説明

セントルフォーム

【課題】セントルフォーム1の内側の作業用閉空間SP1を季節によらずに良好な作業環境にできるとともに、トンネル工事の工期短縮を図る。
【解決手段】覆工コンクリートC2の打設時にトンネルの内壁面S1に沿って配される型枠21を具備し、前記トンネルの掘削方向に移動可能に案内されたセントルフォーム1である。前記セントルフォーム1の移動方向の前端部に設けられて、該前端部よりも前方の切羽側空間SP2と前記セントルフォーム1とを仕切る前方仕切部材30aと、前記セントルフォーム1の後端部に設けられて、該後端部よりも後方の坑口側空間Sp3と前記セントルフォーム1とを仕切る後方仕切部材30bと、前記前方仕切部材30a及び前記後方仕切部材30bによって前記セントルフォーム1の内側に区画形成された作業用閉空間SP1の温度を調整する空調機51と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トンネル工事において覆工コンクリートを打設する際に使用されるセントルフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
図1にトンネルの縦断面図を示す。トンネル工事においては、例えば、トンネルの切羽側から坑口側へかけて、順次「掘削区間」や「覆工区間」などが設定される。掘削区間では、発破や掘削重機等によって地山掘削やずり出しが行われるとともに、その掘削壁面S0に対しては一次覆工としてコンクリートC1の吹き付け等が施される。他方、覆工区間では、上記一次覆工されたトンネルの内壁面S1に沿って型枠21を配置し、前記内壁面S1と型枠21との間に覆工コンクリートC2を打設する。型枠21は、セントルフォーム1’と呼ばれる台車に支持されており、掘削方向に沿ってレールR上を移動可能である。そして、切羽が所定距離だけ掘り進められる度に、セントルフォーム1’も前方へ移動し、これにより、掘削区間の前方への移動と伴に覆工区間も前方へと移っていき、もって、トンネル工事が進められていく。
【0003】
ここで、一般にセントルフォーム1’の型枠21よりも内側の空間は、型枠21に設けられた点検窓からコンクリートC2の締固め等を行うための作業用空間SP1になっている。但し、この作業用空間SP1は、前方の「掘削区間」の切羽側空間SP2とは仕切られておらず、それ故に、掘削による粉塵が舞ったり掘削重機の排気ガスが充満する環境下にあることから、作業者には防塵マスクの着用が義務付けられている。
【0004】
しかし、防塵マスクの着用は煩わしく、そのために、この作業用空間SP1の作業環境を改善する方法として、図2に示すような方法が提案されている(特許文献1を参照)。すなわち、セントルフォーム1の前端部及び後端部にエアチューブ31やシート35を設けることにより、セントルフォーム1の内側の作業用空間SP1を、前方の切羽側空間SP2や後方の坑口側空間SP3に対して仕切って閉空間とし、更には、この閉空間の中に、切羽側空間SP2に浄化用空気を送る風管(不図示)から分岐をとって、この空気を供給するという方法が提案されている。
【特許文献1】特開平5−280298号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この風管から分岐された空気は、温度管理されたものではない。よって、夏場には、打設したコンクリートC2からの発熱によって作業用空間SP1は高温になる場合も有る一方、冬場には、作業者にとっての適温よりも低温になる虞もある。つまり、夏冬などの季節によらずに常に快適な作業環境を維持することはできない。
また、工期短縮の観点からは覆工コンクリートC2の養生温度管理が重要となるが、上記特許文献1の方法では、この点についても期待できない。
【0006】
本発明はかかる従来の課題に鑑みて成されたもので、セントルフォームの内側の作業用閉空間を季節によらずに良好な作業環境にできるとともに、トンネル工事の工期短縮が図れるセントルフォームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために請求項1に示す発明は、
覆工コンクリートの打設時にトンネルの内壁面に沿って配される型枠を具備し、前記トンネルの掘削方向に移動可能に案内されたセントルフォームであって、
前記セントルフォームの移動方向の前端部に設けられて、該前端部よりも前方の切羽側空間と前記セントルフォームとを仕切る前方仕切部材と、
前記セントルフォームの後端部に設けられて、該後端部よりも後方の坑口側空間と前記セントルフォームとを仕切る後方仕切部材と、
前記前方仕切部材及び前記後方仕切部材によって前記セントルフォームの内側に区画形成された作業用閉空間の温度を調整する空調機と、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記請求項1に示す発明によれば、セントルフォームの内側に区画形成された作業用閉空間の温度を、前記空調機によって、その場の状況に応じて適温に調整できる。例えば、夏冬などの季節によらずに、作業者にとって快適な温度に調節できる。従って、作業用閉空間内の作業環境を良好にできる。
