センサライト
【課題】センサライトによる照明範囲を制御し、隣近所への光害を低減する。
【解決手段】ランプを有し前記ランプの光によって一定の範囲に向けて照射して前記一定の範囲を照明する照明部1と、この照明部が上部に首振り可能に支持され設置場所に取り付けられる取付部と、この取付部あるいは取付部の下部に設けられ検知エリア内への侵入物の侵入を検知する検知センサ部とを備える。前記検知センサ部による侵入物の検知により前記ランプを点灯する。照明部1に、前記光の全部又は一部の照射方向を規制するフード部材2を着脱可能に設ける。このフード部材2を照明部1に取り付けた状態あるいは前記フード部材2を照明部1から取り外した状態で使用される。
【解決手段】ランプを有し前記ランプの光によって一定の範囲に向けて照射して前記一定の範囲を照明する照明部1と、この照明部が上部に首振り可能に支持され設置場所に取り付けられる取付部と、この取付部あるいは取付部の下部に設けられ検知エリア内への侵入物の侵入を検知する検知センサ部とを備える。前記検知センサ部による侵入物の検知により前記ランプを点灯する。照明部1に、前記光の全部又は一部の照射方向を規制するフード部材2を着脱可能に設ける。このフード部材2を照明部1に取り付けた状態あるいは前記フード部材2を照明部1から取り外した状態で使用される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、侵入物の検知により光源を点灯する、主として防犯用に使用されるセンサライトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、センサライトは、光源を有し前記光源の光を一定の範囲に向けて照射して前記一定の範囲を照明する照明部と、検知エリア内への侵入物の侵入を検知する検知センサ部とを備え、前記検知センサ部による侵入物の検知により前記光源を点灯する、主として防犯用に使用されるものである。そして、そのようなセンサライトにおいて、前記照明部による照射方向を変更あるいは調整できるように構成されたものも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そのようなセンサライト101は、例えば図15(a)に示すように、設置場所に取付固定される取付部101Aと、この取付部101Aの上部に対し左右方向及び上下方向に首振り可能に取り付けられた照明部101Bと、取付部101Bの下端部に左右方向及び上下方向に回転可能に取り付けられた人体検知センサ部101Cとにより構成される。なお、人体検知センサ部101C’は、図15(b)に示すセンサライト101’のように、取付部101A’の前面部に取り付けられる場合もある。
【0004】
照明部101Bは、例えば図16(a)に示すように、光源102(図17参照)からの光を、照明角度φ=70°〜120°で一定距離Lだけ一定の範囲に向けて照射して前記一定の範囲を照明することができる。この場合、図16(b)に示すように、取付高さH=2.5mで、取付角度θ=20°〜30°とされる。また、図17に示すように、照明部101は、光源としての光源102(一般に、75W〜100Wのハロゲンランプ)と、反射鏡103とを有し、反射鏡103の形状により反射方向が決定され、照明範囲が固定される。
【特許文献1】特開平10−144134号公報(段落0009〜0011および図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのようなセンサライトは、住宅街の戸建て住宅の玄関先、カーポートなどに設置され、検知センサ部による侵入物の検知により光源を点灯する構成となっているので、センサライトの光源が点灯した場合に、左右両隣や向かいの住居まで照明し、迷惑をかけるおそれがあり、いわゆる光害の問題を生ずるおそれがある。
【0006】
一方、光量の少ない光源を使用すると、照明範囲を住居内に制限することは可能であるが、必要な照度が得られず、照明範囲が非常に暗くなり、照明効果が得られない。
【0007】
この発明は、光源からの光の全部又は一部の照射方向を規制することで、センサライトによる照明範囲を制御し、使用者が必要とする範囲内のみを照明することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、光源を有し前記光源の光を一定の範囲に向けて照射して前記一定の範囲を照明する照明部と、この照明部が上部に首振り可能に支持され設置場所に取り付けられる取付部と、この取付部あるいは取付部の下部に設けられ予め定められた検知エリア内への侵入物の侵入を検知する検知センサ部とを備え、前記検知センサ部による侵入物の侵入の検知により前記光源を点灯するセンサライトであって、前記照明部に、前記光の全部又は一部の照射方向を規制する規制部材が着脱可能に取り付けられ、前記規制部材を前記照明部に取り付けた状態あるいは前記規制部材を前記照明部から取り外した状態で使用する構成とされていることを特徴とする。ここで、使用される規制部材の形状に応じて、光源からの光全部の照射方向が規制されたり、光の一部の照射方向が規制されたりする。
【0009】
このようにすれば、規制部材を照明部から取り外した状態で使用する場合には、従来と同様に、前記一定の範囲に向かって光源の光を照射し、比較的広範囲となる一定の範囲を照明することができる。その一方、前記規制部材をケーシングに取り付けた状態で使用する場合には、光源からの光の照射方向を前記規制部材によって規制することで照明範囲を制御し、使用者が必要とする範囲だけを照明することができる。よって、規制部材を設けるという簡単な構成でもって、隣近所への光害を低減することができる。
【0010】
また、検知センサ部を取り付ける取付部とは別の照明部に規制部材を取り付けるので、検知センサ部の検知機能を損なうおそれもない。
【0011】
請求項2に記載のように、前記照明部は、前記光源を収納する照明本体部と、前記光源からの光が透過する透光部を有し前記照明本体部を保護する保護キャップ部とを備え、前記照明本体部に対し前記保護キャップ部が着脱可能に取り付けられるものであり、前記規制部材は、前記照明部に取り付けられる基部と、前記基部に連接され前記照明部より突出して延びる規制本体部とを有する構成とすることができる。
【0012】
このようにすれば、基部を照明部に取り付けるだけで、規制本体部によって光源からの光の照射方向を規制して照明範囲を制御することができる。基部を照明部に取り付けるので、前記取付部の設置場所への取付方法に影響を与えるおそれもない。
【0013】
請求項3に記載のように、基部は、照明本体部と保護キャップ部との間に挟持されることで、前記規制部材が前記照明部に取り付けられる構成とすることができる。
【0014】
このようにすれば、基部を照明本体部と保護キャップ部との間に挟持することで、規制部材を照明部に対し安定性よく支持させることができる。
【0015】
請求項4に記載のように、前記基部は、前記照明本体部に対し前後方向あるいは周方向にスライド可能に装着され、前記照明本体部と前記基部との間に、前記照明本体部に対し前記基部を前後方向あるいは周方向に案内する案内手段が設けられている構成とすることもできる。
