説明

タイピングゲーム装置

【課題】 楽曲データを用いたタイピングゲームが実行されるタイピングゲーム装置に関し、特に、遊技者の技量に適した難易度に適宜変更し、タイピングゲームを充分に楽しむことができるタイピングゲーム装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 タイピングゲーム装置1では、入力対象文字数算出処理(S34)において、直前に行った1フレーズの入力対象文字列23Aに対する正解入力率を算出し、当該正解入力率に応じて、今回の1フレーズにおける入力対象率(t)を選択する。そして、今回の1フレーズを構成する文字数(n)に当該入力対象率(t)を乗算することにより、入力対象文字列23Aを構成する入力対象文字数(s)が算出される。その後、算出された入力対象文字数(s)により定められる入力対象文字列23Aを対象として、今回の1フレーズに対するフレーズ入力処理(S36)を実行するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲データを用いたタイピングゲームが実行されるタイピングゲーム装置に関し、特に、遊技者の技量に適した難易度に適宜変更し、タイピングゲームを充分に楽しむことができるタイピングゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、ゲームセンターや家庭用ゲーム機等で行われるゲームとして、ディスプレイなどの表示手段に表示された文字列をキーボード等の入力手段によって入力し、その入力結果の正誤による得点等を競うタイピングゲームがあり、これらのタイピングゲームは、ゲームセンター等に設置され、楽しまれている。
ここで、現在、パーソナルコンピュータの普及率が向上し、キーボードで入力する機会は多くなっているが、キーボード入力に係る技量に長けた者は多くはない。従って、キーボード入力が苦手な遊技者の方が多く、これらの遊技者は、タイピングゲームでの遊技を充分に楽しむことができないため、タイピングゲームを敬遠する傾向にある。
この点を改善するために、タイピングゲームを開始する際に難易度設定を行うことにより、初心者から上級者まで幅広い遊技者がタイピングゲームを楽しむことができるように構成されているものも多く考え出されている。
【0003】
特許文献1には、ゲーム性の高いタイピング練習方法が記載されており、当該特許文献1に記載されたタイピング練習方法は、遊技者の選択した楽曲の再生と共に、所定のタイミングで当該楽曲の歌詞をキーボードで入力するように構成されている。
【特許文献1】特開2002−268534号公報
【0004】
そして、特許文献1に記載されたタイピング練習方法では、上記したキーボード入力が苦手な者に対する救済手段として、楽曲の再生テンポを遅くすることで、初心者に対して、キー入力操作を受け付ける時間をより多く与え、タイピングゲーム初心者でもタイピングゲームを楽しむことができるように構成している。
更に、特許文献1に記載されたタイピング練習方法においては、以前のタイピングの入力結果(ミス回数、ミス入力したキーの種類等)を解析し、その解析結果に応じて、楽曲を自動選択する点が開示されている。これにより、遊技者の技量に合致する楽曲が選択される結果となるので、キーボード入力が苦手な者であっても、当該タイピングを楽しむことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたタイピング練習方法は、楽曲の再生と共に、歌詞を入力するという態様であり、遊技者は、タイピングの練習を楽しむと共に、楽曲自体を楽しみたいと考えるのが通常である。即ち、上述した楽曲の再生テンポを変更する方法で初心者を救済した場合には、楽曲の再生テンポが変更されるので、楽曲自体が本来有している魅力を大きく損なうことになる。この結果、楽曲の魅力が大きく損なわれ、タイピング初心者はストレスを感じる結果となる。
【0006】
そして、特許文献1に記載されたタイピング練習方法では、以前のタイピングの入力結果(ミス回数、ミス入力したキーの種類等)を解析し、その解析結果に応じて、楽曲を自動選択し、選択された楽曲に基づくタイピングゲームが実行される。しかし、この場合には、初心者は、キーボード入力の技量という制限が課されるため、所望する楽曲を選択することができない。即ち、タイピング初心者は、所望する楽曲を選択することができず、自らが望んでいない楽曲でのタイピングを余儀なくされてしまう。この結果、不本意なタイピングを余儀なくされた遊技者は、大きなストレスを感じるので、再び、当該タイピング練習方法で練習しようとする意欲が大幅に減少する結果となる。
【0007】
ここで、上記特許文献1に記載されたタイピング練習方法を業務用ゲーム機や家庭用ゲーム機に適用した場合について考察する。業務用ゲーム機等のゲーム業界においては、例えば、所定回数以上のミス回数が発生した場合には、その時点でゲームの実行を強制終了するものが多い(所謂、ゲームオーバー)。つまり、タイピングゲームの場合には、所定回数以上のミス入力となった場合にゲームオーバーになることになる。
従って、上記特許文献1に記載されたタイピング練習方法を、業務用ゲーム機等におけるタイピングゲームとした場合には、初心者は、楽曲本来の魅力が損なわれた状態で所望の楽曲に基づくタイピングゲームを実行するか、遊技者の技量により指定された楽曲に基づくタイピングゲームを不本意ながら実行するか、所望の楽曲を最後まで完全に楽しむことができない可能性を覚悟しつつ、タイピングゲームを実行することになる。
即ち、上記特許文献1のタイピング練習方法をゲーム機に適用した場合には、遊技者が所望する楽曲に基づくタイピングゲームを、楽曲の魅力を損なわずに、遊技者の技量に応じた難易度で実行することはできないという問題点が生じる。
【0008】
本発明は、上述した問題点に鑑み、楽曲データを用いたタイピングゲームが実行されるタイピングゲーム装置に関し、特に、遊技者の技量に適した難易度に適宜変更し、タイピングゲームを充分に楽しむことができるタイピングゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、楽曲データと、当該楽曲データに基づく判定基準データが記憶される記憶手段(例えば、ROM53、RAM54、HDD55)と、前記楽曲データに基づく遊技の進行に係る文字列が表示される表示手段(例えば、第1液晶ディスプレイ3)と、複数の文字に対応する複数のキーが配置された入力手段(例えば、キーボード6)と、前記文字列に対応する判定基準データに基づいて、前記入力手段による入力の正誤を判定する正誤判定手段(例えば、CPU51)と、前記正誤判定手段の判定結果に基づいて遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、CPU51)と、を有するタイピングゲーム装置において、前記文字列に対する入力の正誤判定に際し、前記正誤判定手段による以前の判定結果に基づいて、当該文字列に対する正誤判定の対象となる文字列の割合を変更する判定範囲変更手段(例えば、CPU51)を有することを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載のタイピングゲーム装置(例えば、タイピングゲーム装置1)において、前記記憶手段(例えば、ROM53、RAM54、HDD55)は、前記判定範囲変更手段の判定範囲の変更に係る変更基準データを有し、前記判定範囲変更手段(例えば、CPU51)は、前記以前の判定結果が前記変更基準データよりも不良な場合に、当該文字列に対する正誤判定の対象となる文字列の割合を下げることを特徴とする。
【0011】
そして、請求項3に係る発明は、前記請求項1又は2に記載のタイピングゲーム装置(例えば、タイピングゲーム装置1)において、前記記憶手段(例えば、ROM53、RAM54、HDD55)は、前記判定範囲変更手段の判定範囲の変更に係る変更基準データを有し、前記判定範囲変更手段(例えば、CPU51)は、前記以前の判定結果が前記変更基準データより良好な場合に、当該文字列に対する正誤判定の対象となる文字列の割合を上げることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係るタイピングゲーム装置では、楽曲データに基づく文字列が前記表示手段に表示され、当該文字列に基づく前記入力手段による入力を前記正誤判定手段により判定することで、タイピングゲームが実行される。そして、当該文字列に対する入力の正誤判定に際し、前記判定範囲変更手段により、前記正誤判定手段による以前の判定結果に基づいて、当該文字列に対する正誤判定の対象となる文字列の割合が変更される。つまり、遊技者の技量に応じて、当該文字列に対する遊技者が入力すべき文字量が変更されることになる。これにより、入力すべき文字数が増加した場合にはより難易度の高いタイピングゲームとなり、入力すべき文字数が減少した場合には難易度の低いタイピングゲームとなる。従って、遊技者は、自己の技量に適した難易度でタイピングゲームを実行することが可能となり、タイピングゲームに慣れた遊技者はもちろん、タイピングゲーム初心者でも充分にタイピングゲームを楽しむことができる。
【0013】
請求項2に係るタイピングゲーム装置では、前記判定範囲変更手段は、前記以前の判定結果が、前記記憶手段に記憶されている変更基準データよりも不良な場合に、当該文字列に対する正誤判定の対象となる文字列の割合を下げるように構成されている。
この結果、タイピングゲーム実行時に、入力手段による入力にミスが多く、変更基準データよりも不良な判定結果を得たこと、即ち、現在のタイピングゲームが遊技者にとって難しいと判断可能なことを条件に、入力すべき文字数が減少し、タイピングゲームの難易度が低下する。これにより、遊技者の技量に適した難易度に調整して、タイピングゲームが実行することができる。
特に、タイピングゲーム初心者に対し、適切な難易度によるタイピングゲームを提供することができるので、タイピングゲーム初心者でも充分にゲームを楽しむことができる。
【0014】
そして、請求項3に係るタイピングゲーム装置では、前記判定範囲変更手段は、前記以前の判定結果が前記記憶手段に記憶されている変更基準データより良好な場合に、当該文字列に対する正誤判定の対象となる文字列の割合を上げるように構成されている。
この結果、タイピングゲーム実行時に、入力手段による入力にミスが多く、変更基準データよりも良好な判定結果を得たこと、即ち、現在のタイピングゲームが遊技者にとって易しいと判断可能であることを条件に、入力すべき文字数が増加し、タイピングゲームの難易度が向上する。これにより、遊技者の技量に適した難易度を上げることにより、適度な難易度でタイピングゲームが実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係るゲーム装置をゲームセンター等に設置される筐体型のタイピングゲーム装置について具体化した実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
ここで、本実施形態に係るタイピングゲーム装置は、スピーカから楽曲を再生するとともに、流れる楽曲に合わせて歌詞をディスプレイ上に順次表示させ、遊技者が表示された歌詞を順次キーボードで入力することにより遊技が行われるように構成されている。更に実施されるタイピングゲームは、再生される楽曲の曲番の数に合わせて複数のステージから構成されており、一のステージが終了した時点で遊技者のタイプミス回数が所定回数未満であるときに次の曲番の楽曲に該当するステージへと進み、継続してタイピングゲームを行うことができるように構成されている。
先ず、本実施形態に係るタイピングゲーム装置の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施形態に係るタイピングゲーム装置の斜視図である。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1は、タイピングゲーム装置1の外形を構成する筐体2と、メインのゲーム画面(図5(B)及び図6(B)参照)が表示される第1液晶ディスプレイ3と、第1液晶ディスプレイ3の上方に位置し、プロモーションビデオや広告等の演出に係る画像(図5(A)及び図6(A)参照)が表示される第2液晶ディスプレイ4と、第1液晶ディスプレイ3の下方に設けられコインやカードの投入口が形成されたセンターパネル5と、遊技者が入力操作を行うキーボード6と、筐体2の正面側の両端に設けられた一対の照明装置7と、第2液晶ディスプレイ4の左右側部に配置された一対のスピーカ8と、各スピーカ8の上方に配置された4つのスポットライト11などから基本的に構成されている。以下に各構成要素について説明する。
【0017】
第1液晶ディスプレイ3は、筐体2の正面側略中央部に所定角度傾斜して配置された液晶ディスプレイであり、所定角度で後方に傾斜して配設されている。
そして、第1液晶ディスプレイ3では、タイピングゲーム実行時においてスピーカ8を介して再生される楽曲の歌詞、遊技者の入力結果、それに伴う得点等の当該タイピングゲームの進行に係る遊技情報(ゲームの進行にあたり遊技者が必要とする情報)等の表示が行われる(図5(B)及び図6(B)参照)。
【0018】
一方、第1液晶ディスプレイ3の上方に別途配置された第2液晶ディスプレイ4は、第1液晶ディスプレイ3と同様の液晶ディスプレイであるが、第2液晶ディスプレイ4ではタイピングゲーム実行時においてタイピングゲームの演出に関する演出画像を表示する。
