説明

セラミック形成部品の調製法

固体内容物および液体内容物を有する縣濁液/分散液から、前記縣濁液/分散液中に少なくとも部分的に浸され、かつ調製される形成部品と同形ではあるが縮小サイズを有する多孔性自己支持性支持体の周辺に、固体内容物を沈着させることによってセラミック形成部品を調製するための方法であって:
−前記固体内容物は、酸化物セラミック粒子を含み;
−前記多孔性自己支持性支持体は、前記縣濁液/分散液中に浸されない区域において引き揚げ部に分離可能的に接続され;
−前記縣濁液/分散液は、前記縣濁液/分散液中に充満する圧と、引き揚げ部に充満する圧との間の陽圧差によって、前記多孔性自己支持性支持体に向かって移動させられ;
前記縣濁液/分散液の液体内容物は、前記多孔性自己支持性支持体の周辺に固体内容物を沈着させながら前記多孔性自己支持性支持体中に侵入する、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体内容物および液体内容物を含有する縣濁液/分散液からセラミック形成部品を調製するための方法、および、セラミック形成部品の調製に使用することが可能な、多孔性自己支持性支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、義歯調製の分野では、高品質義歯については、Sadounによって開発されたスリップ技術が確立されている。この方法は、特許文献1に詳細に記述されている。この技術は、歯科技工士に対し高度の要求を課すが、習得することは可能であり、その場合、優れた結果を生む。
【0003】
特許文献2は、歯科用セラミック形成部品を構築するための技法を開示する。この方法では、一実施態様において、さらに結合剤も含む歯科用ポーセレンのスラリーの中に金型を浸すことによって、再粉末化されたスラリー状歯科用ポーセレンを前記金型に塗布し、次いで、スラリーの液体を吸引排除することによって支持体上で乾燥する。別の一実施態様は、容器の中に多孔性インプレッション材料を供給し、組成物の陰性型を圧迫してその材料の中に押し込み、形成された穴をスラリーで充填し、次いで、遠心、または、スラリー中の固形物の吸引排除によって、インプレッション形の内部辺縁に前記スラリーを沈着させることによって実現される。後者の態様の欠点は、生産された成形部品を穴から取り出し、次の工程に送ることが難しいことである。このインプレッション材料は、容器内において提供されるので、自己支持的ではないが、比較的硬い多孔性形成材料である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0 241 384号
【特許文献2】米国特許第4,155,964号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
必要なスリップの構築が、歯科技工士の熟練度から、より独立している方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、
固体内容物および液体内容物を有する縣濁液/分散液から、前記縣濁液/分散液中に少なくとも部分的に浸され、かつ調製される形成部品と同形ではあるが、縮小サイズを有する、多孔性自己支持性支持体の周辺に、固体内容物を沈着させることによってセラミック形成部品を調製するための方法であって:
−前記固体内容物は、酸化物セラミック粒子を含み;
−前記多孔性自己支持性支持体は、前記縣濁液/分散液中に浸されない区域において引き揚げ部と分離可能的に接続され;
−前記縣濁液/分散液は、前記縣濁液/分散液中に充満する圧と、前記引き揚げ部に充満する圧との間の陽圧差によって、前記多孔性自己支持性支持体に向かって移動させられ;
前記縣濁液/分散液の液体内容物は、前記多孔性自己支持性支持体の周辺に固体内容物を沈着させながら前記多孔性自己支持性支持体中に侵入する方法によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の多孔性自己支持性支持体。
【図2】本発明の多孔性自己支持性支持体。
【図3】本発明に従った方法の順序進行を模式的に示す。
【図4】本発明に従った方法において使用することが可能な、上部構造の、さらに別の実施態様を示す。
【図5】本発明の特定実施態様による装置50を詳細に示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に従った方法は、いくつかの異なる形成部品の調製において速やかな連続操作を可能とし、塗料刷毛塗布による従来のスリップ技法を省略することができる。スリップに塗料刷毛で塗布する技術は、退屈で、しかも若干の熟練を要する。本発明によれば、形成部品の層厚は、減圧の持続時間を選択することによって再現可能的に調整することが可能なので好都合である。塗布工が、セラミックスリップの取り扱いに経験を要する従来のスリップ技法に比べ、非均一塗布から生じる欠陥は事実上排除される。個別に、手塗りで塗布されたスリップ層では、長時間乾燥させすぎ、そのため不均一構造(いわゆる、タマネギ皮殻作用)、並びに、孔形成の危険性があるが、それも低減される。本発明に従った方法の、もう一つの利点は、スリップと共に調製される土台部分の、優れた合致正確度に基づく。スリップ技法は、特に、Vita Zahnfabrik Henry Rauter GmbH&Co.KGのIn−Ceram(登録商標)技法に用いられ、それによって調製される歯科用修復品の優れた使用寿命のために当業者の間でも知られている。
