説明

セグメントカウンタと精密位置センサとを同期させるための方法および装置

【課題】本発明は、ウィーガンドセンサに基づくセグメントカウンタの値と精密位置センサの値とを正確に同期させるための新規なスペースおよびコストを節約した方法を提供する。また、この方法を実行するための装置を提供する。
【解決手段】ウィーガンドセンサを含むセグメントカウンタのカウント値と精密位置センサのポジション値との絶対同期化のために、セグメントカウンタのウィーガンドワイヤの最後の磁化方向を情報の一部として使用して、カウント値とポジション値とを全ポジション値へとエラー無く変換するための方法およびこの方法を実行するための装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのパルスワイヤ(ウィーガンドワイヤ)センサ(Pulse wire(Wiegand wire)sensor)を有するセグメントカウンタと、物体の並進動作、および/または、回転動作の絶対検出のための精密位置センサとを同期させるための方法および前記方法を実行するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パルスワイヤおよびウィーガンドワイヤは、ウィーガンドセンサとして形成されるときに、それぞれがそれらの周囲に巻回される検出コイルを有する強磁性要素である。
強磁性体において最初に不規則に方向付けられる磁気領域は、磁区、または、ワイスドメインと称されるが、外力に晒されると、単一のドメインを形成するように整列する。
特定の方向および大きさの外部磁場の印加により、このドメインがフリップし、それにより、出力信号として拾い上げることができる電圧パルスが検出コイルに発生する。
外部磁場の方向に連続波の形態で整列する状態へとフリップする要素磁石の運動エネルギーは十分に高く、そのため、ウィーガンドセンサと関連付けられるコイルからの電気エネルギーを信号パルスのために使用できるだけでなく、メモリを含む電子カウンタのためにも使用できる(欧州特許第0724712号明細書[0009]参照)。
【0003】
強磁性体では、異なる磁化方向の隣接する原子の磁気モーメントの相互作用がかなり強力であり、そのため、ブロッホ壁と称される移行層により互いから分離される上述したワイスドメインのそのような磁気モーメントの配向がもたらされる。
ここで、例えば、そのような強磁性要素を機械的に引き伸ばして1つのワイヤを形成することにより、均一な磁化方向を有する単一のドメインを恒久的に形成することができる。
そのようなドメインが特定の大きさおよび方向の外部磁場内に置かれる場合には、そのようなドメインの全体はフリップしないが、その要素磁石は、特定の開始位置、好ましくはワイヤの一端から、ドミノ効果のように外部磁場の方向にフリップする。
これは、強磁性要素内に有限速度の再配向波をもたらす。
しかしながら、励磁磁石(Exciting magnet)の速度と比べてこの速度は高く、これがこのドメインの「フリッピング」と称される場合がある理由である。
【0004】
しかしながら、この再磁化の誘発方向は、実際の再磁化方向と混同されてはならない。
誘発方向は、いずれの磁極へ向かってワイス領域が「フリップする」のかを表す。
一方、再磁化方向は、励磁磁石の誘発極の極性(N極またはS極)をもたらし、パルスワイヤの磁化方向をもたらす。
【0005】
そのようなウィーガンドセンサによって発生されるカウントパルスの質は、既に直面した磁場強度に大きく依存する。
最適なカウントパルスは、磁場の1つの方向での誘発前に反対方向で飽和磁場強度が達成された場合にだけ得ることができる。
これが達成されない場合には、動作が、双極モードから、カウントパルスが一方向でしか十分なエネルギーを解放できない単極モードへと変化する場合がある。
【0006】
これによってもたらされる状態は、ウィーガンドセンサを含む位置検出器による絶対位置検出の要件に矛盾する。
これは、位置検出器と関連付けられるカウンタにより検出される最後の位置と、その動作に入った後に検出される現在の位置との間で異なる、想定し得る動き(右/左、前/後)が生じた場合があり、それにより、最適でないカウントパルスに起因して測定結果が歪められるからである。
カウントパルスを誘発させる、磁場を発生させる永久磁石の更なる動きだけが、この不確実性を終わらせる。
しかしながら、そのような動きを強いることが常に可能であるとは限らない。
【0007】
最大でほぼ2つ程度のセグメントを有してもよい簡単なセグメントカウンタがこの不確実性に完璧に対処できる。
しかしながら、そのようなセグメントカウンタと精密位置エンコーダ(精密位置センサ)とを結合することは異なる問題である。
この場合、一貫した全ポジション値を確保するために、定期的に生じる精密ポジション値を1つのセグメントに対して正確に割り当てなければならない。
このため、セグメントカウンタによって検出される最後の事象と現在の位置との間の動きシーケンスの正確な知識が、必要不可欠である。
【0008】
