説明

セラミックス構造体の製造方法およびセラミックス構造体

【課題】焼成時や使用時の熱による収縮および変形を抑制することができるセラミックス構造体の製造方法およびセラミックス構造体を提供する。
【解決手段】セラミックス構造体10の製造方法は、粒子径がメジアン直径の90〜110%になるまで分球したセラミックス粒子101を焼成(第1焼成工程)し、焼成したセラミックス粒子101を結合剤102と混練した後に所望する構造体の形状に成形し、得られたセラミックス成形体103を第1焼成工程よりも低い温度で焼成(第2焼成工程)する。この製造方法によれば、焼成時や使用時の熱によるセラミックス構造体の熱収縮および変形をより小さく抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックス構造体の製造方法およびセラミックス構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セラミックス構造体の製造プロセスとして、セラミックス粒子と結合剤とを混練し、所望する形状へ成形した後に焼成する、といった方法が広く実行されている。このようなセラミックス構造体の製造方法に関する技術として、例えば特許文献1が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−259933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
セラミックス構造体の焼成工程では、焼成時の高い熱エネルギーによってセラミックス粒子の焼結に伴う移動や再配列が起こるために、それによって焼成後のセラミックス構造体が大きく収縮および変形することが知られている。また、セラミックス構造体の熱による収縮および変形は、焼成工程のみならずセラミックス構造体の使用時の受熱によっても発生する。
【0005】
セラミックス構造体の焼成時に大きな収縮および変形が生じると、焼成後に所望する形状・サイズに加工するための工数やコストが大幅に増大してしまう。また、セラミックス構造体の使用時に収縮および変形が生じると、セラミックス構造体と他の基材との接合部分に割れが生じたり、セラミックス構造体が他の基材から剥離したりしてしまう。そのため、セラミックス構造体の焼成時や使用時の熱による収縮および変形を可能な限り小さく抑制することが切望されている。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、焼成時や使用時の熱による収縮および変形を抑制することができるセラミックス構造体の製造方法およびセラミックス構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のセラミックス構造体の製造方法は、多数のセラミックス粒子と結合剤とを混練して焼成することで構造体を製造するセラミックス構造体の製造方法であって、前記セラミックス粒子を焼成する第1焼成工程と、前記第1焼成工程を経た前記セラミックス粒子を前記結合剤と混練する混練工程と、前記混練工程を経た前記セラミックス粒子および前記結合剤を所望する構造体の形状に成形する成形工程と、前記成形工程によって得られた成形体を前記第1焼成工程よりも低い温度で焼成する第2焼成工程と、を備える。
上記の構成により、より高い温度の第1焼成工程によってセラミックス粒子を予め熱収縮させることで、より低い温度の第2焼成工程や使用時の熱によるセラミックス構造体の収縮および変形を抑制することができる。
【0008】
特に、本発明のセラミックス構造体の製造方法は、前記セラミックス粒子が、前記第1焼成工程を経た後の粒子径が略均一である構成とすることができる。
上記の構成により、粒子径が略均一のセラミックス粒子が緻密に配列するために、第2焼成工程や使用時の熱によるセラミックス粒子の移動や再配列を抑制することができる。よって、焼成時や使用時の熱による収縮および変形を抑制することができる。
【0009】
また、本発明のセラミックス構造体の製造方法は、前記セラミックス粒子が、前記第1焼成工程を経た後の粒子径が、前記セラミックス粒子のメジアン直径の90〜110%の範囲内にある構成とすることができる。
上記の構成により、粒子径がメジアン直径の90〜110%の範囲内にあるセラミックス粒子が緻密に配列するために、第2焼成工程や使用時の熱によるセラミックス粒子の移動や再配列を抑制することができる。よって、焼成時や使用時の熱による収縮および変形を抑制することができる。
