説明

タイムレコーダー及びタイムレコーダーシステム

【課題】 専用の打刻用カード(IDカード)を新たに用意する必要がなく、各人が所持している個人識別機能を備えている各種のカードをそのまま出退勤データの収集用に使用できると共に、上位のサーバーに接続されているいずれのタイムレコーダーからでも、各自が所持するカードを用いて出退勤データを入力できるように工夫したタイムレコーダーとタイムレコーダーシステムを提供する。
【解決手段】 タイムレコーダー1に、タイムレコーダー1の動作モードをID登録モードに設定できる動作モード設定手段1Aと、各人が所有する各種のカード100からカードIDを読み取るか、又は、カードIDを入力するためのカードID読取り・入力手段1Bと、社員ID入力手段1Cと、サーバー50への送受信を行う外部通信手段1Xを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関等で使用するカードやスポーツクラブの会員証、或いは、その他の分野で個人を識別するために使用される各種のカードを使用して、出退勤データを各個人毎に収集することができるタイムレコーダーと、このタイムレコーダーを使用したタイムレコーダーシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
専用の打刻用カード(タイムカード)を各社員毎に用意する必要がなく、各社員が所有する各種の個人識別機能を備えたカードを用いて、各人の出退勤データ(勤務データ)を収集するように構成したタイムレコーダーシステムとして、従来より、特許文献1に記載されている「オンライン型タイムレコーダー」と、特許文献2に記載されている「磁気カード式タイムレコーダーシステム」が存在する。
【0003】
上記特許文献1には、従業員情報をIDカードから入力する入力部と、従業員情報と出退勤データを作成して格納する記憶部と、通信回線を介して出退勤データを処理手段に送信するオンライン型タイムレコーダーが記載されている。
【0004】
また、上記特許文献2には、磁気カードをタイムカードとして使用し、磁気カードの各番号と社員のIDを結びつけてタイムレコーダーに登録することができるように構成した磁気カード式タイムレコーダーシステムが記載されている。
【特許文献1】特開平5−114064号公報
【特許文献2】特開平8−315200号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記特許文献1に記載のタイムレコーダーは、出退勤情報を取得するためのIDカードを作成して全従業員に配布するため、新システムの導入時には大量のIDカードを作成しなければならず、地方支店や事業所に新入社員が入社した場合には、製作後にIDカードの送付に時間がかかってしまう問題があった。
【0006】
また、上記特許文献2に記載のタイムレコーダーシステムは、磁気カードの各番号と各社員のIDを結びつけて、タイムレコーダーのメモリー内に登録するものであって、この方法ではタイムレコーダーに大規模な記憶部が必要となり、タイムレコーダーのトラブル時には、今までに蓄積したカードIDと社員IDを結びつけた情報を紛失してしまったり、メンテナンスの為にこれらの情報の退避処理が煩わしいといった問題があった。更に、ネットワークで結ばれた状態で各地に事業所を設けている場合は、メンテナンスの為にわざわざ出向いて行かねばならないといった問題もあった。
【0007】
従って本発明の技術的課題は、専用の打刻用カード(IDカード)を新たに用意する必要がなく、各人が所持している個人識別機能を備えている各種のカードをそのまま出退勤データの収集用に使用できると共に、上位のサーバーに接続されているいずれのタイムレコーダーからでも、各自が所持するカードを用いて出退勤データを入力できるように工夫したタイムレコーダーとタイムレコーダーシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 上記の技術的課題を解決するために、本発明の請求項1に係るタイムレコーダーは、金融機関等で使用するカードやスポーツクラブの会員証、或いは、その他の分野で個人を識別するために使用される各種のカードを使用して出退勤データを各個人毎に収集するタイムレコーダーであって、このタイムレコーダーには、タイムレコーダーの動作モードを出退勤データ入力モードとID登録モードのいずれかに設定することができる動作モード設定手段と、各人が所有する上記各種のカードから各人のカードIDを読取るか、又は、各人のカードIDを直接入力するためのID読取り・入力手段と、各人の社員IDを入力することができる社員ID入力手段と、上記各人のカードIDが読取り又は入力された時に、上記動作モード設定手段によってタイムレコーダーの動作モードがID登録モードに設定されている場合は、当該各人のカードIDと上記社員ID入力手段によって入力された社員IDとを結びつけて上位のサーバーに送信する一方、上記タイムレコーダーの動作モードが出退勤データ入力モードに設定されている場合には、作成された出退勤データと上記各人のカードIDとを結びつけて上位のサーバーに送信する外部通信手段とが、具備されていることを特徴としている。
