説明

センターレス指針式表示ユニット

【課題】センターレス指針式表示ユニットを一つの完成品として構成し、コンパクトな形状で周辺に他の計器類を自由に配置できる汎用性の有るセンターレス指針式表示ユニットを提供する。
【解決手段】センターレス指針式表示ユニット10は、カバー20とハウジング70とで作られる室内に、光源部30と、指針40と、駆動部50と、目盛板60と、を収納している。光源部30は、配線板30Pを備えている。駆動部50は、光源部30と目盛板60との間に配置され、駆動部50の所定箇所に駆動機構51を備え、駆動機構51を駆動させる電力供給用のコード50Pが備えられている。ハウジング70の後部には、センターレス指針式表示ユニット10を車両等に搭載するための複数の取付部71が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車などの車両に搭載される指針式表示装置に関し、特に指針の回転中心をなくして開口部とし、指針だけが円弧上に移動するようにした、いわゆるセンターレス指針式表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
指針の回転中心を開口部とし、指針だけが円弧上に移動するようなセンターレス指針式表示装置は、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−42034号公報
【0004】
〈特許文献1記載の発明〉
図8に特許文献1記載のセンターレス指針式表示装置100が記載されている。このセンターレス指針式表示装置100はスピードメータで、駆動部500の駆動機構510は、ハウジング700の下部両側に配置されており、指針400を動かす駆動部500のプーリー540に指針400が固定されたワイヤー550(柔軟部材)を取り付け、モータ520の動きにより目盛板600(文字板)上を指針400が移動していくことが開示されている。
これによれば、指針部と搬送部との間の摩擦抵抗を小さくした使い勝手の良いセンターレス指針式表示装置が得られる。
《問題点》
しかしながら、指針と文字板の照明に専用の光源が必要であり、指針と指針駆動部と文字板と照明がユニット化されていないため、バリエーション対応ができない、という問題点があった。
他にも、特開2005−98751号公報や特開2005−43287号公報にもセンターレス指針式表示装置に関する発明が開示されているが、同じく、指針と指針駆動部と文字板と照明がユニット化されていないため、バリエーション対応ができない、という問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、センターレス指針式表示装置をユニット化して構成し、同時にコンパクトな形状を成し、指針計器ユニットの周辺に他の計器類を自由に配置できる汎用性の有る指針計器ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成させるために、本発明に係る指針計器ユニットは、下記(1)〜(4)を特徴としている。
(1) 車両等に搭載されるセンターレス指針式表示ユニットであって、前方を覆うカバーと、複数の光源と配線板を備える光源部と、計測量を表示する指針と、前記指針を回転駆動させる駆動機構を備えた駆動部と、前記指針の移動位置を表示する目盛板と、前記カバーとで室内を形成し前記光源部と前記指針部と前記駆動部と前記目盛板とを収納するハウジングと、を備え、前記指針と前記駆動部は前記光源部と前記目盛板との間に配置され、前記配線板は前記光源部の所定箇所に前記駆動機構は前記駆動部の所定箇所にそれぞれ配置され、前記ハウジングの後部には複数の取付部が設けられ、前記センターレス指針式表示ユニットの中央部が開口されたこと。
(2) 上記(1)に記載したセンターレス指針式表示ユニットにおいて、前記駆動機構は、前記指針を回動させるモータと、前記モータの回転数を変化させるギヤと、ギヤの回転に連動するプーリーと、を備え、前記プーリーの回転に合わせて時計回りまたは反時計回りに回転するワイヤーの一部が前記プーリーの先端に巻き付けられ、前記プーリーを基点として前記ワイヤーに固定された前記指針が前記目盛板上を円弧状に周動回転すること。
(3) 上記(1)または上記(2)に記載したセンターレス指針式表示ユニットにおいて、前記光源部は、複数の前記光源が配列固定された基板と、前記光源からの出射光をほぼ均一に発光させる光拡散板と、を備え、前記光拡散板から出射した光が前記目盛板と前記指針に拡散照射すること。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかに記載したセンターレス指針式表示ユニットにおいて、前記目盛板と前記指針とは導光体から成り、前記光源からの出射光を前記目盛板および前記指針の中央に向かって反射させる反射面を備えたこと。
