説明

タイバー逆抜き型締装置

【課題】タイバーを抜き取る際、大きなタイバー退避空間や大型抜取装置を必要とせず、抜取操作を、簡単かつ容易に行うことができる型締装置を提供する。
【解決手段】可動盤と固定盤にタイバー挿通孔を設けてタイバーを挿通し、可動盤を、タイバーに沿って固定盤に対し進退自在に配設した型締装置において、(a)可動盤を固定盤に押圧して型閉した後、タイバーの可動盤側端部に形成した係合部に係合する第1係合手段を、可動盤のタイバー挿通孔に設け、(b)タイバーの固定盤側端部に形成した係合部と係合する第2係合手段を、着脱係止手段を用いて、型締ピストンの端部に着脱可能に設け、(c)タイバーと協働し、型閉じ後の可動盤を固定盤にさらに押圧する押圧手段を、固定盤のタイバー挿通孔に設け、さらに、(d)タイバーの固定盤側端部に連結するタイバー抜入手段を、固定盤の反金型取付け面側に設けたことを特徴とするタイバー逆抜き型締装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイカストマシン、射出成形機等の型締装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ダイカストマシンや射出成形機の型締装置は、固定金型を支持する固定盤と可動金型を支持する可動盤をベースプレート上に配置し、可動盤を挿通するタイバー(通常、4本)の端部を固定盤に固定し、可動盤をタイバーに沿って固定盤に対し進退動させて型開閉を行い、鋳造品や成形品を製造する構造となっている。
【0003】
上記型締装置を用いた鋳造(又は、ダイカスト)や射出成形においては、鋳造品や成形品の変更や、金型の摩耗等により、金型を交換する作業が必要となるが、交換作業時、タイバーの存在が金型交換作業の障害となることがあるので、作業の安全性や容易性を確保するため、通常、タイバーを、固定盤から可動盤側へ引き抜く構造を採用している(例えば、特許文献1〜5、参照)。
【0004】
図1に、従来の型締装置の一態様を示す(特許文献4、参照)。ベースプレート1上に、固定金型3を支持する固定盤2が固定され、また、可動金型5を支持する可動盤4が、スライドシュー6を介して、固定盤2に対して進退可能に配置されている。
【0005】
そして、固定盤2及び可動盤4の四遇に設けた挿通孔7、8を貫通するタイバー10の一方の端部が、第1固定装置11(ボックス14内に、ねじ部13に螺合する開閉可能の分割ナット15が配置されている)により、固定盤2に脱着可能に固定されている。また、タイバー10の中間部が、第2固定装置12(ボックス17内に、多条溝部16に系合する開閉可能の分割ナット18が配置されている)により、可動盤4に脱着可能に固定されている。
【0006】
可動盤4には、タイバー10の配置位置に対応して、油圧シリンダ20が搭載されている。そして、可動盤4の上部に搭載した上側油圧シリンダ20Aのロッド20aの先端は、連結部材21を介して、上側のタイバー10の他方の端部に連結され、また、可動盤4の下部に搭載した下側油圧シリンダ20B(スライドシュー6に一部収納されている)のロッド20bの先端は、連結部材21を介して、下側のタイバー10の他方の端部に連結されている。
【0007】
第1固定装置11によりタイバー10の固定を維持し、第2固定装置12によるタイバー10の固定を解除した状態で、油圧シリンダ20(上側油圧シリンダ20Aと下側油圧シリンダ20B)を伸縮動作させると、タイバー10は固定されているので、可動盤4が固定盤2に対して進退動して、型開閉を行うことができる。
【0008】
固定金型3及び可動金型5を交換する場合は、型開き状態において、第1固定装置11によるタイバー10の固定を解除し、続いて、上側油圧シリンダ20Aを最大限に伸張動作させる。下側油圧シリンダ20Bにより可動盤4の位置が固定されているので、上側油圧シリンダ20Aの上記動作により、上側のタイバー10が後退し、固定盤2と可動盤4の間の上部が開放されて作業空間が形成され、金型交換作業を支障なく行うことができる。
【0009】
このように、従来の型締装置は、金型交換時、タイバー10を可動盤の後方に引き抜く構造を採用しているので、型締装置を工場内に設置する際には、可動盤の後方に、充分な規模のタイバー退避用空間を設ける必要がある。
【0010】