【0009】
(2) また、本発明の請求項2に係るタイムレコーダーシステムは、サーバーと、このサーバーに接続された1台又は複数台のタイムレコーダーとによって構成され、各タイムレコーダーによって作成された出退勤データを上記のサーバーが収集するように構成したタイムレコーダーシステムであって、上記のタイムレコーダーには、タイムレコーダーの動作モードを出退勤データ入力モードとID登録モードのいずれかに設定することができる動作モード設定手段と、各人が所有する上記各種のカードから各人のカードIDを読取るか、又は、各人のカードIDを直接入力するためのID読取り・入力手段と、各人の社員IDを入力することができる社員ID入力手段と、上記各人のカードIDが読取り又は入力された時に、上記動作モード設定手段によってタイムレコーダーの動作モードがID登録モードに設定されている場合は、当該各人のカードIDと上記社員ID入力手段によって入力された社員IDとを結びつけて上位のサーバーに送信する一方、上記タイムレコーダーの動作モードが出退勤データ入力モードに設定されている場合には、作成された出退勤データと上記各人のカードIDとを結びつけて上位のサーバーに送信する外部通信手段とが具備され、上記のサーバーには、上記タイムレコーダーから送られて来るカードIDと社員IDを結びつけて記憶部にマスター登録するカードID登録及び記憶手段と、上記タイムレコーダーからカードIDと共に送られて来る出退勤データを、ID照合に従って検索した社員IDに基づいて各社員別に記憶する勤務データ記憶手段とを具備せしめたことを特徴としている。
【0010】
(3) また、本発明の請求項3に係るタイムレコーダー又はタイムレコーダーシステムは、前記請求項1に記載のタイムレコーダー又は前記請求項2に記載のタイムレコーダーシステムにおいて、前記各人が所有するカードの種別が、磁気カード、ICカード、バーコードで各個人のIDを記録したバーコードカードのうちのいずれかのカードであることを特徴としている。
【0011】
(4) また、本発明の請求項4に係るタイムレコーダー又はタイムレコーダーシステムは、前記請求項1乃至3に記載のタイムレコーダー又はタイムレコーダーシステムにおいて、前記カードIDは、各カードのシリアルNo.が使用されることを特徴としている。
【0012】
(5) また、本発明の請求項5に係るタイムレコーダー又はタイムレコーダーシステムは、前記請求項1乃至4に記載のタイムレコーダー又はタイムレコーダーシステムにおいて、前記タイムレコーダーへの社員IDの入力が、タイムレコーダーに設けられたキー入力部からの入力操作、又は、発行済み社員証からの読取り操作に従って行われることを特徴としている。
【0013】
(6) 更に、本発明の請求項6に係るタイムレコーダー又はタイムレコーダーシステムは、前記請求項1乃至4に記載のタイムレコーダー又はタイムレコーダーシステムにおいて、前記タイムレコーダーへの社員IDの入力が、前記サーバー内の記憶部に記憶されている社員マスター情報から社員IDの一覧を取り込んで表示部に表示し、この表示された社員ID一覧から該当者を選択して行われることを特徴としている。
【0014】
上記(1)で述べた請求項1に係るタイムレコーダーによれば、各人が保有するカード固有のカードIDと、社員番号等の社員IDを、タイムレコーダーに入力することによって、双方を結びつけて上位のサーバーに送信することができるため、例えば社員IDが記録されているタイムレコーダー専用のIDカード(社員証等)をわざわざ発行しなくても、身近にある個人識別カードを利用して、タイムレコーダーに対して出退勤情報を入力処理することができる。
【0015】
上記(2)で述べた請求項2に係るタイムレコーダーシステムによれば、各人が保有するカード固有のIDと社員IDを、タイムレコーダーに入力することによって上位のサーバーに送信し、これ等カードIDと社員IDを結びつけて記憶するため、個々のタイムレコーダーにカードIDと社員IDを結びつけて記憶させる必要がなく、従って、大きな記憶部を必要とせず、また、上位のサーバーに接続されている他のタイムレコーダーに対しても、出退勤情報を入力することを可能にする。
