タグラベル作成装置及びタグラベル作成システム
【課題】通信プロトコルが未知の無線タグ回路素子に対し通信を行う場合であっても、確実に通信を行えるようにする。
【解決手段】基材テープ101に配置された無線タグ回路素子Toのアンテナ152との間で無線通信により送受信を行うアンテナ14と、基材テープ101を繰り出すための駆動軸11と、IC回路部151の情報にアクセスするアクセス情報を生成する信号処理回路22と、このアクセス情報をアンテナ14を介して送信し、IC回路部151の情報へのアクセスを行う高周波回路送信部32とを有し、制御回路30は、使用履歴情報に基づき、送信部32による送信に使用するための通信プロトコルを決定する。
【解決手段】基材テープ101に配置された無線タグ回路素子Toのアンテナ152との間で無線通信により送受信を行うアンテナ14と、基材テープ101を繰り出すための駆動軸11と、IC回路部151の情報にアクセスするアクセス情報を生成する信号処理回路22と、このアクセス情報をアンテナ14を介して送信し、IC回路部151の情報へのアクセスを行う高周波回路送信部32とを有し、制御回路30は、使用履歴情報に基づき、送信部32による送信に使用するための通信プロトコルを決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部と情報の無線通信が可能な無線タグに対し情報の読み取り又は書き込みを行い、無線タグラベルを作成するタグラベル作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio
Frequency Identification)システムが知られている。
【0003】
例えばラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
【0004】
この無線タグとの無線通信に関し、種々の通信プロトコルが既に提唱されており、各無線タグの用途に応じて多種多様な通信プロトコルがそれぞれ使用されている。これに対応し、従来、複数種類の通信プロトコルに対応可能とした通信装置が記載されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2001−291079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術の通信装置は、複数種類の通信プロトコルに対応可能としたマルチプロトコル対応型ではあるが、通信対象の無線タグ回路素子に合致した通信プロトコルが未知の場合、どのようにして当該通信プロトコルを特定するかについては特に配慮されていなかった。このため、このような場合には当該無線タグ回路素子との通信が困難となる可能性があった。
【0007】
本発明の目的は、通信プロトコルが未知の無線タグ回路素子に対し通信を行う場合であっても、確実に通信を行えるタグラベル作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明は、タグテープに配置され、所定の情報を記憶するIC回路部及びこのIC回路部に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナを有する無線タグ回路素子の前記タグ側アンテナとの間で無線通信により送受信を行う装置側アンテナと、前記タグテープを繰り出すための駆動手段と、前記IC回路部の情報にアクセスするアクセス情報を生成するアクセス情報生成手段と、このアクセス情報生成手段で生成した前記アクセス情報を、前記装置側アンテナを介して非接触で前記タグ側アンテナに送信し、前記IC回路部の情報へのアクセスを行う情報送信手段と、第1記憶手段に記憶された前記タグテープに関する使用履歴情報を取得する使用履歴情報取得手段と、この使用履歴情報取得手段で取得した前記使用履歴情報に基づき、前記情報送信手段による前記タグ側アンテナへの送信に使用するための通信プロトコルを決定するプロトコル決定手段とを有することを特徴とする。
【0009】
本願第1発明においては、情報送信手段がIC回路部の情報へのアクセスに使用するための通信プロトコルを、プロトコル決定手段が、(例えば装置外部に設けた)第1記憶手段に記憶され使用履歴情報取得手段で取得された使用履歴情報に基づいて決定する。これにより、通信プロトコルが未知の無線タグ回路素子に対し通信を行い上記IC回路部の情報へのアクセスを行う場合であっても、それまでの過去の実際の使用頻度等の使用履歴情報に応じ当該無線タグ回路素子に合致した通信プロトコルを決定し、確実に通信を行うことができる。
【0010】
第2の発明は、上記第1発明において、前記使用履歴情報を記憶保持した第2記憶手段を有することを特徴とする。
【0011】
これにより、装置側に設けた第2記憶手段内の使用履歴情報を参照して、その使用履歴情報に応じプロトコル決定手段が当該無線タグ回路素子に合致した通信プロトコルを決定し、確実に通信を行うことができる。
【0012】
第3の発明は、第1又は第2発明において、前記アクセス実行後、これに応じて前記第1又は第2記憶手段へ情報書き込みを行い前記使用履歴情報を更新する書き込み手段を有することを特徴とする。
【0013】
これにより、プロトコル決定手段で決定した通信プロトコルでアクセスを実行するごとに、当該アクセスにおける通信プロトコルの使用実績を新たな使用履歴として積み上げ、使用履歴情報を最新のものとすることができる。
【0014】
第4の発明は、第3の発明において、前記IC回路部へのアクセスが成功した場合に、前記第1又は第2記憶手段へ情報書き込みを行い前記使用履歴情報を更新することを特徴とする。
【0015】
これにより、アクセスが失敗したときには使用履歴としてカウントせず、アクセス成功した場合のみを正確に使用履歴情報として積み上げることができる。
【0016】
第5の発明は、第1乃至第4発明のいずれか1つにおいて、前記第1又は第2記憶手段は、前記タグテープに関する複数の第1情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとするタグテープの前記第1情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とする。
【0017】
これにより、第1又は第2記憶手段に記憶された使用履歴情報のうち、通信しようとする無線タグ回路素子の設けられたタグテープの第1情報に対応した使用履歴情報を参照することで、プロトコル決定手段が当該無線タグ回路素子に合致した通信プロトコルを決定することができ、確実に通信を行うことができる。
【0018】
第6の発明は、第5発明において、前記第1情報として前記タグテープの幅を検出する検出手段を有し、前記第1又は第2記憶手段は、複数の前記タグテープの幅の値に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、前記プロトコル決定手段は、前記検出手段で検出された前記タグテープの幅に対応する前記使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とする。
【0019】
これにより、タグテープの幅を検出手段が検出し、プロトコル決定手段は、第1又は第2記憶手段に記憶された使用履歴情報のうち上記検出されたタグテープの幅に対応した使用履歴情報を参照することで、当該無線タグ回路素子に合致した通信プロトコルを決定することができ、確実に通信を行うことができる。
【0020】
第7の発明は、第2又は第3発明において、前記第1又は第2記憶手段は、操作者に関する複数の第2情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとする操作者の前記第2情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とする。
【0021】
これにより、第1又は第2記憶手段に記憶された使用履歴情報のうち、タグラベル作成装置を使用する操作者の第2情報に対応した使用履歴情報を参照することで、プロトコル決定手段が当該操作者により通常用いられる通信プロトコルを決定することができ、確実に通信を行うことができる。
【0022】
第8の発明は、第2又は第3発明において、前記タグテープに印字を行う印字手段を有し、前記第1又は第2記憶手段は、前記印字手段による前記印字内容に関する複数の第3情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとする際の印字に関わる前記第3情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とする。
【0023】
これにより、第1又は第2記憶手段に記憶された使用履歴情報のうち、通信時のタグテープへの印字内容に関する第3情報に対応した使用履歴情報を参照することで、プロトコル決定手段が当該印字内容にて通常用いられる通信プロトコルを決定することができ、確実に通信を行うことができる。
【0024】
第9の発明は、第1乃至第8発明のいずれか1つにおいて、前記プロトコル決定手段は、前記使用履歴情報に基づき、複数の前記通信プロトコルの使用順序を決定することを特徴とする。
【0025】
これにより、タグラベル作成装置側において複数の通信プロトコルが使用可能とされている場合、プロトコル決定手段が使用履歴情報に基づきその使用順序を決定することにより、複数プロトコルのうち通信対象の無線タグ回路素子に合致したプロトコルを効率よく迅速に見つけ出し使用することができる。
【0026】
第10の発明は、第9発明において、前記アクセス実行後、前記IC回路部へのアクセスが成功したか否かの判定を行う判定手段を有し、前記情報送信手段は、前記プロトコル決定手段で決定された複数の通信プロトコルの使用順序と前記判定手段でのアクセス成否の判定結果とに応じ、前記通信プロトコルを切り替えて前記アクセスを行うことを特徴とする。
【0027】
これにより、通信対象の無線タグ回路素子へのアクセスを試行するとき、プロトコル決定手段で決定された複数の通信プロトコルの使用順序に沿いつつ、アクセス成否に応じて順次通信プロトコルを切り替えながらアクセス試行を繰り返すことで、当該無線タグ回路素子に合致したプロトコルを確実に見つけ出し使用することができる。
【0028】
上記目的を達成するために、第11の発明のタグラベル作成システムは、タグテープに配置され、所定の情報を記憶するIC回路部及びこのIC回路部に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナを有する無線タグ回路素子の前記タグ側アンテナとの間で無線通信により送受信を行う装置側アンテナ、前記タグテープを繰り出すための駆動手段、前記IC回路部の情報にアクセスするアクセス情報を生成するアクセス情報生成手段、このアクセス情報生成手段で生成した前記アクセス情報を、前記装置側アンテナを介して非接触で前記タグ側アンテナに送信し、前記IC回路部の情報へのアクセスを行う情報送信手段、及び前記タグテープに関する使用履歴情報に基づき、前記情報送信手段による前記タグ側アンテナへの送信に使用するための通信プロトコルを決定するプロトコル決定手段を有するタグラベル作成装置と、前記使用履歴情報を記憶保持するデータベースとを有することを特徴とする。
【0029】
本願第11発明においては、タグラベル作成装置の情報送信手段がIC回路部の情報へのアクセスに使用するための通信プロトコルを、プロトコル決定手段がデータベースのタグテープに関する使用履歴情報に基づいて決定する。これにより、通信プロトコルが未知の無線タグ回路素子に対し通信を行い上記IC回路部の情報へのアクセスを行う場合であっても、それまでの過去の実際の使用頻度等の使用履歴情報に応じ当該無線タグ回路素子に合致した通信プロトコルを決定し、確実に通信を行うことができる。
【0030】
第12の発明は、第11発明において、前記タグラベル作成装置を操作するための操作端末をさらに有することを特徴とする。
【0031】
これにより、操作端末を介した操作により、タグラベル作成装置を操作することができる。
【0032】
第13の発明は、第11又は第12発明において、前記タグラベル作成装置は、前記アクセス実行後、これに応じて前記データベースへ情報書き込みを行い前記使用履歴情報を更新する書き込み手段を有することを特徴とする。
【0033】
これにより、タグラベル作成装置のプロトコル決定手段で決定した通信プロトコルでアクセスを実行するごとに、当該アクセスにおける通信プロトコルの使用実績を新たな使用履歴としてデータベースに積み上げ、使用履歴情報を最新のものとすることができる。
【0034】
第14の発明は、第13発明において、前記タグラベル作成装置の前記書き込み手段は、前記IC回路部へのアクセスが成功した場合に、前記データベースに情報書き込みを行い前記使用履歴情報を更新することを特徴とする。
【0035】
これにより、アクセスが失敗したときには使用履歴としてカウントせず、アクセス成功した場合のみを正確に使用履歴情報として積み上げることができる。
【0036】
第15の発明は、第11乃至第14発明のいずれか1つにおいて、前記データベースは、前記タグテープに関する複数の第1情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、前記タグラベル作成装置の前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとするタグテープの前記第1情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とする。
【0037】
これにより、タグラベル作成装置側では、データベースに記憶された使用履歴情報のうち、通信しようとする無線タグ回路素子の設けられたタグテープの第1情報に対応した使用履歴情報を参照することで、プロトコル決定手段が当該無線タグ回路素子に合致した通信プロトコルを決定することができ、確実に通信を行うことができる。
【0038】
第16の発明は、第11乃至第14発明のいずれか1つにおいて、前記データベースは、前記タグラベル作成装置の操作者に関する複数の第2情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、前記タグラベル作成装置の前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとする操作者の前記第2情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とする。
【0039】
これにより、タグラベル作成装置側では、データベースに記憶された使用履歴情報のうち、装置操作者の第2情報に対応した使用履歴情報を参照することで、プロトコル決定手段が当該操作者により通常用いられる通信プロトコルを決定することができ、確実に通信を行うことができる。
【0040】
第17の発明は、第11乃至第14発明のいずれか1つにおいて、前記タグラベル作成装置は、前記タグテープに印字を行う印字手段を有し、前記データベースは、前記印字手段による前記印字内容に関する複数の第3情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、前記タグラベル作成装置の前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとする際の印字に関わる前記第3情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とする。
【0041】
これにより、タグラベル作成装置側では、データベースに記憶された使用履歴情報のうち、タグテープへの印字内容に関する第3情報に対応した使用履歴情報を参照することで、プロトコル決定手段が当該印字内容にて通常用いられる通信プロトコルを決定することができ、確実に通信を行うことができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、アクセス時の通信プロトコルが使用履歴情報に基づいて決定されるので、通信プロトコルが未知の無線タグ回路素子に対し通信を行う場合であっても、確実に通信を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。本実施形態は本発明を無線タグの生成システムに適用した場合の実施形態である。
【0044】
図1は、本実施形態のタグラベル作成装置が適用される無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
【0045】
図1に示すこの無線タグ生成システム1において、タグラベル作成装置(無線タグ情報通信装置)2は、有線あるいは無線による通信回線3を介してルートサーバ4、タグラベル作成装置2を操作するための端末(操作端末)5、及び情報サーバ7に接続されて、(例えば広域の)ネットワークを構築している。
【0046】
図2は、上記タグラベル作成装置2の詳細構造を表す概念的構成図である。
【0047】
図2において、タグラベル作成装置2の装置本体8には、凹所としてのカートリッジホルダ部(図示せず)が設けられ、このカートリッジホルダ部にカートリッジ100が着脱可能に取り付けられている。
【0048】
装置本体8は、カートリッジ100を嵌合させる上記カートリッジホルダ部を備えるとともに外郭を構成する筐体9と、カバーフィルム103(後述の図4参照)に所定の印字(印刷)を行う印字手段としての印字ヘッド(サーマルヘッド)10と、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボンを駆動するリボン巻取りローラ駆動軸11と、印字済みタグラベル用テープ110をカートリッジ本体100から繰り出すためのテープ送りローラ駆動軸(駆動手段)12と、印字済タグラベル用テープ110に備えられる無線タグ回路素子To(詳細は後述)との間でUHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の授受を行うアンテナ(装置側アンテナ)14と、上記印字済タグラベル用テープ110を所定のタイミングで所定の長さに切断しラベル状の無線タグラベルTを生成するカッタ15と、上記無線通信による信号授受時において無線タグ回路素子Toをアンテナ14に対向する所定のアクセスエリアに設定保持するとともに切断後の各無線タグラベルTを案内するための一対の上記搬送ガイド13と、その案内された無線タグラベルTを搬出口(排出口)16へと搬送し送出する送出ローラ17と、搬出口16における無線タグラベルTの有無を検出する排出センサ18とを有している。
【0049】
一方、装置本体8はまた、上記アンテナ14を介し上記無線タグ回路素子Toへアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための高周波回路21と、後述するように対応する複数のプロトコルのうち制御回路30により設定されたプロトコルに基づいて、無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理するための信号処理回路22と、前述したリボン巻取りローラ駆動軸11及びテープ送りローラ駆動軸12を駆動するカートリッジ用モータ23と、このカートリッジ用モータ23の駆動を制御するカートリッジ駆動回路24と、上記印字ヘッド10への通電を制御する印刷駆動回路25と、上記カッタ15を駆動して切断動作を行わせるソレノイド26と、そのソレノイド26を制御するソレノイド駆動回路27と、上記送出ローラ17を駆動する送出ローラ用モータ28と、この送出ローラ用モータ28を制御する送出ローラ駆動回路29と、筐体9に設けた蓋(図示せず)の開閉状態を検出する蓋開閉検出センサ19と、カートリッジ100に設けた被検出部190(詳細は後述)に備えられたタグ属性パラメータ情報(この例ではテープ幅情報)を検出するセンサ20(検出手段)と、上記高周波回路21、信号処理回路22、カートリッジ駆動回路24、印刷駆動回路25、ソレノイド駆動回路27、送出ローラ駆動回路29等を介し、タグラベル作成装置2全体の動作を制御するための制御回路30とを有する。
【0050】
制御回路30は、いわゆるマイクロコンピュータであり、図3にその構成を示すように、中央演算処理装置であるCPU30A、ROM30B、RAM30C、信号処理回路22及び高周波回路21との信号送受を行う回路制御部30D等から構成され、RAM30Cの一時記憶機能を利用しつつROM30Bに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。またこの制御回路30は、通信回路31を介し例えば通信回線3に接続され、この通信回線3に接続された前述のルートサーバ4、他の端末5、汎用コンピュータ6、及び情報サーバ7等との間で情報のやりとりが可能となっている。また、後述するように第2記憶手段としての不揮発性メモリ(Flash
ROM)30Eを備えても良い。
なお、ルートサーバ4、他の端末5、汎用コンピュータ6、及び情報サーバ7についてもCPU、ROM、及びRAM等から構成されている。また情報サーバ7はその内部(又は外部に接続されていてもよい)に使用履歴情報を格納保持するデータベースを備えている(詳細は後述)。
【0051】
図4は、上記タグラベル作成装置2に備えられた本実施形態によるカートリッジ100の詳細構造を表す側面図である。
【0052】
この図4において、カートリッジ100は、帯状の基材テープ(タグテープ)101が巻回された第1ロール102と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム103が巻回された第2ロール104と、インクリボン105を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のインクリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ印字済タグラベル用テープ110としつつ矢印Aで示す方向にテープ送りをするテープ送りローラ107とを有している。
【0053】