しかし、タイバー退避空間は、上述したように、金型の交換時にタイバーを退避させるためだけに用意する空間であり、型締装置が作動している間は、全く利用しない空間である。しかも、タイバーが退避した時、他の機器・装置等との衝突ないし接触によるタイバーの破損、損傷を避けなければならないので、タイバー退避用空間に、他の機器・装置類を配置することは避けなければならない。
【0011】
型締装置が大型化すれば、それに伴い、タイバー退避用空間も大きくしなければならないが、限られた配置空間の中で、金型交換時のみに使用するタイバー退避用空間を大きくとることは、それ自体、配置空間の有効利用の点で好ましくない。また、限られた配置空間の中でタイバー退避用空間が大きければ、型締装置の制御に必要な種々の機器を配置する空間が必然的に狭くなり、種々の制御機器を狭い空間に過密に配置せざるを得ない状況を生み出し、作業環境を悪化するとともに、制御機器の保守・点検作業を難しくすることにもなる。
【0012】
例示した特許文献1〜5には、型締装置におけるタイバーの引抜き技術が開示されているが、いずれも、金型の交換時、タイバーを、固定盤側から可動盤側の後方へ引き抜く構造を前提構造として採用しているので、上記型締装置を工場内に設置する際には、可動盤の後方に、充分な規模のタイバー退避用空間を設ける必要があるものである。即ち、従来の型締装置の構造においては、配置空間の有効利用の観点から工夫・改善がなされていないのが現状である。
【0013】
【特許文献1】特開平8−72113号公報
【特許文献2】特開平9−57803号公報
【特許文献3】特開2000−52353号公報
【特許文献4】特開2005−144802号公報
【特許文献5】特開2006−880号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記現状に鑑み、金型の交換時、タイバーを引き抜く際に、型締装置が大型化しても、大きなタイバー退避空間や、大型の引抜き装置を必要とせず、かつ、引抜き操作を簡単かつ容易に行うことができる型締装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者は、上記課題を解決する手段について鋭意検討した結果、タイバーを、従来の型締装置におけるタイバー引抜きとは逆に、「可動盤から固定盤の後方(金型取付け面と反対の面側[以下「反金型取付け面側」ということがある])に引き抜く」という着想の下に、この引抜き(逆抜き)を簡単かつ容易に実現する手段を見出した。
【0016】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
【0017】
(1) 可動盤と固定盤にタイバー挿通孔を設けてタイバーを挿通し、可動盤を、タイバーに沿って固定盤に対し進退自在に配設した型締装置において、
(a)可動盤を固定盤に押圧して型閉した後、タイバーの可動盤側端部に形成した係合部に係合する第1係合手段を、可動盤のタイバー挿通孔に設け、
(b)タイバーの固定盤側端部に形成した係合部と係合する第2係合手段を、着脱係止手段を用いて、型締ピストンの端部に着脱可能に設け、
(c)タイバーと協働し、型閉じ後の可動盤を固定盤にさらに押圧する押圧手段を、固定盤のタイバー挿通孔に設け、さらに、
(d)タイバーの固定盤側端部に連結するタイバー抜入手段を、固定盤の反金型取付け面側に設けた
ことを特徴とするタイバー逆抜き型締装置。
【0018】
(2) 前記タイバーの可動盤側端部に形成した係合部が、条溝形成部であり、前記第1係合手段が分割ナット手段であることを特徴とする前記(1)に記載のタイバー逆抜き型締装置。
【0019】
(3) 前記押圧手段が流体シリンダ機構であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のタイバー逆抜き型締装置。
【0020】
(4) 前記タイバーの固定盤側端部に形成した係合部が、螺旋溝形成部であり、前記第2係合手段が、固定ナット手段であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のタイバー逆抜き型締装置。
【0021】
(5) 前記着脱係止手段が、押え板と、押え板移動手段からなることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のタイバー逆抜き型締装置。
【0022】
(6) 前記押え板移動手段が、馬蹄型のライナー、ライナーガイド、及び、流体シリンダからなる駆動手段を備えていることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のタイバー逆抜き型締装置。