【0016】
このようにすれば、案内手段による案内によって、照明本体部に対し基部を前後方向あるいは周方向にスライド可能とすることができ、照明範囲の調整あるいは変更を簡単に行うことができる。
【0017】
請求項5に記載のように、前記案内手段は、前記照明本体部又は基部の一方に設けられる係合凸部と、前記照明本体部又は基部の他方に設けられ前記係合凸部がスライド可能に係合する案内凹部とを有する構成とすることができる。ここで、照明部に対し規制部材が着脱可能に取り付けられるようにするためには、係合凸部が前記照明本体部又は基部の一方に着脱可能に設けられているか、案内凹部の一部に、係合凸部との係合を解除するための開放部分が設けられていることが必要である。
【0018】
このようにすれば、係合凸部と案内凹部との係合関係で、基部を前後方向あるいは周方向に案内する案内手段を簡単に構成することができる。
【0019】
前記規制本体部は、請求項6に記載のように、断面円弧形状又は断面半円弧形状としたり、請求項7に記載のように、前端に位置する半球面形状の前側部分と、この前側部分の後側に連接される断面半円弧状の後側部分とを有する構成としたり、請求項8に記載のように、少なくとも一部に複数の開孔が形成されている構成としたりすることができる。
【0020】
このようにすれば、規制部材の形状を工夫することで、制御する照明範囲について各種の態様をとることができる。
【0021】
前記規制部材は、照明部に対して着脱可能に取り付けられ、取り外し・取り付けを容易にできるようにする必要はなく、請求項9に記載のように、前述したセンサライトであって、前記照明部に、前記光の全部又は一部の照射方向を規制する規制部材が取り付けられている構成とすることも可能である。この場合は、照明部に規制部材が一体的に形成され、規制部材自体を取り外すことができない場合のほか、ねじ止めや耐熱性接着剤による固定などのように、取り外し・取り付けは可能であるが、そのような取り外し・取り付けが困難である場合も含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、照明部に、光の全部又は一部の照射方向を規制する規制部材を着脱可能に設けたので、前記規制部材を照明部に取り付けた状態で使用できるだけでなく、前記規制部材を照明部から取り外した状態でも使用できる。そして、前記規制部材を照明部に取り付けた状態で使用する場合には、前記規制部材によって照明範囲を制御し、隣近所への光害を低減することができる。また、前記規制部材を照明部から取り外した状態で使用する場合には、従来と同様に広範囲にわたる照明範囲を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明に係るセンサライトの基本構造は、従来のものと同様に、設置場所に取付固定される取付部と、この取付部の上部に左右方向及び上下方向に首振り可能に取り付けられた照明部と、この取付部の下端部に左右方向及び上下方向に回転可能に取り付けられるかあるいは前面部に取り付けられる検知センサ部とにより構成され、主として防犯用に使用されるものである。よって、以下の実施の形態の説明においては、照明部に着脱可能に取り付けられる、本発明の特徴点である規制部材(フード部材)及びこの規制部材(フード部材)と照明部との関係について説明し、取付部及び検知センサ部についての説明は省略する。
【0024】
図1(a)(b)は本発明に係るセンサライトの照明部についての一実施の形態を示す分解斜視図である。
【0025】
図1(a)(b)に示すように、センサライトの照明部1は、照明本体部1Aと、照明本体部1Aを保護する保護キャップ部1Bとを備える。そして、照明部1には、前記ランプの光の一部の照射方向を規制する規制部材としてのフード部材2が着脱可能に取り付けられるようになっている。よって、センサライトを設置する場所に応じて、フード部材2を照明部1に取り付けた状態で使用するか(図1(a)参照)、フード部材2を照明部1から取り外した状態で使用するか(図1(b)参照)を選択して使用することができる。
【0026】
照明本体部1Aは、ケーシング内部に、光源としてのランプと反射板とを収納する(図11参照)大径部1Aaと、この大径部1Aaよりも径が小さく保護キャップ部1Bの後側部分が、嵌合あるいはねじ止めなどにより大径部1Aaの前側に対し取り付けられる小径部1Abとを有する。この小径部1Abに、後述するように、フード基部2A(基部)あるいはリング部材3を挿入した状態で、保護キャップ部1Bの後側部分を取り付けることで、それらを大径部1Aaと保護キャップ部1Bの後側部分との間で挟持して、固定することができる。
【0027】
保護キャップ部1Bは、照明本体部1Aのランプからの光あるいは前記反射板で反射された光が透過する耐熱ガラス部1Ba(透光部)を有する。この保護キャップ部1Bは、照明本体部1Aを保護する機能も有する。
【0028】
一方、フード部材2は、円筒状のフード基部2Aと、そのフード基部2Aの前側に連接される断面半円弧状のフード本体部2B(規制本体部)とを有する。フード本体部2Bの内面は、表面処理を施さないそのままの面とするほか、ランプからの光を反射する反射率が高くなるように表面処理を施すことも可能である。
【0029】
フード部材2を照明部1に取り付けた状態で使用する場合には、図1(a)に示すように、フード基部2Aを、照明本体部1Aと保護キャップ部1Bとの間に挟持させ、固定する。つまり、照明本体部1Aと保護キャップ部1Bとでフード基部2Aを挟持することで、フード部材2が照明本体部1Aに取り付けられる。また、フード本体部2Bの長さは、保護キャップ部1Bの長さよりも長いので、その取付状態で、フード本体部2Bの先端部分は、保護キャップ部1Bの前端を超えてさらに前方に延びている。その場合、固定前は、照明部1に対しフード本体部2Bが周方向において回転可能であるので、照射方向を規制する位置にフード本体部2Bを回転して移動させることができる。このフード本体部2Bの、照明部1の前端から突出量は、下方に設けられるが図示してない検知センサ部による検知エリアを制限しないように設定されている。
【0030】
照明部1のランプ(光源)としては、通常、ハロゲンランプが用いられ、そのランプの発熱により、フード部材2の温度は100℃〜220℃程度まで上昇するので、この温度に耐えれる耐熱材料をフード部材2の材料として用いることが望ましい。また、センサライトは、住宅街の戸建て住宅の玄関先、カーポートなどの屋外に設置されるので、耐候性のよい材料であることも望ましい。
【0031】
このようになフード部材2を照明部1に対し使用すれば、図2(a)(b)に示すように、照明部1に対しフード部材2(フード本体部2B)を設けた側において、光源からの光の照射方向を規制し、照明範囲を制限することができる(制限される照明範囲をS1とする)。よって、フード部材2を設けることで、隣近所への照明を制御し、使用者が必要とする照明範囲だけを照明することができる。よって、隣近所への光害を低減することができる。ただ、フード部材2の内面で反射された光によって照明される範囲が、新たな照明範囲S2として追加される。
