タイルユニットの製造方法及び製造装置
【課題】目地間隔を離して整列させた複数のタイル(タイル群)の夫々を樹脂製のブリッジ片で連結してなるタイルユニットがある。従来は受け台上に樹脂をノズルで滴下し、その上にタイル群を載せて硬化させるようにしていたが、ブリッジ片の中央が分厚くなって目地調整が困難になる。
【解決手段】(1)目地枠1Mを設けた受け台1上にタイル群を裏向きにしてセットする(2)セットしたタイル群の裏面上に型シート3を重ね、その型シート3の上面側から切抜型孔2に対して合成樹脂を充填手段4で充填させる(3)型シート3を外してタイル群の裏面に切抜型孔2内の合成樹脂を密着させる(4)その状態で合成樹脂の硬化処理を実行してブリッジ片を形成する、というタイルユニットの製造方法を提供する。
【解決手段】(1)目地枠1Mを設けた受け台1上にタイル群を裏向きにしてセットする(2)セットしたタイル群の裏面上に型シート3を重ね、その型シート3の上面側から切抜型孔2に対して合成樹脂を充填手段4で充填させる(3)型シート3を外してタイル群の裏面に切抜型孔2内の合成樹脂を密着させる(4)その状態で合成樹脂の硬化処理を実行してブリッジ片を形成する、というタイルユニットの製造方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の目地間隔を離して整列させた複数のタイルの夫々を合成樹脂製のブリッジ片で連結してなるタイルユニットの製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図17に示したように所定の目地間隔を離して整列させた複数のタイルT,T…(以下そのようなタイルT,T…の集合体をタイル群という。)の夫々を合成樹脂製のブリッジ片Bで連結してなるタイルユニットUは公知である。そのタイルユニットUの従来の製造方法について図18(a),(b)により説明する。先ず、平坦な受け台A上のブリッジ片配置ポイントにブリッジ片Bの素材となる合成樹脂b(例えばポリ塩化ビニルなどの熱硬化性樹脂)をノズルNで滴下し、その上にタイル群を載せてタイル群の裏面と合成樹脂bを密着させ、そのまま合成樹脂bの硬化処理(例えば合成樹脂bが熱硬化性樹脂であれば所定時間加熱する。)を実行する。
【0003】
上記従来の製造方法(以下単にノズル滴下方式という。)には次のような問題点があった。
(1)硬化前の軟らかい合成樹脂bが受け台AとタイルTの間に挟まれて押しつぶされるため、その部分(図17符号S参照)が薄くなってタイルTへの接着強度が不足する。
(2)受け台AとタイルTの間に挟まれて押しつぶされた合成樹脂bが目地部分の隙間に逃げ込むため、中央が大きく膨らんだ蒲鉾型のブリッジ片Bができる。通常タイルユニットUを使った施工方法では、最終段階でタイルユニットUのブリッジ片Bを切断して目地調整を行う場合が多いが、前記のようにブリッジ片Bが目地部分で肉厚になっていると、切断し難く且つ切り離したブリッジ片B同士がスマートに重ならないため、目地幅を小さくする調整が困難になる。また、蒲鉾型に膨らんだブリッジ片Bが、タイルTの厚みを越えて表面に突出する場合があり見栄えが非常に悪い。
(3)ブリッジ片Bの端がタイルTの裏面に形成した剥離防止溝Vに入り込む場合があり、タイルT自体の剥離防止効果が減少する。
(4)タイル群が受け台Aから浮き上がって合成樹脂bで支えられるため、タイル群が不安定になり、次工程に移動する過程でタイルの配列に狂いが生ずる可能性がある。
(5)ブリッジ片Bの数だけノズルNが必要であるが、ノズルNの一本あたりの単価が高いためコストが高くつく。しかも、タイルユニットUのタイルTの寸法や配置が変わると、それに合わせてノズルNの配置を変更する必要があるため少量品の生産に適さない。
(6)ブリッジ片Bの形状が一定にならないためタイルユニットUの商品価値が低い。
【0004】
ノズル滴下方式の上記課題に着目した本出願人は、図15,図16に示したように、
(1)タイル群を載せる受け台1にブリッジ片B成形用の型凹部100を形成し、その受け台1に型凹部100に合致する切抜型孔2を設けた型シート3を重ねる(図15右半部参照。)、
(2)型シート3の上面側から切抜型孔2に対してブリッジ片Bの素材となる流動状態の合成樹脂bを充填させる(図15左半部参照。)、
(3)型シート3を外して合成樹脂bの上部を受け台1上面より高く突出させる(図16右半部参照。)、
(4)タイル群の表を上に向けて受け台1上面に載置することにより前記合成樹脂bにタイル群の裏面を密着させる(図16左半部参照。)、
(5)その状態で合成樹脂bの硬化処理を実行させてブリッジ片Bを形成する、
というタイルユニットNUの製造方法を特許出願(特願平10−100586号)している。
【0005】
しかして、前記先願に係るタイルユニットの製造方法は所期の目的どおりの成果を得ているが、さらに試験・研究を行った結果、受け台1の型凹部100を無くしても実施可能である、という事実を発見した。そして、かかる知見に基づき本出願人は特願平11−95663号の特許出願を行った。
【0006】
その特許出願の要旨は「タイル群のタイルの夫々を合成樹脂製のブリッジ片で連結してタイルユニットとなすタイルユニットの製造方法であって、前記タイル群を載せる受け台と、前記ブリッジ片の配置に合わせてブリッジ片の形状を象った切抜型孔を有する型シートと、その切抜型孔に流動状態の合成樹脂を充填させる充填手段とを使用し、次の(1)〜(4)の要件を具備してなるタイルユニットの製造方法。
(1)前記受け台上に型シートを重ねた状態にしてその型シートの上面側から切抜型孔に対してブリッジ片の素材となる流動状態の合成樹脂を充填手段で充填させる。
(2)型シートを外して受け台上面に切抜型孔内の合成樹脂を直載せする。
(3)タイル群の表を上に向けて受け台上面に載置することにより前記合成樹脂にタイル群の裏面を密着させる。
(4)その状態で合成樹脂の硬化処理を実行させてブリッジ片を形成する。」
というものである。
【0007】
上記製造方法によれば、受け台上面に合成樹脂を直載せするため、前記先願発明との対比において、受け台1の型凹部100と型シート3の切抜型孔2を一致させる必要がなく、また、受け台1からブリッジ片Bを剥離させ易いため生産性が向上し、さらにまた、受け台1に型凹部100を形成する必要がないため、受け台1の製造コストを大幅に削減することができる。
【0008】
一方、従来のノズル滴下方式との対比では、ノズル滴下方式が、ノズルNから滴下した合成樹脂bの中央部分(図18(a)符号W参照)が山高になっていて、それが目地部分で分厚く盛り上がる現象を引き起こしていたのに対して、本発明は、型シートの切抜型孔で合成樹脂が均一且つ正確に型成形できるため、目地部分で分厚く盛り上がる現象が生じ難い。また、高価なノズルNが不要であるため低コストであり、しかもタイルユニットのタイルの配置や寸法の変更に対して型シートを変更するだけでよいため、少量生産品にも柔軟に対応できる。
【0009】
また、第2の発明は「前記タイル群の各タイルのブリッジ片固着部位に前記受け台上面に直載せした合成樹脂を受け入れる肉盗み部を形成してなるタイルユニットの製造方法」というものである。これによりタイルで押し潰される合成樹脂の量が激減するから、目地部分の盛り上がり現象がさらに生じにくくなる。
【0010】
また、第3の発明は「タイル群を受け台上面より高位置にセットする支え部材を受け台上に着脱自在又は出没自在に形成すると共にその支え部材によるタイル群のセット位置を前記合成樹脂の肉厚より低く設定し、型シートを外してからタイル群を載せるまでの間に前記支え部材を受け台上に設置するようにしたタイルユニットの製造方法」というものである。こうすればタイル自体に何らの加工を施さずとも前記第2の発明と同じく目地部分の盛り上がり現象が生じにくくなる。
【0011】
なお、特願平11−95663号の実施形態1〜3及び発明の効果は以下の段落番号「0012」〜「0040」に記載した通りである。
【0012】
[発明の実施形態1]
以下に本発明の実施形態1を図1〜図7を参照しつつ説明する。なお、図1はタイルユニットの製造装置の要部を示す分解斜視図、図2はタイルユニットの裏面図、図3はタイルユニットの縦断面図、図4は受け台と型プレートの縦断面図、図5は型プレートの切抜型孔に合成樹脂を充填した状態を示す縦断面図、図6は図5から型プレートを外した状態を示す受け台の縦断面図、図7は受け台にタイル群を載せた状態を示す縦断面図である。
【0013】
先ずタイルユニットNUの完成品について説明する。図2,図3に示したようにタイルユニットNUは、タイル群を構成する夫々のタイルT,T…を合成樹脂製のブリッジ片B,B…で連結してなる。ブリッジ片Bは、例えば熱硬化性樹脂であるポリ塩化ビニルで形成した弾性帯構造であり、タイルTの裏側であってそのタイルTの剥離防止溝V以外の部分に貼り付いてタイルT,T…同士を繋いでいる。なお、タイル群とは、既述のように、所定の目地間隔を離して整列させた複数のタイルT,T…の集合体である。
【0014】