ここで、第2液晶ディスプレイ4で表示される演出画像は、上述した前記第1液晶ディスプレイ3に主に表示される表示内容と異なり、遊技者によるゲームの進行には直接必要とされないもので、タイピングゲームを盛り上げるための補助的な役割を有する。
例えば、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、楽曲としてあるアーティストの楽曲が再生され、遊技者は楽曲の歌詞をキーボード6によって入力を行いゲームが進行するが、この時、第2液晶ディスプレイ4には、その楽曲に係るプロモーションビデオ(以下、PVと略す)が表示される(図5(A)及び図6(A)参照)。従って、楽曲の演奏とともに、アーティストの歌唱する姿が表示された臨場感のある状況下におけるタイピングゲームが可能となり、遊技者を飽きさせることがない。
尚、第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4で表示される表示内容については後に詳細に説明する。
【0019】
また、センターパネル5には、コイン投入口9及びカード挿入口10が設けられている。コイン投入口9は、100円硬貨等のコインが投入される投入口である。コイン投入口9には、コインセンサ63が配置されており、コイン投入口9にコインが投入されると、コインセンサ63を介してコイン検出信号がCPU51に出力される(図11参照)。そして、CPU51は、コイン検出信号に基づいて、コインが投入されたことを検知する。
【0020】
カード挿入口10は、タイピングゲームのゲーム結果が記録されるICタグが内蔵されたICカード(図示せず)が挿入される挿入口である。又、カード挿入口10の内部には、後述するカードセンサ64と、カードリーダ・ライタ65とが配設されている(図11参照)。
ここで、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1で使用されるICカードは、所有する遊技者の前回までのゲームにおけるゲーム結果(獲得した得点(スコア)やポイント等)を内蔵されたICタグに記憶している。
そして、カードセンサ64は、ICカードがカード挿入口10に挿入されている場合に、その旨を検出する。また、カードリーダ・ライタ65は、ICカードに内蔵されたICタグより記憶されているゲーム結果の読出しと、遊技者が実行したゲーム結果のICタグに対する書込みを行うことができる。
つまり、カード挿入口10にICカードを挿入し、所定の操作を行うことによって、ICカードに記憶されたゲーム結果を読み出し、タイピングゲーム装置1で表示することができる(図13のS3)。これにより、遊技者は、自己の遊技情報の履歴を確認することができる。また、タイピングゲームの実行終了時には、今回のゲーム結果をICタグに記憶することができる(図13のS10)。
【0021】
そして、キーボード6は、筐体2の正面にて手前側に突出して形成された操作テーブル200上に配設されており、後述するように「英字(A〜Z)」、「かな(あ〜ん)」、「数字(0〜9)」、「記号(ピリオド、コンマ)」等の入力を行う複数個の文字入力キーやエンターキー、カーソルキー等の機能キーがそれぞれ配列された、日本語108キーボードである(図8参照)。そして、ゲーム中において遊技者は、文字、記号、数字等に対応した各キーを入力することにより文字入力を行い、ゲームを進行させる。又、遊技開始前や遊技終了後等においてはゲームを行う曲やゲーム難易度の選択決定、ゲームの実行開始等の指令を各キーの操作に基づいて行う。
ここで、操作テーブル200上に配設されたキーボード6の構成について、図2及び図3に基づき説明する。図2はタイピングゲーム装置における操作テーブル部分を拡大して模式的に示す斜視図、図3はキーボードが配設された操作テーブルの模式断面図である。
図2及び図3において、操作テーブル200上には光透過性のカバー部材201が配置されている。かかるカバー部材201上にはガラス板202が載置されており、キーボード6はガラス板202上面に配置されている。
また、カバー部材201の内部において操作テーブル200上には、キーボード6の下方からキーボード6の外周を囲むように、長方形状の枠体203が配置されている。かかる枠体203の周囲上面には、複数個のフルカラーLED204が配置されている。各フルカラーLED204は、タイピングゲーム装置1において各種の処理が行われる毎に発光制御される。例えば、タイピングゲームを実行する際の難易度設定や使用楽曲の決定などが行われることにより、枠体203に配設されたフルカラーLED204が所定の発光態様で発光制御される。そして、タイピングゲーム実行時には、キーボード6を介して行われるタイピング動作のタイミングと連動して発光制御され、これによりキーボード6を下方から且つキーボード6の周囲を照射するように構成されている。これにより、筐体2の正面側の両端に設けられた一対の照明装置7と操作テーブル200全体を連動させた発光制御が可能となり、キーボード6の周囲のみを発光させる場合よりも更に派手な照明演出として遊技者を楽しませることが可能となる。
そして、図1乃至図3に示すように、操作テーブル200上におけるキーボード6の右側には、スタートボタン205が設けられている。かかるスタートボタン205は、タイピングゲームを行う際に、タイピングゲームにおける各種条件(例えば、難易度設定や使用楽曲選択)を決定する際やタイピングゲームを開始する際に押下操作される。
【0022】
図1、図2に示すように、タイピングゲーム装置1には、筐体2の正面側両端に一対の照明装置7が配設されている。各照明装置7は、内側が曲面状に形成された透明部材と、フルカラーで点灯可能なフルカラーLEDと、光遮断部材とから構成されている。
曲面状の透明部材は、レンチキュラーレンズを内側曲面状に形成したものであり、かかる透明部材は筐体2に固定されている。また、光遮断部材には、その上下方向に等間隔をもって、フルカラーLEDが固着されている。そして、透明部材の内部には、フルカラーLEDが固着された光遮断部材が挿設される。従って、照明装置7の内部には、フルカラーLEDが等間隔で配設された状態となる。
このような構成の照明装置7において、一のフルカラーLEDが発光すると、透明部材のレンチキュラーレンズの効果により、外部からは、左右方向に寝かされた状態の一のリング状の発光態様(以下、「発光リング」という)を表現することができる。
即ち、フルカラーLEDの発光態様を制御することにより、発光リングを上下方向に積み重ねられた状態で表現することができ、タイピングゲーム装置1で再生される楽曲に応じて多様な照明演出を行ったり、遊技者の入力状況に応じた照明演出を行ったりすることができる。例えば、照明演出としては、発光リングの位置や照明色を変更する演出や、発光リングの位置や照明色の変更を一定の規則に応じて行う演出、発光リングの点灯・消灯による演出などが可能である。
【0023】
また、第2液晶ディスプレイ4の左右両側には、スピーカ8が配設されている。スピーカ8は、タイピングゲーム装置1において再生される楽曲や効果音等を出力する出力装置である。具体的には、タイピングゲーム実行時において、HDD55(図11参照)に記憶された楽曲の音声データ、演奏データに基づいて、指定されたテンポで音楽及び音声を出力する。
【0024】
次に、第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4で表示される各表示内容について図4乃至図7を用いて詳細に説明する。尚、第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4により表示される表示内容は、タイピングゲーム開始前、タイピングゲーム実行中、タイピングゲーム終了後の3パターンから基本的に構成される。図4(A)、図4(B)は、タイピングゲーム開始前において第1液晶ディスプレイ3に表示される表示内容を示した模式図である。そして、図5(A)及び図6(A)は、タイピングゲーム実行中において第2液晶ディスプレイ4に表示される表示内容を示した模式図であり、図5(B)及び図6(B)は、タイピングゲーム実行中において第1液晶ディスプレイ3に表示される表示内容を示した模式図である。また、図7は、タイピングゲーム終了後において第1液晶ディスプレイ3に表示される表示内容を示した模式図である。
【0025】
ここで、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1は、演奏される楽曲の歌詞を入力することによりタイピングゲームが行われる。
具体的には、先ず、遊技者が、後述する3段階の難易度から任意の難易度を選択し、その後に、用意された複数の楽曲の中から遊技を希望する楽曲を選択する。そして、タイピングゲームが開始されると、当該選択した楽曲の伴奏音楽にあたる演奏データと、当該楽曲のアーティストの歌声にあたる音声データが再生される。更に、当該楽曲の演奏データ及び音声データの再生に伴い、遊技者が入力すべき文字列として楽曲の歌詞が再生される音声データに合わせて1フレーズ(phrase)ごとに表示される。
この表示された1フレーズの歌詞に対応し、キー入力の対象である文字列をキーボード6により入力することにより、タイピングゲームは進行し、遊技終了時に、タイピングの正確性、入力したタイミング等のタイピングに係る各要素に基づいて算定されるタイピングゲームの成績(キー入力のミス回数、獲得した得点、ポイント等)が表示される。即ち、当該タイピングゲーム装置1におけるタイピングゲームは、ゲーム中に演奏される楽曲を楽しみながら、タイピングの入力に係る技量の高低を競うものである。尚、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1で実行されるタイピングゲームでは、楽曲におけるアーティストの歌唱する音声と略同時に、当該音声に対応するキー入力をしなければ、キー入力のタイミングを逸したものと判断され、高得点を獲得することができない。
【0026】
先ず、タイピングゲーム開始前における表示内容について図4を用いて説明する。コイン投入口9に所定金額分のコインを投入した後であって、タイピングゲーム開始前の第1液晶ディスプレイ3においては、先ず、図4(A)に示すように、当該タイピングゲーム装置1におけるタイピングゲームの難易度を選択する難易度選択画面12が表示される。
【0027】
難易度選択画面12は、当該タイピングゲームの難易度を表示した難易度表示部13と、難易度表示部13のいずれかを選択可能な難易度選択カーソル14とから構成されている。
難易度表示部13は、今回行うタイピングゲームにおけるゲームの難易度設定を示すものである。
本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、「LEVEL (A)」、「LEVEL (B)」、「LEVEL (C)」の3段階の難易度設定で、タイピングゲームを開始することができる。
ここで、各難易度設定について簡単に説明する。先ず、難易度設定として「LEVEL (A)」を設定した場合には、楽曲の1フレーズの歌詞を全てキー入力の対象とした状態でタイピングゲームを開始することになる。従って、この「LEVEL (A)」においては、入力を要求される文字数が多くなるので、タイピングゲームに熟練した遊技者を対象とした難易度でのタイピングゲームが開始される。
そして、難易度設定として、「LEVEL (C)」を設定した場合には、各楽曲の1フレーズの歌詞の内、およそ60%にあたる文字数をキー入力の対象とする態様でタイピングゲームの実行を開始することになる。即ち、この場合には、最初の1フレーズを構成する文字列の内、およそ60%に相当する文字を入力するだけでよく、残りの文字を入力する必要はない。従って、「LEVEL (C)」では、遊技者は、前述の「LEVEL (A)」と比べ、キー入力の対象となる文字数が少なくなることで、余裕をもってキー入力を行うことができる。
つまり、難易度設定「LEVEL (C)」では、キーボード6での入力に慣れておらず、自らの手元を確認して入力する遊技者等のタイピングゲーム初心者であっても、十分にタイピングゲームを楽しむことができる。
次に、「LEVEL (B)」を設定した場合には、1フレーズを構成する文字の内、およそ80%の文字を入力対象として、タイピングゲームを開始することになる。従って、1フレーズ分の歌詞を入力する場合において、「LEVEL (A)」よりも、キー入力を要する文字数は少ないものの、「LEVEL (C)」よりも、キー入力を要する文字数は多くなる。
従って、この「LEVEL (B)」は、「LEVEL (C)」では、簡単に文字入力を行うことができるが、「LEVEL (A)」では、1フレーズの文字入力に際し、ミス入力を生じてしまう遊技者、即ち、タイピングゲームの中級者を対象としたタイピングゲームを開始することができる。
【0028】
難易度選択画面12において、キーボード6を操作し、難易度選択カーソル14により、「LEVEL (A)」、「LEVEL (B)」、「LEVEL (C)」の内から一のゲームモードを選択し、難易度設定を決定すると、曲選択画面15が表示される。
