説明

タイル

【課題】タイルが剥離しにくく、目地も剥がれにくくなるように、モルタルが高密度で充填でき、しかも破損しにくく、また、タイルがモルタル内に適正かつ均等な深さで埋め込まれて貼り付けられているか否かを簡単に判断できる基準となるタイル側面の側溝を実現する。
【解決手段】タイル1の側面には、表面側平坦面7と裏面側平坦面8との間に、側溝5が形成されており、この側溝5は、表面側から裏面側に向けて序々に側溝の深さが深くなる傾斜面10と、傾斜面10の裏面側端縁11で接続し、裏面側平坦面8に対して直交して接続する平坦な底面12とから成り、断面視が∠型に形成され、タイル1がモルタル内に押されて埋め込まれる際に、タイル1の裏面側からモルタルがタイルの側溝5内に回り込み、底面12にモルタルを堆積する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイルに関し、特に、建物の外壁にモルタルを介して貼り付けられるタイルに関する。
【背景技術】
【0002】
建物のコンクリート等の外壁にモルタルを介して貼り付けられるタイルは、十分、モルタルで接着されていないと、剥がれ落ちるという問題がある。そこで、従来、モルタルに接着するタイルの裏面に溝を設けてモルタルとの接着面積を増加させるタイルは従来知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このような溝を設けたタイルをさらに改善することを目的とし、本発明者は、すでに裏面に設けた一方向への複数の溝に対し、直交して溝同士を相互に接続する溝を設けるとともに、この溝がさらに側部で開口するように形成することで、裏面に空気が滞留しにくくして、剥がれ落ちにくくするようにしたタイルを提案している(特許文献2参照)。
【0004】
裏面に貼り付け用モルタルを入り込ませる溝を有するタイルにおいて、側面にもモルタルを入り込ませる湾曲状等の凹溝を設ける構成は知られている(特許文献3〜5参照)。
【0005】
金属又は強化プラスチック等の嵌め込み板の穴に、タイルの側面に形成された矩形の溝を嵌め込むとともにボルトで固着し、その後でモルタルを裏面側から打込み、嵌め込み板とタイルを一体化して、同時に目地を完成する目地タイルパネルの製造方法が知られている(特許文献6参照)。
【0006】
タイルを貫通する孔又は溝を設け、この孔又は溝を通して金属杆を挿着することで、複数のタイルを連結し、剥離や破壊を防止するタイルにおいて、タイルの裏面及び側面に膠泥溝を形成した点が記載され、この側面に形成した膠泥溝は、タイルの側面において裏面側の下縁から始まり、裏面側から表面側に向けて徐々に深くなる傾斜面が形成され、表面側に最も近い最深部では平坦な頂面が形成された構成が記載されている(特許文献7参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−81622号公報
【特許文献2】実用新案登録第3144970号公報
【特許文献3】実開平4−28550号公報(第2、3図参照)
【特許文献4】特開昭52−97230号公報(第3〜5図参照)
【特許文献5】実開昭62−101932号公報(第1、2図参照)
【特許文献6】特開昭55−61467号公報
【特許文献7】昭和3年実用新案出願公告第876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1、2に示すような、裏面に溝を設けたタイルは、モルタルとの接着面積が増加するので、一応の効果がある。また、側面に凹溝を設けるタイル(特許文献3〜7等)は、確かに接触面積が増加するので、一応の効果がある。
【0009】
しかしながら、本発明者は、さらにタイルをモルタルを介して強力に接着して、剥離しにくい構造のタイルを得ることを目的とし、しかもタイル貼りの仕上げとして施工される目地も剥離しにくい構造のタイルを得ることを目的として、特にタイルの側面の構造及びタイル側面に設ける側溝の構造についてきめ細かい研究開発を鋭意行ってきた。その結果、タイルの側面に、単に凹溝を形成し、ここにモルタル等を回り込ませただけでは、必ずしも十分な効果は得られないということが分かった。
【0010】
例えば、特許文献3、4に示すような湾曲状の溝について、図8(a)に示すようなタイル61(従来例1のタイルという)に湾曲状の溝62が形成されている構成で説明する。タイル61の裏面側から溝62に回り込んできたモルタル63との接着部分64の面積も比較的少なく、その接着部分64の面がタイルの表面側に向かう(図8(a)中上方に延びる)構成からみても、後記するが本発明のように、平坦な底面12を有し、剥離方向の力Fに対する強力な抵抗力が生ぜず、剥離に対して必ずしも十分な強度を有するものではない。
【0011】