次ぎに上記タイルユニットNUの製造方法について説明する。本発明の製造方法には、図1に示したように、タイル群を載せる受け台1と、切抜型孔2を有する型シート3と、流動状態の合成樹脂bを前記切抜型孔2に充填する充填手段4と、を主要構成要素とするタイルユニットの製造装置を使用する。
【0015】
前記受け台1は、図1に示したように、タイルユニットNUを載せるに十分な広さを有する金属製の平厚板であり、平坦な上面にフッ素樹脂やシリコーン樹脂などの離型性能に優れた合成樹脂の被膜を形成してなる。この受け台1は例えばローラーコンベア(図示せず)上を滑って工程間を適宜移動する。
【0016】
前記型シート3は、厚さ1mm〜1.5mm程度のステンレス板に、前記ブリッジ片Bの配置に合わせてブリッジ片Bの形状を象った切抜型孔2,2…を設けてなり、前記ローラーコンベアの支持フレームのような固定部材に一端を軸着して揺動自在に取り付けるか、或いは適宜な昇降装置により定位置で上下動するように取り付けられる。
【0017】
前記充填手段4は、型シート3の上面に摺接する二本一組のゴム製のヘラ部材40,40と、そのヘラ部材40,40間にブリッジ片Bの素材となる流動状態の合成樹脂bを供給(流し込み)する供給装置41と、前記ヘラ部材40,40を型シート3上で往復運動させる駆動手段(図示せず)と、からなる。
【0018】
さて、先ず最初にローラーコンベアに載って移動する受け台1を図4のように型シート3に対応する所定の位置に停止させ、その受け台1上に型シート3を重ねる。次に図5のように充填手段4のヘラ部材40,40同士の間に流動状態の合成樹脂bを満たした状態で、そのヘラ部材40,40を型シート3上で一往復摺動させる。そうすると切抜型孔2,2…にブリッジ片Bの素材となる合成樹脂bが均一な厚さで充填される。なお、図示したようにヘラ部材40,40を二本一組とすることにより、往行程と復行程で確実に合成樹脂bの充填が行える。また、前記合成樹脂bは熱硬化性樹脂(ポリ塩化ビニル)であり常温で流動性を有する。次に受け台1から型シート3を外し、図6のように受け台1上面に切抜型孔2内の合成樹脂bを直載せする。
【0019】
一方、別の場所でタイルT,T…を整列させてタイル群を形成し、それを吸着搬送して図6二点鎖線のように受け台1の上方に停止させ、タイル群をそのまま降ろして図7のように受け台1の上面に表を上に向けて載せる。そうすると、受け台1の合成樹脂bにタイルT,T…の裏面が密着する。なお、図は理解を容易にするため合成樹脂bの厚みを誇張したが、実際はタイルTの厚みが7mmであるのに対して合成樹脂bの厚みは1mm〜1.5mmと非常に薄い。
【0020】
次ぎに受け台1にタイル群を載せた図7の状態のまま合成樹脂bの硬化処理を実行する。実施形態では合成樹脂bが熱硬化性樹脂のポリ塩化ビニルであるため、受け台1ごと搬送して加熱炉に入れ、140℃×15分間加熱すればよい。そうすることにより合成樹脂bが硬化してブリッジ片Bとなり、同時にそのブリッジ片BがタイルTの裏面に貼り付いてタイルT,T…同士を連結する。ブリッジ片Bの素材に熱硬化性樹脂を採用した場合は、完成したタイルユニットNUを炎天下に放置して温度が上昇しても、ブリッジ片Bが剥離しない優位性がある。
【0021】
なお、前記合成樹脂bの硬化処理は、合成樹脂bの種類によって当然に異なる。例えば、ブリッジ片Bの素材として感光性樹脂を使用する場合は、光(紫外線)を照射して合成樹脂bを硬化させる。
【0022】
次にタイル群を吸着或いは手作業で受け台1から外す。そうすると、ブリッジ片Bはタイル群側に貼り付いて受け台1から剥がれる。このとき受け台1に前記したように離型性能に優れた合成樹脂の被膜が形成してあればブリッジ片Bの剥離作業が非常にスムーズに行える。
【0023】
[発明の実施形態2]
図8,図9は発明の実施形態2を示すものであり、両図はそれぞれ受け台上にタイルを載せた状態を示す要部の拡大断面図である。
【0024】
本実施形態2の製造装置は実施形態1のそれと同一であるが、各タイルT,T…のブリッジ片B固着部位に肉盗み部50,51を形成した点に特徴がある。具体的には、図8のようにタイルTの裏面周辺に面取り状の肉盗み部50を形成するか、或いは図9のようにタイルTの裏面周辺に段状の肉盗み部51を形成する。これら肉盗み部50,51は、受け台1上面に直載せした合成樹脂bを受け入れるものであり、受け台1上面にタイル群を載せた状態で、図8,図9のように、肉盗み部50,51の腹面と合成樹脂bが確実に密着する。この肉盗み部50,51を設けたことにより、タイルTに押し潰される合成樹脂bの量が激減するため、目地部分への盛り上がりが前記先願発明と同等に抑制される。なお、肉盗み部50,51はタイルTの裏面周辺全部に形成する必要はなく、ブリッジ片Bの位置に合わせて部分的に設けてもよい。
【0025】
[発明の実施形態3]
図10〜図13は発明の実施形態3を示すものであり、図10,図11は受け台にタイル群を載せた状態を示す一部切欠平面図、図12は支え部材を示す分解斜視図、図13は図11のX−X線拡大断面図である。
【0026】
本実施形態3の製造装置は、受け台1上面に支え部材6を着脱自在に載せるようにした点に特徴がある。すなわち、支え部材6は、図12に示したように角柱体60のコーナー部分にタイル座部61を形成してなり、そのタイル座部61の高さを、受け台1上面に直載せした合成樹脂bの肉厚より低く設定し、且つ、角柱体60の底面に突設したジョイントピン62を受け台1側に穿設した受孔63に遊嵌する。
【0027】
しかして、本製造装置は、支え部材6を取り付ける前の平らな状態の受け台1の上面に型シート3を重ねて充填手段4で合成樹脂bを充填し、型シート3を外して切抜型孔2内の合成樹脂bを受け台1上に直載せし、その後、図10のように前記ジョイントピン62を受け台1に嵌めて支え部材6を受け台1に取り付け、さらにその支え部材6のタイル座部61にタイル群を載せる。前記のように支え部材6のタイル座部61の高さは合成樹脂bの肉厚より低く設定されているから、タイル座部61の上に載ったセット状態でタイルTの裏面に合成樹脂bが密着する。
【0028】
そして、その状態のまま合成樹脂bの硬化処理を実行した後、タイル群を受け台1から外し、さらに支え部材6も受け台1から外して最初の行程に戻る。
【0029】
また、実施形態3の支え部材6は、上記のように多数のバラバラの部品を組み合わせて構成する場合のほか、図11のように一枚のプレート状にしてもよい。すなわち、この支え部材6は、受け台1とほぼ同程度の大きさのプレート64に、合成樹脂bに対応する位置でしかもそれより大きく開口する窓孔65を打ち抜き、さらにそのプレート64にタイルTの配置に合わせて仕切リブ66が縦横に突設してある。この仕切リブ66は、タイルTの位置決め機能を主とするが、プレート64の反りを防止する補強機能をも併せ持つ。
【0030】
前記プレート64の厚みは、合成樹脂bの肉厚より薄く、例えば合成樹脂bの肉厚が1.5mmであれば板厚1mmという具合に設定されており、受け台1上面に支え部材6を設置した状態で窓孔65から合成樹脂bが少量突出する。
【0031】
しかして、この製造装置は、支え部材6を取り付ける前の平らな状態の受け台1の上面に型シート3を重ねて充填手段4で合成樹脂bを充填し、型シート3を外して切抜型孔2内の合成樹脂bを受け台1上に直載せし、その後前記支え部材6を受け台1に載せる。このとき、支え部材6と受け台1に例えばボスとボス孔の組み合わせのような位置決め手段67(図11参照)を設けておけば、位置合わせが正確に行えるからプレート64の窓孔65に合成樹脂bが確実に臨む。なお、図示しないが適宜なクランプ手段を設けて支え部材6を受け台1に一時的に固定するようにしてもよい。
【0032】
そうして、整列状態で搬送されるタイル群を支え部材6に載せると、仕切リブ66に案内されてタイルT同士が正確に整列し、しかも支え部材6の板厚が合成樹脂bの厚みより小さいため、タイルTの裏面と合成樹脂bが密着する。この状態のまま合成樹脂bの硬化処理を実行した後、タイル群を受け台1から外す。なお、本実施形態の特徴として、タイルユニットNUが支え部材6の上に全面的に載っているから、プレート64を持ち上げる動作でブリッジ片Bが受け台1から自動的に剥離する。
【0033】
本実施形態3のタイルユニットの製造装置及び製造方法によれば、前記した先願発明と同じく、タイルTに押し潰される合成樹脂bの量が激減するから、目地部分への盛り上がりが殆どない。そしてさらに、本実施形態3のように支え部材6にタイル座部61や仕切リブ66のようなタイルT同士の位置決め機能を持たせれば、受け台1上でタイルTがしっかり固定されるから、タイル群を受け台1に載せたまま工程間を移動させてもタイルTの配置が狂わない。
【0034】
以上本発明を実施形態1〜3によって説明したが、もちろん本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態1〜3では型シート3にステンレス板を使用したが、型シート3は、合成樹脂、布、木、セラミックなど、どのような素材であってもよい。また、実施形態3の図10,図12では支え部材6を受け台1に嵌め込む着脱方式を採用したが、例えば受け台1に縦孔を形成し、その縦孔に支え部材6を入れて上下動させることにより、支え部材6の頭部を受け台1上に出没させるようにしてもよい。この場合、支え部材6を下げた状態で合成樹脂bを直載せし、タイルTを載せる前に支え部材6を突出させる。
