説明

セラミック電子部品

【課題】積層セラミックコンデンサのようなセラミック電子部品において、外部電極が、金属粉末、ガラス粉末、有機バインダおよび有機溶剤を含む導電性ペーストを焼成することによって形成された下層と、金属粉末、熱硬化性樹脂および有機溶剤を含む導電性ペーストを熱硬化することによって形成された上層とを備え、かつ、部品本体の各端面から側面の一部にまで回り込むように形成されているとき、高温のはんだに浸漬した際、上層の端縁部分が剥離することがある。
【解決手段】外部電極11における上層13の、部品本体3の端面5に沿って位置する部分の外面の位置を基点としてそれぞれ測定した、下層12の、側面6への回り込み部分の端縁までの長さをA[μm]とし、上層13の、側面6への回り込み部分の端縁までの長さをB[μm]としたとき、0≦A−B≦36の関係を満たすようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、セラミック電子部品に関するもので、特に、セラミック電子部品に備える外部電極の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この発明にとって興味あるセラミック電子部品として、たとえば、特開平11−219849号公報(特許文献1)または特開平10−284343号公報(特許文献2)に記載されたものがある。これら特許文献1および2に記載のセラミック電子部品は、相対向する2つの端面およびこれら2つの端面間を連結する4つの側面を有する、直方体状の部品本体と、部品本体のいずれかの端面にまで引き出されるように、部品本体の内部に形成される、内部電極と、いずれかの内部電極に電気的に接続されるように、部品本体の端面上にそれぞれ形成される、外部電極とを備えている。
【0003】
上記外部電極は、金属粉末、ガラス粉末、有機バインダおよび有機溶剤を含む導電性ペーストを焼成することによって形成された下層と、この下層上に位置するものであって、金属粉末、熱硬化性樹脂および有機溶剤を含む導電性ペーストを熱硬化することによって形成された上層とを備えている。また、外部電極は、部品本体の各端面から側面の一部にまで回り込むように形成されている。
【0004】
このようなセラミック電子部品の外部電極について、特許文献1および2では、上層が下層を全面的に覆うばかりでなく、上層が下層の端縁をさらに超えて部品本体の側面上で延びるように形成されることが記載されている。
【0005】
より特定的には、特許文献1では、上層が下層の端縁より0.05mm以上長く延びるように形成されることが好ましいとされている。これは、外部電極に外部から過度の応力が加わったときに、上層でこれを吸収し、部品本体の端部の外周で発生するクラックなどを防止するためである。特許文献1では、上述の上層が下層の端縁を超える長さが0.05mm未満であると、クラックなどの破損が顕著となると記載されている。
【0006】
特許文献2では、下層の側面上での長さが上層の側面上での長さの0.7倍以下とすることが好ましいとされている。このような構成を採用することにより、部品本体内のクラックの発生が確実に防止され、機械的強度に関する信頼性が大幅に向上される。特許文献2では、上記比率が0.7倍を超えると、限界たわみ量および温度サイクル特性が低下するとの実験結果が記載されている。
【0007】
しかしながら、特許文献1および2に記載のように、熱硬化性樹脂を含む導電性ペーストを熱硬化することによって形成された上層が、下層の端縁をさらに超えて部品本体の側面上に延びるように形成されていると、高温のはんだに浸漬した場合、上層の端縁部が部品本体の側面から剥離することがある。
【特許文献1】特開平11−219849号公報
【特許文献2】特開平10−284343号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、この発明の目的は、上述したような問題を解決し得るセラミック電子部品を提供しようとすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係るセラミック電子部品は、相対向する2つの端面およびこれら2つの端面間を連結する4つの側面を有する、セラミックからなる直方体状の部品本体と、部品本体のいずれかの端面にまで引き出されるように、部品本体の内部に形成される、内部電極と、いずれかの内部電極に電気的に接続されるように、部品本体の端面上にそれぞれ形成される、外部電極とを備えている。
【0010】
