説明

スロットマシン

【課題】ドリンク容器などを確実に収容できると共に、そのドリンク容器などが遊技中や離着席時などでも邪魔にならない新規なスロットマシンの提供。
【解決手段】箱形筐体10の前面開口部11にこれを開閉するための前面扉20を有し、当該前面扉20に少なくとも意匠パネル部50が形成されたスロットマシン100において、前記意匠パネル部50に、前記筐体10側に凹んだ収容部80を備える。これによって、その収容部80にドリンク容器Dなどを収容すれば、ドリンク容器Dを確実に収容できると共に、そのドリンク容器Dなどが遊技中や離着席時などでも邪魔にならないため、快適な遊技を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所謂パチスロ機などと称されるスロットマシン(回胴式遊技機)に係り、特に遊技中に小物やドリンク類を収容するための収容スペースを備えたスロットマシンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的なスロットマシンは、例えば図9に示すように縦長の箱形をした筐体(キャビネット)10の前面開口部にヒンジ式に開閉する前面扉20を備え、その前面扉20に内部リール30が視認可能な窓部41などを有する表示部40などが形成されると共に、その表示部40の下方にそのスロットマシンの種別やキャラクター、当選役の種類などの各種図柄が意匠的に表示されるほぼ垂直平面状の意匠パネル部50が形成された構造となっている。
【0003】
また、さらにこの意匠パネル部50の下部には、メダル受皿60がその幅方向に沿って形成されていると共に、そのメダル受皿60の左端には、灰皿70がこれと一体的に形成されている。そして、そのメダル受皿60のほぼ中央部には、メダルを排出するためのメダル排出口61が形成されている。
ところで、このようなスロットマシンを遊技する遊技者(プレーヤー)は、その遊技中にタバコを吸ったり、コーヒーやジュースなどの飲料水(ソフトドリンク)を飲みながらその遊技を楽しむことがあるが、従来のスロットマシンには、前述したようにタバコの吸い殻を処理するための灰皿70は設けられているものの、コーヒーやジュースなどを入れたカップや缶、ビンなどのドリンク容器を置いておくためのスペースや工夫が施されていない。
【0004】
そのため、例えば以下の特許文献1などでは、キャビネットの正面にリング状のドリンク容器ホルダーやドリンク容器載台などからなるドリンクホルダーを付設することで、このドリンクホルダーに缶コーヒーやジュースなどのドリンク容器を保持しておくことができるようにしている。
また、以下の特許文献2などでは、キャビネット正面のタイトルパネルのカバーにホルダーを着脱自在に取り付けることで、このホルダーに缶コーヒーやジュースなどのドリンク容器を保持しておくことができるようにしている。
【0005】
また、以下の特許文献3などでは、メダル受皿60の左端に位置する灰皿70を独立して形成し、これを着脱あるいはキャビネット内に収容自在にすることで、その灰皿70のスペースを缶コーヒーやジュースなどのドリンク容器を置くためのスペースとして活用するようにしている。
【特許文献1】特開2005−270538号公報
【特許文献2】特開2005−160766号公報
【特許文献3】特開2004−33079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1や2などのような構造では、そのドリンクホルダーやこれに収容されたドリンク容器が意匠パネル部50表面より遊技者側に大きく突出したような状態となっているため、これが遊技の邪魔になったり、あるいは離着席時などに遊技者の体の一部がぶつかって中身の入ったドリンク容器をひっくり返してしまうといったトラブルが発生する可能性が高い。
また、このドリンクホルダーやそれに収容されたドリンク容器が意匠パネル部50やメダル受皿60の一部を占有してしまうため、その意匠パネル部50のデザイン性や美観を大きく損ねてしまうといった不都合がある。
また、前記特許文献3などのような構造では、その灰皿70部分にドリンク容器を置くと灰皿70が使用できなくなってしまう。
【0007】
一方、これら従来のスロットマシンには、遊技者個人が所有している小物、例えばタバコやライター、鍵、携帯電話、財布などの小物を一時的に収容するためのスペースも設けられていない。
