説明

スローアウェイ式回転切削装置およびチップホルダ

【課題】チップホルダの回転に拘わらず、スローアウェイチップの冷却効率を向上させる。
【解決手段】スローアウェイ式回転切削装置1は、切刃が形成されたスローアウェイチップ14と、スローアウェイチップを保持する保持部30を有するチップホルダ12と、チップホルダを軸支、回動する駆動部10と、チップホルダの回転軸12aに対して相対移動可能な載置台16と、を備え、チップホルダは、回転軸位置に形成され冷却媒体を導入する導入路32と、スローアウェイチップの保持部側に形成され、導入された冷却媒体とスローアウェイチップとの熱交換を行う熱交換部34と、熱交換後の冷却媒体を排出する排出路36とをさらに備える。こうして、チップホルダ12内部から主としてスローアウェイチップを冷却し冷却効率を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外周にスローアウェイチップを固設したチップホルダ、および、そのチップホルダを用いて被切削物を切削するスローアウェイ式回転切削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金属材料で構成される被切削物を平面切削するため所謂フライス加工が行われる。フライス加工は、外周面に複数のスローアウェイチップを固設したチップホルダを回転させて被切削物を面状に切削する加工方法である。かかるフライス加工においては、チップホルダが高速回転されるため、スローアウェイチップの切刃部位が高温になり、工具としての損耗を早める問題があった。
【0003】
このような工具の損耗を防止すべく、工具の利用と同時に工具を冷却することが必要となる。一般的なフライス加工では、冷却効果を有する切削油を工具に直接噴射することで工具の冷却を試みている(例えば、特許文献1)。しかし、スローアウェイチップと共に被切削物にも切削油がいきわたるため、工具のみを冷却することができず、また、このような切削油を噴射する方法では、切削油と工具の接触面積が小さくかつ接触時間が短い。したがって、工具の冷却効果を高めることが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4690439号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者は、スローアウェイチップをチップホルダ内部(裏)から冷却することで、工具の冷却効率を向上することを検討した。しかし、旋盤加工と異なり、フライス加工を目的としたスローアウェイ式回転切削装置では、スローアウェイチップを固設したチップホルダが回転しているので、周回するスローアウェイチップに冷却媒体を供給するのは困難であり、冷却後の冷却媒体の回収手段も問題となる。
【0006】
そこで本発明は、このような課題に鑑み、チップホルダの回転に拘わらず、チップホルダ内部からスローアウェイチップを冷却して、冷却効率を向上させることが可能なスローアウェイ式回転切削装置およびチップホルダを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のスローアウェイ式回転切削装置は、切刃が形成されたスローアウェイチップと、スローアウェイチップを保持する保持部を有するチップホルダと、チップホルダを軸支、回動する駆動部と、チップホルダの回転軸に対して相対移動可能な載置台と、を備え、チップホルダは、回転軸位置に形成され冷却媒体を導入する導入路と、スローアウェイチップの保持部側に形成され、導入された冷却媒体とスローアウェイチップとの熱交換を行う熱交換部と、熱交換後の冷却媒体を排出する排出路と、をさらに備えることを特徴とする。
【0008】
排出路の排出側端部は、チップホルダの外周に形成され、冷却媒体は、少なくとも熱交換後には気体の状態であり、排出側端部から大気に放出されてもよい。
【0009】
熱交換部は、開口部がスローアウェイチップに臨む、冷却媒体の流路であってもよい。
【0010】