【0010】
更に、本発明は、請求項1から3のいずれか1項記載のセラミックス構造体の製造方法により製造されたセラミックス構造体である。
【発明の効果】
【0011】
本発明のセラミックス構造体の製造方法およびセラミックス構造体によれば、焼成時や使用時の熱による収縮および変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例のセラミックス構造体の断面を示した図である。
【図2】セラミックス構造体の焼成前後の模式図である。
【図3】実施例のセラミックス構造体の製造工程を示している。
【図4】実施例のセラミックス構造体の断面を示した図である。
【図5】(a)実施例のセラミックス構造体の他の構成例、および(b)従来のセラミックス構造体の構成例を示している。
【図6】実施例のセラミックス構造体の他の構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。図1は、実施例のセラミックス構造体10の断面を示した図である。
【0015】
図1に示すセラミックス構造体10は、複数のセラミックス粒子101と、各セラミックス粒子101の粒子間に介在する結合剤102を含んでいる。
【0016】
セラミックス粒子101は、例えば、Al,SiC,SiN,AlN等のエンジニアリングセラミックスが好適であるが、これらに限定されるものではない。本実施例では、セラミックス粒子101が酸化アルミニウム(アルミナ,Al)を主成分とする場合について説明する。
【0017】
セラミックス粒子101は、略球状の形状であって、後述する第1焼成工程を経た後の粒子径が9〜11μm(メジアン直径10μm))の範囲内にあるように分球(分級)されており、それによって略均一の粒子径になっている。セラミックス粒子101の粒子径は、一般的なレーザー回折・散乱法によって測定することができるが、沈降法等の他の測定方法によって測定してもよい。
【0018】
セラミックス構造体の原料となるセラミックス粒子の粒子径が略均一でない(粒径分布がブロードである)場合、所望の形状に成形する際にセラミックス粒子間の隙間が大きくなるために、焼成時や使用時の熱によってセラミックス粒子の活発な移動や再配列が生じる。そのため、受熱後に構造体が大きく収縮および変形してしまう(図2(b)参照)。一方、本実施例のセラミックス粒子101は、略球状の形状であって、その粒子径が略均一(粒径分布がシャープ)であるために、所望する形状に成形する際にセラミックス粒子101がより緻密に配列する。そのため、焼成時や使用時の熱によるセラミックス粒子101の移動や再配列をより小さく抑制することができることから、焼成時や使用時の熱によるセラミックス構造体10の収縮および変形をより小さく抑制することができる(図2(a)参照)。
【0019】
この場合、セラミックス粒子101は、上記の粒子径に限られるものではなく、その粒子径がメジアン直径の90〜110%、好適には95〜105%の範囲内にある任意の粒子径を採用することができる。また、セラミックス粒子101は、略球状の形状に限られずに、任意の形状であってもよい。
【0020】
結合剤102は、セラミックス粒子101、すなわち、Alの焼結を助長するもの(焼結助剤)であって、各セラミックス粒子101の粒子間に介在し、セラミックス粒子101同士を互いに接合している。本実施例では、結合剤102が二酸化ケイ素(シリカ,SiO)を主成分とする場合について説明する。
【0021】
結合剤102は、セラミックス構造体10中に、各セラミックス粒子101がおおよそ緻密に接触することを妨げない量であって、かつ全てのセラミックス粒子101同士の接触点を接合するに足りうる量が配合されている。例えば、セラミックス構造体10の100mass%中、結合剤102の配合量を20〜40mass%程度とする。この場合、セラミックス構造体10中の結合剤102の配合量は[mol%]によって示されてもよい。
【0022】
セラミックス粒子の結合剤の配合量が過少である場合、各セラミックス粒子の粒子間に適切に結合剤が介在できないために、セラミックス粒子同士の接合強度が大幅に低下してしまう。また、結合剤の配合量が過多である場合は、セラミックス構造体の成形時に各セラミックス粒子が緻密に接触することができないために、受熱後に構造体が大きく収縮および変形してしまう(図2(c)参照)。一方、本実施例の結合剤102は、セラミックス構造体10中に適切な量にて配合されているために、セラミックス粒子101同士を強固に接合することができる上に、受熱によるセラミックス構造体10の収縮および変形をより小さく抑制することができる(図2(a)参照)。