関連するロジックと組み合わせて、励磁磁場の方向の変化の結果として最適でない、または、欠落しているカウントパルスを補正する方向依存カウンタを設計するために、2つのウィーガンドセンサを使用することが、例えば、米国特許第7,559,012号に開示されている。
しかしながら、そのような補正は、欠落しているカウントパルス後に発生される第2のカウントパルスの後にしか行うことができない。
しかし、この第2のカウントパルスが誘発される前に監視される物体が動きを停止する場合には、これにより、そのような補正が不可能になり、カウント結果は、依然として誤っており、または、不正確である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許第0724712号公報
【特許文献2】米国特許第7,559,012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、ウィーガンドセンサに基づくセグメントカウンタの値と精密位置エンコーダ(精密位置センサ)の値とを正確に同期させるための、新規なスペースおよびコストを節約した方法を提供することによって、また、この方法を実行するための手段を提供することによってこれを改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
最後に発生されたパルスがカウントには弱すぎた場合であっても、励磁磁石が依然としてウィーガンドセンサを通過し、それにより、現在の位置に関して最後にカウントされたパルス以後に、ウィーガンドセンサが新たなパルスに関してバイアスされ、このバイアスの磁化方向が励磁磁石によってとられる経路に依存するという考慮に基づき、上述した目的は、値の絶対同期化のために必要とされる情報が、最後の動きによって発生されたウィーガンドセンサのパルスワイヤの現在の磁化方向から引き出されるという点において、本発明にしたがって達成される。
【0012】
したがって、監視される物体に強固に結合される磁石の動作履歴に関するそのような情報は、十分でない場合には、カウントプロセスの曖昧さを解くために必要とされるが、パルスワイヤの磁化方向に含まれる。
これは、ウィーガンドセンサのパルスワイヤが最後のバイアス方向を記憶する磁区を有するからである。
この磁化方向の知識を利用すると、位置感知検出器によりカウントされる回転、および/または、セグメントの正確な一貫した割り当てが可能になる。
結果として、精密位置エンコーダとともにセグメントエンコーダを使用することにより、常に、ウィーガンドセンサのカウント値と精密位置センサのポジション値とから絶対全ポジション値を形成することができる。
本明細書中に明示的に記載されないテーブルは、回転、および/または、セグメントがカウントに記憶されるウィーガンドセンサの値に加えられ、または、このウィーガンドセンサの値から差し引かれなければならない状態をリストアップする。
【0013】
全ポジション値を得るためのセグメントカウンタのカウント値および精密位置エンコーダのポジション値のエラーの無い変換は、絶対同期化のために絶対に必要とされる情報の1つが少なくとも1つのパルスワイヤの磁化方向から得られ、セグメントカウンタの最後の値がメモリから利用できるとともに、現在の半分以下のセグメントが精密位置エンコーダから知られるという点において達成される。
【0014】
本発明の他の特徴によれば、パルスワイヤの磁化方向は、パルスワイヤを取り囲むインダクタコイルのうちの1つに対して所定の電流を供給することによって決定でき、それにより、パルスワイヤの要素磁石がフリップし、その結果、パルスワイヤの磁化方向に応じてそれぞれのインダクタコイルで誘発される信号をその後に更なる処理のために評価エレクトロニクスに供給できる。
【0015】
本発明の他の特徴によれば、それぞれのパルスワイヤを特徴付ける磁化方向は、それに割り当てられる少なくとも1つの磁場感知プローブによって測定される。
【0016】
本発明に係る方法を実行するための装置は、少なくとも1つのパルスワイヤセンサを有するセグメントカウンタにより、セグメントの精密分解能のための位置センサによりおよび電流を供給して、パルスを検出するとともに、全ポジション値を形成するための評価エレクトロニクスにより、本発明にしたがって特徴付けられる。
【0017】
本発明の有利な実施例が従属請求項に規定される。
【0018】
本発明の更なる利点、特徴および想定し得る用途は、図面に示される実施例と組み合わせて、以下の説明から明らかになる。
説明、特許請求の範囲および図面の全体にわたって、以下の符号の説明に記載される用語および関連する参照符号が使用される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】2つのウィーガンドセンサをそれぞれ使用するセグメントカウンタの動作バージョン1および動作バージョン2を示している。
【図2】図1に示される動作と関連付けられる、時間tにわたる2つのウィーガンドセンサからの信号を示している。
