説明

センサ出力補正装置

【課題】センサの出力信号波形の補正精度を向上させることができるセンサ出力補正装置を提供する。
【解決手段】第1の回転角演算部20Aは、現時点から所定期間前までの一定期間τ内に読み込まれた複数の第1の出力信号V1から最小値V1minと最大値V1maxとを抽出し、それらの差ε(=V1max−V1min)を演算する。そして、差εの絶対値|ε|が所定の閾値αより小さいか否かを判別する。差εの絶対値|ε|が所定の閾値αより小さい場合には、前記最小値V1minと前記最大値V1maxとの中央値を、前記一定期間τにおける第1の出力信号V1の真値V1trueとして求める。真値の絶対値|V1true|が現在設定されているピーク値候補の絶対値より大きい場合には、真値V1trueをピーク値候補とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、センサの出力信号波形を補正するセンサ出力補正装置に関し、例えばトルク検出装置に用いられる磁気センサの出力信号波形を補正するセンサ出力補正装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用操舵装置などに用いられるトルク検出装置は、入力軸と出力軸とを連結するトーションバーの捩れ角を検出することにより、入力軸に加えられたトルクを演算する構成となっている。
この種のトルク検出装置として、入力軸に連結された環状の第1の多極磁石と、第1の多極磁石からの磁束をそれぞれ検出する複数の磁気センサの出力信号に基づいて入力軸の回転角を演算する入力軸回転角演算手段と、出力軸に連結された環状の第2の多極磁石と、第2の多極磁石からの磁束をそれぞれ検出する複数の磁気センサの出力信号に基づいて出力軸の回転角を演算する出力軸回転角演算手段と、入力軸の回転角と出力軸の回転に基づいて、入力軸に加えられたトルクを演算するトルク演算手段とを備えたものが既に提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−35852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述したような従来のトルク検出装置においては、各磁気センサの出力信号波形は正弦波となることが望ましい。しかし、多極磁石の各磁極の磁力のばらつき等によって、各磁気センサの出力信号波形に歪が生じる。このため、入力軸の回転角および出力軸の回転角を正確に演算するためには、各磁気センサの出力信号波形を補正する必要がある。各磁気センサの出力信号波形の補正は、例えば各磁気センサの出力信号のピーク値を検出し、検出したピーク値とあらかじめ設定された基準振幅とに基づいて行うことができる。
【0005】
しかしながら、磁気センサの出力信号はノイズを含んでいるため、ピーク値を誤検出するおそれがある。ピーク値を誤検出した場合には、磁気センサの出力信号波形の補正が正しく行われないため、入力軸および出力軸の回転角を正確に演算できなくなる。この結果、入力軸および出力軸の回転角から演算されるトルクの精度も低下する。
この発明の目的は、センサの出力信号波形の補正精度を向上させることができるセンサ出力補正装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、センサ(21〜24)の出力信号(V1〜V4)に基づいてセンサの出力信号波形を補正するセンサ出力補正装置であって、一定期間内の前記センサの出力信号に基づいて、当該一定期間内の前記センサの出力信号のばらつきが所定範囲内にあるか否かを判別する判別手段(20A,20B,S11,S12)と、前記判別手段によって前記一定期間内の前記センサの出力信号のばらつきが所定範囲内にあると判別されたときに、前記一定期間内の前記センサの出力信号の最小値と最大値との中央値、前記一定期間内の前記センサの出力信号の平均値または前記一定期間内の前記センサの出力信号値のうち出現頻度が最も高い出力信号値を、前記一定期間における前記センサの出力信号の真値として演算する真値演算手段(20A,20B,S13)と、前記真値演算手段によって演算される前記センサの出力信号の真値に基づいて、前記センサの出力信号波形を補正する出力信号波形補正手段(20A,20B,S14,S15,S227,S32)とを含むセンサ出力補正装置である。なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、むろん、この発明の範囲は当該実施形態に限定されない。以下、この項において同じ。
【0007】
この発明によれば、センサの出力信号の真値に基づいてセンサの出力信号波形を補正することができるので、センサの出力信号波形の補正精度を向上させることができる。
前記判別手段は、前記一定期間内の前記センサの出力信号の最小値と最大値との偏差を演算する偏差演算手段(20A,20B,S11)と、前記偏差演算手段によって演算された偏差の絶対値を所定の閾値との比較し、前記偏差の絶対値が前記所定の閾値より小さいときに、前記一定期間内の出力信号のばらつきが所定範囲内にあると判別する手段(20A,20B,S12)とを含むものであってもよい。