曲選択画面15は、遊技することが可能な楽曲の曲名を表示した遊技可能曲名表示部16と、遊技可能曲名表示部16のいずれかを選択可能な曲選択カーソル17と、曲選択カーソル17によって選択されている楽曲の曲名が表示される選択曲名表示部18と、選択カーソルによって選択されている楽曲のアーティスト名が表示される選択アーティスト名表示部19とから構成されている。
【0029】
遊技可能曲名表示部16は、現在のタイピングゲーム装置1において遊技可能な楽曲(本実施形態では最大で8曲)の曲名をそれぞれ示したものである。ここで、遊技可能曲名表示部16によって表示される遊技可能な楽曲とは、後述のHDD55に楽曲データが記憶されている楽曲であり(図11、図12参照)、更に記憶された楽曲データはサーバ80(図10参照)によって管理され、順次更新されている。従って、遊技者はサーバ80によって更新された最新の楽曲を含む複数の楽曲の中から選択して遊技することが可能となっている。尚、遊技可能曲名表示部16には曲名のみではなく、アーティストの写真やPVを表示するようにしても良い。
【0030】
また、曲選択カーソル17はキーボード6のカーソルキー114(図8参照)の操作によって遊技可能曲名表示部16上を上下左右に移動可能となっており、選択曲名表示部18と選択アーティスト名表示部19には、曲選択カーソル17が現在位置する遊技可能曲名表示部16の楽曲の曲名とアーティスト名が表示される。
そして、曲選択カーソル17を希望する楽曲の曲名が表示された遊技可能曲名表示部16上に位置させた状態でスタートボタン205(図1参照)あるいはエンターキー112(図8参照)を押下すると、遊技を行う楽曲が決定され、タイピングゲームが開始される。
【0031】
尚、上述したように、難易度選択画面12における難易度の決定操作、曲選択画面15における楽曲の決定操作が行われた場合には、スタートボタン205又はエンターキー112の入力に連動し、枠体203に配設されている各フルカラーLED204が発光制御され、操作テーブル200において照明演出がなされる。
【0032】
次に、タイピングゲーム実行中における表示内容について図5及び図6を用いて説明する。図5(A)及び図5(B)は、曲選択画面15において、男性アーティストが歌唱する楽曲(a)を選択してタイピングゲームを開始した場合の第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4のそれぞれの表示内容を示す説明図である。そして、図6(A)及び図6(B)は、曲選択画面15で、女性アーティストが歌唱する楽曲(b)を選択してタイピングゲームを開始した場合の第1液晶ディスプレイ3及び第2液晶ディスプレイ4のそれぞれの表示内容を示す説明図である。
【0033】
図5(A)に示すように、楽曲(a)を選択してゲームを開始した場合において、第2液晶ディスプレイ4には、スピーカ8を介して演奏される楽曲(a)を歌唱する男性アーティストのPV映像20が表示される。一方、図6(A)に示すように、楽曲(b)を選択してゲームを開始した場合において、第2液晶ディスプレイ4には、スピーカ8を介して演奏される楽曲(b)を歌唱する女性アーティストのPV映像20が表示される。
この時、第1液晶ディスプレイ3には、図5(B)及び図6(B)に示すように、第2液晶ディスプレイ4によるPV映像20の表示と並行して、タイピングゲームの進行に係るメインゲーム画面21が表示される。
【0034】
ここで、メインゲーム画面21は、現在演奏するフレーズの歌詞を漢字やかな等により表示する歌詞表示部22と、前記歌詞表示部22に表示された歌詞を別途ローマ字により表示するローマ字表示部23と、現在、歌詞表示部22及びローマ字表示部23で表示する歌詞のフレーズが何番目の曲番(第何ステージ)で、更に当該曲番開始時から数えて何番目のフレーズに該当するかを表示する楽曲状況表示部25と、遊技者のキー入力の正誤判定結果を表示するタイプ結果表示部26と、現在までに遊技者が獲得した得点(スコア)、ポイント等を表示する得点表示部27と、現在演奏しているアーティストの氏名及び曲名が表示される曲情報表示部28等から構成されている。
【0035】
歌詞表示部22は、現在演奏されている楽曲の1フレーズ分の歌詞が表示される表示部である。従って、遊技者が、歌詞表示部22に表示される歌詞をキーボード6で入力することによってゲームが進行する。
ここで、遊技者が表示された歌詞を正しく入力した場合には得点が徐々に加算され、歌詞を誤って入力した場合には得点は加算されず、更に誤った入力をした回数としてミス回数が加算される。
このキー入力のミス回数が、楽曲を構成する曲番(ステージ)の内、いずれかの曲番の終了時において所定回数以上となっていると、その時点でゲーム終了となる(図16のS41参照)。
【0036】
ローマ字表示部23は、歌詞表示部22と同様に、現在演奏されている楽曲の1フレーズ分の歌詞が表示されるものであるが、同一の歌詞をローマ字表記により表示する。
ここで、ローマ字表示部23は、遊技者が入力を要する文字列を示す入力対象文字列23Aと、キー入力を要しない文字列を示す非入力対象文字列23Bとで構成される。また、入力対象文字列23Aは、入力対象文字列23Aの内、遊技者が既にキー入力を行った文字を示す入力済文字列23Cと、遊技者が未だ入力を行っていない入力対象文字列23Aを示す未入力文字列23Dとで構成されている(図19乃至図22参照)。
図19乃至図22に示すように、入力対象文字列23Aと、非入力対象文字列23Bは、通常の文字と、白抜き文字というように書体を異にして表示され、入力対象文字列23Aの内、既に遊技者がキー入力を行った入力済文字列23Cは、未入力文字列23D、非入力対象文字列23Bと比較して下段に表示される。
このように、入力対象文字列23A、非入力対象文字列23B、入力済文字列23C、未入力文字列23Dは、タイピングゲーム実行時のメインゲーム画面21において、容易に識別可能なように、異なる表示態様で表示されるので、遊技者は、ローマ字表示部23を視認することにより、自らが入力すべき文字と入力を要しない文字の別、既にキー入力を行った文字と未だ入力を行っていない文字の別を容易に判断することができる。
【0037】
また、楽曲状況表示部25は、現在、歌詞表示部22及びローマ字表示部23で表示する歌詞のフレーズが何番の曲番であり、且つ曲番開始時から数えて何番目のフレーズに該当するかを表示するものである。ここで、本実施形態に係るタイピングゲームは、再生される楽曲の曲番(例えば、1曲は1〜3番で構成される)の数に合わせて複数のステージ(例えば、第1〜第3ステージで構成される)から構成されている。例えば、図5(B)では、第1ステージの15番目のフレーズを現在表示していることを示している。また、図6(B)では、第2ステージの5番目のフレーズを現在表示していることを示している。
そして、遊技者によって1フレーズの入力が終了する毎にそのフレーズ数を示す数値25Aが1ずつ加算され、1ステージの入力が終了する毎にそのステージ数(曲番)を示す数値25Bが1ずつ加算される。それによって、現在のステージ数(曲番)と現在までに入力が終了したフレーズの数を遊技者に対して報知することが可能となっている。
【0038】
タイプ結果表示部26は、遊技者のキー入力の正誤判定結果を表示する表示部であり、キー入力において、正しい文字を正しいタイミングで入力した場合には「PERFECT」が表示される。また、正しい文字を入力したが入力したタイミングにずれがある場合には「GOOD」が表示される。一方、キー入力のタイミングに関わらず誤った文字を入力した場合、には「MISS」が表示される。
【0039】
得点表示部27は、現在までに遊技者の獲得した得点(スコア)及びポイントを表示する表示部である。ここで、得点(スコア)は、歌詞表示部22及びローマ字表示部23に表示された入力対象文字列23Aに従って正しく入力することにより加算される。そして、演奏される楽曲の音声と同一のタイミングで該当する文字を入力した場合には、更に得点が加算される。
一方、ポイントは1フレーズ分の歌詞における入力対象文字列23Aを入力ミスすることなく入力した場合に1ポイントずつ加算される(図16のS37)。
そして、ゲームが終了するまで当該得点(スコア)とポイントの加算が行われ、前記ICカードをカード挿入口10に挿入していた場合には、ゲーム終了時にその獲得した得点(スコア)及びポイントがICカードに記憶される。
【0040】
また、曲情報表示部28には、ゲーム開始時において遊技者が選択し、現在演奏されている楽曲の曲名とアーティストの氏名がそれぞれ表示される。
【0041】
そして、タイピングゲーム終了後においては、図7に示すように、第1液晶ディスプレイ3に今回のタイピングゲームのゲーム結果を示すゲーム結果画面30が表示される。
ゲーム結果画面30は、今回のタイピングゲームにおけるキー入力のミス回数を表示したミス回数表示部31と、獲得したポイントを表示した獲得ポイント表示部32と、獲得した得点(スコア)を表示した獲得得点表示部33と、遊技した遊技者の名前の入力を促す名前入力表示部34とから構成されている。
【0042】
そして、ゲーム結果画面30を参照することにより、遊技者は、今回のタイピングゲームにおいてミスした回数、獲得したポイント及び得点(スコア)をそれぞれ認知することが可能となる。また、名前入力表示部34にキーボード6を用いて任意の名前を入力することにより、獲得した得点をランキングに登録することが可能となる。登録したランキングの一覧はデモ画面中等に第1液晶ディスプレイ3又は第2液晶ディスプレイ4に表示される。
【0043】
尚、第1液晶ディスプレイ3にゲーム結果画面30が表示されている間、第2液晶ディスプレイ4には、遊技で使用した曲の歌詞が流れ、且つ、正しく入力できなかった箇所は傍線等で表示し、下から上の方向へスクロールするように表示しても良く、また、任意の楽曲のPVを流すようにしても良い。また、広告の画像等を表示するようにしても良い。更に、ゲーム結果画面30を第1液晶ディスプレイ3ではなく第2液晶ディスプレイ4に表示するようにしても良い。
【0044】
続いて、タイピングゲーム装置1に備えられたキーボード6について図8及び図9を用いて説明する。図8は、本実施形態に係るタイピングゲーム装置に備えられたキーボードを示した平面図である。図9は、キーボードに設けられた複数のキーのいずれか一つを切断した概略断面図である。
【0045】
図8に示すように、キーボード6は「英字(A〜Z)」、「かな(あ〜ん)」、「数字(0〜9)」、「記号(ピリオド、コンマ)」等の入力を行う複数個の文字入力キー111と、エンターキー112、シフトキー113、カーソルキー等の機能キー115とがそれぞれ配列された、日本語108キーボードである。
そして、遊技中において遊技者は、文字、記号、数字等に対応した文字入力キー111を入力することにより、文字入力を行い、ゲームを進行させる。一方、遊技開始前や遊技終了後等においては、ゲームを行う曲やゲーム難易度の選択決定、ゲームの実行開始等の指令を機能キー115の操作に基づいて行う。また、後述するように、キーボード6の各種キー内部には発光LEDが配設されており、CPU51からの制御信号に基づき様々な態様で発光するように構成されている。
【0046】
ここで、キーボード6のキー内部構造について図9に基づいて説明する。尚、キーボード6に配列された複数のキーはいずれも同様の内部構造を有している。従って、以下にはキーボード6に配列された複数のキーの内、一の文字入力キー111の内部構造を例にして説明することとし、他の文字入力キー111及び機能キー115についての説明は省略する。
【0047】
図9に示すように、文字入力キー111は、ベース板150と、スイッチ回路板151、発光回路板152、キートップ153、付勢機構154、フルカラーLED155等から基本的に構成されている。
この点、ベース板150の上に敷設されているスイッチ回路板151には、キートップ153の中央付近の真下に配置される一対の電極156が設けられている。
また、スイッチ回路板151の上に敷設されている発光回路板152には、上記一対の電極156を露出させるための開口部157が設けられており、その開口部157の周囲には、フルカラーで点灯させることができるフルカラーLED155が設けられている。
【0048】
また、発光回路板152とキートップ153の間には、付勢機構154が設けられており、その付勢機構154によって、スイッチ回路板151の反対側にキートップ153を付勢させている。更に、キートップ153の中央付近には、スイッチ回路板151の側へ電極158が突設されている。
従って、キートップ153を押下操作すれば、キートップ153に突設された電極158をスイッチ回路板151に設けられた一対の電極156に接触させることができるので、キートップ153が押下操作されたことを、スイッチ回路板151に流れる電気信号として伝えることができる。即ち、これらの3つの電極156、158によって、キースイッチ159が構成されている。
尚、付勢機構154は、弾性体のみで構成してもよいし、弾性体や架橋機構で構成してもよく、その構成は問わない。
【0049】
キートップ153は、透光性を有する材質(例えば、透明アクリル、透明プラスチック等)で形成されており、表面平面部には、文字・数字・記号などのキー情報160が黒色で印刷されている。さらに、発光回路板152のキートップ153側の表面も黒色に印刷されている。
