説明

ソケットコネクタ

【課題】チップ固定手段を有するソケットコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ搬送組立体は、部品を収容する大きさの差込口及び搬送キャリア部材を備える。ソケットの差込口は、第1及び第2の作動位置の間で撓(たわ)むことが可能な2つの係合アーム48、52を含む。前記第1の作動位置においては、前記係合アーム48、52は部品の対向する外面と係合するために差込口に向かって延在し、前記第2の作動位置においては、前記係合アーム48、52は部品の外面と係合しないように差込口から離れる方向に撓む。前記係合アーム48、52にカム部が配置され、キャリア部材は、ソケットコネクタ、あるいは、前記キャリア部材の動きによって電子部品を離し、又は、係合するために、係合アーム48、52が第1及び第2の作動位置の間で動くようにソケットコネクタの係合アーム48、52のカム部と対向して配置された作動部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に電気コネクタに関し、より詳細には、電気部品をコネクタに取付け、そのコネクタと取付けた部品とを搬送するためのソケットコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
コネクタは多くの用途に使用されている。コンピュータ分野に広く用いられている用途では、コンピュータチップや同様の電子部品をソケットコネクタに入れ、組立位置に搬送して、そこでソケットとチップとを回路基板上に実装する。ソケットコネクタは、チップを収容する差込口領域を有し、チップや部品をコネクタに固定する弾性ビーム部材を含む。部品をソケットに入れると、部品がコネクタビーム部材と接触し、それにより、コネクタビーム部材を撓(たわ)ませ、部品をコネクタ差込口領域に収容することができるようにする。部品が完全に収容されると、ビーム部材が撓んでいない状態に戻り、これにより、部品がコネクタに固定される。このようなコネクタのコネクタビーム部材は、チップを位置合せし、チップをソケットコネクタ内の所定の位置に保持するために使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなタイプの機構の1つの問題は、取付操作中の部品とコネクタとの間の移動接触によって、部品がコネクタハウジング材料を削り望ましくない破片が生じる虞(おそ)れがあり、これにより、部品とコネクタとの間の電気的接触が阻害されたり、その後の製造プロセスを妨げたりすることである。コネクタの小型化によって課される厳しい寸法要件を満たしながら、電気部品を実装する際に生じる摩耗に耐えるコネクタハウジング材料を調製するのは困難であった。更に他の継続的な問題は、搬送や操作中にコネクタ端子が損傷することである。
【0004】
一般に、チップや部品のソケットコネクタへの差込は手動で、あるいは、ロボットによって行われる。いずれの場合も、ビーム部材は、チップがソケット内に入って嵌(はま)るように外側に撓んだ後、戻ってチップの外側面と接触しチップを所定の位置に保持しなければならない。ビーム部材をチップの縁と係合離脱させる機構によってこのプロセスが自動的に行われ、この機構が組込まれた構造がチップとそのソケットコネクタの保護搬送用の組立体にもなることが望ましい。
【0005】
本発明は、上に述べた欠点を克服するこのような組立体を目的とする。
【0006】
したがって、本発明の一般的な目的は、チップを収容するソケットコネクタであって、ソケットコネクタ構造に組込まれ、自動化された手段によって動作するチップ固定手段を有するソケットコネクタを提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、コネクタ内に電子部品を収容し、コネクタを搬送キャリア上の所定の位置に保持するためのコネクタ−キャリア組立体であって、搬送キャリアは、コネクタに形成された1以上の部品係合部材を作動させるように形成された作動手段を有し、搬送キャリア上のコネクタの動きによって部品係合部材を動作させ部品を係合離脱させる組立体を提供することである。
