説明

セッション管理システム、セッション管理装置

【課題】複数の同種の交換機間で故障等によって生じる各交換機がサポートするセッション数の偏在を効果的に解消することができるセッション管理システム、セッション管理装置を提供する。
【解決手段】一方の通信当事者の移動端末装置から対向の通信当事者のサーバまで、一のSGSNおよび複数のGGSNのうちの選択された一のGGSNを介してセッションが接続されているとき、各GGSNで現在時点でサポートしているセッション数を監視し、セッション数が所定値を超えた場合や、各GGSNでサポートしているセッション数にアンバランスが生じた場合等において、GGSNからSGSNに対し、セッションをサポートするGGSNを切替えさせる要求を発して、各GGSNでサポートするセッション数の均分化を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置から通信の相手方(ユーザサーバ等)との間に形成されるセッションを管理するセッション管理システム、セッション管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、NGN/IMS(Next Generation Network/IP Multimedia Subsystem)ネットワークにおいてSIPに基づく呼のセッション制御を行うS-CSCFサーバ(Serving Call Server Control Functionサーバ:呼セッション制御サーバ)の割り当てに係る技術提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、ユーザ端末UEの登録要求のみならず、登録抹消などによりユーザ端末UEの登録状況がS−CSCFサーバごとに動的に変動を伴っており、一定の順序で順番にS−CSCFサーバを割り付けていく方法では、各S−CSCFサーバ間で、登録するユーザ端末UEの個数を均等に配分することができず、特定のS−CSCFサーバに負荷が集中してしまうという現象を解決すべき問題として扱っている。
【0003】
特許文献1では、上述の問題を解決するために、各S−CSCFサーバにおけるユーザ端末UEの登録状況や各S−CSCFサーバの負荷発生状況を勘案して、各S−CSCFサーバへのユーザ端末UEの登録先を割り当てることにより、各S−CSCFサーバの負荷の均等化を可能とする呼セッション制御サーバ割り当て方法およびシステムが提案されている。
【0004】
特許文献1の技術提案における呼セッション制御サーバ割り当て方法およびシステムでは、各呼セッション制御サーバ(S-CSCFサーバ)について、呼セッション制御を司る登録ユーザ端末の個数を均等化し、また、負荷の発生状況を均等化する。従って、新たなユーザ端末に割り付ける呼セッション制御サーバ(S-CSCFサーバ)を決定する際に、特定の呼セッション制御サーバ(S-CSCFサーバ)に負荷が集中して、輻輳状態に陥る事態を未然に防止することが可能になるとされている。
【0005】
また、高頻度の接続切替え負荷及び大量のデータ転送負荷という異なる性質の負荷を分散処理することができ、特定の装置にトラフィックが集中して処理能力が低下するのを抑えるようにした技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2の技術提案では、接続先ネットワークに接続される複数系統のデータ転送部のリソース状況を記憶するリソース記憶部を備え、ここに記憶されたリソース状況に依拠して、動的にデータ転送部の割当てを行い、トラフィックに対する分散制御を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−236183号公報
【特許文献2】特開2004−228820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に、端末装置から交換機(SGSN)、交換機(GGSN)、ルータを経てユーザサーバに接続される経路でセッションが確立されるようなパケット通信では、交換機(SGSN)が選択論理(ラウンドロビン等)に従って、ユーザサーバを収容する交換機(GGSN)が選択される。
端末装置とユーザサーバ間でセッションが確立している状況で、或るユーザサーバを収容する交換機(GGSN)が、故障等によって自機を通して確立中の全てのセッションを解放した場合、正規に動作中のその他の交換機(同じユーザサーバを収容する他のGGSN)との間でセッションを確立する。
【0008】
このように他の交換機との間でセッションが確立した後、故障した交換機(GGSN)が復旧しても、既に他の交換機(他のGGSN)との間で確立しているセッションは、その終了までは維持される。この結果、正規の動作を維持してきた交換機(GGSN)に一時的に多数のセッションが偏在する状況を呈することがある。
しかしながら、これまで多くのパケット通信では、必要に応じてネットワークへ接続してセッションを確立し、所定の終了条件を満たすとセッションを解放するオンデマンド(On Demand)モードで動作するものであったため、一時的に特定の交換機(GGSN)に多数のセッションが偏在する状況が発生しても、次第にそれらのセッションが終了してゆき、再度セッションを確立するときに、交換機(GGSN)の選択が適切に行われて、やがて上述のようなセッションの偏在は解消する。
【0009】
従って、上述のような一時的に生じるセッションの偏在については通信システムの運用上自然に発生する現象であると捉えられ、別段の技術課題として解決が待たれる現象であるとは認識されず、現実にもこの点での不具合の発生が報告されることも殆どないまま経過してきた。
一方、近年、多機能携帯電話や自動販売機に組み込まれるモジュール型端末装置では、常態でネットワークに接続されている方式、即ち、セッションが確立した状態を維持する方式が採用されている。そして、このような方式は増加の一途を辿る趨勢にある。
【0010】
この方式では、所謂オールウェイズオン(Always On)モードが維持されるため、一旦セッションが確立するとパケット通信は常に同じ交換機を通して行われることになる。また、オールウェイズオンモードの仕様である端末装置では、セッションの解放が生じると即座に再発信を行ってセッションの再確立を試みる機能を備えていることが多い。尚、オールウェイズオンモードの仕様である端末装置の相手方となるユーザサーバを収容する交換機(GGSN)は特定のものが割り当てられることが多い。
