説明

セチリジン塩酸塩の薬剤溶液

本発明は、セチリジン塩酸塩、炭素数3以下のアルコール化合物、防腐剤及び尿素を含有し、前記セチリジン塩酸塩がセチリジン塩酸塩のラセミ体又は左旋性異性体である、セチリジン塩酸塩の薬剤溶液に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セチリジン塩酸塩の薬剤溶液、特にセチリジン塩酸塩のラセミ体及び左旋性異性体の薬剤溶液に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境汚染がひどくなり、化学薬品の乱用や外部からの有害物質の刺激が増加するにつれて、皮膚アレルギー疾患の発生率は毎年上昇する傾向を表している。外部アレルゲンが有機体に侵入した場合、Tリンパ系とBリンパ系を活性化させて肥満細胞の脱顆粒を誘発し、ヒスタミン、ブラジキニンなどのアレルギー炎症性メディエーターを放出してアレルギー反応を引き起こし、通常異なる種類のアレルギー性疾患、例えばアレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚の赤みや腫れ、掻痒、赤い斑点、及びアレルゲンによる喘息などの症状として表現される。これら疾患は生命安全に対して直接的な脅威がないものの、病気の原因が複雑で、発症率が高いため、患者の生活の質に重大な影響を与える。従って、アレルギー疾患治療薬を開発することは非常に重要である。
【0003】
現在、アレルギー疾患治療薬として使用される臨床用医薬品において、主に用いられているのは第二世代の抗ヒスタミン薬品であり、その中のセチリジンは薬剤活性が強く、且つ良好な抗アレルギー及び抗炎症作用を具備している。セチリジン塩酸塩は、最初ベルギーの化学・製薬会社(UCB)により開発され、1987年ベルキーで初めて発売され、現在セチリジン塩酸塩薬剤は主に錠剤、シロップ剤などの通常の経口製剤である。この製剤は主に胃腸によって吸収された後、さらに血液循環を通じて皮膚の真皮組織中に分布されることにより、炎症性メディエーターとしてのヒスタミンを拮抗する抗ヒスタミン作用を果たしている。従って、全身性のアレルギー性炎症の治療効果に達することになる。皮膚組織中の血流分布は相対的に少ないため、セチリジンの組織分布は皮膚アレルギー疾患及び皮膚炎の治療に不利になり、経口剤を大量投与することは皮膚疾患について深刻な全身の不良反応を引き起こす危険が存在するため、好ましくない投与方式である。
【0004】
セチリジン塩酸塩の経口製剤を用いてアレルギー性疾患を治療する場合、いくつかの副作用を生じる問題について、魯南製薬クリープ株式会社(lunan pharmaceutical group corporation)は、セチリジン塩酸塩の通常の塗布薬、リポソーム塗布薬、エアロゾル製剤、軟膏剤を最初に開示した(中国公開番号CN1634063Aの特許明細書第9〜13ページを参照)。セチリジン塩酸塩の通常の塗布薬はセチリジン塩酸塩、エタノール、プロピレングリコール及び蒸留水(或いはリン酸緩衝液(PBS))からなり、セチリジン塩酸塩のリポソーム塗布薬はセチリジン塩酸塩、レシチン、コレステロール、セラミド又はオクタデシルアミン、ビタミンE、メントール、リン酸緩衝液(PBS)からなる。また、セチリジン塩酸塩の軟膏剤はセチリジン塩酸塩、カルボキシメチルセルロース、グリセリン、エチルパラベン、尿素、ツイン80(Tween80)、トリエタノールアミン中の複数の物質からなり、セチリジン塩酸塩のエアロゾル製剤はセチリジン塩酸塩、エタノール、尿素、ジクロロジフルオロメタン、ビタミンCと蒸留水からなる。これら外用製剤に関する発明及び調製は、セチリジン塩酸塩の新しい投与経路を開拓し、副作用の発生を大幅に減らすことができた。
【0005】
レボセチリジンはセチリジンのR―鏡像異性体であり、レボセチリジンとヒスタミンH1受容体との親和性はセチリジンのラセミ体との親和性に比べて二倍高い。臨床で主に利用されるのはレボセチリジンの塩酸塩、すなわちレボセチリジン塩酸塩であり、経口製剤はアレルギー性疾患のアレルギー症状を緩和するために用いられる。中国特許CN1813743A号と中国特許CN1957942A号の明細書にはレボセチリジン塩酸塩の外用製剤が開示され、主にレボセチリジン塩酸塩の塗布薬、エアロゾル製剤、スプレー薬、軟膏剤及び経皮貼布剤を開示している。その中、中国特許CN1957942A号に開示された塗布薬はレボセチリジン塩酸塩、エタノール、プロピレングリコール及び水からなり、エアロゾル製剤はレボセチリジン塩酸塩、エタノール、尿素、ジクロロジフルオロメタン、ビタミンC及び水からなり、またスプレー薬はレボセチリジン塩酸塩、エタノール、ジメチルスルホキシド、ビタミンC及び水からなっている(明細書第7〜9ページを参照)。
【0006】
虫刺されによる腫れ、痒みなどの症状は夏と秋によく発生する疾患の一つである。虫のくちばしが人体の皮膚に刺し込まれた場合穿痛感があり、虫の口器内からは蟻酸を分泌する。虫刺された部位には浮腫性紅斑、丘疹或いは膨疹が現れ、損傷中央に針頭大の暗赤色の点状出血斑があり、疹を押した場合完全に退色できなく、疼痛点周囲に青白い輪が現れることが特徴である。これによって引き起こした腫れと痒み程度は人によって異なり、ある人には虫刺された後に如何なる症状も現れなく、ある人には軽い痒みと痛みのみが感じられるが、一部のアレルギー患者には、明らかな赤腫れが現れ、さらには大きい点状出血斑も現れ、強い痒みと疼痛性熱感が伴われる。
【0007】
現在、虫刺されの治療分野には誤った認識が存在する。すなわち、ほとんど花露水を使用しているが、花露水中の樟脳成分は局所の炎症を改善できないばかりでなく、反ってアレルギー反応を引き起こして、接触皮膚炎を招来する。そのため、治療効果が明らかで、刺激性がより弱い薬剤を開発する必要がある。<開巻有益:求医聞薬>(2009年第6期第63ページ)によれば、虫刺された後、刺激性薬剤を勝手に塗布しないようにし、医師の指導にしたがって慎重に薬剤を使わなければならない。花露水は清涼感を与え、かゆみ止め作用があるものの、治療機能は有していない。<江蘇安全生産>(2007年第8期第45ページ)によれば、一部のアレルギー体質の人にとって、花露水中の樟脳成分は局所の炎症を改善できないばかりでなく、反ってアレルギー反応を引き起こして、接触皮膚炎を招来する。
【0008】
セチリジン塩酸塩ラセミ体の径口剤は虫刺されによる即時型膨疹、即時型丘疹及び痒みの治療に用いられるが、実際の使用中においてその治療効果は往々好ましくないため、普通の生活で広範に使用されていない。その主な原因は、効果的に好ましくない、或いは虫刺された後、痒みと穿痛感が短時間内には強いが、このような感じが迅速に緩和、消失され、これに対し径口剤効果の発現は比較的長い時間を要するためであると、推測される。
【0009】
中国特許CN1634063A号の明細書に開示されたセチリジン塩酸塩の外用製剤はその使用範囲が広すぎ、かゆみ止め効果が十分理想的な製剤処方は開示されていなかった。発明者は、中国特許第CN1957942A号(明細書第7〜9ページを参照)で掲示されたレボセチリジン塩酸塩を含む塗布薬及びスプレー薬で虫刺し症を治療するにあたって、これらの薬剤が一定の治療効果を有しているが、強い皮膚刺激などの副作用を容易に生じさせることを発見した。その主な原因は、虫刺しに耐えられないほとんどの患者の皮膚が柔らかいに対し、上記薬剤溶液はいずれも皮膚刺激性が強いエタノールを含有しているからであると、推測される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、セチリジン塩酸塩の外用製剤の薬効を高め、皮膚への刺激性を低下させると共に、虫刺し症による腫れと痒み治療に有効な薬剤を提供すために、セチリジン塩酸塩の理化性質に基づき処方を最適化させ、試験過程中でより適宜なアジュバントを選別することによって、皮膚刺激性が弱く且つ経皮吸収が迅速なセチリジン塩酸塩の薬剤溶液を提供することを目的としている。本発明のセチリジン塩酸塩薬剤は、異なる年齢層の皮膚アレルギー患者に適し、かつその製造工程が簡単で、原材料使用量が少なく、低コストであるため、広く応用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一つの実施形態によれば、以下の成分を含有し、その中のセチリジン塩酸塩がセチリジン塩酸塩のラセミ体又は左旋性異性体であることを特徴とする、セチリジン塩酸塩の薬剤溶液を提供する。
セチリジン塩酸塩 0.1〜2重量部、
炭素数が3以下のアルコール化合物 1〜50重量部、
防腐剤 0.01〜0.2重量部、
尿素 0.02〜20重量部、及び
無機塩 0〜5重量部。
【0012】
本発明のもう一つの実施形態によれば、上記薬剤溶液中のセチリジン塩酸塩はセチリジン塩酸塩の左旋性異性体であり、該セチリジン塩酸塩の左旋性異性体の薬剤溶液は以下の成分を含んでいる。
セチリジン塩酸塩 0.2〜2重量部、
炭素数が3以下のアルコール化合物 10〜40重量部、
防腐剤 0.01〜0.2重量部、
尿素 1〜5重量部、及び
無機塩 0〜5重量部。
【0013】
さらに好ましくは、上記セチリジン塩酸塩の左旋性異性体(レボセチリジン塩酸塩)の薬剤溶液は、以下の成分を含んでいる。
レボセチリジン塩酸塩 0.5〜1.5重量部、
炭素数が3以下のアルコール化合物 15〜40重量部、
防腐剤 0.05〜0.2重量部、
尿素 1〜3重量部、及び
無機塩 0〜5重量部。
【0014】
さらに好ましくは、上記セチリジン塩酸塩の左旋性異性体(レボセチリジン塩酸塩)の薬剤溶液は、以下の成分を含んでいる。
レボセチリジン塩酸塩 1重量部、
炭素数が3以下のアルコール化合物 15〜40重量部、
防腐剤 0.1重量部、
尿素 2重量部、及び
無機塩 0.5〜1.5重量部。
【0015】
上記セチリジン塩酸塩の左旋性異性体の薬剤溶液において、前記炭素数が3以下のアルコール化合物は、プロピレングリコール、グリセリン、プロパノール、エタノール又はこれらの組合わせであることが好ましく、より好ましくはグリセリン又は1,2−プロピレングリコールであり、更に好ましくはグリセリンである。上記防腐剤は、ベンザルコニウムブロマイド、酢酸クロルヘキシジン、安息香酸ナトリウム及びソルビン酸から選択された1種または2種であり、好ましくはベンザルコニウムブロマイド又は酢酸クロルヘキシジンであり、より好ましくはベンザルコニウムブロマイドである。上記無機塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化カルシウム及び炭酸水素ナトリウムから選択された1種又は多種であり、好ましくは塩化ナトリウムである。
【0016】
より好ましくは、本発明のレボセチリジン塩酸塩薬剤溶液は矯味剤をさらに含有することができ、前記矯味剤は、橙皮油、ウイキョウ油、シトロン油、シトロンチンキ(citron tincture)、芳香剤(Fragrant)、桂皮水、桂皮油、バナナエッセンス、オレンジエッセンス、レモンエッセンス又はりんごエッセンスである。
