説明

センターシール部の折り曲げ装置およびピロー包装機

【課題】 シール幅に関係なくセンターシール部を確実に根本付近から折り曲げることができるようにすること
【解決手段】 一定の間隔をおいて配置される一対の第1,第2板状部材43,44を備え、両板状部材の間に形成される隙間45内をセンターシール部40が通過するようにする。隙間は、入口側の第1直線通路45aと出口側の第2直線通路45cとを横方向に所定距離だけずらすとともに、両通路を傾斜通路45bで繋ぐようにした。センターシール部は、隙間内を移動することで、傾斜通路45bに至ると、直進移動が妨げられ、上板42の上面側に押し上げられて折り曲げが完了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センターシール部の折り曲げ装置およびピロー包装機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
包装機の一形態であるピロー包装機は、以下のような構成を備えている。まず、原反ロールに巻き取られた帯状フィルムを連続して製袋器に供給し、その製袋器を通過させる際に筒状に製袋された筒状フィルムを形成する。また、この製袋器の上流側には被包装物搬送供給装置を配置し、その被包装物搬送供給装置から所定間隔毎に搬送される被包装物が、製袋器内に供給される。これにより、被包装物が製袋器内を通過すると、筒状フィルム内に所定間隔毎に収納されることになり、その被包装物は筒状フィルムとともに搬送される。そして、その搬送方向に沿って、センターシール装置並びにエンドシール装置が配置されている。センターシール装置は、筒状フィルムのフィルム重合端をシールするものである。エンドシール装置は、筒状フィルムを進行方向横方向(前後の被包装物が存在していない部分)にシールするとともに、カットすることで、先端の被包装物が収納された筒状フィルムの部分を後続の筒状フィルムから分離し、包装体を製造するようになる。
【0003】
ところで、センターシール装置では、フィルム重合端を筒状フィルムの筒状の本体部分の上方あるいは下方に垂直方向に突出させた状態で、左右からセンターシーラで挟み込んで加熱すると共に加圧して熱シールしてセンターシール部を形成する。その後、そのセンターシール部を含んで、エンドシール装置にて筒状フィルムを横方向にシールすると共にカットすることから、事前に、センターシール部を折り曲げて水平にし、筒状の本体部分に沿うようにしている。
【0004】
係るセンターシール部の折り曲げ機構の一例として、図1に示すようなものがある。すなわち、センターシール装置1は、被包装物2を内包する筒状フィルム3の搬送面を構成する上板4の下方に設けられる。上板4は、所定の間隔を置いて配置された二枚の帯板を備え、その二枚の帯板の間に上下に開口する隙間4aが形成される。フィルム重合端は、その隙間4aから上板4の下方に突出し、センターシール装置1にて熱シールされてセンターシール部5が形成される。
【0005】
センターシール装置1の下流側であって、上板4の下面所定位置、つまり、隙間4aに近接する位置に折曲げ板6を設けている。折曲げ板6は、への字に折り曲げられた三角形の板をフィルム搬送方向の上流側に頂点が向くように取り付けられており、図2(a),(b)に示すように、折曲げ板6の傾斜によって、徐々にセンターシール部5を折り曲げるようにしている。これにより、図2(c)に示すように、この上板4の下流側に続く搬送コンベア装置7にて搬送される筒状フィルム3には、折り曲げられたセンターシール部5は、筒状フィルム3の本体と平行に沿うようになり、筒状フィルム3の本体と搬送コンベア装置7との間に挟まれた状態でそのまま搬送されることになる。この種の装置は、たとえば特許文献1(図2等参照)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−289461