【0011】
発明者は、このように、常態ではセッションが途切れることのない方式が採られているときに、そのようなセッションに関与する交換機が故障した場合に生起する現象について種々考察を行った。そして、次のような問題が惹起する蓋然性に想い到った。
即ち、既述のように、端末装置とユーザサーバ間でセッションが確立している状況で、或るユーザサーバを収容する交換機(GGSN)が、故障等によって自機を通して確立中の全てのセッションを解放した場合、故障していない他の交換機を通してセッションが確立する。そして、故障していない他の交換機との間でセッションが確立した後、故障した交換機(GGSN)が復旧しても、既に他の交換機(他のGGSN)との間で確立しているオールウェイズオンモードのセッションは終了することなく維持される。
従って、上述同様に、特定の交換機に多くのセッションが偏在する現象が生じるが、一旦生じたセッション数の偏在は、オンデマンドモードでのパケット通信におけるように自然に解消することがなく恒常的な現象となる。
【0012】
そして、恒常的にセッション数が偏在(自機に集中)している交換機(GGSN)が故障したときには、次のような不具合が懸念される。
第一には、故障の影響を被るユーザ(端末装置)の数が多くなってしまうという大きな問題が生じてしまう。
第二には、故障した交換機(GGSN)で一斉に解放されたセッションの再確立要求が正常に動作中の一の交換機(GGSN)に集中するため、当該一の交換機(GGSN)では往々にしてセッションの確立要求を処理しきれなくなり、輻輳状態を呈する。
第三には、上述のような輻輳が相応の時間が経過して終息した結果、当該一の交換機(GGSN)でセッションが確立すると、今度は、この一の交換機(GGSN)でセッション数の偏在が生じてしまう。
【0013】
このように、セッション数の恒常的な偏在は種々の不具合を惹起する虞があるが、既述の各特許文献所載の技術では、この問題に効果的に対処することができない。既述の各特許文献所載の技術は、セッション数の偏在を未然に抑止するには有効であっても、上述のようにオールウェイズオンモードで顕著になると予測される恒常的なセッション数の偏在という現象については何等の視点も持っていない。従って、当然ながら、後者の意味合いでのセッション数の偏在に対処する方途は示されていない。
【0014】
本発明は、発明者による上述のような従来技術の限界の見極めと将来に向けての技術の推移を展望しての洞察による新たな課題認識に基づいてなされたものであり、オンデマンドモードの通信であるかオールウェイズオンモードでの通信であるかによらず、複数の同種の交換機間でそれらがサポートするセッション数の偏在を効果的に解消することができるセッション管理システム、セッション管理装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1)一の通信当事者と該一の通信当事者に対する対向通信当事者との両通信当事者間のセッションが、相対的に前記一の通信当事者寄りに位置する第1の交換機能を有する第1交換ノードと、相対的に前記対向通信当事者寄りに位置し前記第1交換ノードに選択的に接続される第2の交換機能を有する複数の第2交換ノードのうちの一のノードとを介して確立し得るようになされたセッション管理システムであって、
前記第1交換ノードは、セッションの接続および切断の処理を含むセッション制御を行う第1セッション制御部と、外部から通知される自ノードの接続先に関する接続先情報に基づいて当該セッションの接続に適用する前記第2交換ノードを判別する接続先判別部と、を備え、
前記複数の各第2交換ノードは、セッションの接続および切断の処理を含むセッション制御を行う第2セッション制御部と、現在時点において自ノードがサポートしているセッション数を監視するセッション数監視部と、をそれぞれ備えていることを特徴とするセッション管理システム。
【0016】
上記(1)のセッション管理システムでは、一の通信当事者と該一の通信当事者に対する対向通信当事者との両通信当事者間のセッションが、第1交換ノードと、複数のうちの一の第2交換ノードを通してサポートされる。
第2交換ノードのセッション数監視部で、何れかの第2交換ノードの故障等に起因して第2交換ノードでサポートしているセッション数に不均衡や偏在が生じたことが検知されると、当該第2交換ノードからの該検知を表す接続先情報に基づいて、前記第1交換ノードにおける接続先判別部によって、当該セッションの接続に適用する第2交換ノードの切替え等の判別が実行される。
【0017】
(2)前記第1交換ノードは、SGSN(Serving GPRS Support Node )であり、
前記各第2交換ノードは、GGSN(Gateway GPRS Support Node)であることを特徴とする(1)のセッション管理システム。
上記(2)のセッション管理システムでは(1)のセッション管理システムにおいて特に、第1交換ノードはSGSNであり、各第2交換ノードはGGSNである形態でセッション管理システムが構築される。
【0018】
(3)一の通信当事者と該一の通信当事者に対する対向通信当事者との両通信当事者間のセッションが、相対的に前記一の通信当事者寄りに位置する第1の交換機能を有する第1交換ノードと、相対的に前記対向通信当事者寄りに位置し前記第1交換ノードに選択的に接続される第2の交換機能を有する複数の第2交換ノードのうちの一のノードとを介して確立し得るようになされたセッション管理システムにおける前記第1交換ノードに該当するセッション管理装置であって、
セッションの接続および切断の処理を含むセッション制御を行うセッション制御部と、
外部から通知される自ノードの接続先に関する接続先情報に基づいて当該セッションの接続に適用する前記第2交換ノードを判別する接続先判別部と、
を備えていることを特徴とするセッション管理装置。
【0019】
上記(3)のセッション管理装置は、一の通信当事者と該一の通信当事者に対する対向通信当事者との両通信当事者間のセッションが、第1交換ノードと、複数のうちの一の第2交換ノードを通してサポートされるセッション管理システムにおける前記第1交換ノードとして本セッション管理装置が機能する。
そして、第2交換ノードで、何れかの第2交換ノードの故障等に起因して第2交換ノードでサポートしているセッション数に不均衡や偏在が生じたことが検知されると、当該第2交換ノードからの該検知を表す接続先情報に基づいて、第1交換ノードたる自装置における接続先判別部によって、当該セッションの接続に適用する第2交換ノードの切替え等の判別が実行される。