そのため、これらの小物はそのスロットマシン周辺の棚やメダル受皿60などに置かれているのが現状であり、これら小物の忘れ物や盗難、紛失などといった問題がある。特に、これらスロットマシンが設置されているパチスロ店などホール内部は、音楽(BGM)やゲーム音などによってかなり騒々しい環境であるため、これら小物のうち、携帯電話についてはその着信を目視でも確認できるように、ポケットなどに入れておくよりも外に出しておくケースが多く、多くの遊技者はその置き場所に困っているのが現状である。
【0008】
そこで、本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、ドリンク容器などを確実に収容できると共に、そのドリンク容器などが遊技中や離着席時などでも邪魔にならない新規なスロットマシンを提供するものである。
また、本発明の他の目的は、意匠パネル部などのデザイン性や美観を損ねることのない新規なスロットマシンを提供するものである。
さらに、本発明の他の目的は、遊技者個人が所有するタバコや携帯電話などの小物を一時的にまとめて収容できる新規なスロットマシンを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、
箱形筐体の前面開口部にこれを開閉するための前面扉を有し、当該前面扉に少なくとも意匠パネル部が形成されたスロットマシンにおいて、前記意匠パネル部に、前記筐体側に凹んだ収容部を備えたことを特徴とするスロットマシンである。
また、請求項2の発明は、
請求項1に記載のスロットマシンにおいて、前記前面扉に内部リールを表示するための表示部が形成され、当該表示部よりも下方に遊技を開始および終了させるための遊技操作部が形成され、当該遊技操作部よりもさらに下方に前記意匠パネル部が形成されたことを特徴とするスロットマシンである。
【0010】
また、請求項3の発明は、
請求項1または2に記載のスロットマシンにおいて、前記収容部に、これを開閉するための開閉部材を備えたことを特徴とするスロットマシンである。
また、請求項4の発明は、
請求項3に記載のスロットマシンにおいて、前記開閉部材は、前記意匠パネル部表面と平行にスライドするスライド式のものであることを特徴とするスロットマシンである。
また、請求項5の発明は、
請求項3に記載のスロットマシンにおいて、前記開閉部材は、前記意匠パネル部に形成された意匠パネルであり、スライドすることによって前記収容部を開閉することを特徴とするスロットマシンである。
【0011】
また、請求項6の発明は、
請求項4に記載のスロットマシンにおいて、前記開閉部材の表面に、これを閉じたときに前記意匠パネル部に表示される意匠の一部を構成する関連意匠を表示したことを特徴とするスロットマシンである。
また、請求項7の発明は、
請求項5に記載のスロットマシンにおいて、前記開閉部材を閉じたときに遊技者が視認可能となる前記意匠パネル部に、前記意匠パネルに表示される意匠の一部を構成する関連意匠を表示したことを特徴とするスロットマシンである。
また、請求項8の発明は、
請求項3〜7のいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、前記開閉部材を、透明または半透明の素材で形成したことを特徴とするスロットマシンである。
【0012】
また、請求項9の発明は、
請求項1〜8のいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、前記収容部に、ドリンク容器を保持する保持部材を備えたことを特徴とするスロットマシンである。
また、請求項10の発明は、
請求項1〜9のいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、前記収容部を、遊技者から向かって前記意匠パネル部の中央よりも左側に形成したことを特徴とするスロットマシンである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、前面扉の意匠パネル部に、筐体側に凹んだ収容部を備えたため、この収容部をドリンク容器のドリンクホルダーや、タバコ、ライター、鍵、携帯電話、財布などの小物の収容スペースなどとして活用することができる。
これによって、ドリンク容器などを確実に収容できると共に、そのドリンク容器などが遊技中や離着席時などでも邪魔にならないため、快適な遊技を提供できる。
また、これら小物をまとめて収容できるため、忘れ物や盗難、紛失などといった不都合を防止できる。
【0014】
また、請求項2の発明によれば、前記収容部が形成される意匠パネル部が、遊技者が注目する表示部および遊技操作部よりも下方にあるため、その収容部が遊技の妨げとなることはない。