また、図8(c)に示すように、タイル65(従来例2のタイルという)の側面に形成された溝66が矩形の形状では、モルタル63が溝66の奥まで入り込みにくく、また仕上げとして行う目地の塗布作業において、目地材67が溝66内入り込みにくく、目地自体も剥離し易く、見栄えや雨水等が侵入に対しても弱いという問題がある。
【0012】
さらに、特許文献7に示す膠泥溝について、図8(e)に示すようなタイル71(従来例3のタイルという)に同様の形状の溝72が形成されている構成で説明する。このタイル71では、その側面において裏面側端縁74から始まり、表面側に向けて徐々に深くなる傾斜面73が形成され、その最深部では平坦な頂面75が形成された構成である。
【0013】
このような溝72は、溝の深さは裏面側(図8(e)中の溝72の下方側)の方が浅いので、タイル71裏面側から回り込んできたモルタル63は、溝72の内面に接着しても、その接着部は、モルタル63との接触面積が比較的少なく、しかも、接着部は傾斜面であるために、後記するが本発明のように、裏面側には平坦な底面12を持つ側溝5を有する構成とは異なり、剥離方向の力Fに対する強力な抵抗力が生ぜず、剥離に対して必ずしも十分な強度を有するものではない。
【0014】
また、タイル71は、裏面側端縁74(傾斜面73の下縁)において鋭角状に形成されており、裏面側平坦面がないので、タイル71の搬送やタイル貼り作業等において破損しやすいという問題がある。
【0015】
本発明は、上記従来のタイルの問題を解決すること目的とし、モルタルとの接着が強力に行われてタイルが剥離しにくく、目地も剥がれないようにタイル間に高密度で充填できしかも破損等しにくいタイルの側面及びタイル側面に設ける側溝の構造を実現することを課題とするものである。
【0016】
ところで、本発明者は、建物等の建築現場において、長年、タイルの施工業務及びその監督業務等を行ってきたが、このような長年の業務経験を通して、次のような画期的な新規な課題を想到するに至った。
【0017】
即ち、建物のコンクリート等の外壁面にモルタルを介してタイルを貼り付ける施工では、作業者は、塗布されたモルタル面にタイルを当接してから、押し込む(打ち込む)ようにして、タイルをモルタル内に埋め込むようにする。この場合、モルタル内へ埋め込む深さは、浅すぎても接着強度が弱くなり、また深すぎても見栄えが悪くなり、さらに、一枚のタイルにおいて一部が浅く他の部分が深い場合や、複数のタイルについて浅い及び深いものが混在していても外側からみてタイルがでこぼこしており、見栄えが悪いという問題が生じる。
【0018】
従来は、このようなモルタル内に均等の深さでタイル貼りすることは、作業者の勘と技に頼っていた。タイル施工の熟練者は、その熟練技で均等の深さにタイル貼りが可能であるが、初心者にとっては、均等の深さにタイル貼ることは難しく、一人前になるまでかなりの経験年数が必要である。しかしながら、近年、この技術分野での若年労働者が減少しており、経験のない初心者でも、簡単にモルタル内に均等の深さでタイル貼りする何らかの方策が求められている。
【0019】
そこで、本発明者は、側面に設けた側溝に着目し、当該側溝の裏面側端縁の位置を基準としてモルタル内に均等の深さでタイル貼り作業をしたり、或いは妥当な深さの貼り付けか判断可能であるという知見を得た。即ち、タイルの側面に形成された側溝の裏面側端縁の位置より表面側にモルタルが回り込んでいれば、モルタルが側溝内に充填され、タイルが裏面側からの一定の高さまでモルタル内に埋め込まれていることが、視覚的に簡単に判断できることとなる。
【0020】
しかしながら、図8(b)に示す従来例1のタイル61では、湾曲状の溝62の面は外側から見てタイル61の表裏方向に向けて湾曲面として形成されており、しかもタイル61の表面側から目視できる面積が少ないので、溝62の裏面側端縁68が目視で明確に識別しにくい。従って、従来例1のタイル61では、モルタル63が裏面側端縁68を越えて溝62内に回り込んで充填されているか、即ち、タイル61のモルタル内への埋め込み深さが適切であるか否か目視で判断しにくい。仮に、湾曲状の溝62の面の一部が目視できても、その面は表裏方向に向けて形成されているために、後記する本発明のように平坦な面ではない(図8(b)中で上下方向に変化した面である)ので、埋め込み深さの基準となりえない。
【0021】
また、図8(d)に示す従来例2のタイル65のように矩形の溝66が場合は、後記する本発明の側溝5に較べて溝66の表裏方向の幅wが小さくなるために、図8(d)に示すように、外側から目視で見て溝66の底面69が見えにくく、従って、溝66の裏面側端縁70が見にくいので、モルタルへの埋め込み深さが適切であるか否か目視で判断しにくい。
【0022】