【0008】
本発明の更に他の目的は、電子部品を保持し、搬送するためのコネクタ搬送組立体を提供することであり、この組立体はソケットコネクタとキャリア部材とを有する。ソケットコネクタは、部品を収容する大きさの差込口を備え、差込口は、該差込口に形成され、かつ、第1及び第2の作動位置の間で撓むことが可能な少なくとも2つの係合アームを含み、第1の作動位置においては、係合アームは、部品の対向する外面と接触するために差込口内に延在し、第2の位置においては、係合アームは、部品の外面と係合しないように差込口から離れる方向に撓み、係合アームにカム部が配置されている。キャリア部材は、ソケットコネクタを搬送方向に支持し、ソケットコネクタ、あるいは、キャリア部材の動きによって係合アームが第1及び第2の作動位置の間で動くようにソケットコネクタの係合アームと対向して配置された作動部材を有する。
【0009】
本発明の更に他の目的は、他の実施形態によって例示するように、電子部品を収容する差込口を有するソケット型コネクタを提供することであり、差込口は複数の端子収容通路を有し、各端子収容通路は導電性端子を収容し、端子はシリコーンゴム等の弾性物質によってキャビティ内の所定の位置に保持され、ソケットコネクタの下面は組立てる際に弾性物質を供給する面を画定し、この供給面は供給面の周りに延在し、供給面をコネクタの側壁から離間させるチャネルによってコネクタの残りの部分から離間され、供給面は、チャネルとの境界にピン角(かど)の(hard)縁を有し、この縁は、供給面上に配置された液体弾性体に対するバリアを形成する。
【0010】
これらの目的は、本発明の構造によって達成される。本発明の一形態においては、複数の係合アームが形成された従来のソケットコネクタが、係合アームに隣接して開口を有するように改良されている。係合アームには、ソケットコネクタの開口を通って延びるカム面が設けられている。他の形態においては、ソケットコネクタは、差込口部に、電子部品が当接する複数の位置決め面を含むように改良されている。
【0011】
本発明の更に他の形態においては、ソケットコネクタの側部から離間してピン角の連続した縁を形成することによって、コネクタの下面に沿って液体ダムが設けられる。コネクタの下面は、コネクタの組立中に液体封止剤を供給する供給面と見なすことができる。この連続した縁の内部に、コネクタのコンタクト収容通路内の所定の位置に、ソケットコネクタの導電性コンタクトを封止するためにコネクタの下面に供給されるシリコーン等の液体封止剤が含まれる。表面張力によって、液体がコネクタの縁を越えてコネクタの他の部分に流れ込まないように維持される。
【0012】
本発明の更に他の形態においては、ソケットコネクタを支持するためにキャリア部材が提供され、ソケットコネクタ係合アーム上に形成されたカム面と対向する面に作動部材が形成される。ソケットコネクタあるいはキャリア部材が互いに対して移動すると、係合アームのカム面が、キャリア部材の作動部材と接触し、カム面は、ソケットコネクタの差込口から離れるように撓む開位置に引かれ、それにより、電子部品を挿入するために前記ソケットコネクタの差込口が開かれることが好ましい。動作を開放すると、カム面は組合された作動部材から離間し、係合アームは通常撓んで差込口内に戻り、それにより、前記ソケットコネクタの差込口内にある部品の縁が把持される。係合アームは、部品をキャリア部材上の所定の位置に保持し、前記コネクタキャリア部材組立体は、部品を損傷せずに搬送するために使用することができる。
【0013】
キャリア部材上でソケットコネクタを移動させるために組立者が押すことができる反作用面(reaction surface)を備えたソケットを構成することができる。代替的な実施形態においては、組立者が押す反作用面として機能するヒンジ部材をキャリア部材の一部として形成することができる。何れの場合も、反作用面を押すと、キャリア部材上のソケットコネクタが動き、係合アームがキャリア部材の作動部材と係合され、これにより、電子部品を差込口に差込むためにソケットの差込口を開放するように係合アームが外側に排動される。
【0014】