【0009】
また、打設した覆工コンクリートの強度を発現すべく養生する際には、作業用閉空間の温度調整によって、覆工コンクリートを養生に適した温度に調節することができる。これは、前記作業用閉空間内の空気の温度に応じた冷熱又は温熱が、前記型枠を介して覆工コンクリートに伝達されるためであり、もって、作業用閉空間の空気の温度調整により覆工コンクリートの養生温度管理が可能となる。従って、覆工コンクリートの養生温度の適正化が図れ、覆工コンクリートの養生時間の短縮を通じて工期短縮が図れる。
【0010】
請求項2に示す発明は、請求項1に記載のセントルフォームにおいて、
前記仕切部材は、
前記型枠に沿って設けられ、膨張して前記トンネルの内壁面に当接するエアチューブと、
前記エアチューブから垂下されて、前記セントルフォームの前記端部を覆う断熱性の端部シートと、を備えることを特徴とする。
上記請求項2に示す発明によれば、前記セントルフォームの前端部及び後端部は、断熱性の端部シートによって覆われているので、前方の切羽側空間及び後方の坑口側空間から作業用閉空間への熱伝達が有効に抑制され、その結果として、前記作業用閉空間内の温度管理を行い易くなる。
【0011】
請求項3に示す発明は、請求項2に記載のセントルフォームにおいて、
前記端部シートの下端縁にはエアチューブが設けられていないことを特徴とする。
上記請求項3に示す発明によれば、端部シートの下端縁はシートの切断縁のままであるので、その支持荷重も軽くて済む。その結果、前記仕切部材を支持するための支持用架構も重厚なものにせずに済んで、セントルフォームの総重量及び総コストの削減が図れる。
【0012】
請求項4に示す発明は、請求項3に記載のセントルフォームにおいて、
前記前方仕切部材の前記端部シートの下端縁と前記トンネルの床部との間を通って、前記作業用閉空間の空気が前記切羽側空間へ流出するように、前記空調機の空気の吐出量が調整されることを特徴とする。
上記請求項4に示す発明によれば、切羽側空間の汚れた空気が作業用閉空間へ侵入することを有効に抑制可能となる。
【0013】
請求項5に示す発明は、請求項4に記載のセントルフォームにおいて、
前記前方仕切部材の前記端部シートの下端縁と、前記トンネルの床部との間には隙間が形成されるとともに、前記隙間の空気の流れを検知するセンサが設けられ、
前記センサからの検知信号に基づいて前記空調機は空気の吐出量を調整することを特徴とする。
上記請求項5に示す発明によれば、前記センサからの検知信号に基づいて前記空調機の空気の吐出量を調整するので、前記切羽側空間の汚れた空気が作業用閉空間へ侵入することを、より有効に抑制可能となる。
【0014】
請求項6に示す発明は、請求項2乃至5のいずれかに記載のセントルフォームにおいて、
前記空調機の空気の吐出口は、その吐出方向を前方へ向けながら、前記トンネルの幅方向の中央部、且つ、前記作業用閉空間における前端部に位置して設けられ、
前記吐出口から吐出された空気は、前記前方仕切部材の前記端部シートに直接当てられることを特徴とする。
【0015】
上記請求項6に示す発明によれば、前記吐出口から吐出された空気は、前記前方仕切部材の前記端部シートの中央に直接当たり、そこから前記端部シートに沿って作業用閉空間の両側方へと分流し、両側方の各隅部においてトンネルの内壁面又は型枠に沿って後方へと流れていく。よって、前方から後方への空気の流れが生じて、作業用閉空間内の温度の均一化が図れ、その結果として、作業用閉空間内の全域に亘って快適な温度にすることができる。
また、切羽側空間から汚れた空気が侵入し易い作業用閉空間内の前端部側の空気は、前記吐出口から吐出された空気によって、強制的に後方へと移動される。よって、前記前端部側に生じ易い不浄な空気のよどみの発生を抑制可能となる。
【0016】
請求項7に示す発明は、請求項6に記載のセントルフォームにおいて、
前記空調機の空気の吸込口は、前記作業用閉空間における後端部に位置して設けられるとともに、前記空調機には、前記作業用閉空間の外から空気を取り込むための第2の吸込口が設けられていることを特徴とする。
上記請求項7に示す発明によれば、前記空調機の吸込口は作業用閉空間の後端部に位置しているので、作業用閉空間において前方から後方へと移動してきた空気を前方へ戻さずに吸い込むことができる。よって、作業用閉空間内の空気のよどみの発生を有効に抑制可能となる。
【0017】
また、空調機は前記第2の吸込口によって作業用閉空間の外からも空気を取り込むので、作業用閉空間の空気を前記切羽側空間へと確実に流出させることができて、もって、切羽側空間の汚れた空気が作業用閉空間へ侵入することを有効に抑制可能となる。
【0018】
請求項8に示す発明は、請求項7に記載のセントルフォームにおいて、
前記空調機の前記第2の吸込口は、前記坑口側空間に位置して設けられることを特徴とする。
上記請求項8に示す発明によれば、切羽側空間よりも清浄な坑口側空間の空気を空調機に吸い込むので、空調機の浄化負荷を軽減することができる。
【0019】
