センサ
二酸化炭素の分圧(pCO2)を測定するセンサ(4)と、身体温度センサ(5)と、心臓速度及び酸素飽和センサ(54)とを組合せた生理学的感知装置。この感知装置は、患者の生命維持信号を連続的にモニタするために用いられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生理学的センサに関する。
【背景技術】
【0002】
単一のセンサは、特に二酸化炭素の分圧(pCO2)の測定に適しており、特に虚血をモニタする技術の一部としてWO00/04386に記載されている。
【特許文献1】WO00/04386
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
虚血の検知に加えて、pCO2の測定が、例えば、卒中や腐敗症のような組織の血液灌流、呼吸及び/又は代謝における変化に導く生命を脅かす虞のある苛酷な状態の診断に有用であることが判明した。したがって、腐敗症の始まりを検知するために、特に集中治療室外に居る場合も含めて入院患者をモニタするのに適した感知装置を提供することは利点となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、第1態様の観点において、二酸化炭素の分圧(pCO2)を測定するセンサと、身体温度センサと、心臓速度と、酸素飽和センサとを組合せた生理学的感知装置を提供する。
【0005】
本発明によれば、pCO2、身体温度、パルス及び酸素付加のような重要な生命維持信号を測定する単一装置が提供される。当にこれら4つのパラメータの測定及びモニタによって、例えば腐敗症のような患者において、処置を必要とする危険な状態の始まりを医者が確認できる。その結果、本発明による装置によって、腐敗症が始まった患者を便利かつ正確に医者がモニタできることになる。
【0006】
通常、pCO2センサは、患者の皮膚を通して挿入される形状を成す。このセンサは、例えば患者の筋肉のような組織に挿入される。したがって、センサは、患者の組織破壊が最小となるように組織内に挿入される大きさとされる。pCO2センサは、患者の皮膚(及び組織)を浸透する形状としてもよい。そこで、通常のpCO2センサ又は装置は、尖った、例えば削った先端を備えるように提供されてもよい。これに代わって、pCO2センサは、患者組織の切開部分に挿入される形状であってもよい。
【0007】
本発明は、他の観点において、患者の皮膚を通して挿入される形状を成すpCO2センサと、当該pCO2センサの挿入に際して患者の皮膚に刺す尖った先端とを備える生理学的感知装置を提供する。
【0008】
このセンサは、患者の皮膚を通してpCO2センサを挿入するための挿入装置を提供する。一つの実施態様では、この挿入装置は、pCO2センサに接続された鞘部材に収容される取外し可能な心材であり、pCO2センサ患者の組織内に一度挿入されるとpCO2センサと係合し患者の皮膚を通してこれを押し込む。
【0009】
これに代わって、センサ装置が、患者の皮膚を通して挿入されるpCO2センサを収容する中空針を備えるようにしてもよい。この中空針は、pCO2センサの挿入後にセンサ装置から取り外すことができる。中空針の断面を湾曲した開口とするのが都合がよい。このことは、pCO2センサへの電気的な接続を針を通して行なうことができ、かつ、患者から針を取り外す際に電気的接続を針から分離できる利点がある。例えば、針の断面をU字形状、V字形状又はC字形状とすることができる。
【0010】
装置には、針を取り外す際に針(又は他の挿入装置)による穴を塞ぐ自己シール性の膜が備えられるのが都合がよい。
【0011】
緊急時にセンサ装置を患者に迅速に貼るために、センサ装置及び/又は挿入装置は、特にpCO2センサ、温度センサ又は尖った先端に対して殺菌性であるのが都合がよい。患者に接するこれらの表面に対して殺菌性となるように、センサ装置を包装してもよい。
【0012】
pCO2センサは、センサの先端部において電気的に接続されてセンサからの信号を伝達する電気ケーブルに接続される。装置は、pCO2センサに機械的に接続され、ケーブル長の少なくとも一部分を取り囲みつつこれに沿って延出す鞘を備えていてもよい。一つの態様では、この鞘は、実質的に長手方向に延出する複数の可撓性部分であって複数のスリットによって分割された部分を備え、鞘の先端部に向けて基端部を移動させることにより可撓性部分の端部間の距離が短くなることにより可撓性部分が外側に突出し、これによって、可撓性部分における鞘の有効直径が増加し、その結果、突出した可撓性部分によってpCO2センサを組織内に保持することができる。
【0013】
このように本発明によれば、センサが患者の組織内に挿入され、可撓性部分の端部を引っ張って外側に突出させるためにケーブルが引かれる。センサが器官の生理機能をモニタする間、突出した可撓性部分が患者の組織と係合し、pCO2センサを所定位置に保持する。モニタが終了すると鞘の基端部が外され、鞘が面一となるように可撓性部分が元の位置に戻され、組織との係合が解かれる。次いで、センサが患者から簡単に外される。
【0014】
可撓性部分は弾性であってもよく、例えば弾性材料によって構成される。可撓性部分は、例えばそれ自身の弾性によって又は別個の弾性成分によって面一部分に付勢されてもよい。
【0015】
可撓性部材が外側に突出する位置に鞘の端部を保持するために、例えば鞘の基端部に固定機構を設けてもよい。
【0016】
装置は、鞘の先端部に機械的に接続される線、例えばケブラー線を更に備えていてもよい。鞘の基端部に向けて鞘の先端部を引くのを補助するケーブルに沿って、線を長手方向に延出させてもよい。このような線は、ケーブル及び/又はセンサへの電気的接続が、可撓性部材を曲げるのに必要な力に抗するのに十分な程に強くなくてもよいという利点を有する。
【0017】
好ましくはないが、鞘に加えて更なる導管によってケーブルを囲むことも可能である。簡単な実施態様では、ケーブルは鞘によってのみ囲まれている。
【0018】
鞘が、pCO2センサの二酸化炭素透過膜を形成するのが都合がよい。これにより、特に簡単な構造となる。この場合における鞘の好適材料は、PTFE、シリコーンゴム及びポリオレフィンである。
【0019】
センサ装置には、患者の皮膚の表面に装置を取付けるための取付け部を設けてもよい。一つの便利な態様では、取付け部は、プラスタのような接着パッチである。pCO2センサの関係では、これは本発明の特徴であると確信するものである。他の特徴の観点では、本発明は、患者の皮膚を通して挿入される形状を成すpCO2センサと、挿入されたpCO2センサを所定位置に保持するために当該装置を患者の皮膚に貼るための接着パッチとを備える生理学的感知装置を提供する。
【0020】
プラスタを備えることは、センサ装置を所定位置に保持するだけでなく他の幾つかの利点も有する。特に、pCO2センサが患者の皮膚を通して挿入される部分がプラスタによってシールされ、それによって感染の危険性が低減される。この点に関して、プラスタの患者に面する側には、消毒薬又は抗生物質が配設される。更に、プラスタは、ワイヤ、他のセンサ又はワイヤレス通信装置を備えるのが都合がよい。
【0021】
患者がモニタされている間、このような装置は患者に貼られ所定位置に保持されるのが都合がよい。電気ケーブルや鞘のようなpCO2センサへの電気的かつ機械的な接続は、可撓性とするのが望ましい。これにより、pCO2センサが挿入される際における患者の不快感が最小限となる。
【0022】
pCO2センサを、二酸化炭素が透過可能な膜によって少なくとも一部が画成された閉塞室と、閉鎖室内の少なくとも二つの電極とを備え、閉鎖室が、電極及び膜に接触する液体であって電解質を実質的に含有しない液体を収容するようにしてもよい。
【0023】
実質的に電解質が存在しないことによって、液体は、イオンの浸透圧モル濃度(ionic os-molality)が、5mM塩化ナトリウム水溶液の37℃におけるイオンの浸透圧モル濃度より大きくない、好ましくは500μM塩化ナトリウム溶液の該濃度より大きくない、より具体的には10−5から10−6MのHCl溶液の該濃度より大きくない、ことを意味する。
【0024】
電極と接触している液体は、水溶性であることが好ましく、上述したように実質的に電解質を含有しない水であることが特に好ましい。例えばイオンの生成または中和によって、コンダクタンスを増大させ、または減少させるようにCO2と反応する他の溶媒も、同様に使用することが可能である。しかし、実際には、強酸(例えばHCl)が、0.1から100μM、好ましくは0.5から50μM、より具体的には約1μMの濃度まで加えられた、または加えられていない脱イオン水または蒸留水が、特によく機能することが判明している。この少量の酸を追加する機能は、一般的には、水酸イオンによるコンダクタンスへの著しい寄与を回避し、かつpCO2の測定の線形性を維持するために、液体のpHを6以下に維持することである。
【0025】
この液体は非−イオン性賦形剤を含有する。これにより、膜を介した液体の透過を防止すべく、液体の電気的特性に影響を与えることなく、室内の液体の浸透圧モル濃度が増加し得る。
【0026】
賦形剤は、少なくとも等浸透圧となる濃度、すなわち、0.9%w/vNaClの水溶液の浸透圧と同じとする必要がある。好ましくは、賦形剤の濃度は高浸透圧性であり、すなわち、0.9%w/vNaCl水溶液の高浸透圧である。したがって、室内の賦形剤の浸透圧モル濃度は、0.9%w/vNaCl水溶液のものより大きく、好ましくは1.8%w/vNaClの水溶液より大きい(等浸透圧の2倍)。4.5%w/vNaClの水溶液(等浸透圧の5倍)より大きな浸透圧モル濃度、又は9%w/vNaClの水溶液(等浸透圧の10倍)より大きな浸透圧モル濃度を用いてもよい。
【0027】
室内での重炭酸塩反応にあずかる好適な賦形剤が用いられる。賦形剤はまた、液体に溶解性でなければならないが、例えば水が用いられる。賦形剤はまた、静脈用途として製薬上許容されるものであること、ならびに、室内を容易に満たすための低粘度を有することが望ましい。賦形剤は、殺菌と貯蔵における安定性を有することが好ましい。望ましくは、賦形剤は微生物の成長を抑制するものである。
【0028】
好適な賦形剤はポリエチレングリコール(PEG)であり、現在のところ好ましい賦形剤はプロピレングリコールである。
【0029】
pCO2センサの主要構成要素は、電極室、電極室の壁の少なくとも一部を形成するCO2透過膜、前記室内に表面を有する(または前記室に内表面を提供する)第1電極および第2電極、ならびに膜と第1電極および第2電極とに接触した電極室の液体(一般に実質的に電解質を含有しない水)である。センサは、AC電源、コンダクタンス(または抵抗)決定装置、信号生成装置(決定手段の一部とすることが可能である)、および随意選択で信号送信器を含む、またはそれらに接続可能である。
【0030】
本発明のセンサ装置を使用してpCO2が決定される機構は、簡単である。水などの純粋なプロトン性溶媒では、電気抵抗は、イオン種の不足のために高くなる。CO2を追加することにより、(水と反応して)H+イオンおよびHCO3−イオンが形成され、したがって、電気抵抗は減少する。センサの抵抗の減少の役割を担う唯一の因子が、膜を透過するCO2であるので、抵抗の変化によりpCO2を測定することが可能である。
【0031】
H2O+CO2平衡からH++HCO3−平衡への平衡定数から、CO2濃度は、αpCO2に等しい(25℃のαは0.310である)。プロトンの導電率は、GH+=349.8Scm2/molであり、水酸基の場合はGOH−=198.3Scm2/mol、重炭酸塩の場合はGHCO3−=44.5Scm2/molである。H+およびOH−の濃度は反対に変化し、H+とHCO3−の濃度はpCO2に正比例する。したがって、OH−の寄与は最小であるので、溶液の全コンダクタンスは、pCO2に事実上比例する。以上より、溶液の導電率Gsolutionは、以下によって与えられる。
Gsolution=θH+[H+]GH++θOH−[OH−]GOH−+θHCO−3[HCO3−]GHCO3−
上式で、θH−、θOH−、およびθHCO3−は、3つのイオン種の活量係数である。
【0032】
以下の表1は、例として、測定されたpCO2値およびpH値、ならびにH+、OH−、HCO3−の濃度の対応する計算値を示す。H+およびHCO3−は、pCO2の増大と共に増大することを示す。
【0033】
【表1】
【0034】