【0023】
この場合、上記の結合剤102の配合量は、セラミックス粒子101の粒子径、セラミックス構造体10の用途等に応じて適宜変更することができる。また、結合剤102は、SiOに限られるものではなく、用いるセラミックス粒子101の種類に応じて、各種エンジニアリングセラミックスの焼結を助長できる任意の元素および化合物を適用することができる。更に、適用するエンジニアリングセラミックスの種類によっては結合剤102を配合しなくてもよい。
【0024】
以下に、セラミックス構造体10の製造方法について説明する。図3は、実施例のセラミックス構造体10の製造工程を示している。セラミックス構造体10の製造方法は、分球(分級)工程、第1焼成工程、混練工程、成形工程、第2焼成工程を含んでいる。
【0025】
まず、最初の製造工程(ステップS1)として、Al粒子の分球(分級)工程を実行する。ステップS1では、Al粒子をその粒子径が略均一例えば、9〜11μmの範囲内(メジアン直径10μm)になるまで分球し、セラミックス構造体10を構成するためのセラミックス粒子101を抽出する。Al粒子の分球は、例えば遠心分離や振動篩などの周知の分球手法によって実行することができる。
【0026】
この場合、ステップS1の分球工程を、後述するステップS2の第1焼成工程の後に実行しても良いし、ステップS1およびステップS2の工程の後に再びセラミックス粒子101の分球を実行しても良い。これによって、第1焼成工程を経た後のセラミックス粒子101の粒子径を略均一にすることができる。
【0027】
つづいての製造工程(ステップS2)として、セラミックス粒子101をより高い温度にて焼成する第1焼成工程を実行する。ステップS2では、ステップS1で分球し抽出されたセラミックス粒子101を、後述する第2焼成工程の焼成温度よりも充分に高い温度(かつ、セラミックス構造体10が使用される温度よりも充分に高い温度)で所定時間焼成し、セラミックス粒子101を熱収縮させる。第1焼成工程の焼成温度は、セラミックス粒子101(Al粒子)に焼結による収縮が起こる温度であって、例えば600〜1000℃、好適には650〜950℃とすることができる。また、第1焼成工程の実行時間は、1〜6時間とすることができる。
【0028】
上記の第1焼成工程を実行することで、より高い温度でセラミックス粒子101を予め熱収縮させることができることから、より低い温度の第2焼成工程や使用時の熱によるセラミックス構造体10の収縮および変形を最小限に抑制することができる。この場合、第1焼成工程の焼成温度および時間は、上記の条件に限られるものではなく、セラミックス粒子101の粒子径、セラミックス構造体10の用途等に応じて適宜変更することができる。また、第1焼成工程は、用いるセラミックス粒子101の種類に応じて、各種エンジニアリングセラミックス粒子を予め熱収縮させることができる任意の焼成温度および時間を適用することができる。
【0029】
次の製造工程(ステップS3)として、第1焼成工程を経たセラミックス粒子101と結合剤102とを混練する混練工程を実行する。ステップS3では、ステップS2で焼成されたセラミックス粒子101(例えば80mass%)、SiOを主成分とする結合剤102(例えば20mass%)、分散剤、有機バインダーおよびイオン交換水(HO)をボールミル処理によって混練する。ここで、分散剤とは、イオン電位の反発力によってセラミックス粒子101および結合剤102の凝集を抑制し、粉体を適切に分散させるものであって、例えばNaOH,四級アンモニウム塩等のpH調整剤を用いることができる。また、有機バインダーとは、後述する成形工程において所望する形状を保持するためのものであって、例えばセルロース系,ポリビニルアルコール,ポリビニルブチラール,アクリルエマルジョン等を用いることができる。これら分散剤および有機バインダーは、必要に応じて添加される。
【0030】
この場合、結合剤102として用いるSiO粒子の粒子径は、セラミックス粒子101の粒子間の隙間に適切に入り込めるよう、セラミックス粒子101の粒子径よりも小径であることが望ましい。
【0031】
