説明

セル電圧測定装置

【課題】複数のセルを積層した場合、低電位側の電圧が高くなり、個々のセルの電圧を正確に測定することができないという問題があった。
【解決手段】本発明のセル電圧測定装置(2)は、複数のセルを直列接続する複数の接続部に各々設けられた端子(q1〜qN+1)と、端子のうちセルの両端の接続部に設けられた端子対に接続された電圧測定部(401〜40N)と、端子対のうちセルの低電位側の接続部に設けられた端子とグランドとの間に設けられたスイッチ(SW1〜SWN)と、を有し、スイッチは、電圧測定部がセルの電圧を測定する際に、低電位側の接続部に設けられた端子とグランドとを接続する、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セル電圧測定装置に関し、特に複数のセルを直列に接続した電池を構成する個々のセルの電圧を測定するセル電圧測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車や、ハイブリッド自動車においては、モータの電源として、リチウムイオン電池等の2次電池からなる複数のセルを直列に接続して所望の電圧を得るように積層(スタック)したスタック型の電池が用いられている。このようなスタック型の電池においては、自動車の外部に設置した給電設備から自動車に供給された電力や、モータで回生された電力を個々のセルに貯蔵できるようになっている。また、個々のセルの電圧は、充電又は放電により変動する。
【0003】
ここで、セルが過放電されたり過充電されたりすると、セルの特性に悪影響を及ぼし、ひいては電池のモータを駆動する能力が低下することとなる。そのため、スタック型の電池を構成する個々のセルの電圧を監視することが重要であり、個々のセルの電圧を測定することができるセル電圧測定装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
図1に従来のセル電圧測定装置の構成を示す。従来のセル電圧測定装置は、複数のセルを直列接続した電池110の中から任意の電池セルBTi(i=1〜N)を選択してその電圧を第1および第2のモニタ端子A,B間に取り出すための一群の選択スイッチ118と、セル電圧−モニタ電流変換回路120と、モニタ電流−モニタ電圧変換回路122と、比較判定回路124と、判定信号出力回路126と、異常検出制御回路128とを有している。このような構成により、任意の電池セルBTiに対するモニタサイクルの開始直後で、セル電圧異常検出回路114が働いて、セル電圧Viが正常範囲から外れているか否かを検査するというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−69056
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、スタック型のセルの上層部のセルは、下層部のセルに比べて、低電位側の電圧が高くなる。例えば1つのセルの電圧が約2[V]である場合に、1層目セルの低電位側の電圧は0[V]であるのに対し、31層目のセルの低電位側の電圧は、その下層に30個のセルが積層されているので、約60[V]となる。このように低電位側の電圧が高くなる状況は、上層部において顕著となり、このような場合には、以下に述べるように、個々のセルの電圧を正確に測定することができなくなるという問題があった。
【0007】
図2を用いて従来の電圧測定回路を用いてスタック型の電池を構成する個々のセルの電圧を測定する方法について説明する。ここでは、電圧測定回路として差動増幅回路を用いてセルの電圧を測定する場合を例にとって説明する。スタック型の電池1は、セルC1〜CNが直列接続されており、個々のセル同士はセルの両端に設けられた接続部j1〜jN+1のうちj2〜jNにより接続されている。各接続部j1〜jN+1にはセルの電圧V1〜VNを測定するためのセル側端子p1〜pN+1が設けられている。
【0008】
さらに、セル側端子p1〜pN+1は、電圧測定回路40の端子q1〜qN+1に接続されている。n番目のセルCnの電圧Vnを測定する場合には、セル側端子pn及びpn+1と、電圧測定回路40の端子qn及びqn+1とを介して、セルCnの両側の端子jn及びjn+1をそれぞれ電圧測定回路40内のオペアンプAの反転入力端子(+)及び非反転入力端子(−)に接続し、出力電圧Voutnの値を測定する。ここで、出力電圧Voutnはセル電圧Vnを用いて以下の式で求められる。
【0009】
【数1】

ここで、ここで、Ra、Rb、Rc、Rdは、電圧測定回路40に設けられた抵抗、ΣVmはオフセット電圧と呼ばれ、電圧測定対象のセルCnの下層に積層されているセルC1〜Cn-1の電圧V1〜Vn-1の総和である。
【0010】
式(1)より、出力電圧Voutnとセル電圧Vnとの差である測定誤差ΔVnは以下の式で求められる。
【0011】
【数2】

【0012】