導電率は、本発明のpCO2センサの溶媒フィルムにおいて測定される。これは、一定電圧(または電流)を電極に加え、CO2が膜を通して溶媒に入る際の導電率の変化に対応する電流(または電圧)の変化を測定することによって実施することができる。しかし、一定のピーク値を有する交流正弦波関数電圧が加えられ、電極の両端の電圧降下が測定されることが好ましい。したがって、溶液の導電率は、電極を流れた電流を電極の両端の電圧降下によって除算したものに等しい。
【0035】
pCO2センサは、交流電位を電極に加え、それにより液体に交流電流を生じさせることによって機能させることができる。液体は、二酸化炭素と反応して二酸化炭素のコンダクタンスを変化させるはずである。電位は、20から10,000Hz、好ましくは100から4,000Hzの周波数を有することができる。
【0036】
本発明のpCO2センサは、100から10,000Hzの周波数で、電極の両端に交流電位を加えるように構成された電力源を備え、または該電力源に接続可能である。周波数は、1kHzより高く5kHz未満であることが好ましく、2kHz未満であることがより好ましい。100Hzより低い周波数では、pCO2決定の感度は電気分極のために低くなり、さらに、機器の応答時間は過度に遅くなり、一方、10kHzより高い周波数では、感度は、センサのキャパシタンスの低インピーダンスのために再び低下する。
【0037】
電力源は、AC電力源、または代替として発振器と関連付けられたDC源、すなわち両者の組合せにより構成されるAC電力源、とすることが可能である。
【0038】
電源は、電極において液体を通る最大電流密度が50A/m2を超えない、好ましくは30A/m2を超えない、より好ましくは20A/m2を超えない、特に10A/m2を超えない、最も好ましくは約1A/m2以下であるようなものであることが好ましい。20A/m2以上のより大きい電流密度の値は、1〜10kHzなどのより高い周波数においてのみ使用されるべきである。最も小さい最大電流密度は、検出限界によって決定されるが、10−8A/m2までの値が使用可能である。最も小さい最大電流密度は、一般的には少なくとも0.1μA/m2である。
【0039】
そのような電流密度および電圧周波数において動作し、構造が適切であることによって、センサは、電極の電気分極の結果として生じる精度のあらゆる著しい損失を有さずに、CO2が中に泳動する液体のコンダクタンス/抵抗を決定することができる。
【0040】
特に高い精度のために、電極の両端の電位または電流(したがって電極間の液体の抵抗またはコンダクタンス)は、電圧生成装置または電力源と同じ周波数に設定されたロックイン増幅器を使用して決定される。
【0041】
さらに、100Hz未満、好ましくは150Hz未満の周波数を有する電流を遮蔽するために、高域通過フィルタを検出器に組み込むことが好ましい。フィルタは、キャパシタおよび抵抗など、受動フィルタであることが好ましい。
【0042】
電力源および検出器回路は、所望であれば、本発明のセンサにおいて含むことが可能である。この場合、センサがワイヤレスであることが望ましい場合、例えばRF送信器である送信器など、信号を遠隔的に検出することを可能にする手段も備えることが好ましい。
【0043】
患者の皮膚などを介して患者に電気的に接続された更なる電極を設けることも可能である。この更なる電極からの信号は、患者からの電磁雑音を補償するために、センサからの信号で処理するようにしてもよい。
【0044】
電気分極の影響は、膜の面から離れて設けられたくぼみに電極を設置することによって、または粗い表面もしくは織物表面などの平滑ではない電極面を使用することによって等、液体と接触している電極の表面積を増大させることによってかなり低減する。したがって、一般的には、電極表面積と液体接触との可能な限り大きな比、および膜との可能な限り大きな接触面積にわたる可能な限り浅い液体の深さを有することが望ましい。このようにして、応答時間は短縮され、電気分極は低減され、より低い周波数を使用することが可能であり、漂遊キャパシタンスの影響はかなり低減される。
【0045】
電極における抵抗に対する電気抵抗の増大は、電極間の経路の一部について液体の深さを減少させたり、各電極と液体との間に比較的大きな接触面積を確保する等により、液体が膜と接触するゾーンにおいて電極間の液体を通る電気経路の断面積を制限することによって達成することが可能である。
【0046】
膜における、および電極間における液体の抵抗は、電極間において膜を通過する液体チャネルを画成する構造要素を使用することによって増大させることができる。例えば、そのようなチャネルがエッチングなどによって形成される絶縁室壁部分を横断するように、またはそれに隣接するように膜を配置することによって増大させることができる。同様に、多孔性スペーサを、液体の深さを規定するために、膜と室壁との間に配置することが可能である。
【0047】
実際、そのようなスペーサは、使用時に経験される圧力条件下において、測定されたコンダクタンスが圧力と共に変化するように、膜が十分に柔軟であり、膜より下の液体深度が十分に小さい場合に、使用することが重要である。
【0048】
好ましい構成では、センサは、
縦軸を有するセンサ本体と、
センサ本体の縦軸を横断する方向において間隔をおいて位置する少なくとも2つの電極と、
センサ本体の軸から外方に延び、隣接支持部材間において、電極間の流体経路を提供する少なくとも1つの液体チャネルを画成する複数の支持部材と、
支持部材によって支持され、かつ液体チャネルの外壁を提供する気体透過性膜とを備える。
【0049】
この構成は、患者の組織に挿入されるのに適している縦方向の幾何学的形状を有するコンパクトな構成のセンサを提供する。さらに、支持部材は、物理的支持を膜に提供し、ならびに、精確な測定を可能にする小さい断面積の液体チャネルを画成することができる。
【0050】
上述された電気分極の影響を低減するために、電極は、液体チャネルより大きい断面積を有するセンサ本体の凹みに配置することが可能である。このようにして、電極の回りの電流密度は、液体についてより大きい容積によって低減される。
【0051】
pCO2センサの電極は長手方向に延出していてもよく、例えば、センサ本体の長手軸に平行であってもよい。
【0052】
同様に、液体チャネルは、センサ本体の縦軸に対して垂直など、横方向とすることが可能である。好ましい構成では、pCO2センサは、複数の液体チャネルを備える。例えば、センサは、少なくとも3つの液体チャネルを備えることが可能である。
【0053】
支持部材は、センサ本体の縦軸を横断することが可能である。例えば、支持部材は、周方向においてセンサ本体の縦軸に垂直とすることが可能である。好ましい構成では、支持部材は、センサ本体の縦軸の回りに形成されたリングの形態にある。支持部材の断面は、任意の適切な形状とすることが可能である。具体的には、ほぼ3角形、特にのこぎり歯の断面を有する支持部材が、射出成形によって特に容易に形成されることが判明している。代替として、ほぼ矩形の断面が使用されることが可能である。支持部材は、例えば射出成形によって、センサ本体と一体的に形成することが可能である。センサは、少なくとも4つの支持部材を備えることが好ましい。
【0054】
センサ本体および/またはセンサは、概して円筒とすることが可能である。膜は、センサ本体を囲むように構成することが可能である。
【0055】
記述された幾何学的形状は、任意の適切なセンサに適用することが可能である。好ましい構成では、センサは、pCO2センサである。
【0056】
pCO2センサが液体膜を適所に有して構築される場合、電極は、液体の抵抗が貯蔵と共に著しく変化しないように、不活性材料とする、または不活性材料でめっきすることが好ましい。適切な材料には、白金(特に黒色白金)、金、銀、アルミニウム、および炭素がある。金は、特に好ましい。一般的には、溶媒和イオンを生成しない不活性電極が好ましい。
【0057】
膜は、CO2に対して透過性であり、かつ液体、あらゆる電解質、および水の溶媒に対して本質的に非透過性である任意の材料とすることが可能である。テフロン(登録商標)などのポリテトラフルオロエチレン、シリコーンゴム、ポリシロキサン、ポリオレフィン、または他の絶縁ポリマー膜が、例えば0.5から250μmの厚さにおいて使用されることが可能である。膜が厚くなると、一般にpCO2センサの応答時間は遅くなる。しかし、膜が薄くなると、非一様性または穿孔もしくは他の損傷の危険性が高くなる。しかし、膜の厚さは、1から100μm、好ましくは50から100μmであることが好都合である。
【0058】
本発明のpCO2センサの室の壁は、プラスチックなど、任意の適切な材料とすることが可能である。材料は、放射線滅菌(例えば、ガンマ放射線を使用する)、または熱滅菌(例えば、高圧蒸気滅菌において使用される約121℃の温度を使用する)などの滅菌において通常使用される条件に耐えることができるべきであることが好ましい。熱滅菌の場合、液体は無菌であり、滅菌後にセンサに充填される。室の壁および膜は、自己支持壁およびより薄い気体透過膜を有するように機械加工された、テフロン(登録商標)などの同じ材料とすることが可能である。
【0059】
本発明のpCO2センサは、一般的に比較的安価であり、したがって従来の技術のセンサとは異なり、単一使用装置とすることが可能である。さらに、電極室は、難なく極度に小さくすることができる(小型化が克服し難いインピーダンスの問題を呈示するセンサを含む従来の技術のガラス電極とは異なる)。
【0060】
上記配置によって、人間を含む動物の組織に容易に挿入可能で、モニタ中に組織内に保持可能で、更に、モニタ終了時には容易に取外し可能なpCO2センサが提供される。
【0061】
pCO2センサは、監視される組織に対して不適切な妨害を生じないように十分小さい。その結果、装置は2mm、好ましくは1mmの最大直径とすることができる。
【0062】
センサ装置を使用する上で、温度センサを患者の皮膚に貼るようにしてもよい。しかしながら、本発明の一実施態様では、温度センサは患者の皮膚を通して挿入される形状を成す。特に、温度センサとpCO2センサは、単一のセンサユニットに組み込まれる。換言すると、pCO2センサが温度センサを含むようにしてもよい。
【0063】
血液酸素飽和濃度は、パルス・オキシメトリーによって測定される。したがって、装置はパルス・オキシメトリー・センサを含む。パルス・オキシメトリーでは、患者の血液中におけるオキシヘモグロビンの飽和がヘモグロビンの光吸収を測定することによって決定される。吸収度は、ヘモグロビンが酸素で飽和されているか又は不飽和であるかに依存して相異する。本発明に係る血液酸素化センサは、特に、反射率パルス・オキシメトリー・センサである。換言すれば、このセンサは、患者の血液中の酸素飽和度を決定するために、特定波長の光を患者に照射しこれら波長の反射率を測定するような形状を成す。したがって、酸素化センサは接着パッチによって患者の皮膚に保持されるような形状とするのが都合がよい。
【0064】
センサ装置は、心臓速度専用のセンサを含む。しかしながら、酸素飽和センサと心臓速度センサは、パルス・オキシメトリー・センサによって提供されるのが都合がよい。
【0065】
センサ装置は、それぞれの生理学的パラメータについての複数のセンサを備えることが可能である。例えば、装置は、複数のセンサを並べることができる。そのようなセンサは、二酸化炭素の分圧、酸素の分圧、温度、pH、またはグルコースの濃度などの1つまたは複数を測定するものとすることができる。本発明の好ましい実施形態では、装置は温度センサ、pCO2センサ、心臓速度センサ及び血液酸素化センサを備える。
【0066】
センサ装置によって決定されるpCO2、酸素化及び温度は、測定数値であってもよく、或いは、腐敗症を示す一つ又はそれ以上の閾値より大きい又は小さい数値であることを単に示すものであってもよく、また、数値は測定サイトの位置に従って変化してもよい。
【0067】
センサ装置は、単一の測定に用いられてもよく、より好ましくは、生命維持信号の変化を最初に検知し迅速に処置するために、例えば緊急治療室や集中治療室、又は病棟、又は老人ホームでの危険な患者に対して連続又は反復のモニタに用いられてもよい。
【発明の効果】
【0068】