次の製造工程(ステップS4)として、混練工程を経たセラミックス粒子101および結合剤102を所望する形状へ成形する成形工程を実行する。ステップS4では、ステップS3で混練されたセラミックス粒子101および結合剤102を含むセラミックスラリを、セラミックス構造体10の雌型へ流し込む。そして、所定の時間保持し、セラミックスラリから水分が除去されて固化した後に雌型から離型することで、セラミックス成形体103を得る。この場合、例えば、吸引ろ過処理や加圧処理を組み合わせて雌型内のセラミックスラリから水分を除去してもよい。この処理によると、セラミックス成形体103内のセラミックス粒子101をより緻密に配列させることができる。
【0032】
次の製造工程(ステップS5)として、成形工程によって得られたセラミックス成形体103を第1焼成工程における焼成温度よりも低い温度にて焼成する第2焼成工程を実行する。ステップS5では、ステップS4で得られたセラミックス成形体103を、ステップS2の第1焼成工程における焼成温度よりも低い温度で所定時間焼成し、セラミックス粒子101を接合させる。第2焼成工程の焼成温度は、セラミックス粒子101(Al粒子)に焼結による収縮が起こらずに、かつ、結合剤102(SiO粒子)がセラミックス粒子101同士を接合できる温度であって、例えば200〜500℃、好適には250〜450℃とすることができる。また、第2焼成工程の実行時間は、1〜6時間とすることができる。なお、ステップS3の混練工程で有機バインダーを添加した場合、ステップS5の第2焼成工程の前に、セラミックス成形体103中の有機バインダーを焼失させる仮焼工程を実行してもよい。また、ステップS5の第2焼成工程の後に、セラミックス構造体10を所望する形状に精度よく仕上げるための仕上げ工程を実行してもよい。
【0033】
上記の第2焼成工程を実行することで、第1焼成工程より低い温度でセラミックス粒子101の熱収縮を最小限に抑制しつつ、セラミックス粒子101同士を適切に接合させてセラミックス構造体10を得ることができる。この場合、第2焼成工程は常圧焼成に限られずに、セラミックス成形体103を加圧しながら焼成を実行しても良い(ホットプレス焼成、HIP焼成等)。これによって、より高密度なセラミックス構造体10を得ることができる。
【0034】
以上のように、本実施例のセラミックス構造体の製造方法は、粒子径がメジアン直径の90〜110%になるまで分球したセラミックス粒子を焼成(第1焼成工程)し、焼成したセラミックス粒子を結合剤と混練した後に所望する構造体の形状に成形し、得られたセラミックス成形体を第1焼成工程よりも低い温度で焼成(第2焼成工程)する。これにより、焼成時や使用時の熱によるセラミックス構造体の熱収縮および変形をより小さく抑制することができる。
【実施例2】
【0035】
つづいて、本発明の実施例2について説明する。本実施例のセラミックス構造体の製造方法は、セラミックス粒子101と結合剤102とを混練した後に、他の構成部材と一体的に成形し、第2焼成工程を実行する点で実施例1と相違している。
【0036】
図4は、実施例のセラミックス構造体20の断面を示した図である。図4に示すセラミックス構造体20は、セラミックス構造体20とは異なる構成部材30に一体不可分的に接合されている。
【0037】
以下に、実施例2のセラミックス構造体20の製造方法について説明する。セラミックス構造体20の製造方法は、分球工程、第1焼成工程、混練工程までが実施例1と同様であるが、成形工程および第2焼成工程が実施例1と相違する。
【0038】
セラミックス構造体20の成形工程は、セラミックス成形体203を構造部材30と一体的に成形する。すなわち、セラミックス成形体203を成形するための雌型が、構成部材30を含めて形成されており、セラミックス粒子101および結合剤102を含むセラミックスラリを、構成部材30の所望する部分に設けられた雌型へ流し込む。そして、所定の時間保持し、セラミックスラリから水分が除去されて固化した後に雌型を離型することで、構成部材30の所望する部分にセラミックス成形体203を成形することができる。
【0039】
つづいて、成形工程によって得られたセラミックス成形体203を、構造部材30と一体的に焼成する第2焼成工程を実行することで、構成部材30に一体不可分的に接合されたセラミックス構造体20を得る。なお、本実施例の第2焼成工程の焼成条件は、実施例1の第2焼成工程と同様の焼成条件を適用することができる。
【0040】