この外部電極は、金属粉末、ガラス粉末、有機バインダおよび有機溶剤を含む導電性ペーストを焼成することによって形成された下層と、下層上に位置するものであって、金属粉末、熱硬化性樹脂および有機溶剤を含む導電性ペーストを熱硬化することによって形成された上層とを備えている。また、外部電極は、部品本体の各端面から側面の一部にまで回り込むよう形成されている。
【0011】
このような構成を有するセラミック電子部品において、前述した技術的課題を解決するため、上層の、端面に沿って位置する部分の外面の位置を基点としてそれぞれ測定した、下層の、側面への回り込み部分の端縁までの長さをA[μm]とし、上層の、側面への回り込み部分の端縁までの長さをB[μm]としたとき、0≦A−B≦36の関係を満たすようにしたことを特徴としている。
【0012】
この発明は、特に積層セラミックコンデンサに対して有利に適用される。すなわち、内部電極が、一方の端面にまで引き出されかつ一方の外部電極に電気的に接続される複数の第1の内部電極と、他方の端面にまで引き出されかつ他方の外部電極に電気的に接続される複数の第2の内部電極とを備え、部品本体が、積層された複数のセラミック層からなる積層構造を備え、第1の内部電極と第2の内部電極とが、互いの間にセラミック層を介在させながら、セラミック層の積層方向に関して交互に配置され、それによって、積層セラミック電子部品が積層セラミックコンデンサを構成しているとき、この発明が特に有利に適用される。
【0013】
この発明に係るセラミック電子部品において、外部電極上にめっき膜がさらに形成されてもよい。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、まず、A−B≧0であるので、高温のはんだに浸漬しても、外部電極の上層が端縁部分において剥離することが抑制される。その理由は、次のとおりである。熱膨張係数の大小関係は、部品本体<下層<上層であるため、上層と部品本体との界面より上層と下層との界面の方が、はんだ浸漬後の冷却時に発生する残留応力が小さくなる。したがって、上層の端縁部分が、部品本体に接する構造に比べて、下層に接する構造、つまりA−B≧0の方が剥離の発生を抑制することができる。なお、剥離の発生をさらに確実に抑制するためには、A−B>0とするのが好ましい。
【0015】
この発明によれば、また、A−B≦36μmであるので、上層によるたわみ応力の緩和作用を効果的に発揮させることができる。後述する実験例からわかるように、A−B>36μmというように、下層の、側面への回り込み部分の端縁までの長さAが長くなると、たわみ応力が及ぼされたときに下層の端縁部分に応力が集中し、部品本体にクラックが発生しやすくなる。これに対して、A−B≦36μmであれば、たわみ応力を効果的に緩和でき、クラックの発生を抑制することができる。
【0016】
以上のように、この発明によれば、0≦A−B≦36μmの関係を満たすように選ばれているので、下層の剥離の抑制、およびたわみ応力による不良発生の抑制の双方を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、この発明の一実施形態によるセラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサ1を示す断面図である。
【0018】
積層セラミックコンデンサ1は、積層された複数のセラミック層2からなる積層構造を備える部品本体3を備えている。部品本体3は、直方体状をなすもので、相対向する2つの端面4および5ならびに2つの端面4および5間を連結する4つの側面6を有している。図1では、4つの側面のうち、上方および下方にそれぞれ向く2つの側面6が図示されている。
【0019】
積層セラミックコンデンサ1は、また、部品本体3のいずれかの端面4または5にまで引き出されるように、部品本体3の内部に形成される、内部電極8および9と、いずれかの内部電極8または9に電気的に接続されるように、部品本体3の端面4および5上にそれぞれ形成される、外部電極10および11とを備えている。
【0020】
より詳細には、内部電極8および9は、一方の端面4にまで引き出されかつ一方の外部電極10に電気的に接続される複数の第1の内部電極8と、他方の端面5にまで引き出されかつ他方の外部電極11に電気的に接続される複数の第2の内部電極9とを備えている。そして、第1の内部電極8と第2の内部電極9とは、互いの間にセラミック層2を介在させながら、セラミック層2の積層方向に関して交互に配置されている。
【0021】
外部電極10および11の各々は、下層12と、下層12上に位置する上層13とを備えている。下層12は、金属粉末、ガラス粉末(フリット)、有機バインダおよび有機溶剤を混練分散することによって作製された導電性ペーストを焼成することによって形成されたものである。他方、上層13は、金属粉末、熱硬化性樹脂および有機溶剤を混練分散することによって作製された導電性ペーストを熱硬化することによって形成されたものである。
