説明

セキュリティデバイスおよびその検証方法

【課題】意匠性および偽造防止効果を高める上で有利なセキュリティデバイスおよびその検証方法を提供する。
【解決手段】基材1上に、配向層2が形成され、その上に液晶分子からなる潜像形成層3が形成され、その上に散乱性反射層4が形成されている。配向層2は、凹部(溝)と凸部によって形成された互いに平行する複数の格子からなる格子様パターンが設けられている。潜像形成層3の液晶分子は、配向層2の格子様パターンの溝に沿って配向し、重合によって固定される。液晶分子が格子様パターンの溝に配向することで、偏光フィルムを介して観察したときに視認可能となる。散乱性反射層4は、潜像形成層3を挟んで配向層2と反対側に形成され、入射される光に対して光を散乱する散乱性を付与すると共に、前記入射される光の偏光性を維持して、言い換えると、偏光を乱さないで反射させるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、偏光フィルムを介したときにのみ目視で視認可能な潜像を形成し、偏光フィルムを用いて検証可能であるセキュリティデバイスおよびその検証方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、潜像を偽造防止に用いた方法が種々提案されている。
例えば、万線のピッチの隙間を利用して隠し文字等を入れ、万線部分を隠蔽することで隠し文字が現れる方法や、凹版印刷を利用し角度を傾けたときに隠し文字が見える方法がある。
これらの方法では、通常の状態でもよく見ると潜像画像が見えてしまうという問題がある。
【0003】
また、特殊発光インキによって潜像を形成する方法もある。
その一つは、蛍光インキである。蛍光インキは紫外線を照射すると発光するインキであり、蛍光インキで潜像画像を形成しておけば、紫外線ランプで照射したときのみ画像確認可能である。
別の方法として、赤外線吸収インキを用いる方法がある。赤外線吸収インキで形成された画像は赤外線カメラ等でのみ画像確認可能である。
しかしながら、これら特殊発光インキを用いる方法では、潜像の確認に特定の検出装置が必要であり、特に赤外線カメラ等を用いた検出方法は大掛かりなものになってしまう。
【0004】
近年では、液晶材料の複屈折性を利用した潜像形成方法が提案されている。
これは、液晶材料を部分的に配向させることで潜像画像を形成し、偏光フィルムを通して見ることで潜像画像を視認できる方法である。
【0005】
液晶材料による潜像は、ラビング処理を施した基材に必要な部分のみ液晶材料を塗布したり、光配向膜等の各種配向処理を施した基材に液晶材料を塗布し、潜像部分のみ液晶が配向するようにしたり、といった手法によって形成される。
【0006】
近年、ホログラムに液晶による潜像技術を組み合わせることで、偽造防止効果を高めることが提案されている(特許文献1参照)。
ホログラムは、虹色に光り、見る角度によって色が変化するといった特殊な視覚効果を持つことから、偽造防止手段の一つとして使用されている。
しかし、さらに偽造防止効果を高めるためや、ホログラム自体の偽造を防止する目的で、潜像技術などの異なる偽造防止手段と組み合わせて使われることが多くなってきている。
ホログラムに液晶を用いた潜像技術を組み合わせると、目視ではホログラム画像のみが視認でき、偏光フィルムを通して見たときのみ液晶の配向による潜像画像が視認できるため、目視での判定と検証器での判定と二重の真偽判定が可能となり、偽造防止効果が高まると期待される。
【特許文献1】特開2001−63300号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、単に液晶による潜像技術を組み合わせる方法は公知の技術であり、更なる意匠性の向上や、偽造防止効果の向上が望まれている。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、偏光フィルムを介して潜像を観察する際に、従来にない色や色変化機能、検証方法を可能にすることで、意匠性および偽造防止効果を高める上で有利なセキュリティデバイスおよびその検証方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係るセキュリティデバイスは、凹部と凸部によって形成された互いに略平行する複数の格子からなる格子様パターンが設けられた配向層と、前記配向層上に形成され、液晶分子を有し偏光フィルムを介したときにのみ視認できる潜像を形成する潜像形成層と、前記潜像形成層を挟んで前記配向層と反対側に形