【0032】
また、隣近所に対する光害を考慮する必要がない場合など、フード部材2を照明部1から取り外した状態で使用する場合には、図1(b)に示すように、フード基部2Aに対応する形状を有するリング部材3を、照明本体部1Aと保護キャップ部1Bとの間に挟持させ、固定すればよい。このリング部材3によって、フード部材2を取り外した場合に、照明本体部1Aと保護キャップ部1Bとの間(小径部1Abの部分)に形成される隙間が埋められる。
【0033】
前記実施形態のほか、本発明は次のように構成することも可能である。
【0034】
(i)前記実施の形態では、照明部1に対するフード部材2の取付位置が固定されるようになっているが、フード基部を、照明部1の照明本体部1Aに対しその外周面に沿ってスライド可能に移動できるように装着することもできる。このようにすれば、フード部材の取付位置を変更して、使用者が希望する照明範囲に調整することが可能である。
【0035】
この場合には、照明本体部とフード基部との間に、照明本体部に対しフード基部を前後方向あるいは周方向に案内する案内手段を設ける必要がある。この案内手段は、例えば図3に示すように、照明本体部1A’に左右対称に設けられる係合凸部13と、フード基部2B’に設けられ係合凸部13がスライド可能に係合するスリット状の案内凹部14とを有する構成とすればよい。案内凹部14の後端部は、係合凸部13との係合を解除できるように開放されている。なお、係合凸部13をねじで構成すれば、位置調整後、ねじを締め付ければ、移動不能に固定できる。
【0036】
また、逆に、フード基部に係合凸部を、照明本体部に前記係合凸部がスライド可能に係合する案内凹部をそれぞれ形成するようにしてもよい。
【0037】
これにより、フード部材がない場合には、図4(a)に示すように照明範囲S101は平面視でも側面視でも長円形状で、一定の形状になるが、フード部材12をスライド可能に設けることで、照明範囲S11の上側部分S11aの大きさを変更することができる。つまり、図4(b)に示すように、フード部材の突出量を小さくすることで、上側部分S11aを小さくして、照明範囲の高さHを大きくすることができ、フード部材12の突出量を大きくすることで、上側部分S11aを大きくして、照明範囲の高さHを小さくすることができる。なお、図4(c)に示すように、照明範囲S11は平面視では長円形状で、一定の形状である。
【0038】
(ii)図5に示すように、照明部11にフード部材12を取り付けた状態では、案内手段が外部から見えない構成とすることも可能である。
【0039】
その場合、図6に示すように、照明部11に対しフード部材12,12を左右対称に2つ設け、照明範囲の左右方向への広がりを低減し、両隣の住居などへの照明(光害)を防止することができる。これにより、フード部材がない場合には、図7(a)に示すように照明範囲S101は平面視でも側面視でも長円形状で、一定の形状になるが、2つのフード部材12をスライド可能に設けることで、前述した(i)の場合と同様に、照明範囲S12の左右側部分S12a,S12bの大きさを変更することができる。つまり、図7(b)に示すように、フード部材12の突出量を小さくすることで、左右側部分S12a,S12bを小さくして、照明範囲S12の幅Wを大きくすることができ、フード部材12,12の突出量を大きくすることで、左右側部分S12a,S12bを大きくして、照明範囲の幅Wを小さくすることができる。なお、照明範囲S12は側面視では、図7(c)に示すように、長円形状で、一定の形状である。また、2つのフード部材12のスライド量を異ならせて、照明範囲S12の左右側部分S12a,S12bの大きさをことならしめることも可能である。
【0040】
(iii)前記フード本体部の形状は、断面半円弧形状とするほか、図8に示すように、照明部11の外側に対し断面円弧形状のフード部材12をスライド可能に設ける構成とすることもできる。この場合には、照明範囲S3の上下左右方向への広がりを防止し、スポット照明(照明)が可能となる。また、照明部11に対するフード部材12の突出量が小さいと、照明範囲S3は円錐形状であるが、前記突出量を大きくすれば照明範囲S3が葉巻形状となる。このように照明範囲の形状を変更することもできる。
【0041】
(iv)図9に示すように、フード部材32を、フード基部32Aの前側に位置するフード本体部32Bは、先端に位置する半球面形状の前側部分32Baと、この前側部分32Baの後側に連接される断面半円弧状の後側部分32Bbとを有する構成とすることもできる。この場合には、前側部分32Baによって、前方への光量(明るさ)を低減させる一方、光源からの光を前側部分32Baの内面で下方に反射させ、下方への光量を増加させることができるので、センサライトの設置場所下方付近を明るくすることができる。
【0042】
この場合も、照明部31にフード部材32スライド可能に設ける構成とすることもできる。このようにすれば、フード部材がない場合には、図10(a)に示すように照明範囲S101は平面視でも側面視でも長円形状で、一定の形状になるが、半球面形状の前側部分32Baを有するフード部材32をスライド可能に設けることで、前述した(i)(ii)の場合と同様に、照明範囲S13の左右側部分S13a,S13bの大きさを変更することができる。つまり、図10(b)に示すように、フード部材12の突出量を小さくすることで、左右側部分S13a,S13bを小さくして、照明範囲S13a,S13bの幅Wを大きくすることができ、フード部材32の突出量を大きくすることで、左右側部分S13a,S13bを大きくして、照明範囲の幅Wを小さくすることができる。なお、照明範囲S13は側面視では、図10(c)に示すように、フード部材32によって、上方への照射が制限され、照明範囲S13の上側部分S13cの大きさがフード部材32のスライドによって変更され、また、フード部材32によって反射された光による照明範囲S13の下側部分S13dがフード部材32の下方に形成され、この下側部分S13dの大きさもフード部材32のスライドによって変更される。
【0043】
(v)図11に示すように、フード本体部42Bの少なくとも一部を、複数の開孔43(例えば、円形状の孔や矩形状の孔)が形成されている構成(例えば、パンチングメタル)とすることで、照明範囲の光量を部分的に制御し、近隣住居への照明を低減することができる。つまり、複数の開孔43を通過すると、光が減衰するので、開孔の数を変更することで、明るさを調整することができる。
【0044】
(vi)フード部材の形状は、前述したものに制限されず、各種変更が可能である。例えば図12(a)(b)に示すように、フード部材51は、それのフード本体部51Bの上側部分の上縁51cが角度θ1だけ前下がりに傾斜し、また、側面視で前記上側部分の前縁51bと、照明本体部の前縁(フード部材51の基部51A)とがなすフード遮光角度θ2が46°〜70°の範囲となるように形成することができる。このようにすれば、照明部の首振り可能な角度範囲のいずれかの角度において、フード部材51の上側部分の前縁51bが側面視で略水平方向に延びる状態にすることができる。この状態を基準として、照明部を首振ることで、使用者が照明範囲を微調整することができる。特に、上側部分の上縁51cが角度θ1だけ前下がりに傾斜しているので、前方向についての照射方向の制限に効果的に発揮される。