請求項9に示す発明は、請求項2乃至8のいずれかに記載のセントルフォームにおいて、
前記前方仕切部材と前記後方仕切部材との間の空間には、該空間を前記移動方向の前後に貫通する坑道が設けられ、
前記前方仕切部材の端部シート及び前記後方仕切部材の端部シートには、それぞれに、前記坑道に対応させて切り欠き部が形成されているとともに、
前記坑道と前記作業用閉空間とを仕切るためのシートが、前記前方仕切部材の前記端部シートと前記後方仕切部材の前記端部シートとに掛け渡されていることを特徴とする。
上記請求項9に示す発明によれば、前記坑道を通じて、ダンプカー等の工事車両が坑口と切羽とを往来できるので、利便性に優れる。
【0020】
請求項10に示す発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載のセントルフォームにおいて、
前記空調機は、前記吸込口から吸い込んだ空気から粉塵を取り除くための除塵フィルタを有していることを特徴とする。
上記請求項10に示す発明によれば、前記空調機は除塵機能も有するので、前記作業用閉空間の粉塵も低減させることができる。その結果、前記作業用閉空間の作業者は防塵マスクから解放されて、より快適な作業環境となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明のセントルフォームによれば、セントルフォームの内側の作業用閉空間を季節によらずに良好な作業環境にできるとともに、トンネル工事の工期短縮が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明に係るセントルフォームの実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
===トンネル工事について===
図3は、本実施形態のセントルフォーム1が適用されるトンネル工事の説明図であって、掘削方向に平行な縦断面図である。以下では、掘削方向における切羽側を前方といい、その逆側の坑口側を後方という。また、この掘削方向と直交するトンネルの幅方向(図3では紙面を貫通する方向)を左右方向とも言う(図5を参照)。なお、図3中ではセントルフォーム1の型枠21を側面視で示している。
【0024】
図3に示すように、トンネル工事においては、切羽側から坑口側へかけて順次「掘削区間」及び「覆工区間」が設定される。
【0025】
掘削区間では、発破や掘削重機等によって地山掘削やずり出しが行われ、その後に、掘削壁面S0への一次覆工としてコンクリートC1の吹き付け等が施される。また、掘削底面S0bに対してはコンクリートが打設されてトンネルの床部C0bが形成され、この床部C0b上には、後述のセントルフォーム1のレールRが掘削方向に沿って敷設される。
【0026】
覆工区間では、上述のコンクリートC1の吹き付けにて一次覆工されたトンネルの内壁面S1に、覆工コンクリートC2が打設される。すなわち、当該覆工コンクリートC2用の型枠21を具備したセントルフォーム1が、レールRに案内されて覆工区間へと移動し、これにより、前記一次覆工されたトンネルの内壁面S1と所定間隔を隔てつつアーチ状の型枠21が対向配置される。そして、型枠21の頂部から、型枠21とトンネルの内壁面S1との間にコンクリートC2を注入することにより、トンネルの内壁面S1がアーチ状に覆工され(図5を参照)、しかる後、所定の養生期間を経て当該覆工区間での作業が終了する。
【0027】
そして、切羽が所定距離だけ掘り進められて上述の掘削区間での作業が終了する度に、当該作業の終了した掘削区間を、次の覆工区間としてセントルフォーム1が掘削方向の前方へと移動して上述の覆工区間の作業が行われ、これが繰り返されてトンネル工事が進んでいく。
【0028】
===セントルフォーム1について===
図4A乃至図5は、本実施形態のセントルフォーム1の説明図である。図4Aは一部を横断面視で示す上面図であり、図4Bは一部を縦断面視で示す側面図である。また、図5は、図4B中のV−V線矢視図である。
【0029】
図4B及び図5に示すように、セントルフォーム1は、掘削方向に沿ってトンネルの床部C0bに敷設されたレールR上を車輪12で移動する台車11と、この台車11に複数のジャッキJを介して支持されたアーチ状の型枠21と、前方の切羽側空間SP2から前記セントルフォーム1を仕切る前方仕切部材30aと、後方の坑口側空間SP3から前記セントルフォーム1を仕切る後方仕切部材30bと、これら前方仕切部材30a及び後方仕切部材30bによってセントルフォーム1の内側に区画形成された作業用閉空間SP1の温度を調整する空調機51と、を備えている。以下、各構成要素について説明する。
【0030】
<<<台車11>>>