【0022】
より詳細には、下層12を形成するために用いられる導電性ペーストに含まれる金属粉末としては、たとえば、銅、銀、パラジウム、白金もしくは金、またはこれらの合金からなる粉末を用いたり、あるいは、上記複数種類の粉末を組み合わせて用いたりすることができる。金属粉末は、高い導電率を確保できる金属からなるものであることが好ましい。
【0023】
下層12を形成するために用いられる導電性ペーストに含まれるガラス粉末としては、一例として、ホウケイ酸鉛を主成分とするガラス粉末が好適に用いられるが、その他、たとえば、ホウケイ酸亜鉛系、ホウケイ酸鉛ビスマス系、バナジン酸塩系、もしくはMnやNiなどの金属を含む酸化物塩系のガラス、またはカルコゲナイドガラスからなるガラス粉末を用いたり、あるいは、上記複数種類のガラス粉末を組み合わせて用いたりすることができる。
【0024】
下層12を形成するために用いられる導電性ペーストに含まれる有機バインダとしては、一例として、メタクリル樹脂とアクリル樹脂との混合物が好適に用いられるが、その他、たとえば、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、またはブチルメタクリレートを用いたり、あるいは、上記複数種類の有機バインダを組み合わせて用いたりすることができる。
【0025】
下層12を形成するために用いられる有機溶剤としては、上記有機バインダを溶解できるものであればよく、一例として、エチレングリコールモノブチルエーテルとターピネオールとの混合物が好適に用いられるが、その他、たとえば、ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ブチルカルビトールアセテート(ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート)などのグリコールエーテル類、トルエン、キシレン、もしくはその他の各種アルコール、またはケトン類を用いたり、あるいは、上記複数種類の有機溶剤を組み合わせて用いたりすることができる。
【0026】
なお、下層12を形成するために用いられる導電性ペーストには、その他、各種の分散剤、活性剤、可塑剤等が含有されてもよい。
【0027】
上層13を形成するために用いられる導電性ペーストに含まれる金属粉末としては、前述した下層12を形成するために用いられる導電性ペーストの場合と同様の金属粉末を用いることができる。
【0028】
上層13を形成するために用いられる導電性ペーストに含まれる熱硬化性樹脂としては、一例として、主剤にビスフェノールA型エポキシ樹脂、硬化剤にノボラック型フェノール樹脂およびイミダゾールが好適に用いられるが、その他、たとえば、主剤には、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、芳香族系のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールF型エポキシ樹脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、キレート変性エポキシ樹脂、もしくは脂環式エポキシ樹脂を用いたり、あるいは、これらを組み合わせて用いたりすることができ、他方、硬化剤には、主剤がエポキシ樹脂であれば、その他、たとえば、アルカリレゾール型のフェノール樹脂、ジヒドラジド、ジシアンジアミド、脂肪族もしくは芳香族のアミン、三級アミン、酸無水物、その他有機酸もしくはその塩を用いたり、あるいは、これらを組み合わせて用いたりすることができる。
【0029】
上層13を形成するために用いられる導電性ペーストに含まれる有機溶剤としては、上述した熱硬化性樹脂を溶解できるものであればよく、一例として、ブチルカルビトールとブチルカルビトールアセテートとの混合物が好適に用いられるが、その他、たとえば、エチレングリコールモノブチルエーテルなどの他のグリコールエーテル類、トルエン、キシレン、もしくはその他各種アルコール、またはケトン類を用いたり、これらを組み合わせて用いたりすることができる。
【0030】
上層13を形成するために用いられる導電性ペーストには、さらに、分散剤、消泡剤、カップリング剤等が含有されてもよい。
【0031】
外部電極10および11上には、図1において破線で示すように、必要に応じて、めっき膜14が形成されてもよい。めっき膜14としては、好ましくは、はんだ付与性を向上させるため、まず、ニッケルめっき膜が形成され、その上に錫またははんだめっき膜が形成される。