熱交換部は、開口部が、少なくとも、スローアウェイチップの切刃の他端部より切刃に近い領域に臨むとしてもよい。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のチップホルダは、スローアウェイチップを保持する保持部と、回転軸位置に形成され冷却媒体を導入する導入路と、スローアウェイチップの保持部側に形成され、導入された冷却媒体とスローアウェイチップとの熱交換を行う熱交換部と、熱交換後の冷却媒体を排出する排出路と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、チップホルダの回転に拘わらず、チップホルダ内部から主としてスローアウェイチップを冷却して、冷却効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】スローアウェイ式回転切削装置の概略的な構成を説明するための説明図である。
【図2】チップホルダの外観を示す斜視図である。
【図3】チップホルダの平面図と正面図とを示す説明図である。
【図4】保持部によるスローアウェイチップの保持態様を説明するための図2のAA要部断面図である。
【図5】チップホルダの外観を示す斜視図である。
【図6】チップホルダの平面視構造を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0015】
本実施形態では、ドリル、エンドミルやフェイスミル、プランジャに代表されるスローアウェイ式回転切削装置1の全体構成を説明し、その後、フライス加工に用いるチップホルダを詳述する。
【0016】
(スローアウェイ式回転切削装置1)
図1は、スローアウェイ式回転切削装置1の概略的な構成を説明するための説明図である。スローアウェイ式回転切削装置1は、駆動部10と、チップホルダ12と、スローアウェイチップ14と、載置台16とを含んで構成され、例えば、金属材料で構成される被切削物18を平面切削する。
【0017】
駆動部10は、例えば、電動機と、その回転速度を減衰させる減速機とで構成され(図示せず)、スピンドルヘッド10aを介してチップホルダ12を軸支および回動する。
【0018】
チップホルダ(正面フライス)12は、円柱形状に形成され、その円柱の中心軸(回転軸12a)が駆動部10の回転軸10bと一致するようにスピンドルヘッド10aに固定される。チップホルダ12の、スピンドルヘッド10aと異なる側の端部(フライスヘッド)側の外周には、複数の(本実施形態では3つの)スローアウェイチップ14が等間隔で固設される。かかるチップホルダ12は、主として被切削物18に比較的大きな平面を形成する際に用いられる。本実施形態においては、円柱形状のチップホルダ12を挙げているが、回転軸12aに対して等距離にスローアウェイチップ14を配置できれば、円盤形状や円錐形状等、様々な形状のチップホルダ12を適用することができる。
【0019】
スローアウェイチップ(ツールチップやインサートと呼ぶ場合もある)14は、比較的厚みのある平板で形成され、端部の少なくとも一方に切刃が形成される。スローアウェイチップ14は、消耗品に相当するので、チップホルダ12に着脱自在に固設されている。スローアウェイチップ14が経時劣化すると、ユーザは、まず、他端部に形成された予備の切刃と反転配置し、いずれも損耗すると、新たなスローアウェイチップ14と交換する。ここでは、スローアウェイチップ14として外観四角形のものを用い、ボルトで固定する例を挙げて説明するが、形状や固定手段はかかる場合に限らず、あらゆる形状や固定手段を用いることができる。
【0020】
載置台16は、被切削物18を載置する台であり、バイス(図示せず)等により被切削物18を固定できるように構成されている。また、載置台16は、チップホルダ12に対してX方向の相対移動を可能とするテーブル16a、Y方向の相対移動を可能とするサドル16b、Z方向の相対移動を可能とするニー16cで構成され、任意の平面位置および高さで被切削物18を切削加工することが可能となる。
【0021】
このようなスローアウェイ式回転切削装置1におけるフライス加工では、チップホルダ12の高速回転によって高精度に被切削物18が平面切削される。このとき、スローアウェイチップ14の切刃部位は非常に高温となる。本実施形態では、温度上昇に伴うスローアウェイチップ14の損耗を防止すべく、回転しているチップホルダ12の内部からスローアウェイチップ14を冷却して、冷却効率を向上することを目的としている。以下、当該目的を実現するチップホルダ12を詳述する。
【0022】
(チップホルダ12)
図2は、チップホルダ12の外観を示す斜視図であり、図3は、チップホルダ12の平面図と正面図とを示す説明図である。ここで、チップホルダ12は、3つのスローアウェイチップ14を有し、それぞれについて、後述する冷却媒体の循環経路が形成されるが、図2および図3では、説明の便宜のため、少なくとも1の循環経路に関する各機能部を示し、他は実質的に機能が等しいので図示を省略する。