図4B及び図5に示すように、台車11は、脚部13bに車輪12を具備する前後一対の門型フレーム13,13と、これら前後の門型フレーム13,13を連結する連結バー14と、前後の門型フレーム13,13の梁部13a,13aの上面に掛け渡されて作業用閉空間SP1における作業床として機能するグレーチングや縞板等のプレート状部材15とを備えている。車輪12は、モータ等の適宜な駆動源(不図示)に接続されており、この駆動源から駆動力が入力されることにより台車11は自走する。また、図5に示す門型フレーム13,13の内側の空間SP4は、ダンプカー等の運搬用車両等が掘削方向の前後に通行可能な坑道として機能し、よって、上述の作業用閉空間SP1とは後述の側面シート42及び上面シート41により仕切られている。これについては後述する。
【0031】
<<<型枠21>>>
図5に示すように、型枠21は、一次覆工たるコンクリートC1吹き付け後のトンネルの内壁面S1と所定間隔を隔てながら前記内壁面S1に沿わせるべく、トンネルの幅方向の縦断面形状が略半円弧状の鋼製部材であり、その前後方向の型枠21の全長に亘って上述の略半円弧状の縦断面形状が維持されている(図4A及び図4Bを参照)。そして、この型枠21は、図5に示すように、台車11に適宜設けられたジャッキJによって台車11の上方に支持されている。型枠21の外表面には樹脂コーティング等が施されており、コンクリートC2の脱型作業の容易化が図られている。また、型枠21には、幾つかの点検窓(不図示)が開閉可能に設けられており、覆工コンクリートC2の打設中の作業者は、これらの点検窓から攪拌機をコンクリートC2内に挿入してコンクリートC2の締固め等を行う。
【0032】
<<<前方仕切部材30a及び後方仕切部材30b>>>
図6及び図7は、前方仕切部材30a及び後方仕切部材30bにより仕切られる作業用閉空間SP1の説明図であり、図6にはその斜視図を示し、また、図7には、前方仕切部材30a及び後方仕切部材30bの正面図を示している。
【0033】
図6に示すように、前方仕切部材30a及び後方仕切部材30bは、トンネル断面と概ね同形の略半円形状の部材であり、いずれの仕切部材30a,30bも、エアチューブ31と、エアチューブ31から垂下されてセントルフォーム1の前後方向の端部を覆う端部シート35とを備えている。
【0034】
エアチューブ31は、概ね型枠21の端縁に沿って略半円弧状に設けられており、エアチューブ31内への圧縮空気の給排操作によって膨張収縮される。膨張時にはトンネルの一次覆工の内壁面S1又は覆工コンクリートC2の内壁面S2に概ね気密状態に当接する一方(図4A及び図4Bを参照)、収縮時には前記内壁面S1又は内壁面S2から離間する。よって、セントルフォーム1の移動時にはエアチューブ31は収縮されるが、それ以外の時には基本的に膨張される。このエアチューブ31は例えばゴムチューブであり、その外周を繊維補強シートで被覆処理等されて使用される。なお、図4A及び図4Bに示すように、後方仕切部材30bのエアチューブ31の外形寸法は、前方仕切部材30aのエアチューブ31よりも、覆工コンクリートC2の巻厚分だけ小さくなっている。
【0035】
このようなエアチューブ31は、図4A及び図4Bに示すように、台車11に設けられた山形鋼等からなる支持架構37により支持されている。この支持架構37は、台車11の門型フレーム13に溶接固定等されて前後方向に延在する複数の水平フレーム37aと、これら水平フレーム37aの前端部及び後端部にそれぞれ溶接固定等されたエアチューブ保持フレーム37bとを有している。図8Aに、エアチューブ保持フレーム37bの正面図を示すが、このエアチューブ保持フレーム37bは、上部が略円弧状の馬蹄形状を呈し、当該上部にエアチューブ31を保持する保持具38が設けられている。この保持具38は、図8Bの斜視図に示すように、エアチューブ31を保持するU字状の枠部38であり、これらの枠部38にエアチューブ31が載置保持される。
【0036】
一方、端部シート35は、エアチューブ31の内周縁から垂下する略半円形状の可撓性シートであり、例えば、図7及び図8Bに示すように、エアチューブ31の内周縁に沿って一体に設けられた吊下用ヒレ部31aに、端部シート35の上端縁35aが周方向に亘って接着固定等され、これにより、エアチューブ31に気密に取り付けられつつ吊り下げられている。
【0037】
なお、前述したように、図5に示した台車11の門型フレーム13の内側の空間SP4は、切羽側空間SP2と坑口側空間SP3とを繋ぐ坑道として機能するために、図7に示すように当該端部シート35も前記空間SP4に対応させて略矩形状の切り欠き部35bを有している。そして、この坑道の空間SP4と、台車11の作業床15側の作業用閉空間SP1とを図6のように仕切るべく、前方仕切部材30aの端部シート35の切り欠き部35bと、後方仕切部材30bの端部シート35の切り欠き部35bとは、互いに対応する切り欠き辺同士にシートが掛け渡されて気密状態に接着固定されている。すなわち、切り欠き部35b,35bの上辺同士には、上面シート41が前後に掛け渡されて気密状態に接着固定される一方、切り欠き部35b,35bの左辺同士には、左の側面シート42が、また、右辺同士には、右の側面シート42が前後に掛け渡されて気密状態に接着固定されている。なお、上面シート41の左辺と左の側面シート42の上辺とは気密状態に接着固定されるとともに、上面シート41の右辺と右の側面シート42の上辺とは気密状態に接着固定されているのは言うまでもない。
