説明

セキュリティーセンサ用無線装置

【課題】複数のセキュリティーセンサにおいて侵入者が同時に検出されても、それぞれから中継器への無線送信が同時に行われることの無いようにすることができるセキュリティーセンサ用無線装置を提供すること。
【解決手段】接続先のセキュリティーセンサ2が出力する建物への侵入者の検出状態の入力時に、その検出状態を検出状態出力手段Bが中継器3に接続された無線装置31に出力させるまでに、アイドルタイム格納手段Aに格納された各セキュリティーセンサ2毎に異なるアイドルタイムだけ、待機時間が設けられる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅やオフィスビル等の建物における侵入者監視に用いられるセキュリティーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物の窓等に取り付けられるセキュリティーセンサの検出状態は、従来は有線の信号線を介して警報器側に収集していたが、近年では専ら、無線による通信で収集するケースが増えており(例えば特許文献1)、具体的には、セキュリティーセンサと警報器との無線通信を中継する中継器が、複数のセキュリティーセンサの検出状態を収集して警報器側に随時伝送する形式が採られている。
【0003】
そのため、例えば外出に伴う侵入者監視の開始や、外出から戻ったことに伴う侵入者監視の解除は、直接又は警報器側を介して中継器に対して行われ、その設定状態に応じて中継器は、収集したセキュリティーセンサの検出状態を警報器側に無線伝送したり無線伝送せずに破棄したりしている。
【0004】
ところが、上述したような構成では、侵入者の監視中か否かに拘わらず中継器は常にセキュリティーセンサの検出状態を収集することから、特に中継器がバッテリ駆動である場合には、電力消費量が多くなり電池の短命化を招く要因となってしまう。
【0005】
そこで、本出願人は過去に、中継器に対して侵入者監視の開始や解除が設定された際に、それらの旨を示す設定状態信号を中継器からセキュリティーセンサに対して無線で送信させて、侵入者監視の開始を示す設定状態信号の受信後、侵入者監視の解除を示す設定状態信号を受信するまでの間に限って、セキュリティーセンサによる監視対象の窓の開閉状態の検出を行わせ、かつ、その検出結果に関する無線送信を中継器(乃至警報器)に対して行わせるセキュリティーシステムを提案した(特願2005−283406)。
【特許文献1】特開2004−206531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した本出願人の提案に係るセキュリティーシステムにおいて、複数のセキュリティーセンサを同時に使用する場合には、各々のセキュリティーセンサから中継器(乃至警報器)に対する無線送信が同時に行われてバッティングしないようにすることが肝要となる。
【0007】
そのためには、複数の窓が同時に開放された場合に、それぞれの窓を監視対象とする複数のセキュリティーセンサから中継器(乃至警報器)に対する無線送信が同時に行われてしまわないようにすることが必要となる。
【0008】
本発明は前記事情に鑑みなされたもので、本発明の目的は、侵入者監視やその解除が設定される中継器と複数のセキュリティーセンサとを用いて侵入者の監視を行う無線通信式のセキュリティシステムにおいて、侵入者が同時に検出されてもそれぞれから中継器への無線送信が同時に行われることの無いようにすることができるセキュリティーセンサ用無線装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため請求項1に記載した本発明のセキュリティーセンサ用無線装置は、図1の基本構成図に記載したように、建物への侵入者の検出状態を無線で出力する複数のセキュリティーセンサ2に接続された無線装置21と、侵入者の監視及び解除が設定される中継器3に接続された無線装置31と、前記中継器3に侵入者の監視が設定されている間、前記各セキュリティーセンサ2が出力する該各セキュリティーセンサ2の検出状態の内容に応じて侵入者警報を出力する警報器1に接続された無線装置11とを、無線で接続して侵入者監視を行うセキュリティーシステムにおける、前記各セキュリティーセンサ2に各々接続された無線装置であって、接続先の前記セキュリティーセンサ2が出力する前記建物への侵入者の検出状態の入力から、該検出状態の前記中継器3に接続された無線装置31への出力までの