【0016】
上記(3)で述べた請求項3に係るタイムレコーダー又はタイムレコーダーシステムによれば、キャッシュカードやクレジットカード等のカード類や、既に配布されて使用されている入室管理用や食堂用等のカードを、そのまま出退勤管理用のカードとして使用することを可能にする。
【0017】
上記(4)で述べた請求項4に係るタイムレコーダー又はタイムレコーダーシステムによれば、セキュリティのための内容(番号等)が開示されないカードであったとしても、一般的にはカードのシリアルNo.の読取りは可能であって、同一番号も存在しないため、このシリアルNo.をカードIDとして用いることは好都合である。
【0018】
上記(5)で述べた請求項5に係るタイムレコーダー又はタイムレコーダーシステムによれば、カードIDに結びつけるための社員IDの登録を、キー入力又は社員証のいずれからでも行うことができるため、使用する上で大変便利である。尚、社員証があればそれ自体で出退勤管理ができるため、わざわざ他のカードまで使う必要はないが、身分を証明する等の目的で使用する重要な社員証は大切に保管しておき、他のカードで出退勤、入室管理、食堂に共通利用することができる。
【0019】
上記(6)で述べた請求項6に係るタイムレコーダー又はタイムレコーダーシステムによれば、カードIDと社員IDを結びつけるための社員IDの登録方法は、少なくとも社員名と社員IDの一方をタイムレコーダーの表示部に表示してその表示を選択し、カードIDを入力してサーバー内の記憶部に登録すればよい。従って、社員マスターに社員IDが登録してあれば、社員名又は社員IDを表示できるので、どの端末からでも社員の登録が可能となる。
【発明の効果】
【0020】
上述した本発明のタイムレコーダー及びタイムレコーダーシステムによれば、タイムレコーダー専用の打刻用IDカードを新たに用意する必要がなく、各人が所持している各種の個人識別機能を有するカードをそのままタイムレコーダー用に使用することができるため、カード作成の手間を省くことができる経済性を備えると共に、カードIDと社員IDを上位のサーバー内で管理するため、サーバーに接続されているいずれのタイムレコーダーからでも、各自が所持するカードを用いて出退勤データを入力できるため、例えば、出張先の事業所や遠隔地の事業所であっても、サーバーに接続されたタイムレコーダーがあれば、出退勤情報を確実に入力できる利便性を備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、上述した本発明に係るタイムレコーダー及びタイムレコーダーシステムの実施の形態を図面と共に説明すると、図1は本発明の全体を説明した構成図で、図中、1はタイムレコーダー、50はこのタイムレコーダー1を1台又は複数台接続した上位のサーバー、100はタイムカードの代わりに使用される各種のカードを示し、カード100としては、例えば金融機関で使用されるカード(キャッシュカード)や、スポーツクラブ等の会員証、或いは、その他の分野で個人を識別するために使用される各種のカードが使用される。
【0022】
上記カード100の種別としては、例えば、図示した磁気カード、ICカード(非接触式ICカードを含む)、バーコードで各個人のIDを記録したバーコードカードが使用されるが、これ等のカードはいずれも実施の一例であって、各人のIDが読取り可能な状態で記録されているカードであれば、その種類や構造及び形状等は問わないものとする。
【0023】
また、上記のタイムレコーダー1には、図示した如く、 タイムレコーダー1の動作モードを出退勤データ入力モードとID登録モードのいずれかに設定することができる動作モード設定手段1Aと、各人が所有する上記各種のカード100から各人のカードIDを読取るか、又は、各人のカードIDを直接キー入力するためのID読取り・入力手段1Bと、各人の社員IDを入力することができる社員ID入力手段1Cが具備され、更に、上記各人のカードIDが読取り又は入力された時に、上記動作モード設定手段1Aによってタイムレコーダー1の動作モードがID登録モードに設定されている場合に、当該各人のカードIDと社員ID入力手段1Cによって入力された社員IDとを結びつけて上位のサーバー50に送信する一方、上記タイムレコーダー1の動作モードが出退勤データ入力モードに設定されている場合には、取得された(作成された)出退勤データと上記各人のカードIDを結びつけて上位のサーバー50に送信する外部通信手段1Xとが具備されている。
【0024】
