セラミック膜チューブ成形用モールド及びこれを利用したセラミック膜チューブ製造方法
本発明は、集積化が容易であり、気体分離効率が高い一端閉鎖型チューブ構造のセラミック膜成形用押し出しモールド及びこれを利用したセラミック膜チューブ製造方法に関する。押し出しモールドは、外部モールド、内部モールド、及び押し出し口末端キャップから構成され、キャップの中央には押し出し成形密度を制御するための貫通口が形成され、内部モールド及び外部モールドには押し出されるチューブの内部圧力を外部大気と同一に維持するための通路が形成される。本発明による一端閉鎖型セラミック膜チューブは、押し出しモールドの押し出し口末端をキャップで閉鎖した状態で押し出しモールドにセラミック混合物を供給し、混合物が押し出し口末端の空間を満たすと、キャップを除去した後、押し出しモールドに混合物をさらに供給して所定長さのチューブ型セラミック押し出し体を得る段階により製造される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック膜チューブ用モールド及びこれを利用したセラミック膜チューブ製造方法に関し、より詳しくは、集積化が容易で、気体分離効率が高い一端閉鎖型チューブ構造を有するセラミック膜の製造方法及びこのための押し出しモールドに関する。
【背景技術】
【0002】
多成分系セラミック膜は、相対密度90%以上の緻密な構造を有するとともに、約500℃以上の温度で電気化学的駆動力によるイオンの拡散を利用して所望の気体を選択的に透過及び分離できる機能を有する分離膜である。イオンの自発的で持続的な拡散のためには、電気的中性が維持されなければならないので、電子の移動が必須である。従って、緻密質セラミック膜は、膜自体が混合イオン−電子伝導性を有するか、イオン伝導体及び電子伝導体の複合構造で構成される。ここで、分離される純粋な気体成分は、酸素、水素又は二酸化炭素を含む。
【0003】
純粋な酸素を分離できる緻密質酸素分離膜としては、La1-xAxB′1-yB″yO3-δ(ここで、AはBa、Srなどの陽イオンであり、B′及びB″は、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Al、Ga又はGeなどの陽イオンであり、xは、0.05〜1.0の範囲であり、yは、0〜1.0の範囲である)組成のペロブスカイト構造酸化物又はパイロクロア構造酸化物が使用される。また、3価陽イオンが一部置換されたジルコニア又はセリアなどの蛍石構造酸化物が使用される。
【0004】
純粋な水素を分離できる緻密質水素分離膜としては、Y、Yb、Eu、Yb又はGdなどの陽イオンが少量添加されたABO3-δ(ここで、Aは、Ba、Srなどの陽イオンであり、Bは、Ce、Zr、Tiなどの陽イオンである)組成のペロブスカイト構造酸化物が使用される。純粋な二酸化炭素を分離できる二酸化炭素分離膜としては、炭酸リチウム、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウム組成の塩と支持体とから構成される分離膜構造体が使用される。
【0005】
多量の気体を分離するためには、セラミック膜を集積しなければならず、集積に使われる個別セラミック膜は、平坦型又はチューブ型に製造される。平坦型分離膜は、成形及び分離膜の積層が容易であるが、大面積化が困難であり、高温密封が必要な領域が広いため、気体が漏れる恐れがあるという短所がある。
【0006】
これに対して、チューブ型分離膜は、構造的安定性に優れており、大面積化が可能で、密封が容易であるが、成形が困難であり、単位分離膜を集積することが難しいという短所がある。
【0007】
一方、チューブ型構造のうち、一端が閉鎖された一端閉鎖型チューブ構造は、チューブ型構造の長所を有するとともに、投入気体の利用効率が高く、分離膜の高温熱膨張による応力がなく、開放された一端のみを密封すればよいという長所がある。
【0008】
図1は、一端閉鎖型チューブ型分離膜10の構造を示す模式図である。
【0009】
分離膜は、チューブ胴部12と、この胴部12の端部に連結された末端キャップ14とが一体に形成されている。気体分離過程で、内部に通路が形成された気体注入管20が分離膜の内部に挿入される。注入管20から供給される気体(例えば、窒素と酸素の混合気体)の場合、気体が分離膜に衝突すると、酸素はイオン状態に拡散して分離膜を通過する。それに対して、窒素は、分離膜を透過することができず、外部に逃げる。このような気体分離過程において、分離膜の構造が緻密で、気孔がないと、気体が漏れることなく、気体分離効率が向上する。
【0010】
分離膜の端部、すなわち、円筒形チューブの閉鎖末端部は、通常のチューブとの接合により形成される。大韓民国公開特許第2001−42562号明細書には、固体酸化物燃料電池(SOFC)の空気極に適用される一端閉鎖型チューブ構造物が開示されている。この構造物の場合、セラミック燃料電池用空気極チューブの末端にキャップを接続して複合ジョイントを形成し、成形された構造物を加熱して焼結することにより空気極チューブを完成する。
【0011】
しかし、このような一端閉鎖型チューブ構造物は、チューブの一端を閉鎖するためにキャップとチューブ胴部を有機混合物を利用して接着するため、後に熱処理をしても結合面から気体が漏れない緻密な焼結体構造を得ることが難しい。すなわち、図1のチューブ型分離膜において、A部分に予想外の気孔が形成されたり、欠陥が発生するという問題点がある。
【0012】
従って、チューブ構造物及びその製造方法は、セラミック燃料電池空気極チューブには適用できるが、本発明に関する緻密質構造のセラミック膜には適用できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、微細構造が緻密であり、気孔や欠陥がない一端閉鎖型セラミック膜チューブ用押し出しモールドを製造することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、一端閉鎖型セラミック膜チューブを簡単かつ経済的な工程で、欠陥が発生しないように製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
このような目的を達成するための本発明の一態様によるセラミック膜チューブ用押し出しモールドは、円筒形の内部空間を有し、前後両端が開放された外部モールドと、外部モールドの前端に結合され、外部と連結される貫通口が形成された押し出し口末端キャップと、外部モールドの内部空間に設置され、押し出し口末端キャップの内側と離隔して外部モールドの内部直径より小さい外部直径を有する第1円筒形部材、及び外部モールドの内部直径と同一の外部直径を有する第2円筒形部材を備える内部モールドと、を含む。