本発明のこれらの及びその他の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明を検討することにより明白に理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この詳細の説明において、添付図面についてしばしば言及する。
【0016】
最初に図1及び2を参照すると、コネクタ実装組立体18は、実装プレート、すなわち、キャリア66と、ソケットコネクタの形状の電気コネクタ20とを有することが分かる。コネクタ20は、概略長方形の絶縁性ハウジング22(他の構成を使用することもできる)と、ハウジング22内に取付けられた複数の導電性端子24とを備える。ハウジング22は、底部25を含み、該底部25からは上方に複数の壁が立上がっている。底部25は、部品取付面26と、コネクタ取付面28と、底部25内に形成され部品取付面26とコネクタ取付面28との間に延在する端子収容キャビティ30の配列とを含む。第1の端壁32、第2の端壁34、及び、対向する一対の壁36、38が底部25から立上がっており、これらは部品取付面26をほぼ取囲んで電気部品を収容する差込口40を画定している。図3に示すように、第1の端壁32と底部25との間に一対の凹部44が形成されている。側壁36と底部25との間には別の凹部46が形成されている。
【0017】
図1Aは、チップ等の電子部品を保持するために使用される従来のソケットコネクタ20’を示す。ソケット20’は、底部25’と、立上がった複数の壁32’、34’、36’、38’が協働して形成する内側差込口40’とを備えたハウジング22’を有する。ハウジング22’には一連のキャビティ30’が形成され、その各キャビティが導電性端子を収容する。差込口40’内に電子部品を保持するために、コネクタ20’は、差込口40’の異なる(かつ、隣接する)2つの内側壁300’に沿って配置された複数の係合アーム48’、50’、52’を備える。これらの係合アームは片持ち式ビーム部材の形状であり、一端は固定され、他端302’は固定されていないため、係合アームは全体が可撓(とう)性構造を有する。係合アームは、差込口40’側に突出し部品が差込口40’に入れられたときにその部品の対向面と隣接係合する張出し端部304’を備える。
【0018】
本発明の原理を具体化するために改良されたコネクタ20を示す図1に戻ると、ハウジング22の底部25、具体的には、差込口の底部25に複数の開口200、204が形成されている。第1の開口200は、一連のスタンドオフ205に隣接して配置されている。図に示されるスタンドオフ205は、壁34の一部として形成されたものであるが、隣接する壁38にも配置されていることが好ましい。これらの開口から、自動化された視覚的手段によって差込口内の部品、又は、チップが着座されているかを検査することができる。第2の開口204は、係合アーム48、50、52に隣接して底部25に配置され、係合アームの一部は、係合アーム52の下部に示すように開口204内に延在している。これらの開口の目的は、次の説明によってより明らかになるであろう。
【0019】
図1においては、ソケットコネクタ20の係合アームは、片持ち式ビーム部材48、50及び52として示されている。第1及び第2のビーム部材48、50は、第1の端壁32から、底部25と第1の端壁32との間にある開口204に沿って突出しているように示されている。また、第3のビーム部材52は、隣接する側壁36から、底部25と側壁36との間にある対応する開口204に沿って突出している(図3)。図に示される実施形態において、係合アームのビーム部材48、50及び52はそれぞれ片持ち構造を有する。代替として、係合アームのビーム部材48、50及び52は両端で支持し、後述するように、支持端の中間に保持スタブを設けてもよい。
【0020】