【0008】
前記センサの出力信号波形が正弦波状の波形である場合において、前記出力信号波形補正手段は、前記真値演算手段によって演算された前記センサの出力信号の真値に基づいて、前記センサの出力信号のピーク値を検出するピーク値検出手段(20A,20B,S14,S15,S27)と、前記ピーク値検出手段によって検出されたピーク値に基づいて、前記センサの出力信号波形を補正する手段(20A,20B,S32)とを含むものであってもよい。
【0009】
この構成では、センサの出力信号の真値に基づいて、センサの出力信号のピーク値が検出されるので、センサの出力信号のピーク値を正確に検出できるようになる。そして、検出されたピーク値を用いてセンサの出力信号波形が補正されているので、センサの出力信号波形の補正精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、この発明に係るセンサ出力補正装置を、車両用操舵装置に用いられるトルク検出装置に適用した場合の一実施形態の構成を示す模式図である。
【図2】図2は、第1の磁石の構成を示す模式図である。
【図3】図3は、第1および第2の磁気センサの出力信号波形を概略的に示す波形図である。
【図4】図4は、微小な一定期間内の第1の磁気センサの出力信号を示す波形図である。
【図5】図5は、ECU内のメモリの内容の一部を示す模式図である。
【図6】図6は、第1の回転角演算部によって実行されるピーク値候補演算処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、図6のステップS2の第1の出力信号のピーク値候補演算処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、第1の回転角演算部によって実行される回転角演算処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、相対的極番号の設定処理を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、この発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明に係るセンサ出力補正装置を、車両用操舵装置に用いられるトルク検出装置に適用した場合の一実施形態の構成を示す模式図である。
車両用操舵装置1は、入力軸2と、出力軸3と、これらの軸2,3を連結するトーションバー(連結軸)4とを含む。入力軸2には、ステアリングホイールなどの操舵部材5が連結される。出力軸3には、図示しない中間軸等を介して舵取機構が連結される。
【0012】
入力軸2には、環状の第1の磁石(多極磁石)6が一体回転可能に連結されている。第1の磁石6の下側には、第1の磁石6の回転に応じて互いに位相差を有する正弦波状の信号をそれぞれ出力する2つの磁気センサ21,22が配置されている。
出力軸3には、環状の第2の磁石(多極磁石)7が一体回転可能に連結されている。第2の磁石7の上側には、第2の磁石7の回転に応じて互いに位相差を有する正弦波状の信号をそれぞれ出力する2つの磁気センサ23,24が配置されている。
【0013】
各磁気センサ21〜24の出力信号は、入力軸2に加えられるトルクを演算するためのECU(電子制御ユニット:Electronic Control Unit)20に入力されている。なお、磁気センサとしては、たとえば、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁界の作用により電気的特性が変化する特性を有する素子を備えたものを用いることができる。
前記磁石6,7、前記磁気センサ21〜24およびECU20によって、トルク検出装置10が構成されている。
【0014】
ECU20は、マイクロコンピュータを含んでいる。マイクロコンピュータは、CPUおよびメモリ(ROM,RAM,不揮発性メモリ等)を備えており、所定のプログラムを実行することによって、複数の機能処理部として機能する。この複数の機能処理部には、第1の回転角演算部20Aと、第2の回転角演算部20Bと、トルク演算部20Cとを含んでいる。
【0015】
第1の回転角演算部20Aは、2つの磁気センサ21,22の出力信号V1,V2に基づいて入力軸2の回転角(電気角θ)を演算する。第2の回転角演算部20Bは、2つの磁気センサ23,24の出力信号V3,V4に基づいて出力軸3の回転角(電気角θ)を演算する。
トルク演算部20Cは、第1の回転角演算部20Aによって検出された入力軸2の回転角θと第2の回転角演算部20Bによって検出された出力軸3の回転角θとに基づいて、入力軸2に加えられたトルク(操舵トルク)を演算する。具体的には、操舵トルクTは、トーションバー4のバネ定数をKとし、各磁石6,7に設けられた磁極対数をNとすると、次式(1)に基づいて演算される。