【0035】
また、実施形態1〜3の受け台1は平らな表面を全くの無地としたが、受け台1の全表面に、縞形態や格子形態の浅溝、或いは全表面に半球状の窪みを無数に設けるようにしてもよい。これらの浅溝や窪みは切抜型孔2とは無関係であるため、先願発明の型凹部100とは異なる。
【0036】
また、実施形態1〜3の型シート3は平板形態としたが、例えば図14のように型シート3を円形ドラム型に形成して回転させ、その回転に同期させて受け台1を直線方向に移動させるようにしてもよい。この場合、型シート3の内部に充填手段4を非回転構造にして組み込み、型シート3の内周面にヘラ部材40を摺接させる。
【0037】
[発明の効果]
本発明は、受け台上面に合成樹脂を直載せするようにしたため、第一に前記先願発明との対比において、受け台の型凹部と型シートの切抜型孔を一致させる煩わしさがないため生産性が向上し、また、受け台に型凹部を形成する必要がないため、受け台の製造コストを大幅に削減することができる優位性がある。
【0038】
一方、従来のノズル滴下方式との対比では、
(1)ノズル滴下方式が、ノズルNから滴下した合成樹脂bの中央部分(図18(a)符号W参照)が山高になっていて、それが目地部分で分厚く盛り上がる現象を引き起こしていたのに対して、本発明は、型シートの切抜型孔で合成樹脂が均一且つ正確に型成形できるため、目地部分で分厚く盛り上がる現象が生じ難い、
(2)高価なノズルNが不要であるため格段に低コストであり、しかもタイルユニットのタイルの配置や寸法の変更に対して型シートを変更するだけでよいため、少量生産品にも十分に適用できる、
(3)ブリッジ片の形状が正確で仕上がりが綺麗であるため商品価値が高まる、
という優位性を発揮する。
【0039】
また、前記タイル群の各タイルのブリッジ片固着部位に前記受け台上面に直載せした合成樹脂を受け入れる肉盗み部を形成するようにすれば、タイルで押し潰される合成樹脂の量が激減するため、前記先願発明と同じく、目地部分の盛り上がり現象が生じにくい。
【0040】
また、タイル群を受け台上面より高位置にセットする支え部材を受け台上に着脱自在又は出没自在に形成すると共にその支え部材によるタイル群のセット位置を前記合成樹脂の肉厚より低く設定し、型シートを外してからタイル群を載せるまでの間に前記支え部材を受け台上に設置するようにすれば、タイルで押し潰される合成樹脂の量が激減するため、前記先願発明と同じく目地部分の盛り上がり現象が生じにくい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0041】
以上が先の特許出願の実施形態1〜3及び発明の効果であるが、本出願人がさらに研究開発を行った結果、その先の特許出願に記載された発明を応用発展させることによりさらなるコストダウンが可能となる方法及び装置に到達した。
【課題を解決するための手段】
【0042】
所定の目地間隔を離して整列させた複数のタイル(以下そのようなタイルの集合体をタイル群という。)の夫々を合成樹脂製のブリッジ片で連結してタイルユニットとなすタイルユニットの製造方法であって、前記タイル群を載せる受け台と、前記ブリッジ片の配置に合わせて貫通させた切抜型孔を有する型シートと、その切抜型孔に対して流動状態の合成樹脂を充填する充填手段とを使用し、前記受け台の少なくともブリッジ片に対応する位置にタイル群の目地間隔の部分に立ち上がる目地枠を形成するようになし、さらに次の(1)〜(4)の要件を具備してなるタイルユニットの製造方法を提供する。
(1)タイル群を前記受け台上に裏向きにしてセットする。
(2)受け台にセットしたタイル群の裏面上に型シートを重ねた状態にしてその型シートの上面側から切抜型孔に対してブリッジ片の素材となる流動状態の合成樹脂を充填手段で充填させる。
(3)型シートを外してタイル群の裏面に切抜型孔内の合成樹脂を密着させる。
(4)その状態のまま合成樹脂の硬化処理を実行してブリッジ片を形成する。
【0043】
また、タイル群の各タイルを合成樹脂製のブリッジ片で連結してタイルユニットとなすタイルユニットの製造装置であって、前記タイル群を載せる受け台と、前記ブリッジ片の配置に合わせて貫通させた切抜型孔を有する型シートと、その切抜型孔に対して流動状態の合成樹脂を充填させる充填手段とを備え、前記受け台の少なくともブリッジ片に対応する位置にタイル群の目地間隔の部分に立ち上がる目地枠を形成するようになし、タイル群を前記受け台上に裏向きにセットしてそのタイル群の裏面上に型シートを重ね、型シートの上面側から切抜型孔に対してブリッジ片の素材となる流動状態の合成樹脂を充填手段で充填させ、さらに型シートを外してタイル群の裏面に切抜型孔内の合成樹脂を密着させ、その状態のまま合成樹脂の硬化処理を実行してブリッジ片を形成するようにしたタイルユニットの製造装置を提供する。
【0044】
上記の方法及び装置によれば、タイル群の裏面に型シートで正確且つ確実にブリッジ片の素材となる合成樹脂をダイレクトに塗布することができ、また、合成樹脂の硬化処理を実行する状態において、合成樹脂が裏向きになったタイル群の上に露出しているため硬化処理の効率がよい。
【発明の効果】
【0045】
本発明は、従来のノズル滴下方式に対し、型シートの切抜型孔に合成樹脂を充填してブリッジ片を正確且つ確実に形成するという発明を応用発展させ、タイル群を裏向きにして受け台にセットし、型シートでタイル群の裏面に合成樹脂をダイレクトに塗布すると共にその状態のまま合成樹脂の硬化処理を実行させるようにしたため、型シートによりブリッジ片の形成が正確且つ確実に行える効果に加えて、合成樹脂の硬化処理を実行する状態において合成樹脂が裏向きのタイル群の上面外部に露出しているため硬化処理の効率が向上する、という効果を奏する。この効果を前記した先の出願、すなわち受け台に合成樹脂を塗布してその上にタイル群を載せる手段と比較すると、合成樹脂が受け台とタイル群の間に挟まれたサンドイッチ状態では合成樹脂を硬化させるのに例えば加熱したとしても合成樹脂に熱が伝わりにくくなって硬化に時間が掛かるが、本発明のように合成樹脂がタイル群の上に露出している状態では合成樹脂にダイレクトに熱が伝わるため硬化が低温又は短時間で完了するのである。つまり、それだけ燃費の節約と生産性の向上が可能になり、また、硬化処理後のタイルユニットも短時間で冷めるため、硬化処理後の取り扱いも容易になる。
【0046】
また、受け台に目地枠を形成してその中にタイル群をセットするから受け台上でタイルが横ずれするおそれがなく、なおかつ、そのままブリッジ片の硬化処理を実行するためタイルユニットの仕上がり精度が向上する、などの効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下に本発明の実施の形態を図19〜図23によって説明する。なお、図19はタイルユニットの製造装置の要部を示す分解斜視図、図20は受け台にタイル群を載せる前の状態を示す要部の縦断面図、図21はタイル群に型プレートを載せた状態を示す要部の縦断面図、図22は合成樹脂充填後に型プレートを外した状態を示す受け台とタイル群の要部縦断面図、図23(a)〜(d)は型プレートを外した状態を示す受け台とタイル群の一部拡大断面図である。
【0048】
製造対象となるタイルユニットNUの完成品については図2,図3についてした上記説明と同様であり、従って説明を省略する。
【0049】
次に上記タイルユニットNUの製造方法について説明する。本発明の製造方法には、図19に示したように、タイル群を載せる受け台1と、切抜型孔2を有する型シート3と、流動状態の合成樹脂bを前記切抜型孔2に充填する充填手段4と、を主要構成要素とするタイルユニットの製造装置を使用する。
【0050】
前記受け台1は、図19に示したように、タイルユニットNUを載せるに十分な広さを有する金属製の平厚板の上面にタイルユニットNUの目地間隔の部分に立ち上がる目地枠1Mを突設してなる。この目地枠1Mの高さはタイルTの厚みとほぼ同じにする、タイルTの厚みより若干低くする、タイルTの厚みより若干高くする、の何れでもよい。また、目地枠1Mには合成樹脂bの剥離性に優れた素材の層42aを少なくとも頂部に形成するとよく、また、両サイドにはクッション性に優れた層42bを形成するとよい。図示した目地枠1Mには頂部と両サイドの三面に図23(a)のように剥離性とクッション性の双方を備えたフッ素樹脂の層42a,42bが形成してある。目地枠1Mの断面形状は、図23(a)〜(d)に示したように、四角形、台形、蒲鉾形、円形の何れかか又はそれ以外の任意でよい。
【0051】
