説明

センサチップおよびガスセンサ

【課題】半導体レーザーの出力変動および周囲温度等の環境変化の影響を、比較的簡単な構成で補正できるようにする。
【解決手段】光導波層11上に、アンモニアガスと反応する反応膜12を部分的に形成して、光導波層11の反応膜12が形成されている部分を光導波路とする検知光用光導波路と、光導波層11の反応膜が形成されていない部分を光導波路とする参照光用光導波路とを構成し、分岐されたレーザー光を、直角プリズム13によって、検知光用光導波路および参照光用光導波路にそれぞれ入射させ、検知光用光導波路および参照光用光導波路からの導波光を、直角プリズム14でそれぞれ取り出して、第1,第2のフォトダイオード8,9で検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサチップおよびガスセンサに関し、更に詳しくは、光導波層上に、被検知ガスに反応する検知材が形成された光導波路を有するセンサチップおよびそれを用いたガスセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のガスセンサとして、例えば、特許文献1に開示されたガスセンサがある。
【0003】
図7は、特許文献1のガスセンサの概略構成を示す図である。
【0004】
同図において、基体30上に光導波路31、更にその上に、被検知ガスと反応して変色する検知材32を設けている。レーザー等の光源33からモニター光34を光導波路31に平行に入射させ、光導波路31を出た出射光35の出口光量を光ディテクター36により測定し、光導波路31に導光される光の減衰により、被検知ガスの濃度を検知するものである。
【0005】
一般に、光源33である半導体レーザーの出力は、周囲の温度や湿度などによって変動しやすく、この出力変動が、光ディテクター36による検出精度に影響を与えるという難点がある。
【0006】
このため、レーザー光が入射される光導波路を二つに分岐し、一方の光導波路には、被検知ガスと反応する検知材を設けて、検知光(信号光)用の光導波路とし、他方の光導波路は、前記検知材を設けない参照光用の光導波路とし、検知光用の光導波路からの光量と、参照光用の光導波路からの光量とを比較し、その光量差の変化量から被検知ガスの濃度を検知するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平7−243973号公報
【特許文献2】特公平4−81738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献2では、参照光を用いて、レーザー光源の出力変動などを補正できるけれども、上述のように、光導波路を分岐させて検知光用および参照光用の光導波路としているために、検知光用と参照光用とで光導波路が異なることになる。このため、光導波路が受ける環境変化、例えば、ガスを吸引するポンプの振動や周囲温度等の環境変化の影響をキャンセルすることができず、特に、低濃度のガスを高精度に検出する場合には、その影響を無視することができず、また、光導波路を分岐させて検知光用の光導波路と参照光用の光導波路とを形成する必要があるために、構成が複雑になるという課題もある。
【0008】
本発明は、上述のような点に鑑みて為されたものであって、半導体レーザーの出力変動および周囲温度等の環境変化の影響を、比較的簡単な構成で補正できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のセンサチップは、被検知ガスの検知に用いるセンサチップであって、光導波層上に、前記被検知ガスと反応する検知材を部分的に形成して、前記光導波層の前記検知材が形成されている部分を光導波路とする検知光用光導波路と、前記光導波層の前記検知材が形成されていない部分を光導波路とする参照光用光導波路とを構成し、分岐されたレーザー光を、導光部材によって、前記検知光用光導波路および前記参照光用光導波路にそれぞれ入射させ、前記検知光用光導波路および前記参照光用光導波路からの導波光を、取り出し部材でそれぞれ取り出すものである。
【0010】
光導波層は、透明基板上に形成されるのが好ましく、前記導光部材および前記取り出し部材は、プリズムであるのが好ましい。
【0011】
本発明のセンサチップによると、検知光用光導波路と参照光用光導波路とを、同一の光導波層を用いて構成しているので、光導波路を検知光用と参照光用とで分岐させて個別に形成する従来例に比べて、光導波路が受ける振動や周囲温度等の環境変化による影響を、高い精度でキャンセルすることが可能となり、これによって、検出精度を高めることができる。
