説明

スリット保護構造

【課題】汎用性の高いスリット保護装置を提供すること。
【解決手段】内部に流路を備え、上壁に該流路と連通する集水用のスリットを備える側溝に用いられ、前記スリットを保護するスリット保護装置であって、前記スリットの第1側面と、前記側溝の上面における前記第1側面周縁部とを被覆し、前記スリットの長手方向に延びる第1カバーと、前記スリットの前記第1側面に対向する第2側面と、前記側溝の上面における前記第2側面周縁部とを被覆し、前記スリットの長手方向に延びる第2カバーと、前記第1カバーと前記第2カバーとの間に設けられ、前記第1カバーを前記第1側面に押止するとともに、前記第2カバーを前記第2側面に押止する、押止部材と、
を備えるスリット保護装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側溝のスリットを保護する構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上面に集水用のスリットを備える側溝に対して、スリットの欠けやハイヒール等の踵部分がスリットに入り込むことを防止するために、側溝用スリット保護装置が使用される。このような側溝用スリット保護装置が特許文献1に開示される。特許文献1の側溝用スリット保護装置100の斜視図を図1に示す。図1に示すように、側溝用スリット保護装置100はカバー101、ボルト102、留め具103からなる。カバー101は側溝のスリットに沿って設けられる一対のアングル101aと、これらを繋ぐ連結部101bからなる。ボルト102は連結部101bの中央に設けられた孔に枢設される。留め具102は、ボルト102の先端に枢設される固定板103aと回動防止部103bからなる。回動防止部103bはスリットに嵌設されて、固定板103aがボルト102の回転に伴って回動するのを防止する。側溝用スリット保護装置100では、一対のアングル101aをスリットに沿って配置して、ボルト102を締めることにより、留め具103の固定板103aが側溝内側のスリットの内壁に固定板103aを当接させる。これにより、固定板103aと一対のアングル101aでスリットが形成される側溝上部を挟んで、側溝用スリット保護装置100がスリットに取り付けられ、スリットの欠け等を防止している。
【0003】
【特許文献1】特開2007−315314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の側溝用スリット保護装置100は、固定板103aと一対のアングル101aで側溝上部を挟んで固定するため、当該側溝上部の厚さ以上の長さを有するボルト102が必要となる。また、側溝上部の厚さは側溝の種類によって様々であるため、汎用性を高めるには、ボルト102は十分な長さとする必要がある。これらにより、側溝用スリット保護装置100は小型にすることが困難であった。また、一対のアングル101aは連結部101bにより固定されるため、アングル101a間の距離をスリットの幅に応じて変更するには、連結部101bを交換する必要があり、汎用性が低い。
そこで、本発明は汎用性の高いスリット保護装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の目的を達成するため、本発明は次の構成からなる。即ち、
側溝の上面に設けられる集水用のスリットを保護するスリット保護装置であって、
前記スリットの第1側面と、前記側溝の前記上面における前記第1側面周縁部とを被覆し、前記スリットの長手方向に延びる第1カバーと、
前記スリットの前記第1側面に対向する第2側面と、前記側溝の前記上面における前記第2側面周縁部とを被覆し、前記スリットの長手方向に延びる第2カバーと、
前記第1カバーと前記第2カバーとの間に設けられ、前記第1カバーを前記第1側面に押止するとともに、前記第2カバーを前記第2側面に押止する、押止部材と、
を備え得るスリット保護装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明のスリット保護装置によれば、第1カバーと第2カバーは、押止部材によりスリットの対向面に押し付けられて固定されるため、様々な厚さの側溝に使用することができ、汎用性が高い。また側溝の上壁が厚い場合には、これに応じて装置を大型化する必要がなく、装置を小型とすることができる。また、第1カバーと第2カバーとの間が連結部材などで予め固定されないので、様々な幅のスリットに対して使用することができるため、汎用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】従来の側溝用スリット保護装置100の斜視図である。
【図2】本発明の実施例であるスリット保護装置1を取り付けた側溝2の斜視図である。
【図3】図2におけるA−A線断面図である。
【図4】本発明の他の実施例であるスリット保護装置200の断面図である。
【図5】スリット保護装置300の取付方法を説明する断面図である。