【0045】
このセンサライトの場合には、図13(a)に示すように、照明本体部52の先端筒状部に対し、防水パッキン53、耐熱ガラス54、およびフード部材51の基部51A、および保護キャップ部55の順に取り付けられる。このように、フード部材51の基部51Aは、照明本体部52と保護キャップ部55との間に挟持されることで、取付固定される。照明本体部52と保護キャップ部55との間に挟まれるフード部材51の基部51Aに、保護キャップ部55の係合凸部(図示せず)に係脱可能に係合される位置決め用の係合凹部51aが形成されている。そして、フード部材51を用いない場合には、リング部材56(図13(b)参照)が照明本体部52と保護キャップ部55との間に挟持される、このリング部材56は、フード部材51の基部51Aに対応する形状を有し、位置決め用の係合凹部56aが形成されている。
【0046】
(vii)フード部材(規制部材)は、光源からの光の全部又は一部の照射方向を規制して、光害を防止する機能を発揮できれば、照明部に対して着脱可能に取り付けられている必要はなく、図14に示すように、保護キャップ部55’の前側にフード部51’として一体に形成されている構成とすることもできるし、保護キャップ部55の前面にフード部材をねじ止めしたり耐熱性接着剤を用いて固定したりすることも可能である。この場合には、フード部材の基部やリング部材を収納するための隙間を設ける必要はなくなる。
【0047】
(viii)ハロゲンランプなどの光源を使用した照明部に適用しているが、LEDなどの光源を利用した照明部に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】(a)(b)はそれぞれ本発明に係るセンサライトの照明部についての一実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】(a)(b)はそれぞれフード部材を取り付けた場合の、照明範囲の説明図である。
【図3】別の実施の形態の説明図である。
【図4】(a)(b)(c)はそれぞれ図3に示す実施の形態の照明範囲の説明図である。
【図5】別の実施の形態の変形例の説明図である。
【図6】さらに別の実施の形態の説明図である。
【図7】(a)(b)(c)はそれぞれ図6に示す実施の形態の照明範囲の説明図である。
【図8】他の実施の形態の説明図である。
【図9】さらに他の実施の形態の説明図である。
【図10】(a)(b)(c)はそれぞれ図9に示す実施の形態の照明範囲の説明図である。
【図11】(a)(b)はそれぞれ、また、別の実施の形態の説明図である。
【図12】(a)(b)はそれぞれさらに別の実施形態であるフード部材の斜視図および側面図である。
【図13】(a)(b)はそれぞれ前記別の実施形態において、フード部材を用いる場合およびフード部材を用いない場合の取り付けの説明図である。
【図14】フード部材を保護キャップ部に一体的に形成した実施の形態の説明図である。
【図15】(a)(b)はそれぞれ従来のセンサライトの説明図である。
【図16】従来のセンサライトの照明範囲の説明図である。
【図17】反射鏡による照射方向の説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1,11,21 照明部
1A,1A’ 照明本体部
1B 保護キャップ部
2,12,22,32,51 フード部材(規制部材)
2A,51A フード基部(基部)
2B,2B’,32b,51B フード本体部(規制本体部)
3,56 リング部材
13 係合凸部
14 案内凹部
32Ba 前側部分
32Bb 後側部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、侵入物の検知により光源を点灯する、主として防犯用に使用されるセンサライトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、センサライトは、光源を有し前記光源の光を一定の範囲に向けて照射して前記一定の範囲を照明する照明部と、検知エリア内への侵入物の侵入を検知する検知センサ部とを備え、前記検知センサ部による侵入物の検知により前記光源を点灯する、主として防犯用に使用されるものである。そして、そのようなセンサライトにおいて、前記照明部による照射方向を変更あるいは調整できるように構成されたものも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そのようなセンサライト101は、例えば図15(a)に示すように、設置場所に取付固定される取付部101Aと、この取付部101Aの上部に対し左右方向及び上下方向に首振り可能に取り付けられた照明部101Bと、取付部101Bの下端部に左右方向及び上下方向に回転可能に取り付けられた人体検知センサ部101Cとにより構成される。なお、人体検知センサ部101C’は、図15(b)に示すセンサライト101’のように、取付部101A’の前面部に取り付けられる場合もある。
【0004】
照明部101Bは、例えば図16(a)に示すように、光源102(図17参照)からの光を、照明角度φ=70°〜120°で一定距離Lだけ一定の範囲に向けて照射して前記一定の範囲を照明することができる。この場合、図16(b)に示すように、取付高さH=2.5mで、取付角度θ=20°〜30°とされる。また、図17に示すように、照明部101は、光源としての光源102(一般に、75W〜100Wのハロゲンランプ)と、反射鏡103とを有し、反射鏡103の形状により反射方向が決定され、照明範囲が固定される。
【特許文献1】特開平10−144134号公報(段落0009〜0011および図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのようなセンサライトは、住宅街の戸建て住宅の玄関先、カーポートなどに設置され、検知センサ部による侵入物の検知により光源を点灯する構成となっているので、センサライトの光源が点灯した場合に、左右両隣や向かいの住居まで照明し、迷惑をかけるおそれがあり、いわゆる光害の問題を生ずるおそれがある。
【0006】
一方、光量の少ない光源を使用すると、照明範囲を住居内に制限することは可能であるが、必要な照度が得られず、照明範囲が非常に暗くなり、照明効果が得られない。
【0007】