【0016】
外部モールドの一側には貫通口が形成され、内部モールドには長手方向に内部を貫通して第2円筒形部材の一側に延びる内部通路が形成され、押し出し工程時に、内部通路は、外部モールドの貫通口に連結される。
【0017】
また、このような目的を達成するための本発明の一実施形態による一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法は、外部モールド及び内部モールドから構成される押し出しモールドの押し出し口末端にキャップを取り付ける段階と、押し出しモールドの外部モールドと内部モールドとの間の空間にセラミック膜混合物を供給して押し出しを行う段階と、セラミック膜混合物が押し出し口末端の空間を充填して閉鎖構造を形成すると、キャップを除去する段階と、押し出しモールドの外部モールドと内部モールドとの間の空間にセラミック膜混合物をさらに供給して押し出しを継続して行うことにより、所定長さの押し出し体を得る段階と、を含む。
【0018】
また、本発明の他の実施形態による一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法は、外部モールド及び内部モールドから構成される押し出しモールドの押し出し口末端にキャップを取り付ける段階と、押し出しモールドの外部モールドと内部モールドとの間の空間にセラミック混合物を供給して押し出しを行う段階と、セラミック混合物が押し出し口末端の空間を充填して閉鎖構造を形成すると、キャップを除去する段階と、押し出しモールドの外部モールドと内部モールドとの間の空間にセラミック混合物をさらに供給して押し出しを継続して行うことにより、所定長さのセラミック押し出し体を得る段階と、押し出し体の表面にセラミック混合物と同種又は異種のセラミック膜混合物を塗布する段階と、を含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、気孔や欠陥がない緻密な構造の一端閉鎖型セラミック膜チューブを製造することができる。特に、セラミック膜チューブの押し出し過程で押し出し成形密度を制御することができ、連続的な工程により均一な形態のチューブ構造の大量生産を容易にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明による一端閉鎖型セラミック膜チューブを製造するために使用される押し出しモールドは、3つの部分に区分される。
【0021】
図2及び図3は、押し出しモールドを構成する第1要素である円筒形の外部モールド100を示す図である。外部モールド100は、両端が開放されており、中空の円筒形に形成される。外部モールド100の前方部101は押し出し口に該当し、押し出し工程時に末端キャップが連結される部位である。後方部102は、前方部101とサイズが異なるが、このような形状に限定されるものではなく、後方部102の一側には外部モールド100の内側と外側を連結する貫通口103が形成される。この貫通口103は、後述する内部モールドの一部分と連結され、押し出し過程中の押し出しモールド内部の圧力を外部と同一に維持する。
【0022】
後方部102の端部には、セラミック膜の原料となるセラミック粉末、溶媒、及び結合剤が所定割合で混合された非熱処理混合物がB方向に投入される。
【0023】
図4〜図6は、押し出しモールドの第2要素である押し出し口末端キャップ200を示す図である。キャップ200は、押し出しモールドの押し出し口、すなわち、外部モールドの前方部101の端部に結合されて押し出しモールドの一端を閉鎖する。従って、押し出し工程により得られるセラミック膜チューブが一端閉鎖構造に形成される。キャップ200の中央には貫通口201が形成され、この貫通口201は、押し出しモールドにより一端が閉鎖された形態に押し出されるセラミック膜混合物に加えられる押し出し成形圧を調節する役割を果たす。このような押し出し成形圧の調節については、製造方法に関連して詳細に後述する。押し出し口末端キャップ200は、外部モールド100の前方部101と多様な方式で結合される。例えば、ボルトのような締結手段で結合することもでき、前記キャップ200の内周面と外部モールド100の前方部101の外部面にそれぞれねじ山を形成して螺合することもできる。
【0024】
押し出し口末端キャップ200の内部面、すなわち、押し出しモールドの内部端部に該当する面は、半円形(図5を参照)又は平面形(図6を参照)などに形成することができる。
【0025】
図7〜図9は、押し出しモールドの第3要素である、外部モールドの内部に挿入される円筒形の内部モールド300を示す図である。内部モールド300は、所定厚さの押し出し体を得ることができるように、外部モールド100に該外部モールド100の内部面と所定間隔を離隔して結合された(すなわち、外部モールド100の内径より小さい外径を有する)円筒形の第1部材301と、内部モールド300が外部モールド100の内部に堅く結合されるように、外部モールド100の内径と同一の外径を有する第2部材302とから構成される。第2部材302は、図7及び図9に示すように、押し出しモールドに押し出し用混合物が充填できる通路を備える。
【0026】
内部モールド300の中央には第1部材301の一端から長手方向に内部通路304が形成され、内部通路304は、第2部材302の外周面上の所定部分に露出する外部ホール305まで延びている。通路304は、押し出しモールドの内部を外部と連結し、押し出し過程で円筒形の押し出し体が形成されるとき、押し出し体の内部の圧力を押し出しモールド外部の圧力と同一に維持することにより、押し出し体の内部の低い圧力により押し出し体が陥没することを防止する。
【0027】
内部モールド300の第2部材302の端部には、円錐形の突出部303が形成される。この突出部303は、押し出し用混合物が投入される流入部に該当し、混合物の混合を促進する。混合物の流動に及ぼす影響を最小化するために、突出部303は、第2部材302の3部分により支持される円錐形の構造が好ましい。
【0028】
図10は、前述したそれぞれの外部モールド100及び内部モールド300とキャップ200との結合状態を示す。内部モールド300は、外部モールド100の内部空間に挿入されて固定される。外部モールド100の内周面は、押し出し体が所定厚さで押し出されるように、内部モールド300の外周面から所定間隔(ギャップ)離隔して位置する。一方、キャップ200が外部モールド100の一端、すなわち、押し出し口の末端に結合されるので、押し出し過程で押し出し体が一端閉鎖構造となる。
【0029】
以下、図10に示す押し出しモールドを参照して本発明による一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法を説明する。
