ソリッドイマージョンレンズ、光学ピックアップ装置及び光記録再生装置
【課題】 ソリッドイマージョンレンズの集光部にダストが付着することなく、安定した近接場による光記録再生をすることができるソリッドイマージョンレンズ、光学ピックアップ装置及び光記録再生装置を提供する。
【解決手段】 上部レンズ構造と下部レンズ構造とからなるソリッドイマージョンレンズにおいて、前記下部レンズ構造は、集光部を有する凸状部を有し、この凸状部にスカート部を備える構成とする。
【解決手段】 上部レンズ構造と下部レンズ構造とからなるソリッドイマージョンレンズにおいて、前記下部レンズ構造は、集光部を有する凸状部を有し、この凸状部にスカート部を備える構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソリッドイマージョンレンズ(Solid Immersion Lens:固浸レンズ)と、これを用いた光学ピックアップ装置及び光(もしくは光磁気)記録再生装置に関し、詳しくは、光学レンズの屈折率が大きい材料を用いて集光レンズの開口数を大きくして光(もしくは光磁気)記録媒体に記録再生を行ういわゆる近接場光記録再生方式に適用できるソリッドイマージョンレンズ、光学ピックアップ装置及び光記録再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンパクトディスク(CD)、ミニディスク(MD)、デジタルヴァーサタイルディスク(DVD)に代表される記録媒体(光磁気記録媒体を含む)は、音楽情報、映像情報、データ、プログラム等の格納媒体として広く利用されている。しかしながら、更なる音楽情報、映像情報、データ、プログラム等の高音質化、高画質化、長時間化、大容量化のために、さらに大容量の記録媒体及びこれを記録再生する光記録再生装置(光磁気記録再生装置を含む)が望まれている。
そこで、これらに対応するため、光記録再生装置では、その光源の例えば半導体レーザの短波長化や、集光レンズの開口数の増大化が図られ、集光レンズを介して収束する光スポットの小径化が図られている。
【0003】
例えば、半導体レーザに関しては、発振波長が従来の赤色レーザの635nmから400nm帯に短波長化されたGaN半導体レーザが実用化され、これにより光スポットの小径化が図られつつある。また、例えばそれ以上の短波長化については、266nmの単一波長の光を連続発振するソニー株式会社製の遠紫外固体レーザUW−1010などが発売されており、更なる光スポットの小径化も図られつつある。また、これ以外にもNd:YAGレーザの2倍波レーザ(266nm帯)、ダイヤモンドレーザ(235nm帯)、GaNレーザの2倍波レーザ(202nm帯)などの研究、開発が進められている。
【0004】
また、ソリッドイマージョンレンズに代表される開口数の大きい光学レンズを使って、例えば開口数1以上の集光レンズを実現するとともに、この集光レンズに用いられるソリッドイマージョンレンズの対物面を、その光源波長の10分の1程度まで記録媒体に近接させることにより記録再生を行う、いわゆる近接場光記録再生方式が検討されている(例えば特許文献1参照。)。
【0005】
この近接場光記録再生方式では、記録媒体とソリッドイマージョンレンズとの距離を精度良く光学的なコンタクト状態に維持することが重要である。また、光源から出射されてソリッドイマージョンレンズに入射する光束径が小になるとともに、記録媒体とソリッドイマージョンレンズとの距離も数十nm以下程度と非常に小さくなるため、記録媒体とソリッドイマージョンレンズとの傾きマージン、いわゆるチルトマージンが非常に小さくなり、ソリッドイマージョンレンズの形状は大きく制約されることになる。
【0006】
従来、チルトマージンを考慮したソリッドイマージョンレンズ(SIL)として、図14(a)、(b)に示すようなものが知られている。図14(a)に示すソリッドイマージョンレンズは、超半球形状のレンズの対物面の中心に凸状の集光部を設ける構造とすることで、凸部を除いた対物面と記録媒体との距離を大きくして、チルトマージンを向上させるようにしている(非特許文献1)。また、図14(b)に示すソリッドイマージョンレンズは、半球形状のレンズの対物面側に円錐形状の傾斜部を設ける構造とすることで、対物面と記録媒体との距離を大きくして、チルトマージンを向上させるようにしている(例えば特許文献2参照)。
【0007】
このような構成のソリッドイマージョンレンズを例えば光記録再生装置に適用する場合は、ソリッドイマージョンレンズを2軸アクチュエーターを有する光学ピックアップ装置に装着して、記録媒体とソリッドイマージョンレンズとの距離を光学的なコンタクト状態に維持する。また、光磁気記録に用いられる場合は、光学ピックアップ装置に、磁気記録再生に使用される磁気ヘッド装置が組み込まれ、同様に記録媒体とソリッドイマージョンレンズとの距離を光学的なコンタクト状態に維持する構成とされる。
【特許文献1】特開平5−189796号公開公報
【特許文献2】特開2003−161801号公開公報
【非特許文献1】ISOM’04 Technical Digest pp210-211
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述した図14(a)のソリッドイマージョンレンズにおいては、対物面に凸状部を有しているので、記録媒体が回転すると、対物面と記録媒体との間に位置している凸状部の周囲で空気の流れが発生する。そして、この気流によって、記録媒体上で浮遊しているダストが、ソリッドイマージョンレンズの凸状部に衝突して、ダストが凸状部の先端付近に設けられた集光部近傍に付着し、その結果、レンズに入射した光を遮り安定した記録再生が難しくなるという問題が生じる。
【0009】
同様に、上述した図14(b)のソリッドイマージョンレンズにおいては、対物面側に円錐形状の傾斜部を有しているので、記録媒体が回転すると、傾斜部の先端部付近で空気の流れが発生する。そして、この気流によって、記録媒体上に浮遊しているダストが、傾斜部の先端部分に衝突して、ダストが傾斜部の先端部に設けられた集光部近傍に付着し、その結果、レンズに入射した光を遮り安定した記録再生が難しくなるという問題が生じる。
【0010】
本発明は、上述の問題点を考慮し、ソリッドイマージョンレンズの耐ダスト性を向上させて、レンズの集光部にダストが付着することなく、安定した光記録再生をすることができるソリッドイマージョンレンズ、光学ピックアップ装置及び光記録再生装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上部レンズ構造と下部レンズ構造とからなるソリッドイマージョンレンズであって、前記下部レンズ構造は、集光部を有する凸状部を有し、この凸状部にスカート部を備えている構成とする。
【0012】
好ましくは、前記スカート部は、前記集光部に向かって傾斜する傾斜部を有していることが適当である。
さらに好ましくは、前記上部レンズ構造は、前記集光部に向かって傾斜する傾斜部を有していることが適当である。
【0013】
本発明は、少なくとも、光源と、ソリッドイマージョンレンズと光学レンズとで構成される集光レンズと備えた光学ピックアップ装置であって、前記ソリッドイマージョンレンズは、上部レンズ構造と下部レンズ構造を有し、前記下部レンズ構造は、集光部を有する凸状部を有し、この凸状部にスカート部を備えている構成とする。
【0014】
