スルフィナート基を含むオリゴマー及びポリマー、並びにその製造方法
【課題】スルフィナートアルキル化により、従来の方法では導入できない官能基を高分子スルフィナートに導入した膜の提供。
【解決手段】スルフィナート基SO2M、該スルフィナート基を含むポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、もしくはその他のスルフィナート基を含むポリマー形成物が(M=1価、2価、3価金属陽イオン、アンモニウムイオンNR4+(R=H、アルキル、アリール、イミダゾールイオン、ピラゾールイオン、もしくはピリジニウムイオン))、スルフィナート基とS−アルキル化する事を特徴とする変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【解決手段】スルフィナート基SO2M、該スルフィナート基を含むポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、もしくはその他のスルフィナート基を含むポリマー形成物が(M=1価、2価、3価金属陽イオン、アンモニウムイオンNR4+(R=H、アルキル、アリール、イミダゾールイオン、ピラゾールイオン、もしくはピリジニウムイオン))、スルフィナート基とS−アルキル化する事を特徴とする変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
文献から、低分子のスルフィナートがS-アルキル化もしくはO-アルキル化される事が知られている1。メチルスルフォンを形成する、スルフィナートのヨウ化メチルとのアルキル化が記述されている。スルフィナート基を含むポリマーがジハロゲンアルカン(Dihalogenalkanen)もしくはオリゴハロアルカン(Oligohalgenalkanen)とスルフィナート-S-アルキル化により共有結合架橋される事が知られている2,3。さらに、スルフィナート基を芳香族求核置換反応によってアルキル化する事が可能な事も知られている4。続けて、スルフィナート化の電子吸引基を含むオレフィン類へのマイケル−タイプ−付加が可能である事も知られている5。
【0002】
我々の知る限りでは、本発明の官能基(得に陰イオン交換基、陽イオン交換基、およびこれらの、架橋反応なしの非イオン性の前駆物質)をハロゲン化合物、もしくはスルトン、またはその他の、スルフィナート基と反応する求電子基(例えば電子吸引基を含むオレフィン類)とのスルフィナートアルキル化により本発明の調製方法を用いて高分子性スルフィナートへ導入する事はこれまで文献に記載されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】T. Okuyama, Sulfinate ions as nucleophiles, in “The Chemistry of Sulphinic Acids, Esters and their Derivatives (Ed. S. Patai), John Wiley and Sons, 1990, S. 639-664
【非特許文献2】J. Kerres, W. Zhang, W. Cui, J. Polym. Sci.: Part A: Polym. Chem. 36, 1441-1448 (1998)
【非特許文献3】Jochen Kerres, Wei Cui, Martin Junginger, J. Memb. Sci. 139, 227-241 (1998)
【非特許文献4】A. Ulman, E. Urankar, J. Org. Chem. 54, 4691-4692 (1989)
【非特許文献5】S. Oae, N. Kunieda, in Organic Chemistry of Sulfur (Ed. S. Oae), Plenum, New York, 1977, S. 625-637
【非特許文献6】Kerres et al., J. Polym. Sci., Part A°: Polym. Chem., 39, 2874-2888 (2001)
【発明の概要】
【0004】
スルフィナートポリマーがスルフィナート-S-アルキル化により多様に変異する事が驚くべきことに発見された。この反応により、他の方法では導入できない官能基をもポリマーに導入する事が可能である。発見された新たな反応の一部が図1に示されている。
第1のグループは、図2に例として示されているように、スルトンと高分子性スルフィナートに該当する。根本的にスルトンの選択に制限はない。いかなるスルトンの使用が可能である。ただし、4環、5環のスルトンは環応力が高いため、多環スルトン(6環とそれ以上)より反応性が高い。最も高い反応性は、図2に示すペルフルオロ化スルトンの様なペルフルオロ化小環式スルトン。ラクタム、ラクトン、スルタムそしてこれら構成要素からなる複合化合物は、スルフィナートと反応する事が出来る。
【0005】
第2の反応グループは、図3が例を示す様に、驚くべき事に可能である高分子性スルフィナートのハロゲンアリール-、ハロゲンアルキル-、ハロゲンベンジル-アンモニウム塩とこれらのホスホニウム塩とのアルキル化。
【0006】
ここで、根本的に、アンモニウム塩とホスホニウム塩の選択に制限はないが、高分子スルフィナートが溶解する有機溶媒(N,N-ジメチルホルムアミド DMF、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド DMAc、N,N-メチルピロリジノン NMP、ジメチルスルホキシド DMSO、またはスルホレン等の双極−非プロトン性溶媒)に溶解しやすいアンモニウム基/ホスホニウム基に長鎖アルキル基(プロピル基以上)またはフェニル基を含むアンモニウム塩とホスホニウム塩が優先される。スルフィナートポリマー溶液のアンモニウム塩/ホスホニウム塩との適合性のさらなる改良に、このポリマー溶液にスルフィナート基の陽イオンを錯化する18-クラウン-6、15-クラウン-5もしくは12-クラウン-4等のクラウンエーテルを添加する事が出来る。ハロゲンアルキル化合物、またはベンジル化合物のハロゲン脱離基ではスルフィナート基のアルキル化の反応性の順序は次の様に確認された:
I>>Br>Cl>>F。
ハロゲンアリール化合物のハロゲン脱離基ではスルフィナート基のアルキル化の反応性の順序は次の様に確認された:
F>>Cl>Br>I。
【0007】
高分子スルフィナートと反応する、さらなるハロゲン化合物は幾つかを図4に挙げているように、驚く事にハロゲン化第一、第二、第三脂肪族アミン、芳香族アミン、および/もしくはベンジルアミンとハロゲンベンジルアミンとこれらのハロゲン化水素である。
この際、アミノ基は、アミン保護基(Aminschutzgruppe)に因って保護されていても良い。さらに驚く事に、本発明の方法を用いて図4aと図4bに挙げられているように、イミダゾール基を取り組む事も可能である。図4aにはフッ素化アリールイミダゾールの誘導体と高分子スルフィナートの反応が、図4bにはハロゲンアルキルイミダゾールと高分子スルフィナートとの反応が示されている。
【0008】
第4の反応グループは、図5aに一部を挙げている様に、驚くべきことに可能である、スルフィナートとハロゲンアルキルスルフォナートもしくはハロゲンアリールスルフォナート、もしくはハロゲンベンジルスルフォナート、もしくはこれらのホスホン酸塩、カルボン酸塩、ボロネート、もしくはこれらの非イオン性の前駆物質とのS-アルキル化に関する。
その際、高分子スルフィナートの溶解に使用される有機溶媒に溶解し易い事と、スルフィナート基と不都合な相互作用を起こさない事から(例:イオン対の形成)、スルフォナート、ホスホン酸塩、そしてカルボン酸塩の非イオン性前駆物質(酸ハロゲン化物、酸エステル、酸アミド、酸イミド、酸無水物)が優先される。
場合に因っては、塩基の陽イオンを錯化させるために、高分子スルフィナート溶液とハロゲンアリールカルボン酸塩、ハロゲンアルキルカルボン酸塩、ハロゲンベンジルカルボン酸塩、もしくはハロゲンアリールホスホン酸塩、ハロゲンアルキルホスホン酸塩、ハロゲンベンジルホスホン酸塩、もしくはハロゲンアリールスルフォナート、ハロゲンアルキルスルフォナート、ハロゲンベンジルスルフォナート、もしくはハロゲンアリールボロネート、ハロゲンアルキルボロネート、ハロゲンベンジルボロネートにクラウンエーテルを組み入れる事が出来る。
【0009】
既に述べた様に、芳香族ハロゲン化物の内の芳香族フッ素化合物がS-アルキル化上スルフィナートと最も良く反応する。驚くべき事に、カルシウム化合物の反応化合物への添加、および/もしくは、形成されたポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、もしくは本発明のカルシウム化合物の水溶液との反応物からなるその他の形成体の後処理が、スルフィナート-S-アルキル化反応を促進する事が確認された。S-アルキル化の際に遊離するフッ化物陰イオンが、極度に難溶なカルシウムフロライドの形成を伴いながら、反応平衡から離脱すると推測する。
2 Ar-F + 2 MO2S-R´ + Ca2+ → 2 Ar-S(O)2-R´ +CaF2
S-アルキル化反応が有機溶液で行われる場合、次の例の様な、有機溶液に溶性のカルシウム化合物が好まれる:
・カルシウムアセチルアセトナート(ビス-(2,4-ペンタンジオナト)-カルシウム)=Calciumacetylacetonat (Bis-(2,4-pentandionato)-calcium)
・カルシウム−ビス−(6,6,7,7,8,8,8-ヘプタフルオロ-2,2-ジメチル-3,5-オクタンジオナト)=Calcium-bis-(6,6,7,7,8,8,8-heptafluor-2,2-dimethyl-3,5-octandionat)
・カルシウム-1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトナート=Calcium-1,1,1,5,5,5-hexafluoracetylacetonat
・カルシウムメチラート=Calciummethylat
・シュウ酸カルシウム=Calciumoxalat
・グルコン酸-D-カルシウム=Calcium-D-gluconat
・カルシウム-(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)=Calcium-(2,2,6,6-tetramethyl-3,5-heptandionat)
・カルシウムトリフラート(=トリフルオロメタンスルフォン酸カルシウム塩)=Calciumtriflat (Trifluormethansulfonsaure Calciumsalz)
【0010】
ただし、反応化合物内のカルシウムイオン濃度とフッ化物イオン濃度は、最小限でもカルシウムフロライドを沈殿させるので、幾数の反応においては、反応化合物に、使用する有機溶媒に難溶性のカルシウム塩を加えるだけで十分である。そこで、反応化合物にカルシウム鉱物塩を加える事が可能である:
カルシウムハロゲン化物、硫酸カルシウム、カルシウム硫酸水素、リン酸カルシウム、そしてリン酸カルシウム水素、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、そしてその他のカルシウム塩。
【0011】
S-アルキル化反応を完了させ、もう一方では反応の際に遊離する非常に毒性の高いフッ化物イオンをカルシウムイオンをもってCaF2として沈殿させ無害にするために、スルフィナートとアリールフッ素化合物のS-アルキル化の反応生成物をカルシウム塩の水溶液をもって後処理する事も有意義であり、これは工業生産上のプロセスにおいて重要である。
【0012】
反応生成物が有機溶液に無溶性なため、ジフッ素化芳香族スルフォン酸クロダイドとそれ以上のフッ素化芳香族スルフォン酸クロライドと高分子スルフィナートの反応の際に、同時に架橋反応が生じる事が驚くことに確認された。図5bに高分子Li-スルフィナートとペンタフルオロベンゼンスルホクロリド(Pentafluorbenzolsulfochlorid)の前提とする反応経過を挙げる。共有結合で架橋されたアイオノマー膜は、驚くべき低いイオン抵抗を驚くべき低い水膨潤性にて示す(実用例参照)。
【0013】
下記の混合物が高分子スルフィナートやオリゴマースルフィナートとの反応にて、得に高い化学安定性と、高温度でも低い膨潤性の架橋アイオノマー膜に成る事が思いがけなく確認された。
・低高分子のジフッ素化とそれ以上のフッ素化芳香族スルフォン酸ハロゲン化物、カルボン酸ハロゲン化物、またはホスホン酸ハロゲン化物、または相当する酸のその他の非イオン性前駆物質(エステル、アミド、イミド)
・過フッ素ジフェニルスルホン、過フッ素ベンゾフェノン、過フッ素トリフェニルホスフィンオキシド、過フッ素ジフェニル、過フッ素ジフェニルエーテル、そしてその他の過フッ素化芳香族混合物等(図5c)、低分子の過フッ素化芳香族化合物
【0014】
また驚くことに、高分子スルフィナートもしくはオリゴマースルフィナートと下記の低分子との混合物も、特に有利な性質を持つ共有結合の架橋アイオノマー膜に成る事が確認された:
・芳香族カルボン酸、ホスホン酸やスフホン酸のたはこれらの非イオン性前駆物質(酸ハロゲン化物、酸アミド、酸イミド、酸エステル)の低分子の過フッ素前駆物質もしくは部分フッ素過前駆物質
・ジハロゲンアルカン Hal(CH2)xHal (x=1-20, Hal=I, Br, Cl)
【0015】
さらに、思いがけなく、高分子スルフィナートとS-アルキル化反応する第5のグループは、図6に一部例が挙げられている、ヘタリールハロゲン化合物(Hetarylhalogenverbindungen)である。
本発明の反応に因り、スルフィナート基を含むポリマーに反応性色素を結合させられる事が特に思いがけなく確認された。図7にスルフィナート基とS-アルキル化反応する反応性色素の例を一部挙げる。ヘタ芳香族ハロゲン化合物(het(aromatische Halogenverbindungen))のS-アルキル反応に対する親和力の順序は、F>Cl>Br>Iである。この時、反応基はハロゲン基に限らず、仮装もしくは非仮装のビニルスルフォン基もしくはその他の不飽和オレフィン基も示す事が出来る。電子吸引基(例 スルフォン基、スルフォナート基、スルフォンアミド基、スルフォンイミド基、ニトロ基、ハロゲン基、ニトロソ基、カルボニル基、カルボキシル基)を含むオレフィンが優先される。
【0016】
図8に本発明に従って反応する反応性色素の例を示す。この様な反応性色素を使用して着色したポリマーの適応領域の一つは非線形光学である。これらのポリマーの利点は、本発明のアルキル化反応に因り、色素が永続的にポリマーに結合する事である。
さらなる驚くべき発見は、本発明の方法に因り、ポリマーに通常は導入できない官能基を組み込み事が出来る事である。これに因り、メタル化反応を通して、伝導性を示すメタル化可能なポリマーに官能基を組み入れる事が出来る(図9)(Kerres et al., J. Polym. Sci., Part A°: Polym. Chem., 39, 2874-2888 (2001)参照)。
これまでは、これらの官能基をメタル化反応不可なポリマーに組み入れることは不可能であった。メタル化反応不可なポリマーのグループの一つは、カルボニル基に有機金属化合物(例n-ブチルリチウム)が付加されてしまうため、ポリエーテルケトンである。本発明の方法に因り、導電性を持つグループのポリエーテルケトンへの組み入れの道が開かれる。これにはスルホクロリド基を含むポリエーテルケトンのスルホクロリド基を、例えば亜硫酸ナトリウムを用いてスルフィナート基に還元させる。このスルフィナート基をこの後、導電性官能基を含み、ハロゲンを含む化合物を用いてアルキル化させる事が出来る(図10)。
【0017】
さらなる驚くべき発見は、アルキル基を含むポリマーが低分子もしくは高分子スルフィナートとS-アルキル化にて反応する事である。本発明のアルキル化基の例は、次の通りである(Hal=F, Cl, Br, I):
・ハロゲンアルキル基 Hal-Al(Al=脂肪族基) Halogenalkylgruppen
・ハロゲンアリール基Hal-Ar Halogenarylgruppen
・ハロゲンベンジル基Hal-CH2-Ar Halogenbenzylgruppen
アルキル基を含む本発明のポリマーの例は特にハロゲンメチル化ポリマーである(例クロルメチル化ポリスチロール、ブロムエチル化ポリスルフォン)。
【0018】
さらなる驚くべき発見は、薄い膜(メンブラン)やその他の形成物も本発明のスルフィナート-S-アルキル化に因りスルフィナート基ポリマーから表面的もしくは大部分的(バルク)に変形が出来る事である:膜がアルキル化剤を含む適切な溶媒にて膨潤すると、膜もしくは形成物の全てのスルフィナート基のアルキル化が可能である;非膨潤状態では膜、もしくは形成物の表面のみがアルキル化で変形される(これには多孔性膜の内側の表面も含める)。
【0019】
さらに驚くべき事にこの反対のケースも可能である:アルキル化基を含む膜もしくは他の形成物は適切な、低分子もしくは高分子スルフィナート化合物を含む有機溶媒により膨潤する。表面的もしくは大部分(バルク)のアルキル化が可能である。
【0020】
さらに驚く事に、一度の処理にて、次の反応混合物を作る事で、場合により共有結合で架橋される薄い膜(メンブラン)や他の形成物をポリマーからスルフィナート-S-アルキル化を用いて一度の処理で作成する事が出来る:
1)スルフィナート基ポリマーを適切な溶媒にて溶解させる。次にこの溶媒にアルキル化剤もしくは異なるアルキル化剤の混合物を付加する。この時、アルキル化剤は2つもしくはそれ以上のアルキル化基を有する事が出来る(架橋剤)。この時、アルキル化剤はさらにその他の官能基、例えば陽イオン交換基やそれらの非イオン性前駆物質、または陰イオン交換基やそれらの非イオン性前駆物質を有する事が出来る。
2)アルキル化基を含むポリマー(例 ハロゲンメチル化ポリマー)を適切な溶媒にて溶解させる。次にこの溶媒に、1つもしくは複数のスルフィナート基を含む低分子もしくは高分子化合物を加える。この時、スルフィナートは、さらにその他の官能基、例えば陽イオン交換基やそれらの非イオン性前駆物質、または陰イオン交換基やそれらの非イオン性前駆物質を有することが出来る。
【0021】
反応化合物は、次の段階にて、土台の上で薄くのばされる(ガラスプレート、金属プレート、プラスチックプレート、布地、フリース)。その後、温度を上げそして/もしくは低圧をかけ、溶媒を蒸発させる。溶媒が蒸発している間にアルキル化反応が起る。