また、請求項3の発明によれば、その前記収容部に、これを開閉するための開閉部材を備えたため、その収容部に収容した小物などを外部から見えなくすることによって、小物の盗難などを未然に防止したり、メダルなどが誤って収容部内に飛入してしまうことを防止することができる。
また、請求項4の発明によれば、前記開閉部材を、前記意匠パネル部表面と平行にスライドするスライド式のものとしたことから、その開閉時などにその開閉部材が邪魔になることがない。
【0015】
また、請求項5の発明によれば、前記意匠パネル部に形成された意匠パネルと開閉部材が一体で形成されるため、製作コストが安価となる。
また、請求項6の発明によれば、前記開閉部材の表面に、これを閉じたときに前記意匠パネル部に表示される意匠の一部を構成する関連意匠を表示したことから、意匠パネル部のデザイン性や美観を損ねることがない。
また、請求項7の発明によれば、前記開閉部材を閉じたときに遊技者が視認可能となる前記意匠パネル部に、前記意匠パネルに表示される意匠の一部を構成する関連意匠を表示したことから、請求項6の発明と同様に意匠パネル部のデザイン性や美観を損ねることがない。
【0016】
また、請求項8の発明によれば、前記開閉部材を、透明または半透明の素材で形成したことから、その収容部に収容した小物を外部から容易に視認することができる。これによって、遊技者が一時的に席を立ったときででも、そのスロットマシンが使用中(遊技中)であることを他の遊技者に知らせることができたり、携帯電話の着信などを容易に認識することができる。
また、請求項9の発明によれば、前記収容部に、ドリンク容器を保持する保持部材を備えたことから、開封して中身の入っているドリンク容器でもこぼしたりすることなく、これを確実に保持しておくことができる。
また、請求項10の発明によれば、前記収容部を、遊技者から向かって前記意匠パネル部の中央よりも左側に形成したことから、その収容部の使い勝手が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係るスロットマシン(「パチスロ機」あるいは「回胴式遊技機」ともいう、以下同じ)100の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1〜図8は、本発明に係るスロットマシン100の実施の形態を示したものであり、図1〜図3および図6はその外観斜視図、図4はその内部構造を示す斜視図、図5はその内部構造を示す正面図、図7はその正面図、図8はその分解斜視図である。
【0018】
図示するように、このスロットマシン100は、縦長の箱形をした筐体(キャビネット)10の前面開口部11にヒンジ式の前面扉20が設けられており、図4および図5に示すようにこの前面扉20がその左端を軸として開閉動するようになっている。
この前面扉20は、内部リール30の3つのリール30a、30b、30cを透過して視認可能に表示するための透明な窓部41を備えた表示部40が形成されていると共に、この表示部40よりも下方には、この表示部40の表面よりやや前方に突出したほぼ垂直平面状の意匠パネル部50が形成されており、さらにこの意匠パネル部50の下部には、メダル排出口61から排出されたメダルを貯めておくためのメダル受皿60がその幅方向に延びるように一体的に形成されている。
【0019】
また、図1〜図3などに示すように、この表示部40の窓部41の右側には、液晶表示部42が設けられており、遊技中における各種演出図柄などを変動表示する他、メダル切れやトラブルなどを各種情報を表示するようになっている。
また、同図に示すように、この表示部40と意匠パネル部50との間には、遊技者の操作によって任意に遊技(ゲーム)を開始および終了させるための遊技操作部90が形成されている。
【0020】
この遊技操作部90は、ゲームを実行するためのスタートレバー91と、最大BETボタン92と、通常BETボタン93と、メダル投入口94と、3つのストップボタン95a、95b、95cと、精算ボタン99などの各操作部品から構成されており、遊技者(プレーヤー)がメダル投入口94から、遊技価値媒体の1つである所定のメダルを投入するか、BETボタン92、93を押して所定枚数のメダルを賭けてからスタートレバー91を押下して内部リール30a、30b、30cを回動させた後、ストップボタン95a、95b、95cを順に押すことによって内部リール30a、30b、30cを停止させ、その停止した図柄の組み合わせが、予め定められた当選役の組み合わせとなった場合はその当選役に応じたメダルが遊技者に付与される。その際、内部的に記憶されている貯留メダル数が、記憶上限値(例えば50枚)に達していない分については、その貯留メダル数に加算され、記憶上限値を超えた分のメダルについては、メダル排出口61から適宜排出されるようになっている。