【0020】
(4)前記接続先判別部は、前記接続先情報としての第2交換ノードがサポートしているセッションの数を表すセッション数情報に基づいて当該セッションの接続に適用する前記第2交換ノードを判別することを特徴とする(3)のセッション管理装置。
上記(4)のセッション管理装置では、(3)のセッション管理装置において特に、前記第2交換ノードから接続先情報としての上記セッション数情報を受けて、前記接続先判別部が当該セッションの接続に適用する前記第2交換ノードを判別する。
【0021】
(5)前記接続先判別部は、複数の前記第2交換ノードにおいて各別にサポートしているセッション数を表す各セッション数情報に基づいて複数の前記第2交換ノードにおいて各別にサポートしているセッションの分配状況を表すセッション分配情報に基づいて当該セッションの接続に適用する前記第2交換ノードを判別することを特徴とする(3)のセッション管理装置。
上記(5)のセッション管理装置では、(3)のセッション管理装置において特に、前記第2交換ノードから接続先情報としての上記セッション分配情報を受けて、前記接続先判別部が当該セッションの接続に適用する前記第2交換ノードを判別する。
【0022】
(6)一の通信当事者と該一の通信当事者に対する対向通信当事者との両通信当事者間のセッションが、相対的に前記一の通信当事者寄りに位置する第1の交換機能を有する第1交換ノードと、相対的に前記対向通信当事者寄りに位置し前記第1交換ノードに選択的に接続される第2の交換機能を有する複数の第2交換ノードのうちの一のノードとを介して確立し得るようになされたセッション管理システムにおける前記第2交換ノードに該当するセッション管理装置であって、
セッションの接続および切断の処理を含むセッション制御を行うセッション制御部と、
現在時点において自ノードがサポートしているセッション数を監視するセッション数監視部と、
を備えていることを特徴とするセッション管理装置。
【0023】
上記(6)のセッション管理装置は、一の通信当事者と該一の通信当事者に対する対向通信当事者との両通信当事者間のセッションが、第1交換ノードと、複数のうちの一の第2交換ノードとを通してサポートされるセッション管理システムにおける前記第2交換ノードとして本セッション管理装置が機能する。
そして、第2交換ノードたる本セッション管理装置のセッション数監視部で、何れかの第2交換ノードの故障等に起因して第2交換ノードでサポートしているセッション数に不均衡や偏在が生じたことが検知されると、当該第2交換ノードからの該検知を表す接続先情報に基づいて、前記第1交換ノードにおいて、当該セッションの接続に適用する第2交換ノードの切替え等の判別が実行される。
【0024】
(7)前記セッション数監視部によって監視しているセッション数に応じて、前記第1交換ノードに接続されるノードを前記複数の第2交換ノードのうちの他のノードに切替える切替え要求を前記第1交換ノードに発する切替え要求発信部を更に備えていることを特徴とする(6)のセッション管理装置。
上記(7)のセッション管理装置では、(6)のセッション管理装置において特に、前記第1交換ノードに接続されるノードを前記複数の第2交換ノードのうちの他のノードに切替える切替え要求を、切替え要求発信部から、前記第1交換ノードに発する。
【0025】
(8)前記切替え要求発信部が切替え要求を前記第1交換ノードに発する場合に、前記セッション管理システムにおいて当該セッションをサポートするルータが参照するルーティングテーブル上の適用するルーティングデータを変更するルーティングデータ変更要求を前記ルータに発するルーティングデータ変更要求発信部を更に備えていることを特徴とする(7)のセッション管理装置。
【0026】
上記(8)のセッション管理装置では、(7)のセッション管理装置において特に、前記切替え要求発信部が切替え要求を前記第1交換ノードに発する場合に、ルーティングデータ変更要求発信部が、前記セッション管理システムにおいて当該セッションをサポートするルータが参照するルーティングテーブル上の適用するルーティングデータを変更するルーティングデータ変更要求を、前記ルータに発する。
【発明の効果】
【0027】
オンデマンドモードの通信であるかオールウェイズオンモードでの通信であるかによらず、交換機に生じるセッションの偏在を解消することができるセッション管理システム、セッション管理装置、セッション管理方法が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1および第2の実施の形態に共通のセッション管理システムの構成を表す機能ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態としてのセッション管理システムの動作を説明するための概念図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態としてのセッション管理システムの動作を表すシーケンスチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態としてのセッション管理システムの機能および動作を説明するための概念図(切替前)である。
【図5】本発明の第2の実施の形態としてのセッション管理システムの機能および動作を説明するための概念図(切替中)である。
【図6】本発明の第2の実施の形態としてのセッション管理システムの機能および動作を説明するための概念図(切替後)である。
【図7】本発明の第2の実施の形態としてのセッション管理システムの動作を表すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について詳述することにより、本発明を明らかにする。
(第1および第2の実施の形態に共通のシステム構成)
図1は、本発明の第1および第2の実施の形態に共通のセッション管理システムの構成を表す機能ブロック図である。
即ち、図1では、本発明の一つの実施の形態としての一のセッション管理装置である第1交換ノード100と、本発明の一つの実施の形態としての他のセッション管理装置である第2交換ノード200と、これら各セッション管理装置100、200を含んで発明の一つの実施の形態としてのセッション管理システム10が構成されている。
【0030】