膜を共有結合で架橋させるには、反応化合物1)に、2つもしくはそれ以上のアルキル化基を含む高分子または低分子化合物を加えなければならない。本発明に沿って使用出来る高分子架橋剤の例の一つはハロメチル化ポリマー(halomethyliertes Polymer)である(クロルメチル化ポリスチロール、ブロームエチル化ポリスルホン)。低分子架橋剤の例を図11に挙げる。この際、架橋剤はスルフィナート基と反応する官能基に並んで、さらなる官能基、例えば塩基性や酸性官能基(図11)やこれらの前駆物質を示す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】スルフィナートポリマーのアルキル化剤との反応
【図2】スルトンと用いたスルフィナートアルキル化による高分子スルフィナートの変化
【図3】高分子スルフィナートとハロゲンアルキル-アンモニウム塩とハロゲンアルキル-ホスホニウム塩のアルキル化
【図4】高分子スルフィナートとハロゲンアルキルアミンそしてハロゲンアルキルハロゲン化水素
【図4a】芳香族フッ素化アリールイミダゾールの誘導体と高分子スルフィナートの反応
【図4b】ハロゲンアルキルイミダゾールと高分子スルフィナートとの反応
【図5a】ハロゲンアルキルスルフォナートもしくはハロゲンアリールスルフォナート、もしくはハロゲンベンジルスルフォナート、もしくはこれらのホスホン酸塩、カルボン酸塩、ボロネート、もしくはこれらの非イオン性の前駆物質のスルフィナートのS-アルキル化剤
【図5b】高分子Li-スルフィナートとペンタフッ素ベンゼンスルホクロリドの前提とする反応経過
【図5c】過フッ素化芳香族架橋剤
【図6】高分子スルフィナートのスルフィナート基と ハロゲンヘタリール化合物のアルキル化
【図7】スルフィナート基と反応が可能な色素物の反応性基
【図8】スルフィナート基を含むポリマーと反応する反応性色素の例
【図9】Polysulfon Udel(登録商標)に伝導性基の組み入れる
【図10】スルフィナート化ポリエーテルケトンに伝導性官能基を組み入れる
【図11】本発明の架橋剤の例
【実施例】
【0023】
1. ポリスルホン-リチウムスルフィナート(Polysulfon-Lithiumsulfinat)と(3-ブロムプロピル)トリメチル臭化アンモニウム (3-Brompropyl)trimethzlammoniumbromid)の反応
ジメチルスルホキシドDMSO中5重量%のPSU-リチウムスルフィナート溶解10g(構造単位の繰り返し毎に1スルフィナート基)と、DMSO中5重量%の(3-ブロムプロピル)トリメチル臭化アンモニウム10,179gを攪拌しながら混合させる。この混合物を密封したガラスビンに48時間温度80度で乾燥棚に保管する。その後、溶液をガラス皿に注ぎ、溶液を蒸発させる。その後、ガラス皿内の薄い膜をはがし、次の様に処理する:
10%の水溶NaOH中、室温で24時間
水中、60℃で24時間
【0024】
2. ポリスルホン−リチウムスルフィナート(Polysulfon-Lithiumsulfinat)と(3-ブロムプロピル)トリフェニル臭化ホスホニウム (3-Brompropyl)triphenylphosphoniumbromid)の反応
ジメチルスルホキシドDMSO中5重量%のPSU−リチウムスルフィナート溶液10g(構造単位の繰り返し毎に1スルフィナート基)と、DMSO中5重量%の(3-ブロムプロピル)トリフェニル臭化ホスホニウム18,104gを攪拌しながら混合させる。この混合物を密封したガラスビンに48時間温度80度で乾燥棚に保管する。その後、溶液をガラス皿に注ぎ、溶液を蒸発させる。その後、ガラス皿内の薄い膜をはがし、次の様に処理する:
10%の水溶NaOH中、室温で24時間
水中、60℃で24時間
【0025】
3. ポリスルホン−リチウムスルフィナート(Polysulfon-Lithiumsulfinat)と2−クロルメチルベンズイミダゾール (2-Chlormethylbenzimidazol)の反応
N-メチルピロリジノン中10重量%のPSU−リチウムスルフィナート溶液5g(構造単位の繰り返し毎に1スルフィナート基)と、DMSO中5重量%の2-クロルメチルベンズイミダゾール0,325gを攪拌しながら混合させる。この混合物を密封したガラスビンに48時間温度80度で乾燥棚に保管する。ここで透明な溶液ができる。その後、溶液をガラス皿に注ぎ、溶液を蒸発させる。その後、ガラス皿内の薄い膜をはがし、次の様に処理する:
10%の水溶NaOH中、室温で24時間
水中、60℃で24時間
【0026】
4. ポリスルホン−リチウムスルフィナートとCibacron(登録商標) Brilliantgelb C. I. 18972の反応
ジメチルスルホキシドDMSO中5重量%のPSU−リチウムスルフィナート溶液10g(構造単位の繰り返し毎に1スルフィナート基)と、1,7gのCibacron(登録商標) Brilliantgelb C. I. 18972を攪拌しながら混合させる。この混合物を密封したガラスビンに48時間温度80度で乾燥棚に保管する。その後、溶液をガラス皿に注ぎ、溶液を蒸発させる。その後、ガラス皿内の薄い膜をはがし、次の様に処理する:
7%の水溶HCl中、90℃で24時間
水中、60℃で24時間
【0027】
5. ポリスルホン−リチウムスルフィナートとCibacron(登録商標) Brilliantrot C. I. 18105の反応
ジメチルスルホキシドDMSO中5重量%のPSU−リチウムスルフィナート溶液10g(構造単位の繰り返し毎に1スルフィナート基)と、3,88gのCibacron(登録商標) Brilliantrot C. I. 18105を攪拌しながら混合させる。この混合物を密封したガラスビンに48時間温度80度で乾燥棚に保管する。その後、溶液をガラス皿に注ぎ、溶媒を蒸発させる。その後、ガラス皿内の薄い膜をはがし、次の様に処理する:
7%の水溶HCl中、90℃で24時間
水中、60℃で24時間
【0028】
6. 共有結合架橋陰イオン交換膜と第4アンモニウム塩
N-メチルピロリジノン(NMP)中15重量%のPSU(SO2Li)2溶液(PSU−構造単位の繰り返し毎に2スルフィナート基)11gと0,51gの(3-ブロムプロピル)トリメチル臭化アンモニウムを塩物が溶解するまで軽く暖め、攪拌しながら混合させる。その後、溶液に1,4,ジヨードブタン(架橋剤)を0,38ml、そしてNMPを5g足す。
反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、真空乾燥棚内で140−150度で、始めは700mbarで、その後は<10mbarで蒸発させる。膜が作成される間、アルキル化反応が起る。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
1NのNaOH中、室温−90℃で48時間
水中、室温−60℃で48時間
【0029】
7. 共有結合架橋陰イオン交換膜と第4ホスホニウム塩
N-メチルピロリジノン(NMP)中15重量%のPSU(SO2Li)2溶液(PSU−構造単位の繰り返し毎に2スルフィナート基)9,94gと1,026gの(3-ブロムプロピル)トリフェニル臭化ホスホニウムを低分子の塩物が溶解するまで軽く暖め、攪拌しながら混合させる。その後、溶液に1,4,ジヨードブタン(架橋剤)を0,34ml、そしてNMPを5g足す。
反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、真空乾燥棚内で140−150度で、始めは700mbarで、その後は<10mbarで蒸発させる。膜が作成される間、アルキル化反応が起る。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
1NのNaOH中、室温−90℃で48時間
水中、室温−60℃で48時間
【0030】
8. (2−ブロムエチル)スルフォン酸Na塩((2-Bromethyl)sulfonsaeure Na salz)とPSU−スルフィナートから成る共有結合架橋陽イオン交換膜
N-メチルピロリジノン(NMP)中15重量%のPSU(SO2Li)2溶液(PSU−構造単位の繰り返し毎に2スルフィナート基)6,67gと0,38gの(2-ブロムエチル)スルフォン酸Na塩を低分子の塩物が溶解するまで軽く暖め、攪拌しながら混合させる。その後、溶液に1,4,ジヨードブタン(架橋剤)を0,05ml、そしてNMPを8g足す。
反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、真空乾燥棚内で140−150度で、始めは700mbarで、その後は<10mbarで蒸発させる。膜が作成される間、アルキル化反応が起る。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−60度で48時間
【0031】
9. (2-クロロエタン)塩化スルホン酸((2-Chlorethan)sulfonsaeurechlorid)とPSU−スルフィナートから成る共有結合架橋陽イオン交換膜
N-メチルピロリジノン(NMP)中15重量%のPSU(SO2Li)2溶液(PSU−構造単位の繰り返し毎に2スルフィナート基)6,67gと((2-クロロエタン)塩化スルホン酸(2-Chlorethan)sulfonsaeurechlorid)0,545gを低分子のスルホクロリドが溶解するまで軽く暖め、攪拌しながら混合させる。その後、溶液に1,4,ジヨードブタン(架橋剤)を0,05mlそしてNMPを8g足す。
反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、真空乾燥棚内で140−150度で、始めは700mbarで、その後は<10mbarで蒸発させる。膜が作成される間、アルキル化反応が起る。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する。これに因りスルホクロリドがスルホン酸に加水分解する:
10%のHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−60℃で48時間
【0032】
10. (2−ブロムエタン)ホスホン酸ジエチルエステル((2-Bromethan)phosphonsaeurediethylester)とPSU−スルフィナートから成る共有結合架橋陽イオン交換膜
N-メチルピロリジノン(NMP)中15重量%のPSU(SO2Li)2溶液(PSU−構造単位の繰り返し毎に2スルフィナート基)6,67gと0,819gの(2-ブロムエタン)ホスホン酸ジエチルエステル((2-Bromethan)phosphonsaeurediethylester)を低分子のエステルが溶解するまで軽く暖め、攪拌しながら混合させる。その後、溶液に1,4,ジヨードブタン(架橋剤)を0,05ml、そしてNMPを8g足す。
反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、真空乾燥棚内で140−150度で、始めは700mbarで、その後は<10mbarで蒸発させる。膜が作成される間、アルキル化反応が起る。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する。これに因りホスホン酸エステルがホスホン酸に加水分解する:
10%のNaOH中、室温−90度で48時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−60℃で48時間
【0033】
11. 4-フルオロベンゼンスルホクロリド(4-Fluorbenzolsulfochlorid)とカルシウムトリフルオロメタンスルフォナート (Calciumtrifluormethansulfonat)のアイオノマー膜
RadelR(SO2Li)2を3g、NMP 17gに溶解する。次に溶液に1,184gのカルシウム3フルオロメタンスルフォナート(Calciumtriflat)、その後3,32gの4-フルオロベンゼンスルホクロリドを加える。溶液が透明になるまで攪拌する。芳香族求核置換反応の開始は粘度性の上昇により確認できる。反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する。
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で24時間
水中、室温−90℃で48時間
【0034】
12. ペンタフルオロベンゼン塩化スルフォン酸(Pentafluorbenzolsufonsauerechlorid)のアイオノマーブレンド膜(Membran 1296)
次のポリマーをNMP中15%重量に溶解する:
2,258 g PSU(SO2Li)2
0,828 g Radel R(SO2Li)1
1,805 g sPEKCl (IEC=3,49 meq SO3H/g 加水分解後)
1,335 g sPEEKCl (IEC=1,8 meq SO3H/g 加水分解後)
その後、ポリマー溶液に1,843gペンタフルオロベンゼン塩化スルフォン酸を加える。均質化するまで攪拌する。 その後0,75gの ビス(4-フルオロフェニル)スルホン)(Bis(4-fluorphenyl)sulfon)を加え、溶解させる。反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
10%のNaOH中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
この時、後処理段階を省略する事も、又は順序を変更する事も出来る。
ペンタフルオロベンゼン塩化スルフォン酸の代わりに、ジフルオロベンゼン塩化スルフォン酸、トリフルオロベンゼン塩化スルフォン酸、テトラフルオロベンゼン塩化スルフォン酸等、他のフッ化フルオロベンゼン塩化スルフォン酸(fluorierte Fluorbenzolsulfonsaeurechloride)やフルオロ塩化ベンゾイル(Fluorbenzoylchloride)を等モル量、もしくは過剰に加える事が出来る。さらに、ビス(3-ニトロ-4-フルオロフェニル)スルホン(Bis(3-nitro-4-fluorophenyl)sulfon)、ビス(4-フロロフェニル)フェニルホスフィンオキサイド( Bis(4-fluorophenyl)phenylphosphinoxid)、又は相応した架橋剤とスルホハロゲン化基ビス(3-クロロスルホ-4-フルオロフェニル)スルホン(Bis(3-chlorsulfo-4-fluorphenyl)sulfon等、他の架橋剤を加える事も出来る。さらに、ジハロアルカンやハロゲン化ベンジルを加える事も出来る。
特性結果:
IEC (meq SO3H/g): 1,52
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm): 13,33
SW 25℃ (%): 108,6
SW 90℃ (%): 190
【0035】
13. 異なるフッ化ベンゼン塩化スルホン酸(fluorierte Benzolsulfonsaeurechloride)のアイオノマー膜
高分子スルフィナートをNMPに溶解する(表1参照)。これにフッ化ベンゼン塩化スルホン酸、又は塩化フルオロベンゼンを加える(表1参照)。均質化するまで攪拌する。 反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
10%のNaOH中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
この時、後処理段階を省略する事も、又は順序を変更する事も出来る。
【0036】
【表1】
b. Polysulfon Udel (製作者BP Amoco)
c. Polyphenylsulfon Radel R (製作者 BP Amoco)
d. Poly(etheretherketon) (製作者 Victrex)
【0037】
14. 異なるペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸(fluorierte Pentafluorbenzolsulfonsaeurechlorid)と付け加え架橋剤のアイオノマー膜
高分子スルフィナートを3g、NMPに溶解する(表2参照)。これにペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸を1,95g加える(表2参照)。さらに芳香族架橋剤を加える。均質化するまで攪拌する。反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
10%のNaOH中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
この時、後処理段階を省略する事も、又は順序を変更する事も出来る。
【0038】
【表2】
b. Polysulfon Udel (製造者 BP Amoco)
【0039】
驚くことに、反応混合物に、さらにカルシウム塩をスルフィナート基に対し等モル量付加すると、反応がさらに加速する事が確認された。これは求核置換反応の際に生成されるフッ化物イオンが、フッ化カルシウムの沈殿により、反応平衡から遠ざかる事に因ると推測する。フッ化カルシウムが生成された場合、これらは膜マトリックスに残り、結果として膜の熱抵抗と機械抵抗を向上させる。例13と例14の反応において使用可能なカルシウム塩は、NMPとその他の双極−非プロトン性溶媒に溶性なカルシウムトリフラート(Calciumtriflat)である。
【0040】
15. ペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸(Petanfluorbenzolsulfonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1289)
PSU(SO2Li)2を3g NMPに溶解する。これにペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸を2,5g加える。均質化するまで攪拌する。 反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g): 0,89
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm): 38,05
SW 25℃ (%): 24,6
SW 90℃ (%): 32,6
【0041】
16. 2,6-ジフルオロベンゼン塩化スルホン酸(2,6-Difluorbenzolsufonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1297)
PSU(SO2Li)2を3g NMPに溶解する。これに2,6-ジフルオロベンゼン塩化スルホン酸を3,06g加える。均質化するまで攪拌する。反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g): 0,29