また、本発明は、少なくとも、光源と、ソリッドイマージョンレンズと光学レンズとで構成される集光レンズと、光記録媒体に光を集光して記録及び/又は再生を行う光学ピックアップ装置と、前記集光レンズ及び光ピックアップ装置を駆動制御する駆動制御手段とからなる光記録再生装置であって、前記ソリッドイマージョンレンズは、上部レンズ構造と下部レンズ構造を有し、前記下部レンズ構造は、集光部を有する凸状部を有し、この凸状部にスカート部を備えている構成とする。
【0015】
本発明によるソリッドイマージョンレンズでは、集光部を有する凸状部にスカート部を備え、上方へ向かう空気の流れを生じさせているので、集光部に付着するダストを少なくすることができる。また、このソリッドイマージョンレンズを用いた光学ピックアップ装置及び光記録再生装置では、近接場光による安定した記録再生を行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のソリッドイマージョンレンズによれば、レンズの集光部に付着するダストを少なくすることができる。
【0017】
また、本発明のソリッドイマージョンレンズを用いた光学ピックアップ装置及び光再生記録装置によれば、ソリッドイマージョンレンズの集光部に付着するダストを少なくすることができるので、安定した近接場光による記録再生をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態の例について説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
【0019】
図1は、本発明による光学ピックアップ装置を備えた光記録再生装置の一例の概略構成図である。
【0020】
図1に示すように、この例においては、情報源1からの情報に基づき例えばディスク状の記録媒体9に記録を行う場合の光照射態様の一例を示し、レーザーダイオード(LD)等より成る光源3から出射される光は、情報源1により情報信号に対応して変調され、また自動パワー制御手段(APC)2により出力が制御される。そしてこの出射光は、光学部41においてコリメーターレンズ4により平行光とされ、ビームスピリッター6、ミラー7を介して、ヘッド部42に入射される。ヘッド部42には、ソリッドイマージョンレンズ10及び非球面レンズ等より成る光学レンズ16から構成される開口数1以上を達成する集光レンズにより、近接場光を記録媒体9に照射する光学系が構成される。ヘッド部42は、駆動部43を構成するアクチュエーター8に例えばソリッドイマージョンレンズ10及び光学レンズ16が設置されて構成される。そして、光学部41から出射された光はヘッド部42により記録媒体9の情報が記録される記録面に近接場光として照射される。なお、光学ピックアップ装置47は、図に示す点線で囲まれた部分により構成される。
【0021】
記録媒体9は、これを回転移動する例えば回転手段15より成る移動機構部46に保持され、図示しないが例えばヘッド部42側を記録媒体9の記録面に沿って平行移動する水平移動機構との連動によって、ヘッド部42から照射される近接場光が記録媒体9の盤面に沿って例えばスパイラル状、同心円状の記録トラックに沿って走査される構成とする。
【0022】
このようにして配列されたスポットの検出態様について、再び図1を参照して説明する。この場合、記録媒体9から反射された光は、ヘッド部42を介してビームスプリッター6により反射されて、フォトディテクター(PD)12より成る光検出部44において検出される。そして、このようにして検出された戻り光量が、ギャップサーボ13に入力され、後述する検出方法に基づいて、検出光量値から制御信号に変換され、ギャップ制御信号が出力され、アクチュエーター8による駆動部43に入力されてギャップの補正がなされる。その結果、ソリッドイマージョンレンズ10と記録媒体9とのギャップが一定に保持される。
【0023】
図2は、入射光が、ヘッド部42を介して記録媒体9に入射される入射態様を示した概略構成図である。光源側から順に非球面レンズ16とソリッドイマージョンレンズ10が配置され、近接場光を記録媒体9に照射するヘッド部42は、2軸アクチュエーター等のアクチュエーター8に設置されている。図示の例では、入射光Aが、ソリッドイマージョンレンズ10に対して、入射光が全反射する角度で入射される。なお、図2において、一点鎖線cは、入射光の光軸を示す。ソリッドイマージョンレンズ10の記録媒体側端面の集光部20から記録媒体9に浸みだしている光が、記録媒体9上のスポットを形成する。
【0024】
次に、図3(a)及び(b)を参照して、近接場光を用いる記録媒体9に対するソリッドイマージョンレンズ10と記録媒体9とのギャップの検出方法について説明する。図3(a)は、記録媒体9とヘッド部42とのギャップ、すなわちソリッドイマージョンレンズ10の記録媒体側の端面とのギャップを示す概略構成図であり、図3(b)はギャップに対する全反射戻り光量の変化を示す図である。図3(a)において、図2と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0025】
ソリッドイマージョンレンズ10と記録媒体9との間隔(ギャップ)が、一般に、入射光の波長の1/4以下とされる近接場光が生じる距離以上である場合、すなわち図3(b)において破線矢印Ffで示すファーフィールド領域では、ソリッドイマージョンレンズ10の端面で全反射を起こす角度で入射した光は、この端面において入射光は全反射するので、図3(b)に示すように、戻り光量Lrは常に一定である。
【0026】
一方、ソリッドイマージョンレンズ10と記録媒体9とのギャップが、入射光の波長λの略1/4以下(一般に、70nm以下)となり、近接場光が生じる距離以下となって破線矢印Fnで示す近接場領域に入ると、ソリッドイマージョンレンズ10の集光部20から全反射する角度で入射した光の一部が浸みだしてくるので、戻り光量Lrは減少する。そして、ソリッドイマージョンレンズ10と記録媒体9が接触するところ(すなわちギャップが0の位置)で、記録媒体9に入射光の全てを透過してしまうので、戻り光量Lrはゼロになる。
【0027】
このような近接場光を生じるギャップ領域における戻り光量の変化は、破線矢印Fnで示す近接場の領域で生じ、ギャップが略λ/4の位置から記録媒体に近づくにつれて緩やかに戻り光量は減少し始め、中間部分では略線形に減少し、更に記録媒体表面に近づいた領域では再び緩やかに漸減する曲線が得られる。
そこで、この全反射戻り光量がギャップ長に対して一定範囲で略線形に変化することを利用して、ソリッドイマージョンレンズ10と記録媒体9との間のギャップを戻り光量から検出し、これをもとにギャップを図3(b)に示すように例えば一定の値dに保持する場合、戻り光量Lrがこのギャップに対応する目標値αに保持されるように、ギャップ制御部によりアクチュエーター8等の駆動を行い、ソリッドイマージョンレンズ10と記録媒体9とのギャップを、例えば20nmに一定化制御することができる。
【0028】
次に、本発明を記録再生装置の再生システムに適用した例について説明する。図4は、1つのレーザ等の光源3を用いて、スポットを記録媒体9上に形成する場合の再生装置の概略構成図を示す。図4において、図1と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0029】
この場合、再生RF信号は、戻り光量をフォトディテクター12で受光することで検出できる。また、再生RF信号を、低域通過フィルターを通して観察することで、サーボ信号を検出でき、ギャップサーボ13へのエラー信号が得られる。これにより、安定なギャップ制御を行うことができ、良好な再生を行うことが可能となる。
【0030】
図5(a)は、本発明によるソリッドイマージョンレンズの形態例の断面図である。また、図5(b)は、本発明によるソリッドイマージョンレンズの形状の理解を容易にするための集光部側からみた平面図である。