、前記各セキュリティーセンサ2毎に異なる待機時間を示すアイドルタイムが格納されるアイドルタイム格納手段Aと、接続先の前記セキュリティーセンサ2が出力する前記建物への侵入者の検出状態の入力時に、前記アイドルタイム格納手段Aに格納された前記アイドルタイムの待機後、接続先の前記セキュリティーセンサ2が出力した前記建物への侵入者の検出状態を前記中継器3に接続された無線装置31に出力させる検出状態出力手段Bとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載した本発明のセキュリティーセンサ用無線装置によれば、接続先のセキュリティーセンサ2が出力する建物への侵入者の検出状態の入力時に、その検出状態を検出状態出力手段Bが中継器3に接続された無線装置31に出力させるまでに、アイドルタイム格納手段Aに格納された各セキュリティーセンサ2毎に異なるアイドルタイムだけ、待機時間が設けられることから、複数のセキュリティーセンサ2が建物への侵入者の検出状態を出力しても、各検出状態が各セキュリティーセンサ2の接続先の無線装置21から同時に出力されないようにして、各セキュリティーセンサ2から出力される検出状態のバッティングにより、中継器3乃至それに接続された無線装置31から警報器1乃至それに接続された無線装置11への、セキュリティーセンサ2による建物への侵入者の検出状態の無線による通信が妨げられてしまうのを、防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0012】
図2は本発明の一実施形態に係る無線装置を用いて複数のセキュリティーセンサによる複数の窓からの侵入者の監視を行うセキュリティーシステムの概略構成を示すブロック図であり、本実施形態に係るセキュリティーシステムは、ガス漏れ警報器1(請求項中の警報器に相当。)と、複数の窓についてその開閉をそれぞれ検出する複数の窓センサ2(請求項中のセキュリティーセンサに相当。)と、各窓センサ2の検出状態に基づいた侵入者の監視やその解除が設定される防犯中継器3(請求項中の中継器に相当。)とを含む。
【0013】
このうちガス漏れ警報器1は、都市ガスやプロパンガスの成分を検出するセンサによりガス漏れを検知して警報信号を生成し外部に出力すると共に、音声(警報音、警報メッセージ)により報知する機能を内蔵しており、この音声報知機能は、自身がガス漏れを検知した場合だけでなく、外部から入力される信号(データ)によっても作動させることができる。
【0014】
各窓センサ2は、例えばマグネットセンサやリードスイッチ等により、窓枠の移動、窓ガラスの破壊、あるいは、クレセントの回転を検出することで、窓の開閉を検出してその旨を示す検出信号を出力する従来公知のものである。
【0015】
防犯中継器3は、不図示のリモコン等の操作によって、窓センサ2の設置された窓等からの侵入者の有無の検出を行う(侵入者監視の開始)か中止するか(侵入者監視の解除)が設定されるものであると共に、各窓センサ3とガス漏れ警報器1との間の信号伝送を中継するものであり、侵入者検出の設定状態が変化したときに、変化後の設定状態を各窓センサ2に報知するための設定状態信号を出力するように構成されている。
【0016】
そして、各窓センサ2と防犯中継器3との間や、防犯中継器3とガス漏れ警報器1との間では、無線による通信が各々行われ、そのためにガス漏れ警報器1、各窓センサ2、及び、防犯中継器3には、無線装置11,21,31がそれぞれ有線接続されている。
【0017】
無線装置11,21,31は、図3にブロック図で示すように、通信用高周波回路部RFと変復調処理用デジタル処理回路部DPと制御用マイクロコンピュータ部(以下、「マイコン部」と略記する。)μCOMとをワンチップ化した集積回路LSIと、ガス漏れ警報器1、各窓センサ2、又は、防犯中継器3が接続されるポートPioと、従来公知のガスメータにガス漏れ警報器の接続検出回路として設けられているのと同じような、ポートPioへのガス漏れ警報器1や各窓センサ2、防犯中継器3の接続を検出するための接続検出回路CDCと、不揮発性メモリNVMと、通信用高周波回路部RFに接続されたアンテナATとを有しており、ポートPioと不揮発性メモリNVMと接続検出回路CDCはマイコン部μCOMに接続されている。
【0018】
そして、ガス漏れ警報器1に有線接続される無線装置11のマイコン部μCOMでは、内部のROM(図示せず)に格納された制御プログラムにしたがって、図4のフローチャートで示す処理が実行される。