目地枠1Mを図23(a)の四角形とした場合は横幅を目地間隔より若干小さく(例えば目地間隔が5mmの場合に4〜4.5mmとする。)設定し、また図23(b)の台形とした場合は上辺を目地間隔より若干小さくし逆に下辺を目地間隔と同じか又はそれより若干大きく設定し、また目地枠1Mを図23(c)の蒲鉾形や図23(d)の円形にした場合は直径をほぼ目地間隔と等しく設定するとよい。そうすることによりタイル形状のばらつきに対応しやすくなる。なお、図示した目地枠1MはタイルTの全周を囲うようにしたが、それに限定されるものではなく、少なくともブリッジ片Bに対応する位置に目地枠1Mがあればよい。
【0052】
前記型シート3は、厚さ0.3mm〜1.5mm程度のステンレス板に、前記ブリッジ片Bの配置に合わせてブリッジ片Bの形状を象った切抜型孔2,2…を設けてなり、前記ローラーコンベアの支持フレームのような固定部材に一端を軸着して揺動自在に取り付けるか、或いは適宜な昇降装置により定位置で上下動するように取り付けられる。なお、型シート3の厚さを薄くする場合は目地枠1MをタイルTの裏面より低くするのがよい(図23(b)参照。)。その理由は、型シート3を薄くすると当然ブリッジ片Bが薄くなってタイルTとの接着強度が低下するが、目地枠1Mを低くすることによってタイル群の目地間隔に合成樹脂bが入り込み、タイルTの側面(こば面)にも合成樹脂bが接着して接着強度が向上するからである。
【0053】
前記充填手段4は、型シート3の上面に摺接する二本一組のゴム製のヘラ部材40,40と、そのヘラ部材40,40間にブリッジ片Bの素材となる流動状態の合成樹脂bを供給(流し込み)する供給装置41と、前記ヘラ部材40,40を型シート3上で往復運動させる駆動手段(図示せず)と、からなる。
【0054】
さて、先ず最初にローラーコンベア(図示せず)に載って移動する受け台1を図20のように型シート3に対応する所定の位置に停止させる。一方、別の場所でタイルT,T…を裏向きに整列させてタイル群を形成し、それを図20一点鎖線のように吸着搬送して受け台1上にタイル群を裏向きのままセットする。これによりタイル群の目地間隔に目地枠1Mが嵌まる。次に図21のようにタイル群の裏面上に型シート3を重ね、充填手段4のヘラ部材40,40同士の間に流動状態の合成樹脂bを満たした状態で、そのヘラ部材40,40を型シート3上で一往復摺動させる。そうすると切抜型孔2,2…にブリッジ片Bの素材となる合成樹脂bが擦り切り状態に充填される。なお、前記合成樹脂bは熱硬化性樹脂(ポリ塩化ビニル)であり常温で流動性を有するが、その粘度は低めに設定しておくのがよい。そうすることにより図23(b)のように受け台1の目地枠1MとタイルTの間に隙間があってもその隙間へ合成樹脂bが入り難くなる。
【0055】
次に型シート3を外す。そうすると図22のように切抜型孔2内の合成樹脂bがタイル群の裏面に残る。型シート3の切抜型孔2はブリッジ片Bの配置に合わせて設けてあるため、合成樹脂bは目地枠1Mを跨いで隣り合うタイルT,T…同士を連結する態様になっている。この状態で合成樹脂bがタイルTに密着しているのであればそのまま合成樹脂bの硬化処理を実行する。また、合成樹脂bのタイルTへの密着をより確実にするのであれば、合成樹脂bが僅かに硬化して表面に薄皮が張るのを待って平板状或いはローラ状の押圧手段43(図23(a)二点鎖線参照)で合成樹脂bをタイル群に押し付けるとよい。なお、合成樹脂bに薄皮が張ってから押圧するようにすれば、合成樹脂bが押圧手段43に付着しにくくなって都合がよい。また、押圧手段43の押圧面44に無数の小突起や凸条などの凹凸を形成しておけば、ブリッジ片Bの背面にディンプルやローレットのような凹凸が刻設されるため、躯体のモルタルにブリッジ片Bが馴染みやすく剥離し難い効果が得られる。
【0056】
合成樹脂bの硬化処理は合成樹脂bが熱硬化性樹脂のポリ塩化ビニルであるため、受け台1ごと加熱炉に入れて加熱する。その際の加熱条件は、合成樹脂bが受け台1の外に露出しているため、前記した先の特許出願と同じ合成樹脂bを使用する場合には140℃×15分間より温度を下げるか又は加熱時間を短縮することができる。
【0057】
以上の硬化処理を実行することにより合成樹脂bが硬化してブリッジ片Bとなり、同時にそのブリッジ片BがタイルTの裏面に貼り付いてタイルT,T…同士を連結する。ブリッジ片Bの素材に熱硬化性樹脂を採用した場合は完成したタイルNUを炎天下に放置して温度が上昇してもブリッジ片Bが剥離しない優位性がある。
【0058】
なお、前記合成樹脂bの硬化処理は合成樹脂bの種類によって当然に異なる。例えば、ブリッジ片Bの素材として感光性樹脂を使用する場合は、光(紫外線)を照射して合成樹脂bを硬化させる。
【0059】
次にタイル群を吸着或いは手作業で受け台1から外す。そうするとブリッジ片Bはタイル群側に貼り付いて受け台1の目地枠1Mから剥がれる。このとき目地枠1Mに前記したように離型性能に優れた合成樹脂の層42a,42bが形成してあればブリッジ片Bの剥離作業が非常にスムーズに行える。
【0060】
以上本発明を実施形態について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明においても型シート3を図14のような円形ドラム型にしたり、或いは、図8,図9のようにタイルTのブリッジ片Bの固着部位に肉盗み部50,51を形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】タイルユニットの製造装置の要部を示す分解斜視図である。
【図2】タイルユニットの裏面図である。
【図3】タイルユニットの縦断面図である。
【図4】受け台と型プレートの縦断面図である。
【図5】型プレートの切抜型孔に合成樹脂を充填した状態を示す縦断面図である。
【図6】図5から型プレートを外した状態を示す受け台の縦断面図である。
【図7】受け台にタイル群を載せた状態を示す縦断面図である。
【図8】受け台上にタイルを載せた状態を示す要部の拡大断面図である。
【図9】受け台上にタイルを載せた状態を示す要部の拡大断面図である。
【図10】受け台にタイル群を載せた状態を示す一部切欠平面図である。
【図11】受け台にタイル群を載せた状態を示す一部切欠平面図である。
【図12】支え部材を示す分解斜視図である。
【図13】図11のX−X線拡大断面図である。
【図14】型シートの他の形態を示す要部の縦断面図である。
【図15】先願発明の製造方法を説明する縦断面図である。
【図16】先願発明の製造方法を説明する縦断面図である。
【図17】従来のタイルユニットを示す縦断面図である。
【図18】(a),(b)は、従来のタイルユニットの製造方法を説明する縦断面図である。
【図19】本発明のタイルユニットの製造装置の要部を示す分解斜視図である。
【図20】受け台にタイル群を載せる前の状態を示す要部の縦断面図である。
【図21】タイル群に型プレートを載せた状態を示す要部の縦断面図である。
【図22】合成樹脂充填後に型プレートを外した状態を示す受け台とタイル群の要部縦断面図である。
【図23】(a)〜(d)は型プレートを外した状態を示す受け台とタイル群の一部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 …受け台
1M…目地枠
2 …切抜型孔
3 …型シート
4 …充填手段
NU…タイルユニット
T …タイル
B …ブリッジ片
b …合成樹脂
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の目地間隔を離して整列させた複数のタイルの夫々を合成樹脂製のブリッジ片で連結してなるタイルユニットの製造方法及び製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図17に示したように所定の目地間隔を離して整列させた複数のタイルT,T…(以下そのようなタイルT,T…の集合体をタイル群という。)の夫々を合成樹脂製のブリッジ片Bで連結してなるタイルユニットUは公知である。そのタイルユニットUの従来の製造方法について図18(a),(b)により説明する。先ず、平坦な受け台A上のブリッジ片配置ポイントにブリッジ片Bの素材となる合成樹脂b(例えばポリ塩化ビニルなどの熱硬化性樹脂)をノズルNで滴下し、その上にタイル群を載せてタイル群の裏面と合成樹脂bを密着させ、そのまま合成樹脂bの硬化処理(例えば合成樹脂bが熱硬化性樹脂であれば所定時間加熱する。)を実行する。
【0003】
上記従来の製造方法(以下単にノズル滴下方式という。)には次のような問題点があった。
(1)硬化前の軟らかい合成樹脂bが受け台AとタイルTの間に挟まれて押しつぶされるため、その部分(図17符号S参照)が薄くなってタイルTへの接着強度が不足する。
(2)受け台AとタイルTの間に挟まれて押しつぶされた合成樹脂bが目地部分の隙間に逃げ込むため、中央が大きく膨らんだ蒲鉾型のブリッジ片Bができる。通常タイルユニットUを使った施工方法では、最終段階でタイルユニットUのブリッジ片Bを切断して目地調整を行う場合が多いが、前記のようにブリッジ片Bが目地部分で肉厚になっていると、切断し難く且つ切り離したブリッジ片B同士がスマートに重ならないため、目地幅を小さくする調整が困難になる。また、蒲鉾型に膨らんだブリッジ片Bが、タイルTの厚みを越えて表面に突出する場合があり見栄えが非常に悪い。