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm): 67,8
SW 25℃ (%): 13,8
SW 90℃ (%): 25,5
【0042】
17. 2,3,4-トリフルオロベンゼン塩化スルホン酸(2,3,4-Trifluorbenzolsulfonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1289)
PSU(SO2Li)2を3g NMPに溶解する。これに2,3,4-フルオロベンゼン塩化スルホン酸を3,32g加える。均質化するまで攪拌する。 反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g): 0,10
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm): 21,8
SW 25℃ (%): 14,8
SW 90℃ (%): 45,6
【0043】
18. ペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸(Pentafluorbenzolsulfonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1299)
PSU(SO2Li)2を3g NMPに溶解する。これにペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸を1,92g加える。均質化するまで攪拌する。 反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g): 0,99
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm): 26,1
SW 25℃ (%): 14,8
SW 90℃ (%): 44
【0044】
19. フペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸 (Pentafluorbenzolsulfonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1300)
PSU(SO2Li)2を3g NMPに溶解する。これにペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸を1,92g加え、次にカルシウムトリフッ化スルフォナートを1,184g加える。均質化するまで攪拌する。反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g): 1.01
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm): 12,2
SW 25℃ (%): 27
SW 90℃ (%): 69,6
【0045】
20. ペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸(Pentafluorbenzolsulfonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1301)
PSU(SO2Li)2を3g NMPに溶解する。これにペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸を3,84g加える。均質化するまで攪拌する。反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g): 1.25
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm): 8,3
SW 25℃ (%): 41,4
SW 90℃ (%): 136
【0046】
21. ペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸(Pentafluorbenzolsulfonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1302)
PSU(SO2Li)2を2,693g NMPに溶解する。これにペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸を3,45g加え、次にビス(3−ニトロー4−フルオロフェニル)スルフォン(Bis(3-nitro-4-fluorphenyl)sulfon)を0,5g加える。均質化するまで攪拌する。 反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g): 1.16
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm): 7,5
SW 25℃ (%): 30,8
SW 90℃ (%): 207,8
【0047】
22. ペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸(Pentafluorbenzolsulfonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1307)
RadelR(SO2Li)1を2,822g NMPに溶解する。これにペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸を1,79g加える。均質化するまで攪拌する。 反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g):
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm): 36,8
SW 25℃ (%):
SW 90℃ (%):
【0048】
23. ペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸(Pentafluorbenzolsulfonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1309)
RadelR(SO2Li)2 を3g NMPに溶解する。これにペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸を2ml加える。均質化するまで攪拌する。反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g):
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm):
SW 25℃ (%):
SW 90℃ (%):
【0049】
24. ペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸(Pentafluorbenzolsulfonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1310)
PEEK(SO2Li)0,5(SO3Li)0,5を3g NMPに溶解する。これにペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸を0,5ml加える。均質化するまで攪拌する。反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g):
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm):
SW 25℃ (%):
SW 90℃ (%):
【0050】
25. ペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸(Pentafluorbenzolsulfonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1312)
RadelR(SO2Li)2を4g NMPに溶解する。これにペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸を2,2ml加え、次にデカフルオロベンゾフェノンを1,337gを加える。均質化するまで攪拌する。反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果
IEC (meq SO3H/g):
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm):
SW 25℃ (%):
SW 90℃ (%):
【0051】
26.デカフルオロベンゾフェノン(Decafluorbenzophenon)のアイオノマー膜(Membran 1313)
PEEK(SO2Li)0,5(SO3Li)0,5を4,486g NMPに溶解する。これにデカフルオロベンゾフェノンを0,235g加える。均質化するまで攪拌する。反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g):
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm):
SW 25℃ (%):
SW 90℃ (%):
【背景技術】
【0001】
文献から、低分子のスルフィナートがS-アルキル化もしくはO-アルキル化される事が知られている1。メチルスルフォンを形成する、スルフィナートのヨウ化メチルとのアルキル化が記述されている。スルフィナート基を含むポリマーがジハロゲンアルカン(Dihalogenalkanen)もしくはオリゴハロアルカン(Oligohalgenalkanen)とスルフィナート-S-アルキル化により共有結合架橋される事が知られている2,3。さらに、スルフィナート基を芳香族求核置換反応によってアルキル化する事が可能な事も知られている4。続けて、スルフィナート化の電子吸引基を含むオレフィン類へのマイケル−タイプ−付加が可能である事も知られている5。
【0002】
我々の知る限りでは、本発明の官能基(得に陰イオン交換基、陽イオン交換基、およびこれらの、架橋反応なしの非イオン性の前駆物質)をハロゲン化合物、もしくはスルトン、またはその他の、スルフィナート基と反応する求電子基(例えば電子吸引基を含むオレフィン類)とのスルフィナートアルキル化により本発明の調製方法を用いて高分子性スルフィナートへ導入する事はこれまで文献に記載されていない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】T. Okuyama, Sulfinate ions as nucleophiles, in “The Chemistry of Sulphinic Acids, Esters and their Derivatives (Ed. S. Patai), John Wiley and Sons, 1990, S. 639-664
【非特許文献2】J. Kerres, W. Zhang, W. Cui, J. Polym. Sci.: Part A: Polym. Chem. 36, 1441-1448 (1998)
【非特許文献3】Jochen Kerres, Wei Cui, Martin Junginger, J. Memb. Sci. 139, 227-241 (1998)
【非特許文献4】A. Ulman, E. Urankar, J. Org. Chem. 54, 4691-4692 (1989)
【非特許文献5】S. Oae, N. Kunieda, in Organic Chemistry of Sulfur (Ed. S. Oae), Plenum, New York, 1977, S. 625-637
【非特許文献6】Kerres et al., J. Polym. Sci., Part A°: Polym. Chem., 39, 2874-2888 (2001)
【発明の概要】
【0004】
スルフィナートポリマーがスルフィナート-S-アルキル化により多様に変異する事が驚くべきことに発見された。この反応により、他の方法では導入できない官能基をもポリマーに導入する事が可能である。発見された新たな反応の一部が図1に示されている。
第1のグループは、図2に例として示されているように、スルトンと高分子性スルフィナートに該当する。根本的にスルトンの選択に制限はない。いかなるスルトンの使用が可能である。ただし、4環、5環のスルトンは環応力が高いため、多環スルトン(6環とそれ以上)より反応性が高い。最も高い反応性は、図2に示すペルフルオロ化スルトンの様なペルフルオロ化小環式スルトン。ラクタム、ラクトン、スルタムそしてこれら構成要素からなる複合化合物は、スルフィナートと反応する事が出来る。
【0005】
第2の反応グループは、図3が例を示す様に、驚くべき事に可能である高分子性スルフィナートのハロゲンアリール-、ハロゲンアルキル-、ハロゲンベンジル-アンモニウム塩とこれらのホスホニウム塩とのアルキル化。
【0006】
ここで、根本的に、アンモニウム塩とホスホニウム塩の選択に制限はないが、高分子スルフィナートが溶解する有機溶媒(N,N-ジメチルホルムアミド DMF、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド DMAc、N,N-メチルピロリジノン NMP、ジメチルスルホキシド DMSO、またはスルホレン等の双極−非プロトン性溶媒)に溶解しやすいアンモニウム基/ホスホニウム基に長鎖アルキル基(プロピル基以上)またはフェニル基を含むアンモニウム塩とホスホニウム塩が優先される。スルフィナートポリマー溶液のアンモニウム塩/ホスホニウム塩との適合性のさらなる改良に、このポリマー溶液にスルフィナート基の陽イオンを錯化する18-クラウン-6、15-クラウン-5もしくは12-クラウン-4等のクラウンエーテルを添加する事が出来る。ハロゲンアルキル化合物、またはベンジル化合物のハロゲン脱離基ではスルフィナート基のアルキル化の反応性の順序は次の様に確認された:
I>>Br>Cl>>F。
ハロゲンアリール化合物のハロゲン脱離基ではスルフィナート基のアルキル化の反応性の順序は次の様に確認された:
F>>Cl>Br>I。
【0007】
高分子スルフィナートと反応する、さらなるハロゲン化合物は幾つかを図4に挙げているように、驚く事にハロゲン化第一、第二、第三脂肪族アミン、芳香族アミン、および/もしくはベンジルアミンとハロゲンベンジルアミンとこれらのハロゲン化水素である。
この際、アミノ基は、アミン保護基(Aminschutzgruppe)に因って保護されていても良い。さらに驚く事に、本発明の方法を用いて図4aと図4bに挙げられているように、イミダゾール基を取り組む事も可能である。図4aにはフッ素化アリールイミダゾールの誘導体と高分子スルフィナートの反応が、図4bにはハロゲンアルキルイミダゾールと高分子スルフィナートとの反応が示されている。
【0008】
第4の反応グループは、図5aに一部を挙げている様に、驚くべきことに可能である、スルフィナートとハロゲンアルキルスルフォナートもしくはハロゲンアリールスルフォナート、もしくはハロゲンベンジルスルフォナート、もしくはこれらのホスホン酸塩、カルボン酸塩、ボロネート、もしくはこれらの非イオン性の前駆物質とのS-アルキル化に関する。
その際、高分子スルフィナートの溶解に使用される有機溶媒に溶解し易い事と、スルフィナート基と不都合な相互作用を起こさない事から(例:イオン対の形成)、スルフォナート、ホスホン酸塩、そしてカルボン酸塩の非イオン性前駆物質(酸ハロゲン化物、酸エステル、酸アミド、酸イミド、酸無水物)が優先される。
場合に因っては、塩基の陽イオンを錯化させるために、高分子スルフィナート溶液とハロゲンアリールカルボン酸塩、ハロゲンアルキルカルボン酸塩、ハロゲンベンジルカルボン酸塩、もしくはハロゲンアリールホスホン酸塩、ハロゲンアルキルホスホン酸塩、ハロゲンベンジルホスホン酸塩、もしくはハロゲンアリールスルフォナート、ハロゲンアルキルスルフォナート、ハロゲンベンジルスルフォナート、もしくはハロゲンアリールボロネート、ハロゲンアルキルボロネート、ハロゲンベンジルボロネートにクラウンエーテルを組み入れる事が出来る。
【0009】
既に述べた様に、芳香族ハロゲン化物の内の芳香族フッ素化合物がS-アルキル化上スルフィナートと最も良く反応する。驚くべき事に、カルシウム化合物の反応化合物への添加、および/もしくは、形成されたポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、もしくは本発明のカルシウム化合物の水溶液との反応物からなるその他の形成体の後処理が、スルフィナート-S-アルキル化反応を促進する事が確認された。S-アルキル化の際に遊離するフッ化物陰イオンが、極度に難溶なカルシウムフロライドの形成を伴いながら、反応平衡から離脱すると推測する。
2 Ar-F + 2 MO2S-R´ + Ca2+ → 2 Ar-S(O)2-R´ +CaF2
S-アルキル化反応が有機溶液で行われる場合、次の例の様な、有機溶液に溶性のカルシウム化合物が好まれる:
・カルシウムアセチルアセトナート(ビス-(2,4-ペンタンジオナト)-カルシウム)=Calciumacetylacetonat (Bis-(2,4-pentandionato)-calcium)
・カルシウム−ビス−(6,6,7,7,8,8,8-ヘプタフルオロ-2,2-ジメチル-3,5-オクタンジオナト)=Calcium-bis-(6,6,7,7,8,8,8-heptafluor-2,2-dimethyl-3,5-octandionat)
・カルシウム-1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトナート=Calcium-1,1,1,5,5,5-hexafluoracetylacetonat
・カルシウムメチラート=Calciummethylat
・シュウ酸カルシウム=Calciumoxalat
・グルコン酸-D-カルシウム=Calcium-D-gluconat
・カルシウム-(2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナト)=Calcium-(2,2,6,6-tetramethyl-3,5-heptandionat)
・カルシウムトリフラート(=トリフルオロメタンスルフォン酸カルシウム塩)=Calciumtriflat (Trifluormethansulfonsaure Calciumsalz)
【0010】