第1ロール102は、リール部材102aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが例えば等間隔で順次形成された上記基材テープ101を巻回しており、第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。
【0054】
リボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ107は、それぞれカートリッジ100外に設けた例えばパルスモータであるカートリッジ用モータ23(前述の図2参照)の駆動力が上記リボン巻取りローラ駆動軸11及び上記テープ送りローラ駆動軸12に伝達されることによって回転駆動される。
【0055】
第1ロール102に巻回される基材テープ101は、この例では4層構造となっており(図4中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図4中右側)よりその反対側(図4中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b、適宜の粘着材からなる粘着層101c、剥離紙101dの順序で積層され構成されている。
【0056】
ベースフィルム101bの裏側(図4中左側)には、情報の送受信を行うアンテナ(タグ側アンテナ)152が一体的に設けられており、これに接続するように情報を記憶するIC回路部151が形成され、これらによって無線タグ回路素子Toが構成されている(詳細構造は後述)。
【0057】
ベースフィルム101bの表側(図4中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図4中左側)には、無線タグ回路素子Toを内包するように設けた上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。なお、この剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
【0058】
第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されたリボン供給側ロール111及びリボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド10に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
【0059】
上記構成において、カートリッジ100が上記装置本体8に装着され、プラテンローラ108及びサブローラ109を有するローラホルダ(図示せず)が離反位置から当接位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド10とプラテンローラ108との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103がテープ送りローラ107とサブローラ109との間に狭持される。そして、カートリッジ用モータ23の駆動力によってリボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ107が矢印Bで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸12とサブローラ109及びプラテンローラ108はギヤ(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸12の駆動に伴いテープ送りローラ107、サブローラ109、及びプラテンローラ108が回転し、第1ロール102から4層構造の基材テープ101が繰り出される。
【0060】
一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、上記印刷駆動回路25により印字ヘッド10の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面(=粘着層101a側の面)に所定の文字、記号、バーコード等の印字R(後述の図8(a)参照)が印刷(但し裏面から印刷するので印刷側から見て鏡面対称の文字等を印刷している)される。そして、上記4層構造の基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ107及びサブローラ109により接着されて一体化され、印字済タグラベル用テープ110として形成され、カートリッジ100外へと搬出される。なお、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸11の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
【0061】
図5は、上記高周波回路21の詳細機能を表す機能ブロック図である。この図5において、高周波回路21は、アンテナ14を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部32と、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信部33と、送受分離器34とから構成される。
【0062】
送信部32は、無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報にアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための搬送波を発生させる水晶振動子35、PLL(Phase
Locked Loop)36、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)37と、上記信号処理回路22から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では信号処理回路22からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路38(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路38により変調された変調波を、制御回路30からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定し増幅する可変送信アンプ39とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、好適にはUHF帯の周波数を用いており、上記送信アンプ39の出力は、送受分離器34を介してアンテナ14に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部151に供給される。
【0063】
受信部33は、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生させられた搬送波とを掛け合わせる受信第1乗算回路40と、その受信第1乗算回路40の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ41と、この第1バンドパスフィルタ41の出力を増幅して第1リミッタ42に供給する受信第1アンプ43と、上記アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生された後に位相を90°遅らせた搬送波とを掛け合わせる受信第2乗算回路44と、その受信第2乗算回路44の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ45と、この第2バンドパスフィルタ45の出力を入力するとともに増幅して第2リミッタ46に供給する受信第2アンプ47とを備えている。そして、上記第1リミッタ42から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ46から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路22に入力されて処理される。
【0064】
また、受信第1アンプ43及び受信第2アンプ47の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路48にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路22に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態のタグラベル作成装置2では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの反射波の復調が行われる。
【0065】
図6は、上記センサ20の構成の一例を表す説明図である。
【0066】
図6において、センサ20は、この例では、凹凸形状を備えた被検出部190の識別子190A〜Cに対しバネ部材20Aで接点20Bを付勢当接させることで凹凸形状を検出するメカニカルスイッチであり、各凹凸部に対応して配置された接点20Bより制御回路30へ検出信号を出力するようになっている。
【0067】
これら識別子190A〜Cは、上記凹凸の有無によって、カートリッジ100内の上記無線タグ回路素子Toに最適なタグ属性パラメータ情報(=第1情報:素子Toを貼り付ける基材テープ101の幅・色等を含むテープ種類、IC回路部151のメモリ容量、無線タグ回路素子Toの配置間隔、アンテナ152の感度等)を表しており、上記センサ20は当該カートリッジ100に関するそれら第1情報を検出し制御回路30へ出力する。
【0068】
なお、上記の検出手段としてのセンサ20は、メカニカルスイッチに限られず、他の方式、例えば光の反射を利用したセンサであってもよい。この場合、例えば制御回路30からの信号により発光する発光ダイオードと、その発光の各識別子190A〜Cにおける反射光を受光し対応する検出信号を制御回路30に出力するフォトトランジスタとを備えている。
【0069】
図7は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。この図7において、無線タグ回路素子Toは、タグラベル作成装置2側のアンテナ14とUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ152と、このアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
【0070】
IC回路部151は、アンテナ152により受信された搬送波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された搬送波のエネルギを蓄積しIC回路部151の駆動電源とするための電源部154と、上記アンテナ152により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部155(後述)に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶手段として機能するメモリ部157と、上記アンテナ152に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
【0071】
変復調部158は、アンテナ152により受信された上記タグラベル作成装置2のアンテナ14からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの応答信号に基づき、アンテナ152より受信された搬送波を変調反射する。
【0072】
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0073】
図8(a)及び図8(b)は、上述のようにして無線タグ回路素子Toの情報読み取り(又は書き込み)及び印字済タグラベル用テープ110の切断が完了し形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図8(a)は上面図、図8(b)は下面図である。また図9は、図8(a)中IX−IX’断面による横断面図である。
【0074】
これら図8(a)、図8(b)、及び図9において、無線タグラベルTは、図4に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図9中上側)よりその反対側(図9中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。そして、前述のようにベースフィルム101bの裏側に設けられたアンテナ152を含む無線タグ回路素子Toが粘着層101c内に備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面に印字R(この例では無線タグラベルTの種類を示す「RF−ID」の文字)が印刷されている。
【0075】
図10は、上述したようなタグラベル作成装置2による無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報へのアクセス(読み取り又は書き込み)に際して、上記した端末5又は汎用コンピュータ6に表示される画面の一例を表す図である。
【0076】
図10において、この例では、タグラベルの種別(アクセス周波数及びテープ寸法)、無線タグ回路素子Toに対応して印刷された印字文字R、その無線タグ回路素子Toに固有のIDであるアクセス(読み取り又は書き込み)ID、上記情報サーバ7に記憶された物品情報のアドレス、及び上記ルートサーバ4におけるそれらの対応情報の格納先アドレス等が前記端末5又は汎用コンピュータ6に表示可能となっている。そして、その端末5又は汎用コンピュータ6の操作によりタグラベル作成装置2が作動されて、カバーフィルム103に上記印字文字Rが印刷されると共に、後述するようにIC回路部151に予め記憶された物品情報等の無線タグ情報が読みとられる(又はIC回路部151に上記書き込みID及び物品情報等の情報が書き込まれる)。
【0077】
なお、上記においては、印刷動作に伴い搬送ガイド13を移動中の印字済タグラベル用テープ110に対してアクセスエリア内に保持してアクセス(読み取り又は書き込み)するようにした例を示したが、これに限られず、その印字済タグラベル用テープ110を所定位置で停止させて搬送ガイド13にて保持した状態で上記アクセスを行うようにしてもよい。
【0078】
また、上記のような読み取り又は書き込みの際、生成された無線タグラベルTのIDとその無線タグラベルTのIC回路部151から読みとられた情報(又はIC回路部151に書き込まれた情報)との対応関係は、前述の情報サーバ7に記憶され、必要に応じて参照できるようになっている。
【0079】
図11(a)〜(c)は、図1に示した前述の情報サーバ7のデータべース内に格納保持されている上記タグ属性パラメータ情報と通信プロトコル使用頻度情報との相関(以下適宜、通信プロトコル使用頻度情報テーブルと称する)を表す図であり、この例では、タグ属性パラメータ情報の例としてセンサ20より読み取られたテープ情報基材テープ101の幅をとり、それぞれの幅(3種類)毎の通信プロトコル使用頻度情報を表している。横軸には、通信プロトコルの種類(この例では、5種類の通信プロトコル;a、b、c、d、e)をとって表わしており、縦軸には、その使用頻度として、例えば、無線タグラベルの作成を行なった回数(例えばタグラベルの作成枚数またはカートリッジ100の着脱回数)をとって表わしている。なお、本実施形態で用いる上記5種類の通信プロトコル(a〜e)は、通信ロトコルa;EPCグローバルClass1、通信プロトコルb;EPCグローバルClass2、通信プロトコルc;ISOプロトコル、d;ユビキタスIDClass1、e;ユビキタスIDClass2にそれぞれ対応している。
【0080】
図11(a)は、基材テープ101の幅が18mmであるカートリッジ100の例を表しており、図示のように、プロトコルd、プロトコルb、プロトコルe、プロトコルc、プロトコルaの順に使用頻度が高くなっている(この結果、後述するように、タグラベル作成装置2側では使用頻度が高い通信プロトコルd→b→e→c→aの順でアクセスを行う)。
【0081】
図11(b)は、基材テープ101の幅が24mmであるカートリッジ100の例を表しており、図示のように、プロトコルb、プロトコルc、プロトコルd、プロトコルe、プロトコルaの順に使用頻度が高くなっている(この結果、後述するように、タグラベル作成装置2側では使用頻度が高い通信プロトコルb→c→d→e→aの順でアクセスを行う)。
【0082】
図11(c)は、基材テープ101の幅が36mmであるカートリッジ100の例を表しており、図示のように、プロトコルd、プロトコルb、プロトコルe、プロトコルc、プロトコルaの順に使用頻度が高くなっている。(この結果、後述するように、タグラベル作成装置2側では使用頻度が高い通信プロトコルd→b→e→c→aの順でアクセスを行う)。
【0083】
図12は、タグラベル作成装置2に備えられた制御回路30のCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。
【0084】
図12において、例えば端末5を介し、タグラベル作成装置2におけるタグ情報読み取り又は書き込み操作(言い換えればタグラベル作成操作)が行われるとこのフローが開始される。まず、ステップS1で、上記センサ20の検出結果に基づき、タグラベル作成装置2のカートリッジホルダ部に取り付けられたカートリッジ100に備えられた基材テープ101の幅の検出・判定を行う。
【0085】
その後、ステップS2で、上記ステップS1で判定された基材テープ101の幅に関する通信プロトコル使用頻度情報について情報サーバ7に対し問合せ信号を出力し、これに応じて情報サーバ7から送られてきた通信プロトコル使用頻度情報に基づき、対応する通信プロトコル(の使用順序)を決定する。
【0086】
次に、ステップS3で、ステップS2で決定した通信プロトコルを使用して、無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報にアクセスする。
【0087】
その後、ステップS4で、上記ステップS3において使用した通信プロトコルについて、その新たな使用実績(使用頻度)である旨を情報サーバ7に送信し、これによって情報サーバ7にて対応する使用履歴情報が更新される。
【0088】
図13は、上記ステップS1の詳細手順を表すフローチャートである。
【0089】
図13において、まず、ステップS11で、タグラベル作成装置2の上記カートリッジホルダ部に嵌合されたカートリッジ100の被検出部190(凹凸部)を、センサ20によって検出し、この検出信号(センサ信号)を入力(識別)する(制御回路30のRAM内に一旦記憶してもよい)。
【0090】
その後、ステップS12では、上記ステップS11で検出した検出信号に基づき、所定の処理(必要に応じ演算、分析、抽出等を含む)を行なうことにより、識別子190A〜Cに表わされたタグ属性パラメータ情報(この例では基材テープ101の幅情報)を取得する。
【0091】
次のステップS13では、取得した基材テープ101のテープ幅情報を制御回路30のRAM内に記憶させる。
【0092】
ステップS13が終了したら、先の図12に示すステップS2へ移る。
【0093】
図14は、図12に示したステップS2の詳細手順を表す手順を示すフローチャートである。
【0094】
まず、ステップS21において、上記ステップS13においてRAMに記憶させたテープ幅情報を読み出す。
【0095】
そして、ステップS22で、読み出された基材テープ101の幅に対応するプロトコルの問合せ信号を情報サーバ7に出力する。
【0096】
その後、ステップS23において、上記ステップS22の問い合わせ信号に応じて情報サーバ7から出力された、当該基材テープ101幅に対応するプロトコルの使用頻度情報が入力される。このとき入力される情報は、先に図11に示した通信プロトコル使用頻度情報であり、例えばステップS13で読み出したテープ幅が18mmである場合には、図11(a)に示した内容が入力される。入力データ形式は、例えば各プロトコルa,b,c,d,eの使用頻度の値(絶対値又は相対値)そのものでもよいし、それらの使用頻度順位でもよい。
【0097】
ステップS24では、ステップS23で入力された上記通信プロトコルの使用頻度情報に基いて、使用頻度が高い順に通信プロトコルの使用順序を決定する。すなわち例えば、基材テープ101幅が18mmの場合では、通信プロトコルd→b→e→c→aの順となり、基材テープ101幅が24mmの場合では、通信プロトコルb→c→e→d→aの順となり、基材テープ101幅が36mmの場合では、通信プロトコルb→c→d→e→aの順となる。このステップS24が終了すると、このフローを終了し、上記ステップS3へ移る。
【0098】
図15は、上記図14のフローチャートに関連して上記情報サーバ7のCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。
【0099】
図15において、まず、ステップS31で、前述した図14のステップS22においてタグラベル作成装置2から出力されたプロトコル問合せ信号を入力する(情報サーバ7のRAM内に一旦記憶してもよい)。
【0100】
次に、ステップS32に移り、タグ属性パラメータ情報に対応して情報サーバの7のデータベース内に格納されている通信プロトコル使用頻度情報テーブルのうち、ステップS31で入力した問い合わせ信号に対応するものを参照する。前述の例では、ステップS22においてタグラベル作成装置2側から出力された基材テープ101の幅が18mmであれば図11(a)に示した通信プロトコル使用頻度情報テーブルを上記データベース等から参照(引用)し、基材テープ101の幅が24mmであれば図11(b)に示した通信プロトコル使用頻度情報テーブルを参照(引用)し、基材テープ101の幅が36mmであれば図11(c)に示した通信プロトコル使用頻度情報テーブルを参照(引用)する。
【0101】