【0012】
また、同一の光導波層上に、検知材を部分的に形成すればよく、光導波路を分岐させて検知光用の光導波路と参照光用の光導波路とを個別に形成する従来例に比べて、構成が簡素化される。
【0013】
本発明のガスセンサは、光導波層および光導波層上に形成されて被検知ガスと反応する検知材を備えるガスセンサであって、レーザー光を出力するレーザー光源と、前記レーザー光を分岐する分岐手段と、前記光導波層および前記検知材を有するセンサチップと、前記センサチップからの導波光を検出する検出手段とを備え、前記センサチップは、前記光導波層上に、前記検知材を部分的に形成して、前記光導波層の前記検知材が形成されている部分を光導波路とする検知光用光導波路と、前記光導波層の前記検知材が形成されていない部分を光導波路とする参照光用光導波路とを構成し、前記分岐手段で分岐された前記レーザー光を、導光部材によって、前記検知光用光導波路および前記参照光用光導波路にそれぞれ入射させ、前記検知光用光導波路および前記参照光用光導波路からの導波光を、取り出し部材でそれぞれ取り出して前記検出手段への前記導波光とするものである。
【0014】
前記検出手段は、前記検知光用光導波路からの導波光および前記参照光用光導波路からの導波光をそれぞれ検出する第1,第2の光電変換素子を有し、前記両光電変換素子の検出出力に基づいて、前記被検知ガスの濃度を求めるのが好ましい。
【0015】
本発明のガスセンサによると、センサチップの検知光用光導波路と参照光用光導波路とを、同一の光導波層を用いて構成しているので、光導波路を検知光用と参照光用とで分岐させて個別に形成する従来例に比べて、光導波路が受ける振動や周囲温度等の環境変化による影響を、高い精度でキャンセルすることが可能となり、これによって、検出精度を高めることができる。
【0016】
また、同一の光導波層上に、検知材を部分的に形成すればよく、光導波路を分岐させて検知光用の光導波路と参照光用の光導波路とを個別に形成する従来例に比べて、構成が簡素化される。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、検知光用光導波路と参照光用光導波路とを、同一の光導波層を用いて構成しているので、光導波路を検知光用と参照光用とで分岐させて個別に形成する従来例に比べて、光導波路が受ける振動や周囲温度等の環境変化による影響を、高い精度でキャンセルすることが可能となり、これによって、検出精度を高めることができる。
【0018】
また、同一の光導波層上に、検知材を部分的に形成すればよく、光導波路を分岐させて検知光用の光導波路と参照光用の光導波路とを個別に形成する従来例に比べて、構成が簡素化される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面によって本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0020】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態に係るガスセンサに用いるセンサチップ1の斜視図である。
この実施形態のガスセンサは、被検知ガスであるアンモニア(NH)ガスの濃度を測定するものである。
【0021】
センサチップ1は、図2の断面図に示すように、ガラス基板10上に形成された光導波層11と、この光導波層11上に部分的に形成されて、被検知ガスであるアンモニアガスと反応する検知材としての反応膜12と、光導波層11への導光用および光取り出し用の部材としての直角プリズム13,14とを備えている。
【0022】
導光用の直角プリズム13から光取り出し用の直角プリズム14に至る光導波層11の内、図1に示すように、アンモニアガスと反応する反応膜12が形成される部分は、検知光用の光導波路を構成する一方、反応膜12が形成されていない部分は、参照光用の光導波路を構成する。
【0023】
反応膜12は、アンモニアガスと反応し、吸収スペクトルがシフトする材料で構成され、アンモニアガスの濃度に依存して、導波された光が減衰する。
【0024】
この反応膜12は、可逆性があり、窒素ガス、または、アンモニアガスを含まない空気によって再生可能であり、アンモニアガスの濃度の繰り返し測定が可能である。
【0025】
導波光は、図2に示すように、全反射を繰り返しながら進行するが、その間光導波層表面にエバネッセント波が染み出す。
【0026】