腐敗症の検知との関係でセンサを説明してきたが、組織内において低炭酸症又は高炭酸症のいずれかを引起す状態を検知するためにセンサが用いられてもよく、すなわち、このような状態は、患者の呼吸パターンを変化させるものであるか、或いは、生成物を増加させるもの又はCO2の照射を低減させるものである。低炭酸症が発見され易い条件は、腐敗症、本質的に腐敗症以外を原因とする発熱、穏やかな心不全、肺性浮腫、急性呼吸困難シンドローム(ARDS)及びあらゆる原因に基づく高喚起を含む。高炭酸症が発見され易い条件は、センサが配置された場所での虚血、出血による循環系の卒中、心臓又は腐敗症を原因とした呼吸不全、ARDS又は慢性のような急性或いは慢性の閉塞性肺嚢病(COLD)を含む。
【0069】
ここで、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して、例としてのみ記述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0070】
本発明によれば、pCO2感知システムは、図1に示されるように、センサ装置50、表面回路ユニット2及びモニタユニット3を備える。センサ装置50は、pCO2センサと温度センサを組み合わせたセンサユニット1、ならびに、二つのパルス・オキシメトリー・センサ54を含む。
【0071】
図7〜10は、本発明の一つの実施態様に係るセンサ装置50を示す。装置50は、二つの反射率パルス・オキシメトリー・センサ54が取付けられる自己−接着性片52を備え、これについては以下に詳述する。パルス・オキシメトリー・センサは、マックスファースト(MAX FAST)接着前部センサとしてネルコール オブ プリーザントン(Nellcor of Pleasanton)、カルフォルニア(California)から商業的に入手可能な型とすることができる。自己−接着性片52には、患者の皮膚に貼るために接着性片52の接着面を出すために接着性片52から剥離される解放片56が設けられる。損傷、汚染又は蒸発を防止するために、センサ装置50のセンサは、殺菌した等浸透圧性のプロピレングリコール水溶液で満たされたチューブ(不図示)でセンサユニット1が包装される。
【0072】
センサ装置50は、指状グリップ60を備えた主軸58を含む。主軸58は、センサユニット1からのケーブル接続6を含む可撓性の鞘(又はカテーテル)62内に収容される。図10に示すように、主軸58はその先端部においてセンサユニット1と係合し、主軸58の指状グリップ60に手で圧力を加えることによって、先の尖ったセンサユニット1が患者の皮膚を通して押し入れられる。このようにして、センサユニット1は、患者の筋肉、例えば患者の脇の下に配置される。
【0073】
pCO2センサユニット1が患者の筋肉に正しく配置されると、図9に示す形態のように、センサ装置50を残したまま主軸58が可撓性の鞘62から引き抜かれる。センサユニット1に接続される鞘62とケーブル6は、所定位置にセンサユニット1があることについて、例え不快感があっても患者がそれを殆ど感じない程に十分に可撓性である。
【0074】
センサユニット1は、患者の皮膚に貼られる接着性片52によって筋肉の所定位置に保持される。同時に、皮膚への接着性片52の接着によって、パルス・オキシメトリー・センサ54が患者の皮膚に対して使用される所定位置に導かれる。患者の血液中の酸素飽和濃度を決定するために、パルス・オキシメトリー・センサ54によって、患者の皮膚からの光の特定波長における反射率が測定される。
【0075】
図7において最も明瞭に示されるように、パルス・オキシメトリー・センサ54及びセンサユニット1からの電気的接続64は、表面回路ユニット2への接続のために接着性片52の長手方向に沿って延びる。これに代わって図9に示すように、表面ユ回路ニット2又はモニタユニット3との交信のために、センサ装置50に無線装置70を設けてもよい。
【0076】
センサ装置50は配達用に包装され、かつ、殺菌される。これは、1ミリメーター未満の直径を有し膜で保護された伝導性測定用センサと、センサユニット1と一体の温度プローブ5を備える。ワイヤ6は、表面回路ユニット2へのコネクタによってセンサ4とプローブ5を電気的に接続する。
【0077】
表面回路ユニット2は、センサ装置50に信号を送信し、またセンサ装置50から信号を受信する。表面回路ユニット2は患者の皮膚の上に配置され、センサユニット1からの信号処理を実施し、調整信号をモニタユニット5に送信する。
【0078】
モニタユニット3は、PCMCIA入力/出力カード8を有する携帯式パーソナルコンピュータ7、およびラボビューソフトウェア(ナショナルインスツルメンツコーポレーション(National Instruments Corporation[テキサス州オースチン在])から入手可能)に基づく。
【0079】
pCO2センサ4は、図2に示される測定原理に従って、流体のCO2のレベル(分圧)(pCO2)を測定するために使用される。測定室は、2つの小さい空洞9からなり、1つの電極10がそれぞれに配置される。2つの空洞9は、非透膜12、すなわちCO2をセンサ4の容積内外に輸送することのみを可能にする膜によって封入された1つまたは複数の通路11によって接続される。全容積が、脱イオン水と5%プロピレングリコールで充填される。水の導電率は、pCO2に依拠し、容積の電極10間の導電率を測定することによって、pCO2に関する情報を取り出すことができる。
【0080】
図3から5に示されるように、センサユニット1は、射出成形プラスチック支持体23を備え、これは、ほぼ円筒であり、非透膜12によって囲まれる。支持体23は、遠位端部の円錐先端24、および先端24から近位に延びる本体部分25を有する。本体部分25の上に、接着によって、2つの金の電極10が取り付けられる。電極10は、本体部分25の両側に沿って縦方向に延び、本体部分25のそれぞれの凹みによって受けられる。
【0081】
先端24と本体部分25との間に、摩擦嵌めによって膜12を固定するためのフラストコニカル突出部26が提供される。対応する突出部26が、本体部分25の近位端部において提供される。膜12は、支持体23に接着することが可能であるが、膜12および電極10を固定するために使用される接着剤は、支持体23の本体部分25と膜12との間に形成される水充填室にイオンを放出しないように選択されることが重要である。さらに、支持体23の封止面は、イオンが中に放出されることが可能である水フィルムの形成を回避するために、選択的に疎水性とすることが可能である。
【0082】
膜12は、必要であれば、クリンプ接続および柔軟ガスケットによって支持体23に固定することも可能である。具体的には膜12がシリコーンゴムで形成される場合、膜12は、ガスケットとして作用することが可能である。図6における場合のように、熱収縮スリーブが、クリンプ接続を形成するために使用されることが可能である。これに代わって、金属クリンプリングが、封止突出部26の位置に対応する位置において使用されることが可能である。
【0083】
支持体23の本体部分25は、複数のリブ27を備え、これは、容易に成形されるようにのこぎり歯の輪郭を有して形成される。リブ28は、機械的支持体を膜12に提供し、また、センサ4が有効に機能するために必要な流体通路11を画定する。各電極10とリブ27間に形成される流体通路との間に、電極10が配置される凹みによってリザーバ9が形成される。リザーバ9は、電気分極の影響を低減するために、電極10の回りに比較的低い電流密度の領域を提供する。
【0084】
製造中、膜12は、支持体23の上に固定され、一方、脱イオン水とプロピレングリコール溶液に浸漬され、それにより、膜12、電極10、およびリブ27によって境界を画定される室は、液体で完全に充填される。このようにして、この室は、図2に概略的に示されるように、pCO2センサを形成する。
【0085】
センサ1は、2つ以上の感知室を含むことが可能である。例えば、壁によって分離された2つの平行な電極10が、支持体23の両側に提供されることが可能である。それにより、感知室が、支持体23の上のリブ27間の流体通路11を介して、支持体23の一方の側の1つの電極10と支持体23の他の側の電極10の1つとの間に形成される。対応する感知室が、残りの電極10と支持体11の底面の流体通路11との間に提供される。センサからの電気信号が、両方の室の導電性を反映するように、これらの室のそれぞれからの電極10が、他の室からの対応する電極に電気的に接続されることが可能である。
【0086】
支持体23の近位端部に、熱電対の形態の温度センサ5が埋め込まれる。温度センサ5は、pCO2を補正計算し、かつ、医療診断のための情報を伝える測定された組織の温度をモニタ3に表示するために使用される。温度センサ5は、33〜42℃の最小測定範囲および+/−0.2℃の最低精度を有する。
【0087】
リボンケーブル6が、電極10および温度センサ5に電気的かつ機械的に接続される。電極10は、リボンケーブル6の導体の延長部として形成される。代替として、電極は、支持体23の上にめっきすることによって形成することが可能である。ケーブル6と支持体23への接続とが十分の強い場合、ケーブル6は、センサユニット1をその使用位置から引くために使用することができる。代替として、ケブラー線が、強い外部機械接続を提供するために、リボンケーブル6と統合されるなどして提供されることが可能である。
【0088】
膜12は、ケーブル6の回りにカテーテルを形成するために、ケーブル6と共に支持体23から近位に延びることが可能である。代替として、別のカテーテル28が提供されることが可能である。この場合、カテーテル28は、電極10および膜12の近位において支持体23に結合される。
【0089】
図6に示されるように、カテーテル28は、センサユニット1を組織において適所に固定するために、複数のスリット29を備えることが可能である。スリット29は、カテーテル28が、ケーブル6(またはケブラー線)に対して遠位に(図6の矢印Bの方向において)押されるとき、スリット29間のカテーテル28の部分30が外向きに強制され、図6に透視図で示される形状を想定するように構成される。カテーテル28の径方向突出部分30は、それが埋め込まれる組織においてセンサユニット1を保持する。カテーテル28とケーブル6との相対位置は、センサユニット1が組織から取り外される時間まで、ロッキング機構(図示せず)で維持することができる。このとき、ロッキング機構を解放することができ、カテーテル28の部分30は弛緩位置に戻り、それにより、センサユニット1は、組織から取り外すことができる。
【0090】
4週間迄の期間、上述の病気の処置及び条件の影響を検知しモニタするpCO2を測定するために、一体のセンサ4を有するカテーテルの先端が、組織内の0.5〜4cmに配置される。
【0091】
センサユニット1は、1mmの最大直径を有し、カテーテルの先端からセンサ要素までの最大距離は、2mmである。センサ4は、2〜25kPaの最小pCO2測定範囲を有し、検出可能なpCO2の最小差は0.2kPaである。センサ4の最大応答は、20秒である。流体室の任意の領域における最大可能測定電流は、j<1mA/cm2であり、一方、測定入力電圧が50mV RMSを超えないようなものである。
【0092】
電極10は金めっきされ、全面積は約0.3mm2である。測定周波数fmeasは、100Hzより高くあるべきである。より低い周波数では、測定室の分極の影響が測定を左右する。10kHzより高い周波数では、低インピーダンスのキャパシタンスが、重要事項になる。測定抵抗R_measureは、500kOhmから7MOhmの範囲にある。
【0093】
センサ4は、5cmと1メートルとの間の長さを有するリボンケーブル6によって、患者の皮膚の上に配置された電子表面ユニット2に電気的に接続される。ケーブル/カテーテルの最大直径は、1mmである。ケーブル/カテーテルは、付近の組織および臓器を過度に妨害しないように、柔らかく柔軟である。ケーブル/カテーテルおよびその接続も、正常な使用および「異常」な使用の両方によって生じることがある強い引っ張り力に耐えるように十分に頑強である。
【0094】
滅菌、貯蔵、および輸送中、センサユニット1は、センサリザーバからの水の正味の損失が実質的にないことを保証するために、脱イオン化され、かつ無菌でエンドトキシンのない水によって覆われる。
【0095】