【0009】
特に、セラミック形成部品は、歯科用セラミック形成部品である。
【0010】
本発明に従った方法において使用することができる、多孔性自己支持性支持体は、例えば、石膏、歯科技法において公知の、硬化、または、その他の支台組成物、特に、リン酸塩結合粉末混合物、石英、および/または金属酸化物から成る。
【0011】
本発明による自己支持性多孔性支持体は、例えば、蒸留水、またはその他の硬化性材料と混ぜ合わせた石膏を、マスターモデルのシリコンインプレッションに流し込むことによって調製される。硬化性材料が硬化した後、すなわち、In−Ceram特別石膏の場合、必要な硬化膨張に達した後、縣濁液に向っていない側面は、例えば、石膏トリマーによって平らに研磨されるが、引き揚げ部も、前述のように塗布されてもよい。セラミックブロック材料から成る修復品の研磨と同様にして、CAD/CAMデータに基づいて問題の硬化性材料のブロックから、研磨によって自己支持性多孔性支持体を調製することも可能である。この調製法では、支台について望ましい任意の倍率の硬化を実現することが可能である。本発明に従った自己支持性多孔性支台を調製するための、もう一つの可能性は、焼結されて締まる材料の場合、焼結縮小を補償する適切な膨張材料によって、マスターモデルの拡大インプレッションを製造することである。このインプレッションは、拡大された自己支持性多孔性支台を得るための、石膏または類似材料の鋳造である。
【0012】
本発明に従った方法において使用することが可能な多孔性自己支持性支持体は、縣濁液/分散液の液体内容物の侵入を阻止する、少なくとも一つの区域を有すると有利である場合がある。
【0013】
本発明に従った方法の一実施態様では、多孔性自己支持性支持体は、縣濁液/分散液に面していない側部では、全体的に平坦な面を持つことができる。この全体的に平坦な面は、便宜のため、引き揚げ部に接続されていてもよい。この全体的に平坦な面にはフランジが設けられると有利である場合がある。
【0014】
別の実施態様では、この全体的に平坦な面には接続要素が設けられる。前記接続要素としては、二つの別々の要素を分離可能に接続することが可能な要素であれば、いずれのものを使用してもよい。原理的には、機械的接続要素のほか、化学的接続要素を使用してもよい。典型的な機械的接続要素は、例えば、前述のフランジであるが、一方、例えば、化学的接続要素として接着結合を用いてもよい。
【0015】
別の、理にかなった実施態様が、少なくとも一つの孔、特に盲孔を有する、多孔性自己支持性支持体によって得られる。
【0016】
本発明に従った方法において用いられる縣濁液/分散液は、通常、歯科用セラミック修復品の分野における酸化物セラミック縣濁液/分散液である。この酸化物セラミック縣濁液/分散液は、アルミナ、ジルコニア、酸化アルミニウムマグネシウム(スピネル)、イットリア、セリア、ケイ酸塩、ケイ酸ジルコニウム、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0017】
本発明に従った方法において加えられる陽圧差は、例えば、縣濁液/分散液に向かう多孔性自己支持性支持体の側面における過剰圧、および/または、縣濁液/分散液から離れた方向に向かう多孔性自己支持性支持体の側面における減圧によって引き起こされていてもよい。減圧にする場合、特に、引き揚げ部領域で減圧にされる。それ以外に、または、それ単独で、孔領域が減圧にされてもよい。圧差は、100から1000mbarであることが好適である。必要と思われる場合は、圧差は、上述の範囲を上回ってもよく、または下回ってもよい。
【0018】
きわめて厚い層を沈着させるために、より大きな圧差が必要とされる場合がある。したがって、支台材料の孔径が小さくなればなるほど、より強い減圧または過剰圧としなければならないと考えられる。以上まとめると、材料輸送は、圧差によって調節することができる。個々の目的にとって好適な圧差は、当業者によって、単に連続実験によって決定することが可能である。
【0019】
通常、500mbarよりも低い減圧にされる。
【0020】
原理的には、多孔性自己支持性支持体の多孔度は、20マイクロメーター以下の孔によって形成することができる。通常、孔のサイズは、1nmから10μmの範囲内にある(水銀孔度計測によって測定)。
【0021】
本明細書に記述される孔径からの逸脱は、当業者には周知である。例えば、より小さな孔径を有する材料も、原理的には、本発明に従った沈着のために用いることができる。一方、より大きな孔を有する材料を使用しなければならない場合は、縣濁液または分散液のセラミック粒子が、多孔性自己支持支台材料中に侵入するのを防ぐために、より小さな孔径を有する材料の層を塗布することが有利でありうる。