【0030】
まず、図示されているように、押し出し口の末端をキャップ200で閉鎖した状態で、適切な押し出し圧力で外部モールド100の端部、すなわち、内部モールド300の第2部材302の端部にセラミック膜用セラミックと有機添加物の混合物を投入する。投入される混合物は、外部モールド100と内部モールド300との間の空間を移動してチューブの側壁を形成する。押し出し口、すなわち、外部モールド100の前方部101の端部に到達した混合物は、キャップ200の内部面に至って閉鎖構造を形成する。このようなメカニズムにより、本発明による一端閉鎖型セラミック膜チューブは、別途の接合工程を経ることなく、チューブ胴部とチューブ端部が一体に形成される。従って、最終的に完成されたチューブは、端部の好ましくない気孔による気体漏れが発生することを防止する。
【0031】
押し出し体の一端が閉鎖構造を形成した後、押し出し口末端キャップ200を除去して継続的に押し出し過程を行うことにより、所定長さのチューブ胴部を形成する。ここで、押し出し口末端キャップ200の内部空間が外部と断絶されている場合、押し出される混合物が閉鎖構造を形成する時点を認知することができず、持続的な押し出しにより混合物にかかる圧力が増加する。従って、最終的に完成されたチューブ型押し出し体の成形密度を制御することができなくなり、チューブの各部位に均一な成形密度を保障することができない。
【0032】
本発明においては、キャップ200の中央に外部に連結された貫通口201を提供することにより、押し出し体成形密度を制御することができる。押し出しが行われてキャップ200の貫通口201から混合物が外部に押し出された直後に、押し出し工程を停止してキャップ200が除去される。貫通口201のサイズが異なるキャップ200を使用すると、チューブを形成する混合物の成形密度を制御することができる。押し出し体の閉鎖された端部の形状は、押し出し口末端キャップ200の内部面の形状によって平面形又は半球形に形成することができ、キャップ200の形状を変更することにより、他の変形形態も可能となる。
【0033】
チューブが所望の長さとなるまで、セラミック膜混合物の押し出しが継続して行われる。この過程で、形成されるチューブの内部が外部大気から断絶されている場合、継続的な押し出しによりチューブ内部は真空となるので、チューブは陥没する。本発明において、長手方向に形成されて内部モールド300の後端の一側に延びる通路304が形成され、通路304が外部モールド100の貫通口103に連結されることにより、押し出し過程中の円筒形押し出し体の内部圧力が大気と同じ圧力となる。従って、押し出しにより形成されるチューブは、陥没することがなく、均一な形態に形成される。
【0034】
所望の長さと形状に完成された押し出し体は、熱処理段階を経る。押し出し体は、まず900℃以下の温度で熱処理することにより、混合物に含まれる溶媒及び有機添加剤を揮発又は脱脂させた後、1000〜1550℃の温度で熱処理することにより焼結する。
【0035】
一方、セラミック膜の気体透過流速は、ワグナー方程式によると、セラミック膜の厚さが減少するにつれて線形的に増加する。従って、高い気体透過流速を得るためには、構造的に弱くなく、かつ緻密な構造を有するセラミック膜を薄く製造しなければならない。このために、多孔性構造の支持体にセラミック膜を厚膜状に塗布することが好ましい。
【0036】
本発明による一端閉鎖型セラミック膜チューブ製造方法をセラミック膜以外にも多孔性構造のセラミック膜支持体の製造に応用することができ、それにより、高い気体透過流速が確保されたセラミック膜を製造することができる。すなわち、本発明による製造方法により多孔質チューブ型セラミック支持体を形成し、この支持体の表面に緻密なセラミック膜を塗布する。
【0037】
ここで、多孔質チューブ支持体を構成するセラミックは、気体分離特性のない材質でもよく、セラミック膜材料と実質的に同一であるか、類似した気体分離特性を有する材質でもよい。
【0038】
多孔性チューブ型セラミック支持体は、前述した方法と同一の工程で形成される。まず、押し出しモールドの構成要素を結合し、押し出し口の末端をキャップ200で遮断した状態で、所定押し出し圧力で支持体用セラミックと有機添加剤の混合物を押し出しモールドの内部に投入する。外部モールド100と内部モールド300との間の空間に沿ってチューブの側壁を形成し、押し出し口に到達した混合物は、キャップ200の内部面に至って閉鎖構造を形成する。
【0039】
その後、キャップ200の貫通口201から混合物が外部に押し出された後、キャップ200が除去される。追加のセラミック支持体用混合物が再び押し出されて所望の長さのチューブ押し出し体側壁を形成する。
【0040】
完成されたチューブ型セラミック支持体の表面にセラミック膜混合物を塗布する。
【0041】
塗布方法としては、セラミック膜を構成するセラミックと有機物を含む混合物を利用するディッピング法又はテープキャスティング法が用いられる。
【0042】
塗布工程は、支持体を押し出して乾燥した後に行うか、又は、支持体押し出し体を900℃以下の温度で熱処理して混合物に含まれる有機添加剤を脱脂し、900℃以上の温度で熱処理してセラミック粒子間の結合力を高めた後に行うことができる。
【0043】
表面にセラミック膜混合物が塗布されたセラミックチューブ支持体は、1000〜1550℃の温度で熱処理することにより焼結する。
【0044】
このような工程で形成されたセラミック膜チューブを図11〜図13に示す。
【0045】
図11は、本発明による一連の工程で製造された一端閉鎖型セラミック膜チューブを示し、一端閉鎖部分が平面形であるマグネシア系セラミック支持体にLa0.6Sr0.4CoO3組成の酸素膜厚膜層が塗布された一端閉鎖型セラミック膜チューブを示す。
【0046】
図12は、本発明が提示する一連の工程で製造された一端閉鎖型セラミック膜チューブを示し、一端閉鎖部分が半球形であるマグネシア系セラミック支持体チューブを示す。
【0047】
図13は、気体分離用モジュールを示し、平面形閉鎖構造のセラミック支持体にセラミック膜厚膜層を塗布して熱処理して製造された4つの一端閉鎖型セラミック膜チューブを集積して製造したものである。
【0048】
本発明により製造された一端閉鎖型セラミック膜チューブは、気体反応面積が広く、高温でセラミック膜の熱膨張が制限されないため、熱応力がなく、開放構造の一端を常温で密封することができるので、気体漏れを容易に防止できる。
【0049】