【0023】
(7) 前記タイバー抜入手段が、チェーン及びスプロケットからなる巻き掛け駆動装置、電動モータ、及び、抜入速度の制御機器を備えていることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載のタイバー逆抜き型締装置。
【発明の効果】
【0024】
本発明においては、タイバーを、従来の型締装置とは逆に、可動盤から固定盤への方向(反金型取付け面側)に、簡単かつ容易に引き抜くことができるので、配置空間の利用度を高めることができるとともに、金型交換作業を迅速かつ安全に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明について、図面に基づいて、説明する。
【0026】
図2に、本発明の型締装置(以下、単に「本発明」ということがある)の一態様を示す。なお、図1に示す型締装置と同じ構成部材については、図1に示す数字と同じ数字で示した。
【0027】
ベースプレート1の端部に、固定金型3を支持する固定盤2が固定され、また、ベースプレート1の上に、可動金型5を支持する可動盤4が、可動盤支持部材6aを介して、固定盤2に対して進退可能に配置されている。
【0028】
可動盤4の背面には、可動金型5から鋳造品又は成形品を取り出すための押出装置29が取り付けられ、また、可動盤4の下端部には、可動盤4を、可動盤支持部材6a上で、固定盤2に対して進退させて型開閉を行う型開閉装置24が取り付けられている。
【0029】
なお、図2は、金型を開いた状態の型締装置を示している。
【0030】
固定盤2には、固定金型3に接続する射出スリーブ30aが設けられていて、金型を閉じた状態で、射出装置30により、溶融金属を、射出スリーブ30aを経て金型内に圧入する。
【0031】
固定盤2及び可動盤4のそれぞれの四隅には、タイバー挿通孔7、8が形成されていて、該挿通孔7、8に、タイバー10が挿通されている。なお、可動盤3のタイバー挿通孔7、8には、タイバーカバー10aが接続され、また、下側のタイバー挿通孔8の外側には、タイバー10を支持するタイバーサポート10bが配置されている。
【0032】
上側のタイバー10においては、可動盤側の端部寄りに、また、下側のタイバー10においては、中間部に、タイバー挿通孔7、8に連結された分割ナット装置22(第1係合手段)の分割ナットと係合する係合部10x、10yが、それぞれ形成されている。この係合部10x、10yには、分割ナットと係合する条溝が形成されている。
【0033】
タイバー10の固定盤側の端部は、固定ナット装置23(第2係合手段)のナットと係合する螺旋溝が形成された係合部10zを備えている。
【0034】
固定盤2のタイバー挿通孔7、8には、ピストン27を内蔵し、油室28、29を備えた型締シリンダ25(押圧手段)が配置され、固定ナット装置23(第2係合手段)が、押え板移動装置33(押え板移動手段)と、押え板移動装置33の駆動により移動(図では、上下動)する押え板32からなる着脱係止手段により、上部の型締シリンダ25(押圧手段)のピストン27の端部に、着脱可能に接続されている。
【0035】
型閉じ後、パワーユニット31により油圧機構(図示なし)を制御して、油室28に油を供給しつつ、油室29から油を排出してピストン27を駆動する。このピストン27の駆動により、押え板32による押え反力でピストン27の端部に緊密に接続され、かつ、タイバー10の係合部10zに係合されている固定ナット装置23(第2係合手段)は、反金型取付け面側(図において右方向)の方向に押出力を受けるので、型閉じ後の可動盤4は、固定盤2にさらに押圧されて、型閉じ動作に続き型締め動作が遂行される。
【0036】
押え板移動装置33(押え板移動手段)は、型締め時には、押え板32を、固定ナット装置23とピストン27の端部との接続を堅持する位置に保持し、また、タイバーの引抜き時には、押え板32を移動(図では、上方に持ち上げる)して、固定ナット装置23とピストン27の端部の接続を解除するように機能する。
【0037】
押え板移動装置33は、上記機能を実現するため、例えば、馬蹄型のライナー、ライナーガイド、及び、流体シリンダ等の機械的手段で構成することができるが、他の機械的手段で構成してもよく、また、電気的手段で構成してもよい。押え板移動装置33の上記機能を実現する手段は、特定の機械的手段又は電気的手段に限定されない。
【0038】