その後、ステップS33で、上記ステップS32で参照(引用した)通信プロトコル使用頻度情報を、タグラベル作成装置2へ出力する。なお前述したように、このとき出力される情報のデータ形式は、例えば各プロトコルa,b,c,d,eの使用頻度の値(絶対値又は相対値)そのものでもよいし、それらの使用頻度順位でもよい。ステップS33が終了したら、このフローを終了する。
【0102】
図16は、図12に示した上記ステップS3のタグ情報アクセスの一例である、無線タグ回路素子ToのIC回路部151からの無線タグ情報読み取り手順を表すフローチャートである。
【0103】
この図16において、まず、ステップS90において、図12のフローチャートにおけるステップS2で決定した通信プロトコルの使用順序に基づき、今回の通信で使用する通信プロトコルを設定する。
【0104】
次にステップS100に移り、印字済みタグラベル用テープ110の印刷後、情報読み取り対象とする無線タグ回路素子Toがアンテナ14近傍に搬送される。
【0105】
その後、ステップS110において、無線タグ回路素子Toからの応答がない場合にリトライを行う回数(アクセス試行回数)をカウントする変数Nを0に初期化する。
【0106】
そして、ステップS120において、先のステップS90で設定した通信プロトコルに基づき無線タグ回路素子Toに記憶された情報を読み出す「Scroll All ID」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに応じて信号処理回路22でアクセス情報としての「Scroll
All ID」信号が生成されて高周波回路21を介してアクセス対象の無線タグ回路素子Toに上記通信プロトコルを用いて送信され、返信を促す。
【0107】
次に、ステップS130において、上記「Scroll All ID」信号に対応してアクセス対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号(物品情報等の無線タグ情報)を、アンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
【0108】
次に、ステップS140において、上記ステップS130で受信したリプライ 信号に誤りがないか否かを公知のCRC符号(Cyclic Redundancy Check)を用いて判定する。
【0109】
判定が満たされない場合はステップS150に移ってNに1を加え、さらにステップS160においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS120に戻り同様の手順を繰り返す。
【0110】
N=5の場合はステップS170に移り、図12のフローチャートにおけるステップS2で決定した通信プロトコルのうち全ての通信プロトコルをアクセス試行したか否かが判断される。全ての通信プロトコルをアクセス試行していない場合にはステップS170の判定が満たされずステップS180に移り、通信プロトコルを、図12のフローチャートにおけるステップS2で決定した使用順序に沿って次のプロトコルに切換え、ステップS110に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0111】
ステップS170で、図12のフローチャートにおけるステップS2で決定した通信プロトコルの全てを用いたアクセスが行われていた場合は、ステップS190に移り、エラー表示信号を、通信回路31及び通信回線3を介し上記端末5又は汎用コンピュータ6へ出力し、対応する読み取り失敗(エラー)表示を行わせ、このフローを終了する。
【0112】
一方、ステップS140の判定が満たされた場合、読み取り対象とする無線タグ回路素子Toからの無線タグ情報の読み取りが完了し、このフローを終了する。
【0113】
以上のルーチンにより、アクセス対象の無線タグ回路素子Toに対し、対応した最適な通信プロトコルを用いてIC回路部151の無線タグ情報にアクセスし、これを読み出すことができる。
【0114】
図17は、図12に示した上記ステップS3のタグ情報アクセスの他の例である、無線タグ回路素子ToのIC回路部151への無線タグ情報書き込み手順を表すフローチャートである。
【0115】
この図17において、最初にステップS190において、図12のフローチャートにおけるステップS2で決定した通信プロトコルの使用順序に基づき、今回の通信で使用する通信プロトコルを設定する。
【0116】
その後、ステップS200において、公知の適宜の手法でタグID(識別情報)を設定し、さらに情報書き込み対象とする無線タグ回路素子Toがアンテナ14近傍に搬送される。
【0117】
その後、ステップS210において、無線タグ回路素子Toからの応答がない場合に、リトライを行う回数(アクセス試行回数)をカウントする変数N,Mをそれぞれ0に初期化する。
【0118】
そして、ステップS220において、先のステップS90で設定した通信プロトコルに基づき、無線タグ回路素子Toのメモリ部157に記憶された情報を初期化する「Erase」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに応じて信号処理回路22でアクセス情報としての「Erase」信号が生成されて高周波回路21を介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに上記通信プロトコルを用いて送信され、そのメモリ部157を初期化する。
【0119】
次に、ステップS230において、上記通信プロトコルに基づきメモリ部157の内容を確認する「Verify」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに応じて信号処理回路22でアクセス情報としての「Verify」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。その後ステップS240において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
【0120】
次に、ステップS250において、リプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内の情報を確認し、メモリ部157が正常に初期化されたか否かを判定する。
【0121】
判定が満たされない場合はステップS260に移ってMに1を加え、さらにステップS270においてM=5かどうかが判定される。M≦4の場合は判定が満たされずステップS220に戻り同様の手順を繰り返す。M=5の場合はステップS360に移る(詳細は後述)。このようにして初期化が不調でも5回までは再試行が行われる。
【0122】
ステップS250の判定が満たされた場合、ステップS290に移り、上記通信プロトコルに基づき所望のデータをメモリ部157に書き込む「Program」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに応じて信号処理回路22で本来書き込みたいID情報を含むアクセス情報としての「Program」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに上記通信プロトコルを用いて送信され、そのメモリ部157に上記所定の情報が書き込まれる。
【0123】
その後、ステップS300において、上記通信プロトコルに基づき「Verify」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに応じて信号処理回路22でアクセス情報としての「Verify」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに上記通信プロトコルを用いて送信され、返信を促す。その後ステップS310において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
【0124】
次に、ステップS320において、リプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内に記憶された情報を確認し、前述の送信した所定の情報がメモリ部157に正常に記憶されたか否かを判定する。
【0125】
判定が満たされない場合はステップS330に移ってNに1を加え、さらにステップS340においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS290に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合はステップS360に移る。
【0126】
ステップS360では、図12のフローチャートにおけるステップS2で決定した通信プロトコルのうち全ての通信プロトコルをアクセス試行したか否かが判断される。全ての通信プロトコルをアクセス試行していない場合にはステップS360の判定が満たされずステップS380に移り、通信プロトコルを、図12のフローチャートにおけるステップS2で決定した使用順序に沿って次のプロトコルに切換え、ステップS210に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0127】
ステップS360で、図12のフローチャートにおけるステップS2で決定した通信プロトコルの全てを用いたアクセスが行われていた場合は、ステップS280に移り、上記端末5又は汎用コンピュータ6に対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、このフローを終了する。
【0128】
一方、ステップS320の判定が満たされた場合、ステップS350に移り、上記通信プロトコルに基づき、以後の無線タグ回路素子Tへの書き込みを禁止する「Lock」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに応じて信号処理回路22で「Lock」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに上記通信プロトコルを用いて送信され、当該無線タグ回路素子Toへの新たな情報の書き込みが禁止される。これにより、書き込み対象とする無線タグ回路素子Toへの無線タグ情報の書き込みが完了し、タグ情報書き込みのフローが終了する。
【0129】
以上のルーチンにより、アクセス対象の無線タグ回路素子Toに対し、これに応じた最適な通信プロトコルを用いてIC回路部151にアクセスし、所定の情報を書き込むことができる。
【0130】
なお、上記動作フローにおいては、印刷動作に伴い搬送ガイド13を移動中の印字済タグラベル用テープ110に対してアクセスエリア内に保持してアクセス(読み取り又は書き込み)するようにした例を示したが、これに限られない。すなわち、その印字済タグラベル用テープ110を所定位置で停止させて搬送ガイド13にて保持した状態で上記アクセスを行うようにしてもよい。また、上記のような読み取り又は書き込みの際、生成された無線タグラベルTの印字情報とその無線タグラベルTのIC回路部151のIDとの対応関係は、前述のルートサーバ4に記憶され、必要に応じて参照できるようになっている。
【0131】
以上において、信号処理回路22は、各請求項記載の、IC回路部151へアクセスするためのアクセス情報(「Scroll All ID」信号、「Erase」信号、「Verify」信号、「Program」信号等)を生成するアクセス情報生成手段を構成する。また、高周波回路21の送信部32は、アクセス情報生成手段で生成したアクセス情報を、装置側アンテナを介して非接触でタグ側アンテナに送信し、IC回路部の情報へのアクセスを行う情報送信手段を構成する。
【0132】
また、情報サーバ7のデータベースが、装置外部の第1記憶手段を構成し、図11(a)〜(c)に一例を示した通信プロトコル使用頻度情報テーブルがその第1記憶手段に記憶された使用履歴情報に相当する。
【0133】
また、制御回路30の実行する図12に示したフローのステップS2が、第1記憶手段に記憶されたタグテープに関する使用履歴情報を取得する使用履歴情報取得手段を構成するとともに、この使用履歴情報取得手段で取得した使用履歴情報に基づき情報送信手段によるタグ側アンテナへの送信に使用するための通信プロトコルを決定するプロトコル決定手段をも構成する。また、ステップS4が、アクセス実行後、これに応じて第1記憶手段へ情報書き込みを行い前記使用履歴情報を更新する書き込み手段を構成し、図16のステップS140や図17のステップS250及びステップS320が、アクセス実行後、IC回路部へのアクセスが成功したか否かの判定を行う判定手段を構成する。
【0134】
以上のように構成した本実施形態のタグラベル作成装置2においては、信号処理回路22で生成されたアクセス情報が、アンテナ14より無線タグ回路素子Toのアンテナ152へ送信され、IC回路部151へアクセス(読み取り又は書き込み)が行われる。このとき、制御回路30が当該無線タグ回路素子Toに関わる使用履歴情報(特にこの例では当該無線タグ回路素子Toを備えたカートリッジ100に関わる使用履歴情報)に基づいて無線タグ回路素子Toとの通信に使用する通信プロトコルを決定する。これにより、通信プロトコルが未知の無線タグ回路素子Toに対し通信を行う場合であっても、それまでの過去の実際の使用頻度等の使用履歴情報に応じ当該無線タグ回路素子Toに合致した通信プロトコルを決定し、確実に通信を行うことができる。
【0135】
このとき特に、複数の通信プロトコルが使用可能とされているタグラベル作成装置2側に対し、制御回路30が情報サーバ7の使用履歴情報に基づきその複数の通信プロトコルの使用順序(試行順序)を決定する(上記の例では使用頻度が高いほど先の順番にて試行する)ことにより、複数プロトコルのうち通信対象の無線タグ回路素子Toに合致したプロトコルを効率よく迅速に見つけ出し使用することができる。
【0136】
また、カートリッジ100の被検出部190に形成された識別子190A〜Dによるタグ属性パラメータ情報(この例では基材テープ101のテープ幅)がセンサ20で検出され、これに応じて制御回路30がそのタグ属性パラメータ情報を含む問い合わせ信号を情報サーバ7へ送信して対応する使用履歴情報を取得する。これにより、1つのタグラベル作成装置2において、無線タグ回路素子Toのタグ属性パラメータが互いに異なる複数のカートリッジ100をカートリッジホルダ部に適宜着脱交換して使用する場合であっても、速やかにかつ容易に各カートリッジ100の無線タグ回路素子Toに対応した最適な通信プロトコルを用いて情報通信を行うことができる。すなわち、カートリッジ100の種類(言いかえれば通信対象の無線タグ回路素子Toの種類)に関係なく、速やかにかつ容易に通信可能な状態とすることができる。
【0137】
更に、制御回路30で決定した通信プロトコルでアクセスを実行するごとに、当該アクセスにおける通信プロトコルの使用実績を新たな使用履歴として情報サーバ7のデータベースに積み上げることで、使用履歴情報を常に最新のものとすることができる。
【0138】
なお、上記の例では情報サーバ7から制御回路30へプロトコル使用頻度情報を入力し制御回路30側でそれに基づき通信プロトコル使用順序を決定したが、これに限られない。すなわち、制御回路30から問い合わせがあった段階で情報サーバ7が当該タグ属性パラメータ情報に関わる通信プロトコル使用順序まで決定し、その決定した使用順序を制御回路30へ送信するようにしてもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0139】
また、上記実施形態においては、端末5を介しタグラベル作成装置2におけるタグラベル作成操作が行われたときに図12に示したフローのステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4がタグラベル装置2のCPUで行われたが、これに限られない。すなわち、電源投入後、一度上記のようにステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4と実行した後は、例えばカートリッジ100の交換のために上記筐体9に設けた蓋が開閉された場合にのみ再度ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4を実行するようにし、それ以外は、既に決定された通信プロトコルを用いてステップS3→ステップS4のみを繰り返すようにしてもよい。この場合、図2に示した前述の蓋開閉検出センサ19によって上記蓋の開閉の有無を検出すれば足りる。
【0140】
さらに、本発明は、上記実施形態に限られず、その趣旨と技術思想の範囲を逸脱しない範囲で更に種々の変形が可能である。以下その変形例を説明する。
【0141】
(1)ユーザIDを用いる場合
上記実施形態においては、第1情報としてのタグ属性パラメータ情報に基づき、これに対応する使用履歴情報を情報サーバ7が検索し、これに基づきタグラベル作成装置2側で通信プロトコルを決定したが、これに限られない。すなわち、操作者に関する第2情報としてのユーザIDに対応する使用履歴情報が予めデータベースに蓄積格納されており、通信時に端末5より入力されたユーザIDに基づきこれに対応する使用履歴情報を情報サーバ7が検索し、これに基づきタグラベル作成装置2側で通信プロトコルを決定するようにしてもよい。
【0142】
図18(a)〜(c)は、本変形例において情報サーバ7のデータベース内に格納保持されている上記ユーザID情報と通信プロトコル使用頻度情報との相関(通信プロトコル使用頻度情報テーブル)を表す図であって上記実施形態の図11に対応する図であり、この例では、3人のユーザ毎の通信プロトコル使用頻度情報を表している。横軸には、上記図11と同様、通信プロトコルの種類(この例では、5種類の通信プロトコル;a、b、c、d、e)をとって表わしており、縦軸には、その使用頻度をとって表わしている。
【0143】
図18(a)は、ユーザAさんの例を表しており、図示のように、プロトコルb、プロトコルc、プロトコルd、プロトコルe、プロトコルaの順に使用頻度が高くなっている(この結果、後述するように、タグラベル作成装置2側では使用頻度が高い通信プロトコルb→c→d→e→aの順でアクセスを行う)。
【0144】
図18(b)は、ユーザBさんの例を表しており、図示のように、プロトコルb、プロトコルc、プロトコルe、プロトコルd、プロトコルaの順に使用頻度が高くなっている(この結果、後述するように、タグラベル作成装置2側では使用頻度が高い通信プロトコルb→c→e→d→aの順でアクセスを行う)。
【0145】
図18(c)は、ユーザCさんの例を表しており、図示のように、プロトコルd、プロトコルb、プロトコルe、プロトコルc、プロトコルaの順に使用頻度が高くなっている(この結果、後述するように、タグラベル作成装置2側では使用頻度が高い通信プロトコルd→b→e→c→aの順でアクセスを行う)。
【0146】
図19は、本変形例におけるタグラベル作成装置2に備えられた制御回路30のCPUが実行する制御手順を表すフローチャートであり、上記図12に対応する図である。
【0147】
図19において、端末5にてタグラベル作成操作開始時にユーザIDが入力され、タグラベル作成装置2を用いたタグ情報読み取り又は書き込み操作(言い換えればタグラベル作成操作)が行われると、このフローが開始される。まず、図12のステップS1に対応するステップS1’で、通信回路31及び通信回線3を介し上記端末5より上記ユーザIDを入力し、そのユーザ識別(判定)が行なわれる。
【0148】
その後、上記ステップS2に対応するステップS2’に移り、上記ステップS1′で判定されたユーザIDに関する通信プロトコル使用頻度情報について情報サーバ7に対し問合せ信号を出力し、これに応じて情報サーバ7から送られてきた通信プロトコル使用頻度情報に基づき、対応する通信プロトコル(の使用順序)を決定する。
【0149】
次に、上記ステップS3に対応するステップS3′に移り、ステップS2′で決定した通信プロトコルを使用して、無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報にアクセスする。なおこのステップS3′の詳細は、例えば前述の図16や図17と同じ手順で足りる。
【0150】
そして、上記ステップS4に対応するステップS4′に移り、上記ステップS3′において使用した通信プロトコルについて、その新たな使用実績(使用頻度)である旨を情報サーバ7に送信し、これによって情報サーバ7にて対応する使用履歴情報が更新される。
【0151】
図20は、上記ステップS1′の詳細手順を表すフローチャートであり、上記実施形態の図13に相当する図である。
【0152】
図20において、まずステップS11’において、通信回路31及び通信回線3を介し上記端末5より上記ユーザIDに関わる操作信号を入力(識別)する(制御回路30のRAM内に一旦記憶してもよい)。
する。
【0153】
その後ステップS12′において、上記ステップS11′で入力した操作信号に対し所定の処理(必要に応じ演算、分析、抽出等を含む)を行なうことにより、上記ユーザIDを取得する。
【0154】
そして、ステップS13′に移り、取得したユーザID情報を制御回路30のRAM内に記憶させる。
【0155】
図21は、図19に示したステップS2′の詳細手順を表す手順を示すフローチャートであり、上記実施形態における図13に対応する図である。
【0156】
まず、上記ステップS21に対応するステップS21′において、上記ステップS13′においてRAMに記憶させたユーザID情報を読み出す。
【0157】
そして、上記ステップS22に対応するステップS22′で、読み出されたユーザID情報に対応するプロトコルの問合せ信号を情報サーバ7に出力する。
【0158】
その後、上記ステップS23に対応するステップS23′において、上記実施形態のステップS22及びステップS23と同様、上記ステップS22′の問い合わせ信号に応じて情報サーバ7から出力された、当該ユーザIDに対応するプロトコルの使用頻度情報が入力される。このとき入力される情報は、先に図18に示した通信プロトコル使用頻度情報であり、例えばステップS13′で読み出したユーザIDがAさんのものである場合には、図18(a)に示した内容が入力される。入力データ形式は、例えば各プロトコルa,b,c,d,eの使用頻度の値(絶対値又は相対値)そのものでもよいし、それらの使用頻度順位でもよい。