(3)ブリッジ片Bの端がタイルTの裏面に形成した剥離防止溝Vに入り込む場合があり、タイルT自体の剥離防止効果が減少する。
(4)タイル群が受け台Aから浮き上がって合成樹脂bで支えられるため、タイル群が不安定になり、次工程に移動する過程でタイルの配列に狂いが生ずる可能性がある。
(5)ブリッジ片Bの数だけノズルNが必要であるが、ノズルNの一本あたりの単価が高いためコストが高くつく。しかも、タイルユニットUのタイルTの寸法や配置が変わると、それに合わせてノズルNの配置を変更する必要があるため少量品の生産に適さない。
(6)ブリッジ片Bの形状が一定にならないためタイルユニットUの商品価値が低い。
【0004】
ノズル滴下方式の上記課題に着目した本出願人は、図15,図16に示したように、
(1)タイル群を載せる受け台1にブリッジ片B成形用の型凹部100を形成し、その受け台1に型凹部100に合致する切抜型孔2を設けた型シート3を重ねる(図15右半部参照。)、
(2)型シート3の上面側から切抜型孔2に対してブリッジ片Bの素材となる流動状態の合成樹脂bを充填させる(図15左半部参照。)、
(3)型シート3を外して合成樹脂bの上部を受け台1上面より高く突出させる(図16右半部参照。)、
(4)タイル群の表を上に向けて受け台1上面に載置することにより前記合成樹脂bにタイル群の裏面を密着させる(図16左半部参照。)、
(5)その状態で合成樹脂bの硬化処理を実行させてブリッジ片Bを形成する、
というタイルユニットNUの製造方法を特許出願(特願平10−100586号)している。
【0005】
しかして、前記先願に係るタイルユニットの製造方法は所期の目的どおりの成果を得ているが、さらに試験・研究を行った結果、受け台1の型凹部100を無くしても実施可能である、という事実を発見した。そして、かかる知見に基づき本出願人は特願平11−95663号の特許出願を行った。
【0006】
その特許出願の要旨は「タイル群のタイルの夫々を合成樹脂製のブリッジ片で連結してタイルユニットとなすタイルユニットの製造方法であって、前記タイル群を載せる受け台と、前記ブリッジ片の配置に合わせてブリッジ片の形状を象った切抜型孔を有する型シートと、その切抜型孔に流動状態の合成樹脂を充填させる充填手段とを使用し、次の(1)〜(4)の要件を具備してなるタイルユニットの製造方法。
(1)前記受け台上に型シートを重ねた状態にしてその型シートの上面側から切抜型孔に対してブリッジ片の素材となる流動状態の合成樹脂を充填手段で充填させる。
(2)型シートを外して受け台上面に切抜型孔内の合成樹脂を直載せする。
(3)タイル群の表を上に向けて受け台上面に載置することにより前記合成樹脂にタイル群の裏面を密着させる。
(4)その状態で合成樹脂の硬化処理を実行させてブリッジ片を形成する。」
というものである。
【0007】
上記製造方法によれば、受け台上面に合成樹脂を直載せするため、前記先願発明との対比において、受け台1の型凹部100と型シート3の切抜型孔2を一致させる必要がなく、また、受け台1からブリッジ片Bを剥離させ易いため生産性が向上し、さらにまた、受け台1に型凹部100を形成する必要がないため、受け台1の製造コストを大幅に削減することができる。
【0008】
一方、従来のノズル滴下方式との対比では、ノズル滴下方式が、ノズルNから滴下した合成樹脂bの中央部分(図18(a)符号W参照)が山高になっていて、それが目地部分で分厚く盛り上がる現象を引き起こしていたのに対して、本発明は、型シートの切抜型孔で合成樹脂が均一且つ正確に型成形できるため、目地部分で分厚く盛り上がる現象が生じ難い。また、高価なノズルNが不要であるため低コストであり、しかもタイルユニットのタイルの配置や寸法の変更に対して型シートを変更するだけでよいため、少量生産品にも柔軟に対応できる。
【0009】
また、第2の発明は「前記タイル群の各タイルのブリッジ片固着部位に前記受け台上面に直載せした合成樹脂を受け入れる肉盗み部を形成してなるタイルユニットの製造方法」というものである。これによりタイルで押し潰される合成樹脂の量が激減するから、目地部分の盛り上がり現象がさらに生じにくくなる。
【0010】
また、第3の発明は「タイル群を受け台上面より高位置にセットする支え部材を受け台上に着脱自在又は出没自在に形成すると共にその支え部材によるタイル群のセット位置を前記合成樹脂の肉厚より低く設定し、型シートを外してからタイル群を載せるまでの間に前記支え部材を受け台上に設置するようにしたタイルユニットの製造方法」というものである。こうすればタイル自体に何らの加工を施さずとも前記第2の発明と同じく目地部分の盛り上がり現象が生じにくくなる。
【0011】
なお、特願平11−95663号の実施形態1〜3及び発明の効果は以下の段落番号「0012」〜「0040」に記載した通りである。
【0012】
[発明の実施形態1]
以下に本発明の実施形態1を図1〜図7を参照しつつ説明する。なお、図1はタイルユニットの製造装置の要部を示す分解斜視図、図2はタイルユニットの裏面図、図3はタイルユニットの縦断面図、図4は受け台と型プレートの縦断面図、図5は型プレートの切抜型孔に合成樹脂を充填した状態を示す縦断面図、図6は図5から型プレートを外した状態を示す受け台の縦断面図、図7は受け台にタイル群を載せた状態を示す縦断面図である。
【0013】
先ずタイルユニットNUの完成品について説明する。図2,図3に示したようにタイルユニットNUは、タイル群を構成する夫々のタイルT,T…を合成樹脂製のブリッジ片B,B…で連結してなる。ブリッジ片Bは、例えば熱硬化性樹脂であるポリ塩化ビニルで形成した弾性帯構造であり、タイルTの裏側であってそのタイルTの剥離防止溝V以外の部分に貼り付いてタイルT,T…同士を繋いでいる。なお、タイル群とは、既述のように、所定の目地間隔を離して整列させた複数のタイルT,T…の集合体である。
【0014】
次ぎに上記タイルユニットNUの製造方法について説明する。本発明の製造方法には、図1に示したように、タイル群を載せる受け台1と、切抜型孔2を有する型シート3と、流動状態の合成樹脂bを前記切抜型孔2に充填する充填手段4と、を主要構成要素とするタイルユニットの製造装置を使用する。
【0015】
前記受け台1は、図1に示したように、タイルユニットNUを載せるに十分な広さを有する金属製の平厚板であり、平坦な上面にフッ素樹脂やシリコーン樹脂などの離型性能に優れた合成樹脂の被膜を形成してなる。この受け台1は例えばローラーコンベア(図示せず)上を滑って工程間を適宜移動する。
【0016】
前記型シート3は、厚さ1mm〜1.5mm程度のステンレス板に、前記ブリッジ片Bの配置に合わせてブリッジ片Bの形状を象った切抜型孔2,2…を設けてなり、前記ローラーコンベアの支持フレームのような固定部材に一端を軸着して揺動自在に取り付けるか、或いは適宜な昇降装置により定位置で上下動するように取り付けられる。
【0017】
前記充填手段4は、型シート3の上面に摺接する二本一組のゴム製のヘラ部材40,40と、そのヘラ部材40,40間にブリッジ片Bの素材となる流動状態の合成樹脂bを供給(流し込み)する供給装置41と、前記ヘラ部材40,40を型シート3上で往復運動させる駆動手段(図示せず)と、からなる。
【0018】
さて、先ず最初にローラーコンベアに載って移動する受け台1を図4のように型シート3に対応する所定の位置に停止させ、その受け台1上に型シート3を重ねる。次に図5のように充填手段4のヘラ部材40,40同士の間に流動状態の合成樹脂bを満たした状態で、そのヘラ部材40,40を型シート3上で一往復摺動させる。そうすると切抜型孔2,2…にブリッジ片Bの素材となる合成樹脂bが均一な厚さで充填される。なお、図示したようにヘラ部材40,40を二本一組とすることにより、往行程と復行程で確実に合成樹脂bの充填が行える。また、前記合成樹脂bは熱硬化性樹脂(ポリ塩化ビニル)であり常温で流動性を有する。次に受け台1から型シート3を外し、図6のように受け台1上面に切抜型孔2内の合成樹脂bを直載せする。
【0019】
一方、別の場所でタイルT,T…を整列させてタイル群を形成し、それを吸着搬送して図6二点鎖線のように受け台1の上方に停止させ、タイル群をそのまま降ろして図7のように受け台1の上面に表を上に向けて載せる。そうすると、受け台1の合成樹脂bにタイルT,T…の裏面が密着する。なお、図は理解を容易にするため合成樹脂bの厚みを誇張したが、実際はタイルTの厚みが7mmであるのに対して合成樹脂bの厚みは1mm〜1.5mmと非常に薄い。
【0020】
次ぎに受け台1にタイル群を載せた図7の状態のまま合成樹脂bの硬化処理を実行する。実施形態では合成樹脂bが熱硬化性樹脂のポリ塩化ビニルであるため、受け台1ごと搬送して加熱炉に入れ、140℃×15分間加熱すればよい。そうすることにより合成樹脂bが硬化してブリッジ片Bとなり、同時にそのブリッジ片BがタイルTの裏面に貼り付いてタイルT,T…同士を連結する。ブリッジ片Bの素材に熱硬化性樹脂を採用した場合は、完成したタイルユニットNUを炎天下に放置して温度が上昇しても、ブリッジ片Bが剥離しない優位性がある。
