説明

セーフティデバイスシステム

【課題】 パソコンを介してネットワーク上の複数台のセーフティデバイスにパスワードを登録するための作業をできるだけ簡便なものとすること。
【解決手段】 ユーザの所定操作に応答して、対応するパスワードを生成するパスワード生成手段と、パスワード生成手段により生成されたパスワードをネットワーク上に接続された所定の複数台のセーフティデバイスのそれぞれに送信するパスワード送信手段とを、パソコン側に設けることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数台のセーフティデバイス(例えば、セーフティコントローラ、リモートセーフティターミナル等)をネットワークを介して適宜に結んでなるセーフティデバイスシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
労働安全意識の高まりから、昨今、入出力に関する自己診断機能等を組み込んで安全性を高度に高めたセーフティデバイス(例えば、セーフティコントローラ、リモートセーフティターミナル等)が種々に開発されている。
【0003】
また、複数台のセーフティデバイスをネットワークを介して適宜に結んでなるセーフティデバイスシステムは、昨今、自動車生産工場、液晶生産工場等において広く採用されている。
【0004】
この種のセーフティデバイスにあっては、極めて高度の信頼性乃至安全性を要求されることから、そのコンフィグレーション情報の書き換え等の安全に関わる動作については、取り扱い管理者を制限するよう、安全管理規定が設けられている。より具体的には、そのような安全性に関する作業を行う場合には、パスワード管理により操作担当者を制限するという手法が採用される。
【0005】
ところで、自動車生産工場等の安全制御システムにあっては、そのようなセーフティデバイスシステムに対して、コンフィグレータ等として機能する1台のパソコンを接続して、このパソコンから各セーフティデバイスに対して様々な指令を与えると言った構成が採用される。
【0006】
ネットワークを介してパソコンから各セーフティデバイスにアクセス可能としたセーフティデバイスシステムにおいて、パソコン自体にパスワード管理機能を組み込んで、ネットワークに接続された多数のセーフティデバイスに対して一括してアクセスできれば便利であること言うまでもない。
【0007】
しかし、この種のセーフティデバイスを取り扱う環境としては、既存のパソコンのOSは信頼性乃至機密性の点で不十分とされ、パソコンのOSに組み込まれたパスワード管理機能だけをもって、セーフティデバイスへアクセスすることは認められていない。そのため、取扱者を制限する意味でのパスワード管理機能は、個々のセーフティデバイスのそれぞれごとに持たせなければならない。
【0008】
個々のセーフティデバイスのそれぞれごとにパスワード管理を行うためには、個々のセーフティデバイスのそれぞれごとに、パスワードを登録することが不可欠である。もっとも、自動車生産工場等に採用されている大規模システムになると、ネットワーク上には例えば60台近い多数のセーフティデバイスも存在することを考慮すると、それぞれのデバイスに対してユニークなパスワードを登録するとすれば、システム管理者の煩わしさは想像に余るものあり、結局、大多数のシステム管理者は、ネットワークに接続される全てのセーフティデバイス、又は系統毎のセーフティデバイスに同一パスワードを登録するであろうことは、容易に想像される。
【特許文献1】特開2004−297997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、このように多数のセーフティデバイスのそれぞれに同一パスワードを登録するためには、その都度、デバイスアドレスを変更してはパスワード送信のための登録操作を繰り返すと言う極めて煩わしい作業が必要であり、アドレス入力誤り等によりパスワード設定ミスも生じがちである。
【0010】
この発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、パソコンを介してネットワーク上の複数台のセーフティデバイスにパスワードを登録するための作業をできるだけ簡便なものとすることにある。
【0011】