セッション管理システム10は、第1交換ノード100と第2交換ノード200の他に、この第2交換ノード200に相当する一または複数の他の第2交換ノード(図示省略)を含んで構成され、後述するように、第1交換ノード100とこれら複数の第2交換ノードのうちの一のものとが選択的に接続されて当該セッションをサポートする。尚、以下、複数の第2交換ノードについても、適宜、代表的に符号200を用いて説明する。
【0031】
そして、このセッション管理システム10は、一の通信当事者の移動機300と、この通信当事者(移動機300)に対する対向通信当事者のサーバ500との両通信当事者間のセッションを管理する。即ち、相対的に移動機300寄りに位置する第1交換ノード100と、相対的にサーバ500寄りに位置し第1交換ノード100に選択的に接続される複数の第2交換ノードのうちの一のノード200とを介してセッションが確立し得るように構成されている。また、第2交換ノード200とサーバ500との間にはルータ400が介在している。
【0032】
第1交換ノード100は、セッションの接続および切断の処理を含むセッション制御を行う第1セッション制御部110と、外部から通知される自ノードの接続先に関する接続先情報に基づいて当該セッションの接続に適用する第2交換ノード200を判別する接続先判別部120とを備えている。
また、第2交換ノード200は、セッションの接続および切断の処理を含むセッション制御を行う第2セッション制御部210と、現在時点において自ノードがサポートしているセッション数を監視するセッション数監視部220とを備えている。そして、本実施の形態における第2交換ノード200には、外部の保守用端末装置600からの種々の保守操作を受け付ける保守操作受付部230が設けられている。
上述のようなセッション管理システム10において、第1交換ノード100はSGSN(Serving GPRS Support Node )として機能し、第2交換ノード200はGGSN(Gateway GPRS Support Node)として機能するように構成されている。
【0033】
(第1の実施の形態)
次に、図1および図2を参照して、本発明の第1の実施の形態としてのセッション管理システム10における第1交換ノード100および第2交換ノード200等の動作について説明する。
図2は、本発明の第1の実施の形態としてのセッション管理システムの動作を説明するための概念図である。
図2では、一方の通信当事者における複数の移動機301、302、303が、例えば基地局等の無線区間でのセッションをサポートするノードである無線装置700を介して第1交換ノード100としてのSGSNと結ばれている。尚、無線装置700自体は通常のノードであり、本発明の技術的特徴には直接関与するものではない。このため、セッションがこの無線装置700を通して接続される状況については、以降、説明は省略する。
【0034】
そして、SGSN100と第2交換ノード200としての複数のGGSN−a201、GGSN−b202のうち、当初は、一つのGGSN−a201を介し、更に、ルータ400を介して、対向通信当事者のサーバ500との間でのセッションがサポートされている。
図2において、各移動機301、302、303から発せられる如く象徴的に表された矢線図示のセッションは、実際の通信システム(従って、このセッション管理システム10)では、例えば、Tを或る自然数としたとき、矢線1本当たり1T〜2Tセッションに相当する。また、サーバ500についても、実際には、アクセスポイントの数に相当する複数のものが設置されるが、便宜上、代表的に単一のものの如く表記してある。
【0035】
図2に表記された矢線が1本当たり2Tセッションを代表しているものと仮定すると、GGSN−a201では、移動機301、302からの実線図示の2本と移動機303からの破線図示の1本の合計3本の矢線に表された6Tセッションがサポートされている。
上述のように仮定された状態で、GGSN−a201のセッション数監視部220が6Tセッションをサポートしていることを検知する。
【0036】
GGSN−a201は、その仕様として、サポート可能なセッション数の上限の値(例えば6Tセッション)があるが、通常の運用における定格値は、例えば、能力としての上限値の80パーセント程度とされる。
尚、サポート可能なセッション数の上限の値およびこれに対応する運用上の定格値は、GGSN−a201が担うAPN(Access Point Name)毎に規定される形態が採られ得る。この場合は、APN毎に、例えば、No.1は定格数2Tセッション、No.2は定格数1Tセッションといったようにサポートするセッション数の閾値が配分される。
【0037】
ここでは、便宜上、APN毎に定格セッション数を配分する場合をも含んでGGSN−a201においてサポートするセッション数の定格値として説明する。
GGSN−a201はそのセッション数監視部220において定格値(例えば、6T×0.8セッション)を超えた値(例えば6Tセッション)のセッションをサポートする状態に到ったことを検知すると、この結果をGGSN−a201内の第2セッション制御部210に通知する。
【0038】
また、これと同時に、セッション数が定格値(閾値)を超えた旨の制御信号(不図示)をSGSN100における接続先判別部120に送信する。
上述の通知を受けたGGSN−a201内の第2セッション制御部210は、例えば、特定のセッションとしての移動機303に関するセッション(破線の矢線にて図示)を解放する。この解放は、当該セッションが所謂オールウェイズオン(Always On)モードのものであった場合についても例外なく行われる態様で実行され得る。
【0039】
移動機303では、セッションが断たれると、直ちに再発信の動作を起こす。
上述のように、セッションが断たれると直ちに再発信の動作を起こすのは、所謂オールウェイズオンモードをノーマルモードとする移動機における一般的仕様である。この仕様による移動機は「オールウェイズオン端末」或いは「常時接続端末」と称呼され、常時セッションの維持を図るように動作する。また、機能上このような移動機相当の通信モジュールである場合も上記同様にセッションの維持を図るように動作する。尚、オンデマンドモードで動作している移動機においてセッションが断たれた場合であっても、多くの場合、ユーザが直ちに再接続を試みるのが通例であり、このような例も、上記における「直ちに再発信の動作を起こす」場合に該当する。
【0040】