【図6】本発明の更に他の実施例であるスリット保護装置400を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のスリット保護装置は、内部に流路を備え、上壁に流路と連通する集水用のスリットを備える側溝に対して用いられる。スリットの形状は特に限定されず、例えば側溝の長手方向に平行とすることができる。スリットの幅は通常、長手方向において同一の形状であるがこれに限定されず、スリットの一部に幅の広い部分があってもよい。なお、本明細書では、スリットにおける対向面をそれぞれ第1側面及び第2側面とする。即ち、スリットは、側溝の上壁に設けられた第1側面と第2側面とからなり、側溝内部の流路に連通する貫通部である。スリットの幅は、側溝上壁の厚さ方向において、側溝上面から内部の流路に向かって大きくなる。これにより、スリットに小石やゴミ等が堆積することが防止される。
【0009】
本発明のスリット保護装置は第1カバー及び第2カバーを備える。第1カバーはスリットの第1側面と、側溝の上面における第1側面周縁部とを被覆し、スリットの長手方向に延びる。第1カバーの形状は、スリットの長手方向に垂直な断面においてL字型である。同様に第2カバーはスリットの第2側面と、側溝の上面における第2側面周縁部とを被覆し、スリットの長手方向に延び、第1カバーと対称に設けられる。第2カバーの形状は、スリットの長手方向に垂直な断面においてL字型である。第1カバー及び第2カバーの材質は特に限定されないが、アルミ、鉄鋼等の金属とすることが好ましい。衝撃等に強く、スリットの保護効果が高まるからである。第1カバー及び第2カバーの長さは側溝のスリットの長手方向における長さと略同一としてスリット全域を保護することとしても良いことはもちろん、スリットの長手方向の長さのよりも短くするとともに、複数のスリット保護装置を使用してスリット全域を保護することとしても良い。
【0010】
本発明のスリット保護装置は第1カバーと第2カバーとの間に設けられ、第1カバーをスリットの第1側面に押止するとともに、第2カバーをスリットの第2側面に押止する押止部材を備える。
本発明の第1の態様では、押止部材はボルト部材とナット部材を備える。ボルト部材は第1カバーと第2カバーとの間に上下方向に挿入され、ボルト部材の頭部が上面側に位置し、ボルト部材の軸部が流路側に位置するように、第1カバーと第2カバーとの間に係止される。ボルト部材の軸部にナット部材が螺入して、ナット部材が第1カバーと第2カバーとの間に嵌入し、当該ナット部材の第1カバー側の側面が第1カバーをスリットの第1側面に押圧し、当該ナット部材の第2カバー側の側面が第2カバーをスリットの第2側面に押圧する。これにより、第1カバーと第2カバーがスリットに押止される。即ち、ナット部材が第1カバーと第2カバーとの間に嵌入して、第1カバーと第2カバーとを離間させてスリットに固定するものである。
【0011】
ナット部材の外径は第1カバー及び第2カバーをスリットに配置した状態において第1カバーと第2カバーと間の流路側開口幅よりも小さく、かつ第1カバーと第2カバーと間の上面側開口幅よりも大きい。これにより、ナット部材が第1カバーと第2カバーと間の上面側開口から抜け出ることが防止される。一方、ナット部材が螺入するボルト部材が第1カバーと第2カバーとの間に係止されるため、ナット部材が抜け落ちすることが防止される。
【0012】
ボルト部材の頭部の幅は、第1カバー及び第2カバーをスリットに配置した状態において第1カバーと第2カバーとの側溝の上面側の開口幅よりも大きいことが好ましい。当該ボルト部材をその頭部で第1カバー及び第2カバーの上面側に係止でき、簡易な構成でスリット保護装置を取り付けることができるからである。
【0013】
一方、スリットの上面側の開口幅よりも小さい幅の頭部を有するボルト部材を使用することもできる。例えば、第1カバーと第2カバーのそれぞれの対向面に係止突起を設けて、当該係止突起によりボルト部材の頭部を第1カバーと第2カバーの間に係止する。このようにすれば、押止部材(ボルト部材及びナット部材)がスリットから抜け落ちることを防止できるとともに、ボルト部材の頭部が側溝上面から突出することを防止でき、外部からの物理的な干渉が低減して、当該ボルト部材とナット部材との緩みを軽減できる。
【0014】
また、第1カバーと第2カバーのそれぞれの対向面に係止突起を設けることなく、スリットの上面側の開口幅よりも小さい頭部を有するボルト部材を使用することもできる。例えば、まず、第1カバー及び第2カバーとボルト部材の頭部との間に、ボルト部材の頭部を係止する着脱自在の補助具を介在させた状態で、ナット部材を螺入して第1カバーと第2カバーとの間に嵌設して第1カバー及び第2カバーを押止する。そして、当該補助具を取り除き、ナット部材が第1カバーと第2カバーとの間に嵌設した状態で、ボルト部材の頭部が第1カバーと第2カバーとの間に位置するまでボルト部材をナット部材に対して螺入する。その後、ボルト部材の頭部と第1カバー及び第2カバーとを溶接する。このようにしても、押止部材(ボルト部材及びナット部材)がスリットから抜け落ちることを防止できるとともに、ボルト部材の頭部が側溝上面から突出することを防止でき、外部からの物理的な干渉が低減して、当該ボルト部材とナット部材との緩みを低減できる。