【0038】
ちなみに、これら切り欠き辺等の接着固定による支持のみでは左右の側面シート42及び上面シート41の支持安定性に欠けるため、これらシート41,42には前後方向に適宜ピッチでフック等の吊り下げ構造(不図示)が設けられており、これらの吊り下げ構造によって、前述の支持架構37や台車11の作業床15に吊下支持されている。
【0039】
これらシート35,41,42の素材としては可撓性素材が使用され、例えば、ビニール等の樹脂素材や、箔体に成形可能なアルミ等の金属素材が用いられる。但し、作業用閉空間SP1内の温度調整効率を高める観点からは、前方の切羽側空間SP2、後方の坑口側空間SP3、及び、坑道の空間SP4の三つの空間と作業用閉空間SP1との熱伝達を可能な限り抑制するのが好ましく、これら端部シート35、側面シート42、及び、上面シート41には、高い断熱性が付与されていると良い。この断熱性に優れるシートとしては、例えば、シートの内部に空気封入部を有するエアキャップ(商標)等の空気封入シートや、輻射熱伝達を抑制するアルミシート等が挙げられる。なお、これら空気封入シートとアルミシートとを積層させた複合シートを用いれば、より高い断熱性が期待できる。
【0040】
<<<空調機51>>>
空調機51は、作業用閉空間SP1内の温度調節及び作業用閉空間SP1内の空気を浄化する所謂エアコンであり、図4A及び図4Bに示すように、セントルフォーム1の後端部における作業用閉空間SP1の外に搭載されている。そして、この空調機51によって、夏冬などの季節によらずに、作業用閉空間SP1内の温度は、作業者にとって快適な温度に調節される。また、打設した覆工コンクリートC2の強度を発現すべく養生する際には、作業用閉空間SP1の温度調整によって、覆工コンクリートC2を養生に適した温度に調節することができる。これは、前記作業用閉空間SP1内の空気の温度に応じた冷熱又は温熱が、前記型枠21を介して覆工コンクリートC2に伝達されるためである。
【0041】
図9に空調機51の構造の説明図を示す。空調機51の筐体52は吸気口53及び排気口54を有し、吸気口53は、ダクトD1を介して作業用閉空間SP1内の空気吸込口D1s(図12を参照)に接続される一方、排気口54は、ダクトD2を介して作業用閉空間SP1内の空気吐出口D2e(図12を参照)に接続されている。また、図9に示すように、空調機51の内部には、吸気口53から排気口54までの空気の流路が形成されており、この流路には、除塵フィルタ55、熱交換器56、及び、送風ファン57がこの順番で設置されている。よって、作業用閉空間SP1の空気吸込口D1sから吸い込まれた空気は、先ず、除塵フィルタ55により粉塵を除去されて浄化され、次に熱交換器56により設定温度になるように熱交換され(つまり加熱又は冷却され)、しかる後に、送風ファン57によって作業用閉空間SP1の空気吐出口D2eから吐出される。
【0042】
除塵フィルタ55は、例えば、多数の細かい編み目を有する部材であり、編み目を通過する空気から粉塵を捕捉する。また、この除塵フィルタ55には、活性炭も追設されており、排気ガスの脱臭も行われる。
【0043】
熱交換器56は、熱交換サイクル(いわゆる冷凍サイクル)の一部をなし、この熱交換サイクルによって、前記熱交換器56による空気の加熱又は冷却が達成される。図10A及び図10Bは熱交換サイクルの系統図である。図10Aに示すように、熱交換サイクルは、前記熱交換器56と、コンプレッサー56aと、第2の熱交換器56bと、膨張弁56cとがこの順番で循環接続されたものである。そして、この熱交換サイクルの循環路を冷媒としてのフロンガスが一方向に循環することにより、前記熱交換器56において空気の加熱又は冷却が行われる。例えば、冷却時には、図10Aの点線矢印に示すような順方向にフロンガスが流れて熱交換器56がフロンガスの蒸発器として機能し(第2の熱交換器56bが凝縮器として機能する)、これにより当該熱交換器56にて空気が冷却される。他方、加熱時には、図10Bの矢印に示すように、切り替え弁56dの切替えによってフロンガスが逆方向に循環し、これにより熱交換器56がフロンガスの凝縮器として機能して(第2の熱交換器56bが蒸発器として機能する)、当該熱交換器56にて空気が加熱される。
【0044】
この切り替え弁56dの切り替えを含めて、設定温度に調節する制御は、空調機51の制御部58が行う。図11に制御部58のブロック図を示すが、制御部58には、設定温度を入力するための操作パネル58aが接続されている。また、制御部58には、空気吸込口D1sの近傍に設けられた温度センサ58b(図12を参照)からの温度信号が入力される。そして、この温度信号と設定温度とに基づいて、制御部58は、コンプレッサー56aの圧力制御や前記切り替え弁56dの切り替え制御等を行う。例えば、温度信号が示す実績温度と設定温度との偏差に応じてコンプレッサー56aの圧力を増減等するとともに、実績温度が設定温度の許容範囲よりも高い場合には、切り替え弁56dによって熱交換サイクルの循環方向を順方向に切り変える一方、逆に実績温度が設定温度の許容範囲よりも低い場合には、熱交換サイクルの循環方向を逆方向に切り変える。