【0023】
保持部30は、スローアウェイチップ14を、スローアウェイチップ14の切刃14aによる切削方向が、チップホルダ12の円周方向に沿うように保持する。こうして、スローアウェイチップ14は、チップホルダ12の外周刃として機能することとなる。
【0024】
図4は、保持部30によるスローアウェイチップ14の保持態様を説明するための図2のAA要部断面図である。図4(a)および図2に示すように、保持部30は、スローアウェイチップ14の取付側が開口した箱形状で構成され、高い面精度を有する開口縁(座面)30aにスローアウェイチップ14の取付面14bを当接(密着)することで、スローアウェイチップ14のブレを防止する。
【0025】
また、保持部30には、ネジが切られた挿通孔30bが形成されており、スローアウェイチップ14の貫通孔14cに通したボルト14dを挿通孔30bに螺合、締結することで、スローアウェイチップ14を保持する。
【0026】
また、保持部30は、スローアウェイチップ14を当接することで、箱形状内周に密閉空間30cを形成し、後述する冷却媒体の流路として機能させることができる。開口縁30aやスローアウェイチップ14の取付面14bは面精度が高いため、密閉空間30cを流動する冷却媒体が漏洩することもない。
【0027】
図2および図3に戻って、導入路32は、チップホルダ12の回転軸12aの位置に、チップホルダ12天面中心から垂直下方に延びる円孔で形成され、駆動部10側から供給される冷却媒体を熱交換部34に導入する。ここでは、冷却媒体として、例えば液化窒素等の液化ガスを採用する。
【0028】
熱交換部34は、保持部30の箱形状を利用した、開口部34a(図4参照)がスローアウェイチップ14に臨む、冷却媒体の流路の一部(密閉空間30c)として形成され、導入路32から導入された冷却媒体とスローアウェイチップ14との熱交換を行う。
【0029】
上述したように、保持部30の開口縁30a(図4参照)とスローアウェイチップ14の取付面14bとが当接すると、箱形状内周に密閉空間30cが形成される。ここでは、密閉空間30cの一端部34bに導入路32が接続され、密閉空間30cの他端部34cに後述する排出路36が接続される。したがって、冷却媒体は、熱交換部34の密閉空間30c内で一時的に滞留することとなり、スローアウェイチップ14と冷却媒体との熱交換が十分為された後、排出される。
【0030】
また、密閉空間30cの鉛直下方に位置する一端部34bから冷却媒体を導入し、密閉空間30cの鉛直上方に位置する他端部34cから排出することで、冷却媒体の流動方向が、吸熱した冷却媒体の比重に基づく鉛直上方への流れと等しくなる。こうして、熱交換前の冷却媒体と熱交換後の冷却媒体とが流れに反して混流するのを回避することができ、熱交換をスムーズに行うことが可能となる。
【0031】
また、熱交換部34の開口部34aは、スローアウェイチップ14の取付面14bにおける開口縁30aに対応する部位を除く領域と接触しているので、スローアウェイチップ14との広範囲の接触面積を確保できる。また、かかる開口部34aにより冷却媒体がスローアウェイチップ14の取付面14bに直接接触するため、冷却効率を向上することが可能となる。
【0032】
ここでは、図4(a)のように、密閉空間30cの開口部34aがスローアウェイチップ14の取付面14bと広範囲に接触している例を挙げた。しかし、熱交換部34は、スローアウェイチップ14の取付面14b全面を冷却する場合に限らず、図4(b)の如く、開口部34aが、少なくとも、スローアウェイチップ14の切刃14aの他端部14eより切刃14aに近い領域に臨むように形成され、主として切刃14aが冷却されるとしてもよい。このように、少なくとも、切削部位である切刃14aに近い領域が冷却されることで、密閉空間30cの占有体積における冷却効率を向上することができる。
【0033】
また、熱交換部34は、図4(c)に示すように、切刃14aの他端部14eより切刃14aに近いほど、密閉空間30cの単位面積(取付面14b)における容積が大きくなるように形成されてもよい。こうすることで、温度分布が高温の領域(切刃14a近傍)の冷却力を高めることができ、全体的にも、より高い冷却効果を得ることができる。