以上、好ましい実施形態に基づいて本発明を説明してきたが、当業者であれば特許請求の範囲の技術的思想の範囲内で多様な変形及び改良が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】チューブ型セラミック気体分離膜の構造及び作用を示す模式図である。
【図2】本発明による押し出しモールドの外部モールドを示す斜視図である。
【図3】本発明による押し出しモールドの外部モールドを示す断面図である。
【図4】本発明による押し出しモールドの押し出し口末端に装着される円筒形キャップの斜視図である。
【図5】本発明による押し出しモールドの押し出し口末端に装着される円筒形キャップの断面図である。
【図6】本発明による押し出しモールドの押し出し口末端に装着される円筒形キャップの断面図である。
【図7】本発明による押し出しモールドの内部モールドの斜視図である。
【図8】本発明による押し出しモールドの内部モールドの断面図である。
【図9】本発明による押し出しモールドの内部モールドを他の角度から見た斜視図である。
【図10】各部品が結合された本発明の押し出しモールドを示す断面図である。
【図11】一端閉鎖部分が平面形であるセラミック支持体にセラミック膜厚膜を塗布して製造された一端閉鎖型セラミック膜チューブの斜視図である。
【図12】一端閉鎖部分が半球形であるセラミック支持体チューブの斜視図である。
【図13】4つの一端閉鎖型セラミック膜チューブを集積して製造された気体分離装置の斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック膜チューブ用モールド及びこれを利用したセラミック膜チューブ製造方法に関し、より詳しくは、集積化が容易で、気体分離効率が高い一端閉鎖型チューブ構造を有するセラミック膜の製造方法及びこのための押し出しモールドに関する。
【背景技術】
【0002】
多成分系セラミック膜は、相対密度90%以上の緻密な構造を有するとともに、約500℃以上の温度で電気化学的駆動力によるイオンの拡散を利用して所望の気体を選択的に透過及び分離できる機能を有する分離膜である。イオンの自発的で持続的な拡散のためには、電気的中性が維持されなければならないので、電子の移動が必須である。従って、緻密質セラミック膜は、膜自体が混合イオン−電子伝導性を有するか、イオン伝導体及び電子伝導体の複合構造で構成される。ここで、分離される純粋な気体成分は、酸素、水素又は二酸化炭素を含む。
【0003】
純粋な酸素を分離できる緻密質酸素分離膜としては、La1-xAxB′1-yB″yO3-δ(ここで、AはBa、Srなどの陽イオンであり、B′及びB″は、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Al、Ga又はGeなどの陽イオンであり、xは、0.05〜1.0の範囲であり、yは、0〜1.0の範囲である)組成のペロブスカイト構造酸化物又はパイロクロア構造酸化物が使用される。また、3価陽イオンが一部置換されたジルコニア又はセリアなどの蛍石構造酸化物が使用される。
【0004】
純粋な水素を分離できる緻密質水素分離膜としては、Y、Yb、Eu、Yb又はGdなどの陽イオンが少量添加されたABO3-δ(ここで、Aは、Ba、Srなどの陽イオンであり、Bは、Ce、Zr、Tiなどの陽イオンである)組成のペロブスカイト構造酸化物が使用される。純粋な二酸化炭素を分離できる二酸化炭素分離膜としては、炭酸リチウム、炭酸カリウム又は炭酸ナトリウム組成の塩と支持体とから構成される分離膜構造体が使用される。
【0005】
多量の気体を分離するためには、セラミック膜を集積しなければならず、集積に使われる個別セラミック膜は、平坦型又はチューブ型に製造される。平坦型分離膜は、成形及び分離膜の積層が容易であるが、大面積化が困難であり、高温密封が必要な領域が広いため、気体が漏れる恐れがあるという短所がある。
【0006】
これに対して、チューブ型分離膜は、構造的安定性に優れており、大面積化が可能で、密封が容易であるが、成形が困難であり、単位分離膜を集積することが難しいという短所がある。
【0007】
一方、チューブ型構造のうち、一端が閉鎖された一端閉鎖型チューブ構造は、チューブ型構造の長所を有するとともに、投入気体の利用効率が高く、分離膜の高温熱膨張による応力がなく、開放された一端のみを密封すればよいという長所がある。
【0008】
図1は、一端閉鎖型チューブ型分離膜10の構造を示す模式図である。
【0009】
分離膜は、チューブ胴部12と、この胴部12の端部に連結された末端キャップ14とが一体に形成されている。気体分離過程で、内部に通路が形成された気体注入管20が分離膜の内部に挿入される。注入管20から供給される気体(例えば、窒素と酸素の混合気体)の場合、気体が分離膜に衝突すると、酸素はイオン状態に拡散して分離膜を通過する。それに対して、窒素は、分離膜を透過することができず、外部に逃げる。このような気体分離過程において、分離膜の構造が緻密で、気孔がないと、気体が漏れることなく、気体分離効率が向上する。
【0010】
分離膜の端部、すなわち、円筒形チューブの閉鎖末端部は、通常のチューブとの接合により形成される。大韓民国公開特許第2001−42562号明細書には、固体酸化物燃料電池(SOFC)の空気極に適用される一端閉鎖型チューブ構造物が開示されている。この構造物の場合、セラミック燃料電池用空気極チューブの末端にキャップを接続して複合ジョイントを形成し、成形された構造物を加熱して焼結することにより空気極チューブを完成する。
【0011】
しかし、このような一端閉鎖型チューブ構造物は、チューブの一端を閉鎖するためにキャップとチューブ胴部を有機混合物を利用して接着するため、後に熱処理をしても結合面から気体が漏れない緻密な焼結体構造を得ることが難しい。すなわち、図1のチューブ型分離膜において、A部分に予想外の気孔が形成されたり、欠陥が発生するという問題点がある。
【0012】
従って、チューブ構造物及びその製造方法は、セラミック燃料電池空気極チューブには適用できるが、本発明に関する緻密質構造のセラミック膜には適用できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、微細構造が緻密であり、気孔や欠陥がない一端閉鎖型セラミック膜チューブ用押し出しモールドを製造することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、一端閉鎖型セラミック膜チューブを簡単かつ経済的な工程で、欠陥が発生しないように製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