【0021】
また、この表示部40の上部には、スピーカ97,97と、点滅パネル98などの演出用部品が一体的に設けられており、音やランプの点滅によって主に遊技中の演出を行うようになっている。なお、この遊技操作部90のメダル投入口94の下部に示す符号96は、この前面扉20を開閉・施錠するための鍵を挿入するための鍵穴である。
一方、図4および図5に示すように、この前面扉20を備えた筐体(キャビネット)10内には、前述した内部リール30を構成するリールユニット31と、投入されたメダルの収容や払い出しを行うためのメダル払い出しユニット32と、オーバーフロー用のメダル容器37と、各種設定を行う設定部33と、遊技全般を制御するための主制御基板34と、この主制御基板34の指令を受けて主に演出に関する制御を行うサブ制御基板35などの各種基板が収容されており、遊技操作部90からの遊技操作指令に応じてゲームの抽選や所定の制御、演出などの各種機能を内部的に実現するようになっている。
【0022】
また、図4に示すように、この前面扉20の背面側には、前記メダル投入口94と連通したメダルセレクター36などが設けられており、メダル投入口94からのメダルの投入を識別したり、不正なメダルを分別するなどの機能を発揮するようになっている。
そして、このような基本構成をした本発明のスロットマシン100にあっては、図1〜図3に示すように、遊技者と正面に向き合う前面扉20の意匠パネル部50であって、遊技者から向かってその左側に、その表面より前記筐体10側に凹んだ矩体状の収容部80を形成すると共に、その収容部80内に図6および図7に示すようにドリンク容器Dを保持する保持部材81を備えた構造となっている。
【0023】
この保持部材81は、その収容部80の底部に取り付けられる所定厚さの矩形状の板材82に、少なくともドリンク容器Dの外径よりもやや径大な保持孔83を穿孔したものであり、図6および図7に示すようにこの保持孔83内にその上方からドリンク容器Dの底部を挿入することでそのドリンク容器Dの脱落などを防止しつつその収容部80内に収容・保持するようになっている。
【0024】
また、図1〜図3および図8に示すように、この収容部80にはこれを開閉するための開閉部材86が備えられている。
この開閉部材86は、収容部80の前面開口部とほぼ同じ高さをした横長矩形板状の板材87の左縁部に、上下に延びる摘み部88を備えたものであり、図8に示すようにその意匠パネル部50の枠体52内に嵌め込まれ、その枠体52に沿ってこの意匠パネル部50側の固定パネル51と平行(横方向)にスライド移動するようになっている。なお、図8中53は、その意匠パネル部50の固定パネル51などを背面側から照明するための蛍光灯である。
【0025】
そして、このような構成をした本発明のスロットマシン100にあっては、前面扉20の意匠パネル部50に、その表面より筐体10側に凹んだ収容部80を形成すると共に、その収容部80にドリンク容器Dを保持・収容するための保持部材81を備えたことから、従来のようにドリンクホルダーやこれに保持されたドリンク容器が意匠パネル50の表面から大きく突出することがなくなる。
従って、ドリンク容器Dをこの意匠パネル部50の収容部80に確実に収容できると共に、そのドリンク容器Dが遊技中は勿論、離着席時などでも邪魔になることがなくなり、快適な遊技を提供することができる。
【0026】
また、前述したように従来の殆どのスロットマシンは、遊技者から向かって前面扉20の右端側にメダル投入口94が設けられていると共に、その左端側にスタートレバー91やBETボタン92、93が設けられた構造となっており、遊技中は左手よりも右手側が多用されるような傾向となっている。そのため、通常遊技者は遊技中は左手でドリンク容器を持つ機会が多いことから、本実施の形態のようにこの収容部80を遊技者から向かって意匠パネル部50の左端、すなわち遊技者から向かって意匠パネル部50の中央よりも左側にこの収容部80を設ければ、その収容部80の使い勝手がより向上する。なお、この収容部80は、本実施の形態以外に意匠パネル部50の中央部や遊技者から向かって意匠パネル部50の中央よりも右側に設けたり、あるいは意匠パネル部50の左右両側などに複数設け、遊技者の選択に委ねて自由に使用できるような構成としても良い。