図11〜15は、本発明の他の実施態様に係るセンサ装置50を示す。他に示す場合以外は、この実施態様の形態は、図7〜10に関して説明したセンサ装置におけるものと同じである。従前の実施態様におけるように、装置50は、二つの反射率パルス・オキシメトリー・センサ54及びセンサユニット1が取付けられた上述のような自己−接着性片52を備える。自己−接着性片52には、患者の皮膚に貼るために接着性片52の接着面を出すために接着性片52から剥離される解放片56が設けられる。損傷、汚染又は蒸発を防止するために、センサ装置50のセンサは、殺菌した等浸透圧性のプロピレングリコール水溶液で満たされた殺菌水充填チューブ72(不図示)でセンサユニット1が包装される。
【0096】
センサ装置50は、指状グリップ60を備えたU字断面の挿入針74を含む。包装されたセンサ装置50では、センサユニット1及びこれに接続されたケーブル接続は、挿入針74のU字溝内に収容される。保護チューブ72が取り外されると、指状グリップ60に手で圧力を加えることによって、挿入針74は患者の皮膚を通して押し入れられる。次いで挿入針74は、図14に示される一般的な形態において、患者の筋肉内に配置されたセンサユニット11を残したまま、センサ装置50から取り外され出される。挿入針74のU字によって、センサユニット1へのケーブル接続から針を引き抜くことによって針の係合が解かれる。
【0097】
図13は、挿入針74とセンサ装置50との間の接続の詳細を示す。図13に示すように、U字断面の挿入針74は、指状グリップ60内に型成形される。センサ装置50はプラスチックハウジング76を備え、このプラスチックハウジング76は自己−接着性片52上にあってこれに設けられた孔と係合する。プラスチックハウジング76は、自己−接着性片52に結合される。プラスチックハウジング76の中央において、挿入針74を通す貫通孔が設けられる。プラスチックハウジング76の上にあって、挿入針74を通す中央孔を備えたディスク形状の金属ガイド78が、プラスチックハウジング76に結合される。金属ガイド78の中央孔は挿入針74の断面に対応するU字形状を有し、この中央孔によって挿入針74が所定位置に保持され、その結果、挿入針74が回転することなく、かつ、センサユニット1へのケーブル接続6に対する損傷も生じない。センサユニット1からのケーブル接続6は、金属ガイド78とプラスチックハウジング76との間において挿入針74から通しており、金属ガイド78に接着された保護鞘62によって囲まれている。金属ガイド78とプラスチックハウジング76の貫通孔は、金属ガイド78上に設けられ、かつ、挿入針74を通すシリコーン膜80によって閉じられる。挿入針74が取り外される際に、シリコーン膜80は貫通孔を封ずるために弾性的に変形する。
【0098】
図13に示すように、センサ装置50に対してチューブ72を封ずるために、カバーチューブ72スナップの玉縁リム82が、プラスチックハウジング76の凹部に嵌合する。センサユニット1を患者の筋肉に挿入する際に、挿入針74を露出させるためにチューブ72がセンサ装置50から取り外される。
【0099】
図1および2に示されるように、電子表面ユニット2は、正弦波生成装置13を備え、これは、少なくとも5ボルトの電圧および50mVの電流供給を提供し、電池14によって給電される。フィルタ15が、ロックイン増幅器16の入力をフィルタにかける、または平均するために提供される。電流の消費を低減する受動フィルタを使用することができる。前置増幅器17が、電解質の影響を低減するために、信号からDC電流を除去するように、サーボ機構と組み合わされる。サーボ構成によれば、前置増幅器の出力は、低域通過フィルタを介して入力に再び供給される。したがって、出力のDC構成要素のみが再び供給され、pCO2センサにより引き出されたあらゆるDC電流を消去する。このようにして、電極を劣化させるDC電流がpCO2センサを流れないことが保証される。このステージにおいて使用される演算増幅器は、最小電流を消費し、大きなCMMR値を有する。同時に、偏向電流は最小である。ロックイン増幅器16が、センサ4からのAC信号を増幅する。これは、1kHzより小さい周波数における信号検出のために、少なくとも1%の精度を有する演算増幅器で、またはICパッケージを使用して、構築することが可能である。光カプラまたはコイルカプラなどの直流電気分割19が、モニタユニット3および関連するケーブル18からの雑音伝達を防止するために提供される。光カプラが、雑音信号比のために通常用いられる。温度信号増幅および調節ユニット20が、温度センサ5からの信号を増幅するために提供される。電子ユニット2は、充電可能で交換可能な標準的なタイプの電池14によって給電される。電池の容量は、14日の連続監視に十分である。表面ユニット2は、オン/オフインジケータLED21および電池状況インジケータ(図示せず)をも備える。表面ユニット2とモニタ3との通信は、遮蔽ケーブル18によるアナログである。しかし、表面ユニット2は、表面ユニット2とモニタ3との間の通信が、デジタルワイヤ伝送またはデジタル無線伝送によるなど、デジタル方式とすることが可能であるように、アナログデジタル変換器を含むことが可能である。ケーブル18は、少なくとも4mの長さで軽量かつ柔軟である。
【0100】
図1および2に示されるように、AC電流が、正弦波生成装置13によって生成され、pCO2センサ電極10のうちの1つおよびロックイン増幅器16に供給される。他のpCO2電極10からの高域通過信号は、フィルタ15を経て低雑音増幅器17に進み、低雑音増幅器17からロックイン増幅器16に進み、そこで、正弦波生成装置13によって生成される基準信号と比較される。信号の位相のずれている成分、すなわち望ましくない成分は拒否され、信号の残りの部分は増幅される。増幅された信号は、pCO2(またはコンダクタンス)に比例し、記録またはさらなる操作のためにモニタ3に渡される。
【0101】
表面ユニット2はまた、患者の皮膚に電気的に接続される基準電極(図示せず)に電気的に接続される。基準電極からの信号は、患者によって生成される電磁雑音の影響について、センサユニット1からの信号を補償するために使用することができる。
【0102】
単一表面ユニット2は、いくつかのセンサユニット1からの信号を受信して、多重化出力をモニタユニット3に提供することが可能である。
【0103】
モニタユニット3は、CD RWおよびIRポートを含む携帯式PC7、ならびに少なくとも4つの異なる表面ユニット2から同時に信号を収集することができるPCMCIA I/Oカード8を備える。PCMCIAカード8は、統合された非直流電気結合を有することが可能である。モニタユニット3の電源22は、110Vおよび230Vの両方で動作する医療用に承認されたタイプである。
【0104】
モニタユニット3のソフトウェア機能は、ラボビューにおいて実施することが可能であり、これは、ナショナルインスツルメンツ[テキサス州オースチン在]から入手可能であり、最高で4つの異なる表面ユニットに同時に対処することができる。ソフトウェアは、3つの較正点および2次較正機能を有するセンサの較正機構を提供する。ソフトウェアは、あらゆる他の数の較正点および較正機能のタイプを支援するように修正することができる。ソフトウェアは、確定された時間間隔にわたってセンサ4からの信号を滑らかにする機構をも有する。測定値についての少なくとも2つの警告レベルおよび勾配についての2つの警告レベルを有することが可能である。測定値の勾配は、個々の確定された時間間隔について計算される。警告は、可視および可聴の両方である。他の警告を活動させながら、1つの警告表示を停止することが可能である。モニタ3は、すべての測定値、パラメータ設定、およびセッションにわたる警告をログすることができる。30秒のログ間隔で、少なくとも10の2週間セッションの記憶容量がハードディスクに存在するはずである。セッションログは、マイクロソフトエクセルによって可読であるフォーマットで書込み可能CDに保存することができる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明におけるこの実施態様に係るセンサ装置50は、単一装置で、患者の筋肉内のpCO2、温度及び血中酸素の測定を提供することができる。この情報のもとに、医師は、数ある条件の中で患者の腐敗症の兆候を迅速かつ正確に確認することができる。
【0106】
本明細書では、特にpCO2測定に言及してセンサ装置について説明したが、このセンサ装置の一般的な形態は、他の生理学的センサ、例えば体温、酸素分圧、pH又はグルコース濃度のためのセンサに用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明のセンサを組み込む完全感知システムの概略図である。
【図2】図1のシステムのセンサについて測定原理を示す概略図である。
【図3】本発明によるpCO2センサの部分破断図である。
【図4】図3の線A−Aに沿った断面図である。
【図4a】図4の円によって示される詳細の拡大図である。
【図5】膜が除去されている図3のセンサの図である。
【図6】取付け機構が見えるようにした、図3におけるpCO2センサの変形を示す。
【図7】本発明の一実施態様に係るセンサ装置の平面図である。
【図8】図7のセンサ装置の側部部分断面図である。
【図9】図7及び図8のセンサ装置の、使用位置における側面図である。
【図10】図7及び図8のセンサ装置の、pCO2及び温度センサの拡大図である。
【図11】本発明の他の実施態様に係るセンサ装置を示す。
【図12】図11のセンサ装置の部分断面斜視図である。
【図13】図11及び図12のセンサ装置の詳細断面図である。
【図14】挿入針を備えていない図11〜13のセンサ装置の平面図である。
【図15】図14の位置にあるセンサ装置の斜視図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は生理学的センサに関する。
【背景技術】
【0002】
単一のセンサは、特に二酸化炭素の分圧(pCO2)の測定に適しており、特に虚血をモニタする技術の一部としてWO00/04386に記載されている。
【特許文献1】WO00/04386
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
虚血の検知に加えて、pCO2の測定が、例えば、卒中や腐敗症のような組織の血液灌流、呼吸及び/又は代謝における変化に導く生命を脅かす虞のある苛酷な状態の診断に有用であることが判明した。したがって、腐敗症の始まりを検知するために、特に集中治療室外に居る場合も含めて入院患者をモニタするのに適した感知装置を提供することは利点となる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、第1態様の観点において、二酸化炭素の分圧(pCO2)を測定するセンサと、身体温度センサと、心臓速度と、酸素飽和センサとを組合せた生理学的感知装置を提供する。
【0005】
本発明によれば、pCO2、身体温度、パルス及び酸素付加のような重要な生命維持信号を測定する単一装置が提供される。当にこれら4つのパラメータの測定及びモニタによって、例えば腐敗症のような患者において、処置を必要とする危険な状態の始まりを医者が確認できる。その結果、本発明による装置によって、腐敗症が始まった患者を便利かつ正確に医者がモニタできることになる。
【0006】
通常、pCO2センサは、患者の皮膚を通して挿入される形状を成す。このセンサは、例えば患者の筋肉のような組織に挿入される。したがって、センサは、患者の組織破壊が最小となるように組織内に挿入される大きさとされる。pCO2センサは、患者の皮膚(及び組織)を浸透する形状としてもよい。そこで、通常のpCO2センサ又は装置は、尖った、例えば削った先端を備えるように提供されてもよい。これに代わって、pCO2センサは、患者組織の切開部分に挿入される形状であってもよい。
【0007】
本発明は、他の観点において、患者の皮膚を通して挿入される形状を成すpCO2センサと、当該pCO2センサの挿入に際して患者の皮膚に刺す尖った先端とを備える生理学的感知装置を提供する。
【0008】
このセンサは、患者の皮膚を通してpCO2センサを挿入するための挿入装置を提供する。一つの実施態様では、この挿入装置は、pCO2センサに接続された鞘部材に収容される取外し可能な心材であり、pCO2センサ患者の組織内に一度挿入されるとpCO2センサと係合し患者の皮膚を通してこれを押し込む。
【0009】