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来の装置では、以下に示す問題がある。すなわち、折曲げ板6を上板4の下側に取り付ける構造であるために上板4の厚み分、ピロー包装体のセンターシール部5の際からセンターシール部6を折り曲げることができない。特に、図3に示すように、センターシール部5が短いピロー包装体の場合には、前記理由により折曲げ板6によってセンターシール部5を確実に折曲げることができない。フィルム端部を接着されたフィルムの腰により、被包装物2が持ち上げられる形となり、センターシール部5を折り曲げることができないといった課題がある。また、被包装物2の重量が軽いものにおいても、このような傾向が見られる。
【0008】
また、従来の方法では、センターシール部5を折曲げ板6の傾斜部分によって略垂直状態のセンターシール部5を急激に折り曲げているため、センターシール部5が上板4の下方に引っ張られる傾向にある。その結果、センターシール部5の上側でセンターシール部5が折曲げられてしまうことになる。その後、センターシール装置1の下流側に設けられたエンドシール装置によって、エンドシールを行うのであるが、前記折曲げられたセンターシール部5には未シール部分8が存在する為、エンドシール部の前記未シール部分8からシール漏れを起こすおそれがあるといった課題がある。
【0009】
さらに、特許文献1の従来には、センターシーラの熱の影響を軽減させたものとして、3枚の板を重ねることで構成した中空構造の上板が開示されている。しかし、別途冷却装置が必要であり、装置が大型化するといった課題がある
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明は、(1)連続して供給される帯状フィルムを筒状に形成するとともに、その帯状フィルムの両側端縁部を重ね合わせたフィルム重合端に対して熱シールして形成されるセンターシール部を折り曲げる折り曲げ装置であって、一定の間隔をおいて配置される一対の板状部材を備え、その一対の板状部材の間に形成される隙間内を前記センターシール部が通過するようにし、その隙間の入口側と出口側の位置が、前記筒状フィルムの進行方向に対して直角方向にずれるとともに、前記センターシール部の前記筒状フィルムの進行方向に沿った直進移動を妨げて前記センターシール部の先端側を前記直角方向にずれた前記出口側へ案内する通路部を有するように構成し、前記通路部が、前記センターシール部を形成するセンターシール装置の下流側に位置するように配置する構成とした。通路部は、実施形態の傾斜通路45bに対応する。実施形態では、通路部(傾斜通路)は1本の直線的な形状を取っているが、適宜の折れ線状としたり、湾曲・カーブさせるようにするなど、各種の形態を取ることかできる。
【0011】
センターシール部は、隙間内を移動する。そして、通路部に至ると、筒状フィルムの本体部分は前進移動するが、センターシール部は通路部により筒状フィルムの進行方向と同一方向に直進するのが妨げられ、センターシール部の先端(実施形態の下端)は出口側である位置ずれした横方向(斜め前方)に移動することにより、徐々にセンターシール部が押し上げられ、最終的にセンターシール部が折り曲げられるため、スムーズに折り曲げ処理が完了する。
【0012】
(2)前記入口側と出口側のずらす距離は、前記センターシール部のシール幅以上にするとよい。このようにすると、傾斜通路を通過したセンターシール部は、確実に板状部材と筒状フィルムとの間に位置し、きれいに折り曲げることができる。
【0013】
(3)前記隙間は、入口側の第1直線通路と出口側の第2直線通路と、前記筒状フィルムの進行方向に対して傾斜する傾斜通路とを備え、前記傾斜通路が前記通路部を構成し、前記第1直線通路と前記第2直線通路は、前記筒状フィルムの進行方向と平行に形成されるとよい。
【0014】
(4)前記一対の板状部材の少なくとも一方の表面には断熱塗料が塗布されているとよい。少なくとも一方の表面であるので、断熱塗料は、両面に塗布してももちろん良い。このようにすると、簡単な構成でもって筒状フィルムに内包される被包装物へのセンターシール装置からの熱の影響を軽減することができる。
【0015】