このような目的を達成するための本発明の一態様によるセラミック膜チューブ用押し出しモールドは、円筒形の内部空間を有し、前後両端が開放された外部モールドと、外部モールドの前端に結合され、外部と連結される貫通口が形成された押し出し口末端キャップと、外部モールドの内部空間に設置され、押し出し口末端キャップの内側と離隔して外部モールドの内部直径より小さい外部直径を有する第1円筒形部材、及び外部モールドの内部直径と同一の外部直径を有する第2円筒形部材を備える内部モールドと、を含む。
【0016】
外部モールドの一側には貫通口が形成され、内部モールドには長手方向に内部を貫通して第2円筒形部材の一側に延びる内部通路が形成され、押し出し工程時に、内部通路は、外部モールドの貫通口に連結される。
【0017】
また、このような目的を達成するための本発明の一実施形態による一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法は、外部モールド及び内部モールドから構成される押し出しモールドの押し出し口末端にキャップを取り付ける段階と、押し出しモールドの外部モールドと内部モールドとの間の空間にセラミック膜混合物を供給して押し出しを行う段階と、セラミック膜混合物が押し出し口末端の空間を充填して閉鎖構造を形成すると、キャップを除去する段階と、押し出しモールドの外部モールドと内部モールドとの間の空間にセラミック膜混合物をさらに供給して押し出しを継続して行うことにより、所定長さの押し出し体を得る段階と、を含む。
【0018】
また、本発明の他の実施形態による一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法は、外部モールド及び内部モールドから構成される押し出しモールドの押し出し口末端にキャップを取り付ける段階と、押し出しモールドの外部モールドと内部モールドとの間の空間にセラミック混合物を供給して押し出しを行う段階と、セラミック混合物が押し出し口末端の空間を充填して閉鎖構造を形成すると、キャップを除去する段階と、押し出しモールドの外部モールドと内部モールドとの間の空間にセラミック混合物をさらに供給して押し出しを継続して行うことにより、所定長さのセラミック押し出し体を得る段階と、押し出し体の表面にセラミック混合物と同種又は異種のセラミック膜混合物を塗布する段階と、を含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、気孔や欠陥がない緻密な構造の一端閉鎖型セラミック膜チューブを製造することができる。特に、セラミック膜チューブの押し出し過程で押し出し成形密度を制御することができ、連続的な工程により均一な形態のチューブ構造の大量生産を容易にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明による一端閉鎖型セラミック膜チューブを製造するために使用される押し出しモールドは、3つの部分に区分される。
【0021】
図2及び図3は、押し出しモールドを構成する第1要素である円筒形の外部モールド100を示す図である。外部モールド100は、両端が開放されており、中空の円筒形に形成される。外部モールド100の前方部101は押し出し口に該当し、押し出し工程時に末端キャップが連結される部位である。後方部102は、前方部101とサイズが異なるが、このような形状に限定されるものではなく、後方部102の一側には外部モールド100の内側と外側を連結する貫通口103が形成される。この貫通口103は、後述する内部モールドの一部分と連結され、押し出し過程中の押し出しモールド内部の圧力を外部と同一に維持する。
【0022】
後方部102の端部には、セラミック膜の原料となるセラミック粉末、溶媒、及び結合剤が所定割合で混合された非熱処理混合物がB方向に投入される。
【0023】
図4〜図6は、押し出しモールドの第2要素である押し出し口末端キャップ200を示す図である。キャップ200は、押し出しモールドの押し出し口、すなわち、外部モールドの前方部101の端部に結合されて押し出しモールドの一端を閉鎖する。従って、押し出し工程により得られるセラミック膜チューブが一端閉鎖構造に形成される。キャップ200の中央には貫通口201が形成され、この貫通口201は、押し出しモールドにより一端が閉鎖された形態に押し出されるセラミック膜混合物に加えられる押し出し成形圧を調節する役割を果たす。このような押し出し成形圧の調節については、製造方法に関連して詳細に後述する。押し出し口末端キャップ200は、外部モールド100の前方部101と多様な方式で結合される。例えば、ボルトのような締結手段で結合することもでき、前記キャップ200の内周面と外部モールド100の前方部101の外部面にそれぞれねじ山を形成して螺合することもできる。
【0024】
押し出し口末端キャップ200の内部面、すなわち、押し出しモールドの内部端部に該当する面は、半円形(図5を参照)又は平面形(図6を参照)などに形成することができる。
【0025】
図7〜図9は、押し出しモールドの第3要素である、外部モールドの内部に挿入される円筒形の内部モールド300を示す図である。内部モールド300は、所定厚さの押し出し体を得ることができるように、外部モールド100に該外部モールド100の内部面と所定間隔を離隔して結合された(すなわち、外部モールド100の内径より小さい外径を有する)円筒形の第1部材301と、内部モールド300が外部モールド100の内部に堅く結合されるように、外部モールド100の内径と同一の外径を有する第2部材302とから構成される。第2部材302は、図7及び図9に示すように、押し出しモールドに押し出し用混合物が充填できる通路を備える。
【0026】
内部モールド300の中央には第1部材301の一端から長手方向に内部通路304が形成され、内部通路304は、第2部材302の外周面上の所定部分に露出する外部ホール305まで延びている。通路304は、押し出しモールドの内部を外部と連結し、押し出し過程で円筒形の押し出し体が形成されるとき、押し出し体の内部の圧力を押し出しモールド外部の圧力と同一に維持することにより、押し出し体の内部の低い圧力により押し出し体が陥没することを防止する。
【0027】
内部モールド300の第2部材302の端部には、円錐形の突出部303が形成される。この突出部303は、押し出し用混合物が投入される流入部に該当し、混合物の混合を促進する。混合物の流動に及ぼす影響を最小化するために、突出部303は、第2部材302の3部分により支持される円錐形の構造が好ましい。
【0028】
図10は、前述したそれぞれの外部モールド100及び内部モールド300とキャップ200との結合状態を示す。内部モールド300は、外部モールド100の内部空間に挿入されて固定される。外部モールド100の内周面は、押し出し体が所定厚さで押し出されるように、内部モールド300の外周面から所定間隔(ギャップ)離隔して位置する。一方、キャップ200が外部モールド100の一端、すなわち、押し出し口の末端に結合されるので、押し出し過程で押し出し体が一端閉鎖構造となる。