この発明は、光源からの光の全部又は一部の照射方向を規制することで、センサライトによる照明範囲を制御し、使用者が必要とする範囲内のみを照明することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、光源を有し前記光源の光を一定の範囲に向けて照射して前記一定の範囲を照明する照明部と、この照明部が上部に首振り可能に支持され設置場所に取り付けられる取付部と、この取付部あるいは取付部の下部に設けられ予め定められた検知エリア内への侵入物の侵入を検知する検知センサ部とを備え、前記検知センサ部による侵入物の侵入の検知により前記光源を点灯するセンサライトであって、前記照明部に、前記光の全部又は一部の照射方向を規制する規制部材が着脱可能に取り付けられ、前記規制部材を前記照明部に取り付けた状態あるいは前記規制部材を前記照明部から取り外した状態で使用する構成とされていることを特徴とする。ここで、使用される規制部材の形状に応じて、光源からの光全部の照射方向が規制されたり、光の一部の照射方向が規制されたりする。
【0009】
このようにすれば、規制部材を照明部から取り外した状態で使用する場合には、従来と同様に、前記一定の範囲に向かって光源の光を照射し、比較的広範囲となる一定の範囲を照明することができる。その一方、前記規制部材をケーシングに取り付けた状態で使用する場合には、光源からの光の照射方向を前記規制部材によって規制することで照明範囲を制御し、使用者が必要とする範囲だけを照明することができる。よって、規制部材を設けるという簡単な構成でもって、隣近所への光害を低減することができる。
【0010】
また、検知センサ部を取り付ける取付部とは別の照明部に規制部材を取り付けるので、検知センサ部の検知機能を損なうおそれもない。
【0011】
請求項2に記載のように、前記照明部は、前記光源を収納する照明本体部と、前記光源からの光が透過する透光部を有し前記照明本体部を保護する保護キャップ部とを備え、前記照明本体部に対し前記保護キャップ部が着脱可能に取り付けられるものであり、前記規制部材は、前記照明部に取り付けられる基部と、前記基部に連接され前記照明部より突出して延びる規制本体部とを有する構成とすることができる。
【0012】
このようにすれば、基部を照明部に取り付けるだけで、規制本体部によって光源からの光の照射方向を規制して照明範囲を制御することができる。基部を照明部に取り付けるので、前記取付部の設置場所への取付方法に影響を与えるおそれもない。
【0013】
請求項3に記載のように、基部は、照明本体部と保護キャップ部との間に挟持されることで、前記規制部材が前記照明部に取り付けられる構成とすることができる。
【0014】
このようにすれば、基部を照明本体部と保護キャップ部との間に挟持することで、規制部材を照明部に対し安定性よく支持させることができる。
【0015】
請求項4に記載のように、前記基部は、前記照明本体部に対し前後方向あるいは周方向にスライド可能に装着され、前記照明本体部と前記基部との間に、前記照明本体部に対し前記基部を前後方向あるいは周方向に案内する案内手段が設けられている構成とすることもできる。
【0016】
このようにすれば、案内手段による案内によって、照明本体部に対し基部を前後方向あるいは周方向にスライド可能とすることができ、照明範囲の調整あるいは変更を簡単に行うことができる。
【0017】
請求項5に記載のように、前記案内手段は、前記照明本体部又は基部の一方に設けられる係合凸部と、前記照明本体部又は基部の他方に設けられ前記係合凸部がスライド可能に係合する案内凹部とを有する構成とすることができる。ここで、照明部に対し規制部材が着脱可能に取り付けられるようにするためには、係合凸部が前記照明本体部又は基部の一方に着脱可能に設けられているか、案内凹部の一部に、係合凸部との係合を解除するための開放部分が設けられていることが必要である。
【0018】
このようにすれば、係合凸部と案内凹部との係合関係で、基部を前後方向あるいは周方向に案内する案内手段を簡単に構成することができる。
【0019】
前記規制本体部は、請求項6に記載のように、断面円弧形状又は断面半円弧形状としたり、請求項7に記載のように、前端に位置する半球面形状の前側部分と、この前側部分の後側に連接される断面半円弧状の後側部分とを有する構成としたり、請求項8に記載のように、少なくとも一部に複数の開孔が形成されている構成としたりすることができる。
【0020】
このようにすれば、規制部材の形状を工夫することで、制御する照明範囲について各種の態様をとることができる。
【0021】
前記規制部材は、照明部に対して着脱可能に取り付けられ、取り外し・取り付けを容易にできるようにする必要はなく、請求項9に記載のように、前述したセンサライトであって、前記照明部に、前記光の全部又は一部の照射方向を規制する規制部材が取り付けられている構成とすることも可能である。この場合は、照明部に規制部材が一体的に形成され、規制部材自体を取り外すことができない場合のほか、ねじ止めや耐熱性接着剤による固定などのように、取り外し・取り付けは可能であるが、そのような取り外し・取り付けが困難である場合も含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、照明部に、光の全部又は一部の照射方向を規制する規制部材を着脱可能に設けたので、前記規制部材を照明部に取り付けた状態で使用できるだけでなく、前記規制部材を照明部から取り外した状態でも使用できる。そして、前記規制部材を照明部に取り付けた状態で使用する場合には、前記規制部材によって照明範囲を制御し、隣近所への光害を低減することができる。また、前記規制部材を照明部から取り外した状態で使用する場合には、従来と同様に広範囲にわたる照明範囲を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明に係るセンサライトの基本構造は、従来のものと同様に、設置場所に取付固定される取付部と、この取付部の上部に左右方向及び上下方向に首振り可能に取り付けられた照明部と、この取付部の下端部に左右方向及び上下方向に回転可能に取り付けられるかあるいは前面部に取り付けられる検知センサ部とにより構成され、主として防犯用に使用されるものである。よって、以下の実施の形態の説明においては、照明部に着脱可能に取り付けられる、本発明の特徴点である規制部材(フード部材)及びこの規制部材(フード部材)と照明部との関係について説明し、取付部及び検知センサ部についての説明は省略する。
【0024】
図1(a)(b)は本発明に係るセンサライトの照明部についての一実施の形態を示す分解斜視図である。
【0025】
図1(a)(b)に示すように、センサライトの照明部1は、照明本体部1Aと、照明本体部1Aを保護する保護キャップ部1Bとを備える。そして、照明部1には、前記ランプの光の一部の照射方向を規制する規制部材としてのフード部材2が着脱可能に取り付けられるようになっている。よって、センサライトを設置する場所に応じて、フード部材2を照明部1に取り付けた状態で使用するか(図1(a)参照)、フード部材2を照明部1から取り外した状態で使用するか(図1(b)参照)を選択して使用することができる。
【0026】