【0031】
本例におけるソリッドイマージョンレンズ10は、上部レンズ構造31と凸状部からなる下部レンズ構造32とからなる。上部レンズ構造31は、超半球状の球状部31aとそれに連接する円錐形状部31bとで形成されている。また、上部レンズ構造31に設けられた円錐形状部31bには、下部レンズ構造32に設けられた集光部に向かって傾斜するような傾斜面11が形成されている。
【0032】
下部レンズ構造は、円錐形状部31bの先端に連接するように設けられた凸状部32によって形成されている。この凸状部32は、スカート部としての逆円錐形状を有しており、凸状部32の先端側には、集光部を兼ねる対物面20が形成されている。対物面20は、記録媒体9に対向するような平面を有している。また、凸状部32に設けられたスカート部である逆円錐形状の傾斜面33は、対物面20に向かって拡がるように形成されている。
【0033】
また、本例のソリッドイマージョンレンズ10は、上部レンズ構造31に設けられた円錐形状部31bの傾斜面11が有する傾斜角度θ1が、下部レンズ構造32に設けられた逆円錐形状の傾斜面33が有する傾斜角度θ2よりも、大きくなるように形成されている。具体的には、傾斜角度θ1が70度、傾斜角度θ2が45度になるように形成される。このように、傾斜角度θ2を45度に設定することで、下部レンズ構造32の製造を容易にすることができる。なお、傾斜角度θとは、上部レンズ構造31と下部レンズ構造32が連接する位置において、集光部の中心を通る光軸cに平行な線と、各傾斜面の断面線とが交わることで定められる角度をいう。
【0034】
図6は、本発明によるソリッドイマージョンレンズの別の形態例の断面図である。図6において、図5(a)と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
本例におけるソリッドイマージョンレンズ10の上部レンズ構造31は、半球状の球状部31aとそれに連接する円錐形状部31bとで形成されている。その他の構造は、図5(a)に示したソリッドイマージョンレンズ10と同様である。
【0035】
図7(a)、(b)、(c)は、本発明のソリッドイマージョンレンズの下部レンズ構造の別の形態例を示す断面図である。
図7(a)に示したソリッドイマージョンレンズ10の下部レンズ構造は、凸状部32に設けられたスカート部としての逆円錐形状部32aの先端に連接して円筒形状部32bが形成されているものである。また、円筒形状部32bの先端部には集光部20が形成されている。
【0036】
図7(b)に示したソリッドイマージョンレンズ10の下部レンズ構造32は、凸状部32に設けられた円筒形状部32cの先端に連接してスカート部としての逆円錐形状部32dが形成されているものである。この逆円錐形状部32dの先端部には、集光部20が形成されている。
【0037】
図7(c)に示したソリッドイマージョンレンズ10の下部レンズ構造32は、凸状部32に設けられた円筒形状部32eの先端に連接して、スカート部として円筒形状部32eよりも大きい断面積を有する円筒形状部32fが形成されている。そして、この円筒形状部32fの先端部には、集光部20が形成されている。
【0038】
図8(a)(b)は、本発明によるソリッドイマージョンレンズのまた別の形態例の断面図である。
図8(a)に示すソリッドイマージョンレンズ10aは、上部レンズ構造31と、凸状部を有する下部レンズ構造32とからなるが、上部レンズ構造31は、円錐形状部を有することなく、半球形状部のみで形成されている。なお、上部レンズ構造31は、本例の半球形状に限定されるものではなく、超半球形状で形成されていてもよい。
【0039】
図8(b)に示すソリッドイマージョンレンズ10bは、上部レンズ構造31と、凸状部を有する下部レンズ構造32とからなるが、上部レンズ構造31は、円錐形状部を有することなく、円筒形状部のみによって形成されている。なお、上部レンズ構造31は、例えば、フレネルレンズ構造を加えて、上部レンズ構造を形成してもよい。
【0040】
図9(a)は、半球形状部とそれに連接する円錐形状部を有するいわゆる先端円錐型のソリッドイマージョンレンズを用いた場合に、ソリッドイマージョンレンズに進入するダストDが、記録媒体の回転によって生じる空気流によって巻き上げられる際の経路を示す模式図である。また、図9(b)は、ソリッドイマージョンレンズに進入する際のダストDの進入方向を説明するために用いる平面図である。
【0041】
まず、X軸のX=−100μmの位置から放出されたダストDが、ソリッドイマージョンレンズ10の中心点xに向かって進入を開始する。つぎに、ダストDは、X軸に沿ってある位置にまでソリッドイマージョンレンズ10の中心点xに近づくと、記録媒体9の回転によって、記録媒体9とソリッドイマージョンレンズ10の傾斜面11との間の空間に生じる空気流の影響を受けて、記録媒体9の上方へ巻き上げられる。このとき、X軸において、ダストDがソリッドイマージョンレンズ10の中心点xに最も近づいた位置における、記録媒体9とソリッドイマージョンレンズ10の傾斜面11との間における垂線の線分の長さをL1と定義する。なお、後述するように、本例のソリッドイマージョンレンズ10との比較に用いる先端円錐型のソリッドイマージョンレンズは、光軸cと傾斜面11の断面線との交わりによって生じる傾斜角度θを60度に設定する。
【0042】
次に、図10を用いて、ダストDが記録媒体上で巻き上げられる原理を詳細に説明する。
図10は、ソリッドイマージョンレンズと記録媒体との位置関係を示す概略断面図である。
このとき、ソリッドイマージョンレンズ10の傾斜面11と、記録媒体9との間にできる空間をSとする。空間Sに存在する空気には、記録媒体(ディスク)9が回転することにより、矢印fで示すような上方に流れる空気流が発生し、所定の位置にまで進入してきたダストDを記録媒体9の上方へ巻き上げることになる。
【0043】
図11は、図5に示した本例のソリッドイマージョンレンズ10と、傾斜角度θを60度に設定した先端円錐型のソリッドイマージョンレンズとを用いて、ダストDの進入実験を行った際の結果を示す。
【0044】
図11には、ソリッドイマージョンレンズの中心xに進入するダストDの進入位置(ダスト初期位置)をずらして、L1を測定した結果をグラフにしたものを示す。図の縦軸は、先に定義したL1を表し、図の横軸は、ダストの進入位置を、図9(b)に示したY軸上におけるソリッドイマージョンレンズの中心xからのずれで示す。ここでは、記録媒体(ディスク)の線速度を6.3m/sに設定し、ダストDの放出位置を記録媒体9の表面から10nmの高さとし、ダストDの直径を20nmとする。
【0045】
図12は、ダストDの放出位置を記録媒体9の表面から50nmとし、ダストDの直径を100nmとして、同様の実験を行った場合の結果を示す。
また、図13は、ダストDの放出位置を記録媒体9の表面から100nmとし、ダストDの直径を200nmとして、同様の実験を行った場合の結果を示す。
【0046】
いずれの条件で実験を行った場合であっても、図11、図12、図13のグラフが示すように、本例のソリッドイマージョンレンズ10よれば、従来のソリッドイマージョンレンズに比較して、L1を大きくすることができる。すなわち、ソリッドイマージョンレンズ10の中心部xに進入してくるダストが、中心部xからより離れた位置で巻上げられることになるので、ソリッドイマージョンレンズ10と記録媒体9との間にダストが挟みこまれる可能性が小さくなり、レンズの集光部20に付着する可能性が低くなる。従って、本例のソリッドイマージョンレンズ10では、従来の先端円錐型のソリッドイマージョンレンズと較べて、ソリッドイマージョンレンズ10の集光部20に進入するダストDを効率よく除去することができ、集光部20にダストが付着することを防止することができる。