そして、図2に示す型締装置においては、射出装置30を設置した側(反金型取付け面側)に、タイバー10の固定盤側の端部に係合するタイバー抜入装置34(タイバー抜入手段)が設置されている。即ち、図2に示す型締装置は、タイバー10を、従来の型締装置におけるタイバーの引抜き方向とは逆に、射出装置30を設置した側(反金型取付け面側)に引き抜く構造を採用している。この点が、本発明の特徴である。
【0039】
図2には、チェーンとスプロケットからなる巻掛け駆動装置を備えるタイバー抜入装置を示したが、タイバー抜入装置は、他の駆動装置、例えば、タイミングベルト及びプーリーからなる巻掛け駆動装置、電動機や流体(圧)シリンダでタイバーを直接駆動する手段を備えるものでもよい。また、タイバー抜入装置に、電動モータや、抜入速度を制御する制御機器を備えることは、タイバーの引抜き操作を自動化、迅速化する点で好ましい。
【0040】
また、図2に示す型締装置においては、タイバー抜入装置を、反金型取付け面側にて、型閉方向(即ち、タイバーの引抜き方向)に沿って配置したが、本発明においては、前述したように、タイバーを、従来の型締装置における引抜き方向とは逆に、反金型取付け面側に引き抜くことが特徴であり、この引抜きを実現できればよいのであるから、タイバー抜入装置の配置は、必ずしも、型閉方向(即ち、タイバーの引抜き方向)に沿う必要はない。
【0041】
タイバー抜入装置の配置位置は、射出装置及び周辺機器の配置や、タイバー抜入装置の抜入機構等を総合的に考慮して決定すればよい。
【0042】
ここで、タイバーの引抜き操作について、図3(a)〜(d)に基づいて説明する。
【0043】
図3(a)に、分割ナット移動装置19を駆動して、分割ナット装置22によるタイバー10の係合部10xへの係合を解除し、可動盤4を固定盤2から引き離し、金型(図示なし)を開いた状態を示す。金型を交換するため、この状態からタイバーを引き抜く操作を開始する。
【0044】
まず、図3(b)に示すように、押え板移動装置33(押え板移動手段)を駆動して、押え板32を上方に引き上げ(図中、矢印、参照)、型締シリンダ25(押圧手段)のピストン27の端部と、タイバー10の係合部10zに係合している固定ナット装置23(第2係合手段)との接続を解除する。
【0045】
次に、図3(c)に示すように、タイバー10の端部に係合しているタイバー抜入装置34(タイバー抜入手段)を駆動し(図中、右側矢印、参照)、タイバー10の引抜きを開始するとともに、可動盤4を、移動できる範囲内で、固定盤2から離反させる(図中、左側矢印、参照)。
【0046】
タイバー10の引抜きと、可動盤4の固定盤2からの離反が完了した状態を、図3(d)に示す。図3(d)に示すように、本発明においては、タイバーを、反金型取付け面側に引き抜くので、型締装置を工場内に設置する場合においては、従来の型締装置を設置する場合と異なり、可動盤の外側空間に、タイバー退避用空間を設ける必要がない。
【0047】
本発明を適用すれば、型締装置の可動盤後方の空間を、何らかの用途に有効に活用することができる。当然のことながら、上記空間に、交換用又は交換済みの金型や、金型交換用の機器類を置いてもよい。
【0048】
また、図3(a)〜(d)に示すように、本発明においては、タイバーの引抜きに際し、可動盤4を複雑に駆動する必要はないし、かつ、タイバー引抜き操作も簡明であるので、タイバーを迅速に引き抜くことができる。
【0049】
このように、本発明においては、迅速なタイバー引抜きにより、固定盤と可動盤の間の上部を直ちに広く開放して、金型交換作業を支障なく行うことができることは勿論のこと、可動盤に近接して、交換用又は交換済みの金型や、金型交換用の機器類を置くことができるので、金型交換作業を迅速かつ安全に行うことができる。
【0050】
以上、本発明におけるタイバーの引抜き操作の態様について説明したが、金型交換作業の終了後は、タイバーの引抜き操作と逆の操作を行い、タイバーを可動盤と固定盤のタイバー挿入孔に挿入する。
【0051】
本発明の型締装置においては、タイバーの引抜き・挿入操作を、周辺機器を含めた型締装置が占める空間の中で迅速に行うことができるので、タイバーの引抜き・挿入操作の安全を確保しつつ、金型交換作業の迅速化と安全を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