【0022】
本発明の別の一実施態様では、周辺に、指定の層厚を有する層として固体内容物を沈着させた後、多孔性自己支持性支持体を、第2の縣濁液/分散液に浸して、その前に形成された層が、少なくとも部分的に第2縣濁液/分散液に浸漬するようにし、前述の加工工程を繰り返すこともできる。もちろん、任意で、いくつかの層を重ねるために、浸漬過程をさらに繰り返すことも可能である。
【0023】
本発明に従った方法の一実施態様では、多孔性自己支持性支持体は、一層以上の層が構築された後、引き揚げることができ、ここで、十分広汎な事前乾燥が実現されるように圧差は維持する。
【0024】
得られたセラミック形成部品に対し、後処理によってさらに大きな強度を与えるかどうかの選択は、当業者の判断による。本発明によれば、後処理として、セラミック形成部品の焼結および/または無機または有機物質の浸潤を使用してもよい。
【0025】
焼結は、特に、600℃から1600℃の温度で行われる。浸潤のための有機材料としては、特に、重合性の有機化合物を使用してよい。通常、少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を有する化合物が使用される。特に、ウレタンジメタクリレート(UDMA)および/またはトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)がこの目的に相応しい。
【0026】
無機材料としては、浸潤ガラス、特に、ホウ酸ランタンガラスが挙げられる。このような浸潤ガラスは、伝統的スリップ技法において用いられている。特許文献1の開示を、参照により本明細書に含める。
【0027】
本発明に従った方法を、図1から4によってさらに具体的に説明する。
【0028】
本発明はまた、基礎10および上部構造20を有する多孔性自己支持性支持体1であって、固形物によって塗布される形状と基礎10および上部構造20を貫通し盲孔として設計される孔30とを有する多孔性自己支持性支持体1に関する(図1)。図2aに示すように、引き揚げ手段15に接続するために、基礎10の上に手段12を設けてもよい。引き揚げ手段は、減圧にするために、ポンプに接続されてもよい(図2b)。この引き揚げ手段は、例えば、圧ホースであってもよい。
【0029】
図3a−3dは、本発明に従った方法の順序進行を模式的に示す。図3aでは、図2bに示した装置が、形成部品を構築するために使用される縣濁液/分散液を含む容器の中に浸される。本発明に従った多孔性自己支持性支持体が減圧にされると、縣濁液/分散液の粒子26は吸引され、上部構造20の周辺に沈着する。矢印は、より低い圧に向かう圧勾配の方向を表す。上部構造および多孔性自己支持性支持体の周辺において、スリップ材料27の所望の層厚が実現されると、減圧は止められ、集合体は容器から取り出される。次いで、引き揚げ手段が取り外されると、図3dに示す集合体は、それ自体公知の方法でさらに加工することができる。スリップ層の高さは多孔自己支持体を縣濁液/分散液に浸すことによって調整することができる。
【0030】
図4は、本発明に従った方法において使用することができる上部構造の、さらに別の実施態様を示す。
【0031】
自己支持性多孔性支持体1は、固定材料40によって、引き揚げ手段15に取り付けることができる。これは、特に、下記の手段によって単純に実行することができる:
−任意で、基材の不均一性を平坦化する材料厚を有する、リング状の両面接着テープ(補強ワッシャーのような);
−孔30の周囲にリング状に塗布され、引き揚げ手段15に対し手で押しつけて取り付けられる、混練可能な接着性組成物;
−また好適なものは、磁気引き揚げ手段15に接続される、磁気接着テープである;
−または、最初の二つの例の内の一方により多孔性支持体1に取り付けられ、次に、磁気引き揚げ手段15に吊られることによって再使用可能な磁気プレートの使用。
【0032】
沈着過程の後、固定材料付き石膏支台は、次の石膏支台が沈着のために吊られることができるように、好ましくは、残留物なく、引き揚げ手段15から分離することができるものであるべきである。これら上述の実施態様は、引き揚げ手段15に対しシリコンホースを用いて多孔性自己支持性支持体1を取り付ける方法の代替法である。
【0033】
本発明による多孔性自己支持性支持体は、本発明に従った方法に使用するのに優れて好適である。
【0034】
図5は、本発明の特定実施態様による装置50を詳細に示す。
【0035】
下記の実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。
【0036】