【0016】
T={(θ−θ)/N}×K …(1)
第1の磁石6、磁気センサ21,22および第1の回転角演算部20Aによって、入力軸2の回転角θを検出するための第1の回転角検出装置が構成されている。また、第2の磁石7、磁気センサ23,24および第2の回転角演算部20Bによって、出力軸3の回転角θを検出するための第2の回転角検出装置が構成されている。
【0017】
第1の回転角検出装置の動作と第2の回転角装置の動作は同様なので、以下、第1の回転角検出装置の動作についてのみ説明する。
図2は、第1の磁石6の構成を示す模式図である。
第1の磁石6は、周方向に等角度間隔で配された4組の磁極対(M1,M2)(M3,M4)(M5,M6)(M7,M8)を有している。つまり、第1の磁石6は、等角度間隔で配置された8個の磁極M1〜M8を有している。各磁極M1〜M8は、入力軸の中心軸を中心として、45°(電気角では180°)の角度間隔で配置されている。各磁極M1〜M8の磁力の大きさは、ほぼ一定である。
【0018】
2つの磁気センサ21,22は、第1の磁石6の下側の環状端面に対向して、配置されている。これらの磁気センサ21,22は、入力軸2の中心軸を中心として電気角で90°の角度間隔で配置されている。以下において、一方の磁気センサ21を第1の磁気センサ21といい、他方の磁気センサ22を第2の磁気センサ22という場合がある。
図2に矢印で示す方向を入力軸2の正方向の回転方向とする。そして、入力軸2が正方向に回転されると入力軸2の回転角が大きくなり、入力軸2が逆方向に回転されると、入力軸2の回転角が小さくなるものとする。各磁気センサ21,22からは、図3に示すように、入力軸2の回転に伴って、正弦波状の信号V1,V2が出力される。なお、図3の横軸の回転角[deg]は、機械角を表している。
【0019】
ただし、実際には、各出力信号波形V1,V2は、第1の磁石6の各磁極の磁力のばらつき等により正弦波とはならない。また、各出力信号V1,V2は、ノイズを含んでいる。第1の磁気センサ21の出力信号V1を第1の出力信号V1といい、第2の磁気センサ22の出力信号V2を第2の出力信号V2という場合がある。
各出力信号V1,V2が正弦波信号であると仮定し、入力軸2の回転角をθ(電気角)とすると、第1の磁気センサ21の出力信号V1は、V1=A1・sinθと表され、第2の磁気センサ22の出力信号V2は、V2=A2・sin(θ+90°)=A2・cosθと表される。A1,A2は、それぞれ振幅を表している。
【0020】
これらの振幅A1,A2が互いに等しいとみなすと、入力軸2の回転角θは、両出力信号V1,V2を用いて、次式(2)に基づいて求めることができる。
θ =tan−1(sinθ/cosθ
=tan−1(V1/V2) …(2)
前述したように、各出力信号波形V1,V2は、第1の磁石6の各磁極の磁力のばらつき等により正弦波とはならない。そこで、この実施形態では、各出力信号V1,V2のピーク値を検出し、検出したピーク値に基づいて、各出力信号V1,V2を補正(振幅補正)してから、入力軸2の回転角θを演算するようにしている。また、各出力信号V1,V2は、ノイズを含んでいるので、この実施形態では、各出力信号V1,V2からノイズが除去された信号(真値)に基づいて、各出力信号V1,V2のピーク値を検出するようにしている。
【0021】
出力信号V1,V2の真値の求め方について説明する。図4は、微小な一定期間τにおける第1の出力信号波形V1を示している。出力信号V1に含まれるノイズには、2LSB(Least Significant Bit)〜3LSBの振幅を有するランダムノイズがある。一定期間τ内の本来の信号(真値)が一定であるとすると、本来の信号に−3LSB〜+3LSBのノイズを含んだ信号が観測され、当該期間τ内の出力信号の中央値が真値となるはずである。
【0022】
そこで、この実施形態では、一定期間τ内にサンプリングされた複数の出力信号V1のばらつきが所定範囲α内にあるか否かが判別される。具体的には、例えば、当該一定期間τ内の出力信号V1の最大値と最小値との差の絶対値が、所定値αより小さいか否かが判別される。当該一定期間τ内の出力信号V1の最大値と最小値との差の絶対値が、所定値αより小さいときには、当該一定期間τ内の出力信号V1のばらつきが所定範囲α内にあると判別される。そして、当該一定期間τ内の出力信号V1のばらつきが所定範囲α内にあるときには、当該一定期間τ内の出力信号V1に所定の大きさ以上のノイズ成分(通常のランダムノイズの振幅より大きいノイズ成分)が含まれていないと判定して、前記最大値と前記最小値の中央値を現時点での出力信号V1の真値として求める。このような処理は、所定のサンプリング周期(後述する第1の演算周期)毎に行われる。
【0023】
第1の回転角演算部20Aは、ピーク値候補演算処理および回転角演算処理とを並行して行なう。