式(2)から分かるように、オフセット電圧ΣVmが0[V]であればΔVnも0[V]となる。例えば、Ra、Rdを500.25kΩ、Rb、Rcを499.75kΩとした場合、最下位層(n=1)のセルの電圧測定時の誤差ΔV1はΣVmが0[V]であるため、式(2)からΔV1は0[V]となる。一方、30個のセルを積層した場合、その上の31層目(n=31)のセル電圧の電圧測定時の誤差ΔV31は、1つのセル電圧を2[V]とするとΣVmが60[V]となるため、式(2)からΔV31は60[mV]となる。個々のセルの電圧の許容測定誤差を50[mV]とすると、オフセット電圧ΣVmが存在することにより許容測定誤差を超える誤差がセル電圧の測定の際に生じる場合があることとなる。
【0013】
そこで、本発明では、複数のセルを積層した場合であっても、セルの電圧を正確に測定することができるセル電圧測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のセル電圧測定装置は、複数のセルを直列接続する複数の接続部に各々設けられた端子と、端子のうちセルの両端の接続部に設けられた端子対に接続された電圧測定部と、端子対のうちセルの低電位側の接続部に設けられた端子とグランドとの間に設けられたスイッチと、を有し、スイッチは、電圧測定部がセルの電圧を測定する際に、低電位側の接続部に設けられた端子とグランドとを接続する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、複数のセルを積層した場合であっても、セルの電圧を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来のセル電圧測定装置の構成図である。
【図2】スタック型の電池と、スタック型の電池を構成する個々のセルの電圧を測定するセル電圧測定回路の構成図である。
【図3】本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置によるセル電圧測定方法を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置において、電圧測定部に差動増幅回路を用いた場合のセル電圧測定装置の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置において、グランド接続切替スイッチに半導体リレーを用いた場合のセル電圧測定装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置において、オフセット電圧が低電位である場合のグランド接続切替スイッチの動作を示すタイミングチャートである。
【図8】本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置において、オフセット電圧が高電位である場合のグランド接続切替スイッチの動作を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明の実施例2に係るセル電圧測定装置の構成を示す図である。
【図10】本発明の実施例2に係るセル電圧測定装置によるセル電圧測定方法を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施例2に係るセル電圧測定装置において、電圧測定部に差動増幅回路を用いた場合のセル電圧測定装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明に係るセル電圧測定装置について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【実施例1】
【0018】
図3に本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置を示す。セル電圧測定装置2は、グランド接続切替スイッチ3と、電圧測定ユニット4と、制御部5と、記憶部6と、セル電圧演算部7と、データ送信部8と、切替スイッチ制御部9と、を有する。電池1は複数のセルC1〜CNが直列に接続されて積層(スタック)されており、各セル同士は、セルの両端に設けられた接続部j1〜jN+1のうちのj2〜jNを介して接続されている。セルの接続部j1〜jN+1には、個々のセルの電圧を測定するためのセル側端子p1〜pN+1が設けられており、セル側端子p1〜pN+1は、セルの接続部j1〜jN+1に対応して設けられた、セル電圧測定装置2内のグランド接続切替スイッチ3の端子q1〜qN+1にそれぞれ接続されている。このように、セル電圧測定装置2の端子q1〜qN+1は、複数のセルC1〜CNを直列接続する複数の接続部j1〜jN+1に各々設けられている。
【0019】
電圧測定ユニット4には、N個のセルの電圧をそれぞれ測定する合計N個の電圧測定部401〜40Nが設けられ、それぞれ測定電圧Vout1〜VoutNを出力する。このように、個々のセルC1〜CNの電圧V1〜VNを測定するように、複数の端子q1〜qN+1のうち、個々のセルC1〜CNの両端の接続部(j1及びj2,j2及びj3,・・・,jN及びjN+1)に対応して設けられた複数の端子対(q1及びq2,q2及びq3,・・・,qN及びqN+1)にそれぞれ複数の電圧測定部401〜40Nが接続されている。例えば、電圧測定部40nは、端子q1〜qN+1のうちセルCnの両端の接続部(jn及びjn+1)に設けられた端子対(qn及びqn+1)に接続されている。