ただし、反応化合物内のカルシウムイオン濃度とフッ化物イオン濃度は、最小限でもカルシウムフロライドを沈殿させるので、幾数の反応においては、反応化合物に、使用する有機溶媒に難溶性のカルシウム塩を加えるだけで十分である。そこで、反応化合物にカルシウム鉱物塩を加える事が可能である:
カルシウムハロゲン化物、硫酸カルシウム、カルシウム硫酸水素、リン酸カルシウム、そしてリン酸カルシウム水素、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、そしてその他のカルシウム塩。
【0011】
S-アルキル化反応を完了させ、もう一方では反応の際に遊離する非常に毒性の高いフッ化物イオンをカルシウムイオンをもってCaF2として沈殿させ無害にするために、スルフィナートとアリールフッ素化合物のS-アルキル化の反応生成物をカルシウム塩の水溶液をもって後処理する事も有意義であり、これは工業生産上のプロセスにおいて重要である。
【0012】
反応生成物が有機溶液に無溶性なため、ジフッ素化芳香族スルフォン酸クロダイドとそれ以上のフッ素化芳香族スルフォン酸クロライドと高分子スルフィナートの反応の際に、同時に架橋反応が生じる事が驚くことに確認された。図5bに高分子Li-スルフィナートとペンタフルオロベンゼンスルホクロリド(Pentafluorbenzolsulfochlorid)の前提とする反応経過を挙げる。共有結合で架橋されたアイオノマー膜は、驚くべき低いイオン抵抗を驚くべき低い水膨潤性にて示す(実用例参照)。
【0013】
下記の混合物が高分子スルフィナートやオリゴマースルフィナートとの反応にて、得に高い化学安定性と、高温度でも低い膨潤性の架橋アイオノマー膜に成る事が思いがけなく確認された。
・低高分子のジフッ素化とそれ以上のフッ素化芳香族スルフォン酸ハロゲン化物、カルボン酸ハロゲン化物、またはホスホン酸ハロゲン化物、または相当する酸のその他の非イオン性前駆物質(エステル、アミド、イミド)
・過フッ素ジフェニルスルホン、過フッ素ベンゾフェノン、過フッ素トリフェニルホスフィンオキシド、過フッ素ジフェニル、過フッ素ジフェニルエーテル、そしてその他の過フッ素化芳香族混合物等(図5c)、低分子の過フッ素化芳香族化合物
【0014】
また驚くことに、高分子スルフィナートもしくはオリゴマースルフィナートと下記の低分子との混合物も、特に有利な性質を持つ共有結合の架橋アイオノマー膜に成る事が確認された:
・芳香族カルボン酸、ホスホン酸やスフホン酸のたはこれらの非イオン性前駆物質(酸ハロゲン化物、酸アミド、酸イミド、酸エステル)の低分子の過フッ素前駆物質もしくは部分フッ素過前駆物質
・ジハロゲンアルカン Hal(CH2)xHal (x=1-20, Hal=I, Br, Cl)
【0015】
さらに、思いがけなく、高分子スルフィナートとS-アルキル化反応する第5のグループは、図6に一部例が挙げられている、ヘタリールハロゲン化合物(Hetarylhalogenverbindungen)である。
本発明の反応に因り、スルフィナート基を含むポリマーに反応性色素を結合させられる事が特に思いがけなく確認された。図7にスルフィナート基とS-アルキル化反応する反応性色素の例を一部挙げる。ヘタ芳香族ハロゲン化合物(het(aromatische Halogenverbindungen))のS-アルキル反応に対する親和力の順序は、F>Cl>Br>Iである。この時、反応基はハロゲン基に限らず、仮装もしくは非仮装のビニルスルフォン基もしくはその他の不飽和オレフィン基も示す事が出来る。電子吸引基(例 スルフォン基、スルフォナート基、スルフォンアミド基、スルフォンイミド基、ニトロ基、ハロゲン基、ニトロソ基、カルボニル基、カルボキシル基)を含むオレフィンが優先される。
【0016】
図8に本発明に従って反応する反応性色素の例を示す。この様な反応性色素を使用して着色したポリマーの適応領域の一つは非線形光学である。これらのポリマーの利点は、本発明のアルキル化反応に因り、色素が永続的にポリマーに結合する事である。
さらなる驚くべき発見は、本発明の方法に因り、ポリマーに通常は導入できない官能基を組み込み事が出来る事である。これに因り、メタル化反応を通して、伝導性を示すメタル化可能なポリマーに官能基を組み入れる事が出来る(図9)(Kerres et al., J. Polym. Sci., Part A°: Polym. Chem., 39, 2874-2888 (2001)参照)。
これまでは、これらの官能基をメタル化反応不可なポリマーに組み入れることは不可能であった。メタル化反応不可なポリマーのグループの一つは、カルボニル基に有機金属化合物(例n-ブチルリチウム)が付加されてしまうため、ポリエーテルケトンである。本発明の方法に因り、導電性を持つグループのポリエーテルケトンへの組み入れの道が開かれる。これにはスルホクロリド基を含むポリエーテルケトンのスルホクロリド基を、例えば亜硫酸ナトリウムを用いてスルフィナート基に還元させる。このスルフィナート基をこの後、導電性官能基を含み、ハロゲンを含む化合物を用いてアルキル化させる事が出来る(図10)。
【0017】
さらなる驚くべき発見は、アルキル基を含むポリマーが低分子もしくは高分子スルフィナートとS-アルキル化にて反応する事である。本発明のアルキル化基の例は、次の通りである(Hal=F, Cl, Br, I):
・ハロゲンアルキル基 Hal-Al(Al=脂肪族基) Halogenalkylgruppen
・ハロゲンアリール基Hal-Ar Halogenarylgruppen
・ハロゲンベンジル基Hal-CH2-Ar Halogenbenzylgruppen
アルキル基を含む本発明のポリマーの例は特にハロゲンメチル化ポリマーである(例クロルメチル化ポリスチロール、ブロムエチル化ポリスルフォン)。
【0018】
さらなる驚くべき発見は、薄い膜(メンブラン)やその他の形成物も本発明のスルフィナート-S-アルキル化に因りスルフィナート基ポリマーから表面的もしくは大部分的(バルク)に変形が出来る事である:膜がアルキル化剤を含む適切な溶媒にて膨潤すると、膜もしくは形成物の全てのスルフィナート基のアルキル化が可能である;非膨潤状態では膜、もしくは形成物の表面のみがアルキル化で変形される(これには多孔性膜の内側の表面も含める)。
【0019】
さらに驚くべき事にこの反対のケースも可能である:アルキル化基を含む膜もしくは他の形成物は適切な、低分子もしくは高分子スルフィナート化合物を含む有機溶媒により膨潤する。表面的もしくは大部分(バルク)のアルキル化が可能である。
【0020】
さらに驚く事に、一度の処理にて、次の反応混合物を作る事で、場合により共有結合で架橋される薄い膜(メンブラン)や他の形成物をポリマーからスルフィナート-S-アルキル化を用いて一度の処理で作成する事が出来る:
1)スルフィナート基ポリマーを適切な溶媒にて溶解させる。次にこの溶媒にアルキル化剤もしくは異なるアルキル化剤の混合物を付加する。この時、アルキル化剤は2つもしくはそれ以上のアルキル化基を有する事が出来る(架橋剤)。この時、アルキル化剤はさらにその他の官能基、例えば陽イオン交換基やそれらの非イオン性前駆物質、または陰イオン交換基やそれらの非イオン性前駆物質を有する事が出来る。
2)アルキル化基を含むポリマー(例 ハロゲンメチル化ポリマー)を適切な溶媒にて溶解させる。次にこの溶媒に、1つもしくは複数のスルフィナート基を含む低分子もしくは高分子化合物を加える。この時、スルフィナートは、さらにその他の官能基、例えば陽イオン交換基やそれらの非イオン性前駆物質、または陰イオン交換基やそれらの非イオン性前駆物質を有することが出来る。
【0021】
反応化合物は、次の段階にて、土台の上で薄くのばされる(ガラスプレート、金属プレート、プラスチックプレート、布地、フリース)。その後、温度を上げそして/もしくは低圧をかけ、溶媒を蒸発させる。溶媒が蒸発している間にアルキル化反応が起る。
膜を共有結合で架橋させるには、反応化合物1)に、2つもしくはそれ以上のアルキル化基を含む高分子または低分子化合物を加えなければならない。本発明に沿って使用出来る高分子架橋剤の例の一つはハロメチル化ポリマー(halomethyliertes Polymer)である(クロルメチル化ポリスチロール、ブロームエチル化ポリスルホン)。低分子架橋剤の例を図11に挙げる。この際、架橋剤はスルフィナート基と反応する官能基に並んで、さらなる官能基、例えば塩基性や酸性官能基(図11)やこれらの前駆物質を示す。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】スルフィナートポリマーのアルキル化剤との反応
【図2】スルトンと用いたスルフィナートアルキル化による高分子スルフィナートの変化
【図3】高分子スルフィナートとハロゲンアルキル-アンモニウム塩とハロゲンアルキル-ホスホニウム塩のアルキル化
【図4】高分子スルフィナートとハロゲンアルキルアミンそしてハロゲンアルキルハロゲン化水素
【図4a】芳香族フッ素化アリールイミダゾールの誘導体と高分子スルフィナートの反応
【図4b】ハロゲンアルキルイミダゾールと高分子スルフィナートとの反応
【図5a】ハロゲンアルキルスルフォナートもしくはハロゲンアリールスルフォナート、もしくはハロゲンベンジルスルフォナート、もしくはこれらのホスホン酸塩、カルボン酸塩、ボロネート、もしくはこれらの非イオン性の前駆物質のスルフィナートのS-アルキル化剤
【図5b】高分子Li-スルフィナートとペンタフッ素ベンゼンスルホクロリドの前提とする反応経過
【図5c】過フッ素化芳香族架橋剤
【図6】高分子スルフィナートのスルフィナート基と ハロゲンヘタリール化合物のアルキル化
【図7】スルフィナート基と反応が可能な色素物の反応性基
【図8】スルフィナート基を含むポリマーと反応する反応性色素の例
【図9】Polysulfon Udel(登録商標)に伝導性基の組み入れる
【図10】スルフィナート化ポリエーテルケトンに伝導性官能基を組み入れる
【図11】本発明の架橋剤の例
【実施例】
【0023】
1. ポリスルホン-リチウムスルフィナート(Polysulfon-Lithiumsulfinat)と(3-ブロムプロピル)トリメチル臭化アンモニウム (3-Brompropyl)trimethzlammoniumbromid)の反応
ジメチルスルホキシドDMSO中5重量%のPSU-リチウムスルフィナート溶解10g(構造単位の繰り返し毎に1スルフィナート基)と、DMSO中5重量%の(3-ブロムプロピル)トリメチル臭化アンモニウム10,179gを攪拌しながら混合させる。この混合物を密封したガラスビンに48時間温度80度で乾燥棚に保管する。その後、溶液をガラス皿に注ぎ、溶液を蒸発させる。その後、ガラス皿内の薄い膜をはがし、次の様に処理する:
10%の水溶NaOH中、室温で24時間
水中、60℃で24時間
【0024】
2. ポリスルホン−リチウムスルフィナート(Polysulfon-Lithiumsulfinat)と(3-ブロムプロピル)トリフェニル臭化ホスホニウム (3-Brompropyl)triphenylphosphoniumbromid)の反応
ジメチルスルホキシドDMSO中5重量%のPSU−リチウムスルフィナート溶液10g(構造単位の繰り返し毎に1スルフィナート基)と、DMSO中5重量%の(3-ブロムプロピル)トリフェニル臭化ホスホニウム18,104gを攪拌しながら混合させる。この混合物を密封したガラスビンに48時間温度80度で乾燥棚に保管する。その後、溶液をガラス皿に注ぎ、溶液を蒸発させる。その後、ガラス皿内の薄い膜をはがし、次の様に処理する:
10%の水溶NaOH中、室温で24時間
水中、60℃で24時間
【0025】
3. ポリスルホン−リチウムスルフィナート(Polysulfon-Lithiumsulfinat)と2−クロルメチルベンズイミダゾール (2-Chlormethylbenzimidazol)の反応
N-メチルピロリジノン中10重量%のPSU−リチウムスルフィナート溶液5g(構造単位の繰り返し毎に1スルフィナート基)と、DMSO中5重量%の2-クロルメチルベンズイミダゾール0,325gを攪拌しながら混合させる。この混合物を密封したガラスビンに48時間温度80度で乾燥棚に保管する。ここで透明な溶液ができる。その後、溶液をガラス皿に注ぎ、溶液を蒸発させる。その後、ガラス皿内の薄い膜をはがし、次の様に処理する:
10%の水溶NaOH中、室温で24時間
水中、60℃で24時間
【0026】
4. ポリスルホン−リチウムスルフィナートとCibacron(登録商標) Brilliantgelb C. I. 18972の反応
ジメチルスルホキシドDMSO中5重量%のPSU−リチウムスルフィナート溶液10g(構造単位の繰り返し毎に1スルフィナート基)と、1,7gのCibacron(登録商標) Brilliantgelb C. I. 18972を攪拌しながら混合させる。この混合物を密封したガラスビンに48時間温度80度で乾燥棚に保管する。その後、溶液をガラス皿に注ぎ、溶液を蒸発させる。その後、ガラス皿内の薄い膜をはがし、次の様に処理する:
7%の水溶HCl中、90℃で24時間
水中、60℃で24時間
【0027】
5. ポリスルホン−リチウムスルフィナートとCibacron(登録商標) Brilliantrot C. I. 18105の反応
ジメチルスルホキシドDMSO中5重量%のPSU−リチウムスルフィナート溶液10g(構造単位の繰り返し毎に1スルフィナート基)と、3,88gのCibacron(登録商標) Brilliantrot C. I. 18105を攪拌しながら混合させる。この混合物を密封したガラスビンに48時間温度80度で乾燥棚に保管する。その後、溶液をガラス皿に注ぎ、溶媒を蒸発させる。その後、ガラス皿内の薄い膜をはがし、次の様に処理する:
7%の水溶HCl中、90℃で24時間
水中、60℃で24時間
【0028】
6. 共有結合架橋陰イオン交換膜と第4アンモニウム塩
N-メチルピロリジノン(NMP)中15重量%のPSU(SO2Li)2溶液(PSU−構造単位の繰り返し毎に2スルフィナート基)11gと0,51gの(3-ブロムプロピル)トリメチル臭化アンモニウムを塩物が溶解するまで軽く暖め、攪拌しながら混合させる。その後、溶液に1,4,ジヨードブタン(架橋剤)を0,38ml、そしてNMPを5g足す。
反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、真空乾燥棚内で140−150度で、始めは700mbarで、その後は<10mbarで蒸発させる。膜が作成される間、アルキル化反応が起る。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
1NのNaOH中、室温−90℃で48時間
水中、室温−60℃で48時間
【0029】
7. 共有結合架橋陰イオン交換膜と第4ホスホニウム塩
N-メチルピロリジノン(NMP)中15重量%のPSU(SO2Li)2溶液(PSU−構造単位の繰り返し毎に2スルフィナート基)9,94gと1,026gの(3-ブロムプロピル)トリフェニル臭化ホスホニウムを低分子の塩物が溶解するまで軽く暖め、攪拌しながら混合させる。その後、溶液に1,4,ジヨードブタン(架橋剤)を0,34ml、そしてNMPを5g足す。
反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、真空乾燥棚内で140−150度で、始めは700mbarで、その後は<10mbarで蒸発させる。膜が作成される間、アルキル化反応が起る。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
1NのNaOH中、室温−90℃で48時間
水中、室温−60℃で48時間
【0030】
8. (2−ブロムエチル)スルフォン酸Na塩((2-Bromethyl)sulfonsaeure Na salz)とPSU−スルフィナートから成る共有結合架橋陽イオン交換膜
N-メチルピロリジノン(NMP)中15重量%のPSU(SO2Li)2溶液(PSU−構造単位の繰り返し毎に2スルフィナート基)6,67gと0,38gの(2-ブロムエチル)スルフォン酸Na塩を低分子の塩物が溶解するまで軽く暖め、攪拌しながら混合させる。その後、溶液に1,4,ジヨードブタン(架橋剤)を0,05ml、そしてNMPを8g足す。
反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、真空乾燥棚内で140−150度で、始めは700mbarで、その後は<10mbarで蒸発させる。膜が作成される間、アルキル化反応が起る。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−60度で48時間
【0031】
9. (2-クロロエタン)塩化スルホン酸((2-Chlorethan)sulfonsaeurechlorid)とPSU−スルフィナートから成る共有結合架橋陽イオン交換膜
N-メチルピロリジノン(NMP)中15重量%のPSU(SO2Li)2溶液(PSU−構造単位の繰り返し毎に2スルフィナート基)6,67gと((2-クロロエタン)塩化スルホン酸(2-Chlorethan)sulfonsaeurechlorid)0,545gを低分子のスルホクロリドが溶解するまで軽く暖め、攪拌しながら混合させる。その後、溶液に1,4,ジヨードブタン(架橋剤)を0,05mlそしてNMPを8g足す。
反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、真空乾燥棚内で140−150度で、始めは700mbarで、その後は<10mbarで蒸発させる。膜が作成される間、アルキル化反応が起る。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する。これに因りスルホクロリドがスルホン酸に加水分解する:
10%のHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−60℃で48時間
【0032】
10. (2−ブロムエタン)ホスホン酸ジエチルエステル((2-Bromethan)phosphonsaeurediethylester)とPSU−スルフィナートから成る共有結合架橋陽イオン交換膜
N-メチルピロリジノン(NMP)中15重量%のPSU(SO2Li)2溶液(PSU−構造単位の繰り返し毎に2スルフィナート基)6,67gと0,819gの(2-ブロムエタン)ホスホン酸ジエチルエステル((2-Bromethan)phosphonsaeurediethylester)を低分子のエステルが溶解するまで軽く暖め、攪拌しながら混合させる。その後、溶液に1,4,ジヨードブタン(架橋剤)を0,05ml、そしてNMPを8g足す。