【0017】
本発明のレボセチリジン塩酸塩薬剤溶液のPH値は5.0〜7.0であることが好ましく、更に好ましくは6.0である。
【0018】
本発明のレボセチリジン塩酸塩薬剤溶液は、通常の製造プロセスを用いてレボセチリジン塩酸塩の塗布薬(Liniment)、点滴薬、エアロゾル製剤又はスプレー薬に製造することもできる。
【0019】
また、本発明の一つの実施形態によれば、本発明のセチリジン塩酸塩薬剤溶液はセチリジン塩酸塩のラセミ体を含有しているものであって、以下の成分を含んでいる。
セチリジン塩酸塩 0.1〜2重量部、
炭素数が3以下のアルコール化合物 1〜50重量部、
防腐剤 0.02〜0.2重量部、
尿素 0.02〜20重量部、及び
無機塩 0.01〜2重量部。
【0020】
その中、炭素数が3以下のアルコール化合物はグリセリンであり、防腐剤はベンザルコニウムブロマイドであり、無機塩は塩化ナトリウムである。グリセリンを湿潤剤とし、尿素を経皮吸収促進剤とし、ベンザルコニウムブロマイドを防腐剤として、三つの補助剤を併用し且つ皮膚局所から吸収することにより、皮膚からの吸収に有益し、アレルギー性皮膚の局所の濃度を有効に向上させることができ、かつセチリジンの血漿タンパクとの結合率は93%以上であり、皮膚を通して局所吸収されたセチリジンは、血液中に入る前に皮膚組織中に遊離状態で存在しているため、抗アレルギー作用をより効果的に発揮できる。
【0021】
好ましくは、上記のセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液は、以下の成分を含んでいる。
セチリジン塩酸塩 0.5〜1.5重量部、
グリセリン 5〜40重量部、
尿素 1〜6重量部、
ベンザルコニウムブロマイド 0.02〜0.15重量部、及び
塩化ナトリウム 0.5〜1.5重量部。
【0022】
より好ましくは、上記のセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液は、以下の成分を含んでいる。
セチリジン塩酸塩 1重量部、
グリセリン 35〜40重量部、
尿素 1〜3重量部、
ベンザルコニウムブロマイド 0.08〜0.12重量部、及び
塩化ナトリウム 0.5〜1.5重量部。
【0023】
更に好ましくは、上記のセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液は、以下の成分を含んでいる。
セチリジン塩酸塩 1重量部
グリセリン 37.8重量部
尿素 2重量部
ベンザルコニウムブロマイド 0.1重量部、及び
塩化ナトリウム 0.9重量部。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明のセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液のPH値は4.0〜7.5であることが好ましく、より好ましくは5.0〜7.0であり、さらに好ましくは6.0である。
【0025】
本発明のセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液のPH値を調節するために使用される物質は、アルカリ性カリウム塩、アルカリ性ナトリウム塩、アルカリ性燐酸塩又はそれらの組み合わせであり、好ましくは水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム又はリン酸水素二ナトリウム中の1種又は多種であり、より好ましくは水酸化ナトリウム又は炭酸ナトリウムであり、さらに好ましくは水酸化ナトリウムである。
【0026】
本発明のセチリジン塩酸塩ラセミ体及びセチリジン塩酸塩左旋性異性体の薬剤溶液は、何れも適量の水を含有し、当該水の添加量は、薬剤溶液中のセチリジン塩酸塩の所望濃度により決められる。具体的には、セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液は、上記配合割合のセチリジン塩酸塩のラセミ体、グリセリン、尿素、ベンザルコニウムブロマイド及び塩化ナトリウムの5種成分と、所定容量の水(例えば、100ml)からなる。本発明のセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液において、セチリジン塩酸塩、グリセリン、尿素、ベンザルコニウムブロマイド及び塩化ナトリウムの5種成分の配合比は、重量比で示すこともできる。好ましくは、セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液において、セチリジン塩酸塩、グリセリン、尿素、ベンザルコニウムブロマイド及び塩化ナトリウムの5種成分の重量配合割合が、セチリジン塩酸塩0.5〜1.5g、グリセリン5〜40g、尿素1〜6g、ベンザルコニウムブロマイド0.02〜0.15g及び塩化ナトリウム0.5〜1.5gである。セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液は、上記配合割合のセチリジン塩酸塩、グリセリン、尿素、ベンザルコニウムブロマイド及び塩化ナトリウムの5種成分と、所定容量の水(例えば、100ml)からなる。より好ましくは、セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液において、セチリジン塩酸塩、グリセリン、尿素、ベンザルコニウムブロマイド及び塩化ナトリウムの5種成分の重量配合割合は、セチリジン塩酸塩1g、グリセリン37.8g、尿素2g、ベンザルコニウムブロマイド0.1g及び塩化ナトリウム0.9gである。セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液は、上記配合割合のセチリジン塩酸塩、グリセリン、尿素、ベンザルコニウムブロマイド及び塩化ナトリウムの5種成分と、所定容量の水(例えば、100ml)からなる。
【0027】
本発明のセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液は通常の製造工程によって獲得することができる。具体的には、まず、常温常圧の下でセチリジン塩酸塩ラセミ体を適量の蒸留水に溶解させ、処方量のグリセリン、尿素、ベンザルコニウムブロマイド及び塩化ナトリウムを加えた後、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム及び炭酸水素ナトリウム中の1種又は多種で、PH値を4.0〜7.5になるまで調節すると共に、蒸留水を所定の容量(例えば、100ml)になるまで加える。又は、セチリジン塩酸塩のラセミ体、グリセリン、尿素、ベンザルコニウムブロマイド又は塩化ナトリウムを含む溶液を混合して獲得する。
【0028】
本発明は、実施例28〜実施例32において、セチリジン塩酸塩のラセミ体又は左旋性異性体の薬剤溶液の、4−アミノピリジン(4−AP)により誘発されたマウスの舌舐め反応モデルに対するかゆみ止め作用、及びIgEにより誘発された皮膚即時相(IP)又は遅発相(LP)アレルギー反応モデルのマウス耳の腫脹度に対する抗炎症作用について検討した。その結果、本発明のセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液は従来のセチリジン塩酸塩ラセミ体の外用製剤に比べてより顕著な効果を有し、セチリジン塩酸塩の左旋性異性体薬剤溶液のかゆみ止め及び抗炎症作用は従来のレボセチリジン塩酸塩のスプレー薬及び塗布薬に比べてより顕著な効果があることが確認された。
【0029】
本発明のセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液は、虫刺されによる皮膚局所の赤腫れ、痒みの治療に使用することができる。本発明の実施例33において、本発明のセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液(10mg/ml及び5mg/ml)、風油精及びセチリジン塩酸塩錠を使用して、虫に刺された200人の被験者に対して治療を行った。この臨床結果から、本発明のセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液の、虫刺されによる赤腫れ、痒みに対する治療有効率は90%以上に達することが確認された。また、セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液の高用量投与群と低用量投与群における平均効果発現時間はそれぞれ4分及び6分であり、且つ患者が本発明のセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液を使用した後、症状が悪化することはなく、他の副作用も出現しなかった。しかしながら、風油精投与群(陽性対照群)において虫刺されによる赤腫れ、痒みに対する有効率は86%であり、平均的な効果発現時間は15分であり、さらには6症例の副作用が出現した。上記結果から、本発明のセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液は、虫刺されによる赤腫れ、痒みに対して良好な治療効果を持っており、且つ風油精に比べて皮膚への刺激性が小さく、効果が迅速であることが確認できる。本発明の臨床実施例において、発明者はセチリジン塩酸塩錠の治療群を対照群とした。臨床結果からわかる通り、虫刺されによる赤腫れ、痒みの治療において、セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液の治療群はセチリジン塩酸塩錠の治療群に比べて有意差(p<0.05)が認められた。これは、本発明のセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液は虫刺されによる赤腫れ、痒みを治療するにあたって、その薬剤溶液の外用製剤が経口剤よりさらに良好な治療効果を持っており、虫刺されによる赤腫れ、痒みを治療するための外用製剤として使用できることを示す。
【0030】
本発明のレボセチリジン塩酸塩薬剤溶液は、虫刺されによる皮膚局所の赤腫れ、痒みを治療するために使用できる。本発明の実施例34において、本発明のレボセチリジン塩酸塩薬剤溶液(10mg/ml及び12mg/ml)と、陽性対照薬であるレボセチリジン塩酸塩のスプレー薬、塗布薬及び風油精とを利用して、虫に刺された300人の被験者に対して治療を行った。臨床結果から、本発明のレボセチリジン塩酸塩薬剤溶液の、虫刺されによる赤腫れ、痒みに対する有効率は90%以上に達することが確認された。また、効果発現時間、治療有効率及び副作用率の面において、レボセチリジン塩酸塩薬剤溶液の治療群は、セチリジン塩酸塩のスプレー薬対象群、塗布薬対象群及び風油精対象群に比べてすべて有意差(p<0.05)が認められた。
【実施例】
【0031】
以下、具体的な実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。