【0047】
その理由としては、本例のソリッドイマージョンレンズ10によれば、凸状部32に設けられたスカート部によって、空間Sに存在する空気に生じる上方へ向かう流れが、従来の先端円錐型のソリッドイマージョンレンズを用いた場合よりも強くなっているので、レンズ中心部xからより離れた位置で進入してくるダストを巻き上げていると考えられる。
【0048】
また、本例のソリッドイマージョンレンズ10を用いた光学ピックアップ装置によれば、ソリッドイマージョンレンズ10と記録媒体9の間にダストDが挟み込まれる可能性が低くなるので、近接場光を用いて安定した光のピックアップ動作を行うことができる。また、本例のソリッドイマージョンレンズ10を用いた光記録再生装置によれば、ソリッドイマージョンレンズ10と記録媒体9の間にダストDが挟み込まれる可能性が低くなるので、近接場光を用いる光記録再生装置において、ギャップサーボが破綻しない安定した記録再生動作を行うことができる。
【0049】
なお、上述したソリッドイマージョンレンズ10の上部レンズ構造に設けられた円錐形状部31bの形状は、円錐形状に限られることはなく、角錐形状としてもよい。同様に、下部レンズ構造の凸状部32に設けられたスカート部の逆円錐形状は、逆角錐形状であってもよい。また、円錐形状部31に設けられた傾斜面11の傾斜角度θは、レーザの入射光を妨げないような角度で設定されている。また、光磁気記録媒体に対する近接場光記録再生方式においては、記録時及び/又は再生時に磁界が必要になることから、ソリッドイマージョンレンズの対物面の一部又はその周囲に磁気コイル等を取り付けて構成してもよい。
【0050】
また、ソリッドイマージョンレンズの材料としては、上述したように、使用する光記録再生装置、光学ピックアップ装置の装備するレーザ光源の波長に対して、屈折率が大きく、透過率が大きく、光吸収が小さいものが材料として好適である。たとえば、高屈折率ガラスである(株)オハラ社製のS−LAH79(商品名)や、高屈折率セラミックス、高屈折率単結晶材料であるBi4Ge3O12、SrTiO3、ZrO2、HfO2、SiC、KTaO3、ダイヤモンドなどが好適である。
【0051】
また、これらレンズ材料は、アモルファス構造、もしくは単結晶の場合には立方晶構造であることが、望ましい。レンズ材料がアモルファス構造、もしくは立方晶構造である場合、結晶方位によりエッチング速度やエッチング特性が変化しないため、公知である半導体などの加工に使用されるエッチング方法や装置が利用可能である。
【0052】
また、ソリッドイマージョンレンズは、型抜き成型や、ボールレンズを切削、研磨すること等により成型される。更に、ソリッドイマージョンレンズの円錐形状などの凸状部先端に設ける集光部、すなわち対物面の平坦部の加工については、公知である半導体加工に利用されているエッチング方法や装置が利用可能であり、特に、微細な先端部の加工については、たとえば、(株)日立製作所製の集束イオンビーム加工観察装置FB−2100(商品名)などのフォーカスイオンビーム加工方法、及び加工装置を利用するのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、本発明による光学ピックアップ装置を備えた光記録再生装置の一例の概略構成図である。
【図2】図2は、本発明による光学ピックアップ装置における記録媒体への光の入射態様を示す概略構成図である。
【図3】図3(a)は、近接場光を用いた光学ピックアップ装置の記録媒体とヘッド部とのギャップを示す概略構成図である。図3(b)は、近接場光を用いた光学ピックアップ装置の記録媒体におけるギャップと戻り光量との関係を示す図である。
【図4】図4は、本発明による光学ピックアップ装置を備えた光記録再生装置の一例の概略構成図である。
【図5】図5は、本発明によるソリッドイマージョンレンズの一例を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明のソリッドイマージョンレンズの別の形態の例を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明のソリッドイマージョンレンズのまた別の形態の例を示す断面図である。
【図8】図8は、本発明のソリッドイマージョンレンズのさらにまた別の形態の例を示す断面図である
【図9】図9(a)は、ダストDが、空気流によって記録媒体上を移動する際の経路を示す模式図である。図9(b)は、ダストDが、ソリッドイマージョンレンズに進入する向きを説明するために用いるソリッドイマージョンレンズの平面図である。
【図10】図10は、記録媒体とソリッドイマージョンレンズとの間に生じる空気の流れを説明するために用いる記録媒体とソリッドイマージョンレンズの断面図である。
【図11】図11は、ダスト初期位置とダストが巻き上がる位置との関係で、本例のソリッドイマージョンレンズと先端円錐型のソリッドイマージョンレンズとを比較した結果を示すものある。
【図12】図12は、ダスト初期位置とダストが巻き上がる位置との関係で、本例のソリッドイマージョンレンズと先端円錐型のソリッドイマージョンレンズとを比較した結果を示すものある。
【図13】図13は、ダスト初期位置とダストが巻き上がる位置との関係で、本例のソリッドイマージョンレンズと先端円錐型のソリッドイマージョンレンズとを比較した結果を示すものある。
【図14】図14(a)及び(b)は、従来のソリッドイマージョンレンズの断面図である。
【符号の説明】
【0054】
9・・記録媒体(ディスク)、10・・ソリッドイマージョンレンズ(SIL)、11、33・・傾斜面、20・・集光部(対物面)、31・・上部レンズ構造、31・・上部レンズ構造、32・・下部レンズ構造(凸状部)、43・・駆動部、44・・光検出部、45・・制御部、47・・光学ピックアップ装置、θ・・傾斜角度、c・・光軸、D・・ダスト
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソリッドイマージョンレンズ(Solid Immersion Lens:固浸レンズ)と、これを用いた光学ピックアップ装置及び光(もしくは光磁気)記録再生装置に関し、詳しくは、光学レンズの屈折率が大きい材料を用いて集光レンズの開口数を大きくして光(もしくは光磁気)記録媒体に記録再生を行ういわゆる近接場光記録再生方式に適用できるソリッドイマージョンレンズ、光学ピックアップ装置及び光記録再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンパクトディスク(CD)、ミニディスク(MD)、デジタルヴァーサタイルディスク(DVD)に代表される記録媒体(光磁気記録媒体を含む)は、音楽情報、映像情報、データ、プログラム等の格納媒体として広く利用されている。しかしながら、更なる音楽情報、映像情報、データ、プログラム等の高音質化、高画質化、長時間化、大容量化のために、さらに大容量の記録媒体及びこれを記録再生する光記録再生装置(光磁気記録再生装置を含む)が望まれている。
そこで、これらに対応するため、光記録再生装置では、その光源の例えば半導体レーザの短波長化や、集光レンズの開口数の増大化が図られ、集光レンズを介して収束する光スポットの小径化が図られている。
【0003】
