説明

セル境界を横切っておよび/または異なる送信方式で、放送およびマルチキャストコンテンツのシームレス配信のための方法および関連装置

【課題】セル境界を横切って、および/または一地点対多地点(PTM)および二地点間(PTP)のような異なる送信方式間でコンテンツのシームレス配信を可能にする。
【解決手段】異なるストリームを調節し、そのような移行の間に各データ・ブロックからコンテンツを回復するメカニズムがまた提供され、その結果データは移行中に失われない。さらに、受信端末において復号中にデータを再整列させるためのメカニズムも提供される。

【発明の詳細な説明】
【関連技術】
【0001】
35U.S.C.§119の下における優先権主張
本特許出願は2003年8月21日出願の“Method and Apparatus for Seamless Delivery of Broadcast and Multicast Content Across Cell Borders and/or Between Different Transmission Schemes”と題する仮出願第60/497,457号、及び2003年8月21日出願の“L2 Design for Outer Coding Scheme”と題する仮出願第60/497,456号に対する優先権を要求するものであり、双方共にこの譲請人に譲渡され、且つ引例としてここに特に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は一般に通信システムに関係し、特に放送(broadcast)及びマルチキャスト(multicast)コンテンツの配送に関係する。
【背景技術】
【0003】
無線通信システムは伝統的に音声トラヒック及び低データ伝送率非音声トラヒックを搬送するために使用されてきた。今日、ビデオ、データ、及び他形式のトラヒックといった高データ転送率(HDR)マルチメディア・トラヒックを搬送する無線通信システムが実施されつつある。マルチメディア放送及びマルチキャストサービス(MBMS)チャネルは無線放送、テレビ放送、映画、及び他の形式のオーディオ或いはビデオコンテンツといった音声、オーディオ及びビデオ・データ源に基づいてストリーミング・アプリケーションを伝送するために使用される。ストリーミング・データ源は時々断続し、且つ一般的に圧縮されるために、遅延及びある程度の損失またはビット誤りを許容することができる。従って、無線接続ネットワーク(Radio Access Network:RAN)において到着する伝送のデータ伝送率は非常に変動する。アプリケーション・バッファは一般的に有限であるので、変動する源データ伝送率(data rate)に対応するMBMS伝送機構が必要とされる。
【0004】
基地局は一般的に大抵は複数のパケットにまとめられた情報信号を伝送することによってそのようなマルチメディア・トラヒック・サービスを加入者局に提供する。パケットはデータ(ペイロード)及び制御要素を含む一群のバイトであり、それらは特定のフォーマットに配列される。制御要素は、例えば、巡回冗長度検査(CRC)、パリティ・ビット、及び他の形式の計量基準を含むプリアンブル及び品質計量基準を含む。パケットは通信チャネル構造に従ってメッセージ中に通常フォーマットされる。メッセージは発信端末と目的端末との間を往来し、信号対雑音比、時間変動、及び他のそのような特性などの通信チャネルの特性による影響を受ける。そのような特性は異なる通信チャネルにおいて異なって変調信号に影響を及ぼす。他の考慮事項では、無線通信チャネル上における変調情報信号の伝送は変調信号における情報を保護する適切な方法の選択を必要とする。そのような方法は、例えば、符号化、シンボルの繰返し、及び当業者に既知の他の方法を含む。しかしながら、これらの方法はオーバーヘッドを増大させる。従って、メッセージ配送の信頼性とオーバーヘッドの量との間の技術的妥協がなされなければならない。
【0005】
オペレータは一般的にMBMSコンテンツを受取ることに関心を持つ加入者局またはユーザー装置(UE)の数に応じてセル基準によってセル上の二地点間(PointーtoーPoint:PTP)接続か一地点対多地点(PointーtoーMultipoint:PTM)接続のいずれかを選択する。
【0006】
二地点間(PTP)伝送は受信区域における選択ユーザーにサービスをするために専用チャネル(dedicated channels)を使用する。「専用の」チャネルは単独加入者局へ/からの情報を搬送する。二地点間(PTP)伝送では、個別のチャネルが各移動局への伝送のために使用される。順方向回線または下り回線方向における一ユーザー・サービスのための専用ユーザー・トラヒックは、例えば、専用トラヒック・チャネル(Dedicated Traffic Channel:DTCH)と呼ばれる論理チャネルを通して送られる。二地点間(PTP)通信サービスは、例えば、受信区域における特定のマルチメディア放送及びマルチキャストサービス(MBMS)を要求する十分なユーザーがいなければ、一般的に最も効率的である。そのような場合には、基地局がサービスを要求した特定のユーザーにだけサービスを伝送する二地点間(PTP)伝送が使用される。例えば、WーCDMAシステムでは、所定数の移動局までは専用チャネルまたは二地点間(PTP)伝送を用いることがより効率的である。
【0007】
「放送通信」もしくは「一地点対多地点(PTM)通信」は複数の移動局への共通通信チャネル上の通信である。「共通の(common)」チャネルは多数の加入者局へ/から情報を搬送し、いくつかの端末によって同時に使用される。一地点対多地点(PTM)通信サービスでは、例えば、サービスを要求するユーザーの数が基地局の受信区域内で所定の限界数を超えれば、セル基地局は共通チャネル上でマルチメディア・トラヒック・サービスを放送する。CDMA2000システムでは、PtM無線担体(radio bearer)がPtP無線担体とほとんど同様に効率的であるので、放送もしくは一地点対多地点(PTM)伝送が一般的にPtP伝送の代わりに使用される。特定の基地局からの共通チャネル伝送は他の基地局からの共通チャネル伝送と必ずしも同期されるとは限らない。一般的な放送システムでは、一以上の中央局はコンテンツを(ユーザーの放送ネット)にサービスする。中央局は全ての加入者もしくは一群の特定の加入者局のいずれかに情報を伝送する。放送サービスに関心がある各加入者局は共通順方向回線信号を監視する。一地点対多地点(PTM)伝送は下り回線または順方向共通チャネル上で送られる。この共通放送順方向回線信号は一般的に順方向回線または「下り回線」方向に存在する共通トラヒック・ チャネル(CTCH)のような一方向チャネル上で放送される。このチャネルは一方向性であるので、全ての加入者ユニットが基地局に返信することを許容すると通信システムに過剰負担になり、加入者局は一般に基地局と通信しない。このように、一地点対多地点(PTM)通信サービスでは、加入者局によって受取られた情報に誤りがあるとき、加入者局は基地局へ返信することができなくなる。従って、情報保護の他の手段が望ましことになる。
【0008】
CDMA2000システムでは、加入者局は一地点対多地点(PTM)伝送において軟結合する。情報信号を保護する措置がとられるときでも、通信チャネルの状態は宛先局が専用チャネル上で転送された、いくつかのパケットを復号することができないほど劣化する。そのような場合に、一つの方策は目的 (加入者) 局によって作成された自動再伝送要求(Automatic retransmission reQuest:ARQ)を用いて発信(基地)局に非復号パケットを単に再伝送することである。再伝送はデータ・パケットの配送を保証するのに役立つ。データが正しく配送できない場合には、伝送側におけるRLCのユーザーが通知される。
【0009】
加入者局は一般的にいくつかのシナリオで移行(transitions)を受ける。これらの移行はいろいろな方法に分類される。例えば、移行は「交差移行(cross transitions)」及び「直接移行(direct transitions)」として分類される。移行はまた「セル間(interーcell)」移行及び「セル内(intraーcell)」移行として分類される。
【0010】
セルまたは伝送手法の間の移行はユーザーに好ましくないサービス中断の結果をもたらす。加入者局またはユーザー装置(UE)が一つのセルから他方のセルへ移動するとき、もしくは マルチメディア放送及びマルチキャストサービス(MBMS)コンテンツの配送がサービス・セルにおいて一つのモードから別のモードに変わるとき、問題が起こる。近隣のセルからの伝送は相互に関して量Δt1だけ時間移行される。さらに、移動局は目的セルにおけるシステム情報(それはある量の処理時間Δt2を必要とする)を決定する必要があるので、さらに遅延が移行の間に導入される。異なるセル(または、異なる伝送チャネル形式:二地点間(PTP)/一地点対多地点(PTM))から伝送されたデータ・ストリームは相互に関してオフセットされる。従って、異なるセルからの多地点(PTM)伝送の間に、移動局は二度同じコンテンツのブロックを受取るか、もしくはコンテンツのいくつかのブロックは失われるかもしれず、それはサービス品質(Quality of Service)に関して好ましくない。セル間及び/または二地点間(PTP)伝送と一地点対多地点(PTM)伝送との間の移行は、移行の持続期間、及び伝送の間の遅延または誤整列によってサービスにおいて中断を引き起こす。
【0011】
従って、サービス連続性を提供し、且つユーザー装置(UE)が一つのセルから他のセルに移動するときに起こる移行によって引き起こされる、或いはコンテンツの配送が同じサービス・セルにおける二地点間(PTP)接続から一地点対多地点(PTM)接続に変わるとき起こる移行によって引き起こされるコンテンツの配送における中断を低減する伝送技術が当技術分野において必要である。そのような伝送技術は好しくはセル境界を越えて、且つ/または一地点対多地点(PTM)及び二地点間(PTP)といった異なる伝送手法の間で継ぎ目のない配送を可能にするであろう。データが移行の間に失われないように、異なるストリームを調整し、且つそのような移行の間に各データ・ブロックからコンテンツを再生するための機構もまた望ましい。受信端末における復号の間にデータを再配列するための機構を提供することもまた望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】通信システムの図である。
【図2】UMTS信号(signaling)プロトコル・スタックのブロック図である。
【図3】UMTSプロトコル・スタックのパケット交換ユーザー平面のブロック図である。
【図4】UMTS信号プロトコル・スタックのアクセス階層部分のブロック図である。
【図5A】UMTS信号プロトコル・スタックの無線回線制御(Radio Link Control:RLC)層において使用されるデータ転送モード、及び各層において使用される様々なチャネルのブロック図である。
【図5B】様々なRLCデータ転送モードを含む無線回線制御(RLC)層のアーキテクチャを示すブロック図である。
【図5C】無線回線制御(RLC)肯定応答モード(Acknowledged Mode:AM)を実施するエンティティーを示すブロック図である。
【図6】順方向誤り訂正層を有する修正UMTSプロトコル・スタックの図である。
【図7A】順方向誤り訂正(FEC)層を含むアクセス層のプロトコル構造の一実施例を示す。
【図7B】順方向誤り訂正(FEC)層を含むアクセス層のプロトコル構造の別の実施例を示す。
【図8】情報ブロック並びに情報ブロックに対応する外部符号ブロックの図である。
【図9A】マルチメディア放送及びマルチキャストサービス(Multimedia Broadcast and Multicast Service:MBMS)データに適用できる外部符号ブロック構造を示す図である。
【図9B】多数行が伝送時間間隔(Transmission Time Interval:TTI)ごとに送られる図9Aの外部符号ブロック構造を示す図である。
【図9C】各行が多元TTIで送られる図9Aの外部符号ブロック構造を示す図である。
【図10A】順方向誤り訂正層により生成される外部符号ブロックを示す図である。
【図10B】順方向誤り訂正層により生成される外部符号ブロックを示す図である。
【図11】RLC UM+エンティティーにおいて使用される順方向誤り訂正(FEC)層の一実施例である。
【図12A】外部符号ブロックの行サイズが固定されるデータ・ユニットから外部符号ブロックを生成するための符号化処理を示す。
【図12B】空中で送られる図12Aにおける情報の例を示す。
【図13】様々な行サイズを有する外部符号ブロックを生成するための符号化処理を示す。
【図14】順方向誤り訂正(FEC)ヘッダー・フォーマットの一実施例の図である。
【図15】異なる論理ストリーム間の時間オフセットによって移動局に復号を遅延させることを可能にするためのアルゴリズムである。
【図16】セルAから一地点対多地点(PTM)伝送を、セルBから別の一地点対多地点(PTM)伝送を受信している間に移動局が移行するとき移動局によって受信された外部符号ブロック間の時間関係を示す図である。
【図17】一地点対多地点(PTM)伝送と二地点間(PTP)伝送の間の移行が発生するとき、移動局によって受信された外部符号ブロック間の時間関係を示す図である。
【図18】無線ネットワーク制御器(RNC)Aからの二地点間(PTP)伝送と無線ネットワーク制御器(RNC)Bからの他の二地点間(PTP)伝送との間の移行もしくは再配置の間に、移動局によって受信された外部符号ブロック間の時間関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
用語「典型的な(exemplary)」はここでは「例、場合、または実例として役立つ」ことを意味する。「典型的な」としてここに示された実施例は他の実施例に対して好ましいとか、有利であると必ずしも解釈されるとは限らない。
【0014】
術語「移動局(mobile station)」はここでは術語「宛先局(destination station)」、「加入者局(subscriber station)」、「加入者ユニット」、「端末(terminal)」及び「ユーザー装置(User Equipment:UE)」と互換可能で、UMTS地上無線接続ネットワーク(UTRAN)といった接続ネットワーク(access network)が通信を行う基地局のようなハードウェアを参照するようにここに使用される。UMTSシステムでは、ユーザー装置(UE)はユーザーがUMTSネットワークサービスにアクセスすることを可能にし、さらに好しくは全てのユーザー予約情報を含むUSIMを含むデバイスである。移動局は移動可能もしくは静止しており、例えば、光ファイバもしくは同軸ケーブルを使用して無線チャネルもしくは有線チャネルを介して通信する通信器、データ・デバイスまたは端末を一般に含む。移動局はPCカード、コンパクト・フラッシュ、外付または内蔵モデム、もしくは無線または有線電話を含むデバイスに具体化されるが、それに限定されるものではない。
【0015】
術語「接続設定状態(connection setup state)」は移動局が基地局との稼働トラヒック・チャネル接続を確立する過程にある状態を云う。
【0016】
術語「トラヒック状態」は移動局が基地局との稼働トラヒック・チャネル接続を確立した状態を云う。
【0017】
術語「通信チャネル」は文脈によって物理チャネルまたは論理チャネルを意味するためにここに使用される。
【0018】
術語「物理チャネル」は空中インタフェース上でユーザー・データもしくは制御情報を搬送するチャネルを参照するようにここに使用される。物理チャネルは情報が実際に転送される無線プラットフォームを提供し、且つ無線回線上で通信及びユーザー・データを搬送するのに役立つ「伝送メディア」である。物理チャネルは一般的に周波数スクランブル符号とチャネル化符号の組合せを含む。上り回線方向では、相対位相がまた含まれる。異なるいくつかの物理チャネルは移動局がしようと試みていることに基づいて上り回線方向で使用される。UMTSシステムでは、術語「物理チャネル」はUuインタフェース上で異なる目的に割当てられた異なる種類の帯域幅を云う。物理チャネルはユーザー装置(UE)領域とネットワーク接続領域との間にUuインタフェースの物理的存在を形成する。物理チャネルは空中インタフェース上でデータを転送するために使用される物理的写像及び属性によって定義される。
【0019】
術語「搬送チャネル(transport channel)」はピア物理層エンティティー(peer physical layer entities)間のデータ搬送のための通信ルートを参照するようにここに使用される。搬送チャネルは情報が伝送される方法に関係する。一般に、共通搬送チャネル(Common Transport Channels)と専用搬送チャネル(Dedicated Transport Channels)として知られている二つの形式の搬送チャネルがある。搬送チャネルは、例えば、専用または共通物理チャネル、或いは論理チャネルの多重化のいずれかを使用して、どのように及びどのような特性のデータが空中インタフェース上で物理層に転送されるかによって定義される。搬送チャネルは物理層のためのサービス・アクセス・ポイント(SAP)としての役目をする。UMTSシステムでは、搬送チャネルはいかに論理チャネルが転送され、且つこれらの情報の流れを物理チャネルに写像するかを記述する。搬送チャネルはメディア・アクセス制御(Medium Access Control:MAC)層と物理層(LI)との間で信号及びユーザー・データを搬送するために使用される。無線ネットワーク制御器(Radio Network Controller:RNC)は搬送チャネルを見る。情報は物理チャネルに写像されるいくつかの搬送チャネルのいずれか一つでMAC層から物理層へ渡される。
【0020】