【0020】
グランド接続切替スイッチ3は、複数の端子対(q1及びq2、2及びq3、・・・、N及びqN+1)を構成する端子のうちセルの低電位側の接続部j1〜jN(例えば、n番目のセルCnに対して、jn)に対応して設けられた端子q1〜qN(例えば、n番目のセルCnに対して、qn)とグランドとの間に設けられた複数のスイッチSW1〜SWN(例えば、n番目のセルCnに対して、SWn)を備えている。グランド接続切替スイッチ3は、電池1を構成する複数のセルC1〜CNのうちの特定の1つのセルの電圧を測定する場合に、電圧を測定する対象のセルのみについて低電位側の接続部をグランドに接続し、他のセルの低電位側の接続部はグランドには接続しないようにスイッチSW1〜SWNのスイッチングを行う。例えば、n番目のセルCnの電圧Vnを測定する場合には、セルCnの低電位側の接続部jnに接続されたスイッチSWnのみを切替スイッチ制御部9からの制御信号に従ってオンさせる。これにより、電圧を測定する対象のセルであるセルCnのみについて低電位側の接続部jnがグランドに接続される。このように、測定対象のセルCnの低電位側をグランドに接続した状態で電圧測定部40nを用いて電圧Voutnを測定し、測定電圧Voutnを記憶部6に出力する。
【0021】
制御部5は、切替スイッチ制御部9を制御して、グランド接続切替スイッチ3内のスイッチSW1〜SWNのスイッチングを制御するとともに、電圧測定ユニット4にセル電圧の測定を実行させる。電圧測定ユニット4は、上記のように、セルC1〜CNの個々のセルの両端の接続部に対応して設けられた2つの端子間の電圧Vout1〜VoutNを測定する。
【0022】
記憶部6は、電圧測定ユニット4が測定したセルC1〜CNについての測定電圧Vout1〜VoutNの値を記憶するとともに、制御部5を制御するためのプログラムを格納している。
【0023】
セル電圧演算部7は、記憶部6に記憶されている電圧測定ユニット4が測定したC1〜CNについての測定電圧Vout1〜VoutNに基づいて、セル電圧V1〜VNを算出し、算出結果をデータ送信部8に送信する。
【0024】
データ送信部8は、セル電圧演算部7が算出したセル電圧の値V1〜VNをセル電圧測定装置2の外部の電池ECU10に送信し、電池ECU10はセル電圧の値V1〜VNに基づいて、電池1の個々のセルC1〜CNの充電及び放電の制御を行う。
【0025】
次に、本発明のセル電圧測定装置を用いたセル電圧の測定方法の概略について説明する。図4にセル電圧の測定方法の手順を説明するためのフローチャートを示す。ここでは、図3に示すようにN個のセルを有する電池1のセルの電圧を最下層の1番目のセルC1から、最上位のN番目のセルCNまでについて測定する手順を示す。
【0026】
まず、ステップS101において、i番目のセルCiを指定するための番号iの初期値を0に設定する。次に、ステップS102において、iを1つ増加させる。次に、ステップS103において、切替スイッチ制御部8からの制御信号に基づいて、SWiをオンして端子qiをグランドに接続する。例えば、i=nの場合、SWnをオンして端子qnをグランドに接続する。その結果、端子qnに接続されている電池1側のセル側端子pnを介して、セル電圧の測定対象となっているセルCnの低電位側の接続部jnがグランドに接続され、電圧測定ユニット4内の電圧測定部40nの低電位側の端子がグランドに接続される。ここで、スイッチSWnは切替スイッチ制御部8からオンさせる信号を受信していない通常の状態ではオフ状態を維持しており、切替スイッチ制御部8からオンするように制御された場合のみオン状態となる。即ち、セルの低電位側の端子がグランドに接続されるのは、電圧の測定を行う対象のセルの低電位側の端子のみである。
【0027】
次に、ステップS104において、セルCiの端子間電圧Voutiを測定する。例えば、セルCnの端子間電圧Voutnを測定する場合には、電圧測定ユニット4が、セルCnに対応して設けられた2つの端子(例えば、qn、qn+1)間の電圧を測定する。このとき、SWnがオンしているので、端子qnはグランドに接続されている。端子間の電圧の測定方法の詳細については後述する。
【0028】
次に、ステップS105において、セル電圧演算部7が、端子間電圧Voutiからセル電圧Viを算出する。具体的な算出方法は後述する。次に、ステップS106において、セル電圧演算部7が、セルCiのセル電圧Viのデータを記憶部6に送信する。
【0029】
次に、ステップS107において、iがNに等しいか否かを判断することにより、N個のセル全ての測定が終了したか否かを判断する。i=Nである場合には、N個のセル全ての電圧測定が完了したと判断し、測定を終了する。一方、i≠Nである場合には、i<Nであるので、N個のセル全ての電圧測定は完了していないと判断し、ステップS102に戻って、次のセルの測定を行い、以下、N個のセル全ての電圧測定が完了するまでステップS102〜S107を繰り返す。
【0030】
