説明

タグラベル作成装置

【課題】無線タグラベルの作成時において無線タグ回路素子の残数に関する情報を確実に取得し、操作者の利便性を向上する。
【解決手段】無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101を供給可能なカートリッジ7を着脱可能に設置するためのホルダ6と、カートリッジ7から供給される基材テープ101を搬送するためのテープ送りローラ駆動軸108と、無線タグ回路素子Toと無線通信を介し情報送受信を行うためのループアンテナLCとを有し、無線タグラベルTを作成するタグラベル作成装置1であって、ループアンテナLCを介し、IC回路部151に記憶された、無線タグ回路素子Toのカートリッジ7内における順番情報を取得し、この順番情報に基づき、対応する残数情報を残数メモリ117Fに記憶し、この記憶された残数情報を残数表示部9に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信を介し外部と情報送受信が可能な無線タグ回路素子を備えた無線タグラベルを作成するタグラベル作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報を記憶する無線タグ回路素子に対し非接触(コイルを用いる電磁結合方式、電磁誘導方式、あるいは電波方式等)で情報の送受信を行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。
【0003】
従来、貼り付け対象に貼り付けるラベルに上記無線タグ回路素子を配置した無線タグラベルを作成するタグラベル作成装置が既に提唱されており、例えば特許文献1に記載のものが知られている。この従来技術では、無線タグ回路素子(アンテナ及びICチップ)を長手方向に略等間隔に配置したタグ媒体(連続ラベル紙)が巻回されたロール(ロール紙)を備えたロールユニットより上記被印字媒体を繰り出し、その被印字媒体の所定位置に印字手段により所定の印字を行った後に、通信手段(RF−ID通信用アンテナ)によりそのタグ媒体に備えられた無線タグ回路素子に対し所定の情報の送受を行うことにより、印字付きの無線タグラベルを連続的に生成するようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−208573号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術では、上記のようにして連続的にタグラベルを作成する際、ロールユニットのロールからのタグ媒体の供給がいつ終了するか(言い換えれば無線タグ回路素子があと何個残っているか)わからない状態でタグラベル作成を行っていたため、不便であった。
【0006】
本発明の目的は、無線タグラベルの作成時において無線タグ回路素子の残数に関する情報を確実に取得でき、操作者の利便性を向上できるタグラベル作成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明は、情報を記憶するIC回路部と前記IC回路部に接続された無線タグ回路素子を備えたタグ媒体を供給可能なタグ媒体収容体を着脱可能に設置するための収容体設置用ホルダと、前記タグ媒体収容体から供給される前記タグ媒体を搬送するための搬送手段と、前記無線タグ回路素子と無線通信を介し情報送受信を行うための通信手段とを有し、前記無線タグ回路素子に対する所定の情報送受信が行われた前記タグ媒体を用いたタグラベルを作成するタグラベル作成装置であって、前記通信手段を介し、前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に記憶された、前記無線タグ回路素子の前記タグ媒体収容体内における枚数関連情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段で取得した前記枚数関連情報に基づき、対応する枚数情報を書き換え可能に記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された枚数情報を表示するための表示制御信号を出力する信号出力手段とを有することを特徴とする。
【0008】
本願第1発明においては、収容体設置用ホルダにタグ媒体収容体が設置されると、搬送手段の搬送によってタグ媒体収容体からタグ媒体が供給され、タグ媒体に備えられた無線タグ回路素子に対し通信手段で所定の情報送受信が行われることで、タグラベルが作成される。このとき、無線タグ回路素子のIC回路部には枚数関連情報が記憶されており、この枚数関連情報は通信手段を介し情報取得手段で取得され、対応する枚数情報が記憶手段で確実に記憶される。また、この記憶された枚数情報に関する表示制御信号が信号出力手段より出力されることにより、当該枚数を表示手段で表示して操作者に確実に認識させることが可能となるので、無線タグ回路素子があと何個残っているかわからない状態でタグラベル作成を行う場合に比べ、操作者の利便性を向上することができる。また、タグ媒体にもともと備えられている無線タグ回路素子に枚数関連情報を記憶させておき、この枚数関連情報を利用して無線タグ回路素子の枚数情報を取得するので、枚数情報取得のための別途の記憶手段をタグ媒体収容体に設ける場合に比べ、新たな部材の追加やタグ媒体収容体の構成の複雑化を招くことがない。
【0009】
第2発明は、上記第1発明において、1つの前記タグラベル作成が完了するごとに、前記記憶手段に記憶した前記枚数情報の値を1つずつ減少または増加させる更新処理手段を有することを特徴とする。
【0010】
無線タグ回路素子のIC回路部より取得された枚数情報に基づき記憶手段に記憶させた枚数情報を、更新処理手段でタグラベルを1つ作成するごとに1つずつ減少または増加させる。これにより、タグラベル作成とともに変化(減少または増加)していくタグ媒体収容体内の無線タグ回路素子の枚数(残数または使用数)を確実に把握し、これを表示手段で表示させることが可能となる。
【0011】
第3発明は、上記第2発明において、前記情報取得手段で取得した前記枚数関連情報に基づき前記記憶手段に前記枚数情報が記憶された後は、前記情報取得手段による前記枚数関連情報を取得することなく前記タグラベル作成を行うように、前記搬送手段、前記通信手段、及び前記情報取得手段を連携制御する制御手段を有することを特徴とする。
【0012】
無線タグ回路素子のIC回路部より情報取得手段で取得した枚数関連情報に基づき記憶手段に枚数情報を記憶することにより、これ以降は、タグラベルを1つ作成するごとに枚数情報を1つずつ減少または増加させるようにすることで、再度のIC回路部からの枚数情報の取得は不要となる。この結果、タグラベルを1つ作成するその都度、IC回路部より通信手段を介して情報取得手段で枚数関連情報を取得する場合に比べ、不要な無線通信手順を省略することができる。この結果、タグラベル作成における作成に要する時間を短縮し、作成処理効率を向上することができる。
【0013】
第4発明は、上記第2又は第3発明のいずれかにおいて、前記信号出力手段は、前記更新処理手段により更新処理された前記枚数情報の値を表示するための表示制御信号を生成し出力することを特徴とする。
【0014】
これにより、タグラベル作成ごとに減少または増加していく枚数情報値を表示手段に表示させ、操作者に確実に認識させることができる。
【0015】
第5発明は、上記第1乃至第4発明のいずれかにおいて、前記タグラベル作成後の所定のタイミングで、その時点での前記記憶手段に記憶された前記枚数情報の値を初期化する初期化処理手段を有することを特徴とする。
【0016】
これにより、収容体設置用ホルダに対し着脱可能なタグ媒体収容体が、交換等のために収容体設置用ホルダから取り外されたと推定される場合等において、それまで記憶手段に記憶された枚数情報値を保持することなく初期化(クリア)することで、次回タグラベル作成時において枚数情報の誤表示等が発生するのを未然に防止することができる。
【0017】
第6発明は、上記第5発明において、前記初期化処理手段は、前記所定のタイミングとして、前記収容体設置用ホルダより前記タグ媒体収容体が取り外されたこと、前記収容体設置用ホルダを覆うカバーが開き状態となったこと、装置電源がオン又はオフになったこと、のうち少なくとも1つが満たされる状態となったときに、前記枚数情報の初期化を行うことを特徴とする。
【0018】
タグ媒体収容体が取り外された場合や、カバー開き状態や電源オン・オフ操作時等のタグ媒体収容体の取り外しが推定される場合に、それまで記憶手段に記憶された枚数情報値を初期化することで、次回タグラベル作成時において枚数情報の誤表示等が発生するのを確実に防止することができる。
【0019】
第7発明は、上記第1乃至第6発明のいずれかにおいて、前記収容体設置用ホルダは、複数の前記無線タグ回路素子が連続的に配置された前記タグ媒体としてのタグテープを巻回したタグテープロールを収納した、前記タグ媒体収容体としての無線タグ回路素子カートリッジを着脱可能なカートリッジホルダであることを特徴とする。
【0020】
これにより、無線タグ回路素子カートリッジのタグテープロールからタグテープを繰り出してタグラベルを作成する構成において、枚数情報を操作者に確実に認識させることが可能となり、操作者の利便性を向上することができる。
【0021】
第8発明は、上記第7発明において、前記カートリッジホルダは、前記無線タグ回路素子カートリッジとして、前記タグテープロールと、前記タグテープに貼り合わせる被印字テープを巻回した被印字テープロールとを収納したラミネート型の前記無線タグ回路素子カートリッジを着脱可能に構成され、前記搬送手段は、前記タグテープ及び前記被印字テープを搬送し、前記被印字テープに所定の印字を行う印字手段を設けたことを特徴とする。
【0022】
これにより、ラミネート型の無線タグ回路素子カートリッジのタグテープロールからタグテープを繰り出しつつ、被印字テープロールから繰り出され印字手段で所定の印字がなされた被印字テープを当該タグテープに貼り合わせ、タグラベルを作成する構成において、枚数情報を操作者に確実に認識させることが可能となり、操作者の利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、無線タグラベルの作成時において無線タグ回路素子の残数に関する情報を確実に取得し、操作者の利便性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0025】
図1は、本実施形態のタグラベル作成装置を有する無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
【0026】
図1に示すこの無線タグ生成システムTSにおいて、タグラベル作成装置1は、有線あるいは無線による通信回線NWを介してルートサーバRS、複数の情報サーバIS、端末118a、及び汎用コンピュータ118bに接続されている。なお、端末118a及び汎用コンピュータ118bを総称して以下適宜、単に「PC118」と称する。
【0027】
図2は、上記タグラベル作成装置1の全体構造を表す斜視図である。
【0028】
図2において、タグラベル作成装置1は、上記PC118に接続されてPC118からの操作に基づき所望の印字つき無線タグラベルを作成するものであり、装置本体2と、この装置本体2の上面に開閉可能に設けられた開閉蓋(カバー)3とを有している。
【0029】
装置本体2は、手前側(図2中、左手前側)に位置し、装置本体2内で作成された無線タグラベルT(印字ラベル。詳細は後述)を外部に排出するラベル排出口11を備えた側壁10と、この側壁10のうちラベル排出口11の下方に設けられ下端が回動可能に支持された側蓋12とを備えている。
【0030】
側蓋12は押部13を備えており、この押部13を上方より押し込むことで側蓋12が前方に開放されるようになっている。また、側壁10の上部には、ラベル排出口11の左側に後述のカートリッジ(無線タグ回路素子カートリッジ、タグ媒体収容体)7に残存する無線タグラベルT(無線タグ回路素子To)の枚数情報(この例では残数情報。詳細は後述)を表示する残数表示部9(表示手段)が設けられ、ラベル排出口11の右側には、装置本体2の上面の開閉蓋3の開閉ボタン(開閉スイッチ)4が設けられている。側壁10の開閉ボタン4の下方には、タグラベル作成装置1の電源オン・オフを行う電源ボタン14が設けられ、この電源ボタン14の下方には、カッター駆動ボタン16が設けられている。また側壁10には、図示しないタグラベル作成開始ボタンが設けられており、タグラベル作成装置1の電源を入れた後この作成開始ボタンを押す(又はPC118側より作成開始の操作を行うようにしてもよい)ことによって無線タグラベルTの作成が開始され、これによって印字済みタグラベル用テープ109(詳細は後述)が作成され、装置本体2の切断手段としての切断機構15(後述の図3参照)によってテープ109を所定の長さにカットした無線タグラベルTが作成されるようになっている。
【0031】
開閉蓋3は、装置本体2の図2中右奥側の端部にて回動可能に軸支され、バネ等の付勢部材を介して常時開放方向に付勢されている。そして、装置本体2の上面に開閉蓋3に隣接するように配置された開閉ボタン4が押されることにより、開閉蓋3と装置本体2とのロックが解除され、上記付勢部材の作用により開放される。開閉蓋3の開閉は、開閉ボタン4のオン/オフ操作を検知する開閉センサ390(後述の図15参照)によって検出される。なお、開閉蓋3の中央側部には、透明カバーで覆われた透視窓5が設けられている。
【0032】
図3は、タグラベル作成装置1の内部の内部ユニット20の構造(但し後述するループアンテナLCは省略)を表す斜視図である。図3において、内部ユニット20は、概略的には、カートリッジ(無線タグ回路素子カートリッジ)7を収納するカートリッジホルダ6(収容体設置用ホルダ)と、印字手段としての印字ヘッド(サーマルヘッド)23を備えた印字機構21と、切断機構15と、ハーフカットユニット35(後述の図8参照)と、生成された無線タグラベルT(後述の図19参照)をラベル排出口11(図2参照)より排出するラベル排出機構22とを備えている。
【0033】
図4は、図3に示した内部ユニット20の構造を表す平面図であり、図5は、上記カートリッジ7の詳細構造を模式的に表す拡大平面図である。
【0034】
これら図4及び図5において、上記カートリッジホルダ6は、ラベル排出口11から排出される印字済みタグラベル用テープ109の幅方向の向きが、垂直方向となるようにラミネート型のカートリッジ7を収納する。
【0035】
カートリッジ7は、筐体7Aと、この筐体7A内に配置され帯状の基材テープ101(タグテープ、タグ媒体)が巻回された第1ロール102(タグテープロール)と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明なカバーフィルム103(被印字テープ)が巻回された第2ロール104(被印字テープロール)と、インクリボン105(熱転写リボン、但し被印字テープが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール107と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、カートリッジ7のテープ排出部30の近傍に回転可能に支持されたテープ送りローラ27と、搬送位置規制手段として機能するガイドローラ112とを有する。
【0036】
テープ送りローラ27は圧着ローラとしても機能し、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを圧着ローラ28との間で押圧して接着して、上記印字済タグラベル用テープ109としつつ、矢印Aで示す方向にテープ送りを行う。
【0037】
第1ロール102は、リール部材102aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で順次形成された上記基材テープ101を巻回している。基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図5中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図5中右側)よりその反対側(図5中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a(貼り合わせ用粘着剤層)、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのアンテナ基材層101b(基材テープ層)、適宜の粘着材からなる粘着層101c(貼り付け用粘着剤層)、剥離紙101d(剥離材層)の順序で積層され構成されている。