図4及び7〜9で分かるように、係合アームのビーム部材48、50及び52はそれぞれ、係合アームの自由端から突出している張出し端部、すなわち、コンタクトスタブ54、130及び132を有する。これらビーム部材48、50及び52は、それぞれ部品取付面26の方に傾斜している第1の傾斜面56、124及び126と、第1の面側と反対側の第2の面58、128、131とを有し、各第2の面は、キャリア部材の一部として形成された作動部材88、90、92より高い位置にクリアランス肩部を画定している。これらの肩部は実質的に、内側カム面60、110、112を含むノッチを画定し、内側カム面は、ソケットコネクタがキャリア部材66上の所定の位置に置かれたときにキャリア部材66の作動部材88、90、92と対向する。図3で最もよく分かるように、一対のガイドポスト62が、後述するように、キャリア部材66に形成された、対応する一対の細長いガイドポストキャビティ94に差込まれるようにコネクタ取付面28から下方に突出している。
【0021】
次に、図2及び5を参照すると、端子収容キャビティ210のそれぞれに導電性端子24が取付けられている。端子24は、端子収容キャビティに差込み、固定するのに適した任意の形状を有することができ、この端子は、任意の適切な方法を使用してキャビティ内に固定することができる。この実施形態において、端子24はLGAタイプのものである、すなわち、端子は、端子24のコンタクト部152が部品取付面26の上に突出し、底部150は、コネクタ20のコネクタ取付面28の下に延在して、回路基板215等の電子装置の各コンタクトパッドと接触するように構成されている。端子24は、収容キャビティ30内に位置決めされ、絶縁性及び接着性を有する適切な媒体を塗布することによってキャビティ内に封止され、端子24は対応するキャビティ210内の所定の位置に保持される。
【0022】
そのようなタイプの用途に使用されている従来の媒体は液体シリコーンゴムであるが、このような媒体がコネクタ20上に注がれ、キャビティ210の端子24と周囲のコネクタハウジングとの間にある部分に流れ込んで硬化し、端子24をコネクタ20内の所定の位置に保持する。この液体媒体の塗布を容易にし、かつ、塗布工程の間に液体媒体がはみ出すのを防ぐために、図3に最もよく示すように、コネクタ底部25とその周囲の壁が一体物として一体的に形成されることが好ましい。コネクタの底部25を完全に囲むように延在し、底部25を各側壁32、34、36、38から離間させる働きをする周囲凹部(moat)、すなわち、溝217が下側取付面28の周囲に沿って設けられる。その際、底部25は、周囲凹部内にシリコーン(又は他の液体)が流れるのを表面張力等によって実質的に防ぐ仮想ダムを形成するピン角の周縁219を備える(「ピン角」とは、直角、又は、直角と同等の角度であることをいい、丸みを帯びた面や斜めの面を含まない)。通常、液体シリコーンは、下面上に注がれ、該面に沿って流れてピン角の縁と接触するが、液体が縁を超えて周囲凹部内に落ちるのは表面張力によって阻止される。
【0023】
図1及び5を参照すると、実装プレート66には、プレートコネクタ取付面76の下方に延びるキャビティ180が形成されている。コネクタ20が実装プレート66に取付けられたとき、端子底部150はキャビティ180内に置かれる。コネクタ取付面76の下方に延びるキャビティ180の深さは、コネクタハウジング22がプレートコネクタ取付面76と当接したとき端子底部150がキャビティ底面と接触しないように、端子底部150とキャビティ底面との間の隙(すき)間を十分確保することができる深さである。
【0024】
図1を参照すると、実装キャリア66は、第1の(後)端68、第2の(前)端70、対向する一対の端72、74及びコネクタ支持面76を有することが分かる。後でより詳細に説明するように、コネクタ20をキャリアプレート66に固定するために、側部72、74のそれぞれに沿ってラッチ部材78が配置されている。各ラッチ部材78は、本体80と該本体80から突出する作動タブ82とを有する。ラッチ部材の本体80は、導入部84と保持突起86とを含む。
【0025】