このようにして、N個のセルC1〜CNを構成する個々のセルCnの両端の接続部jn、jn+1に対応して設けられたセル側端子pn、pn+1間の電圧Voutnを測定する際に、セルCnの低電位側の接続部jnをグランドに接続してセル電圧Vnを測定する。
【0031】
次に、セル電圧の測定方法について詳細に説明する。図5に本発明の実施例1に係るセル電圧測定装置の構成を示す。図5においては、電池1内のN個のセルC1〜CNの個々のセルについてのセル電圧V1〜VNを電圧測定ユニット4に設けられた差動増幅回路を用いて測定する例を示す。差動増幅回路は、複数のセルを構成する個々のセルに対応して設けられており、N個のセルC1〜CNに対してはN個の差動増幅回路A1〜ANが設けられているが図5においてはn番目及び(n+1)番目のセルCn及びCn+1を測定するための差動増幅回路An及びAn+1のみを代表して示している。個々の差動増幅回路は反転入力端子(+)と非反転入力端子(−)とを備えており、反転入力端子にセルの低電位側の接続部が接続され、非反転入力端子にセルの高電位側の接続部が接続される。また、差動増幅回路A1〜ANは、それぞれ4つの抵抗Ra、Rb、Rc、Rdを備えており、抵抗値は差動増幅回路A1〜AN間で同じ抵抗値を有するようにしてもよい。
【0032】
図5に示すように、電池1のN個のセルC1〜CNの接続部j1〜jN+1に対応して設けられたセル側端子p1〜pN+1と、電圧測定ユニットの端子q1〜qN+1とが接続されている。ここでは、代表的にn番目セルCnの電圧Vnを測定する方法について説明する。
【0033】
まず、切替スイッチ制御部8からの制御信号に基づいて、グランド接続切替スイッチ3内のn番目のスイッチSWnをオンし、電圧測定ユニット4の端子qnがグランドに接続されるようにする。このとき、電池1内の電圧を測定する対象のセルCnの低電位側の接続部jnに接続されたセル側端子pnが電圧測定ユニット4の端子qnと接続されているので、電圧測定ユニット4の端子qnがグランドに接続されることにより、電圧測定対象のセルCnの低電位側の接続部jnがグランドに接続される。なお、電圧測定対象のセルCn以外のセルC1〜Cn-1及びCn+1〜CNの低電位側の接続部j1〜jn-1及びjn+1〜jNに接続されているスイッチSW1〜SWn-1及びSWn+1〜SWNはオフした状態であり、接続部j1〜jn-1及びjn+1〜jNはグランドには接続されていない。
【0034】
また、図5に示すように、n番目のセルCnの低電位側の接続部jnは抵抗Rcを介して反転入力端子(+)と接続されており、セルCnの高電位側の接続部jn+1は抵抗Raを介して非反転入力端子(−)と接続されている。このとき、電圧測定ユニット4のn番目の差動増幅回路Anの出力端子の電圧Voutnは以下の式で表される。
【0035】
【数3】

式(3)から、n番目のセルCnの電圧Vnは以下の式で与えられる。
【0036】
【数4】

電圧測定ユニット4が測定した端子間の電圧Vout1〜VoutNを用いて、式(4)に従って、セルの電圧V1〜VNを算出することができる。
【0037】
式(3)から分かるように本実施例のセル電圧測定装置により測定される端子間電圧Voutnには、従来技術によるVoutnの算出式(1)に含まれていたオフセット電圧ΣVmの項が含まれていない。このことは、従来技術においては、端子間の電圧Voutnが、セルの位置が上層になるに従ってオフセット電圧の影響を受けていたのに対して、本実施例のセル電圧測定装置によればオフセット電圧の影響を受けずに端子間電圧Voutnを測定することができることを示している。その結果、式(4)から、セルの電圧Vnの値もオフセット電圧の影響を受けることがなく、セルの位置が上層の場合でも正確にセル電圧を測定することができることがわかる。
【0038】
以上のように、本発明のセル電圧測定装置によれば、セル電圧の測定において低電位側の接続部をグランドに接続した状態でセル電圧を測定しているので、セルの位置が上層の場合であってもオフセット電圧の影響を受けることなく、セル電圧を正確に算出することができる。
【0039】
以上の説明においては、N個のセルのうちの1個のセルを選択してセルの電圧を測定する例を示したが、複数のセルを同時に選択して電圧を測定するようにしても良い。例えば、図3において、グランド接続切替スイッチ3内のスイッチSWnとSWn+2とを同時にオン状態として、セルCnとCn+2の低電位側の接続部jnとjn+2とを同時にグランドに接続した状態で、セルCnとCn+2の電圧を測定するようにしてもよい。このようにすることで、セル電圧の測定を1つのセルごとに順番に行う場合に比べて、N個のセルの半数の電圧の測定を高速で行うことができ、さらに残りの半数を測定することで、N個のセルの電圧測定を2回の測定で行うことが出来る。なお、この際、jn+1からjn+2の間をオープンとすることで、複数のグランドが同時に接続されることによるショート回路の形成を回避する。jn+1からjn+2の間に図示しないスイッチを設けることで、上記オープンとさせることができる。他の接続部間においても同様のスイッチを設ける。
【0040】