【0159】
そして、上記ステップS24に対応するステップS24′に移り、ステップS23′で入力された上記通信プロトコルの使用頻度情報に基いて、使用頻度が高い順に通信プロトコルの使用順序を決定する。すなわち例えば、ユーザAさんの場合では、通信プロトコルb→c→d→e→aの順となり、ユーザBさんの場合では、通信プロトコルb→c→e→d→aの順となり、ユーザCさんの場合では、通信プロトコルd→b→e→c→aの順となる。このステップS24′が終了すると、このフローを終了し、上記ステップS3′へ移る。
【0160】
なお、上記において、図18(a)〜(c)に一例を示した通信プロトコル使用頻度情報テーブルが、各請求項記載の、第1記憶手段に記憶された使用履歴情報に相当する。また、制御回路30の実行する図19に示したフローのステップS2′が、第1記憶手段に記憶された前記タグテープに関する使用履歴情報を取得する使用履歴情報取得手段を構成するとともに、この使用履歴情報取得手段で取得した使用履歴情報に基づき情報送信手段によるタグ側アンテナへの送信に使用するための通信プロトコルを決定するプロトコル決定手段をも構成する。またステップS4′が、アクセス実行後、これに応じて第1記憶手段へ情報書き込みを行い使用履歴情報を更新する書き込み手段を構成する。
【0161】
本変形例においても、上記実施形態同様の効果を得る。
【0162】
すなわち、制御回路30がユーザの使用履歴情報に基づいて無線タグ回路素子Toとの通信に使用する通信プロトコルを決定するので、通信プロトコルが未知の無線タグ回路素子Toに対し通信を行う場合であっても、ユーザが無線タグ回路素子Toについて使用する通信プロトコルの過去の使用履歴情報(=使用傾向等)に応じ通信プロトコルを決定し、当該無線タグ回路素子Toに合致した通信プロトコルを用いて確実に通信を行うことができる。
【0163】
このとき特に、複数の通信プロトコルが使用可能とされているタグラベル作成装置2側に対し、制御回路30が上記使用履歴情報に基づきその複数の通信プロトコルの使用順序(試行順序)を決定する(上記の例では使用頻度が高いほど先の順番にて試行する)ことにより、複数プロトコルのうち通信対象の無線タグ回路素子Toに合致したプロトコルを効率よく迅速に見つけ出し使用することができる。
【0164】
また、ユーザが端末5で操作入力したユーザIDに応じて制御回路30がそのユーザID情報を含む問い合わせ信号を情報サーバ7へ送信して対応する使用履歴情報を取得する。これにより、1つのタグラベル作成装置2を異なるユーザが交代して使用する場合であっても、速やかにかつ容易に各ユーザに対応した最適な通信プロトコルを用いて情報通信を行うことができる。
【0165】
更に、制御回路30で決定した通信プロトコルでアクセスを実行するごとに、上記同様新たな使用履歴として情報サーバ7のデータベースに積み上げるので、使用履歴情報を常に最新のものとすることができる。
【0166】
なお、この変形例でも、上記同様、情報サーバ7から制御回路30へプロトコル使用頻度情報を入力し制御回路30側でそれに基づき通信プロトコル使用順序を決定するのに限られず、制御回路30から問い合わせがあった段階で情報サーバ7が当該ユーザに関わる通信プロトコル使用順序まで決定し、その決定した使用順序を制御回路30へ送信するようにしてもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0167】
また、上記変形例において、タグラベル作成操作が行われたときに図19に示したフローのステップS1′→ステップS2′→ステップS3′→ステップS4′が行われたが、これにも限られず、前述と同様、一度ステップS1′〜ステップS4′と実行した後は、蓋開閉検出センサ19で蓋の開閉を検出した場合にのみ再度ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4を実行するようにし、それ以外は、既に決定された通信プロトコルを用いてステップS3→ステップS4のみを繰り返すようにしてもよい。
【0168】
(2)印字情報等を用いる場合
上記実施形態ではタグ属性パラメータ情報に対応した使用履歴情報に基づき使用プロトコルを決定し、上記(1)の変形例においてはユーザIDに対応した使用履歴情報に基づき使用プロトコルを決定したが、これに限られず、他の情報に対応した使用履歴情報に基づき使用プロトコルを決定してもよい。
【0169】
すなわち、この場合、図示及び詳細な説明を省略するが、タグラベル作成開始時に操作者が端末5において操作入力したカバーフィルム103に印字する印字内容に関する情報(=第3情報、例えば印字テキスト・言語の内容・種類、印字時に用いられるソフトウェアやテンプレートの種類等)に応じ、タグラベル作成装置2がこの第3情報を含む問い合わせ信号を情報サーバ7に送信する。情報サーバ7のデータベースには、予め前述の図11(a)〜(c)や図18(a)〜(c)と同様、この第3情報と通信プロトコル使用頻度情報との相関(=通信プロトコル使用頻度情報テーブル)が格納されており、情報サーバ7はデータベース内に格納されている上記通信プロトコル使用頻度情報テーブルのうち当該問い合わせ信号に対応するものを参照しタグラベル作成装置2側へ出力し、タグラベル作成装置2側では当該入力されたプロトコルの使用頻度情報に応じて使用すべき通信プロトコル(の順序)を決定する。なお、蓋開閉検出センサ19の利用についても前述と同様である。
【0170】
本変形例によっても、上記(2)の変形例と同様の効果を得る。
【0171】
(3)局所的なネットワークを用いる場合
以上は、タグラベル作成装置2、端末5等が通信回線3を介して(広域の)ネットワークに組み込まれた場合を例にとって説明したが、これに限られない。 すなわち、例えば図22に示すように、タグラベル作成装置2と端末5が(その他の外部回線とは接続しない)局所的なネットワーク(いわゆるLAN等)によって接続され、これらによって無線タグ生成システム1′を生成しても良い。
【0172】
この場合、前述したデータベースは例えば端末5に備えられており、前述した図11(a)〜(c)や図18に一例を示したような第1〜第3情報等と通信プロトコル使用頻度情報との相関(通信プロトコル使用頻度情報テーブル)は、そのデータベース(第1記憶手段)に格納されている。そして、タグラベル装置2側で検出したタグ属性パラメータ情報に基づく問い合わせ信号が端末5に送信されて対応するテーブルが参照され使用履歴情報がタグラベル装置2へ送信されるか、端末5において操作入力されたユーザIDや印字内容等に応じて端末が対応するテーブルをデータベースより参照して使用し履歴情報をタグラベル装置2へ送信する。その後のタグラベル装置2側における処理(書き込み更新を含む)は前述と同様であるので説明を省略する。
【0173】
本変形例によっても、上記実施形態や(1)(2)の変形例と同様の効果を得ることができる。
【0174】
(4)タグラル作成装置単体がすべての機能を備える場合
すなわち、上記(3)の変形例におけるデータベース及び端末5の機能をすべてタグラベル作成装置2側に備えるようにしてもよい。この場合、タグラベル作成装置2は、上記データベースとして機能する記憶手段(第2記憶手段)としての不揮発性メモリ30E(前述の図3参照)、操作者が操作入力する操作手段(キーボード、マウス、タッチパネル等)を備えている。
【0175】
この場合、上記タグラベル作成装置2のデータベースに前述した図11(a)〜(c)や図18に一例を示したような第1〜第3情報等と通信プロトコル使用頻度情報との相関(通信プロトコル使用頻度情報テーブル)が格納されている。そして、センサ20で検出したタグ属性パラメータ情報又は上記操作手段で操作入力されたユーザIDや印字内容等に応じて、制御回路30の上記CPUが対応するテーブルを上記データベースより参照して使用し使用履歴情報を取得する。使用履歴情報取得後の処理(書き込み更新を含む)は前述と同様であるので説明を省略する。
【0176】
本変形例によっても、上記実施形態や(1)〜(2)の変形例と同様の効果を得ることができる。
【0177】
(5)その他
(a)通信プロトコルの決定のバリエーション
以上は、通信プロトコルとして複数種類のものが予め用意され、そのすべてを使用するときの使用(試行)順序を過去の使用履歴に応じて決定して用いる(それら複数種類のものを順次切り替えて試していく)場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、使用履歴に応じて上記複数種類のプロトコル群の中からの一部(少なくとも1つの)プロトコルのみを選択し、その選択されたプロトコルについてのみ上記のように使用履歴に応じて使用順序を決定するようにしてもよいし、複数種類のプロトコル群の中から、使用履歴に応じて1つのプロトコルのみを選択しこれを用いて通信(試行)を行うようにしてもよい。
【0178】
また、上記のようにして一部を選択しあるいはさらに使用順序を決定した後の通信プロトコルや、上記実施形態のようにして順序を決定した通信プロトコルと、予め固定的に使用順序(例えば必ず第1回目は所定の通信プロトコルで通信を行う、あるいはすべてだめだった場合は前述のエラー表示を出す前に最後に所定の通信プロトコルで通信を行う等)を定めた通信プロトコルとを組み合わせてもよい。
【0179】
以上のいずれの場合も、少なくとも、通信プロトコルが未知の無線タグ回路素子Toとの通信について全く配慮されずこのような場合にアトランダムに通信プロトコルを試してみるしかなかった従来構造に比べれば、該当する通信プロトコルを確実に探しだし、確実に通信を行える効果を得る。
【0180】
(b)印字を行わない場合
さらに、以上においては、タグラベル作成装置2は、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に対し無線タグ情報の読み取り又は書き込みを行なうと共に、サーマルヘッド10によってその無線タグ回路素子Toへ印刷(印字)を行なうものであったが、この印刷は必ずしも行なわなくともよく、無線タグ情報の読み取り又は書き込みのみを行なうものであって構わない。
【0181】
なお、以上で用いた「Scroll All ID信号」、「Erase信号」、「Verify信号」、「Program信号」とは、EPC globalが策定したAuto−ID仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0182】
【図1】本発明の一実施形態のタグラベル作成装置が適用される無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
【図2】図1に示したタグラベル作成装置の詳細構造を表す概念的構成図である。
【図3】制御回路の詳細構成を表す機能ブロック図である。
【図4】タグラベル作成装置に備えられたカートリッジの詳細構造を表す側面図である。
【図5】図2に示した高周波回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【図6】センサの構成の一例を表す説明図である。
【図7】無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図8】無線タグ回路素子の情報読み取り(又は書き込み)及び印字済タグラベル用テープの切断が完了し形成された無線タグラベルの外観の一例を表す上面図及び下面図である。
【図9】図8(a)中IX−IX’断面による横断面図である。
【図10】無線タグ情報へのアクセスに際して、端末又は汎用コンピュータに表示される画面の一例を表す図である。
【図11】タグ属性パラメータ情報と通信プロトコル使用頻度情報との相関を表す図である。
【図12】タグラベル作成装置に備えられた制御回路のCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図13】図12に示したステップS1の詳細手順を表すフローチャートである。
【図14】図12に示したステップS2の詳細手順を表す手順を示すフローチャートである。
【図15】図14のフローチャートに関連して情報サーバのCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図16】図12のステップS3のタグ情報アクセスの一例である無線タグ情報読み取り手順を表すフローチャートである。
【図17】図12のステップS3のタグ情報アクセスの一例である無線タグ情報書き込み手順を表すフローチャートである。
【図18】ユーザIDを用いる変形例において情報サーバのデータベース内に格納保持されているユーザID情報と通信プロトコル使用頻度情報との相関を表す図である。
【図19】制御回路のCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図20】図19に示したステップS1′の詳細手順を表すフローチャートである。
【図21】図19に示したステップS2′の詳細手順を表す手順を示すフローチャートである。
【図22】局所ネットワークで構成した例を表わすシステム構成図である。
【符号の説明】
【0183】
1 無線タグ生成システム
1′ 無線タグ生成システム
2 タグラベル作成装置
5 端末(操作端末)
7 情報サーバ
10 印字ヘッド(印字手段)
12 テープ送りローラ駆動軸(駆動手段)
14 アンテナ(装置側アンテナ)
20 センサ(検出手段)
22 信号処理回路(アクセス情報生成手段)
30 制御回路
30E 不揮発性メモリ(第2記憶手段)
32 送信部(情報送信手段)
100 カートリッジ
101 基材テープ(タグテープ)
151 IC回路部
152 アンテナ(タグ側アンテナ)
190 被検出部
R 印字
T 無線タグラベル
To 無線タグ回路素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部と情報の無線通信が可能な無線タグに対し情報の読み取り又は書き込みを行い、無線タグラベルを作成するタグラベル作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio
Frequency Identification)システムが知られている。
【0003】
例えばラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
【0004】
この無線タグとの無線通信に関し、種々の通信プロトコルが既に提唱されており、各無線タグの用途に応じて多種多様な通信プロトコルがそれぞれ使用されている。これに対応し、従来、複数種類の通信プロトコルに対応可能とした通信装置が記載されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2001−291079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術の通信装置は、複数種類の通信プロトコルに対応可能としたマルチプロトコル対応型ではあるが、通信対象の無線タグ回路素子に合致した通信プロトコルが未知の場合、どのようにして当該通信プロトコルを特定するかについては特に配慮されていなかった。このため、このような場合には当該無線タグ回路素子との通信が困難となる可能性があった。
【0007】
本発明の目的は、通信プロトコルが未知の無線タグ回路素子に対し通信を行う場合であっても、確実に通信を行えるタグラベル作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明は、タグテープに配置され、所定の情報を記憶するIC回路部及びこのIC回路部に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナを有する無線タグ回路素子の前記タグ側アンテナとの間で無線通信により送受信を行う装置側アンテナと、前記タグテープを繰り出すための駆動手段と、前記IC回路部の情報にアクセスするアクセス情報を生成するアクセス情報生成手段と、このアクセス情報生成手段で生成した前記アクセス情報を、前記装置側アンテナを介して非接触で前記タグ側アンテナに送信し、前記IC回路部の情報へのアクセスを行う情報送信手段と、第1記憶手段に記憶された前記タグテープに関する使用履歴情報を取得する使用履歴情報取得手段と、この使用履歴情報取得手段で取得した前記使用履歴情報に基づき、前記情報送信手段による前記タグ側アンテナへの送信に使用するための通信プロトコルを決定するプロトコル決定手段とを有することを特徴とする。
【0009】
本願第1発明においては、情報送信手段がIC回路部の情報へのアクセスに使用するための通信プロトコルを、プロトコル決定手段が、(例えば装置外部に設けた)第1記憶手段に記憶され使用履歴情報取得手段で取得された使用履歴情報に基づいて決定する。これにより、通信プロトコルが未知の無線タグ回路素子に対し通信を行い上記IC回路部の情報へのアクセスを行う場合であっても、それまでの過去の実際の使用頻度等の使用履歴情報に応じ当該無線タグ回路素子に合致した通信プロトコルを決定し、確実に通信を行うことができる。
【0010】
第2の発明は、上記第1発明において、前記使用履歴情報を記憶保持した第2記憶手段を有することを特徴とする。
【0011】
これにより、装置側に設けた第2記憶手段内の使用履歴情報を参照して、その使用履歴情報に応じプロトコル決定手段が当該無線タグ回路素子に合致した通信プロトコルを決定し、確実に通信を行うことができる。
【0012】
第3の発明は、第1又は第2発明において、前記アクセス実行後、これに応じて前記第1又は第2記憶手段へ情報書き込みを行い前記使用履歴情報を更新する書き込み手段を有することを特徴とする。
【0013】
これにより、プロトコル決定手段で決定した通信プロトコルでアクセスを実行するごとに、当該アクセスにおける通信プロトコルの使用実績を新たな使用履歴として積み上げ、使用履歴情報を最新のものとすることができる。
【0014】
第4の発明は、第3の発明において、前記IC回路部へのアクセスが成功した場合に、前記第1又は第2記憶手段へ情報書き込みを行い前記使用履歴情報を更新することを特徴とする。
【0015】
これにより、アクセスが失敗したときには使用履歴としてカウントせず、アクセス成功した場合のみを正確に使用履歴情報として積み上げることができる。
【0016】
第5の発明は、第1乃至第4発明のいずれか1つにおいて、前記第1又は第2記憶手段は、前記タグテープに関する複数の第1情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとするタグテープの前記第1情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とする。
【0017】
これにより、第1又は第2記憶手段に記憶された使用履歴情報のうち、通信しようとする無線タグ回路素子の設けられたタグテープの第1情報に対応した使用履歴情報を参照することで、プロトコル決定手段が当該無線タグ回路素子に合致した通信プロトコルを決定することができ、確実に通信を行うことができる。
【0018】
第6の発明は、第5発明において、前記第1情報として前記タグテープの幅を検出する検出手段を有し、前記第1又は第2記憶手段は、複数の前記タグテープの幅の値に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、前記プロトコル決定手段は、前記検出手段で検出された前記タグテープの幅に対応する前記使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とする。
【0019】
これにより、タグテープの幅を検出手段が検出し、プロトコル決定手段は、第1又は第2記憶手段に記憶された使用履歴情報のうち上記検出されたタグテープの幅に対応した使用履歴情報を参照することで、当該無線タグ回路素子に合致した通信プロトコルを決定することができ、確実に通信を行うことができる。
【0020】
第7の発明は、第2又は第3発明において、前記第1又は第2記憶手段は、操作者に関する複数の第2情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとする操作者の前記第2情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とする。
【0021】
これにより、第1又は第2記憶手段に記憶された使用履歴情報のうち、タグラベル作成装置を使用する操作者の第2情報に対応した使用履歴情報を参照することで、プロトコル決定手段が当該操作者により通常用いられる通信プロトコルを決定することができ、確実に通信を行うことができる。
【0022】
第8の発明は、第2又は第3発明において、前記タグテープに印字を行う印字手段を有し、前記第1又は第2記憶手段は、前記印字手段による前記印字内容に関する複数の第3情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとする際の印字に関わる前記第3情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とする。
【0023】
これにより、第1又は第2記憶手段に記憶された使用履歴情報のうち、通信時のタグテープへの印字内容に関する第3情報に対応した使用履歴情報を参照することで、プロトコル決定手段が当該印字内容にて通常用いられる通信プロトコルを決定することができ、確実に通信を行うことができる。
【0024】
第9の発明は、第1乃至第8発明のいずれか1つにおいて、前記プロトコル決定手段は、前記使用履歴情報に基づき、複数の前記通信プロトコルの使用順序を決定することを特徴とする。
【0025】
これにより、タグラベル作成装置側において複数の通信プロトコルが使用可能とされている場合、プロトコル決定手段が使用履歴情報に基づきその使用順序を決定することにより、複数プロトコルのうち通信対象の無線タグ回路素子に合致したプロトコルを効率よく迅速に見つけ出し使用することができる。
【0026】