例えば、半導体レーザに関しては、発振波長が従来の赤色レーザの635nmから400nm帯に短波長化されたGaN半導体レーザが実用化され、これにより光スポットの小径化が図られつつある。また、例えばそれ以上の短波長化については、266nmの単一波長の光を連続発振するソニー株式会社製の遠紫外固体レーザUW−1010などが発売されており、更なる光スポットの小径化も図られつつある。また、これ以外にもNd:YAGレーザの2倍波レーザ(266nm帯)、ダイヤモンドレーザ(235nm帯)、GaNレーザの2倍波レーザ(202nm帯)などの研究、開発が進められている。
【0004】
また、ソリッドイマージョンレンズに代表される開口数の大きい光学レンズを使って、例えば開口数1以上の集光レンズを実現するとともに、この集光レンズに用いられるソリッドイマージョンレンズの対物面を、その光源波長の10分の1程度まで記録媒体に近接させることにより記録再生を行う、いわゆる近接場光記録再生方式が検討されている(例えば特許文献1参照。)。
【0005】
この近接場光記録再生方式では、記録媒体とソリッドイマージョンレンズとの距離を精度良く光学的なコンタクト状態に維持することが重要である。また、光源から出射されてソリッドイマージョンレンズに入射する光束径が小になるとともに、記録媒体とソリッドイマージョンレンズとの距離も数十nm以下程度と非常に小さくなるため、記録媒体とソリッドイマージョンレンズとの傾きマージン、いわゆるチルトマージンが非常に小さくなり、ソリッドイマージョンレンズの形状は大きく制約されることになる。
【0006】
従来、チルトマージンを考慮したソリッドイマージョンレンズ(SIL)として、図14(a)、(b)に示すようなものが知られている。図14(a)に示すソリッドイマージョンレンズは、超半球形状のレンズの対物面の中心に凸状の集光部を設ける構造とすることで、凸部を除いた対物面と記録媒体との距離を大きくして、チルトマージンを向上させるようにしている(非特許文献1)。また、図14(b)に示すソリッドイマージョンレンズは、半球形状のレンズの対物面側に円錐形状の傾斜部を設ける構造とすることで、対物面と記録媒体との距離を大きくして、チルトマージンを向上させるようにしている(例えば特許文献2参照)。
【0007】
このような構成のソリッドイマージョンレンズを例えば光記録再生装置に適用する場合は、ソリッドイマージョンレンズを2軸アクチュエーターを有する光学ピックアップ装置に装着して、記録媒体とソリッドイマージョンレンズとの距離を光学的なコンタクト状態に維持する。また、光磁気記録に用いられる場合は、光学ピックアップ装置に、磁気記録再生に使用される磁気ヘッド装置が組み込まれ、同様に記録媒体とソリッドイマージョンレンズとの距離を光学的なコンタクト状態に維持する構成とされる。
【特許文献1】特開平5−189796号公開公報
【特許文献2】特開2003−161801号公開公報
【非特許文献1】ISOM’04 Technical Digest pp210-211
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上述した図14(a)のソリッドイマージョンレンズにおいては、対物面に凸状部を有しているので、記録媒体が回転すると、対物面と記録媒体との間に位置している凸状部の周囲で空気の流れが発生する。そして、この気流によって、記録媒体上で浮遊しているダストが、ソリッドイマージョンレンズの凸状部に衝突して、ダストが凸状部の先端付近に設けられた集光部近傍に付着し、その結果、レンズに入射した光を遮り安定した記録再生が難しくなるという問題が生じる。
【0009】
同様に、上述した図14(b)のソリッドイマージョンレンズにおいては、対物面側に円錐形状の傾斜部を有しているので、記録媒体が回転すると、傾斜部の先端部付近で空気の流れが発生する。そして、この気流によって、記録媒体上に浮遊しているダストが、傾斜部の先端部分に衝突して、ダストが傾斜部の先端部に設けられた集光部近傍に付着し、その結果、レンズに入射した光を遮り安定した記録再生が難しくなるという問題が生じる。
【0010】
本発明は、上述の問題点を考慮し、ソリッドイマージョンレンズの耐ダスト性を向上させて、レンズの集光部にダストが付着することなく、安定した光記録再生をすることができるソリッドイマージョンレンズ、光学ピックアップ装置及び光記録再生装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上部レンズ構造と下部レンズ構造とからなるソリッドイマージョンレンズであって、前記下部レンズ構造は、集光部を有する凸状部を有し、この凸状部にスカート部を備えている構成とする。
【0012】
好ましくは、前記スカート部は、前記集光部に向かって傾斜する傾斜部を有していることが適当である。
さらに好ましくは、前記上部レンズ構造は、前記集光部に向かって傾斜する傾斜部を有していることが適当である。
【0013】
本発明は、少なくとも、光源と、ソリッドイマージョンレンズと光学レンズとで構成される集光レンズと備えた光学ピックアップ装置であって、前記ソリッドイマージョンレンズは、上部レンズ構造と下部レンズ構造を有し、前記下部レンズ構造は、集光部を有する凸状部を有し、この凸状部にスカート部を備えている構成とする。
【0014】
また、本発明は、少なくとも、光源と、ソリッドイマージョンレンズと光学レンズとで構成される集光レンズと、光記録媒体に光を集光して記録及び/又は再生を行う光学ピックアップ装置と、前記集光レンズ及び光ピックアップ装置を駆動制御する駆動制御手段とからなる光記録再生装置であって、前記ソリッドイマージョンレンズは、上部レンズ構造と下部レンズ構造を有し、前記下部レンズ構造は、集光部を有する凸状部を有し、この凸状部にスカート部を備えている構成とする。
【0015】
本発明によるソリッドイマージョンレンズでは、集光部を有する凸状部にスカート部を備え、上方へ向かう空気の流れを生じさせているので、集光部に付着するダストを少なくすることができる。また、このソリッドイマージョンレンズを用いた光学ピックアップ装置及び光記録再生装置では、近接場光による安定した記録再生を行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のソリッドイマージョンレンズによれば、レンズの集光部に付着するダストを少なくすることができる。
【0017】
また、本発明のソリッドイマージョンレンズを用いた光学ピックアップ装置及び光再生記録装置によれば、ソリッドイマージョンレンズの集光部に付着するダストを少なくすることができるので、安定した近接場光による記録再生をすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態の例について説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
【0019】
図1は、本発明による光学ピックアップ装置を備えた光記録再生装置の一例の概略構成図である。
【0020】
図1に示すように、この例においては、情報源1からの情報に基づき例えばディスク状の記録媒体9に記録を行う場合の光照射態様の一例を示し、レーザーダイオード(LD)等より成る光源3から出射される光は、情報源1により情報信号に対応して変調され、また自動パワー制御手段(APC)2により出力が制御される。そしてこの出射光は、光学部41においてコリメーターレンズ4により平行光とされ、ビームスピリッター6、ミラー7を介して、ヘッド部42に入射される。ヘッド部42には、ソリッドイマージョンレンズ10及び非球面レンズ等より成る光学レンズ16から構成される開口数1以上を達成する集光レンズにより、近接場光を記録媒体9に照射する光学系が構成される。ヘッド部42は、駆動部43を構成するアクチュエーター8に例えばソリッドイマージョンレンズ10及び光学レンズ16が設置されて構成される。そして、光学部41から出射された光はヘッド部42により記録媒体9の情報が記録される記録面に近接場光として照射される。なお、光学ピックアップ装置47は、図に示す点線で囲まれた部分により構成される。