回転角演算処理開始時において第1の磁気センサ21が感知している磁極を基準磁極として、各磁極に相対的な番号を割り当てた場合の各磁極の番号を相対的極番号と定義する。第1の磁気センサ21が感知している磁極の相対的極番号(以下、「第1の相対的極番号」という)を変数r1で表し、第2の磁気センサ22が感知している磁極の相対的極番号(以下、「第2の相対的極番号」という)を変数r2で表すことにする。なお、各相対的極番号r1,r2は、1から8の整数をとり、1より1だけ少ない相対的番号は8となり、8より1だけ大きい相対極番号は1となる。この実施形態では、回転角演算処理開始時において第1の磁気センサ21が感知している磁極(基準磁極)には、例えば1の相対的番号が割り当てられる。
【0024】
ECU20内のメモリ(たとえば、RAM)には、図5に示すように、第1の相対的極番号r1(1〜8)毎に、その相対的極番号r1に対応する磁極に対して最新に検出された第1の出力信号V1のピーク値を記憶するための第1のピーク値記憶領域e1と、第2の相対的極番号r2(1〜8)毎に、その相対的極番号r2に対応する磁極に対して最新に検出された第2の出力信号V2のピーク値を記憶するための第2のピーク値記憶領域e2が設けられている。第1のピーク値記憶領域e1および第2のピーク値記憶領域e2内のピーク値の初期値は0である。
【0025】
また、ECU20内のメモリ(たとえば、RAM)には、第1の出力信号V1のピーク値候補を記憶するための第1のピーク値候補記憶領域e3と、第2の出力信号V2のピーク値候補を記憶するための第2のピーク値候補記憶領域e4が設けられている。第1のピーク値候補記憶領域e3および第2のピーク値候補記憶領域e4内のピーク値候補の初期値は0である。
【0026】
なお、回転角演算処理開始後において、全ての磁極に対するピーク値が検出されていないときに、各出力信号V1,V2の振幅(出力信号波形)を補正するために、出力信号V1,V2毎に振幅補正用ピーク値(絶対値)P1o,P2oが予め決定されて、ECU20内の不揮発性メモリに記憶されている。第1の出力信号V1の振幅補正用ピーク値P1oは、例えば、当該車両用操舵装置が出荷される前に第1の出力信号V1の各磁極に対するピーク値を検出し、検出された各ピーク値の絶対値の平均値を演算することによって求めることができる。同様に、第2の出力信号V2の振幅補正用ピーク値P2oは、例えば、当該車両用操舵装置が出荷される前に第2の出力信号V2の各磁極に対するピーク値を検出し、検出された各ピーク値の絶対値の平均値を演算することによって求めることができる。
【0027】
さらに、各出力信号V1,V2の振幅(出力信号波形)を補正するために用いられる基準振幅φが予め決定されて、ECU20内の不揮発性メモリに記憶されている。
図6は、第1の回転角演算部20Aによって実行されるピーク値候補演算処理の手順を示すフローチャートである。図6のピーク値候補演算処理は、所定の第1の演算周期毎に繰り返し実行される。
【0028】
第1の回転角演算部20Aは、各磁気センサ21,22の出力信号(センサ値)V1,V2を読み込む(ステップS1)。なお、ECU20内のメモリには、所定回数前に読み込まれたセンサ値から最新に読み込まれたセンサ値までの複数回数分のセンサ値が記憶されるようになっている。
次に、第1の回転角演算部20Aは、ステップS1で読み込んだ第1の出力信号V1に基づいて、第1の出力信号V1のピーク値候補演算処理を行なう(ステップS2)。この後、第1の回転角演算部20Aは、ステップS1で読み込んだ第2の出力信号V2に基づいて、第2の出力信号V2のピーク値候補演算処理を行なう(ステップS3)。そして、今演算周期でのピーク値候補演算処理を終了する。
【0029】
図7は、図6のステップS2の第1の出力信号V1のピーク値候補演算処理の詳細な手順を示すフローチャートである。
第1の回転角演算部20Aは、現時点から所定期間前までの一定期間τ内に読み込まれた複数の第1の出力信号V1から最小値V1minと最大値V1maxとを抽出し、それらの差ε(=V1max−V1min)を演算する(ステップS11)。そして、差εの絶対値|ε|が所定の閾値αより小さいか否かを判別する(ステップS12)。閾値αは、図4に示すように、通常のランダムノイズの最大振幅の2倍より若干大きな値に設定される。
【0030】
差εの絶対値|ε|が所定の閾値α以上である場合には(ステップS12:NO)、第1の回転角演算部20Aは、前記一定期間τ内の出力信号V1に所定の大きさ以上のノイズ成分が含まれていると判別し、第1の出力信号V1のピーク値候補を演算することなく、今演算周期での第1の出力信号V1のピーク値候補演算処理を終了する。
一方、差εの絶対値|ε|が所定の閾値αより小さい場合には(ステップS12:YES)、第1の回転角演算部20Aは、前記一定期間τ内の出力信号V1に所定の大きさ以上のノイズ成分が含まれていないと判別し、前記ステップS11で抽出された最小値V1minと最大値V1maxとの中央値を、前記一定期間τにおける第1の出力信号V1の真値V1trueとして求める(ステップS13)。