本発明に従った方法は、孔を設けた多孔性石膏支台の表面におけるスリップ沈着に基づく。石膏支台は、その底面において平坦に研磨され、かつ、特に、シリコンチューブが、気密式のアダプターとしてその上に被せられる(または、それと接続される)ことを可能とする形状とされる。この屈曲性チューブを備えた石膏支台は、フランジに押しつけられるか、または、石膏支台を受容する可動ホールダーに取り付けられるアダプターに接続される。ホールダーは、好ましくはモーターによって可動であり、後述するスリップを含む容器中に挿入することができる。スリップは、前記スリップの沈着を阻止するために、攪拌器、例えば、磁気攪拌バーを備えた磁気攪拌モーターによって攪拌される。真空ラインがホールダーの隣に設けられ、減圧にするための装置、例えば、ポンプに接続される。その後、石膏支台は、このスリップ中に、手動で、または自動制御によって、調製境界が完全に覆われるまで挿入される。石膏支台がスリップ中に挿入された後、減圧にされる。沈着過程の最中、スリップは攪拌されない。指定の時間後、材料を沈着させた石膏支台がまだスリップ内にある時に、圧は等圧とされる。その後、再び最初の位置にホールダーを上昇させることができる。その上にキャップを沈着させた石膏支台は、フランジまたはアダプターから取り外し、さらに加工することができる。その後、この装置は、後続加工のために利用することが可能である。
【0037】
通常、スリップの層厚は、減圧時間を変えることによって変動させることができる。したがって、例えば、0.7mm厚の前面歯冠を製造する場合は、約20秒から60秒、特に40秒の吸引時間を観察することができ、等しい厚さの側面歯冠を製造する場合は、30秒から90秒、特に60秒の吸引時間を観察することができる。
【符号の説明】
【0038】
51:吸引時間を設定するためのロッカースイッチ
52:吸引時間ディスプレイ
53:ホールダーを上下に垂直移動するためのロッカースイッチ
54:プロセス(真空がスタートし、あらかじめ指定の時間の経過後、真空は自動的に切れて、ホールダーは上に移動する)を始めるためのスタートボタン
55:真空または圧縮空気のためのポート
56:スリップ容器
57:スリップ(縣濁液/分散液)
58:磁気攪拌バー
15:引き揚げ手段
59:垂直に移動が可能な、引き揚げ手段付きホールダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体内容物および液体内容物を有する縣濁液/分散液から、前記縣濁液/分散液中に少なくとも部分的に浸され、かつ、調製される形成部品と同形ではあるが、縮小サイズを有する多孔性自己支持性支持体の周辺に、固体内容物を沈着させることによってセラミック形成部品を調製するための方法であって:
−前記固体内容物は、酸化物セラミック粒子を含み;
−前記多孔性自己支持性支持体は、前記縣濁液/分散液中に浸されない区域において引き揚げ部と分離可能的に接続され;
−前記縣濁液/分散液は、前記縣濁液/分散液中に充満する圧と、前記引き揚げ部に充満する圧との間の陽圧差によって、前記多孔性自己支持性支持体に向かって移動させられ;
前記縣濁液/分散液の液体内容物は、前記多孔性自己支持性支持体の周辺に固体内容物を沈着させながら前記多孔性自己支持性支持体中に侵入する、方法。
【請求項2】
前記セラミック形成部品が、歯科用セラミック形成部品である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記多孔性自己支持性支持体が、硬化石膏、支台組成物、特に、リン酸塩結合粉末混合物、石英、金属酸化物から成る、請求項1および/または2に記載の方法。
【請求項4】
前記多孔性自己支持性支持体に、前記縣濁液/分散液の液体内容物の侵入を阻止する、少なくとも一つの区域がある、請求項1から3の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項5】
前記多孔性自己支持性支持体が、前記縣濁液/分散液に面しない側部では、全体的に平坦な面を有している、請求項1から4の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項6】
前記の全体的に平坦な面が、前記引き揚げ部に接続されている、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記の全体的に平坦な面にフランジが設けられている、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記の全体的に平坦な面に接続要素が設けられている、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記接続要素が、接着結合で表される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記多孔性自己支持性支持体が、少なくとも一つの孔を有する、請求項1から9の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項11】
前記孔が盲孔である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記縣濁液/分散液が、酸化物セラミック縣濁液/分散液である、請求項1から9の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項13】