【0038】
アンテナ基材層101bの裏側(図5中左側)には、ループコイル形状に構成され情報の送受信を行うループアンテナ152(タグ側ループアンテナ)がこの例では一体的に設けられており、これに接続するように情報を記憶するIC回路部151が形成され、これらによって無線タグ回路素子Toが構成されている。
【0039】
アンテナ基材層101bの表側(図5中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またアンテナ基材層101bの裏側(図5中左側)には、無線タグ回路素子Toを内包するように設けた上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがアンテナ基材層101bに接着されている。
【0040】
剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。この剥離紙101dの両面(粘着層101c側及びその反対側)は、図示しない所定の離型処理がなされており、これによって粘着層101cや、第1ロール102として巻回された状態での隣接する粘着層101aが強固に粘着しないように(剥離しやすいように)図られている。
【0041】
また、この剥離紙101dの表面には、各無線タグ回路素子Toに対応した所定の位置(この例では、搬送方向前方側のアンテナ152の先端よりさらに前方側の位置)に、搬送制御のための位置検出用に黒塗り、つまり黒のベタ塗りの識別子PM(センサマーク)が設けられている。
【0042】
なお、基材テープ101の搬送方向終端部(第1ロール102における基材テープ101の巻き始め端)には、適宜、識別子PMに続けて識別子PH(エンドマーク)を設けるようにしてもよい。この場合、エンドマークPHは、例えば、トムソン型やビク型による打ち抜きやレーザ加工等により穿孔した基材テープ101を略貫通する孔部からなっており、基材テープ101にカバーフィルム103が貼り合わされた状態では、エンドマークPHとしての孔部が、アンテナ基材層101b側が透明な上記カバーフィルム103に覆われた形態になっている。
【0043】
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置された上記リボン供給側ロール107及び上記リボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
【0044】
リボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27は、それぞれカートリッジ7外に設けた例えばパルスモータである搬送用モータ119(後述の図15参照)の駆動力が図示しないギヤ機構を介しリボン巻取りローラ駆動軸106a及びテープ送りローラ駆動軸108(搬送手段)に伝達されることによって連動して回転駆動される。
【0045】
上記印字ヘッド23は多数の発熱素子を備え、カートリッジホルダ6に立設されたヘッド取付部24に取り付けられて、テープ送りローラ27よりカバーフィルム103の搬送方向上流側に配置されている。
【0046】
また、カートリッジホルダ6のうちカートリッジ7の前方(図4中、下側)には、ローラホルダ25が支持軸29により回動可能に枢支され、切換機構により印字位置(当接位置、図4参照)とリリース位置(離反位置)とに切換可能とされている。このローラホルダ25には、プラテンローラ26及びテープ圧着ローラ28が回転可能に配設されており、ローラホルダ25が上記印字位置に切り換えられたときに、それらプラテンローラ26及びテープ圧着ローラ28が上記印字ヘッド23及び上記テープ送りローラ27に対し圧接されるようになっている。
【0047】
上記構成において、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101は、テープ送りローラ27へと供給される。一方、第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されリボン供給側ロール107とリボン巻取りローラ106とにより駆動されるインクリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されて当該カバーフィルム103の裏面に当接させられる。
【0048】
そして、カートリッジ7が上記カートリッジホルダ6に装着されロールホルダ25が上記リリース位置から上記印字位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド23とプラテンローラ26との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103がテープ送りローラ27と圧着ローラ28との間に狭持される。そして、搬送用モータ119の駆動力によってリボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27が矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸108と上記圧着ローラ28及びプラテンローラ26はギヤ機構(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸108の駆動に伴いテープ送りローラ27、圧着ローラ28、及びプラテンローラ26が回転し、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され、上述のようにテープ送りローラ27へ供給される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、印刷駆動回路120(後述の図15参照)により印字ヘッド23の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に、貼り合わせ対象となる基材テープ101上の無線タグ回路素子Toの記憶情報に対応したラベル印字R(後述の図18参照)が印刷される。そして、上記基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及び圧着ローラ28により接着されて一体化されて印字済タグラベル用テープ109として形成され、テープ排出部30よりカートリッジ7外へと搬出される。カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸106aの駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
【0049】
なお、カートリッジ7の上記筐体7Aの上面には、例えば、カートリッジ7内に内蔵されている上記基材テープ101のテープ幅、テープの色等を表示するテープ特定表示部8が設けられている。カートリッジ7をカートリッジホルダ6に装着して開閉蓋3を閉じると、前述の透視窓5とテープ特定表示部8とが相互に対向し、透視窓5の透明カバーを介してテープ特定表示部8を装置本体2の外部から視認できる。これにより、カートリッジホルダ6に装着されているカートリッジ7の種類等を装置本体2の外部から透視窓5を介して容易に視認できるようになっている。
【0050】
一方、前述したように、図4に示す内部ユニット20には、上記切断機構15と、上記ラベル排出機構22とが備えられ、さらに、基材テープ101(貼り合わせ後は印字済みタグラベル用テープ。以下同様)に備えられた無線タグ回路素子Toに対し無線通信を介し情報読み取り又は書き込みを行うループアンテナLC(通信手段)が備えられている。そして、上述のように貼り合わされて生成された印字済みタグラベル用テープ109に対しループアンテナLCにより無線タグ回路素子Toに情報読み取り又は書き込みが行われた後、自動的にあるいは上記カッター駆動ボタン16(図2参照)を操作することにより切断機構15によって印字済みタグラベル用テープ109が切断されて無線タグラベルTが生成される。この無線タグラベルTは、その後さらにラベル排出機構22によって側壁10(図2参照)に形成されたラベル排出口11から排出されるようになっている。
【0051】
上記切断機構15は、固定刃40と、この固定刃40とともにカット動作を行う可動刃41と、この可動刃41に連結されるカッターハスバギヤ42と、このカッターハスバギヤ42にギヤ列により連結されるカッターモータ43とを備えている。
【0052】
上記ラベル排出機構22は、装置本体2の側壁10に設けられたラベル排出口11の近傍に配設され、切断機構15において切断された後の印字済みタグラベル用テープ109(言い換えれば無線タグラベル。以下同様)をラベル排出口11から強制的に排出するための排出手段としての機能を有する。すなわち、ラベル排出機構22は、駆動ローラ51と、この駆動ローラ51に対して印字済みタグラベル用テープ109を挟んで対向する押圧ローラ52と、この押圧ローラ52を印字済みタグラベル用テープ109に対して押圧し、またはその押圧を解除するように作動される押圧作動機構部53と、この押圧作動機構部53の押圧解除動作に連動して、駆動ローラ51により印字済みタグラベル用テープ109を排出するように回転させるための排出駆動機構部54とを備えている。
【0053】
このとき、上記ラベル排出口11の内側には、印字済みタグラベル用テープ109をラベル排出口11へ案内するための第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64が設けられている(図4参照)。第1案内壁55,56及び第2案内壁63,64はそれぞれ一体に形成され、上記固定刃40と可動刃41とでカットされた印字済みタグラベル用テープ109の排出位置において、互いに所定の間隔を隔てられるように配置されている。
【0054】
また、ラベル排出機構22は、印字済みタグラベル用テープ109の上記剥離紙101dに設けられた識別子PMを検出する周知の発光ダイオードとフォトトランジスタからなるマークセンサ127を有している(詳細は後述)。
【0055】
押圧作動機構部53は、ローラ支持ホルダ57と、ローラ支持ホルダ57に取り付けられ、先端部に押圧ローラ52を保持するローラ支持部58と、ローラ支持ホルダ57を回動可能に支持するホルダ支持部59と、切断機構15に連動して押圧作動機構部53を駆動するカム60と、付勢バネ61とから構成されている。
【0056】
ローラ支持部58は、この押圧ローラ52をその上下方向から挟み込むようにして回転自在に支持されている。そして、ローラ支持ホルダ57がカッターハスバギヤ42の回転により、カム60を通してホルダ支持軸59を中心に反時計回り(図3中、矢印71方向)に回動することで、押圧ローラ52は印字済みタグラベル用テープ109に対して押圧される。また再びカッターハスバギヤ42を回転させると、付勢バネ61によりホルダ支持軸59は先ほどと逆方向に回動し、押圧ローラ52は印字済みタグラベル用テープ109から離間される。
【0057】
排出駆動機構部54は、テープ排出モータ65とギヤ列66とからなり、押圧ローラ52によって印字済みタグラベル用テープ109が駆動ローラ51に押圧された後に、テープ排出モータ65を駆動させ、駆動ローラ51を印字済みタグラベル用テープ109の排出方向へ回転させることによって、印字済みタグラベル用テープ109が強制的に排出方向に排出される。
【0058】
図6は、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101に備えられる無線タグ回路素子Toの概念的構成を表す、図5中矢印D方向から見た概念図である。この図6において、無線タグ回路素子Toは、ループコイル形状に構成され情報の送受信を行う上記ループアンテナ152と、これに接続され情報を記憶するIC回路部151とから構成されている。基材テープ101には、無線タグ回路素子Toと搬送方向に所定の距離を開けて上記識別子PMが関連付けて設けられている。
【0059】
図7(a)は、ラベル排出機構22の要部詳細構造を表す部分抽出斜視図であり、図7(b)は図7(a)に示される上記マークセンサ127の概念的構成を表す図である。図7(a)において、前述したように、識別子PMを検出するマークセンサ127の他に、印字済みタグラベル用テープ109の搬送経路に対し移動可能に構成された上記押圧ローラ52が設けられている。また、上記第1案内壁55,56の上下方向途中部が切り欠かれ、一方の第1案内壁55には、上記駆動ローラ51が、切欠部から印字済みタグラベル用テープ109の排出位置に臨むようにして設けられている。なお、駆動ローラ51は、その上面に同心円状の溝により形成されたローラ切り欠き部51Aを有する。
【0060】
一方、他方の第1案内壁56には、押圧ローラ52が、切欠部から印字済みタグラベル用テープ109の排出位置に臨むようにして、押圧作動機構部53の上記ローラ支持部58に支持されている。なお、この図7は押圧ローラ52が上記離間位置にある場合を図示している。したがって、押圧ローラ52が上述した規制位置又は圧着位置となる場合には、押圧作動機構部53のローラ支持部58が印字済みタグラベル用テープ109の搬送経路方向に移動し、押圧ローラ52が上記第1案内壁56の切り欠き部に挿通されて印字済みタグラベル用テープ109の搬送経路に近づくようになっている。
【0061】
ループアンテナLC(図7(a)には配置位置を概念的に示している)は、上記押圧ローラ52をその径方向中心(径方向内側。詳細にはコイル中心軸上)に位置させるようにしつつ当該押圧ローラ52の近傍に配置されており、磁気誘導(電磁誘導、磁気結合、その他電磁界を介して行われる非接触方式を含む)により上記印字済みタグラベル用テープ109に備えられる無線タグ回路素子Toへのアクセス(情報読み取り又は情報書き込み)を行うようになっている。なお、ここではループアンテナLCをその径方向中心に押圧ローラ52が位置するように配置したが、これに限られず、押圧ローラ52が径方向外側に位置するように配置してもよい。また、印字済みタグラベル用テープ109の搬送経路の押圧ローラ52側でなく駆動ローラ51側に配置してもよい。
【0062】
そして、駆動ローラ51よりも搬送方向上流側(言い換えれば後述のハーフカッタ34とループアンテナLCとの間)に、上記基材テープ101の剥離紙101dに各無線タグ回路素子の位置に対応して設けた上記識別子PM(図6等参照)を検出可能な上記マークセンサ127が設けられている。
【0063】
このマークセンサ127は、図7(b)に示すように、例えば発光ダイオードからなる投光器127a(投光手段)及びフォトトランジスタからなる受光器127b(受光手段)から構成される反射型の公知の光電センサである。投光器127aと受光器127bとの間に上記の黒塗りの識別子PMが存在すると、投光器127aからの光が識別子PMに吸収されて受光器127bに戻ってくる光量が減少するので、受光器127bからの制御出力が反転し、識別子PMの存在が検出される。
【0064】
図8は、図3に示した構造からラベル排出機構22を取り外した状態における内部ユニット20の外観を表す斜視図である。
【0065】
図8において、上記カッターハスバギヤ42には、突起状に形成されたボス50が設けられ、このボス50が上記可動刃41の長孔49に挿入されるように構成されている(後述の図11や図9も参照)。また、テープ排出方向に沿って固定刃40及び可動刃41の下流側には、固定刃40及び可動刃41と第1案内壁55,56(図4参照)との間に位置するように、ハーフカットユニット35が取り付けられている。
【0066】
ハーフカットユニット35は、固定刃40に合わせて配置される受け台38と、この受け台38と対向し可動刃41側に配置されるハーフカッタ34(半切断手段)と、固定刃40と受け台38との間に固定刃40と合わせて配置される第1ガイド部36と、この第1ガイド部36と対向し可動刃41と合わせて配置される第2ガイド部37とから構成される(後述の図11も参照)。第1ガイド部36及び第2ガイド部37は一体に構成され、固定刃40の固定孔40Aに対応する位置に設けられたガイド固定部36Aにより固定刃40とともに側板44(図4参照)に取り付けられている。
【0067】