この発明のさらに他の目的とするところは、明細書の以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明のセーフティデバイスシステムは、1台のパソコンと、それぞれ固有のアドレスが付与された複数台のセーフティデバイスとを、ネットワークを介して結んでなるものである。
【0013】
前記複数台のセーフティデバイスのそれぞれには、パスワードを記憶するための記憶手段と、外部から入力されたパスワードと前記記憶手段に記憶されたパスワードとの照合一致を条件として、当該デバイスの所定動作を許可する施錠手段とが具備されている。
【0014】
前記パソコンには、ユーザの所定操作に応答して、対応するパスワードを生成するパスワード生成手段と、前記パスワード生成手段により生成されたパスワードをネットワークに接続された所定の複数台のセーフティデバイスのそれぞれに送信するパスワード送信手段とが具備されている。
【0015】
このような構成によれば、ユーザが所定の操作を行うことによって、その操作に対応するパスワードが生成されると共に、この生成されたパスワードはネットワークに接続された所定の複数台のセーフティデバイスのそれぞれに送信される。そのため、ユーザは、パスワードを生成するための所定の操作を行うだけで、各セーフティデバイスのそれぞれに対応したアドレス入力操作を行わずとも、該当する複数台のセーフティデバイスのそれぞれに対して、先に生成されたパスワードを送信し、これを個々のセーフティデバイスのそれぞれに登録させることができる。
【0016】
なお、このときパソコン側で生成されるパスワードは、様々な形態をとることが可能である。操作性の改善という観点からすれば、パスワードの生成それ自体はさほど問題ではない。すなわち、ここで重要であることは、操作の簡便性を実現するためには、個々のセーフティデバイスのそれぞれに対応するデバイスアドレスの入力操作をなくすことであり、その限りにおいてはパスワードそれ自体はユーザの意図に従って対応する1もしくは2以上のパスワードが生成さえすれば良いのである。
【0017】
従って、ユーザが文字キーや数値キーを使用してパスワードを直接に入力する場合は勿論のこと、ユーザのキー操作と予め組み込まれたプログラムとが連動して、1もしくは2以上のパスワードを自動生成するような場合も含まれるであろう。もっとも、プログラムの簡便さ、管理者にとって記憶の容易さといった点からすれば、パスワードの生成は、直接に数値キーや文字キーを用いてパスワードそのものを入力することが好ましいであろう。
【0018】
このとき、好ましい実施の形態においては、前記パスワード生成手段により生成されるパスワードは1個のパスワードであることが好ましい。すなわち、パスワードが1個であれば何台のセーフティデバイスが存在しようとも管理者は記憶が容易であるし、そのパスワードを各セーフティデバイスに設定するについても、単にデバイスアドレスを変更しては通信処理を繰り返すだけで済み、内部処理も容易となるからである。
【0019】
また、好ましい実施の形態においては、前記パスワードが送信されるべき複数台のセーフティデバイスが、ネットワークに接続された全てのセーフティデバイスとされる。このような構成によれば、何台のセーフティデバイスがどこに接続されているかをいちいち把握せずとも、所定の操作でパスワードを生成しさえすれば、こうして生成されたパスワードは自動的にネットワークに接続された全てのセーフティデバイスに送信され、登録されるから、システム管理者の作業が著しく簡便なものとなる。
【0020】
本発明の好ましい他の実施の形態においては、前記パスワードが送信されるべき複数台のセーフティデバイスが、ネットワークに接続された全てのセーフティデバイスのうちで、指定された複数台のセーフティデバイスであってもよい。このようにすれば、システム全体が複数系統に分割され、各系統毎に多数のセーフティデバイスが存在するような場合、系統別に異なるパスワードを登録する作業が、同様に各系統については1回のパスワード入力操作で済むから、全体としてパスワード登録操作の簡便化を図ることができる。
【0021】
なお、前記施錠手段により許可される所定動作としては、コンフィグレータ済みデバイスの動作を変更する動作、設定したコンフィグレーション情報をロックする動作、またはコンフィグレーション情報を書き換える動作などを挙げることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、この種のセーフティデバイスシステムにおいて、パソコンを介してネットワーク上の複数台のセーフティデバイスにパスワードを登録するための作業を可及的に簡便なものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明に係るセーフティデバイスシステムの好適な実施の一形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