第一部分 セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液
【0032】
実施例1
セチリジン塩酸塩 1g
グリセリン 10g
尿素 0.2g
ベンザルコニウムブロマイド 0.2g
塩化ナトリウム 0.1g
蒸留水 適量

蒸留水を100mlになるまで加え、且つ10%塩化ナトリウム溶液適量でPH値7.5になるまで調節する。
常温常圧の下で、セチリジン塩酸塩のラセミ体1gを秤量して適量の蒸留水に溶解させた後、処方中の各成分の配合割合によって、すなわち、グリセリン10g、尿素0.2g、ベンザルコニウムブロマイド0.2g、塩化ナトリウム0.1gを加え、最後に蒸留水を100mlになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値7.5になるまで調節する。
【0033】
実施例2
セチリジン塩酸塩 0.5g
グリセリン 5g
尿素 1g
ベンザルコニウムブロマイド 0.1g
塩化ナトリウム 0.9g
蒸留水 適量

蒸留水を100mlになるまで加え、且つ適量の10%炭酸ナトリウム溶液でPH値6.5になるまで調節する。
常温常圧の下で、セチリジン塩酸塩のラセミ体0.5gを秤量して適量の蒸留水に溶解させた後、処方中の各成分の配合割合によって、すなわち、グリセリン5g、尿素1g、ベンザルコニウムブロマイド0.1g、塩化ナトリウム0.9gをそれぞれ加入する。最後に、蒸留水を100mlになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%炭酸ナトリウム溶液でPH値6.5になるまで調節する。
【0034】
実施例3
セチリジン塩酸塩 1g
グリセリン 37.8g
尿素 2g
5%ベンザルコニウムブロマイド溶液 2ml
塩化ナトリウム 0.9g
蒸留水 適量

蒸留水を100mlになるまで加え、且つ適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調節する。
常温常圧の下で、セチリジン塩酸塩のラセミ体1gを秤量して適量の蒸留水に溶解させた後、処方中の各成分の配合割合によって、すなわち、グリセリン37.8g、尿素2g、5%ベンザルコニウムブロマイド溶液2ml、塩化ナトリウム0.9gをそれぞれ加入する。最後に、蒸留水を100mlになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調節する。
【0035】
実施例4
セチリジン塩酸塩 2g
グリセリン 50g
尿素 20g
ベンザルコニウムブロマイド 0.2g
塩化ナトリウム 2g
蒸留水 適量

蒸留水を100mlになるまで加え、且つ適量の10%炭酸ナトリウム溶液でPH値5.0になるまで調整する。
製造工程は実施例1と同じであり、最後に、蒸留水を100mlになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%炭酸ナトリウム溶液でPH値5.0になるまで調整する。
【0036】
実施例5
セチリジン塩酸塩 0.5g
グリセリン 5g
尿素 1g
ベンザルコニウムブロマイド 0.02g
塩化ナトリウム 0.5g
蒸留水 適量

蒸留水を100mlになるまで加え、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値4.5になるまで調整する。
製造工程は実施例1と同じであり、最後に、蒸留水を100mlになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値4.5になるまで調整する。
【0037】
実施例6
セチリジン塩酸塩 1.5g
グリセリン 40g
尿素 6g
ベンザルコニウムブロマイド 0.15g
塩化ナトリウム 1.5g
蒸留水 適量

蒸留水を100mlになるまで加え、適量の10%炭酸ナトリウム溶液でPH値7.0になるまでに調整する。
製造工程は実施例1と同じであり、最後に、蒸留水を100mlになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%炭酸ナトリウム溶液でPH値が7.0になるまで調整する。
【0038】
実施例7
セチリジン塩酸塩 1g
グリセリン 10g
尿素 5g
ベンザルコニウムブロマイド 0.05g
塩化ナトリウム 1g
蒸留水 適量

蒸留水を100mlになるまで加え、適量の10%炭酸水素ナトリウム溶液でPH値5.0になるまで調整を行う。
製造工程は実施例1と同じであり、最後に、適量の蒸留水を100mlになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%炭酸水素ナトリウム溶液でPH値5.0になるまで調整を行う。
【0039】
実施例8
セチリジン塩酸塩 10g
グリセリン 100g
尿素 40g
ベンザルコニウムブロマイド 0.9g
塩化ナトリウム 8g
蒸留水 適量

蒸留水を1000mlになるまで加え、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値5.5になるまで調整を行う。
製造工程は実施例1と同じであり、最後に、適量の蒸留水を1000mlになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値5.5になるまで調整を行う。
【0040】
実施例9
セチリジン塩酸塩 3g
グリセリン 200g
尿素 10g
ベンザルコニウムブロマイド 1g
塩化ナトリウム 9g
蒸留水 適量

蒸留水を1000gになるまで加えながら、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値7.0になるまで調整を行う。
製造工程は実施例1と同じであり、最後に、適量の蒸留水を1000gになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値7.0になるまで調整を行う。
【0041】
実施例10
セチリジン塩酸塩 10g
グリセリン 350g
尿素 10g
ベンザルコニウムブロマイド 0.8g
塩化ナトリウム 5g
蒸留水 適量

蒸留水を1000mlになるまで加え、適量の10%の水酸化ナトリウム溶液でPH値6.5になるまで調整を行う。
製造工程は実施例1と同じであり、最後に、蒸留水を1000mlになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.5になるまで調整を行う。
【0042】
実施例11
セチリジン塩酸塩 10g
グリセリン 400g
尿素 30g
ベンザルコニウムブロマイド 1.2g
塩化ナトリウム 15g
蒸留水 適量

蒸留水を1000mlになるまで加え、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整を行う。
製造工程は実施例1と同じであり、最後に、適量の蒸留水を1000mlになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整を行う。

第二部分 レボセチリジン塩酸塩の薬剤溶液及びその製剤
【0043】
実施例12
レボセチリジン塩酸塩 0.2g
蒸留水 適量
プロピレングリコール 10g
安息香酸ナトリウム 0.01g
尿素 1g
塩化ナトリウム 0.01g

蒸留水を100mlになるまで加え、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値7.0になるまで調整を行う。
製造方法:常温常圧の下で、レボセチリジン塩酸塩0.2gを秤量して適量の蒸留水に溶解させた後、処方中の各成分の配合割合によって、すなわち、プロピレングリコール10g、尿素1g、安息香酸ナトリウム0.01g、塩化ナトリウム0.01gをそれぞれ加入する。最後に、蒸留水を100mlになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値7.0になるまで調整した後、これを缶に入れて密閉し、製品検査を行って完成品を取得する。
【0044】
実施例13
レボセチリジン塩酸塩 2g
蒸留水 適量
グリセリン 40g
ベンザルコニウムブロマイド 0.2g
尿素 3g
塩化ナトリウム 5g