(5)本発明のピロー包装機は、連続して供給される帯状フィルムを筒状に形成する手段と、筒状に形成された前記帯状フィルムの両側端縁部を重ね合わせたフィルム重合端熱シールするセンターシール装置と、前記通路部が前記センターシール装置よりも下流側に位置するよう配置された上記の(1)〜(4)のいずれかのセンターシール部の折り曲げ装置と、そのセンターシール部の折り曲げ装置の下流側に配置され、前記筒状フィルムの幅方向にシール・カットを施すエンドシール装置とを備えて構成した。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、ピロー包装体のセンターシール部が短い場合であっても、センターシール部を確実に折り曲げることができる。また、センターシール部の根元(筒状フィルムの本体との境界部分)よりセンターシール部を折曲げることができるため、センターシール部の未シール部分が無くなり、その後のエンドシール装置により筒状フィルムを横方向にシールして形成されるエンドシール部からのシール漏れを防止することができる。
【0017】
さらに、断熱塗料を塗布した構成を採ることで、別途冷却装置を必要とすることなく、同様な効果を得ることが出来る。これにより、板状部材の厚みを薄くできるため、包装体をタイトに包装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来例を説明する図である。
【図2】従来例を説明する図である。
【図3】従来例を説明する図である。
【図4】本発明の好適な一実施形態を示す全体図である。
【図5】(a)は本発明の要部を示す平面図であり、(b)はそのa−a矢視断面図である。
【図6】(a)は図5(a)におけるb−b矢視断面図であり、(b)は図5(a)におけるc−c矢視断面図であり、(c)は図5(a)におけるd−d矢視断面図である。
【図7】本発明の変形例の要部を示す平面図である。
【図8】(a)は図7におけるa−a矢視断面図であり、(b)は図7におけるb−b矢視断面図であり、(c)は図7におけるc−c矢視断面図である。
【図9】変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図4から図6は、本発明の好適な一実施形態を示している。本実施形態の横ピロー包装機10は、包装機本体11と、その包装機本体11に対して帯状の包装フィルムを連続して供給するフィルム供給装置12と、包装機本体11の上流側に配置され、その包装機本体11に対して被包装物13を所定間隔毎に供給する被包装物搬送供給装置14とを備えている。
【0020】
フィルム供給装置12は、帯状フィルム15をロール状に巻き取った原反ロール16に対し、図示省略する駆動モータ(サーボモータ等の速度制御可能なモータ)の出力を連係し、原反ロール16の回転速度を適宜制御しながら一定速度で包装機本体11に供給する。また、原反ロール16から包装機本体11に至る所定位置に各種のローラを配置し、原反ロール16から送り出された帯状フィルム15は、そのローラに掛け渡されることで、所定の経路を通って包装機本体11に導かれる。もちろん、本発明では、必ずしも原反ロール16に駆動モータを連係する必要はなく、包装フィルムの搬送経路上にフィードローラを設け、引き出すようにしても良い。
【0021】
被包装物搬送供給装置14は、前後に配置されたスプロケット17(図では、進行方向前方のみ記載)と、その複数のスプロケット17に掛け渡されたエンドレスチェーン18と、そのエンドレスチェーン18に所定ピッチ毎に取り付けられた複数の押送フィンガー19とにより構成される。これにより、被包装物13の後面に押送フィンガー19が突き当たると、押送フィンガー19の移動に伴い、被包装物13も前進移動する。
【0022】
包装機本体11は、供給される帯状フィルム15を筒状フィルム21に製袋する製袋器20と、その製袋器20の下流側に配置されたセンターシール装置24と、そのセンターシール装置24の下流側に配置され、筒状フィルム21を搬送するベルトコンベア23と、ベルトコンベア23の上方に配置された上側抑えベルト25と、ベルトコンベア23の下流側に配置されたエンドシール装置30と、エンドシール装置30の下流側に配置された搬出コンベア26と、を備えている。
【0023】
製袋器20は、フィルム供給装置12から連続して供給される帯状フィルム15を通過させることで、帯状フィルム15の両側端縁部15a同士を接触(重合)させるとともに、筒状となった筒状フィルム21に製袋するものである。また、被包装物搬送供給装置14から包装機本体11に対して順次供給される被包装物13は、製袋器20内に挿入される。これにより、製袋器20に供給された被包装物13は、筒状フィルム21内に所定間隔ごとに配置されることになる。