第10の発明は、第9発明において、前記アクセス実行後、前記IC回路部へのアクセスが成功したか否かの判定を行う判定手段を有し、前記情報送信手段は、前記プロトコル決定手段で決定された複数の通信プロトコルの使用順序と前記判定手段でのアクセス成否の判定結果とに応じ、前記通信プロトコルを切り替えて前記アクセスを行うことを特徴とする。
【0027】
これにより、通信対象の無線タグ回路素子へのアクセスを試行するとき、プロトコル決定手段で決定された複数の通信プロトコルの使用順序に沿いつつ、アクセス成否に応じて順次通信プロトコルを切り替えながらアクセス試行を繰り返すことで、当該無線タグ回路素子に合致したプロトコルを確実に見つけ出し使用することができる。
【0028】
上記目的を達成するために、第11の発明のタグラベル作成システムは、タグテープに配置され、所定の情報を記憶するIC回路部及びこのIC回路部に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナを有する無線タグ回路素子の前記タグ側アンテナとの間で無線通信により送受信を行う装置側アンテナ、前記タグテープを繰り出すための駆動手段、前記IC回路部の情報にアクセスするアクセス情報を生成するアクセス情報生成手段、このアクセス情報生成手段で生成した前記アクセス情報を、前記装置側アンテナを介して非接触で前記タグ側アンテナに送信し、前記IC回路部の情報へのアクセスを行う情報送信手段、及び前記タグテープに関する使用履歴情報に基づき、前記情報送信手段による前記タグ側アンテナへの送信に使用するための通信プロトコルを決定するプロトコル決定手段を有するタグラベル作成装置と、前記使用履歴情報を記憶保持するデータベースとを有することを特徴とする。
【0029】
本願第11発明においては、タグラベル作成装置の情報送信手段がIC回路部の情報へのアクセスに使用するための通信プロトコルを、プロトコル決定手段がデータベースのタグテープに関する使用履歴情報に基づいて決定する。これにより、通信プロトコルが未知の無線タグ回路素子に対し通信を行い上記IC回路部の情報へのアクセスを行う場合であっても、それまでの過去の実際の使用頻度等の使用履歴情報に応じ当該無線タグ回路素子に合致した通信プロトコルを決定し、確実に通信を行うことができる。
【0030】
第12の発明は、第11発明において、前記タグラベル作成装置を操作するための操作端末をさらに有することを特徴とする。
【0031】
これにより、操作端末を介した操作により、タグラベル作成装置を操作することができる。
【0032】
第13の発明は、第11又は第12発明において、前記タグラベル作成装置は、前記アクセス実行後、これに応じて前記データベースへ情報書き込みを行い前記使用履歴情報を更新する書き込み手段を有することを特徴とする。
【0033】
これにより、タグラベル作成装置のプロトコル決定手段で決定した通信プロトコルでアクセスを実行するごとに、当該アクセスにおける通信プロトコルの使用実績を新たな使用履歴としてデータベースに積み上げ、使用履歴情報を最新のものとすることができる。
【0034】
第14の発明は、第13発明において、前記タグラベル作成装置の前記書き込み手段は、前記IC回路部へのアクセスが成功した場合に、前記データベースに情報書き込みを行い前記使用履歴情報を更新することを特徴とする。
【0035】
これにより、アクセスが失敗したときには使用履歴としてカウントせず、アクセス成功した場合のみを正確に使用履歴情報として積み上げることができる。
【0036】
第15の発明は、第11乃至第14発明のいずれか1つにおいて、前記データベースは、前記タグテープに関する複数の第1情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、前記タグラベル作成装置の前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとするタグテープの前記第1情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とする。
【0037】
これにより、タグラベル作成装置側では、データベースに記憶された使用履歴情報のうち、通信しようとする無線タグ回路素子の設けられたタグテープの第1情報に対応した使用履歴情報を参照することで、プロトコル決定手段が当該無線タグ回路素子に合致した通信プロトコルを決定することができ、確実に通信を行うことができる。
【0038】
第16の発明は、第11乃至第14発明のいずれか1つにおいて、前記データベースは、前記タグラベル作成装置の操作者に関する複数の第2情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、前記タグラベル作成装置の前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとする操作者の前記第2情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とする。
【0039】
これにより、タグラベル作成装置側では、データベースに記憶された使用履歴情報のうち、装置操作者の第2情報に対応した使用履歴情報を参照することで、プロトコル決定手段が当該操作者により通常用いられる通信プロトコルを決定することができ、確実に通信を行うことができる。
【0040】
第17の発明は、第11乃至第14発明のいずれか1つにおいて、前記タグラベル作成装置は、前記タグテープに印字を行う印字手段を有し、前記データベースは、前記印字手段による前記印字内容に関する複数の第3情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、前記タグラベル作成装置の前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとする際の印字に関わる前記第3情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とする。
【0041】
これにより、タグラベル作成装置側では、データベースに記憶された使用履歴情報のうち、タグテープへの印字内容に関する第3情報に対応した使用履歴情報を参照することで、プロトコル決定手段が当該印字内容にて通常用いられる通信プロトコルを決定することができ、確実に通信を行うことができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、アクセス時の通信プロトコルが使用履歴情報に基づいて決定されるので、通信プロトコルが未知の無線タグ回路素子に対し通信を行う場合であっても、確実に通信を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。本実施形態は本発明を無線タグの生成システムに適用した場合の実施形態である。
【0044】
図1は、本実施形態のタグラベル作成装置が適用される無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
【0045】
図1に示すこの無線タグ生成システム1において、タグラベル作成装置(無線タグ情報通信装置)2は、有線あるいは無線による通信回線3を介してルートサーバ4、タグラベル作成装置2を操作するための端末(操作端末)5、及び情報サーバ7に接続されて、(例えば広域の)ネットワークを構築している。
【0046】
図2は、上記タグラベル作成装置2の詳細構造を表す概念的構成図である。
【0047】
図2において、タグラベル作成装置2の装置本体8には、凹所としてのカートリッジホルダ部(図示せず)が設けられ、このカートリッジホルダ部にカートリッジ100が着脱可能に取り付けられている。
【0048】
装置本体8は、カートリッジ100を嵌合させる上記カートリッジホルダ部を備えるとともに外郭を構成する筐体9と、カバーフィルム103(後述の図4参照)に所定の印字(印刷)を行う印字手段としての印字ヘッド(サーマルヘッド)10と、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボンを駆動するリボン巻取りローラ駆動軸11と、印字済みタグラベル用テープ110をカートリッジ本体100から繰り出すためのテープ送りローラ駆動軸(駆動手段)12と、印字済タグラベル用テープ110に備えられる無線タグ回路素子To(詳細は後述)との間でUHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の授受を行うアンテナ(装置側アンテナ)14と、上記印字済タグラベル用テープ110を所定のタイミングで所定の長さに切断しラベル状の無線タグラベルTを生成するカッタ15と、上記無線通信による信号授受時において無線タグ回路素子Toをアンテナ14に対向する所定のアクセスエリアに設定保持するとともに切断後の各無線タグラベルTを案内するための一対の上記搬送ガイド13と、その案内された無線タグラベルTを搬出口(排出口)16へと搬送し送出する送出ローラ17と、搬出口16における無線タグラベルTの有無を検出する排出センサ18とを有している。
【0049】
一方、装置本体8はまた、上記アンテナ14を介し上記無線タグ回路素子Toへアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための高周波回路21と、後述するように対応する複数のプロトコルのうち制御回路30により設定されたプロトコルに基づいて、無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理するための信号処理回路22と、前述したリボン巻取りローラ駆動軸11及びテープ送りローラ駆動軸12を駆動するカートリッジ用モータ23と、このカートリッジ用モータ23の駆動を制御するカートリッジ駆動回路24と、上記印字ヘッド10への通電を制御する印刷駆動回路25と、上記カッタ15を駆動して切断動作を行わせるソレノイド26と、そのソレノイド26を制御するソレノイド駆動回路27と、上記送出ローラ17を駆動する送出ローラ用モータ28と、この送出ローラ用モータ28を制御する送出ローラ駆動回路29と、筐体9に設けた蓋(図示せず)の開閉状態を検出する蓋開閉検出センサ19と、カートリッジ100に設けた被検出部190(詳細は後述)に備えられたタグ属性パラメータ情報(この例ではテープ幅情報)を検出するセンサ20(検出手段)と、上記高周波回路21、信号処理回路22、カートリッジ駆動回路24、印刷駆動回路25、ソレノイド駆動回路27、送出ローラ駆動回路29等を介し、タグラベル作成装置2全体の動作を制御するための制御回路30とを有する。
【0050】
制御回路30は、いわゆるマイクロコンピュータであり、図3にその構成を示すように、中央演算処理装置であるCPU30A、ROM30B、RAM30C、信号処理回路22及び高周波回路21との信号送受を行う回路制御部30D等から構成され、RAM30Cの一時記憶機能を利用しつつROM30Bに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。またこの制御回路30は、通信回路31を介し例えば通信回線3に接続され、この通信回線3に接続された前述のルートサーバ4、他の端末5、汎用コンピュータ6、及び情報サーバ7等との間で情報のやりとりが可能となっている。また、後述するように第2記憶手段としての不揮発性メモリ(Flash
ROM)30Eを備えても良い。
なお、ルートサーバ4、他の端末5、汎用コンピュータ6、及び情報サーバ7についてもCPU、ROM、及びRAM等から構成されている。また情報サーバ7はその内部(又は外部に接続されていてもよい)に使用履歴情報を格納保持するデータベースを備えている(詳細は後述)。
【0051】
図4は、上記タグラベル作成装置2に備えられた本実施形態によるカートリッジ100の詳細構造を表す側面図である。
【0052】
この図4において、カートリッジ100は、帯状の基材テープ(タグテープ)101が巻回された第1ロール102と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム103が巻回された第2ロール104と、インクリボン105を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のインクリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ印字済タグラベル用テープ110としつつ矢印Aで示す方向にテープ送りをするテープ送りローラ107とを有している。
【0053】
第1ロール102は、リール部材102aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが例えば等間隔で順次形成された上記基材テープ101を巻回しており、第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。
【0054】
リボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ107は、それぞれカートリッジ100外に設けた例えばパルスモータであるカートリッジ用モータ23(前述の図2参照)の駆動力が上記リボン巻取りローラ駆動軸11及び上記テープ送りローラ駆動軸12に伝達されることによって回転駆動される。
【0055】
第1ロール102に巻回される基材テープ101は、この例では4層構造となっており(図4中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図4中右側)よりその反対側(図4中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b、適宜の粘着材からなる粘着層101c、剥離紙101dの順序で積層され構成されている。
【0056】
ベースフィルム101bの裏側(図4中左側)には、情報の送受信を行うアンテナ(タグ側アンテナ)152が一体的に設けられており、これに接続するように情報を記憶するIC回路部151が形成され、これらによって無線タグ回路素子Toが構成されている(詳細構造は後述)。
【0057】
ベースフィルム101bの表側(図4中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図4中左側)には、無線タグ回路素子Toを内包するように設けた上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。なお、この剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
【0058】
第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されたリボン供給側ロール111及びリボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド10に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
【0059】
上記構成において、カートリッジ100が上記装置本体8に装着され、プラテンローラ108及びサブローラ109を有するローラホルダ(図示せず)が離反位置から当接位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド10とプラテンローラ108との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103がテープ送りローラ107とサブローラ109との間に狭持される。そして、カートリッジ用モータ23の駆動力によってリボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ107が矢印Bで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸12とサブローラ109及びプラテンローラ108はギヤ(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸12の駆動に伴いテープ送りローラ107、サブローラ109、及びプラテンローラ108が回転し、第1ロール102から4層構造の基材テープ101が繰り出される。
【0060】
一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、上記印刷駆動回路25により印字ヘッド10の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面(=粘着層101a側の面)に所定の文字、記号、バーコード等の印字R(後述の図8(a)参照)が印刷(但し裏面から印刷するので印刷側から見て鏡面対称の文字等を印刷している)される。そして、上記4層構造の基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ107及びサブローラ109により接着されて一体化され、印字済タグラベル用テープ110として形成され、カートリッジ100外へと搬出される。なお、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸11の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
【0061】
図5は、上記高周波回路21の詳細機能を表す機能ブロック図である。この図5において、高周波回路21は、アンテナ14を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部32と、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信部33と、送受分離器34とから構成される。
【0062】
送信部32は、無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報にアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための搬送波を発生させる水晶振動子35、PLL(Phase
Locked Loop)36、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)37と、上記信号処理回路22から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では信号処理回路22からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路38(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路38により変調された変調波を、制御回路30からの「TX_PWR」信号によって増幅率を決定し増幅する可変送信アンプ39とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、好適にはUHF帯の周波数を用いており、上記送信アンプ39の出力は、送受分離器34を介してアンテナ14に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部151に供給される。
【0063】
受信部33は、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生させられた搬送波とを掛け合わせる受信第1乗算回路40と、その受信第1乗算回路40の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ41と、この第1バンドパスフィルタ41の出力を増幅して第1リミッタ42に供給する受信第1アンプ43と、上記アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生された後に位相を90°遅らせた搬送波とを掛け合わせる受信第2乗算回路44と、その受信第2乗算回路44の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ45と、この第2バンドパスフィルタ45の出力を入力するとともに増幅して第2リミッタ46に供給する受信第2アンプ47とを備えている。そして、上記第1リミッタ42から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ46から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路22に入力されて処理される。
【0064】
また、受信第1アンプ43及び受信第2アンプ47の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路48にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路22に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態のタグラベル作成装置2では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの反射波の復調が行われる。
【0065】
図6は、上記センサ20の構成の一例を表す説明図である。
【0066】
図6において、センサ20は、この例では、凹凸形状を備えた被検出部190の識別子190A〜Cに対しバネ部材20Aで接点20Bを付勢当接させることで凹凸形状を検出するメカニカルスイッチであり、各凹凸部に対応して配置された接点20Bより制御回路30へ検出信号を出力するようになっている。
【0067】
これら識別子190A〜Cは、上記凹凸の有無によって、カートリッジ100内の上記無線タグ回路素子Toに最適なタグ属性パラメータ情報(=第1情報:素子Toを貼り付ける基材テープ101の幅・色等を含むテープ種類、IC回路部151のメモリ容量、無線タグ回路素子Toの配置間隔、アンテナ152の感度等)を表しており、上記センサ20は当該カートリッジ100に関するそれら第1情報を検出し制御回路30へ出力する。
【0068】