【0019】
まず、防犯中継器3に有線接続される無線装置31との通信に用いる自己の識別情報(識別番号等)と通信チャネルとが不揮発性メモリNVMに登録されているか否かを示す、内部のRAM(図示せず)の登録状態フラグF1が「1」であるか否かを確認し(ステップS1)、「1」であれば(ステップS1でY)、後述するステップS13に進む。
【0020】
一方、登録状態フラグF1が「1」でなければ(ステップS1でN)、接続検出回路CDCの状態からポートPioにガス漏れ警報器1が接続されたか否かを確認し(ステップS3)、接続されていない場合は(ステップS3でN)、ステップS1にリターンする。
【0021】
これに対して、ポートPioにガス漏れ警報器1が接続された場合は(ステップS3でY)、ガス漏れ警報器1が接続された旨を示す接続報知信号を生成し、変復調処理用デジタル処理回路部DPにて変調して通信用高周波回路部RF乃至アンテナATから予め定められたデフォルト周波数のチャネルで無線送信させた後(ステップS5)、防犯中継器3に有線接続される無線装置31からの登録情報信号がデフォルト周波数のチャネルにおいてアンテナAT乃至通信用高周波回路部RFで受信され変復調処理用デジタル処理回路部DPにて復調されて入力されるのを待機する(ステップS7)。
【0022】
無線装置31からの登録情報信号が入力されたならば(ステップS7でY)、その登録情報信号中に含まれる識別情報(識別番号等)を、以後の無線装置31との無線通信において使用する自己の識別信号として不揮発性メモリNVMに登録すると共に、登録情報信号中に含まれる通信チャネルを、以後の無線装置31との無線通信において使用する通信チャネルとして不揮発性メモリNVMに登録して(ステップS9)、RAMの登録状態フラグF1を「1」に設定した後(ステップS11)、ステップS1にリターンする。
【0023】
また、ステップS1において、不図示のRAMの登録状態フラグF1が「1」である場合(Y)に進むステップS13では、接続検出回路CDCの状態からガス漏れ警報器1がポートPioから取り外されたか否かを確認し、取り外された場合は(ステップS13でY)、RAMの登録状態フラグF1を「0」に設定した後(ステップS15)、ステップS1にリターンする。
【0024】
一方、ガス漏れ警報器1がポートPioから取り外されていない場合は(ステップS13でN)、防犯中継器3で中継された、設置先の窓からの侵入者があることを示す窓センサ2からの検出信号が、アンテナAT乃至通信用高周波回路部RFで受信され変復調処理用デジタル処理回路部DPにて復調されて入力されたか否かを確認し(ステップS17)、入力されていない場合は(ステップS17でN)、ステップS13にリターンする。
【0025】
これに対して、設置先の窓からの侵入者があることを示す窓センサ2からの検出信号が入力された場合は(ステップS17でY)、窓センサ2の設置箇所からの侵入者があることをガス漏れ警報器1において音声出力により報知させるための報知信号を生成してポートPioからガス漏れ警報器1に出力した後(ステップS19)、ステップS13にリターンする。
【0026】
また、各窓センサ2にそれぞれ有線接続される無線装置21のマイコン部μCOMでは、内部のROM(図示せず)に格納された制御プログラムにしたがって、図5のフローチャートで示す処理が実行される。
【0027】
まず、防犯中継器3に有線接続される無線装置31との通信に用いる自己の識別情報(識別番号等)と通信チャネル、そして、無線装置31に対する通信を開始する前に確保するアイドルタイムとが不揮発性メモリNVMに登録されているか否かを示す、内部のRAM(図示せず)の登録状態フラグF3が「1」であるか否かを確認し(ステップS21)、「1」であれば(ステップS21でY)、後述するステップS33に進む。
【0028】
一方、登録状態フラグF3が「1」でなければ(ステップS21でN)、接続検出回路CDCの状態からポートPioに窓センサ2が接続されたか否かを確認し(ステップS23)、接続されていない場合は(ステップS23でN)、ステップS21にリターンする。
【0029】
これに対して、ポートPioに窓センサ2が接続された場合は(ステップS23でY)、ガス漏れ警報器1が接続された旨を示す接続報知信号を生成し、変復調処理用デジタル処理回路部DPにて変調して通信用高周波回路部RF乃至アンテナATから予め定められたデフォルト周波数のチャネルで無線送信させた後(ステップS25)、防犯中継器3に有線接続される無線装置31からの登録情報信号がデフォルト周波数のチャネルにおいてアンテナAT乃至通信用高周波回路部RFで受信され変復調処理用デジタル処理回路部DPにて復調されて入力されるのを待機する(ステップS27)。