【0029】
以下、図10に示す押し出しモールドを参照して本発明による一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法を説明する。
【0030】
まず、図示されているように、押し出し口の末端をキャップ200で閉鎖した状態で、適切な押し出し圧力で外部モールド100の端部、すなわち、内部モールド300の第2部材302の端部にセラミック膜用セラミックと有機添加物の混合物を投入する。投入される混合物は、外部モールド100と内部モールド300との間の空間を移動してチューブの側壁を形成する。押し出し口、すなわち、外部モールド100の前方部101の端部に到達した混合物は、キャップ200の内部面に至って閉鎖構造を形成する。このようなメカニズムにより、本発明による一端閉鎖型セラミック膜チューブは、別途の接合工程を経ることなく、チューブ胴部とチューブ端部が一体に形成される。従って、最終的に完成されたチューブは、端部の好ましくない気孔による気体漏れが発生することを防止する。
【0031】
押し出し体の一端が閉鎖構造を形成した後、押し出し口末端キャップ200を除去して継続的に押し出し過程を行うことにより、所定長さのチューブ胴部を形成する。ここで、押し出し口末端キャップ200の内部空間が外部と断絶されている場合、押し出される混合物が閉鎖構造を形成する時点を認知することができず、持続的な押し出しにより混合物にかかる圧力が増加する。従って、最終的に完成されたチューブ型押し出し体の成形密度を制御することができなくなり、チューブの各部位に均一な成形密度を保障することができない。
【0032】
本発明においては、キャップ200の中央に外部に連結された貫通口201を提供することにより、押し出し体成形密度を制御することができる。押し出しが行われてキャップ200の貫通口201から混合物が外部に押し出された直後に、押し出し工程を停止してキャップ200が除去される。貫通口201のサイズが異なるキャップ200を使用すると、チューブを形成する混合物の成形密度を制御することができる。押し出し体の閉鎖された端部の形状は、押し出し口末端キャップ200の内部面の形状によって平面形又は半球形に形成することができ、キャップ200の形状を変更することにより、他の変形形態も可能となる。
【0033】
チューブが所望の長さとなるまで、セラミック膜混合物の押し出しが継続して行われる。この過程で、形成されるチューブの内部が外部大気から断絶されている場合、継続的な押し出しによりチューブ内部は真空となるので、チューブは陥没する。本発明において、長手方向に形成されて内部モールド300の後端の一側に延びる通路304が形成され、通路304が外部モールド100の貫通口103に連結されることにより、押し出し過程中の円筒形押し出し体の内部圧力が大気と同じ圧力となる。従って、押し出しにより形成されるチューブは、陥没することがなく、均一な形態に形成される。
【0034】
所望の長さと形状に完成された押し出し体は、熱処理段階を経る。押し出し体は、まず900℃以下の温度で熱処理することにより、混合物に含まれる溶媒及び有機添加剤を揮発又は脱脂させた後、1000〜1550℃の温度で熱処理することにより焼結する。
【0035】
一方、セラミック膜の気体透過流速は、ワグナー方程式によると、セラミック膜の厚さが減少するにつれて線形的に増加する。従って、高い気体透過流速を得るためには、構造的に弱くなく、かつ緻密な構造を有するセラミック膜を薄く製造しなければならない。このために、多孔性構造の支持体にセラミック膜を厚膜状に塗布することが好ましい。
【0036】
本発明による一端閉鎖型セラミック膜チューブ製造方法をセラミック膜以外にも多孔性構造のセラミック膜支持体の製造に応用することができ、それにより、高い気体透過流速が確保されたセラミック膜を製造することができる。すなわち、本発明による製造方法により多孔質チューブ型セラミック支持体を形成し、この支持体の表面に緻密なセラミック膜を塗布する。
【0037】
ここで、多孔質チューブ支持体を構成するセラミックは、気体分離特性のない材質でもよく、セラミック膜材料と実質的に同一であるか、類似した気体分離特性を有する材質でもよい。
【0038】
多孔性チューブ型セラミック支持体は、前述した方法と同一の工程で形成される。まず、押し出しモールドの構成要素を結合し、押し出し口の末端をキャップ200で遮断した状態で、所定押し出し圧力で支持体用セラミックと有機添加剤の混合物を押し出しモールドの内部に投入する。外部モールド100と内部モールド300との間の空間に沿ってチューブの側壁を形成し、押し出し口に到達した混合物は、キャップ200の内部面に至って閉鎖構造を形成する。
【0039】
その後、キャップ200の貫通口201から混合物が外部に押し出された後、キャップ200が除去される。追加のセラミック支持体用混合物が再び押し出されて所望の長さのチューブ押し出し体側壁を形成する。
【0040】
完成されたチューブ型セラミック支持体の表面にセラミック膜混合物を塗布する。
【0041】
塗布方法としては、セラミック膜を構成するセラミックと有機物を含む混合物を利用するディッピング法又はテープキャスティング法が用いられる。
【0042】
塗布工程は、支持体を押し出して乾燥した後に行うか、又は、支持体押し出し体を900℃以下の温度で熱処理して混合物に含まれる有機添加剤を脱脂し、900℃以上の温度で熱処理してセラミック粒子間の結合力を高めた後に行うことができる。
【0043】
表面にセラミック膜混合物が塗布されたセラミックチューブ支持体は、1000〜1550℃の温度で熱処理することにより焼結する。
【0044】
このような工程で形成されたセラミック膜チューブを図11〜図13に示す。
【0045】
図11は、本発明による一連の工程で製造された一端閉鎖型セラミック膜チューブを示し、一端閉鎖部分が平面形であるマグネシア系セラミック支持体にLa0.6Sr0.4CoO3組成の酸素膜厚膜層が塗布された一端閉鎖型セラミック膜チューブを示す。
【0046】
図12は、本発明が提示する一連の工程で製造された一端閉鎖型セラミック膜チューブを示し、一端閉鎖部分が半球形であるマグネシア系セラミック支持体チューブを示す。
【0047】
図13は、気体分離用モジュールを示し、平面形閉鎖構造のセラミック支持体にセラミック膜厚膜層を塗布して熱処理して製造された4つの一端閉鎖型セラミック膜チューブを集積して製造したものである。
【0048】