反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、真空乾燥棚内で140−150度で、始めは700mbarで、その後は<10mbarで蒸発させる。膜が作成される間、アルキル化反応が起る。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する。これに因りホスホン酸エステルがホスホン酸に加水分解する:
10%のNaOH中、室温−90度で48時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−60℃で48時間
【0033】
11. 4-フルオロベンゼンスルホクロリド(4-Fluorbenzolsulfochlorid)とカルシウムトリフルオロメタンスルフォナート (Calciumtrifluormethansulfonat)のアイオノマー膜
RadelR(SO2Li)2を3g、NMP 17gに溶解する。次に溶液に1,184gのカルシウム3フルオロメタンスルフォナート(Calciumtriflat)、その後3,32gの4-フルオロベンゼンスルホクロリドを加える。溶液が透明になるまで攪拌する。芳香族求核置換反応の開始は粘度性の上昇により確認できる。反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する。
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で24時間
水中、室温−90℃で48時間
【0034】
12. ペンタフルオロベンゼン塩化スルフォン酸(Pentafluorbenzolsufonsauerechlorid)のアイオノマーブレンド膜(Membran 1296)
次のポリマーをNMP中15%重量に溶解する:
2,258 g PSU(SO2Li)2
0,828 g Radel R(SO2Li)1
1,805 g sPEKCl (IEC=3,49 meq SO3H/g 加水分解後)
1,335 g sPEEKCl (IEC=1,8 meq SO3H/g 加水分解後)
その後、ポリマー溶液に1,843gペンタフルオロベンゼン塩化スルフォン酸を加える。均質化するまで攪拌する。 その後0,75gの ビス(4-フルオロフェニル)スルホン)(Bis(4-fluorphenyl)sulfon)を加え、溶解させる。反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
10%のNaOH中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
この時、後処理段階を省略する事も、又は順序を変更する事も出来る。
ペンタフルオロベンゼン塩化スルフォン酸の代わりに、ジフルオロベンゼン塩化スルフォン酸、トリフルオロベンゼン塩化スルフォン酸、テトラフルオロベンゼン塩化スルフォン酸等、他のフッ化フルオロベンゼン塩化スルフォン酸(fluorierte Fluorbenzolsulfonsaeurechloride)やフルオロ塩化ベンゾイル(Fluorbenzoylchloride)を等モル量、もしくは過剰に加える事が出来る。さらに、ビス(3-ニトロ-4-フルオロフェニル)スルホン(Bis(3-nitro-4-fluorophenyl)sulfon)、ビス(4-フロロフェニル)フェニルホスフィンオキサイド( Bis(4-fluorophenyl)phenylphosphinoxid)、又は相応した架橋剤とスルホハロゲン化基ビス(3-クロロスルホ-4-フルオロフェニル)スルホン(Bis(3-chlorsulfo-4-fluorphenyl)sulfon等、他の架橋剤を加える事も出来る。さらに、ジハロアルカンやハロゲン化ベンジルを加える事も出来る。
特性結果:
IEC (meq SO3H/g): 1,52
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm): 13,33
SW 25℃ (%): 108,6
SW 90℃ (%): 190
【0035】
13. 異なるフッ化ベンゼン塩化スルホン酸(fluorierte Benzolsulfonsaeurechloride)のアイオノマー膜
高分子スルフィナートをNMPに溶解する(表1参照)。これにフッ化ベンゼン塩化スルホン酸、又は塩化フルオロベンゼンを加える(表1参照)。均質化するまで攪拌する。 反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
10%のNaOH中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
この時、後処理段階を省略する事も、又は順序を変更する事も出来る。
【0036】
【表1】
b. Polysulfon Udel (製作者BP Amoco)
c. Polyphenylsulfon Radel R (製作者 BP Amoco)
d. Poly(etheretherketon) (製作者 Victrex)
【0037】
14. 異なるペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸(fluorierte Pentafluorbenzolsulfonsaeurechlorid)と付け加え架橋剤のアイオノマー膜
高分子スルフィナートを3g、NMPに溶解する(表2参照)。これにペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸を1,95g加える(表2参照)。さらに芳香族架橋剤を加える。均質化するまで攪拌する。反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
10%のNaOH中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
この時、後処理段階を省略する事も、又は順序を変更する事も出来る。
【0038】
【表2】
b. Polysulfon Udel (製造者 BP Amoco)
【0039】
驚くことに、反応混合物に、さらにカルシウム塩をスルフィナート基に対し等モル量付加すると、反応がさらに加速する事が確認された。これは求核置換反応の際に生成されるフッ化物イオンが、フッ化カルシウムの沈殿により、反応平衡から遠ざかる事に因ると推測する。フッ化カルシウムが生成された場合、これらは膜マトリックスに残り、結果として膜の熱抵抗と機械抵抗を向上させる。例13と例14の反応において使用可能なカルシウム塩は、NMPとその他の双極−非プロトン性溶媒に溶性なカルシウムトリフラート(Calciumtriflat)である。
【0040】
15. ペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸(Petanfluorbenzolsulfonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1289)
PSU(SO2Li)2を3g NMPに溶解する。これにペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸を2,5g加える。均質化するまで攪拌する。 反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g): 0,89
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm): 38,05
SW 25℃ (%): 24,6
SW 90℃ (%): 32,6
【0041】
16. 2,6-ジフルオロベンゼン塩化スルホン酸(2,6-Difluorbenzolsufonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1297)
PSU(SO2Li)2を3g NMPに溶解する。これに2,6-ジフルオロベンゼン塩化スルホン酸を3,06g加える。均質化するまで攪拌する。反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g): 0,29
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm): 67,8
SW 25℃ (%): 13,8
SW 90℃ (%): 25,5
【0042】
17. 2,3,4-トリフルオロベンゼン塩化スルホン酸(2,3,4-Trifluorbenzolsulfonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1289)
PSU(SO2Li)2を3g NMPに溶解する。これに2,3,4-フルオロベンゼン塩化スルホン酸を3,32g加える。均質化するまで攪拌する。 反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g): 0,10
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm): 21,8
SW 25℃ (%): 14,8
SW 90℃ (%): 45,6
【0043】
18. ペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸(Pentafluorbenzolsulfonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1299)
PSU(SO2Li)2を3g NMPに溶解する。これにペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸を1,92g加える。均質化するまで攪拌する。 反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g): 0,99
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm): 26,1
SW 25℃ (%): 14,8
SW 90℃ (%): 44
【0044】
19. フペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸 (Pentafluorbenzolsulfonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1300)
PSU(SO2Li)2を3g NMPに溶解する。これにペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸を1,92g加え、次にカルシウムトリフッ化スルフォナートを1,184g加える。均質化するまで攪拌する。反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g): 1.01
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm): 12,2
SW 25℃ (%): 27
SW 90℃ (%): 69,6
【0045】
20. ペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸(Pentafluorbenzolsulfonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1301)
PSU(SO2Li)2を3g NMPに溶解する。これにペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸を3,84g加える。均質化するまで攪拌する。反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g): 1.25
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm): 8,3
SW 25℃ (%): 41,4
SW 90℃ (%): 136
【0046】
21. ペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸(Pentafluorbenzolsulfonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1302)
PSU(SO2Li)2を2,693g NMPに溶解する。これにペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸を3,45g加え、次にビス(3−ニトロー4−フルオロフェニル)スルフォン(Bis(3-nitro-4-fluorphenyl)sulfon)を0,5g加える。均質化するまで攪拌する。 反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g): 1.16
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm): 7,5
SW 25℃ (%): 30,8
SW 90℃ (%): 207,8
【0047】
22. ペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸(Pentafluorbenzolsulfonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1307)
RadelR(SO2Li)1を2,822g NMPに溶解する。これにペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸を1,79g加える。均質化するまで攪拌する。 反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g):
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm): 36,8
SW 25℃ (%):
SW 90℃ (%):
【0048】
23. ペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸(Pentafluorbenzolsulfonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1309)
RadelR(SO2Li)2 を3g NMPに溶解する。これにペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸を2ml加える。均質化するまで攪拌する。反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g):
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm):
SW 25℃ (%):
SW 90℃ (%):
【0049】
24. ペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸(Pentafluorbenzolsulfonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1310)
PEEK(SO2Li)0,5(SO3Li)0,5を3g NMPに溶解する。これにペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸を0,5ml加える。均質化するまで攪拌する。反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g):
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm):
SW 25℃ (%):
SW 90℃ (%):
【0050】
25. ペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸(Pentafluorbenzolsulfonsaeurechlorid)のアイオノマー膜(Membran 1312)
RadelR(SO2Li)2を4g NMPに溶解する。これにペンタフルオロベンゼン塩化スルホン酸を2,2ml加え、次にデカフルオロベンゾフェノンを1,337gを加える。均質化するまで攪拌する。反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果
IEC (meq SO3H/g):
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm):
SW 25℃ (%):
SW 90℃ (%):
【0051】
26.デカフルオロベンゾフェノン(Decafluorbenzophenon)のアイオノマー膜(Membran 1313)
PEEK(SO2Li)0,5(SO3Li)0,5を4,486g NMPに溶解する。これにデカフルオロベンゾフェノンを0,235g加える。均質化するまで攪拌する。反応混合物をガラスプレートに薄くのばし、130−140度で、700mbarから1mbarで蒸発させる。その後、水中で膜をはがし、次の様に後処理する:
10%のCaCl2中、室温−90℃で24時間
1NのHCl中、室温−90℃で48時間
水中、室温−90℃で48時間
特性結果:
IEC (meq SO3H/g):
RspH+, 0,5N HCl (Ω*cm):
SW 25℃ (%):
SW 90℃ (%):
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともスルフィナート基SO2Mを含むポリマー、もしくは少なくともスルフィナート基SO2Mを含むポリマーブレンド、もしくは少なくともスルフィナート基SO2Mを含むポリマー(ブレンド)膜、もしくはその他の少なくともスルフィナート基SO2Mを含むポリマー形成物が(M=1価−, 2価−もしくは3価金属陽イオンもしくはアンモニウムイオンNR4+(R=Hおよび/もしくは アルキルおよび/もしくはアリールもしくはイミダゾールイオンもしくはピラゾールイオンもしくはピリジニウムイオン))、スルフィナート基とS−アルキル化する事を特徴とする変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物であって、
この時ALKは、S−アルキル化しながら、スルフィナート基と置換もしくは付加反応をする、任意選択的なアルキル化剤もしくは異なるアルキル化剤の混合物でありえる(オレフィン類の場合電子吸引基)変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【化1】
この時、アルキル化剤は、アルキル化基を1つもしくは2つ、もしくは2つ以上示す。
【請求項2】