このとき、ハーフカッタ34を所定の回動支点(図示せず)を中心として回動させるために、駆動手段としてのハーフカッタモータ129(図示省略。後述の図15参照)が設けられている。このハーフカッタモータ129を用いたハーフカッタ34の駆動機構は、詳細な図示を省略するが、例えばハーフカッタモータ129にピンを備えたクランク部材をギヤ列を介して接続し、そのクランク部材のピンをハーフカッタ34に穿設した長溝に係合して、ハーフカッタモータ129を回転したときにクランク部材のピンによりハーフカッタ34を回転するようにする。これにより、結果としてハーフカッタ34は印字済みタグラベル用テープ109の搬送方向と交差する方向(この例では略直交方向)に移動する。すなわち、モータ129の正転により印字済みタグラベル用テープ109に対しハーフカッタ34が切断方向に回動されて上記印字済みタグラベル用テープ109の搬送経路を(所定範囲内に)規制する規制位置(この例ではテープ109へ当接する)となり、モータ129の逆転によりハーフカッタ34は印字済みタグラベル用テープ109から離反方向に回動されて、上記印字済みタグラベル用テープ109の搬送経路から離間する離間位置となる。
【0068】
受け台38は、テープ排出部30より排出される印字済みタグラベル用テープ109に対向する端部がテープに平行になるように折曲され、受け面38Bを形成している。ここで、印字済みタグラベル用テープ109は、前述のように、カバーフィルム103と、粘着層101a、アンテナ基材層(テープ基材層)101b、粘着層101c、剥離紙101dからなる4層構造の基材テープ101が貼り合わされることで5層構造となっている(後述の図19も参照)。そして、上記のようにしてハーフカッタモータ129の駆動力を用いて上記ハーフカッタ34を受け面38Bに押し付けることにより、ハーフカッタ34と受け面38Bとの間にある印字済みタグラベル用テープ109は、その搬送経路が(所定範囲内に)規制されつつ、さらにカバーフィルム103、粘着層101a、アンテナ基材層101b、粘着層101cは切断されるが、剥離紙101dのみが切り残されてテープ幅方向に略沿ってハーフカット線HC(後述の図18等参照)が形成される。なお、ハーフカッタ34が受け面38Bに接当した後は、例えば前述の構成においてはギヤ列に介装された図示しない滑りクラッチにより、ハーフカッタモータ129に過負荷が生じないように構成することが好ましい。この受け面38Bは、第1案内部55、56とともに印字済みタグラベル用テープ109をラベル排出口11へ案内する役割も有する。
【0069】
図9及び図10は、内部ユニット20より上記ハーフカッタ34を除去した、切断機構15の外観を表す斜視図である。
【0070】
これら図9及び図10において、切断機構15では、カッターモータ43(図3参照)によりカッターハスバギヤ42が回転した際に、可動刃41がボス50と長孔49により軸孔48を支点として揺動し、印字済みタグラベル用テープ109がカットされるようになっている。
【0071】
すなわちまず、カッターハスバギヤ42のボス50が内側(図9中、左側)に位置する場合においては可動刃41は固定刃40から離れて位置する(以下この状態を初期状態とする。図9参照)。そして、この初期状態においてカッターモータ43が駆動し、カッターハスバギヤ42が反時計回り(矢印70方向)に回転すると、ボス50が外側に移動するとともに、可動刃41は軸孔48を中心に反時計回り(矢印73方向)に回動し、内部ユニット20に固定された固定刃40とで印字済みタグラベル用テープ109を切断する(以下この状態を切断状態とする。図10参照)。
【0072】
このようにして印字済みタグラベル用テープ109を切断して無線タグラベルを生成した後には、次回搬送される印字済みタグラベル用テープ109を切断するために可動刃41を初期状態に戻す必要がある。従って、再びカッターモータ43を駆動し、カッターハスバギヤ42を反時計回り(矢印70方向)に回転させることで、再びボス50が内側に移動するとともに、可動刃41は時計回り(矢印74方向)に回動し、可動刃41を固定刃40から離間させる(図9参照)。そして、次回、カートリッジ7より印字され搬送される印字済みタグラベル用テープ109を切断可能な状態となる。
【0073】
なおこのとき、カッターハスバギヤ42の円筒外壁上にはカッターハスバギヤ用カム42Aが設けられ、カッターモータ43によりカッターハスバギヤ42が回転すると、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用によりカッターハスバギヤ42に隣接して設けられたマイクロスイッチ126がオフ状態からオン状態に切り替わる。それにより、印字済みタグラベル用テープ109の切断状態が検出されるようになっている。
【0074】
図11は、上記可動刃41及び固定刃40の詳細構造を上記ハーフカットユニット35ともに表す斜視図であり、図12はその部分拡大断面図である。これら図11及び図12において、固定刃40は、印字機構15内のカートリッジホルダ6の左側において起立状に設けられる側板44(図4参照)に固定孔40Aを通してネジ等により固定されている。
【0075】
可動刃41は、略V字状をなし、切断部分に設けられた刃部45と刃部45の反対に位置する柄部46と屈曲部47とから構成される。屈曲部47には上記軸孔48が設けられ、この屈曲部47を支点として可動刃41が回動できるように軸孔48にて側板44に支持されている。また、可動刃41の切断部分に設けられた刃部45の反対側の柄部46に上記長孔49が形成されている。刃部45は2段刃により形成されており、その刃面は刃部45の厚みを徐々に薄くする第1傾斜面45Aと第2傾斜面45Bの傾斜角度の異なる2つの傾斜面により構成されている。
【0076】
一方、前述のハーフカットユニット35の上記第1ガイド部36のうち、排出される印字済みタグラベル用テープ109に対向する端部36Bは、上記受け台38の端部に形成された受け面38Bに沿って突出され、且つ印字済みタグラベル用テープ109の排出方向へ折曲されている。第1ガイド部36の端部36Bは、カートリッジ7より排出される印字済みタグラベル用テープ109に対する接面36Cにおいて印字済みタグラベル用テープ109排出方向に対して滑らかな曲面を有する。
【0077】
第1ガイド部36の端部36Bを突出させ接面36Cを曲面としたことにより、一定曲率以上にカールした印字済みタグラベル用テープ109の先端部は、先ず第1ガイド部36の接面36Cに当たる。その際に、印字済みタグラベル用テープ109の先端部が第1ガイド部の接面36C上の境界点75より印字済みタグラベル用テープ109の排出方向の下流側(図12中、下方向)に当たった場合には、印字済みタグラベル用テープ109の先端部はその曲面に沿って下流側へ移動することで、固定刃40と第1ガイド部36や受け台38の間に侵入することなく、ラベル排出口11方向へ導くようになっている。
【0078】
また、第1ガイド部36は、その印字済みタグラベル用テープ109の搬送経路にあたるガイド幅L1(図11参照)は装着される印字済みタグラベル用テープ109の最大幅(本実施形態では36mm)より大きくなるように形成されるとともに、内部面36Dが接面36Cに連続して形成されている。内部面36Dは、可動刃41の第1及び第2傾斜面45A,45B(詳細は後述)に対向して形成され、切断時において、可動刃41の第1及び第2傾斜面45A、45Bの一部が当接される(図12参照)。可動刃41は刃部が2段刃により形成されているので、可動刃41によって印字済みタグラベル用テープ109を切断した際に、第1ガイド部36の端部にあたる接面36C及び内部面36Dと可動刃41の第2傾斜面45Bとの間に間隙39が形成される(図12参照)ようになっている。
【0079】
図13は上記可動刃41の外観を示す正面図であり、図14は図13中A−A断面による横断面図である。
【0080】
これら図13及び図14において、本実施形態において第1傾斜面45Aは、刃部45の第1傾斜面45Aとは反対側の背面とのなす角度が50度となっている。
【0081】
図15は、本実施形態のタグラベル作成装置1の制御系を表す機能ブロック図である。図15において、このタグラベル作成装置1の制御基板(図示せず)上には、制御回路110が配置されている。
【0082】
制御回路110には、内部にタイマ111Aを備え各機器を制御するCPU111と、このCPU111にデータバス112を介して接続された入出力インタフェース113と、CGROM114と、ROM115,116と、RAM117とが設けられている。
【0083】
CGROM114には、多数のキャラクタの各々に関して、表示のためのドットパターンデータがコードデータに対応させて格納されている。
【0084】
ROM(ドットパターンデータメモリ)115には、アルファベット文字や記号等のキャラクタを印字するための多数のキャラクタ各々に関して、印字用ドットパターンデータが、書体(ゴシック系書体、明朝体書体等)毎に分類され、各書体毎に印字文字サイズ分、コードデータに対応させて格納されている。また、階調表現を含むグラフィック画像を印字するためのグラフィックパターンデータも記憶されている。
【0085】
ROM116には、上記PC118から入力された文字や数字等のキャラクタのコードデータに対応させて、印字バッファのデータを読み出して上記印字ヘッド23、搬送用モータ119、テープ排出モータ65を駆動する印字駆動制御プログラム、各印字ドットの形成エネルギ量に対応するパルス数を決定するパルス数決定プログラム、印字終了した場合に印字済みタグラベル用テープ109を切断位置まで搬送用モータ119を駆動して搬送し、上記カッターモータ43を駆動して印字済みタグラベル用テープ109を切断する切断駆動制御プログラム、切断された印字済みタグラベル用テープ109(=無線タグラベルT)をテープ排出モータ65を駆動してラベル排出口11から強制的に排出するテープ排出プログラム、その他タグラベル作成装置1の制御上必要な各種のプログラムが格納されている。CPU111は、このようなROM116に記憶されている各種プログラムに基づいて各種の演算を行う。
【0086】
RAM117には 、テキストメモリ117A、印字バッファ117B、パラメータ記憶エリア117E、残数メモリ117F(記憶手段)等が設けられている。テキストメモリ117Aには、PC118から入力された文書データが格納される。印字バッファ117Bには、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンや各ドットの形成エネルギ量である印加パルス数等がドットパターンデータとして格納され、印字ヘッド23はこの印字バッファ117Bに記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字を行う。パラメータ記憶エリア117Eには、各種演算データが記憶される。残数メモリ117Fには、ホルダ6に装着した無線タグカートリッジ7で作成できるタグラベルTの個数、すなわちカートリッジ7のカートリッジ7内における無線タグ回路素子Toの残数情報が書き換え可能に記憶される。
【0087】
基材テープ101に備えられた各無線タグ回路素子ToのIC回路部151に設けられたメモリ部157(後述の図17参照)には、カートリッジ7内の回路素子Toの枚数に関連する上記枚数関連情報(前述のようにこの例では順番情報。残数情報や使用数情報でもよい)が記憶されている。本実施形態では、枚数関連情報として順番情報が記憶されており、この順番情報は、当該各回路素子Toが、未だ無線タグラベルTの作成のない新品の無線タグカートリッジ7の基材テープ101に備えられた回路素子Toの総数に対し何番目であるか、例えば総数50個のうちの3番目(3/50)である旨の情報である。枚数情報としての上記残数情報は、後述のように上記メモリ部157の順番情報から演算により算出されて残数メモリ117Fに記憶される。なお、残数情報や使用数情報自体が(枚数関連情報として)メモリ部157に記憶されている場合には、それらをそのまま枚数情報として枚数メモリ(残数メモリ117F)に記憶するようにしてもよい。
【0088】
上記の入出力インタフェース113には、PC118と、開閉蓋(カバー)3を開閉するための開閉スイッチ(開閉ボタン)4と、開閉蓋3の開閉を検出するための開閉センサ130と、装置本体2へ装着された無線タグカートリッジ7の無線タグ回路素子To(無線タグラベルT)の残数を表示するための残数表示部9と、印字ヘッド23を駆動するための上記印刷駆動回路120と、搬送用モータ119を駆動するための搬送用モータ駆動回路121と、カッターモータ43を駆動するためのカッターモータ駆動回路122と、ハーフカッタモータ129を駆動するためのハーフカッタモータ駆動回路128と、テープ排出モータ65を駆動するためのテープ排出モータ駆動回路123と、上記ループアンテナLCを介して無線タグ回路素子Toにアクセスする(読取り/書込みを行う)ための搬送波を発生させるとともに、上記制御回路110から入力される制御信号に基づいて上記搬送波を変調する送信回路306(通信手段)と、無線タグ回路素子Toから上記ループアンテナLCを介して受信された応答信号の復調を行い、上記制御回路110に出力する受信回路307(通信手段)と、テープカットセンサ124とカットリリース検出センサ125とが各々接続されている。
【0089】
このような制御回路110を核とする制御系において、PC118を介して文字データ等が入力された場合、そのテキスト(文書データ)がテキストメモリ117Aに順次記憶されるとともに、印字ヘッド23が駆動回路120を介して駆動され、各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されて印字バッファ117Bに記憶されたドットパターンデータの印字を行い、これと同期して搬送用モータ119が駆動回路121を介してテープの搬送制御を行う。また、送信回路306が制御回路110からの制御信号に基づき搬送波の変調制御を行うとともに、受信回路307は制御回路110からの制御信号に基づき復調した信号の処理を行う。
【0090】
また、テープカットセンサ124及びカットリリース検出センサ125は、カッターハスバギヤ42の円筒外壁上に設けられたカッターハスバギヤ用カム42Aとマイクロスイッチ126とから構成されている(図9、図10参照)。具体的には、カッターモータ43によりカッターハスバギヤ42が回転すると、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用によりマイクロスイッチ126がオフ状態からオン状態に切り替わり、可動刃45による印字済みタグラベル用テープ109の切断が完了したことを検出する。このことにより、テープカットセンサ124が構成される。また、更にカッターハスバギヤ42が回転すると、カッターハスバギヤ用カム42Aの作用によりマイクロスイッチ126がオン状態からオフ状態に切り替わり、可動刃45がリリース位置に戻ったことを検出する。このことにより、カットリリース検出センサ125が構成される。
【0091】
図16は、上記送信回路306、受信回路307とループアンテナLCとの接続部分の回路構成を簡略的に表す回路図である。この図16において、送信回路306は装置側ループアンテナLCに接続され、また受信回路307は装置側ループアンテナLCと直列に接続されたコンデンサ310に接続されている。なお、上記送信回路306及び受信回路307には、図示しない高周波回路及び信号処理回路が接続されている。
【0092】
図17は、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。この図17において、無線タグ回路素子Toは、タグラベル作成装置1側のループアンテナLCと磁気誘導により非接触で信号の送受信を行う上記ループアンテナ152と、このループアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
【0093】
IC回路部151は、ループアンテナ152により受信された搬送波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された搬送波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部154と、上記ループアンテナ152により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得る上記メモリ部157と、上記ループアンテナ152に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
【0094】
変復調部158は、ループアンテナ152により受信された上記タグラベル作成装置1のループアンテナLCからの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの返信信号に基づき、ループアンテナ152が受信した搬送波を変調し、ループアンテナ152より反射波として再送信する。
【0095】