術語「論理チャネル」は特定の形式の情報の転送に専用の情報ストリームまたは無線インタフェースを参照するようにここに使用される。論理チャネルは伝送される情報に関係する。論理チャネルはどんな形式の情報、例えば、通信またはユーザー・データが転送されるかによって定義され、ネットワーク及び端末が異なる時点で実行すべき異なるタスクとして理解される。論理チャネルは移動局領域とアクセス領域との間で実際の情報転送を行う搬送チャネルに写像される。情報は物理チャネルに写像される搬送チャネルを介して写像される論理チャネルを経由して渡される。
【0021】
術語「専用チャネル(dedicated channel)」は一般的に特定のユーザーに専用または用意され、且つ情報を特定の移動局、加入者ユニット、またはユーザー設備からまたはそこへ搬送するチャネルを参照するようにここに使用される。専用チャネルは一般的にあるユーザー向けの情報を搬送し、高位層制御情報と同様に実際のサービスのためのデータを含む。専用チャネルは或る周波数の或る符号によって識別される。専用チャネルは潜在的にフィードバックを可能にするために双方向性である。
【0022】
術語「共通チャネル(common channel)」は多数の移動局へ/から情報を搬送する搬送チャネルを参照するようにここに使用される。共通チャネルでは、情報は全ての移動局の間で共有される。共通チャネルは全てのユーザーまたは一群のセル中のユーザーの間で分配される。
【0023】
術語「二地点間(PointーtoーPoint:PTP)通信は専用物理通信チャネル上で単独の移動局に伝送される通信を意味するようにここに使用される。
【0024】
術語「放送通信(broadcast communication)」もしくは「 一地点対多地点(PointーtoーMultipoint:PTM)通信」は共通通信チャネル上で複数の移動局への通信を参照するようにここに使用される。
【0025】
術語「逆方向回線(reverse link)または上り回線チャネル(uplink channel)」は移動局が無線接続ネットワークにおいて信号を基地局に送る通信チャネル/回線を参照するようにここに使用される。このチャネルはまた移動局から移動局へ、もしくは移動局から基地局へ信号を伝送するために使用される。
【0026】
術語「順方向回線(forward link)または下り回線チャネル(downlink channel)」は無線接続ネットワークが信号を移動局に送る通信チャネル/回線を意味するようにここに使用される。
【0027】
術語「伝送時間間隔(Transmission Timing Interval:TTI)」はどのくらいの頻度でデータが高位層から物理層まで到着するかを参照するようにここに使用される。伝送時間間隔(TTI)は搬送ブロック集合(Transport Block Set:TBS)の到着時間間隔を云い、TBSが無線インタフェース上で物理層によって転送される周期にほぼ等しい。TTIの間に搬送チャネル上で送られるデータは符号化され、一緒にインタリーブされる。TTIは多数の無線フレームにわたり、最小インタリーブ期間の倍数である。単独接続のために共に多重化される異なる搬送チャネルに関するTTIの開始位置は時間整列される。TTIは共通の開始点を有する。メディア・アクセス制御は一つの搬送ブロック集合をTTIごとに物理層に配送する。同じ物理チャネル上に写像される異なる搬送チャネルは異なる伝送時間間隔(TTI)継続期間を有する。多数のPDUは一つのTTIにおいて送られる。
【0028】
術語「パケット」は一群のビットを意味するようにここに使用され、特定のフォーマットに配列されたデータまたはペイロード及び制御要素を含む。制御要素は、例えば、プリアンブル、品質計量基準、及び当業者に既知の他のものを含む。品質計量基準は、例えば、巡回冗長度検査(CRC)、パリティ・ビット及び当業者に既知の他のものを含む。
【0029】
術語「接続ネットワーク(access network)」はネットワークにアクセスするのに必要な装置を意味するようにここに使用される。接続ネットワークは基地局(BS)の集合(collection)及びネットワーク(network)及び一以上の基地局制御器(BSC)を含む。接続ネットワークは多数の加入者局の間でデータ・パケットを搬送する。接続ネットワークはさらに企業イントラネットまたはインターネットのような接続ネットワークの外で追加のネットワークと接続され、アクセス端末とそのような外側のネットワークとの間でデータ・パケットを搬送する。UMTSシステムでは、接続ネットワークはUMTS地上無線接続ネットワーク(UMTS Terrestrial Radio Access Network:UTRAN)と呼ばれる。
【0030】
術語「中核ネットワーク(core network)」は回線交換(CS)領域における回線交換呼出のための公衆交換電話ネットワーク(Public Switched Telephone Network:PSTN)及びパケット交換(PS)領域におけるパケット交換呼出のためのパケット・データネットワーク(PSDN)のいずれかに接続するための交換(switching)及び経路割当(routing)能力を参照するようにここに使用される。術語「中核ネットワーク」はまた移動性及び加入者場所管理、及び認証サービスのための経路割当能力を言う。中核ネットワークは交換及び加入者制御のために必要なネットワーク要素を含む。
【0031】
術語「基地局」は移動局が通信するハードウェアを含む「発信局(origination station)」を参照するようにここに使用される。 UMTSシステムでは、術語「ノードB」は術語「基地局」と互換的に使用される。基地局は固定されているか、移動する。
【0032】
術語「セル」はその術語が使用される文脈に応じてハードウェアか地理的な受信区域のいずれかを参照するようにここに使用される。
【0033】
術語「サービス・データ・ユニット(Service Data Unit:SDU)」は関心のプロトコル上方にあるプロトコルと交換されるデータ・ユニットを参照するようにここに使用される。
【0034】
術語「ペイロード・データ・ユニット(Payload Data Unit:PDU)は関心のプロトコル下方にあるプロトコルと交換されるデータ・ユニットを参照するようにここに使用される。関心のプロトコルの同一性が曖昧であれば、名前に特定の記載が行われるであろう。例えば、FECーPDUはFEC層のPDUである。
【0035】
術語「ソフト・ハンドオフ(soft handoff)」は加入者局と二つ以上のセクタとの間の通信を意味するようにここに使用され、ここでは各セクタは異なるセルに属する。逆方向回線通信は双方のセクタによって受信され、順方向回線通信は二つ以上のセクタの順方向回線上で同時に搬送される。
【0036】
術語「よりソフトなハンドオフ(softer handoff)」は加入者局と二つ以上のセクタとの間の通信を意味するようにここに使用され、ここでは各セクタは同じセルに属する。逆方向回線通信は双方のセクタによって受信され、順方向回線通信は二つ以上のセクタの順方向回線の一つで同時に搬送される。
【0037】
術語「抹消(erasure)」はメッセージを認識することの不成功を意味するようにここに使用され、また復号の時に見逃している一組のビットを参照するように使用される。
【0038】
術語「交差移行(cross transition)」は二地点間(PTP)伝送から一地点対多地点(PTM)伝送への移行、等々として定義される。逆も同様である。セルAにおける二地点間(PTP)伝送からセルBにおける一地点対多地点(PTM)伝送へ、セルAにおける一地点対多地点(PTM)伝送からセルBにおける二地点間(PTP)伝送へ、セルAにおける二地点間(PTP)伝送からセルAにおける一地点対多地点(PTM)伝送へ、及びセルAにおける一地点対多地点(PTM)伝送からセルAにおける二地点間(PTP)伝送への四つの可能な交差移行がある。
【0039】
術語「直接移行(direct transition)」は一つの二地点間伝送から別の二地点間伝送及び一地点対多地点伝送から一地点対多地点伝送への移行として定義される。セルAにおける二地点間(PTP)伝送からセルBにおける二地点間(PTP)伝送へ、及びセルAにおける一地点対多地点(PTM)伝送からセルBにおける一地点対多地点(PTM)伝送への二つの可能な直接移行がある。
【0040】
術語「セル間移行(interーcell transition)」はセル境界を越える移行を参照するように使用される。セルAにおける二地点間(PTP)伝送からセルBにおける二地点間(PTP)伝送へ、セルAにおける一地点対多地点(PTM)伝送からセルBにおける一地点対多地点(PTM)伝送へ、セルAにおける二地点間(PTP)伝送からセルBにおける一地点対多地点(PTM)伝送へ、及びセルAにおける一地点対多地点(PTM)伝送からセルBにおける二地点間(PTP)伝送への四つの可能なセル間移行がある。一般に最も頻繁な移行はセル境界を越える一地点対多地点(PTM)伝送への一地点対多地点(PTM)伝送である。
【0041】
術語「セル内移行(intraーcell transition)」は一つのモードから別のモードへのセル内の移行を参照するように使用される。セルAにおける二地点間(PTP)伝送からセルAにおける一地点対多地点(PTM)伝送へ、及びセルAにおける一地点対多地点(PTM)伝送からセルAにおける二地点間(PTP)伝送への二つの可能なセル内移行がある。
【0042】
術語「無線担体(radio bearer)」はユーザー装置(UE)とUMTS地上無線接続ネットワーク(UTRAN)との間でユーザー・データの転送のための層2によって提供されるサービスを参照するように使用される。
【0043】
上記の形態がWーCDMAもしくはUMTS通信システムにおいて実施される本発明の実施例はこれから論じられる。図1〜5Cはここに記述された発明の形態が例示及び限定の目的のために提示されている従来のUMTSまたはWーCDMAシステムのいくつかの形態を説明する。本発明の形態はまた「第3世代共同プロジェクト(3rd Generation Partnership Project:3GPP)」に準拠するGSM(登録商標)システム及びCDMA2000システムといった音声及びデータの両方を搬送する他のシステムにも適用可能であり、文書番号3G TS25.211、3G TS25.212、3G TS25.213、及び3G TS25.214(WーCDMA規格)、または「TRー45.5 cdma2000スペクトル拡散システム」(IS2000規格)、及びTS04.08(移動無線インタフェース層3仕様)、TS05.08(無線サブシステム回線制御)、及びTS05.01(無線経路上の物理層(一般記述))といったGSM仕様を含む一組の文書において具体化できることは認識されるべきである。
【0044】
例えば、無線接続ネットワーク20は、代りに、GSM/GPRSシステムにおいて全地上無線接続ネットワーク(UTRAN)空中インタフェースを使用して実施されることをその記述は明記しているけれども、無線接続ネットワーク20はGSM/EDGE無線接続ネットワーク(GERAN)であり、相互システムの場合にはそれはUTRAN空中インタフェースのセル及びGSM/EDGE空中インタフェースのセルを含む。
【0045】
UMTSネットワークトポロジー
図1はUMTSネットワークトポロジーによる通信システムのブロック図である。UMTSシステムはユーザー装置(UE)10、接続ネットワーク20、及び中核ネットワーク30を含む。UE10は外部ネットワークに接続される中核ネットワーク30に接続される接続ネットワークに接続される。
【0046】
UE10はユーザーの予約情報を含む移動装置12及び汎用加入者証明モジュール(Universal Subscriber Identity Module:USIM)14を含む。Cuインタフェース(示されていない)はUSIM14と移動装置12との間の電気インタフェースである。UE10は一般にユーザーがUSIMネットワークサービスにアクセスすることを可能にするデバイスである。UE10は携帯電話、固定局、または他のデータ端末といった移動体である。移動装置は、例えば、空中インタフェース(Uu)上で無線通信のために使用される無線端末である。UuインタフェースはUEがシステムの固定部分にアクセスするインタフェースである。USIMは一般にマイクロプロセッサを含む「スマートカード(smartcard)」もしくは他の論理カードに在駐するアプリケーションである。スマートカードは加入者証明を保持し、認証アルゴリズムを実行し、そして端末で必要とされる暗号化鍵及び加入情報における認証を記憶する。
【0047】
接続ネットワーク20はネットワークにアクセスするための無線装置を含む。WーCDMAシステムでは、接続ネットワーク20は汎用地上無線接続ネットワーク(Universal Terrestrial Radio Access Network:UTRAN)空中インタフェースである。UTRANは少なくとも一つの無線ネットワーク制御器(RNC)24に接続された少なくとも一つの基地局または「ノードB」22を含む少なくとも一つの無線ネットワークサブシステム(RNS)を含む。
【0048】
RNCはUTRANの無線資源を制御する。接続ネットワーク20のRNC24はIuインタフェースを介して中核ネットワーク30と通信する。Uuインタフェース、Iuインタフェース25、Iubインタフェース、及びIurインタフェースは異なる供給メーカーからの装置間の相互接続動作を可能にし、3GPP規格に明記されている。無線ネットワーク制御器(RNC)の実装は供給メーカーによって様々であり、従って下記に一般論として示されるであろう。
【0049】
無線ネットワーク制御器(RNC)24はUMTS地上無線接続ネットワーク(UTRAN)の切替及び制御要素としての役目があり、IubインタフェースとIuインタフェース25との間に位置する。RNCはUTRANが中核ネットワーク30に提供する全てのサービス、例えば、ユーザー装置への接続の管理のためのサービス・アクセス・ポイントとして働く。Iubインタフェース23はノードB22及び無線ネットワーク制御器(RNC)24に接続する。IuインタフェースはUTRANを中核ネットワークに接続する。無線ネットワーク制御器(RNC)はIu担体(Iu bearer)と基地局との間に切替点を提供する。ユーザー装置(UE)10はそれ自身と無線ネットワーク制御器(RNC)との間にいくつかの無線担体を有する。無線担体はユーザー装置(UE)と無線ネットワーク制御器(RNC)との間の共通接続及び専用接続を用意するためにIubによって必要とされる一組の定義であるユーザー装置(UE)文脈と関係がある。それぞれのRNC24は異なるノード22に接続されたセル間のソフト・ハンドオーバーを可能にする任意のIurインタフェース上で相互に通信する。IurインタフェースはこのようにRNC間接続を可能にする。そのような場合には、サービスRNCは中核ネットワーク30へのIu接続25を維持し、選択器及び外部ループ電力制御機能を実行し、一方、遊休RNCは一以上の基地局22経由で移動局10 にIurインタフェース上で交換できるフレームを転送する。
【0050】
一つのノードBを制御するRNCはノードBの制御RNCと云われ、それ自身のセルの負荷及び混雑状態を制御し、且つまたそれらのセルにおいて確立されるべき新しい無線回線のための承認制御及び符号割当を実行する。
【0051】
RNC及び基地局(またはノードB)はIubインタフェース23を経由して接続され及びその上で通信する。 RNCは特定のRNC24に接続された各基地局22による無線資源の使用を制御する。各基地局22は一以上のセルを制御し、且つ移動局10に無線回線を提供する。基地局はチャネル符号化及びインタリーブといったインタフェース処理、伝送率適応及び拡散を実行する。基地局はまたループ間電力制御といった基礎的な無線資源管理操作を行う。基地局22はIub及びUuインタフェース23、26の間のデータ流を変換する。基地局22はまた無線資源管理に関与する。空中インタフェースUu26は各基地局22を移動局10に接続する。基地局は移動局10への一以上のセルにおける無線伝送、及び移動局10からの一以上のセルにおける無線受信に関与する。
【0052】
中核ネットワーク30は(1)回路交換呼出があればPSDN42、またはパケット交換呼出があればパケット・データネットワーク(PDN)何れかに接続すること、(2)移動性及び加入者場所管理、及び(3)認証サービスのための全ての交換(switching)及び経路指定(routing)能力を含む。中核ネットワーク30は定位置レジスタ(HLR)32、移動交換サービス・センター/ビジター位置レジスタ(MSC/VLR)34、ゲートウェイ移動交換センター(GMSC)36、一般サービス・パケット無線サービス支援ノード(SGSN)38、ゲートウェイGPRS支援ノード(GGSN)40を含む。
【0053】
中核ネットワーク30は、パケット交換呼出があれば、公衆交換電話ネットワーク(PTSN)またはISDNといった回路交換接続を提供する外部回路交換(CS)ネットワーク42に接続されるか、もしくはパケット交換呼出があればパケット・データ・サービスの接続を提供するインターネットのようなPSネットワーク44に接続される。
【0054】
UMTS信号プロトコル・スタック
図2はUMTS信号プロトコル・スタック110のブロック図である。UMTS信号プロトコル・スタック110はアクセス階層及び非アクセス階層(NAS)を含む。
【0055】
アクセス階層は一般的に物理層120、メディア・アクセス制御(MAC)層140及び無線回線制御(RLC)層150を含む層2(130)、及び無線資源制御(RRC)層160を含む。アクセス階層の様々な層は下記でさらに詳細に述べられる。
【0056】