次に、グランド接続切替スイッチ3の具体的な構成について説明する。グランド接続切替スイッチ3は複数のセルC1〜CNに対応して複数のスイッチSW1〜SWNを備えているが、ここでは個々のスイッチの構成について説明する。スイッチとして機械的なスイッチを用いた場合には、大きさ、コスト、動作速度、耐久性の点で問題があるため、スイッチとして半導体リレーを用いることが好ましい。ここで、グランド接続切替スイッチ3はセル電圧測定装置2内のグランドとセルの低電位側とを接続するが、グランドを基準とした場合、セル電圧は高い場合もあれば低い場合もあり、両方の場合についてスイッチング動作を行うようにする必要がある。
【0041】
図6にグランド接続切替スイッチ3を構成するN個のスイッチのうちの1つのスイッチの構成を示す。図6では、電池1内のn番目のセルCnの低電位側の端子jnをグランド接続切替スイッチ3内のグランドに接続するためのスイッチSWnのみを示している。グランド接続切替スイッチ3内のグランドとの接続点をA点、セルCnの低電位側の端子jnとの接続点をB点とすると、A点とB点との間にnチャネルMOSトランジスタ(nMOS FET)を配置して、このnMOS FETのオン/オフを制御することにより、A点とB点との接続を制御している。ここで、nMOS FETには寄生ダイオードを介してリーク電流が流れるため、2個のnMOS FET、即ち第1nMOS FET31及び第2nMOS FET32を配置しており、2つのnMOS FETの接続点をC点とする。また、第2nMOS FET32のゲートには、pMOS FET33が接続されている。第1nMOS FET31のゲート及びpMOS FET33のソースが切替スイッチ制御部8と接続されており、接続点をそれぞれa点及びb点とする。a点及びb点には、切替スイッチ制御部8からの制御信号が入力される。
【0042】
ここで、B点の電位は、グランド接続切替スイッチ3内のグランドよりも高い場合と低い場合とがあり、両者いずれの場合でもSWnがスイッチング動作を行うようにする必要がある。B点の電位がグランド接続切替スイッチ3内のグランドよりも高い場合は、第1nMOS FET31のリーク電流が第2nMOS FET32の寄生ダイオードへ流れ、C点の電圧がグランド電位にダイオードの電圧Vfを加えた電位となる。このとき、第1nMOS FET31のゲートをグランドレベルにすればソースであるC点の電圧より低くなりオフ状態を維持することができる。
【0043】
一方、B点の電位がグランド接続切替スイッチ3内のグランドよりも低い場合は、第2nMOS FET32のリーク電流が第1nMOS FET31の寄生ダイオードへ流れ、C点の電圧がB点の電圧にダイオードの電圧Vfを加えた電圧となる。第2nMOS FET32をオフするにはゲート電圧をB点の電圧と同一にする必要がある。そのため、B点と第2nMOS FET32のゲートとの間にプルダウン抵抗Rpを設置し、さらに第2nMOS FET32のゲートにpMOS FET33を配置している。pMOS FET33を配置しているのは、第2nMOS FET32がオフ状態のときに第2nMOS FET32のゲートをグランドから切り離し、B点のプルダウン抵抗を有効にさせるためである。
【0044】
切替スイッチ制御部8からグランド接続切替スイッチ3へSWnをオン状態とする制御信号が入力されない場合は、第1nMOS FET31及び第2nMOS FET32がオフ状態となり、B点はグランドには接続されない。一方、切替スイッチ制御部8からグランド接続切替スイッチ3へSWnをオン状態とする制御信号が入力された場合は、第1nMOS FET31及び第2nMOS FET32がオン状態となり、B点の電位はグランドと同電位となる。
【0045】
次に、グランド接続切替スイッチ3内のスイッチSWnの動作について具体的に説明する。上述のように、B点の電圧VBは、グランド接続切替スイッチ3内のグランドの電位より高い場合と低い場合とがある。次に、B点の電位が、グランド接続切替スイッチ3内のグランドよりも高い場合と低い場合のそれぞれの場合に分けてスイッチの動作方法について説明する。
【0046】
まず、B点の電圧VBが、グランド接続切替スイッチ3内のグランドの電位より低い場合のスイッチSWnの動作について説明する。図7はB点の電圧VBがグランドより低い場合における、スイッチSWnの動作を表すタイミングチャートである。時刻t1〜t4において、t2〜t3の期間にSWnをオン状態とし、t1〜t2及びt3〜t4の期間にSWnをオフ状態とする様子を示している。
【0047】
まず、B点電圧VBがA点電圧VAより低い場合において、SWnのオフ状態を維持する仕組みについて説明する。SWnがオフ状態となるのは、図7のタイミングチャートにおいて、t1〜t2及びt3〜t4の期間である。この期間においては、切替スイッチ制御部8からグランド接続切替スイッチ3へ制御信号として0[V]が入力され、a点の電位Va及びb点の電位Vbはともに0[V]となる。このとき、図6に示すように、A点とB点との間に設けられた第1nMOS FET31及び第2nMOS FET32がオフ状態となることにより、B点の電圧VBが例えば-60[V]に維持される。SWnの具体的な動作内容を以下に説明する。
【0048】