従って、フルカラーLED155が消灯中においては、透光性のキートップ153は、発光回路板152の表面の色である黒色に映るので、その黒色に映ったキートップ153に黒色で印刷されたキー情報160が認識しにくくなる。
一方、フルカラーLED155が点灯中においては、透光性のキートップ153は、フルカラーLED155が点灯する色に映るので、その色に映ったキートップ153に黒色で印刷されたキー情報160は認識しやすくなる。
【0050】
そして、キーボード6では、各キー内部のキースイッチ159が不図示の発信回路に接続されている。発信回路は、後述するインターフェースユニット52(以下、I/Oと称す)を介して、タイピングゲーム装置1のCPU51に接続されている。従って、この発信回路を介して、押下操作されたキーのキースイッチ159からの電気信号をCPU51に送信することで、押下操作されたキーの種類を特定することができる。尚、発信回路は、上記スイッチ回路板151に搭載されている。
【0051】
また、キーボード6においては、キー内部のフルカラーLED155が発光制御回路62に接続されている。さらに、発光制御回路62は、I/O52を介して、CPU51に接続されている(図11参照)。従って、この発光制御回路62を介して、当該キー内部のフルカラーLED155をCPU51で特定された色によって点灯させることができる。
具体的に、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、タイピングゲーム中において、キー入力があった場合であって、且つ正しいキー入力がなされたと判定された場合には、押下された文字入力キー111を青色に発光させる。また、キー入力があった場合で、且つ誤ったキー入力がなされたと判定された場合には、押下された文字入力キー111を赤色、入力すべき正しいキーを緑色にそれぞれ発光させる。更に、キー入力がなかった場合には、入力すべき正しいキーのみを緑色に発光させる。
【0052】
尚、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1は、図10に示すように、サーバ80に対してインターネット等の双方向通信可能なネットワーク網Nを介して接続されている。そして、サーバ80から送信されたデータに基づいて、タイピングゲーム装置1のHDD55(図11参照)に記憶された楽曲データを更新することが可能となっている。
従って、楽曲データを更新することによってタイピングゲーム装置1で遊技可能な楽曲の種類を変更することが可能となっており、また、各遊技店に設置されたタイピングゲーム装置を一括に管理することにより、そのデータ更新作業も容易となっている。
【0053】
次に、タイピングゲーム装置1の制御系に係る構成について図11に基づき説明する。図11は、本実施形態に係るタイピングゲーム装置の制御系を模式的に示すブロック図である。
図11に示すように、タイピングゲーム装置1の制御系は、タイピングゲーム装置1における遊技処理動作等の各種制御を司るCPU51と、CPU51に接続されたROM53及びRAM54と、当該CPU51に電気的に接続された周辺装置(アクチュエータ)とで構成されている。
【0054】
CPU51は、各種コマンドに従って演算処理を行う中央演算処理装置である。I/O52は、第1液晶ディスプレイ3、第2液晶ディスプレイ4、キーボード6、照明装置7、スピーカ8、スポットライト11等とCPU51とを直接的、間接的に電気的接続する接続部である。
ROM53は、後述のフローチャートを動作させるための演算プログラムが格納されている不揮発性の読出し専用メモリである。
また、RAM54は、CPU51で演算された各種データを一時的に記憶しておくメモリであり、当該タイピングゲームにおける遊技者のキー入力のミス回数、獲得した得点(スコア)、獲得したポイント等についても記憶される。また、RAM54には後述するHDD55に記憶された複数の楽曲データの内、今回のタイピングゲームにおいて使用される楽曲データの歌詞データが1フレーズ毎に分割されて一時的に記憶される。
【0055】
HDD55は、タイピングゲーム実行時に使用される楽曲データが格納されている記憶装置である。ここで、楽曲データは、映像データ、演奏データ、音声データ、歌詞データ、判定基準データ、照明装置発光パターンデータ、キーボードにおける各キーの発光パターンが規定されたキー発光パターンデータデータ、枠体に配設されたLEDの発光パターンが規定された枠体LED発光パターンデータ、期限データから構成されており、HDD55内に形成された楽曲データ記憶領域56の各記憶領域に対してそれぞれ記憶されている(図12参照)。
また、楽曲データは、楽曲データ記憶領域56に対して複数個(本実施形態では最大で8個)のデータが記憶され、前記したようにサーバ80から送信されるデータに基づいて記憶された各楽曲データが随時更新される。そして、楽曲データ記憶領域56に記憶されている楽曲データの種類に基づいて曲選択画面15(図4(B)参照)で表示される曲名の種類が変化し、曲選択画面15で選択された楽曲に対応する楽曲データに基づいてタイピングゲームが行われる(図5及び図6参照)。
【0056】
ここで、HDD55に形成された楽曲データ記憶領域56について、図12を参照し、より詳細に説明する。図12は、楽曲データ記憶領域を模式的に示す説明図である。
図12に示すように、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1の楽曲データ記憶領域56は、記憶可能な楽曲データ数(本実施形態では8曲)に対応する複数の記憶領域(本実施形態では第1記憶領域〜第8記憶領域)により構成され、記憶領域毎に映像データ記憶領域56A、演奏データ記憶領域56B、音声データ記憶領域56C、歌詞データ記憶領域56D、判定基準データ記憶領域56E、照明装置発光パターンデータ記憶領域56F、キー発光パターンデータ記憶領域56G、枠体LED発光パターンデータ記憶領域56H、期限データ記憶領域56Iが設けられている。
【0057】
ここで、楽曲データ記憶領域56に形成される記憶領域を構成する各データ記憶領域について説明する。映像データ記憶領域56Aは、当該楽曲データの内、PV映像20(図5(A)及び図6(A)参照)に関する映像データが記憶される記憶領域である。従って、タイピングゲーム実行時においては、映像データ記憶領域56Aから、PV映像20に関する映像データが読み出され、第1液晶ディスプレイ3における独立画像領域101及び第2液晶ディスプレイ4に、同じタイミングで表示される。
また、演奏データ記憶領域56Bは、当該楽曲データの内、スピーカ8から出力される楽器等による伴奏に関する演奏データが記憶される記憶領域である。
そして、音声データ記憶領域56Cは、当該楽曲データの内、スピーカ8から出力されるアーティストが歌唱する歌声に関する音声データが記憶される記憶領域である。
歌詞データ記憶領域56Dは、当該楽曲データの内、楽曲の歌詞の文書データに関する歌詞データが記憶される記憶領域である。上述したように、タイピングゲーム実行時には、当該楽曲の歌詞が、1フレーズ毎に順次、歌詞データ記憶領域56Dより読み出され、第1液晶ディスプレイ3に表示される(図5(B)及び図6(B)参照)。
【0058】
そして、判定基準データ記憶領域56Eは、当該楽曲データの内、タイピングゲーム実行時に、遊技者がキー入力した文字の正誤判定及び入力タイミングの正誤判定の基準として読み出される判定基準データが記憶された記憶領域である。そして、CPU51は、記憶された判定基準データとキーボード6からの操作信号とに基づいて、ミス回数、得点、ポイント等を後述のように加算する。
この判定基準データは、楽曲の歌詞に対応して定められ、正しいキー入力であるか否かを判定するキー入力判定基準データと、楽曲における歌手の歌唱に基づいて、入力すべきキー毎に定められた入力タイミング判定基準データから構成されている。即ち、キー入力判定基準データは、楽曲の歌詞を構成する1文字ごとに、正しいキーが規定されているデータである。そして、入力タイミング判定基準データは、楽曲の歌詞を構成する1文字ごとに、当該楽曲の演奏開始からの経過時間が規定されているデータである。
【0059】
また、照明装置発光パターンデータ記憶領域56F、キー発光パターンデータ記憶領域56G、枠体LED発光パターンデータ記憶領域56Hには、当該楽曲データの内、照明装置7、キーボード6に配設されたフルカラーLED155、枠体203に配設されたフルカラーLED204の発光パターンデータがそれぞれ記憶される。
本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、一対の照明装置7は、照明装置発光パターンデータ記憶領域56Fに記憶された照明装置発光パターンデータに基づいて、タイピングゲーム実行中に発光制御回路62によりそれぞれの発光態様(発光色、点灯・消灯)で発光制御される。
また、キー内部に設けられたフルカラーLED155は、記憶されたキー発光パターンデータに基づいて、タイピングゲーム実行中に発光制御回路62により、それぞれの発光態様(発光色、点灯・消灯)で発光制御される。
尚、フルカラーLED155の発光パターンとしては、タイピングゲームの初心者のために、入力すべきキーをキーボード6全体の発光色とは異なる発光色で順次点灯させることにより、キー入力を補助する発光パターンや、楽曲のイメージに合わせて、キーボード6に配設された全てのキーの発光色を変更するようなパターンがある。
【0060】
また、枠体LED発光パターンデータ記憶領域56Hは、タイピングゲームにおける各種条件(難易度、使用楽曲)を決定する際や、タイピングゲーム実行時におけるキー入力が行われた際に、枠体203の周囲上面に配設された各フルカラーLED204の発光制御を行うための発光パターンデータが記憶された領域である。かかる発光パターンデータでは、予め任意に設定された発光色の順序(例えば、赤→黄→緑→青→紫等の順序。但し、かかる発光順序は、任意で自由に設定することができる)が定められている。
尚、枠体203に配設された各フルカラーLED204は、記憶された枠体LED発光パターンデータに基づいて、発光制御回路62により、それぞれの発光態様(発光色、点灯・消灯)で発光制御される。
【0061】
そして、期限データ記憶領域56Iは当該楽曲データの内、楽曲データの使用期限に関する期限データが記憶された記憶領域であり、期限データは、楽曲データの使用可能となった日(使用開始日)と、楽曲データが使用不能となる日(使用終了日)の2つの日付データで構成されている。この期限データは、タイマー58(図11参照)とともに各楽曲データの使用期限の管理に用いられ、使用期限の過ぎた楽曲データを用いたタイピングゲームは遊技できないようにCPU51によって制御される。
【0062】
ここで、図11に戻り、タイピングゲーム装置1の制御系について続けて説明する。
ゲーム通信手段57は、タイピングゲーム装置1が送り出す信号を電話回線やLANケーブル等の通信形式に応じ、送信可能な形式の信号に変換し、サーバ80に対して送信するとともに、サーバ80から送信された信号を受信し、タイピングゲーム装置1が読み取れる形式の信号に再度変換する装置である。そして、ゲーム通信手段57は、サーバ80のサーバ通信手段81とインターネット等の双方向通信可能なネットワーク網Nを介して接続されている(図10参照)。
【0063】
更に、CPU51には、タイマー58が接続されている。タイマー58の情報はCPU51に送信され、CPU51は、タイマー58の情報とHDD55の期限データ記憶領域56Iに記憶された期限データとから、記憶された楽曲データの使用期限の管理を行う。
【0064】
また、表示制御回路60は、I/O52を介して、CPU51と接続されており、CPU51の演算処理結果に応じて、第1液晶ディスプレイ3、第2液晶ディスプレイ4の表示内容を制御する部分である。ここで、表示制御回路60は、プログラムROM、画像ROM、画像制御CPU、ワークRAM、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)及びビデオRAMなどで構成されている。
そして、プログラムROMには、第1液晶ディスプレイ3や第2液晶ディスプレイ4での表示に関する画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。特に、第1液晶ディスプレイ3に独立画像領域101を設け、その独立画像領域101と第2液晶ディスプレイ4とにPV映像20を同じタイミングで表示する際に必要な画像制御用プログラムや各種選択テーブルが格納されている。
また、画像ROMには、例えば、第1液晶ディスプレイ3で表示される曲選択画面15(図4(B)参照)やメインゲーム画面21(図5及び図6参照)等の画像を形成するためのドットデータが格納されている。
そして、画像制御CPUは、CPU51で設定されたパラメータに基づき、プログラムROM内に予め記憶された画像制御プログラムに従い、画像ROM内に予め記憶されたドットデータの中から第1液晶ディスプレイ3や第2液晶ディスプレイ4に表示する画像の決定を行う。また、VDPは、画像制御CPUで決定された表示内容に応じた画像を形成し、第1液晶ディスプレイ3や第2液晶ディスプレイ4に出力する。
【0065】
それによって、例えば、スタンバイ状態においては任意の楽曲のPV、宣伝広告、ランキング一覧等からなるデモ画面を表示し、また、コイン投入口9にコインが投入された後には第1液晶ディスプレイ3に曲選択画面15(図4(B)参照)を表示させる。