【0032】
前述した上層13を形成するために用いられる導電性ペーストにおいて、固形分中の金属粉末の割合は、75〜95重量%の範囲内で含有されることが好ましい。また、80〜90重量%の範囲内がさらに好ましい。金属粉末が75重量%未満の場合には、上述しためっき膜14の付着性が低下することがあり、他方、95重量%を超える場合には、上層13の、下層12に対する密着性が低下することがあるためである。
【0033】
外部電極10および11は、部品本体3の端面4および5の各々から側面6の一部にまで回り込むように形成されている。図2には、外部電極11についての側面回り込み部分、すなわち図1の部分Cが拡大されて示されている。なお、図2には図示しないが、他方の外部電極10の側面回り込み部分についても実質的に同様の構造を有している。
【0034】
図2を参照して、上層13の、端面5に沿って位置する部分の外面の位置を基点としてそれぞれ測定した、下層12の、側面6への回り込み部分の端縁までの長さをA[μm]とし、上層13の、側面6への回り込み部分の端縁までの長さをB[μm]としたとき、0≦A−B≦36の関係を満たすようにされている。これによって、前述したように、熱硬化性樹脂を含む導電性ペーストの熱硬化によって形成された上層13の端縁部分での剥離が生じにくくなり、同時に、たわみ応力が緩和され、クラックの発生を抑制することができる。
【0035】
次に、この発明による効果を確認するために実施した実験例について説明する。
【0036】
(実験例1)
1.2mm×1.2mm×2.0mmの寸法を有する積層セラミックコンデンサのための部品本体を用意した。
【0037】
他方、表1に示すような配合の下層用導電性ペーストを用意した。
【0038】
【表1】

【0039】
次に、上記下層用導電性ペーストを鉄板上に約400μmの厚みとなるようにスキージし、そこに、上記部品本体の一方端面側を浸漬し、部品本体の一方端面側に導電性ペーストを塗布した。この浸漬において、引上および引下速度をともに0.5mm/秒とし、下死点で1秒間保持した。次いで、160℃の温度を15分間付与することによって、導電性ペーストを乾燥させた。
【0040】
次に、部品本体の他方端面側に対しても、同様の方法により、下層用導電性ペーストを塗布し、乾燥させた。
【0041】
次に、窒素雰囲気中において、温度840℃、1時間の条件で焼成し、部品本体の両端部に下層をまず形成した。
【0042】
他方、表2に示すような配合の上層用導電性ペーストを用意した。
【0043】
【表2】

【0044】
上記上層用導電性ペーストを鉄板上に約50μm〜約700μmの範囲で14種類の厚みとなるようにそれぞれスキージし、それぞれに、上記部品本体の一方端面側を浸漬し、部品本体の一方端面側にある下層上に上層用導電性ペーストを塗布した。この浸漬において、引上および引下速度をともに0.5mm/秒とし、下死点で1秒間保持した。次いで、150℃の温度を15分間付与することによって、上層用導電性ペーストを乾燥させた。
【0045】
次に、部品本体の他方端面側に対しても、同様の方法により、上層用導電性ペーストを塗布し、乾燥させた。
【0046】
次に、大気中において、175℃の温度を5時間付与することによって、上層用導電性ペーストを熱硬化し、上層を形成した。
【0047】
このようにして得られた各試料について、下層の側面回り込み長さ(A)と上層の側面回り込み長さ(B)とを金属顕微鏡で測定した。その結果が表3に示されている。なお、これらの側面回り込み長さは、鉄板上にスキージされた上層用導電性ペーストおよび下層用導電性ペーストの厚みよりも長くなっているが、これは浸漬時に部品本体に濡れ上がっているためである。
【0048】
次に、下層および上層からなる外部電極上に、湿式電解バレル法を適用して、約3μmの厚みのニッケルめっき膜、およびその上に約3μmの厚みの錫めっき膜を形成した。
【0049】
その後、各試料について、高温暴露試験およびたわみ試験を実施した。
【0050】
高温暴露試験では、350℃の温度に加熱した共晶はんだ浴(千住金属工業株式会社製「H60A」)に各試料を20秒間浸漬した後、外部電極状態を100倍の金属顕微鏡で観察し、試料数20個に対して、上層に剥離が生じている試料数の比率を不良率として求めた。
【0051】
たわみ試験では、共晶はんだを用いて各試料に係る積層セラミックコンデンサを実装した状態で、JIS限界試験(AE法)によるたわみ試験を実施し、試料数20個に対して、たわみが5mmのときに不良が発生した個数の比率を不良率として求めた。