【0021】
なお、前記合成樹脂bの硬化処理は、合成樹脂bの種類によって当然に異なる。例えば、ブリッジ片Bの素材として感光性樹脂を使用する場合は、光(紫外線)を照射して合成樹脂bを硬化させる。
【0022】
次にタイル群を吸着或いは手作業で受け台1から外す。そうすると、ブリッジ片Bはタイル群側に貼り付いて受け台1から剥がれる。このとき受け台1に前記したように離型性能に優れた合成樹脂の被膜が形成してあればブリッジ片Bの剥離作業が非常にスムーズに行える。
【0023】
[発明の実施形態2]
図8,図9は発明の実施形態2を示すものであり、両図はそれぞれ受け台上にタイルを載せた状態を示す要部の拡大断面図である。
【0024】
本実施形態2の製造装置は実施形態1のそれと同一であるが、各タイルT,T…のブリッジ片B固着部位に肉盗み部50,51を形成した点に特徴がある。具体的には、図8のようにタイルTの裏面周辺に面取り状の肉盗み部50を形成するか、或いは図9のようにタイルTの裏面周辺に段状の肉盗み部51を形成する。これら肉盗み部50,51は、受け台1上面に直載せした合成樹脂bを受け入れるものであり、受け台1上面にタイル群を載せた状態で、図8,図9のように、肉盗み部50,51の腹面と合成樹脂bが確実に密着する。この肉盗み部50,51を設けたことにより、タイルTに押し潰される合成樹脂bの量が激減するため、目地部分への盛り上がりが前記先願発明と同等に抑制される。なお、肉盗み部50,51はタイルTの裏面周辺全部に形成する必要はなく、ブリッジ片Bの位置に合わせて部分的に設けてもよい。
【0025】
[発明の実施形態3]
図10〜図13は発明の実施形態3を示すものであり、図10,図11は受け台にタイル群を載せた状態を示す一部切欠平面図、図12は支え部材を示す分解斜視図、図13は図11のX−X線拡大断面図である。
【0026】
本実施形態3の製造装置は、受け台1上面に支え部材6を着脱自在に載せるようにした点に特徴がある。すなわち、支え部材6は、図12に示したように角柱体60のコーナー部分にタイル座部61を形成してなり、そのタイル座部61の高さを、受け台1上面に直載せした合成樹脂bの肉厚より低く設定し、且つ、角柱体60の底面に突設したジョイントピン62を受け台1側に穿設した受孔63に遊嵌する。
【0027】
しかして、本製造装置は、支え部材6を取り付ける前の平らな状態の受け台1の上面に型シート3を重ねて充填手段4で合成樹脂bを充填し、型シート3を外して切抜型孔2内の合成樹脂bを受け台1上に直載せし、その後、図10のように前記ジョイントピン62を受け台1に嵌めて支え部材6を受け台1に取り付け、さらにその支え部材6のタイル座部61にタイル群を載せる。前記のように支え部材6のタイル座部61の高さは合成樹脂bの肉厚より低く設定されているから、タイル座部61の上に載ったセット状態でタイルTの裏面に合成樹脂bが密着する。
【0028】
そして、その状態のまま合成樹脂bの硬化処理を実行した後、タイル群を受け台1から外し、さらに支え部材6も受け台1から外して最初の行程に戻る。
【0029】
また、実施形態3の支え部材6は、上記のように多数のバラバラの部品を組み合わせて構成する場合のほか、図11のように一枚のプレート状にしてもよい。すなわち、この支え部材6は、受け台1とほぼ同程度の大きさのプレート64に、合成樹脂bに対応する位置でしかもそれより大きく開口する窓孔65を打ち抜き、さらにそのプレート64にタイルTの配置に合わせて仕切リブ66が縦横に突設してある。この仕切リブ66は、タイルTの位置決め機能を主とするが、プレート64の反りを防止する補強機能をも併せ持つ。
【0030】
前記プレート64の厚みは、合成樹脂bの肉厚より薄く、例えば合成樹脂bの肉厚が1.5mmであれば板厚1mmという具合に設定されており、受け台1上面に支え部材6を設置した状態で窓孔65から合成樹脂bが少量突出する。
【0031】
しかして、この製造装置は、支え部材6を取り付ける前の平らな状態の受け台1の上面に型シート3を重ねて充填手段4で合成樹脂bを充填し、型シート3を外して切抜型孔2内の合成樹脂bを受け台1上に直載せし、その後前記支え部材6を受け台1に載せる。このとき、支え部材6と受け台1に例えばボスとボス孔の組み合わせのような位置決め手段67(図11参照)を設けておけば、位置合わせが正確に行えるからプレート64の窓孔65に合成樹脂bが確実に臨む。なお、図示しないが適宜なクランプ手段を設けて支え部材6を受け台1に一時的に固定するようにしてもよい。
【0032】
そうして、整列状態で搬送されるタイル群を支え部材6に載せると、仕切リブ66に案内されてタイルT同士が正確に整列し、しかも支え部材6の板厚が合成樹脂bの厚みより小さいため、タイルTの裏面と合成樹脂bが密着する。この状態のまま合成樹脂bの硬化処理を実行した後、タイル群を受け台1から外す。なお、本実施形態の特徴として、タイルユニットNUが支え部材6の上に全面的に載っているから、プレート64を持ち上げる動作でブリッジ片Bが受け台1から自動的に剥離する。
【0033】
本実施形態3のタイルユニットの製造装置及び製造方法によれば、前記した先願発明と同じく、タイルTに押し潰される合成樹脂bの量が激減するから、目地部分への盛り上がりが殆どない。そしてさらに、本実施形態3のように支え部材6にタイル座部61や仕切リブ66のようなタイルT同士の位置決め機能を持たせれば、受け台1上でタイルTがしっかり固定されるから、タイル群を受け台1に載せたまま工程間を移動させてもタイルTの配置が狂わない。
【0034】
以上本発明を実施形態1〜3によって説明したが、もちろん本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態1〜3では型シート3にステンレス板を使用したが、型シート3は、合成樹脂、布、木、セラミックなど、どのような素材であってもよい。また、実施形態3の図10,図12では支え部材6を受け台1に嵌め込む着脱方式を採用したが、例えば受け台1に縦孔を形成し、その縦孔に支え部材6を入れて上下動させることにより、支え部材6の頭部を受け台1上に出没させるようにしてもよい。この場合、支え部材6を下げた状態で合成樹脂bを直載せし、タイルTを載せる前に支え部材6を突出させる。
【0035】
また、実施形態1〜3の受け台1は平らな表面を全くの無地としたが、受け台1の全表面に、縞形態や格子形態の浅溝、或いは全表面に半球状の窪みを無数に設けるようにしてもよい。これらの浅溝や窪みは切抜型孔2とは無関係であるため、先願発明の型凹部100とは異なる。
【0036】
また、実施形態1〜3の型シート3は平板形態としたが、例えば図14のように型シート3を円形ドラム型に形成して回転させ、その回転に同期させて受け台1を直線方向に移動させるようにしてもよい。この場合、型シート3の内部に充填手段4を非回転構造にして組み込み、型シート3の内周面にヘラ部材40を摺接させる。
【0037】
[発明の効果]
本発明は、受け台上面に合成樹脂を直載せするようにしたため、第一に前記先願発明との対比において、受け台の型凹部と型シートの切抜型孔を一致させる煩わしさがないため生産性が向上し、また、受け台に型凹部を形成する必要がないため、受け台の製造コストを大幅に削減することができる優位性がある。
【0038】
一方、従来のノズル滴下方式との対比では、
(1)ノズル滴下方式が、ノズルNから滴下した合成樹脂bの中央部分(図18(a)符号W参照)が山高になっていて、それが目地部分で分厚く盛り上がる現象を引き起こしていたのに対して、本発明は、型シートの切抜型孔で合成樹脂が均一且つ正確に型成形できるため、目地部分で分厚く盛り上がる現象が生じ難い、
(2)高価なノズルNが不要であるため格段に低コストであり、しかもタイルユニットのタイルの配置や寸法の変更に対して型シートを変更するだけでよいため、少量生産品にも十分に適用できる、
(3)ブリッジ片の形状が正確で仕上がりが綺麗であるため商品価値が高まる、
という優位性を発揮する。
【0039】
また、前記タイル群の各タイルのブリッジ片固着部位に前記受け台上面に直載せした合成樹脂を受け入れる肉盗み部を形成するようにすれば、タイルで押し潰される合成樹脂の量が激減するため、前記先願発明と同じく、目地部分の盛り上がり現象が生じにくい。
【0040】
また、タイル群を受け台上面より高位置にセットする支え部材を受け台上に着脱自在又は出没自在に形成すると共にその支え部材によるタイル群のセット位置を前記合成樹脂の肉厚より低く設定し、型シートを外してからタイル群を載せるまでの間に前記支え部材を受け台上に設置するようにすれば、タイルで押し潰される合成樹脂の量が激減するため、前記先願発明と同じく目地部分の盛り上がり現象が生じにくい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0041】
以上が先の特許出願の実施形態1〜3及び発明の効果であるが、本出願人がさらに研究開発を行った結果、その先の特許出願に記載された発明を応用発展させることによりさらなるコストダウンが可能となる方法及び装置に到達した。