B点電圧VBがA点電圧VAより低い場合には、第1nMOS FET31の寄生ダイオードには順方向電圧が印加され、スイッチの役目を果たさないため、第2nMOS FET32がスイッチの役目を担う。ここで、第2nMOS FET32をオフ状態とするために、第2nMOS FET32のゲートとB点との間にプルダウン抵抗Rpを配置している。これにより、第2nMOS FET32のゲート電位がソース電圧と同等となり第2nMOS FET32がオン状態となることを防止している。ここで、プルダウン抵抗Rpが無いとすると、第2nMOS FET32のゲートにグランド電位が印加された状態となり、ソース電圧が下がるためオン状態となってしまうこととなる。pMOS FET33の役割は、第2nMOS FET32がオフ状態の場合において、第2nMOS FET32のゲートをグランドから切り離し、B点と第2nMOS FET32との間に接続したプルダウン抵抗を有効にさせるためである。このようにして、B点電圧VBがA点電圧VAより低い場合において、SWnのオフ状態を維持することができる。
【0049】
次に、B点電圧VBがA点電圧VAより低い場合において、SWnがオン状態となる仕組みについて説明する。SWnがオン状態となるのは、図7のタイミングチャートにおいて、t2〜t3の期間である。この期間においては、切替スイッチ制御部8からの制御信号として5[V]が入力され、a点の電位Va及びb点の電位Vbはともに5[V]となる。このとき、A点とB点との間に設けられた第1nMOS FET31及び第2nMOS FET32がオン状態となることにより、B点の電圧VBは、グランド電圧であるA点電圧VAと同電位、例えば0[V]とすることができる。SWnの具体的な動作内容を以下に説明する。
【0050】
切替スイッチ制御部8からグランド接続切替スイッチ3へ制御信号として5[V]が入力されると、b点電圧Vbが5[V]となり、pMOS FET33のソース電圧が5[V]となって、pMOS FET33がオン状態となる。これにより、pMOS FET33のソース電圧の5[V]が第2nMOS FET32のゲートに印加され、第2nMOS FET32のゲートの電圧がソースの電圧より高くなり、第2nMOS FET32がオン状態となる。第1nMOS FET31のソース電圧は第2nMOS FET32のソース電圧と同電位であるため、第1nMOS FET31のゲート、即ちa点に5[V]を印加すると第1nMOS FET31がオン状態となる。このようにして、第1nMOS FET31及び第2nMOS FET32がオン状態となることにより、B点電圧VBがグランド電圧であるA点電圧VAと同電位の0[V]となり、B点であるセルの低電位側の電位をグランドと同電位にすることができる。
【0051】
以上のようにして、B点電圧VBがA点電圧VAより低い場合において、切替スイッチ制御部8からの制御信号により、B点であるセルの低電位側の電位をグランドと同電位にするスイッチング制御を行うことができる。
【0052】
次に、B点の電圧VBが、グランド接続切替スイッチ3内のグランドの電位より高い場合のスイッチSWnの動作について説明する。図8はB点の電圧VBがグランドより高い場合における、スイッチSWnの動作を表すタイミングチャートである。時刻t5〜t8のうち、t6〜t7の期間のみSWnをオン状態とする様子を示している。
【0053】
まず、B点電圧VBがA点電圧VAより高い場合において、SWnのオフ状態を維持する仕組みについて説明する。SWnのオフ状態となるのは、図8のタイミングチャートにおいて、t5〜t6及びt7〜t8の期間である。この期間においては、切替スイッチ制御部8からグランド接続切替スイッチ3へ制御信号として0[V]が入力され、a点の電位Va及びb点の電位Vbはともに0[V]となる。このとき、A点とB点との間に設けられた第1nMOS FET31及び第2nMOS FET32がオフ状態となることにより、B点の電圧VBが例えば60[V]に維持される。SWnの具体的な動作内容を以下に説明する。
【0054】
第2nMOS FET32は寄生ダイオードに順方向電圧が印加され、スイッチの役目を果たさないため、第1nMOS FET31がスイッチの役目を担う。B点電圧は高電位のため、第1nMOS FET31にリーク電流が流れた場合でも第2nMOS FET32の寄生ダイオードにより第1nMOS FET31のソース電圧は、0.7[V]以下に抑えられ第1nMOS FET31はオン状態とはならない。このようにして、B点電圧VBがA点電圧VAより高い場合において、SWnのオフ状態を維持することができる。
【0055】
次に、B点電圧VBがA点電圧VAより高い場合において、SWnをオン状態とする仕組みについて説明する。SWnがオン状態となるのは、図8のタイミングチャートにおいて、t6〜t7の期間である。この期間においては、切替スイッチ制御部8からグランド接続切替スイッチ3へ制御信号として5[V]が入力され、a点の電位Va及びb点の電位Vbはともに5[V]となる。このとき、A点とB点との間に設けられた第1nMOS FET31及び第2nMOS FET32がオン状態となることにより、B点の電圧VBは、A点電圧VAと同電位、例えば0[V]とすることができる。SWnの具体的な動作内容を以下に説明する。