蒸留水を100mlになるまで加え、適量の10%炭酸ナトリウム溶液でPH値5.0になるまで調整を行う。
製造方法:常温常圧の下で、レボセチリジン塩酸塩2gを秤量して適量の蒸留水に溶解させた後、処方中の各成分の配合割合によって、すなわち、グリセリン40g、尿素3g、ベンザルコニウムブロマイド0.2g、塩化ナトリウム5gをそれぞれ加入する。最後に、蒸留水を100mlになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%炭酸ナトリウム溶液でPH値5.0になるまで調整した後、これを缶に入れて密閉し、製品検査を行って完成品を取得する。
【0045】
実施例14
レボセチリジン塩酸塩 1g
蒸留水 適量
グリセリン 37.8g
尿素 2g
ベンザルコニウムブロマイド 0.1g
塩化ナトリウム 0.9g

蒸留水を100mlになるまで加え、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整を行う。
製造方法:常温常圧の下で、レボセチリジン塩酸塩1gを秤量して適量の蒸留水に溶解させた後、処方中の各成分の配合割合によって、すなわち、グリセリン37.8g、尿素2g、ベンザルコニウムブロマイド0.1g、塩化ナトリウム0.9gをそれぞれ加入する。最後に、蒸留水を100mlになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整した後、これを缶に入れて密閉し、製品検査を行って完成品を取得する。
【0046】
実施例15
レボセチリジン塩酸塩 1.2g
蒸留水 適量
グリセリン 45.4g
尿素 2.4g
ベンザルコニウムブロマイド 0.12g
塩化ナトリウム 1.08g

蒸留水を100mlになるまで加え、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整を行う。
製造方法は実施例3と同じである。
【0047】
実施例16
レボセチリジン塩酸塩 1g
蒸留水 適量
グリセリン 37.8g
尿素 2g
ベンザルコニウムブロマイド 0.1g
塩化ナトリウム 0.9g
オレンジエッセンス 0.1g

蒸留水を100mlになるまで加え、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整を行う。
製造方法:常温常圧の下で、レボセチリジン塩酸塩1gを秤量して適量の蒸留水に溶解させた後、処方中の各成分の配合割合に従って、すなわち、グリセリン37.8g、尿素2g、ベンザルコニウムブロマイド0.1g、塩化ナトリウム0.9g、オレンジエッセンス0.1gをそれぞれ加入する。最後に、蒸留水を100mlになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整した後、これを缶に入れて密閉し、製品検査を行って完成品を取得する。
【0048】
実施例17
レボセチリジン塩酸塩 1g
蒸留水 適量
グリセリン 37.8g
尿素 2g
ベンザルコニウムブロマイド 0.1g
塩化ナトリウム 0.9g
丁子油 0.02g

蒸留水を100mlになるまで加え、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整を行う。
製造方法:常温常圧の下で、レボセチリジン塩酸塩1gを秤量して適量の蒸留水に溶解させた後、処方中の各成分の配合割合によって、すなわち、グリセリン37.8g、尿素2g、ベンザルコニウムブロマイド0.1g、塩化ナトリウム0.5g、丁子油0.02gをそれぞれ加入する。最後に、蒸留水を100mlになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整した後、これを缶に入れて密閉し、製品検査を行って完成品を取得する。
【0049】
実施例18
レボセチリジン塩酸塩 1g
蒸留水 適量
グリセリン 37.8g
尿素 2g
ベンザルコニウムブロマイド 0.1g
塩化ナトリウム 0.9g
りんごエッセンス 1g

蒸留水を100mlになるまで加え、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整を行う。
製造方法:常温常圧の下で、レボセチリジン塩酸塩1gを秤量して適量の蒸留水に溶解させた後、処方中の各成分の配合割合によって、すなわち、グリセリン37.8g、尿素2g、ベンザルコニウムブロマイド0.1g、塩化ナトリウム0.9g、りんごエッセンス1gをそれぞれ加入する。最後に、蒸留水を100mlになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整した後、これを缶に入れて密閉し、製品検査を行って完成品を取得する。
【0050】
実施例19
レボセチリジン塩酸塩 1g
蒸留水 適量
プロピレングリコール 10g
尿素 2g
ベンザルコニウムブロマイド 0.2g
塩化ナトリウム 1.5g
芳香剤 0.1g

蒸留水を100mlになるまで加え、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整を行う。
製造方法:常温常圧の下で、レボセチリジン塩酸塩1gを秤量して適量の蒸留水に溶解させた後、処方中の各成分の配合割合によって、すなわち、プロピレングリコール10g、尿素2g、ベンザルコニウムブロマイド0.2g、塩化ナトリウム1.5g、芳香剤0.1gをそれぞれ加入する。最後に、蒸留水を100mlになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整した後、これを缶に入れて密閉し、製品検査を行って完成品を取得する。
【0051】
実施例20
レボセチリジン塩酸塩 0.2g
蒸留水 適量
グリセリン 10g
尿素 1g
ベンザルコニウムブロマイド 0.01g
塩化ナトリウム 0.01g
バナナエッセンス 0.05g

蒸留水を100mlになるまで加え、適量の10%炭酸ナトリウム溶液でPH値5.0になるまで調整を行う。
製造方法:常温常圧の下で、レボセチリジン塩酸塩0.2gを秤量して適量の蒸留水に溶解させた後、処方中の各成分の配合割合によって、すなわち、グリセリン10g、尿素1g、ベンザルコニウムブロマイド0.01g、塩化ナトリウム0.01g、バナナエッセンス0.05gをそれぞれ加入し、最後に、蒸留水を100mlになるまで加えて十分に攪拌し、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整した後、これを缶に入れて密閉し、製品検査を行って完成品を取得する。
【0052】
実施例21
レボセチリジン塩酸塩 2g
蒸留水 適量
グリセリン 40g
尿素 3g
ベンザルコニウムブロマイド 0.2g
塩化ナトリウム 5g
バナナエッセンス 1g

蒸留水を100mlになるまで加え、適量の10%炭酸ナトリウム溶液でPH値5.0になるまで調整を行う。
製造方法:常温常圧の下で、レボセチリジン塩酸塩2gを秤量して適量の蒸留水に溶解させた後、処方中の各成分の配合割合によって、すなわち、グリセリン40g、尿素3g、ベンザルコニウムブロマイド0.2g、塩化ナトリウム5g、バナナエッセンス1gをそれぞれ加入し、最後に、蒸留水を100mlになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整した後、これを缶に入れて密閉し、製品検査を行って完成品を取得する。
【0053】
実施例22
レボセチリジン塩酸塩 1g
蒸留水 適量
グリセリン 37.8g
尿素 2g
安息香酸ナトリウム 0.1g
塩化ナトリウム 0.9g

蒸留水を100mlになるまで加え、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整を行う。
製造方法:常温常圧の下で、レボセチリジン塩酸塩1gを秤量して適量の蒸留水に溶解させた後、処方中の各成分の配合割合によって、すなわち、グリセリン37.8g、尿素2g、安息香酸ナトリウム0.1g、塩化ナトリウム0.9gをそれぞれ加入し、最後に、蒸留水を100mlになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整した後、これを缶に入れて密閉し、製品検査を行って完成品を取得する。
【0054】
実施例23
レボセチリジン塩酸塩 1g
蒸留水 適量
グリセリン 37.8g
尿素 2g
酢酸クロルヘキシジン 0.05g

蒸留水を100mlになるまで加え、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整を行う。
製造方法:常温常圧の下で、レボセチリジン塩酸塩1gを秤量して適量の蒸留水に溶解させた後、処方中の各成分の配合割合によって、すなわち、グリセリン37.8g、尿素2g、酢酸クロルヘキシジン0.05gをそれぞれ加入し、最後に、蒸留水を100mlになるまで加えて十分攪拌し、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整した後、これを缶に入れて密閉し、製品検査を行って完成品を取得する。
【0055】
実施例24 塗布薬
レボセチリジン塩酸塩 0.2g
蒸留水 適量
グリセリン 10g
尿素 1g
ベンザルコニウムブロマイド 0.01g
塩化ナトリウム 0.01g
バナナエッセンス 0.05g

蒸留水を100mlになるまで加え、適量の10%炭酸ナトリウム溶液でPH値5.0になるまで調整を行う。
製造方法は実施例20と同じである。
【0056】
実施例25 点滴薬
レボセチリジン塩酸塩 2g
蒸留水 適量
グリセリン 40g
尿素 3g
ベンザルコニウムブロマイド 0.2g
塩化ナトリウム 5g
バナナエッセンス 1g

蒸留水を100mlになるまで加え、適量の10%炭酸ナトリウム溶液でPH値5.0になるまで調整を行う。
製造方法は実施例21の製造方法と同じである。
【0057】
実施例26 スプレー薬
レボセチリジン塩酸塩 1g
蒸留水 適量
グリセリン 37.8g
尿素 2g
安息香酸ナトリウム 0.1g
塩化ナトリウム 0.9g