【0024】
センターシール装置24は、重合された帯状フィルム15の両側端縁部15aをシールする。すなわち、本実施形態では、製袋器20を通過することで帯状フィルム15の両側端縁部15aは、筒状フィルム21の下側に突出するように形成される。そこで、センターシール装置24は、筒状フィルム21の搬送面より下側の所定位置に設置される。このセンターシール装置24は、一対の円盤状のセンターシーラ24aを備え、この一対のセンターシーラ24aにて帯状フィルム15の両側端縁部15aを両側から所定の圧力で挟み込みながら加熱することで熱シールする。これにより、当該両側縁部15aは、熱シールされて一体化されセンターシール部40となる。また、このセンターシール装置24の上流側であって、製袋器20との間には、ピンチローラ33が設けられ、このピンチローラ33にて、帯状フィルム15の両側端縁部15aを挟み込むとともに搬送力を与え、その両側端縁部15aを次段のセンターシール装置24へ安定して導くようになっている。
【0025】
上側抑えベルト25は、エンドシール装置30の上流側の直近に配置されており、筒状フィルム21内の被包装物13が上方に持ち上がるのを抑制し、水平状態を保持しながら搬送できるようにしている。
【0026】
エンドシール装置30は、筒状フィルム21に対し、進行方向と直交する方向、つまり、横断する方向にシールすると共にカットするものである。そのシール・カットするフィルム部位は、前後の被包装物13の間の所定位置である。これにより、エンドシール装置30を通過することで、筒状フィルム21の先頭部分は、後続から分離され、包装体27が製造される。
【0027】
センターシーラ24aの下流側近傍に、センターシール部40を折り曲げる折り曲げ装置(機構)を設けている。すなわち、図4,図5に示すように、センターシール装置24とピンチローラ33の上方には、搬送面を構成する上板42が設けられている。この上板42は、製袋器20の下流側直近に配置される。そして、図5に示すように、上板42は、平板状の第1,第2板状部材43,44から構成される。この第1,第2板状部材43,44は、筒状フィルム21の進行方向に沿って、左右両側に所定の距離をおいて、同一水平面上に配置されている。この第1,第2板状部材43,44の間は、所定幅の隙間45が形成される。この隙間45の下方にて、センターシール装置24の一対のセンターシーラー24a同士が接触し、ピンチローラ33も接触するレイアウトをとる。
【0028】
この隙間45は、筒状フィルム21の進行方向に沿って前後並びに上下に開口され、帯状フィルム15の両側端縁部15aを重ね合わせたフィルム重合端が、上板42の上流側の入口からこの隙間45内に進入し、隙間45にガイドされてそのまま前進移動し、その移動途中でセンターシール装置24にて熱シールされてセンターシール部40となり、そのセンターシール部40が隙間45内を進み下流側の出口から搬出される。
【0029】
そして、第1,第2板状部材43,44の対向側側面(側縁)の形状を、下流側で筒状フィルム21の進行方向に対して所定角度で傾斜する傾斜面43b,44bを設けた。これにより、隙間45は、上板42の入口側の第1直線通路45aと、上板42出口側の第2直線通路45cは、筒状フィルム21の進行方向と直交する左右(横)方向に所定量だけ位置をずらすとともに、それら第1,第2直線通路45a,45cを?ぐ傾斜通路45bを備えた形状となる。第1,第2直線通路45a,45cは、筒状フィルム21の進行方向と平行にしている。
【0030】
本実施形態では、上述したように、帯状フィルム15の両側端縁部15aを重ね合わせたフィルム重合端が上板42の入口側の隙間45の第1直線通路45aに案内され、筒状フィルム21の搬送方向と同一方向に安定して進み、その途中でセンターシール装置24にて熱シールされてセンターシール部40となる。このセンターシール部40は、さらに隙間45に沿って移動する。すると、センターシール部40は、傾斜通路45b至り、傾斜面43b,44bにより筒状フィルム21の搬送方向と同一方向への直進移動が妨げられ、その傾斜面43b,44bに案内されて傾斜通路45bに沿って斜め前方へ進もうとする。しかし、筒状フィルム21の本体部分は、直進移動するため、センターシール部40の上端、つまり、筒状フィルム21の本体との境目部分は、第1直線通路45aの延長線上を移動することになる。