また、図8(f)に示す従来例3のタイル71のような溝72の場合は、従来例1と同様に、溝72の裏面側端縁74は外部から識別しにくく、仮に識別できたとしても裏面側端縁74はタイル71の裏面と同じ位置であるから、タイル71をモルタル内に少しでも押し込むと裏面側端縁74は見えなくなるので、モルタルへの埋め込み深さの基準を示す手段とはならない。また、溝62の傾斜面73の一部が目視できても、その面は表裏方向に向けて形成され後記する本発明のように平坦な面ではない(図8(f)中で上下方向に変化した面である)ので、埋め込み深さの基準となりえない。
【0023】
本発明は、モルタル内に適正かつ均等な深さでタイルが埋め込まれて貼り付けられているか否か、一目で簡単に判断できる基準となるタイル側面の側溝構造を実現することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は上記課題を解決するために、モルタルによって裏面側が構造面に貼り付けられるタイルであって、タイルの側面には、表裏方向に一定幅有する表面側平坦面と、表裏方向に一定幅有する裏面側平坦面と、表面側平坦面と裏面側平坦面との間に、表裏方向に一定幅を有し前記側面の長手方向に延びる側溝と、が形成されており、前記側溝は、表面側から裏面側に向けて序々に側溝の深さを深くする傾斜面と、該傾斜面の裏面側端縁で接続し、裏面側平坦面に対して直交して接続する平坦な底面とから成り、断面視で∠型に形成されており、タイルがモルタルに押されて埋め込まれる際に、タイルの裏面側からモルタルがタイルの側面に回り込み前記平坦な底面にモルタルが堆積可能な構成であることを特徴とするタイルを提供する。
【0025】
前記側溝は、平面視で縦と横の長さが異なる長方形のタイルにおける、縦方向に沿う長辺の側面、横方向に沿う短辺の側面、又は縦方向に沿う長辺の側面と横方向に沿う短辺の側面の両方に形成されていることが好ましい。
【0026】
前記タイル側面の長手方向の両端側には、それぞれ側溝の形成されていない平坦な側面部が設けられており、該両端側の平坦な側面部の間に前記側溝が延びるように形成されていることが好ましい。
【0027】
前記側溝は、正面視で台形に形成されており、該側溝の四隅の角のうちタイルの表面側の上角部は鈍角に形成され、裏面側の下角部は鋭角に形成されていることが好ましい。
【0028】
前記側溝は、タイルの側面の長手方向の全長に形成されていることが好ましい。
【0029】
前記側溝は、タイルの側面の長手方向の一部に形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0030】
本発明のタイルの側面には、表面側からの一定幅の表面側平坦面と裏面側からの一定幅の裏面側平坦面を残して、表面側平坦面と裏面側平坦面との間に、一定幅の側溝が形成されており、側溝は、表面側から裏面側に向けて序々に側溝の深さが深くなる断面視で直線的な傾斜面と、裏面側平坦面に対して直交する平坦な底面とから成り、断面視が∠型に形成されているので、次のような効果が生じる。
【0031】
(1)タイルの裏面側から側溝の底壁上に回り込んだモルタルは、底壁に係合してタイルが剥離しにくくなる。
(2)タイルの裏面側から回り込んだモルタルは、タイルをモルタル側に押し込むことで傾斜面で押して案内することにより側溝の底壁上の最深部に充填しやすくなり底壁上に十分なモルタルが行き渡ることができる。
【0032】
(3)タイルは表面側から裏面側に向けて徐々に深く形成されているから、表面側から充填する目地材料も側溝内まで充填しやすく、タイル裏面側から側溝内回り込んで充填されているモルタルとの間で空隙が発生しにくく、目地自体も剥がれにくくなる。
(4)タイルの側面において、それぞれ表面側肉厚部と裏面側肉厚部を介して側溝が形成されているので、表面側縁及び裏面側縁が脆弱となるようなことはなく、破損しにくい。
【0033】
(5)タイルの側面に形成された側溝は、その裏面側の端縁は、平坦な底面と連続しているので、外側から目視で識別しやすいので、裏面側肉厚部を必ずモルタル内に埋め込み側溝内にモルタルを回り込ませるように裏面側肉厚部の寸法を設計した場合は、裏面側の端縁は、作業者に、埋め込み深さの基準を示す手段となる。
【0034】
そのために、裏面側の端縁が目視出来るか否かで、作業者が、タイルがモルタル内に十分埋め込まれていないかいるかが判断できるので、熟練者でなくても、比較的簡単に、タイルを剥がれにくい深さで、外側から見てでこぼこ等が生じることなく均等にモルタル内埋め込んで、熟練者並みに適正にタイル張り作業が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施例1を説明する図であり、(a)はタイルの裏面を示す平面図であり、(b)はタイル側面を示す正面図であり、(c)はタイルの長手方向の端面を示す側面図であり、(d)は要部拡大図である。
【図2】本発明の実施例1の作用を説明する図であり、(a)はタイルをモルタル内に押し込んで埋め込む状態を示す図であり、(b)は目地を充填している図であり、(c)は(a)の要部を示す図であり、(d)、(e)は、タイルをモルタル内に押し込んで埋め込む状態を説明する要部拡大図である。