UMTS非アクセス階層はGSM上位層と本質的に同じであり、回路交換部分170とパケット交換部分180に分割される。回路交換部分170は接続管理(CM)層172及び移動性管理(MM)層178を含む。CM層172は回路交換呼出を扱い、様々な下位層(sublayers)を含む。呼出制御(CC)下位層174は構築(establish)及び解除(release)といった機能を実行する。補助サービス(SS)下位層176は呼出転送及び三方向呼出(threeーway calling)といった機能を実行する。短メッセージ・サービス(SMS)下位層177は短いメッセージ・サービスを実行する。MM層178は場所更新及び回路交換呼出の認証を扱う。パケット交換部分180はセッション管理(SM)下位層182及びGPRS移動性管理(GMM)下位層184を含む。セッション管理(SM)下位層182は構築及び解除といった機能を実行することによるパケット交換呼出を扱い、また短メッセージ・サービス(SMS)部183を含む。GMM下位層184は場所更新及びパケット交換呼出の認証を扱う。
【0057】
図3はUMTSプロトコル・スタックのパケット交換ユーザー平面(plane)のブロック図である。そのスタックはアクセス階層(AS)層及び非アクセス階層(NAS)層を含む。NAS層はアプリケーション層80及びパケット・データ・プロトコル(PDP)層90を含む。アプリケーション層80はユーザー装置(UE)10と遠隔ユーザー42との間に提供される。IPまたはPPPといったPDP層90はGGSN40とユーザー装置(UE)10との間に提供される。低位層パケット・プロトコル(LLPP)39は遠隔ユーザー42とSGSN38との間に提供される。Iuインタフェース・プロトコル25は無線ネットワーク制御器(RNC)24とSGSN38との間に提供され、Iubインタフェース・プロトコルは無線ネットワーク制御器(RNC)24とノードB22との間に提供される。AS層の他の部分は下記に示される。
【0058】
アクセス階層(AS)層
図4はUMTS信号プロトコル・スタックのアクセス階層部分のブロック図である。従来のアクセス階層は物理層(L1) 120、メディア・アクセス制御(MAC)層140、無線回線制御(RLC)層150、パケット・データ収束プロトコル(PDCP)層156、放送/マルチキャスト制御(BMC)層158を含む下位層を有するデータ回線層(L2)130、及び無線資源制御(RRC)層160を含む。これらの層はさらに下記で述べられる。
【0059】
無線担体はアプリケーション層と層2(L2)130との間でユーザー・データ163を搬送する。制御平面信号161は全てのUMTS特定制御信号のために使用され、アプリケーション・プロトコル・メッセージを搬送するための信号担体にアプリケーション・プロトコルを含む。アプリケーション・プロトコルはUE10に担体を設定するために使用される。ユーザー平面は音声呼出における符号化音声またはインターネット接続におけるパケットといったユーザーによって送られ、且つ受取られた全てのユーザー平面情報163を搬送する。ユーザー平面情報163はデータ・ストリームとこれらのデータ・ストリームに関するデータ担体を搬送する。各データ・ストリームはそのインタフェースについて指定された一以上のフレーム・プロトコルによって特性が決定される。
【0060】
無線資源制御(RRC)層160はアクセス階層の全体の制御器として機能し、アクセス階層における他の全ての層を構成する。RRC層160は無線回線制御ユニット152、物理層(L1)120、メディア・アクセス制御(MAC)層140、無線回線制御(RLC)層150、パケット・データ収束プロトコル(PDCP)層156、及び放送/マルチキャスト制御(BMC)層158を制御する制御平面信号161を生成する。無線資源制御(RRC)層160は行うべき測定の形式を決定し、それらの測定を通報する。RRC層160はまた非アクセス階層に対する制御及び信号インタフェースとしての役目をする。
【0061】
特に、RRC層160はアクセス階層及び非アクセス階層の両方を含むシステム情報メッセージを全てのユーザー装置(UE)10に放送する。RRC層160はUTRAN20とUE10との間の無線資源制御(RRC)接続を確立し、維持し、且つ解除する。UE RRCは接続を要求し、一方、UTRAN RRCは接続を設定し、且つ解除する。RRC層160はまたこれらの動作を開始するUTRAN20によってUTRAN20とUE10との間の無線担体を確立し、再構成し、且つ解除する。
【0062】
RRC層160はまたユーザー装置(UE)10の移動性の様々な形態を扱う。これらの手順はUE状態、即ち呼出が回路交換呼出或いはパッケット交換呼出かどうか、及び新しいセルの無線接続技術(RAT)に依存する。RRC層160はまたUE10にページ付けをする。UTRAN RRCはUEがページング・チャネルを聞いているか、ページング指標チャネルを聞いているかに拘わらずUEにページ付けをする。UEのRRCは中核ネットワーク(CN)30の上位層に通告する。
【0063】
データ回線層(L2)130はメディア・アクセス制御(MAC)下位層40、無線回線制御(RLC)下位層150、パケット・データ収束プロトコル(PDCP)下位層156、及び放送/マルチキャスト制御(BMC)下位層158を含む。
【0064】
放送及びマルチキャスト制御プロトコル(BMC)158は、無線インタフェース上の放送領域から発信する放送/マルチキャストサービスを適応させることによってセル放送センターから発信するメッセージを無線インタフェース上で搬送する。BMCプロトコル158は「無線担体(a radio bearer)」と呼ばれるサービスを提供し、ユーザー平面に存在する。BMCプロトコル158及びRNCは予定計画された伝送のためにCBCーRNC上で受信されたセル放送メッセージを記憶する。UTRAN側で、BMC158はCBCーRNCインタフェース(示されていない)上で受信されるメッセージに基づいてセル放送サービスのために必要な伝送率を計算し、RRCから適切なCTCH/FACH資源を要求する。BMCプロトコル158はまたCBCーRNCインタフェース上で各セル放送メッセージと共に予定計画情報を受取る。この予定計画情報に基づいて、UTRAN側でBMCは予定計画されたメッセージ、従って予定計画されたBMCメッセージを生成する。ユーザー装置側で、BMCは予定計画メッセージを推定し、そして不連続受信に関して低位層を構成するためにRRCによって使用されるRRCに予定計画パラメータを示す。BMCはまた予定計画に従って予定計画及びセル放送メッセージを伝送する。破損していないセル放送メッセージは上位層に配送される。UE10とUTRAN20との間の制御信号の一部は層2プロトコル130及び層1プロトコル120エンティティーを設定し、修正し、且つ解除するために必要な全てのパラメータを搬送する無線資源制御(RRC)160メッセージである。RRCメッセージは全ての高位層信号をそれらのペイロード中で搬送する。無線資源制御(RRC)は測定、引継ぎ及びセル更新といった信号によって接続モードにおけるユーザー装置の移動性を制御する。
【0065】
パケット・データ収束プロトコル(PDCP)156はPS領域からのサービスのためのユーザー平面に存在する。PDCPによって提供されるサービスは無線担体と呼ばれる。パケット・データ収束プロトコル(PDCP)はヘッダー圧縮サービスを提供する。パケット・データ収束プロトコル(PDCP)156はIPパケットを無線上で伝送するサービスについてより良いスペクトル効率を提供する圧縮方法を含む。いくつかのヘッダー圧縮アルゴリズムはどれでも利用することができる。PDCPは伝送エンティティーにおいて冗長なプロトコル情報を圧縮し、受信エンティティーにおいて解凍する。ヘッダー圧縮方法は特定のネットワーク層、搬送層、または上位層プロトコルの組合せ、例えば、TCP/IP及びRTP/UDP/IPに特有である。PDCPはまたそれが非アクセス層からPDCPサービス・データ・ユニット(SDU)の形で受取るユーザー・データを転送し、それらをRLCエンティティーに送る。逆もまた同じである。PDCPはまた損失のないSRNS再配置に対する支援を行う。PDCPが肯定応答モード(Acknowledged Mode:AM)RLCを系列配送において使用するとき、損失RSRNS再配置を支援するために構成されるPDCPエンティティーはプロトコル・データ・ユニット(PDU)系列番号を持ち、それは未確認PDCPパケットと共に再配置の間に新しいSRNCに送られる。
【0066】
RLC層150はUE側では高位層プロトコルによって使用され、UTRAN側ではIURNAPプロトコルによって使用されるサービス・アクセス・ポイント(SAP)を経由して高位層(例えば、非アクセス階層)にサービスを提供する。サービス・アクセス・ポイント(SAP)は如何にRLC層がデータ・パケットを扱うかを記述する。移動性管理、呼出制御、セッション管理、等々といった全ての高位層信号は無線インタフェースの伝送に関するRLCメッセージにカプセル化される。RLC層150は信号情報及びユーザー・データを搬送する論理チャネルを経由してMAC層140に接続された様々な無線回線制御エンティティー152を含む。
【0067】
制御平面161上で、RLCサービスは信号配送についてRLC層によって使用される。ユーザー平面163上で、RLCサービスはサービス特定プロトコル層PDCPまたはBMC、 或いは他の高位層ユーザー平面機能のいずれかによって使用される。RLCサービスは制御平面161では信号無線担体、そしてPDCP156及びユーザー平面プロトコルを利用しないサービスに関するユーザー平面163では無線担体と呼ばれる。言い換えれば、RLC層150は制御平面161では信号無線担体(SRB)と呼ばれるサービスを提供し、PDCP及びBMCがそのサービスによって使用されなければユーザー平面163において無線担体(RB)と呼ばれるサービスを提供する。他の場合は、RBサービスはPDCP層156またはBMC層158によって提供される。
【0068】
無線回線制御(RLC)層150はユーザー及び制御データに対してフレーム化機能を実行し、それはセグメント化(segmentation)/連結(concatenation)及び詰込み(padding)機能を含む。RLC層150は一般的に制御平面161における制御データについて無線資源制御(RRC)層に、ユーザー平面163におけるユーザー・データについてアプリケーション層に分割及び連結サービスを提供する。RLC層は一般的により小さなRLCプロトコル・データ・ユニット(PDU)に/から可変長高位層プロトコル・データ・ユニット(PDU)のセグメント化/再構築を実行する。一つの無線回線制御(RLC)プロトコル・データ・ユニット(PDU)は一般的に一つのPDUを持つ。無線回線制御(RLC)PDUの大きさは、例えば、無線回線制御(RLC)を使用してサービスの最小の可能なビット率に従って設定される。下記で論じられるように、可変ビット率サービスについて、それが使用した最低のものよりあらゆるビット率が高いとき、いくつかの無線回線制御(RLC)PDUは1伝送時間間隔(TTI)の間に伝送される。RLC伝送エンティティーはまた連結を実行する。無線回線制御(RLC)サービス・データ・ユニット(SDU)のコンテンツが整数個の無線回線制御(RLC)PDUを満たさなければ、次の無線回線制御(RLC)SDUの最初のセグメントは前のRLC SDUの最後のセグメントと連結して無線回線制御(RLC)PDUに入れられる。RLC伝送エンティティーはまた詰込み機能を実行する。伝送されるべき残りデータがある大きさの全体の無線回線制御(RLC)PDUを満たさなければ、そのデータ・フィールドの残りは詰込みビットによって充填される。図11〜13を参照して下記で論じられる発明の形態に従って、例えば、利用される詰込み量を低減或いは除去するための技術が提供される。
【0069】
RLC受信エンティティーは受信された無線回線制御(RLC)PDUの重複を検知して、高位層PDUにおける結果が上位層に配送されることを保証する。RLC層はまたPRLC伝送エンティティーがRLC受信エンティティーに情報を送る伝送率を制御する。
【0070】
図5AはUMTS信号プロトコル・スタックの無線回線制御(RLC)層において使用されるデータ転送モードを例示し、アクセス階層に関して論理、搬送及び物理UMTSチャネルの可能な写像を示すブロック図である。当業者は全ての写像が或るユーザー装置(UE)について同時に必ずしも定義されるとは限らないこと、及びいくつかの写像の多重インスタンス化が同時に起こることを理解するであろう。例えば、音声呼出は三つの専用チャネル(DCH)搬送チャネルに写像された三つの専用トラヒック・チャネル(DTCH)論理チャネルを使用するであろう。さらに、CPICH、SCH、DPCCH、AICH及びPICHといった、図5に示されたいくつかのチャネルは物理層文脈で存在し、上位ユーザー層信号及びユーザー・データを搬送しない。これらのチャネルのコンテンツは物理層120(L1)において定義される。
【0071】
無線回線制御(RLC)層における各RLCインスタンスは三つのモードの一つ:トランスペアレントモード(TM)、否定応答モード(UM)、または肯定応答モード(AM)において動作する無線資源制御(RRC)層によって構成され、それは図5Bを参照して下記で詳細に説明される。三つのデータ転送モードは無線回線制御(RLC)が論理チャネルのために構成されるモードを示す。トランスペアレント及び否定応答モードRLCエンティティーは一方向性であると定義され、一方、肯定応答モードエンティティーは双方向性である。通常、全てのRLCモードについて、CRC誤り検知は物理層上で行われ、CRC検査の結果は実際のデータと共にRLCに配送される。各モードの特定の要求に応じて、これらのモードはRLC150のいくつかまたは全ての機能を実行し、それはセグメント化、再構成、連結、詰込み、再伝送制御、流れ制御、重複検知、不連続配送、誤り訂正及び暗号化を含む。これらの機能は図5B及び5Cを参照して下記でさらに詳細に述べられる。ここに論じられた発明の形態に従って、新しい無線回線制御(RLC)データ転送モードが提供される。
【0072】
MAC層140は伝送されるデータの形式によって特性が決まる論理チャネルによってRLC層150にサービスを提供する。メディア・アクセス制御(MAC)層140は論理チャネルを搬送チャネルに写像し、且つ多重化する。MAC層140は共通チャネル上にあるユーザー装置(UE)を識別する。MAC層140はまた高位層PDUを共通搬送チャネルへ/から配送される搬送ブロックに/から高位層PDUを多重化/逆多重化する。MACはそれが物理層において行われないので、共通搬送チャネルについて多重化するサービスを扱う。共通搬送チャネルが専用型論理チャネルからデータを搬送するとき、メディア・アクセス制御(MAC)ヘッダーはUEの識別を含む。MAC層はまた専用チャネル上で物理層へまたは物理層から配送される搬送ブロック集合に/から高位層PDUを多重化/逆多重化する。
【0073】
MAC層140はRLC伝送バッファ内のデータの量に関する状態情報と共にRLC PDUを受取る。MAC層140は搬送チャネルに対応するデータの量をRRC層160によって設定された閾値と比較する。データの量があまりにも高く、或いはあまりにも低ければ、MACはトラヒック量状態に関する測定報告をRRCに送信する。RRC層160はまたMAC層140が定期的にこれらの測定を送信することを要求する。RRC層160は無線担体及び/または搬送チャネルの再構成を始動するためにこれらの報告を使用する。
【0074】
MAC層は論理チャネルの瞬間的な源伝送率(source rates)に応じた各搬送チャネルについて適切な搬送フォーマット(TF)を選択する。MAC層140は異なるデータ流について「高ビット率」及び「低ビット率」搬送フォーマット(TF)を選択することによってデータ流の優先扱いを行う。パケット交換(PS)データは本来突発的であり、従って送るべき利用可能なデータの量はフレームごとに変化する。さらに多くのデータが利用可能であるとき、MAC層140はより高いデータ率の一つを選択するが、しかしながら信号及びユーザー・データの両方が利用可能であるとき、MAC層140はより高い優先チャネルから送られるデータの量を最大にするためそれらの間から選択をする。搬送フォーマット(TF)は各接続について承認制御によって定義される搬送フォーマット組合せ(TFC)に関して選択される。
【0075】
メディア・アクセス制御(MAC)層はまた暗号化を行う。各無線担体は別々に暗号化される。暗号化の詳細は3GPP TS33.102に述べられている。
【0076】
WーCDMAのようなシステムでは、パケット・データを送るために使用される三形式の搬送チャネルがある。これらのチャネルは共通搬送チャネル、専用搬送チャネル、及び共有搬送チャネルとして知られている。下り回線では、搬送チャネル・パケット・データはパケット予定計画アルゴリズムによって選択される。上り回線では、搬送チャネルはパケット予定計画アルゴリズムによって設定されたパラメータに基づいて移動局10によって選択される。
【0077】
共通チャネルは、例えば、上り回線ではランダム・アクセス・チャネルRACHであり、下り回線では順方向アクセス・チャネルFACHである。両者は信号データ及びユーザー・データを搬送する。共通チャネルは低い設定時間を有する。共通チャネルは接続が設定される前に通信のために使用されるので、共通チャネルは長い設定時間ではなく直ちにパケットを送るように使用される。一般的にセクタにつき幾つかのRACHまたはFACHがある。共通チャネルはフィードバック・チャネルを持たず、従って一般的に開ループ電力制御及び、固定電力を使用する。さらに、共通チャネルはソフト・ハンドオーバーを使用することができない。このように、共通チャネルの回線レベル性能は専用チャネルのそれより悪く、専用チャネルより多くの干渉が生じる。従って、共通チャネルは小さな個々のパケットを送ることにさらに適している。共通チャネルで使用されるアプリケーションは短メッセージ・サービスのようなアプリケーション、及び短テキスト電子メールであろう。ウェブ・ページに単一要求を送ることはまた共通チャネルの概念によく適合しているが、しかしながら、さらに多いデータ量の場合には、共通チャネルは貧弱な無線性能に苦しむ。
【0078】