加えてタイムレコーダー1には、出勤や退勤等の勤務モードを設定する勤務モード設定手段1Vと、出勤とか退勤等の勤務データを取得(演算)する勤務データ取得手段1Wと、取得した勤務データを表示する勤務内容表示手段1Zが具備されている。
【0025】
一方、上述した上位のサーバー50には、図1に示すように上記タイムレコーダー1のID読取り・入力手段1Bによって読取り又は入力されて、外部通信手段1Xを経て送信されて来るカードIDと社員IDを結びつけて記憶部に記憶するためのカードID登録及び記憶手段50Bと、夫々カードIDを結びつけて記憶した全社員のIDをマスター登録するためのマスター登録手段50Aと、このマスター登録された全社員のIDを必要に応じて呼び出して照合することができるID照合手段50Cと、収集した各人の勤務データを記憶するための勤務データ記憶手段50D(デイリーDB)が具備されている。
【0026】
図2は、上述した本発明に係るタイムレコーダー1の構成例を示した正面図であって、本発明では前述した上位のサーバー50を例えば会社の本社に設置し、図示したタイムレコーダー1を各職場、更には、全国各地の支店や事業所等に設置して、これ等の各タイムレコーダー1を本社のサーバー50に通信回線を介して接続するように構成されている。
【0027】
図2において、2はタイムレコーダー1の正面に設けたICカード入力部(読取り部)、3で示した溝状部は磁気カード入力部(読取り部)、4で示した下側のキーは社員IDの登録や設定に用いたり、或いは、カードを忘れた場合にIDコード入力用として使用するキー入力部を示す。また、このキー入力部4の右側に設けたF1、F2、F3の各キーは、勤務シフト入力や設定項目の選択等に使用するファンクションキー5を示し、更に、6は日付や時刻、社員IDの一覧、或いは、各種のメッセージ等を表示する表示部、7は出退勤や外出、戻りの勤務区分を選択するための出退選択スイッチであって、表示部6には後述するタッチパネル入力部が組み込まれている。
【0028】
更に図3は、上述したタイムレコーダー1の電気的構成を説明したブロック図で、図中、10は制御部の中心を構成するCPUで、このCPU10にはBUS11を介してシステムプログラムを格納したROM、及び、各種のデータ類を記憶するRAMとから成るメモリー12と、インターフェイス回路13が接続されている。また、このインターフェイス回路13には、上述したICカード入力部2、磁気カード入力部3、ファンクションキー5を含むキー入力部4、表示部6及び出退選択スイッチ7に加えて、タッチ操作によって各種のデータ類や社員ID等を入力することができるタッチパネル入力部8、時計回路9、各種の信号を音声で知らせる音声装置10、並びに、タイムレコーダー1が生成した各社員の就業データを、上位のサーバー50に送って収集させたり、当該サーバー50が収集した各社員の就業データや、サーバー50が生成したデータ類を、サーバー50からタイムレコーダー1に取り込む外部通信手段としての外部通信回路11が接続されていて、夫々メモリー12に格納された制御プログラムに従って制御作動される仕組みに成っている。
【0029】
更に上述したメモリー12には、前記図1に記載されている動作モード設定手段1Aと、前述した各入力部2又は3を用いて各社員IDのカードIDの読取り及び入力を行うID読取り・入力手段1Bと、各入力部4又は8を用いて各人の社員IDを入力操作する社員ID入力手段1Cと、勤務モード設定手段1Vと、勤務データ取得手段1Wと、勤務内容表示手段1Z、及び、外部通信手段の夫々を実現するためのプログラムが格納されている。
【0030】
以上の如く構成したタイムレコーダー1は、通常時は出退勤データ入力モードに設定されていて、本体上部の表示部6は液晶タッチパネル(タッチパネル入力部8)によって構成されており、図2に示す如く日付と時・分が表示されている。そして、出退勤用のカード100を読み取ると、音声装置10が「ピッ」と音を発して入力確認できると共に、設定時間が経過すると時刻表示画面に戻る仕組みに成っている。また、読取り不可の場合は、音声装置10が「ピー」と長音を発するように構成されている。
【0031】
次に、図4は上述した社員IDの登録(入力)操作の手順を説明したフローチャートであって、社員IDを登録するには始めのステップS1でタイムレコーダー1の動作モードを出退勤データ入力モードからID登録モードへ変換する操作を行う。具体的には、管理者のみが知っている暗証番号をキー入力部4を用いて「キー入力」するか、又は、「ID登録モード設定カード」をICカード入力部2或いは磁気カード入力部3に読み取らせることによって、ステップS2に進んでID登録モードに設定される。
【0032】
