説明

ソーラーガスタービン

【課題】既存の方式よりも熱損失の小さいソーラーガスタービンを提供する。
【解決手段】集光装置がビームダウン型で、受熱部4とガスタービン19の両方とも地上位置にあるため、受熱部4からガスタービン19までの高温圧縮空気T3の導入経路が短く、熱損失が小さい。また発電のために水を必要としないため、水が貴重な砂漠地域等において有用である。更に空気だけでタービン21を回すため、二酸化炭素の排出を完全に抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーラーガスタービンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンの圧縮空気を太陽熱により加熱し、その加熱した圧縮空気を膨張させてタービンを駆動させる技術が知られている。太陽熱を得るための集光装置としては、一般に太陽を追尾しながら常に太陽に向いた状態を維持するディッシュ型や、タワーの頂部に複数のヘリオスタットにより太陽光を集光させるタワートップ型が知られている。
【0003】
このように集光装置の受熱部に太陽光を集光させ、受熱部に圧縮空気を通過させることにより、圧縮空気を加熱する構造になっている。タービンは受熱部から離れた位置に設置され、加熱された圧縮空気は受熱部からタービンへ送り込まれる。ガスタービンは重量物であるため一般に地上に設置される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−280638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、ディッシュ型及びタワートップ式のいずれの場合であっても、受熱部を高い位置に設けなければならないため、地上に設置されたガスタービンとの距離が大きくなり、熱損失が大きくなるという課題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の技術の課題に着目してなされたものであり、既存の方式よりも熱損失の小さいソーラーガスタービンを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、地上よりも高い位置に設置され、下面に反射面を有するセンターミラーと、前記センターミラーの周囲の地上領域に設置され、太陽光を前記センターミラーに向けて反射する複数のヘリオスタットと、前記センターミラーで反射された太陽光が集光する地上位置に設置された受熱部と、大気を吸引する空気圧縮機と、空気圧縮機からの圧縮空気により回転するタービンと、タービンに連結された発電機とを有するガスタービンを地上位置に設け、前記受熱部が空気圧縮機とタービンとの間に設けられ、タービンに供給される圧縮空気を太陽熱で加熱することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、受熱部とタービンとの間に、燃料を燃焼させて燃焼ガスをタービンへ供給する補助燃焼室を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、前記センターミラーが、断面が回転楕円体に合致した湾曲面を有し、かつ、下方に第1焦点と第2焦点を持つものであり、上部開口よりも下部開口の方が小さく且つ内面が鏡面とされた筒型集光鏡を、前記上部開口の中心と前記第2焦点とを略一致させた状態で設置し、前記受熱部は、筒型集光鏡の下部開口付近に設置されており、記ヘリオスタットは、反射光が前記第1焦点へ向かうように制御されることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、前記ヘリオスタットが、平面視でセンターミラーを中心とした角度90度を超える地上領域に設置されることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、前記ヘリオスタットは、日中の太陽方位の対角となる範囲に収まるように設置されており、前記センターミラーは、前記ヘリオスタットからの反射光が当たらない部分が切欠かれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、集光装置がビームダウン型で、受熱部とガスタービンの両方とも地上位置にあるため、受熱部からガスタービンまでの高温圧縮空気の導入経路が短く、熱損失が小さい。また発電のために水を必要としないため、水が貴重な砂漠地域等において有用である。