成され、入射される光に対して光を散乱する散乱性を付与すると共に前記入射される光の偏光性を維持して反射させる散乱性反射層とを含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項2に係るセキュリティデバイスは、前記格子様パターンは、該格子様パターンを構成する格子の構成が異なる複数の領域を含み、前記配向層が延在する平面上を延在する基準線に対して、前記格子様パターンをなす前記格子の長手方向がなす角度を格子角度とした場合に前記各領域の格子角度が異なっていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項3に係るセキュリティデバイスは、前記潜像形成層が光重合性のネマティック液晶からなり、前記液晶分子が前記格子を構成する凹部と凸部のうちの前記凹部に沿って配向したのち、重合によって配向が固定されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項4に係るセキュリティデバイスは、前記格子様パターンを構成する格子が、回折格子または一方向性拡散パターンであることを特徴とする。ここで、一方向性拡散パターンとは、格子状の溝構造の長手方向がある程度ランダムでありながらも平均的には一方向に配置されている構造のこととする。
【0013】
また、本発明の請求項5に係るセキュリティデバイスは、前記格子を構成する凹部と凸部のうちの前記凹部のピッチが0.1〜10μmであり、深さが0.1〜1μmであることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項6に係るセキュリティデバイスは、前記散乱性反射層が、微小な凹凸を有する金属反射膜で形成されていることを特徴とする。ここで、散乱性反射層は入射される光に対して光を散乱する散乱性を付与すると共に、前記入射される光の偏光性を維持して反射させる反射層であり、偏光を乱さない金属反射層に微小な凹凸によって散乱性を付与することで提供される。
【0015】
また、本発明の請求項7に係るセキュリティデバイスは、前記散乱性反射層が、微小な凹凸を有する一層または多層の誘電体膜で形成されていることを特徴とする。ここで、散乱性反射層は入射される光に対して光を散乱する散乱性を付与すると共に、前記入射される光の偏光性を維持して反射させる反射層であり、偏光を乱さない一層または多層の誘電体層に微小な凹凸によって散乱性を付与することで提供される。
【0016】
また、本発明の請求項8に係るセキュリティデバイスは、前記配向層が前記散乱性反射層に臨む側と反対側の箇所に、さらに偏光フィルム層が形成されていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項9に係るセキュリティデバイスは、前記配向層は光が透過可能な材料からなる基材上に形成され、前記偏光フィルム層が形成されている箇所は前記基材が前記配向層に臨む面と反対側の面であることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項10に係るセキュリティデバイスの検証方法は、請求項1乃至8記載に何れか1項記載のセキュリティデバイスを、該セキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から偏光フィルムを介して観察した際に現れる潜像を確認することで真贋判定を行うことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項11に係るセキュリティデバイスの検証方法は、請求項1乃至8記載に何れか1項記載のセキュリティデバイスを、該セキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から偏光フィルムを介して観察した際に現れる潜像を確認し、かつ、その状態を維持しつつ前記セキュリティデバイスを前記仮想平面と直交する仮想軸回りに回転させた際に生じる前記潜像の色変化を確認することで真贋判定を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によるセキュリティデバイスは、格子様パターンからなる配向層に、液晶分子により潜像形成層を形成し、散乱性反射層を設けることで、本発明のセキュリティデバイスを偏光フィルムを介して傾けて観察した際に現れる潜像に、従来にはない色表現を可能とし、意匠性や偽造防止効果を高めることができる。