本発明の基本的なシステム構成図が図1に示されている。同図に示されるように、本発明システムは、1台のパソコン1と、それぞれ固有のアドレスが付与された複数台のセーフティデバイス2,2・・・とを、ネットワーク3を介して結んでなるものである。
【0025】
複数台のセーフティデバイス2,2・・・のそれぞれには、後述するように、パスワードを記憶するための記憶手段と、外部から入力されたパスワードと前記記憶手段に記憶されたパスワードとの照合一致を条件として、当該デバイスの所定動作を許可する施錠手段とが具備されている。
【0026】
一方、パソコン1の側には、ユーザの所定操作に応答して、対応するパスワードを生成するパスワード生成手段と、パスワード生成手段により生成されたパスワードをネットワークに接続された所定の複数台のセーフティデバイスのそれぞれに送信するパスワード送信手段とが具備されている。なお、以上説明したパソコン1内の各手段、セーフティデバイス2内の各手段の詳細については、後に、図5及び図6のフローチャートを参照しながら詳細に説明することとする。
【0027】
また、図において符号101で示されるものは、パソコン1のモニタ上に表示されるデバイスパスワード入力画面であり、この入力画面には、パスワード入力欄101aと、「全てのデバイスにこのパスワードを使用する」旨を意味するダイアログボックス、101cはOKボタン、101dはキャンセルボタンである。このデバイスパスワード入力画面の意味するところについても、後に詳細に説明する。
【0028】
次に、パソコン(PC)並びに安全デバイスの内部を示すシステム構成図が図2に示されている。同図から明らかなように、パソコン(PC)内の記憶手段1a,1bには、パスワードA及びパスワードBがそれぞれ記憶されている。一方、セーフティデバイス21,22,23,24のそれぞれには、記憶手段21a,21b,21c,21dがそれぞれ設けられている。
【0029】
そして、デバイス21,22,23内の記憶手段21a,21b,21cには、同一のパスワード(パスワードA)が格納される一方、セーフティデバイス24の記憶手段21dにはそれらとは異なるパスワード(パスワードB)が格納されている。
【0030】
このような構成にあっては、パソコン(PC)を操作するシステム管理者は、2種類のパスワードA,Bを所持し、パスワードAを使用した場合には、セーフティデバイス21〜23に関するアクセスを行うことができ、他方パスワードBを使用した場合には残りのセーフデバイス24に対するアクセスを行うことができるのである。
【0031】
次に、パソコン(PC)と各セーフティデバイス21〜24との間の通信方法及びフォーマットの説明図が図3に示されている。
【0032】
なお、同図(a)は各デバイスへのパスワード設定時の通信方法及びフォーマット、同図(b)はパスワード設定後の各デバイスへのアクセス時の通信方法及びフォーマットである。いずれの場合においても、通信方式としてはシングルキャスト通信が用いられる。 また、同図(a)に示されるように、各デバイスへのパスワード設定時のフォーマットとしては、送信フレーム中にデバイス宛先31、変更前パスワード32、変更後パスワード33を含む形式が用いられる。
【0033】
一方、同図(b)に示されるように、パスワード設定後の各デバイスへのアクセス時のフォーマットとしては、送信フレーム中にデバイスのネットワーク番号34、デバイスのノード番号35、デバイスのパスワード36を含むものが使用される。
【0034】
次に、パソコン(PC)内でのコンフィグレーション情報とパスワードとの関係が図4に示されている。同図に示されるように、パスワードとコンフィグレーション情報とは各ノード番号毎に対をなして管理されており、そのため、いずれかのノードに対するアクセスを行う場合、そのノードに対応するパスワードを使用して、これを行うことができる。
【0035】