【0034】
排出路36は、導入路32と平行に、熱交換部34から垂直上方に延びる円孔で形成され、熱交換部34による熱交換後の冷却媒体を、チップホルダ12の外周に形成した排出側端部36aから大気に排出する。
【0035】
このようにして、チップホルダ12では、導入路32、熱交換部34、排出路36といった冷却媒体の循環経路が形成される。また、チップホルダ12では、複数の(本実施形態では3つの)スローアウェイチップ14が固設されているため、かかる循環経路もスローアウェイチップ14の分だけ準備される(40a、40b、40c)。このような3つの循環経路40a、40b、40cは、3つの循環経路40a、40b、40c共通の導入路32から3つの熱交換部34に向け放射状に分岐し、3つの排出路36にそれぞれ独立して通じている。
【0036】
従来では、冷却効果を有する切削油をスローアウェイチップ14や被切削物18に直接噴射し、熱交換後の切削油がそのままスローアウェイチップ14や被切削物18近傍に残留していた。本実施形態においては、熱交換後の冷却媒体をスローアウェイチップ14と離隔した位置(排出側端部36a)で排出しているので、スローアウェイチップ14や被切削物18に冷却媒体が接触するのを回避でき、切り屑に冷却媒体が混合することもなく、メンテナンス性を高めることが可能となる。
【0037】
さらに、排出側端部36aと熱交換部34との空間距離を長くとることで、外気の熱が排出路36を通じて熱交換部34に伝導してしまうのを抑制し、効率的な熱交換が可能となる。また、被切削物18では、ある程度高温の状態を維持したい場合においても、従来のように潤滑油によって必然的に冷却されることもないので、効率的なフライス加工が可能となる。
【0038】
また、上述したように本実施形態では、液体窒素等の液化ガスのように、少なくとも熱交換後には気体の状態となる媒体、または、熱交換前から気体の状態を維持する媒体を冷却媒体として選定している。したがって、排出側端部36aから排出される時点では冷却媒体は気化しており、大気中に放出することが可能となる。
【0039】
また、排出路36は、垂直上方に延びた後、半径方向に方向転換して排出側端部36aに至る形状となっている。したがって、チップホルダ12の回転を通じて冷却媒体には遠心力が働くこととなり、スムーズかつ遠くに気体状の冷却媒体が排出される。
【0040】
(チップホルダ12の加工)
次に、上述したチップホルダ12の製作に関し、チップホルダ12に対してどのような加工を行うか説明する。
【0041】
図5は、チップホルダ12の外観を示す斜視図であり、図6は、チップホルダ12の平面視構造を説明するための説明図である。まず、導入路32に相当する削孔(円孔)50を形成する。これは、チップホルダ12の回転軸12a位置に、チップホルダ12天面中心52から熱交換部34の密閉空間30c下方に対応する部分まで垂直下方に穿孔することで為される。
【0042】
かかる削孔50(導入路32)は、冷却媒体の複数の循環経路に共通な孔なので、全ての循環経路に十分に冷却媒体がいきわたる程度の径で形成される。ただし、切削油をスローアウェイチップ14に露出面側から噴射する機構を有する既存のチップホルダにおいて、切削油を供給するための導入路を形成する加工が回転軸12a位置に既に施されている場合、その導入路を利用して本実施形態の削孔50(導入路32)を形成することができる。こうして、既存の構造を有効利用し、低コストでチップホルダ12を製作することが可能となる。
【0043】
次に、排出路36に相当する削孔(円孔)54を形成する。これは、チップホルダ12天面における中心から等距離にある任意の位置56a、56b、56cから熱交換部34の密閉空間30c上方に対応する部分まで垂直下方に穿孔することで為される。また、削孔54(排出路36)は、熱交換部34から排出側端部36aまでしか必要ないので、削孔54の天面側から円柱形状の閉塞部材58を挿入して開口を塞ぎ、それより鉛直上方の削孔54を空間的に離隔させる。そして、外周面の排出側端部36aから当該削孔54への貫通孔60を形成することで、L字状の排出路36が形成される。
【0044】