【0031】
その結果、図6に示すように、センターシール部40が傾斜通路45bに沿って移動しようとして、その下端が徐々に上記の境目部分(第1直線通路45aの延長線上)から外側に移動しながら上方(筒状フィルム21の本体側)に上昇し、センターシール部40が押し上げられる(図6(b)参照)。そして、最終的に、図6(c)に示すように、センターシール部40が第2直線通路45cに至ったときには、センターシール部40の折り曲げが完了する。本実施形態では、第1直線通路45aと第2直線通路45cのフィルム流れ方向に対して直角方向にずらす量をセンターシール部40の長さ(境目部分から下端までの長さ:シール幅)以上としたため、図6(c)に示すように、少なくとも、センターシール部40が第2直線通路45cに位置したときには、センターシール部40の下端、つまり、センターシール部40の全体が隙間45から離脱して上板42の上面側に移動し、筒状フィルム21の本体に沿うようになる。このように、傾斜通路45bによってセンターシール部40はスムーズに折り曲げられることになる。
【0032】
また、このように、センターシール部40の移動をガイドする隙間45の経路を、従来の一直線上のものから、センターシール部40の直進を抑制する傾斜通路45bを設ける構成を採ったことでセンターシール部40を徐々に折り曲げるようにしたので、センターシール部40の境目部分の付近から折り曲げることができると共に、上板42の上面側にまでセンターシール部40を確実に移動させることで、上板42の厚さに関係なく、センターシール部40の長さ(シール幅:下方への突出量)が短くても、確実におり曲げをすることができる。しかも、センターシール部40を筒状フィルム21の本体との境目部分近傍から折り曲げることができると共に、その折り曲げ加工時に、従来のように、センターシール部40の下端を下方に引っ張られる傾向がないので、未シール部まで含んで大きく折り曲げることも可及的に抑制できる。
【0033】
第1,第2板状部材43,44で形成した隙間45の傾斜通路45bの傾斜角度は、急すぎてもフィルムが詰まってしまってセンターシール部40をスムーズに折り曲げることが出来ない。また逆にゆるすぎても、センターシール部40が上板の傾斜している隙間部分によって、フィルム進行が妨げられことにより、徐々にセンターシール部40を押し上げる力が作用せず、確実にセンターシール部40を折り曲げることができないので、傾斜角度は、センターシール部40の長さに合わせて適宜に設定する。
【0034】
また、上述した実施形態の構成によれば、センターシール部40の長さ(シール幅)が、少なくとも、第1直線通路45aと第2直線通路45cとの横方向のずれ量よりも短いものに対しては、確実に折り曲げることができる。しかし、センターシール部40の長さが当該ずれ量よりも非常に短いものの場合、折り曲げに必要なずれ量に比べ、実際のずれ量が必要以上に大きくなり、傾斜通路45bの途中(前半部分)で折り曲げ完了する自体となる。このようにしても、折り曲げができるので、異なるシール幅に対して兼用できるともいえるが、たとえば図7,図8に示すように、第1直線通路45aと第2直線通路45cとのずれ量をセンターシール部40の長さ(シール幅)にあわせて短くすると良い。このようにすると、傾斜通路45bのほぼ全体を使って徐々に折り曲げを行うことができ、センターシール部40等へ与えるストレスが小さくなる。
【0035】
図9は、他の実施形態の要部を示している。図9に示すように、上板42の下面に断熱塗料を塗布し、断熱層48を設けている。係る構成を採ることで、被包装物13へのセンターシーラ24aの熱の影響を軽減することができる。係る形態を採ると、簡単な構造で、肉厚もほとんど増えることなく(大型化しない)、センターシール装置24から発する熱の影響を抑制する構成を採ることができる。また、この実施形態では、断熱層48は、上板42の下面に設け、センターシール装置24からの熱の伝達を遮断するようにしたが、上板42の上面に断熱層48を設け、上板42から被包装物13への熱伝達を遮断するようにしても良い。もちろん、上板42の上下両面に断熱層を設けるとさらによい。