次に、本発明システムを構成するパソコン(PC)1側における処理の全体を示すフローチャートが図5に示されている。同図において処理が開始されると、まず、パソコンのモニタ画面上には、パスワード入力画面が表示される(ステップ501)。ここでパスワード入力画面としては、図7及び図9において、符号101,102として示される画面、図10において符号105として示される画面、さらには図11に符号108として示される画面などを挙げることができる。
【0036】
続いて、ステップ502の分岐処理に示されるように、全デバイスに同じパスワードを使用するか否かによって処理が二手に分けられる。すなわち、全デバイスに同じパスワードを使用する場合(ステップ502YES)、ユーザはパスワード入力画面上のダイアログボックスをチェックし(ステップ503)、その後パスワード入力操作を行う(ステップ504)。一方、全デバイスに同じパスワードを使用しない場合には(ステップ502NO)、パスワード未入力デバイスがなくなるまで(ステップ505)、各デバイスに対してパスワード入力が繰り返し実行される(ステップ506,507)。これらの操作(ステップ505〜507)は、従前からのものと同一である。
【0037】
しかる後、パソコン(PC)1から各セーフティデバイスのそれぞれに対して、入力されたパスワードが送信されることによって、それらのセーフティデバイスにおいては施錠状態が解除され、そのデバイスへのアクセスが可能となるのである(ステップ508)。
【0038】
以上の操作において、特に重要であるのは、全デバイスに同じパスワードを使用する場合(ステップ502)、ユーザはその旨をダイアログボックスをチェックすることによってPCに知らせ(ステップ503)、しかる後パスワードを入力するだけで(ステップ504)、その後各デバイスに対してその都度アドレスを設定してデータを繰り返し送信するような煩わしい処理は一切不要である点である。
【0039】
次に、より詳細な処理を説明するフローチャートが図6に示されている。同図において処理が開始されると、まず最初に、ポインタnの値をアクセスするデバイスの最小ノードアドレス数に設定する。
【0040】
続くステップ602においては、デバイス(#n)へのアクセス動作が開始される(ステップ602)。続いてステップ603においては、ダイアログボックスのチェック済みが判定され、チェック済みであれば(ステップ603YES)、ステップ608へと進んで、デバイス(#n)へパスワード/パスワード付メッセージ送信のいずれかが行われる。
【0041】
続くステップ609においては、全デバイスへのアクセスが終了したか否かの判定が行われ、未だ終了していなければ(ステップ609NO)、ステップ610へ移行して、ポインタ#nの値は次のデバイスのノードアドレスに更新された後、再びステップ602へ戻って、同様な処理が繰り返される。
【0042】
これに対して、ステップ603において、ダイアログボックスのチェック済みでないと判定されると(ステップ603NO)、パソコンのモニタ上にはパスワード入力画面が表示され(ステップ604)、ユーザに対してパスワードの入力が促される。
【0043】
ここで、ユーザが全デバイスに同じパスワードを使用したい場合には(ステップ605YES)、ステップ606へ移行して、ダイアログボックスのチェックが行われ、しかる後パスワード入力が行われる(ステップ607)。すると、入力されたパスワードが、デバイス(#n)へパスワード/パスワード付メッセージ送信され(ステップ608)、以後同一のパスワードをもって、全デバイスへのアクセスが行われる。このようにして、ステップ609において、全デバイスへのアクセス終了と判定されると、図6に示される処理は終了する。
【0044】
本発明のパソコン(PC)1においては、パスワード入力画面(ステップ604)において、ダイアログボックスをチェックしなければ、個々のデバイスに対してその都度パスワード入力が可能である一方(ステップ607)、パスワード入力画面(ステップ604)において、所定のダイアログボックスをチェックしさえすれば(ステップ606)、それがステップ603で判定されることによって、手動によるパスワード入力処理(ステップ607)は以後スキップされるから、ネットワークに接続された全てのデバイスに対して同一のパスワードを設定したいとするシステム管理者の場合、単にダイアログボックスをチェックして(ステップ606)、特定のパスワードを1個入力するだけで(ステップ607)、以後何もすることなく、ネットワークに接続された全てのセーフティデバイス2,2・・・に対して、その都度アドレス変更操作を行うことなく、同一のパスワードを簡便に登録させることができる。