また、本発明によるセキュリティデバイスの検証方法は、本発明のセキュリティデバイスの持つ従来にはない色表現の検証を可能にすると共に、回転させることで色変化の検証が可能であり、さらに意匠性や偽造防止効果を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明のセキュリティデバイスを実施例に基づいて説明する。
【0022】
図1に本発明の代表的な構成を示す。
光が透過可能な材料からなる基材1上に、配向層2が形成され、その上に液晶分子からなる潜像形成層3が形成され、その上に散乱性反射層4が形成されている。
【0023】
配向層2は、凹部(以下溝ともいう)と凸部によって形成された互いに略平行する複数の格子からなる格子様パターンが設けられている。
格子様パターンは、それぞれ異なる格子角度からなる少なくとも2つの領域を含んでおり、例えば図2に示すように、領域5aおよび5bの2つの領域からなっている。
詳細に説明すると、本実施の形態では、格子様パターンは、該格子様パターンを構成する格子の構成が異なる複数の領域を含んでおり、配向層2が延在する平面上を延在する基準線に対して、格子様パターンをなす格子の長手方向がなす角度を格子角度とした場合に各領域5a、5bの格子角度が異なっている。
【0024】
潜像形成層3(液晶層)の液晶分子は、配向層2の格子様パターンの溝に沿って配向し、重合によって固定される。
このときの配向方向は、溝方向と液晶分子の長軸方向が一致するような配向となっている。このように液晶分子が格子様パターンの溝に配向することで、偏光フィルムを介して観察したときに視認可能となる。
【0025】
前記格子様パターンは、回折格子もしくは一方向性拡散パターンなど、格子状の溝を持った構造で、回折格子のように周期的な構造であってもよく、一方向性拡散パターンのようにある程度ランダムであってもよい。
ただし、一方向性拡散パターンとは、格子状の溝構造の長手方向がある程度ランダムでありながらも平均的には一方向に配置されている構造のことである。また、格子様パターンの溝(凹部と凸部のうちの凹部)について、ピッチが0.1〜10μm、深さが0.1〜1μmであることとする。
【0026】
散乱性反射層4は、潜像形成層3を挟んで配向層2と反対側に形成され、入射される光に対して光を散乱する散乱性を付与すると共に、前記入射される光の偏光性を維持して、言い換えると、偏光を乱さないで反射させるものである。
本例では、散乱性反射層4は、微小な凹凸を有する金属反射膜であることとする。
すなわち、散乱性反射層4は偏光を乱さない金属反射膜に微小な凹凸によって散乱性を付与することで提供される。
このような散乱性金属反射層は、例えば、微小な表面凹凸構造にアルミニウム等の金属を蒸着することによって得られる。
【0027】
また、散乱性反射層4は、微小な凹凸を有する一層または多層の誘電体膜であってもよい。
すなわち、この場合、散乱性反射層4は、偏光を乱さない一層または多層の誘電体膜に微小な凹凸によって散乱性を付与することで提供される。
このような散乱性誘電体層は、例えば、微小な表面凹凸構造に硫化亜鉛等の高屈折率材料とフッ化マグネシウム等の低屈折率材料を多層蒸着することによって得られる。
【0028】
なお、図3に示すように、配向層2が散乱性反射層4に臨む側と反対側の箇所に、すなわち、基材1が配向層2に臨む面と反対側の面に、さらに偏光フィルム層6を設けてもよい。
そして、偏光フィルム層6を設けると、後述する検証時に別途偏光フィルムを用いる必要はない。
【0029】
検証方法として、偏光フィルム(偏光板)を介し、かつ本発明のセキュリティデバイスを傾けて観察することで潜像を観察する方法がある。すなわち、セキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から偏光フィルムを介して観察した際に現れる潜像を確認することで真贋判定を行う方法である。
このとき観察される潜像は、独特の色を呈する。これは、潜像形成層3の、通常観察されにくい液晶分子の異方性に由来する効果が、散乱性反射層4により、傾けて観察したときに顕著に現れるためである。
【0030】
また、別の検証方法として、偏光フィルムを介し、かつ本発明のセキュリティデバイスを傾けて観察したときに潜像が現れることを確認し、かつ水平に回転させたときの色変化を観察する方法がある。すなわち、セキュリティデバイスを、該セキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から偏光フィルムを介して観察した際に現れる潜像を確認し、かつ、その状態を維持しつつセキュリティデバイスを前記仮想平面と直交する仮想軸回りに回転させた際に生じる潜像の色変化を確認することで真贋判定を行う方法である。