【図3】本発明の実施例1の作用を説明する図であり、(a)はモルタルが十分溝内まで回りこんでいない状態を示す図であり、(b)はモルタルが十分溝内まで回りこんでいる状態を示す図であり、(c)はタイルが不揃いでタイルをモルタル内に押し込まれている状態を示す図である。
【図4】本発明の実施例2を説明する図であり、(a)はタイルの裏面を示す平面図であり、(b)は(a)のB−B側面図であり、(c)はC−C断面図であり、(c)は実施例2の変形例のタイルの裏面を示す平面図である。
【図5】本発明の実施例3を説明する図であり、(a)はタイルの裏面を示す平面図であり、(b)はタイル側面を示すB−B正面図であり、(c)はタイルの長手方向の端面を示すC−C側面図であり、(d)はタイルの短辺(長辺)の側面の構成を示す拡大図である。
【図6】本発明の実施例4を説明する図であり、(a)はタイルの裏面を示す平面図であり、(b)はタイル側面の構成を示す正面図であり、(c)はタイル側面の別の構成例を示す正面図であり、(d)は(b)、(c)のD−D断面図であり、(e)は(b)、(c)のE−E断面図であり、(f)は(b)の要部拡大図であり、(g)は側溝成形型による側溝成形工程の型開きを説明する図である。
【図7】本発明の実施例5を説明する図であり、(a)はタイルの裏面を示す平面図であり、(b)はタイル側面を示す正面図であり、(c)は(b)のC−C断面図であり、(d)は(b)のD−D断面図である。
【図8】従来例のタイルの作用を説明する図であり、(a)、(b)は従来例1を示し、(c)、(d)は従来例2を示し、(e)、(f)は従来例3を示す。(a)、(c)、(e)は、従来例1〜3のタイルの溝のモルタルの充填状態を説明する図であり、(b)、(d)、(f)は従来例1〜3のタイルの溝について、外側から目視した場合の溝の裏面側端縁の識別の状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明に係るタイルを実施するための形態を実施例に基づき図面を参照して、以下説明する。
【実施例1】
【0037】
図1〜3は、本発明のタイルの実施例1を説明する図である。図1(a)は本発明のタイル1の裏面3を示し、図1(b)は本発明のタイル1の長辺の側面2を示す。図1(c)は本発明のタイル1の短辺の側面2(端面)を示す。タイル1の裏面3には、複数本の縦溝4が平行に形成されている。このタイル1は、その裏面3側が、建物の外壁面、内壁面等のような構造物の構造面(単に、構造面という)に、モルタルによって貼り付けられるものである。
【0038】
本発明のタイル1の特徴的な構成は、タイル1の側面2の構造にあり、側面2に側溝5が形成され、該側溝5が独特の構造であるという点である。実施例1のタイル1は平面視で長方形であるが、特に長方形に限らず、正方形、又はその他の形状でもよい。この実施例1では、タイル1の両側の長辺の側面2に、それぞれ側面の長手方向に向かって直線的に延びる側溝5が形成されている構成について説明する。
【0039】
タイル1の長辺の側面2は、図1(d)にその断面を拡大して示すが、表面側の縁6からの一定幅(タイルの表裏方向に一定の幅h1)の間隔の面7と、裏面側の縁9からの一定幅(タイルの表裏方向に一定の幅h2)の間隔の面8と、2つの間隔の面7、8の間に形成された側溝5とから成る。表面側の縁6からの一定幅の間隔の面7は、表面側の一定幅の平坦面となるので、本明細書では「表面側平坦面」という。裏面側の縁9からの一定幅の間隔の面8は、表面側の一定幅の平坦面となるので、本明細書では「裏面側平坦面」という。
【0040】
従って、タイル1の側面2には、表面側の縁6からの一定幅の表面側平坦面7と裏面側の縁9からの一定幅の裏面側平坦面8を残して、表面側平坦面7と裏面側平坦面8との間に、一定幅(タイルの表裏方向に一定の幅)の側溝5が側面の長手方向に向かって直線的に延びるように形成されている。
【0041】
なお、本明細書では、「側面の長手方向」とは、側面のタイル表裏方向(タイルの肉厚方向)に直交する方向であり、長方形のタイルの長辺側の側面について言えば、長辺に沿った方向であり、短辺側の側面(長方形タイルの端面)について言えば短辺に沿った方向である。実施例1では、長辺側の側面に側溝5が形成されている構成であるから、「側面の長手方向」とは、タイル1の長辺に沿った方向である。
【0042】
そして、側溝5は、図1(d)に拡大図で示すように、傾斜面10と、該傾斜面10の裏面側端縁11(側溝の最深部)で接続し、裏面側平坦面8に対して直交して接続する平坦な底面12とから成り、断面視が∠型に形成されている。ここで、傾斜面10は、表面側平坦面7の裏面側端縁13から始まり、タイル1の裏面側に向けて側溝5の深さDが序々に深くなるように、断面(側溝5の長手方向に対して直交する断面)視で直線的な面で形成されている。要するに、側溝5は、断面視で直角三角形である。