【0045】
以後、各セーフティデバイスにパスワードが登録された後にあっては、当該パスワードをそれぞれ該当するセーフティデバイスに与えることによって、その施錠を解き、コンフィグレーション済みデバイスの動作を変更したり、設定したコンフィグレーション情報をロックしたり、コンフィグレーション情報を書き換えたりする操作を個々に行うことができるのである。なお、その際、パソコン1においては内蔵するOSによるパスワード管理機能が作用するが、これは形式的なものであって実際のパスワード照合管理は、個々のセーフティデバイスそれ自体で行われるから、システム全体として安全法規の要請を十分に満足させることができる。
【0046】
次に、パスワード入力画面の一例が図7に具体的に示されている。同図(a)は1デバイス分を入力するパスワード入力画面であり、同図(b)は複数デバイス分を入力するためのパスワード入力画面である。
【0047】
それらの図において、101はパスワード入力画面、101aはパスワード入力欄、101bはダイアログボックス、101cはOKボタン、101dはキャンセルボタン、102はパスワード入力画面、102aはパスワード入力欄、102bはグループ名入力欄、102cはデバイス選択のためのダイアログボックス、102dは終了ボタン、102eはパスワード入力を継続する旨のボタンである。
【0048】
同図(a)に示される1デバイス分を入力する場合、システムの管理者は、パスワード入力欄101aに所望のパスワードに相当する文字や数字を入力し、しかる後OKボタン101cを押す。すると、該当するデバイスに対して、入力されたパスワードが送信される。これに対して、パスワード入力欄101aに所望のパスワードを入力すると共に、ダイアログボックス101bをチェックし、しかる後OKボタン101cを押せば、入力されたパスワードはネットワークに接続された全てのデバイスへと送信される。
【0049】
一方、同図(b)の場合、グループ名入力欄102bにはグループ名を、パスワード入力欄102aにはパスワードを入力すると共に、このパスワードを適用したいノードに相当する数値が表示されたダイアログボックス102cをチェックし、しかる後終了ボタン102dを押せば、そのパスワードはグループ名と関連づけて登録されると共に、ダイアログボックス102cでチェックされたノード(セーフティデバイス)に対しては、入力されたパスワードが全てに対して送信される。そのため、このパスワード入力画面102を使用すれば、ネットワークに接続された全てのセーフティデバイスの中で、チェックボックス102cで指定されたセーフティデバイスに限って、共通のパスワードを自動的に設定させることができる。
【0050】
次に、パスワードの共通化(グループ化)単位の例が図8に示されている。同図(a)は選択したデバイス全てを共通パスワードとする場合であり、同図(b)は複数のグループを選択できグループ毎に共通パスワードを設定する場合であり、同図(c)は選択したデバイス全てを個別のパスワードとする場合である。このように、本発明のパソコンを用いたシステムにおいては、様々な形態を選択して、個々のデバイス毎にあるいはシステム毎に最適なパスワード設定を行うことができる。
【0051】
次に、パスワードを入力するタイミングについて、いくつかの例を説明する。まず、最初に全ての共通化グループのパスワードを入力する場合が、図9に示されている。この例にあっては、同図(a)に示されるように、まず最初に、パスワード入力及びグループ選択を行い(ステップS11)、しかる後同操作を全対象デバイスを繰り返す(ステップS12)。すなわち、同図(b)に示されるように、パスワードの入力は、同図(b)に示されるパスワード入力画面101、または同図(c)に示されるパスワード入力画面102を使用して行われる。
【0052】
次に、共通化グループ毎に随時パスワードを入力する場合が図10に示されている。この例にあっては、まずグループ選択操作が行われ(S21)、続いて、デバイスへのアクセス開始(S22)、パスワード入力画面の表示(S23)、パスワード入力(S24)が全グループを繰り返す。この例にあっては、符号103で示されるグループ選択画面、符号104で示されるグループ選択画面、符号105で示されるパスワード入力画面が選択的に使用される。すなわち、グループ選択画面103には、グループ名入力欄103aと、グループに加入するノードを選択するためのダイアログボックス103b、終了ボタン103c、グループ選択を続ける旨のボタン103dがそれぞれ設けられる。