【0030】
無線装置31からの登録情報信号が入力されたならば(ステップS27でY)、その登録情報信号中に含まれる識別情報(識別番号等)を、以後の無線装置31との無線通信において使用する自己の識別信号として不揮発性メモリNVMに登録すると共に、登録情報信号中に含まれる通信チャネルを、以後の無線装置31との無線通信において使用する通信チャネルとして不揮発性メモリNVMに登録し、かつ、登録情報中に含まれるアイドルタイムを、以後の無線装置31との無線通信において通信の開始前に確保するアイドルタイムとして不揮発性メモリNVMに登録して(ステップS29)、RAMの登録状態フラグF3を「1」に設定した後(ステップS31)、ステップS21にリターンする。
【0031】
また、ステップS21において、不図示のRAMの登録状態フラグF3が「1」である場合(Y)に進むステップS33では、防犯中継器3に有線接続される無線装置31からの設定状態信号が、不揮発性メモリNVMに登録された通信チャネルにおいて、アンテナAT乃至通信用高周波回路部RFで受信され変復調処理用デジタル処理回路部DPにて復調されて入力されたか否かを確認し、入力されていない場合は(ステップS33でN)、後述するステップS41に進み、入力された場合は(ステップS33でY)、入力された設定状態信号が侵入者監視の監視→解除を示すものであるか否かを確認する(ステップS35)。
【0032】
入力された設定状態信号が侵入者監視の監視→解除を示すものである場合は(ステップS35でY)、不図示のRAMに確保された有効フラグF5を「1」に設定した後(ステップS37)、ステップS31にリターンし、侵入者監視の監視→解除を示すものでない場合は(ステップS35でN)、有効フラグF5を「0」に設定した後(ステップS39)、ステップS31にリターンする。
【0033】
また、ステップS33において、防犯中継器3からの設定状態信号が入力されていない場合(N)に進むステップS41では、図6のフローチャートに示すように、有効フラグF5が「0」であるか否かを確認し、「0」である場合は(ステップS41でY)、ステップS21にリターンする。
【0034】
一方、有効フラグF5が「0」でない場合は(ステップS41でN)、接続検出回路CDCの状態から窓センサ2がポートPioから取り外されたか否かを確認し(ステップS43)、取り外された場合は(ステップS43でY)、RAMの登録状態フラグF3を「0」に設定した後(ステップS45)、ステップS21にリターンする。
【0035】
一方、窓センサ2がポートPioから取り外されていない場合は(ステップS43でN)、設置先の窓からの侵入者があることを示す窓センサ2からの検出信号がポートPioに入力されたか否かを確認し(ステップS47)、入力されていない場合は(ステップS47でN)、ステップS21にリターンする。
【0036】
これに対して、設置先の窓からの侵入者があることを示す窓センサ2からの検出信号がポートPioに入力された場合は(ステップS47でY)、不揮発性メモリNVMに登録されたアイドルタイムの経過を待った後(ステップS49でY)、他の窓センサ2に接続された無線装置21から出力された、不揮発性メモリNVMに登録された通信チャネルにおける送信信号が、アンテナAT乃至通信用高周波回路部RFで受信され変復調処理用デジタル処理回路部DPにて復調されて入力されないこと、つまり、他の無線装置21による送信が行われていないことを確認する(ステップS51)。
【0037】
そして、不揮発性メモリNVMに登録された通信チャネルによる他の無線装置21の送信が行われていないことを確認したならば(ステップS51でY)、ステップS47でポートPioに入力された、設置先の窓からの侵入者があることを示す窓センサ2からの検出信号を、不揮発性メモリNVMに登録された自己の識別情報と共に変復調処理用デジタル処理回路部DPにて変調して通信用高周波回路部RF乃至アンテナATから、不揮発性メモリNVMに登録された通信チャネルで無線送信させた後(ステップS53)、ステップS21にリターンする。
【0038】