照明本体部1Aは、ケーシング内部に、光源としてのランプと反射板とを収納する(図11参照)大径部1Aaと、この大径部1Aaよりも径が小さく保護キャップ部1Bの後側部分が、嵌合あるいはねじ止めなどにより大径部1Aaの前側に対し取り付けられる小径部1Abとを有する。この小径部1Abに、後述するように、フード基部2A(基部)あるいはリング部材3を挿入した状態で、保護キャップ部1Bの後側部分を取り付けることで、それらを大径部1Aaと保護キャップ部1Bの後側部分との間で挟持して、固定することができる。
【0027】
保護キャップ部1Bは、照明本体部1Aのランプからの光あるいは前記反射板で反射された光が透過する耐熱ガラス部1Ba(透光部)を有する。この保護キャップ部1Bは、照明本体部1Aを保護する機能も有する。
【0028】
一方、フード部材2は、円筒状のフード基部2Aと、そのフード基部2Aの前側に連接される断面半円弧状のフード本体部2B(規制本体部)とを有する。フード本体部2Bの内面は、表面処理を施さないそのままの面とするほか、ランプからの光を反射する反射率が高くなるように表面処理を施すことも可能である。
【0029】
フード部材2を照明部1に取り付けた状態で使用する場合には、図1(a)に示すように、フード基部2Aを、照明本体部1Aと保護キャップ部1Bとの間に挟持させ、固定する。つまり、照明本体部1Aと保護キャップ部1Bとでフード基部2Aを挟持することで、フード部材2が照明本体部1Aに取り付けられる。また、フード本体部2Bの長さは、保護キャップ部1Bの長さよりも長いので、その取付状態で、フード本体部2Bの先端部分は、保護キャップ部1Bの前端を超えてさらに前方に延びている。その場合、固定前は、照明部1に対しフード本体部2Bが周方向において回転可能であるので、照射方向を規制する位置にフード本体部2Bを回転して移動させることができる。このフード本体部2Bの、照明部1の前端から突出量は、下方に設けられるが図示してない検知センサ部による検知エリアを制限しないように設定されている。
【0030】
照明部1のランプ(光源)としては、通常、ハロゲンランプが用いられ、そのランプの発熱により、フード部材2の温度は100℃〜220℃程度まで上昇するので、この温度に耐えれる耐熱材料をフード部材2の材料として用いることが望ましい。また、センサライトは、住宅街の戸建て住宅の玄関先、カーポートなどの屋外に設置されるので、耐候性のよい材料であることも望ましい。
【0031】
このようになフード部材2を照明部1に対し使用すれば、図2(a)(b)に示すように、照明部1に対しフード部材2(フード本体部2B)を設けた側において、光源からの光の照射方向を規制し、照明範囲を制限することができる(制限される照明範囲をS1とする)。よって、フード部材2を設けることで、隣近所への照明を制御し、使用者が必要とする照明範囲だけを照明することができる。よって、隣近所への光害を低減することができる。ただ、フード部材2の内面で反射された光によって照明される範囲が、新たな照明範囲S2として追加される。
【0032】
また、隣近所に対する光害を考慮する必要がない場合など、フード部材2を照明部1から取り外した状態で使用する場合には、図1(b)に示すように、フード基部2Aに対応する形状を有するリング部材3を、照明本体部1Aと保護キャップ部1Bとの間に挟持させ、固定すればよい。このリング部材3によって、フード部材2を取り外した場合に、照明本体部1Aと保護キャップ部1Bとの間(小径部1Abの部分)に形成される隙間が埋められる。
【0033】
前記実施形態のほか、本発明は次のように構成することも可能である。
【0034】
(i)前記実施の形態では、照明部1に対するフード部材2の取付位置が固定されるようになっているが、フード基部を、照明部1の照明本体部1Aに対しその外周面に沿ってスライド可能に移動できるように装着することもできる。このようにすれば、フード部材の取付位置を変更して、使用者が希望する照明範囲に調整することが可能である。
【0035】
この場合には、照明本体部とフード基部との間に、照明本体部に対しフード基部を前後方向あるいは周方向に案内する案内手段を設ける必要がある。この案内手段は、例えば図3に示すように、照明本体部1A’に左右対称に設けられる係合凸部13と、フード基部2B’に設けられ係合凸部13がスライド可能に係合するスリット状の案内凹部14とを有する構成とすればよい。案内凹部14の後端部は、係合凸部13との係合を解除できるように開放されている。なお、係合凸部13をねじで構成すれば、位置調整後、ねじを締め付ければ、移動不能に固定できる。
【0036】
また、逆に、フード基部に係合凸部を、照明本体部に前記係合凸部がスライド可能に係合する案内凹部をそれぞれ形成するようにしてもよい。
【0037】
これにより、フード部材がない場合には、図4(a)に示すように照明範囲S101は平面視でも側面視でも長円形状で、一定の形状になるが、フード部材12をスライド可能に設けることで、照明範囲S11の上側部分S11aの大きさを変更することができる。つまり、図4(b)に示すように、フード部材の突出量を小さくすることで、上側部分S11aを小さくして、照明範囲の高さHを大きくすることができ、フード部材12の突出量を大きくすることで、上側部分S11aを大きくして、照明範囲の高さHを小さくすることができる。なお、図4(c)に示すように、照明範囲S11は平面視では長円形状で、一定の形状である。
【0038】
(ii)図5に示すように、照明部11にフード部材12を取り付けた状態では、案内手段が外部から見えない構成とすることも可能である。
【0039】
その場合、図6に示すように、照明部11に対しフード部材12,12を左右対称に2つ設け、照明範囲の左右方向への広がりを低減し、両隣の住居などへの照明(光害)を防止することができる。これにより、フード部材がない場合には、図7(a)に示すように照明範囲S101は平面視でも側面視でも長円形状で、一定の形状になるが、2つのフード部材12をスライド可能に設けることで、前述した(i)の場合と同様に、照明範囲S12の左右側部分S12a,S12bの大きさを変更することができる。つまり、図7(b)に示すように、フード部材12の突出量を小さくすることで、左右側部分S12a,S12bを小さくして、照明範囲S12の幅Wを大きくすることができ、フード部材12,12の突出量を大きくすることで、左右側部分S12a,S12bを大きくして、照明範囲の幅Wを小さくすることができる。なお、照明範囲S12は側面視では、図7(c)に示すように、長円形状で、一定の形状である。また、2つのフード部材12のスライド量を異ならせて、照明範囲S12の左右側部分S12a,S12bの大きさをことならしめることも可能である。
【0040】
(iii)前記フード本体部の形状は、断面半円弧形状とするほか、図8に示すように、照明部11の外側に対し断面円弧形状のフード部材12をスライド可能に設ける構成とすることもできる。この場合には、照明範囲S3の上下左右方向への広がりを防止し、スポット照明(照明)が可能となる。また、照明部11に対するフード部材12の突出量が小さいと、照明範囲S3は円錐形状であるが、前記突出量を大きくすれば照明範囲S3が葉巻形状となる。このように照明範囲の形状を変更することもできる。
【0041】