【0043】
さらに、本発明のタイル1の側面2の構成を、繰り返しとなるが、別の表現で説明する。側面2において、表面側の縁6から表裏方向に一定の幅h1の表面側平坦面7が形成され、裏面側の縁9から表裏方向に一定の幅h2の裏面側平坦面8が形成されている。表面側平坦面7と裏面側平坦面8との間に表裏方向に一定の幅h3の側溝5が形成されている。
【0044】
そして、側溝5において、表面側平坦面7の裏面側端縁13から裏面側に向けて側溝5の深さDが徐々に深くなるように断面視で直線的な傾斜面10が形成されている。傾斜面10の裏面側端縁11が、側溝5の最深部15となっている。この傾斜面10の裏面側端縁11と裏面側平坦面8の表面側の端縁14とを結ぶように、裏面側平坦面8に直交する平坦な底面12が形成されている。
【0045】
タイル1の厚さh、表面側平坦面7の幅h1、裏面側平坦面8の幅h2、側溝5の幅h3、最深部15の深さd(底面12の幅)及び側溝5の角度αは、互いに関連して設計されるべきものである。表面側平坦面7及び裏面側平坦面8は、それぞれ、タイル1の搬送、施工の際の通常の取り扱いにおいて、破損しにくい程度の幅寸法(肉厚寸法)が必要である。詳細は後記するが、特に、裏面側平坦面8は、タイル1がモルタル20内に埋め込まれた時、モルタル20がタイル1の裏面3から側溝5内に回り込んで充填される必要があるので、この点も考慮されなくてはならない。
【0046】
側溝5の最深部15の深さdは、裏面側から回り込んでくるモルタル20が充填されるような深さである必要がある。傾斜面10と底面12とが交わる側溝5の角度αは、側溝5の長手方向全域にわたって一定であり、表面側平坦面7及び裏面側平坦面8が側面2に残されることを考慮して設計されるべきである。例えば、50°〜70°の範囲である。
【0047】
タイル1は、形状、大きさ(横縦寸法)、厚さ等において、いろいろな種類はあるが、ここで、ごく普通使用されるタイルの一例を挙げて説明する。通常、建物の外壁建材として使用される長方形のタイル1は、例えば、厚さが7mm程度である。仮に、タイル1の厚さが7mmとした場合の設計例としては、表面側平坦面7 及び裏面側平坦面8の寸法は、それぞれ2mmであり、側溝5幅が3mmであり、側溝5角度αが60°とした場合、傾斜面10の長さが3.46mmで側溝5の最深部15の深さ(底面の幅)さが1.73mmとなる。
【0048】
(作用)
以上の構成から成るタイル1の作用について図2及び図3を中心として説明する。タイル1を建物のコンクリートの外壁21に貼り付ける場合は、まず、コンクリートの外壁21の表面にモルタル20を塗布する。そして、図2(a)、(c)に示すように、モルタル20の表面にタイル1を当接して、モルタル20内に押しつけるように埋め込んで接着する。その後、図2(b)に示すように、タイル1の表面側から、タイル1間の隙間22内に目地材を塗り込んで目地23を形成する。
【0049】
タイル1をモルタル20内に押し込むようにして埋め込むと、モルタル20は、図2(d)に示すように、底面12を超えて側溝5内に回り込む。そして、モルタル20は側溝5の底面12上に堆積する。この際、底面12を超えて側溝5内に回り込むモルタル20は、傾斜面10に押され且つ案内され底面12上で、側溝5の最深部15に向けて案内されて充填される。従って、モルタル20は、図2(e)に示すように、側溝5の最深部15まで奥深く充填された状態で、平坦な側溝5の底面12上に堆積される。
【0050】
図2(c)に示すように、モルタル20内へのタイル1の埋め込み深さS(モルタル20内にタイル1が入る深さ)は、タイル1の種類や厚さによって異なる。本発明では、タイル1の厚さ等を考慮して設定された埋め込む深さSとなるように、当該タイルを埋め込むと、図2(c)、(e)に示すように、底面12上にモルタル20がほぼ一様の厚みpで堆積される状態となる必要がある。
【0051】
逆に言うと、本発明では、タイル1の厚さ等を考慮して設定された埋め込む深さSとなるように、当該タイル1を埋め込むと、図2(c)、(e)に示すように、底面12上にモルタル20が、ほぼ一様厚みpで堆積される状態となるように、裏面側平坦面8の幅h2が設計されるべきであり、また、関連して表面側平坦面7の幅h1及び側溝4の幅h3、深さd等が設計されるべきである(h1〜h3については、図1(d)参照)。
【0052】
一例を挙げると、タイル1の厚さが7mmで、裏面側平坦面8の寸法は2mmの場合、タイル1の埋め込み深さSを3mmに設定すると、上記のとおり、タイル1をモルタル20内に押し込むようにして埋め込むと、モルタル20は、底面12を越えて側溝5内に回り込んで充填され、底面12上に1mmの厚さで堆積される。
【0053】