さらに、防犯中継器3に有線接続される無線装置31のマイコン部μCOMでは、内部のROM(図示せず)に格納された制御プログラムにしたがって、図7のフローチャートで示す処理が実行される。
【0039】
まず、無線装置11,21からの接続報知信号がデフォルト周波数のチャネルにおいてアンテナAT乃至通信用高周波回路部RFで受信され変復調処理用デジタル処理回路部DPにて復調されて入力されたか否かを確認し(ステップS61)、入力されていない場合は(ステップS61でN)、後述するステップS67に進む。
【0040】
一方、無線装置11,21からの接続報知信号が入力された場合は(ステップS61でY)、その接続報知信号の送信元の無線装置11,21との無線通信において使用する、その無線装置11,21の識別情報(識別番号等)を決定すると共に、通信チャネルを順次切り換えて空きチャネルを見つけ出して、これを接続報知信号の送信元の無線装置11,21との無線通信において使用する通信チャネルとして設定し、さらに、接続報知信号の送信元が、窓センサ2に接続された無線装置21である場合は、その無線装置21の接続先の窓センサ2から侵入者があることを示す検出信号が入力された際にその検出信号を無線送信するまでの待機時間であるアイドルタイムを、今まで設定した時間長とは異なる時間長で設定し、これら設定した識別情報および通信チャネル、さらに、無線装置21についてはアイドルタイムを、不揮発性メモリNVMに登録する(ステップS63)。
【0041】
そして、設定した識別情報および通信チャネル、さらに、無線装置21についてはアイドルタイムを含む登録情報信号を生成し、変復調処理用デジタル処理回路部DPにて変調して通信用高周波回路部RF乃至アンテナATから予め定められたデフォルト周波数のチャネルで無線送信させた後(ステップS65)、ステップS61にリターンする。
【0042】
また、ステップS61において無線装置11,21からの接続報知信号が入力されていない場合(N)に進むステップS67では、不図示のリモコン等の操作による、窓センサ2の設置された窓等からの侵入者の有無の検出、つまり、侵入者監視の設定が、解除から監視(開始)に変更されたか否かを確認する。
【0043】
侵入者監視の設定が解除から監視に変更された場合は(ステップS67でY)、侵入者監視の設定が解除から監視に変更された旨を示す設定状態信号を、不揮発性メモリNVMに登録された自己の識別情報と共に変復調処理用デジタル処理回路部DPにて変調して通信用高周波回路部RF乃至アンテナATから、不揮発性メモリNVMに登録された無線装置21との通信用の通信チャネルで無線送信させた後(ステップS69)、ステップS61にリターンする。
【0044】
一方、侵入者監視の設定が解除から監視に変更されていない場合は(ステップS67でN)、不図示のリモコン等の操作による侵入者監視の設定が監視から解除に変更されたか否かを確認し(ステップS71)、変更された場合は(ステップS71でY)、侵入者監視の設定が監視から解除に変更された旨を示す設定状態信号を、不揮発性メモリNVMに登録された自己の識別情報と共に変復調処理用デジタル処理回路部DPにて変調して通信用高周波回路部RF乃至アンテナATから、不揮発性メモリNVMに登録された無線装置21との通信用の通信チャネルで無線送信させた後(ステップS73)、ステップS61にリターンする。
【0045】
これに対し、侵入者監視の設定が監視から解除に変更されていない場合は(ステップS71でN)、窓センサ2に接続された無線装置21からの検出信号が不揮発性メモリNVMに登録された無線装置21との通信用の通信チャネルにおいて、検出信号の送信元の無線装置21の識別情報を含んだ内容でアンテナAT乃至通信用高周波回路部RFで受信され変復調処理用デジタル処理回路部DPにて復調されて入力されたか否かを確認する(ステップS75)。
【0046】
無線装置21からの検出信号が入力されていない場合は(ステップS75でN)、ステップS61にリターンし、入力された場合は(ステップS75でY)、その検出信号を、不揮発性メモリNVMに登録された自己の識別情報と共に変復調処理用デジタル処理回路部DPにて変調して通信用高周波回路部RF乃至アンテナATから、不揮発性メモリNVMに登録された無線装置11との通信用の通信チャネルで無線送信させた後(ステップS77)、ステップS61にリターンする。
【0047】