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0096】
図18(a)及び図18(b)は、上述のような構成であるタグラベル作成装置1により無線タグ回路素子Toの情報書き込み(又は読み取り)及び印字済タグラベル用テープ109の切断が完了し形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図18(a)は上面図、図18(b)は下面図である。また図19(a)は、図18中IXXA−IXXA′断面による横断面図を反時計方向に90°回転させた図であり、図19(b)は図18中IXXB−IXXB′断面による横断面図を反時計方向に90°回転させた図である。
【0097】
これら図18(a)、図18(b)、図19(a)、及び図19(b)において、無線タグラベルTは、前述したように図5に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図19中上側)よりその反対側(図19中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、アンテナ基材層101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。そして、前述のようにアンテナ基材層101bの裏側に設けられたループアンテナ152を含む無線タグ回路素子Toがアンテナ基材層101b及び粘着層101c内に備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面に無線タグ回路素子Toの記憶情報等に対応したラベル印字R(この例では無線タグラベルTの種類を示す「RF−ID」の文字)が印刷されている。
【0098】
また、カバーフィルム103、粘着層101a、アンテナ基材層101b、粘着層101cには、既に述べたように上記ハーフカッタ34によってテープ幅方向に略沿ってハーフカット線HC(半切断部位。但しこの例では前ハーフカット線HC1及び後ハーフカット線HC2の2本。詳細は後述)が形成されている。カバーフィルム103のうち、これらハーフカット線HC1,HC2の間に挟まれた領域がラベル印字Rが印刷される印字領域Sとなり、印字領域Sよりハーフカット線HC1,HC2を挟んでテープ長手方向両側がそれぞれ前余白領域S1及び後余白領域S2となっている。
【0099】
また、タグラベル作成装置1では、既に述べたように1組の基材テープ101及びカバーフィルム103を用い、これらを貼りあわせた印字済みタグラベル用テープ109によって複数の無線タグラベルTを順次作成するものであるが、この例では、この順次作成するときに、各無線タグラベルTのカバーフィルム103の前余白領域S1に、無線タグラベルTのブランド名等のロゴ或いは「取り扱い注意」などの適宜な文字情報R1が印刷されている(この文字情報R1を印刷しないようにしても良い)。
【0100】
なお、印字領域Sのテープ長手方向における寸法(ハーフカット線HC1からハーフカット線HC2までの距離)Xは、ラベル印字Rの内容や態様(例えば文字数、フォント等)に応じて可変に設定される。また、前余白領域のテープ長手方向における寸法(テープ先端からハーフカット線HC1までの距離)X1、及び、後余白領域のテープ長手方向における寸法(ハーフカット線HC2からテープ後端までの距離)X2は、予め所定の値に(この例では固定的に)設定されている(後ハーフカット線HC2を設けない場合もある)。また、剥離紙101dには前述の識別子PMが残存しており、この識別子PMのテープ搬送方向先端とこれに対しオフセットされる無線タグ回路素子Toのテープ搬送方向先端までの距離Lは、予め所定の値に設定されている。
【0101】
図20は、上述したようなタグラベル作成装置1による無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報へのアクセス(読み取り又は書き込み)に際して、上記PC118(端末118a又は汎用コンピュータ118b)に表示される画面の一例を表す図である。
【0102】
図20において、この例では、タグラベルの種別(アクセス周波数及びテープ寸法)、無線タグ回路素子Toに対応して印刷されたラベル印字R、その無線タグ回路素子Toに固有の識別情報(タグID)であるアクセス(読み取り又は書き込み)ID、上記情報サーバISに記憶された物品情報のアドレス、及び上記ルートサーバRSにおけるそれらの対応情報の格納先アドレス等が上記PC118に表示可能となっている。そして、そのPC118の操作によりタグタグラベル作成装置1が作動されて、カバーフィルム103に上記ラベル印字Rが印刷されると共に、IC回路部151に上記書き込みIDや物品情報等の情報が書き込まれる(又はIC回路部151に予め記憶された読み取りIDや物品情報等の情報が読みとられる)。
【0103】
なお、上記のような読み取り又は書き込みの際、生成された無線タグラベルTの無線タグ回路素子ToのタグIDとその無線タグラベルTのIC回路部151から読みとられた情報(又はIC回路部151に書き込まれた情報)との対応関係は、前述のルートサーバRSに記憶され、必要に応じて参照できるようになっている。
【0104】
次に、上記のタグラベル作成装置1における搬送位置に応じた制御の挙動を図21〜図26を用いて説明する。
【0105】
(A)印字長が比較的長い場合
図21(a)〜(k)はそれぞれ、連続的に繰り出される印字済みタグラベル用テープ109の識別子PM、無線タグ回路素子To、ラベル印字Rの印字領域Sと、ループアンテナLC、マークセンサ127、ハーフカットユニット35、切断機構15、印字ヘッド23との位置関係を表す説明図である。なお、図示のように、本実施形態では、基材テープ101において、識別子PMのテープ搬送方向先端位置から無線タグ回路素子Toのテープ搬送方向先端までの距離Lが、マークセンサ127と印字ヘッド23との間のテープ搬送方向距離Loに等しくなるように、予め設定されている。
【0106】
印字ヘッド23と切断機構15との間には、(先の図5に示したように)送りローラ27と圧着ローラ28とからなる貼り合わせ部が設けられている。図21(a)は、カートリッジ7の第1ロール102から繰り出された基材テープ101と第2ロール104から繰り出されたカバーフィルム103とが送りローラ27と圧着ローラ28とによって貼り合わされ、その貼り合わされたテープの先端が切断機構15に至る状態を示している。説明の便宜上、貼り合わされたが、印字ヘッド23によるカバーフィルム103への印字が未だなされていないテープの状態を含めて印字済みタグラベル用テープ109として示す。図21(a)は、そのタグラベル用テープ109が頭出しされる状態にあり、識別子PMはマークセンサ127によって検出されていない。
【0107】
この状態から、さらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送(言い換えれば基材テープ101及びカバーフィルム103の搬送。以下同様)が進むと、無線タグ回路素子Toのテープ搬送方向先端付近が印字ヘッド23の位置に到達する(図21(b))。ここで、前述のように、L=Loとなっていることから、印字済みタグラベル用テープ109の移動により識別子PMの先端がマークセンサ127の位置に到達したとき、カバーフィルム103の無線タグ回路素子Toに対応する位置(基材テープ101の無線タグ回路素子To位置と貼りあわされることとなる位置)が、ほぼ印字ヘッド23の位置に到達する。これに対応し、識別子PMがマークセンサ127で検出されると、カバーフィルム103にラベル印字Rの印刷が開始される(図21(c))。この例では、後述の図21(i)〜図21(k)に示すように、比較的長い文字(アルファベット文字「ABCDEFGHIJKLMN」)を印字する場合を例にとっている。
【0108】
上記図21(c)の状態からさらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送が進むと、予め設定された前ハーフカット線HC1の位置(前述したように、テープ先端から距離X1の位置。図18参照)が、ハーフカットユニット35の位置に到達する(図21(d))。この状態では前述のように既にマークセンサ127によって識別子PMを検出した後であるため、この位置に来たことの検出は、前述の図21(b)の状態(識別子PM検出開始状態)から印字済みタグラベル用テープ109が所定距離だけ進んだことを検知することによって行う。この検出に対応して、印字済みタグラベル用テープ109の搬送を停止し、ハーフカットユニット35によって前ハーフカット線HC1を形成する(図21(d))。
【0109】
その後、印字済みタグラベル用テープ109の搬送を再開し、上記図21(d)の状態からさらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送が進む(図21(e))と、無線タグ回路素子ToがループアンテナLCの位置に到達する(図21(f))。このとき、この例ではラベル印字Rとして前述のように比較的長い文字(「ABCDEFGHIJKLMN」)の印刷を行っていることから、この時点ではまだ印字領域Sにおけるすべての印刷が終了していない。このため、印字済みタグラベル用テープ109の搬送及び印刷を一旦停止(中断)させて、その搬送停止状態でループアンテナLCより無線タグ回路素子Toとの無線通信により情報の書き込みを行う。本実施形態では、このとき、上記の無線タグ回路素子Toは、印字済みグラベル用テープ109の1番目のものであるので、上記の無線タグ回路素子Toとの無線通信により、該無線タグ回路素子Toに記憶されている枚数関連情報である順番情報(例えばカートリッジ7内全50個の無線タグ回路素子Toのうち1番目である1/50)の読み取りを合わせて行い、その順番情報からカートリッジ7内の無線タグ回路素子Toの残数情報の値Q(この時点で当該無線タグ回路素子Toはカートリッジ7外に出ていることからQ=50−1=49個)を演算する。そして、無線タグラベルTの作成完了後に(後述するステップS65で)Qが1減算されるのに備えて、予めこのQに1を加えたQ+1(すなわちこの例では50)を記憶すべき残数情報として残数メモリ117Fに記憶させる。
【0110】
ついで、搬送及び印刷を再開し(図21(g))、最終的にすべての(「ABCDEFGHIJKLMN」)の印刷を完了させる(図21(h))。
【0111】
上記図21(h)の状態からさらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送が進むと、予め設定された後ハーフカット線HC2の位置(前述したように、テープ後端から距離X2の位置。図18参照)が、ハーフカットユニット35の位置に到達する。この位置に来たことの検出は、上記前ハーフカット線HC2の位置検出と同様、図21(b)の状態から印字済みタグラベル用テープ109が所定距離だけ進んだことを検知することによって行う。この検出に対応して、印字済みタグラベル用テープ109の搬送を停止し、ハーフカットユニット35によって後ハーフカット線HC2を形成する(図21(i))。
【0112】
前述のように、各無線タグラベルTにおいてカバーフィルム103の前余白領域S1に無線タグ回路素子Toのブランド名のロゴなど適宜の情報R1が印刷される。すなわち、上記図21(i)の状態からさらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送が進むと、上記次の無線タグラベルTに対応するカバーフィルム103の前余白領域S1が印字ヘッド23の位置に到達する。この位置に来たことの検出は、前述と同様、図21(b)の状態から印字済みタグラベル用テープ109が所定距離だけ進んだことを検知することによって行う。この検出に対応して、カバーフィルム103に上記適宜の情報R1の印刷が開始される(図21(j))。
【0113】
上記図21(j)の状態からさらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送が進むと、ラベル印字Rの長さに対応して可変に設定された各無線タグラベルTの印字領域Sのテープ長手方向寸法Xに対応した切断線CL(切断部位)の位置が、切断機構15の位置に到達する(なおこの段階では、上記順番情報R1の印刷は完了している)。この位置に来たことの検出も、上記同様、図21(b)の状態から印字済みタグラベル用テープ109が所定距離だけ進んだことを検知することによって行う。この検出に対応して、印字済みタグラベル用テープ109の搬送を停止し、切断機構15によって切断線CLにおいて切断を行い(図21(k))、印字済みタグラベル用テープ109から先端側の1枚目の無線タグラベルTが切り離され、1枚目の無線タグラベルTが形成される。
【0114】
本実施形態では、このように1つの無線タグラベルTが形成されるごとにカートリッジ7内の無線タグラベルTの残数が1つずつ減っていくのに対応し、上記ラベル完成後の時点で残数情報の値QをQ−1に減少させ(前述の例では50から1減少した49)、その値を残数メモリ117Fに上書きするとともに、残数表示部9にその値(この例では「49」)を表示させる。上記のようにして、1枚目の無線タグラベルTが切り離された印字済みタグラベル用テープ109は、図21(a)に示したのと同様な状態になり、搬送によって識別子PMを設けた先端側を先頭にして進行する。
【0115】
図22(a)〜(c)は、上記のようにして印字済みタグラベル用テープ109から完成した無線タグラベルTを次々と切り離し、最後の50枚目の無線タグラベルT以降の印字済みタグラベル用テープ109の終端部に対する処理を示している。該テープ109の終端部には、基材テープ101に無線タグ回路素子Toが設けられていない。
【0116】
図22(a)では、最後の(この例では50枚目の)無線タグラベルTの印字が済み、無線タグ回路素子Toへの情報の書き込みが済んだ印字済みタグラベル用テープ109が搬送されて、前記と同様、予め設定された後ハーフカット線HC2の位置がハーフカットユニット35の位置に至ると、テープ109の搬送を停止し、ハーフカットユニット35のカッタ34によってテープ109をHC2の位置で後ハーフカットする。ついで印字済みタグラベル用テープ109の搬送を再開し、テープ109の最後の無線タグラベルTに続く終端部が印字ヘッド23の位置を通過する際に、カバーフィルム103の無線タグラベルTにおける前余白領域S1に相当する終端部の所定位置に、識別子PMの後方の適宜の情報R1としてテープの終端部であることを表す情報(この例では「END」の文字)を印刷して行く(図22(b))。
【0117】
図22(b)の状態から、印字済みタグラベル用テープ109の搬送がさらに進行し、切断線CLの位置が切断機構15に至った時点で、搬送を停止して該テープ109を切断し、テープ109から最後の50枚目の無線タグラベルTを切り離す(図22(c))。印字済みタグラベル用テープ109は、この無線タグラベルTの切り離しによって終端部だけが残存する。残数メモリ117Fの上記残数情報の値Qはこのように最後の無線タグラベルTを排出した段階でQ=0となり、残数表示部9には数値0が表示される。
【0118】
なお、この際、テープ切れである旨をPC118の画面に表示して、操作者に報知する(必要に応じて送りローラ27等の駆動を停止してもよい)。
【0119】
図23は、上記のようにして完成した無線タグラベルTの例を表す図であり、前述した図18(a)にほぼ相当する図である。図23(a)は新しい基材テープ101及びカバーフィルム103を用いて最初に作成した(=つまり1枚目の)無線タグラベルT−1の例を表し、図23(b)はそれ以外の(=つまり2枚目以降の)無線タグラベルT−2の例を表している。無線タグラベルT−1,T−2には、テープ長手方向中央側に無線タグ回路素子Toが配置されるとともにこれに対応する印字領域Sにラベル印字Rがなされ、前・後ハーフカット線HC1,HC2を挟んで、識別子PMのある前余白領域S1と後余白領域S2とがそれぞれ設けられる。無線タグラベルTの前余白領域S1の適宜の情報R1は、図23(b)の2枚目以降の無線タグラベルT−2について印刷されている。
【0120】
(B)印字長が比較的短い場合
図24(a)〜(k)及び図25(a)〜(c)により説明する。図24(a)〜(k)はそれぞれ、上記図21(a)〜(k)と同様、連続的に繰り出される印字済みタグラベル用テープ109の識別子PM、無線タグ回路素子To、ラベル印字Rの印字領域Sと、ループアンテナLC、マークセンサ127、ハーフカットユニット35、切断機構15、印字ヘッド23との位置関係を表す説明図である。この例では、後述の図24(f)〜図24(k)に示すように、比較的短い文字(アルファベット文字「ABCDEFGHIJ」)を印字する場合を例にとっている。