更に空気だけでタービンを回すため、二酸化炭素の排出を完全に抑制することができる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、受熱部とタービンとの間に補助燃焼室を設けたため、夜間や曇りで太陽エネルギーが十分でない場合には、補助燃焼室の燃焼ガスによりタービンを回して発電することができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、センターミラーは断面が楕円に合致した湾曲面を有した形状であって、ヘリオスタットで反射した太陽光がセンターミラーの第1焦点を通過すれば、その太陽光は幾何光学的に必ず第2焦点に集光する。そのため、ヘリオスタットは反射光が常に第1焦点へ向かうように制御すれば良く、ヘリオスタットの制御が容易である。また、第2焦点の周囲に筒型集光鏡が位置するため、第2焦点から外れた太陽光も筒型集光鏡内に取り入れて内面で反射しながら確実に受熱部に導くことができる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、ビームダウン式のため、一点のターゲットに対して、ヘリオスタットを平面視で少なくとも90度を超えた角度範囲、最大360度の全周範囲に配置することができる。タワー式の場合は、タワーの側面に設けられた一点のターゲットに対して、タワーの一方側の角度約90度の範囲にしかヘリオスタットを配置することができない。そのため、ビームダウン式の場合は、タワー式によりもヘリオスタットの数を増して集光度を十分に高めることもできる。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、センターミラーにおいてヘリオスタットからの反射光が当たらない部分を切り欠いているため、センターミラーの軽量化を図ることができ、センターミラーの設置作業が容易になる。また、ヘリオスタットは日中の太陽方位の対角となる範囲に収まるように設置されているため、全周に配置する場合よりもヘリオスタットの数は減るものの、太陽光の入射方向と反射方向の関係によりエネルギーのロスが大きくなる領域のヘリオスタットが省略されただけなので、集光装置全体のエネルギーのロスはそれほど大きくなく、減った分のヘリオスタットのコスト削減を考慮すると、結果的に太陽光の利用効率及びコストの面で有利な構造となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態に係るソーラーガスタービンを示す斜視図。
【図2】ソーラーガスタービンを示す平面図。
【図3】ソーラーガスタービンを示す一部断面の側面図。
【図4】ガスタービンの構造を示す図。
【図5】受熱部に対する入射角度に関与する距離要素を示す説明図。
【図6】ヘリオスタットを示す斜視図。
【図7】ヘリオスタットを示す分解斜視図。
【図8】ヘリオスタットのミラーの支持構造を示す概略説明図。
【図9】第2実施形態に係るガスタービンの構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
図1〜図8は、本発明の第1実施形態を示す図である。この実施形態では、小型のパイロットプラント級のサイズを例に説明する。また東西南北の方向性は日本のように北半球の中緯度の地域を例にして説明する。
【0019】
図1はビームダウン型の集光装置を示している。中心にはセンターミラー1が3本のタワー2により地面から約20mの高さに支持されている。センターミラー1の表面形状は仮想的な回転楕円体の一部をなし、平面視で北側の角度120度の範囲が切欠かれた形状をしている。センターミラー1は縦断面が楕円に合致した湾曲面を有し、その中心を上下に貫通する中心軸G上に共焦点として第1焦点Aと第2焦点Bが存在している。
【0020】
第2焦点Bには筒型集光鏡3が設置されている。筒型集光鏡3は上部開口よりも下部開口が狭い概略テーパー筒形状で、内面は鏡面になっている。
【0021】
筒型集光鏡3の下側には受熱部4が設けられている。受熱部4は太陽光を熱に変換し且つそこを通過する空気と熱交換できる構造になっている。
【0022】
センターミラー1の北側から東西両側にかけて角度240度の範囲内に複数のヘリオスタット5が放射状に設置されている(図2参照)。ヘリオスタット5が配置されている範囲は、日中の太陽方位の対角となる範囲で、センターミラー1の南側領域にはヘリオスタット5は配置されていない。