【0007】
上記(1)の構成によれば、カバーとハウジングとで構成される室内に光源部と指針と駆動部と目盛板とを収納することにより車両等の動きや走行状態を表示するセンターレス指針式表示ユニット提供できる。
また、指針を光源部と目盛板との間に配置することにより光源部の照射により指針の動きを明瞭かつ確実に視認できる。
更に、配線板と駆動機構とがセンターレス指針式表示ユニットの所定箇所に配置されてコンパクト化が図れる。
そして、このセンターレス指針式表示ユニットは単一の標準ユニットとして、取付部を利用して車両等に搭載することが可能であり、センターレス指針式表示ユニットの周辺に計器装置を自由に配列することができデザインの自由度と汎用性の向上を図ることができる。
上記(2)の構成によれば、モータとギヤとプーリーによる駆動機構であると共にワイヤーをループ状とすることにより、構成が極めて簡単であり安定した指針の回動を行うことができ、センターレス指針式表示ユニットの軽量化が図れる。
上記(3)の構成によれば、指針と目盛板に施される均一照明により、指針と目盛板との視認性が向上し、夜間または外光が低下するトンネル等に於ける安全走行や運行を提供する。
上記(4)の構成によれば、夜間または外光が低下するトンネル等に於いて、光源の光がバックライトとして機能し、指針と目盛板はそれぞれ均一に発光し、運転車等に対して明瞭で落ち着いた視認性を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、目盛板と光源ユニットとの間に指針を設けて視認性向上と夜間走行時等の安全性を確保し、駆動部や光源の配線板を所定箇所に集中させてコンパクト化を達成させ、光源部と指針と駆動部と目盛板とをカバーとハウジング内に収納して単一化を図ることにより、周辺に自由に計器装置を配列させることができ、自由度の高い汎用性ある標準化が設定可能なセンターレス指針式表示ユニットを提供できる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係るセンターレス指針式表示ユニットの一実施形態を示し分解斜視図である。
【図2】図1に係るセンターレス指針式表示ユニットの正面斜視図である。
【図3】図1に係るセンターレス指針式表示ユニットの光源部と指針および駆動部を示す分解斜視図である。
【図4】図1に係るセンターレス指針式表示ユニットの部分正面図である。
【図5】図1に係るセンターレス指針式表示ユニットの光源部を示し、図5(A)は図4のA−A断面図、図5(B)は図4のB−B断面図である。
【図6】図1に係るセンターレス指針式表示ユニットのアセンブリーを示す分解斜視図である。
【図7】図1に係るセンターレス指針式表示ユニットがアセンブリーされた状態を示し、図7(A)は正面斜視図、図7(B)は図7(A)の正面図、図7(C)は他のアセンブリーを示す正面図である。
【図8】従来のセンターレス指針式表示ユニットを示し、図8(A)は正面分解斜視図、図8(B)は指針と駆動部との分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0010】
以下、本発明に係るセンターレス指針式表示ユニットの好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<具体的構成>
図1に基づいて、本発明の一実施形態であるセンターレス指針式表示ユニット10を説明する。
センターレス指針式表示ユニット10は、車両や船舶や飛行機等(以後まとめて車両等と言う)、の乗り物に搭載されるもので、例えば、車両の速度を表示するスピードメータ、エンジンの回転数を表示するタコメータ、等であり、移動・走行状態を計測して運転者等に対し表示するものである。本発明の一実施形態では、センターレス指針式表示ユニット10をスピードメータとして説明する。
【0011】
センターレス指針式表示ユニット10は、図1に示される通り、全体を覆うカバー20と、光源部30と、指針40と、指針40を回転駆動させる駆動部50と、目盛板60と、上述の各部品を収納するハウジング70とから構成されており、各部品は共通して中央が大きく開口したリング状の形状または配列を成しているのが特徴である。
【0012】
光源部30は配線板30Pを備えている。また、駆動部50は光源部30と目盛板60との間に配置され、駆動部50の中央下方に駆動機構51を備え、駆動機構51を駆動させる電力供給用のコード50P(配線板形状でも良い)が備えられている。このコード50Pと配線板30Pとが、センターレス指針式表示ユニット10の中央下方に集約され、速度表示を示す目盛板60の中央下方に形成された貫通口60Sとハウジング70の中央下方に形成された挿通口70Sとを貫通してハウジング70の後部に突出している。