【0021】
記録媒体9は、これを回転移動する例えば回転手段15より成る移動機構部46に保持され、図示しないが例えばヘッド部42側を記録媒体9の記録面に沿って平行移動する水平移動機構との連動によって、ヘッド部42から照射される近接場光が記録媒体9の盤面に沿って例えばスパイラル状、同心円状の記録トラックに沿って走査される構成とする。
【0022】
このようにして配列されたスポットの検出態様について、再び図1を参照して説明する。この場合、記録媒体9から反射された光は、ヘッド部42を介してビームスプリッター6により反射されて、フォトディテクター(PD)12より成る光検出部44において検出される。そして、このようにして検出された戻り光量が、ギャップサーボ13に入力され、後述する検出方法に基づいて、検出光量値から制御信号に変換され、ギャップ制御信号が出力され、アクチュエーター8による駆動部43に入力されてギャップの補正がなされる。その結果、ソリッドイマージョンレンズ10と記録媒体9とのギャップが一定に保持される。
【0023】
図2は、入射光が、ヘッド部42を介して記録媒体9に入射される入射態様を示した概略構成図である。光源側から順に非球面レンズ16とソリッドイマージョンレンズ10が配置され、近接場光を記録媒体9に照射するヘッド部42は、2軸アクチュエーター等のアクチュエーター8に設置されている。図示の例では、入射光Aが、ソリッドイマージョンレンズ10に対して、入射光が全反射する角度で入射される。なお、図2において、一点鎖線cは、入射光の光軸を示す。ソリッドイマージョンレンズ10の記録媒体側端面の集光部20から記録媒体9に浸みだしている光が、記録媒体9上のスポットを形成する。
【0024】
次に、図3(a)及び(b)を参照して、近接場光を用いる記録媒体9に対するソリッドイマージョンレンズ10と記録媒体9とのギャップの検出方法について説明する。図3(a)は、記録媒体9とヘッド部42とのギャップ、すなわちソリッドイマージョンレンズ10の記録媒体側の端面とのギャップを示す概略構成図であり、図3(b)はギャップに対する全反射戻り光量の変化を示す図である。図3(a)において、図2と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0025】
ソリッドイマージョンレンズ10と記録媒体9との間隔(ギャップ)が、一般に、入射光の波長の1/4以下とされる近接場光が生じる距離以上である場合、すなわち図3(b)において破線矢印Ffで示すファーフィールド領域では、ソリッドイマージョンレンズ10の端面で全反射を起こす角度で入射した光は、この端面において入射光は全反射するので、図3(b)に示すように、戻り光量Lrは常に一定である。
【0026】
一方、ソリッドイマージョンレンズ10と記録媒体9とのギャップが、入射光の波長λの略1/4以下(一般に、70nm以下)となり、近接場光が生じる距離以下となって破線矢印Fnで示す近接場領域に入ると、ソリッドイマージョンレンズ10の集光部20から全反射する角度で入射した光の一部が浸みだしてくるので、戻り光量Lrは減少する。そして、ソリッドイマージョンレンズ10と記録媒体9が接触するところ(すなわちギャップが0の位置)で、記録媒体9に入射光の全てを透過してしまうので、戻り光量Lrはゼロになる。
【0027】
このような近接場光を生じるギャップ領域における戻り光量の変化は、破線矢印Fnで示す近接場の領域で生じ、ギャップが略λ/4の位置から記録媒体に近づくにつれて緩やかに戻り光量は減少し始め、中間部分では略線形に減少し、更に記録媒体表面に近づいた領域では再び緩やかに漸減する曲線が得られる。
そこで、この全反射戻り光量がギャップ長に対して一定範囲で略線形に変化することを利用して、ソリッドイマージョンレンズ10と記録媒体9との間のギャップを戻り光量から検出し、これをもとにギャップを図3(b)に示すように例えば一定の値dに保持する場合、戻り光量Lrがこのギャップに対応する目標値αに保持されるように、ギャップ制御部によりアクチュエーター8等の駆動を行い、ソリッドイマージョンレンズ10と記録媒体9とのギャップを、例えば20nmに一定化制御することができる。
【0028】
次に、本発明を記録再生装置の再生システムに適用した例について説明する。図4は、1つのレーザ等の光源3を用いて、スポットを記録媒体9上に形成する場合の再生装置の概略構成図を示す。図4において、図1と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0029】
この場合、再生RF信号は、戻り光量をフォトディテクター12で受光することで検出できる。また、再生RF信号を、低域通過フィルターを通して観察することで、サーボ信号を検出でき、ギャップサーボ13へのエラー信号が得られる。これにより、安定なギャップ制御を行うことができ、良好な再生を行うことが可能となる。
【0030】
図5(a)は、本発明によるソリッドイマージョンレンズの形態例の断面図である。また、図5(b)は、本発明によるソリッドイマージョンレンズの形状の理解を容易にするための集光部側からみた平面図である。
【0031】
本例におけるソリッドイマージョンレンズ10は、上部レンズ構造31と凸状部からなる下部レンズ構造32とからなる。上部レンズ構造31は、超半球状の球状部31aとそれに連接する円錐形状部31bとで形成されている。また、上部レンズ構造31に設けられた円錐形状部31bには、下部レンズ構造32に設けられた集光部に向かって傾斜するような傾斜面11が形成されている。
【0032】
下部レンズ構造は、円錐形状部31bの先端に連接するように設けられた凸状部32によって形成されている。この凸状部32は、スカート部としての逆円錐形状を有しており、凸状部32の先端側には、集光部を兼ねる対物面20が形成されている。対物面20は、記録媒体9に対向するような平面を有している。また、凸状部32に設けられたスカート部である逆円錐形状の傾斜面33は、対物面20に向かって拡がるように形成されている。
【0033】
また、本例のソリッドイマージョンレンズ10は、上部レンズ構造31に設けられた円錐形状部31bの傾斜面11が有する傾斜角度θ1が、下部レンズ構造32に設けられた逆円錐形状の傾斜面33が有する傾斜角度θ2よりも、大きくなるように形成されている。具体的には、傾斜角度θ1が70度、傾斜角度θ2が45度になるように形成される。このように、傾斜角度θ2を45度に設定することで、下部レンズ構造32の製造を容易にすることができる。なお、傾斜角度θとは、上部レンズ構造31と下部レンズ構造32が連接する位置において、集光部の中心を通る光軸cに平行な線と、各傾斜面の断面線とが交わることで定められる角度をいう。
【0034】
図6は、本発明によるソリッドイマージョンレンズの別の形態例の断面図である。図6において、図5(a)と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
本例におけるソリッドイマージョンレンズ10の上部レンズ構造31は、半球状の球状部31aとそれに連接する円錐形状部31bとで形成されている。その他の構造は、図5(a)に示したソリッドイマージョンレンズ10と同様である。