【0027】
また、この収容部80は、ドリンクホルダーとしてだけでなく、例えばタバコ、ライター、鍵、携帯電話、財布などの小物の収容スペースなどとして活用することができるため、これらの小物を収容部80内にまとめて収容することで小物の忘れ物や盗難、紛失などといった不都合を防止することができる。
さらに、本発明のスロットマシン100にあっては、この意匠パネル部50の収容部80にこれを開閉するための開閉部材86を備えたことから、図3に示すようにこれを完全に閉じればその収容部80内に収容した小物などを外部から見えなくすることができるため、小物の盗難などを未然に防止することができる。また、メダル受皿40に払い出されたメダルなどが誤って収容部10内に飛び込んでしまうなどといった不都合も防止することができる。
【0028】
また、この開閉部材86を利用し、その表面にこれを閉じたときに意匠パネル部50に表示される意匠(図柄)の一部を構成する関連意匠(関連図柄)を表示すれば、収容部80を設けたことによる意匠パネル部50のデザイン性や美観の低下を回避することができる。
また、この開閉部材86を意匠パネル部50を構成する意匠パネル51で形成し、これをスライドすることによって前記収容部80を開閉するようにすれば、前述した効果に加え、その意匠パネル部50部分の製作コストを安くすることが可能となる。
【0029】
そして、このように、開閉部材86を意匠パネル部50を構成する意匠パネル51で形成した場合には、その開閉部材86を閉じたときにその意匠パネル部50側に遊技者が視認可能となる領域が出現することから、この領域にその意匠パネルに表示される意匠(図柄)の一部を構成する関連意匠(関連図柄)を表示すれば、前記の例と同様にその意匠パネル部50のデザイン性や美観の低下を回避することができる。
【0030】
また、その一方でこの開閉部材86を透明または半透明の素材、例えばアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンなどの透明樹脂やガラスなどで形成すれば、その収容部80に収容した小物の存在を容易に視認できるため、遊技者が一時的に席を立ったときでもそのスロットマシンが使用中(遊技中)であることを他の遊技者に容易に知らせることも可能となる。また、このように開閉部材86を透明または半透明にすれば、携帯電話などを収容した場合に、その着信を知らせるランプの点滅などを外部から容易に把握することも可能となる。
【0031】
また、この開閉部材86は、意匠パネル部50表面と平行にスライドするスライド式のものとしたことから、その開閉時などにその開閉部材86が遊技者と干渉して邪魔になるようなこともない。
なお、この開閉部材86は、前面扉20などと同様にその収容部80の前面開口部の縁部を軸として回動するヒンジ式のものであっても良い。
また、このように収容部80をドリンクホルダーや遊技者の小物入れとして利用する他に、お店側がお客様に対して提供するサービス品、例えばティッシュペーパーやおしぼり、あるいは遊技マニュアルなどのサービス品の収容スペースなどとして活用することも可能である。
【0032】
さらに、この収容部80に、小物などの有無を検出するセンサーやそのセンサーで反応する照明・発光機器などを備え、その収容部80内への小物の収容の有無によってその部分を照明・発光および消灯させるようにすれば、開閉部材86が閉じた状態であってもその収容の有無を容易に把握できるため、収容部80に収容した小物などの忘れ物をなくすことができる。例えば、小物を収容するとその収容部80の一部あるいは全体が発光し、小物を取り出すと消灯するようにすれば、収容した小物を忘れたりすることがない。また、これにより、そのスロットマシン100が使用中であるか否かも分かるため、遊技者が両替やトイレなどのために一時的に席を空けている間にその台が他の遊技者に取られてしまうなどといったトラブルも回避することができる。
【0033】
また、この収容部80にドリンク容器Dの重量を計測する重量センサを備え、そのドリンク容器Dの重量、すなわちそのドリンク容器D内に残っている中身の有無によってその部分を照明・発光および消灯させるようにすれば、例えば、店員などが飲みかけのドリンク容器Dを片づけてしまったり、あるいは既に中身のなくなったドリンク容器Dを店員などがそのまま見過ごして長時間放置してしまうなどといった不都合も解消することができる。