前記酸化物セラミック縣濁液/分散液が、アルミナ、ジルコニア、酸化アルミニウムマグネシウム(スピネル)、イットリア、セリア、ケイ酸塩、ケイ酸ジルコニウム、またはそれらの組み合わせを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記陽圧差が、前記縣濁液/分散液に向かう前記多孔性自己支持性支持体の側面に対する過剰圧、および/または、前記縣濁液/分散液から離れた方向に向かう前記多孔性自己支持性支持体の側面に対する減圧によって引き起こされる、請求項1から11の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項15】
前記引き揚げ部領域が前記の減圧とされる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記孔の領域も前記の減圧とされる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記圧差が100から1000mbarである、請求項14から16の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項18】
500mbar未満の減圧にされる、請求項14から17の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項19】
前記多孔性自己支持性支持体の多孔度が、水銀孔度計測によって測定した場合、1nmから10μmである、請求項1から18の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項20】
前記周辺に、指定の層厚を有する層として固体内容物を沈着させた後、前記多孔性自己支持性支持体を、第2縣濁液/分散液に浸して、その前に形成した層が、少なくとも部分的に第2縣濁液/分散液に浸されるようにして、請求項1の加工工程を繰り返し、かつ、任意で、さらなる浸漬過程を繰り返していくつかの層を重ねる、請求項1から19の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項21】
一層以上の層を有する、前記多孔性自己支持性支持体が引き揚げられた後、十分広汎な事前乾燥が実現されるように前記圧差が維持される、請求項1から20の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項22】
得られた前記セラミック形成部品に対し、後処理によってより大きな強度が与えられる、請求項1から21の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項23】
前記後処理が、セラミック形成部品の焼結、および/または無機または有機物質の浸潤を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記焼結が、600℃から1600℃の温度で行われる、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
浸潤のための前記有機材料が、重合可能な有機化合物、特に、ウレタンジメタクリレート(UDMA)およびトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)であり、前記無機材料が、浸潤ガラス、特に、ホウ酸ランタンガラスである、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
基礎(10)および上部構造(20)を有する多孔性自己支持性支持体(1)であって、固形物によって塗布される形状と、基礎(10)および上部構造(20)を貫通し、かつ盲孔として設計される孔(30)とを有し、
固体内容物および液体内容物から成る縣濁液/分散液の液体内容物からの引き揚げのための引き揚げ手段(15)が、前記基礎(10)の領域に設けられている、
多孔性自己支持性支持体(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−505483(P2010−505483A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530887(P2009−530887)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際出願番号】PCT/EP2007/060546
【国際公開番号】WO2008/040780
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(594104744)ビタ・ゼーンファブリク・ハー・ラウター・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コー・カーゲー (5)
【Fターム(参考)】