本発明により製造された一端閉鎖型セラミック膜チューブは、気体反応面積が広く、高温でセラミック膜の熱膨張が制限されないため、熱応力がなく、開放構造の一端を常温で密封することができるので、気体漏れを容易に防止できる。
【0049】
以上、好ましい実施形態に基づいて本発明を説明してきたが、当業者であれば特許請求の範囲の技術的思想の範囲内で多様な変形及び改良が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】チューブ型セラミック気体分離膜の構造及び作用を示す模式図である。
【図2】本発明による押し出しモールドの外部モールドを示す斜視図である。
【図3】本発明による押し出しモールドの外部モールドを示す断面図である。
【図4】本発明による押し出しモールドの押し出し口末端に装着される円筒形キャップの斜視図である。
【図5】本発明による押し出しモールドの押し出し口末端に装着される円筒形キャップの断面図である。
【図6】本発明による押し出しモールドの押し出し口末端に装着される円筒形キャップの断面図である。
【図7】本発明による押し出しモールドの内部モールドの斜視図である。
【図8】本発明による押し出しモールドの内部モールドの断面図である。
【図9】本発明による押し出しモールドの内部モールドを他の角度から見た斜視図である。
【図10】各部品が結合された本発明の押し出しモールドを示す断面図である。
【図11】一端閉鎖部分が平面形であるセラミック支持体にセラミック膜厚膜を塗布して製造された一端閉鎖型セラミック膜チューブの斜視図である。
【図12】一端閉鎖部分が半球形であるセラミック支持体チューブの斜視図である。
【図13】4つの一端閉鎖型セラミック膜チューブを集積して製造された気体分離装置の斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形の内部空間を有し、前後両端が開放された外部モールドと、
前記外部モールドの前端に結合され、外部と連結される貫通口が形成された押し出し口末端キャップと、
前記外部モールドの内部空間に設置され、前記押し出し口末端キャップの内側と離隔して前記外部モールドの内部直径より小さい外部直径を有する第1円筒形部材、及び前記外部モールドの内部直径と同一の外部直径を有する第2円筒形部材を備える内部モールドと、
を含むことを特徴とする、
セラミック膜チューブ用押し出しモールド。
【請求項2】
前記押し出し口末端キャップの内側形状は、平面形であることを特徴とする、請求項1に記載のセラミック膜チューブ用押し出しモールド。
【請求項3】
前記押し出し口末端キャップの内側形状は、半球形であることを特徴とする、請求項1に記載のセラミック膜チューブ用押し出しモールド。
【請求項4】
前記外部モールドの一側には貫通口が形成され、前記内部モールドには長手方向に内部を貫通して第2円筒形部材の一側に延びる内部通路が形成され、前記外部モールドの貫通口と前記内部モールドの内部通路は連通していることを特徴とする、請求項1に記載のセラミック膜チューブ用押し出しモールド。
【請求項5】
前記内部モールドの第2円筒形部材の端部は、円錐形であることを特徴とする、請求項1に記載のセラミック膜チューブ用押し出しモールド。
【請求項6】
外部モールド及び内部モールドから構成される押し出しモールドの押し出し口末端に、中央に貫通口が形成されたキャップを取り付ける段階と、
前記押し出しモールドの外部モールドと内部モールドとの間の空間にセラミック膜混合物を供給して押し出しを行う段階と、
前記セラミック膜混合物が前記貫通口から押し出されると押し出し口末端の空間を充填して閉鎖構造を形成すると、前記キャップを除去する段階と、
前記押し出しモールドの外部モールドと内部モールドとの間の空間にセラミック膜混合物をさらに供給して押し出しを継続して行うことにより、所定長さの押し出し体を得る段階と、
を含むことを特徴とする、
一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項7】
前記キャップに形成された貫通口のサイズを調節することにより、前記セラミック膜混合物の成形密度を制御することを特徴とする、請求項6に記載の一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項8】
前記押し出しモールドの内部圧力は、外部圧力と同一に維持されることを特徴とする、請求項6に記載の一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項9】
前記押し出し体を熱処理する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項10】
外部モールド及び内部モールドから構成される押し出しモールドの押し出し口末端をキャップで遮断する段階と、
前記押し出しモールドの外部モールドと内部モールドとの間の空間にセラミック混合物を供給して押し出しを行う段階と、
前記セラミック混合物が押し出し口末端の空間を充填して閉鎖構造を形成すると、前記キャップを除去する段階と、
前記押し出しモールドの外部モールドと内部モールドとの間の空間にセラミック混合物をさらに供給して押し出しを継続して行うことにより、所定長さのセラミック押し出し体を得る段階と、
前記押し出し体の表面に前記セラミック混合物と同種又は異種のセラミック膜混合物を塗布する段階と、
を含むことを特徴とする、
一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項11】
前記押し出し体を熱処理する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項12】
前記キャップは中央に貫通口を有し、押し出し過程で、前記貫通口から前記セラミック混合物が押し出されると、前記押し出しモールドから除去されることを特徴とする、請求項10に記載の一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項13】
前記キャップに形成された貫通口のサイズを調節することにより、前記セラミック混合物の成形密度を制御することを特徴とする、請求項12に記載の一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項14】
前記押し出しモールドの内部圧力は、外部圧力と同一に維持されることを特徴とする、請求項10に記載の一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項15】
前記セラミック膜混合物は、ディッピング法で塗布されることを特徴とする、請求項10に記載の一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項16】