【0023】
図2に示す扇状エリアEは、従来のタワートップ式の場合のヘリオスタット領域で、約角度90度の範囲である。タワートップ式の場合は、この範囲を超えて設置しても(例えばタワーの横に回り込むようにしても)、タワーの側面に設置された1つのターゲットには太陽光が届かないため、どうしても90度程度が限界であった。それに対して、本実施形態のビームダウン式にすれば、タワートップ式の角度範囲を超えて広い領域にヘリオスタット5を設置することができる。
【0024】
このヘリオスタット5は、ミラー要素としての4枚のミラー2に反射機能を分散させたマルチミラー型のものである。各ヘリオスタット5のベース6にはセンターミラー1側にバー7が立設され、その上端にセンサー8が固定されている。ベース6のバー7とは反対側に支柱9が設けられ、その上端に第1駆動部10が設けられている。第1駆動部10には、地球の自転軸と平行で地面に対して所定の角度を有する第1軸11が設けられている。この第1軸11は第1駆動部10により軸心を中心に日周運動に関連する赤経方向X(図8参照)へ回転自在である。
【0025】
第1軸11の先端にはコ字形のフレーム12が固定されている。このフレーム12の両側のフランジには第1軸11と直交する方向に第2軸13が貫通している。第2軸13は金属パイプで、フランジの外側へ両側が突出している。フレーム12と第2軸13との間には、第2軸13を季節運動に関連する赤緯方向Y(図8参照)へ回転させる第2駆動部14が設けられている。
【0026】
フレーム12から外側へ突出した第2軸13の両端には別の支持パイプ15が直交方向に貫通している。第2軸13と支持パイプ15でH形を形成し、その四隅となる支持パイプ15の両端にミラー2がそれぞれ金具16により取り付けられている。ミラー2は直径50cmの円形で、その表面はそれぞれ第1焦点Aまでの距離に応じた実質的な焦点距離を有する凹球面になっている。
【0027】
フレーム12の内側の第2軸13には一対のブラケット17を介してセンサーミラー18が取付けられている。センサーミラー18は横長の長方形で、表面はフラットである。
【0028】
センサーミラー18で反射された太陽光Lはセンサー8により受光される。センサー8は、センサーミラー18と第1焦点Aとを結ぶ仮想直線上に位置している。従って、センサーミラー18で反射された太陽光Lが常にセンサー8で受光されるように、ミラー2の回転を赤経方向X及び赤緯方向Yで制御すると、その太陽光Lはセンサー8を通過してその先の第1焦点Aに必ず向かうことになる。4枚のミラー2は、センサーミラー18にて反射された太陽光Lの光路を代表的光軸として、その光軸上における第1焦点Aへ向けて各ミラー2からの反射光が集光するように、僅かながら異なる角度で予め調整されている。
【0029】
センサー8の内部には太陽光Lの左右方向(赤経方向)及び上下方向(赤緯方向)での中立位置を検出する光検出素子が設けられており、センサー8から第1駆動部10及び第2駆動部14へ信号を出力している。そして、センサーミラー18で反射される太陽光Lが必ずセンサー8で受光されるように(センサー8の方向に向かうように)、第1駆動部10及び第2駆動部14をフィードバック制御し、第1軸11及び第2軸13を赤道儀方式により赤経方向X及び赤緯方向Yへ回転させて、4枚のミラー2で反射された4本の太陽光Lを第1焦点Aに集合させるようにしている。各ミラー2で反射された太陽光Lは所定の太さを有する光束で、第1焦点Aを通過する時に最も細くなり、第1焦点Aを通過してから多少拡散しながらセンターミラー1で反射されて第2焦点Bで収束する。第2焦点Bには筒型集光鏡3が設けられているため、第2焦点Bから多少ずれた太陽光Lも上部開口より内部に取り入れて下部開口より受熱部4へ確実に導くことができる。
【0030】
ヘリオスタット5は、ミラー2が、第1軸11を中心にした日周運動と、第2軸13を中心とした季節運動で回転する赤道儀方式のため、太陽を追尾し易い。すなわち、一日のミラー2の動きは専ら日周運動に支配され、季節運動はほんの僅かである。従って、例えば、センサー8による太陽Sの追尾中に、太陽Sが雲で隠れた場合などは、照度計などによりその状態を検知して、センサー8によるリアルタイム制御から、通常の太陽の動きに応じた定速回転を再現するクロック制御に切り換える。そうすれば、ミラー2は概ねセンサー8で制御している場合と同様の回転を進めるため、雲が無くなって再び太陽Sが現れた時には、センサーミラー18で反射された太陽光Lは必ずセンサー8で捕捉され、センサー8による制御が復帰して、センサー8によるリアルタイム追尾制御をそこから継続することができる。