【0053】
また、グループ選択画面104においては、グループ名入力欄104a、グループに加入すべきノードアドレスをカンマで区切って入力させるべきノードアドレス入力欄104bと、OK母ターン104cと、キャンセルボタン104dとが設けられる。
【0054】
また、パスワード入力画面105には、特定のグループに関し、入力されるべきパスワード入力欄105aと、全てのグループにこのパスワードを使用する旨を意味するダイアログボックス105bと、OKボタン105cと、キャンセルボタン105dとが設けられる。
【0055】
そして、積極的にグルーピングを行い、そのグループに特定のパスワードを設定する場合には、グループ選択画面103において該当するノードのダイアログボックス103bをチェックし、グループ名入力欄103aに該当するグループ名を入力し、しかる後終了ボタン103cを操作する。
【0056】
または、同図(b)に示されるグループ選択画面104において、グループ名入力欄104aにグループ名を入力すると共に、入力欄104bにこのグループに加入するノードアドレスをカンマで区切って入力し、しかる後OKボタン104cを押す。
【0057】
これらの操作によって、まずグループ登録すなわちグルーピングが終了したならば、同図(d)に移って、パスワード入力画面105においてパスワード入力欄105aにパスワードを入力し、しかる後OKボタン105cを操作する。すると、グルーピングされたグループに対して、指定されたパスワードの登録が行われる。
【0058】
これに対して、パスワード入力欄105においてダイアログボックス105bをチェックすれば、グルーピングの有無に拘わらず、ネットワークに接続された全てのグループにこのパスワードが使用されることとなる。
【0059】
次に、ノード順にパスワードを入れるか事前に入力したパスワードを使用するかを選択する場合が図11に示されている。この例にあっては、同図(a)に示されるように、まずパスワード入力を行う(S31)。しかる後、デバイスへのアクセス開始(S32)、パスワード選択画面の表示(S33)、パスワード選択(S34)が全対象デバイスを繰り返すこととなる。
【0060】
このとき、同図(b)に符号106で示されるグループ名入力画面、同図(c)に符号107で示されるパスワード選択画面、同図(d)に符号108で示されるパスワード選択画面がそれぞれ使用される。すなわち、グループ名入力画面106において、各入力欄106a,106bにパスワードグループ名並びにパスワードをそれぞれ入力した後、パスワード選択画面107においてパスワードグループ名入力欄に該当する所望のパスワードグループ名を入力し、しかる後OKボタン107cを押せば、パスワードの選択が行われる。一方、パスワード選択画面108において、パスワードグループ名一覧の中から所定のカーソル操作で目的とするグループ名を選択し、しかる後OKボタン108bを押した場合にも、パスワードの選択を行うことができる。また、ダイアログボックス108dをチェックすれば、全てのデバイスにこのパスワードを使用することが可能となる。
【0061】
以上説明したように、本発明は様々な形態で実施することが可能であり、ネットワークに接続された全てのデバイス、指定された一群のデバイス、特定の1個のデバイスについて、所望のパスワードを自在に設定することができ、この種のパソコンを利用したパスワード設定操作の使い勝手を著しく向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明によれば、多数のセーフティデバイスのそれぞれに同一パスワードを登録するに際し、その都度、デバイスアドレスを変更してはパスワード送信のための登録操作を繰り返すといった煩わしい作業が不要となり、パソコンを介してネットワーク上の複数台のセーフティデバイスにパスワードを登録するための作業を著しく簡便なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の基本的なシステム構成図である。
【図2】PC並びに安全デバイスの内部を示すシステム構成図である。
【図3】通信方法及びフォーマットの説明図である。
【図4】PC内でのコンフィグレーション情報とパスワードとの関連を示す説明図である。