以上のとおり、本発明のタイル1においては、タイル1の裏面側から側溝5内に回り込むモルタル20は、傾斜面10に案内され、側溝5の最深部15まで充填され、側溝5の底面12上にほぼ一様の厚みで最奥部まで堆積される。この結果、本発明のタイル1では、モルタル20が底面12上に、従来例に較べてより大きな面積でもって堆積される貼り付け構造が得られる。このような貼り付け構造では、タイル1が剥離しようとする力F(図2(e)参照)に対して、従来例に比較して、明らかにより大きな抵抗力が発生する。従って、本発明のタイル1は、外壁21の面から剥離しにくいという格別顕著な効果が生じる。
【0054】
また、本発明のタイル1は、表面側から裏面側に向けて徐々に深く形成されているから、表面側から隙間22内に供給されて充填される目地材料も、側溝5内の比較的隅々まで導入されやすく、且つより多くの量が充填され、タイル1裏面側から側溝5内に回り込んで充填されているモルタル20との間で空隙が発生しにくくなり、目地23自体も剥がれにくくなるとともに、雨水の浸入等についても防水性が向上する。
【0055】
本発明者は、本発明のタイル1は、その貼り付けに際して、タイル1をモルタル20内に押し込み、側溝2の裏面側端縁16(図1(d)参照、裏面側平坦面8の表面側の端縁14でもある)が、モルタル20によって見えなくなれば、モルタル20が側溝5内に回り込んで底面12上にほぼ堆積され、十分な埋め込み深さであると推察できる、という画期的な知見を得た。
【0056】
この知見から、本発明者は、側溝5(特に、裏面側端縁16及び底面12)は、貼り付け作業中又は貼り付け作業後に作業者又は監督者が適正な埋め込み深さであるか否か判断する基準を提供する手段としてきわめて有用であるというきわめてユニークなアイデアを想到した。
【0057】
この場合、タイル1の表面側から見て、側溝5の裏面側端縁16が明確に識別できることが好ましく、また底面12が良く見えることが好ましい。本発明のタイル1では、側溝5の裏面側端縁16は、平坦な底面12の縁(底面12が裏面側平坦面8と接続する縁)でもある。
【0058】
このことは、タイルのモールド内への貼り付け作業中又は貼り付け作業後に、図3(a)に示すように、表面側から隙間22を通して目視した場合に、平坦な底面12は、視線とは略直交する構造であり、しかも側溝5は表面側から裏面側に向けて深くなるようにあたかも拡開して形成されているから、従来例(図8参照)の溝の内面に較べると、より見えやく、従って、側溝5の裏面側端縁16もより識別しやすい。特に、隙間22の正面ではなく、若干斜めから目視した場合(図3(a)の想像線参照)は、より平坦な底面12が見えやすく、側溝5の裏面側端縁16が明確に識別しやすい。
【0059】
従って、図3(a)に示すように、隣接する2つタイル1、1’の2つの側溝5の裏面側端縁16、底面12を目視できれば、モルタル20が2つタイル1、1’の側溝5内に回り込むまで、2つタイル1、1’がモルタル20内に十分に埋め込まれていないことが簡単に判断できる。また、図3(b)に示すように、隣接する2つタイル1、1’の2つの側溝5の両方について同時に、裏面側端縁16、底面12が目視できなければ、2つタイル1、1’が、十分モルタル20内に埋め込まれ、底面12を越えて、側溝5内にモルタル20が回り込んで、底面12上に堆積されていることが簡単に判断できる。
【0060】
さらに、図3(c)に示すように、隣接する2つタイル1、1’のうち、1つのタイル1の側溝5の裏面側端縁16、底面12が目視でき、他のタイル1’の側溝5の裏面側端縁16、底面12が目視できなければ、2つタイル1、1’が互いに不揃いの状態で埋め込まれていることが簡単に判断できる。
【0061】
このようにして、識別しやすい側溝5の裏面側端縁16の可視又は不可視によって、埋め込み状態が簡単に判断できる。従って、熟練作業者でなくても、比較的簡単に、タイル1を、剥がれにくい深さで、しかも外側から見てでこぼこ等の不揃いが生じることなく均等にモルタル20内に埋め込んで貼り付けることができる。
【0062】
本発明のタイル1は、その側面2には、表面側平坦面7及び裏面側平坦面8が形成されており、側溝5は表面側平坦面7と裏面側平坦面8の間に形成されているから、側溝5を設けたことに起因してタイル1の表面側の縁6や裏面側の縁9、或いは側溝5の表裏面側端縁16が脆弱となったりすることはなく、破損しにくい。
【実施例2】
【0063】
図4は、本発明のタイルの実施例2を説明する図である。実施例2のタイル31は、実施例1のタイル1とほぼ同じであるが、次の構成で異なる。即ち、実施例2のタイル31は、その裏面32に実施例1と同様に複数の縦溝33が形成されているが、図4(a)、(c)に示すように、これらの複数本の縦溝33を互いに横断的に連通して結ぶ横溝34が形成されている。
【0064】