専用チャネルは高速電力制御及び無線性能を改善するソフト・ハンドオーバー特性を使用することができ、一般的に共通チャネルよりも少ない干渉が生成される。しかしながら、専用チャネルを設定することは共通チャネルにアクセスするよりも多くの時間がかかる。専用チャネルは1秒間に数キロバイトから1秒間に2メガバイトの可変ビット率を有する。ビット率は伝送の間に変わるので、下り回線の直交符号は最高ビット率に従って割当てられなければならない。従って、可変ビット率の専用チャネルは高価な下り回線直交符号空間を消費する。
【0079】
物理層(L1)120は信号情報及びユーザー・データを搬送する搬送チャネルを経由して MAC層140に結合する。物理層120はデータが如何に及びどんな特性で転送されるかによって特性が決まる搬送チャネルを経由してMAC層にサービスを提供する。
【0080】
物理層(L1)120は物理チャネルを経由して無線回線上の信号及びユーザー・データを受取る。物理層(L1)は一般的に獲得、アクセス、ページ化、及び無線回線確立/失敗といった他の物理層手順は勿論、CRC計算を含む多重化及びチャネル符号化、順方向誤り訂正(FEC)、伝送率調整、搬送チャネル・データのインタリーブ、及び搬送チャネル・データの多重化を実行する。物理層(L1)はまた拡散及びスクランブル、変調、測定、伝送ダイバシティ、電力重み付け、ハンドオーバー、圧縮モード及び電力制御についても責を負う。
【0081】
図5Bは無線回線制御(RLC)層のアーキテクチャを示すブロック図である。上で述べたように、無線回線制御(RLC)層150における各RLCエンティティーまたはインスタンス152は無線資源制御(RRC)層によって三つのデータ移動モードの一つ:トランスペアレントモード(TM)、否定応答モード(UM)、または肯定応答モード(AM)において動く無線資源制御(RRC)層によって構成される。ユーザー・データに関するデータ転送モードはサービス品質(QoS)設定 によって制御される。
【0082】
TMは一方向性であり、送信TMエンティティー152A及び受信TMエンティティー152Bを含む。トランスペアレントモードでは、プロトコル順序は高位層データに加えられない。誤りのあるプロトコル・データ・ユニット(PDU)は廃棄されるか、誤りが記される。特別な場合には、限られたセグメント化/再構築が達成されるけれども、一般的に高位層データがセグメント化されないストリーミング型伝送が使用される。セグメント化/再構成が使用されるとき、それは無線担体設定手順において取決められる。
【0083】
UMもまた一方向性であり、送信UMエンティティー152C及び受信UMエンティティー152Dを含む。上り回線と下り回線との間の関連は必要とされないので、UM RLCエンティティーは一方向性であると定義される。データ配送はUMでは保証されない。例えば、UMは肯定応答及び再伝送がRRC手順の一部ではない或るRRC信号手順について使用される。否定応答モードRLCを利用するユーザー・サービスの例はセル放送サービス及びIP上の音声である。受信誤りデータは構成に応じて印付け、または廃棄される。明白な信号機能なしでのタイマー基準の廃棄が適用され、このように指定時間内に送られないRLC PDUは送信バッファから単順に除去される。否定応答データ転送モードでは、PDU構造化は系列番号を含み、系列番号検査が行われる。系列番号検査は再構築PDUの完全性を保証するのに役立ち、それらが無線回線制御(RLC)SDUに再構築されるとき、無線回線制御(RLC)PDUにおける系列番号を検査することによって破損無線回線制御(RLC)SDUを検出する手段を提供する。あらゆる破損無線回線制御(RLC)SDUは廃棄される。セグメント化及び連結はまた否定応答モード(UM)でも行われる。
【0084】
肯定応答モードでは、RLC AMエンティティーは双方向性であり、反対方向における回線条件の指示をユーザー・データへ抱合わせることが可能である。図5Cは無線回線制御(RLC)肯定応答モード(AM)エンティティーを実施するエンティティー及び如何にAM PDUが構築されるかを示すブロック図である。AMーSAP経由の高位層から受取られたデータ・パケット(RLC SDU)は固定長さのプロトコル・データ・ユニット(PDU)にセグメント化及び/また連結される(514)。プロトコル・データ・ユニットの長さは設定された無線担体において決定された半静的な値であり、RRC無線担体再構成手順によって変えられる。連結または詰込み目的のために、長さ及び拡張に関する情報をもつビットが最後のプロトコル・データ・ユニットの始まりに挿入されるか、もしくはSDUからのデータが含められる。いくつかのSDUが一つのPDUに適合すれば、それらは適切な長さ指標(LI)に連結され、PDUの始まりに挿入される。そして、PDUは伝送バッファ520に置かれ、それはまた再伝送管理を担当する。
【0085】
PDUは送信バッファ520から一つのPDUを取り、それに関するヘッダーを付加することにより構築され、そしてPDUにおけるデータが全RLC PDUを満たさなければ、詰込み領域(padding field)または抱合わせ状態メッセージが付加される。抱合わせ状態メッセージはRLC SDU廃棄を指示するため受信側から、それとも送信側から発する。ヘッダーはRLC PDU系列番号(SN)、ポール・ビット(P)(それはピアエンティティーから状況を要求するために使用される)、及びSDU、詰込み、または抱合わせPDUの連結がRLC PDUにおいて行われれば使用される長さ指標(LI)を任意に含む。
【0086】
肯定応答モード(AM)は一般的にインターネット・ブラウジング及び電子メール・ダウンロードといったパケット型サービスについて使用される。肯定応答モードでは、自動反復要求(ARQ)機構は誤り訂正に使用される。誤りを持つあらゆる受信パケットは再伝送される。RLCの品質対遅延性能はRLCによって提供されるいくつかの再伝送の構成を通してRRCによって制御される。RLCが、例えば、正しくデータを配送しなければ、最大数の再伝送が到達するか、或いは伝送時間が超過すれば、上位層は通告されず、そして無線回線制御(RLC)SDUが廃棄される。ピアエンティティーはまた状況メッセージ中に移動受信ウィンドウ命令を送ることによってSDU廃棄動作を通知され、その結果受信機は廃棄された無線回線制御(RLC)SDUに属する全てのPDUを除去する。
【0087】
RLCは系列内(inーsequence)及び系列外(outーofーsequence)配送の双方について構成される。系列内配送によって、PDUの高位層の順序は維持され、一方、系列外配送はそれらが完全に受取られるとすぐ高位層PDUを転送する。RLC層は高位層PDUの系列内配送を提供する。この機能はRLCによる転送について提示された高位層PDUの順序を維持する。この機能が使われなければ、系列外配送が行われる。データPDU配送に加えて、状態及びリセット制御手順がピアRLCエンティティーの間で通信される。制御手順は個別の論理チャネルを勿論使用し、斯くして、一つのAM RLCエンティティーは一つか、二つのいずれかの論理チャネルを使用する。
【0088】
暗号化は肯定応答及び否定応答RLCモードについてRLC層において実行される。図5Cでは、AM RLC PDUがPDU系列番号及びポール・ビットを含む二つの最初の2ビットを除外して暗号化される(540)。PDU系列番号は暗号化アルゴリズムへの一つの入力パラメータであり、暗号化を行うためピアエンティティーよって読取り可能でなければならない。3GPP仕様書TS33.102は暗号化を述べている。
【0089】
そして、PDUは論理チャネル経由でMAC層140に送られる。図5Cでは、特別な論理チャネル(DCCH/DTCH)は破線によって示され、それは一つのRLCエンティティーが異なる論理チャネルを使用して制御PDU及びデータPDUを送るために構成されることを例示する。AMエンティティーの受信側530は論理チャネルの一つを通してMAC層からRLC AM PDUを受取る。誤りは物理層CRCによって検査され、それは全RLC PDU上で計算される。実際のCRC検査は物理層において行われ、RLCエンティティーは全ヘッダーを復号した後でデータと共にCRC検査の結果を受取り、そして可能な抱合わせの状態情報がRLC PDUから抽出される。受取られたPDUが強いメッセージであったならば、或いは状態情報がAM PDUに抱合わせられれば、制御情報(状態メッセージ)は受取られた状態情報に対してその再伝送バッファを検査する送信側に渡される。RLCヘッダーからのPDU番号は復号のため(550)及び暗号化PDUを受信バッファに記憶するとき使用される。一旦、完全なSDUに属する全てのPDUが受信バッファにあると、SDUは再構築される。示されていないが、系列内配送及び重複検知はRLC SDUが高位層に配送される前に行われる。
【0090】
ユーザー装置(UE)または移動局がPTM伝送と二地点間(PTP)伝送との間で動く(またはセルを変える)ときRLCエンティティー152は再初期化される。これは無線回線制御(RLC)バッファにあるあらゆるデータの損失になる望ましくない結果となる。上で述べたように、移動局が一つのセルから別のセルへ移動するとき、或いはマルチメディア放送及びマルチキャストサービス(MBMS)コンテンツがサービス・セルにおいて二地点間(PTP)伝送から一地点対多地点(PTM)伝送に変わるとき問題が起こる。
【0091】
二地点間(PTP)伝送と一地点対多地点(PTM)伝送との間の移行の間に、或いは異なるセルの間で発生する移行(例えば、ハンドオーバー)の間にマルチメディア放送及びマルチキャストサービス(MBMS)を維持し、且つ重複情報の提示を回避することが望ましい。MBMSサービスの連続性を維持し、且つ重複情報の提示を回避するために、層2(150)は二つのストリームから来るデータを再編成することが可能でなければならない。ネットワーク端末点は各モードにおいて異なるからこの同期(synchronization)は物理層によって行うことができない。3GPP2における場合と同様に、順方向誤り訂正(FEC)がRLC層150以下で実行されれば、データは一地点対多地点(PTM)伝送と二地点間(PTP)伝送間のあらゆる移行の間に失われる。逆も同様である。さらに、これは(例えば、共通予定計画を有する)多数のセル間における同じメディア・アクセス制御(MAC)の物理層同期及び共有を必要とするであろう。従って、これはそのような仮定が適用されない3GPP2において問題を引き起こすことになる。
【0092】
二地点間(PTP)伝送
アプリケーションが有効な遅延許容度を持つと仮定すると、二地点間(PTP)伝送に関して最も効率的なデータ転送モードは無線回線制御(RLC)肯定応答モード(AM)である。例えば、RLC肯定応答モード(AM)は一般的に専用論理チャネル上でパケット交換データ転送のために使用される。RLCは専用論理チャネル上の肯定応答モード(AM)で動作する。図5Aに示されたように、下り回線方向における一つのユーザー・サービスのための専用ユーザー・トラヒックは専用トラヒック・チャネル(DTCH)として既知の論理チャネルを通して送られる。
【0093】
肯定応答モード(AM)では、データに誤りがあれば逆方向回線は再伝送要求に利用可能である。RLCはサービス・データ・ユニット(SDU)を伝送し、再伝送によってそのピアエンティティーへの配送を保証する。RLCが正しくデータを配送しなければ、送信側のRLCのユーザーが通知される。RLC AMにおける操作は一般に遅延が加わることを犠牲にしてさらに電力効率的である。
【0094】
一地点対多地点(PTM)伝送
共通トラヒック・チャネルは下り回線方向に存在する一方向チャネルであり、全ての端末または特定の端末群のいずれかに情報を伝送しているとき使用される。これら両方のデータ転送モードは設定された逆方向回線チャネルを持たない一方向性共通チャネルを使用する。
【0095】
MBMSサービスを二地点間(PTP)及び一地点対多地点(PTM)伝送モードの間でトランスペアレントに切替え可能にするアーキテクチャを提供することは望ましいであろう。二地点間(PTP)及び一地点対多地点(PTM)伝送モードの間を移行しているとき良好な性能を得るために、異なる無線回線制御(RLC)モード間の交換を可能にするアーキテクチャを提供することもまた望ましいであろう。これは、例えば、所要電力を低減するのに役立つ。
【0096】
本発明の形態はこれから図6〜19を参照して示され、且つ説明される実施例を参照して述べられる。これらの特徴は、就中、新しい順方向誤り訂正(FEC)層の使用によってそのような移行の間のサービス連続性を維持するのに役立つ。
【0097】
図6は順方向誤り訂正(FECd)モード及び順方向誤り訂正(FECc)モードにおいて動作可能な順方向誤り訂正(FEC)層を持つ改良UMTSプロトコル・スタックの図である。サービス連続性を保ちながら、ユーザー装置(UE)が二地点間(PTP)伝送から一地点対多地点(PTM)伝送に変るとき、順方向誤り訂正(FEC)層は一つの無線回線制御(RLC)データ転送モードから別の無線回線制御(RLC)データ転送モードへ内在の無線回線制御(RLC)エンティティー152を変えることを可能にする。この実施例に従って、FEC層は第一のモード(FECc)もしくは第二のモード(FECd) で動作する。一つの実施では、第一のモード(FECc)はパリティー・ブロックを利用し、第二のモード(FECd)はパリティー・ブロックなしで動作する。FECdとFECcモードとの間の移行(changing)の影響はRLCモード間の移行より非常に低く、データ損失が移行の間に発生しないようにシームレスにできる。
【0098】
順方向誤り訂正(FECc)モードはユーザー・データを保護するために外部符号化技術を利用する。これは共通チャネル上で特に有効である。順方向誤り訂正(FECc)モードは否定応答モード(UM)で見出される機能、例えば無線回線制御(RLC)層より上で起こるフレーム化(セグメント化及び連結)及び系列番号追加などを可能にする。その結果、伝統的な否定応答モード(UM)は順方向誤り訂正(FEC)層で実行されるので、無線回線制御(RLC)層は二地点間(PTP)伝送についてトランスペアレントモード(TM)を使用する。この機能は無線回線制御(RLC)肯定応答モード(AM)において重複するけれども、ARQによる利得はこの重複(duplication)を補う。
【0099】
無線回線制御(RLC)層の上に順方向誤り訂正(FEC)または外部符号化層を配置することによって、系列番号は無線回線制御(RLC)層に無関係な層に追加される。否定応答伝送によって、系列番号のような追加オーバーヘッドの使用はMBMSデータの非同期伝送の間に符号器パケット(Encoder Packet:EP)とプロトコル・データ・ユニット(PDU)の再編成を可能にする。系列番号は無線回線制御(RLC)より上の層に追加されるので、系列番号は二地点間(PTP)伝送及び一地点対多地点(PTM)伝送の双方において共通であり、従って一地点対多地点(PTM)伝送から二地点間(PTP)伝送への移行が発生するとき、系列番号の連続性は維持される。これはデータ及び/または見逃しデータの重複が回避されるようにデータが再編成されることを可能にする。
【0100】
外部符号化は二地点間(PTP)伝送において使用され、 それは潜在的にシステムにいくらかの電力の利益を与え、且つ/または再伝送の遅延を低減する。マルチメディア放送及びマルチキャストサービス(MBMS)データは可成り遅延耐性がある。二地点間(PTP)伝送では、フィードバック経路が提供される。必要なとき追加パリティー・ブロックが常に送られるFEC手法より一般にもっと効率のよいARQ再伝送の使用によるもっと効率のよい無線回線制御(RLC)肯定応答モード(AM)をこれは使用する。従って、MBMSペイロード・データへのパリティー・ブロックの追加は専用論理チャネル、例えば、二地点間(PTP)上で不必要である。
【0101】
図7A及び7Bは無線回線制御(RLC)層150の上に配置される順方向誤り訂正(FEC)層157を含むアクセス階層のプロトコル構造の実施例を示す。順方向誤り訂正(FEC)層は図11を参照して述べられる。
【0102】
順方向誤り訂正(FEC)層157はユーザー平面無線担体上で直接ユーザー平面情報163を受取る。順方向誤り訂正(FEC)層は無線回線制御(RLC)層の上部に位置するので、FECプロトコル・データ・ユニット(PDU)はRLCサービス・データ・ユニット(SDU)に対応する。FEC層は好しくは任意のSDUサイズ(8ビットの倍数に制約される)、可変伝送率源(variable rate sources)、低位層からのパケットの系列外受信、及び低位層からの重複パケットの受信に対応する。FEC PDUサイズは8ビットの倍数に制約される。
【0103】
図9Aを参照して下記でさらに詳細に述べられるように、FEC層157はSDUのようなユーザー・データの高位層ブロックをセグメント化し、且つ連結する。各行はまた内部ブロックと云われる。各プロトコル・データ・ユニット(PDU)はオーバーヘッドを含む。オーバーヘッドはサービス・データ・ユニット(SDU)のようなユーザー・データの特定ブロックからのデータが位置するプロトコル・データ・ユニット(PDU)の始まりを示す長さ指標(LI)を含む。PDUの集団は符号器パケット(EP)または「符号器マトリックス(encoder matrix)」を含む。符号器パケット(EP)に含まれるPDUの数は、就中、使用される外部符号に依存する。各符号器「マトリックス」行を独立もしくは個別の伝送時間間隔(TTI)に詰込むことは物理層の性能を高める。バッファ負担を低減させるために、短い伝送時間間隔(TTI)継続期間が使用される。
【0104】
そして、符号器パケット(EP)はパリティ行を生成するために外部符号符号器を通過する。図9Aを参照して下記でさらに詳細に述べられるように、FEC層157はUMTS地上無線接続ネットワーク(UTRAN)20中においてリード・ソロモン(RS)符号器の機能を提供することによって外部符号化を実行し、ユーザー装置(UE)10内においてリード・ソロモン符号器の機能を提供することによって外部符号化を実行する。
【0105】