続いて、スローアウェイチップ14を取り付ける位置に保持部30を形成し、開口縁30aと挿通孔30bとを除いて、スローアウェイチップ14を当接することで密閉空間30cとなる溝62を形成する(その結果、開口縁30aと挿通孔30bとは突出する)。次に、その溝62の鉛直方向の一端部34bから導入路32に貫通孔64aを形成し、また、他端部34cから排出路36に貫通孔64bを形成する。こうして、導入路32、熱交換部34、排出路36といった冷却媒体の循環経路が形成される。
【0045】
以上、説明したスローアウェイ式回転切削装置1によれば、チップホルダ12の回転中心から冷却媒体が導入されるので、チップホルダ12の回転に拘わらず、チップホルダ12内部からスローアウェイチップ14のみを適切に冷却して、冷却効率を向上させることが可能となる。また、熱交換後の冷却媒体は、気体の状態で外周面から排出されるので、スローアウェイチップ14や被切削物18に冷却媒体が接触するのを回避でき、メンテナンス性を高めることが可能となる。
【0046】
また、チップホルダ12をはじめ、他の部位に関しても、フライス加工を目的とする既存のスローアウェイ式回転切削装置をそのまま加工して利用することが可能なので、特殊な設備を要さず、低コストで、スローアウェイチップ14の損耗を抑制することができる。
【0047】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0048】
例えば、上述した実施形態においては、熱交換部34において、スローアウェイチップ14の取付面14bに直接冷却媒体を接触させる例を挙げて説明したが、両者の間に熱伝導率の高い材料を介在させてもよい。また、スローアウェイチップ14自体を穿孔して、導入路32から導入された冷却媒体をその孔中に循環させるとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、外周にスローアウェイチップを固設したチップホルダ、および、そのチップホルダを用いて被切削物を切削するスローアウェイ式回転切削装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 …スローアウェイ式回転切削装置
10 …駆動部
12 …チップホルダ
12a …回転軸
14 …スローアウェイチップ
14b …取付面
16 …載置台
18 …被切削物
30 …保持部
32 …導入路
34 …熱交換部
36 …排出路
36a …排出側端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
切刃が形成されたスローアウェイチップと、
前記スローアウェイチップを保持する保持部を有するチップホルダと、
前記チップホルダを軸支、回動する駆動部と、
前記チップホルダの回転軸に対して相対移動可能な載置台と、
を備え、
前記チップホルダは、
回転軸位置に形成され冷却媒体を導入する導入路と、
前記スローアウェイチップの取付面側に形成され、導入された前記冷却媒体と前記スローアウェイチップとの熱交換を行う熱交換部と、
熱交換後の前記冷却媒体を排出する排出路と、
をさらに備えることを特徴とするスローアウェイ式回転切削装置。
【請求項2】
前記排出路の排出側端部は、前記チップホルダの外周に形成され、
前記冷却媒体は、少なくとも熱交換後には気体の状態であり、前記排出側端部から大気に放出されることを特徴とする請求項1に記載のスローアウェイ式回転切削装置。
【請求項3】
前記熱交換部は、開口部が前記スローアウェイチップに臨む、前記冷却媒体の流路であることを特徴とする請求項1または2に記載のスローアウェイ式回転切削装置。
【請求項4】
前記熱交換部は、開口部が、少なくとも、前記スローアウェイチップの切刃の他端部より該切刃に近い領域に臨むことを特徴とする請求項3に記載のスローアウェイ式回転切削装置。
【請求項5】
スローアウェイチップを保持する保持部と、
回転軸位置に形成され冷却媒体を導入する導入路と、
前記スローアウェイチップの取付面側に形成され、導入された前記冷却媒体と前記スローアウェイチップとの熱交換を行う熱交換部と、
熱交換後の前記冷却媒体を排出する排出路と、
を備えることを特徴とするチップホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−35070(P2013−35070A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170120(P2011−170120)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】