前記セラミック膜混合物は、キャスティングした後に乾燥されたテープを利用して塗布されることを特徴とする、請求項10に記載の一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項1】
円筒形の内部空間を有し、前後両端が開放された外部モールドと、
前記外部モールドの前端に結合され、外部と連結される貫通口が形成された押し出し口末端キャップと、
前記外部モールドの内部空間に設置され、前記押し出し口末端キャップの内側と離隔して前記外部モールドの内部直径より小さい外部直径を有する第1円筒形部材、及び前記外部モールドの内部直径と同一の外部直径を有する第2円筒形部材を備える内部モールドと、
を含むことを特徴とする、
セラミック膜チューブ用押し出しモールド。
【請求項2】
前記押し出し口末端キャップの内側形状は、平面形であることを特徴とする、請求項1に記載のセラミック膜チューブ用押し出しモールド。
【請求項3】
前記押し出し口末端キャップの内側形状は、半球形であることを特徴とする、請求項1に記載のセラミック膜チューブ用押し出しモールド。
【請求項4】
前記外部モールドの一側には貫通口が形成され、前記内部モールドには長手方向に内部を貫通して第2円筒形部材の一側に延びる内部通路が形成され、前記外部モールドの貫通口と前記内部モールドの内部通路は連通していることを特徴とする、請求項1に記載のセラミック膜チューブ用押し出しモールド。
【請求項5】
前記内部モールドの第2円筒形部材の端部は、円錐形であることを特徴とする、請求項1に記載のセラミック膜チューブ用押し出しモールド。
【請求項6】
外部モールド及び内部モールドから構成される押し出しモールドの押し出し口末端に、中央に貫通口が形成されたキャップを取り付ける段階と、
前記押し出しモールドの外部モールドと内部モールドとの間の空間にセラミック膜混合物を供給して押し出しを行う段階と、
前記セラミック膜混合物が前記貫通口から押し出されると押し出し口末端の空間を充填して閉鎖構造を形成すると、前記キャップを除去する段階と、
前記押し出しモールドの外部モールドと内部モールドとの間の空間にセラミック膜混合物をさらに供給して押し出しを継続して行うことにより、所定長さの押し出し体を得る段階と、
を含むことを特徴とする、
一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項7】
前記キャップに形成された貫通口のサイズを調節することにより、前記セラミック膜混合物の成形密度を制御することを特徴とする、請求項6に記載の一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項8】
前記押し出しモールドの内部圧力は、外部圧力と同一に維持されることを特徴とする、請求項6に記載の一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項9】
前記押し出し体を熱処理する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項10】
外部モールド及び内部モールドから構成される押し出しモールドの押し出し口末端をキャップで遮断する段階と、
前記押し出しモールドの外部モールドと内部モールドとの間の空間にセラミック混合物を供給して押し出しを行う段階と、
前記セラミック混合物が押し出し口末端の空間を充填して閉鎖構造を形成すると、前記キャップを除去する段階と、
前記押し出しモールドの外部モールドと内部モールドとの間の空間にセラミック混合物をさらに供給して押し出しを継続して行うことにより、所定長さのセラミック押し出し体を得る段階と、
前記押し出し体の表面に前記セラミック混合物と同種又は異種のセラミック膜混合物を塗布する段階と、
を含むことを特徴とする、
一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項11】
前記押し出し体を熱処理する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項12】
前記キャップは中央に貫通口を有し、押し出し過程で、前記貫通口から前記セラミック混合物が押し出されると、前記押し出しモールドから除去されることを特徴とする、請求項10に記載の一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項13】
前記キャップに形成された貫通口のサイズを調節することにより、前記セラミック混合物の成形密度を制御することを特徴とする、請求項12に記載の一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項14】
前記押し出しモールドの内部圧力は、外部圧力と同一に維持されることを特徴とする、請求項10に記載の一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項15】
前記セラミック膜混合物は、ディッピング法で塗布されることを特徴とする、請求項10に記載の一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【請求項16】
前記セラミック膜混合物は、キャスティングした後に乾燥されたテープを利用して塗布されることを特徴とする、請求項10に記載の一端閉鎖型セラミック膜チューブの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2008−531335(P2008−531335A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556986(P2007−556986)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【国際出願番号】PCT/KR2006/005349
【国際公開番号】WO2007/067011
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(507286840)コリア インスティテュート オブ エナジー リサーチ (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【国際出願番号】PCT/KR2006/005349
【国際公開番号】WO2007/067011
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(507286840)コリア インスティテュート オブ エナジー リサーチ (3)
【Fターム(参考)】
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