カムブロックあるいは作動部材88、90、92は、キャリアプレート66の一部として設けられ、コネクタ支持面76上の所定の位置から上方に突出している。カムブロック88、90、92は、後述するように、係合アームビーム部材48、50、52上に形成された対応する係合面60、110、112とそれぞれ係合するように構成されている。2つの作動部材88及び90は直立ポスト等として示されているが、作動部材92は作動頭部192が一端に形成された長手方向のレールの形で示されている。このような作動部材は、前述されたように、係合アームの大きい端部に画定されたノッチと嵌(かん)合する。キャリアプレート支持面には一対の細長いガイドポストキャビティ94が形成され、コネクタハウジング22に形成され下方に延在する対応するガイドポスト62をすきま嵌(ば)めによって収容するように構成されている。細長い構造を有するキャビティ94は、ガイドポスト62の矢印「A」で示す双方向の移動を許容する。
【0026】
キャリアプレート66は更に、プレートコネクタの支持面76から延在する1以上の壁100、101を含むことができる。キャリアプレート壁100、101の形状は、後述するように、各コネクタ側壁36、38の外側部の形状に実質的に対応し、実装プレート壁100、101がプレートコネクタ支持面76に沿った方向「A」のソケットコネクタ20の移動を導くのを補助するようになっている。
【0027】
次に、コネクタ20をキャリアプレート66に固定する方法を説明する。図1に示すように、ソケットコネクタ20は、最初、支持面76から離間し、コネクタハウジングの第2の端壁34が支持プレートの第1の端部68と対向するように支持面76に対して向けられている。コネクタ20をこの向きにして、ガイドポスト62をガイドポストキャビティ94に対向させて中に位置決めする。
【0028】
この位置から、コネクタ20は次にキャリアプレート支持面76の方に付勢される。コネクタ20がキャリアプレート66に近付くと、コネクタ側壁36、38は、ラッチ部材78の導入部84に当接し、ラッチ部材本体80をコネクタ20から離れる方向に弾性的に撓ませる。また、コネクタ20がキャリアプレート66に近付くと、ガイドポスト62は実装プレート66内のガイドポストキャビティ94内に収容される。
【0029】
前記コネクタ側壁36、38は、コネクタ20がキャリアプレート支持面76に当接するまでラッチ部材本体80を撓ませた状態に維持している。コネクタ20がプレートコネクタ取付面76に当接する位置に達すると、ラッチ部材本体80は自動的に撓んでいない状態に戻り、ラッチ部材保持突起86はコネクタ側壁36、38の上を摺(しゅう)動し、コネクタ側壁36、38がプレート支持面76とラッチ部材保持突起86との間に位置決めされ、これにより、コネクタ20が実装プレートに固定される。
【0030】
コネクタ格納組立体は、コネクタ20が実装プレート66に当接しているとき、コネクタ20がキャリアプレートコネクタ取付面76に沿って矢印「A」で示す方向において限られた量だけ移動することができるように設計されている。コネクタ20がプレートコネクタ取付面76に当接しているとき、コネクタはラッチ部材本体80とキャリアプレート壁100、101との間に配置され、ラッチ部材本体80とキャリアプレート壁100、101は協働して、コネクタ20が移動することができる長手方向のチャネルを画定する。ラッチ本体80、キャリアプレート壁100、101、及び、ガイドポストキャビティ94内のガイドポスト62の動きは、矢印「A」で示す方向のコネクタ20の動きを実質的に制限する働きをする。また、図1及び7〜9に示すように、コネクタ20がプレートコネクタ取付面76に当接すると、第3のビーム部材係合面112は、実装プレート係合ブロック92と対向するように位置決めされ、第1及び第2のビーム部材係合面60及び110は、実装プレート係合ブロック88及び90と対向するように位置決めされる。
【0031】
次に、電気部品42をコネクタ20に固定する方法を説明する。電気部品42としては、集積回路装置が挙げられる。図6を参照すると、電気部品42は、ビーム部材48、50、52の保持肩部58、128、130と係合するための保持フランジ160を含む。
【0032】