【0031】
真値V1trueは、次式(3)で表される。
V1true=V1min+{(V1max−V1min)/2} …(3)
次に、第1の回転角演算部20Aは、前記ステップS13で求められた真値V1trueの絶対値|V1true|が、メモリ内の領域e3(図5参照)に記憶されている第1の出力信号V1のピーク値候補(現在設定されているピーク値候補)の絶対値より大きいか否かを判別する(ステップS14)。真値の絶対値|V1true|が現在設定されているピーク値候補の絶対値より大きい場合には(ステップS14:YES)、第1の回転角演算部20Aは、前記ステップS13で求められた真値V1trueを、第1の出力信号V1のピーク値候補として、メモリ内の領域e3に記憶する(ステップS15)。つまり、第1の回転角演算部20Aは、領域e3内のピーク値候補を更新する。
【0032】
一方、真値の絶対値|V1true|が現在設定されているピーク値候補の絶対値以下である場合には、第1の回転角演算部20Aは、領域e3内のピーク値候補を更新することなく(ステップS14:NO)、今演算周期での第1の出力信号V1のピーク値候補演算処理を終了する。
図6のステップS3の第2の出力信号V2のピーク値候補演算処理は、前述した第1の出力信号V1のピーク値候補演算処理と同様なので、その説明を省略する。
【0033】
図8は、第1の回転角演算部20Aによって実行される回転角演算処理の手順を示すフローチャートである。図8の回転角演算処理は、所定の第2の演算周期毎に繰り返し実行される。
第1の回転角演算部20Aは、各磁気センサ21,22の出力信号(センサ値)V1,V2を読み込む(ステップS21)。なお、メモリには、所定回数前に読み込まれたセンサ値から最新に読み込まれたセンサ値までの、複数回数分のセンサ値が記憶されるようになっている。
【0034】
前記ステップS21で各センサ値V1,V2が読み込まれると、第1の回転角演算部20Aは、今回の処理が回転角演算処理開始後の初回の処理であるか否かを判別する(ステップS22)。今回の処理が回転角演算処理開始後の初回の処理である場合には(ステップS22:YES)、第1の回転角演算部20Aは、相対的極番号の設定処理を行う(ステップS23)。具体的には、第1の回転角演算部20Aは、第1の相対的極番号r1を1に設定する。また、第1の回転角演算部20Aは、第1の磁気センサ21が感知している磁極と第2磁気センサ22が感知している磁極とが同じである場合には第2の相対的極番号r2を1に設定し、異なる場合には第2の相対的極番号r2を2に設定する。
【0035】
より具体的に説明する。たとえば、第1の磁石6の磁極M1と磁極M2とからなる磁極対が第1の磁気センサ21を通過する際の、第1および第2の磁気センサ21,22の出力信号V1,V2の信号波形を模式的に表すと、図9(a)(b)に示すようになる。
図9(a)(b)において、S1で示す領域は、第1の磁気センサ21および第2の磁気センサ22が共に磁極M1を感知している領域である。S2で示す領域は、第1の磁気センサ21が磁極M1を感知し、第2の磁気センサ22が磁極M2を感知している領域である。S3で示す領域は、第1の磁気センサ21および第2の磁気センサ22が共に磁極M2を感知している領域である。S4で示す領域は、第1の磁気センサ21が磁極M2を感知し、第2の磁気センサ22が磁極M3を感知している領域である。
【0036】
つまり、領域S1およびS3では、第2の磁気センサ22が感知している磁極の極番号は、第1の磁気センサ21が感知している磁極の極番号と等しくなる。一方、領域S2およびS4では、第2の磁気センサ22が感知している磁極の極番号は、第1の磁気センサ21が感知している磁極の極番号より1だけ大きくなる。
領域S1においては、両センサ値V1,V2は、V1≧0かつV2>0の第1条件を満たす。領域S2においては、両センサ値V1,V2は、V1>0かつV2≦0の第2条件を満たす。領域S3においては、両センサ値V1,V2は、V1≦0かつV2<0の第3条件を満たす。領域S4においては、両センサ値V1,V2は、V1<0かつV2≧0の第4条件を満たす。
【0037】
そこで、第1の回転角演算部20Aは、前記第1条件または前記第3条件を満たしている場合には、第1の相対的極番号r1および第2の相対的極番号r2を1に設定する。一方、前記第2条件または前記第4条件を満たしている場合には、第1の回転角演算部20Aは、第1の相対的極番号r1を1に設定し、第2の相対的極番号r2を2に設定する。
相対的極番号の設定処理が終了すると、第1の回転角演算部20Aは、第1の振幅補正処理を行なう(ステップS24)。具体的には、第1の回転角演算部20Aは、予め設定されている各出力信号V1,V2の振幅補正用ピーク値P1o,P2oを不揮発性メモリからそれぞれ取得する。そして、第1の回転角演算部20Aは、不揮発性メモリから取得した振幅補正用ピーク値P1o,P2oと予め設定された基準振幅φとに基づいて、ステップS1で読み込まれた各出力信号V1,V2の振幅を補正する。補正後の各出力信号をそれぞれV1’,V2’とすると、V1’,V2’は、それぞれ次式(4),(5)で表される。