そして、タイピングゲーム装置1におけるタイピングゲームが開始実行されている際には、第1液晶ディスプレイ3に、楽曲データを構成する歌詞データを1フレーズ毎に表示するとともに、キーボード6の入力に対応する文字を未入力文字列23Dから入力済文字列23Cに移動させる制御等を行う。
一方、第2液晶ディスプレイ4には、楽曲データを構成する映像データであるPVを表示させる。さらに、第1液晶ディスプレイ3におけるメインゲーム画面21の中央上方部に独立画像領域101を設けさせ、その独立画像領域101と第2液晶ディスプレイ4とにおいて、このPVを同じタイミングで表示させる。
【0066】
音制御回路61は、I/O52を介してCPU51に接続されるとともに、スピーカ8と接続されている。そして、タイピングゲームが実行され、HDD55の楽曲データ記憶領域56に記憶された楽曲データが読み出されると、当該楽曲データを構成する演奏データ及び音声データは、音制御回路61により音信号に変換され、スピーカ8より出力される。
【0067】
そして、発光制御回路62は、I/O52を介して、CPU51に接続されるとともに、照明装置7、及びキー内部に配設されているフルカラーLED155(図9参照)と接続されている。また同様に、発光制御回路62は、枠体203に配設された各フルカラーLED204と接続されている。発光制御回路62は、CPU51においてHDD55の楽曲データ記憶領域56に記憶された楽曲データが読み出されると、当該楽曲データを構成するキー発光パターンデータに基づいてフルカラーLED155の発光態様及び枠体LED発光パターンデータに基づいてフルカラーLED204の発光態様を制御するとともに、当該楽曲データを構成する照明装置発光パターンデータに基づいて、照明装置7の発光態様を制御する。
【0068】
図11に戻り、CPU51には、キーボード6が接続されている。キーボード6の各キー内部に設けられたキースイッチ159は、キートップ153が押下操作されたことを、スイッチ回路板151に流れる電気信号として送信する。CPU51は、各キーの押下により各キースイッチ159から出力されるスイッチ信号に基づき、各キーに対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0069】
コインセンサ63は、タイピングゲーム装置1におけるタイピングゲーム実行の対価として用いられるコイン(例えば100円硬貨)を検出するセンサである。コインセンサ63は、コイン投入口9の内部に配設され、I/O52を介してCPU51に接続されている。従って、コインセンサ63は、コイン投入口9からのコインの投入に基づいて、コイン投入信号をCPU51に対して発信する。そして、CPU51は所定金額分(例えば200円)に該当するコイン投入信号を検知することにより、タイピングゲームの実行を可能とする。
【0070】
また、カードセンサ64は、カード挿入口10にICカードが挿入されているか否かを検知するセンサであり、カードリーダ・ライタ65は、当該ICカードに配設されたICタグに対するデータの読出・書込を行う装置である。カードセンサ64、カードリーダ・ライタ65は、共に、カード挿入口10の内部に配設され、I/O52を介して、CPU51に接続されている。そして、カードセンサ64によりICカードが検出された場合であって、所定の操作が行われた場合には、カードリーダ・ライタ65によってタイピングゲームのゲーム結果をICタグから読み出す(図13のS3)。また、タイピングゲーム終了時にはICタグに対して新たなゲーム結果(獲得した得点やポイント)の書き込みを行う(図13のS10)。
【0071】
また、スポットライト制御回路66は、I/O52を介して、CPU51に接続されるとともに、スポットライト11と接続されている。そして、スポットライト制御回路66は、CPU51の命令に基づいて、スポットライト11の発光態様を制御し、特に、上述した発光制御回路62等により照明装置7の発光態様が制御されている際に、スポットライト11を回動させながら発光させることにより、照明装置7における照明演出を派手なものにする。従って、HDD55の楽曲データ記憶領域56に記憶された楽曲データを構成する照明装置発光パターンデータには、照明装置7における照明演出を派手なものにするための、スポットライト11の発光態様を制御するための内容が付加されている。但し、スポットライト11の発光態様を制御するための内容は、当該照明装置発光パターンデータとは別個に設けてもよい。
【0072】
更に、CPU51には、1/10秒単位で計時可能な制御タイマー59が接続されている。この制御タイマー59は、後述する各種制御プログラムを実行する際に使用される計時装置である。本実施形態においては、特に、タイピングゲームの実行開始と共に計時を開始し、タイピングゲームにおける入力タイミングの正誤判定の際に参照される。
【0073】
次に、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1のメイン処理プログラムについて、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図13は、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1
のメイン処理プログラムのフローチャートである。
尚、以下に図13乃至図17、図23にフローチャートで示される各プログラムはタイピングゲーム装置1が備えているROM53やRAM54に記憶されており、CPU51により実行される。
【0074】
本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、図13に示すように、スタートボタン205又はエンターキー112が押圧操作されると、先ず、S1において、CPU51は、カードセンサ64からの検出信号に基づいて、カード挿入口10にICカードが挿入されているか否かを判定する。
そして、ICカードが挿入されていると判定した場合(S1:YES)には、S2において、遊技者からのデータ内容の確認要求を受けたか否かが判定される。一方、ICカードが挿入されていないと判定した場合(S1:NO)には、S4へと移行する。
【0075】
ここで、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、コインの投入前であって、ICカードがカード挿入口10に挿入された状態において、キーボード6のシフトキー113を押下すると、第1液晶ディスプレイ3に、ICカードに記録されたゲーム結果の一覧が表示される。これにより、遊技者は、自己のゲーム結果の履歴を確認することが可能となる。
従って、S2の判定においては、キーボード6からの操作信号に基づいて、シフトキー113が押下されたか否かが判定される。シフトキー113が押下されたと判定された場合(S2:YES)には、カードリーダ・ライタ65によってICカードに内蔵されたICタグのデータを読み出し、その読み出したデータに基づいて第1液晶ディスプレイ3にゲーム結果の一覧を表示させる(S3)。
【0076】
また、S4では、スタート受付処理が行われる。具体的にスタート受付処理では、コイン投入口9に対してコイン(100円硬貨等)が所定金額分(本実施形態では200円分)投入されたか否かを判定する。所定金額分のコインが投入されるまでの間は、デモプレイのゲーム画面、任意の楽曲のPV、宣伝広告、ランキングデータの一覧等からなるデモ画面などをディスプレイに表示するスタンバイ状態で待機する。
尚、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、コイン投入口9にコインが投入されると、コインセンサ63によって検出され、コイン検出信号がCPU51に出力される。これにより、CPU51は遊技者によるコインの投入を判断することができる。
そして、所定金額分のコインが投入され、スタート受付処理(S4)を終了すると、難易度選択処理(S5)に移行する。
【0077】
難易度選択処理(S5)では、今回実行されるタイピングゲームの難易度を設定する処理が行われる。即ち、第1液晶ディスプレイ3に、難易度選択画面12を表示し、上述した「LEVEL (A)」、「LEVEL (B)」、「LEVEL (C)」の各設定から、遊技者が難易度設定を選択する処理が行われる。これにより、遊技者は、自分が、タイピングゲームを最も楽しむことができる難易度で遊技を開始することができる。難易度選択処理(S5)で選択された難易度を示す難易度設定データは、RAM54に格納され、後述するタイピングゲーム実行処理における入力対象文字算出処理(S34)において用いられる。
尚、難易度選択処理については、後に図面を参照しつつ詳細に説明するので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0078】
続いて、S6においては、今回のタイピングゲームの実行に使用する楽曲を選択する楽曲選択処理が行われる。楽曲選択処理では、後述のようにHDD55の楽曲データ記憶領域56に記憶された楽曲データの種類に基づいて、第1液晶ディスプレイ3に曲選択画面15(図4(B)参照)を表示させ、今回のゲームで使用する楽曲を設定する。楽曲選択処理(S6)については、後に図面を参照して詳細に説明する。
【0079】
そして、楽曲選択処理(S6)により、今回のタイピングゲームで使用される楽曲が決定されると楽曲選択処理を終了し、タイピングゲーム実行処理(S7)に移行する。
タイピングゲーム実行処理(S7)では、楽曲選択処理(S6)で選択された楽曲に基づき楽曲を演奏するとともに、キーボード6の入力結果に基づいて得点やポイント等を加算し、所定の終了条件を満たすまで継続してタイピングゲームを実行する。タイピングゲーム実行処理(S7)の詳細については、後に図面を参照して説明する。
【0080】
タイピングゲーム実行処理(S7)終了後、ゲーム結果表示処理が行われる(S8)。ゲーム結果表示処理(S8)では、実行されたタイピングゲームの結果に基づいて、第1液晶ディスプレイ3にゲーム結果画面30(図7参照)を表示させる。
ゲーム結果画面30には、RAM54に記憶された今回のタイピングゲームにおけるミス回数と、獲得したポイントと、獲得した得点(スコア)がそれぞれ表示され、更に遊技した遊技者の名前の入力を促す名前入力表示部34が表示される。更に、その状態でキーボード6が操作されると、操作信号に基づいて名前入力表示部34に入力された文字を表示する。そして、獲得した得点(スコア)が所定得点以上であった場合には、RAM54に記憶されたランキングデータを更新する。ゲーム結果表示処理(S8)を終了した後、S9に移行する。
【0081】
S9においては、CPU51は、カードセンサ64からの検出信号に基づいて、カード挿入口10にICカードが挿入されているか否かを判定する。そして、ICカードが投入されていると判定した場合(S9:YES)には、RAM54に記憶されている今回のタイピングゲームにおいて獲得したポイントと、獲得した得点(スコア)が、カードリーダ・ライタ65によって、それぞれICカードに内蔵されたICタグに書き込まれる(S10)。尚、ここで書き込まれたデータは、次回のゲーム時のデータ内容表示処理(S3)によって参照することが可能となる。
一方、ICカードが挿入されていないと判定した場合(S9:NO)には、そのまま、メイン処理プログラムを終了する。
【0082】
次に、メイン制御プログラムを構成する各処理について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、難易度選択処理(S5)について、図14を参照して説明する。図14は、難易度選択処理プログラムのフローチャートである。
難易度選択処理(S5)に移行すると、先ず、CPU51は、難易度選択画面12(図4(A)参照)を第1液晶ディスプレイ3に表示する(S11)。
従って、第1液晶ディスプレイ3には、「LEVEL (A)」、「LEVEL (B)」、「LEVEL (C)」の各難易度設定を示す難易度表示部13と、遊技者が選択している難易度表示部13を示す難易度選択カーソル14が表示される。
【0083】
そして、S12では、CPU51は、カーソルキー114が押下されたか否かについての判定が行われる。ここで、CPU51は、キーボード6から送信されるカーソルキー114の操作信号に基づいて、カーソルキー114の入力の有無を判断する。カーソルキー114が押下された場合には(S12:YES)、カーソルキー114の操作(上下方向のいずれのキーが入力されたか)に基づいて、難易度選択カーソル14を移動させ(S13)、S12に戻る。一方、カーソルキー114が押下されなかった場合には(S12:NO)、S14に移行する。
尚、図8に示すように、本実施形態に係るキーボード6には、上下左右の4方向に対応するカーソルキー114が配設されているが、難易度選択処理(S5)中においては、左右方向のカーソルキー114からの入力は無効とする。
【0084】
S14においては、CPU51は、難易度選択カーソル14が位置する難易度設定を選択決定する操作(以後、決定操作と称す)を実行したか否かを判断する。ここで、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1における決定操作とは、操作テーブル200上に配設されたスタートボタン205、若しくはキーボード6のエンターキー112の入力操作のことである。