移動機303からの、この再発信における接続要求を受けたSGSN100では、上述の如くGGSN−a201からのセッション数超過の旨の制御信号を受けた自ノード内の接続先判別部120が、GGSN−a201と同様に対向通信当事者のサーバ500を収容しているGGSN−b202を経由するように接続先を切替えて、一点鎖線(矢線)で図示の如くセッションを確立させる。この場合の接続先の切替えはSGSN100におけるセッション制御部110によって実行される。
【0041】
この結果、移動機303からのセッションは、当初、移動機303→無線装置700→SGSN100→GGSN−a201→ルータ400→サーバ500の経路で接続されていたところ、接断後に、移動機303→無線装置700→SGSN100→GGSN−b202→ルータ400→サーバ500の経路に切替えられてセッションが再度確立する。これによって、各GGSN(代表的に201、202の2基を表記)に係るセッション数の平準化が図られる。
【0042】
尚、上述においては、GGSN−a201は自装置における定格値(閾値)との対比においてセッション数の自装置への集中(偏在)を判定して、この判定結果をSGSN100に送信する態様を採っている。しかしながら、本発明のセッション管理システムでは、この態様に限られず、各GGSNが、現在時点でサポートしているセッション数をSGSNに通知し、SGSN側で各GGSNがサポートしているセッション数が偏在を来たしていないか否かを判定する態様を採ることもできる。
後者の態様では、各GGSNから各別にサポート中のセッション数のデータをそれぞれSGSNに通知し、この通知を受けたSGSNの接続先判定部120で各GGSNにおけるセッション数の現在時点での分布を勘案して、セッションを再度確立する機会にその数の平準化を図る。
【0043】
次に、図3を参照して、本発明の第1の実施の形態の動作について更に詳述する。
図3は、本発明の第1の実施の形態としてのセッション管理システムの動作を表すシーケンスチャートである。
図1および図2を参照して既述のようなシステムにおいて、通信セッションが確立している状態において、GGSN−a201(そのセッション数監視部220)がセッションの偏り(自装置へのセッションの集中)を検知すると(ステップS301)、GGSN−a201においてセッション解放指示信号が生成される(ステップS302)。
【0044】
尚、上記におけるセッションの偏りの検知は、例えば、一定の周期で自動的に行われるようにしてもよい。或いはまた、図1を参照して既述の保守用端末装置600を用いた保守作業者の任意時点での操作に基づいて、GGSN−a201の保守操作受付部230がセッション数監視部220における検知動作を起動させるようにして行ってもよい。
ステップS302で生成されたセッションの解放指示信号は、セッションの解放要求としてGGSN−a201からSGSN100に送信される(ステップS303)。
【0045】
ステップS303での解放要求を受けたSGSN100は、該当するセッションの解放を行い(ステップS304)、移動機および無線装置(300、700)にセッションの解放要求を発する(ステップS305)。
ステップS305での解放要求を受けた移動機および無線装置(300、700)は、該当するセッションの解放を行い(ステップS306)、セッションの解放完了通知をSGSN100に返す(ステップS307)。
ステップS307でSGSN100が受けた解放完了通知は、GGSN−a201まで転送される(ステップS308)。
一方、移動機300では、セッション解放後に、即座に再発信処理を起動する(ステップS309)。
【0046】
ステップS309で起動した再発信処理に基づいて、セッションの接続要求が移動機および無線装置(300、700)からSGSN100に発せられる(ステップS310)。
ステップS310での接続要求を受けたSGSN100では、その接続先判別部120が、セッションの接続に適用するノードとして、当該時点でサポートしているセッション数が相対的に少ないGGSN−b202を選択する(ステップS311)。
次いで、ステップS311で選択したGGSN−b202に対し、接続要求を発する(ステップS312)。
【0047】
ステップS312の接続要求を受けたGGSN−b202では、自装置を通してのセッションを確立させ(ステップS313)、接続完了通知をSGSN100に返す(ステップS314)。
ステップS314での接続完了通知を受けたSGSN100は、その接続完了通知を移動機および無線装置(300、700)に転送する(ステップS315)。
以上の結果、GGSN−a201にセッションが集中していたセッション数の偏在状態が解消する。
【0048】
(第2の実施の形態)
次に、図4乃至図6を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。
尚、この第2の実施の形態は、機能ブロック図上は、図1に表されたものと相違しないが、ルータ400の機能、および、ルータ400に対するSGSNおよび各GGSNの関与の態様が異なる。
図4は、本発明の第2の実施の形態としてのセッション管理システムの機能および動作を説明するための概念図であり、セッションをサポートする経路の切替え前の状態が表されている。
図4において、IPアドレスAの移動機301と対応する通信当事者のサーバ500との間は、一点鎖線の経路、即ち、移動機301←→無線装置700←→SGSN100←→GGSN−a201←→ルータ400←→サーバ500の経路でセッションがサポートされている。
【0049】
また、IPアドレスBの移動機302と対応する通信当事者のサーバ500との間は、二点鎖線の経路、即ち、移動機302←→無線装置700←→SGSN100←→GGSN−b202←→ルータ400←→サーバ500の経路でセッションがサポートされている。
上述のような、セッションをサポートする経路を切替える以前の状態では、ルータ400では、図示のようなルーティングテーブル(切替前)が適用されてルーティングが行われている。
【0050】
このルーティングテーブルでは、「宛て先」とはサーバ500側から見た通信の相手方であり、「ネクストホップ」とはルータ400からGGSN側を見た次の接続先であり、「優先度」とは当該セッションをサポートするに適用するGGSNの選択における優先度合いである。