従来の製造方法によって製造されたセラミックス構造体は、焼成時や使用時の熱によって大きな収縮および変形が生じるために、セラミックス構造体と他の構造部材との接合部分に割れが生じたり、セラミックス構造体が他の構造部材から剥離したりしてしまう(図5(b)参照)。一方、本実施例のセラミックス構造体20の製造方法によれば、セラミックス構造体20の焼成時や使用時の熱による収縮および変形を可能な限り小さく抑制することができるために、セラミックス構造体20の割れや剥離を抑制することができる。また、本実施例のセラミックス構造体20の製造方法によれば、焼成時の熱による収縮および変形がより小さいために、セラミックス構造体20を他の構造部材30と一体的に成形・焼成することが可能である。そのため、例えば複雑な形状の構造部材の上にセラミックス構造体を容易に形成することができる(図5(a)参照)。更に、本実施例のセラミックス構造体20の製造方法によれば、セラミックス構造体20と構造部材30とを接合する工程を省略することができるために、工数およびコストをより削減することができる。
【0041】
この場合、セラミックス構造体20と接する部分の構造部材30の形状を適切に調整することで、セラミックス構造体20と他の構造部材30との接合強度をより向上させることができる。例えば、セラミックス構造体と接する部分の構造部材の表面積を増加させて、セラミックス構造体と他の構造部材30との摩擦力を向上させることができる。また、例えば、構造部材のセラミックス構造体と接する部分に、入口側がより狭い溝部を複数設ける(図6参照)ことで、両者の接合強度を向上させることができる。
【0042】
以上のように、本実施例のセラミックス構造体の製造方法は、セラミックス粒子と結合剤とを混練した後に、他の構成部材と一体的に成形し、第2焼成工程を実行することにより、受熱によるセラミックス構造体の割れや他の構造部材からの剥離を抑制することができる。
【0043】
上記実施例は本発明を実施するための一例にすぎない。よって本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0044】
なお、前述したセラミックス構造体としては、例えば、ピストン頂面、排気バルブ弁、シリンダヘッド、点火プラグ、ロッカーアーム、ターボチャージャブレード等の自動車用部材の1箇所以上を強化したものを挙げることができる。また、ガスタービン、切削工具等のその他部材の1箇所以上を強化したものを挙げることができる。
【符号の説明】
【0045】
10,20 セラミックス構造体
30 構造部材
101 セラミックス粒子
102 結合剤
103,203 セラミックス成形体



【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数のセラミックス粒子と結合剤とを混練して焼成することで構造体を製造するセラミックス構造体の製造方法であって、
前記セラミックス粒子を焼成する第1焼成工程と、
前記第1焼成工程を経た前記セラミックス粒子を前記結合剤と混練する混練工程と、
前記混練工程を経た前記セラミックス粒子および前記結合剤を所望する構造体の形状に成形する成形工程と、
前記成形工程によって得られた成形体を前記第1焼成工程よりも低い温度で焼成する第2焼成工程と、
を備えることを特徴とするセラミックス構造体の製造方法。
【請求項2】
前記セラミックス粒子は、前記第1焼成工程を経た後の粒子径が略均一であることを特徴とする請求項1記載のセラミックス構造体の製造方法。
【請求項3】
前記セラミックス粒子は、前記第1焼成工程を経た後の粒子径が、前記セラミックス粒子のメジアン直径の90〜110%の範囲内にあることを特徴とする請求項2記載のセラミックス構造体の製造方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載のセラミックス構造体の製造方法により製造されたセラミックス構造体。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−241111(P2011−241111A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113686(P2010−113686)
【出願日】平成22年5月17日(2010.5.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】