【0031】
更に、センサー8による制御は、センサーミラー18で実際に反射された太陽光Lの光路位置をリアルタイムで検出するため、いわゆる二次側制御(出側制御)となり、ヘリオスタット5に加わった一次側の外因(風圧やガタなど)も含めて制御することができる。
【0032】
センターミラー1にて反射される太陽光Lは筒型集光鏡3で集光するため、入射角度を、筒型集光鏡3で導入可能な入射角度以内に維持する必要がある。導入可能な入射角度より大きくなると、筒型集光鏡3内で複数回反射して上部開口から出てしまう。
【0033】
ビームダウン式の場合は、センターミラー1に近いヘリオスタット5は筒型集光鏡3に対して垂直(中心軸G)に近い角度で入射するため問題ない。これに対して、センターミラー1から遠いヘリオスタット5からの太陽光Lは、遠くなるほど筒型集光鏡3に対する入射角度θ(中心軸Gに対する)が大きくなるため、最遠のヘリオスタット5からの太陽光L′を筒型集光鏡3の許容入射角度以内にコントロールする必要がある。
【0034】
すなわち、図5に示すように、最遠のヘリオスタット5からの太陽光L′の筒型集光鏡3に対する入射角度θは、センターミラー1での反射点Pと中心軸Gとを結ぶ水平距離Mと、前記反射点Pと筒型集光鏡3の上部開口中心とを結ぶ垂直距離Hとの関係で決まる。従って、システム全体を設計する場合、まず必要な総エネルギー量からヘリオスタット5の総数が決められた後に、最遠のヘリオスタット5からの太陽光L′の入射角度θが許容入射角度以内になるように、この水平距離Mと垂直距離Hを決定する。2つの距離要素M,Hを調整するだけで、最遠の太陽光L′の入射角度を許容入射角度以下に設定することができるため、全体設計が容易である。
【0035】
以上のような構造をしたビームダウン式の集光装置の受熱部4と同じ地上位置に、図4に示すようなガスタービン19が設置されている。ガスタービン19は空気圧縮機20とタービン21と発電機22とから基本的に構成されている。
【0036】
このような構造のガスタービン19において、空気圧縮機20とタービン21との間に受熱部4が設けられている。受熱部4の上部には筒型集光鏡3が設けられている。受熱部4は太陽光を熱に変換する構造と、そこを通過する空気と熱交換できる構造になっている。例えば複数の金属パイプを隙間なくパネル状に並設した熱交換器を有し、そこに空気を通過させながら上部の筒型集光鏡3より太陽光を照射する構造になっている。
【0037】
まず大気T1は空気圧縮機20に吸引されて、そこで圧縮されて圧縮空気T2となる。圧縮空気T2は空気圧縮機20から受熱部4へ供給される。圧縮空気T2は空気圧縮機20で圧縮されることにより大気T1よりも高温になるが、受熱部4を通過することにより更に加熱されて高温圧縮空気T3となる。受熱部4内の熱交換器を形成する金属の耐熱性にもよるが高温圧縮空気T3は800°C程度に加熱される。
【0038】
高温圧縮空気T3は受熱部4からタービン21に導入される。タービン21に導入された高温圧縮空気T3は断熱膨張によりタービン21を回転させて、直結された発電機22より電力を取り出すことができる。
【0039】
タービン21を通過した排気T4は十分高温なため、その熱は空気圧縮機20に導入される大気T1の予熱等に再利用される。
【0040】
この発明によれば、受熱部4とガスタービン19の両方とも地上位置にあるため、受熱部4からタービン21への高温圧縮空気T3の導入経路が短く、熱損失が小さい。従って、太陽エネルギーの効率的な利用が図れる。
【0041】
また発電のために水を必要とせず、空気のみを作動流体として利用するため、水が貴重な砂漠地域等において特に有用である。更に空気だけで発電可能なため、二酸化炭素の排出を完全に抑制することもできる。
【0042】
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態を示す図である。本実施形態は、前記第1実施形態と同様の構成要素を備えている。よって、それら同様の構成要素については共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
【0043】