Mがアルカリ金属陽イオン(Li+, Na+, K+, Rb+, Cs+)、もしくはCu+やAg+等、他の一価陽イオンであり、結果、ポリマー繰り返しユニット毎に0.1から8アルキル化基またはスルフィナート基があり、アルキル化剤もしくはアルキル化剤の混合物が1つまたは2つのアルキル化可能な基を有する事で特徴づけられている、請求項1に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【請求項3】
アルキル化剤として
・高分子、または低分子ハロゲン化合物(Hal)n−Alまたは(Hal)n−Arまたは(Hal−CH2)n−Arまたは(Hal−Ar)n−Al, n=1から1000の整数
または
・スルトン
または
・エポキシ基を含む高分子化合物または低分子化合物
または
・アルコキシ基を含む高分子化合物または低分子化合物
または
・トシル基を含む高分子化合物または低分子化合物
または
・その他の求核脱離基
または
・電子吸引基を含む高分子化合物または低分子化合物を有するオレフィン基
を含む有機化合物を使用出来る、請求項1に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
(R=アルキル、アリール、ヘタリール(Hetaryl)、任意選択的な有機基、M=アルカリイオンまたはアルカリ土類イオンまたは任意な1価もしくは2価金属イオン、もしくはアンモニウム陽イオン、Polymer=任意的なポリマー主鎖、Hal=F, Cl, Br, I、x=2−20、X=電子吸引基、n=主ポリマーの繰り返しユニット数(WE)):
【化2】
【請求項4】
スルトンとして4環式、5環式、6環式または7環式スルトンが好ましい事を特徴とし、ベンズスルトン(Benzsultone)を使用する事も出来る、請求項3に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【化3】
R1=H及び/又はHal、CnH2n-1、CnHal2n-1
n=1−30、Hal=F, Cl, Br, I
【請求項5】
スルトンとして4環式、5環式(ベンズ)スルトンが好ましい事を特徴とする、請求項3又は請求項4に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【請求項6】
ハロゲンを含む化合物として1つもしくは複数の陰イオン交換基を含む化合物が好ましい事を特徴とする、請求項3に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【化4】
m=1−30、
R1=H及び/又はCnH2n-1、及び/又はアリール、ヘタリール、フェニル、n=1−30、
A=Hal(F, Cl, Br, I), OH, 任意の陰イオン、
Ar=任意のアリーレン基
【請求項7】
mが1〜10、R1=CnH2n-1、n=1〜12および/もしくはフェニルおよびHal Cl, BrまたはIで、Ar=1,4−フェニルである事を特徴とする、請求項6に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【請求項8】
ハロゲン化合物としてベンジル化合物が使用される事を特徴とする、請求項3に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
(R=任意な有機基)
【化5】
【請求項9】
ベンジル化合物として次の化合物が好ましい事を特徴とする、請求項8に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【化6】
【請求項10】
ハロゲン化合物としてハロゲンアミン(halogenamin)が使用される事を特徴とする、請求項3に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【化7】
m=1−30、
R1=H及び/又はCnH2n-1、及び/又はアリール、ヘタリール、フェニル、n=1−30、
Ar=任意のアリーレン基
【請求項11】
ハロゲン化合物として陽イオン交換基もしくはそれらの非イオン性前駆物質を含む化合物が使用される事を特徴とする、請求項3に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【化8】
m=1−30、
Hal=F, Cl, Br, I、
Ar=任意のアリーレン基、
X=OM(M=Hもしくは任意の陽イオン)、Hal, OR1, N(R1)2,
R1=H及び/又はCnH2n-1、及び/又はアリール、ヘタリール、フェニル、n=1−30、NHR2(R2=CnF2n+1そしてn=1−30)
【請求項12】
ハロゲン化合物として次の化合物が好ましい事を特徴とする、請求項11に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【化9】
【請求項13】
ハロゲン化合物としてアリールハロゲン化合物、もしくはヘタリールハロゲン化合物(Hetarylhalogenverbindungen)が使用される事を特徴とする、請求項3に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【請求項14】
次の基礎構造を含むハロゲン化合物が好ましい事を特徴とする、請求項13に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【化10】
【請求項15】
ハロゲン化合物として次の反応基を含む反応性色素が好ましい事を特徴とする、請求項3又は請求項13に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
反応基:ジクロロトリアジン、ジフルオロピリミジン、モノフルオロトリアジン、ジクロロキノキサリン、モノクロロトリアジン、トリクロロピリミジン、モノニコチン酸トリアジン、ビニルスルホンやこれの硫酸エステル等のマイケル−アクセプター:
【化11】
【請求項16】
反応性色素が次の発色団を含められる事を特徴とする、請求項14に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
・連結構成要素としてアゾとアリールピラゾール−5−オン
・連結構成要素としてアゾとI酸
・連結構成要素としてアゾとH酸
・連結構成要素としてアゾ−銅錯体とH酸
・銅錯体−ホルマザン
・フタロシアニン
・アントラキノン
・トリフェンジオクサンジン(Triphendioxazin)
・ジスアゾ
・連結構成要素としてアゾ−銅錯体と1−アリール−ピラゾール−5−オン
【請求項17】
変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜の基礎ポリマーとして好ましい事を特徴とする、請求項1から請求項16のいずれかに記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
・ポリエチレン、ポリプロピリン、ポリイゾブチレン、ポリノルボルネン、ポリメチルペンテン、ポリイゾプレン、ポリ(1,4−ブタジエン)、ポリ(1,2−ブタジエン)等のポリオレフィン
・ポリスチロール、ポリ(メチルスチロール)、ポリ(a,b,b−トリフルオロスチロール)、ポリ(ペンタフルオロスチロール)等のスチロール(コ)ポリマー
・Nafion(登録商標)もしくはNafion(登録商標)のSO2Hal−前駆物質もしくはSO2M−前駆物質(Hal=F, Cl, Br, I), Dow(登録商標)-Membrane, GoreSelect(登録商標)-Membran等の過フッ化アイオノマー
・スルホン化PVDFおよび/またはSO2Hal−前駆物質、Halはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を意味する。
・(ヘタ)アリール主鎖ポリマー:
・ポリエーテルケトンPEK Victrex(登録商標)、ポリエーテルエーテルケトンPEEK Victrex(登録商標)、ポリエーテルエーテルケトンケトン PEEKK、ポリエーテルケトンエーテル−ケトンケトンPEKEKK Ultrapek(登録商標)、ポリエーテルエーテルケトンケトンPEEKK、ポリエーテルケトンケトンPEKK等のポリエーテルケトン類
・ポリスルホンUdel(登録商標)、ポリフェニルスルホンRadel R(登録商標)、ポリエーテルエーテルスルホンRadel A(登録商標)、ポリエーテルスルホンPES Victrex(登録商標)、ポリエーテルスルホンUltrason(登録商標)等のポリエーテルスルホン類
・PBI Celazol(登録商標)およびその他の、ベンズイミダゾール構成要素を含むオリゴマーおよびポリマー等のポリ(ベンズ)イミダゾール類。(ベンズ)イミダゾール基は主鎖もしくはポリマー側鎖に含まれて良い。
・例えばポリ(2,6−ジメチルオキシフェニレン)、ポリ(2,6−ジフェニルオキシフェにレン)等のポリフェニレンエーテル類
・ポリフェニレンサルファイドおよびコポリマー
・側鎖に、場合によってはベンゾイル−、ナフトイル−、もしくはo−フェニルオキシ−1,4−ベンゾイル基、m−フェニルオキシ−1,4−ベンゾイル基もしくはp-フェニルオキシ−1,4−ベンゾイル基に因り、変形しているポリ(1,4−フェニレン)もしくはポリ(1,3−フェニレン)
・ポリ(ベンズオキサゾール)とコポリマー
・ポリ(ベンズチアゾール)とコポリマー
・ポリ(フタラジノン)とコポリマー
・ポリアニリンとコポリマー
【請求項18】
基礎ポリマーとして次の構成要素から成り立つ事が出来る(ヘタ)アリール主鎖ポリマーが好ましい事を特徴とする、請求項17に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
(R=構成要素基, BrG=構成要素間の架橋基(n=ポリマー繰り返しユニット数(WE)(−(R−BrG)n−):
【化12】
R1=CnH2n-1もしくはアリール、n=1−30、
R2=C(CnH2n-1)2もしくはC(CnF2n-1)2、n=1−30、
m=0もしくは1
X=N
Y=O, S, NH
【請求項19】
ポリマー基として次のタイプのアリール主鎖ポリマーが好ましい事を特徴とする、請求項18に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
・PSU Udel(登録商標), PES Victrex(登録商標), PPhSU Radel R(登録商標), PEES Radel A(登録商標), Ultrason(登録商標)等のポリエーテルスルホン類
・ポリ−p−フェニレン、ポリ−m−フェニレンおよび、ポリ−p−stat−m−フェニレン等のポリフェニレン類
・ポリ(2,6−ジメチルフェニレンエーテル)およびポリ(2,6−ジフェニルフェニレンエーテル)等のポリフェニレンエーテル類
・ポリフェニレンサルファイド類
・ポリエーテルエーテルケトンPEEK、ポリエーテルケトンPEK、ポリエーテルエーテルケトンケトンPEEKK、ポリエーテルケトンケトンPEKK、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトンPEKEKK等のポリエーテルケトン類
【請求項20】
ポリマーがさらに次の官能基を任意なところに有する事が出来る事を特徴とする、請求項17から請求項19のいずれかに記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
NO2, Hal, R2, N(R2)2, SO2R2, NO, SO2Hal, SO2N(R2)2, R9=Cn(CnH2n-1)2n-1, R9=Cn(Hal)2n-1, R9=Cn(Cn(Hal)2n-1)2n-1 (n=1−20), H, Hal (Hal=F, Cl, Br, I), R9, OR9 mit R9=CnH2n-1, R9=Cn(CnH2n-1)2n-1, R9=Cn(Hal)2n-1, R9=Cn(Cn(Hal)2n-1)2n-1 (n=1−20), フェニル、ナフチル、アントラセニル、アリール、ヘタリール(Hetaryl)、N(R3)2、N3、NO2、ONO、ニトロアルキル、ニトロアリール、COOR9。
【請求項21】
請求項1から請求項20のいずれかに記載の変性ポリマーの作成方法であって、
スルフィナート基を含むポリマーが、場合に因り他のポリマーと共にフラスコ内で、場合に因り保護ガスを使用し、および場合に因り溶解もしくは各アルキル化反応に適切な溶媒に懸濁させ、本発明の有機アルキル化剤、もしくはアルキル化剤の混合物、および場合によっては反応混合物中、易溶もしくは難溶なカルシウム化合物と0℃から200℃で場合によっては保護ガスを使用し攪拌させながら反応する事を特徴とし、この時、反応混合物を0℃から200℃間で反応が終了するまで攪拌し、反応混合物を次の様に浄化する、変性ポリマーの作成方法。
(a)非水溶性物
(1)(オプショナル)過剰量のアルキル化剤を破壊し、場合によっては反応に因り遊離したフッ化物イオンをCaF2として沈殿させるために、アルキル化剤のモル量に対し、反応混合物に2−10倍量の水、塩化カルシウム溶液、もしくはグルコン酸カルシウム溶液等のカルシウム塩水溶液、および/もしくはアルカリ水溶液(1−30%のNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)2、1−30%のアンモニア溶液もしくはアミン溶液)を攪拌しながら反応混合物に加える。
(2)(反応混合物もしくは変性ポリマーの体積に対し)2−20倍のアルコール中(メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノール)、もしくは水中、もしくは鉱物塩水溶液中(NaCl、NaHCO3、Na2SO4、CaCl2等)、もしくは他の一般の沈殿剤(アセトン、メチルエチルケトン等)にて反応混合物を沈殿もしくは懸濁し、ろ過する。
(3)洗浄水からイオンがなくなるまで沈殿物の洗浄
(4)温度を上げ、場合に因り圧力を下げ乾燥
(5)(オプショナル)変性ポリマーを適切な溶媒にて再溶解し、上記の様に浄化する((2)以降)。
(b)水溶性物
(1)過剰量のアルキル化剤を破壊し、場合によっては反応に因り遊離したフッ化物イオンをCaF2として沈殿させるために、アルキル化剤のモル量に対し、反応混合物に2−10倍の水、塩化カルシウム溶液、もしくはグルコン酸カルシウム溶液等のカルシウム塩水溶液、および/もしくはアルカリ水溶液(1−30%のNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)2、1−30%のアンモニア溶液もしくはアミン溶液)を攪拌しながら加える。
(2)反応混合物を5−20倍量の水と交ぜ、全ての低分子物質が除去されるまで透析する。
(3)場合によってはありえる透析液の非水溶性の成分をろ過する。
(4)温度を上げ、場合に因り圧力を下げ乾燥。
【請求項22】
請求項1から請求項20のいずれかに記載のポリマー(ブレンド)膜の作成方法であって、
スルフィナート基を含むポリマーが、場合に因り他のポリマーと共に反応容器内で、場合に因り保護ガスを使用し、および場合に因り溶解もしくは各アルキル化反応に適切な双極−非プロトン性溶媒もしくはプロトン性溶媒もしくはエーテル溶媒に懸濁させ、本発明の有機アルキル化剤、もしくはアルキル化剤の混合物、および場合によっては反応混合物中、易溶もしくは難溶なカルシウム化合物と場合によっては保護ガスを使用し攪拌しながら交ぜ、
0℃から200℃で反応混合物をアルキル化反応の開始後もしくは終了まで攪拌し、直後に反応混合物を薄い膜として下敷き上(ガラスプレート、金属プレート、布もしくはフリース)のばし、温度を上げ、場合によっては低圧力を取り除け、その後ポリマー(ブレンド)膜を次の様に後処理し、この時、後処理の回数および後処理段階の順序を変更する事が出来る、ポリマー(ブレンド)膜の作成方法。
(1)場合により温度0℃から90℃で1から48時間 1−50%のカルシウム塩水溶液
(2)0℃から90℃で1から48時間 1−50%の水性アルカリ
(3)0℃から100℃で1から48時間 1−20%の水性鉱酸
(4)0℃から100℃で1から48時間 水
【請求項23】
請求項1から請求項20のいずれかに記載の表面的、もしくは大部分的(バルク)に変性したポリマー(ブレンド)膜もしくは他のポリマー形成物の作成方法であって、
スルフィナート基を含むポリマー膜、もしくはポリマー形成物が、反応容器内でアルキル化剤もしくは異なるアルキル化剤の混合物と、場合によっては保護ガスを使用し、場合によっては反応混合物中易溶もしくは難溶なカルシウム化合物を付加し、0℃から200℃で表面的にもしくは大部分的(バルク)にアルキル化反応の終了までアルキル化し、その後次の様に洗浄される事を特徴とする、ポリマー(ブレンド)膜もしくは他のポリマー形成物の作成方法。
(1)過剰量のアルキル化剤を破壊し、場合によっては反応に因り遊離したフッ化物イオンをCaF2として沈殿させるために、アルキル化剤のモル量に対し、反応混合物に2−10倍量の水、塩化カルシウム溶液、もしくはグルコン酸カルシウム溶液等のカルシウム塩水溶液、および/もしくはアルカリ水溶液(1−30%のNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)2、1−30%のアンモニア溶液もしくはアミン溶液)を攪拌しながらポリマー形成物に加える。
(2)(反応混合物もしくは変性ポリマーの体積に対し)2−20倍のアルコール中(メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノール)、もしくは水中、もしくは鉱物塩水溶液中(NaCl、NaHCO3、Na2SO4、CaCl2、Ca(NO3)2等)、もしくは他の一般の有機沈殿剤(アセトン、メチルエチルケトン等)にてポリマー形成物を洗浄する。
(3)洗浄水からイオンがなくなるまで水で洗浄
(4)温度を上げ、場合に因り圧力を下げ乾燥。
【請求項24】
請求項1から請求項20のいずれかに記載の変性ポリマーの作成方法であって、
アルキル化基を含むポリマーが、場合に因り他のポリマーと共にフラスコ内で、場合に因り保護ガスを使用しおよび、場合に因り溶解もしくは各アルキル化反応に適切な溶媒に懸濁させ、本発明の低分子スルフィナートもしくは高分子スルフィナート、もしくは異なるスルフィナートの混合物、および場合によっては反応混合物中、易溶もしくは難溶なカルシウム化合物と0℃から200℃で場合によっては保護ガスを使用し攪拌させながら反応する事を特徴とし、この時、反応混合物を0℃から200℃間で反応が終了するまで攪拌し、反応混合物を次の様に浄化する、変性ポリマーの作成方法。
(a)非水溶性物