次のステップS3では、社員IDの登録方法が決定される。即ち、社員IDの入力方法には(1)キーからの入力、(2)社員証からの入力、(3)表示部6の表示画面からの入力、の3種類が存在し、キー入力の場合は、ステップS4でキー入力部4を操作して社員IDを入力した後、ステップS5で確定ボタンをON操作することによって社員IDの入力が完了し、ステップS12に進む。
【0033】
また、社員証による入力は、ステップS6で社員証をICカード入力部2又は磁気カード入力部3に読み取らせることによって、入力が完了してステップS12に進む。更に、表示画面からの入力は、ステップS7でタッチパネル入力部8の操作によってサーバー50から図6に例示した如き社員IDの一覧ZXをタイムレコーダー1に読み込んで、これをステップS8で表示部6に表示する。次いで、ステップS9で該当する社員名が表示されたら、ステップS10でタッチパネル入力部8を操作して社員氏名を選択すると、ステップS11に進んで選択した社員氏名が点滅して、社員IDの入力の完了を知らせた後、ステップS12に進む。
【0034】
上述したステップS12では、夫々カードIDを有する当該社員の各種カード100をタイムレコーダー1に入力するための操作を行い、次いで、ステップS13で上記のカードIDと社員IDを結びつけて上記サーバー50のカードID登録及び記憶手段50Bに送信し、登録を済ませる。その後、ステップS14に進んで次のカードIDの入力があるか否かが判定され、ある場合は前述したステップS3に進んで処理を繰り返し、無い場合は、ステップS15のID登録モード解除、ステップS16の出退勤データ入力モードへの移行、ステップS17の表示部6に日時を表示、の各ステップを実行して、処理を終える。
【0035】
次に、図5に従ってサーバー50でのデータ格納処理のフローチャートを説明する。図5では、カードIDとして各カード100のシリアルNo.が使用されている。
【0036】
始めのステップS20では、タイムレコーダー1より送られて来る受信データより1データを抽出して次のステップS21に進む。ステップS21では、抽出したデータがカードIDを登録するための登録データであるか否かが判定され、登録データである場合は、ステップS22に進んでサーバー50に登録されている個人マスターより当該カードID(シリアルNo.)に結びついている個人コード(社員ID)を検索して、ステップS23に進む。ステップSでは、個人マスターに該当者、即ち、入力されたシリアルNo.に関連する社員IDが存在するか否かが判定され、存在する場合は次のステップS24に進んで、個人マスターにカードID(シリアルNo.)と社員IDとを関連づけて格納することにより処理を終えるが、ステップS23で該当者なしと判定された場合は、ステップS29に進んでエラー処理が成される。
【0037】
一方、前記のステップS21で打刻データと判定された場合は、ステップS25に進んでサーバー50の個人マスターより該当するシリアルNo.が検索され、該当者ありと判断されると、ステップS27に進んで個人マスターより個人コードを抽出し、次いで、ステップS28に進んで勤務データ記憶手段50D(デイリーDB)に打刻データを格納して処理を終えるが、ステップS26で該当者なしと判断された場合には、ステップS30に進んでエラー処理が成される。
【0038】
図7は、上記サーバー50の個人マスターに登録されるカードIDの登録データフォーマットの一例を示したものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の全体を説明した構成図。
【図2】本発明に係るタイムレコーダーの実施例を示した正面図。
【図3】タイムレコーダーの電気的構成を説明したブロック図。
【図4】カードIDの入力と登録の各処理を説明したフローチャート。
【図5】サーバーにおけるデータの登録処理の手順を説明したフローチャート。
【図6】サーバーに格納されている社員IDの一覧表。
【図7】カードIDの登録データフォーマット。
【符号の説明】
【0040】
1 タイムレコーダー
1A 動作モード設定手段
1B ID読取り・入力手段
1C 社員ID入力手段
1X 外部通信手段
1V 勤務モード設定手段
1W 勤務データ取得手段
1Z 勤務内容表示手段
2 ICカード入力部
3 磁気カード入力部
4 キー入力部
6 表示部
7 出退選択スイッチ
8 タッチパネル入力部
10 音声装置
11 外部通信回路
50 サーバー
50A マスター登録手段
50B カードID登録及び記憶手段
50C ID照合手段