これに代わって、センサ装置が、患者の皮膚を通して挿入されるpCO2センサを収容する中空針を備えるようにしてもよい。この中空針は、pCO2センサの挿入後にセンサ装置から取り外すことができる。中空針の断面を湾曲した開口とするのが都合がよい。このことは、pCO2センサへの電気的な接続を針を通して行なうことができ、かつ、患者から針を取り外す際に電気的接続を針から分離できる利点がある。例えば、針の断面をU字形状、V字形状又はC字形状とすることができる。
【0010】
装置には、針を取り外す際に針(又は他の挿入装置)による穴を塞ぐ自己シール性の膜が備えられるのが都合がよい。
【0011】
緊急時にセンサ装置を患者に迅速に貼るために、センサ装置及び/又は挿入装置は、特にpCO2センサ、温度センサ又は尖った先端に対して殺菌性であるのが都合がよい。患者に接するこれらの表面に対して殺菌性となるように、センサ装置を包装してもよい。
【0012】
pCO2センサは、センサの先端部において電気的に接続されてセンサからの信号を伝達する電気ケーブルに接続される。装置は、pCO2センサに機械的に接続され、ケーブル長の少なくとも一部分を取り囲みつつこれに沿って延出す鞘を備えていてもよい。一つの態様では、この鞘は、実質的に長手方向に延出する複数の可撓性部分であって複数のスリットによって分割された部分を備え、鞘の先端部に向けて基端部を移動させることにより可撓性部分の端部間の距離が短くなることにより可撓性部分が外側に突出し、これによって、可撓性部分における鞘の有効直径が増加し、その結果、突出した可撓性部分によってpCO2センサを組織内に保持することができる。
【0013】
このように本発明によれば、センサが患者の組織内に挿入され、可撓性部分の端部を引っ張って外側に突出させるためにケーブルが引かれる。センサが器官の生理機能をモニタする間、突出した可撓性部分が患者の組織と係合し、pCO2センサを所定位置に保持する。モニタが終了すると鞘の基端部が外され、鞘が面一となるように可撓性部分が元の位置に戻され、組織との係合が解かれる。次いで、センサが患者から簡単に外される。
【0014】
可撓性部分は弾性であってもよく、例えば弾性材料によって構成される。可撓性部分は、例えばそれ自身の弾性によって又は別個の弾性成分によって面一部分に付勢されてもよい。
【0015】
可撓性部材が外側に突出する位置に鞘の端部を保持するために、例えば鞘の基端部に固定機構を設けてもよい。
【0016】
装置は、鞘の先端部に機械的に接続される線、例えばケブラー線を更に備えていてもよい。鞘の基端部に向けて鞘の先端部を引くのを補助するケーブルに沿って、線を長手方向に延出させてもよい。このような線は、ケーブル及び/又はセンサへの電気的接続が、可撓性部材を曲げるのに必要な力に抗するのに十分な程に強くなくてもよいという利点を有する。
【0017】
好ましくはないが、鞘に加えて更なる導管によってケーブルを囲むことも可能である。簡単な実施態様では、ケーブルは鞘によってのみ囲まれている。
【0018】
鞘が、pCO2センサの二酸化炭素透過膜を形成するのが都合がよい。これにより、特に簡単な構造となる。この場合における鞘の好適材料は、PTFE、シリコーンゴム及びポリオレフィンである。
【0019】
センサ装置には、患者の皮膚の表面に装置を取付けるための取付け部を設けてもよい。一つの便利な態様では、取付け部は、プラスタのような接着パッチである。pCO2センサの関係では、これは本発明の特徴であると確信するものである。他の特徴の観点では、本発明は、患者の皮膚を通して挿入される形状を成すpCO2センサと、挿入されたpCO2センサを所定位置に保持するために当該装置を患者の皮膚に貼るための接着パッチとを備える生理学的感知装置を提供する。
【0020】
プラスタを備えることは、センサ装置を所定位置に保持するだけでなく他の幾つかの利点も有する。特に、pCO2センサが患者の皮膚を通して挿入される部分がプラスタによってシールされ、それによって感染の危険性が低減される。この点に関して、プラスタの患者に面する側には、消毒薬又は抗生物質が配設される。更に、プラスタは、ワイヤ、他のセンサ又はワイヤレス通信装置を備えるのが都合がよい。
【0021】
患者がモニタされている間、このような装置は患者に貼られ所定位置に保持されるのが都合がよい。電気ケーブルや鞘のようなpCO2センサへの電気的かつ機械的な接続は、可撓性とするのが望ましい。これにより、pCO2センサが挿入される際における患者の不快感が最小限となる。
【0022】
pCO2センサを、二酸化炭素が透過可能な膜によって少なくとも一部が画成された閉塞室と、閉鎖室内の少なくとも二つの電極とを備え、閉鎖室が、電極及び膜に接触する液体であって電解質を実質的に含有しない液体を収容するようにしてもよい。
【0023】
実質的に電解質が存在しないことによって、液体は、イオンの浸透圧モル濃度(ionic os-molality)が、5mM塩化ナトリウム水溶液の37℃におけるイオンの浸透圧モル濃度より大きくない、好ましくは500μM塩化ナトリウム溶液の該濃度より大きくない、より具体的には10−5から10−6MのHCl溶液の該濃度より大きくない、ことを意味する。
【0024】
電極と接触している液体は、水溶性であることが好ましく、上述したように実質的に電解質を含有しない水であることが特に好ましい。例えばイオンの生成または中和によって、コンダクタンスを増大させ、または減少させるようにCO2と反応する他の溶媒も、同様に使用することが可能である。しかし、実際には、強酸(例えばHCl)が、0.1から100μM、好ましくは0.5から50μM、より具体的には約1μMの濃度まで加えられた、または加えられていない脱イオン水または蒸留水が、特によく機能することが判明している。この少量の酸を追加する機能は、一般的には、水酸イオンによるコンダクタンスへの著しい寄与を回避し、かつpCO2の測定の線形性を維持するために、液体のpHを6以下に維持することである。
【0025】
この液体は非−イオン性賦形剤を含有する。これにより、膜を介した液体の透過を防止すべく、液体の電気的特性に影響を与えることなく、室内の液体の浸透圧モル濃度が増加し得る。
【0026】
賦形剤は、少なくとも等浸透圧となる濃度、すなわち、0.9%w/vNaClの水溶液の浸透圧と同じとする必要がある。好ましくは、賦形剤の濃度は高浸透圧性であり、すなわち、0.9%w/vNaCl水溶液の高浸透圧である。したがって、室内の賦形剤の浸透圧モル濃度は、0.9%w/vNaCl水溶液のものより大きく、好ましくは1.8%w/vNaClの水溶液より大きい(等浸透圧の2倍)。4.5%w/vNaClの水溶液(等浸透圧の5倍)より大きな浸透圧モル濃度、又は9%w/vNaClの水溶液(等浸透圧の10倍)より大きな浸透圧モル濃度を用いてもよい。
【0027】
室内での重炭酸塩反応にあずかる好適な賦形剤が用いられる。賦形剤はまた、液体に溶解性でなければならないが、例えば水が用いられる。賦形剤はまた、静脈用途として製薬上許容されるものであること、ならびに、室内を容易に満たすための低粘度を有することが望ましい。賦形剤は、殺菌と貯蔵における安定性を有することが好ましい。望ましくは、賦形剤は微生物の成長を抑制するものである。
【0028】
好適な賦形剤はポリエチレングリコール(PEG)であり、現在のところ好ましい賦形剤はプロピレングリコールである。
【0029】
pCO2センサの主要構成要素は、電極室、電極室の壁の少なくとも一部を形成するCO2透過膜、前記室内に表面を有する(または前記室に内表面を提供する)第1電極および第2電極、ならびに膜と第1電極および第2電極とに接触した電極室の液体(一般に実質的に電解質を含有しない水)である。センサは、AC電源、コンダクタンス(または抵抗)決定装置、信号生成装置(決定手段の一部とすることが可能である)、および随意選択で信号送信器を含む、またはそれらに接続可能である。
【0030】
本発明のセンサ装置を使用してpCO2が決定される機構は、簡単である。水などの純粋なプロトン性溶媒では、電気抵抗は、イオン種の不足のために高くなる。CO2を追加することにより、(水と反応して)H+イオンおよびHCO3−イオンが形成され、したがって、電気抵抗は減少する。センサの抵抗の減少の役割を担う唯一の因子が、膜を透過するCO2であるので、抵抗の変化によりpCO2を測定することが可能である。
【0031】
H2O+CO2平衡からH++HCO3−平衡への平衡定数から、CO2濃度は、αpCO2に等しい(25℃のαは0.310である)。プロトンの導電率は、GH+=349.8Scm2/molであり、水酸基の場合はGOH−=198.3Scm2/mol、重炭酸塩の場合はGHCO3−=44.5Scm2/molである。H+およびOH−の濃度は反対に変化し、H+とHCO3−の濃度はpCO2に正比例する。したがって、OH−の寄与は最小であるので、溶液の全コンダクタンスは、pCO2に事実上比例する。以上より、溶液の導電率Gsolutionは、以下によって与えられる。
Gsolution=θH+[H+]GH++θOH−[OH−]GOH−+θHCO−3[HCO3−]GHCO3−
上式で、θH−、θOH−、およびθHCO3−は、3つのイオン種の活量係数である。
【0032】
以下の表1は、例として、測定されたpCO2値およびpH値、ならびにH+、OH−、HCO3−の濃度の対応する計算値を示す。H+およびHCO3−は、pCO2の増大と共に増大することを示す。
【0033】
【表1】
【0034】
導電率は、本発明のpCO2センサの溶媒フィルムにおいて測定される。これは、一定電圧(または電流)を電極に加え、CO2が膜を通して溶媒に入る際の導電率の変化に対応する電流(または電圧)の変化を測定することによって実施することができる。しかし、一定のピーク値を有する交流正弦波関数電圧が加えられ、電極の両端の電圧降下が測定されることが好ましい。したがって、溶液の導電率は、電極を流れた電流を電極の両端の電圧降下によって除算したものに等しい。
【0035】
pCO2センサは、交流電位を電極に加え、それにより液体に交流電流を生じさせることによって機能させることができる。液体は、二酸化炭素と反応して二酸化炭素のコンダクタンスを変化させるはずである。電位は、20から10,000Hz、好ましくは100から4,000Hzの周波数を有することができる。
【0036】
本発明のpCO2センサは、100から10,000Hzの周波数で、電極の両端に交流電位を加えるように構成された電力源を備え、または該電力源に接続可能である。周波数は、1kHzより高く5kHz未満であることが好ましく、2kHz未満であることがより好ましい。100Hzより低い周波数では、pCO2決定の感度は電気分極のために低くなり、さらに、機器の応答時間は過度に遅くなり、一方、10kHzより高い周波数では、感度は、センサのキャパシタンスの低インピーダンスのために再び低下する。
【0037】
電力源は、AC電力源、または代替として発振器と関連付けられたDC源、すなわち両者の組合せにより構成されるAC電力源、とすることが可能である。
【0038】
電源は、電極において液体を通る最大電流密度が50A/m2を超えない、好ましくは30A/m2を超えない、より好ましくは20A/m2を超えない、特に10A/m2を超えない、最も好ましくは約1A/m2以下であるようなものであることが好ましい。20A/m2以上のより大きい電流密度の値は、1〜10kHzなどのより高い周波数においてのみ使用されるべきである。最も小さい最大電流密度は、検出限界によって決定されるが、10−8A/m2までの値が使用可能である。最も小さい最大電流密度は、一般的には少なくとも0.1μA/m2である。
【0039】
そのような電流密度および電圧周波数において動作し、構造が適切であることによって、センサは、電極の電気分極の結果として生じる精度のあらゆる著しい損失を有さずに、CO2が中に泳動する液体のコンダクタンス/抵抗を決定することができる。
【0040】
特に高い精度のために、電極の両端の電位または電流(したがって電極間の液体の抵抗またはコンダクタンス)は、電圧生成装置または電力源と同じ周波数に設定されたロックイン増幅器を使用して決定される。
【0041】
さらに、100Hz未満、好ましくは150Hz未満の周波数を有する電流を遮蔽するために、高域通過フィルタを検出器に組み込むことが好ましい。フィルタは、キャパシタおよび抵抗など、受動フィルタであることが好ましい。
【0042】
電力源および検出器回路は、所望であれば、本発明のセンサにおいて含むことが可能である。この場合、センサがワイヤレスであることが望ましい場合、例えばRF送信器である送信器など、信号を遠隔的に検出することを可能にする手段も備えることが好ましい。