なお、上記の検出手段としてのセンサ20は、メカニカルスイッチに限られず、他の方式、例えば光の反射を利用したセンサであってもよい。この場合、例えば制御回路30からの信号により発光する発光ダイオードと、その発光の各識別子190A〜Cにおける反射光を受光し対応する検出信号を制御回路30に出力するフォトトランジスタとを備えている。
【0069】
図7は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。この図7において、無線タグ回路素子Toは、タグラベル作成装置2側のアンテナ14とUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ152と、このアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
【0070】
IC回路部151は、アンテナ152により受信された搬送波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された搬送波のエネルギを蓄積しIC回路部151の駆動電源とするための電源部154と、上記アンテナ152により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部155(後述)に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶手段として機能するメモリ部157と、上記アンテナ152に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
【0071】
変復調部158は、アンテナ152により受信された上記タグラベル作成装置2のアンテナ14からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの応答信号に基づき、アンテナ152より受信された搬送波を変調反射する。
【0072】
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0073】
図8(a)及び図8(b)は、上述のようにして無線タグ回路素子Toの情報読み取り(又は書き込み)及び印字済タグラベル用テープ110の切断が完了し形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図8(a)は上面図、図8(b)は下面図である。また図9は、図8(a)中IX−IX’断面による横断面図である。
【0074】
これら図8(a)、図8(b)、及び図9において、無線タグラベルTは、図4に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図9中上側)よりその反対側(図9中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。そして、前述のようにベースフィルム101bの裏側に設けられたアンテナ152を含む無線タグ回路素子Toが粘着層101c内に備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面に印字R(この例では無線タグラベルTの種類を示す「RF−ID」の文字)が印刷されている。
【0075】
図10は、上述したようなタグラベル作成装置2による無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報へのアクセス(読み取り又は書き込み)に際して、上記した端末5又は汎用コンピュータ6に表示される画面の一例を表す図である。
【0076】
図10において、この例では、タグラベルの種別(アクセス周波数及びテープ寸法)、無線タグ回路素子Toに対応して印刷された印字文字R、その無線タグ回路素子Toに固有のIDであるアクセス(読み取り又は書き込み)ID、上記情報サーバ7に記憶された物品情報のアドレス、及び上記ルートサーバ4におけるそれらの対応情報の格納先アドレス等が前記端末5又は汎用コンピュータ6に表示可能となっている。そして、その端末5又は汎用コンピュータ6の操作によりタグラベル作成装置2が作動されて、カバーフィルム103に上記印字文字Rが印刷されると共に、後述するようにIC回路部151に予め記憶された物品情報等の無線タグ情報が読みとられる(又はIC回路部151に上記書き込みID及び物品情報等の情報が書き込まれる)。
【0077】
なお、上記においては、印刷動作に伴い搬送ガイド13を移動中の印字済タグラベル用テープ110に対してアクセスエリア内に保持してアクセス(読み取り又は書き込み)するようにした例を示したが、これに限られず、その印字済タグラベル用テープ110を所定位置で停止させて搬送ガイド13にて保持した状態で上記アクセスを行うようにしてもよい。
【0078】
また、上記のような読み取り又は書き込みの際、生成された無線タグラベルTのIDとその無線タグラベルTのIC回路部151から読みとられた情報(又はIC回路部151に書き込まれた情報)との対応関係は、前述の情報サーバ7に記憶され、必要に応じて参照できるようになっている。
【0079】
図11(a)〜(c)は、図1に示した前述の情報サーバ7のデータべース内に格納保持されている上記タグ属性パラメータ情報と通信プロトコル使用頻度情報との相関(以下適宜、通信プロトコル使用頻度情報テーブルと称する)を表す図であり、この例では、タグ属性パラメータ情報の例としてセンサ20より読み取られたテープ情報基材テープ101の幅をとり、それぞれの幅(3種類)毎の通信プロトコル使用頻度情報を表している。横軸には、通信プロトコルの種類(この例では、5種類の通信プロトコル;a、b、c、d、e)をとって表わしており、縦軸には、その使用頻度として、例えば、無線タグラベルの作成を行なった回数(例えばタグラベルの作成枚数またはカートリッジ100の着脱回数)をとって表わしている。なお、本実施形態で用いる上記5種類の通信プロトコル(a〜e)は、通信ロトコルa;EPCグローバルClass1、通信プロトコルb;EPCグローバルClass2、通信プロトコルc;ISOプロトコル、d;ユビキタスIDClass1、e;ユビキタスIDClass2にそれぞれ対応している。
【0080】
図11(a)は、基材テープ101の幅が18mmであるカートリッジ100の例を表しており、図示のように、プロトコルd、プロトコルb、プロトコルe、プロトコルc、プロトコルaの順に使用頻度が高くなっている(この結果、後述するように、タグラベル作成装置2側では使用頻度が高い通信プロトコルd→b→e→c→aの順でアクセスを行う)。
【0081】
図11(b)は、基材テープ101の幅が24mmであるカートリッジ100の例を表しており、図示のように、プロトコルb、プロトコルc、プロトコルd、プロトコルe、プロトコルaの順に使用頻度が高くなっている(この結果、後述するように、タグラベル作成装置2側では使用頻度が高い通信プロトコルb→c→d→e→aの順でアクセスを行う)。
【0082】
図11(c)は、基材テープ101の幅が36mmであるカートリッジ100の例を表しており、図示のように、プロトコルd、プロトコルb、プロトコルe、プロトコルc、プロトコルaの順に使用頻度が高くなっている。(この結果、後述するように、タグラベル作成装置2側では使用頻度が高い通信プロトコルd→b→e→c→aの順でアクセスを行う)。
【0083】
図12は、タグラベル作成装置2に備えられた制御回路30のCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。
【0084】
図12において、例えば端末5を介し、タグラベル作成装置2におけるタグ情報読み取り又は書き込み操作(言い換えればタグラベル作成操作)が行われるとこのフローが開始される。まず、ステップS1で、上記センサ20の検出結果に基づき、タグラベル作成装置2のカートリッジホルダ部に取り付けられたカートリッジ100に備えられた基材テープ101の幅の検出・判定を行う。
【0085】
その後、ステップS2で、上記ステップS1で判定された基材テープ101の幅に関する通信プロトコル使用頻度情報について情報サーバ7に対し問合せ信号を出力し、これに応じて情報サーバ7から送られてきた通信プロトコル使用頻度情報に基づき、対応する通信プロトコル(の使用順序)を決定する。
【0086】
次に、ステップS3で、ステップS2で決定した通信プロトコルを使用して、無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報にアクセスする。
【0087】
その後、ステップS4で、上記ステップS3において使用した通信プロトコルについて、その新たな使用実績(使用頻度)である旨を情報サーバ7に送信し、これによって情報サーバ7にて対応する使用履歴情報が更新される。
【0088】
図13は、上記ステップS1の詳細手順を表すフローチャートである。
【0089】
図13において、まず、ステップS11で、タグラベル作成装置2の上記カートリッジホルダ部に嵌合されたカートリッジ100の被検出部190(凹凸部)を、センサ20によって検出し、この検出信号(センサ信号)を入力(識別)する(制御回路30のRAM内に一旦記憶してもよい)。
【0090】
その後、ステップS12では、上記ステップS11で検出した検出信号に基づき、所定の処理(必要に応じ演算、分析、抽出等を含む)を行なうことにより、識別子190A〜Cに表わされたタグ属性パラメータ情報(この例では基材テープ101の幅情報)を取得する。
【0091】
次のステップS13では、取得した基材テープ101のテープ幅情報を制御回路30のRAM内に記憶させる。
【0092】
ステップS13が終了したら、先の図12に示すステップS2へ移る。
【0093】
図14は、図12に示したステップS2の詳細手順を表す手順を示すフローチャートである。
【0094】
まず、ステップS21において、上記ステップS13においてRAMに記憶させたテープ幅情報を読み出す。
【0095】
そして、ステップS22で、読み出された基材テープ101の幅に対応するプロトコルの問合せ信号を情報サーバ7に出力する。
【0096】
その後、ステップS23において、上記ステップS22の問い合わせ信号に応じて情報サーバ7から出力された、当該基材テープ101幅に対応するプロトコルの使用頻度情報が入力される。このとき入力される情報は、先に図11に示した通信プロトコル使用頻度情報であり、例えばステップS13で読み出したテープ幅が18mmである場合には、図11(a)に示した内容が入力される。入力データ形式は、例えば各プロトコルa,b,c,d,eの使用頻度の値(絶対値又は相対値)そのものでもよいし、それらの使用頻度順位でもよい。
【0097】
ステップS24では、ステップS23で入力された上記通信プロトコルの使用頻度情報に基いて、使用頻度が高い順に通信プロトコルの使用順序を決定する。すなわち例えば、基材テープ101幅が18mmの場合では、通信プロトコルd→b→e→c→aの順となり、基材テープ101幅が24mmの場合では、通信プロトコルb→c→e→d→aの順となり、基材テープ101幅が36mmの場合では、通信プロトコルb→c→d→e→aの順となる。このステップS24が終了すると、このフローを終了し、上記ステップS3へ移る。
【0098】
図15は、上記図14のフローチャートに関連して上記情報サーバ7のCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。
【0099】
図15において、まず、ステップS31で、前述した図14のステップS22においてタグラベル作成装置2から出力されたプロトコル問合せ信号を入力する(情報サーバ7のRAM内に一旦記憶してもよい)。
【0100】
次に、ステップS32に移り、タグ属性パラメータ情報に対応して情報サーバの7のデータベース内に格納されている通信プロトコル使用頻度情報テーブルのうち、ステップS31で入力した問い合わせ信号に対応するものを参照する。前述の例では、ステップS22においてタグラベル作成装置2側から出力された基材テープ101の幅が18mmであれば図11(a)に示した通信プロトコル使用頻度情報テーブルを上記データベース等から参照(引用)し、基材テープ101の幅が24mmであれば図11(b)に示した通信プロトコル使用頻度情報テーブルを参照(引用)し、基材テープ101の幅が36mmであれば図11(c)に示した通信プロトコル使用頻度情報テーブルを参照(引用)する。
【0101】
その後、ステップS33で、上記ステップS32で参照(引用した)通信プロトコル使用頻度情報を、タグラベル作成装置2へ出力する。なお前述したように、このとき出力される情報のデータ形式は、例えば各プロトコルa,b,c,d,eの使用頻度の値(絶対値又は相対値)そのものでもよいし、それらの使用頻度順位でもよい。ステップS33が終了したら、このフローを終了する。
【0102】
図16は、図12に示した上記ステップS3のタグ情報アクセスの一例である、無線タグ回路素子ToのIC回路部151からの無線タグ情報読み取り手順を表すフローチャートである。
【0103】
この図16において、まず、ステップS90において、図12のフローチャートにおけるステップS2で決定した通信プロトコルの使用順序に基づき、今回の通信で使用する通信プロトコルを設定する。
【0104】
次にステップS100に移り、印字済みタグラベル用テープ110の印刷後、情報読み取り対象とする無線タグ回路素子Toがアンテナ14近傍に搬送される。
【0105】
その後、ステップS110において、無線タグ回路素子Toからの応答がない場合にリトライを行う回数(アクセス試行回数)をカウントする変数Nを0に初期化する。
【0106】
そして、ステップS120において、先のステップS90で設定した通信プロトコルに基づき無線タグ回路素子Toに記憶された情報を読み出す「Scroll All ID」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに応じて信号処理回路22でアクセス情報としての「Scroll
All ID」信号が生成されて高周波回路21を介してアクセス対象の無線タグ回路素子Toに上記通信プロトコルを用いて送信され、返信を促す。
【0107】
次に、ステップS130において、上記「Scroll All ID」信号に対応してアクセス対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号(物品情報等の無線タグ情報)を、アンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
【0108】
次に、ステップS140において、上記ステップS130で受信したリプライ 信号に誤りがないか否かを公知のCRC符号(Cyclic Redundancy Check)を用いて判定する。
【0109】
判定が満たされない場合はステップS150に移ってNに1を加え、さらにステップS160においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS120に戻り同様の手順を繰り返す。
【0110】
N=5の場合はステップS170に移り、図12のフローチャートにおけるステップS2で決定した通信プロトコルのうち全ての通信プロトコルをアクセス試行したか否かが判断される。全ての通信プロトコルをアクセス試行していない場合にはステップS170の判定が満たされずステップS180に移り、通信プロトコルを、図12のフローチャートにおけるステップS2で決定した使用順序に沿って次のプロトコルに切換え、ステップS110に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0111】
ステップS170で、図12のフローチャートにおけるステップS2で決定した通信プロトコルの全てを用いたアクセスが行われていた場合は、ステップS190に移り、エラー表示信号を、通信回路31及び通信回線3を介し上記端末5又は汎用コンピュータ6へ出力し、対応する読み取り失敗(エラー)表示を行わせ、このフローを終了する。
【0112】
一方、ステップS140の判定が満たされた場合、読み取り対象とする無線タグ回路素子Toからの無線タグ情報の読み取りが完了し、このフローを終了する。
【0113】
以上のルーチンにより、アクセス対象の無線タグ回路素子Toに対し、対応した最適な通信プロトコルを用いてIC回路部151の無線タグ情報にアクセスし、これを読み出すことができる。
【0114】
図17は、図12に示した上記ステップS3のタグ情報アクセスの他の例である、無線タグ回路素子ToのIC回路部151への無線タグ情報書き込み手順を表すフローチャートである。
【0115】
この図17において、最初にステップS190において、図12のフローチャートにおけるステップS2で決定した通信プロトコルの使用順序に基づき、今回の通信で使用する通信プロトコルを設定する。
【0116】
その後、ステップS200において、公知の適宜の手法でタグID(識別情報)を設定し、さらに情報書き込み対象とする無線タグ回路素子Toがアンテナ14近傍に搬送される。
【0117】
その後、ステップS210において、無線タグ回路素子Toからの応答がない場合に、リトライを行う回数(アクセス試行回数)をカウントする変数N,Mをそれぞれ0に初期化する。
【0118】
そして、ステップS220において、先のステップS90で設定した通信プロトコルに基づき、無線タグ回路素子Toのメモリ部157に記憶された情報を初期化する「Erase」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに応じて信号処理回路22でアクセス情報としての「Erase」信号が生成されて高周波回路21を介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに上記通信プロトコルを用いて送信され、そのメモリ部157を初期化する。
【0119】
次に、ステップS230において、上記通信プロトコルに基づきメモリ部157の内容を確認する「Verify」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに応じて信号処理回路22でアクセス情報としての「Verify」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。その後ステップS240において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
【0120】
次に、ステップS250において、リプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内の情報を確認し、メモリ部157が正常に初期化されたか否かを判定する。
【0121】
判定が満たされない場合はステップS260に移ってMに1を加え、さらにステップS270においてM=5かどうかが判定される。M≦4の場合は判定が満たされずステップS220に戻り同様の手順を繰り返す。M=5の場合はステップS360に移る(詳細は後述)。このようにして初期化が不調でも5回までは再試行が行われる。
【0122】
ステップS250の判定が満たされた場合、ステップS290に移り、上記通信プロトコルに基づき所望のデータをメモリ部157に書き込む「Program」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに応じて信号処理回路22で本来書き込みたいID情報を含むアクセス情報としての「Program」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに上記通信プロトコルを用いて送信され、そのメモリ部157に上記所定の情報が書き込まれる。
【0123】
その後、ステップS300において、上記通信プロトコルに基づき「Verify」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに応じて信号処理回路22でアクセス情報としての「Verify」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに上記通信プロトコルを用いて送信され、返信を促す。その後ステップS310において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をアンテナ14を介して受信し、高周波回路21及び信号処理回路22を介し取り込む。
【0124】
次に、ステップS320において、リプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内に記憶された情報を確認し、前述の送信した所定の情報がメモリ部157に正常に記憶されたか否かを判定する。
【0125】
判定が満たされない場合はステップS330に移ってNに1を加え、さらにステップS340においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS290に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合はステップS360に移る。
【0126】
ステップS360では、図12のフローチャートにおけるステップS2で決定した通信プロトコルのうち全ての通信プロトコルをアクセス試行したか否かが判断される。全ての通信プロトコルをアクセス試行していない場合にはステップS360の判定が満たされずステップS380に移り、通信プロトコルを、図12のフローチャートにおけるステップS2で決定した使用順序に沿って次のプロトコルに切換え、ステップS210に戻り、同様の手順を繰り返す。
【0127】
ステップS360で、図12のフローチャートにおけるステップS2で決定した通信プロトコルの全てを用いたアクセスが行われていた場合は、ステップS280に移り、上記端末5又は汎用コンピュータ6に対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、このフローを終了する。
【0128】