検知光用の光導波路上には、上述のように反応膜12が形成されており、アンモニアガスのガス濃度に応じて、反応膜12の色変化の程度が異なるため、エバネッセント波の吸収率が変化し、光導波層11に導波する光の出力が弱くなる。したがって、反応膜12が形成されている部分の光導波層11、すなわち、検知光用の光導波路を通過した導波光は、アンモニアガスの濃度に応じたものとなり、この導波光の出力強度を測定することによって、アンモニアガスの濃度を検出することができる。
【0027】
図3は、上記センサチップ1を備えるセンサユニット2の概略構成図である。
【0028】
この実施形態のセンサユニット2は、センサチップ1が形成されたガラス基板10と、レーザーダイオード3と、レーザーダイオード3からのガラス基板10に平行なレーザー光を、センサチップ1側に導く第1の反射ミラー4と、この反射ミラー4からのレーザ光を分岐して導光用の直角プリズム13および第2の反射ミラー6に導くビームスプリッタ5と、ビームスプリッタ5からのレーザー光を導光用の直角プリズム13に導く第2の反射ミラー6と、光取り出し用の直角プリズム14から第3の反射ミラー7を介して入射する検知用の導波光を検出する光電変換素子としての第1のフォトダイオード8と、光取り出し用の直角プリズム14から入射する参照用の導波光を検出する第2のフォトダイオード9と、光アンプ回路15とを備えている。
【0029】
第1のフォトダイオード8は、光導波層11の反応膜12が形成されている検知光用の光導波路を通過した導波光を検出するものであり、第2のフォトダイオード9は、光導波層11の反応膜12が形成されていない参照光用の光導波路を通過した導波光を検出するものである。
【0030】
分離された検知光及び参照光は完全に広がりのない理想的な光束であれば、ビーム径以上に離れれば、近くに構成しても互いに干渉せず、それぞれの導波路に導波できる。しかし、レーザー光を整形しても若干の広がりを持っているため、互いに干渉しないように配置しなければならない。一例として、導光プリズムへの入射ビーム径1mmで、広がり角度5mrad(1rad = 57.29578度)の半導体レーザー光を用いる時、導波路2cmの光学系に対して、検知光と参照光の中心間距離を1.1mm(=1.0+Tan(5×57.29578/1000)×20)以上に離れれば、互いに影響せず導波路を伝搬できる。
【0031】
この実施形態では、第1のフォトダイオード8によって検出される検知光用の光導波路からの光量と、第2のフォトダイオード9によって検出される参照光用の光導波路からの光量とを比較し、その光量差の変化量からアンモニアガスの濃度を、後述のように検知するものである。
【0032】
各反射ミラー4,6,7およびビームスプリッタ5は、ガラス基板10に接着固定されており、センサチップ1、導光光学系、光アンプ回路15を一体化してセンサユニット2が構成される。
【0033】
図4は、上述のセンサユニット2が組み込まれるガスセンサ16の概略構成図である。
【0034】
この実施形態のガスセンサ16は、筐体28を備えており、この筐体28内に、センサユニット2を構成するガラス基板10が収納されるガスチャンバー17、このガスチャンバー17へのガスの流路を開閉する電磁弁25,26、ガスチャンバー17へガスを導入するポンプ24、電磁弁25,26およびポンプ24を駆動する駆動回路27、上述のレーザーダイオード3(図示せず)、第1,第2のフォトダイオード8,9(図示せず)、および、これらフォトダイオード8,9の出力に基づいて、アンモニアガスの濃度を算出する図示しない信号処理回路などが収納配置されている。
【0035】
センサチップ1等が設けられたガラス基板10が、ガスチャンバー17内の設置板に装着固定されており、レーザー光をセンサチップ1に導波させるために、ガラス基板10を固定する設置板には、あおり、高さの微調機構を設けている。また、センサチップ1が、ガスチャンバー17の中心に位置するように固定される。
【0036】
このガスチャンバー17は、密封され、レーザーダイオード3からのレーザー光を、内部に導入するための光窓を有するとともに、センサチップ1の検知光用および参照光用の各光導波路からの導波光を、外部の第1,第2のフォトダイオード8,9に入射させるための光窓を有している。
【0037】
また、ガスチャンバー17は、センサチップ1の反応膜12を再生するための空気および被検知ガスであるアンモニアガスを個別に導入するための導入口18,19および導入したガスを排出する排出口20を備えている。
【0038】
ガスチャンバー17のガスの導入口18に連通する流路21には、除塵フィルター22およびアンモニアガスを除去するケミカルフィルター23を設けている。
【0039】