【0056】
第1nMOS FET31のソース電圧は、第2nMOS FET32の寄生ダイオードによりグランドより0.7[V]高い電圧となっている。第1nMOS FET31のゲートに5[V]を印加することにより、第1nMOS FET31がオン状態となる。第2nMOS FET32のソース電圧は第1nMOS FET31と同じであるため、b点電圧Vbを5[V]にして、pMOS FET33をオン状態とすれば第2nMOS FET32のゲートに5[V]が印加されオン状態となる。このようにして、第1nMOS FET31及び第2nMOS FET32がオン状態となることにより、B点電圧VBがA点電圧VAと同電位の0[V]となり、B点であるセルの低電位側の電位をグランドと同電位にすることができる。
【0057】
以上のようにして、B点電圧VBがA点電圧VAより高い場合において、切替スイッチ制御部8からグランド接続切替スイッチ3への制御信号により、B点であるセルの低電位側の電位をグランドと同電位にするスイッチング制御を行うことができる。
【0058】
以上説明したとおり、本発明のセル電圧測定装置によれば、測定対象であるセルの低電位側の接続点であるB点電圧VBが、セル電圧測定装置内のグランドであるA点電圧VAより高い及び低い場合のいずれの場合においても、B点であるセルの低電位側の電位を維持するか、またはグランドと同電位にするスイッチング制御を行うことができる。
【実施例2】
【0059】
次に、本発明の実施例2に係るセル電圧測定装置について説明する。図9に実施例2に係るセル電圧測定装置の構成を示す。実施例1に係るセル電圧測定装置と異なる点は、電圧を測定する対象のセルが1つのセルではなく、直列接続された複数のセルを有する複数のバッテリパックとなっている点である。
【0060】
電池11は直列接続された複数のセルを有する複数のバッテリパックB1〜BNが直列に接続されて積層(スタック)されており、各バッテリパック同士は、バッテリパックの両端に設けられた接続部jb1〜jbN+1のうちのjb2〜jbNを介して接続されている。バッテリパックの接続部jb1〜jbN+1には、個々のバッテリパックの電圧を測定するためのバッテリパック側端子pb1〜pbN+1が設けられており、pb1〜pbN+1は、接続部jb1〜jbN+1に対応して設けられたセル電圧測定装置21内のグランド接続切替スイッチ30の端子qb1〜qbN+1にそれぞれ接続されている。即ち、端子qb1〜qbN+1は、直列接続された複数のセルを有する複数のバッテリパックB1〜BNを直列接続する接続部jb1〜jbN+1に各々設けられている。
【0061】
実施例2のセル電圧測定装置21は、複数の端子対を構成する端子のうちバッテリパックの低電位側の接続部に対応して設けられた端子とグランドとの間に設けられたグランド接続切替スイッチ30と、個々のバッテリパックの電圧を測定するように、複数の端子のうち、個々のバッテリパックの両端の接続部に対応して設けられた複数の端子対に接続された複数の電圧測定部41と、を備えており、グランド接続切替スイッチ30は、複数の電圧測定部が個々のバッテリパックの電圧を測定する際に、低電位側の接続部に対応して設けられた端子と前記グランドとを接続する点を特徴としている。セル電圧測定装置21は、さらに、制御部51、記憶部61、セル電圧演算部71、データ送信部81、切替スイッチ制御部91を備えており、これらの構成は実施例1と同様であるので、詳細な説明は省略する。さらに、セル電圧測定装置21の外部には、電池ECU101が設けられている。
【0062】
次に、本発明の実施例2に係るセル電圧測定装置を用いたバッテリパックの電圧の測定方法の概略について説明する。図10にバッテリパックの電圧の測定方法の手順を説明するためのフローチャートを示す。ここでは、図9に示すようにN個のバッテリパックを有する電池11のバッテリパックの電圧を最下層の1番目のバッテリパックB1から、最上位のN番目のバッテリパックBNまでについて測定する手順を示す。
【0063】
まず、ステップS201において、i番目のバッテリパックBiを指定するための番号iの初期値を0に設定する。次に、ステップS202において、iを1つ増加させる。次に、ステップS203において、切替スイッチ制御部81からの制御信号に基づいて、SWbiをオンして端子qbiをグランドに接続する。例えば、i=nの場合、SWbnをオンして端子qbnをグランドに接続する。その結果、端子qbnに接続されている電池11側の端子pbnを介して、バッテリパック電圧の測定対象となっているバッテリパックBnの低電位側の接続部jbnがグランドに接続され、電圧測定ユニット41内の電圧測定部42nの低電位側の端子がグランドに接続される。ここで、スイッチSWbnは通常はオフしており、切替スイッチ制御部81からオンするように制御された場合のみオン状態となる。即ち、バッテリパックの低電位側の端子がグランドに接続されるのは、電圧の測定を行う対象のバッテリパックの低電位側の端子のみである。
【0064】