一方、ステップS320の判定が満たされた場合、ステップS350に移り、上記通信プロトコルに基づき、以後の無線タグ回路素子Tへの書き込みを禁止する「Lock」コマンドを信号処理回路22に出力する。これに応じて信号処理回路22で「Lock」信号が生成されて高周波回路21を介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに上記通信プロトコルを用いて送信され、当該無線タグ回路素子Toへの新たな情報の書き込みが禁止される。これにより、書き込み対象とする無線タグ回路素子Toへの無線タグ情報の書き込みが完了し、タグ情報書き込みのフローが終了する。
【0129】
以上のルーチンにより、アクセス対象の無線タグ回路素子Toに対し、これに応じた最適な通信プロトコルを用いてIC回路部151にアクセスし、所定の情報を書き込むことができる。
【0130】
なお、上記動作フローにおいては、印刷動作に伴い搬送ガイド13を移動中の印字済タグラベル用テープ110に対してアクセスエリア内に保持してアクセス(読み取り又は書き込み)するようにした例を示したが、これに限られない。すなわち、その印字済タグラベル用テープ110を所定位置で停止させて搬送ガイド13にて保持した状態で上記アクセスを行うようにしてもよい。また、上記のような読み取り又は書き込みの際、生成された無線タグラベルTの印字情報とその無線タグラベルTのIC回路部151のIDとの対応関係は、前述のルートサーバ4に記憶され、必要に応じて参照できるようになっている。
【0131】
以上において、信号処理回路22は、各請求項記載の、IC回路部151へアクセスするためのアクセス情報(「Scroll All ID」信号、「Erase」信号、「Verify」信号、「Program」信号等)を生成するアクセス情報生成手段を構成する。また、高周波回路21の送信部32は、アクセス情報生成手段で生成したアクセス情報を、装置側アンテナを介して非接触でタグ側アンテナに送信し、IC回路部の情報へのアクセスを行う情報送信手段を構成する。
【0132】
また、情報サーバ7のデータベースが、装置外部の第1記憶手段を構成し、図11(a)〜(c)に一例を示した通信プロトコル使用頻度情報テーブルがその第1記憶手段に記憶された使用履歴情報に相当する。
【0133】
また、制御回路30の実行する図12に示したフローのステップS2が、第1記憶手段に記憶されたタグテープに関する使用履歴情報を取得する使用履歴情報取得手段を構成するとともに、この使用履歴情報取得手段で取得した使用履歴情報に基づき情報送信手段によるタグ側アンテナへの送信に使用するための通信プロトコルを決定するプロトコル決定手段をも構成する。また、ステップS4が、アクセス実行後、これに応じて第1記憶手段へ情報書き込みを行い前記使用履歴情報を更新する書き込み手段を構成し、図16のステップS140や図17のステップS250及びステップS320が、アクセス実行後、IC回路部へのアクセスが成功したか否かの判定を行う判定手段を構成する。
【0134】
以上のように構成した本実施形態のタグラベル作成装置2においては、信号処理回路22で生成されたアクセス情報が、アンテナ14より無線タグ回路素子Toのアンテナ152へ送信され、IC回路部151へアクセス(読み取り又は書き込み)が行われる。このとき、制御回路30が当該無線タグ回路素子Toに関わる使用履歴情報(特にこの例では当該無線タグ回路素子Toを備えたカートリッジ100に関わる使用履歴情報)に基づいて無線タグ回路素子Toとの通信に使用する通信プロトコルを決定する。これにより、通信プロトコルが未知の無線タグ回路素子Toに対し通信を行う場合であっても、それまでの過去の実際の使用頻度等の使用履歴情報に応じ当該無線タグ回路素子Toに合致した通信プロトコルを決定し、確実に通信を行うことができる。
【0135】
このとき特に、複数の通信プロトコルが使用可能とされているタグラベル作成装置2側に対し、制御回路30が情報サーバ7の使用履歴情報に基づきその複数の通信プロトコルの使用順序(試行順序)を決定する(上記の例では使用頻度が高いほど先の順番にて試行する)ことにより、複数プロトコルのうち通信対象の無線タグ回路素子Toに合致したプロトコルを効率よく迅速に見つけ出し使用することができる。
【0136】
また、カートリッジ100の被検出部190に形成された識別子190A〜Dによるタグ属性パラメータ情報(この例では基材テープ101のテープ幅)がセンサ20で検出され、これに応じて制御回路30がそのタグ属性パラメータ情報を含む問い合わせ信号を情報サーバ7へ送信して対応する使用履歴情報を取得する。これにより、1つのタグラベル作成装置2において、無線タグ回路素子Toのタグ属性パラメータが互いに異なる複数のカートリッジ100をカートリッジホルダ部に適宜着脱交換して使用する場合であっても、速やかにかつ容易に各カートリッジ100の無線タグ回路素子Toに対応した最適な通信プロトコルを用いて情報通信を行うことができる。すなわち、カートリッジ100の種類(言いかえれば通信対象の無線タグ回路素子Toの種類)に関係なく、速やかにかつ容易に通信可能な状態とすることができる。
【0137】
更に、制御回路30で決定した通信プロトコルでアクセスを実行するごとに、当該アクセスにおける通信プロトコルの使用実績を新たな使用履歴として情報サーバ7のデータベースに積み上げることで、使用履歴情報を常に最新のものとすることができる。
【0138】
なお、上記の例では情報サーバ7から制御回路30へプロトコル使用頻度情報を入力し制御回路30側でそれに基づき通信プロトコル使用順序を決定したが、これに限られない。すなわち、制御回路30から問い合わせがあった段階で情報サーバ7が当該タグ属性パラメータ情報に関わる通信プロトコル使用順序まで決定し、その決定した使用順序を制御回路30へ送信するようにしてもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0139】
また、上記実施形態においては、端末5を介しタグラベル作成装置2におけるタグラベル作成操作が行われたときに図12に示したフローのステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4がタグラベル装置2のCPUで行われたが、これに限られない。すなわち、電源投入後、一度上記のようにステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4と実行した後は、例えばカートリッジ100の交換のために上記筐体9に設けた蓋が開閉された場合にのみ再度ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4を実行するようにし、それ以外は、既に決定された通信プロトコルを用いてステップS3→ステップS4のみを繰り返すようにしてもよい。この場合、図2に示した前述の蓋開閉検出センサ19によって上記蓋の開閉の有無を検出すれば足りる。
【0140】
さらに、本発明は、上記実施形態に限られず、その趣旨と技術思想の範囲を逸脱しない範囲で更に種々の変形が可能である。以下その変形例を説明する。
【0141】
(1)ユーザIDを用いる場合
上記実施形態においては、第1情報としてのタグ属性パラメータ情報に基づき、これに対応する使用履歴情報を情報サーバ7が検索し、これに基づきタグラベル作成装置2側で通信プロトコルを決定したが、これに限られない。すなわち、操作者に関する第2情報としてのユーザIDに対応する使用履歴情報が予めデータベースに蓄積格納されており、通信時に端末5より入力されたユーザIDに基づきこれに対応する使用履歴情報を情報サーバ7が検索し、これに基づきタグラベル作成装置2側で通信プロトコルを決定するようにしてもよい。
【0142】
図18(a)〜(c)は、本変形例において情報サーバ7のデータベース内に格納保持されている上記ユーザID情報と通信プロトコル使用頻度情報との相関(通信プロトコル使用頻度情報テーブル)を表す図であって上記実施形態の図11に対応する図であり、この例では、3人のユーザ毎の通信プロトコル使用頻度情報を表している。横軸には、上記図11と同様、通信プロトコルの種類(この例では、5種類の通信プロトコル;a、b、c、d、e)をとって表わしており、縦軸には、その使用頻度をとって表わしている。
【0143】
図18(a)は、ユーザAさんの例を表しており、図示のように、プロトコルb、プロトコルc、プロトコルd、プロトコルe、プロトコルaの順に使用頻度が高くなっている(この結果、後述するように、タグラベル作成装置2側では使用頻度が高い通信プロトコルb→c→d→e→aの順でアクセスを行う)。
【0144】
図18(b)は、ユーザBさんの例を表しており、図示のように、プロトコルb、プロトコルc、プロトコルe、プロトコルd、プロトコルaの順に使用頻度が高くなっている(この結果、後述するように、タグラベル作成装置2側では使用頻度が高い通信プロトコルb→c→e→d→aの順でアクセスを行う)。
【0145】
図18(c)は、ユーザCさんの例を表しており、図示のように、プロトコルd、プロトコルb、プロトコルe、プロトコルc、プロトコルaの順に使用頻度が高くなっている(この結果、後述するように、タグラベル作成装置2側では使用頻度が高い通信プロトコルd→b→e→c→aの順でアクセスを行う)。
【0146】
図19は、本変形例におけるタグラベル作成装置2に備えられた制御回路30のCPUが実行する制御手順を表すフローチャートであり、上記図12に対応する図である。
【0147】
図19において、端末5にてタグラベル作成操作開始時にユーザIDが入力され、タグラベル作成装置2を用いたタグ情報読み取り又は書き込み操作(言い換えればタグラベル作成操作)が行われると、このフローが開始される。まず、図12のステップS1に対応するステップS1’で、通信回路31及び通信回線3を介し上記端末5より上記ユーザIDを入力し、そのユーザ識別(判定)が行なわれる。
【0148】
その後、上記ステップS2に対応するステップS2’に移り、上記ステップS1′で判定されたユーザIDに関する通信プロトコル使用頻度情報について情報サーバ7に対し問合せ信号を出力し、これに応じて情報サーバ7から送られてきた通信プロトコル使用頻度情報に基づき、対応する通信プロトコル(の使用順序)を決定する。
【0149】
次に、上記ステップS3に対応するステップS3′に移り、ステップS2′で決定した通信プロトコルを使用して、無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報にアクセスする。なおこのステップS3′の詳細は、例えば前述の図16や図17と同じ手順で足りる。
【0150】
そして、上記ステップS4に対応するステップS4′に移り、上記ステップS3′において使用した通信プロトコルについて、その新たな使用実績(使用頻度)である旨を情報サーバ7に送信し、これによって情報サーバ7にて対応する使用履歴情報が更新される。
【0151】
図20は、上記ステップS1′の詳細手順を表すフローチャートであり、上記実施形態の図13に相当する図である。
【0152】
図20において、まずステップS11’において、通信回路31及び通信回線3を介し上記端末5より上記ユーザIDに関わる操作信号を入力(識別)する(制御回路30のRAM内に一旦記憶してもよい)。
する。
【0153】
その後ステップS12′において、上記ステップS11′で入力した操作信号に対し所定の処理(必要に応じ演算、分析、抽出等を含む)を行なうことにより、上記ユーザIDを取得する。
【0154】
そして、ステップS13′に移り、取得したユーザID情報を制御回路30のRAM内に記憶させる。
【0155】
図21は、図19に示したステップS2′の詳細手順を表す手順を示すフローチャートであり、上記実施形態における図13に対応する図である。
【0156】
まず、上記ステップS21に対応するステップS21′において、上記ステップS13′においてRAMに記憶させたユーザID情報を読み出す。
【0157】
そして、上記ステップS22に対応するステップS22′で、読み出されたユーザID情報に対応するプロトコルの問合せ信号を情報サーバ7に出力する。
【0158】
その後、上記ステップS23に対応するステップS23′において、上記実施形態のステップS22及びステップS23と同様、上記ステップS22′の問い合わせ信号に応じて情報サーバ7から出力された、当該ユーザIDに対応するプロトコルの使用頻度情報が入力される。このとき入力される情報は、先に図18に示した通信プロトコル使用頻度情報であり、例えばステップS13′で読み出したユーザIDがAさんのものである場合には、図18(a)に示した内容が入力される。入力データ形式は、例えば各プロトコルa,b,c,d,eの使用頻度の値(絶対値又は相対値)そのものでもよいし、それらの使用頻度順位でもよい。
【0159】
そして、上記ステップS24に対応するステップS24′に移り、ステップS23′で入力された上記通信プロトコルの使用頻度情報に基いて、使用頻度が高い順に通信プロトコルの使用順序を決定する。すなわち例えば、ユーザAさんの場合では、通信プロトコルb→c→d→e→aの順となり、ユーザBさんの場合では、通信プロトコルb→c→e→d→aの順となり、ユーザCさんの場合では、通信プロトコルd→b→e→c→aの順となる。このステップS24′が終了すると、このフローを終了し、上記ステップS3′へ移る。
【0160】
なお、上記において、図18(a)〜(c)に一例を示した通信プロトコル使用頻度情報テーブルが、各請求項記載の、第1記憶手段に記憶された使用履歴情報に相当する。また、制御回路30の実行する図19に示したフローのステップS2′が、第1記憶手段に記憶された前記タグテープに関する使用履歴情報を取得する使用履歴情報取得手段を構成するとともに、この使用履歴情報取得手段で取得した使用履歴情報に基づき情報送信手段によるタグ側アンテナへの送信に使用するための通信プロトコルを決定するプロトコル決定手段をも構成する。またステップS4′が、アクセス実行後、これに応じて第1記憶手段へ情報書き込みを行い使用履歴情報を更新する書き込み手段を構成する。
【0161】
本変形例においても、上記実施形態同様の効果を得る。
【0162】
すなわち、制御回路30がユーザの使用履歴情報に基づいて無線タグ回路素子Toとの通信に使用する通信プロトコルを決定するので、通信プロトコルが未知の無線タグ回路素子Toに対し通信を行う場合であっても、ユーザが無線タグ回路素子Toについて使用する通信プロトコルの過去の使用履歴情報(=使用傾向等)に応じ通信プロトコルを決定し、当該無線タグ回路素子Toに合致した通信プロトコルを用いて確実に通信を行うことができる。
【0163】
このとき特に、複数の通信プロトコルが使用可能とされているタグラベル作成装置2側に対し、制御回路30が上記使用履歴情報に基づきその複数の通信プロトコルの使用順序(試行順序)を決定する(上記の例では使用頻度が高いほど先の順番にて試行する)ことにより、複数プロトコルのうち通信対象の無線タグ回路素子Toに合致したプロトコルを効率よく迅速に見つけ出し使用することができる。
【0164】
また、ユーザが端末5で操作入力したユーザIDに応じて制御回路30がそのユーザID情報を含む問い合わせ信号を情報サーバ7へ送信して対応する使用履歴情報を取得する。これにより、1つのタグラベル作成装置2を異なるユーザが交代して使用する場合であっても、速やかにかつ容易に各ユーザに対応した最適な通信プロトコルを用いて情報通信を行うことができる。
【0165】
更に、制御回路30で決定した通信プロトコルでアクセスを実行するごとに、上記同様新たな使用履歴として情報サーバ7のデータベースに積み上げるので、使用履歴情報を常に最新のものとすることができる。
【0166】
なお、この変形例でも、上記同様、情報サーバ7から制御回路30へプロトコル使用頻度情報を入力し制御回路30側でそれに基づき通信プロトコル使用順序を決定するのに限られず、制御回路30から問い合わせがあった段階で情報サーバ7が当該ユーザに関わる通信プロトコル使用順序まで決定し、その決定した使用順序を制御回路30へ送信するようにしてもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0167】
また、上記変形例において、タグラベル作成操作が行われたときに図19に示したフローのステップS1′→ステップS2′→ステップS3′→ステップS4′が行われたが、これにも限られず、前述と同様、一度ステップS1′〜ステップS4′と実行した後は、蓋開閉検出センサ19で蓋の開閉を検出した場合にのみ再度ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4を実行するようにし、それ以外は、既に決定された通信プロトコルを用いてステップS3→ステップS4のみを繰り返すようにしてもよい。
【0168】
(2)印字情報等を用いる場合
上記実施形態ではタグ属性パラメータ情報に対応した使用履歴情報に基づき使用プロトコルを決定し、上記(1)の変形例においてはユーザIDに対応した使用履歴情報に基づき使用プロトコルを決定したが、これに限られず、他の情報に対応した使用履歴情報に基づき使用プロトコルを決定してもよい。
【0169】
すなわち、この場合、図示及び詳細な説明を省略するが、タグラベル作成開始時に操作者が端末5において操作入力したカバーフィルム103に印字する印字内容に関する情報(=第3情報、例えば印字テキスト・言語の内容・種類、印字時に用いられるソフトウェアやテンプレートの種類等)に応じ、タグラベル作成装置2がこの第3情報を含む問い合わせ信号を情報サーバ7に送信する。情報サーバ7のデータベースには、予め前述の図11(a)〜(c)や図18(a)〜(c)と同様、この第3情報と通信プロトコル使用頻度情報との相関(=通信プロトコル使用頻度情報テーブル)が格納されており、情報サーバ7はデータベース内に格納されている上記通信プロトコル使用頻度情報テーブルのうち当該問い合わせ信号に対応するものを参照しタグラベル作成装置2側へ出力し、タグラベル作成装置2側では当該入力されたプロトコルの使用頻度情報に応じて使用すべき通信プロトコル(の順序)を決定する。なお、蓋開閉検出センサ19の利用についても前述と同様である。
【0170】
本変形例によっても、上記(2)の変形例と同様の効果を得る。
【0171】
(3)局所的なネットワークを用いる場合
以上は、タグラベル作成装置2、端末5等が通信回線3を介して(広域の)ネットワークに組み込まれた場合を例にとって説明したが、これに限られない。 すなわち、例えば図22に示すように、タグラベル作成装置2と端末5が(その他の外部回線とは接続しない)局所的なネットワーク(いわゆるLAN等)によって接続され、これらによって無線タグ生成システム1′を生成しても良い。
【0172】
この場合、前述したデータベースは例えば端末5に備えられており、前述した図11(a)〜(c)や図18に一例を示したような第1〜第3情報等と通信プロトコル使用頻度情報との相関(通信プロトコル使用頻度情報テーブル)は、そのデータベース(第1記憶手段)に格納されている。そして、タグラベル装置2側で検出したタグ属性パラメータ情報に基づく問い合わせ信号が端末5に送信されて対応するテーブルが参照され使用履歴情報がタグラベル装置2へ送信されるか、端末5において操作入力されたユーザIDや印字内容等に応じて端末が対応するテーブルをデータベースより参照して使用し履歴情報をタグラベル装置2へ送信する。その後のタグラベル装置2側における処理(書き込み更新を含む)は前述と同様であるので説明を省略する。
【0173】
本変形例によっても、上記実施形態や(1)(2)の変形例と同様の効果を得ることができる。
【0174】
(4)タグラル作成装置単体がすべての機能を備える場合
すなわち、上記(3)の変形例におけるデータベース及び端末5の機能をすべてタグラベル作成装置2側に備えるようにしてもよい。この場合、タグラベル作成装置2は、上記データベースとして機能する記憶手段(第2記憶手段)としての不揮発性メモリ30E(前述の図3参照)、操作者が操作入力する操作手段(キーボード、マウス、タッチパネル等)を備えている。
【0175】
この場合、上記タグラベル作成装置2のデータベースに前述した図11(a)〜(c)や図18に一例を示したような第1〜第3情報等と通信プロトコル使用頻度情報との相関(通信プロトコル使用頻度情報テーブル)が格納されている。そして、センサ20で検出したタグ属性パラメータ情報又は上記操作手段で操作入力されたユーザIDや印字内容等に応じて、制御回路30の上記CPUが対応するテーブルを上記データベースより参照して使用し使用履歴情報を取得する。使用履歴情報取得後の処理(書き込み更新を含む)は前述と同様であるので説明を省略する。
【0176】
本変形例によっても、上記実施形態や(1)〜(2)の変形例と同様の効果を得ることができる。
【0177】
(5)その他
(a)通信プロトコルの決定のバリエーション
以上は、通信プロトコルとして複数種類のものが予め用意され、そのすべてを使用するときの使用(試行)順序を過去の使用履歴に応じて決定して用いる(それら複数種類のものを順次切り替えて試していく)場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、使用履歴に応じて上記複数種類のプロトコル群の中からの一部(少なくとも1つの)プロトコルのみを選択し、その選択されたプロトコルについてのみ上記のように使用履歴に応じて使用順序を決定するようにしてもよいし、複数種類のプロトコル群の中から、使用履歴に応じて1つのプロトコルのみを選択しこれを用いて通信(試行)を行うようにしてもよい。
【0178】
また、上記のようにして一部を選択しあるいはさらに使用順序を決定した後の通信プロトコルや、上記実施形態のようにして順序を決定した通信プロトコルと、予め固定的に使用順序(例えば必ず第1回目は所定の通信プロトコルで通信を行う、あるいはすべてだめだった場合は前述のエラー表示を出す前に最後に所定の通信プロトコルで通信を行う等)を定めた通信プロトコルとを組み合わせてもよい。
【0179】
以上のいずれの場合も、少なくとも、通信プロトコルが未知の無線タグ回路素子Toとの通信について全く配慮されずこのような場合にアトランダムに通信プロトコルを試してみるしかなかった従来構造に比べれば、該当する通信プロトコルを確実に探しだし、確実に通信を行える効果を得る。