アンモニアガスを除去するケミカルフィルター23としては、例えば、ニッタ(株)製のNH除去材(製品名:ピュラコールAMS)を、樹脂ケースに充填したものを用いることができる。
【0040】
このアンモニア除去材は、若干発塵するため、除塵フィルター22を下流側に設置して除塵している。
【0041】
ガスセンサ16は、センサチップ1等が収納されたガスチャンバー17内に、アンモニアガスを除去した空気または被検知ガスであるアンモニアガスを導入する上述のポンプ24を備えている。このポンプ24は、微小量のガスの定量の輸送制御が可能なマイクロポンプである。
【0042】
空気およびアンモニアガスが導入される各流路には、上述の電磁弁25,26がそれぞれ設けられており、各電磁弁25,26によって、流路の開閉が制御される。空気の流路を開閉する電磁弁25は、ノーマリーオープンタイプが好ましく、アンモニアガスの流路を開閉する電磁弁26は、ノーマリークローズタイプが好ましい。
【0043】
このように、ガスセンサ16では、ポンプ24によって、被検知ガスであるアンモニアガスを、ガスチャンバー17内に定流量で安定して導入できるとともに、センサチップ1の反応膜12を再生するための空気を定流量で安定して導入することができ、ガスの自然拡散を利用する構成に比べて、測定に要する時間を短縮できるとともに、安定した測定が可能となり、誤差を少なくできる。
【0044】
なお、空気に代えて窒素ガスを導入してもよい。
【0045】
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
【実施例】
【0046】
本実施例のセンサチップを、次のようにして作製した。
【0047】
(1)ソーダライムガラス基板(松浪ガラス社製、サイズは,13mm×53mm×1mm)をアンモニア水1%で超音波洗浄した後、400℃で溶融した硝酸カリウムの中に50分浸漬し、表層のナトリウムイオンとカリウムイオンを交換して、カリウムイオンリッチな光導波層を形成した。基板の屈折率が1.512に対して、イオン交換された光導波層の屈折率は1.518になった。
【0048】
(2)光導波層上に、真空蒸着機によってアンモニアガスと反応して色変化をおこす反応膜として、pH指示薬であるBCP(ブロムクレゾールパープル)を成膜した。サイズは、13mm×53mm、厚み1mmのガラス基板に対し、基板の長さ方向の中心部に、6mm×15mm、厚み80nm程度で形成した。
【0049】
(3)光導波層上に反応膜を設けた基板に、導光用および光取り出し用として、36度の直角プリズム(屈折率1.67)をUV樹脂で接着してセンサチップとした。
【0050】
以上のようにして得られたセンサチップに、上述の図3の導光光学系および光アンプ回路を一体化してセンサユニットを構成し、更に、このセンサユニットを、アンモニアガスおよび再生用の空気の導入口を有するとともに、ガス排出口を有する上述の図4のガスチャンバー17内に収納配置した。
【0051】
次に、アンモニアガスの濃度を以下の手順で測定した。
【0052】
先ず、図4の電磁弁25を開いて、ガス導入口18からガスチャンバー17内に、ポンプ4によってアンモニアガスが除去された空気を、1.0L/minの流量で導入し、センサチップ1の初期化を行う。
【0053】
次に、第1のフォトダイオード8で検出される検知光用光導波路からの導波光(検知光)の強度と、第2のフォトダイオード9で検出される参照光用光導波路からの導波光(参照光)の強度とをオペアンプで増幅し、電圧に変換する。電磁弁の切り替え直前の電圧値を初期値として測定し、検知光の強度をS0、参照光との強度をR0とする。
【0054】
次に、空気を導入するための電磁弁25を閉じ、アンモニアガスを導入するための電磁弁26を開いて、ガス導入口19からガスチャンバー17内に、ポンプ4によって低濃度アンモニアガスを、1.0L/minの流量で導入し、センサチップ1と反応させる。低濃度アンモニアガスの合成は、標準アンモニアガス (10ppm)の窒素ガスによる希釈で行う。
【0055】
指定した反応時間、例えば、3分後の第1のフォトダイオード8で検出される検知光用光導波路からの導波光(検知光)の強度と、第2のフォトダイオード9で検出される参照光用光導波路からの導波光(参照光)の強度とを電圧値とて測定する。検知光の強度をS1、参照光の強度をR1とする。
【0056】
上述のセンサチップの初期化とアンモニアガスの測定とを繰り返して連続測定を行った。
【0057】
アンモニアガスと反応する前後の検知光(信号光)の減衰率を用いてアンモニアガスの濃度を決定する。光の減衰率ηを下記のように定義する。
【0058】