前述したように、本発明においては、タイバーを、従来の型締装置とは逆に、可動盤から固定盤への方向(反金型取付け面側)に、簡単かつ容易に引き抜くことができるので、配置空間の利用度を高めることができるとともに、金型交換作業を迅速かつ安全に行うことができる。したがって、本発明は、新規に設置するダイカストマシンや、射出成形機等の型締装置に採用される可能性の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】従来の型締装置の一態様を示す図である。
【図2】本発明の型締装置の一態様を示す図である。
【図3】本発明の型締装置におけるタイバー引抜き操作の態様を示す図である。(a)は、金型を開いた状態を示す。(b)は、ピストンの端部と、固定ナット装置との接続を解除した状態を示す。(c)は、タイバーの引抜きを開始した状態を示す。(d)は、タイバーの引抜きが完了した状態を示す。
【符号の説明】
【0054】
1 ベースプレート
2 固定盤
3 固定金型
4 可動盤
5 可動金型
6 スライドシュー
6a 可動盤支持部材
7、8 タイバー挿通孔
10 タイバー
10a タイバーカバー
10b タイバーサポート
10x、10y、10z 係合部
11 第1固定装置
12 第2固定装置
13 ねじ部
14、17 ボックス
15、18、22 分割ナット装置
16 多条溝部
19 分割ナット移動装置
20 油圧シリンダ
20A 上側油圧シリンダ
20B 下側油圧シリンダ
20a、20b ロッド
21 連結部材
23 固定ナット装置
24 型開閉装置
25 型締シリンダ
26 シリンダ部
27 ピストン
28、29 油室
29 押出装置
30 射出装置
31 パワーユニット
32 押え板
33 押え板移動装置
34 タイバー抜入装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動盤と固定盤にタイバー挿通孔を設けてタイバーを挿通し、可動盤を、タイバーに沿って固定盤に対し進退自在に配設した型締装置において、
(a)可動盤を固定盤に押圧して型閉した後、タイバーの可動盤側端部に形成した係合部に係合する第1係合手段を、可動盤のタイバー挿通孔に設け、
(b)タイバーの固定盤側端部に形成した係合部と係合する第2係合手段を、着脱係止手段を用いて、型締ピストンの端部に着脱可能に設け、
(c)タイバーと協働し、型閉じ後の可動盤を固定盤にさらに押圧する押圧手段を、固定盤のタイバー挿通孔に設け、さらに、
(d)タイバーの固定盤側端部に連結するタイバー抜入手段を、固定盤の反金型取付け面側に設けた
ことを特徴とするタイバー逆抜き型締装置。
【請求項2】
前記タイバーの可動盤側端部に形成した係合部が、条溝形成部であり、前記第1係合手段が分割ナット手段であることを特徴とする請求項1に記載のタイバー逆抜き型締装置。
【請求項3】
前記押圧手段が流体シリンダ機構であることを特徴とする請求項1又は2に記載のタイバー逆抜き型締装置。
【請求項4】
前記タイバーの固定盤側端部に形成した係合部が、螺旋溝形成部であり、前記第2係合手段が、固定ナット手段であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイバー逆抜き型締装置。
【請求項5】
前記着脱係止手段が、押え板と、押え板移動手段からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイバー逆抜き型締装置。
【請求項6】
前記押え板移動手段が、馬蹄型のライナー、ライナーガイド、及び、流体シリンダからなる駆動手段を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイバー逆抜き型締装置。
【請求項7】
前記タイバー抜入手段が、チェーン及びスプロケットからなる巻き掛け駆動装置、電動モータ、及び、抜入速度の制御機器を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のタイバー逆抜き型締装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−331348(P2007−331348A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−169174(P2006−169174)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(300041192)宇部興産機械株式会社 (268)
【出願人】(000005256)株式会社アーレスティ (44)
【Fターム(参考)】