図5は、本発明の第2の実施の形態としてのセッション管理システムの機能および動作を説明するための概念図であり、セッションをサポートする経路の切替え中の状態が表されている。
【0051】
既述の図4におけるような経路でセッションがサポートされている状態で、一点鎖線にて図示の、移動機301←→無線装置700←→SGSN100←→GGSN−a201←→ルータ400←→サーバ500の経路にセッションが集中して、GGSN−a201におけるセッションの偏在が生じたと仮定する。
上述のようなセッション数の偏在が生じると、GGSN−a201はそのセッション数監視部220でセッション数の偏在を検知し、SGSN100(その接続先判定部120)にセッションを担うノードの切替え要求信号を送信する(ステップS501)。
【0052】
ステップS501で切替え要求信号を受けたSGSN100では、セッションを担うことを要求する切替え要求信号を、GGSN−a201と同じユーザサーバ500を収容するGGSN−b202に送信する(ステップS502)。
ステップS502での切替え要求に際しては、GGSN−a201から切替えを要求された旨と、切替え対象となるセッションの情報(ユーザ識別情報や移動機のIPアドレス等)をGGSN−b202に通知する。
ステップS502での切替え要求を受けたGGSN−b202では、通知された移動機のIPアドレスを含むセッションをサポートするノードの割り当てに係るルーティング制御に適用するルーティングテーブル(その参照情報)の変更(アップデート)要求をルータ400に通知する(ステップS503)。
【0053】
図5のルータ400に関連して表記されたルーティングテーブルの上半分の欄は、図4におけるルーティングテーブル(切替前)と同様の表記形式である。即ち、「宛て先」とはサーバ500側から見た通信の相手方であり、「ネクストホップ」とはルータ400からGGSN側を見た次の接続先であり、「優先度」とは当該セッションをサポートするに適用するGGSNの選択における優先度合いである。また、内容も図4のものと同じである。
【0054】
そして、図5のルータ400に関連して表記されたルーティングテーブルの下半分の欄は、図4におけるルーティングテーブル(切替前)と同様の表記形式であるが、内容は、IPアドレスAに係るネクストホップのGGSN選択の優先度がGGSN−b202優先になっている点で相違する。
このため、ルーティングテーブル(切替後)のデータに従って、下り通信(サーバ500→…→IPアドレスA)はGGSN−b202経由に切替わる。
【0055】
上述のように下り通信がGGSN−b202経由に切替わると、GGSN−b202は、切替えが完了した旨をSGSN100に通知する(ステップS504)。
ステップS504の通知を受けると、SGSN100は、切替えが完了した旨をGGSN−a201に通知する(ステップS505)。
ステップS505以降、上り通信(IPアドレスA→…→サーバ500)もGGSN−b202経由で行われる。
【0056】
以上、図5を参照して説明した第2の実施の形態におけるセッションをサポートする経路の切替え方式では、SGSN100→…→移動機301(IPアドレスA)間でセッションの解放を行わないため、通信当事者には感知されずにセッションの偏在を解消することが可能である。
また、SGSN、GGSN、および、ルータ間のみでの制御信号の授受によって通信経路の切替えが完了するため、移動機、無線装置、および、SGSN間が切替え制御信号の授受によってネットワークのリソースを消費してしまうことがない。
【0057】
図6は、本発明の第2の実施の形態としてのセッション管理システムの機能および動作を説明するための概念図(切替後)である。
既述の図5におけるような経路の切替えが行われた結果、一点鎖線にて図示の、移動機301←→無線装置700←→SGSN100←→GGSN−b202←→ルータ400←→サーバ500の経路でのセッションが確立する。
また、二点鎖線にて図示の、移動機302←→無線装置700←→SGSN100←→GGSN−b202←→ルータ400←→サーバ500の経路でのセッションが確立する。
即ち、一点鎖線にて図示の経路も、二点鎖線にて図示の経路も、共に、GGSN−b202を経由してセッションをサポートしている。
【0058】
この場合、ルータ400では、図示のようなルーティングテーブル(切替後)が適用される。即ち、このルーティングテーブル(切替後)は、図5に表記された既述のルーティングテーブルの下半分の欄と同じ内容であり、IPアドレスAに係るネクストホップのGGSN選択の優先度がGGSN−b202優先になっている。そして、このルーティングテーブル(切替後)に依拠したルーティングが行われる結果、GGSN−b202を優先的に経由した経路によってセッションがサポートされるようになり、図4を参照して既述のようなセッション数の偏在が解消される。
【0059】
次に、図7を参照して、本発明の第2の実施の形態の動作について更に詳述する。
図7は、本発明の第2の実施の形態としてのセッション管理システムの動作を表すシーケンスチャートである。
通信セッションが確立している状態(通信中)において、GGSN−a201(そのセッション数監視部220)がセッションの偏り(自装置へのセッションの集中)を検知すると(ステップS701)、GGSN−a201においてセッション接続先のGGSNを切替えるための接続先切替指示信号が生成される(ステップS702)。
【0060】
尚、上記におけるセッションの偏りの検知は、例えば、一定の周期で自動的に行われるようにしてもよい。或いはまた、図1を参照して既述の保守用端末装置600を用いた保守作業者の任意時点での操作に基づいて、GGSN−a201の保守操作受付部230がセッション数監視部220における検知動作を起動させるようにして行ってもよい。
ステップS702で生成されたGGSNの切替指示信号は、セッションの切替え要求としてGGSN−a201からSGSN100に送信される(ステップS703)。上述のセッションの切替え要求には、切替え対象のセッションに関するIPアドレス、通信当事者を特定する識別子、および、接続先を表す情報等が含まれる。
【0061】
ステップS703での切替え要求を受けたSGSN100は、GGSN−a201と同じサーバを収容する他のGGSNを特定する(ステップS704)。この特定は、サポートしているセッション数が相対的に少ない他のGGSNを優先的に選択することによりセッション数の振り分けをする如くして実行され得る。図示の例ではGGSN−b202が特定される。