従って、S14においては、スタートボタン205、エンターキー112の何れかからの操作信号に基づいて、決定操作の有無が判断され、決定操作がなされた場合には(S14:YES)、現在難易度選択カーソル14が位置する難易度表示部13に対応する難易度設定に基づき、今回のタイピングゲームの難易度が決定される。そして、決定された難易度設定は、難易度設定データとして、RAM54に格納される(S15)。難易度設定データをRAM54に格納した後、難易度選択処理(S5)を終了する。
一方、決定操作がなされていないと判定された場合(S14:NO)には、再度S12の判定処理へと戻る。
尚、上述したように、難易度選択処理(S5)において、決定操作が行われると、当該決定操作に連動して、枠体203に配設されている各フルカラーLED204の発光演出が行われる。
【0085】
次に、メイン制御プログラム中の楽曲選択処理(S6)において実行される楽曲選択処理プログラムについて、図面を参照しつつ説明する。図15は、本実施形態に係る楽曲選択処理プログラムのフローチャートである。
【0086】
楽曲選択処理(S6)に移行すると、先ず、CPU51は、HDD55の楽曲データ記憶領域56から、記憶された楽曲データに係る楽曲の曲名及びアーティスト名(本実施形態では最大で8種類)をそれぞれ取得する(S21)。
そして、S21で取得された楽曲の曲名及びアーティスト名に基づいて、第1液晶ディスプレイ3に曲選択画面15(図4(B)参照)を表示させる(S22)。
曲選択画面15では、遊技可能曲名表示部16に取得された楽曲名を一覧にして表示し、更に選択曲名表示部18及び選択アーティスト名表示部19には、曲選択カーソル17によって選択されている楽曲の曲名とアーティスト名がそれぞれ表示される。
【0087】
続いて、S23においては、CPU51は、カーソルキー114が押下されたか否かを判断する。ここで、カーソルキー114が押下されたか否かは、キーボード6から送信された操作信号に基づいて判定される。カーソルキー114が押下されたと判定された場合(S23:YES)には、カーソルキー114の操作(上下左右のいずれのキーが押下されたか)に基づいて、第1液晶ディスプレイ3に表示された曲選択カーソル17を、その押下された方向へ移動させる(S24)。
そして、S25では、選択曲名表示部18及び選択アーティスト名表示部19の表示を、前記S24で移動された曲選択カーソル17により新たに選択された楽曲に対応する曲名とアーティスト名にそれぞれ変更する。その後、S23の判定処理へと戻る。
【0088】
一方、カーソルキー114が押下されていないと判定された場合(S23:NO)には、前述の難易度選択処理(S5)と同じ決定操作が実行されたか否かについての判断がなされる(S26)。そして、決定操作がなされたと判定された場合(S26:YES)には、現在曲選択カーソル17が位置する楽曲が今回のタイピングゲームを行う楽曲として設定され、楽曲の選択結果がRAM54に格納される(S27)。今回のタイピングゲームで使用する楽曲を選択決定することにより、楽曲選択処理(S6)を終了し、メイン制御プログラムに戻る。一方、決定操作がなされていないと判定された場合(S26:NO)には、再度S23の判定処理へと戻る。
この楽曲選択処理(S6)においても、前述の難易度選択処理(S5)における決定操作時と同様に、今回のタイピングゲームにおける使用楽曲の決定操作に連動して、枠体203に配設された各フルカラーLED204による発光演出が行われる。
【0089】
続いて、メイン制御プログラムにおけるタイピングゲーム実行処理(S7)で実行されるタイピングゲーム実行処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図16は、本実施形態に係るタイピングゲーム実行処理プログラムのフローチャートである。
【0090】
難易度選択処理(S5)、楽曲選択処理(S6)により、今回のタイピングゲームにおける条件が決定されると、タイピングゲーム実行処理(S7)に移行し、設定された難易度で、選択された楽曲を用いたタイピングゲームが開始される。
タイピングゲーム実行処理(S7)に移行すると、先ず、S31において、CPU51は、RAM54より、楽曲選択処理(S6)によって選択された楽曲を示すデータを読み出し、当該データに基づいて、HDD55の楽曲データ記憶領域56の各記憶領域(図12参照)に記憶された楽曲データの内、楽曲選択処理(S6)の選択結果に対応する楽曲データを読み出す。この時、歌詞データ記憶領域56Dに格納された歌詞データは、フレーズごとに分割してRAM54に一時的に記憶される。
【0091】
次に、S32において、CPU51は、第1液晶ディスプレイ3にメインゲーム画面21(図5(B)及び図6(B)参照)を表示させる。このとき、第1液晶ディスプレイ3におけるメインゲーム画面21の中央上方部に独立画像領域101を形成する。
尚、この時点においては、メインゲーム画面21に歌詞表示部22及びローマ字表示部23に文字列は表示されておらず、得点表示部27の得点やスコアの表示も「0」となっている。更に、この時点においては、独立画像領域101にPV映像20は表示されていない。
【0092】
続いて、S33では、CPU51は、映像データ記憶領域56Aに記憶された映像データを読み出し、第1液晶ディスプレイ3における独立画像領域101及び第2液晶ディスプレイ4におけるPV映像20の表示を、同じタイミングで開始する(図5(A)及び図6(A)参照)。
また、演奏データ記憶領域56Bに記憶された演奏データ、音声データ記憶領域56Cに記憶された音声データに基づき、スピーカ8を介して、伴奏の音楽の出力、音声の出力をそれぞれ行う。それにより、楽曲が演奏され、且つそれに合わせてPV映像20が再生されることとなる。
【0093】
次に、S34においては、1フレーズ中に遊技者が入力すべき文字列の文字数を算出する入力対象文字数算出処理が行われる。ここで、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1においては、入力対象文字列23Aを構成する文字数である入力対象文字数(s)は、難易度選択処理(S5)における難易度設定や、直前の1フレーズに対する入力結果に応じて変動する。
即ち、入力対象文字数算出処理(S34)においては、1フレーズの歌詞を構成する文字数(n)を取得し、1フレーズを構成する文字数(n)に対して、難易度設定又は直前の入力結果に応じて決定される割合(以後、この割合を入力対象率と称す)を乗算することにより、入力対象文字数(s)を算出する処理が行われる。入力対象文字数算出処理(S34)により、1フレーズ中の入力対象文字数(s)が決定されると、S35に移行する。
尚、入力対象文字数算出処理(S34)については、後に図面を参照しつつ説明することとし、ここでの詳細な説明は省略する。
【0094】
次に、S35では、CPU51は、RAM54に格納されている歌詞データの1フレーズ分の歌詞を取得し、対応する文字列を楽曲の演奏するテンポに合わせてメインゲーム画面21の歌詞表示部22及びローマ字表示部23にそれぞれ表示する。
このとき、入力対象文字数算出処理(S34)により算出された入力対象文字数(s)に基づいて、当該1フレーズ分の歌詞を構成する文字列の内、先頭から算出された入力対象文字数(s)分までの文字が入力対象文字列23Aとして表示される。一方、当該1フレーズを構成する文字列の内、入力対象文字列23Aとならなかった文字は、非入力対象文字列23Bとして表示される(図19乃至図22参照)。
上述したように、入力対象文字列23A、非入力対象文字列23Bは、それぞれ表示態様が異なり、一目して判別可能であるので、1フレーズごとに入力対象文字数(s)が変動したとしても、遊技者は、容易に入力対象文字列を把握することができる。
こうして、第1液晶ディスプレイ3は楽曲の演奏及び第2液晶ディスプレイ4のPV映像20の表示と並行して、メインゲーム画面21の表示が行われる(図5(B)及び図6(B)参照)。
【0095】
続いて、S36においては、第1液晶ディスプレイ3に表示された1フレーズに対応する歌詞の入力を行うフレーズ入力処理が行われる。フレーズ入力処理(S36)においては、第1液晶ディスプレイ3に表示されている入力対象文字列23Aを構成する各文字に対する入力判定が行われると共に、各文字の入力判定に基づくスコア、ミス回数の加算処理が行われる。1フレーズ分の入力対象文字列23A全てに対する入力判定、スコア、ミス回数の加算を終了すると、S37に移行する。
尚、フレーズ入力処理(S36)については、後に図面を参照しつつ説明するので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0096】
そして、S37においては、ポイント加算処理が行われる。ポイント加算処理(S37)では、1フレーズの歌詞における入力対象文字列23Aを構成する全ての文字を入力ミス(後述する所定時間経過による入力ミスの判定(S75)を含む)することなく入力が完了したと判定された場合にポイントを1加算する。即ち、1フレーズ中の入力対象文字列23Aを構成する全ての文字について、入力タイミングの正誤を問わず、正しいキーが入力されている場合にポイントを獲得することができる。
【0097】
次に、S38では、当該1フレーズ分に相当する楽曲の再生が終了したか否かについての判断がなされ、当該1フレーズ分に相当する楽曲の再生が終了するまで処理を待機し(S38:NO)、当該1フレーズ分の楽曲の再生が終了した時点で(S38:YES)、S39に移行する。
このS38の処理を実行することにより、1フレーズ中に非入力対象文字列23Bがある場合に、当該非入力対象文字列23Bに相当する部分の楽曲を確実に再生することができる。即ち、1フレーズ分の楽曲を確実に再生することになるので、楽曲の再生に伴ってタイピングゲームを実行するというタイピングゲーム装置1の魅力を損なうことはない。
【0098】
そして、S39では、CPU51は、楽曲を構成する複数の曲番(通常、1曲は1〜3番で構成される)の内、いずれかの曲番にあたるステージのフレーズの入力判定が終了したか否かを判定する。そして、1ステージ分の全てのフレーズの入力判定が終了していないと判定された場合(S39:NO)には、S34へと戻り、次のフレーズの歌詞に対する入力対象文字数算出処理が実行される。そして、次の1フレーズの歌詞における入力対象文字数(s)が算出されることにより、次の1フレーズにおける入力対象文字列23Aが確定し、次の1フレーズの歌詞がメインゲーム画面21における歌詞表示部22及びローマ字表示部23にそれぞれ表示される。
【0099】
一方、1ステージ分の全てのフレーズの入力判定が終了したと判定された場合(S39:YES)には、続けて全ステージ(楽曲の全曲)のフレーズの入力判定が終了したか否かが判定される(S40)。
全ステージが終了したと判定された場合(S40:YES)には、遊技者の所有するポイントに関わらず、タイピングゲーム実行処理を終了し、メイン制御プログラムに戻る。
全ステージが終了していないと判定された場合(S40:NO)には、フレーズ入力処理(S36)において加算された現在までの遊技者のミス回数が所定回数未満であるか否かが判定される(S41)。
本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、再生される楽曲の曲番の数に合わせて複数のステージから構成されており、一のステージが終了した時点で次の曲番に係るステージを継続して行うためには遊技開始時からのタイプミス回数が所定回数未満であることが条件となる(例えば、1番に該当する部分を遊技した後に2番を継続して行うにはタイプミス回数20回未満、2番に該当する部分を遊技した後に3番を継続して行うには35回未満)。
【0100】
そして、RAM54に格納されている遊技者のタイプミス回数が所定回数未満であると判定された場合(S41:YES)には、S34へと戻り、次の曲番の最初のフレーズに該当する歌詞をRAM54から取得し、歌詞に対応する文字列を歌詞表示部22及びローマ字表示部23にそれぞれ表示する。一方、遊技者のタイプミス回数が所定回数以上であると判定された場合(S41:NO)には、当該タイピングゲーム実行処理を終了し、メイン制御プログラムに戻る。
【0101】
次に、タイピングゲーム実行処理(S7)のS34において実行される入力対象文字数算出処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図17は、入力対象文字数算出処理プログラムのフローチャートである。
図17に示すように、タイピングゲーム実行処理のS34に移行すると、CPU51は、先ず、RAM54に格納されている1フレーズ分の歌詞データを読み出し、1フレーズ分の歌詞を構成する文字数(n)を算出する(S51)。
1フレーズ分の歌詞を構成する文字数(n)を算出した後、S52においては、現在、文字数(n)を算出したフレーズが、楽曲の最初のフレーズであるか否かについての判断がなされる。即ち、今回のタイピングゲームにおける楽曲の第1ステージの1番目のフレーズであるか否かが判断される。S51において、文字数(n)を算出した1フレーズが、楽曲の最初のフレーズである場合には(S52:YES)、S53に移行し、楽曲の最初のフレーズではない場合には(S52:NO)、S55に移行する。