【0038】
V1’=(V1/P1o)×φ …(4)
V2’=(V2/P2o)×φ …(5)
第1の振幅補正処理が終了すると、第1の回転角演算部20Aは、振幅補正後の各出力信号V1’,V2’に基づいて、入力軸2の回転角(電気角)θを演算する(ステップS25)。具体的には、第1の回転角演算部20Aは、次式(6)に基づいて、入力軸2の回転角θを演算する。そして、今演算周期での回転角演算処理を終了する。
【0039】
θ=tan−1(V1’/V2’) …(6)
前記ステップS22において、今回の処理が回転角演算処理開始後の初回の処理ではないと判別された場合には(ステップS22:NO)、第1の回転角演算部20Aは、ステップS26に移行する。ステップS26では、第1の回転角演算部20Aは、メモリに記憶されているセンサ値V1,V2に基づいて、センサ値V1,V2毎に、センサ値の符号が反転するゼロクロスを検出したか否かを判別する。
【0040】
いずれかのセンサ値V1,V2に対してゼロクロスが検出された場合には(ステップS26:YES)、第1の回転角演算部20Aは、ゼロクロスが検出された出力信号に対してピーク値検出処理を行い、ピーク値(極大値または極小値)を検出したか否かを判定する(ステップS27)。
ピーク値検出処理について具体的に説明する。前記ステップS26でゼロクロスが検出された出力信号に対応する磁気センサをピーク値検出対象の磁気センサということにする。第1の回転角演算部20Aは、まず、ピーク値検出対象の磁気センサが感知している磁極が変化したか否かを判別する。つまり、第1の回転角演算部20Aは、ピーク値検出対象の磁気センサが感知している磁極が、当該磁気センサの出力信号のゼロクロスが前回検出された時点と、今回検出された時点とで、異なっているか同じであるかを判定する。入力軸2の回転方向が逆転した場合には、前記両時点においてピーク値検出対象の磁気センサが感知している磁極が同じになる可能性がある。
【0041】
この判定は、たとえば、ピーク値検出対象の磁気センサの出力信号のゼロクロスが前回検出された時点での入力軸2(磁石6)の回転方向と、当該出力信号のゼロクロスが今回検出された時点での入力軸2の回転方向が同じ方向であるか否かに基づいて行うことができる。すなわち、第1の回転角演算部20Aは、前記両時点での入力軸2の回転方向が同じ方向であれば、ピーク値検出対象の磁気センサが感知している磁極が変化したと判定する。一方、前記両時点での入力軸2の回転方向が異なっていれば、第1の回転角演算部20Aは、ピーク値検出対象の磁気センサが感知している磁極が変化していないと判定する。
【0042】
ピーク値検出対象の磁気センサが感知している磁極が変化したと判定された場合には、第1の回転角演算部20Aは、ピーク値を検出したと判別するとともに、メモリの領域e3またはe4に記憶されている当該磁気センサの出力信号に対応する現在のピーク値候補をピーク値として特定する。一方、ピーク値検出対象の磁気センサが感知している磁極が変化していないと判定された場合には、第1の回転角演算部20Aは、ピーク値を検出しなかったと判定する。
【0043】
なお、入力軸2の回転方向は、例えば、ゼロクロスが検出された出力信号の前回値および今回値と、他方の出力信号の今回値とに基づいて判定することができる。具体的には、ゼロクロスが検出された出力信号が第1の出力信号V1である場合には、「第1の出力信号V1の前回値が0より大きくかつその今回値が0以下であり、第2の出力信号V2が0より小さい」という条件、または「第1の出力信号V1の前回値が0未満でかつその今回値が0以上であり、第2の出力信号V2が0より大きい」という条件を満たしている場合には、回転方向は正方向(図2に矢印で示す方向)であると判定される。
【0044】
一方、「第1の出力信号V1の前回値が0以上でかつその今回値が0未満であり、第2の出力信号V2が0より大きい」という条件、または「第1の出力信号V1の前回値が0以下でかつその今回値が0より大きく、第2の出力信号V2が0より小さい」という条件を満たしている場合には、回転方向は逆方向であると判定される。
ゼロクロスが検出された出力信号が第2の出力信号V2である場合には、「第2の出力信号V2の前回値が0より大きくかつその今回値が0以下であり、第1の出力信号V1が0より大きい」という条件、または「第2の出力信号V2の前回値が0未満でかつその今回値が0以上であり、第1の出力信号V1が0より小さい」という条件を満たしている場合には、回転方向は正方向(図2に矢印で示す方向)であると判定される。一方、「第2の出力信号V2の前回値が0以上でかつその今回値が0未満であり、第1の出力信号V1が0より小さい」という条件、または「第2の出力信号V2の前回値が0以下でかつその今回値が0より大きく、第1の出力信号V1が0より大きい」という条件を満たしている場合には、回転方向は逆方向であると判定される。