(1)(オプショナル)過剰量のアルキル化剤を破壊し、場合によっては反応に因り遊離したフッ化物イオンをCaF2として沈殿させるために、アルキル化剤のモル量に対し、反応混合物に2−10倍量の水、塩化カルシウム溶液、もしくはグルコン酸カルシウム溶液等のカルシウム塩水溶液、および/もしくはアルカリ水溶液(1−30%のNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)2、1−30%のアンモニア溶液もしくはアミン溶液)を攪拌しながら反応混合物に加える。
(2)(反応混合物もしくは変性ポリマーの体積に対し)2−20倍のアルコール中(メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノール)、もしくは水中、もしくは鉱物塩水溶液中(NaCl、NaHCO3、Na2SO4、CaCl2、Ca(NO3)2等)、もしくは他の一般の沈殿剤(アセトン、メチルエチルケトン等)にて反応混合物を沈殿もしくは懸濁し、ろ過する。
(3)洗浄水からイオンがなくなるまで沈殿物の洗浄
(4)温度を上げ、場合に因り圧力を下げ乾燥
(5)(オプショナル)変性ポリマーを適切な溶媒にて再溶解し、上記の様に浄化する((2)以降)。
(b)水溶性物
(1)過剰量のアルキル化剤を破壊し、場合によっては反応に因り遊離したフッ化物イオンをCaF2として沈殿させるために、アルキル化剤のモル量に対し、反応混合物に2−10倍の水、塩化カルシウム溶液、もしくはグルコン酸カルシウム溶液等のカルシウム塩水溶液、および/もしくはアルカリ水溶液(1−30%のNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)2、1−30%のアンモニア溶液もしくはアミン溶液)を攪拌しながら加える。
(2)反応混合物を5−20倍量の水と交ぜ、全ての低分子物質が除去されるまで透析する。
(3)場合によってはありえる透析液の非水溶性の成分をろ過する。
(4)温度を上げ、場合に因り圧力を下げ乾燥。
【請求項25】
請求項1から請求項20のいずれかに記載のポリマー(ブレンド)膜の作成方法であって、
アルキル化基を含むポリマーが、場合に因り他のポリマーと共に反応容器内で、場合に因り保護ガスを使用しおよび、場合に因り溶解もしくは各アルキル化反応に適切な溶媒に懸濁させ、本発明の低分子スルフィナートもしくは高分子スルフィナート、もしくは異なるスルフィナートの混合物および場合によっては反応混合物中易溶もしくは難溶なカルシウム化合物と場合によっては保護ガスを使用し攪拌しながら交ぜ、
0℃から200℃で反応混合物をアルキル化反応の開始後もしくは終了まで攪拌し、直後に反応混合物を薄い膜として下敷き上(ガラスプレート、金属プレート、布もしくはフリース)のばし、温度を上げ、場合によっては低圧力を取り除け、その後ポリマー(ブレンド)膜を次の様に後処理し、この時、後処理の回数および後処理段階の順序を変更する事が出来る、ポリマー(ブレンド)膜の作成方法。
(1)場合により温度0℃から90℃で1から48時間 1−50%のカルシウム塩水溶液
(2)0℃から90℃で1から48時間 1−50%の水性アルカリ
(3)0℃から100℃で1から48時間 1−20%の水性鉱酸
(4)0℃から100℃で1から48時間 水
【請求項26】
請求項1から請求項20のいずれかに記載の表面的、もしくは大部分的(バルク)に変性したポリマー(ブレンド)膜もしくは他のポリマー形成物の作成方法であって、
アルキル化基を含むポリマー膜、もしくはポリマー形成物が、反応容器内で場合によっては保護ガスを使用し、場合によっては反応混合物中易溶もしくは難溶なカルシウム化合物と、0℃から200℃で表面的にもしくは大部分的(バルク)にアルキル化反応の終了まで本発明の低分子スルフィナートもしくは高分子スルフィナートもしくは異なるスルフィナートの混合物でアルキル化し、その後次の様に洗浄される事を特徴とする、ポリマー(ブレンド)膜もしくは他のポリマー形成物の作成方法。
(1)過剰量のアルキル化剤を破壊し、場合によっては反応に因り遊離したフッ化物イオンをCaF2として沈殿させるために、アルキル化剤のモル量に対し、反応混合物に2−10倍量の水、塩化カルシウム溶液、もしくはグルコン酸カルシウム溶液等のカルシウム塩水溶液、および/もしくはアルカリ水溶液(1−30%のNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)2、1−30%のアンモニア溶液もしくはアミン溶液)を攪拌しながらポリマー形成物に加える。
(2)(反応混合物もしくは変性ポリマーの体積に対し)2−20倍のアルコール中(メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノール)、もしくは水中、もしくは鉱物塩水溶液中(NaCl、NaHCO3、Na2SO4、CaCl2、Ca(NO3)2等)、もしくは他の一般の有機沈殿剤(アセトン、メチルエチルケトン等)にてポリマー形成物を洗浄する。
(3)洗浄水からイオンがなくなるまで水で洗浄。
(4)温度を上げ、場合に因り圧力を下げ乾燥。
【請求項27】
請求項21から請求項26のいずれかに記載の作成方法であって、
アルキル化反応の反応溶媒もしくは溶媒として、次の溶媒を純粋な形もしくは混合物として使用する事を特徴とする、作成方法。
・ジメチルスルホキシド、スルホレン、N−メチルピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、アセトニトリル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、もしくはこれらの溶媒同士の混合物等の双極−非プロトン性溶媒類
・ジエチルエーテル、テトラハイドロフラン、グリム、ジグリム、ジグリム、トリグリム、ジオキサン、もしくはこれら溶媒同士の混合物、等のエーテル溶媒
・メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、もしくはこれらの溶媒の混合物等のアルキルアルコール
・メチルエチルケトンやアセトン、もしくはこれらの溶媒の混合物等のケトン
・水もしくは上記の溶媒との混合物
・上記の溶媒の任意な混合物
【請求項28】
請求項21から請求項27のいずれかに記載の作成方法であって、
反応混合物中易溶もしくは難溶なカルシウム化合物として次のカルシウム化合物を好む事を特徴とする、作成方法。
・カルシウムアセチルアセトナート(ビス−(2,4−ペンタンジオナト)−カルシウム)=Calciumacetylacetonat (Bis-(2,4-pentandionato)-calcium)
・カルシウム−ビス−(6,6,7,7,8,8,8−ヘプタフルオロ−2,2−ジメチル−3,5−オクタンジオナト)=Calcium-bis-(6,6,7,7,8,8,8-heptafluor-2,2-dimethyl-3,5-octandionat)
・カルシウム−1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトナート=Calcium-1,1,1,5,5,5-hexafluoracetylacetonat
・カルシウムメチラート=Calciummethylat
・シュウ酸カルシウム=Calciumoxalat
・グルコン酸−D−カルシウム=Calcium-D-gluconat
・カルシウム−(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)=Calcium-(2,2,6,6-tetramethyl-3,5-heptandionat)
・カルシウムトリフラート(=トリフルオロメタンスルフォン酸カルシウム塩)=Calciumtriflat (Trifluormethansulfonsaure Calciumsalz)
【請求項29】
請求項1から請求項28のいずれかに記載の変性ポリマーの、膜プロセス、もしくは場合により膜燃料電池、膜電気分解で使用するための、膜への変形。
【請求項30】
請求項1から請求項28のいずれかに記載の変性ポリマーの、膜燃料電池もしくは膜電気分解のためのプロトン伝導性な、場合によっては物理的に共有結合架橋されているブレンド膜のブレンド構成要素としての使用。
【請求項31】
請求項1から請求項28のいずれかに記載道り作成された変性ポリマー膜の、膜プロセス、膜分離プロセス、膜燃料電池もしくは膜電気分解での使用。
【請求項1】
少なくともスルフィナート基SO2Mを含むポリマー、もしくは少なくともスルフィナート基SO2Mを含むポリマーブレンド、もしくは少なくともスルフィナート基SO2Mを含むポリマー(ブレンド)膜、もしくはその他の少なくともスルフィナート基SO2Mを含むポリマー形成物が(M=1価−, 2価−もしくは3価金属陽イオンもしくはアンモニウムイオンNR4+(R=Hおよび/もしくは アルキルおよび/もしくはアリールもしくはイミダゾールイオンもしくはピラゾールイオンもしくはピリジニウムイオン))、スルフィナート基とS−アルキル化する事を特徴とする変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物であって、
この時ALKは、S−アルキル化しながら、スルフィナート基と置換もしくは付加反応をする、任意選択的なアルキル化剤もしくは異なるアルキル化剤の混合物でありえる(オレフィン類の場合電子吸引基)変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【化1】
この時、アルキル化剤は、アルキル化基を1つもしくは2つ、もしくは2つ以上示す。
【請求項2】
Mがアルカリ金属陽イオン(Li+, Na+, K+, Rb+, Cs+)、もしくはCu+やAg+等、他の一価陽イオンであり、結果、ポリマー繰り返しユニット毎に0.1から8アルキル化基またはスルフィナート基があり、アルキル化剤もしくはアルキル化剤の混合物が1つまたは2つのアルキル化可能な基を有する事で特徴づけられている、請求項1に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【請求項3】
アルキル化剤として
・高分子、または低分子ハロゲン化合物(Hal)n−Alまたは(Hal)n−Arまたは(Hal−CH2)n−Arまたは(Hal−Ar)n−Al, n=1から1000の整数
または
・スルトン
または
・エポキシ基を含む高分子化合物または低分子化合物
または
・アルコキシ基を含む高分子化合物または低分子化合物
または
・トシル基を含む高分子化合物または低分子化合物
または
・その他の求核脱離基
または
・電子吸引基を含む高分子化合物または低分子化合物を有するオレフィン基
を含む有機化合物を使用出来る、請求項1に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
(R=アルキル、アリール、ヘタリール(Hetaryl)、任意選択的な有機基、M=アルカリイオンまたはアルカリ土類イオンまたは任意な1価もしくは2価金属イオン、もしくはアンモニウム陽イオン、Polymer=任意的なポリマー主鎖、Hal=F, Cl, Br, I、x=2−20、X=電子吸引基、n=主ポリマーの繰り返しユニット数(WE)):
【化2】
【請求項4】
スルトンとして4環式、5環式、6環式または7環式スルトンが好ましい事を特徴とし、ベンズスルトン(Benzsultone)を使用する事も出来る、請求項3に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【化3】
R1=H及び/又はHal、CnH2n-1、CnHal2n-1
n=1−30、Hal=F, Cl, Br, I
【請求項5】
スルトンとして4環式、5環式(ベンズ)スルトンが好ましい事を特徴とする、請求項3又は請求項4に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【請求項6】
ハロゲンを含む化合物として1つもしくは複数の陰イオン交換基を含む化合物が好ましい事を特徴とする、請求項3に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【化4】
m=1−30、
R1=H及び/又はCnH2n-1、及び/又はアリール、ヘタリール、フェニル、n=1−30、
A=Hal(F, Cl, Br, I), OH, 任意の陰イオン、
Ar=任意のアリーレン基
【請求項7】
mが1〜10、R1=CnH2n-1、n=1〜12および/もしくはフェニルおよびHal Cl, BrまたはIで、Ar=1,4−フェニルである事を特徴とする、請求項6に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【請求項8】
ハロゲン化合物としてベンジル化合物が使用される事を特徴とする、請求項3に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
(R=任意な有機基)
【化5】
【請求項9】
ベンジル化合物として次の化合物が好ましい事を特徴とする、請求項8に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【化6】
【請求項10】
ハロゲン化合物としてハロゲンアミン(halogenamin)が使用される事を特徴とする、請求項3に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【化7】
m=1−30、
R1=H及び/又はCnH2n-1、及び/又はアリール、ヘタリール、フェニル、n=1−30、
Ar=任意のアリーレン基
【請求項11】
ハロゲン化合物として陽イオン交換基もしくはそれらの非イオン性前駆物質を含む化合物が使用される事を特徴とする、請求項3に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【化8】
m=1−30、
Hal=F, Cl, Br, I、
Ar=任意のアリーレン基、
X=OM(M=Hもしくは任意の陽イオン)、Hal, OR1, N(R1)2,
R1=H及び/又はCnH2n-1、及び/又はアリール、ヘタリール、フェニル、n=1−30、NHR2(R2=CnF2n+1そしてn=1−30)
【請求項12】
ハロゲン化合物として次の化合物が好ましい事を特徴とする、請求項11に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【化9】
【請求項13】
ハロゲン化合物としてアリールハロゲン化合物、もしくはヘタリールハロゲン化合物(Hetarylhalogenverbindungen)が使用される事を特徴とする、請求項3に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【請求項14】
次の基礎構造を含むハロゲン化合物が好ましい事を特徴とする、請求項13に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
【化10】
【請求項15】
ハロゲン化合物として次の反応基を含む反応性色素が好ましい事を特徴とする、請求項3又は請求項13に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
反応基:ジクロロトリアジン、ジフルオロピリミジン、モノフルオロトリアジン、ジクロロキノキサリン、モノクロロトリアジン、トリクロロピリミジン、モノニコチン酸トリアジン、ビニルスルホンやこれの硫酸エステル等のマイケル−アクセプター:
【化11】
【請求項16】
反応性色素が次の発色団を含められる事を特徴とする、請求項14に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
・連結構成要素としてアゾとアリールピラゾール−5−オン
・連結構成要素としてアゾとI酸
・連結構成要素としてアゾとH酸
・連結構成要素としてアゾ−銅錯体とH酸
・銅錯体−ホルマザン
・フタロシアニン
・アントラキノン
・トリフェンジオクサンジン(Triphendioxazin)
・ジスアゾ
・連結構成要素としてアゾ−銅錯体と1−アリール−ピラゾール−5−オン
【請求項17】
変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜の基礎ポリマーとして好ましい事を特徴とする、請求項1から請求項16のいずれかに記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
・ポリエチレン、ポリプロピリン、ポリイゾブチレン、ポリノルボルネン、ポリメチルペンテン、ポリイゾプレン、ポリ(1,4−ブタジエン)、ポリ(1,2−ブタジエン)等のポリオレフィン
・ポリスチロール、ポリ(メチルスチロール)、ポリ(a,b,b−トリフルオロスチロール)、ポリ(ペンタフルオロスチロール)等のスチロール(コ)ポリマー
・Nafion(登録商標)もしくはNafion(登録商標)のSO2Hal−前駆物質もしくはSO2M−前駆物質(Hal=F, Cl, Br, I), Dow(登録商標)-Membrane, GoreSelect(登録商標)-Membran等の過フッ化アイオノマー
・スルホン化PVDFおよび/またはSO2Hal−前駆物質、Halはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を意味する。
・(ヘタ)アリール主鎖ポリマー:
・ポリエーテルケトンPEK Victrex(登録商標)、ポリエーテルエーテルケトンPEEK Victrex(登録商標)、ポリエーテルエーテルケトンケトン PEEKK、ポリエーテルケトンエーテル−ケトンケトンPEKEKK Ultrapek(登録商標)、ポリエーテルエーテルケトンケトンPEEKK、ポリエーテルケトンケトンPEKK等のポリエーテルケトン類
・ポリスルホンUdel(登録商標)、ポリフェニルスルホンRadel R(登録商標)、ポリエーテルエーテルスルホンRadel A(登録商標)、ポリエーテルスルホンPES Victrex(登録商標)、ポリエーテルスルホンUltrason(登録商標)等のポリエーテルスルホン類
・PBI Celazol(登録商標)およびその他の、ベンズイミダゾール構成要素を含むオリゴマーおよびポリマー等のポリ(ベンズ)イミダゾール類。(ベンズ)イミダゾール基は主鎖もしくはポリマー側鎖に含まれて良い。
・例えばポリ(2,6−ジメチルオキシフェニレン)、ポリ(2,6−ジフェニルオキシフェにレン)等のポリフェニレンエーテル類
・ポリフェニレンサルファイドおよびコポリマー
・側鎖に、場合によってはベンゾイル−、ナフトイル−、もしくはo−フェニルオキシ−1,4−ベンゾイル基、m−フェニルオキシ−1,4−ベンゾイル基もしくはp-フェニルオキシ−1,4−ベンゾイル基に因り、変形しているポリ(1,4−フェニレン)もしくはポリ(1,3−フェニレン)
・ポリ(ベンズオキサゾール)とコポリマー