【図3】それぞれが2つのインダクタコイルを有する2つのウィーガンドセンサを用いて本発明に係る方法を実行するための、セグメントカウンタの第1の実施例である。
【図4】それぞれが1つのインダクタコイルと1つの磁場感知センサとを有する2つのウィーガンドセンサを用いて本発明の方法を実行するための、セグメントカウンタの第2の実施例である。
【図5】図3の実施例のブロック図である。
【図6】図4の実施例のブロック図である。
【図7】1つのウィーガンドセンサのみを伴う本発明の一実施例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
発明の理解を容易にするため、図1は、図3に示されるような2つのウィーガンドセンサWs1/Ws2を有するセグメントカウンタの動作、すなわち、方向の逆転を伴わない動作バージョン1と、方向の逆転を伴う動作バージョン2とを示している。
この場合、検出される回転体の動作に関連付けられ、かつ、N極とS極とを含む永久磁石(励磁磁石)EMの位置の変化が、時間軸t上の時間T1から時間Txで示される。
周知のように、ウィーガンドセンサWsはインダクタコイルである検出コイルSpを含み、この検出コイルSpから電圧信号の形態をなす信号Ua/Ubを拾い上げることができる。
【0021】
図2は、方向逆転を伴わず、疑似パルスが無い動作バージョン1と、方向逆転および疑似パルスを伴う動作バージョン2とにおける、関連するウィーガンドセンサWsの信号Uaと信号Ubとの時間tにわたる概略図である。
また、図2は、時間tにわたる、カウントに関して評価された関連する信号A、信号Bおよび結果として得られるカウント値を示している。
そこには2つの共通のカウントバージョンが示されており、このカウントバージョンでは、新たなセグメントへ入る際に、すなわち、信号Aの立ち上がり時に、または、先行するセグメントから出る際に、すなわち、信号Bの立ち下り時に、カウントが行われる。
いずれの場合においても、値Nから値(N+1)のカウントが既に時間Txで行われている。
【0022】
図1および図2に示されるように、一方において、動作バージョン1は、十分な磁場強度の存在に起因して時間T1から時間T6で正確なウィーガンドの信号A、信号Bを生成する。
しかしながら、他方において、動作バージョン2では、検出される回転体の回転方向の逆転に起因して、ウィーガンドワイヤWgのバイアスが時間T3で不十分となり、それにより、関連するウィーガンドパルスが時間T4で低下し、そのため、このパルスを検出できない。
これは、両方の動作バージョンにおいて時間Txで値(N+1)をとるカウント値の望ましくない歪みをもたらすが、それは、実際には、動作バージョン2において値Nでなければならない。
【0023】
両方の動作バージョンでは、時間T2におけるプラスパルスが信号Uaの最後に検出されて評価されたパルスであり、また、時間T6におけるマイナスパルスが信号Ubの最後に検出されて評価されたパルスである。
両方の動作バージョンの違いは、時間T5におけるウィーガンドワイヤWgの磁気バイアスであるが、これは周知であり、かつ、本発明にしたがって使用される。
上述した動作ダイアグラムにおいて、時間Txにおける図1に示される最終位置(永久磁石(励磁磁石)EMのN極が電流コイルBから離れて面する側にある)のこの場合には、信号A、信号Bの現在の値に関する情報がカウンタに記憶され、それにより、ウィーガンドワイヤWgがそのN極によってバイアスされて得られるカウンタ読み取り値を直ちに使用でき、一方、正しい全ポジション値を得るために、ウィーガンドワイヤWgがそのS極によってバイアスされて得られるカウンタ読み取り値を最初に「1」だけ減少させなければならない。
ここには明確に示されていない他の全ての動作シーケンスおよび結果として生じる信号A、信号Bに関する状態、ウィーガンドワイヤWgの磁化方向およびカウンタ読み取り値においては、それぞれの補正情報が補正テーブル6に記憶される。
【0024】
図3は、ウィーガンドワイヤWg1/Wg2が2つの同心コイル(Sp1、Es1/Sp2、Es2)のそれぞれによって取り囲まれるバージョンを示しており、これらの同心コイル(Sp1、Es1/Sp2、Es2)のうち、例えば、ウィーガンドワイヤWg1/Wg2に近い検出コイルSp1/Sp2は、ウィーガンドワイヤWg1/Wg2から更に遠くに離れる励磁コイルEs1/Es2に供給される電流への応答のために使用される。
互いに隣り合って取り付けられる2つの同心コイル(Sp1、Es1/Sp2、Es2)の配置は同様に適している。
永久磁石(励磁磁石)EMの動作によって誘発されるノーマルパルスの評価のため、いずれかのコイルを使用し、または、更には、両方の同心コイル(Sp1、Es1/Sp2、Es2)を同時に使用することができる。
同心コイル(Sp1、Es1/Sp2、Es2)間の直接的なクロスカップリングを低く維持するとともに、例えば、誘発パルスをエッジの急な勾配に基づいて更に確実に検出できるようにするために、電流が増減勾配で供給されるのが有益である。
【0025】