更に、ハウジング70の後部には、センターレス指針式表示ユニット10を車両等に搭載するための複数の取付部71が設けられている。
なお、この実施例では配線板30Pは光源部30ぼ中央下方に配置されているが、配線板30Pと電力供給用のコード50Pがほぼ同一箇所であれば、中央下方に限られない。
同じく、駆動機構51も駆動部50の中央下方に配置されているが、配線板30Pと電力供給用のコード50Pがほぼ同一箇所であれば、中央下方に限られない。
【0013】
光源部30と、指針40と、駆動部50と、目盛板60とが、カバー20とハウジング70とで作られる室内に納められ、単一なセンターレス指針式表示ユニット10として完成する(図2参照)。
本発明の一実施形態としてスピードメータを例としている。このセンターレス指針式表示ユニット10は、スピードメータとして機能を備え、自由に他の計器類と配列可能で汎用性の高いものでもある。また、中央が大きく開口していることにより、この開口を活用して車両等の走行距離を指示するオド/トリップメータ等を表示する表示装置を配置させることが可能となる。
【0014】
<光源部30:図3>
光源部30は、裏面側(駆動部50側)に目盛板60に向けて発光するLED等からなる複数の光源30Lが同心円状に規則正しく配列された基板31と、光源30Lからの出射光を拡散させる光拡散板32とから成る。
また、基板31の中央下方には光源30Lに電力を供給する配線板30Pが備えられている。光拡散板32に隣接して駆動部50が配列される。
【0015】
<指針40:図3>
指針40は、車両等の移動・走行状態を計測して計測量を表示するもので、基板31とほぼ同径のループ状から成るワイヤー55に固定され、モータ52の回転に合わせてプーリー54を基点として光拡散板32の裏面側、即ち、目盛板60上を円弧状に周動回転する。プーリー54はワイヤー55の中央下方に1ヶ所にのみ配置され、プーリー54の回転方向に合わせて指針40は、時計回りまたは反時計回りに回転する。この結果、駆動部50は中央が開口された極めて簡単な構成と成る。
【0016】
<駆動部50:図3>
駆動部50の中央下方には、駆動機構51が配置されている。駆動機構51は、ステッピングモータやサーボモータ等から成るモータ52と、モータ52の回転スピードを減速コントロールする小型の歯車ギヤ53Aと大型の歯車ギヤ53Bからなるギヤ部53と、大型の歯車ギヤ53Bの先端に固定されモータ52の回転に合わせて回転するプーリー54とから成る。プーリー54の先端には駆動部50の一構成部品である金属等から成るワイヤー55の一部が巻き付けられ、プーリー54の回転をワイヤー55に伝動する。ワイヤー55は、光源部30の基板31や光拡散板32の円弧形状に合わせたループ形状を成して配置されている。
【0017】
<センターレス指針式表示ユニット10の光学系:図4、図5>
センターレス指針式表示ユニット10の光学系について図4の各断面図である図5に基づいて説明する。
基板31上に固定された複数の光源30Lの前方に光拡散板32を配置し、その前方に指針40と目盛板60を配置する。指針40は、光が物体内を通過させることができる性質を持つアクリル等から形成された導光体から成る。指針40には光源30Lに対応した位置に反射面40Rが形成されている。また、導光体から成る目盛板60にも光源30Lに対応した位置に反射面60Rが形成されている。
基板31に固定された光源30Lから出射した光は、光拡散板32を通過して拡散光となり、導光体から成る指針40に入射した後、指針40に形成された反射面40Rで反射して、指針40内部を進行し、指針40を発光させる。一方、指針40を透過した光は、導光体から成る目盛板60に入射し、目盛板60に形成された反射面60Rで反射して目盛板60内に導かれ、目盛板60を発光させる(図5(A)参照)。この結果、夜間または外光が低下するトンネル等に於いて、光源30Lの光がバックライトとして機能し、指針40と目盛板60はそれぞれ均一に発光し、運転車等に対して明瞭で落ち着いた視認性を提供する。
【0018】
光拡散板32の表面(指針40方向)には、平坦面32Aと内方向に湾曲した湾曲面32Bと谷部32Cとが連続して形成方向に沿って設けられている。谷部32Cは光源30Lの中心上部に配置され、湾曲部32Bは光源30Lの中心上部から左右方向の両側に配置されている。光源30Lから出射した光は、湾曲部32Bを通過して指針40や目盛板60を照射する。一方、湾曲部32Bで反射された光は、光拡散板32内を通過して光拡散板32の裏面で反射して、平坦部32Aを通過して指針40や目盛板60を照射する。この結果、指針40と目盛板60に施される均一照明により、夜間または外光が低下するトンネル等に於ける安全走行や運行を提供する。