このとき観察される潜像は、独特の色を呈しており、かつ回転させることで色変化が起こる。
これは、本発明のセキュリティデバイスを回転させることで、潜像形成層3の液晶分子の配向方向が回転したのと同じ効果が生まれるためである。観察される色は、液晶分子の配向方向に由来しているため、配向方向が異なると観察される色も変わる。
【0031】
例えば、図4に示すように、配向層2にそれぞれ格子角度が0°方向、90°方向の格子様パターンからなる領域5a、5bを配置し、偏光フィルム7によって観察する場合について示す。
偏光フィルム7の透過軸は45°方向とする。このとき、偏光フィルム7を介して正面方向から観察すると、領域5aおよび5bが潜像として観察できる。このとき、領域5aと5bの色は同じである。
次に、傾けて観察すると(セキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から偏光フィルム7を介して観察すると)、領域5aと5bは異なる色に見える。ここで見える色は、例えば領域5aが赤、領域5bが緑であり、色の違いは領域5aと5bの格子様パターンの配向方向の違いに由来している。
特に、0°配向と90°配向のときを考えると、潜像形成層3の液晶分子の異方性が最大に影響する。すなわち、0°配向領域では短軸方向の屈折率が支配的で、90°配向方向領域では長軸方向の屈折率が支配的であるためである。
【0032】
このような呈色は、偏光フィルム7の透過軸と、液晶分子の配向方向が45°異なるとき、最も顕著に観察される。
液晶分子からなる潜像形成層がちょうどπ/2の位相差を与えると考えると、45°方向の偏光が通過するとき、0°方向配向の領域5aでは右回りの円偏光に変換され、90°方向配向の領域5bでは左回りの円偏光に変換される、と考えることができる。
それぞれの円偏光は散乱性反射層4で反射され、もう一度液晶分子からなる潜像形成層3を通過し、直線偏光に変換される。このとき、散乱性反射層4が偏光を乱すと最終的な効率が悪くなるため、散乱性反射層4は偏光を乱さないことが重要である。
最終的に観察側に戻ってきた直線偏光は、共に135°方向の偏光となるため、観察側の偏光フィルム7を透過せず、呈色が観察される。
なお、円偏光の向きは右回りと左回りが逆の可能性もあり、また、完全な円偏光ではなく、楕円偏光である可能性もある。
【0033】
さらに、図4に示すような本発明のセキュリティデバイスを、偏光フィルム7を介し傾けて観察し潜像を確認した後に、水平に回転させると色変化が観察できる。すなわち、セキュリティデバイスを、該セキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から偏光フィルム7を介して観察した際に現れる潜像を確認し、かつ、その状態を維持しつつセキュリティデバイスを前記仮想平面と直交する仮想軸回りに回転させると色変化が観察できる。
具体的には、領域5aが赤、領域5bが緑であったものが、図5に示すように傾けたまま水平に90°回転させると、領域5aが緑、領域5bが赤に見えるようになる。
これは、セキュリティデバイスの全体を回転させることで、潜像形成層3の液晶分子の配向方向が回転したのと同じ効果が出るためである。
すなわち、領域5aは0°方向配向であるが、90°回転させると観察側からは90°方向配向であるのと同じになる。
【0034】
また、観察される色は、潜像形成層3の液晶分子の配向方向と偏光フィルム7の透過軸方向、さらに液晶分子による潜像形成層3の膜厚などによって制御可能である。
【0035】
この効果は、0°と45°の組合せに限るものではなく、他の角度の組合せでも同様の効果がある。
【0036】
格子様パターンの形成方法としては、二光束干渉法によってホログラムパターンを記録する方法の他、例えば電子ビームによって回折格子パターンを描画する方法、バイト切削等により回折格子パターンを形成する方法等がある。
【0037】
このように形成した格子様パターンを、電鋳によって金属版に起こすなどして原版を作製し、その原版から熱可塑性樹脂にエンボス成形法でパターンを転写することで、大量に格子様パターンを複製できる。また、熱可塑性樹脂にエンボス成形法で転写する代わりに、紫外線硬化樹脂を用いる成形法によってパターンを転写してもよい。
【0038】
潜像形成層3を構成する液晶材料としては、光重合タイプのネマティック液晶が望ましい。