【0045】
図12は、作業用閉空間SP1における空気吐出口D2eと空気吸込口D1sの配置位置を示す平断面図である。図示のように、空気吐出口D2eは、その吐出方向を前方へ向けながら、前記トンネルの幅方向の中央部、且つ、前記作業用閉空間SP1における前端部に位置して設けられ、前記空気吐出口D2eから吐出された空気は、前記前方仕切部材30aの前記端部シート35に直接当てられるようになっている。なお、空気吐出口D2eの高さ方向の設置位置は、作業床15の上に空気吐出口D2e及びダクトD2が置かれてUバンド等の固定具により固定される関係上、図5に示すように、セントルフォーム1の全高の略真ん中になっている。一方、空気吸込口D1sは、図12に示すように、前記作業用閉空間SP1における後端部、且つ、前記トンネルの幅方向の概ね中央部に位置して設けられる。なお、空気吐出口D2eと同様、空気吸込口D1s及びダクトD1も作業床15上にUバンド等の固定具により固定されている。
【0046】
このような空気吐出口D2eと空気吸込口D1sの配置位置にあっては、作業用閉空間SP1内には、前方から後方への空気の対流が生じるので、空気のよどみの発生が抑制され、その結果として、温度が空間SP1内の全域に亘って均一化され易くなるとともに、作業用閉空間SP1を、粉塵等が含まれた汚れた空気の滞留し難い空間にすることもできる。
【0047】
すなわち、前記空気吐出口D2eから吐出された空気は、図12中点線矢印で示すように、前記前方仕切部材30aの前記端部シート35の中央に直接当たり、そこから前記端部シート35に沿って作業用閉空間SP1の左右の両側方へと分流し、両側方の各隅部においてトンネルの内壁面S1又は型枠21を伝って後方へと流れていく。そして、作業用閉空間SP1の後端部に達した空気は、そこに在る前述の空気吸込口D1sから吸い込まれて空調機51へと送られる。よって、前方から後方への空気の流れにより、作業用閉空間SP1内の温度の均一化が図れ、その結果として、作業用閉空間SP1内の全域に亘って快適な温度にすることができる。また、一般に作業用閉空間SP1内の前端部側の空気は、切羽側空間SP2から汚れた空気が侵入し易く汚れ易いが、これらの空気は、前記空気吐出口D2eから吐出された空気によって強制的に前方から後方へと移動され、後端部の空気吸込口D1sから吸い込まれる。よって、前記前端部側に生じ易い不浄な空気のよどみの発生を有効に抑制可能となる。
【0048】
ところで、このセントルフォーム1では、上述のエアチューブ31の支持架構37(図4A及び図4Bを参照)の軽量化等の観点から、図6に示すように、端部シート35及び側面シート42の下端縁35c,42cに対してエアチューブを設けていない。このため、図13に示すように、これら下端縁35c,42cと、トンネルの床部C0b上面との間には隙間Gが形成され、この隙間Gを通って、図中点線矢印のように作業用閉空間SP1の外側から内側へと空気が侵入する虞がある。特に、前記切羽側空間SP2は、粉塵の舞う環境下にあるために、前方仕切部材30aの端部シート35の下端縁35cから汚れた空気が侵入する可能性が高い。
【0049】
そこで、このセントルフォーム1では、特に前記切羽側空間SP2から作業用閉空間SP1への空気の侵入を確実に防ぐべく、前記空気吐出口D2eから吐出される空気の吐出量を調整している。すなわち、前記前方仕切部材30aの前記端部シート35の下端縁35cと前記トンネルの床部C0bとの隙間Gを通って、前記作業用閉空間SP1の空気が前記切羽側空間SP2へ流出するように、前記空調機51の空気の吐出量が調整されるようになっている。
【0050】
これを達成すべく、先ず、空調機51には、図9に示すように、吸気口53と除塵フィルタ55との間の流路に連通する第2の吸気口53aが設けられており、ここから、前記作業用閉空間SP1の外の坑口側空間SP3から空気を吸気可能となっている。これは、作業用閉空間SP1の空気吸込口D1sからの吸気量だけだと、前記隙間Gから作業用閉空間SP1の外へ空気を流出させるような吐出量を物理的に確保できないためである。
【0051】
また、図14に示すように、前記前方仕切部材30aの前記端部シート35の下端縁35cと前記トンネルの床部C0bとの隙間Gには、この隙間Gの空気の流れを検知するセンサ59が設けられている。すなわち、空気が作業用閉空間SP1から切羽側空間SP2へと流れているか否かを検知するための流量検出センサ59が設けられている。この流量検出センサ59の検出信号は、検出された流量の大きさに比例した大きさの信号であり、図11に示すように、空調機51の前記制御部58へと送信される。そして、制御部58は、この検出信号の大きさに基づいて、空調機51の前記送風ファン57の回転数(rpm)をフィードバック制御する。例えば、流量の許容範囲を下回った場合には、送風ファン57の回転数を増やす一方、流量の許容範囲を上回った場合には、送風ファン57の回転数を減少させる。