【課題を解決するための手段】
【0042】
所定の目地間隔を離して整列させた複数のタイル(以下そのようなタイルの集合体をタイル群という。)の夫々を合成樹脂製のブリッジ片で連結してタイルユニットとなすタイルユニットの製造方法であって、前記タイル群を載せる受け台と、前記ブリッジ片の配置に合わせて貫通させた切抜型孔を有する型シートと、その切抜型孔に対して流動状態の合成樹脂を充填する充填手段とを使用し、前記受け台の少なくともブリッジ片に対応する位置にタイル群の目地間隔の部分に立ち上がる目地枠を形成するようになし、さらに次の(1)〜(4)の要件を具備してなるタイルユニットの製造方法を提供する。
(1)タイル群を前記受け台上に裏向きにしてセットする。
(2)受け台にセットしたタイル群の裏面上に型シートを重ねた状態にしてその型シートの上面側から切抜型孔に対してブリッジ片の素材となる流動状態の合成樹脂を充填手段で充填させる。
(3)型シートを外してタイル群の裏面に切抜型孔内の合成樹脂を密着させる。
(4)その状態のまま合成樹脂の硬化処理を実行してブリッジ片を形成する。
【0043】
また、タイル群の各タイルを合成樹脂製のブリッジ片で連結してタイルユニットとなすタイルユニットの製造装置であって、前記タイル群を載せる受け台と、前記ブリッジ片の配置に合わせて貫通させた切抜型孔を有する型シートと、その切抜型孔に対して流動状態の合成樹脂を充填させる充填手段とを備え、前記受け台の少なくともブリッジ片に対応する位置にタイル群の目地間隔の部分に立ち上がる目地枠を形成するようになし、タイル群を前記受け台上に裏向きにセットしてそのタイル群の裏面上に型シートを重ね、型シートの上面側から切抜型孔に対してブリッジ片の素材となる流動状態の合成樹脂を充填手段で充填させ、さらに型シートを外してタイル群の裏面に切抜型孔内の合成樹脂を密着させ、その状態のまま合成樹脂の硬化処理を実行してブリッジ片を形成するようにしたタイルユニットの製造装置を提供する。
【0044】
上記の方法及び装置によれば、タイル群の裏面に型シートで正確且つ確実にブリッジ片の素材となる合成樹脂をダイレクトに塗布することができ、また、合成樹脂の硬化処理を実行する状態において、合成樹脂が裏向きになったタイル群の上に露出しているため硬化処理の効率がよい。
【発明の効果】
【0045】
本発明は、従来のノズル滴下方式に対し、型シートの切抜型孔に合成樹脂を充填してブリッジ片を正確且つ確実に形成するという発明を応用発展させ、タイル群を裏向きにして受け台にセットし、型シートでタイル群の裏面に合成樹脂をダイレクトに塗布すると共にその状態のまま合成樹脂の硬化処理を実行させるようにしたため、型シートによりブリッジ片の形成が正確且つ確実に行える効果に加えて、合成樹脂の硬化処理を実行する状態において合成樹脂が裏向きのタイル群の上面外部に露出しているため硬化処理の効率が向上する、という効果を奏する。この効果を前記した先の出願、すなわち受け台に合成樹脂を塗布してその上にタイル群を載せる手段と比較すると、合成樹脂が受け台とタイル群の間に挟まれたサンドイッチ状態では合成樹脂を硬化させるのに例えば加熱したとしても合成樹脂に熱が伝わりにくくなって硬化に時間が掛かるが、本発明のように合成樹脂がタイル群の上に露出している状態では合成樹脂にダイレクトに熱が伝わるため硬化が低温又は短時間で完了するのである。つまり、それだけ燃費の節約と生産性の向上が可能になり、また、硬化処理後のタイルユニットも短時間で冷めるため、硬化処理後の取り扱いも容易になる。
【0046】
また、受け台に目地枠を形成してその中にタイル群をセットするから受け台上でタイルが横ずれするおそれがなく、なおかつ、そのままブリッジ片の硬化処理を実行するためタイルユニットの仕上がり精度が向上する、などの効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下に本発明の実施の形態を図19〜図23によって説明する。なお、図19はタイルユニットの製造装置の要部を示す分解斜視図、図20は受け台にタイル群を載せる前の状態を示す要部の縦断面図、図21はタイル群に型プレートを載せた状態を示す要部の縦断面図、図22は合成樹脂充填後に型プレートを外した状態を示す受け台とタイル群の要部縦断面図、図23(a)〜(d)は型プレートを外した状態を示す受け台とタイル群の一部拡大断面図である。
【0048】
製造対象となるタイルユニットNUの完成品については図2,図3についてした上記説明と同様であり、従って説明を省略する。
【0049】
次に上記タイルユニットNUの製造方法について説明する。本発明の製造方法には、図19に示したように、タイル群を載せる受け台1と、切抜型孔2を有する型シート3と、流動状態の合成樹脂bを前記切抜型孔2に充填する充填手段4と、を主要構成要素とするタイルユニットの製造装置を使用する。
【0050】
前記受け台1は、図19に示したように、タイルユニットNUを載せるに十分な広さを有する金属製の平厚板の上面にタイルユニットNUの目地間隔の部分に立ち上がる目地枠1Mを突設してなる。この目地枠1Mの高さはタイルTの厚みとほぼ同じにする、タイルTの厚みより若干低くする、タイルTの厚みより若干高くする、の何れでもよい。また、目地枠1Mには合成樹脂bの剥離性に優れた素材の層42aを少なくとも頂部に形成するとよく、また、両サイドにはクッション性に優れた層42bを形成するとよい。図示した目地枠1Mには頂部と両サイドの三面に図23(a)のように剥離性とクッション性の双方を備えたフッ素樹脂の層42a,42bが形成してある。目地枠1Mの断面形状は、図23(a)〜(d)に示したように、四角形、台形、蒲鉾形、円形の何れかか又はそれ以外の任意でよい。
【0051】
目地枠1Mを図23(a)の四角形とした場合は横幅を目地間隔より若干小さく(例えば目地間隔が5mmの場合に4〜4.5mmとする。)設定し、また図23(b)の台形とした場合は上辺を目地間隔より若干小さくし逆に下辺を目地間隔と同じか又はそれより若干大きく設定し、また目地枠1Mを図23(c)の蒲鉾形や図23(d)の円形にした場合は直径をほぼ目地間隔と等しく設定するとよい。そうすることによりタイル形状のばらつきに対応しやすくなる。なお、図示した目地枠1MはタイルTの全周を囲うようにしたが、それに限定されるものではなく、少なくともブリッジ片Bに対応する位置に目地枠1Mがあればよい。
【0052】
前記型シート3は、厚さ0.3mm〜1.5mm程度のステンレス板に、前記ブリッジ片Bの配置に合わせてブリッジ片Bの形状を象った切抜型孔2,2…を設けてなり、前記ローラーコンベアの支持フレームのような固定部材に一端を軸着して揺動自在に取り付けるか、或いは適宜な昇降装置により定位置で上下動するように取り付けられる。なお、型シート3の厚さを薄くする場合は目地枠1MをタイルTの裏面より低くするのがよい(図23(b)参照。)。その理由は、型シート3を薄くすると当然ブリッジ片Bが薄くなってタイルTとの接着強度が低下するが、目地枠1Mを低くすることによってタイル群の目地間隔に合成樹脂bが入り込み、タイルTの側面(こば面)にも合成樹脂bが接着して接着強度が向上するからである。
【0053】
前記充填手段4は、型シート3の上面に摺接する二本一組のゴム製のヘラ部材40,40と、そのヘラ部材40,40間にブリッジ片Bの素材となる流動状態の合成樹脂bを供給(流し込み)する供給装置41と、前記ヘラ部材40,40を型シート3上で往復運動させる駆動手段(図示せず)と、からなる。
【0054】
さて、先ず最初にローラーコンベア(図示せず)に載って移動する受け台1を図20のように型シート3に対応する所定の位置に停止させる。一方、別の場所でタイルT,T…を裏向きに整列させてタイル群を形成し、それを図20一点鎖線のように吸着搬送して受け台1上にタイル群を裏向きのままセットする。これによりタイル群の目地間隔に目地枠1Mが嵌まる。次に図21のようにタイル群の裏面上に型シート3を重ね、充填手段4のヘラ部材40,40同士の間に流動状態の合成樹脂bを満たした状態で、そのヘラ部材40,40を型シート3上で一往復摺動させる。そうすると切抜型孔2,2…にブリッジ片Bの素材となる合成樹脂bが擦り切り状態に充填される。なお、前記合成樹脂bは熱硬化性樹脂(ポリ塩化ビニル)であり常温で流動性を有するが、その粘度は低めに設定しておくのがよい。そうすることにより図23(b)のように受け台1の目地枠1MとタイルTの間に隙間があってもその隙間へ合成樹脂bが入り難くなる。
【0055】
次に型シート3を外す。そうすると図22のように切抜型孔2内の合成樹脂bがタイル群の裏面に残る。型シート3の切抜型孔2はブリッジ片Bの配置に合わせて設けてあるため、合成樹脂bは目地枠1Mを跨いで隣り合うタイルT,T…同士を連結する態様になっている。この状態で合成樹脂bがタイルTに密着しているのであればそのまま合成樹脂bの硬化処理を実行する。また、合成樹脂bのタイルTへの密着をより確実にするのであれば、合成樹脂bが僅かに硬化して表面に薄皮が張るのを待って平板状或いはローラ状の押圧手段43(図23(a)二点鎖線参照)で合成樹脂bをタイル群に押し付けるとよい。なお、合成樹脂bに薄皮が張ってから押圧するようにすれば、合成樹脂bが押圧手段43に付着しにくくなって都合がよい。また、押圧手段43の押圧面44に無数の小突起や凸条などの凹凸を形成しておけば、ブリッジ片Bの背面にディンプルやローレットのような凹凸が刻設されるため、躯体のモルタルにブリッジ片Bが馴染みやすく剥離し難い効果が得られる。