【0019】
<センターレス指針式表示ユニット10のアセンブリー:図6>
次に、図6を用いてセンターレス指針式表示ユニット10の車両等への搭載について説明する。本発明の一実施形態に於いては、センターレス指針式表示ユニット10が車両等に固定されるケース部80を介して車両等へ搭載されている。センターレス指針式表示ユニット10の両側には、エンジン回転数を指示するためのタコメータ、エンジンオイルの油圧を指示する油温計、ガソリン等の燃料残量を指示する燃料計、等の計器類を備える第1計器装置10Aと第2計器装置10Bとを備えている。また第1計器装置10Aはタコメータであり、本発明のセンターレス指針式表示ユニット10の他の実施形態でもある。センターレス指針式表示ユニット10と第1計器装置10A及び第2計器装置10Bがケース部80に取付固定され、コンビネーション表示装置のアセンブリーが完成する。
【0020】
ケース部80は、透明の平板81とフレーム82と本体83とから成る。平板81は、フレーム82上に配置されるシートベルトや油圧計等の各種警告マークを配置した警告表示板82Aや、本体83に設けられた車両の走行距離をデジタル表示するオド/トリップメータや燃料効率状態等をLCDやELを利用して表示する表示部83Vを保護するものである。また、センターレス指針式表示ユニット10の取付部71は、平板81に設けられた複数の取付孔81Tとフレーム82に設けられた複数の係合孔82Tとに取付固定される。さらに、計器装置10A、10Bに設けられた複数の突起部10Tもフレーム82を介して係合孔82Tに取付固定される。
【0021】
図7は、センターレス指針式表示ユニット10のアセンブリーを示し、第1の応用例としては、センターレス指針式表示ユニット10をケース部80の略中央部に配置し、左右に第1計器装置10Aと第2計器装置10Bとを配置してある(図7(A)(B)参照)。取付部71や突起部10Tの突出量や形状を変更することにより、センターレス指針式表示ユニット10および第1計器装置10Aや第2計器装置10Bの立体的配列も可能となる。また、第2の応用例として、センターレス指針式表示ユニット10の左側には、ガソリン等の燃料残量を指示する燃料計や冷却水の温度を指示する水温計等の計器類を備えた第3計器装置10Cが配置されている(図7(C)参照)。
【0022】
単一でかつ所望の目的機能を備えるセンターレス指針式表示ユニット10が、標準品として設定可能であり、ケース部80を介して車両等に搭載される際、センターレス指針式表示ユニット10に隣接して配置される各種の計器装置10A、10B、10C等は、自由に選択することがでる。またセンターレス指針式表示ユニット10と各種の計器装置10A、10B、10C等との配列自由度が向上する。更に、ケース部80のデザインも車両等の目的に合わせたものとなり、汎用性の高いセンターレス指針式表示ユニット10を提供できる。
【0023】
<本発明のまとめ>
本発明によれば、前方を覆うカバー20と後部に複数の取付部71を設けたハウジング70とで構成される室内に、複数の光源30Lと配線板30Pを備える光源部30と、計測量を表示する指針40と、指針40を回転駆動させる駆動機構51を備えた駆動部50と、指針40の移動位置を表示する目盛板60と、を収納させて、センターレス指針式表示ユニット10とした。このセンターレス指針式表示ユニット10は、単一でかつ指針計としての機能を備えた形で車両等に搭載することができ、一つの標準部品として設定することが可能であり、センターレス指針式表示ユニット10の周辺に計器装置を自由に配列することができデザインの自由度と汎用性の向上を図ることができる。また、指針40を光源部30と目盛板70との間に配置することにより、光源部30の照射により指針40の動きを明瞭かつ確実に視認できる。更に、光源部30の配線板30Pと駆動機構51とがセンターレス指針式表示ユニット10の中央下方に配置されているため、センターレス指針式表示ユニット10のコンパクト化が図れる。
【0024】
また、本発明によれば、ループ状に配置されたワイヤー55と駆動機構51からなる駆動部50とし、駆動機構51は、指針40を回動させるモータ52と、モータ52の回転数を変化させるギヤ53と、ギヤ53の回転に連動するプーリー54と、を備えた構成とした。また、プーリー54の回転に合わせて時計回りまたは反時計回りに回転するワイヤー55の一部がプーリー54の先端に巻き付けられ、プーリー54を基点としてワイヤー55に固定された指針40が目盛板60上を円弧状に周動回転させた。従って、大型化し易い駆動部50の全体構成が極めてシンプルとなり、同時に安定した指針40の回動を行うことができ、センターレス指針式表示ユニット10の軽量化が図れる。