【0035】
図7(a)、(b)、(c)は、本発明のソリッドイマージョンレンズの下部レンズ構造の別の形態例を示す断面図である。
図7(a)に示したソリッドイマージョンレンズ10の下部レンズ構造は、凸状部32に設けられたスカート部としての逆円錐形状部32aの先端に連接して円筒形状部32bが形成されているものである。また、円筒形状部32bの先端部には集光部20が形成されている。
【0036】
図7(b)に示したソリッドイマージョンレンズ10の下部レンズ構造32は、凸状部32に設けられた円筒形状部32cの先端に連接してスカート部としての逆円錐形状部32dが形成されているものである。この逆円錐形状部32dの先端部には、集光部20が形成されている。
【0037】
図7(c)に示したソリッドイマージョンレンズ10の下部レンズ構造32は、凸状部32に設けられた円筒形状部32eの先端に連接して、スカート部として円筒形状部32eよりも大きい断面積を有する円筒形状部32fが形成されている。そして、この円筒形状部32fの先端部には、集光部20が形成されている。
【0038】
図8(a)(b)は、本発明によるソリッドイマージョンレンズのまた別の形態例の断面図である。
図8(a)に示すソリッドイマージョンレンズ10aは、上部レンズ構造31と、凸状部を有する下部レンズ構造32とからなるが、上部レンズ構造31は、円錐形状部を有することなく、半球形状部のみで形成されている。なお、上部レンズ構造31は、本例の半球形状に限定されるものではなく、超半球形状で形成されていてもよい。
【0039】
図8(b)に示すソリッドイマージョンレンズ10bは、上部レンズ構造31と、凸状部を有する下部レンズ構造32とからなるが、上部レンズ構造31は、円錐形状部を有することなく、円筒形状部のみによって形成されている。なお、上部レンズ構造31は、例えば、フレネルレンズ構造を加えて、上部レンズ構造を形成してもよい。
【0040】
図9(a)は、半球形状部とそれに連接する円錐形状部を有するいわゆる先端円錐型のソリッドイマージョンレンズを用いた場合に、ソリッドイマージョンレンズに進入するダストDが、記録媒体の回転によって生じる空気流によって巻き上げられる際の経路を示す模式図である。また、図9(b)は、ソリッドイマージョンレンズに進入する際のダストDの進入方向を説明するために用いる平面図である。
【0041】
まず、X軸のX=−100μmの位置から放出されたダストDが、ソリッドイマージョンレンズ10の中心点xに向かって進入を開始する。つぎに、ダストDは、X軸に沿ってある位置にまでソリッドイマージョンレンズ10の中心点xに近づくと、記録媒体9の回転によって、記録媒体9とソリッドイマージョンレンズ10の傾斜面11との間の空間に生じる空気流の影響を受けて、記録媒体9の上方へ巻き上げられる。このとき、X軸において、ダストDがソリッドイマージョンレンズ10の中心点xに最も近づいた位置における、記録媒体9とソリッドイマージョンレンズ10の傾斜面11との間における垂線の線分の長さをL1と定義する。なお、後述するように、本例のソリッドイマージョンレンズ10との比較に用いる先端円錐型のソリッドイマージョンレンズは、光軸cと傾斜面11の断面線との交わりによって生じる傾斜角度θを60度に設定する。
【0042】
次に、図10を用いて、ダストDが記録媒体上で巻き上げられる原理を詳細に説明する。
図10は、ソリッドイマージョンレンズと記録媒体との位置関係を示す概略断面図である。
このとき、ソリッドイマージョンレンズ10の傾斜面11と、記録媒体9との間にできる空間をSとする。空間Sに存在する空気には、記録媒体(ディスク)9が回転することにより、矢印fで示すような上方に流れる空気流が発生し、所定の位置にまで進入してきたダストDを記録媒体9の上方へ巻き上げることになる。
【0043】
図11は、図5に示した本例のソリッドイマージョンレンズ10と、傾斜角度θを60度に設定した先端円錐型のソリッドイマージョンレンズとを用いて、ダストDの進入実験を行った際の結果を示す。
【0044】
図11には、ソリッドイマージョンレンズの中心xに進入するダストDの進入位置(ダスト初期位置)をずらして、L1を測定した結果をグラフにしたものを示す。図の縦軸は、先に定義したL1を表し、図の横軸は、ダストの進入位置を、図9(b)に示したY軸上におけるソリッドイマージョンレンズの中心xからのずれで示す。ここでは、記録媒体(ディスク)の線速度を6.3m/sに設定し、ダストDの放出位置を記録媒体9の表面から10nmの高さとし、ダストDの直径を20nmとする。
【0045】
図12は、ダストDの放出位置を記録媒体9の表面から50nmとし、ダストDの直径を100nmとして、同様の実験を行った場合の結果を示す。
また、図13は、ダストDの放出位置を記録媒体9の表面から100nmとし、ダストDの直径を200nmとして、同様の実験を行った場合の結果を示す。
【0046】
いずれの条件で実験を行った場合であっても、図11、図12、図13のグラフが示すように、本例のソリッドイマージョンレンズ10よれば、従来のソリッドイマージョンレンズに比較して、L1を大きくすることができる。すなわち、ソリッドイマージョンレンズ10の中心部xに進入してくるダストが、中心部xからより離れた位置で巻上げられることになるので、ソリッドイマージョンレンズ10と記録媒体9との間にダストが挟みこまれる可能性が小さくなり、レンズの集光部20に付着する可能性が低くなる。従って、本例のソリッドイマージョンレンズ10では、従来の先端円錐型のソリッドイマージョンレンズと較べて、ソリッドイマージョンレンズ10の集光部20に進入するダストDを効率よく除去することができ、集光部20にダストが付着することを防止することができる。
【0047】
その理由としては、本例のソリッドイマージョンレンズ10によれば、凸状部32に設けられたスカート部によって、空間Sに存在する空気に生じる上方へ向かう流れが、従来の先端円錐型のソリッドイマージョンレンズを用いた場合よりも強くなっているので、レンズ中心部xからより離れた位置で進入してくるダストを巻き上げていると考えられる。
【0048】
また、本例のソリッドイマージョンレンズ10を用いた光学ピックアップ装置によれば、ソリッドイマージョンレンズ10と記録媒体9の間にダストDが挟み込まれる可能性が低くなるので、近接場光を用いて安定した光のピックアップ動作を行うことができる。また、本例のソリッドイマージョンレンズ10を用いた光記録再生装置によれば、ソリッドイマージョンレンズ10と記録媒体9の間にダストDが挟み込まれる可能性が低くなるので、近接場光を用いる光記録再生装置において、ギャップサーボが破綻しない安定した記録再生動作を行うことができる。
【0049】
なお、上述したソリッドイマージョンレンズ10の上部レンズ構造に設けられた円錐形状部31bの形状は、円錐形状に限られることはなく、角錐形状としてもよい。同様に、下部レンズ構造の凸状部32に設けられたスカート部の逆円錐形状は、逆角錐形状であってもよい。また、円錐形状部31に設けられた傾斜面11の傾斜角度θは、レーザの入射光を妨げないような角度で設定されている。また、光磁気記録媒体に対する近接場光記録再生方式においては、記録時及び/又は再生時に磁界が必要になることから、ソリッドイマージョンレンズの対物面の一部又はその周囲に磁気コイル等を取り付けて構成してもよい。
【0050】