【0045】
前記ステップS27において、ピーク値が検出されたと判別されたときには(ステップS27:YES)、第1の回転角演算部20Aは、検出されたピーク値を、メモリのエリアe1またはe2に、前記ピーク検出対象の磁気センサに対して現在設定されている相対的極番号r1またはr2に対応するピーク値として記憶する(ステップS28)。そして、第1の回転角演算部20Aは、相対的極番号の更新処理を行なう(ステップS29)。具体的には、第1の回転角演算部20Aは、前記ピーク検出対象の磁気センサに対して現在設定されている相対的極番号r1またはr2を、入力軸2の回転方向に応じて、1だけ大きい番号または1だけ小さい番号に変更する。
【0046】
入力軸2の回転方向が正方向(図2に矢印で示す方向)である場合には、第1の回転角演算部20Aは、前記ピーク検出対象の磁気センサに対して現在設定されている相対的極番号r1またはr2を、1だけ大きい番号に更新する。一方、入力軸2の回転方向が逆方向である場合には、第1の回転角演算部20Aは、前記ピーク検出対象の磁気センサに対して現在設定されている相対的極番号r1またはr2を、1だけ小さい番号に更新する。ただし、前述したように、”1”の相対的極番号に対して、1だけ小さい相対的極番号は、”8”となる。また、”8”の相対的極番号に対して、1だけ大きい相対的極番号は、”1”となる。
【0047】
ステップS29の処理が終了すると、第1の回転角演算部20Aは、前記ステップS26でゼロクロスが検出された出力信号に対応するピーク値候補を0にリセットする(ステップS30)。つまり、前記ステップS26でゼロクロスが検出された出力信号が第1の出力信号である場合には、メモリのエリアe3の内容を0にする。一方、前記ステップS26でゼロクロスが検出された出力信号が第2の出力信号である場合には、メモリのエリアe4の内容を0にする。
【0048】
前記ステップS27において、ピーク値が検出されなかったと判別されたときには(ステップS27:NO)、第1の回転角演算部20Aは、ステップS28およびステップS29の処理を行なうことなく、ステップS30に移行して、前記ステップS26でゼロクロスが検出された出力信号に対応するピーク値候補を0にリセットする。
ステップS30の処理が終了すると、第1の回転角演算部20Aは、ステップS31に移行する。前記ステップS26において、ゼロクロスが検出されなかったときにも(ステップS26:NO)、第1の回転角演算部20Aは、ステップS31に移行する。
【0049】
ステップS31では、第1の回転角演算部20Aは、回転角演算処理の開始後に、全ての磁極M1〜M8に対する第1および第2の出力信号V1,V2のピーク値が検出されているか否かを判別する。つまり、第1の回転角演算部20Aは、回転角演算処理の開始後に、1〜8の相対的極番号r1に対応する第1の出力信号V1のピーク値および1〜8の相対的極番号r2に対応する第2の出力信号V2のピーク値が検出されているか否かを判別する。
【0050】
全ての磁極M1〜M8に対する第1および第2の出力信号V1,V2のピーク値が検出されていない場合には(ステップS31:NO)、第1の回転角演算部20Aは、ステップS24に移行する。したがって、この場合には、ステップS1で読み込まれた出力信号V1,V2が、不揮発性メモリに記憶されている振幅補補正用ピーク値に基づいて補正され、この補正後の出力信号V1’,V2’に基づいて、入力軸2の回転角θが演算される。
【0051】
前記ステップS31において、全ての磁極M1〜M8に対する第1および第2の出力信号V1,V2のピーク値が検出されていると判別された場合には(ステップS31:YES)、第1の回転角演算部20Aは、第2の振幅補正処理を行なう(ステップS32)。具体的には、第1の回転角演算部20Aは、メモリの領域e1(図5参照)から第1の磁気センサ21に対して現在特定されている相対的極番号r1に対応するピーク値P1xを取得するとともに、メモリの領域e2から第2の磁気センサ22に対して現在特定されている相対的極番号r2に対応するピーク値P2xを取得する。そして、第1の回転角演算部20Aは、取得した各ピーク値P1x,P2xと予め設定されている基準振幅φとに基づいて、ステップS1で読み込まれた各出力信号V1,V2の振幅を補正する。振幅補正後の各出力信号をそれぞれV1’,V2’とすると、補正後の第1および第2の出力信号V1’,V2’は、それぞれ次式(7)(8)に基づいて演算される。
【0052】
V1’=(V1/P1x)×φ …(7)
V2’=(V2/P2x)×φ …(8)
第2の振幅補正処理が終了すると、第1の回転角演算部20Aは、振幅補正後の各出力信号V1’,V2’に基づいて、入力軸2の回転角(電気角)θを演算する(ステップS33)。具体的には、次式(9)に基づいて、入力軸2の回転角θを演算する。そして、今演算周期での回転角演算処理を終了する。