【図5】全体の処理概要を示すフローチャートである。
【図6】より詳細な処理を説明するフローチャートである。
【図7】パスワード入力画面例を示す説明図である。
【図8】パスワードの共通化(グループ化)単位例を示す説明図である。
【図9】最初に全ての共通化グループのパスワードを入力する場合を示す説明図である。
【図10】共通化グループ毎に随時パスワードを入力する場合を示す説明図である。
【図11】ノード順にパスワードを入れるか事前に入力したパスワードを入力するかを選択する場合を示す説明図である。
【符号の説明】
【0064】
1 パソコン
2 セーフティデバイス
3 ネットワーク
1a,1b 記憶手段
21〜24 セーフティデバイス
21a〜21d 記憶手段
31 デバイス宛先
32 変更前パスワード
33 変更後パスワード
34 デバイスのネットワーク番号
35 デバイスのノード番号
36 パスワード
101 パスワード入力画面
101a パスワード入力欄
101b ダイアログボックス
101c OKボタン
101d キャンセルボタン
102 パスワード入力画面
102a パスワード入力欄
102b グループ名入力欄
102c ダイアログボックス
102d 終了ボタン
102e パスワード入力を続ける旨のボタン
103 グループ選択画面
103a グループ名入力欄
103b ダイアログボックス
103c 終了ボタン
103d グループ選択を続ける旨のボタン
104 グループ選択画面
104a グループ名入力欄
104b ノードアドレス入力欄
104c OKボタン
104d キャンセルボタン
105 パスワード入力画面
105a パスワード入力欄
105b ダイアログボックス
105c OKボタン
105d キャンセルボタン
106 グループ名入力画面
106a パスワードグループ名入力欄
106b パスワード入力欄
106c OKボタン
106d キャンセルボタン
107 パスワード選択画面
107a パスワードグループ名入力欄
107b ダイアログボックス
107c OKボタン
107d キャンセルボタン
108 パスワード選択画面
108a パスワードグループ名案内欄
108b OKボタン
108c キャンセルボタン
108d ダイアログボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1台のパソコンと、それぞれ固有のアドレスが付与された複数台のセーフティデバイスとを、ネットワークを介して結んでなるものであって、
前記複数台のセーフティデバイスのそれぞれには、
パスワードを記憶するための記憶手段と、
外部から入力されたパスワードと前記記憶手段に記憶されたパスワードとの照合一致を条件として、当該デバイスの所定動作を許可する施錠手段とが具備されており、
前記パソコンには、
ユーザの所定操作に応答して、対応するパスワードを生成するパスワード生成手段と、
前記パスワード生成手段により生成されたパスワードをネットワークに接続された所定の複数台のセーフティデバイスのそれぞれに送信するパスワード送信手段とが具備されている、ことを特徴とするセーフティデバイスシステム。
【請求項2】
前記パスワード生成手段により生成されるバスワードは1個のパスワードである、ことを特徴とする請求項1に記載のセーフティデバイスシステム。
【請求項3】
前記パスワードが送信されるべき所定の複数台のセーフティデバイスが、ネットワークに接続された全てのセーフティデバイスである、ことを特徴とする請求項1に記載のセーフティデバイスシステム。
【請求項4】
前記パスワードが送信されるべき所定の複数台のセーフティデバイスが、ネットワークに接続された全てのセーフティデバイスのうちで、指定された複数台のセーフティデバイスである、ことを特徴とする請求項1に記載のセーフティデバイスシステム。
【請求項5】
前記施錠手段により許可される所定動作が、コンフィグレーション済みデバイスの動作を変更する動作、設定したコンフィグレーション情報をロックする動作、又はコンフィグレーション情報を書き換える動作である、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のセーフティデバイスシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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