【0102】
ここで、先ず、文字数(n)を算出した1フレーズが、楽曲の最初のフレーズである場合(S52:YES)の処理について説明する。この場合、S53において、CPU51は、難易度選択処理(S5)において設定された難易度設定データをRAM54より読み出す。上述したように、本実施形態においては、「LEVEL (A)」、「LEVEL (B)」、「LEVEL (C)」の3つの難易度を選択することができるので、RAM54には上記3つの難易度の何れかを示す難易度設定データが格納されている。
その後、S54では、ROM53に格納されている入力対象率テーブル(図18参照)に基づいて、RAM54から読み出された難易度設定データに対応する入力対象率(t)を読み出す。難易度設定データに応じた入力対象率(t)を読み出し、RAM54に格納した後、S61に移行する。
【0103】
ここで、入力対象率テーブルについて、図19を参照しつつ詳細に説明する。図19は、入力対象率テーブルの説明図である。
上述したように、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、1フレーズを構成する歌詞の全ての文字の入力を要求する態様だけでなく、当該1フレーズの前方部分を構成する入力対象文字列23Aの入力を要求する態様でも、タイピングゲームが実行される。即ち、入力対象率(t)とは、1フレーズの歌詞を構成する全文字の内、入力対象文字列23Aを構成する文字の割合を示すものである。
又、入力対象率(t)は、難易度設定データにも関連付けられており、図19に示すように、難易度設定「LEVEL (A)」の場合には、入力対象率(t)=100%、難易度設定「LEVEL (B)」には、入力対象率(t)=80%が関連付けられている。そして、難易度設定「LEVEL (C)」には、入力対象率(t)=60%が関連付けられている。そして、入力対象率テーブルには、前述した3パターンの入力対象率(t)に加え、難易度設定データとは関連付けられていない入力対象率(t)=40%、入力対象率(t)=20%が存在する。即ち、入力対象率テーブルには、5段階の入力対象率が規定されている。
従って、楽曲の最初の1フレーズについての入力対象文字数算出処理では、例えば、RAM54に格納されている難易度設定データ「LEVEL (B)」を読み出した場合には(S53)、ROM53に格納されている入力対象率テーブルを参照することにより、入力対象率(t)=80%が読み出され、RAM54に格納される(S54)。
【0104】
一方、文字数(n)を算出した1フレーズが当該楽曲の最初の1フレーズではない場合には(S52:NO)、直前の1フレーズの入力対象文字列23Aを構成する文字数に対する正しいキー入力がされた文字数の割合で算出される直前の1フレーズにおける正解入力率を算出する(S55)。
【0105】
続いて、S56においては、前記S55で算出した正解入力率が80%以下であるか否かについての判断がなされる。直前の1フレーズにおける正解入力率が80%以下の場合には(S56:YES)、入力対象率テーブルを参照し、直前の1フレーズにおいて設定されていた入力対象率(t)の1段階下の入力対象率(t)を、今回の入力対象率(t)として設定する(S57)。
例えば、直前の1フレーズにおける入力対象率(t)が60%に設定されており、当該直前の1フレーズにおける正解入力率が80%以下となった場合(S56:YES)、今回の1フレーズにおける入力対象率(t)は、1段階下の入力対象率である40%が設定される(図18参照)。尚、直前の入力対象率(t)が20%であり、当該1フレーズの正解入力率が80%以下となった場合においては、現在の入力対象率が最も小さなものであるので、入力対象率は20%が設定されることとなる。
一方、直前の1フレーズにおける正解入力率が80%より大きい場合には(S56:NO)、S58に移行する。
【0106】
そして、S58においては、CPU51は、直前の1フレーズにおける正解入力率が90%以上であるか否かについての判断がなされる。直前の1フレーズに対する正解入力率が90%以上である場合には(S58:YES)、入力対象率テーブルを参照し、直前の1フレーズにおいて設定されていた入力対象率(t)の1段階上の入力対象率を今回の入力対象率(t)として設定する(S59)。一方、直前の1フレーズにおける正解入力率が、80%より大きく、且つ、90%よりも小さい場合には(S58:NO)、直前の1フレーズに対して設定されていた入力対象率(t)を今回の入力対象率(t)として再び設定する(S60)。S59、S60において、今回の1フレーズに対する入力対象率(t)が設定されると、S61に移行する。
【0107】
ここで、前述したS58〜S60の処理について、具体例を挙げて説明すると、直前の1フレーズにおける入力対象率(t)が60%に設定されており、当該直前の1フレーズの正解入力率が90%以上となった場合(S58:YES)は、今回の1フレーズにおける入力対象率(t)は1段階上の入力対象率である80%が設定される(図18参照)。一方、この場合において、正解入力率が90%より小さいと判断されると(S58:NO)、直前の1フレーズで設定されていた入力対象率(t)60%が今回の入力対象率(t)として設定される。尚、直前の入力対象率(t)が100%であり、当該1フレーズの正解入力率が90%以上となった場合においては、現在の入力対象率(t)が最も大きなものであるので、今回の1フレーズにおいても、入力対象率(t)=100%が設定されることとなる。
【0108】
S61の直前の1フレーズにおける入力対象率(t)が60%に設定されており、当該直前の1フレーズにおける正解入力率が80%以下となった場合(S56:YES)、今回の1フレーズにおける入力対象率(t)は、1段階下の入力対象率である40%が設定される(図18参照)。尚、直前の入力対象率(t)が20%であり、当該1フレーズの正解入力率が80%以下となった場合においては、現在の入力対象率(t)が最も小さなものであるので、今回の1フレーズに対する入力対象率(t)は再び20%が設定されることとなる。
【0109】
そして、S54、S59、S60において、今回の1フレーズに対する入力対象率(t)が設定された後に移行するS61においては、CPU51は、S51で算出された今回の1フレーズの歌詞を構成する文字数(n)と、設定された入力対象率(t)に基づいて、今回の1フレーズにおける入力対象文字数(s)を算出する。即ち、今回の1フレーズの歌詞を構成する文字数(n)に、S54、S59、S60で設定された入力対象率(t)を乗算した値を算出し、この数値が入力対象文字数(s)となる。尚、本実施形態において、文字数(n)に入力対象率(t)を乗算した数値に小数点以下の端数が発生した場合には、全て切り上げることとする。
今回の1フレーズの歌詞を構成する文字数(n)と、設定された入力対象率(t)に基づいて、今回の1フレーズにおける入力対象文字数(s)を算出し、RAM54に格納した後、S61の処理を終了すると共に、入力対象文字数算出処理(S34)を終了する。
【0110】
ここで、入力対象文字数算出処理(S34)について、図5(B)に示す1フレーズの入力対象文字数(s)を算出する場合を具体例として説明する。図19乃至図22は、入力対象率(t)=80%、60%、40%、20%における歌詞表示部22、ローマ字表示部23の表示態様を示す説明図である。
この場合において、次に再生される1フレーズとしてRAM54に格納されている歌詞は、「もう 迷わない/MOU MAYOWANAI」である。従って、この1フレーズに対する入力対象文字数算出処理(S34)が実行されると、「MOU MAYOWANAI」の文字数(n)が算出され、その結果、n=12がRAM54に格納される(S51)。これらの条件下において、入力対象文字数算出処理(S34)で算出される入力対象文字数(s)を、入力対象率(t)ごとに説明する。
【0111】
先ず、S52〜S60の処理により入力対象率(t)が80%に設定された場合、S51において算出された文字数(n)=12に対して、設定された入力対象率(t)80%を乗算すると、算出結果として、9.6が導き出される。ここで、本実施形態においては、入力対象文字数(s)の算出結果に端数が発生した場合、当該端数を切り上げることとしているので、入力対象文字数(s)は、「10」となる(S61)。
【0112】
又、S52〜S60の処理により入力対象率(t)が60%に設定された場合には、12×0.60=7.2に基づいて、入力対象文字数(s)として「8」が算出され、入力対象率(t)が40%に設定された場合には、12×0.40=4.8に基づき、入力対象文字数「5」が算出される。そして、入力対象率(t)が20%に設定された場合は、12×0.20=2.4に基づいて、入力対象文字数「3」が算出される(S61)。このようにして算出された入力対象文字数(s)をRAM54に格納し、その後、入力対象文字数算出処理(S34)を終了する。
【0113】
入力対象文字数算出処理(S34)により算出され、RAM54に格納された入力対象文字数(s)は、メインゲーム画面21のローマ字表示部23に対し、1フレーズの歌詞を表示する際における入力対象文字列23A、非入力対象文字列23Bの決定及び、フレーズ入力処理(S35)の終了判断を行う際に用いられる。
例えば、入力文字数算出処理(S34)により、入力対象文字数(s)として、「10」が算出されると、第1液晶ディスプレイ3にメインゲーム画面21が表示されるが(S35)、当該メインゲーム画面21のローマ字表示部23には、「MOU MAYOWANAI」の12文字の内、先頭から「MOU MAYOWAN」の10文字までが入力対象文字列23Aとして、残る「AI」の2文字が非入力対象文字列23Bとして表示される(図19参照)。同様に、入力対象率(t)60%の場合には「MOU MAYOW」の8文字(図20参照)、入力対象率(t)40%の場合には「MOU MA」の5文字(図21参照)、入力対象率(t)20%の場合には「MOU」の3文字が、それぞれの場合において、入力対象文字列23Aとして表示される。尚、この場合においても、当該入力対象文字列23A以後の文字は、全て非入力対象文字列23Bとして表示される(図20乃至図22参照)。
そして、図19乃至図22に示すように、ローマ字表示部23に表示される際には、入力対象文字列23Aと非入力対象文字列23Bは、それぞれを容易に判別可能なように異なる態様で表示されるので、遊技者は、当該1フレーズにおいて入力すべき文字数を容易に判断することができる。
【0114】
次に、タイピングゲーム実行処理のフレーズ入力処理(S36)において実行されるフレーズ入力処理プログラムについて、図面を参照しつつ詳細に説明する。図23は、フレーズ入力処理プログラムのフローチャートである。
入力対象文字数算出処理(S34)により算出された入力対象文字数(s)をRAM54に格納し、メインゲーム画面21の歌詞表示部22、ローマ字表示部23に当該1フレーズ分の歌詞が表示されるとフレーズ入力処理が開始される。このとき、ローマ字表示部23には、入力対象文字数(s)に基づいて、入力対象文字列23A、非入力対象文字列23Bが表示される(入力対象率(t)100%の場合は、入力対象文字列23Aのみが表示される(図5(B)、図6(B)参照)。
【0115】
フレーズ入力処理(S36)が開始されると、先ず、CPU51は、RAM54に格納された任意の変数mに0を代入する(S71)。ここで、任意の変数mは、1フレーズ分の入力対象文字列23Aを形成する各文字に対する文字の入力判定に用いられる変数であり、1文字分の入力判定が終了する毎に1ずつ加算される(S78)。従って、以下のS72〜S79において繰り返し行われる各入力判定処理においては、m=t(0≦t≦s−1)のとき、1フレーズの先頭からt+1番目に位置する文字の入力判定が行われることとなる。
【0116】
そして、S72では、CPU51は、キーボード6からの操作信号に基づいて、文字入力キー111によるキー入力がなされたか否かを判定する。キー入力があったと判定された場合(S72:YES)には、制御タイマー59により、当該キーの入力タイミングを示す入力時期データをRAM54に格納する。その後、押下されたキーの種類と、入力時期データと、判定基準データ記憶領域56Eに記憶された判定基準データとに基づいて、入力されたキーの正誤判定処理を行う(S73)。
正誤判定処理(S73)においては、メインゲーム画面21のローマ字表示部23に表示された入力対象文字列23Aであるローマ字に対応するキーが入力された場合に正しいキー入力であると認識される。そして、対応するキー以外のキーが入力されたと判定された場合にはミス回数を1加算する。
又、対応するキーが入力された場合には、判定基準データに基づいて、そのキー入力のタイミングの一致についても判定される。このタイミングの一致は、判定基準データに規定されている入力タイミングにより判定される。正しいキーが入力されたが、入力タイミングを逸した入力である場合には、正しいキーを入力したことに基づく得点のみが加算され、正しいキーが正しい入力タイミングで入力された場合には、正しいキー入力に基づく得点とともに、正しいタイミングでのキー入力に基づく得点が加算される。
キー入力に対する正誤判定を行った後、S76へと移行する。
【0117】