【0053】
θ=tan−1(V1’/V2’) …(9)
上記実施形態によれば、磁気センサの出力信号に基づいてノイズが除去された真値が演算され、得られた真値に基づいてピーク値候補が演算されている。そして、真値から演算されたピーク値候補に基づいて、磁気センサの出力信号のピーク値が求められている。したがって、磁気センサの出力信号のピーク値を正確に検出できるようになる。
【0054】
また、このようにして求められたピーク値を用いて、磁気センサの出力信号の振幅(出力信号波形)が補正されているので、精度の高い振幅補正(出力信号波形の補正)を行うことができる。これにより、トルク検出装置10によるトルクの検出精度を向上させることができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、図7のステップS13において、一定期間τ内の第1の出力信号V1の最小値V1minと最大値V1maxとの中央値を、前記一定期間τにおける第1の出力信号V1の真値V1trueとして求めているが、前記一定期間τ内の第1の出力信号V1の平均値または前記一定期間τ内の第1の出力信号値のうち出現頻度が最も高い出力信号値を、前記一定期間τにおける第1の出力信号V1の真値V1trueとして求めるようにしてもよい。第2の出力信号V2についても同様に、一定期間τ内の第2の出力信号V2の平均値または一定期間τ内の第2の出力信号値のうち出現頻度が最も高い出力信号値を、前記一定期間τにおける第2の出力信号V2の真値として求めるようにしてもよい。
【0055】
また、前述の実施形態では、2つの磁気センサ21,22を用いて入力軸2の回転角を検出しているが、3つ以上の磁気センサを用いて入力軸2の回転角を検出するようにしてもよい。同様に、3つ以上の磁気センサを用いて出力軸3の回転角を検出するようにしてもよい。
また、前述の実施形態では、この発明をトルク検出装置に適用した場合について説明したが、ブラシレスモータのロータの回転角を検出する回転角検出装置等の回転体の回転角を検出する装置にも、この発明を適用することができる。さらに、この発明は、回転角を検出するために用いられるセンサ以外のセンサの出力信号波形を補正する場合にも適用することができる。
【0056】
この発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0057】
2…入力軸、3…出力軸、4…トーションバー、6,7…磁石、10…トルク検出装置、20…ECU、21〜24…磁気センサ、20A…第1の回転角演算部、20B…第2の回転角演算部、20C…トルク演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサの出力信号に基づいてセンサの出力信号波形を補正するセンサ出力補正装置であって、
一定期間内の前記センサの出力信号に基づいて、当該一定期間内の前記センサの出力信号のばらつきが所定範囲内にあるか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段によって前記一定期間内の前記センサの出力信号のばらつきが所定範囲内にあると判別されたときに、前記一定期間内の前記センサの出力信号の最小値と最大値との中央値、前記一定期間内の前記センサの出力信号の平均値または前記一定期間内の前記センサの出力信号値のうち出現頻度が最も高い出力信号値を、前記一定期間における前記センサの出力信号の真値として演算する真値演算手段と、
前記真値演算手段によって演算される前記センサの出力信号の真値に基づいて、前記センサの出力信号波形を補正する出力信号波形補正手段とを含む、センサ出力補正装置。
【請求項2】
前記判別手段は、
前記一定期間内の前記センサの出力信号の最小値と最大値との偏差を演算する偏差演算手段と、
前記偏差演算手段によって演算された偏差の絶対値を所定の閾値との比較し、前記偏差の絶対値が前記所定の閾値より小さいときに、前記一定期間内の出力信号のばらつきが所定範囲内にあると判別する手段とを含む、請求項1に記載のセンサ出力補正装置。
【請求項3】
前記センサの出力信号波形が正弦波状の波形であり、
前記出力信号波形補正手段は、
前記真値演算手段によって演算された前記センサの出力信号の真値に基づいて、前記センサの出力信号のピーク値を検出するピーク値検出手段と、
前記ピーク値検出手段によって検出されたピーク値に基づいて、前記センサの出力信号波形を補正する手段とを含む、請求項1または2に記載のセンサ出力補正装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−88181(P2013−88181A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226936(P2011−226936)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】