図4では、励磁コイルEs1/Es2の代わりに磁場感知センサMs1/Ms2が使用される。
この磁場感知センサMs1/Ms2は、それぞれのウィーガンドワイヤWg1/Wg2の磁化方向を直接測定する。
【0026】
セグメントカウンタを形成するウィーガンドセンサWs1/Ws2のカウント信号と、監視される物体のシャフト20に接続される、移動される物体、すなわち、ここでは簡潔に回転される物体とする物体の、それぞれの全ポジション値の形成のための精密位置センサとしての精密位置エンコーダ21のポジション値とを評価するため、例えば、図5のブロック図として示される構成が使用される。
【0027】
この目的のため、ウィーガンドセンサWs1/Ws2の信号ラインが、信号評価回路4、5を介して、ロジックカウント回路3と、テーブル6によって供給される同期化ロジック7とに接続される。
電流が、電流発生器9、10により、ウィーガンドワイヤWg1/Wg2から更に遠くに離れる両方のウィーガンドセンサWs1/Ws2のインダクタコイルである励磁コイルEs1/Es2に対して供給される。
【0028】
ロジックカウント回路3には、不揮発性メモリ1、並びに、値をカウントするための補正ロジック回路8およびウィーガンドセンサWs1/Ws2のカウンタ信号と精密位置エンコーダ21とをリンクさせるための全ポジション値形成ロジック回路11が割り当てられる。
周知のように、上述した回路要素は、固有エネルギー源2によって、および/または、外部エネルギー源13によって給電される。
その結果、決定された全ポジション値をインタフェース12を介して拾い上げることができる。
ウィーガンドセンサWs1/Ws2によって発生されるエネルギーを蓄えるためにキャパシタCが使用される。
【0029】
図6は、図4に示されるタイプの配置における同じタイプのブロック図を示している。
したがって、全ての回路要素が同じ記号表示を有する。
【0030】
図7は、(例えば、欧州特許第1565755号に係る)1つのウィーガンドセンサWs1だけを使用する構成を示している。
ここで、パルス評価および誘導電流の供給の両方のために、単一の検出コイルSp1が使用される。
例えば、異なる振幅、または、立ち上がり時間に基づき、計測光学で一般に用いられる技術を使用して、電流源により発生される電圧信号からパルスを識別すること(検出すること)が行われる。
【0031】
図5から図7の精密位置センサとしての精密位置エンコーダ21に関しては、任意の一般的な市販の光センサ、磁気センサ、容量センサ、または、他のタイプのセンサを使用できる。
【0032】
本発明に係る全ての手段(図5、図6、図7)は、信号評価回路4、5およびロジックカウント回路3を使用して、既存の外部エネルギー源13の供給の場合に基づく動作においておよび固有エネルギー源2の供給の場合に基づく動作(米国特許第6,612,188号、または、欧州特許第0724712号、または、同第1565755号参照)において、いずれも、ウィーガンドセンサWs1/Ws2からのパルスの評価時に連続的なセグメントカウント値が不揮発性メモリ1に記憶されるという共通点がある。
【0033】
図5および図7に示されるように、外部エネルギー源13の供給による作用時、同期化ロジック回路7は、それぞれの電流発生器9、10を制御するとともに、ウィーガンドワイヤWg1/Wg2の応答、記憶データ、精密位置エンコーダ21の現在の位置および補正テーブル6から補正値を決定する。
このようにして値をカウントするための補正ロジック回路8で補正されたセグメントカウンタのカウンタ読み取り値は、その後、簡単な全ポジション値形成ロジック回路11において精密位置エンコーダ21の値と組み合わされ、それにより、全ポジション値が与えられ、この全ポジション値は、その後、インタフェース12を介して出力される。
外部エネルギー源13からの供給が確保される限りにおいて、この値は、その後、監視される物体の動きに基づいて連続的に更新され、したがって、所要絶対位置に対応する。
【0034】
図6に示される装置では、初期化が同様に行われるが、この場合には電流供給源である電流発生器9、10が存在せず、また、ウィーガンドワイヤWg1/Wg2の磁化方向は、関連する磁場感知センサMs1/Ms2の信号から直接に集められる。
簡潔にするため、図は回転を測定するための構成だけを示しているが、方法および手段のいずれも同様に直線動作を測定するのに適する。
【符号の説明】
【0035】
1 ・・・ 不揮発性メモリ
2 ・・・ 固有エネルギー源
3 ・・・ カウンタロジック回路
4 ・・・ 信号評価回路
5 ・・・ 信号評価回路
6 ・・・ 補正テーブル
7 ・・・ 同期化ロジック回路
8 ・・・ 値をカウントするための補正ロジック回路(評価ロジック回路)
9 ・・・ 電流発生器
10 ・・・ 電流発生器
11 ・・・ 全ポジション値形成ロジック回路
12 ・・・ インタフェース
13 ・・・ 外部エネルギー源
20 ・・・ シャフト(回転軸)
21 ・・・ 精密位置エンコーダ(精密位置センサ)
