了した脱水スラジ12の排出位置が圧搾ロール3の幅方向で偏ることとなる。図5に示す例では、検出器24として24a〜24dを有している。図5(c)の場合、脱水スラジ12が検出器24dにかかっており、即ち脱水スラジ12の排出位置が図面の下方側に偏っていることが検出できる。このように、濾布の位置ずれとそれを修正する動作に起因して濾布と圧搾ロールとの間の角度が直角からずれたときには、圧搾ロールから排出される脱水スラジの幅方向偏り方向と反対方向にスラリー供給口の位置をずらすこととする。
【0046】
圧搾ロールから排出される脱水スラジの幅方向偏り方向と反対方向にスラリー供給口の位置をずらす具体的な手段として、以下の2つの手段から選択することができる。
【0047】
第1の手段においては、図6(a)に示すように、圧搾ロールから排出される脱水スラジの幅方向偏り方向と反対側の半分幅の区間について往復動作41をさせる。これにより、脱水スラジの偏り側と同じ側にはスラリー供給口を振らないこととなるので、圧搾ロールから排出される脱水スラジが、圧搾ロールの幅方向正常位置から外れることがなくなる。
【0048】
第2の手段においては、図6(b)に示すように、スラリー供給口9の往復動作41を中止し、圧搾ロールから排出される脱水スラジの幅方向偏り方向と反対方向にスラリー供給口9を移動し、その移動量は脱水スラジの幅方向偏り量と同一の量とする。
【0049】
上記第1、第2の手段いずれを採用した場合においても、濾布の位置ずれ修正が進んで濾布と圧搾ロールとの角度が直角に近づいたら、元のようにスラリー供給口の往復動作41を再開する。
【0050】
本発明の第3のスラリー脱水方法について説明する。
【0051】
圧搾ロールから排出される脱水スラジの幅方向の分布を検出する検出器を備える本発明のスラリー脱水装置を用いる場合においては、この検出器によって検出された脱水スラジの幅実績に基づいて、脱水スラジの幅を最適幅に維持するようにスラリー脱水装置の運転条件を変動させることができる。即ち、圧搾ロールから排出される脱水スラジの幅方向の分布を検出し、ロールから排出される脱水スラジの排出幅に応じて、供給するスラリー流量と濾布の走行速度の一方又は両方を調整する。
【0052】
同一のスラリー流量(スラリー供給速度)において、濾布の走行速度を速くすると脱水スラジの排出幅が狭くなり、濾布の走行速度を遅くすると脱水スラジの排出幅が広くなる。一方、同一の濾布走行速度において、スラリー流量を増大すると脱水スラジの排出幅が広くなり、スラリー流量を減少すると脱水スラジの排出幅が狭くなる。従って、脱水スラジの排出幅が目標とする幅よりも狭いときは、濾布の走行速度を遅くするかスラリー流量を増加すればよい。逆にスラリーの排出幅が目標とする幅よりも広いときは、濾布の走行速度を速くするかスラリー流量を減少すればよい。
【0053】
濾布の走行速度やスラリー流量の調整量については、脱水スラジ12の排出幅が目標とする幅に達するのを検知するまで増加または減少させ、目標とする値に到達した時点で増加または減少を停止すると良い。このとき、初期の濾布走行速度やスラリー流量に対して例えば10%づつ段階的に増加または減少することも可能であり、どちらの調整方法でもかまわない。双ロール脱水装置の脱水スラジ12の幅が当初、目標の幅である検出器24bと24cにかかった状態であったものが、脱水機へ供給するスラリーの濃度が増加して脱水スラジ12の幅が広がって、検出器24bと24cに加えて検出器24aと24bの両方またはどちらか一方にかかった場合には、目標とする幅より広すぎるため、濾布の走行速度を増加するか、スラリー流量を減少させることとする。一方、脱水機へ供給するスラリーの濃度が減少して脱水スラジ12の幅が狭くなり、検出器24bまたは24cの少なくとも一方が脱水スラジを検出しなくなった時点で、濾布の走行速度を減少するか、スラリー流量を増加させることとする。また、圧搾ロール3の幅中央でスラリーを脱水するために、スラリー供給口9を濾布の幅方向で移動させた場合に、例えば図4(e)の状態や、図6の(a)や図6の(b)の状態が継続して目標とする脱水スラジの幅にならない場合にも、検出器24で検出した脱水スラジ12の幅方向の分布により、濾布の走行速度やスラリー流量の一方または両方を調整することで、脱水スラジ12は、圧搾ロールの幅中央でかつ目標とする幅となる。
【0054】
本発明のスラリー脱水装置またはスラリー脱水方法は、製鉄工程で発生したスラリーの脱水に用いることとすると特に好ましい。製鉄工程で発生するスラリーとしては、転炉や高炉の集塵スラリー、圧延工程から排出されるスケール、弱酸スラリーを挙げることができる。製鉄工程において排出される酸化鉄を含むダストやスラリーは10μm以下の微粒子を多く含んでいるため、真空脱水装置やフィルタープレスなどの脱水装置を用いたのでは脱水物の水分を十分に下げることができなかったが、双ロール脱水装置を用いた場合には、水分を十分に低減可能であり、脱水物をリサイクルするのに適している。しかも、製鉄工程で発生したスラリーの複数種類を用いる場合には、それらの発生状況によって、スラリーの性状が変化するため、安定した脱水装置の運転のためには、本発明のスラリー脱水装置またはスラリー脱水方法が好適である。