【0015】
本発明の第2の態様では、押止部材はねじ係合によってスリットの幅方向に伸縮可能なねじ係合機構を有し、伸長状態において第1カバーをスリットの第1側面に押止し、第2カバーをスリットの第2側面に押止する。第2の態様においても、簡易な構成でスリット保護装置を取り付けることができる。例えば、押止部材は、第1カバーに対向面に立設されるボルト部材と、第2カバーの対向面に立設されてボルト部材の延長線上に配置される係合突起と、ボルト部材に螺合するナット部材とからなり、螺合した当該ナット部材をボルト部材への螺入方向に回すとスリットの幅方向に収縮し、螺入方向と反対方向に回すとスリットの幅方向に伸長する。これにより、様々な幅のスリットを備える側溝に使用することができるため、汎用性が高い。また、取り付け作業が簡便となり、スリットを有する側溝に対してスリット保護装置を容易に取り付けることができる。ナット部材は緩み止め効果の高いものを使用することが好ましい。例えば、ダブルナットや、いわゆるナイロンナット、セルフロックナットなどの緩み止め効果の高いものを使用することが好ましい。
以下、本発明の実施の形態につき、図例を参照しながら説明をする。
【実施例1】
【0016】
本発明の実施例であるスリット保護装置1を取り付けた側溝2の斜視図を図2に示す。図2に示すように、側溝2は流路21とスリット22を備える。流路21は長手方向の断面形状が卵形である。スリット22は側溝2の上壁に側溝2の長手方向に沿って設けられ、流路21と連通している。スリット22は上壁の上面から下面(流路21側の面)に向かって広がるように形成されており、その幅は上面において約15mm、流路21側において約25mmである。スリット22の深さ(即ち、上壁の厚さ)は約60mmである。
【0017】
スリット保護装置1はスリット22に取り付けられる。図2におけるA−A線断面図を図3に示す。スリット保護装置1は第1カバー11、第2カバー12、ボルト部材13、ナット部材14を備える。第1カバー11は、側溝2の上面のスリット22近傍領域2aに沿う第1カバーの上面部11aと、スリット22の対向面22aに沿う第1カバーの対向部11bと、上面部11aと対向部11bとを繋ぐ屈曲部11cとからなり、長手方向断面の形状がL字状である。上面部11aの幅は約15mm、対向部11bの幅は約30mmである。第2カバー12は第1カバーと面対称の形状であって、側溝2の上面のスリット22近傍領域2bに沿う第1カバーの上面部12aと、スリット22の対向面22bに沿う第2カバーの対向部12bと、上面部12aと対向部12bとを繋ぐ屈曲部12cとからなり、長手方向断面の形状がL字状である。第1カバー11と第2カバー12は、側溝2の上面の各領域2a、2bと、スリット22の対向面22a、22bに沿ってそれぞれ設けられ、第1カバー11と第2カバー12との側溝2の上面側の開口幅W1は約12mmであり、流路21側の開口幅W2は約16.5mmである。
【0018】
ボルト部材13は、その長手方向がスリット22の深さ方向と平行となるように、第1カバー11と第2カバー12との間に配置される。ボルト部材13は皿型の頭部13aを有する。頭部13aの直径は約14mmである。
ナット部材14は、ボルト部材13に螺入している。ナット部材14の大きさは直径約13.5mmであって、第1カバー11と第2カバー12の側溝2の上面側の開口幅W1よりも大きく、流路21側の開口幅W2よりも小さい。このようなナット部材14がボルト部材13に螺入することにより、第1カバー11の対向部11bをスリット22の対向面22aに押圧するとともに、第2カバー12の対向部12bをスリット22の対向面22bに押圧して、第1カバー11と第2カバー12をスリット22の上面側開口部に押止している。即ち、ボルト部材13とナット部材14が第1カバー11と第2カバー12を押止する押止部材となる。
【0019】
次にスリット保護装置1の作用効果を説明する。スリット保護装置1によれば、第1カバー11と第2カバー12は押止部材(ボルト部材13及びナット部材14)によりスリット22の対向面22a、22bに押し付けられて固定されるため、様々な厚さの側溝に使用することができ、汎用性が高く、装置も小型となる。また、第1カバー11と第2カバー12との間は予め固定されていないので、様々な幅のスリットに対して使用することができるため、さらに汎用性が高い。スリット保護装置1を取り付けることにより、スリット22の欠けやハイヒール等の踵部分がスリット22に入り込むことが防止される。
【0020】