【0180】
(b)印字を行わない場合
さらに、以上においては、タグラベル作成装置2は、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に対し無線タグ情報の読み取り又は書き込みを行なうと共に、サーマルヘッド10によってその無線タグ回路素子Toへ印刷(印字)を行なうものであったが、この印刷は必ずしも行なわなくともよく、無線タグ情報の読み取り又は書き込みのみを行なうものであって構わない。
【0181】
なお、以上で用いた「Scroll All ID信号」、「Erase信号」、「Verify信号」、「Program信号」とは、EPC globalが策定したAuto−ID仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0182】
【図1】本発明の一実施形態のタグラベル作成装置が適用される無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
【図2】図1に示したタグラベル作成装置の詳細構造を表す概念的構成図である。
【図3】制御回路の詳細構成を表す機能ブロック図である。
【図4】タグラベル作成装置に備えられたカートリッジの詳細構造を表す側面図である。
【図5】図2に示した高周波回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【図6】センサの構成の一例を表す説明図である。
【図7】無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図8】無線タグ回路素子の情報読み取り(又は書き込み)及び印字済タグラベル用テープの切断が完了し形成された無線タグラベルの外観の一例を表す上面図及び下面図である。
【図9】図8(a)中IX−IX’断面による横断面図である。
【図10】無線タグ情報へのアクセスに際して、端末又は汎用コンピュータに表示される画面の一例を表す図である。
【図11】タグ属性パラメータ情報と通信プロトコル使用頻度情報との相関を表す図である。
【図12】タグラベル作成装置に備えられた制御回路のCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図13】図12に示したステップS1の詳細手順を表すフローチャートである。
【図14】図12に示したステップS2の詳細手順を表す手順を示すフローチャートである。
【図15】図14のフローチャートに関連して情報サーバのCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図16】図12のステップS3のタグ情報アクセスの一例である無線タグ情報読み取り手順を表すフローチャートである。
【図17】図12のステップS3のタグ情報アクセスの一例である無線タグ情報書き込み手順を表すフローチャートである。
【図18】ユーザIDを用いる変形例において情報サーバのデータベース内に格納保持されているユーザID情報と通信プロトコル使用頻度情報との相関を表す図である。
【図19】制御回路のCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図20】図19に示したステップS1′の詳細手順を表すフローチャートである。
【図21】図19に示したステップS2′の詳細手順を表す手順を示すフローチャートである。
【図22】局所ネットワークで構成した例を表わすシステム構成図である。
【符号の説明】
【0183】
1 無線タグ生成システム
1′ 無線タグ生成システム
2 タグラベル作成装置
5 端末(操作端末)
7 情報サーバ
10 印字ヘッド(印字手段)
12 テープ送りローラ駆動軸(駆動手段)
14 アンテナ(装置側アンテナ)
20 センサ(検出手段)
22 信号処理回路(アクセス情報生成手段)
30 制御回路
30E 不揮発性メモリ(第2記憶手段)
32 送信部(情報送信手段)
100 カートリッジ
101 基材テープ(タグテープ)
151 IC回路部
152 アンテナ(タグ側アンテナ)
190 被検出部
R 印字
T 無線タグラベル
To 無線タグ回路素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タグテープに配置され、所定の情報を記憶するIC回路部及びこのIC回路部に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナを有する無線タグ回路素子の前記タグ側アンテナとの間で無線通信により送受信を行う装置側アンテナと、
前記タグテープを繰り出すための駆動手段と、
前記IC回路部の情報にアクセスするアクセス情報を生成するアクセス情報生成手段と、
このアクセス情報生成手段で生成した前記アクセス情報を、前記装置側アンテナを介して非接触で前記タグ側アンテナに送信し、前記IC回路部の情報へのアクセスを行う情報送信手段と、
第1記憶手段に記憶された前記タグテープに関する使用履歴情報を取得する使用履歴情報取得手段と、
この使用履歴情報取得手段で取得した前記使用履歴情報に基づき、前記情報送信手段による前記タグ側アンテナへの送信に使用するための通信プロトコルを決定するプロトコル決定手段とを有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項2】
請求項1記載のタグラベル作成装置において、
前記使用履歴情報を記憶保持した第2記憶手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のタグラベル作成装置において、
前記アクセス実行後、これに応じて前記第1又は第2記憶手段へ情報書き込みを行い前記使用履歴情報を更新する書き込み手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項4】
請求項3記載のタグラベル作成装置において、
前記書き込み手段は、前記IC回路部へのアクセスが成功した場合に、前記第1又は第2記憶手段へ情報書き込みを行い前記使用履歴情報を更新することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項記載のタグラベル作成装置において、
前記第1又は第2記憶手段は、前記タグテープに関する複数の第1情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、
前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとするタグテープの前記第1情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項6】
請求項5記載のタグラベル作成装置において、
前記第1情報として前記タグテープの幅を検出する検出手段を有し、
前記第1又は第2記憶手段は、複数の前記タグテープの幅の値に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、
前記プロトコル決定手段は、前記検出手段で検出された前記タグテープの幅に対応する前記使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項7】
請求項2又は3記載のタグラベル作成装置において、
前記第1又は第2記憶手段は、操作者に関する複数の第2情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、
前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとする操作者の前記第2情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項8】
請求項2又は3記載のタグラベル作成装置において、
前記タグテープに印字を行う印字手段を有し、
前記第1又は第2記憶手段は、前記印字手段による前記印字内容に関する複数の第3情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、
前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとする際の印字に関わる前記第3情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項記載のタグラベル作成装置において、
前記プロトコル決定手段は、前記使用履歴情報に基づき、複数の前記通信プロトコルの使用順序を決定することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項10】
請求項9記載のタグラベル作成装置において、
前記アクセス実行後、前記IC回路部へのアクセスが成功したか否かの判定を行う判定手段を有し、
前記情報送信手段は、前記プロトコル決定手段で決定された複数の通信プロトコルの使用順序と前記判定手段でのアクセス成否の判定結果とに応じ、前記通信プロトコルを切り替えて前記アクセスを行うことを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項11】
タグテープに配置され、所定の情報を記憶するIC回路部及びこのIC回路部に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナを有する無線タグ回路素子の前記タグ側アンテナとの間で無線通信により送受信を行う装置側アンテナ、前記タグテープを繰り出すための駆動手段、前記IC回路部の情報にアクセスするアクセス情報を生成するアクセス情報生成手段、このアクセス情報生成手段で生成した前記アクセス情報を、前記装置側アンテナを介して非接触で前記タグ側アンテナに送信し、前記IC回路部の情報へのアクセスを行う情報送信手段、及び前記タグテープに関する使用履歴情報に基づき、前記情報送信手段による前記タグ側アンテナへの送信に使用するための通信プロトコルを決定するプロトコル決定手段を有するタグラベル作成装置と、
前記使用履歴情報を記憶保持するデータベースとを有することを特徴とするタグラベル作成システム。
【請求項12】
請求項11記載のタグラベル作成システムにおいて、
前記タグラベル作成装置を操作するための操作端末をさらに有することを特徴とするタグラベル作成システム。
【請求項13】
請求項11又は12記載のタグラベル作成システムにおいて、
前記タグラベル作成装置は、前記アクセス実行後、これに応じて前記データベースへ情報書き込みを行い前記使用履歴情報を更新する書き込み手段を有することを特徴とするタグラベル作成システム。
【請求項14】
請求項13記載のタグラベル作成システムにおいて、
前記タグラベル作成装置の前記書き込み手段は、前記IC回路部へのアクセスが成功した場合に、前記データベースに情報書き込みを行い前記使用履歴情報を更新することを特徴とするタグラベル作成システム。
【請求項15】
請求項11乃至14のいずれか1項記載のタグラベル作成システムにおいて、
前記データベースは、前記タグテープに関する複数の第1情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、
前記タグラベル作成装置の前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとするタグテープの前記第1情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とするタグラベル作成システム。
【請求項16】
請求項11乃至14のいずれか1項記載のタグラベル作成システムにおいて、
前記データベースは、前記タグラベル作成装置の操作者に関する複数の第2情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、
前記タグラベル作成装置の前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとする操作者の前記第2情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とするタグラベル作成システム。
【請求項17】
請求項11乃至14のいずれか1項記載のタグラベル作成システムにおいて、
前記タグラベル作成装置は、前記タグテープに印字を行う印字手段を有し、
前記データベースは、前記印字手段による前記印字内容に関する複数の第3情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、
前記タグラベル作成装置の前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとする際の印字に関わる前記第3情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とするタグラベル作成システム。
【請求項1】
タグテープに配置され、所定の情報を記憶するIC回路部及びこのIC回路部に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナを有する無線タグ回路素子の前記タグ側アンテナとの間で無線通信により送受信を行う装置側アンテナと、
前記タグテープを繰り出すための駆動手段と、
前記IC回路部の情報にアクセスするアクセス情報を生成するアクセス情報生成手段と、
このアクセス情報生成手段で生成した前記アクセス情報を、前記装置側アンテナを介して非接触で前記タグ側アンテナに送信し、前記IC回路部の情報へのアクセスを行う情報送信手段と、
第1記憶手段に記憶された前記タグテープに関する使用履歴情報を取得する使用履歴情報取得手段と、
この使用履歴情報取得手段で取得した前記使用履歴情報に基づき、前記情報送信手段による前記タグ側アンテナへの送信に使用するための通信プロトコルを決定するプロトコル決定手段とを有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項2】
請求項1記載のタグラベル作成装置において、
前記使用履歴情報を記憶保持した第2記憶手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のタグラベル作成装置において、
前記アクセス実行後、これに応じて前記第1又は第2記憶手段へ情報書き込みを行い前記使用履歴情報を更新する書き込み手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項4】
請求項3記載のタグラベル作成装置において、
前記書き込み手段は、前記IC回路部へのアクセスが成功した場合に、前記第1又は第2記憶手段へ情報書き込みを行い前記使用履歴情報を更新することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項記載のタグラベル作成装置において、
前記第1又は第2記憶手段は、前記タグテープに関する複数の第1情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、
前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとするタグテープの前記第1情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項6】
請求項5記載のタグラベル作成装置において、
前記第1情報として前記タグテープの幅を検出する検出手段を有し、
前記第1又は第2記憶手段は、複数の前記タグテープの幅の値に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、
前記プロトコル決定手段は、前記検出手段で検出された前記タグテープの幅に対応する前記使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項7】
請求項2又は3記載のタグラベル作成装置において、
前記第1又は第2記憶手段は、操作者に関する複数の第2情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、
前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとする操作者の前記第2情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項8】
請求項2又は3記載のタグラベル作成装置において、
前記タグテープに印字を行う印字手段を有し、
前記第1又は第2記憶手段は、前記印字手段による前記印字内容に関する複数の第3情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、
前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとする際の印字に関わる前記第3情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項記載のタグラベル作成装置において、
前記プロトコル決定手段は、前記使用履歴情報に基づき、複数の前記通信プロトコルの使用順序を決定することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項10】
請求項9記載のタグラベル作成装置において、
前記アクセス実行後、前記IC回路部へのアクセスが成功したか否かの判定を行う判定手段を有し、
前記情報送信手段は、前記プロトコル決定手段で決定された複数の通信プロトコルの使用順序と前記判定手段でのアクセス成否の判定結果とに応じ、前記通信プロトコルを切り替えて前記アクセスを行うことを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項11】
タグテープに配置され、所定の情報を記憶するIC回路部及びこのIC回路部に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナを有する無線タグ回路素子の前記タグ側アンテナとの間で無線通信により送受信を行う装置側アンテナ、前記タグテープを繰り出すための駆動手段、前記IC回路部の情報にアクセスするアクセス情報を生成するアクセス情報生成手段、このアクセス情報生成手段で生成した前記アクセス情報を、前記装置側アンテナを介して非接触で前記タグ側アンテナに送信し、前記IC回路部の情報へのアクセスを行う情報送信手段、及び前記タグテープに関する使用履歴情報に基づき、前記情報送信手段による前記タグ側アンテナへの送信に使用するための通信プロトコルを決定するプロトコル決定手段を有するタグラベル作成装置と、
前記使用履歴情報を記憶保持するデータベースとを有することを特徴とするタグラベル作成システム。
【請求項12】
請求項11記載のタグラベル作成システムにおいて、
前記タグラベル作成装置を操作するための操作端末をさらに有することを特徴とするタグラベル作成システム。
【請求項13】
請求項11又は12記載のタグラベル作成システムにおいて、
前記タグラベル作成装置は、前記アクセス実行後、これに応じて前記データベースへ情報書き込みを行い前記使用履歴情報を更新する書き込み手段を有することを特徴とするタグラベル作成システム。
【請求項14】
請求項13記載のタグラベル作成システムにおいて、
前記タグラベル作成装置の前記書き込み手段は、前記IC回路部へのアクセスが成功した場合に、前記データベースに情報書き込みを行い前記使用履歴情報を更新することを特徴とするタグラベル作成システム。
【請求項15】
請求項11乃至14のいずれか1項記載のタグラベル作成システムにおいて、
前記データベースは、前記タグテープに関する複数の第1情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、
前記タグラベル作成装置の前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとするタグテープの前記第1情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とするタグラベル作成システム。
【請求項16】
請求項11乃至14のいずれか1項記載のタグラベル作成システムにおいて、
前記データベースは、前記タグラベル作成装置の操作者に関する複数の第2情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、
前記タグラベル作成装置の前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとする操作者の前記第2情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とするタグラベル作成システム。
【請求項17】
請求項11乃至14のいずれか1項記載のタグラベル作成システムにおいて、
前記タグラベル作成装置は、前記タグテープに印字を行う印字手段を有し、
前記データベースは、前記印字手段による前記印字内容に関する複数の第3情報に対応した複数の前記使用履歴情報を記憶保持しており、
前記タグラベル作成装置の前記プロトコル決定手段は、前記複数の使用履歴情報のうち通信を行おうとする際の印字に関わる前記第3情報に対応する使用履歴情報に基づき、使用するための通信プロトコルを決定することを特徴とするタグラベル作成システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2006−172287(P2006−172287A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−366033(P2004−366033)
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月17日(2004.12.17)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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