コネクタ20を実装プレート66に固定した後、実装プレート66を用いてコネクタ20への電気部品42の取付けを補助する。まず、図11Aに示すように、電気部品42を差込口40内に配置する。保持スタブ54、120、122の傾斜面56、124、126は、差込口内に電気部品を完全に着座させる前に前記差込口40内の電気部品42の位置決めを補助する。次に、実装プレートの第1の端68及びコネクタハウジングの第1の端壁32を矢印「D」及び「E」で示す方向に付勢する。この付勢力によって前記コネクタ20は実装プレート66に対して矢印「E」で示す方向に移動する。前述されたように、ラッチ本体80、実装プレート壁100、ガイドポスト62及びガイドポストキャビティ94によって、プレートコネクタ取付面76に沿ったコネクタ20の動きがガイドされる。
【0033】
図10及び11Aを参照すると、コネクタ20がプレートコネクタ取付面76に沿って方向「E」に動くと、作動部材、すなわち、カムブロック88、90は第1及び第2の係合アーム面60、110と係合し、第1及び第2のビーム部材を矢印「G」で示す方向に弾性的に撓ませる。同時に、作動部材92、特にその係合頭部192は第3の係合アーム面112とカム作用によって係合し、第3の係合アームを矢印「H」で示す方向に弾性的に撓ませる。係合アームの撓みによって、係合アームが差込口の内縁部から離れ、前記差込口を「開放して」電気部品42を差込口40内に落下させ完全に着座させる。これにより、前記電気部品42のコンタクトパッドは、コネクタ20内に取付けられた端子24の対応するコンタクト部152と接触することができる。
【0034】
電気部品42が差込口40内に完全に収容されたら、実装プレートの第1の端68とコネクタハウジングの第1の端壁32に加えた力を解除する。この力が解除されると、外方に撓んだ係合アーム48、50、52が撓んでいない状態に戻る。係合アームがその撓んでいない状態に戻るので、ビーム部材係合面が実装プレート係合ブロック88、90、92に加える力によって、コネクタ20が方向「D」に動く。前記係合アーム48、50及び52は、撓んでいない状態になると、部品42の面160と接触する。
【0035】
図2及び12を参照すると、ソケットコネクタ20を実装プレート66から外すためには、ラッチ部材の作動タブ82を矢印「J」で示す方向に押して、ラッチ部材の保持突起86とプレートコネクタ取付面76との間に挟まれていた側壁36、38が開放されるまで、ラッチ本体80をコネクタ側壁36、38から離れる方向に撓ませる。次に、図12から分かるように、電気部品42が取付けられたままのコネクタ20を把持し、プレートコネクタ取付面76から持上げる。
【0036】
図13は、キャリア部材401と、電子部品(図示せず)を収容する差込口が形成された対応するソケットコネクタ402とを含む本発明の他の実施形態400を示す。ソケットコネクタ402は、ソケットの差込口403の隣接する2辺、好ましくは側壁に配置された2組(対で示す)の係合アーム404、405を有する。これらの係合アーム404、405は、互いに離間されているとともに、ソケットの差込口の底部内に形成された開口406と関連付けられ、前に示し説明したように、係合アーム404、405のカム部はアームの下方に設けられ、対向する作動部材420、421と接触する。
【0037】
前の実施形態では、組立者がソケットコネクタを押してキャリア部材の端壁の方に動かして、ソケットコネクタとキャリア部材との間でソケットコネクタを動作させるために、該ソケットコネクタの一部として形成された反作用面1040(図2)を利用していたが、この実施形態400では、キャリア部材401の一部として、ヒンジ付部材の一部として形成された反作用面430を利用する。該反作用面430は、組立者がソケットコネクタ402を端壁1040側に押し、係合アームを作動部材と接触させ外側に排動するのに使用する。ヒンジ特性は、材料を延長してキャリア底部を反作用面430に接続することによって達成され、そのような構造は、モールド成形によって容易に実現することができる。作用壁430は、その端に、ソケットコネクタの対向面に当たり接触する接点434を含むことが好ましい。そのようなコンタクトの位置は、図13に示すように、係合アーム404の撓み領域の外側、すなわち、撓み領域にかからない領域にあることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の原理により構成されたコネクタと実装キャリアの一実施形態の斜視図である。