また、ボルト部材13の頭部13aの幅は、第1カバー11と第2カバー12との側溝2の上面側の開口幅W1よりも大きいため、ボルト部材13はその頭部13aで第1カバー11及び第2カバー12の上面側で係止される。これにより、スリット保護装置1は簡易な構成で、スリット22を保護することができる。また、取り付け作業が簡便であり、作業性が良い。なお、外部からの衝撃等により、第1カバー11と第2カバー12との間の距離が一時的に広がって、ナット部材14による第1カバー11と第2カバー12の押止が解除されることがあるが、このような場合においても、ボルト部材13aの幅が開口幅W1よりも大きいため、ナット部材14が流路21内に脱落することが防止される。
【実施例2】
【0021】
本発明の他の実施例であるスリット保護装置200の断面図を図4に示す。なお、スリット保護装置1と実質的に同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。スリット保護装置200は押止部材としてボルト部材130とナット部材14を備える。ボルト部材130は六角穴付きM6ボルトであって、その頭部130aの直径は約10mm、その軸部130bの直径は約6mmである。第1カバー11の対向部11bの上部から約10mm内側(流路21側)には係止突起23aが設けられている。また、第2カバー12の対向部11bの上部から約10mm内側(流路21側)にも係止突起23bが設けられている。係止突起23a、23bは溶接により取り付けられ、互いに対向して約7mm隔離している。ボルト部材130はその軸部130bが係止突起23a、23bの間に挿入され、頭部130aが係止突起23a、23bに係止された状態となっている。これにより、頭部130aの直径は第1カバー11と第2カバー12の側溝2の上面側の開口幅W1よりも小さいが、第1カバー11と第2カバー12との間に係止するため、外部からの衝撃等によりナット部材14による第1カバー11と第2カバー12の押止が解除されたとしても、ナット部材14が流路21内に脱落することが防止される。また、ボルト部材130の頭部130aが第1カバー11の上面部11a及び第2カバー12の上面部12aよりもスリット22の内側(即ち、流路21側)に位置しているため、ボルト部材130の頭部130aが外部から干渉されにくく、ボルト部材130とナット部材14の緩みの発生が防止される。なお、スリット保護装置200によってもスリット保護装置1と同等の効果を奏する。
【実施例3】
【0022】
本発明の他の実施例であるスリット保護装置300の取付方法を説明する断面図を図5A〜Eに示す。なお、スリット保護装置1、200と実質的に同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
まず、ボルト部材131の軸部131bの先端にナット部材14を螺入し、平板状の補助具30を軸部131bを挟むようにボルト部材131の頭部131aの直下あてがう。そしてボルト部材131とナット部材14が第1カバー11と第2カバー12の間に位置するように補助具30を第1カバー11と第2カバー12上に載置しつつ、第1カバー11と第2カバー12の各部をスリット22に沿わせて配置する(図5A参照)。
【0023】
次に、ボルト部材131を締めて、ナット部材14を第1カバー11の対向部11bと第2カバー12の対向部12bに当接させる。そしてナット部材14により、両対向部11b、12bをスリット22の対向面22a、22bにそれぞれ押圧して、第1カバー11と第2カバー12を押止する(図5B参照)。
その後、補助具30を取り除く(図5C参照)。そして、ボルト部材131をさらに締め込んで、ボルト部材131の頭部131aを第1カバー11の上面部11a及び第2カバー12の上面部12aよりも内側(即ち、流路側)に位置させる(図5D参照)。
そして、頭部131aと第1カバー11の屈曲部11c及び第2カバー12の屈曲部12cとを溶接する(図5E参照)。図5Eにおいて、頭部131aと第1カバー11の屈曲部11cとの溶接部を符号30aで示し、頭部131aと第2カバー12の屈曲部12cとの溶接部を30bで示す。
【0024】
スリット保護装置300によれば、スリット保護装置200と同等の効果を奏するともに、ボルト部材131が第1カバー11及び第2カバー12に溶接されて固定されるため、外部からの衝撃等によりナット部材14による第1カバー11と第2カバー12の押止が解除されたとしても、ナット部材14が流路21内に脱落することが防止される。
【実施例4】
【0025】
本発明の更に他の実施例であるスリット保護装置400の分解図を図6Aに示し、スリット22に取り付けた状態のスリット保護装置400の断面図を図6Bに示す。なお、スリット保護装置1、200及び300と実質的に同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。スリット保護装置400は第1カバー11、第2カバー12、ボルト部40a、係合部40b、第1ナット部材41a及び第2ナット部材41bを備える。ボルト部40aは直径約6mmのM6ボルトであって、その長さは約12mmである。ボルト部40aは第1カバー11の対向部11bに溶接により立設されている。