外部符号器によって生成されたパリティ行は符号器パケット(EP)に加えられ、一群の内部ブロックとして伝送バッファに置かれる。各内部ブロックはプロトコル・データ・ユニット(PDU)を造るためにそれに加えられた情報を有する。そして、PDU群が伝送される。
【0106】
FEC層157はまた、たとえ異なる内部ブロックが異なるセルから受取られるとしても、一つのEPに属するデータの再生を可能にする。これは各プロトコル・データ・ユニット(PDU)のヘッダーにおける系列番号(SN)の伝送を通して達成される。一実施例では、システム・フレーム番号(SFN)これが符号器パケット(EP)に関してデータ整列を維持するのに役立つ。系列番号は、例えば、図10A及び10Bを参照してこの文書の中でさらに詳細に論じられる。
【0107】
FEC層157はまた詰込み及び再構成、ユーザー・データの転送を実行し、且つ上位層PDUの系列内配送、重複検知、及び系列番号検査を実行する。
【0108】
図6〜7Aに示された実施例では、順方向誤り訂正(FEC)層157はパケット・データ収束プロトコル(PDCP)層156と無線回線制御(RLC)層150との間(例えば、(BMC)層と同じレベル及びパケット・データ収束プロトコル(PDCP)層の下)に示されている。内部ブロック・サイズは無線で送られるパケットの「黄金(gold)」パケット・サイズに合致するので、順方向誤り訂正(FEC)層157を無線回線制御(RLC)層150の丁度上に置くことによって外部符号の性能が最適化される。それでもなお、順方向誤り訂正(FEC)層はここで例示の目的のためにのみで示され、制限のないことは理解されるべきである。パケット・データ収束プロトコル(PDCP)層156はそのヘッダー圧縮能力のために順方向誤り訂正(FEC)層157の頂部で使用される。現在パケット・データ収束プロトコル(PDCP)層156は専用論理チャネルを使用する二地点間(PTP)伝送について定義されることは注目されるべきである。図7に示されたように、順方向誤り訂正(FEC)層は無線回線制御(RLC)層の上のアクセス階層内またはアプリケーション層中のどこでも提供される。順方向誤り訂正(FEC)層はパケット・データ収束プロトコル(PDCP)層の下または上にあってもよい。FECがアプリケーション層80で実行されれば、「黄金」パケット・サイズが二つについて異なるにしても、それは等しくGSM及びWーCDMAに適用することができる。
【0109】
外部符号設計
新しい順方向誤り訂正(FEC)層はユーザー平面情報に基づいて外部符号化を実行する。図8は外部符号構造の概念を例示するために情報ブロック91及び外部符号ブロック95を示す図である。図9Aは外部符号ブロック構造がマルチメディア放送及びマルチキャストサービス(MBMS)データ91に適用される例を示す図である。遅延耐性のコンテンツを全体のセル上で放送するとき外部符号化は物理層性能を改善する。外部符号は、例えば、セル間の移行の間及び二地点間(PTP)伝送モードと一地点対多地点(PTM)伝送モードとの間の移行の間にデータの損失を回避するのに役立つ。
【0110】
外部符号ブロック95はkプロトコル・データ・ブロック91及びNーkパリティ行93の形で表される。外部ブロック符号化において、データをセグメント化し、連結し、且つ詰込む(内部ブロックへのオーバーヘッドの挿入を含む)ことにより、そして外部符号ブロック95を造る情報ブロック91に加えられるNーkパリティ行93を生成するため結果として生じる情報ブロック91を符号化することによってユーザー・データをkペイロード行へ体系化することにより大きな符号器パケットまたは情報ブロック91にデータは集合される。パリティー・ブロック93は冗長度情報を情報ブロック91に加える。そして、外部符号ブロックの個々の行は一つもしくは多数の伝送時間間隔(TTI)の間に結局伝送される。いくつかのPDUが伝送の間に失われるとしても、プロトコル・データ・ユニット(PDU)の集合に関する冗長度情報は元の情報が再構築されることを可能にする。
【0111】
図9Aはリード・ソロモン(RS)ブロック符号として知られる典型的な外部符号構造を示す。リード・ソロモン(RS)符号はチャネル誤りを検出し、且つ訂正するために使用される。図9Aに示された外部符号は系統的(n,k)ブロック符号で、ここで各リード・ソロモン(RS)符号シンボルは行(row)及び列(column)によって定義された1バイト情報である。各列はリード・ソロモン(RS)符号語を含む。n逸失ブロックが復元されるには、少なくともnパリティー・ブロックが必要である。従って、パリティー・ブロックの数が増加するにつれて必要なメモリの量が増加する。リード・ソロモン(RS)符号化において、Nーkパリティ・シンボルは符号語を生成するためにk系統的シンボルに加えられる。言い換えれば、リード・ソロモン(RS)符号[N,k]はk情報或いは「系統的(systematic)」シンボル及びNーkパリティ・シンボルを有する。Nは符号の長さであり、kは符号の次元である。k情報バイト毎に、符号はn符号化シンボルを造り、その最初のkは情報シンボルと同一である。各行は「内部ブロック(inner block)」と呼ばれ、伝送時間間隔(TTI)ごとのペイロードを表す。通常のWーCDMAシステムにおいて、伝送は、例えば、20msフレーム(TTI)の基本的なWーCDMA構造上で発生する。パリティ・シンボルは下記で定義される生成マトリックスGk×Nを使用して系統的シンボルから得られる:
1×k・Gk×N=c1×k (式1)
1×k=情報語=[m ・・・ mkー1] (式2)
1×N=符号語=[c ・・・ cNー1] (式3)
ここで、m,cは任意のガロア体に属する。例えば、リード・ソロモン(RS)符号語シンボルが1ビットであれば、次元2(GF(2))のガロア体が復号動作を記述するために使用されるであろう。一実施例では、シンボルが8進数であれば、次元256 GF(256)のガロア体が復号動作を記述するために使用される。この場合には、各情報列は行につき1バイトから成る。各情報列は次元 256 GF(256)上のガロア体上で[N,k]リード・ソロモン(RS)符号を使用して符号化される。行につきMーバイトあれば、外部ブロックはM回符号化される。従って、外部ブロック95につきN*Mバイトある。
【0112】
抹消復号化
外部符号構造は抹消訂正を可能にする。どのシンボルが誤っているかを復号器が分かれば、誤りの系統的シンボルの再構築は比較的小さな計算量を必要とする。符号器パケット(EP)またはマトリックスは外部符号器の出力においてデータの全集合を参照する。冗長度情報は各行から列ごとに取られ、伝送される各行はデータが正しく送られたことを確認するためにそれに付加された検査しなければならないCRCを有する。MBMS伝送の場合には、内部ブロック91が誤っているかどうかを示すCRCが各搬送チャネル・ブロックにおいて使用され、そしてCRCが失敗すれば、ブロック中の全てのシンボルは誤りがあると推定される。実施例では、或る内部ブロック97に誤りがあれば、そのブロックの全てのビットは抹消される。術語「抹消(erasure)」はCRCが失敗した誤りブロックに属する各シンボルを云う。抹消ではないシンボルは正しいとみなされる。CRCの未検知誤り確率を無視すると、各N×1列は正しい抹消されたシンボルを含む。
【0113】
受信ベクトルrは次のように書かれる:
1×N=[ce e ce c・・・ cNー1] (式4)
ここで、eは抹消を識別する。
【0114】
抹消復号化はNーk誤りシンボルまで訂正されることを可能にする。抹消ではないシンボルは正しいと見なされるので、RS符号の誤り訂正特性は一般的なRS符号のそれより一般的にはるかに良い。各内部ブロックにおいて使用されるCRCのサイズは未検知誤り確率が残りの外部ブロック確率を超えないことを保証するのに十分に大きくなくてはならない。例えば、16ビットCRCが内部ブロックにおいて使用されれば、残りの外部ブロック誤り率低限界は2ー16=1.5×10ー5であろう。最初のk内部ブロックに誤りがなければ、系統的シンボルは情報シンボルと同じであるのでRS復号は行う必要がない。
【0115】
良好なCRCを持つkブロックが受信されとすぐに、外部ブロックの復号は全てのN内部のブロックの受信を待たないで実行されることは注目される。抹消復号を行うために、修正された生成マトリックスΩk×k は抹消または不必要なブロックに対応する全ての列を取除くことによって生成マトリックスGk×Nから得られ、例えば、最初の良好なk受信シンボルが修正生成マトリックスを識別すために使用される。元の情報語mは次のように復元される:
【数1】

【0116】
抹消復号化の複雑さはk×kマトリックス反転の複雑さに低減される。このように、RS抹消復号化の使用はRS復号化の計算の複雑さを非常に単純化する。
【0117】
外部符号化性能に対するデータ詰込みの影響
図11〜13を参照して下記で論じられるように、無線で送られる詰込み及びオーバーヘッドの量が特定の外部符号化手法によって制限されれば、外部符号化は非常に大きなオーバーヘッドに帰着することなしで可変伝送率データ源と共に使用される。上で論じられた外部符号手法では、データは或るサイズのブロックに詰込まれ、短縮リード・ソロモン符号がブロックに亘って実行される。符号器パケット・データは図9A及び9Bを参照して述べられた少なくとも二つの異なる方法 でTTIに詰込まれる。
【0118】
図9Bは伝送時間間隔(TTI)につき多数の行が送られる図9Aの外部符号ブロック構造を示す図である。発明の別の形態によれば、一行からのデータは一つのTTIにおいて伝送される。別の実施例では、一つの符号器パケット(EP)行からのデータは各TTIがその符号器パケット(EP)行からのデータを含むように一つのTTIに入れられる。従って、各々の行は個別のWーCDMAフレームまたは伝送時間間隔(TTI)において伝送される。各行を一つのTTIで送ることは良好な性能を提供するであろう。図9Bでは、kとnの両方はTTI当たりの行の数によって分割され、行における誤りは完全に相関させられる。EP誤り率対TTI誤り率を見るとき、これは可成りの差異を引き起こす。
【0119】
図9Cは各行が多数のTTIにおいて送られる図9Aの外部ブロック構造を示す図である。図9Cは四つのTTI(TTI0〜TTI3)に亘って符号器パケットの各行を送っていることを例示しているが、実際には、各行はどんな数のTTIに亘っても送られることは理解されるべきである。各列は外部符号の符号語であるので、四つの明白な伝送「フェーズ(phases)」(TTI0〜TTI3)の各々は独立外部符号に等しい。全体のパケットが復元されるために、これらの独立した外部符号の全てが正しく復号することは必要であろう。
【0120】
図10A及び10Bは順方向誤り訂正層によって生成された外部符号ブロックを示す図である。
【0121】
FECcモードはパリティ行またはブロック93をMBMSペイロード・データ91に加えることによって、外部符号ブロック95を構築するために共通もしくは一地点対多地点(PTM)論理チャネル上で使用される。各外部ブロック95は複数の内部ブロック91、93を含む。内部ブロックの系列及びそれらの符号器パケットに対する位置を識別することは外部復号が正しく行われるように各利用可能な内部ブロックが正しい位置に置かれることを可能にする。一実施例では、各内部ブロックは内部ブロック数m及び外部ブロック数nによって内部ブロックを識別するヘッダー94を含む。例えば、外部ブロックnはm内部マルチメディア放送及びマルチキャストサービス(MBMS)ペイロード・ブロックを持つデータ部分91とMー(m+1)内部パリティー・ブロックを持つ冗長部分93を含む。この実施例に従って、系列番号空間はMBMSについて最適化され、いくつかの明白な系列番号、例えば、0から127によって定義される。系列番号空間は同じ系列番号があらゆる種類の移行によって引き起こされる受信間隙(reception gap)後で現れないように十分に大きくなければならない。いくつかの内部ブロックが失われるとしても、受信UEは内部ブロックの順序を決定できなければならない。全系列番号空間によって識別できるより多くの内部ブロックをUEが失えば、UEは内部ブロックを正しく再順序付けできないであろう。同じ内部ブロックの系列番号はFECdブロック及びFECcブロックに亘って同じである。FECdブロックはFECcブロックにおいて利用される冗長部分93を含まない。FECdエンティティー及びFECcエンティティーは無線で同じビット率を使用する。
【0122】
送信側
送信順方向誤り訂正(FEC)エンティティー410はSDUを受信するサービス・データ・ユニット(SDU)バッファ412、セグメント化及び連結ユニット414、リード・ソロモン(RS)符号化を行う外部符号器416、系列番号を符号化PDUに加える系列番号発生器418、論理チャネル406上でPDUを伝送する送信バッファ420、及び予定計画ユニット422を含む。
【0123】
サービス・データ・ユニット(SDU)バッファ412は矢印で示されたように無線担体402上でサービス・データ・ユニットの形でユーザー・データを受取り、高位層からのFEC SDUを記憶する。受信バッファ412は予定計画ユニット422にどのくらい多くのデータが伝送されるかを通信する。
【0124】
上記のように、源データ率(source dataーrate)は一般的に変化するからそれが符号器パケット(EP)を一杯にする時間の量は一般的に変化する。図13を参照して説明されるように、フレーム充填効率はデータを詰込み始める時を決定する際柔軟性を持つことによって改善される。導入される詰込みの量は受信FECエンティティー430のジッター耐性に基づいてできる限りEPの作成を遅らせることによって低減される。
【0125】
予定計画エンティティー422は符号化を始めるときを決定する。スケジューラ422は好しくはその特定サービスのためのQoS特性(profile)に基づいてパケットが送出される必要がある前にどのくらい待つことが可能であるかを決定する。一旦、スケジューラ422は十分なデータが蓄積されたこと、或いは最大の受入可能なパケット伝送遅れが使い果たされたことを立証すれば、それは符号器パケット(EP)の作成を始動する。セグメント化及び連結ユニット414はサービス・データ・ユニット(SDU)を様々な行に分割し、長さ指標(LI)を生成する。
【0126】
予定計画ユニット422は好ましくはSDUが行の数(例えば、12)に正確に適合するようにEPまたはプロトコル・データ・ユニット(PDU)の最適サイズを決定する。代りに、スケジューラ422は最小可能な詰込みになるであろうRRCによって構成されるものからFEC PDUサイズを選択し、セグメント化及び連結機能414がSDUをサイズ(PDUサイズーFECヘッダー・サイズ)のkブロックにフォーマットすることを要求する。 このフォーマットは変化する。異なる形式のフォーマット化の例は図12、13を参照して下記で論じられる。考えられるデータの総量は連結及びセグメント化機能414によって組込まれるであろうオーバーヘッドを含むであろう。符号器パケット(EP)を生成するために、スケジューラ422は連結及びセグメント機能414がそのサイズのkPDUを作成することを要求する。このサイズは再構築情報を含む。一実施例では、PDUは8ビットの倍数のサイズを持っており、連続したPDUのデータは符号語における異なるシンボルに対応する。
【0127】
そして、kPDUブロックはリード・ソロモン(RS)符号化を実行する外部符号器416を介して実行される。外部符号器416は外部符号ブロックを造るために符号器パケット(EP)マトリックスに冗長度もしくはパリティ情報を生成且つ付加することによって符号器パケット(EP)マトリックスにおいてデータを符号化する。符号器はk行の等しい長さの情報に符号化を行い、低位部分層に同じサイズのnプロトコル・データ・ユニット(PDU)を配送する。最初のkブロックはそれが受取るものと同一であり、次のnーkブロックはパリティ情報に対応する。
【0128】
スケジューラ422はまたPTMストリームの時間配列または相対的タイミングを監視し、異なる論理ストリームの配列を調整するように伝送を行う。例えば、再構成の間にPTPとPTM論理ストリームとの間の時間配列はサービス連続性に益するように調整される。ストリームが完全に同期するとき、最良の性能が得られる。
【0129】
異なる基地局(或いは、異なる伝送モード:PTP、PTM)は同じコンテンツストリームを伝送するが、それらのストリームはずれがある。しかしながら、データ・ストリームの符号器パケット(EP)フォーマットが同じであれば、各ストリームに関する情報は厳密に同じである。ユーザー装置(UE)は二つのストリームの間の関係が分かっているので系列番号を各外部ブロックに加えることによってユーザー装置(UE)は二つのストリームを結合することが可能となる。
【0130】
系列番号発生器418はPDUを造るために符号器416において使用されたものと同じ系列において各ブロックの前部に系列番号を付加する。実施例では、系列番号発生器は、例えば、PDUを生成するために各外部符号ブロックの前部に8ビット系列番号を加える。追加オーバーヘッド情報はまた外部符号ブロックに加えられる。系列番号空間はストリーム間の悪い場合の時間差に適応するのに十分に大きくならなければならない。従って、別の実施例では、20の系列番号空間が使用され、少なくとも5ビットが系列番号のために各ヘッダーにおいて用意される。このヘッダーはリード・ソロモン(RS)符号化が行われた後で外部符号ブロックに付加され、従ってこの「外部(outer)」ヘッダーは外部符号によって保護されない。系列番号はまた、たとえそれらが送られないとしても、好しくはパリティー・ブロックのために加えられる。一実施例では、系列番号の位相は符号器パケット境界と整列されている。系列番号の転倒(rollーover)は新しい符号器パケットの受信に対応するであろう。
【0131】
順方向誤り訂正(FEC)ヘッダー・フォーマット