【図1A】従来のソケットコネクタの斜視図である。
【図2】図1の実装キャリアに取付けられたコネクタを示す斜視図である。
【図3】コネクタのコネクタ取付面(底面)を示す、図1に示すコネクタの斜視図である。
【図4】図2に示すように実装キャリアに取付けられたコネクタの頂面図であり、撓んでいない状態のコネクタビーム部材を示す。
【図5】図1のコネクタの断面図であり、端子収容キャビティ内に取付けられた端子の構成を示す。
【図6】図1のコネクタに取付けるように構成された電子部品の斜視図である。
【図7】第2のビーム部材の保持スタブと係合面を示す断面図である。
【図8】第1のビーム部材の保持スタブと係合面を示す断面図である。
【図9】第3のビーム部材の保持スタブと係合面を示す断面図である。
【図10】撓んだ状態のコネクタビーム部材を示す図4の頂面図である。
【図11A】図2の実装組立体の斜視図であり、コネクタビーム部材を撓ませるために組立体に加える力の方向と位置を示す。
【図11B】図2の実装組立体の斜視図であり、コネクタに完全に着座した電子部品を示す。
【図12】ラッチ部材の係合を外した後、実装プレートからコネクタを取外す様子を示す斜視図である。
【図13】本発明の原理により構成されたソケットコネクタとキャリア部材の組立体の代替的な実施形態の上面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソケットコネクタであって、
電子部品を収容する差込口を含む絶縁性ハウジングであって、差込口は、前記ハウジングの底部から上に突出する複数の側壁によって画定され、前記ハウジング底部には複数の通路が貫通して延在する絶縁性ハウジングと、
該ハウジングによって支持された複数の導電性端子であって、単一の端子は単一の通路内に収容され、前記ハウジング底部の上面及び下面を越えてそれぞれ突出する上側及び下側コンタクト部を備え、弾性封止剤によって前記通路内に保持された複数の導電性端子とを有し、
前記ハウジングが、前記ハウジング底部の周縁の周りに延在する周囲凹部を含み、該周囲凹部は、前記ハウジングの下面に配置され、前記底部下面を前記ハウジングの前記側壁から離間させ、前記底部下面の周縁の周りにはピン角の縁が延在し、弾性封止剤がピン角の縁を越えて前記周囲凹部に流れ込むのを防ぐための仮想ダムを形成することを特徴とするソケットコネクタ。
【請求項2】
前記ハウジングが、第1及び第2の位置の間で移動可能な一対の片持ち係合アームを含み、第1の作動位置においては、係合アームは撓んでいない状態にあって前記差込口内に部分的に突出しており、前記第2の作動位置においては、係合アームは差込口から離れる方向に撓んだ状態にある、請求項1に記載のソケットコネクタ。
【請求項3】
各係合アームは、前記差込口に収容された部品と接触するための張出し接触頭部を含む、請求項2に記載のソケットコネクタ。
【請求項4】
前記係合アーム接触頭部は、相手側部材と接触し、前記係合アームを前記第1及び第2の作動位置の間で動かすための内側カム面を画定するノッチを含む、請求項3に記載のソケットコネクタ。
【請求項5】
前記差込口が、該差込口の第1の側壁部に沿って配置された一対の係合アームと、前記差込口の第2の側壁部に沿って配置された単一の係合アームとを含む、請求項4に記載のソケットコネクタ。
【請求項6】
前記差込口の第1及び第2の側壁部が互いに隣接する、請求項5に記載のソケットコネクタ。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−181885(P2008−181885A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38201(P2008−38201)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【分割の表示】特願2004−507299(P2004−507299)の分割
【原出願日】平成15年5月28日(2003.5.28)
【出願人】(591043064)モレックス インコーポレーテッド (441)
【氏名又は名称原語表記】MOLEX INCORPORATED
【Fターム(参考)】