【0043】
患者の皮膚などを介して患者に電気的に接続された更なる電極を設けることも可能である。この更なる電極からの信号は、患者からの電磁雑音を補償するために、センサからの信号で処理するようにしてもよい。
【0044】
電気分極の影響は、膜の面から離れて設けられたくぼみに電極を設置することによって、または粗い表面もしくは織物表面などの平滑ではない電極面を使用することによって等、液体と接触している電極の表面積を増大させることによってかなり低減する。したがって、一般的には、電極表面積と液体接触との可能な限り大きな比、および膜との可能な限り大きな接触面積にわたる可能な限り浅い液体の深さを有することが望ましい。このようにして、応答時間は短縮され、電気分極は低減され、より低い周波数を使用することが可能であり、漂遊キャパシタンスの影響はかなり低減される。
【0045】
電極における抵抗に対する電気抵抗の増大は、電極間の経路の一部について液体の深さを減少させたり、各電極と液体との間に比較的大きな接触面積を確保する等により、液体が膜と接触するゾーンにおいて電極間の液体を通る電気経路の断面積を制限することによって達成することが可能である。
【0046】
膜における、および電極間における液体の抵抗は、電極間において膜を通過する液体チャネルを画成する構造要素を使用することによって増大させることができる。例えば、そのようなチャネルがエッチングなどによって形成される絶縁室壁部分を横断するように、またはそれに隣接するように膜を配置することによって増大させることができる。同様に、多孔性スペーサを、液体の深さを規定するために、膜と室壁との間に配置することが可能である。
【0047】
実際、そのようなスペーサは、使用時に経験される圧力条件下において、測定されたコンダクタンスが圧力と共に変化するように、膜が十分に柔軟であり、膜より下の液体深度が十分に小さい場合に、使用することが重要である。
【0048】
好ましい構成では、センサは、
縦軸を有するセンサ本体と、
センサ本体の縦軸を横断する方向において間隔をおいて位置する少なくとも2つの電極と、
センサ本体の軸から外方に延び、隣接支持部材間において、電極間の流体経路を提供する少なくとも1つの液体チャネルを画成する複数の支持部材と、
支持部材によって支持され、かつ液体チャネルの外壁を提供する気体透過性膜とを備える。
【0049】
この構成は、患者の組織に挿入されるのに適している縦方向の幾何学的形状を有するコンパクトな構成のセンサを提供する。さらに、支持部材は、物理的支持を膜に提供し、ならびに、精確な測定を可能にする小さい断面積の液体チャネルを画成することができる。
【0050】
上述された電気分極の影響を低減するために、電極は、液体チャネルより大きい断面積を有するセンサ本体の凹みに配置することが可能である。このようにして、電極の回りの電流密度は、液体についてより大きい容積によって低減される。
【0051】
pCO2センサの電極は長手方向に延出していてもよく、例えば、センサ本体の長手軸に平行であってもよい。
【0052】
同様に、液体チャネルは、センサ本体の縦軸に対して垂直など、横方向とすることが可能である。好ましい構成では、pCO2センサは、複数の液体チャネルを備える。例えば、センサは、少なくとも3つの液体チャネルを備えることが可能である。
【0053】
支持部材は、センサ本体の縦軸を横断することが可能である。例えば、支持部材は、周方向においてセンサ本体の縦軸に垂直とすることが可能である。好ましい構成では、支持部材は、センサ本体の縦軸の回りに形成されたリングの形態にある。支持部材の断面は、任意の適切な形状とすることが可能である。具体的には、ほぼ3角形、特にのこぎり歯の断面を有する支持部材が、射出成形によって特に容易に形成されることが判明している。代替として、ほぼ矩形の断面が使用されることが可能である。支持部材は、例えば射出成形によって、センサ本体と一体的に形成することが可能である。センサは、少なくとも4つの支持部材を備えることが好ましい。
【0054】
センサ本体および/またはセンサは、概して円筒とすることが可能である。膜は、センサ本体を囲むように構成することが可能である。
【0055】
記述された幾何学的形状は、任意の適切なセンサに適用することが可能である。好ましい構成では、センサは、pCO2センサである。
【0056】
pCO2センサが液体膜を適所に有して構築される場合、電極は、液体の抵抗が貯蔵と共に著しく変化しないように、不活性材料とする、または不活性材料でめっきすることが好ましい。適切な材料には、白金(特に黒色白金)、金、銀、アルミニウム、および炭素がある。金は、特に好ましい。一般的には、溶媒和イオンを生成しない不活性電極が好ましい。
【0057】
膜は、CO2に対して透過性であり、かつ液体、あらゆる電解質、および水の溶媒に対して本質的に非透過性である任意の材料とすることが可能である。テフロン(登録商標)などのポリテトラフルオロエチレン、シリコーンゴム、ポリシロキサン、ポリオレフィン、または他の絶縁ポリマー膜が、例えば0.5から250μmの厚さにおいて使用されることが可能である。膜が厚くなると、一般にpCO2センサの応答時間は遅くなる。しかし、膜が薄くなると、非一様性または穿孔もしくは他の損傷の危険性が高くなる。しかし、膜の厚さは、1から100μm、好ましくは50から100μmであることが好都合である。
【0058】
本発明のpCO2センサの室の壁は、プラスチックなど、任意の適切な材料とすることが可能である。材料は、放射線滅菌(例えば、ガンマ放射線を使用する)、または熱滅菌(例えば、高圧蒸気滅菌において使用される約121℃の温度を使用する)などの滅菌において通常使用される条件に耐えることができるべきであることが好ましい。熱滅菌の場合、液体は無菌であり、滅菌後にセンサに充填される。室の壁および膜は、自己支持壁およびより薄い気体透過膜を有するように機械加工された、テフロン(登録商標)などの同じ材料とすることが可能である。
【0059】
本発明のpCO2センサは、一般的に比較的安価であり、したがって従来の技術のセンサとは異なり、単一使用装置とすることが可能である。さらに、電極室は、難なく極度に小さくすることができる(小型化が克服し難いインピーダンスの問題を呈示するセンサを含む従来の技術のガラス電極とは異なる)。
【0060】
上記配置によって、人間を含む動物の組織に容易に挿入可能で、モニタ中に組織内に保持可能で、更に、モニタ終了時には容易に取外し可能なpCO2センサが提供される。
【0061】
pCO2センサは、監視される組織に対して不適切な妨害を生じないように十分小さい。その結果、装置は2mm、好ましくは1mmの最大直径とすることができる。
【0062】
センサ装置を使用する上で、温度センサを患者の皮膚に貼るようにしてもよい。しかしながら、本発明の一実施態様では、温度センサは患者の皮膚を通して挿入される形状を成す。特に、温度センサとpCO2センサは、単一のセンサユニットに組み込まれる。換言すると、pCO2センサが温度センサを含むようにしてもよい。
【0063】
血液酸素飽和濃度は、パルス・オキシメトリーによって測定される。したがって、装置はパルス・オキシメトリー・センサを含む。パルス・オキシメトリーでは、患者の血液中におけるオキシヘモグロビンの飽和がヘモグロビンの光吸収を測定することによって決定される。吸収度は、ヘモグロビンが酸素で飽和されているか又は不飽和であるかに依存して相異する。本発明に係る血液酸素化センサは、特に、反射率パルス・オキシメトリー・センサである。換言すれば、このセンサは、患者の血液中の酸素飽和度を決定するために、特定波長の光を患者に照射しこれら波長の反射率を測定するような形状を成す。したがって、酸素化センサは接着パッチによって患者の皮膚に保持されるような形状とするのが都合がよい。
【0064】
センサ装置は、心臓速度専用のセンサを含む。しかしながら、酸素飽和センサと心臓速度センサは、パルス・オキシメトリー・センサによって提供されるのが都合がよい。
【0065】
センサ装置は、それぞれの生理学的パラメータについての複数のセンサを備えることが可能である。例えば、装置は、複数のセンサを並べることができる。そのようなセンサは、二酸化炭素の分圧、酸素の分圧、温度、pH、またはグルコースの濃度などの1つまたは複数を測定するものとすることができる。本発明の好ましい実施形態では、装置は温度センサ、pCO2センサ、心臓速度センサ及び血液酸素化センサを備える。
【0066】
センサ装置によって決定されるpCO2、酸素化及び温度は、測定数値であってもよく、或いは、腐敗症を示す一つ又はそれ以上の閾値より大きい又は小さい数値であることを単に示すものであってもよく、また、数値は測定サイトの位置に従って変化してもよい。
【0067】
センサ装置は、単一の測定に用いられてもよく、より好ましくは、生命維持信号の変化を最初に検知し迅速に処置するために、例えば緊急治療室や集中治療室、又は病棟、又は老人ホームでの危険な患者に対して連続又は反復のモニタに用いられてもよい。
【発明の効果】
【0068】
腐敗症の検知との関係でセンサを説明してきたが、組織内において低炭酸症又は高炭酸症のいずれかを引起す状態を検知するためにセンサが用いられてもよく、すなわち、このような状態は、患者の呼吸パターンを変化させるものであるか、或いは、生成物を増加させるもの又はCO2の照射を低減させるものである。低炭酸症が発見され易い条件は、腐敗症、本質的に腐敗症以外を原因とする発熱、穏やかな心不全、肺性浮腫、急性呼吸困難シンドローム(ARDS)及びあらゆる原因に基づく高喚起を含む。高炭酸症が発見され易い条件は、センサが配置された場所での虚血、出血による循環系の卒中、心臓又は腐敗症を原因とした呼吸不全、ARDS又は慢性のような急性或いは慢性の閉塞性肺嚢病(COLD)を含む。
【0069】
ここで、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して、例としてのみ記述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0070】
本発明によれば、pCO2感知システムは、図1に示されるように、センサ装置50、表面回路ユニット2及びモニタユニット3を備える。センサ装置50は、pCO2センサと温度センサを組み合わせたセンサユニット1、ならびに、二つのパルス・オキシメトリー・センサ54を含む。
【0071】
図7〜10は、本発明の一つの実施態様に係るセンサ装置50を示す。装置50は、二つの反射率パルス・オキシメトリー・センサ54が取付けられる自己−接着性片52を備え、これについては以下に詳述する。パルス・オキシメトリー・センサは、マックスファースト(MAX FAST)接着前部センサとしてネルコール オブ プリーザントン(Nellcor of Pleasanton)、カルフォルニア(California)から商業的に入手可能な型とすることができる。自己−接着性片52には、患者の皮膚に貼るために接着性片52の接着面を出すために接着性片52から剥離される解放片56が設けられる。損傷、汚染又は蒸発を防止するために、センサ装置50のセンサは、殺菌した等浸透圧性のプロピレングリコール水溶液で満たされたチューブ(不図示)でセンサユニット1が包装される。
【0072】
センサ装置50は、指状グリップ60を備えた主軸58を含む。主軸58は、センサユニット1からのケーブル接続6を含む可撓性の鞘(又はカテーテル)62内に収容される。図10に示すように、主軸58はその先端部においてセンサユニット1と係合し、主軸58の指状グリップ60に手で圧力を加えることによって、先の尖ったセンサユニット1が患者の皮膚を通して押し入れられる。このようにして、センサユニット1は、患者の筋肉、例えば患者の脇の下に配置される。
【0073】
pCO2センサユニット1が患者の筋肉に正しく配置されると、図9に示す形態のように、センサ装置50を残したまま主軸58が可撓性の鞘62から引き抜かれる。センサユニット1に接続される鞘62とケーブル6は、所定位置にセンサユニット1があることについて、例え不快感があっても患者がそれを殆ど感じない程に十分に可撓性である。
【0074】
センサユニット1は、患者の皮膚に貼られる接着性片52によって筋肉の所定位置に保持される。同時に、皮膚への接着性片52の接着によって、パルス・オキシメトリー・センサ54が患者の皮膚に対して使用される所定位置に導かれる。患者の血液中の酸素飽和濃度を決定するために、パルス・オキシメトリー・センサ54によって、患者の皮膚からの光の特定波長における反射率が測定される。