・ポリ(ベンズチアゾール)とコポリマー
・ポリ(フタラジノン)とコポリマー
・ポリアニリンとコポリマー
【請求項18】
基礎ポリマーとして次の構成要素から成り立つ事が出来る(ヘタ)アリール主鎖ポリマーが好ましい事を特徴とする、請求項17に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
(R=構成要素基, BrG=構成要素間の架橋基(n=ポリマー繰り返しユニット数(WE)(−(R−BrG)n−):
【化12】
R1=CnH2n-1もしくはアリール、n=1−30、
R2=C(CnH2n-1)2もしくはC(CnF2n-1)2、n=1−30、
m=0もしくは1
X=N
Y=O, S, NH
【請求項19】
ポリマー基として次のタイプのアリール主鎖ポリマーが好ましい事を特徴とする、請求項18に記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
・PSU Udel(登録商標), PES Victrex(登録商標), PPhSU Radel R(登録商標), PEES Radel A(登録商標), Ultrason(登録商標)等のポリエーテルスルホン類
・ポリ−p−フェニレン、ポリ−m−フェニレンおよび、ポリ−p−stat−m−フェニレン等のポリフェニレン類
・ポリ(2,6−ジメチルフェニレンエーテル)およびポリ(2,6−ジフェニルフェニレンエーテル)等のポリフェニレンエーテル類
・ポリフェニレンサルファイド類
・ポリエーテルエーテルケトンPEEK、ポリエーテルケトンPEK、ポリエーテルエーテルケトンケトンPEEKK、ポリエーテルケトンケトンPEKK、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトンPEKEKK等のポリエーテルケトン類
【請求項20】
ポリマーがさらに次の官能基を任意なところに有する事が出来る事を特徴とする、請求項17から請求項19のいずれかに記載の変性ポリマー、ポリマーブレンド、ポリマー(ブレンド)膜、またはポリマー形成物。
NO2, Hal, R2, N(R2)2, SO2R2, NO, SO2Hal, SO2N(R2)2, R9=Cn(CnH2n-1)2n-1, R9=Cn(Hal)2n-1, R9=Cn(Cn(Hal)2n-1)2n-1 (n=1−20), H, Hal (Hal=F, Cl, Br, I), R9, OR9 mit R9=CnH2n-1, R9=Cn(CnH2n-1)2n-1, R9=Cn(Hal)2n-1, R9=Cn(Cn(Hal)2n-1)2n-1 (n=1−20), フェニル、ナフチル、アントラセニル、アリール、ヘタリール(Hetaryl)、N(R3)2、N3、NO2、ONO、ニトロアルキル、ニトロアリール、COOR9。
【請求項21】
請求項1から請求項20のいずれかに記載の変性ポリマーの作成方法であって、
スルフィナート基を含むポリマーが、場合に因り他のポリマーと共にフラスコ内で、場合に因り保護ガスを使用し、および場合に因り溶解もしくは各アルキル化反応に適切な溶媒に懸濁させ、本発明の有機アルキル化剤、もしくはアルキル化剤の混合物、および場合によっては反応混合物中、易溶もしくは難溶なカルシウム化合物と0℃から200℃で場合によっては保護ガスを使用し攪拌させながら反応する事を特徴とし、この時、反応混合物を0℃から200℃間で反応が終了するまで攪拌し、反応混合物を次の様に浄化する、変性ポリマーの作成方法。
(a)非水溶性物
(1)(オプショナル)過剰量のアルキル化剤を破壊し、場合によっては反応に因り遊離したフッ化物イオンをCaF2として沈殿させるために、アルキル化剤のモル量に対し、反応混合物に2−10倍量の水、塩化カルシウム溶液、もしくはグルコン酸カルシウム溶液等のカルシウム塩水溶液、および/もしくはアルカリ水溶液(1−30%のNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)2、1−30%のアンモニア溶液もしくはアミン溶液)を攪拌しながら反応混合物に加える。
(2)(反応混合物もしくは変性ポリマーの体積に対し)2−20倍のアルコール中(メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノール)、もしくは水中、もしくは鉱物塩水溶液中(NaCl、NaHCO3、Na2SO4、CaCl2等)、もしくは他の一般の沈殿剤(アセトン、メチルエチルケトン等)にて反応混合物を沈殿もしくは懸濁し、ろ過する。
(3)洗浄水からイオンがなくなるまで沈殿物の洗浄
(4)温度を上げ、場合に因り圧力を下げ乾燥
(5)(オプショナル)変性ポリマーを適切な溶媒にて再溶解し、上記の様に浄化する((2)以降)。
(b)水溶性物
(1)過剰量のアルキル化剤を破壊し、場合によっては反応に因り遊離したフッ化物イオンをCaF2として沈殿させるために、アルキル化剤のモル量に対し、反応混合物に2−10倍の水、塩化カルシウム溶液、もしくはグルコン酸カルシウム溶液等のカルシウム塩水溶液、および/もしくはアルカリ水溶液(1−30%のNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)2、1−30%のアンモニア溶液もしくはアミン溶液)を攪拌しながら加える。
(2)反応混合物を5−20倍量の水と交ぜ、全ての低分子物質が除去されるまで透析する。
(3)場合によってはありえる透析液の非水溶性の成分をろ過する。
(4)温度を上げ、場合に因り圧力を下げ乾燥。
【請求項22】
請求項1から請求項20のいずれかに記載のポリマー(ブレンド)膜の作成方法であって、
スルフィナート基を含むポリマーが、場合に因り他のポリマーと共に反応容器内で、場合に因り保護ガスを使用し、および場合に因り溶解もしくは各アルキル化反応に適切な双極−非プロトン性溶媒もしくはプロトン性溶媒もしくはエーテル溶媒に懸濁させ、本発明の有機アルキル化剤、もしくはアルキル化剤の混合物、および場合によっては反応混合物中、易溶もしくは難溶なカルシウム化合物と場合によっては保護ガスを使用し攪拌しながら交ぜ、
0℃から200℃で反応混合物をアルキル化反応の開始後もしくは終了まで攪拌し、直後に反応混合物を薄い膜として下敷き上(ガラスプレート、金属プレート、布もしくはフリース)のばし、温度を上げ、場合によっては低圧力を取り除け、その後ポリマー(ブレンド)膜を次の様に後処理し、この時、後処理の回数および後処理段階の順序を変更する事が出来る、ポリマー(ブレンド)膜の作成方法。
(1)場合により温度0℃から90℃で1から48時間 1−50%のカルシウム塩水溶液
(2)0℃から90℃で1から48時間 1−50%の水性アルカリ
(3)0℃から100℃で1から48時間 1−20%の水性鉱酸
(4)0℃から100℃で1から48時間 水
【請求項23】
請求項1から請求項20のいずれかに記載の表面的、もしくは大部分的(バルク)に変性したポリマー(ブレンド)膜もしくは他のポリマー形成物の作成方法であって、
スルフィナート基を含むポリマー膜、もしくはポリマー形成物が、反応容器内でアルキル化剤もしくは異なるアルキル化剤の混合物と、場合によっては保護ガスを使用し、場合によっては反応混合物中易溶もしくは難溶なカルシウム化合物を付加し、0℃から200℃で表面的にもしくは大部分的(バルク)にアルキル化反応の終了までアルキル化し、その後次の様に洗浄される事を特徴とする、ポリマー(ブレンド)膜もしくは他のポリマー形成物の作成方法。
(1)過剰量のアルキル化剤を破壊し、場合によっては反応に因り遊離したフッ化物イオンをCaF2として沈殿させるために、アルキル化剤のモル量に対し、反応混合物に2−10倍量の水、塩化カルシウム溶液、もしくはグルコン酸カルシウム溶液等のカルシウム塩水溶液、および/もしくはアルカリ水溶液(1−30%のNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)2、1−30%のアンモニア溶液もしくはアミン溶液)を攪拌しながらポリマー形成物に加える。
(2)(反応混合物もしくは変性ポリマーの体積に対し)2−20倍のアルコール中(メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノール)、もしくは水中、もしくは鉱物塩水溶液中(NaCl、NaHCO3、Na2SO4、CaCl2、Ca(NO3)2等)、もしくは他の一般の有機沈殿剤(アセトン、メチルエチルケトン等)にてポリマー形成物を洗浄する。
(3)洗浄水からイオンがなくなるまで水で洗浄
(4)温度を上げ、場合に因り圧力を下げ乾燥。
【請求項24】
請求項1から請求項20のいずれかに記載の変性ポリマーの作成方法であって、
アルキル化基を含むポリマーが、場合に因り他のポリマーと共にフラスコ内で、場合に因り保護ガスを使用しおよび、場合に因り溶解もしくは各アルキル化反応に適切な溶媒に懸濁させ、本発明の低分子スルフィナートもしくは高分子スルフィナート、もしくは異なるスルフィナートの混合物、および場合によっては反応混合物中、易溶もしくは難溶なカルシウム化合物と0℃から200℃で場合によっては保護ガスを使用し攪拌させながら反応する事を特徴とし、この時、反応混合物を0℃から200℃間で反応が終了するまで攪拌し、反応混合物を次の様に浄化する、変性ポリマーの作成方法。
(a)非水溶性物
(1)(オプショナル)過剰量のアルキル化剤を破壊し、場合によっては反応に因り遊離したフッ化物イオンをCaF2として沈殿させるために、アルキル化剤のモル量に対し、反応混合物に2−10倍量の水、塩化カルシウム溶液、もしくはグルコン酸カルシウム溶液等のカルシウム塩水溶液、および/もしくはアルカリ水溶液(1−30%のNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)2、1−30%のアンモニア溶液もしくはアミン溶液)を攪拌しながら反応混合物に加える。
(2)(反応混合物もしくは変性ポリマーの体積に対し)2−20倍のアルコール中(メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノール)、もしくは水中、もしくは鉱物塩水溶液中(NaCl、NaHCO3、Na2SO4、CaCl2、Ca(NO3)2等)、もしくは他の一般の沈殿剤(アセトン、メチルエチルケトン等)にて反応混合物を沈殿もしくは懸濁し、ろ過する。
(3)洗浄水からイオンがなくなるまで沈殿物の洗浄
(4)温度を上げ、場合に因り圧力を下げ乾燥
(5)(オプショナル)変性ポリマーを適切な溶媒にて再溶解し、上記の様に浄化する((2)以降)。
(b)水溶性物
(1)過剰量のアルキル化剤を破壊し、場合によっては反応に因り遊離したフッ化物イオンをCaF2として沈殿させるために、アルキル化剤のモル量に対し、反応混合物に2−10倍の水、塩化カルシウム溶液、もしくはグルコン酸カルシウム溶液等のカルシウム塩水溶液、および/もしくはアルカリ水溶液(1−30%のNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)2、1−30%のアンモニア溶液もしくはアミン溶液)を攪拌しながら加える。
(2)反応混合物を5−20倍量の水と交ぜ、全ての低分子物質が除去されるまで透析する。
(3)場合によってはありえる透析液の非水溶性の成分をろ過する。
(4)温度を上げ、場合に因り圧力を下げ乾燥。
【請求項25】
請求項1から請求項20のいずれかに記載のポリマー(ブレンド)膜の作成方法であって、
アルキル化基を含むポリマーが、場合に因り他のポリマーと共に反応容器内で、場合に因り保護ガスを使用しおよび、場合に因り溶解もしくは各アルキル化反応に適切な溶媒に懸濁させ、本発明の低分子スルフィナートもしくは高分子スルフィナート、もしくは異なるスルフィナートの混合物および場合によっては反応混合物中易溶もしくは難溶なカルシウム化合物と場合によっては保護ガスを使用し攪拌しながら交ぜ、
0℃から200℃で反応混合物をアルキル化反応の開始後もしくは終了まで攪拌し、直後に反応混合物を薄い膜として下敷き上(ガラスプレート、金属プレート、布もしくはフリース)のばし、温度を上げ、場合によっては低圧力を取り除け、その後ポリマー(ブレンド)膜を次の様に後処理し、この時、後処理の回数および後処理段階の順序を変更する事が出来る、ポリマー(ブレンド)膜の作成方法。
(1)場合により温度0℃から90℃で1から48時間 1−50%のカルシウム塩水溶液
(2)0℃から90℃で1から48時間 1−50%の水性アルカリ
(3)0℃から100℃で1から48時間 1−20%の水性鉱酸
(4)0℃から100℃で1から48時間 水
【請求項26】
請求項1から請求項20のいずれかに記載の表面的、もしくは大部分的(バルク)に変性したポリマー(ブレンド)膜もしくは他のポリマー形成物の作成方法であって、
アルキル化基を含むポリマー膜、もしくはポリマー形成物が、反応容器内で場合によっては保護ガスを使用し、場合によっては反応混合物中易溶もしくは難溶なカルシウム化合物と、0℃から200℃で表面的にもしくは大部分的(バルク)にアルキル化反応の終了まで本発明の低分子スルフィナートもしくは高分子スルフィナートもしくは異なるスルフィナートの混合物でアルキル化し、その後次の様に洗浄される事を特徴とする、ポリマー(ブレンド)膜もしくは他のポリマー形成物の作成方法。
(1)過剰量のアルキル化剤を破壊し、場合によっては反応に因り遊離したフッ化物イオンをCaF2として沈殿させるために、アルキル化剤のモル量に対し、反応混合物に2−10倍量の水、塩化カルシウム溶液、もしくはグルコン酸カルシウム溶液等のカルシウム塩水溶液、および/もしくはアルカリ水溶液(1−30%のNaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)2、1−30%のアンモニア溶液もしくはアミン溶液)を攪拌しながらポリマー形成物に加える。
(2)(反応混合物もしくは変性ポリマーの体積に対し)2−20倍のアルコール中(メタノール、エタノール、i−プロパノール、n−プロパノール)、もしくは水中、もしくは鉱物塩水溶液中(NaCl、NaHCO3、Na2SO4、CaCl2、Ca(NO3)2等)、もしくは他の一般の有機沈殿剤(アセトン、メチルエチルケトン等)にてポリマー形成物を洗浄する。
(3)洗浄水からイオンがなくなるまで水で洗浄。
(4)温度を上げ、場合に因り圧力を下げ乾燥。
【請求項27】
請求項21から請求項26のいずれかに記載の作成方法であって、
アルキル化反応の反応溶媒もしくは溶媒として、次の溶媒を純粋な形もしくは混合物として使用する事を特徴とする、作成方法。
・ジメチルスルホキシド、スルホレン、N−メチルピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、アセトニトリル、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、もしくはこれらの溶媒同士の混合物等の双極−非プロトン性溶媒類
・ジエチルエーテル、テトラハイドロフラン、グリム、ジグリム、ジグリム、トリグリム、ジオキサン、もしくはこれら溶媒同士の混合物、等のエーテル溶媒
・メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、もしくはこれらの溶媒の混合物等のアルキルアルコール
・メチルエチルケトンやアセトン、もしくはこれらの溶媒の混合物等のケトン
・水もしくは上記の溶媒との混合物
・上記の溶媒の任意な混合物
【請求項28】
請求項21から請求項27のいずれかに記載の作成方法であって、
反応混合物中易溶もしくは難溶なカルシウム化合物として次のカルシウム化合物を好む事を特徴とする、作成方法。
・カルシウムアセチルアセトナート(ビス−(2,4−ペンタンジオナト)−カルシウム)=Calciumacetylacetonat (Bis-(2,4-pentandionato)-calcium)
・カルシウム−ビス−(6,6,7,7,8,8,8−ヘプタフルオロ−2,2−ジメチル−3,5−オクタンジオナト)=Calcium-bis-(6,6,7,7,8,8,8-heptafluor-2,2-dimethyl-3,5-octandionat)
・カルシウム−1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトナート=Calcium-1,1,1,5,5,5-hexafluoracetylacetonat
・カルシウムメチラート=Calciummethylat
・シュウ酸カルシウム=Calciumoxalat
・グルコン酸−D−カルシウム=Calcium-D-gluconat
・カルシウム−(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナト)=Calcium-(2,2,6,6-tetramethyl-3,5-heptandionat)
・カルシウムトリフラート(=トリフルオロメタンスルフォン酸カルシウム塩)=Calciumtriflat (Trifluormethansulfonsaure Calciumsalz)
【請求項29】
請求項1から請求項28のいずれかに記載の変性ポリマーの、膜プロセス、もしくは場合により膜燃料電池、膜電気分解で使用するための、膜への変形。
【請求項30】
請求項1から請求項28のいずれかに記載の変性ポリマーの、膜燃料電池もしくは膜電気分解のためのプロトン伝導性な、場合によっては物理的に共有結合架橋されているブレンド膜のブレンド構成要素としての使用。
【請求項31】
請求項1から請求項28のいずれかに記載道り作成された変性ポリマー膜の、膜プロセス、膜分離プロセス、膜燃料電池もしくは膜電気分解での使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−263673(P2009−263673A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143756(P2009−143756)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【分割の表示】特願2003−571341(P2003−571341)の分割
【原出願日】平成15年2月28日(2003.2.28)
【出願人】(504329034)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【分割の表示】特願2003−571341(P2003−571341)の分割
【原出願日】平成15年2月28日(2003.2.28)
【出願人】(504329034)
【Fターム(参考)】
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