次に、ステップS204において、バッテリパックBiの端子間電圧Voutiを測定する。例えば、バッテリパックBnの端子間電圧Voutnを測定する場合には、電圧測定ユニット41が、バッテリパックBnに対応して設けられた2つの端子(例えば、qbn、qbn+1)間の電圧を測定する。このとき、SWbnがオンしているので、端子qbnはグランドに接続されている。
【0065】
次に、ステップS205において、セル電圧演算部71が、端子間電圧Voutiからバッテリパック電圧Vbiを算出する。次に、ステップS206において、セル電圧演算部71が、バッテリパックBiのバッテリパック電圧Vbiのデータを記憶部61に送信する。
【0066】
次に、ステップS207において、iがNに等しいか否かを判断することにより、N個のバッテリパック全ての測定が終了したか否かを判断する。i=Nである場合には、N個のバッテリパック全ての電圧測定が完了したと判断し、測定を終了する。一方、i≠Nである場合には、i<Nであるので、N個のバッテリパック全ての電圧測定は完了していないと判断し、ステップS202に戻って、次のバッテリパックの測定を行い、以下、N個のバッテリパック全ての電圧測定が完了するまでステップS202〜S207を繰り返す。
【0067】
このようにして、N個のバッテリパックB1〜BNを構成する個々のバッテリパックBnの両端の接続部jbn、jbn+1に対応して設けられた端子pbn、pbn+1間の電圧Voutnを測定する際に、バッテリパックBnの低電位側の接続部jbnをグランドに接続してバッテリパック電圧Vnを測定する。
【0068】
バッテリパックの電圧を測定するための電圧測定部421〜42Nとして、実施例1と同様に差動増幅回路を用いることができる。図11に本発明の実施例2に係るセル電圧測定装置の構成を示す。図11においては、電池11内のN個のバッテリパックB1〜BNの個々のバッテリパックについての電圧Vb1〜VbNを電圧測定部41に設けられた差動増幅回路を用いて測定する例を示している。差動増幅回路の動作は実施例1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0069】
以上のように、実施例2のセル電圧測定装置によれば、バッテリパックの電圧の測定において低電位側の接続部をグランドに接続した状態でバッテリパックの電圧を測定しているので、バッテリパックの位置が上層の場合であってもオフセット電圧の影響を受けることなく、バッテリパックの電圧を正確に算出することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 電池
2 セル電圧測定装置
3 グランド接続切替スイッチ
4 電圧測定ユニット
5 制御部
6 記憶部
7 セル電圧演算部
8 データ送信部
9 切替スイッチ制御部
10 電池ECU
401〜40N 電圧測定部
1〜CN セル
SW1〜SWN スイッチ
1〜VN セル電圧
1〜jN+1 接続部
1〜pN+1 セル側端子
1〜qN+1 端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のセルを直列接続する複数の接続部に各々設けられた端子と、
前記端子のうち前記セルの両端の接続部に設けられた端子対に接続された電圧測定部と、
前記端子対のうち前記セルの低電位側の接続部に設けられた端子とグランドとの間に設けられたスイッチと、
を有し、
前記スイッチは、前記電圧測定部が前記セルの電圧を測定する際に、前記低電位側の接続部に設けられた端子と前記グランドとを接続する、
ことを特徴とするセル電圧測定装置。
【請求項2】
直列接続された複数のセルを有する複数のバッテリパックを直列接続する接続部に各々設けられた端子と、
前記端子のうち前記バッテリパックの両端の接続部に対応して設けられた端子対に接続された電圧測定部と、
前記端子対のうち前記バッテリパックの低電位側の接続部に設けられた端子とグランドとの間に設けられたスイッチと、
を有し、
前記スイッチは、前記電圧測定部が前記バッテリパックの電圧を測定する際に、前記低電位側の接続部に設けられた端子と前記グランドとを接続する、
ことを特徴とするセル電圧測定装置。
【請求項3】
前記スイッチは、半導体リレーを有し、
前記半導体リレーは、
前記低電位側の接続部に設けられた端子と前記グランドとの間に設けられ、前記端子側に設けられた第1のnチャネルMOSトランジスタ及び前記グランド側に設けられた第2のnチャネルMOSトランジスタと、
前記低電位側の接続部に設けられた端子と前記第2のnチャネルMOSトランジスタのゲートとの間に設けられたプルダウン抵抗と、
前記第2のnチャネルMOSトランジスタのゲートに接続されたpチャネルMOSトランジスタと、
を有する、請求項1または2に記載のセル電圧測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−242357(P2012−242357A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116007(P2011−116007)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】