次いで、SGSN100からGGSN−b202に切替え要求が発せられる(ステップS705)。
【0062】
ステップS705の切替え要求を受けたGGSN−b202では、切替え対象となるセッションの確立処理を実行する(ステップS706)。
ステップS706でのセッションの確立処理の実行に次いで、GGSN−b202はルータ400にルーティング変更要求を発する(ステップS707)。このルーティング変更要求は図5を参照して既述の、ルーティングテーブルの参照データの変更(アップデート)である。
一方、GGSN−b202は、ステップS707でのルーティング変更要求の発信に次いで、SGSN100にルーティングの変更完了通知を発する(ステップS709)。
ステップS709でルーティングの変更完了通知を受けたSGSN100は、切替え対象のセッションの確立処理を実行し(ステップS710)、変更完了通知をGGSN−a201に送信する(ステップS711)。
【0063】
ステップS711で変更完了通知を受けたGGSN−a201は、それまで維持していた旧セッションの解放処理を実行する(ステップS712)。
図7を参照して上述したように、或るノード(GGSN−a201)がサポートしているセッション数が既定値を超過した場合に、ルータにおいて適用するルーティングテーブルを変更することによって、セッションの偏り(特定のノードへのセッションの集中)を解消することができる。
【0064】
以上、図4〜図7を参照して説明した第2の実施の形態の技術は、次に列記する〔A1〕〜〔A10〕のように要約される。
〔A1〕
一の通信当事者と該一の通信当事者に対する対向通信当事者との両通信当事者間のセッションが、相対的に前記一の通信当事者寄りに位置する第1の交換機能を有する第1交換ノードと、相対的に前記対向通信当事者寄りに位置し前記第1交換ノードに選択的に接続される第2の交換機能を有する複数の第2交換ノードのうちの一のノードと、当該一のノードと前記対向通信当事者との間に介在するルータと、を介して確立し得るようになされたセッション管理システムであって、
前記第1交換ノードは、セッションの接続および切断の処理を含むセッション制御を行う第1セッション制御部と、外部から通知される自ノードの接続先に関する接続先情報に基づいて当該セッションの接続に適用する前記第2交換ノードを判別する接続先判別部と、を備え、
前記複数の各第2交換ノードは、セッションの接続および切断の処理を含むセッション制御を行う第2セッション制御部と、現在時点において自ノードがサポートしているセッション数を監視するセッション数監視部と、をそれぞれ備え、
前記ルータは、該当する前記第2交換ノードの前記第2セッション制御部からのルーティング情報変更要求に応じてルーティング制御に適用するルーティングテーブルに係る変更を行うように構成されていることを特徴とするセッション管理システム。
【0065】
〔A2〕
前記第1交換ノードは、SGSN(Serving GPRS Support Node )であり、
前記各第2交換ノードは、GGSN(Gateway GPRS Support Node)であることを特徴とする〔A1〕に記載のセッション管理システム。
〔A3〕
一の通信当事者と該一の通信当事者に対する対向通信当事者との両通信当事者間のセッションが、相対的に前記一の通信当事者寄りに位置する第1の交換機能を有する第1交換ノードと、相対的に前記対向通信当事者寄りに位置し前記第1交換ノードに選択的に接続される第2の交換機能を有する複数の第2交換ノードのうちの一のノードと、当該一のノードと前記対向通信当事者との間に介在するルータと、を介して確立し得るようになされたセッション管理システムにおける前記第1交換ノードに該当するセッション管理装置であって、
セッションの接続および切断の処理を含むセッション制御を行うセッション制御部と、
外部から通知される自ノードの接続先に関する接続先情報に基づいて当該セッションの接続に適用する前記第2交換ノードを判別する接続先判別部と、
を備えていることを特徴とするセッション管理装置。
【0066】
〔A4〕
前記接続先判別部は、前記接続先情報としての第2交換ノードがサポートしているセッションの数を表すセッション数情報に基づいて当該セッションの接続に適用する前記第2交換ノードを判別することを特徴とする〔A3〕に記載のセッション管理装置。
〔A5〕
前記接続先判別部は、複数の前記第2交換ノードにおいて各別にサポートしているセッション数を表す各セッション数情報に基づいて複数の前記第2交換ノードにおいて各別にサポートしているセッションの分配状況を表すセッション分配情報に基づいて当該セッションの接続に適用する前記第2交換ノードを判別することを特徴とする〔A3〕に記載のセッション管理装置。
【0067】
〔A6〕
前記セッション管理システムにおけるSGSNを構成することを特徴とする〔A3〕乃至〔A5〕の何れか一項に記載のセッション管理装置。
〔A7〕
一の通信当事者と該一の通信当事者に対する対向通信当事者との両通信当事者間のセッションが、相対的に前記一の通信当事者寄りに位置する第1の交換機能を有する第1交換ノードと、相対的に前記対向通信当事者寄りに位置し前記第1交換ノードに選択的に接続される第2の交換機能を有する複数の第2交換ノードのうちの一のノードと、当該一のノードと前記対向通信当事者との間に介在するルータと、を介して確立し得るようになされたセッション管理システムにおける前記第2交換ノードに該当するセッション管理装置であって、
セッションの接続および切断の処理を含むセッション制御を行うセッション制御部と、
現在時点において自ノードがサポートしているセッション数を監視するセッション数監視部と、
を備えていることを特徴とするセッション管理装置。
【0068】
〔A8〕
前記セッション数監視部によって監視しているセッション数に応じて、前記第1交換ノードに接続されるノードを前記複数の第2交換ノードのうちの他のノードに切替える切替え要求を前記第1交換ノードに発する切替え要求発信部を更に備えていることを特徴とする〔A7〕に記載のセッション管理装置。
〔A9〕
前記切替え要求発信部が切替え要求を前記第1交換ノードに発する場合に、前記セッション管理システムにおいて当該セッションをサポートするルータが参照するルーティングテーブル上の適用するルーティングデータを変更するルーティングデータ変更要求を前記ルータに発するルーティングデータ変更要求発信部を更に備えていることを特徴とする〔A8〕に記載のセッション管理装置。