格子様パターン上に液晶材料を塗布し配向させた後、紫外線ランプ等で露光することで配向を固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の層構成の概略断面図である。
【図2】本発明の格子様パターンからなる配向層2の模式図である。
【図3】本発明の層構成の概略断面図である。
【図4】本発明の偏光フィルム観察時の模式図である。
【図5】本発明の検証方法を示す模式図である。
【符号の説明】
【0040】
1……基材、2……配向層、3……潜像形成層、4……散乱性光反射層、5a、5b……格子様パターンからなる領域、6……偏光フィルム層、7……偏光フィルム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹部と凸部によって形成された互いに略平行する複数の格子からなる格子様パターンが設けられた配向層と、
前記配向層上に形成され、液晶分子を有し偏光フィルムを介したときにのみ視認できる潜像を形成する潜像形成層と、
前記潜像形成層を挟んで前記配向層と反対側に形成され、入射される光に対して光を散乱する散乱性を付与すると共に前記入射される光の偏光性を維持して反射させる散乱性反射層とを含む、
ことを特徴とするセキュリティデバイス。
【請求項2】
前記格子様パターンは、該格子様パターンを構成する格子の構成が異なる複数の領域を含み、
前記配向層が延在する平面上を延在する基準線に対して、前記格子様パターンをなす前記格子の長手方向がなす角度を格子角度とした場合に前記各領域の格子角度が異なっている、
ことを特徴とする請求項1記載のセキュリティデバイス。
【請求項3】
前記潜像形成層が光重合性のネマティック液晶からなり、前記液晶分子が前記格子を構成する凹部と凸部のうちの前記凹部に沿って配向したのち、重合によって配向が固定されている、
ことを特徴とする請求項1または2記載のセキュリティデバイス。
【請求項4】
前記格子様パターンを構成する格子が、回折格子または一方向性拡散パターンである、
ことを特徴とする請求項1、2または3記載のセキュリティデバイス。
【請求項5】
前記格子を構成する凹部と凸部のうちの前記凹部のピッチが0.1〜10μmであり、深さが0.1〜1μmであることを特徴とする請求項1乃至4に何れか1項記載のセキュリティデバイス。
【請求項6】
前記散乱性反射層が、微小な凹凸を有する金属反射膜で形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至5に何れか1項記載のセキュリティデバイス。
【請求項7】
前記散乱性反射層が、微小な凹凸を有する一層または多層の誘電体膜で形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至5に何れか1項記載のセキュリティデバイス。
【請求項8】
前記配向層が前記散乱性反射層に臨む側と反対側の箇所に、さらに偏光フィルム層が形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至7に何れか1項記載のセキュリティデバイス。
【請求項9】
前記配向層は光が透過可能な材料からなる基材上に形成され、前記偏光フィルム層が形成されている箇所は前記基材が前記配向層に臨む面と反対側の面である、
ことを特徴とする請求項8記載のセキュリティデバイス。
【請求項10】
請求項1乃至8記載に何れか1項記載のセキュリティデバイスを、該セキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から偏光フィルムを介して観察した際に現れる潜像を確認することで真贋判定を行う、
ことを特徴とするセキュリティデバイスの検証方法。
【請求項11】
請求項1乃至8記載に何れか1項記載のセキュリティデバイスを、該セキュリティデバイスが延在する仮想平面に対して傾斜した方向から偏光フィルムを介して観察した際に現れる潜像を確認し、かつ、その状態を維持しつつ前記セキュリティデバイスを前記仮想平面と直交する仮想軸回りに回転させた際に生じる前記潜像の色変化を確認することで真贋判定を行う、
ことを特徴とするセキュリティデバイスの検証方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−80604(P2008−80604A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−262197(P2006−262197)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】