蒸留水を100mlになるまで加え、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整を行う。
製造方法は実施例22の製造方法と同じである。
【0058】
実施例27 エアロゾル製剤
レボセチリジン塩酸塩 1g
蒸留水 適量
グリセリン 37.8g
尿素 2g
酢酸クロルヘキシジン 0.05g
ジクロロジフルオロメタン 20g

蒸留水を100mlになるまで加え、適量の10%水酸化ナトリウム溶液でPH値6.0になるまで調整を行う。
製造方法は実施例23の製造方法と同じである。
【0059】
上記の好ましい実施例により本発明のレボセチリジン塩酸塩の薬剤溶液及びその製造方法について説明したが、様々な修飾、及び同等物が可能であることは当業者にとって自明なことであり、かつすべて本発明の範囲に含まれる。

第三部分 本発明の薬剤溶液の薬効学について研究
【0060】
実施例28 4−アミノピリジン(4−AP)により誘発されたマウスの舌舐め反応モデルに対する、セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液のかゆみ止め作用についての研究
1、実験目的
4−アミノピリジンにより誘発されたマウスの舌舐め反応モデルに対する、セチリジン塩酸塩ラセミ体薬剤溶液のかゆみ止め作用を検証する。

2、被試験薬
2.1 セチリジン塩酸塩の普通の塗布薬。具体的な製造方法は中国特許公開番号CN1634063Aの明細書中の実施例5を参照、セチリジン塩酸塩の濃度は10mg/mlである;
2.2 セチリジン塩酸塩のリポソーム塗布薬。体的な製造方法は中国特許公開番号CN1634063Aの明細書中の実施例3を参照、セチリジン塩酸塩の濃度は12mg/ml;
2.3 セチリジン塩酸塩のエアロゾル製剤。具体的な製造方法は中国特許公開番号CN1634063Aの明細書中の実施例9を参照、セチリジン塩酸塩の濃度は10mg/ml;
2.4 セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液Ι。具体的な製造方法は本発明の実施例3を参照、セチリジン塩酸塩の濃度は10mg/ml;

3.群分けと投与
3.1 正常対照群:生理食塩水を外用する;
3.2 モデル対照群:生理食塩水を外用する;
3.3 セチリジンのエアロゾル製剤群で:セチリジン塩酸塩のエアロゾル製剤を外用する;
3.4 セチリジンのリポソーム塗布薬群:セチリジン塩酸塩のリポソーム塗布薬を外用する;
3.5 セチリジンの普通の塗布薬群:セチリジン塩酸塩の普通の塗布薬を外用する;
3.6 セチリジンの薬剤溶液群:セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液Ιを外用する。
備考:以上の各群において、いずれも対応する薬剤又は生理食塩水を同容積(0.025ml)投与する。

4.実験方法
体重20〜25gのマウス60匹を、マウス雌雄各5匹、合計10匹を1群として,ランダムに6群に分ける。すなわち、正常対照群、モデル対照群、セチリジン塩酸塩のエアロゾル製剤群、セチリジン塩酸塩の普通の塗布薬群、セチリジン塩酸塩のリポソーム塗布薬群及びセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液群に分ける。8%の硫化ナトリウムで全てのマウスの頸背部を除毛し、除毛部分の面積は1.5cm×2cmである。次に、同容積(0.025ml)の各群に対応する外用薬をマウス頸背部の除毛部分の固定部位(1.5cm×2cm)に塗布したり或いはスプレーする。正常対照群、モデル対照群には同容積の生理食塩水を塗布する。30分後、正常対照群以外のすべてのマウス皮下に濃度が0.01%の4−アミノピリジン(4−AP)を1mg/kgの投与量で注射する。投与が終わった後、マウスを籠に入れる。30sほど経過するとマウスが両側の背中を舐める行為を繰り返す現象、すなわち、舌舐め反応が出現した。連続に舐める行為の開始から一時停止が出現するまでの間を一回舌舐めとし、4−APを投与した後の30分間内に出現したマウスの舌舐め回数を記録した。また、舌舐め回数をかゆみ止め作用の評価指標として、群同士の差を比較する。

5.実験の結果
実験結果からわかる通り、モデル対照群に比べて、各セチリジン薬剤溶液群の4−アミノピリジンにより誘発されたマウスの舌舐め反応モデルに対するかゆみ止め作用はいずれも有意差が認められた。セチリジンのエアロゾル製剤群、リポソーム塗布薬群及び通常の塗布薬群に比べて、セチリジン塩酸塩薬剤溶液群の4−アミノピリジンにより誘発されたマウスの舌舐め反応モデルに対するかゆみ止め作用は有意差を表している(表1を参照)。
【表1】


モデル対照群に比べてp<0.05;**モデル対照群に比べてp<0.01;
セチリジンのエアロゾル製剤群に比べてp<0.05;
セチリジンのリポソーム塗布薬群に比べてp<0.05;
セチリジンの通常の塗布薬群に比べてp<0.05。
【0061】
実施例29 4−アミノピリジン(4−AP)により誘発されたマウスの舌舐め反応モデルに対する、レボセチリジン塩酸塩の薬剤溶液のかゆみ止め作用についての研究
1、実験目的
4−アミノピリジン(4−AP)により誘発されたマウスのしめ舐め反応モデルに対する、レボセチリジン塩酸塩の薬剤溶液のかゆみ止め作用を検証する。

2、被試験薬
2.1 レボセチリジン塩酸塩のスプレー薬。具体的な製造方法は中国特許公開番号CN1957942Aの明細書の実施例7を参照、レボセチリジン塩酸塩の濃度は10mg/ml;
2.2 レボセチリジン塩酸塩の塗布薬。具体的な製造方法は中国特許公開番号CN1957942Aの明細書の実施例1を参照、レボセチリジン塩酸塩の濃度は10mg/ml;
2.3 レボセチリジン塩酸塩の薬剤溶液。具体的な製造方法は本発明の実施例14を参照、レボセチリジン塩酸塩の濃度は10mg/ml。

3.群分けと投与
3.1 正常対照群:生理食塩水を外用する;
3.2 モデル対照群:生理食塩水を外用する;
3.3 レボセチリジンのスプレー薬群:レボセチリジン塩酸塩のスプレー薬を外用する;
3.4 レボセチリジンの塗布薬群:レボセチリジン塩酸塩の塗布薬を外用する;
3.5 レボセチリジンの薬剤溶液群:レボセチリジン塩酸塩の薬剤溶液を外用する。
備考:以上の各群において、いずれも対応する薬剤又は生理食塩水を同容積(0.025ml)投与する。

4.実験の方法
体重20〜25gのマウス50匹を、マウス雌雄各5匹、合計10匹を1群として,ランダムに5群に分ける。8%の硫化ナトリウムで全てのマウスの頸背部を除毛し、除毛部分の面積は1.5cm×2cmである。次に、同容積(0.025ml)の各群に対応する外用薬をマウス頸背部の除毛部分の固定部位(1.5cm×2cm)に塗布したり或いはスプレーする。正常対照群、モデル対照群には同容積の生理食塩水を塗布する。30分後、正常対照群以外のすべてのマウス皮下に濃度が0.01%の4−アミノピリジン(4−AP)を1mg/kgの投与量で注射する。投与が終わった後、マウスを籠に別々入れる。30sほど経過するとマウスが顔を背けて両側の背中を舐める行為を繰り返す現象、すなわち、舌舐め反応が出現する。舌舐め行為の開始から一時停止が出現するまでの間を一回舌舐めとし、4−APを投与した後の30分間内に出現したマウスの舌舐め回数を記録する。なお、舌舐め回数をかゆみ止め作用の評価指標とし、舌舐め回数が少ないほど、かゆみ止め効果が良いことを表する。群同士の差を比較する。

5.実験の結果
実験結果によると、
1)モデル対照群に比べて、4−アミノピリジン(4−AP)により誘発されたマウスの舌舐め反応モデルに対する、レボセチリジンの塗布薬群、スプレー薬群及び薬剤溶液群のかゆみ止め作用は、すべて有意差がある(表2を参照);
2)レボセチリジンのスプレー薬群、塗布薬群に比べて、4−アミノピリジン(4−AP)により誘発されたマウスの舌舐め反応モデルに対する、レボセチリジン塩酸塩薬剤溶液群のかゆみ止め作用は、有意差を表している(表2を参照)。
【表2】


モデル対照群に比べてp<0.05;
**モデル対照群に比べてp<0.01;
レボセチリジンのスプレー薬群に比べてp<0.05;
レボセチリジンの塗布薬群に比べてp<0.05。
【0062】
実施例30 免疫グロブリン(IgE)により誘導された皮膚の即時相(IP)アレルギー反応モデルに対する、セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液の影響
1、実験目的
IgEにより誘導された皮膚の即時相(IP)アレルギー反応モデルに対する、セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液の影響を検証する。