以上の説明からも明らかなように、本実施形態のガス漏れ警報器1では、無線装置21のマイコン部μCOMの不揮発性メモリNVMによって、請求項中のアイドルタイム格納手段Aが構成されており、図6のフローチャートにおけるステップS47、ステップS49、及び、ステップS53が、請求項中の検出状態出力手段Bに対応する処理となっている。
【0048】
次に、上述のように構成された本実施形態のセキュリティーシステムの、特に、窓センサ2のセンサ本体21による検出結果に応じた警報に関する動作(作用)について説明する。
【0049】
まず、防犯中継器3が無線装置31に既に接続されている状態で、ガス漏れ警報器1や窓センサ2が無線装置11,21に接続されると、その旨が、デフォルトの通信チャネルを使った無線通信により無線装置31に報知され、これに呼応して無線装置31が、接続報知信号の送信元の無線装置11,21との無線通信において以後使用する識別情報と通信チャネルを設定し、さらに、接続報知信号の送信元が無線装置21である場合は、その無線装置21の接続先の窓センサ2から侵入者があることを示す検出信号が入力された際にその検出信号を無線装置31に無線送信するまでの待機時間であるアイドルタイムを設定して、これが、デフォルトの通信チャネルを使った無線通信により、ガス漏れ警報器1や窓センサ2の接続された無線装置11,21に報知され、以後、その無線装置11,21と無線装置31との無線通信が、無線装置31の設定した識別情報と通信チャネルとを使って行われる。
【0050】
その後、不図示のリモコンによって、窓センサ2の設置された窓等からの侵入者の有無の検出を行う(侵入者監視の開始)状態から中止する(侵入者監視の解除)状態に設定が変更されると、これをリモコンから受信した防犯中継器3から窓センサ2に、各々に接続された無線装置21,31を介して、その旨を示す設定状態信号が無線で送信され、反対に、不図示のリモコンによって、窓センサ2の設置された窓等からの侵入者の有無の検出を中止する(侵入者監視の解除)状態から行う(侵入者監視の開始)状態に設定が変更されると、これをリモコンから受信した防犯中継器3から窓センサ2に、各々に接続された無線装置21,31を介して、その旨を示す設定状態信号が無線で送信される。
【0051】
そして、設定状態信号を無線で受信した窓センサ2においては、不図示のリモコンによる設定状態が、窓センサ2の設置された窓等からの侵入者の有無の検出を中止する(侵入者監視の解除)状態になっている間は、窓センサ2による監視対象の窓の開閉状態の検出は行われない。
【0052】
一方、不図示のリモコンによる設定状態が、窓センサ2の設置された窓等からの侵入者の有無の検出を行う(侵入者監視の開始)状態になっている間は、窓センサ2による監視対象の窓の開閉状態の検出が行われ、設置先の窓からの侵入者があることが窓センサ2で検出されると、その旨を示す検出信号が無線装置21に入力され、さらに、その検出信号が無線装置21から防犯中継器3の接続された無線装置31と無線装置11とを介して、この無線装置11に接続されたガス漏れ警報器1に送信され、ガス漏れ警報器1がガス漏れの警報を出力するために有している音声報知機能を利用して、窓センサ2の設置箇所からの侵入者があることが音声出力により報知される。
【0053】
このとき、窓センサ2からの検出信号が入力された無線装置21による、防犯中継器3の接続された無線装置31への検出信号の無線送信は、検出信号の無線装置21への入力から、無線装置31の設定したアイドルタイムが経過した後、他の無線装置21により同じ通信キャリアが無線送信に使用されていないことを確認した上で実行されるので、同時に複数の窓センサ2からそれぞれに接続された無線装置21に、設置先の窓からの侵入者があることを示す検出信号が無線装置21に入力されても、各無線装置21から無線装置31への検出信号の無線送信がそれぞれ異なるアイドルタイムをおいてから実行されるので、各無線装置21から無線装置31への検出信号の無線送信がバッティングすることが無く、このバッティングによって無線装置31がいずれの無線装置21からの検出信号も受信できないという不具合が発生することがない。
【0054】
尚、上述した実施形態では、無線装置21への窓センサ2の接続に伴う無線装置21からの接続報知信号を受信した時に、防犯中継器3に接続された無線装置31が、無線装置21の識別情報や通信チャネルと共にアイドルタイムを設定するものとしたが、他の無線装置21とは異なるアイドルタイムを予め設定しておいて無線装置21の不揮発性メモリNVMに当初から登録しておくようにしてもよく、無線装置21に設けたディップスイッチ等の設定手段により、他の無線装置21とは異なるアイドルタイムを個々に設定し、あるいは、これを無線装置21の不揮発性メモリNVMに登録するようにしてもよい。