さらに、図4(d)に示すタイル35は、図4に示す構成に加えて、縦溝33と連通し、タイル35の側方に開口する開口横溝36が形成されている構成である。この開口横溝36は、タイル35の側方へ開口することで、縦溝33及び横溝34内のモルタル及び空気の流動を良くしてモルタルが、縦溝33及び横溝34内に均等に充填されるようにする機能を有する。
【0065】
なお、実施例2のタイル31の側面2は、図4(b)、(c)に示すように実施例1と全く同じ構造であり、表面側平坦面7、裏面側平坦面8及び側溝5が形成されている。この側溝5は、実施例1と全く同じ構成である。側溝5に加えて上記縦溝33、横溝34及び開口溝36等を設けることで、モルタルによるタイルの接着がより強度になる。
【実施例3】
【0066】
図5は、本発明のタイルの実施例3を説明する図である。実施例1で詳細に説明した本発明の側溝5は、実施例1のように、長方形のタイルにおける、縦方向に沿う長辺の側面に形成される構成でなくてもよい。例えば、側溝5は、横方向に沿う短辺の側面に形成される構成であってもよい。又は側溝5は、縦方向に沿う長辺の側面と横方向に沿う短辺の側面に形成される構成であってもよい。
【0067】
実施例3のタイル41は、実施例1のタイル1とほぼ同じ構成であるが、側面2の側溝5を、図5(b)、(c)に示すようにタイルの長方形のタイルの長辺の側面2だけでなく、短辺の側面42にも実施例1と同様に、表面側平坦面7と裏面側平坦面8との間に同じ構造の側溝5が形成されている。要するに、実施例3のタイル41では、タイル41の周囲の側面2、42の全てに、図5(d)に示すように、実施例1と同じ側溝5が形成されている。
【実施例4】
【0068】
図6は、本発明のタイルの実施例4を説明する図である。実施例4のタイル51は、実施例1のタイル1とほぼ同じ構成であるが、側溝5は、図6(a)〜(c)に示すように側面2の全長ではなく一部に形成されている。この実施例4では、側溝5は、側面2の長手方の両端側(図中左右両側)には、それぞれ側溝5の形成されていない平坦な側面部52が適宜長さで設けられている。
【0069】
図6(b)に示すように、側溝5は、正面視で細長い台形形状となっている。即ち、側溝5の長手方向の両端において、正面視における側溝5の角部が直角ではなく、図6(f)に示すように、側溝5のタイルの表面側の上角部αが鈍角に形成され、タイルの裏面側の下角部βが鋭角に形成されている。図6(c)は、側溝5の正面視から見た別の形状の構成例を示し、正面視で細長い長方形の形状となっている。
【0070】
図6(b)、(c)のいずれの側溝5についても、タイル51の側面2の長手方向の中央を中心として、タイル1の両端までに達しないで所定の長さに延びるように形成されている。側溝5の断面(図6(b)のD−D断面)の構成は、図6(d)に示すように、実施例1と同じである。また、側溝5が形成されていない部分の断面(図6(b)のE−E断面)の構成は、図6(e)に示すとおりである。
【0071】
ところで、タイルの製造では、一般的にタイルの角部等は型抜きする際に他の箇所に比べると欠けやすい。実施例1のタイル1のように、側溝5がタイル1の端面まで延びて形成されている場合は、側溝5とタイル1の両端の側溝5の角部5’(図1(a)、(b)参照)及びその近辺において側溝5の一部が欠けた構造となる可能性が懸念される。
【0072】
しかし、この実施例4のタイル51では、タイル51の両端までは側溝5は形成されておらず、両側に平坦な側面部52を設けたので、側溝5とタイル1の両端の側溝5の角部5’及びその近辺で、側溝5が欠けた構造となる可能性が少なくなる。
【0073】
なお、この実施例4の図6(b)、(f)に示すタイル51の側溝5は、側溝5の長手方向の両端において、側溝5の角部が直角ではなく、タイル51の表面側の側溝5の上角部αが鈍角に形成され、タイル51の裏面側の側溝5の下角部βが鋭角に形成されている。本発明者は、このような側溝5の構造とすると、タイル51の製造工程中、側溝5の長手方向の両端部の上下角部α、β及びその近辺で欠けるようなことが少なくなるという、画期的な知見を得た。そのメカニズム(作用機序)は次のように考えられる。
【0074】
即ち、本発明では、タイル51の側溝5は、図6(g)にタイル51の片側の側面の成形工程だけを示すが、タイル51の両側方から一対の上開きする開閉可能な側溝成形型53により形成する。側溝5を形成後、型抜き工程で側溝成形型53が上開きする際に、まずタイル51の側面から側溝成形型53の側溝形成上縁54が離れる。通常、成形型を成形体から型抜きする場合、鋭角部分は形状が微細であるから欠けやすく、鈍角部分は欠けにくい。このことからして、側溝5の上角部αが直角より鈍角である方が、型抜き中、側溝5の長手方向の両端の上角部α及びその近辺が欠けにくい。
【0075】