2、被試験薬
2.1 セチリジン塩酸塩の軟膏剤。具体的な製造方法は中国特許公開番号CN1634063Aの明細書の実施例8を参照、セチリジン塩酸塩の含有量は0.3%;
2.2 セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液IIで。具体的な製造方法は本発明の実施例9を参照、セチリジン塩酸塩の含有量は0.3%。

3.群分けと投与
3.1 正常対照群:生理食塩水を外用する;
3.2 モデル対照群:生理食塩水を外用する;
3.3 セチリジンの軟膏剤群:セチリジン塩酸塩の軟膏剤を外用する;
3.4 セチリジンの薬剤溶液群:セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液IIを外用する。
備考:以上の各群において、投与した薬剤量(或いは生理食塩水量)はいずれも0.05gである。

4.実験の方法
体重20〜25gのマウス40匹を、雌雄各5匹、合計10匹を1群として,ランダムに4群に分ける。すなわち、正常対照群、モデル対照群、セチリジンの軟膏剤群、およびセチリジンの薬剤溶液群に分ける。正常対照群のマウス耳に対して除毛処理を行う(1cm×1cm)。他の各群のマウスの尾静脈に0.5mlのanti−DNP IgEモノクローナル抗体を注射し、24時間後に、50ulの0.15%DNFB溶液をマウスの両耳に塗布してアレルギー反応を惹起させる。反応惹起の1時間前に、厚さ計(ハルピン刃具工場製、精度は1um)でマウス両耳の厚さ(um)をそれぞれ測定し記録した後、同量(0.05g)のセチリジン塩酸塩の軟膏剤及びセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液IIをマウス耳の除毛域(1cm×1cm)に塗布する。正常対照群とモデル対照群中のマウス耳の除毛域(1cm×1cm)には同量(0.05g)の生理食塩水を塗布する。そして、反応惹起の1時間後に、厚さ計(ハルピン刃具工場製、精度は1um)で各群のマウス両耳の厚さ(um)をそれぞれ測定する。DNFBによって惹起されて1時間後のマウス耳の厚さと、惹起1時間前のマウス耳の厚さとの差を、DNFBによって惹起されて1時間後のマウス耳の腫脹度(um)とする。マウス耳の腫脹度(um)を、IgEにより誘導された皮膚の即時相(IP)アレルギー反応モデルに対するセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液の影響を評価する指標とする。マウス耳の腫脹度についてt検定を行い、各群同士の差を比較する。

5、実験の結果
実験結果によると、モデル対照群に比べて、セチリジンの軟膏剤とセチリジン塩酸塩の薬剤溶液群は、IgEにより誘導された皮膚の即時相(IP)アレルギー反応モデル中のマウス耳の腫脹度に何れも顕著な影響を与えていることがわかった。セチリジンの軟膏剤に比べて、セチリジン塩酸塩の薬剤溶液群は、IgEにより誘導された皮膚の即時相(IP)アレルギー反応モデル中のマウス耳の腫脹度に及ぼす影響は有意差を表している。これは、セチリジン塩酸塩の塗布薬IIの抗アレルギー効果がより著しいことを表す。(表3を参照)。
【表3】


**モデル対照群に比べてp<0.01;
セチリジンの軟膏剤群に比べてp<0.05。
【0063】
実施例31 IgEにより誘導された皮膚の即時相(IP)アレルギー反応モデルに対する、レボセチリジン塩酸塩の薬剤溶液の抗炎症活性についての研究
1、実験目的
免疫グロブリン(IgE)により誘導された皮膚の即時相(IP)アレルギー反応モデルに対するレボセチリジン塩酸塩の薬剤溶液の影響を検証する。

2、被試験薬
2.1 レボセチリジン塩酸塩のスプレー薬。具体的な製造方法は中国特許公開番号CN1957942Aの明細書中の実施例7を参照、レボセチリジン塩酸塩の濃度は10mg/ml;
2.2 レボセチリジン塩酸塩の塗布薬。具体的な製造方法は中国特許公開番号CN1957942Aの明細書中の実施例1を参照、レボセチリジン塩酸塩の濃度は10mg/ml;
2.3 レボセチリジン塩酸塩の薬剤溶液。具体的な製造方法は本発明の実施例14を参照、レボセチリジン塩酸塩の濃度は10mg/ml。

3.群分けと投与
3.1 正常対照群:生理食塩水を外用する;
3.2 モデル対照群:生理食塩水を外用する;
3.3 レボセチリジンのスプレー薬群:レボセチリジン塩酸塩のスプレー薬を外用する;
3.4 レボセチリジンの塗布薬群:レボセチリジン塩酸塩の塗布薬を外用する;
3.5 レボセチリジンの薬剤溶液群:レボセチリジン塩酸塩の薬剤溶液を外用する。
備考:以上の各群において、対応する薬剤又は生理食塩水を同容積(0.025ml)それぞれ投与する。

4.実験の方法
体重20〜25gのマウス50匹を、雌雄各5匹、合計10匹を1群として、5群に分ける。正常対照群のマウス耳に対して除毛処理を行う(1cm×1cm)。他の各群のマウスの尾静脈に0.5mlのanti−DNP IgEモノクローナル抗体を注射し、24時間後に50ulの0.15%のDNFB溶液をマウスの両耳に塗布してアレルギー反応を惹起させる。且、反応惹起の1時間前に、厚さ計(ハルピン刃具工場製、精度は1um)でマウス両耳の厚さ(um)をそれぞれ測定し、記録した後、同容積(0.025ml)のレボセチリジン塩酸塩の塗布薬、スプレー薬及び薬剤溶液をマウス耳の除毛域(1cm×1cm)に塗布する。正常対照群とモデル対照群中のマウス耳の除毛域(1cm×1cm)には同容積(0.025ml)の生理食塩水を塗布する。そして、反応惹起の1時間後に、厚さ計(ハルピン刃具工場製、精度は1um)で各群中のマウス両耳の厚さ(um)をそれぞれ測定する。DNFBによって惹起されて1時間後のマウス耳の厚さと、惹起1時間前のマウス耳の厚さとの差を、DNFBによって惹起されて1時間後のマウス耳の腫脹度(um)とする。マウス耳の腫脹度(um)を、IgEにより誘導された皮膚の即時相(IP)アレルギー反応モデルに対するレボセチリジン塩酸塩の影響を評価する指標とし、この数値が小さいほど抗炎症作用が優れることを表す。マウス耳の腫脹度についてt検定を行い、群間の差を比較する。

5、実験の結果
実験結果によると、
1)モデル対照群に比べて、レボセチリジンの塗布薬群、スプレー薬群及びレボセチリジン塩酸塩の薬剤溶液群は、IgEにより誘導された皮膚の即時相(IP)アレルギー反応モデル中のマウス耳の腫脹度に対してすべて顕著な影響を与えていることがわかった(表4を参照);
2)レボセチリジンのスプレー薬群と塗布薬群に比べて、レボセチリジの薬剤溶液群がIgEにより誘導された皮膚の即時相(IP)アレルギー反応モデル中のマウス耳の腫脹度に及ぼす影響は有意差を表している。これは、レボセチリジン塩酸塩の薬剤溶液の抗炎症活性がより著しいことを表す。
【表4】


モデル対照群に比べてp<0.05;
**モデル対照群に比べてp<0.01;
レボセチリジンのスプレー薬群に比べてp<0.05;
レボセチリジンの塗布薬群に比べてp<0.05。
【0064】
実施例32 免疫グロブリン(IgE)により誘導された皮膚の遅発相(LP)アレルギー反応モデルに対するセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液の影響
1、実験目的
IgEにより誘導された皮膚の遅発相(LP)アレルギー反応モデルに対するセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液の影響を検証する。

2、被試験薬
2.1 セチリジン塩酸塩ラセミ体の塗布薬。具体的な製造方法は中国特許公開番号CN1634063Aの明細書中の実施例5を参照、セチリジン塩酸塩の濃度は10mg/ml;
2.2 セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液。具体的な製造方法は本発明の実施例7を参照、セチリジン塩酸塩の濃度は10mg/ml。

3.群分けと投与
3.1 正常対照群:生理食塩水を外用する;
3.2 モデル対照群:生理食塩水を外用する;
3.3 塗布薬群:セチリジン塩酸塩ラセミ体の塗布薬を外用する;
3.4 薬剤溶液群:セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液を外用する。
備考:以上の各群において、投与量は同じて、すべて0.025mlである。