係合部40bはボルト部40aの谷径と略同一の直径を有し、長さが約約5mmの円柱形の突起であって、第2カバー12の対向部12bに溶接により立設されている。ボルト部40aと係合部40bは第1カバー11の上面部11a及び第2カバー12の上面部12aに平行な仮想線42を軸として直線状に配置される。第1ナット部材41aの長さは約5mmである。第2ナット部材41bの長さは約12mmであって、第2ナット部材41bはいわゆる高ナットである。
【0026】
図6Bに示すように、スリット保護装置400は、第2ナット部材41bがボルト部40a及び係合部40bの両方に螺合して、第2ナット部材41bに螺入される量により、第1カバー11と第2カバー12との間隔が調整可能としている。第1ナット部材41aは第2ナット部材41bとともにボルト部40a及び係合部40bに螺入されていわゆるダブルナットとして緩み止め機能を奏する。第2ナット部材41bにボルト部40a及び係合部40bが十分螺入された状態で第1カバー11と第2カバー12をスリット22に設置し、第2ナット部材41bを回転させて係合部40bの螺入量をへらすことにより、第1カバー11及び第2カバー12がスリット22の対向面22a、22bにそれぞれ押圧されて、第1カバー11及び第2カバー12が横死されることとなる。
スリット保護装置400は様々な幅のスリット22を備える側溝に使用することができるため、汎用性の高い。また、取り付け作業が簡便となり、スリット保護装置400を容易に取り付けることができる。このようなスリット保護装置400によっても、スリット22の欠けやハイヒール等の踵部分がスリット22に入り込むことが防止される。
【0027】
この発明は上記発明の実施形態に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【産業上利用可能性】
【0028】
本発明のスリット保護装置は、スリットを備える側溝においてスリットを保護することに利用することができる。
【符号の説明】
【0029】
1、200、300、400 スリット保護装置
2 側溝
21 流路
22 スリット
11 第1カバー
12 第2カバー
11a、12a 上面部
11b、12b 対向部
11c、12c 屈曲部
13、130 ボルト部材
13a、130a 頭部
13b、130b軸部
14 ナット部材
40a 第1ボルト部
40b 係合部
41a 第1ナット部材
42b 第2ナット部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に流路を備え、上壁に該流路と連通する集水用のスリットを備える側溝に用いられ、前記スリットを保護するスリット保護装置であって、
前記スリットの第1側面と、前記側溝の上面における前記第1側面周縁部とを被覆し、前記スリットの長手方向に延びる第1カバーと、
前記スリットの前記第1側面に対向する第2側面と、前記側溝の上面における前記第2側面周縁部とを被覆し、前記スリットの長手方向に延びる第2カバーと、
前記第1カバーと前記第2カバーとの間に設けられ、前記第1カバーを前記第1側面に押止するとともに、前記第2カバーを前記第2側面に押止する、押止部材と、
を備えるスリット保護装置。
【請求項2】
前記押止部材はナット部材とボルト部材を備え、
前記ナット部材は、前記第1カバーと前記第2カバーとの間に嵌入して、前記ナット部材の前記第1カバー側の側面が前記第1カバーを前記スリットの第1側面に押圧し、前記ナット部材の前記第2カバー側の側面が前記第2カバーを前記スリットの第2側面に押圧し、
前記ボルト部材は、前記第1カバーと前記第2カバーとの間に係止され、前記ナット部に螺入して前記ナット部材の抜け落ちを防止する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のスリット保護装置。
【請求項3】
押止部材は前記ボルト部材の頭部を前記第1カバーと前記第2カバーとの間に係止する係止突起を備える、ことを特徴とする請求項2に記載のスリット保護装置。
【請求項4】
前記押止部材は前記スリットの幅方向に伸縮可能なねじ係合機構を備え、該ねじ係合機構は伸長状態において、前記第1カバーを前記スリットの第1側面に押圧し、前記ナット部材の前記第2カバー側の側面が前記第2カバーを前記スリットの第2側面に押圧することを特徴とする、請求項1に記載のスリット保護装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−275839(P2010−275839A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−132300(P2009−132300)
【出願日】平成21年6月1日(2009.6.1)
【出願人】(501002149)有限会社ダラーニ (4)
【Fターム(参考)】