【0121】
まず、図24(a)〜(e)は前述の図21(a)〜(e)と同様である。すなわち、カートリッジ7から印字済みタグラベル用テープ109(基材テープ101とカバーフィルム103とが貼り合わされたテープ)の繰り出しが開始された後(図24(a))、さらに搬送が進むと、識別子PMの先端がマークセンサ127の位置に到達したとき(図24(b))カバーフィルム103にラベル印字Rの印刷が開始される(図24(c))。さらに搬送が進み前ハーフカット線HC1の位置がハーフカットユニット35の位置に到達するとハーフカットユニット35のハーフカッタ34によって前ハーフカット線HC1を形成した(図24(d))後、印字済みタグラベル用テープ109の搬送を再開し、さらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送が進む(図24(e))。
【0122】
すると、この例ではラベル印字Rの文字数が比較的少ないため、無線タグ回路素子ToがループアンテナLCの位置に到達する(後述の図24(g)参照)より前に、ラベル印字Rの印字(「ABCDEFGHIJ」)が先に完了する(図24(f))。
【0123】
その後、搬送が進んで、無線タグ回路素子ToがループアンテナLCの位置に到達することとなる(図24(g))が、上記(A)の場合と異なり、この時点で印字領域Sへのすべての印刷が終了している。このため、印字済みタグラベル用テープ109の搬送を停止(中断)させて、その搬送停止状態でループアンテナLCより無線タグ回路素子Toとの無線通信を行った後、搬送を再開(図24(h))する。この無線タグ回路素子Toとの無線通信により、前記と同様に、当該無線タグ回路素子Toに記憶されている枚数関連情報である順番情報(前述の例では1/50等)を読み取り、その順番情報からカートリッジ7内の無線タグ回路素子Toの残数情報の値Q(49個等)を演算する。そして、前述と同様このQに1を加えたQ+1(すなわちこの例では50)を記憶すべき残数情報として残数メモリ117Fに記憶させる。
【0124】
これ以降の図24(i)〜(k)は上記図21(i)〜(k)と同様であり、すなわち上記図24(h)の状態からさらに印字済みタグラベル用テープ109の搬送が進み、ハーフカット線HC2の位置がハーフカットユニット35の位置に到達すると印字済みタグラベル用テープ109の搬送を停止し、ハーフカットユニット35によって後ハーフカット線HC2を形成する(図24(i))。さらに搬送が進み次の無線タグラベルTに対応するカバーフィルム103の前余白領域S1が印字ヘッド23の位置に到達すると、ブランド名のロゴ等の適宜の情報R1の印刷が開始され(図24(j))、さらに搬送が進んで切断線CLの位置が切断機構15の位置に到達すると搬送を停止し、切断機構15によって切断線CLにおいて切断を行い(図24(k))、印字済みタグラベル用テープ109の先端側を切り離して無線タグラベルTとする。そして前述と同様、1つの無線タグラベルTが形成されるごとにカートリッジ7内の無線タグラベルTの残数が1つずつ減っていくのに対応し、上記ラベル完成後の時点で残数情報の値QをQ−1に1だけ減少させ(1減少した49)、その値を残数メモリ117Fに上書きするとともに、残数表示部9にその値(この例では「49」)を表示させる。
【0125】
図25(a)〜(c)はそれぞれ、図22(a)〜(c)に対応する図である。図25(a)では、印字済みタグラベル用テープ109は、完成した無線タグラベルTを次々と切り離し、最後の50枚目の無線タグラベルTの印字が済み、無線タグ回路素子Toへの情報の書き込みが終了しており、後ハーフカット線HC2の位置がハーフカットユニット35の位置に達し、前述と同様に、該テープ109の搬送を停止して、ハーフカットユニット35のカッタ34によってテープ109をHC2の位置で後ハーフカットする。
【0126】
ついで印字済みタグラベル用テープ109の搬送を再開し、テープ109の最後の無線タグラベルTに続く終端部が印字ヘッド23の位置を通過する際に、カバーフィルム103の無線タグラベルTにおける前余白領域S1に相当する終端部の所定位置に、識別子PMの後方の適宜の情報R1として「END」の文字を印刷して行く(図25(b))。
【0127】
図25(b)の状態から、印字済みタグラベル用テープ109の搬送がさらに進行し、切断線CLの位置が切断機構15に至った時点で、搬送を停止してテープ109を切断し、テープ109から最後50枚目の無線タグラベルTを切り離す(図25(c))。印字済みタグラベル用テープ109は、この無線タグラベルTの切り離しによって終端部だけが残存する。残数メモリ117Fの上記残数情報の値Qはこのように最後の無線タグラベルTを排出した段階でQ=0となり、残数表示部9には数値0が表示される。
【0128】
図26(a)及び図26(b)は、上記のようにして完成した無線タグラベルTの例を表す図であり、上記(A)で前述した図23(a)及び図23(b)にほぼ相当する図である。前述と同様、無線タグラベルTの前余白領域S1の適宜の情報R1は、図26(b)の2枚目以降の無線タグラベルT−2について印刷されている。
【0129】
図27は、上記制御回路110によって実行される一連の制御の制御手順を表すフローチャートである。
【0130】
この図27において、まず操作者がタグラベル作成装置1の作成開始ボタンをオンし(あるいは上記PC118を介しタグラベル作成装置1による所定の無線タグラベル作成操作が行われると)、ステップS1で無線タグラベルの作成が開始されたと判断すると、ついでステップS2でカバー(開閉蓋)3が閉じられたかを判断する。操作者が開閉ボタン(開閉スイッチ)4を押して装置本体2の上面のカバー3を開き、装置本体2の内のカートリッジホルダ6に無線タグ回路素子カートリッジ7を装着してカバー3を閉じると、開閉センサ130(図15を参照)がカバー3が閉じられたことを検出し、ステップS2の判断が満たされて、次のステップS100を実行する。
【0131】
ステップS100では、上記PC118からの操作信号を(通信回線NW及び入出力インターフェース113を介して)入力し、この操作信号に基づき印刷データや無線タグ回路素子Toとの通信データの設定等を行なう準備処理(詳細は後述の図28参照)を行う。
【0132】
その後、ステップS5に移り、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121に制御信号を出力し、搬送用モータ121の駆動力によってテープ送りローラ27及びリボン巻取りローラ106を回転駆動させる。さらに、テープ排出モータ駆動回路123を介してテープ排出モータ65に制御信号を出力し、駆動ローラ51を回転駆動させる。これらにより、第1ロール102から基材テープ101が繰り出されテープ送りローラ27へ供給されるとともに、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出され、これら基材テープ101とカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及び圧着ローラ28により接着されて一体化されて印字済タグラベル用テープ109として形成され、カートリッジ7外方向からさらにタグラベル作成装置1外方向へと搬送される。
【0133】
その後、ステップS10において、入出力インターフェース113を介し入力されたマークセンサ127の検出信号に基づき、印字済タグラベル用テープ109の上記識別子PMが検出されたかどうか(言い換えれば印字済みタグラベル用テープ109が印刷開始位置まで到達したかどうか)を判定する。識別子PMが検出されるまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、検出されたら判定が満たされて次のステップS15に移る。
【0134】
ステップS15では、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、印字ヘッド23を通電して、カバーフィルム103のうち前述した印字領域S(=基材テープ101に所定ピッチで等間隔で配置された無線タグ回路素子Toの裏面にほぼ貼り合わせることとなる領域)に、ステップS100で生成した印刷データに対応した文字、記号、バーコード等のラベル印字Rの印刷を開始する(図21(b)及び図21(c)参照)。
【0135】
その後、ステップS20において、印字済タグラベル用テープ109が前述した前ハーフカット位置まで搬送されたかどうか(言い換えればハーフカット機構35のハーフカッタ34がステップS100で設定した前ハーフカット線HC1に正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定は、例えば、上記ステップS10において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。前ハーフカット位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS25に移る。
【0136】
ステップS25では、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121及びテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、搬送用モータ119及びテープ排出モータ65の駆動を停止して、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止する。これにより、カートリッジ7から繰り出された印字済タグラベル用テープ109が排出方向に移動する過程で、ステップS100で設定した前ハーフカット線HC1にハーフカット機構35のハーフカッタ34が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。またこのとき、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120にも制御信号を出力し、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(印刷中断)する
【0137】
その後、ステップS30で前ハーフカット処理を行う。前ハーフカット処理は、入出力インターフェース113を介しハーフカッタモータ駆動回路128に制御信号を出力してハーフカッタモータ129を駆動し、ハーフカッタ34を回動させて、印字済タグラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、アンテナ基材層101b、及び粘着層101cを切断して前ハーフカット線HC1を形成する(図21(d))。
【0138】
そして、ステップS35に移り、上記ステップS5と同様にしてテープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済タグラベル用テープ109の搬送を再開するとともに、ステップS15と同様にして印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。
【0139】
その後、ステップS40において、ステップS100において印字内容(印字文字の数、フォント等)に応じて可変に設定した印刷終了位置(後述のステップS130参照)と、ステップS100において操作者より入力された操作信号に含まれるカートリッジ7の種類情報に応じて設定したタグ後端位置(後述のステップS145参照)とに応じて、当該印字済みタグラベル用テープ109について、印字領域Sへのすべてのラベル印字Rの印刷が終了する前に、無線タグ回路素子Toの通信位置(無線タグ回路素子ToがループアンテナLCと正対する位置)となるか(前述の図21(f)の状態)、あるいは無線タグ回路素子Toの通信位置となる前に印字領域Sへのすべてのラベル印字Rの印刷が終了するか(前述の図24(g)の状態)となるかを判定する。
【0140】
例えば印刷しようとするラベル印字Rの長さが比較的長く上記図21(f)の状態となるような位置関係であれば、上記ステップS40の判定が満たされ、ステップS200に移り、長印字ラベル作成処理を行う。すなわち、無線タグ回路素子Toの通信位置(無線タグ回路素子ToがループアンテナLCと正対する位置)まで搬送したら搬送及び印字を停止して情報送受信を行い、その情報送受信で無線タグ回路素子Toに記憶されている順番情報を読み取って、カートリッジ7内の無線タグ回路素子Toの残数の値Qを演算し、その後搬送及び印字を再開して印字を完了させ、さらに搬送して後ハーフカット位置で搬送を停止して後ハーフカット線HC2の形成を行った後、ブランド名のロゴなどの適宜の情報R1の印刷(余白印刷)を行う(後述の図34参照)。
【0141】
一方、例えば印刷しようとするラベル印字Rの長さが比較的短く上記図24(g)の状態となるような位置関係であれば、上記ステップS40の判定が満たされず、ステップS250に移り、短印字ラベル作成処理を行う。すなわち、そのまま搬送及び印字を継続してまず印字を完了させた後、さらに搬送して無線タグ回路素子Toの通信位置(無線タグ回路素子ToがループアンテナLCと正対する位置)まで到達したら搬送を停止して情報送受信を行い、その情報送受信で無線タグ回路素子Toに記憶されている順番情報を読み取って、カートリッジ7内の無線タグ回路素子Toの残数の値Qを演算し、さらに搬送して後ハーフカット位置で搬送を停止して後ハーフカット線HC2の形成を行った後、適宜情報R1の印刷(余白印刷)を行う(後述の図34参照)。
【0142】
以上のようにしてステップS200又はステップS250が終了したら、ステップS45に移る(なおこの時点でステップS200又はステップS250において印字済みタグラベル用テープ109の搬送が再開されている)。ステップS45では、印字済タグラベル用テープ109が前述したフルカット位置まで搬送されたかどうか(言い換えれば切断機構15の可動刃41がステップS100で設定した切断線CLに正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定も、前述と同様、例えば、上記ステップS10において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。フルカット位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS50に移る。
【0143】
ステップS50では、上記ステップS25と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止して印字済タグラベル用テープ109の搬送を停止する。これにより、ステップS100で設定した切断線CLに切断機構15の可動刃41が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。
【0144】
その後、ステップS55でカッタモータ駆動回路122に制御信号を出力してカッタモータ43を駆動し、切断機構15の可動刃41を回動させて、印字済タグラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、アンテナ基材層101b、粘着層101c、及び剥離紙101dをすべて切断(分断)して切断線CLを形成するフルカット処理を行う(図21(k)参照)。この切断機構15による分断によって印字済みタグラベル用テープ109から切り離され、無線タグ回路素子Toの無線タグ情報が読み取られかつこれに対応する所定の印字が行われたラベル状の無線タグラベルTが生成される。
【0145】
その後、ステップS60に移り、入出力インターフェース131を介してテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、テープ排出モータ65の駆動を再開して、駆動ローラ51を回転させる。これにより、駆動ローラ51による搬送が再開されて上記ステップS55でラベル状に生成された無線タグラベルTがラベル排出口11へ向かって搬送され、ラベル排出口11からタグラベル作成装置1外へと排出し、その後ステップS65に移る。
【0146】
ステップS65では、ステップS200またはS250において算出したカートリッジ7内の無線タグ回路素子Toの残数情報の値Qから1を減少させてQ=Q−1とし(更新処理手段)、この値Q−1を残数メモリ117Fに記憶するとともに、ステップS70でこの値Q−1を装置本体2の残数表示部9に表示する(信号出力手段)。