【0075】
図7において最も明瞭に示されるように、パルス・オキシメトリー・センサ54及びセンサユニット1からの電気的接続64は、表面回路ユニット2への接続のために接着性片52の長手方向に沿って延びる。これに代わって図9に示すように、表面ユ回路ニット2又はモニタユニット3との交信のために、センサ装置50に無線装置70を設けてもよい。
【0076】
センサ装置50は配達用に包装され、かつ、殺菌される。これは、1ミリメーター未満の直径を有し膜で保護された伝導性測定用センサと、センサユニット1と一体の温度プローブ5を備える。ワイヤ6は、表面回路ユニット2へのコネクタによってセンサ4とプローブ5を電気的に接続する。
【0077】
表面回路ユニット2は、センサ装置50に信号を送信し、またセンサ装置50から信号を受信する。表面回路ユニット2は患者の皮膚の上に配置され、センサユニット1からの信号処理を実施し、調整信号をモニタユニット5に送信する。
【0078】
モニタユニット3は、PCMCIA入力/出力カード8を有する携帯式パーソナルコンピュータ7、およびラボビューソフトウェア(ナショナルインスツルメンツコーポレーション(National Instruments Corporation[テキサス州オースチン在])から入手可能)に基づく。
【0079】
pCO2センサ4は、図2に示される測定原理に従って、流体のCO2のレベル(分圧)(pCO2)を測定するために使用される。測定室は、2つの小さい空洞9からなり、1つの電極10がそれぞれに配置される。2つの空洞9は、非透膜12、すなわちCO2をセンサ4の容積内外に輸送することのみを可能にする膜によって封入された1つまたは複数の通路11によって接続される。全容積が、脱イオン水と5%プロピレングリコールで充填される。水の導電率は、pCO2に依拠し、容積の電極10間の導電率を測定することによって、pCO2に関する情報を取り出すことができる。
【0080】
図3から5に示されるように、センサユニット1は、射出成形プラスチック支持体23を備え、これは、ほぼ円筒であり、非透膜12によって囲まれる。支持体23は、遠位端部の円錐先端24、および先端24から近位に延びる本体部分25を有する。本体部分25の上に、接着によって、2つの金の電極10が取り付けられる。電極10は、本体部分25の両側に沿って縦方向に延び、本体部分25のそれぞれの凹みによって受けられる。
【0081】
先端24と本体部分25との間に、摩擦嵌めによって膜12を固定するためのフラストコニカル突出部26が提供される。対応する突出部26が、本体部分25の近位端部において提供される。膜12は、支持体23に接着することが可能であるが、膜12および電極10を固定するために使用される接着剤は、支持体23の本体部分25と膜12との間に形成される水充填室にイオンを放出しないように選択されることが重要である。さらに、支持体23の封止面は、イオンが中に放出されることが可能である水フィルムの形成を回避するために、選択的に疎水性とすることが可能である。
【0082】
膜12は、必要であれば、クリンプ接続および柔軟ガスケットによって支持体23に固定することも可能である。具体的には膜12がシリコーンゴムで形成される場合、膜12は、ガスケットとして作用することが可能である。図6における場合のように、熱収縮スリーブが、クリンプ接続を形成するために使用されることが可能である。これに代わって、金属クリンプリングが、封止突出部26の位置に対応する位置において使用されることが可能である。
【0083】
支持体23の本体部分25は、複数のリブ27を備え、これは、容易に成形されるようにのこぎり歯の輪郭を有して形成される。リブ28は、機械的支持体を膜12に提供し、また、センサ4が有効に機能するために必要な流体通路11を画定する。各電極10とリブ27間に形成される流体通路との間に、電極10が配置される凹みによってリザーバ9が形成される。リザーバ9は、電気分極の影響を低減するために、電極10の回りに比較的低い電流密度の領域を提供する。
【0084】
製造中、膜12は、支持体23の上に固定され、一方、脱イオン水とプロピレングリコール溶液に浸漬され、それにより、膜12、電極10、およびリブ27によって境界を画定される室は、液体で完全に充填される。このようにして、この室は、図2に概略的に示されるように、pCO2センサを形成する。
【0085】
センサ1は、2つ以上の感知室を含むことが可能である。例えば、壁によって分離された2つの平行な電極10が、支持体23の両側に提供されることが可能である。それにより、感知室が、支持体23の上のリブ27間の流体通路11を介して、支持体23の一方の側の1つの電極10と支持体23の他の側の電極10の1つとの間に形成される。対応する感知室が、残りの電極10と支持体11の底面の流体通路11との間に提供される。センサからの電気信号が、両方の室の導電性を反映するように、これらの室のそれぞれからの電極10が、他の室からの対応する電極に電気的に接続されることが可能である。
【0086】
支持体23の近位端部に、熱電対の形態の温度センサ5が埋め込まれる。温度センサ5は、pCO2を補正計算し、かつ、医療診断のための情報を伝える測定された組織の温度をモニタ3に表示するために使用される。温度センサ5は、33〜42℃の最小測定範囲および+/−0.2℃の最低精度を有する。
【0087】
リボンケーブル6が、電極10および温度センサ5に電気的かつ機械的に接続される。電極10は、リボンケーブル6の導体の延長部として形成される。代替として、電極は、支持体23の上にめっきすることによって形成することが可能である。ケーブル6と支持体23への接続とが十分の強い場合、ケーブル6は、センサユニット1をその使用位置から引くために使用することができる。代替として、ケブラー線が、強い外部機械接続を提供するために、リボンケーブル6と統合されるなどして提供されることが可能である。
【0088】
膜12は、ケーブル6の回りにカテーテルを形成するために、ケーブル6と共に支持体23から近位に延びることが可能である。代替として、別のカテーテル28が提供されることが可能である。この場合、カテーテル28は、電極10および膜12の近位において支持体23に結合される。
【0089】
図6に示されるように、カテーテル28は、センサユニット1を組織において適所に固定するために、複数のスリット29を備えることが可能である。スリット29は、カテーテル28が、ケーブル6(またはケブラー線)に対して遠位に(図6の矢印Bの方向において)押されるとき、スリット29間のカテーテル28の部分30が外向きに強制され、図6に透視図で示される形状を想定するように構成される。カテーテル28の径方向突出部分30は、それが埋め込まれる組織においてセンサユニット1を保持する。カテーテル28とケーブル6との相対位置は、センサユニット1が組織から取り外される時間まで、ロッキング機構(図示せず)で維持することができる。このとき、ロッキング機構を解放することができ、カテーテル28の部分30は弛緩位置に戻り、それにより、センサユニット1は、組織から取り外すことができる。
【0090】
4週間迄の期間、上述の病気の処置及び条件の影響を検知しモニタするpCO2を測定するために、一体のセンサ4を有するカテーテルの先端が、組織内の0.5〜4cmに配置される。
【0091】
センサユニット1は、1mmの最大直径を有し、カテーテルの先端からセンサ要素までの最大距離は、2mmである。センサ4は、2〜25kPaの最小pCO2測定範囲を有し、検出可能なpCO2の最小差は0.2kPaである。センサ4の最大応答は、20秒である。流体室の任意の領域における最大可能測定電流は、j<1mA/cm2であり、一方、測定入力電圧が50mV RMSを超えないようなものである。
【0092】
電極10は金めっきされ、全面積は約0.3mm2である。測定周波数fmeasは、100Hzより高くあるべきである。より低い周波数では、測定室の分極の影響が測定を左右する。10kHzより高い周波数では、低インピーダンスのキャパシタンスが、重要事項になる。測定抵抗R_measureは、500kOhmから7MOhmの範囲にある。
【0093】
センサ4は、5cmと1メートルとの間の長さを有するリボンケーブル6によって、患者の皮膚の上に配置された電子表面ユニット2に電気的に接続される。ケーブル/カテーテルの最大直径は、1mmである。ケーブル/カテーテルは、付近の組織および臓器を過度に妨害しないように、柔らかく柔軟である。ケーブル/カテーテルおよびその接続も、正常な使用および「異常」な使用の両方によって生じることがある強い引っ張り力に耐えるように十分に頑強である。
【0094】
滅菌、貯蔵、および輸送中、センサユニット1は、センサリザーバからの水の正味の損失が実質的にないことを保証するために、脱イオン化され、かつ無菌でエンドトキシンのない水によって覆われる。
【0095】
図11〜15は、本発明の他の実施態様に係るセンサ装置50を示す。他に示す場合以外は、この実施態様の形態は、図7〜10に関して説明したセンサ装置におけるものと同じである。従前の実施態様におけるように、装置50は、二つの反射率パルス・オキシメトリー・センサ54及びセンサユニット1が取付けられた上述のような自己−接着性片52を備える。自己−接着性片52には、患者の皮膚に貼るために接着性片52の接着面を出すために接着性片52から剥離される解放片56が設けられる。損傷、汚染又は蒸発を防止するために、センサ装置50のセンサは、殺菌した等浸透圧性のプロピレングリコール水溶液で満たされた殺菌水充填チューブ72(不図示)でセンサユニット1が包装される。
【0096】
センサ装置50は、指状グリップ60を備えたU字断面の挿入針74を含む。包装されたセンサ装置50では、センサユニット1及びこれに接続されたケーブル接続は、挿入針74のU字溝内に収容される。保護チューブ72が取り外されると、指状グリップ60に手で圧力を加えることによって、挿入針74は患者の皮膚を通して押し入れられる。次いで挿入針74は、図14に示される一般的な形態において、患者の筋肉内に配置されたセンサユニット11を残したまま、センサ装置50から取り外され出される。挿入針74のU字によって、センサユニット1へのケーブル接続から針を引き抜くことによって針の係合が解かれる。
【0097】
図13は、挿入針74とセンサ装置50との間の接続の詳細を示す。図13に示すように、U字断面の挿入針74は、指状グリップ60内に型成形される。センサ装置50はプラスチックハウジング76を備え、このプラスチックハウジング76は自己−接着性片52上にあってこれに設けられた孔と係合する。プラスチックハウジング76は、自己−接着性片52に結合される。プラスチックハウジング76の中央において、挿入針74を通す貫通孔が設けられる。プラスチックハウジング76の上にあって、挿入針74を通す中央孔を備えたディスク形状の金属ガイド78が、プラスチックハウジング76に結合される。金属ガイド78の中央孔は挿入針74の断面に対応するU字形状を有し、この中央孔によって挿入針74が所定位置に保持され、その結果、挿入針74が回転することなく、かつ、センサユニット1へのケーブル接続6に対する損傷も生じない。センサユニット1からのケーブル接続6は、金属ガイド78とプラスチックハウジング76との間において挿入針74から通しており、金属ガイド78に接着された保護鞘62によって囲まれている。金属ガイド78とプラスチックハウジング76の貫通孔は、金属ガイド78上に設けられ、かつ、挿入針74を通すシリコーン膜80によって閉じられる。挿入針74が取り外される際に、シリコーン膜80は貫通孔を封ずるために弾性的に変形する。
【0098】
図13に示すように、センサ装置50に対してチューブ72を封ずるために、カバーチューブ72スナップの玉縁リム82が、プラスチックハウジング76の凹部に嵌合する。センサユニット1を患者の筋肉に挿入する際に、挿入針74を露出させるためにチューブ72がセンサ装置50から取り外される。
【0099】