η=S1・R0/S0・R1
図5に、200ppbのアンモニアガスの測定結果を示す。図5では、横軸が経過時間、縦軸が出力電圧値、すなわち、強度を示しており、実線が検知光(信号光)を、破線が参照光をそれぞれ示している。
【0059】
アンモニアの有無に依存せず参照光の強度がほぼ一定であった。しかし、ポンプ24の振動、ガスの流れ等の影響で参照光が若干の変動を生じている。
【0060】
図6に、検知光(信号光)の強度を、参照光の強度で割って規格化した検知光の変化を示す。図5の結果と比較して、参照光を用いたほうが安定した測定結果が得られることが分かる。
【0061】
以上のように、検知光用の光導波路と参照光用の光導波路とを、同一の光導波層を用いて構成しているので、得られた検知光を参照光で規格化することにより、ポンプによる振動や周囲温度等の環境変化による影響を精度よく補正することができ、低濃度のアンモニアガスを高精度に検出することができる。
【0062】
上述の実施形態では、アンモニアガスの濃度の測定に適用して説明したけれども、本発明は、検知材を被検知ガスに対応するものに換えれば、アンモニアガス以外のガスの測定にも適用できるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態に係るガスセンサに用いるセンサチップの斜視図である。
【図2】図1のセンサチップ部の断面図である。
【図3】図1のセンサチップを含むセンサユニットの構成図である。
【図4】ガスセンサの概略構成図である。
【図5】測定結果を示す図である。
【図6】参照光を用いて規格化した検知光(信号光)の強度を示す図である。
【図7】従来例を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
1 センサチップ
2 センサユニット
11 光導波層
12 反応膜(検知材)
13,14 直角プリズム
16 ガスセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検知ガスの検知に用いるセンサチップであって、
光導波層上に、前記被検知ガスと反応する検知材を部分的に形成して、前記光導波層の前記検知材が形成されている部分を光導波路とする検知光用光導波路と、前記光導波層の前記検知材が形成されていない部分を光導波路とする参照光用光導波路とを構成し、分岐されたレーザー光を、導光部材によって、前記検知光用光導波路および前記参照光用光導波路にそれぞれ入射させ、前記検知光用光導波路および前記参照光用光導波路からの導波光を、取り出し部材でそれぞれ取り出すことを特徴とするセンサチップ。
【請求項2】
前記光導波層が、透明基板上に形成され、前記導光部材および前記取り出し部材が、プリズムである請求項1に記載のセンサチップ。
【請求項3】
光導波層および光導波層上に形成されて被検知ガスと反応する検知材を備えるガスセンサであって、
レーザー光を出力するレーザー光源と、前記レーザー光を分岐する分岐手段と、前記光導波層および前記検知材を有するセンサチップと、前記センサチップからの導波光を検出する検出手段とを備え、
前記センサチップは、前記光導波層上に、前記検知材を部分的に形成して、前記光導波層の前記検知材が形成されている部分を光導波路とする検知光用光導波路と、前記光導波層の前記検知材が形成されていない部分を光導波路とする参照光用光導波路とを構成し、前記分岐手段で分岐された前記レーザー光を、導光部材によって、前記検知光用光導波路および前記参照光用光導波路にそれぞれ入射させ、前記検知光用光導波路および前記参照光用光導波路からの導波光を、取り出し部材でそれぞれ取り出して前記検出手段への前記導波光とすることを特徴とするガスセンサ。
【請求項4】
前記センサチップの前記導光部材および前記取り出し部材が、プリズムであり、
前記検出手段は、前記検知光用光導波路からの導波光および前記参照光用光導波路からの導波光をそれぞれ検出する第1,第2の光電変換素子を有し、前記両光電変換素子の検出出力に基づいて、前記被検知ガスの濃度を求める請求項3に記載のガスセンサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−250858(P2009−250858A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−101125(P2008−101125)
【出願日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【出願人】(505044451)ソナック株式会社 (107)
【Fターム(参考)】