説明

タイムレコーダネットワークシステム

【課題】タイムレコーダの情報の中央集中処理を可能とするタイムレコ−ダネットワークシステムを提供する。
【解決手段】クライアント3側に設置したタイムレコーダ4は、勤務時間情報記録機能とクライアント3との通信機能を持ち、クライアントはクライアントまたはサーバ2に登録されている個人情報とタイムカードナンバーをリンクさせる機能を持っている。毎月のタイムカード発行時にタイムレコーダからクライアントへタイムカードナンバー情報を発信し、クライアントはタイムカードナンバー情報と個人情報とをリンクさせる。クライアントにてタイムレコーダに保存されている勤務時間情報を読出すと、各カードナンバーの勤務時間情報とそのナンバーに該当する個人情報とがリンクされ、その情報をWebサーバに登録してサーバ側で一括処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、タイムレコーダネットワークシステムに関するものであり、特に情報通信ネットワークを用いて勤務時間情報を集中管理できるようにしたタイムレコーダネットワークシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、会社等の組織において従業者各人の勤務時間情報の記録には、個人別タイムカードに出勤及び退勤の時刻を印字するタイムレコーダが用いられている。近年は時刻印字機能に加えて時間記録及び集計機能を備えた電子式タイムレコーダも提供されているが、いずれにしても多数のタイムレコーダを使用する企業においては全体的な勤務時間情報の収集に手間がかかり、特に、各地に事業所が分散している企業においては一箇所で全体の情報を集中処理することが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−290236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、従来技術では、インターネットやLANを用いて事務処理センター等で一括処理を行うシステムを構築する場合は、各事業所にてクライアントコンピュータへ個人毎の時間情報を入力してサーバに送信することになり、キーボードによる文字入力に相応の手間がかかるものであった。
【0005】
一方、タイムレコーダ自体を通信ネットワークへ直接接続してタイムレコーダネットワークシステムを構築することが考えられるが、この場合はタイムレコーダにLANボードまたはモデム等の通信制御装置や通信制御プログラムに加えて個人別のID情報を入力するためのキーボードや大容量のメモリを付加しなければならず、高価格且つ大型化して実用的ではない。
【0006】
そこで、タイムレコーダの構成を複雑化することなく、情報通信ネットワークを通じてタイムレコーダの情報をサーバ側で集中処理できるようにするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明は上記課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記目的を達成するために提案するものであり、LANまたはWANに接続したサーバとクライアントと、クライアント側に設置したタイムレコーダとからなり、
タイムレコーダは、一月或いは一週間等の所定期間内勤務時間情報の記録機能とクライアントとの通信機能を持ち、クライアントは、クライアントまたはサーバに登録されているID及び勤務条件等の個人情報とタイムカードナンバーとをリンクさせる機能を持ち、
タイムカードの発行機能を持ち、
タイムレコーダからクライアントへ発行したタイムカードのタイムカードナンバー情報を発信し、クライアントがタイムカードナンバー情報と個人情報とをリンクさせ、勤務時間情報集計の際はクライアントにてタイムレコーダに保存されている勤務時間情報を読出し、読出した勤務時間情報にそのタイムカードナンバーにリンクしている個人情報を付加してサーバに登録するように構成したタイムレコーダネットワークシステムを提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明のタイムレコーダネットワークシステムは、LANまたはWANに接続したクライアントにタイムカードナンバーと個人情報をリンクさせる機能を持たせ、クライアントはタイムレコーダに記録されている勤務時間情報を読出してタイムカードナンバー毎の勤務時間情報と個人情報とをリンクさせてサーバへ送信する。これにより、タイムレコーダにはネットワークへの接続装置及び通信機能や個人情報を設定するためのキーボードや大容量のメモリは不要であるので、従来の電子式タイムレコーダの機能を利用してタイムレコーダの情報の中央集中処理が可能なネットワークシステムを構築できる。また、タイムレコーダから発行されたタイムカードタイムカードの発行時にクライアントにてタイムカードナンバーと個人情報をリンクさせることが可能となるため、タイムレコーダ側の構成を複雑化させることなく情報ネットワークを通じてタイムレコーダの情報をサーバで集中処理することができるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のタイムレコーダネットワークシステムの構成図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0010】