50D 勤務データ記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金融機関等で使用するカードやスポーツクラブの会員証、或いは、その他の分野で個人を識別するために使用される各種のカードを使用して出退勤データを各個人毎に収集するタイムレコーダーであって、
このタイムレコーダーには、タイムレコーダーの動作モードを出退勤データ入力モードとID登録モードのいずれかに設定することができる動作モード設定手段と、
各人が所有する上記各種のカードから各人のカードIDを読取るか、又は、各人のカードIDを直接入力するためのID読取り・入力手段と、
各人の社員IDを入力することができる社員ID入力手段と、
上記各人のカードIDが読取り又は入力された時に、上記動作モード設定手段によってタイムレコーダーの動作モードがID登録モードに設定されている場合は、当該各人のカードIDと上記社員ID入力手段によって入力された社員IDとを結びつけて上位のサーバーに送信する一方、上記タイムレコーダーの動作モードが出退勤データ入力モードに設定されている場合には、作成された出退勤データと上記各人のカードIDとを結びつけて上位のサーバーに送信する外部通信手段とが、具備されていることを特徴とするタイムレコーダー。
【請求項2】
サーバーと、このサーバーに接続された1台又は複数台のタイムレコーダーとによって構成され、各タイムレコーダーによって作成された出退勤データを上記のサーバーが収集するように構成したタイムレコーダーシステムであって、
上記のタイムレコーダーには、タイムレコーダーの動作モードを出退勤データ入力モードとID登録モードのいずれかに設定することができる動作モード設定手段と、
各人が所有する上記各種のカードから各人のカードIDを読取るか、又は、各人のカードIDを直接入力するためのID読取り・入力手段と、
各人の社員IDを入力することができる社員ID入力手段と、
上記各人のカードIDが読取り又は入力された時に、上記動作モード設定手段によってタイムレコーダーの動作モードがID登録モードに設定されている場合は、当該各人のカードIDと上記社員ID入力手段によって入力された社員IDとを結びつけて上位のサーバーに送信する一方、上記タイムレコーダーの動作モードが出退勤データ入力モードに設定されている場合には、作成された出退勤データと上記各人のカードIDとを結びつけて上位のサーバーに送信する外部通信手段とが具備され、
上記のサーバーには、上記タイムレコーダーから送られて来るカードIDと社員IDを結びつけて記憶部にマスター登録するカードID登録及び記憶手段と、上記タイムレコーダーからカードIDと共に送られて来る出退勤データを、ID照合に従って検索した社員IDに基づいて各社員別に記憶する勤務データ記憶手段とを具備せしめたことを特徴とするタイムレコーダーシステム。
【請求項3】
前記請求項1に記載のタイムレコーダー又は前記請求項2に記載のタイムレコーダーシステムにおいて、
前記各人が所有するカードの種別が、磁気カード、ICカード、バーコードで各個人のIDを記録したバーコードカードのうちのいずれかのカードであることを特徴とするタイムレコーダー又はタイムレコーダーシステム。
【請求項4】
前記請求項1乃至3に記載のタイムレコーダー又はタイムレコーダーシステムにおいて、前記カードIDは、各カードのシリアルNo.が使用されることを特徴とするタイムレコーダー又はタイムレコーダーシステム
【請求項5】
前記請求項1乃至4に記載のタイムレコーダー又はタイムレコーダーシステムにおいて、
前記タイムレコーダーへの社員IDの入力が、タイムレコーダーに設けられたキー入力部からの入力操作、又は、発行済み社員証からの読取り操作に従って行われることを特徴とするタイムレコーダー又はタイムレコーダーシステム
【請求項6】
前記請求項1乃至4に記載のタイムレコーダー又はタイムレコーダーシステムにおいて、
前記タイムレコーダーへの社員IDの入力が、前記サーバー内の記憶部に記憶されている社員マスター情報から社員IDの一覧を取り込んで表示部に表示し、この表示された社員ID一覧から該当者を選択して行われることを特徴とするタイムレコーダー又はタイムレコーダーシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−112416(P2008−112416A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−296527(P2006−296527)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000101617)アマノ株式会社 (174)
【Fターム(参考)】