この実施例4のタイル51は、側溝5の長手方向の両端の上角部αは鈍角に形成され(当然開閉可能な側溝成形型53の側溝形成部の形状も上記台形形状の側溝の構成となるような構成である)ているので、型抜き中、側溝5の上角部α及びその近辺が欠けにくくなる。なお、側溝5の下角部βは鋭角に形成されているが、開閉可能な側溝成形型53は上開きであるから、側溝5の下角部βから型抜きされる際には、ある程度型抜きが進んでいるので、欠けやすいという問題も少なくなる。
【実施例5】
【0076】
図7は、本発明のタイルの実施例5を説明する図である。実施例5のタイル58は、実施例4のタイル51と同様に、側面2の長手方向全長ではなく一部に形成されている。しかし、実施例5の側溝5は、図7(a)、(b)に示すように、側面2の4箇所に長手方向に間隔をおいて、表面側平坦面7と裏面側平坦面8との間に側溝5が形成されている。側溝5の構成は、図7(c)に示すように、実施例1と同じである。なお、側溝5の形成されていない平坦な側面部59は、図7(d)に示すように平坦な面に形成されている。
【0077】
以上、本発明に係るタイルを実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明に係るタイルは上記のような構成であるから、建物の外壁に貼り付ける外壁用タイル、台所、浴室等の室内壁用タイル、その他床タイル等、各種の分野のタイルに適用可能である。
【符号の説明】
【0079】
(実施例1)
1、1’タイル
2 側面
3 タイルの裏面
4 タイル裏面の縦溝
5 側溝
6 表面側の縁
7 表面側平坦面
8 裏面側平坦面
9 裏面側の縁
10 傾斜面
11 傾斜面の裏面側端縁
12 溝の底面
13 表面側平坦面の裏面側端縁
14 裏面側平坦面の表面側端縁
15 側溝の最深部
16 側溝の裏面側端縁
20 モルタル
21 外壁
22 タイル間の隙間
23 目地
(実施例2)
31 タイル
32 裏面
33 縦溝
34 横溝
35 変形例のタイル
36 開口横溝
(実施例3)
41 タイル
42 短辺の側面
(実施例4)
51 タイル
52 平坦な側面部
53 側溝成形型
54 側溝成形型の側溝形成上縁
α 側溝の上角部
β 側溝の下角部
(実施例5)
58 タイル
59 平坦な側面部
(従来例1)
61 タイル
62 湾曲状の溝
63 モルタル
64 接着部分
68 溝の裏面側端縁
(従来例2)
65 タイル
66 溝
67 目地材
69 溝の底面
70 溝の裏面側端縁
(従来例3)
71 タイル
72 溝
73 傾斜面
74 溝の裏面側端縁
75 頂面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
モルタルによって裏面側が構造面に貼り付けられるタイルであって、
タイルの側面には、表裏方向に一定幅有する表面側平坦面と、表裏方向に一定幅有する裏面側平坦面と、表面側平坦面と裏面側平坦面との間に、表裏方向に一定幅を有し前記側面の長手方向に延びる側溝と、が形成されており、
前記側溝は、表面側から裏面側に向けて序々に側溝の深さを深くする傾斜面と、該傾斜面の裏面側端縁で接続し、裏面側平坦面に対して直交して接続する平坦な底面とから成り、断面視で∠型に形成されており、
タイルがモルタルに押されて埋め込まれる際に、タイルの裏面側からモルタルがタイルの側面に回り込み前記平坦な底面にモルタルが堆積可能な構成であることを特徴とするタイル。
【請求項2】
前記側溝は、平面視で縦と横の長さが異なる長方形のタイルにおける、縦方向に沿う長辺の側面、横方向に沿う短辺の側面、又は縦方向に沿う長辺の側面と横方向に沿う短辺の側面の両方に形成されていることを特徴とする請求項1記載のタイル。
【請求項3】
前記タイル側面の長手方向の両端側には、それぞれ側溝の形成されていない平坦な側面部が設けられており、該両端側の平坦な側面部の間に前記側溝が延びるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のタイル。
【請求項4】
前記側溝は、正面視で台形に形成されており、該側溝の四隅の角のうちタイルの表面側の上角部は鈍角に形成され、裏面側の下角部は鋭角に形成されていることを特徴とする請求項3記載のタイル。
【請求項5】
前記側溝は、タイルの側面の長手方向の全長に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のタイル。
【請求項6】
前記側溝は、タイルの側面の長手方向の一部に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のタイル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−63932(P2011−63932A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−212762(P2009−212762)
【出願日】平成21年9月15日(2009.9.15)
【出願人】(508205268)有限会社ミトモ (5)
【Fターム(参考)】