以下、この発明の実施の一形態を図に従って詳述する。図1において1はインタ−ネット、2はWebサーバ、3はWebクライアント、4はタイムレコーダであり、5はタイムカードである。事務処理センター等に設置されたWebサーバ2と各地の事業所に設置されたWebクライアント3はインタ−ネット1を介して接続されている。
【0011】
タイムレコーダ4は、従来の電子式タイムレコーダと同様に、差込まれたタイムカード5のナンバーを読取って一月分のナンバー別勤務時間情報を記録するタイムレコーダ機能と外部のコンピュータやデータロガー等との通信機能を備えていて、蓄積された時間情報は任意の時期にWebクライアント3を用いて読み出すことができる。
【0012】
Webクライアント3には、Webクライアント3またはWebサーバ2に登録されている個人情報(会社名、組織名、個人名、就業時間形態やその他のID情報)にタイムカードナンバーをリンクさせるタイムカード管理用のアプリケーションプログラムが格納されている。
【0013】
タイムレコーダ4は、月初めのカード発行時に通信機能によりWebクライアント3へ全てのタイムカードナンバー情報を発信し、Webクライアント3のオペレータは、Webクライアント3の画面を見ながらタイムレコーダ4から読み込まれたタイムカードナンバー情報と既登録の個人情報をリンクさせる。これにより、当月の全てのタイムカードナンバーと各従業者とが個別に関連付けられる。また、新入社員などのように既登録の個人情報中に該当するものがない場合は、オペレータがWebクライアント3へ個人情報を新規入力し、その個人情報とタイムカードナンバーとリンクさせる。尚、個人情報はWebクライアント3に保存する以外に、Webサーバ2に一括保存してその都度Webクライアント3が読出すようにしてもよい。
【0014】
一月の勤務時間情報を集計するとき、または現在までの勤務時間情報をみるときは、Webクライアント3にてタイムレコーダに保存されている勤務時間情報を読出すと、タイムカードナンバー毎の勤務時間情報にそのタイムカードナンバーに関連付けられている個人情報が合わせて表示され、その内容をWebサーバ2に送信すれば、個人情報と勤務時間情報とがリンクした情報がWebサーバ2に登録される。
【0015】
尚、この発明は上記の実施形態に限定するものではなく、この発明の技術的範囲内において種々の改変が可能であり、この発明がそれらの改変されたものに及ぶことは当然である。
【符号の説明】
【0016】
1 インターネット
2 Webサーバ
3 Webクライアント
4 タイムレコーダ
5 タイムカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LANまたはWANに接続したサーバとクライアントと、クライアント側に設置したタイムレコーダとからなり、
タイムレコーダは、一月或いは一週間等の所定期間内勤務時間情報の記録機能とクライアントとの通信機能を持ち、クライアントは、クライアントまたはサーバに登録されているID及び勤務条件等の個人情報とタイムカードナンバーとをリンクさせる機能を持ち、
タイムカードの発行機能を持ち、
タイムレコーダからクライアントへ発行したタイムカードのタイムカードナンバー情報を発信し、
クライアントがタイムカードナンバー情報と個人情報とをリンクさせ、
勤務時間情報集計の際はクライアントにてタイムレコーダに保存されている勤務時間情報を読出し、
読出した勤務時間情報にそのタイムカードナンバーにリンクしている個人情報を付加してサーバに登録するように構成したタイムレコーダネットワークシステム。

【図1】
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【公開番号】特開2011−40097(P2011−40097A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233972(P2010−233972)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【分割の表示】特願2000−359205(P2000−359205)の分割
【原出願日】平成12年11月27日(2000.11.27)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】