上述のように、データ・ストリームの同期はPDUの順序付けと関連する情報を含む系列番号を導入することによって達成される。再順序付け及び重複検知に加えて、系列番号は符号化パッケットに含まれるそれぞれの源からのデータが再配列されることを可能にする。この系列番号は各パケットが考慮されるべき順序をはっきりと識別する。この系列番号は符号化が行われた後、情報ペイロード・ユニット(PDU)及びパリティー・ブロックの双方に付加される「FECヘッダー」を構成することができる。系列番号は復号化のために必要とされるので外部符号によって保護されないだろう。
【0132】
図14は順方向誤り訂正(FEC)ヘッダー・フォーマットの実施例の図である。データの符号器パケット(EP)との整列を容易にするために、系列番号は保留部分(R)402、EP(EPSN)を識別する符号器パケット(EP)部分404、及び符号器パケット(IEPSN)406内の特定の内部ブロックの位置を識別する内部符号器パケットを含むように分割される。
【0133】
FEC層400にとって無線回線制御(RLC)モードと相互動作できることが望ましい。無線回線制御(RLC)AM及び無線回線制御(RLC)UMの双方は8ビットの倍数にサイズを持つサービス・データ・ユニット(SDU)を要求するので、FEC層400がまたこの要求に固執することは望ましいであろう。FEC層400のための外部符号はデータのバイト・サイズ増加によって動作するので、符号器パケット(EP)の行サイズはまた整数バイトである必要があるであろう。従って、FECヘッダー・サイズ401はまた無線回線制御(RLC)に受入可能なためにFECプロトコル・データ・ユニット(PDU)について8ビットの倍数でなければならない。順方向誤り訂正(FEC)ヘッダー401が1バイトである一実施例において、単一ビットを含む保留部分(R)、3ビットを含むEP(EPSN)404を識別する部分、及び4ビットを含む符号器パケット(IEPSN)406内のPDUの場所を識別するIPE部分を持つ。この実施例では、TTIにつき一つのPDUが送られ、且つ異なるセルの伝送タイミングは100ms以上の変動はないと予想されるので、8ビットの系列番号が使用される。
【0134】
伝送バッファ420はデータのフレームが累積されるまでPDUを記憶する。PDUが要求されるとき、伝送バッファ420はフレームを順々に論理チャネル経由にて無線インタフェース(Uu)上でMAC層へ伝送する。そして、MAC層はPDUが結局UE10に通信される物理層に搬送チャネルを経由してPDUを通信する。
【0135】
受信側
図11をなお参照すると、受信順方向誤り訂正(FEC)エンティティー430は受信バッファ/再順序付け/重複検知ユニット438、系列番号除去ユニット436、リード・ソロモン復号を行う外部復号器434、及び再構築ユニット/サービス・データ・ユニット(SDU)伝送バッファ432を含む。
【0136】
EPマトリックスの情報行はPDUに対応する。外部符号化を支援するために、受信順方向誤り訂正(FEC)エンティティー430は外部符号化を始動する前にいくつかのPDUを累積する。連続受信を達成するために、符号器パケットを復号する必要にも拘わらず、復号を行っている間、ユーザー装置(UE)は入来するプロトコル・データ・ユニット(PDU)をバッファする。
【0137】
受信バッファ438は全符号器パケット(EP)が受信されるまで、もしくは予定計画ユニット(示されてない)が符号器パケット(EP)の再伝送がもうないことを納得するまでPDUを累積する。一旦、或る符号器パケットについて受信されたデータがもはやないであろうと決定されれば、欠落PDUは抹消であると識別される。言い換えれば、CRC検査に通らないPDUは復号処理において抹消と置換されるであろう。
【0138】
いくつかのブロックは伝送の間に失われることがあり、或いはまた異なるデータ・ストリームは異なる遅れを持つので、受信順方向誤り訂正(FEC)エンティティー430は潜在的に受信バッファ/再順序付け/重複検知ユニット438において受信ブロックの重複検知及び再順序付けを行う。系列番号は再順序付け/重複検知を支援するために各FECプロトコル・データ・ユニット(PDU)において使用される。系列番号はばらばらで受信されたデータを再順序付けするために受信バッファ438において使用される。一旦PDUが再順序付けされれば、重複検知ユニットはそれらの系列番号に基づいて符号器パケット(EP)におけるPDUを検知し、あらゆる重複を除去する。
【0139】
そして、系列番号は除去される。系列番号はリード・ソロモン(RS)復号器に送られたブロックの一部ではないので、系列番号除去ユニット436は符号器パケット(EP)から系列番号を取除く。
【0140】
そして、データは欠落情報を復元するために外部復号機能434に渡される。外部復号器434は符号器パケット(EP)を受取り、必要であれば、リード・ソロモン(RS)復号器は誤った、もしくは欠落している行を再生するためにパリティ情報を使用することによって符号器パケット(EP)を復号する。例えば、情報を含む全てのプロトコル・データ・ユニット(PDU)が正しく受信されなければ、もしくはnPDUからkより少数しか正しく受信されなければ、パリティPDUのサイズまで、プロトコル・データ・ユニット(PDU)、外部復号化が欠落情報PDUを復元するために行われる。外部復号化が行われるときはいつでも、少なくとも一つのパリティPDUは受信機で利用可能であろう。情報を含む全てのプロトコル・データ・ユニット(PDU)が正しく受信されれば、もしくはnPDUからkより少数でも正しく受信されれば、復号化は必要がない。そして、情報プロトコル・データ・ユニット(PDU)は再構築機能432に配送される。
【0141】
そして、外部復号化が旨くいったかどうかとは関係なく、情報行は再構築ユニット/機能432に配送される。再構築ユニット432は長さ指標(LI)を使用して符号器パケット(EP)マトリックスの情報行からSDUを再構築、或いは再構成する。一旦、SDUが旨く集められれば、サービス・データ・ユニット(SDU)伝送バッファ432はSDUを高位層に配送するため無線担体440上でサービス・データ・ユニット(SDU)を伝送する。
【0142】
順方向誤り訂正(FEC)エンティティー430において、異なる論理ストリームの間で時間オフセットによりUEに復号化を遅らせることを可能にすることは、システムが論理ストリームの間の同期の欠如によるデータの潜在的系列外受信を十分に利用することを可能にする。これはPTPとPTMとの間の移行と同様にハンドオフの間のサービスを円滑にする。UEを異なる論理ストリームの間で時間オフセットにより復号化を遅らせることを可能にするアルゴリズムは図15を参照して論じられる。
【0143】
符号器パケット(EP)選択肢:固定または可変行サイズ
プロトコル・データ・ユニット(PDU)は全ての伝送時間間隔(TTI)で連続的に送られる必要がないので、FECまたは外部符号エンティティーはプロトコル・データ・ユニット(PDU)が構築されるときについては柔軟性がある。これは良好なフレーム充填効率及び少ない詰込みオーバーヘッドをもたらすことになる。
【0144】
必要ならば、外部符号エンティティーは各伝送時間間隔(TTI)でペイロードを生成することができる。サービス・データ・ユニット(SDU)は高位層から受取られるので、プロトコル・データ・ユニット(PDU)は実時間で構築される。プロトコル・データ・ユニット(PDU)を造るために十分なデータがなければ、RLCが詰込みを追加する。
【0145】
固定行サイズ符号器パケット(EP)
SDU201〜204を符号化するとき、できる限り伝送される詰込みの量を低減することが望ましい。
【0146】
一実施例では、符号器パケット(EP)マトリックス205の行サイズは固定サイズである。符号器パケット(EP)マトリックス205の行サイズの推測的知見はそれらの元の構成へのデータの整列を可能にする。内部で送られるであろうSDU201〜204の行サイズは前もって分かっているので、伝送はどのくらいのデータが送られるかが分かるのを待たずにデータが受取られるとすぐに開始することができる。
【0147】
図12Aは外部符号ブロック214の行サイズが固定されたデータ・ユニット201〜204から外部符号ブロック214を造るための符号化処理の例を示す。この例では、ユーザー・データは任意のサイズ・ブロックのビットを含む複数のサービス・データ・ブロック(SDU)201〜204の形をとり、そのサイズは特定のアプリケーション(ビデオ、音声等)に依存する。
【0148】
任意サイズのFEC SDUを伝送できるようにするために、セグメント化、連結及び詰込みがFECレベルで行われる。連結は絶対に必要ではないが、それがないと高位層データ処理量に重大な低下をもたらすであろう。
【0149】
高位層SDU201〜204は最初にこの固定PDUサイズにフォーマットされる。この実施例では、セグメント化/連結機能は加入者ユニットに指示される固定サイズの内部ブロックを生成する。ステップ220で、内部ブロックの群は内部ブロック、必要な程度までの詰込み208、及びどれだけ多くのSDUがEPの或る行で終わるかを示すことによって、サービス・データ・ユニット(SDU)201〜204の終わりを指し示すために使用される長さ指標(LI)206を含む、符号器パケット・マトリックス205の一部になるようにセグメント化及び連結される。下記で論じられる外部符号器は冗長ブロックを造るためにこれらの内部ブロックを使用する。
【0150】
無線回線制御(RLC)において、長さ指標(LI)はサービス・データ・ユニット(SDU)よりはむしろプロトコル・データ・ユニット(PDU)と比較して識別される各サービス・データ・ユニット(SDU)の終わりを示す。PDUサイズはサービス・データ・ユニット(SDU)のそれよりは一般的に小さいからこれはオーバーヘッドを低減させる助けになる。例えば、長さ指標(LI)はペイロード・データ・ユニット(PDU)内の各FECサービス・データ・ユニット(SDU)末端の最後の8進数(octet)を指示するために使用される。「長さ指標」はFECヘッダーの終わりとFEC SDUセグメントの最後の8進数までの間の8進数の数に設定される。長さ指標(LI)は好しくはその長さ指標(LI)が参照するPDUに含められる。言い換えれば、長さ指標(LI)は好しくは同じペイロード・データ・ユニット(PDU)を参照し、好しくは長さ指標(LI)が参照するFEC SDUと同じ順序にある。
【0151】
外部ブロックが受信されるとき、長さ指標(LI)のような情報は受信機にサービス・データ・ユニット(SDU)及び/または詰込みが何処で開始し、且つ終わるかを知らせるために使用される。
【0152】
長さ指標(LI)の存在を示すためにFECヘッダーにおけるビットを使用することはできないので、FECヘッダーは長さ指標(LI)の存在を示すペイロード内の固定ヘッダーを加える。内部ヘッダーまたはLIはSDU201〜204を構築するために必要とされる情報を全て提供する。LIはそれが参照するPLCーPDUに含まれる。最初のLIの存在はPLCーPDUの系列番号ヘッダーに含まれるフラグによって示される。各LIにおけるビットはその拡張を示すために使われる。長さ指標(LI)の長さをFEC PDUサイズと交換することを可能にするため、前のSDUが最後のPDUを満たすことが不足して終わったことを示す1バイトの長さ指標(LI)に関する新しい特定の値が導入される。長さ指標(LI)存在ビットは様々な方法で実行され、そのうちの二つは下記で論じられる。
【0153】
一実施例では、長さ指標(LI)存在ビットは各プロトコル・データ・ユニット(PDU)において提供される。例えば、1バイトが各符号器パケット(EP)行の始まりに加えられ、バイト中のビットがLIの存在を示す。各プロトコル・データ・ユニット(PDU)の全体の最初のバイトはこの「存在ビット(presence bit)」のために予約される。この存在ビットに適応するために、長さ指標は1ビットだけ短くされる。各パケット・ユニット(PDU)において存在ビットを提供することによって、SDUはたとえ最初のPDUが欠落しているとしてもEP復号化が失敗したとき復号されることが可能となる。これは低い残留誤り率に帰着する。各PDUにおいて存在ビットを提供することは実時間連結/セグメント化を可能にする。
【0154】
別の実施例では、長さ指標(LI)存在ビットは最初のPDUで提供される。各PDUの始まりでオーバーヘッドを加える代りに、全k情報PDUの存在ビットはEPの最初のPDUの始まりに加えられる。符号器パケット(EP)の始まりにおいて存在ビットを提供することは大きなSDU及び/または小さなPDUを持っているときより少ないオーバーヘッドに帰着する。
【0155】
セグメント化及び連結の後、EP205は複数のサービス・データ・ユニット(SDU)201〜204及び詰込みブロックの少なくとも一つによって占有されるいくつかの行を含む。外部ブロックの行サイズは各行が最高データ率(a peak data rate)で伝送時間間隔(TTI)の間に伝送されるように設計される。サービス・データ・ユニット(SDU)は一般に伝送時間間隔(TTI)の間に送られるデータの量と協調させられない。斯くして、図12Aに示されたように、第二及び第四のSDU202、204はEPのそれぞれ第一及び第二の行の伝送時間間隔(TTI)に適合しない。この例では、EPはデータに利用可能な12行を持っており、4SDU201〜204はこれら12行の最初の三つの行に詰められる。EP205の残りの行は詰込みブロック208によって占有される。このように、第二SDU202は第二サービス・データ・ユニット(SDU)202の第一の部分が「情報ブロック」の最初の行において開始し、第二SDU202の第二の部分が第二の行で終わるように分割される。同様に、第三SDUは第三サービス・データ・ユニット(SDU)203の第一の部分が第二の行において開始し、第三SDU203の第二の部分が第三の行で終わるように分割されなければならない。第四サービス・データ・ユニット(SDU)204は第三の行内に適合し、第三の行の残りは詰込みブロック208で充填される。この例では、符号器パケット(EP)213は詰込み208でたいてい構成される。
【0156】
符号器は冗長度またはパリティ情報を生成するためにEPを使用する。ステップ240で、符号器は長さが16ブロックある外部符号ブロック213を生成するために、外部パリティー・ブロック214を加えることによって符号化される中間パケット・マトリックス205を符号化する。その符号器はその結果生じるデータ210を造るために各ブロックの各列から8ビットのデータを抽出する。リード・ソロモン(RS)符号器は冗長度またはパリティ情報212の4行を得るためにその結果生じるデータ210を符号化する。パリティ情報212は、16ブロックの外部符号ブロック213を生成するためにEPマトリックス205に付加される外部パリティー・ブロック214を生成するために使用される。
【0157】
図12Bは上で論じられた例において無線で伝送される情報の例を示す。ステップ260で、EP205の各列に系列番号を含む追加のオーバーヘッドを加えた後、16ブロックの外部符号ブロック213はプロトコル・データ・ユニット(PDU)214として無線で伝送される。十分なまたは全体の符号器パケット(EP)213マトリックスは下り回線上で送られるプロトコル・データ・ユニット(PDU)214では伝送されない。むしろ、プロトコル・データ・ユニット(PDU)は情報ビット201〜204及び符号器パケット(EP)マトリックス213の長さ指標(LI)206を含む。符号器パケット(EP)マトリックス213行サイズは固定され、したがって受信機で分かっているので、詰込み208を無線で実際に送ることは不必要である。詰込み値は分かっているので、詰込み情報208は下り回線上で伝送されず、従って、詰込み情報208を伝送する必要性はない。例えば、詰込みが全て0、全て1、または0と1の交互のパターンといった既知のビットの系列で構成されていれば、受信機は名目上符号器パケット(EP)213行長までプロトコル・データ・ユニット(PDU)214を詰込むことができる。従って、伝送の間に、EP行サイズに等しいPDUサイズを選択する代りに、情報ビット201〜204及び再構築オーバーヘッド(例えば、LI)を全て搬送する最小の利用可能なEPサイズが利用される。
【0158】
符号器マトリックスの行サイズは固定されているけれども、FEC PDUサイズは各々が一つの符号器マトリックス行の情報部分(詰込みは除外される)を全て含むように各伝送において或る集合から選択されるであろう。符号器マトリックスの行サイズより小さいサイズのPDUを受取るとき、 UEは既知のビット系列を持つそのサイズまで詰込むことができる。これは空中インタフェース上で負荷を増加せずに、内部ブロック・サイズが固定したまま維持されることを可能にする。固定行サイズを用いて、符号器パケット(EP)213はプロトコル・データ・ユニット(PDU)を伝送し始める前にデータが全て利用可能になるまで待つ必要性を取除き、また詰込みを送る必要性を取除く。
【0159】
可変率伝送を扱うために上のアルゴリズムが実施されれば、全ての符号器パケット・マトリックスが一定のサイズを持つ伝送率等化手法が使用される。詰込みがPDUの一部を構成するとき、より小さなPDUが使用されるであろう。詰込みは特定のビット系列で構成され、データの最終に位置する。受信機では、低位層から受信されたブロックのサイズは最後に詰込みを付加することによって基準サイズ(baseーline size)と等化される。
【0160】
所定のビット系列が詰込みのために使用されれば、この詰込みは無線では伝送されない。受信機は外部復号化を実行する必要がない限り、受信機は実際の符号器パケット行サイズを知る必要はない。基本的なSDU再構築はPDUの終りに詰込みの量の知ることを必要としない。最初のk符号器パケット(EP)行からの情報を含むPDUは全てが受信されれば、外部復号化は不必要である。それとは対照的に、最初のk符号器パケット(EP)行からの情報を含む少なくとも一つのPDUが欠落していれば、パリティ行からのデータを含むPDUの少なくとも一つは必要とされる。パリティ行は一般に詰込まれないから、サイズは仮定される必要がある実際の符号器パケット・サイズについて参照として使用される。