この実施形態のガスタービン23は先の実施例同様にビームダウン式の集光装置の受熱部4と同じ地上位置に設置されている。
【0044】
このガスタービン23は、受熱部4とタービン21との間に補助燃焼室24が設けられている。補助燃焼室24は非稼働時においては単純に受熱部4からの高温圧縮空気T3をタービン21側へ通過させ、タービン21を回転させることができる。
【0045】
夜間や曇りの時など、太陽エネルギーが十分でない場合は、受熱部4での圧縮空気T2の加熱が十分でなく、受熱部4からタービン21に高温圧縮空気T3が供給されないため、そのような場合には、補助燃焼室24で燃料を燃焼させて燃焼ガスT5をタービン21側へ供給する。タービン21は供給された燃焼ガスT5により回転して発電機22により発電することができる。タービン21からの排気T6も高温のため再利用できる。
【0046】
この実施形態によれば、夜間などでも発電が可能になるため、発電能力の安全性及び信頼性が向上する。
【0047】
以上の実施形態では、ビームダウンとして、楕円状のセンターミラーを用いる例を示したが、これに限らず、双曲面状のセンターミラーでも、複数のミラーから構成された分割型のセンターミラーでも、ヘリオスタットからの反射光を地上へ向けて反射・集光させる機能を有するものであれば、いかなるタイプのビームダウンであっても良い。
【符号の説明】
【0048】
1 センターミラー
2 ミラー
3 筒型集光鏡
4 受熱部
5 ヘリオスタット
8 センサー
18 センサーミラー
19、23 ガスタービン
20 空気圧縮機
21 タービン
22 発電機
24 補助燃焼室
A 第1焦点
B 第2焦点
E タワートップ式のヘリオスタット設置範囲
X 赤経方向
Y 赤緯方向
L 太陽光
L′ 最遠のヘリオスタットからの太陽光
G 中心軸
S 太陽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上よりも高い位置に設置され、下面に反射面を有するセンターミラーと、
前記センターミラーの周囲の地上領域に設置され、太陽光を前記センターミラーに向けて反射する複数のヘリオスタットと、
前記センターミラーで反射された太陽光が集光する地上位置に設置された受熱部と、
大気を吸引する空気圧縮機と、空気圧縮機からの圧縮空気により回転するタービンと、タービンに連結された発電機とを有するガスタービンを地上位置に設け、
前記受熱部が空気圧縮機とタービンとの間に設けられ、タービンに供給される圧縮空気を太陽熱で加熱することを特徴とするソーラーガスタービン。
【請求項2】
受熱部とタービンとの間に、燃料を燃焼させて燃焼ガスをタービンへ供給する補助燃焼室を設けたことを特徴とする請求項1記載のソーラーガスタービン。
【請求項3】
前記センターミラーが、断面が楕円に合致した湾曲面を有し、かつ、下方に第1焦点と第2焦点を持つものであり、
上部開口よりも下部開口の方が小さく且つ内面が鏡面とされた筒型集光鏡を、前記上部開口の中心と前記第2焦点とを略一致させた状態で設置し、
前記受熱部は、筒型集光鏡の下部開口付近に設置されており、
前記ヘリオスタットは、反射光が前記第1焦点へ向かうように制御されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のソーラーガスタービン。
【請求項4】
前記ヘリオスタットが、平面視でセンターミラーを中心とした角度90度を超える地上領域に設置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のソーラーガスタービン。
【請求項5】
前記ヘリオスタットは、日中の太陽方位の対角となる範囲に収まるように設置されており、前記センターミラーは、前記ヘリオスタットからの反射光が当たらない部分が切欠かれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のソーラーガスタービン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−108491(P2013−108491A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−237706(P2012−237706)
【出願日】平成24年10月29日(2012.10.29)
【出願人】(390013033)三鷹光器株式会社 (114)
【出願人】(500056932)財団法人 エネルギー総合工学研究所 (7)