4.実験の方法
体重20〜25gのマウス40匹を、雌雄各5匹で合計10匹を1群とし、ランダムに4群に分ける。すなわち、正常対照群、モデル対照群、塗布薬群及び薬剤溶液群に分ける。正常対照群のマウス耳に対して除毛処理を行う(1cm×1cm)。他の各群のマウスの尾静脈に0.5mlのanti−DNP IgEモノクローナル抗体を注射し、24時間後に、50ulの0.15%DNFB溶液をマウスの両耳に塗布してアレルギー反応を惹起させる。そして、反応惹起の1時間前と、惹起して12時間後に、同容積(0.025ml)のセチリジン塩酸塩ラセミ体の塗布薬と薬剤溶液をマウス耳の除毛域(1cm×1cm)に2回塗布する。正常対照群とモデル対照群中のマウス耳の除毛域には同容積の生理食塩水を塗布する。そして、反応惹起の1時間前、及び惹起されて1時間、12時間、24時間後に、厚さ計(ハルピン刃具工場製、精度は1um)で各群中のマウス両耳の厚さ(um)をそれぞれ測定した。DNFBによって惹起されて24時間後のマウス耳の厚さと、惹起1時間前のマウス耳の厚さとの差を、惹起されて24時間後のマウス耳の腫脹度(um)とする。マウス耳の腫脹度(um)を、IgEにより誘導された皮膚の遅発相(LP)アレルギー反応モデルに対するセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液の影響を評価する指標とする。マウス耳の腫脹度についてt検定を行い、群間の差を比較する。

5、実験の結果
実験結果によると、モデル対照群に比べて、IgEにより誘導された皮膚の遅発相(LP)アレルギー反応モデル中のマウス耳の腫脹度に対する、塗布薬群と薬剤溶液群の影響はすべて有意差があることがわかった。また、塗布薬群に比べて、薬剤溶液群がIgEにより誘導された皮膚の遅発相(LP)アレルギー反応モデル中のマウス耳の腫脹度に及ぼす影響は有意差を表し、これはセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液の抗アレルギー効果がより著しいことを表す(表5を参照)。
【表5】

**モデル対照群に比べてp<0.01;
塗布薬群に比べてp<0.05。
【0065】
実施例33 虫刺されによる皮膚の赤腫れ、痒み症状に対する、セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液の治療効果の観察
1.臨床症状
虫のくちばしが人の皮膚に刺し込まれた後に穿痛感があり、虫の口器内から蟻酸を分泌する。虫刺された部位には浮腫性紅斑、丘疹或いは膨疹が現れ、損傷中央部には針頭大の暗赤色の点状出血斑が一つあり、疹部位を押す場合完全に退色できなく、疼痛点周囲には青白い輪が現れることが特徴である。これによって引き起こされた腫れと痒み程度は人によって異なり、ある人には虫刺された後に如何なる症状も現れなく、ある人には軽い痒みと痛みが感じられるのみであるが、一部のアレルギー患者にとって、明らかな赤腫れが現れ、さらには大きい点状出血斑も現れ、強い痒みと疼痛性熱感が伴われる。

2、臨床データ
年齢2〜70歳の虫刺され症患者200人、その中、男性120人、女性80人。すべての患者にとって、虫刺されによる皮膚の局所赤はれ、痒み以外は、身体症状は正常であり、本治療開始前7日以内に他の治療薬を使用したことはない。

3.治療方法
3.1 治療薬
セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液Ι(具体的な製造方法は本発明の実施例3を参照)、セチリジン塩酸塩の濃度は10mg/ml;
セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液IV(具体的な製造方法は本発明の実施例2を参照)、セチリジン塩酸塩の濃度は5mg/ml;
セチリジン塩酸塩錠剤(規格:10mg/錠、魯南製薬クリープ株式会社(▲魯▼南制▲薬▼集▲団▼股▲分▼有限公司)から提供する);
風油精(規格:5ml/瓶、福建太平洋製藥有限公司から提供する)
3.2 薬の用法と用量
薬剤溶液の高用量投与群:患者50人、一日朝晩2回、セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液Ιを患部に塗布して投与する;
薬剤溶液の低用量投与群:患者50人、一日朝晩2回、セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液IVを患部に塗布して投与する;
風油精投与群:患者50人、各患者に対して風油精を投与する。一日朝晩2回、風油精を患部に塗布する;
セチリジン錠投与群:患者50人、各患者に対してセチリジン塩酸塩錠(10mg/錠)を投与する。子供は毎日半錠(5mg)を服用し、成人は毎日1錠(10mg)を服用する。注意事項はセチリジン塩酸塩錠剤の説明書を参照する。
3.3 薬の副作用に対する応急処置
この製品を使用した後、症状がひどくなったり又は他の皮膚損傷が現れたりする患者は、直ちに投薬を停止し、病院へ行く必要がある。

4.治療効果の分析
4.1 治療効果の判定基準
4.1.1 完治:完治とは、臨床症状が完全に消失し、赤腫れ及び痒みが無くなり、且72時間以内の追跡調査中に症状が再発しないことを意味する;
4.1.2 改善:改善とは、臨床症状が顕著に改善され、腫塊が少なくとも1 / 3程度減少され、痒みも顕著に軽くなり、且18時間以内に症状が再発しないことを意味する;
4.1.3 無効:無効とは、2日間使用しても臨床症状の顕著な改善が見られないことを意味する。
4.2 テータの記録及び処理
セチリジン薬剤溶液の高用量投与群、低用量投与群、セチリジン塩酸塩錠剤投与群及び風油精投与群について、各群の完治数、改善数(完治数を含まない)、無効数及び平均的な効果発現時間(分、min)をそれぞれ記録する。なお、各群における平均的な効果発現時間とは、投与開始から痒み症状が顕著に低減されるまでの時間を表す。
テータの処理は以下の通りである。
完治率=完治数/該タイプの症例合計数×100%;
改善率=改善数/該タイプの症例合計数×100%;
無効率=無効数/該タイプの症例合計数×100%;
有効率=完治率+改善率

統計ソフトSPSS11.0を応用して各群の有効率についてχ検定を行う。そして、χ>χ0.05,1=3.84である場合、p<0.05で統計学的な有意差がある。各治療群間の差を比較する。
4.3 治療効果
臨床結果によれば、本発明のセチリジン塩酸塩の薬剤溶液の、虫刺されによる赤腫れ、痒みに対する有効率は90%以上に達し、セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液の高用量投与群(10mg/ml)及び低用量投与群(5mg/ml)の平均的な効果発現時間はそれぞれ6分及び4分であった。且患者が本発明のセチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液を使用した後、症状がひどくならず、他の副作用もなかった。これに対し、風油精投与群において、虫刺されによる赤腫れ、痒みに対する有効率は86%であり、平均的な効果発現時間は15分であった。さらには6症例で副作用が現れた。これは、セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液は風油精に比べて皮膚への刺激性が小さく、効果が迅速であることをさらに示している。また、セチリジン塩酸塩錠投与群に比べて、セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液の高用量投与群と低用量投与群は、虫刺されによる赤腫れ、痒みに対する治療有効率の面で有意差(p<0.05)がある。これは、虫刺されによる赤腫れ、痒みに対する治療方面において、セチリジン塩酸塩ラセミ体の薬剤溶液はセチリジン塩酸塩の錠剤に比べてより良い治療効果を持っていることを表す。結果は表6を参照する。
【表6】


セチリジン塩酸塩錠投与群に比べてp<0.05;
風油精投与群に比べてp<0.05。
【0066】
実施例34 虫刺されによる皮膚の赤腫れ、痒み症状に対する、レボセチリジン塩酸塩薬剤溶液の治療効果の観察
1.臨床症状
虫のくちばしが人の皮膚に刺し込まれた後に穿痛感があり、虫の口器内から蟻酸を分泌する。虫刺された部位には浮腫性紅斑、丘疹或いは膨疹が現れ、損傷中央部には針頭大の暗赤色の点状出血斑が一つあり、疹部位を押す場合完全に退色できなく、疼痛点周囲には青白い輪が現れることが特徴である。これによって引き起こされた腫れと痒み程度は人によって異なり、ある人には虫刺された後に如何なる症状も現れなく、ある人には軽い痒みと痛みが感じられるのみであるが、一部のアレルギー患者にとって、明らかな赤腫れが現れ、さらには大きい点状出血斑も現れ、強い痒みと疼痛性熱感が伴われる。

2、臨床データ
年齢2〜70歳の虫刺され症患者300人、その中、男性180人、女性120人。すべての患者にとって、虫刺されによる皮膚の局所赤腫れ、痒み以外に、身体症状は正常であり、本治療開始前7日以内に他の治療薬を使用したことはない。

3、治療方法
3.1 治療薬
3.1.1 レボセチリジン塩酸塩のスプレー薬、具体的な製造方法はCN1957942Aの明細書中の実施例7を参照、レボセチリジン塩酸塩の濃度は10mg/ml;
3.1.2 レボセチリジン塩酸塩の塗布薬、具体的な製造方法はCN1957942Aの明細書中の実施例1を参照、レボセチリジン塩酸塩の濃度は10mg/ml;
3.1.3 レボセチリジン塩酸塩の薬剤溶液A、具体的な製造方法は本発明の実施例14を参照、レボセチリジン塩酸塩の濃度は10mg/ml;
3.1.4 レボセチリジン塩酸塩の薬剤溶液B、具体的な製造方法は本発明の実施例15を参照、レボセチリジン塩酸塩の濃度は12mg/ml;
3.1.5 風油精(規格:5ml/瓶で、福建太平洋製藥有限公司から提供)
3.2 薬の用法と用量
薬剤溶液の低用量投与群:患者60人、一日朝晩2回、レボセチリジン塩酸塩薬剤溶液Aを患部に塗布して投与する;
薬剤溶液の高用量投与群:患者60人、一日朝晩2回、レボセチリジン塩酸塩薬剤溶液Bを患部に塗布して投与する;
塗布薬投与群:患者60人、一日朝晩2回、レボセチリジン塩酸塩の塗布薬を患部に塗布して投与する;
スプレー薬投与群:患者60人、一日朝晩2回、レボセチリジン塩酸塩のスプレー薬を患部に塗布して投与する;
風油精投与群:患者60人、各患者に対して風油精を投与する。一日朝晩2回、風油精を患部に塗布する。
3.3 薬の副作用に対する応急処置
この製品を使用した後、症状がひどくなったり或いは他の皮膚損傷が現れたりする患者は、直ちに投薬を停止し、病院へ行く必要がある。