【0161】
可変行サイズ符号化器パケット(EP)
図13は可変行サイズを持つ外部符号ブロック313を造るための符号化処理を示す。 本発明のこの形態は空中インタフェース上で送られたデータの柔軟な外部ブロック符号化に関係する。この符号化処理はフレーム充填効率が増加するように送られる詰込みを少なくすることに帰着する。符号器パケット(EP)305の行は可変サイズであり、異なるサイズにされた外部ブロックは各伝送時間間隔(TTI)について送られる。好しくは、符号器パケット(EP)305の行サイズはSDUが符号器パケット(EP)マトリックス305の行の数(例えば、12)に正確に適合するように変化する。この実施例では、FEC層が最適な行サイズを決定できるように、FEC層はEPを造る前に利用可能であるデータの全てを待たなければならない。行サイズは詰込みを制限するために利用可能なデータの量に基づいていくつかの異なるサイズから選択される。符号器パケット(EP)の行サイズはSーCCPCHについて構成されるPDUサイズの集合と関連付けられる。符号器パケット305が生成される必要があるとき利用可能なデータの量に依存して、最小詰込みとなる行サイズが選択される。ブロック・サイズが各フレームにおいてより小さくなるように外部ブロック313のサイズを減少させることによって、少ないデータは同じTTI期間に亘って送られるので、データは低減伝送率で送られる。符号器パケット(EP)305の可変行サイズを使用することは符号器パケット(EP)の全伝送に亘って所要電力を安定化し、またより少ないパリティ・オーバーヘッド314を利用するのに役立つ。この実施例は、内在無線プロトコルによって各伝送時間間隔(TTI)において送られる搬送ブロックのサイズが変化するWーCDMAのようなシステムにおける一地点対多地点(PTM)伝送でよく機能する。
【0162】
ステップ320で、 複数のサービス・データ・ユニット(SDU)201〜204は、長さ指標(LI)206がサービス・データ・ユニット(SDU)201〜204の末端を指し示すために使用される符号器パケット(EP)マトリックス305を生成するために、セグメント化及び連結される。長さ指標(LI)は各サービス・データ・ユニット(SDU)が終結する最後の列に含まれる。
【0163】
ステップ330で、冗長度またはパリティ情報は各データ・ブロックから8ビットのデータを抽出することによって列基準で生成され、その結果生じるデータ310はパリティ情報312を得るためにリード・ソロモン(RS)符号器へ送られる。符号器パケット(EP)マトリックス305の行はより小さいので、より少ない冗長度情報が生成される。
【0164】
ステップ340で、パリティ情報312は12ブロックの符号器パケット(EP)マトリックス305に付加される外部パリティー・ブロック314を生成し、それによってこの例では長さが16ブロックある外部符号ブロックを生成するために使用されるので、符号化は継続する。全体の外部符号ブロック313はSDU、長さ指標(LI)206、及び/または冗長度情報314のいずれかで占有されるので、 この実施例は伝送効率を改善する詰込み伝送を回避する。この特定の例では、詰込みは必要とされなかった。しかしながら、いくつかの場合にはPDUの構成サイズ数は制限されるので、詰込みの量の低減にも拘わらずいくらかの詰込みは必要とされることは理解されるべきである。これは大きなフレーム充填効率となる結果になり、また全体の符号器パケット(EP)に亘って一定の電力が維持されることを可能にする。これは電力制御手法を利用するCDMAシステムにおいて望ましい。
【0165】
示されていないけれども、無線でのPDUの伝送は図12のステップ260について上記で論じられたことと類似して起こる。
【0166】
図11は外部符号化または無線回線制御(RLC)の上に提供されるRLC否定応答モード(UM)+エンティティー(RLC UM+)を有する順方向誤り訂正(FEC)層400の実施例である。一般的に、無線回線制御(RLC)は高位層のためのフレーム化を提供する。ここで、無線回線制御(RLC)層の上に在るFEC層はフレーム化を行う。
【0167】
外部符号化層400は論理チャネル408を経由して無線インタフェース(Uu)404上で受信順方向誤り訂正(FEC)エンティティー430と通信する伝送順方向誤り訂正(FEC)エンティティー410を含む。
【0168】
再順序付け/重複検知
図15は移動局10が異なる論理ストリーム間の時間オフセットによって復号化を遅らすことを可能にする再順序付けプロトコルまたはアルゴリズムである。
【0169】
受信順方向誤り訂正(FEC)エンティティー430はEPマトリックス内の或るPDUの位置を決定するために系列番号を使用する。例えば、系列番号の一部(PSN)は符号器パケット(EP)の位置を識別する。
【0170】
このアルゴリズムは、せいぜい、復号化が開始される前に二つの符号器パケット(EP)からのデータが受取られることを仮定する。下記の説明では、符号器パケット(EPd)は復号されるべき系列における次の符号器パケット(EP)であり、符号器パケット(EPb)はバッファされつつある符号器パケット(EP)である。符号器パケット(EPb)は符号器パケット(EPd)の後に続く。RS復号化を行うのに完全符号器パケット伝送時間を必要とするUE実装は、系列パケットを復号することができるために二重バッファリングする必要があるであろう。従ってUEは少なくとも符号マトリックスの最大サイズ行n+k(k及びnはそれぞれ情報行の数及びパリティをも含む行の総数である)を記憶する。より速い復号化エンジンを持つUEはn+1より低いけれどもこの要求を低減することができる。例えば、UEがその復号化能力に基づいて系列パケットを受取るのに必要とされる量を越えて或る量のバッファ空間(XtraBffr)を持っていれば、及び64kbpsのストリームが想定されるならば、計算の要求を増加せずに100msだけ復号化を遅らすことはバッファ・サイズの800バイト増加を必要とするであろう。
【0171】
ブロック1410で、新しい順方向誤り訂正(FEC)プロトコル・データ・ユニット(PDU)が受取られたか否かが判定される。新しい順方向誤り訂正(FEC)プロトコル・データ・ユニット(PDU)が受取られなければ、処理はブロック1410で再開する。新しい順方向誤り訂正(FEC)プロトコル・データ・ユニット(PDU)が受取られたならば、ブロック1420で新しい順方向誤り訂正(FEC)プロトコル・データ・ユニット(PDU)が復号される系列に属するか否かの判定が行われる。
【0172】
順方向誤り訂正(FEC)プロトコル・データ・ユニット(PDU)が復号される系列に属さなければ、ブロック1421で、新しい順方向誤り訂正(FEC)プロトコル・データ・ユニット(PDU)がバッファされつつある符号器パケット(EPb)に属するか否かの判定が行われる。順方向誤り訂正(FEC)プロトコル・データ・ユニット(PDU)がバッファされつつある符号器パケット(EPb)に属さなければ、ブロック1440でプロトコル・データ・ユニット(PDU)は廃棄される。順方向誤り訂正(FEC)プロトコル・データ・ユニット(PDU)がバッファされつつある符号器パケット(EPb)に属していれば、ブロック1423でプロトコル・データ・ユニット(PDU)は関連する位置におけるEPbのバッファに加えられる。ブロック1425で、EPbに関するデータの量がXtraBffrを超えるか否かが判定される。ブロック1425でEPbに関するデータの量がXtraBffrを超えないことが判定されれば、処理はブロック1410で再開する。EPbに関するデータの量がXtraBffrを超えれば、ブロック1428では伝送エンティティーはEPdからの完全なSDUを配送することを試みる。そして、ブロック1430で、残りのEPdはバッファから消去され、ブロック1434でEPbはEPdに設定される。
【0173】
ブロック1420で順方向誤り訂正(FEC)プロトコル・データ・ユニット(PDU)がEPdに属していれば、ブロック1422で、プロトコル・データ・ユニット(PDU)は関連する位置におけるEPdのバッファに加えられる。ブロック1424で、バッファがEPdに関するkの個々のPDUを持っているか否かが判定される。バッファがEPdに関するkの個々のPDUを持っていなければ、処理はブロック1410で再開する。バッファがEPdに関するkの個々のPDUを持っていれば、ブロック1427で、復号器はEPdに関する外部復号化を行い、そしてブロック1428で、伝送エンティティーはEPdからの完全なSDUを配送することを試みる。そして、ブロック1430で、残りのEPdはバッファから消去され、そしてブロック1434で、EPbはEPdに設定される。
【0174】
図16は移動局によって受信された外部符号ブロックの間の時間関係をセルA(98)からの一地点対多地点(PTM)伝送、及びセルB(99)からの別の一地点対多地点(PTM)伝送を受信することの間の移動局移行として示す図である。図16のいくつかの形態は2002年8月21日出願されたGrilli他の米国特許USー2004ー0037245ーA1、及び2002年5月6日出願されたWillengger他の米国特許USー2003ー0207696ーA1においてさらに論じられ、それらはそれらの全体における参照によってここに組込まれている。
【0175】
描かれたシナリオは或るUMTS地上無線接続ネットワーク(UTRAN)20及びユーザー装置(UE)10の要件を想定する。例えば、UTRAN20がセルを越えて同じ外部ブロック符号化を使用してコンテンツを送れば、同じ番号付けが隣接セルにおける同じデータまたはペイロードを搬送するブロックに使用されなければならない。同じ番号の外部ブロックは比較的時間整列して伝送される。セルを越えるPTM伝送の最大の誤整列は無線ネットワーク制御器(RNC)24によって制御される。UTRAN20はセルを越える一地点対多地点(PTM)伝送による遅延ジッターを制御する。UE10は次のブロックが受取られつつあるとき、外部ブロックを復号することができなければならない。従って、一つの外部ブロックのメモリが現行の外部ブロックを累積するのに必要とされるので、UEにおけるバッファ空間は好しくは少なくとも二つの外部ブロック95Aー95Cに適応すべきである。リード・ソロモン(RS)復号化の間に外部ブロックが基地局22を横切って時間整列における不正確さを補償するために、メモリはまた「行」の内部ブロックを累積することができなければならない。
【0176】
セルA(98)において、外部ブロックn(95A)の伝送の間に、移行が第二の内部マルチメディア放送及びマルチキャストサービス(MBMS)ペイロード・ブロックの伝送の間に起こる。いくらかの時間が移行の間に経過するので、セルA(98)からセルB(99)へのユーザー装置(UE)10の移行を例示する矢印96の勾配(slope)は水平ではない。ユーザー装置(UE)10がセルB(99)に達する時までに、マルチメディア放送及びマルチキャストサービス(MBMS)ペイロード・ブロックの第五のブロックは伝送されつつある。従って、ユーザー装置(UE)10はそれぞれの伝送の時間誤整列及び移行の間に経過する時間より第二から第四までのブロックを欠落する。十分なブロックがセルB(99)において受取られるならば、パリティー・ブロックが欠落ブロックを再構築するために利用されるので外部ブロックn(95A)はそれでもなお復号される。
【0177】
その後、外部ブロックn+2(95C)の伝送の間に、ユーザー装置(UE)10はセルB(99)からセルA(98)への別の移行を受け、それは外部ブロックn+2(95C)の第五の内部マルチメディア放送及びマルチキャストサービス(MBMS)ペイロード・ブロックで起こる。この状況では、少しの内部ブロックが移行の間に失われ、外部ブロックはそれでも再生される。
【0178】
外部符号ブロックの使用はあらゆるサービス中断の尤度を低減させるのに役立つ。誤り回復が機能することを保証するために、同じブロックはパリティー・ブロックが各伝送路において同じ方法で構築されるべきであることを意味する各伝送路上で送られなければならない。(それは放送伝送であるので、マルチメディア放送及びマルチキャストサービス(MBMS)ペイロード・ブロックは各伝送路で必ず同じである。)上位アプリケーション層80で順方向誤り訂正(FEC)を行うことは符号化が順方向誤り訂正(FEC)層157で行われ、従って各外部ブロックについて同じであるのでパリティー・ブロックが各伝送路において同一であることを保証するのに役立つ。それとは対照的に、符号化が、例えば、個々の無線回線制御(RLC)エンティティー152で低位層において行われるならば、パリティー・ブロックが各伝送路において異なるのでいくらかの調整が必要とされる。
【0179】
一地点対多地点(PTM)から二地点間(PTP)への移行
図17は一地点対多地点(PTM)伝送及び二地点間(PTP)伝送の間の移行が発生するとき移動局10によって受信される外部符号ブロックの間の時間関係を示す図である。図17に示された手法は、例えば、WーCDMA及びGSMシステムのような二地点間(PTP)伝送を利用するシステムに適用する。
【0180】
本発明の形態はPTM伝送の間にパリティ情報またはブロックを内部MBMS「ペイロード」またはデータ・ブロックに加えることによる順方向誤り訂正に関係する。PTM伝送において伝送される各外部符号ブロックは少なくとも一つのペーロード・ブロック及び少なくとも一つの内部パリティー・ブロックを含む。外部符号ブロックの誤り訂正能力は、例えばUEが一つのセルから他のセルへ移動するとき、もしくMBMSコンテンツの配送が同じサービス・セルにおけるPTM接続からPTP接続に変更するときのように、移行の間のMBMSコンテンツまたは「ペイロード」の損失を著しく低減し、且つ取除くようにする。
【0181】
上記のように、或るセルはPTPまたはPTM伝送手法のいずれかを使用して加入者10に伝送する。例えば、サービスのためにそのセルの中の要求が或る閾値以下になるならば、通常PTM伝送モードにおいて放送サービスを伝送するセルは専用チャネルを設定してPTPモードで(或る加入者10だけに)伝送することを選択する。同様に、専用チャネル(PTP)上でコンテンツを個々の加入者に通常伝送するセルはコンテンツを共通チャネル上で多数のユーザーに放送することを決定する。さらに、或るセルはコンテンツをPTP伝送モードで伝送し、一方、別のセルは同じコンテンツをPTM伝送モードで伝送するであろう。移動局10が一つのセルから別のセルへ移動するとき、もしくはセル内の加入者の数がPTPからPTMへ、或いは逆に伝送手法の変更を招いて変わるとき移行が発生する。逆も同様である。
【0182】
外部ブロックn(95A)の二地点間(PTP)伝送の間、移行が第四の内部マルチメディア放送及びマルチキャストサービス(MBMS)ペイロード・ブロックの伝送の間に発生する。いくらかの時間が移行の間に経過するので、一地点対多地点(PTM)伝送から二地点間(PTP)伝送へのユーザー装置(UE)の移行を例示する矢印101の勾配は水平ではない。PTM101からPTPへの移行が発生するとき、無線伝送ビット率はほぼ同じ値を維持する。 二地点間(PTP)伝送は一般的に1パーセント以下のビット誤り率を有する(例えば、伝送の間100ペイロード・ブロック毎に1以下の誤りがある)。対照的に、一地点対多地点(PTM)伝送では、より高いビット誤り率が想定される。例えば、一つの実施例では、基地局は外部ブロックを16伝送時間間隔(TTI)ごとに一度生成し、これらのうち12TTIはペイロード・ブロックによって占有され、4TTIはパリティー・ブロックによって占有される。許容されるブロック誤りの最大数は16(12基本ブロック+4パリティー・ブロック)の中から4内部ブロックでなければならない。従って、最大許容ブロック誤り率は1/4であろう。
【0183】
移動局が一地点対多地点(PTM)伝送から二地点間(PTP)伝送へ移行するとき(101)、いくつかの内部ブロックが失われる。一地点対多地点(PTM)伝送及び二地点間(PTP)伝送が物理層(LI)においてほぼ同じビット率を持つと想定すると、平均して、再伝送ブロックの割合(percentage)は一般的にパリティー・ブロックの割合以下であるから、PTP伝送はMBMSペイロード・ブロックをPTM伝送より速く送ることを可能にする。言い換えれば、統計的に云って、パリティー・ブロックの数は無線回線制御(RLC)再伝送(ReーTx)の数よりはるかに多いから、二地点間(PTP)伝送は一地点対多地点(PTM)伝送より一般的にはるかに速い。移行101は一地点対多地点(PTM)伝送から一般的にはるかに速い二地点間(PTP)伝送へあるので、ユーザー装置10が二地点間(PTP)伝送へ移行するとき、マルチメディア放送及びマルチキャストサービス(MBMS)ペイロード・データの最初のブロックは伝送されつつある。従って、それぞれの伝送の時間誤整列、または移行101の間に経過する時間で少しのブロッも欠落することはない。従って、一地点対多地点(PTM)伝送から二地点間(PTP)伝送へ移行しているとき、一旦PTP回線が目標セル上で確立されると失われたペイロード・ブロックは現行の外部ブロックの始まりから単に再開することによって作り出される。ネットワーク(network)は同じ外部ブロックの始まり、即ち最初の内部ブロックによってPTP伝送を開始することによって補償する。そして、ネットワークは完全な外部ブロックの高速配送により移行によって導入された遅れを回復する。移行の間にデータの損失を低減することはそのような移行によって引き起こされるMBMSコンテンツの配送における中断を低減させる。
【0184】