【実施例】
【0055】
図1に示すような双ロール型スラリー脱水装置において、濾布幅を4.2mとし、図2に示すスラリー供給口9の移動機構20を設けたものを用いて、製鉄工程で発生したスラリーの混合物の脱水を行った。
【0056】
(実施例1)
スラリー供給口9の動作を、圧搾ロール3に対して中央固定にした状態と、濾布1の幅方向に往復移動した状態のそれぞれについて、脱水スラジ12の排出幅を比較した。脱水運転条件は、供給スラリー濃度が50.4%、濾布走行速度が15m/分、スラリー流量が52リットル/分であった。
【0057】
状態1−1として、スラリー供給口9を圧搾ロール3に対して中央固定にしたところ、脱水スラジ12の排出幅は3500mmであった。
【0058】
一方、状態1−2として、スラリー供給口9を濾布1の幅方向に往復移動し、往復運動周期12秒(片側移動6秒)、移動端で停止6秒、移動幅500mmの動作をさせたところ、脱水スラジ12の排出幅は3850mmとなった。
【0059】
即ち、スラリー供給口9を濾布1の幅方向に往復移動させることで、スラリー供給が濾布1の幅方向に均一となって脱水スラジ12の排出幅が広がり、濾布幅をより広く利用できるようになった。
【0060】
(実施例2)
実施例2においては、濾布に位置ずれが生じていない正常状態において、図5(a)に示すようにスラリー供給口9を濾布1の幅方向に往復動作41をさせながらスラリー11を供給する。図5に示すように、検出器24a〜24dの4箇所に検出器を設けている。検出器24a、24dは、濾布が正常な位置にある場合において濾布の端部から内側に100mmの位置に設けており、検出器24b、24cはそれぞれ検出器24a、24dのさらに500mm内側に設けている。検出器24bと検出器24cの間の間隔は3000mmである。
【0061】
脱水運転条件は、供給スラリー濃度が46.1%、濾布走行速度が8m/分、スラリー流量が36リットル/分である。スラリー供給口9の往復移動条件は、移動幅500mm(半分幅250mm)、周期12秒(片側移動6秒)、端部での停止3秒としている。正常状態において、脱水スラジ12の排出幅は3500mmとなった。
【0062】
濾布の位置が図5(b)に示すように偏りを生じたので、ガイダーロール8を用いた偏り修正を開始した。その結果、ガイダーロール8から圧搾ロール3にかけて、濾布1と圧搾ロール3との間の角度が図5(c)に示すように直角からずれることとなった。そのため、状態2−1として、図面において上側の脱水スラジ12の端部が検出器24bから外れ、下側の脱水スラジ12の端部が検出器24dにかかることとなった。脱水スラジ12の排出幅は3500mmのままである。
【0063】
そこで、状態2−2として、図6(a)に示すように、スラリー供給口9の往復動作41を、脱水スラジの偏りと反対方向の半分領域のみの動作に変更した。その結果、脱水スラジ12の排出幅は3350mmに狭まり、図6(a)に示すように脱水スラジ12の端部は検出器24bにかかるようになると共に検出器24dからは外れ、正常範囲に戻すことができた。
【0064】
(実施例3)
スラリー流量が一定の状態で脱水機を運転中に、スラリー濃度が減少して脱水スラジ12の排出幅が減少した場合に、その排出幅実績を検出器24で検知して、濾布1の走行速度を減少させることによって排出幅を回復させた。
【0065】
脱水運転条件は、初期設定濾布走行速度が35m/分、スラリー流量が64リットル/分であった。スラリー供給口9を濾布1の幅方向に往復移動し、往復運動周期12秒(片側移動6秒)、移動端で停止3秒、移動幅500mmの動作をさせた。脱水スラジ12の初期排出幅は3300mmであり、図7(a)に示す状態であった。検出器24の配置位置は実施例2と同様とした。
【0066】
状態3−1として、濾布1の走行速度(初期)35m/分で運転中にスラリー濃度が43.9%に減少し、脱水スラジの排出幅が2800mmまで狭くなった。そのため、図7(b)に示すように、脱水スラジ12が検出器24b、と検出器24cにかからなくなり、排出幅の減少が検出された。
【0067】
そこで状態3−2として、濾布1の走行速度を27m/分まで減少させたところ、脱水スラジ12の幅が3300mmまで増大し、当初の図7(a)の状態に戻り、排出幅を確保することができた。
【0068】
即ち、濾布走行速度を調整することで、脱水スラジの排出幅を目標の値に調整することができた。
【0069】
(実施例4)
スラリー流量が一定の状態で脱水機を運転中に、スラリー濃度が増大して脱水スラジ12の排出幅が増加した場合に、その排出幅実績を検出器24で検知して、スラリー流量を減少させることによって排出幅を回復させた。
【0070】
脱水運転条件は、初期設定濾布走行速度が28m/分、スラリー流量が76リットル/分であった。スラリー供給口9を濾布1の幅方向に往復移動し、往復運動周期12秒(片側移動6秒)、移動端で停止3秒、移動幅500mmの動作をさせた。脱水スラジ12の初期排出幅は3820mmであり、図7(a)に示す状態であった。検出器24の配置位置は実施例2と同様とした。
【0071】