一方、キー入力がなかったと判定された場合(S72:NO)には、所定時間(1フレーズの先頭の文字を入力する際にはメインゲーム画面21に対して1フレーズに対応する文字列を表示した(S35)後から、それ以外の文字を入力する際にはスコア算出処理を行った(S77)後から計測する。)経過したか否かを制御タイマー59の情報に基づいて判定する(S74)。そして所定時間経過していないと判定した場合(S74:NO)には、S72の判定処理へと戻る。
一方、所定時間経過していると判定した場合(S74:YES)には、遊技者によるキー入力が行われなかったものとして、RAM54に格納された今回のゲームにおけるミス回数を1加算する(S75)。
【0118】
そして、S76では、キーボード6のキー内部に設けられたフルカラーLED155によるキー発光処理が行われる。具体的に本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、キー入力があった場合(S72:YES)で、且つ正しいキー入力がなされたと判定された場合には、押下された文字入力キー111を青色に発光させる。また、キー入力があった場合(S72:YES)で、且つ誤ったキー入力がなされたと判定された場合には、押下された文字入力キー111を赤色、入力すべき正しいキーを緑色にそれぞれ発光させる。更に、キー入力がなく、所定時間も経過してしまった場合(S74:YES)には、入力すべき正しいキーを緑色に発光させる。
【0119】
また、S77では、正誤判定処理(S38)の判定結果に基づいて、スコア算出処理が行われる。スコア算出処理(S77)では、RAM54に格納されている今回のゲームにおける遊技者の得点(スコア)の加算が行われる。
即ち、正誤判定処理(S73)による判定の結果、正しいキーが入力されたが、入力期
間内に入力されなかった場合には、正しいキーを入力したことに基づく得点のみが加算され、正しいキーが入力期間内に入力された場合には、正しいキー入力に基づく得点とともに、正しいタイミングでのキー入力に基づく得点が加算される。
【0120】
その後、S78においては、RAM54に格納された変数mを読み出して「+1」を加算し、再度格納する。続いて、S79では、変数mの値がs−1に到達したか否か、即ち1フレーズ中の入力対象文字列23Aを構成する各文字に対する入力判定が全て終了したか否かが判定される。
変数mの値がs−1に到達していないと判定された場合(S79:NO)には、再度S72へと戻り、1フレーズの入力対象文字列23Aを構成する各文字の内、次の順序に位置する文字の入力判定が行われる。
一方、変数mの値がs−1に到達したと判定された場合(S79:YES)には、1フレーズの入力対象文字列23Aの入力が完了したこととなるので、フレーズ入力処理(S36)を終了する。
【0121】
以上、説明したように、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1では、入力対象文字数算出処理(S34)において、今回の1フレーズの歌詞を構成する文字の文字数(n)に対し入力対象率(t)を乗算することで、今回の1フレーズの歌詞において、遊技者が入力を要する入力対象文字列23Aの文字数である入力対象文字数(s)を決定する。
ここで、入力対象文字数(s)は、直前の1フレーズに対する正解入力率に基づいて、選択される入力対象率(t)に依存するので、当該遊技者の技量が今回の1フレーズにおける入力対象文字数(s)に反映される。
【0122】
具体的には、直前の1フレーズにおける正解入力率が80%以下の場合には、直前の1フレーズが当該遊技者にとって難しかったと判断され、直前の1フレーズよりも、1段階低い入力対象率(t)が選択される。つまり、この場合には、今回の1フレーズは、直前の1フレーズよりも入力対象文字列23Aの割合が低く、入力すべき文字数が少なくなるので、より難易度が低い設定でタイピングゲームを実行することができる。
一方、直前の1フレーズにおける入力正解率が90%以上の場合には、直前の1フレーズが当該遊技者にとって簡単であったと判断され、直前の1フレーズよりも1段階高い入力対象率(t)が選択される。つまり、この場合には、今回の1フレーズは、直前の1フレーズよりも入力対象文字列23Aの割合が高く、入力すべき文字数が多くなるので、より難易度の高い設定でタイピングゲームを実行することができる。また、上記の何れにも該当しない場合には、直前の1フレーズで用いた入力対象率(t)を今回の1フレーズに再度用いてタイピングゲームが実行される。
従って、本実施形態に係るタイピングゲーム装置1においては、1フレーズ単位でタイピングゲームの難易度が見直され、遊技者の技量に適した難易度でタイピングゲームを実行することができる。この結果、技量の異なる遊技者であっても、同様にタイピングゲームに係る興趣を味わうことができ、特に、キーボード入力になれていない遊技者でも充分にタイピングゲームを楽しむことができる。
【0123】
又、本実施形態においては、タイピングゲーム実行処理(S7)を行う前に、難易度選択処理(S5)において、入力対象率(t)と関連付けられた難易度設定を行うことができる。難易度選択処理(S5)で設定された難易度設定データは、当該楽曲の最初の1フレーズの入力対象文字数(s)を算出される際に用いられる。即ち、遊技者が難易度選択処理(S5)において、自己の技量に合わせた難易度設定を行うことにより、より迅速に適切な難易度でのタイピングゲームを実行することが可能となる。
これにより、例えば、遊技者の技量より高い難易度でゲームが開始された場合には、ゲーム序盤に多くのミス入力をしてしまうことになり、遊技の興趣を損ねてしまうことを防止することができる。更に、遊技者の技量よりも低い難易度でゲームが開始される場合に、ゲーム序盤が非常に退屈なものとなってしまい、遊技の興趣を損ねてしまうことも防止することができる。つまり、タイピングゲーム開始時の難易度と遊技者の技量に格差がある場合に生じる不具合を軽減することができる。
【0124】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施形態では、入力対象文字列23Aは、直前の1フレーズに対する正解入力率に基づいて選択される入力対象率(t)と、今回の1フレーズの文字列を構成する文字数(n)との積により決定されていたが、この態様に限定するものではなく、直前の1フレーズに対する正解入力率と、入力対象文字数(s)とを関連付け、各1フレーズを構成する文字数に関わらず、正解入力率に応じて、入力対象文字数(s)を選択するように構成することも可能である。
【0125】
また、本実施形態においては、1フレーズを構成する入力対象文字列23Aの文字数に対する正しいキー入力がされた文字数の割合である正解入力率に基づいて、入力対象率の選択を行うように構成していたが、この態様に限定するものではなく、正しいキー入力がされた文字数に応じて入力対象率を選択してもよい。また、ミス入力がされた文字数に応じて、入力対象率を選択するように構成することも可能である。
更に、本実施形態においては、直前の1フレーズにおける正解入力率のみを用いて、入力対象率を選択するように構成しているが、直前の1フレーズにおける正解入力率に代え、今回のタイピングゲーム開始時点から直前の1フレーズまでの長期的な成績を判定して入力対象率を選択するようにしてもよく、上記2つの判定材料を併用し、これらを総合評価して、入力対象率を選択するように構成しても良い。
ここで、長期的な成績の評価法としては、例えば、タイピングゲーム開始時点から現在までの入力対象文字列23Aの文字数の総和に対する現在までの正しいキー入力回数の総和の割合が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本実施形態に係るタイピングゲーム装置の斜視図である。
【図2】タイピングゲーム装置における操作テーブル部分を拡大して模式的に示す斜視図である。
【図3】キーボードが配設された操作テーブルの模式断面図である。
【図4】タイピングゲーム開始前において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。(A)は難易度選択画面を表示した第1液晶ディスプレイを示した模式図、(B)は楽曲選択画面を表示した第1液晶ディスプレイを示した模式図である。
【図5】(A)はタイピングゲーム実行中において第2液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図、(B)はタイピングゲーム実行中において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図6】(A)はタイピングゲーム実行中において第2液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図、(B)はタイピングゲーム進行中において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図7】タイピングゲーム終了後において第1液晶ディスプレイに表示される表示内容を示した模式図である。
【図8】本実施形態に係るタイピングゲーム装置に備えられたキーボードを示した平面図である。
【図9】キーボードに設けられた複数のキーのいずれか一つを切断した概略断面図である。
【図10】本実施形態に係るタイピングゲーム装置とサーバとからなるシステムを示したシステムブロック図である。
【図11】本実施形態に係るタイピングゲーム装置の制御系を模式的に示すブロック図である。
【図12】本実施形態に係るタイピングゲーム装置のHDDの楽曲データ記憶領域を示す模式図である。
【図13】本実施形態に係るタイピングゲーム装置のメイン処理プログラムのフローチャートである。
【図14】本実施形態に係るタイピングゲーム装置の難易度選択処理プログラムのフローチャートである。
【図15】本実施形態に係るタイピングゲーム装置の楽曲選択処理プログラムのフローチャートである。
【図16】本実施形態に係るタイピングゲーム装置のタイピングゲーム実行処理プログラムのフローチャートである。
【図17】本実施形態に係るタイピングゲーム装置の入力対象文字数算出処理プログラムのフローチャートである。
【図18】本実施形態に係る入力対象文字数算出処理で用いられる入力対象率(t)テーブルの説明図である。
【図19】入力対象率(t)80%が設定された場合における1フレーズ分の歌詞の表示例を示す説明図である。
【図20】入力対象率(t)60%が設定された場合における1フレーズ分の歌詞の表示例を示す説明図である。
【図21】入力対象率(t)40%が設定された場合における1フレーズ分の歌詞の表示例を示す説明図である。
【図22】入力対象率(t)20%が設定された場合における1フレーズ分の歌詞の表示例を示す説明図である。
【図23】本実施形態に係るタイピングゲーム装置のフレーズ入力処理プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
【0127】
1 タイピングゲーム装置
3 第1液晶ディスプレイ
6 キーボード
51 CPU
53 ROM
54 RAM
55 HDD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲データと、当該楽曲データに基づく判定基準データが記憶される記憶手段と、
前記楽曲データに基づく遊技の進行に係る文字列が表示される表示手段と、
複数の文字に対応する複数のキーが配置された入力手段と、
前記文字列に対応する判定基準データに基づいて、前記入力手段による入力の正誤を判定する正誤判定手段と、
前記正誤判定手段の判定結果に基づいて遊技の進行を制御する遊技制御手段と、を有するタイピングゲーム装置において、
前記文字列に対する入力の正誤判定に際し、前記正誤判定手段による以前の判定結果に基づいて、当該文字列に対する正誤判定の対象となる文字列の割合を変更する判定範囲変更手段を有することを特徴とするタイピングゲーム装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載のタイピングゲーム装置において、
前記記憶手段は、前記判定範囲変更手段の判定範囲の変更に係る変更基準データを有し、
前記判定範囲変更手段は、前記以前の判定結果が前記変更基準データよりも不良な場合に、当該文字列に対する正誤判定の対象となる文字列の割合を下げることを特徴とするタイピングゲーム装置。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載のタイピングゲーム装置において、
前記記憶手段は、前記判定範囲変更手段の判定範囲の変更に係る変更基準データを有し、
前記判定範囲変更手段は、前記以前の判定結果が前記変更基準データより良好な場合に、当該文字列に対する正誤判定の対象となる文字列の割合を上げることを特徴とするタイピングゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2006−340989(P2006−340989A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−171168(P2005−171168)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(598098526)アルゼ株式会社 (7,628)
【Fターム(参考)】