その後、外部ブロックn+2のPTP伝送の間に、ユーザー装置(UE)10は一地点対多地点(PTM)伝送モードへの別の移行103を受ける。図12では、二地点間(PTP)から一地点対多地点(PTM)へのこの移行103は外部ブロックn+2の最後の内部マルチメディア放送及びマルチキャストサービス(MBMS)ペイロード・ブロックで発生する。この状況では、外部ブロックn+2における多くの内部マルチメディア放送及びマルチキャストサービス(MBMS)ペイロード・ブロックは最後の内部ブロックを除いて既に送られている。FECは一般的にフィードバックが利用可能でない状況において利用される。PTP伝送は専用チャネルを利用し、従って逆方向回線上のフィードバック能力を持つので、FECの使用は有益のようではない。交差移行におけるデータの損失を最小化、もしくは除去するために、UMTS地上無線接続ネットワーク(UTRAN)20は、好しくはPTM伝送への移行の間に失われるであろう内部ブロックを全て再生するために、PTP伝送におけるRLC肯定応答モード(AM)の低残留ブロック誤り率に依存する。言い換えれば、標準の層2再伝送は誤りが元の伝送において検知されるあらゆるパケットを再伝送するために利用される。従って、図17に示されたように、パリティー・ブロックはPTP伝送では必要とされない。誤りが二地点間(PTP)伝送の間にペイロード・ブロックに存在すれば、無線回線制御(RLC)層はあらゆる誤りブロックの再伝送を要求するから、外部ブロックはそれでもなお復号される。即ち、PTP伝送の間に誤りがあるとき、移動局10は再伝送(reーTX)を要求し、或いは全てのブロックが正しいとき、再伝送は行われず、搬送フォーマット0(TF0)が利用される。これは符号化効率を高めるので、各内部ブロック97のサイズが厳密に1伝送時間間隔(TTI)に適合するように、外部符号化は好しくはプロトコル・スタックの層2において行われる。
【0185】
順方向誤り訂正(FEC)外部符号化がアプリケーション層のようなプロトコル・スタックの上位層で行われれば、パリティー・ブロックは伝送手法(二地点間(PTP)または一地点対多地点(PTM))に関係なく送られるであろう。従って、パリティー・ブロックはまた二地点間(PTP)伝送に付加されるであろう。
【0186】
上記で述べたように、さらに効率的な再伝送手法が順方向誤り訂正の代わりに使用されるので、PTP伝送においてパリティー・ブロックの使用は必要ではない。パリティー・ブロックは好しくはPTP伝送において伝送されないので、完全な外部ブロックの配送は無線で同じビット率を仮定すると平均してPTMよりも速い。二地点間(PTP)伝送は一地点対多地点(PTM)伝送に関して予想されるので、これによってUEはPTMのPTPへの移行によって引き起こされる中断を補償することが可能となる。ユーザー装置(UE)は、(1)新しいセルにおける或いは移行後のいずれか二地点間(PTP)伝送において受取られた内部ブロックを、(2)古いセルにおける或いは移行前の一地点対多地点(PTM)伝送において受取られた内部ブロックと結合することによって外部ブロックを再生する。ユーザー装置(UE)は移行前に受取られた内部ブロック及び同じ外部ブロックに属する移行後に受取られた内部ブロックを結合する。例えば、ユーザー装置(UE)10は、二地点間(PTP)伝送を経由して受取られた外部ブロックn+2における内部マルチメディア放送及びマルチキャストサービス(MBMS)ペイロード・ブロックを、一地点対多地点(PTM)伝送を経由して受取られた外部ブロックn+2及びパリティー・ブロックにおける内部マルチメディア放送及びマルチキャストサービス(MBMS)ペイロード・ブロックと結合する。UMTS地上無線回線接続ネットワーク(UTRAN)20は、PTM回線上の伝送に関してPTP回線からMBMSコンテンツを受信するユーザー全てに外部ブロックの伝送を僅かに「予想する」ことによってこの処理を円滑にする。
【0187】
UTRANはPTM伝送に関して外部ブロックの伝送を予想するのでPTPからPTMへの「継ぎ目のない(seamless)」移行が可能である。その結果、セル境界を越える及び/またはPTP及びPTMといった異なる伝送手法の間でMBMSコンテンツの配送もまた「継ぎ目がない」。この「時間予想(time anticipation)」は内部ブロックの数で表される。ユーザー装置(UE)10がPTM伝送に移行するとき、たとえ通信回線が移行時間の間に存在しなくても、ユーザー装置(UE)10はMBMS受信のQoSを妥協することなく内部ブロックの「時間予想」まで浪費する。UEがPTPにおいて直接MBMS受信を開始すれば、予想が必要とされる内部ブロックの「時間予想」数に達するまで、UTRAN20は空の内部ブロック(TF0)を回避することによって外部ブロックの伝送をゆっくりと予期できるので、UTRANはPTP伝送の始まりで直ちに「時間予想」を適用するであろう。その点以降から、UTRANは「時間予想」を一定の状態に保つ。
【0188】
一地点対多地点(PTM)伝送では、無線回線制御器(RNC)において利用可能なUEの特定フィードバック情報は頼りにならない。二地点間(PTP)伝送では、UE10は移行前に正しく受取られた最後の外部ブロックの数をRNCに通知するであろう。これは(PTMからまたはPTPから)PTPへのあらゆる移行に適用されるであろう。このフィードバックが受入れ可能と思われなければ、UTRAN20は状態移行前にユーザー装置(UE)10によって多分受信された最後の外部ブロックを推定する。この推定は明白なセル伝送の間の予知できる最大の時間不正確さの知識に基づいており、そして現在送られつつある、或いは目標セルにおいて間もなく送られるであろう外部ブロックに基づいているであろう。
【0189】
順方向誤り訂正(FEC)は移行の間に失われたあらゆるブロックが再生されように行われる。これはコンテンツが移行の間に失われる可能性を低減することによって「継ぎ目のない」移行をもたらす。この手法は、同じ外部ブロックが各源から伝送されつつあるとき二地点間(PTP)から一地点対多地点(PTM)伝送への移行が発生し、それは一般的に移行の期間に関して外部ブロックの期間があれば発生すると想定する。
【0190】
UE10におけるメモリの量は隣接セルを越えるPTM伝送の時間整列の精度との二率背反である。ユーザー装置(UE)10におけるメモリ要求を緩和することによって、PTM UTRAN伝送の時間精度は増加する。
【0191】
図18は無線ネットワーク制御器(RNC)Aからの二地点間(PTP)伝送と無線ネットワーク制御器(RNC)Bからの二地点間(PTP)伝送との間の移行もしくは再配置の間に、移動局によって受信された外部符号ブロックの間の時間関係を示す図である。術語「RNC」は術語「基地局制御器(BSC)」 と互換して使用される。「再配置(relocation)」の間にユーザー装置(UE)10は第一のRNC A(124)によって制御される領域におけるコンテンツストリームの二地点間(PTP)伝送から、第二のRNC B(224)によって制御される領域におけるコンテンツストリームの 二地点間(PTP)伝送へ移行する。再伝送(reーTx)はあらゆる欠落MBMSペイロード・ブロックを補償するために使用される。セル間の二地点間(PTP)伝送から二地点間(PTP)伝送への直接移行はリリース‘99ソフト・ハンドオーバーまたはハード・ハンドオーバーに類似して行われる。二つのRNC A、Bの間の連携なしでも、 目標RNC A(124)はUE10によって受信された最後の全外部ブロックを算定しなければならない。この推定はIuインタフェース25上のRNC24によって受取られるMBMSコンテンツのタイミングに基づいているであろう。PTP伝送を使用しているとき、RNC24は初期遅れを作り出し、MBMSコンテンツのいかなる部分も無損失SRNS再配置を必要としなくとも失われないであろう。
【0192】
フローチャート図は理解ために系列順に描かれているが、或るステップは実際の実施では並行して実行されることを当業者は理解するであろう。他に示してないかぎり、方法ステップは発明の範囲を逸脱することなく置換えることができる。
【0193】
当業者は情報及び信号が様々な異なるあらゆる技術及び技法を使用して表されることを理解するであろう。例えば、上の記述の至る所で引用されるデータ、指示、命令、情報、信号、ビット、シンボル、及びチップは電圧、電流、電磁波、磁場または粒子、光学場または粒子、またはそのあらゆる組合せによって表される。
【0194】
ここで開示された実施例に関連して記述された様々な例示の論理的ブロック、モジュール、回路、及び、アルゴリズム・ステップは電子ハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、または双方の組合せとして実施できることを当業者はさらに理解するであろう。このハードウェア及びソフトウェアの互換性を明瞭に示すために、様々な例示部品、ブロック、モジュール、回路、及びステップがそれらの機能性に関して一般に上で記述されてきた。そのような機能性がハードウェアまたはソフトウェアとして実施されるかどうかは全体のシステムに課せられた特定の応用及び設計の制約に依存する。熟練技術者は特定の各応用について種々の方法で記述された機能性を実施できるであろうが、そのような実施の決定は本発明の範囲から逸脱するものと解釈されるべきではない。
【0195】
ここに開示された実施例に関連して記述された様々な例示の論理的ブロック、モジュール、及び回路は一般用途プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラム可能ゲートアレイ(FPGA)または他のプログラム可能論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア部品、またはここに記述された機能を実行するために設計されたそのあらゆる組合せによって実施、或いは実行される。一般用途プロセッサはマイクロプロセッサでもよいが、これの代りでは、そのプロセッサはあらゆる従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械でもよい。プロセッサはまた計算デバイスの組合せ、例えば、DSPとマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと接続した一以上のマイクロプロセッサ、またはそのようなあらゆる他の構成として実施される。
【0196】
ここに開示された実施例に関連して記述された方法またはアルゴリズムの操作は直接ハードウェアにおいて、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュールにおいて、或いは二つの組合せにおいて組込まれる。ソフトウェア・モジュールはRAMメモリ、フラッシュ・メモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、交換可能ディスク、CDーROM、または当技術分野において既知の他の型式の記憶媒体に駐在する。典型的な記憶媒体はプロセッサが記憶媒体から情報を読取り、記憶媒体に情報を書込むことができるようにプロセッサに接続される。それに代るものでは、記憶媒体はプロセッサに一体化してもよい。プロセッサ及び記憶媒体はASICに駐在してもよい。ASICはユーザー端末に駐在してもよい。それに代るものでは、プロセッサ及び記憶媒体はユーザー端末中に個別部品として駐在してもよい。
【0197】
開示された実施例の先の記述は当業者が本発明を行い、或いは使用することを可能にするために提供される。これらの実施例への様々な変更は当業者には直ちに明白であり、ここに定義された一般原理は本発明の精神または範囲から逸脱することなく他の実施例に適用できる。例えば、無線接続ネットワーク20はGSM/GPRSシステムにおいて、代わりに、汎用地上無線接続ネットワーク(UTRAN)空中インタフェースを使用して実施されるが、接続ネットワーク(access network)はGSM/EDGE(GERAN)であり、或いはインターシステムの場合には、それはUTRAN空中インタフェースのセル及びGSM/EDGE空中インタフェースのセルを含む。このように、本発明はここに示された実施例に限定されることを意図していないが、ここに開示された原理及び新規な特徴と両立する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0198】
この特許文書の開示の一部は著作権保護の対象となる材料を含む。特許文書は特許・商標局の特許ファイルまたは記録で出版されるので、著作権所有者は特許文書または特許明細書のいずれのファクシミリ再生に対して反対をしないが、他の場合は全ての著作権権利を保留する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2のタイプの情報の行を発生するため、第1の源からの無線担体上で第1のフォーマットにおけるペイロード・データを含む第1のタイプの情報の行をフレーム構成すること、
パリティー・ブロックを含む冗長情報の行を発生するために第2のタイプの情報の行をコード化すること、
第2のタイプ情報の行に冗長情報の行を付加し、第2のフォーマットおよびパリティー・ブロックにペイロード・データの行を含む外部のコード・ブロックを生成すること、
外部のコード・ブロックの各行にオーバーヘッド情報を加え、オーバーヘッド情報はシーケンス番号を含むこと、および
無線リンク制御層へ外部のコード・ブロックを送信することを含むチャネル上で情報を通信する方法。
【請求項2】
第1の源から外部のコード・ブロックを受信することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
無線発信機が移行を受ける場合に、第2のタイプ情報の行と同一である第2の源から第2のパケットを受信すること、および
第2のパケットを有する外部のコード・ブロックを再整列するためにシーケンス番号を使用することをさらに含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第2のタイプの情報が第2のフォーマットにおけるペイロード・データ、およびいくつかのケースでパディング情報を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
符号化する前に提供されるシーケンス番号は、無線発信機が移行を受ける場合、無線リンク制御層がモードを変更することを許容する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
符号化は外部符号化を含み、無線リンク制御層と無関係に行なわれる請求項1に記載の方法。
【請求項7】
チャネルが単方向共通の論理チャネルである請求項1に記載の方法。
【請求項8】
チャネルが単方向ダウンリンク・チャネルである請求項7に記載の方法。
【請求項9】
共通の論理チャネルが1つ以上端末へ放送される情報を運ぶ請求項8に記載の方法。
【請求項10】
無線発信機に第1の外部コード・ブロックおよび第2の外部コード・ブロックを送信する方法であって、
少なくとも1つのデータ行と少なくとも1つの冗長行を持つ第1のブロックを送信し、各行はシーケンス番号を含むオーバーヘッド情報を有し、第2のブロックはデータ行だけから成り、
無線発信機が移行を受ける場合、第1のブロックを第2のブロックと整列させるためにシーケンス番号を使用することを含む方法。
【請求項11】
無線リンク制御層と、
無線リンク制御層の上に配置された順方向誤差訂正層とを含み、
順方向誤差訂正層は、第1のタイプの情報が無線リンク制御層に到達する前に、無線担体上で第1のタイプの情報を受信し、
順方向誤差訂正層は、第2のタイプの情報を発生するため第1のタイプの情報が無線リンク制御層に到達する前に、第1のタイプの情報を等しいサイズのフレームの中へフレーム構成し、
順方向誤差訂正層は、外部コード・ブロックを発生するために第2のタイプの情報に加えられる冗長情報の行を発生するように第2のタイプの情報を使用し、
順方向誤差訂正層は、無線リンク制御層に送信する前に、各フレームにシーケンス番号を加える、通信システムのためのプロトコル構造。
【請求項12】
源が第1の源であり、外部コード・ブロックが共通の論理チャネル上で送信される請求項11に記載のプロトコル構造。
【請求項13】
シーケンス番号は、第2のタイプの情報が移行中に第2の源からの他の第2のタイプの情報と再整列されることを許容する、請求項12に記載のプロトコル構造。
【請求項14】
無線リンク制御層を含んでいるシステムにおいて、共通のチャネルで情報を送信する前に情報を符号化する方法であって、
無線担体から情報を受信すること、および
無線リンク制御層へ情報を渡す前に情報を外部ブロック符号化することを含む方法。
【請求項15】
情報がコンテンツを含み、外部ブロック符号化が、
コンテンツをデータ・ブロック内に編成し、
パリティー・ブロックを発生するためにデータ・ブロックを符号化し、
符号器パケットを生成するためデータ・ブロックにパリティー・ブロックを加えることを含み、
パリティー・ブロックは送信の間に失われたどんなデータ・ブロックも再構成するために使用されるように構成された、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
内部ブロック番号および外部ブロック番号を含むシーケンス番号によって、そのブロックを識別する符号器パケットの各ブロックへオーバーヘッド情報を加えることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
各ブロックが単一フレームで送信される請求項15に記載の方法。
【請求項18】
各ブロックが複数のフレームで送信される請求項15に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図9C】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2012−120196(P2012−120196A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−1136(P2012−1136)
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【分割の表示】特願2006−524097(P2006−524097)の分割
【原出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】