【0036】
上述した実施形態並びに変形例では、隙間45は、第1,第2直線通路45a,45cを設け、入口側と出口側とで、筒状フィルムの進行方向と平行なガイド通路を設けるようにしたが、たとえば、第2直線通路45cは、設けなくても良い。特に、第1直線通路45aと第2直線通路45cのずらす距離をセンターシール部40のシール幅以上にした場合には、傾斜通路45bを通過した際にすでにセンターシール部40は上板42の上面川に移動しているので、第2直線通路45cを特に設けなくても良い。
【符号の説明】
【0037】
10 横ピロー包装機
11 包装機本体
12 フィルム供給装置
13 被包装物
14 被包装物搬送供給装置
15 帯状フィルム
15a 両側端縁部
21 筒状フィルム
24 センターシール装置
30 エンドシール装置
40 センターシール部
42 上板
43 第1板状部材
44 第2板状部材
45 隙間
45a 第1直線通路
45b 傾斜通路
45c 第2直線通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続して供給される帯状フィルムを筒状に形成するとともに、その帯状フィルムの両側端縁部を重ね合わせたフィルム重合端に対して熱シールして形成されるセンターシール部を折り曲げる折り曲げ装置であって、
一定の間隔をおいて配置される一対の板状部材を備え、
その一対の板状部材の間に形成される隙間内を前記センターシール部が通過するようにし、
その隙間の入口側と出口側の位置が、前記筒状に形成された筒状フィルムの進行方向に対して直角方向にずれるとともに、その隙間の少なくとも一部に、前記センターシール部の前記筒状フィルムの進行方向に沿った直進移動を妨げて前記センターシール部の先端側を前記直角方向にずれた前記出口側へ案内する通路部を有するように構成し、
前記通路部が、前記センターシール部を形成するセンターシール装置の下流側に位置するように配置したことを特徴とするセンターシール部の折り曲げ装置。
【請求項2】
前記入口側と出口側のずらす距離は、前記センターシール部のシール幅以上にしたことを特徴とする請求項1に記載のセンターシール部の折り曲げ装置。
【請求項3】
前記隙間は、入口側の第1直線通路と出口側の第2直線通路と、それら両直線通路を繋ぐ前記筒状フィルムの進行方向に対して傾斜する傾斜通路とを備え、前記傾斜通路が前記通路部を構成し、前記第1直線通路と前記第2直線通路は、前記筒状フィルムの進行方向と平行に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のセンターシール部の折り曲げ装置。
【請求項4】
前記一対の板状部材の少なくとも一方の表面には断熱塗料が塗布されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のセンターシール部の折り曲げ装置。
【請求項5】
連続して供給される帯状フィルムを筒状に形成する手段と、
筒状に形成された前記帯状フィルムの両側端縁部を重ね合わせたフィルム重合端熱シールするセンターシール装置と、
前記通路部が前記センターシール装置よりも下流側に位置するよう配置された請求項1〜4のいずれかのセンターシール部の折り曲げ装置と、
そのセンターシール部の折り曲げ装置の下流側に配置され、前記筒状フィルムの幅方向にシール・カットを施すエンドシール装置とを備えたことを特徴とするピロー包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−179955(P2010−179955A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−27208(P2009−27208)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(000206093)大森機械工業株式会社 (138)
【Fターム(参考)】