【0056】
合成樹脂bの硬化処理は合成樹脂bが熱硬化性樹脂のポリ塩化ビニルであるため、受け台1ごと加熱炉に入れて加熱する。その際の加熱条件は、合成樹脂bが受け台1の外に露出しているため、前記した先の特許出願と同じ合成樹脂bを使用する場合には140℃×15分間より温度を下げるか又は加熱時間を短縮することができる。
【0057】
以上の硬化処理を実行することにより合成樹脂bが硬化してブリッジ片Bとなり、同時にそのブリッジ片BがタイルTの裏面に貼り付いてタイルT,T…同士を連結する。ブリッジ片Bの素材に熱硬化性樹脂を採用した場合は完成したタイルNUを炎天下に放置して温度が上昇してもブリッジ片Bが剥離しない優位性がある。
【0058】
なお、前記合成樹脂bの硬化処理は合成樹脂bの種類によって当然に異なる。例えば、ブリッジ片Bの素材として感光性樹脂を使用する場合は、光(紫外線)を照射して合成樹脂bを硬化させる。
【0059】
次にタイル群を吸着或いは手作業で受け台1から外す。そうするとブリッジ片Bはタイル群側に貼り付いて受け台1の目地枠1Mから剥がれる。このとき目地枠1Mに前記したように離型性能に優れた合成樹脂の層42a,42bが形成してあればブリッジ片Bの剥離作業が非常にスムーズに行える。
【0060】
以上本発明を実施形態について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明においても型シート3を図14のような円形ドラム型にしたり、或いは、図8,図9のようにタイルTのブリッジ片Bの固着部位に肉盗み部50,51を形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】タイルユニットの製造装置の要部を示す分解斜視図である。
【図2】タイルユニットの裏面図である。
【図3】タイルユニットの縦断面図である。
【図4】受け台と型プレートの縦断面図である。
【図5】型プレートの切抜型孔に合成樹脂を充填した状態を示す縦断面図である。
【図6】図5から型プレートを外した状態を示す受け台の縦断面図である。
【図7】受け台にタイル群を載せた状態を示す縦断面図である。
【図8】受け台上にタイルを載せた状態を示す要部の拡大断面図である。
【図9】受け台上にタイルを載せた状態を示す要部の拡大断面図である。
【図10】受け台にタイル群を載せた状態を示す一部切欠平面図である。
【図11】受け台にタイル群を載せた状態を示す一部切欠平面図である。
【図12】支え部材を示す分解斜視図である。
【図13】図11のX−X線拡大断面図である。
【図14】型シートの他の形態を示す要部の縦断面図である。
【図15】先願発明の製造方法を説明する縦断面図である。
【図16】先願発明の製造方法を説明する縦断面図である。
【図17】従来のタイルユニットを示す縦断面図である。
【図18】(a),(b)は、従来のタイルユニットの製造方法を説明する縦断面図である。
【図19】本発明のタイルユニットの製造装置の要部を示す分解斜視図である。
【図20】受け台にタイル群を載せる前の状態を示す要部の縦断面図である。
【図21】タイル群に型プレートを載せた状態を示す要部の縦断面図である。
【図22】合成樹脂充填後に型プレートを外した状態を示す受け台とタイル群の要部縦断面図である。
【図23】(a)〜(d)は型プレートを外した状態を示す受け台とタイル群の一部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 …受け台
1M…目地枠
2 …切抜型孔
3 …型シート
4 …充填手段
NU…タイルユニット
T …タイル
B …ブリッジ片
b …合成樹脂
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の目地間隔を離して整列させた複数のタイル(以下そのようなタイルの集合体をタイル群という。)の夫々を合成樹脂製のブリッジ片で連結してタイルユニットとなすタイルユニットの製造方法であって、前記タイル群を載せる受け台と、前記ブリッジ片の配置に合わせて貫通させた切抜型孔を有する型シートと、その切抜型孔に対して流動状態の合成樹脂を充填する充填手段とを使用し、前記受け台の少なくともブリッジ片に対応する位置にタイル群の目地間隔の部分に立ち上がる目地枠を形成するようになし、さらに次の(1)〜(4)の要件を具備してなることを特徴とするタイルユニットの製造方法。
(1)タイル群を前記受け台上に裏向きにしてセットする。
(2)受け台にセットしたタイル群の裏面上に型シートを重ねた状態にしてその型シートの上面側から切抜型孔に対してブリッジ片の素材となる流動状態の合成樹脂を充填手段で充填させる。
(3)型シートを外してタイル群の裏面に切抜型孔内の合成樹脂を密着させる。
(4)その状態のまま合成樹脂の硬化処理を実行してブリッジ片を形成する。
【請求項2】
タイル群の各タイルを合成樹脂製のブリッジ片で連結してタイルユニットとなすタイルユニットの製造装置であって、前記タイル群を載せる受け台と、前記ブリッジ片の配置に合わせて貫通させた切抜型孔を有する型シートと、その切抜型孔に対して流動状態の合成樹脂を充填させる充填手段とを備え、前記受け台の少なくともブリッジ片に対応する位置にタイル群の目地間隔の部分に立ち上がる目地枠を形成するようになし、タイル群を前記受け台上に裏向きにセットしてそのタイル群の裏面上に型シートを重ね、型シートの上面側から切抜型孔に対してブリッジ片の素材となる流動状態の合成樹脂を充填手段で充填させ、さらに型シートを外してタイル群の裏面に切抜型孔内の合成樹脂を密着させ、その状態のまま合成樹脂の硬化処理を実行してブリッジ片を形成するようにしたことを特徴とするタイルユニットの製造装置。
【請求項1】
所定の目地間隔を離して整列させた複数のタイル(以下そのようなタイルの集合体をタイル群という。)の夫々を合成樹脂製のブリッジ片で連結してタイルユニットとなすタイルユニットの製造方法であって、前記タイル群を載せる受け台と、前記ブリッジ片の配置に合わせて貫通させた切抜型孔を有する型シートと、その切抜型孔に対して流動状態の合成樹脂を充填する充填手段とを使用し、前記受け台の少なくともブリッジ片に対応する位置にタイル群の目地間隔の部分に立ち上がる目地枠を形成するようになし、さらに次の(1)〜(4)の要件を具備してなることを特徴とするタイルユニットの製造方法。
(1)タイル群を前記受け台上に裏向きにしてセットする。
(2)受け台にセットしたタイル群の裏面上に型シートを重ねた状態にしてその型シートの上面側から切抜型孔に対してブリッジ片の素材となる流動状態の合成樹脂を充填手段で充填させる。
(3)型シートを外してタイル群の裏面に切抜型孔内の合成樹脂を密着させる。
(4)その状態のまま合成樹脂の硬化処理を実行してブリッジ片を形成する。
【請求項2】
タイル群の各タイルを合成樹脂製のブリッジ片で連結してタイルユニットとなすタイルユニットの製造装置であって、前記タイル群を載せる受け台と、前記ブリッジ片の配置に合わせて貫通させた切抜型孔を有する型シートと、その切抜型孔に対して流動状態の合成樹脂を充填させる充填手段とを備え、前記受け台の少なくともブリッジ片に対応する位置にタイル群の目地間隔の部分に立ち上がる目地枠を形成するようになし、タイル群を前記受け台上に裏向きにセットしてそのタイル群の裏面上に型シートを重ね、型シートの上面側から切抜型孔に対してブリッジ片の素材となる流動状態の合成樹脂を充填手段で充填させ、さらに型シートを外してタイル群の裏面に切抜型孔内の合成樹脂を密着させ、その状態のまま合成樹脂の硬化処理を実行してブリッジ片を形成するようにしたことを特徴とするタイルユニットの製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2008−208712(P2008−208712A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−94361(P2008−94361)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【分割の表示】特願平11−284992の分割
【原出願日】平成11年10月6日(1999.10.6)
【出願人】(597122426)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【分割の表示】特願平11−284992の分割
【原出願日】平成11年10月6日(1999.10.6)
【出願人】(597122426)
【Fターム(参考)】
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