4.治療効果の判定基準及びデータの処理
4.1 治療効果の判定基準、
4.1.1 完治:完治とは、臨床症状が完全に消失し、赤腫れ及び痒みが無くなり、且72時間以内の追跡調査中で症状が再発しないことを意味する;
4.1.2 改善:改善とは、臨床症状が顕著に改善され、腫塊が少なくとも1 / 3程度減少され、痒みも顕著に軽くなり、且18時間以内に症状が再発しないことを意味する;
4.1.3 無効:無効とは、2日間使用しても臨床症状の顕著な改善が見られないことを意味する。
4.2 テータの記録及び処理
各治療群の完治数、改善数(完治数を含まない)、無効数、副作用出現数及び平均的な効果発現時間(分、min)をそれぞれ記録する。なお、各群において、平均的な効果発現時間とは、投与開始から痒み症状が顕著に軽くなるまでの時間を表す。
テータの処理は以下の通りである。
完治率=完治数/該タイプの症例合計数×100%;
改善率=改善数/該タイプの症例合計数×100%;
副作用率=副作用出現数/該タイプの症例合計数×100%;
有効率=完治率+改善率

統計ソフトSPSS11.0を応用して各群の有効率についてχ検定を行った。χ>χ0.05,1=3.84であった場合、p<0.05で統計学的な有意差がある。各治療群間の差を比較する。

5、臨床結果
臨床結果によれば、
1)本発明のレボセチリジン塩酸塩薬剤溶液の、虫刺されによる赤腫れ、痒みに対する有効率は90%以上に達し、レボセチリジン塩酸塩薬剤溶液の高用量投与群(12mg/ml)及び低用量投与群(10mg/ml)の平均的な効果発現時間はそれぞれ8分及び9分であり;
2)風油精投与群、スプレー薬群及び塗布薬群に比べて、治療の有効率の面で、レボセチリジン塩酸塩薬剤溶液の高用量投与群と低用量投与群はいずれも有意差(p<0.05)がある;効果発現時間の面で、レボセチリジン塩酸塩薬剤溶液の高用量投与群と低用量投与群はいずれも有意差(p<0.05)がある;副作用率の面でも、レボセチリジン塩酸塩薬剤溶液の高用量投与群と低用量投与群はいずれも有意差(p<0.05)がある。
これは、虫刺されの治療において、レボセチリジン塩酸塩薬剤溶液は高い有効率を持っており、皮膚への刺激性が小さく、かゆみ止め時間が短い特徴を持っていることをさらに表明する。結果は表7を参照する。
【表7】


塗布薬投与群に比べてp<0.05;
風油精投与群に比べてp<0.05;
スプレー薬投与群に比べてp<0.05。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セチリジン塩酸塩 0.1〜2重量部、
炭素数が3以下のアルコール化合物 1〜50重量部、
防腐剤 0.01〜0.2重量部、
尿素 0.02〜20重量部、及び
無機塩 0〜5重量部
を含有し、
前記セチリジン塩酸塩がセチリジン塩酸塩のラセミ体又は左旋性異性体であることを特徴とする、セチリジン塩酸塩の薬剤溶液。
【請求項2】
セチリジン塩酸塩 0.2〜2重量部、
炭素数が3以下のアルコール化合物 10〜40重量部、
防腐剤 0.01〜0.2重量部、
尿素 1〜5重量部、及び
無機塩 0〜5重量部
を含有し、
前記セチリジン塩酸塩がセチリジン塩酸塩の左旋性異性体であることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤溶液。
【請求項3】
レボセチリジン塩酸塩 0.5〜1.5重量部、
炭素数が3以下のアルコール化合物 15〜40重量部、
防腐剤 0.05〜0.2重量部、
尿素 1〜3重量部、及び
無機塩 0〜5重量部
を含有することを特徴とする、請求項2に記載の薬剤溶液。
【請求項4】
レボセチリジン塩酸塩 1重量部、
炭素数が3以下のアルコール化合物 15〜40重量部、
防腐剤 0.1重量部、
尿素 2重量部、及び
無機塩 0.5〜1.5重量部
を含有することを特徴とする、請求項3に記載の薬剤溶液。
【請求項5】
前記炭素数が3以下のアルコール化合物が、プロピレングリコール、グリセリン、プロパノール、エタノール又はこれらの組合わせであり、
前記防腐剤が、ベンザルコニウムブロマイド、酢酸クロルヘキシジン、安息香酸ナトリウム及びソルビン酸から選ばれる1種または多種であり、
前記無機塩が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化カルシウム及び炭酸水素ナトリウムから選ばれる1種又は多種であることを特徴とする、請求項2〜請求項4のいずれかに記載の薬剤溶液。
【請求項6】
前記炭素数が3以下のアルコール化合物が、グリセリン又は1,2−プロピレングリコールであり、
前記防腐剤が、ベンザルコニウムブロマイド又は酢酸クロルヘキシジンであり、
前記無機塩が、塩化ナトリウムであることを特徴とする、請求項5に記載の薬剤溶液。
【請求項7】
前記炭素数が3以下のアルコール化合物がグリセリンであり、
前記防腐剤がベンザルコニウムブロマイドであることを特徴とする、請求項6に記載の薬剤溶液。
【請求項8】
前記薬剤溶液のPH値が5.0〜7.0であることを特徴とする、請求項2〜請求項4のいずれかに記載の薬剤溶液。
【請求項9】
前記薬剤溶液のPH値が6.0であることを特徴とする、請求項8に記載の薬剤溶液。
【請求項10】
前記薬剤溶液が、塗布薬、点滴薬、エアロゾル製剤又はスプレー薬であることを特徴とする、請求項2〜請求項4のいずれかに記載の薬剤溶液。
【請求項11】
前記薬剤溶液がさらに矯味剤を含有し、前記矯味剤が橙皮油、ウイキョウ油、シトロン油、シトロンチンキ、芳香剤、桂皮水、桂皮油、バナナエッセンス、オレンジエッセンス、レモンエッセンス又はりんごエッセンスであることを特徴とする、請求項5に記載の薬剤溶液。
【請求項12】
セチリジン塩酸塩 0.1〜2重量部、
炭素数が3以下のアルコール化合物 1〜50重量部、
防腐剤 0.02〜0.2重量部、
尿素 0.02〜20重量部、及び
無機塩 0.01〜2重量部
を含有し、
前記セチリジン塩酸塩がセチリジン塩酸塩のラセミ体であり、前記炭素数が3以下のアルコール化合物がグリセリンであり、前記防腐剤がベンザルコニウムブロマイドであり、前記無機塩が塩化ナトリウムであることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤溶液。
【請求項13】
セチリジン塩酸塩 0.5〜1.5重量部、
グリセリン 5〜40重量部、
尿素 1〜6重量部、
ベンザルコニウムブロマイド 0.02〜0.15重量部、及び
塩化ナトリウム 0.5〜1.5重量部
を含有することを特徴とする、請求項12に記載の薬剤溶液。
【請求項14】
セチリジン塩酸塩 1重量部、
グリセリン 35〜40重量部、
尿素 1〜3重量部、
ベンザルコニウムブロマイド 0.08〜0.12重量部、及び
塩化ナトリウム 0.5〜1.5重量部
を含有することを特徴とする、請求項13に記載の薬剤溶液。
【請求項15】
セチリジン塩酸塩 1重量部、
グリセリン 37.8重量部、
尿素 2重量部、
ベンザルコニウムブロマイド 0.1重量部、及び
塩化ナトリウム 0.9重量部
を含有することを特徴とする、請求項14に記載の薬剤溶液。
【請求項16】
前記薬剤溶液のPH値が4.0〜7.5であることを特徴とする、請求項12〜請求項15のいずれかに記載の薬剤溶液。
【請求項17】
前記薬剤溶液のPH値が5.0〜7.0であることを特徴とする、請求項16に記載の薬剤溶液。

【公表番号】特表2013−501735(P2013−501735A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524082(P2012−524082)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【国際出願番号】PCT/CN2010/001221
【国際公開番号】WO2011/017909
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(512034726)ルナン ベター ファーマシューティカル カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】LUNAN BETTER PHARMACEUTICAL CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】No.209,Hongqi Road,Linyi City,Shandong Province,276006P.R.CHINA
【Fターム(参考)】