【0147】
ついでステップS75で、開閉センサ130による検出信号に基づき、ラベル作成装置1のカバー3が開いたか否かを判定し、開いたことが検出されていなければ、操作者がタグラベルTの作成を終了しないとみなされて、ステップS1に戻って同様の手順を繰り返す。
【0148】
一方、ステップS75で開閉センサ130がカバー3が開いたことを検出していた場合は判定が満たされ、操作者がタグラベルの作成を終了しカバー3を開いたものとみなされて、ステップS80において残数メモリ117Fに記憶された無線タグ回路素子Toの残数情報の値を0にリセットし(初期化処理手段)、このフローを終了する。
【0149】
なお、上記ステップS55の切断処理とステップS60のラベル排出処理とは、例えば以下のように連動して行うようにしてもよい。
【0150】
例えばまず、切断機構15によるカット動作時には、入出力インターフェース113及びカッターモータ駆動回路122を介しカッターモータ43を駆動し、カッターハスバギヤ42が反時計回りに回転させ(図3矢印70方向)、ボス50及びカム60によりホルダ支持部59を中心にローラ支持ホルダ57を反時計回り(図3矢印71方向)に回動させる。そして、固定刃40及び可動刃41により印字済みタグラベル用テープ109が切断され始める直前に駆動ローラ51に押圧ローラ52で印字済みタグラベル用テープ109を押さえ付け、テープが切断されるまで印字済みタグラベル用テープ109を保持する。
【0151】
その後、印字済みタグラベル用テープ109の切断が完了したか否かがテープカット検出センサ124の検出信号に基づき制御回路110で判断される。上記マイクロスイッチ126の検出信号がオフ状態からオン状態に切り替わり、切断が完了したと判断された場合には、入出力インターフェース113及びカッターモータ駆動回路122を介しカッターモータ43の回転を一時停止させる。一方切断が完了していない場合には、マイクロスイッチ126がオフ状態からオン状態に切り替わるまでカッターモータ43の駆動を継続する。
【0152】
切断が完了しカッターモータ43が停止すると、入出力インターフェース113及びテープ排出モータ駆動回路123を介しテープ排出モータ65を回転させ、ギヤ列66を通して駆動ローラ51を回転し、保持していたテープ(無線タグラベルT)を排出する。そしてテープ排出が開始されてから所定の時間(例えば0.5sec〜1.0sec)が経過したかどうかにより、無線タグラベルTが排出されたかどうかの判定が制御回路110で行われ、排出されたと判定された場合には、入出力インターフェース113及びテープ排出モータ駆動回路123を介しテープ排出モータ65の回転を停止させ、排出が完了していない場合には排出されるまで回転続行する。
【0153】
テープ排出モータ65に回転が停止した後、再び入出力インターフェース113及びカッタモータ駆動回路122を介しカッターモータ43を回転させる。それによりカッターハスバギヤ42も再び回転し、可動刃41を回動させリリース位置に戻すとともに(図12参照)、ローラ支持ホルダ57は付勢バネ61によって押圧ローラ52が離間する方向(図3矢印71逆方向)に回動し、ストッパ72によって一定間隔を持って保持される。その後、カットリリース検出センサ125からの検出信号により、制御回路110において上記カットリリース動作が完了したかの検出がされる。マイクロスイッチ126がオン状態からオフ状態に切り替わっておらず、カットリリース動作が完了していない場合には完了されるまでカッターモータ43の回転が継続される。そして、マイクロスイッチ126オン状態からオフ状態に切り替わってカットリリース動作が完了した場合には、カッターモータ43の回転を停止させ、上記フルカット処理及びラベル排出処理が終了する。
【0154】
図28は、上述したステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。図28に示すフローにおいて、まずステップS105で、入出力インターフェース113を介し、PC118から入力操作された操作信号を入力(識別)する。この操作信号には、例えば操作者が指定したラベル印字R及び適宜の情報R1の文字・図柄・模様等やそのフォント(字体、大きさ、太さ等)あるいは文字や数字等のキャラクタのコードデータなどの印刷情報が含まれ、無線タグ回路素子Toへ情報書き込みを行う場合には、当該書き込み情報(少なくとも識別情報としてのタグIDを含む無線タグ情報)も含まれる。また、カートリッジホルダ6に装着されたカートリッジ7の種類に関する情報(言い換えれば、基材テープ101における無線タグ回路素子の配置間隔、基材テープ101のテープ幅等のタグ属性情報)も併せて含まれる。
【0155】
なお、このカートリッジ情報については、カートリッジ7に別途設けた被検出部(例えば凹凸形状等の識別子)を適宜の検出手段(メカニカルスイッチ等の機械的検出を行うものや、光学的検出を行うセンサ、磁気的検出を行うセンサ等)で検出し、この検出信号に基づきカートリッジ7の種類を自動的に検出・検索するようにしてもよい。
【0156】
その後、ステップS110に移り、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、上記印刷情報に対応した印刷データを作成する。
【0157】
そして、ステップS115において、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、上記書き込み情報に対応した通信データを作成する。なお上述したように、無線タグ回路素子Toへ情報書き込みを行って無線タグラベルTを作成する場合にはこの手順を実行するが、無線タグ回路素子Toに予め記憶された情報の読み取りを行って無線タグラベルTを作成する場合には、この手順は省略してもよい。
【0158】
その後、ステップS120に移り、上述した前ハーフカット線HC1の位置を設定する。この設定は、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、上記カートリッジ情報に対応した前ハーフカット線HC1のテープ上の位置を設定する。すなわち、カートリッジ7の種類によって前述したように基材テープ101における無線タグ回路素子の配置間隔(言い換えれば切断線CLと切断線CLとの距離、1つの無線タグラベルTの長さ)が一意的に決まり、またこの無線タグラベルTの長さによって前ハーフカット線HC1の位置は(後ハーフカット線HCとは異なり)ラベル印字Rの内容によらず印字済みタグラベル用テープ109先端から一定の位置に予め決められている(例えばテーブルの形で制御回路110の適宜の箇所に記憶されている)。この手順では、このような前提のもと、上記前ハーフカット線HC1の位置をカートリッジ7ごとに予め定められた位置に(固定的に)設定する。
【0159】
そして、ステップS125において、上述した無線タグ回路素子Toによるテープ上の通信位置を設定する。この設定も、上記ステップS120と同様、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、カートリッジ7の種類によって無線タグ回路素子Toの種類(大きさ)及び配置位置は印字済みタグラベル用テープ109先端から一定の位置に予め決められている前提のもと、上記無線タグ回路素子Toの印字済みタグラベル用テープ109における配置位置を、カートリッジ7ごとに予め定められた位置に(固定的に)設定する。
【0160】
その後、ステップS130に移り、上記ステップS110で作成された印刷データに基づき、ラベル印字Rの印刷が終了するテープ上の位置を算出する。すなわち、ラベル印字Rの内容によって変化し、印字長さが長くなる場合には印刷終了位置はラベル後端部側に(相対的に)近くなり、印字長さが短い場合には印刷終了位置はラベル前端部側に(相対的に)近くなる。
【0161】
そして、ステップS135において、上述した後ハーフカット線HC2の位置を設定する。この設定は、上記ステップS105で入力された操作信号と、上記ステップS130で算出された印刷終了位置とに基づき、上記カートリッジ情報に対応した後ハーフカット線HC2のテープ上の位置を設定する。すなわち、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、カートリッジ7の種類によって印刷終了位置から後ハーフカット線HC2までの距離は一定に予め決められている前提のもと、上記ステップS130で算出された印刷終了位置に対し当該定められた距離を加える(間に介在させる)形で、テープ上の後ハーフカット線HC2の位置を算出する。
【0162】
その後、ステップS140に移り、印字済みタグラベル用テープ109の切断線CLの位置(フルカット位置)を設定する。この設定も、上記ステップS120と同様、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、カートリッジ7の種類によってラベル大きさは一定に予め決められている前提のもと、印字済みタグラベル用テープ109の切断位置をカートリッジ7ごとに予め定められた位置に(固定的に)設定する。
【0163】
そして、ステップS145において、上述した無線タグ回路素子Toのテープ上の後端位置を設定する。この設定も、上記と同様、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、カートリッジ7の種類によって無線タグ回路素子Toの種類(大きさ)及び配置位置は予め決められている前提のもと、上記無線タグ回路素子Toの印字済みタグラベル用テープ109における後端位置を、カートリッジ7ごとに予め定められた位置に(固定的に)設定する。
【0164】
そして、ステップS150に移り、ステップS135で設定した後ハーフカット線HC2の位置やステップS140で設定した切断線CLの位置が、ステップS145の無線タグ回路素子Toの後端位置よりもラベル後端側であるかどうかを判定する。後ハーフカット線HC2の位置や切断線CLの位置がラベル後端側に設定されていれば判定が満たされ、ステップS160に移る。
【0165】
後ハーフカット線HC2の位置又は切断線CLの位置が無線タグ回路素子Toの後端位置よりもラベル前端側に設定されていた場合、判定が満たされず、ステップS155に移る。ステップS155では、このままでは無線タグ回路素子Toの一部を切断してしまう可能性があることから、これを回避するために、後ハーフカット線HC2の位置及び切断線CLの位置がいずれも無線タグ回路素子Toの後端位置よりもラベル後端側となるように位置修正を行い(再設定)、ステップS160に移る。
【0166】
その後、ステップS160に移り、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、上記印刷情報に対応した余白印刷データ(この例では前述の適宜の情報R1)を作成する。
【0167】
その後、ステップS165に移り、上記ステップS160で作成した余白印刷データ(情報R1)の印刷位置を設定する。この設定も、前述と同様、上記ステップS105で入力された操作信号に基づき、カートリッジ7の種類によってラベル大きさは一定に予め決められている前提のもと、例えば印字済みタグラベル用テープ109の切断線CLの位置(フルカット位置)を基準として、余白印刷を実行する前余白領域S1の位置をカートリッジ7ごとに予め定められた位置に(固定的に)設定する。
【0168】
その後、ステップS170において、後述のループアンテナLCから無線タグ回路素子Toへ通信を行う際、無線タグ回路素子Toからの応答がない場合に通信再試行(リトライ)を行う回数(アクセス試行回数)をカウントする変数M、Nと、通信が成功したかどうかをあらわすフラグF、順番情報の読み取りを行ったかどうか表す順番情報読み取りフラグFcを0に初期化設定し、このルーチンを終了する。
【0169】
図29は、上述したステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。図29に示すフローにおいて、まずステップS205で、印字済タグラベル用テープ109が前述したループアンテナLCとの通信位置まで搬送されたかどうか(言い換えれば上記ステップS125で設定した、ループアンテナLCが無線タグ回路素子To位置と略正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定も、前述したステップS20と同様、例えば、上記ステップS10において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。通信位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS210に移る。
【0170】
ステップS210では、上記ステップS25と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止し、無線タグ回路素子ToにループアンテナLCが略正対した状態で印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。また、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(中断)する(図21(f)参照)。
【0171】
その後、ステップS215おいて、順番情報読み取りフラグFc=1であるか(カートリッジ7内の無線タグ回路素子Toについての残数情報が既に1度読み取られているか)否かを判定する。Fc=1の場合は判定が満たされ、そのままステップS400に移り(この移行が、情報取得手段による枚数関連情報を取得することなくタグラベル作成を行うように、搬送手段、通信手段、及び情報取得手段を連携制御する制御手段に相当する)、Fc=0の場合は判定が満たされず、ステップS300の順番情報読み取り処理(情報取得処理。詳細は後述)を行ってからステップS400へ移る。
【0172】
ステップS400では、アンテナLCと無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行い、無線タグ回路素子ToのIC回路部151に対し図31の上記ステップS115で作成した情報を書き込む(又はIC回路部に予め記憶されていた情報を読み取る)情報送受信処理を行う(詳細は後述の図32参照)。
【0173】
上記ステップS400において情報送受信が終了したら、ステップS220に移る。
【0174】
ステップS220では、図27のステップS35と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済タグラベル用テープ109の搬送を再開するとともに、印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。
【0175】
その後、ステップS225に移り、印字済タグラベル用テープ109が前述した印刷終了位置(上記図28のステップS130で算出)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、前述と同様、例えば、上記ステップS10において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。印刷終了位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS230に移る。
【0176】
ステップS230では、上記図27のステップS25と同様にして、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止する。これによって、印字領域Sに対するラベル印字Rの印刷が完了する(図21(h)参照)。
【0177】
その後、ステップS500に移り、所定の後ハーフカット位置まで搬送した後にハーフカットユニット35のハーフカッタ34によって後ハーフカット線HC2の形成を行う後ハーフカット処理を行う(詳細は後述の図33参照)。
【0178】
以上のステップS500が終了したら、ステップS600に移る。このステップS600では、上記切断線CLよりもテープ後端側に位置する(次の無線タグラベルTの)前余白領域S1に対し前述した適宜情報R1の印刷を行う余白印刷処理を実行し(詳細は後述の図34参照)し、このルーチンを終了する。
【0179】
図30は、上述したステップS250の詳細手順を表すフローチャートである。図30に示すフローにおいて、まずステップS255で、図29のステップS225と同様、印字済タグラベル用テープ109が前述した印刷終了位置(上記図28のステップS130で算出)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、ステップS225と同様の手法で行えばよい。印刷終了位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS260に移る。