【0052】
この流量検出センサ59の一例としては、例えば、図14に示すように、上端59aが端部シート35の下端縁35cに軸支されたフラッパー59bと、フラッパー59bの鉛直からの傾斜角θを検出して傾斜角θに応じた信号を出力する角度センサ(不図示)とを組み合わせたセンサ等が挙げられる。
【0053】
なお、この例では、流量検出センサ59を前方仕切部材30aの端部シート35にのみ設けたが、何等これに限るものではなく、図6に示す後方仕切部材30bの端部シート35の下端縁35cや側面シート42の下端縁42cにも設けるようにしても良く、そのようにすれば、作業用閉空間SP1への空気の侵入を確実に防止可能となる。
【0054】
===その他の実施の形態===
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で以下に示すような変形が可能である。
【0055】
(a)本実施形態においては、空気吐出口D2eからのみ空気を吐出してダクトD2の側壁には空気を吐出する穴を形成していなかったが、何等これに限るものではなく、図15に示すように、ダクトD2の側壁にも空気を吐出する穴を前後方向に適宜ピッチで複数形成して、同図中に点線矢印で示すように側方へ空気を吐出するようにしても良い。なお、この場合には、後方から前方へ向かうに従って、前記穴の開口寸法を順次大きくしていくのが望ましく、このようにすれば、前方の穴の方が圧力損失により吹き出し量が少なくなるという吐出量のアンバランスも打ち消され、もって、ダクトD2の全長に亘って各穴からの空気の吐出量を均等化できる。
【0056】
(b)本実施形態に係るトンネル工事では、一次覆工のコンクリートC1の吹き付け作業の後に、セントルフォーム1の型枠21による覆工コンクリートC2の打設作業を行ったが、これらの作業の間に、一次覆工された内壁面S1に支保工用鋼材を配置する支保工作業と、二次覆工のコンクリート吹き付けを行って上記支保工用鋼材を埋設する二次覆工作業とを行うようにしても良い。
【0057】
(c)本実施形態に係るトンネル工事の説明では、防水シートについては触れていないが、通常は一次覆工のコンクリートC1の吹き付け作業の直後に、当該一次覆工された内壁面S1に対して防水シートの敷設作業が行われ、その後で覆工コンクリートC2の打設作業が行われる。よって、この防水シートの敷設作業をセントルフォーム1の前記作業用閉空間SP1内で行えるようにすべく、それ用の作業足場を前記作業用閉空間SP1内における型枠21の前方に設けても良い。
【0058】
(d)本実施形態に係るセントルフォーム1では、切羽側空間SP2の空気の浄化目的の風管、すなわち、セントルフォーム1の内側の空間を前後に貫通する風管を備えていなかったが、何等これに限るものではなく、図16に示すように、上記風管71を設けるようにしても良い。なお、この場合には、前方仕切部材30a及び後方仕切部材30bの各端部シート35,35には、それぞれに風管71の断面サイズの穴35dが形成され、これら穴35dに風管71が気密状態で通されるのは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】トンネルの縦断面図である。
【図2】作業用空間SP1の作業環境を改善する従来技術の説明図である。
【図3】本実施形態のセントルフォーム1が適用されるトンネル工事の説明図である。
【図4】本実施形態のセントルフォーム1の説明図であり、図4Aは一部を横断面視で示す上面図、図4Bは一部を縦断面視で示す側面図である。
【図5】図4B中のV−V線矢視図である。
【図6】前方仕切部材30a及び後方仕切部材30bにより仕切られる作業用閉空間SP1の説明用斜視図である。
【図7】前方仕切部材30a及び後方仕切部材30bの正面図である。
【図8A】エアチューブ保持フレーム37bの正面図である。
【図8B】エアチューブ31を保持する保持具38の斜視図である。
【図9】空調機51の構造の説明図である。
【図10】図10A及び図10Bは熱交換サイクルの系統図である。
【図11】空調機51の制御部58のブロック図である。
【図12】作業用閉空間SP1における空気吐出口D2eと空気吸込口D1sの配置位置を示す平断面図である。
【図13】作業用閉空間SP1の外側から内側に空気が侵入する様子を説明する図である。
【図14】流量検出センサ59の説明図である。
【図15】その他の実施の形態の説明図である。
【図16】その他の実施の形態の説明図である。
【符号の説明】
【0060】
1 セントルフォーム、
11 台車、12 車輪、
13 門型フレーム、13a 梁部、13b 脚部、
14 連結バー、15 作業床、21 型枠、
30a 前方仕切部材、30b 後方仕切部材、
31 エアチューブ、31a 吊下用ヒレ部、
35 端部シート、35a 上端縁、35b 切り欠き部、
35c 下端縁、35d 穴、
37 支持架構、37a 水平フレーム、
37b エアチューブ保持フレーム、38 保持具、
41 上面シート、42 側面シート、42c 下端縁、
51 空調機、52 筐体、