また、本実施の形態では、遊技に必要な遊技価値媒体としてメダルを用いたが、パチンコ玉のような遊技球であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係るスロットマシン100の実施の形態を示す外観斜視図である(収容部80を完全に開いた状態)。
【図2】本発明に係るスロットマシン100の実施の形態を示す外観斜視図である(収容部80を半分程度閉じた状態)。
【図3】本発明に係るスロットマシン100の実施の形態を示す外観斜視図である(収容部80を完全に閉じた状態)
【図4】本実施の形態に係るスロットマシン100を前面扉20を開いた状態を示す斜視図である。
【図5】本実施の形態に係るスロットマシン100を前面扉20を開いた状態を示す正面図である。
【図6】収容部80にドリンク容器Dを収容した状態のスロットマシン100を示す斜視図である。
【図7】収容部80にドリンク容器Dを収容した状態のスロットマシン100を示す正面図である。
【図8】本発明に係るスロットマシン100の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図9】従来の一般的なスロットマシンの構成を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
100…スロットマシン
10…筐体(キャビネット)
11…前面開口部
20…前面扉
30…内部リール
40…表示部
50…意匠パネル部
60…メダル受皿
70…灰皿
80…収容部
81…保持部材
86…開閉部材
90…遊技操作部
D…ドリンク容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱形筐体の前面開口部にこれを開閉するための前面扉を有し、当該前面扉に少なくとも意匠パネル部が形成されたスロットマシンにおいて、
前記意匠パネル部に、前記筐体側に凹んだ収容部を備えたことを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
請求項1に記載のスロットマシンにおいて、
前記前面扉にリールを表示するための表示部が形成され、当該表示部よりも下方に遊技を開始および終了させるための遊技操作部が形成され、当該遊技操作部よりもさらに下方に前記意匠パネル部が形成されたことを特徴とするスロットマシン。
【請求項3】
請求項1または2に記載のスロットマシンにおいて、
前記収容部に、これを開閉するための開閉部材を備えたことを特徴とするスロットマシン。
【請求項4】
請求項3に記載のスロットマシンにおいて、
前記開閉部材は、前記意匠パネル部表面と平行にスライドするスライド式のものであることを特徴とするスロットマシン。
【請求項5】
請求項3に記載のスロットマシンにおいて、
前記開閉部材は、前記意匠パネル部に形成された意匠パネルであり、スライドすることによって前記収容部を開閉することを特徴とするスロットマシン。
【請求項6】
請求項4に記載のスロットマシンにおいて、
前記開閉部材の表面に、これを閉じたときに前記意匠パネル部に表示される意匠の一部を構成する関連意匠を表示したことを特徴とするスロットマシン。
【請求項7】
請求項5に記載のスロットマシンにおいて、
前記開閉部材を閉じたときに遊技者が視認可能となる前記意匠パネル部に、前記意匠パネルに表示される意匠の一部を構成する関連意匠を表示したことを特徴とするスロットマシン。
【請求項8】
請求項3〜7のいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、
前記開閉部材を、透明または半透明の素材で形成したことを特徴とするスロットマシン。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、
前記収容部に、ドリンク容器を保持する保持部材を備えたことを特徴とするスロットマシン。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、
前記収容部を、遊技者から向かって前記意匠パネル部の中央よりも左側に形成したことを特徴とするスロットマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−237526(P2008−237526A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−81940(P2007−81940)
【出願日】平成19年3月27日(2007.3.27)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】