状態4−1として、スラリー流量76リットル/分で運転中にスラリー濃度が50.3%に増大し、脱水スラジの排出幅が4130mmまで広くなった。そのため、図7(c)に示すように、脱水スラジ12が検出器24a、と検出器24dまでかかるようになり、排出幅の増加が検出された。
【0072】
そこで状態4−2として、スラリー流量を69リットル/分まで減少させたところ、脱水スラジ12の幅が3820mmまで増大し、当初の図7(a)の状態に戻り、排出幅を戻すことができた。
【0073】
即ち、スラリー流量を調整することで、脱水スラジの排出幅を目標の値に調整することができた。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の双ロール型スラリー脱水装置を横から見た概念図である。
【図2】本発明のスラリー供給口の移動機構を示す図であり、(a)は上から見た概念図、(b)はB−B矢視図、(c)はC−C矢視図である。
【図3】スラリー供給口から圧搾ロールまでを示す上から見た概念図であり、本発明の第1のスラリー脱水方法を説明する図である。
【図4】スラリー供給口から圧搾ロールまでを示す上から見た概念図であり、本発明の第2のスラリー脱水方法を説明する図である。
【図5】スラリー供給口から圧搾ロールまでを示す上から見た概念図であり、本発明の第2のスラリー脱水方法を説明する図である。
【図6】スラリー供給口から圧搾ロールまでを示す上から見た概念図であり、本発明の第2のスラリー脱水方法を説明する図である。
【図7】スラリー供給口から圧搾ロールまでを示す上から見た概念図であり、(a)は正常な状態、(b)は脱水スラジの排出幅が狭くなった状態、(c)は脱水スラジの排出幅が広くなった状態を説明する図である。
【符号の説明】
【0075】
1 濾布
3 圧搾ロール
4 スクイズロール
5 水中ロール
6 張力付与ロール
7 フェルトロール
8 ガイダーロール
9 スラリー供給口
10 スクレーパー
11 スラリー
12 脱水スラジ
20 移動機構
21 スラリー供給配管
22 可動部
23 駆動機構
24 検出器
40 濾布移送方向
41 往復動作

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ループを形成したベルト状の濾布と、該濾布を挟み込む1対のロールとを有し、濾布を移送しつつ濾布上に供給されるスラリーを前記ロールにて圧搾脱水するスラリー脱水装置において、濾布上へのスラリー供給口を濾布の幅方向に移動させる移動機構を有することを特徴とするスラリー脱水装置。
【請求項2】
前記移動機構により、スラリー供給口を濾布の幅方向に往復動作させながらスラリーを供給することを特徴とする請求項1に記載のスラリー脱水装置。
【請求項3】
前記ロールから排出される脱水スラジの幅方向の分布を検出する検出器を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のスラリー脱水装置。
【請求項4】
濾布上に供給されるスラリー流量とベルト状の濾布の走行速度を可変とする手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスラリー脱水装置。
【請求項5】
ループを形成したベルト状の濾布と、該濾布を挟み込む1対のロールとを有し、濾布を移送しつつ濾布上に供給されるスラリーを前記ロールにて圧搾脱水するスラリー脱水装置を用いてスラリーを脱水するに際し、スラリー供給口を濾布の幅方向に往復動作させながらスラリーを供給することを特徴とするスラリー脱水方法。
【請求項6】
ループを形成したベルト状の濾布と、該濾布を挟み込む1対のロールとを有し、濾布を移送しつつ濾布上に供給されるスラリーを前記ロールにて圧搾脱水するスラリー脱水装置を用いてスラリーを脱水するに際し、前記ロールから排出される脱水スラジの幅方向の分布を検出し、ロールから排出される脱水スラジ排出位置の幅方向偏差に応じて、スラリー供給位置を濾布の幅方向に移動することを特徴とするスラリー脱水方法。
【請求項7】
ループを形成したベルト状の濾布と、該濾布を挟み込む1対のロールとを有し、濾布を移送しつつ濾布上に供給されるスラリーを前記ロールにて圧搾脱水するスラリー脱水装置を用いてスラリーを脱水するに際し、前記ロールから排出される脱水スラジの幅方向の分布を検出し、ロールから排出される脱水スラジの排出幅に応じて、供給するスラリー流量と濾布の走行速度の一方又は両方を調整することを特徴とするスラリー脱水方法。
【請求項8】
脱水するスラリーとして、鉄鋼製造工程において発生するダストあるいはスラジを含むことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載のスラリー脱水方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−326451(P2006−326451A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−151988(P2005−151988)
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【出願人】(000221823)株式会社ティーディーイー (7)
【Fターム(参考)】