【0180】
ステップS260では、上記図29のステップS230と同様にして、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止する。これによって、印字領域Sに対するラベル印字Rの印刷が完了する(図24(f)参照)。
【0181】
その後、ステップS265に移り、図29のステップS205と同様にして、印字済タグラベル用テープ109が前述したループアンテナLCとの通信位置まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定もステップS205と同様の手法で行えばよい。通信位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS270に移る。
【0182】
ステップS270では、上記ステップS210と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止し、無線タグ回路素子ToにループアンテナLCが略正対した状態で印字済みタグラベル用テープ109の搬送を停止させる(図24(g)参照)。
【0183】
その後、ステップS275において、上記ステップS215と同様、順番情報読み取りフラグFc=1であるか(カートリッジ7内の無線タグ回路素子Toについての残数情報が既に1度読み取られているか)否かを判定し、Fc=1の場合は判定が満たされ、そのままステップS400に移り、Fc=0の場合は判定が満たされず、ステップS300の順番情報読み取り処理(情報取得処理)を行ってからステップS400へ移る。
【0184】
その後のステップS400は図29と同一であり、アンテナLCと無線タグ回路素子Toとの間で無線通信により情報の送受信を行う情報送受信処理を行う(詳細は後述の図32参照)。
【0185】
上記ステップS400において情報送受信が終了したら、ステップS280に移る。
【0186】
ステップS280では、図29のステップS220と同様、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済タグラベル用テープ109の搬送を再開する(図24(h)参照)。
【0187】
その後のステップS500、ステップS600については、図29と同様であるので説明を省略する。
【0188】
図31は、図29及び図30で上述したステップS300の順番情報読み取り処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【0189】
この図31において、読み取り対象とする無線タグ回路素子To(この時点におけるカートリッジ7内で1番先頭に位置する無線タグ回路素子To)がアンテナLC近傍に搬送されてきたら、ステップS310において、入出力インターフェース113を介し前述の送信回路306(図15等参照)に制御信号を出力し、無線タグ回路素子Toに記憶された枚数関連情報である順番情報を読み出す「Scroll All ID」信号として、所定の変調を行った搬送波をループアンテナLCを介して読み取り対象の無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。
【0190】
次に、ステップS320において、上記「Scroll All ID」信号に対応して読み取り対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号(枚数関連情報としての順番情報を含む)をアンテナLCを介して受信し、上記受信回路307及び入出力インターフェース113を介し取り込む(情報取得手段)。
【0191】
次に、ステップS330において、上記ステップS320で受信したリプライ信号に誤りがないか否かを公知の誤り検出符号(CRC符号;Cyclic Redundancy Check等)を用いて判定する。
【0192】
リプライ信号に誤りがないとの判定が満たされれば、ステップS340で順番情報読み取りフラグFc=1とし、ステップS350で上記ステップS320において読み取られた順番情報に基づき、カートリッジ7内に残っている無線タグ回路素子Toの数Qを演算してその値Qを残数情報とする。そして、上記ステップS65において減算されるのに対応して、上記Qに1を加えたQ+1を記憶すべき残数情報として残数メモリ117Fに保存して、このルーチンを完了する。
【0193】
一方、ステップS330において、リプライ信号に誤りがあった場合には判定が満たされず、ステップS360に移ってNに1を加え、さらにステップS370においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS310に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合はステップS380に移り、エラー表示信号を入出力インターフェイス113及び通信回線を介しPC118(端末118a及び汎用コンピュータ118b)へ出力し、対応する読み取り失敗(エラー)表示を行わせた後、ステップS390でフラグF=1としてこのルーチンを終了する。このように、情報読み取りが不調でも5回までは再試行が行われることにより、読み取り信頼性の確保上、万全を期すことができる。
【0194】
図32は、図29及び図30で上述したステップS400の情報送受信処理の詳細手順を表すフローチャートである。なおこの例では、前述の情報書き込み及び情報読み取りのうち、情報書込みを例にとって説明する。
【0195】
図32に示すフローのまずステップS405において、入出力インターフェース113を介し前述の送信回路306(図15等参照)に制御信号を出力し、無線タグ回路素子Toのメモリ部157に記憶された情報を初期化する「Erase」信号として、所定の変調を行った搬送波をループアンテナLCを介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信する。これにより、無線タグ回路素子Toの上記メモリ部157を初期化する。
【0196】
次に、ステップS410において、入出力インターフェース113を介し送信回路306に制御信号を出力し、メモリ部157の内容を確認する「Verify」信号として、所定の変調を行った搬送波をループアンテナLCを介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。
【0197】
その後、ステップS415において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をループアンテナLCを介して受信し、受信回路307(図15等参照)及び入出力インターフェース113を介し取り込む。
【0198】
次に、ステップS420において、上記受信したリプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内の情報を確認し、メモリ部157が正常に初期化されたか否かを判定する。
【0199】
判定が満たされない場合はステップS425に移ってMに1を加え、さらにステップS430においてM=5かどうかが判定される。M≦4の場合は判定が満たされずステップS405に戻り同様の手順を繰り返す。M=5の場合はステップS435に移り、エラー表示信号を入出力インターフェース113及び通信回線NWを介し上記PC118へ出力し、対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、さらにステップS437で前述のフラグF=1にして、このルーチンを終了する。このようにして初期化が不調でも5回までは再試行が行われる。
【0200】
ステップS420の判定が満たされた場合、ステップS440に移り、送信回路306に制御信号を出力し、所望のデータをメモリ部157に書き込む「Program」信号として、所定の変調を行った搬送波をループアンテナLCを介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、情報を書き込む。
【0201】
その後、ステップS445において、送信回路306に制御信号を出力し「Verify」信号として所定の変調を行った搬送波をループアンテナLCを介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。その後ステップS450において、上記「Verify」信号に対応して書き込み対象の無線タグ回路素子Toから送信されたリプライ信号をループアンテナLCを介して受信し、受信回路307及び入出力インターフェース113を介し取り込む。
【0202】
次に、ステップS455において、上記受信したリプライ信号に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内に記憶された情報を確認し、公知の誤り検出符号(CRC符号;Cyclic Redundancy Check等)を用いて、前述の送信した所定の情報がメモリ部157に正常に記憶されたか否かを判定する。
【0203】
判定が満たされない場合はステップS460に移ってNに1を加え、さらにステップS465においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS440に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合は前述したステップS435に移り、同様にPC118に対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、ステップS437で前述のフラグF=1にして、このルーチンを終了する。このようにして情報書き込みが不調でも5回までは再試行が行われる。
【0204】
ステップS455の判定が満たされた場合、ステップS470に移り、送信回路306に制御信号を出力し、「Lock」コマンドとして所定の変調を行った搬送波をループアンテナLCを介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、当該無線タグ回路素子Toへの新たな情報の書き込みを禁止する。これにより、書き込み対象とする無線タグ回路素子Toへの無線タグ情報の書き込みが完了する。
【0205】
その後、ステップS480に移り、上記ステップS440で無線タグ回路素子Toに書き込まれた情報と、これに対応して既に印字ヘッド23により印字領域Sに印字されるラベル印字Rの印字情報との組み合わせを、入出力インターフェース131及び通信回線NWを介し出力され、情報サーバISやルートサーバRSに記憶される。なお、この記憶データは必要に応じてPC118より参照可能に例えば各サーバIS,RSのデータベース内に格納保持される。以上により、このルーチンを終了する。
【0206】
図33は、図29及び図30で上述したステップS500の詳細手順を表すフローチャートである。
【0207】
図33に示すフローのステップS520において、ステップS20と同様、印字済タグラベル用テープ109が前述した後ハーフカット位置まで搬送されたかどうか(言い換えればハーフカット機構35のハーフカッタ34がステップS135で算出した後ハーフカット線HC2に正対する位置まで印字済みタグラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定は、前述と同様、上記ステップS10において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい(パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントする等)。後ハーフカット位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS530に移る。
【0208】
ステップS530では、前述のステップS50等と同様、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121及びテープ排出モータ駆動回路123に制御信号を出力し、搬送用モータ119及びテープ排出モータ65の駆動を停止して、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51の回転を停止する。これにより、ステップS135で算出した後ハーフカット線HC2にハーフカット機構35のハーフカッタ34が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みタグラベル用テープ109の搬送が停止する。
【0209】
その後、ステップS540に移り、上記ステップS30と同様、ハーフカッタモータ駆動回路128に制御信号を出力してハーフカッタ34を回動させて、印字済タグラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、アンテナ基材層101b、及び粘着層101cを切断して後ハーフカット線HC2を形成する後ハーフカット処理を行う(図21(i)や図24(i)参照)。
【0210】
そして、ステップS550に移り、上記ステップS35と同様にしてテープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106、駆動ローラ51を回転駆動させて印字済タグラベル用テープ109の搬送を再開し、このルーチンを終了する。
【0211】
図34は、図29又は図30において上述したステップS600の詳細手順を表すフローチャートである。図34に示すフローにおいて、まずステップS620で、印字済タグラベル用テープ109が前述した余白印刷開始位置(上記図28のステップS165で算出)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、前述と同様、例えば、上記ステップS10において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。余白印刷開始位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS640に移る。
【0212】
ステップS640では、前述と同様、印字ヘッド23に通電することによって適宜情報R1の印刷を開始する(図21(j)や図24(j)参照)。
【0213】
その後、ステップS660に移り、印字済タグラベル用テープ109が前述した余白印刷終了位置(上記図28のステップS160とステップS165とで実質的に設定)まで搬送されたかどうかを判定する。このときの判定も、前述と同様、例えば、上記ステップS10において基材テープ101の識別子PMを検出した後の搬送距離を所定の公知の方法で検出すればよい。余白印刷終了位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされて次のステップS680に移る。
【0214】
ステップS680では、前述のステップS260と同様にして、印字ヘッド23の通電を停止して、上記適宜情報R1の印刷を停止する。これによって、前余白領域S1に対する適宜情報R1の印刷が完了し、このルーチンを終了する。
【0215】
以上説明したように、本実施形態の無線タグラベル作成装置1は、情報を記憶するIC回路部151を有する無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101を供給可能なカートリッジ7を装置本体2のホルダ6に装着し、カートリッジ7から供給される基材テープ101をテープ送りローラ27によって搬送し、その基材テープ101に備えられた無線タグ回路素子ToとアンテナLCによって無線通信を介し情報送受信を行って、無線タグラベルTを作成する。
【0216】
このとき、カートリッジ7をホルダ6に装着直後の最初の無線タグラベルTの作成時には、図27におけるステップS200又はステップS250に備えられるステップS300において、当該1個目の無線タグラベルTに係る無線タグ回路素子ToのIC回路部151に記憶された当該無線タグ回路素子Toの(基材テープ101上における)順番情報がステップS320で読み取られる。そして(ステップS340でFc=1とした後)上記順番情報に基づきステップS350でカートリッジ7に残っている無線タグ回路素子Toの残数が演算されてその値Qに1を加えたQ+1が残数情報として制御回路110の残数メモリ117Fに記憶された後(ステップS350)、ステップS65で1減じられた値Q(カートリッジ7の残存無線タグ回路素子Toの数)がステップS70において残数表示部9に出力されて表示される。