(iv)図9に示すように、フード部材32を、フード基部32Aの前側に位置するフード本体部32Bは、先端に位置する半球面形状の前側部分32Baと、この前側部分32Baの後側に連接される断面半円弧状の後側部分32Bbとを有する構成とすることもできる。この場合には、前側部分32Baによって、前方への光量(明るさ)を低減させる一方、光源からの光を前側部分32Baの内面で下方に反射させ、下方への光量を増加させることができるので、センサライトの設置場所下方付近を明るくすることができる。
【0042】
この場合も、照明部31にフード部材32スライド可能に設ける構成とすることもできる。このようにすれば、フード部材がない場合には、図10(a)に示すように照明範囲S101は平面視でも側面視でも長円形状で、一定の形状になるが、半球面形状の前側部分32Baを有するフード部材32をスライド可能に設けることで、前述した(i)(ii)の場合と同様に、照明範囲S13の左右側部分S13a,S13bの大きさを変更することができる。つまり、図10(b)に示すように、フード部材12の突出量を小さくすることで、左右側部分S13a,S13bを小さくして、照明範囲S13a,S13bの幅Wを大きくすることができ、フード部材32の突出量を大きくすることで、左右側部分S13a,S13bを大きくして、照明範囲の幅Wを小さくすることができる。なお、照明範囲S13は側面視では、図10(c)に示すように、フード部材32によって、上方への照射が制限され、照明範囲S13の上側部分S13cの大きさがフード部材32のスライドによって変更され、また、フード部材32によって反射された光による照明範囲S13の下側部分S13dがフード部材32の下方に形成され、この下側部分S13dの大きさもフード部材32のスライドによって変更される。
【0043】
(v)図11に示すように、フード本体部42Bの少なくとも一部を、複数の開孔43(例えば、円形状の孔や矩形状の孔)が形成されている構成(例えば、パンチングメタル)とすることで、照明範囲の光量を部分的に制御し、近隣住居への照明を低減することができる。つまり、複数の開孔43を通過すると、光が減衰するので、開孔の数を変更することで、明るさを調整することができる。
【0044】
(vi)フード部材の形状は、前述したものに制限されず、各種変更が可能である。例えば図12(a)(b)に示すように、フード部材51は、それのフード本体部51Bの上側部分の上縁51cが角度θ1だけ前下がりに傾斜し、また、側面視で前記上側部分の前縁51bと、照明本体部の前縁(フード部材51の基部51A)とがなすフード遮光角度θ2が46°〜70°の範囲となるように形成することができる。このようにすれば、照明部の首振り可能な角度範囲のいずれかの角度において、フード部材51の上側部分の前縁51bが側面視で略水平方向に延びる状態にすることができる。この状態を基準として、照明部を首振ることで、使用者が照明範囲を微調整することができる。特に、上側部分の上縁51cが角度θ1だけ前下がりに傾斜しているので、前方向についての照射方向の制限に効果的に発揮される。
【0045】
このセンサライトの場合には、図13(a)に示すように、照明本体部52の先端筒状部に対し、防水パッキン53、耐熱ガラス54、およびフード部材51の基部51A、および保護キャップ部55の順に取り付けられる。このように、フード部材51の基部51Aは、照明本体部52と保護キャップ部55との間に挟持されることで、取付固定される。照明本体部52と保護キャップ部55との間に挟まれるフード部材51の基部51Aに、保護キャップ部55の係合凸部(図示せず)に係脱可能に係合される位置決め用の係合凹部51aが形成されている。そして、フード部材51を用いない場合には、リング部材56(図13(b)参照)が照明本体部52と保護キャップ部55との間に挟持される、このリング部材56は、フード部材51の基部51Aに対応する形状を有し、位置決め用の係合凹部56aが形成されている。
【0046】
(vii)フード部材(規制部材)は、光源からの光の全部又は一部の照射方向を規制して、光害を防止する機能を発揮できれば、照明部に対して着脱可能に取り付けられている必要はなく、図14に示すように、保護キャップ部55’の前側にフード部51’として一体に形成されている構成とすることもできるし、保護キャップ部55の前面にフード部材をねじ止めしたり耐熱性接着剤を用いて固定したりすることも可能である。この場合には、フード部材の基部やリング部材を収納するための隙間を設ける必要はなくなる。
【0047】
(viii)ハロゲンランプなどの光源を使用した照明部に適用しているが、LEDなどの光源を利用した照明部に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】(a)(b)はそれぞれ本発明に係るセンサライトの照明部についての一実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】(a)(b)はそれぞれフード部材を取り付けた場合の、照明範囲の説明図である。
【図3】別の実施の形態の説明図である。
【図4】(a)(b)(c)はそれぞれ図3に示す実施の形態の照明範囲の説明図である。
【図5】別の実施の形態の変形例の説明図である。
【図6】さらに別の実施の形態の説明図である。
【図7】(a)(b)(c)はそれぞれ図6に示す実施の形態の照明範囲の説明図である。
【図8】他の実施の形態の説明図である。
【図9】さらに他の実施の形態の説明図である。
【図10】(a)(b)(c)はそれぞれ図9に示す実施の形態の照明範囲の説明図である。
【図11】(a)(b)はそれぞれ、また、別の実施の形態の説明図である。
【図12】(a)(b)はそれぞれさらに別の実施形態であるフード部材の斜視図および側面図である。
【図13】(a)(b)はそれぞれ前記別の実施形態において、フード部材を用いる場合およびフード部材を用いない場合の取り付けの説明図である。
【図14】フード部材を保護キャップ部に一体的に形成した実施の形態の説明図である。
【図15】(a)(b)はそれぞれ従来のセンサライトの説明図である。
【図16】従来のセンサライトの照明範囲の説明図である。
【図17】反射鏡による照射方向の説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1,11,21 照明部
1A,1A’ 照明本体部
1B 保護キャップ部
2,12,22,32,51 フード部材(規制部材)
2A,51A フード基部(基部)
2B,2B’,32b,51B フード本体部(規制本体部)
3,56 リング部材
13 係合凸部
14 案内凹部
32Ba 前側部分
32Bb 後側部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を有し前記光源の光を一定の範囲に向けて照射して前記一定の範囲を照明する照明部と、この照明部が上部に首振り可能に支持され設置場所に取り付けられる取付部と、この取付部あるいは取付部の下部に設けられ予め定められた検知エリア内への侵入物の侵入を検知する検知センサ部とを備え、前記検知センサ部による侵入物の侵入の検知により前記光源を点灯するセンサライトであって、