また、ソリッドイマージョンレンズの材料としては、上述したように、使用する光記録再生装置、光学ピックアップ装置の装備するレーザ光源の波長に対して、屈折率が大きく、透過率が大きく、光吸収が小さいものが材料として好適である。たとえば、高屈折率ガラスである(株)オハラ社製のS−LAH79(商品名)や、高屈折率セラミックス、高屈折率単結晶材料であるBi4Ge3O12、SrTiO3、ZrO2、HfO2、SiC、KTaO3、ダイヤモンドなどが好適である。
【0051】
また、これらレンズ材料は、アモルファス構造、もしくは単結晶の場合には立方晶構造であることが、望ましい。レンズ材料がアモルファス構造、もしくは立方晶構造である場合、結晶方位によりエッチング速度やエッチング特性が変化しないため、公知である半導体などの加工に使用されるエッチング方法や装置が利用可能である。
【0052】
また、ソリッドイマージョンレンズは、型抜き成型や、ボールレンズを切削、研磨すること等により成型される。更に、ソリッドイマージョンレンズの円錐形状などの凸状部先端に設ける集光部、すなわち対物面の平坦部の加工については、公知である半導体加工に利用されているエッチング方法や装置が利用可能であり、特に、微細な先端部の加工については、たとえば、(株)日立製作所製の集束イオンビーム加工観察装置FB−2100(商品名)などのフォーカスイオンビーム加工方法、及び加工装置を利用するのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、本発明による光学ピックアップ装置を備えた光記録再生装置の一例の概略構成図である。
【図2】図2は、本発明による光学ピックアップ装置における記録媒体への光の入射態様を示す概略構成図である。
【図3】図3(a)は、近接場光を用いた光学ピックアップ装置の記録媒体とヘッド部とのギャップを示す概略構成図である。図3(b)は、近接場光を用いた光学ピックアップ装置の記録媒体におけるギャップと戻り光量との関係を示す図である。
【図4】図4は、本発明による光学ピックアップ装置を備えた光記録再生装置の一例の概略構成図である。
【図5】図5は、本発明によるソリッドイマージョンレンズの一例を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明のソリッドイマージョンレンズの別の形態の例を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明のソリッドイマージョンレンズのまた別の形態の例を示す断面図である。
【図8】図8は、本発明のソリッドイマージョンレンズのさらにまた別の形態の例を示す断面図である
【図9】図9(a)は、ダストDが、空気流によって記録媒体上を移動する際の経路を示す模式図である。図9(b)は、ダストDが、ソリッドイマージョンレンズに進入する向きを説明するために用いるソリッドイマージョンレンズの平面図である。
【図10】図10は、記録媒体とソリッドイマージョンレンズとの間に生じる空気の流れを説明するために用いる記録媒体とソリッドイマージョンレンズの断面図である。
【図11】図11は、ダスト初期位置とダストが巻き上がる位置との関係で、本例のソリッドイマージョンレンズと先端円錐型のソリッドイマージョンレンズとを比較した結果を示すものある。
【図12】図12は、ダスト初期位置とダストが巻き上がる位置との関係で、本例のソリッドイマージョンレンズと先端円錐型のソリッドイマージョンレンズとを比較した結果を示すものある。
【図13】図13は、ダスト初期位置とダストが巻き上がる位置との関係で、本例のソリッドイマージョンレンズと先端円錐型のソリッドイマージョンレンズとを比較した結果を示すものある。
【図14】図14(a)及び(b)は、従来のソリッドイマージョンレンズの断面図である。
【符号の説明】
【0054】
9・・記録媒体(ディスク)、10・・ソリッドイマージョンレンズ(SIL)、11、33・・傾斜面、20・・集光部(対物面)、31・・上部レンズ構造、31・・上部レンズ構造、32・・下部レンズ構造(凸状部)、43・・駆動部、44・・光検出部、45・・制御部、47・・光学ピックアップ装置、θ・・傾斜角度、c・・光軸、D・・ダスト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部レンズ構造と下部レンズ構造とからなるソリッドイマージョンレンズであって、
前記下部レンズ構造は、集光部を有する凸状部を有し、この凸状部にスカート部を備えていること
を特徴とするソリッドイマージョンレンズ。
【請求項2】
前記スカート部は、前記集光部に向かって傾斜する傾斜部を有していること
を特徴とする請求項1記載のソリッドイマージョンレンズ。
【請求項3】
前記上部レンズ構造は、前記集光部に向かって傾斜する傾斜部を有していること
を特徴とする請求項1記載のソリッドイマージョンレンズ。
【請求項4】
少なくとも、光源と、ソリッドイマージョンレンズと光学レンズとで構成される集光レンズと備えた光学ピックアップ装置であって、
前記ソリッドイマージョンレンズは、上部レンズ構造と下部レンズ構造を有し、
前記下部レンズ構造は、集光部を有する凸状部を有し、この凸状部にスカート部を備えていること
を特徴とする光学ピックアップ装置。
【請求項5】
少なくとも、光源と、ソリッドイマージョンレンズと光学レンズとで構成される集光レンズと、光記録媒体に光を集光して記録及び/又は再生を行う光学ピックアップ装置と、 前記集光レンズ及び光ピックアップ装置を駆動制御する駆動制御手段とからなる光記録再生装置であって、
前記ソリッドイマージョンレンズは、上部レンズ構造と下部レンズ構造を有し、前記下部レンズ構造は、集光部を有する凸状部を有し、この凸状部にスカート部を備えていること
を特徴とする光記録再生装置。
【請求項1】
上部レンズ構造と下部レンズ構造とからなるソリッドイマージョンレンズであって、
前記下部レンズ構造は、集光部を有する凸状部を有し、この凸状部にスカート部を備えていること
を特徴とするソリッドイマージョンレンズ。
【請求項2】
前記スカート部は、前記集光部に向かって傾斜する傾斜部を有していること
を特徴とする請求項1記載のソリッドイマージョンレンズ。
【請求項3】
前記上部レンズ構造は、前記集光部に向かって傾斜する傾斜部を有していること
を特徴とする請求項1記載のソリッドイマージョンレンズ。
【請求項4】
少なくとも、光源と、ソリッドイマージョンレンズと光学レンズとで構成される集光レンズと備えた光学ピックアップ装置であって、
前記ソリッドイマージョンレンズは、上部レンズ構造と下部レンズ構造を有し、
前記下部レンズ構造は、集光部を有する凸状部を有し、この凸状部にスカート部を備えていること
を特徴とする光学ピックアップ装置。
【請求項5】
少なくとも、光源と、ソリッドイマージョンレンズと光学レンズとで構成される集光レンズと、光記録媒体に光を集光して記録及び/又は再生を行う光学ピックアップ装置と、 前記集光レンズ及び光ピックアップ装置を駆動制御する駆動制御手段とからなる光記録再生装置であって、
前記ソリッドイマージョンレンズは、上部レンズ構造と下部レンズ構造を有し、前記下部レンズ構造は、集光部を有する凸状部を有し、この凸状部にスカート部を備えていること
を特徴とする光記録再生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−338843(P2006−338843A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−165791(P2005−165791)
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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