【0052】
これらの不良率が表3に示されている。
【0053】
【表3】

【0054】
表3からわかるように、0≦A−B≦36[μm]の関係を満たしている試料6〜8によれば、高温暴露試験およびたわみ試験の双方について不良が発生しなかった。
【0055】
(実験例2)
1.6mm×1.6mm×3.2mmの寸法を有する積層セラミックコンデンサのための部品本体を用いたこと、下層用導電性ペーストの塗布に当たって約650μmの厚みとなるようにスキージしたこと、ならびに、上層用導電性ペーストの塗布にあたって約150〜約950μmの厚みとなるようにスキージしたことを除いて、実験例1と同様の工程を経て試料となる積層セラミックコンデンサを作製し、実験例1の場合と同様の条件で高温暴露試験およびたわみ試験を実施した。これらの結果が表4に示されている。
【0056】
【表4】

【0057】
表4からわかるように、0≦A−B≦36[μm]の関係を満たす試料25〜27によれば、高温暴露試験およびたわみ試験の双方について不良が発生しなかった。
【0058】
なお、上記の実験例では、1.2mm×1.2mm×2.0mmの寸法および1.6mm×1.6mm×3.2mmの寸法を有する積層セラミックコンデンサを用いたが、これら以外の寸法を有する積層セラミックコンデンサを用いた場合も同様の効果を奏する。
【0059】
以上、この発明を、積層セラミックコンデンサに向けられる実施形態について説明したが、この発明は、積層セラミックコンデンサ以外の積層セラミック電子部品、さらに、積層構造を備えないセラミック電子部品に対しても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】この発明の一実施形態によるセラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサ1を示す断面図である。
【図2】図1の部分Cを拡大して示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1 積層セラミックコンデンサ
2 セラミック層
3 部品本体
4,5 端面
6 側面
8,9 内部電極
10,11 外部電極
12 下層
13 上層
14 めっき膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対向する2つの端面および前記2つの端面間を連結する4つの側面を有する、セラミックからなる直方体状の部品本体と、
前記部品本体のいずれかの前記端面にまで引き出されるように、前記部品本体の内部に形成される、内部電極と、
いずれかの前記内部電極に電気的に接続されるように、前記部品本体の前記端面上にそれぞれ形成される、外部電極と
を備え、
前記外部電極は、金属粉末、ガラス粉末、有機バインダおよび有機溶剤を含む導電性ペーストを焼成することによって形成された下層と、前記下層上に位置するものであって、金属粉末、熱硬化性樹脂および有機溶剤を含む導電性ペーストを熱硬化することによって形成された上層とを備え、
前記外部電極は、前記部品本体の各前記端面から前記側面の一部にまで回り込むよう形成されていて、
前記上層の、前記端面に沿って位置する部分の外面の位置を基点としてそれぞれ測定した、前記下層の、前記側面への回り込み部分の端縁までの長さをA[μm]とし、前記上層の、前記側面への回り込み部分の端縁までの長さをB[μm]としたとき、
0≦A−B≦36
の関係を満たす、
セラミック電子部品。
【請求項2】
前記内部電極は、一方の前記端面にまで引き出されかつ一方の前記外部電極に電気的に接続される複数の第1の内部電極と、他方の前記端面にまで引き出されかつ他方の前記外部電極に電気的に接続される複数の第2の内部電極とを備え、前記部品本体は、積層された複数のセラミック層からなる積層構造を備え、前記第1の内部電極と前記第2の内部電極とは、互いの間に前記セラミック層を介在させながら、前記セラミック層の積層方向に関して交互に配置され、それによって、積層セラミックコンデンサを構成している、請求項1に記載のセラミック電子部品。
【請求項3】
前記外部電極上に形成されるめっき膜をさらに備える、請求項1または2に記載のセラミック電子部品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−71926(P2008−71926A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−249124(P2006−249124)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】