前記照明部に、前記光の全部又は一部の照射方向を規制する規制部材が着脱可能に取り付けられ、
前記規制部材を前記照明部に取り付けた状態あるいは前記規制部材を前記照明部から取り外した状態で使用する構成とされていることを特徴とするセンサライト。
【請求項2】
前記照明部は、前記光源を収納する照明本体部と、前記光源からの光が透過する透光部を有し前記照明本体部を保護する保護キャップ部とを備え、前記照明本体部に対し前記保護キャップ部が着脱可能に取り付けられるものであり、
前記規制部材は、前記照明部に取り付けられる基部と、前記基部に連接され前記照明部より突出して延びる規制本体部とを有することを特徴とする請求項1に記載のセンサライト。
【請求項3】
前記基部は、前記照明本体部と保護キャップ部との間に挟持されることで、前記規制部材が前記照明部に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載のセンサライト。
【請求項4】
前記基部は、前記照明本体部に対し前後方向あるいは周方向にスライド可能に装着され、
前記照明本体部と前記基部との間に、前記照明本体部に対し前記基部を前後方向あるいは周方向に案内する案内手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のセンサライト。
【請求項5】
前記案内手段は、前記照明本体部又は基部の一方に設けられる係合凸部と、前記照明本体部又は基部の他方に設けられ前記係合凸部がスライド可能に係合する案内凹部とを有することを特徴とする請求項4に記載のセンサライト。
【請求項6】
前記規制本体部は、断面円弧形状又は断面半円弧形状であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のセンサライト。
【請求項7】
前記規制本体部は、前端に位置する半球面形状の前側部分と、この前側部分の後側に連接される断面半円弧状の後側部分とを有することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のセンサライト。
【請求項8】
前記規制本体部は、少なくとも一部に複数の開孔が形成されていることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載のセンサライト。
【請求項9】
光源を有し前記光源の光を一定の範囲に向けて照射して前記一定の範囲を照明する照明部と、この照明部が上部に首振り可能に支持され設置場所に取り付けられる取付部と、この取付部あるいは取付部の下部に設けられ予め定められた検知エリア内への侵入物の侵入を検知する検知センサ部とを備え、前記検知センサ部による侵入物の侵入の検知により前記光源を点灯するセンサライトであって、
前記照明部に、前記光の全部又は一部の照射方向を規制する規制部材が取り付けられていることを特徴とするセンサライト。
【請求項1】
光源を有し前記光源の光を一定の範囲に向けて照射して前記一定の範囲を照明する照明部と、この照明部が上部に首振り可能に支持され設置場所に取り付けられる取付部と、この取付部あるいは取付部の下部に設けられ予め定められた検知エリア内への侵入物の侵入を検知する検知センサ部とを備え、前記検知センサ部による侵入物の侵入の検知により前記光源を点灯するセンサライトであって、
前記照明部に、前記光の全部又は一部の照射方向を規制する規制部材が着脱可能に取り付けられ、
前記規制部材を前記照明部に取り付けた状態あるいは前記規制部材を前記照明部から取り外した状態で使用する構成とされていることを特徴とするセンサライト。
【請求項2】
前記照明部は、前記光源を収納する照明本体部と、前記光源からの光が透過する透光部を有し前記照明本体部を保護する保護キャップ部とを備え、前記照明本体部に対し前記保護キャップ部が着脱可能に取り付けられるものであり、
前記規制部材は、前記照明部に取り付けられる基部と、前記基部に連接され前記照明部より突出して延びる規制本体部とを有することを特徴とする請求項1に記載のセンサライト。
【請求項3】
前記基部は、前記照明本体部と保護キャップ部との間に挟持されることで、前記規制部材が前記照明部に取り付けられることを特徴とする請求項2に記載のセンサライト。
【請求項4】
前記基部は、前記照明本体部に対し前後方向あるいは周方向にスライド可能に装着され、
前記照明本体部と前記基部との間に、前記照明本体部に対し前記基部を前後方向あるいは周方向に案内する案内手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載のセンサライト。
【請求項5】
前記案内手段は、前記照明本体部又は基部の一方に設けられる係合凸部と、前記照明本体部又は基部の他方に設けられ前記係合凸部がスライド可能に係合する案内凹部とを有することを特徴とする請求項4に記載のセンサライト。
【請求項6】
前記規制本体部は、断面円弧形状又は断面半円弧形状であることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のセンサライト。
【請求項7】
前記規制本体部は、前端に位置する半球面形状の前側部分と、この前側部分の後側に連接される断面半円弧状の後側部分とを有することを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のセンサライト。
【請求項8】
前記規制本体部は、少なくとも一部に複数の開孔が形成されていることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載のセンサライト。
【請求項9】
光源を有し前記光源の光を一定の範囲に向けて照射して前記一定の範囲を照明する照明部と、この照明部が上部に首振り可能に支持され設置場所に取り付けられる取付部と、この取付部あるいは取付部の下部に設けられ予め定められた検知エリア内への侵入物の侵入を検知する検知センサ部とを備え、前記検知センサ部による侵入物の侵入の検知により前記光源を点灯するセンサライトであって、
前記照明部に、前記光の全部又は一部の照射方向を規制する規制部材が取り付けられていることを特徴とするセンサライト。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2008−181869(P2008−181869A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−331203(P2007−331203)
【出願日】平成19年12月22日(2007.12.22)
【出願人】(000109668)DXアンテナ株式会社 (394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月22日(2007.12.22)
【出願人】(000109668)DXアンテナ株式会社 (394)
【Fターム(参考)】
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