図1および2に示されるように、電子表面ユニット2は、正弦波生成装置13を備え、これは、少なくとも5ボルトの電圧および50mVの電流供給を提供し、電池14によって給電される。フィルタ15が、ロックイン増幅器16の入力をフィルタにかける、または平均するために提供される。電流の消費を低減する受動フィルタを使用することができる。前置増幅器17が、電解質の影響を低減するために、信号からDC電流を除去するように、サーボ機構と組み合わされる。サーボ構成によれば、前置増幅器の出力は、低域通過フィルタを介して入力に再び供給される。したがって、出力のDC構成要素のみが再び供給され、pCO2センサにより引き出されたあらゆるDC電流を消去する。このようにして、電極を劣化させるDC電流がpCO2センサを流れないことが保証される。このステージにおいて使用される演算増幅器は、最小電流を消費し、大きなCMMR値を有する。同時に、偏向電流は最小である。ロックイン増幅器16が、センサ4からのAC信号を増幅する。これは、1kHzより小さい周波数における信号検出のために、少なくとも1%の精度を有する演算増幅器で、またはICパッケージを使用して、構築することが可能である。光カプラまたはコイルカプラなどの直流電気分割19が、モニタユニット3および関連するケーブル18からの雑音伝達を防止するために提供される。光カプラが、雑音信号比のために通常用いられる。温度信号増幅および調節ユニット20が、温度センサ5からの信号を増幅するために提供される。電子ユニット2は、充電可能で交換可能な標準的なタイプの電池14によって給電される。電池の容量は、14日の連続監視に十分である。表面ユニット2は、オン/オフインジケータLED21および電池状況インジケータ(図示せず)をも備える。表面ユニット2とモニタ3との通信は、遮蔽ケーブル18によるアナログである。しかし、表面ユニット2は、表面ユニット2とモニタ3との間の通信が、デジタルワイヤ伝送またはデジタル無線伝送によるなど、デジタル方式とすることが可能であるように、アナログデジタル変換器を含むことが可能である。ケーブル18は、少なくとも4mの長さで軽量かつ柔軟である。
【0100】
図1および2に示されるように、AC電流が、正弦波生成装置13によって生成され、pCO2センサ電極10のうちの1つおよびロックイン増幅器16に供給される。他のpCO2電極10からの高域通過信号は、フィルタ15を経て低雑音増幅器17に進み、低雑音増幅器17からロックイン増幅器16に進み、そこで、正弦波生成装置13によって生成される基準信号と比較される。信号の位相のずれている成分、すなわち望ましくない成分は拒否され、信号の残りの部分は増幅される。増幅された信号は、pCO2(またはコンダクタンス)に比例し、記録またはさらなる操作のためにモニタ3に渡される。
【0101】
表面ユニット2はまた、患者の皮膚に電気的に接続される基準電極(図示せず)に電気的に接続される。基準電極からの信号は、患者によって生成される電磁雑音の影響について、センサユニット1からの信号を補償するために使用することができる。
【0102】
単一表面ユニット2は、いくつかのセンサユニット1からの信号を受信して、多重化出力をモニタユニット3に提供することが可能である。
【0103】
モニタユニット3は、CD RWおよびIRポートを含む携帯式PC7、ならびに少なくとも4つの異なる表面ユニット2から同時に信号を収集することができるPCMCIA I/Oカード8を備える。PCMCIAカード8は、統合された非直流電気結合を有することが可能である。モニタユニット3の電源22は、110Vおよび230Vの両方で動作する医療用に承認されたタイプである。
【0104】
モニタユニット3のソフトウェア機能は、ラボビューにおいて実施することが可能であり、これは、ナショナルインスツルメンツ[テキサス州オースチン在]から入手可能であり、最高で4つの異なる表面ユニットに同時に対処することができる。ソフトウェアは、3つの較正点および2次較正機能を有するセンサの較正機構を提供する。ソフトウェアは、あらゆる他の数の較正点および較正機能のタイプを支援するように修正することができる。ソフトウェアは、確定された時間間隔にわたってセンサ4からの信号を滑らかにする機構をも有する。測定値についての少なくとも2つの警告レベルおよび勾配についての2つの警告レベルを有することが可能である。測定値の勾配は、個々の確定された時間間隔について計算される。警告は、可視および可聴の両方である。他の警告を活動させながら、1つの警告表示を停止することが可能である。モニタ3は、すべての測定値、パラメータ設定、およびセッションにわたる警告をログすることができる。30秒のログ間隔で、少なくとも10の2週間セッションの記憶容量がハードディスクに存在するはずである。セッションログは、マイクロソフトエクセルによって可読であるフォーマットで書込み可能CDに保存することができる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明におけるこの実施態様に係るセンサ装置50は、単一装置で、患者の筋肉内のpCO2、温度及び血中酸素の測定を提供することができる。この情報のもとに、医師は、数ある条件の中で患者の腐敗症の兆候を迅速かつ正確に確認することができる。
【0106】
本明細書では、特にpCO2測定に言及してセンサ装置について説明したが、このセンサ装置の一般的な形態は、他の生理学的センサ、例えば体温、酸素分圧、pH又はグルコース濃度のためのセンサに用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明のセンサを組み込む完全感知システムの概略図である。
【図2】図1のシステムのセンサについて測定原理を示す概略図である。
【図3】本発明によるpCO2センサの部分破断図である。
【図4】図3の線A−Aに沿った断面図である。
【図4a】図4の円によって示される詳細の拡大図である。
【図5】膜が除去されている図3のセンサの図である。
【図6】取付け機構が見えるようにした、図3におけるpCO2センサの変形を示す。
【図7】本発明の一実施態様に係るセンサ装置の平面図である。
【図8】図7のセンサ装置の側部部分断面図である。
【図9】図7及び図8のセンサ装置の、使用位置における側面図である。
【図10】図7及び図8のセンサ装置の、pCO2及び温度センサの拡大図である。
【図11】本発明の他の実施態様に係るセンサ装置を示す。
【図12】図11のセンサ装置の部分断面斜視図である。
【図13】図11及び図12のセンサ装置の詳細断面図である。
【図14】挿入針を備えていない図11〜13のセンサ装置の平面図である。
【図15】図14の位置にあるセンサ装置の斜視図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素の分圧(pCO2)を測定するセンサと、身体温度センサと、心臓速度センサと、酸素飽和センサとを組合せた生理学的感知装置。
【請求項2】
前記pCO2センサが患者の皮膚を通して挿入される形状を成す、請求項1に記載の感知装置。
【請求項3】
前記温度センサが患者の皮膚を通して挿入される形状を成す、請求項1又は2に記載の感知装置。
【請求項4】
前記温度センサとpCO2センサが患者の皮膚を通して挿入されるセンサユニットによって提供される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感知装置。
【請求項5】
pCO2センサの挿入に際して患者の皮膚に刺す尖った先端を備える、請求項2〜4のいずれか一項に記載の感知装置。
【請求項6】
患者の皮膚を通して挿入される形状を成すpCO2センサと、当該pCO2センサの挿入に際して患者の皮膚に刺す尖った先端とを備える生理学的感知装置。
【請求項7】
前記pCO2センサが患者の皮膚を通して挿入される位置にある際に、前記尖った先端が取外し可能な中空針によって提供される、請求項5又は6に記載の感知装置。
【請求項8】
前記酸素飽和センサが、患者の皮膚の表面に貼られる形状を成す、請求項1〜7に記載の感知装置。
【請求項9】
前記心臓速度センサ及び酸素飽和センサが、パルス・オキシメトリー・センサによって提供される、請求項8に記載の感知装置。
【請求項10】
患者の皮膚に貼られるための接着パッチを備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の感知装置。
【請求項11】
生理学的感知装置であって、患者の皮膚を通して挿入される形状を成すpCO2センサと、当該pCO2センサを所定位置に保持するために当該装置を患者の皮膚に貼るための接着パッチとを備える生理学的感知装置。
【請求項12】
前記pCO2センサが、二酸化炭素が透過可能な膜によって少なくとも一部が画成された室であって、電解質を実質的に含有しない液体と少なくとも二つの電極とを収容する室を備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の感知装置。
【請求項1】
二酸化炭素の分圧(pCO2)を測定するセンサと、身体温度センサと、心臓速度センサと、酸素飽和センサとを組合せた生理学的感知装置。
【請求項2】
前記pCO2センサが患者の皮膚を通して挿入される形状を成す、請求項1に記載の感知装置。
【請求項3】
前記温度センサが患者の皮膚を通して挿入される形状を成す、請求項1又は2に記載の感知装置。
【請求項4】
前記温度センサとpCO2センサが患者の皮膚を通して挿入されるセンサユニットによって提供される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感知装置。
【請求項5】
pCO2センサの挿入に際して患者の皮膚に刺す尖った先端を備える、請求項2〜4のいずれか一項に記載の感知装置。
【請求項6】
患者の皮膚を通して挿入される形状を成すpCO2センサと、当該pCO2センサの挿入に際して患者の皮膚に刺す尖った先端とを備える生理学的感知装置。
【請求項7】
前記pCO2センサが患者の皮膚を通して挿入される位置にある際に、前記尖った先端が取外し可能な中空針によって提供される、請求項5又は6に記載の感知装置。
【請求項8】
前記酸素飽和センサが、患者の皮膚の表面に貼られる形状を成す、請求項1〜7に記載の感知装置。
【請求項9】
前記心臓速度センサ及び酸素飽和センサが、パルス・オキシメトリー・センサによって提供される、請求項8に記載の感知装置。
【請求項10】
患者の皮膚に貼られるための接着パッチを備える、請求項1〜9のいずれか一項に記載の感知装置。
【請求項11】
生理学的感知装置であって、患者の皮膚を通して挿入される形状を成すpCO2センサと、当該pCO2センサを所定位置に保持するために当該装置を患者の皮膚に貼るための接着パッチとを備える生理学的感知装置。
【請求項12】
前記pCO2センサが、二酸化炭素が透過可能な膜によって少なくとも一部が画成された室であって、電解質を実質的に含有しない液体と少なくとも二つの電極とを収容する室を備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の感知装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4a】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図4a】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2008−512162(P2008−512162A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530764(P2007−530764)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【国際出願番号】PCT/GB2005/003461
【国際公開番号】WO2006/027586
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(506175161)アラーティス メディカル エイエス (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【国際出願番号】PCT/GB2005/003461
【国際公開番号】WO2006/027586
【国際公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(506175161)アラーティス メディカル エイエス (3)
【Fターム(参考)】
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