【0217】
その後、ステップS75よりステップS1へ戻って無線タグラベルTの作成を続行すると、図27におけるステップS200又はステップS250においてFc=1であるからステップS215から(ステップS300の順番情報読み取り処理を経ることなく)ステップS400〜ステップS600を実行し、ラベル作成が終了し排出されるとこれに対応してステップS65で上記Qをさらに1減じてステップS70で残数表示部9へ表示を行う。以降、ラベル作成を続行している間、上記同様にして無線タグラベルTが1枚作成されるごとにステップS65で1つずつ減じられた値がステップS70により残数表示部9に表示される。
【0218】
以上の結果、無線タグラベルTを作成する操作者に対し、カートリッジ7内に残存する無線タグ回路素子Toの数(そして作成とともに変化していく無線タグ回路素子Toの数)を確実に認識させることができるので、無線タグ回路素子があと何個残っているかわからない状態でタグラベル作成を行う場合に比べ、操作者の利便性を向上することができる。
【0219】
また、基材テープ101にもともと備えられている無線タグ回路素子Toに枚数関連情報としての順番情報を記憶させておき、ラベル作成開始直後の最初の無線タグ回路素子Toに記憶されたこの順番情報を利用して以降の無線タグ回路素子Toの残数情報を取得するので、残数情報取得のための別途の記憶手段をカートリッジ7に設ける場合に比べ、新たな部材の追加やカートリッジ7の構成の複雑化を招くことがない。
【0220】
また、本実施形態では特に、最初の無線タグ回路素子ToよりステップS320において順番情報を取得し残数を算出し残数メモリ117Fに記憶させた後は、ステップS300の順番情報読み取りを行うことなくラベル作成完了ごとに残数メモリ117Fに記憶された値を1ずつ減少させることで対応するようにした。この結果、再度のIC回路部151からの順番情報の読み取りは不要となるので、タグラベルTを1つ作成するその都度IC回路部151より順番情報を取得する場合に比べ、不要な無線通信手順を省略することができる。この結果、ラベル作成における作成に要する時間を短縮し、作成処理効率を向上することができる。
【0221】
なお、以上の実施形態では、装置本体2の上面を覆う開閉蓋(カバー)3が開き状態となったことを検出した場合に、装置本体2のホルダ6からカートリッジ7を外したと判断して、残数メモリ117Fに記憶されている残数情報の値Qを数値0に初期化したが、これに限られない。すなわち、ホルダ6よりカートリッジ7が取り外された場合(そのことが検出された場合)、或いは装置電源ボタン14がオン又はオフになった場合のうち少なくとも1つが満たされる状態となったときに、Qの初期化を行ってもよい。
【0222】
このように(上記実施形態を含め)、カートリッジ7が交換等のためにホルダ6から取り外されたと推定される場合等において、それまで残数メモリ117Fに記憶された残数情報の値を保持することなく初期化(クリア)することで、次回タグラベル作成時において残数表示部9に誤表示等が発生するのを未然に防止することができる。
【0223】
また、上記実施形態においては、枚数情報として残数情報を用いたのに対応して、更新処理手段としてのステップS65において、1枚の無線タグラベルTの作成完了毎に残数情報の値QをQ−1に1減少させたが、これに限られない。例えば枚数情報として使用数情報を用いた場合には、更新処理手段としてのステップS65に相当する手順において1枚の無線タグラベルTの作成完了毎にその使用数情報を1増加させるようにする。この場合も同様の効果を得ることができる。
【0224】
また、以上においては、基材テープ101等を所定位置で停止させて無線タグ情報の書き込み・読み取りを行った例を示したが、これに限られず、移動中の基材テープ101に対して(さらに所定の搬送ガイドにて保持した状態としてもよい)上記印字や読み取り・書き込みを行うようにしてもよい。
【0225】
また、印字及び無線タグ回路素子Toへのアクセス(読み取り又は書き込み)の終了した印字済みタグラベル用テープ110をカッタ15で切断してタグラベルTを作成した場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタ15で切断しなくても、テープが排出口11から排出されてきた後にラベル台紙(アクセス済みの無線タグ回路素子Toが備えられかつ対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がしてタグラベルTを作成しても良く、本発明はこのようなものに対しても適用できる。
【0226】
また、無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101とは別のカバーフィルム103に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られず、例えば感熱層や受像層を備えたテープからなるタグテープに備えられた被印字テープ層に印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用してもよい。さらに、無線タグ回路素子ToのIC回路部151から無線タグ情報の読み出し又は書き込みを行うと共に、印字ヘッド23によってその無線タグ回路素子Toを識別するための印刷を行うものにも限られない。この印刷は必ずしも行われなくともよく、無線タグ情報の読み出し又は書き込みのみを行うものに対し本発明を適用することもできる。
【0227】
さらに、以上は、基材テープ101がリール部材102aの周りに巻回されてロール102を構成し、カートリッジ7内にそのロールが配置されてテープが繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、無線タグ回路素子Toが少なくとも一つ配置された長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)カートリッジ化し、このカートリッジをタグラベル作成装置1側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印字及び書き込みを行いタグラベルを作成するようにしてもよい。
【0228】
さらには上記ロールを直接タグラベル作成装置1側に着脱可能に装着する(この場合、ロールがタグ媒体収容体を構成し、ロールの装着部が収容体設置用ホルダを構成する)構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートをタグラベル作成装置1外より1枚ずつ所定のフィーダ機構によって移送しタグラベル作成装置1内へ供給する構成も考えられ、さらにはカートリッジ7のようなタグラベル作成装置1本体側に着脱可能なものにも限られず、装置本体側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型としてロール102を設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
【0229】
なお、以上で用いた「Scroll ID」信号、「Erase」信号、「Verify」信号、「Program」信号等は、EPC globalが策定した仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
【0230】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0231】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0232】
【図1】本発明の一実施形態のタグラベル作成装置を含む無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
【図2】図1に示したタグラベル作成装置の全体構造を表す斜視図である。
【図3】タグラベル作成装置の内部の内部ユニットの構造を表す斜視図である。
【図4】図3に示した内部ユニットの構造を表す平面図である。
【図5】カートリッジの詳細構造を模式的に表す拡大平面図である。
【図6】無線タグ回路素子の概念的構成を表す、図5中矢印D方向から見た概念図である。
【図7】ラベル排出機構の要部詳細構造を表す部分抽出斜視図、及び、マークセンサの概念的構成を表す図である。
【図8】図3に示した構造からラベル排出機構を取り外した状態における内部ユニットの外観を表す斜視図である。
【図9】内部ユニットよりハーフカッタを除去した、切断機構の外観を表す斜視図である。
【図10】内部ユニットよりハーフカッタを除去した、切断機構の外観を表す斜視図である。
【図11】可動刃及び固定刃の詳細構造をハーフカットユニットともに表す斜視図である。
【図12】可動刃及び固定刃の詳細構造の部分拡大断面図である。
【図13】可動刃の外観を示す正面図である。
【図14】図13中A−A断面による横断面図である。
【図15】タグラベル作成装置の制御系を表す機能ブロック図である。
【図16】送信回路、受信回路とループアンテナとの接続部分の回路構成を簡略的に表す回路図である。
【図17】無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図18】無線タグラベルTの外観の一例を表す図である。
【図19】図18中IXXA−IXXA′断面及びIXXB−IXXB′断面による横断面図を反時計方向に90°回転させた図である。
【図20】無線タグ情報へのアクセス(読み取り又は書き込み)に際して、PCに表示される画面の一例を表す図である。
【図21】印字済みタグラベル用テープと、ループアンテナ、マークセンサ、ハーフカットユニット、切断機構、印字ヘッドとの位置関係及び印字済みタグラベル用テープに対する処理を表す説明図である。
【図22】図21の印字済みタグラベル用テープの終端部の処理を表す説明図である。
【図23】図21の処理で得られる無線タグラベルの例を表す図である。
【図24】印字済みタグラベル用テープと、ループアンテナ、マークセンサ、ハーフカットユニット、切断機構、印字ヘッドとの位置関係及び印字済みタグラベル用テープに対する処理を表す説明図である。
【図25】図24の印字済みタグラベル用テープの終端部の処理を示す説明図である。
【図26】図24の処理で得られる無線タグラベルの一例を表す図である。
【図27】制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図28】ステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。
【図29】ステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【図30】ステップS250の詳細手順を表すフローチャートである。
【図31】ステップS300の詳細手順を表すフローチャートである。
【図32】ステップS400の詳細手順を表すフローチャートである。
【図33】ステップS500の詳細手順を表すフローチャートである。
【図34】ステップS600の詳細手順を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0233】
1 タグラベル作成装置
3 開閉蓋(カバー)
4 開閉ボタン
6 カートリッジホルダ(収容体設置用ホルダ)
7 カートリッジ(タグ媒体収容体)
9 残数表示部
27 テープ送りローラ
101 基材テープ(タグ媒体)
103 カバーフィルム
108 テープ送りローラ駆動軸(搬送手段)
109 印字済みタグラベル用テープ
110 制御回路
117F 残数メモリ(記憶手段)
130 開閉センサ
151 IC回路部
152 アンテナ
LC ループアンテナ(通信手段)
T 無線タグラベル
To 無線タグ回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶するIC回路部と前記IC回路部に接続された無線タグ回路素子を備えたタグ媒体を供給可能なタグ媒体収容体を着脱可能に設置するための収容体設置用ホルダと、
前記タグ媒体収容体から供給される前記タグ媒体を搬送するための搬送手段と、
前記無線タグ回路素子と無線通信を介し情報送受信を行うための通信手段とを有し、
前記無線タグ回路素子に対する所定の情報送受信が行われた前記タグ媒体を用いたタグラベルを作成するタグラベル作成装置であって、
前記通信手段を介し、前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に記憶された、前記無線タグ回路素子の前記タグ媒体収容体内における枚数関連情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得した前記枚数関連情報に基づき、対応する枚数情報を書き換え可能に記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された枚数情報を表示するための表示制御信号を出力する信号出力手段と
を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項2】
請求項1記載のタグラベル作成装置において、
1つの前記タグラベル作成が完了するごとに、前記記憶手段に記憶した前記枚数情報の値を1つずつ減少または増加させる更新処理手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項3】
請求項2記載のタグラベル作成装置において、
前記情報取得手段で取得した前記枚数関連情報に基づき前記記憶手段に前記枚数情報が記憶された後は、前記情報取得手段による前記枚数関連情報を取得することなく前記タグラベル作成を行うように、前記搬送手段、前記通信手段、及び前記情報取得手段を連携制御する制御手段を有することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項4】
請求項2又は3のいずれか1項記載のタグラベル作成装置において、
前記信号出力手段は、
前記更新処理手段により更新処理された前記枚数情報の値を表示するための表示制御信号を生成し出力することを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項記載のタグラベル作成装置において、
前記タグラベル作成後の所定のタイミングで、その時点での前記記憶手段に記憶された前記枚数情報の値を初期化する初期化処理手段を有する
ことを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項6】
請求項5記載のタグラベル作成装置において、
前記初期化処理手段は、
前記所定のタイミングとして、前記収容体設置用ホルダより前記タグ媒体収容体が取り外されたこと、前記収容体設置用ホルダを覆うカバーが開き状態となったこと、装置電源がオン又はオフになったこと、のうち少なくとも1つが満たされる状態となったときに、前記枚数情報の初期化を行う
ことを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項記載のタグラベル作成装置において、
前記収容体設置用ホルダは、
複数の前記無線タグ回路素子が連続的に配置された前記タグ媒体としてのタグテープを巻回したタグテープロールを収納した、前記タグ媒体収容体としての無線タグ回路素子カートリッジを着脱可能なカートリッジホルダであることを特徴とするタグラベル作成装置。
【請求項8】
請求項7記載のタグラベル作成装置において、
前記カートリッジホルダは、
前記無線タグ回路素子カートリッジとして、前記タグテープロールと、前記タグテープに貼り合わせる被印字テープを巻回した被印字テープロールとを収納したラミネート型の前記無線タグ回路素子カートリッジを着脱可能に構成され、
前記搬送手段は、前記タグテープ及び前記被印字テープを搬送し、
前記被印字テープに所定の印字を行う印字手段を設けた
ことを特徴とするタグラベル作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2008−40897(P2008−40897A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−216019(P2006−216019)
【出願日】平成18年8月8日(2006.8.8)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】