【0025】
更に、本発明によれば、光源部30は、複数の光源30Lが配列固定された基板31と、光源30Lからの出射光をほぼ均一に発光させる光拡散板32と、を備えた構成とした。従って、光拡散板32から出射した光が目盛板60と指針40に均一に拡散照射し、指針40と目盛板60との視認性が向上すると共に、夜間または外光が低下するトンネル等に於ける安全走行や安全運行を提供することができる。
【0026】
そして、本発明によれば、目盛板60と指針40とが導光体から形成され、複数の光源30Lからの出射光を目盛板60および指針40の中央に向かって反射させる反射面40R、60Rを備える構成とすることにより、夜間または外光が低下するトンネル等に於いて、光源30Lの光がバックライトとして機能し、指針40と目盛板70はそれぞれ均一に発光し、運転車等に対して明瞭で落ち着いた視認性を提供する。
【0027】
センターレス指針式表示ユニット10の外観形状を円弧状として説明したが、左側計器装置10Aの様に半円状であっても良く、四角形状等、使用される場所や目的に合わせて適宜変更可能である。
また、センターレス指針式表示ユニット10をスピードメータとして説明したが、タコメータ等、車両等の動きや状態を計測して駆動部50を用いて計測量を指示する指針40を回動する構成であれば上述に限るものではない。
更に、指針40を固定して指針40を回動させる金属等から成るワイヤー55として説明したが、綿糸や化学繊維等の紐であっても良く、また、ベルト形状をしたゴムや金属であっても良く、本発明に記載したループ状となる部材であれば良い。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0028】
10:センターレス指針式表示ユニット
20:カバー
30:光源部
30L:光源
30P:配線板
31:基板
32:光拡散板
40:指針
50:駆動部
50P:コード
51:駆動機構
55:ワイヤー
60:目盛板
70:ハウジング
71:取付部
80:ケース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両等に搭載されるセンターレス指針式表示ユニットであって、
前方を覆うカバーと、
複数の光源と配線板を備える光源部と、
計測量を表示する指針と、
前記指針を回転駆動させる駆動機構を備えた駆動部と、
前記指針の移動位置を表示する目盛板と、
前記カバーとで室内を形成し前記光源部と前記指針部と前記駆動部と前記目盛板とを収納するハウジングと、を備え、
前記指針と前記駆動部は前記光源部と前記目盛板との間に配置され、前記配線板は前記光源部の所定箇所に前記駆動機構は前記駆動部の所定箇所にそれぞれ配置され、前記ハウジングの後部には複数の取付部が設けられ、前記センターレス指針式表示ユニットの中央部が開口されたことを特徴とするセンターレス指針式表示ユニット。
【請求項2】
前記駆動機構は、
前記指針を回動させるモータと、
前記モータの回転数を変化させるギヤと、
ギヤの回転に連動するプーリーと、を備え
前記プーリーの回転に合わせて時計回りまたは反時計回りに回転するワイヤーの一部が前記プーリーの先端に巻き付けられ、
前記プーリーを基点として前記ワイヤーに固定された前記指針が前記目盛板上を円弧状に周動回転することを特徴とする請求項1記載のセンターレス指針式表示ユニット。
【請求項3】
前記光源部は、
複数の前記光源が配列固定された基板と、
前記光源からの出射光をほぼ均一に発光させる光拡散板と、を備え
前記光拡散板から出射した光が前記目盛板と前記指針に拡散照射することを特徴とする請求項1または2記載のセンターレス指針式表示ユニット。
【請求項4】
前記目盛板と前記指針とは導光体から成り、前記光源からの出射光を前記目盛板および前記指針の中央に向かって反射させる反射面を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のセンターレス指針式表示ユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−194155(P2012−194155A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60358(P2011−60358)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】