C ・・・ 固有エネルギーを蓄えるためのキャパシタ
EM ・・・ 永久磁石(励磁磁石)
H ・・・ ホールプローブ
Wg1 ・・・ ウィーガンドワイヤ
Wg2 ・・・ ウィーガンドワイヤ
Sp1 ・・・ 検出コイル
Sp2 ・・・ 検出コイル
Ws1 ・・・ ウィーガンドセンサ
Ws2 ・・・ ウィーガンドセンサ
MS1 ・・・ 磁場感知センサ
MS2 ・・・ 磁場感知センサ
Es1 ・・・ 励磁コイル
Es2 ・・・ 励磁コイル
R ・・・ 回転方向を示す矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのパルスワイヤ(ウィーガンドワイヤ)センサを有するセグメントカウンタのカウント値と、物体の並進動作、および/または、回転動作を検出するための精密位置センサのポジション値とを全ての状況下で全ポジション値へと変換することにより、セグメントカウンタと精密位置センサとを同期させるための方法であって、
同期化のために必要とされる情報が、前記少なくとも1つのパルスワイヤの最後の磁化方向から得られ、最後の決定されたセグメントに関する情報が、メモリから得られ、現在の半分以下のセグメントに関する情報が、前記精密位置センサから得られることを特徴とする方法。
【請求項2】
2つのインダクタコイルがパルスワイヤの周囲に巻回されてなるパルスワイヤセンサを使用する方法であって、
所定の外部電流を第1のインダクタコイルである励磁コイルへ供給して第2のインダクタコイルである検出コイルで応答を測定することによってパルスワイヤの磁化方向を決定し、誘発パルスの存在に関係なく、更なる処理のために応答信号を評価エレクトロニクスへ入力することを特徴とする請求項1の記載の方法。
【請求項3】
1つのインダクタコイルだけがパルスワイヤの周囲に巻回されてなるパルスワイヤセンサを使用する方法であって、
この単一のインダクタコイルである検出コイルが、電流の供給および応答信号の発生の両方のために使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
電流をインダクタコイルへ供給することにより引き起こされる電圧から誘発パルスを識別するために、前記電流が、所定の関数の増減勾配にしたがって供給されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
それぞれのパルスワイヤを特徴付ける磁化方向が、それと関連付けられる少なくとも1つの磁場感知プローブにより測定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
パルスワイヤの磁化方向を検出するためにホールプローブ、または、GMRセンサが、前記磁場感知プローブとして使用されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのパルスワイヤセンサ(Ws)を有するセグメントカウンタ(21)と、セグメントの精密分解能のための位置センサと、電流を供給してパルスを検出するとともに全ポジション値を形成するための評価エレクトロニクス(1から13)とを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の方法を実行するための装置。
【請求項8】
少なくとも1つのパルスワイヤセンサ(Ws)を有するセグメントカウンタ(21)と、セグメントの精密分解能のための精密位置センサ(21)と、前記少なくとも1つの磁場感知プローブ(MS)を読み出して全ポジション値を形成するための評価エレクトロニクス(1から13)とを備えることを特徴とする請求項1、請求項5、請求項6のいずれか1つに記載の方法を実行するための装置。
【請求項9】
値をカウントするための補正ロジック回路(8)、補正テーブル(6)および全ポジション値を得るための全ポジション値形成ロジック回路(11)が、ハードワイヤードロジックの形態を成すことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の装置。
【請求項10】
値をカウントするための補正ロジック回路(8)、補正テーブル(6)および全ポジション値を得るための全ポジション値形成ロジック回路(11)のためにプロセッサが使用されることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の装置。
【請求項11】
論理演算の一部のためにハードワイヤードロジックが使用され、処理される残りのデータのためにプロセッサが使用されることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−225917(P2012−225917A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−93798(P2012−93798)
【出願日】平成24年4月17日(2012.4.17)
【出願人】(512101165)
【出願人】(512101176)
【Fターム(参考)】