53 吸気口、53a 吸気口、54 排気口、
55 除塵フィルタ、56 熱交換器、
56a コンプレッサー、56b 第2の熱交換器、
56c 膨張弁、56d 切り替え弁、
57 送風ファン、58 制御部、
58a 操作パネル、58b 温度センサ、
59 流量検出センサ、59a 上端、59b フラッパー、
71 風管、
C0b 床部、C1 コンクリート、C2 覆工コンクリート、
D1 ダクト、D1s 空気吸込口、D2 ダクト、D2e 空気吐出口、
S0 掘削壁面、S0b 掘削底面、S1 内壁面、S2 内壁面、
SP1 作業用閉空間、SP2 切羽側空間、SP3 坑口側空間、
SP4 坑道の空間、G 隙間、J ジャッキ、R レール、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
覆工コンクリートの打設時にトンネルの内壁面に沿って配される型枠を具備し、前記トンネルの掘削方向に移動可能に案内されたセントルフォームであって、
前記セントルフォームの移動方向の前端部に設けられて、該前端部よりも前方の切羽側空間と前記セントルフォームとを仕切る前方仕切部材と、
前記セントルフォームの後端部に設けられて、該後端部よりも後方の坑口側空間と前記セントルフォームとを仕切る後方仕切部材と、
前記前方仕切部材及び前記後方仕切部材によって前記セントルフォームの内側に区画形成された作業用閉空間の温度を調整する空調機と、を備えることを特徴とするセントルフォーム。
【請求項2】
請求項1に記載のセントルフォームにおいて、
前記仕切部材は、
前記型枠に沿って設けられ、膨張して前記トンネルの内壁面に当接するエアチューブと、
前記エアチューブから垂下されて、前記セントルフォームの前記端部を覆う断熱性の端部シートと、を備えることを特徴とするセントルフォーム。
【請求項3】
請求項2に記載のセントルフォームにおいて、
前記端部シートの下端縁にはエアチューブが設けられていないことを特徴とするセントルフォーム。
【請求項4】
請求項3に記載のセントルフォームにおいて、
前記前方仕切部材の前記端部シートの下端縁と前記トンネルの床部との間を通って、前記作業用閉空間の空気が前記切羽側空間へ流出するように、前記空調機の空気の吐出量が調整されることを特徴とするセントルフォーム。
【請求項5】
請求項4に記載のセントルフォームにおいて、
前記前方仕切部材の前記端部シートの下端縁と、前記トンネルの床部との間には隙間が形成されるとともに、前記隙間の空気の流れを検知するセンサが設けられ、
前記センサからの検知信号に基づいて前記空調機は空気の吐出量を調整することを特徴とするセントルフォーム。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれかに記載のセントルフォームにおいて、
前記空調機の空気の吐出口は、その吐出方向を前方へ向けながら、前記トンネルの幅方向の中央部、且つ、前記作業用閉空間における前端部に位置して設けられ、
前記吐出口から吐出された空気は、前記前方仕切部材の前記端部シートに直接当てられることを特徴とするセントルフォーム。
【請求項7】
請求項6に記載のセントルフォームにおいて、
前記空調機の空気の吸込口は、前記作業用閉空間における後端部に位置して設けられるとともに、前記空調機には、前記作業用閉空間の外から空気を取り込むための第2の吸込口が設けられていることを特徴とするセントルフォーム。
【請求項8】
請求項7に記載のセントルフォームにおいて、
前記空調機の前記第2の吸込口は、前記坑口側空間に位置して設けられることを特徴とするセントルフォーム。
【請求項9】
請求項2乃至8のいずれかに記載のセントルフォームにおいて、
前記前方仕切部材と前記後方仕切部材との間の空間には、該空間を前記移動方向の前後に貫通する坑道が設けられ、
前記前方仕切部材の端部シート及び前記後方仕切部材の端部シートには、それぞれに、前記坑道に対応させて切り欠き部が形成されているとともに、
前記坑道と前記作業用閉空間とを仕切るためのシートが、前記前方仕切部材の前記端部シートと前記後方仕切部材の前記端部シートとに掛け渡されていることを特徴とするセントルフォーム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載のセントルフォームにおいて、
前記空調機は、前記吸込口から吸い込んだ空気から粉塵を取り除くための除塵フィルタを有していることを特徴とするセントルフォーム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−31715(P2008−31715A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−205689(P2006−205689)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【出願人】(000158725)岐阜工業株式会社 (56)
【出願人】(391061646)株式会社流機エンジニアリング (20)
【Fターム(参考)】