【0055】
また、アイドルタイムの時間長は、例えば、先に設定されたものほど短く、後から設定されたものほど一定の時間長だけ長くなるように設定することもできるし、マイコン部μCOMに設けた乱数発生機能を用いてランダムに設定することもできる。
【0056】
さらに、設置先の窓からの侵入者があることを示す検出信号が接続先の窓センサ2から入力された際に、他の無線装置21により同じ通信キャリアが無線送信に使用されていないことの確認を即座に所定時間に亘って行うようにし、この所定時間の時間長をアイドルタイムに代えて、他の無線装置21とは異なる時間長に設定する構成としても、各無線装置21から無線装置31に対する検出信号の無線送信のバッティングを防止することができる。
【0057】
また、本実施形態では請求項中のセキュリティーセンサが窓センサ2である場合について説明したが、例えばサムターンの回転によりドアの解錠、施錠を検出してドアの開閉を監視するドアセンサ等、防犯に関わるセンサであれば、窓センサ以外のものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係るセキュリティーセンサ用無線装置の基本構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る無線装置を用いて複数のセキュリティーセンサによる複数の窓からの侵入者の監視を行うセキュリティーシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】図2の無線装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】ガス漏れ警報器に有線接続される無線装置のマイコン部が内部のROMに格納された制御プログラムにしたがって実行する処理のフローチャートである。
【図5】窓センサに有線接続される無線装置のマイコン部が内部のROMに格納された制御プログラムにしたがって実行する処理のフローチャートである。
【図6】窓センサに有線接続される無線装置のマイコン部が内部のROMに格納された制御プログラムにしたがって実行する処理のフローチャートである。
【図7】防犯中継器に有線接続される無線装置のマイコン部が内部のROMに格納された制御プログラムにしたがって実行する処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
1 警報器
2 窓センサ
3 中継器
11,21,31 無線装置
A アイドルタイム格納手段
B 検出状態出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物への侵入者の検出状態を無線で出力する複数のセキュリティーセンサに接続された無線装置と、侵入者の監視及び解除が設定される中継器に接続された無線装置と、前記中継器に侵入者の監視が設定されている間、前記各セキュリティーセンサが出力する該各セキュリティーセンサの検出状態の内容に応じて侵入者警報を出力する警報器に接続された無線装置とを、無線で接続して侵入者監視を行うセキュリティーシステムにおける、前記各セキュリティーセンサに各々接続された無線装置であって、
接続先の前記セキュリティーセンサが出力する前記建物への侵入者の検出状態の入力から、該検出状態の前記中継器に接続された無線装置への出力までの、前記各セキュリティーセンサ毎に異なる待機時間を示すアイドルタイムが格納されるアイドルタイム格納手段と、
接続先の前記セキュリティーセンサが出力する前記建物への侵入者の検出状態の入力時に、前記アイドルタイム格納手段に格納された前記アイドルタイムの待機後、接続先の前記セキュリティーセンサが出力した前記建物への侵入者の検出状態を前記中継器に接続された無線装置に出力させる検出状態出力手段と、
を備えることを特徴とするセキュリティーセンサ用無線装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−200003(P2007−200003A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−17640(P2006−17640)
【出願日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】