【0069】
〔A10〕
前記セッション管理システムにおけるGGSNを構成することを特徴とする〔A7〕乃至〔A9〕の何れか一項に記載のセッション管理装置。
〔A11〕
一の通信当事者と該一の通信当事者に対する対向通信当事者との両通信当事者間のセッションが、相対的に前記一の通信当事者寄りに位置する第1の交換機能を有する第1交換ノードと、相対的に前記対向通信当事者寄りに位置し前記第1交換ノードに選択的に接続される第2の交換機能を有する複数の第2交換ノードのうちの一のノードと、当該一のノードと前記対向通信当事者との間に介在するルータと、を介して確立し得るようになされたセッション管理システムにおける前記ルータであって、
当該一のノードからの変更要求に応じてルーティング制御に適用するルーティングテーブルを変更するように構成されていることを特徴とするルータ。
【符号の説明】
【0070】
10………………………………セッション管理システム
100……………………………第1交換ノード(セッション管理装置)
110……………………………第1セッション制御部
120……………………………接続先判別部
200,201,202………第2交換ノード(セッション管理装置)
210……………………………第2セッション制御部
220……………………………セッション数監視部
230……………………………保守操作受付部
300(301〜303)……移動機
400……………………………ルータ
500……………………………サーバ
600……………………………保守用端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の通信当事者と該一の通信当事者に対する対向通信当事者との両通信当事者間のセッションが、相対的に前記一の通信当事者寄りに位置する第1の交換機能を有する第1交換ノードと、相対的に前記対向通信当事者寄りに位置し前記第1交換ノードに選択的に接続される第2の交換機能を有する複数の第2交換ノードのうちの一のノードとを介して確立し得るようになされたセッション管理システムであって、
前記第1交換ノードは、セッションの接続および切断の処理を含むセッション制御を行う第1セッション制御部と、外部から通知される自ノードの接続先に関する接続先情報に基づいて当該セッションの接続に適用する前記第2交換ノードを判別する接続先判別部と、を備え、
前記複数の第2交換ノードは、セッションの接続および切断の処理を含むセッション制御を行う第2セッション制御部と、現在時点において自ノードがサポートしているセッション数を監視するセッション数監視部と、をそれぞれ備えていることを特徴とするセッション管理システム。
【請求項2】
前記第1交換ノードは、SGSN(Serving GPRS Support Node )であり、
前記各第2交換ノードは、GGSN(Gateway GPRS Support Node)であることを特徴とする請求項1に記載のセッション管理システム。
【請求項3】
一の通信当事者と該一の通信当事者に対する対向通信当事者との両通信当事者間のセッションが、相対的に前記一の通信当事者寄りに位置する第1の交換機能を有する第1交換ノードと、相対的に前記対向通信当事者寄りに位置し前記第1交換ノードに選択的に接続される第2の交換機能を有する複数の第2交換ノードのうちの一のノードとを介して確立し得るようになされたセッション管理システムにおける前記第1交換ノードに該当するセッション管理装置であって、
セッションの接続および切断の処理を含むセッション制御を行うセッション制御部と、
外部から通知される自ノードの接続先に関する接続先情報に基づいて当該セッションの接続に適用する前記第2交換ノードを判別する接続先判別部と、
を備えていることを特徴とするセッション管理装置。
【請求項4】
前記接続先判別部は、前記接続先情報としての第2交換ノードがサポートしているセッションの数を表すセッション数情報に基づいて当該セッションの接続に適用する前記第2交換ノードを判別することを特徴とする請求項3に記載のセッション管理装置。
【請求項5】
前記接続先判別部は、複数の前記第2交換ノードにおいて各別にサポートしているセッション数を表す各セッション数情報に基づいて複数の前記第2交換ノードにおいて各別にサポートしているセッションの分配状況を表すセッション分配情報に基づいて当該セッションの接続に適用する前記第2交換ノードを判別することを特徴とする請求項3に記載のセッション管理装置。
【請求項6】
一の通信当事者と該一の通信当事者に対する対向通信当事者との両通信当事者間のセッションが、相対的に前記一の通信当事者寄りに位置する第1の交換機能を有する第1交換ノードと、相対的に前記対向通信当事者寄りに位置し前記第1交換ノードに選択的に接続される第2の交換機能を有する複数の第2交換ノードのうちの一のノードとを介して確立し得るようになされたセッション管理システムにおける前記第2交換ノードに該当するセッション管理装置であって、
セッションの接続および切断の処理を含むセッション制御を行うセッション制御部と、
現在時点において自ノードがサポートしているセッション数を監視するセッション数監視部と、
を備えていることを特徴とするセッション管理装置。
【請求項7】
前記セッション数監視部によって監視しているセッション数に応じて、前記第1交換ノードに接続されるノードを前記複数の第2交換ノードのうちの他のノードに切替える切替え要求を前記第1交換ノードに発する切替え要求発信部を更に備えていることを特徴とする請求項6に記載のセッション管理装置。
【請求項8】
前記切替え要求発信部が切替え要求を前記第1交換ノードに発する場合に、前記セッション管理システムにおいて当該セッションをサポートするルータが参照するルーティングテーブル上の適用するルーティングデータを変更するルーティングデータ変更要求を前記ルータに発するルーティングデータ変更要求発信部を更に備えていることを特徴とする請求項7に記載のセッション管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−119904(P2012−119904A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−267288(P2010−267288)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】