説明

タッチパネル付き表示装置

【課題】表示部と制御部とを構造的に分離して単一の表示部に対して複数の表示部を組み合わせて使用することができるタッチパネル付き表示装置を提供すること。
【解決手段】タッチパネル25、タッチパネル25の入力位置を検出するキー入力検出部24、および表示データを表示する液晶表示器21を有する表示部2と、表示部2を制御する制御部1とにインタフェースコネクタ26,12を備えて、インタフェースコネクタ26,12によって表示部2と制御部2とを接続する構成とし、制御部1は表示部2の識別ID設定部22に設定されている識別IDを読み出すことで接続された表示部2を識別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルによるキー入力機能を備えたタッチパネル付き表示装置に関するものであり、特に、表示部とこの表示部を制御する制御部とを構造的に分離したタッチパネル付き表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、表示画面の一部の領域を押圧させることで外部からの入力を受け付けるタッチパネルによるキー入力機能を備えた表示装置に関する種々の技術が考えられている。
【0003】
特許文献1には、液晶表示装置などの表示装置の画面にタブレットを一体に配置して、タブレットの指定位置を画面に表示する表示装置に関する技術が開示されている。特許文献1に記載の表示装置は、表示データ生成回路、通信制御回路および入出力ポートを有する制御部と、液晶表示インタフェース、タブレット(タッチパネル)によるキー入力部、およびキー入力回路を有する表示部とが複数のインタフェースによって接続される一体構造となっている。
【0004】
また、特許文献2には、タッチパネルの指示位置の検出に要する時間を短縮するタッチスクリーン装置(表示装置)に関する技術が開示されている。具体的には、タッチスクリーン(表示部)上に設定されている論理スイッチに関してそれぞれに対応する行Y0,Y1,・・・,および列X0,X1,・・・,を記憶した論理スイッチ管理テーブルと、この論理スイッチ管理テーブルの記憶内容に基づいてタッチスクリーンの各行Y0,Y1,・・・単位で論理スイッチの設定状況を記憶した行管理テーブルとを備え、制御回路が行管理テーブルに記憶されている内容に従って論理スイッチの設定状況が同一の行を一括して選択回路に選択させるようにして、検出に要する時間を短縮するようにしている。
【0005】
【特許文献1】特開平08−314634号公報
【特許文献2】特開2000−259351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の従来技術の表示装置は、表示部と、表示部を制御する制御部とが一体構造となっているので、ユーザが単一の表示部に対して複数の表示部を組み合わせて使用することはできない。そのため、表示部の表示器の表示サイズや解像度、またはタッチパネルのサイズを変更する場合には、制御部と表示部とを同時に交換しなければならないという問題があった。
【0007】
また、上記2つの従来技術の表示装置の表示部と制御部を単純に分離した場合、制御部が表示部を判別することができないので、タッチパネルの押圧を検出するキー入力回路の入力キースキャン領域を実際に接続されているデジタルマトリックス方式のタッチパネルのマトリックスサイズに設定することはできない。すなわち、タッチパネルのマトリックスサイズを判別することができないため、処理可能な最大マトリックスサイズを入力キースキャン領域としてスキャン動作を行わなければならず、キー入力回路が処理可能な最大マトリクスサイズより小さいサイズのタッチパネルを有する表示部を使用する場合、キースキャン周期が妥当な時間よりかなり長くなって、タッチキーレスポンス性能が悪化するという問題があった。
【0008】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、表示部と制御部とを構造的に分離して、単一の表示部に対して複数の表示部を組み合わせて使用することができるタッチパネル付き表示装置を得ることを第1の目的とする。
【0009】
第2の目的は、表示部と制御部とを構造的に分離して、タッチパネルのマトリックスサイズが異なる表示部を制御部に接続した場合でも、タッチキーレスポンス性能の低下を抑制することができるタッチパネル付き表示装置を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるタッチパネル付き表示装置は、タッチパネル、このタッチパネルの入力位置を検出するキー入力検出部、および表示データを表示する表示器を有する表示ユニットと、前記表示ユニットを制御する制御ユニットとを備えるタッチパネル付き表示装置において、前記表示ユニットは、当該表示ユニットを識別する識別IDを設定する識別ID設定部と、前記制御ユニットとのインタフェース機能を有する第1のインタフェースコネクタと、を備え、前記制御ユニットは、前記表示ユニットとのインタフェース機能を有し、前記第1のインタフェースコネクタに接続される第2のインタフェースコネクタと、前記第1および第2のインタフェースコネクタを介して前記識別ID設定部に設定されている識別IDを読み出し、読み出した識別IDに基づいて当該制御ユニットに接続されている表示ユニットを識別し、この識別に応じた設定処理を接続された表示ユニットに対し実行する設定処理手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
この発明にかかるタッチパネル付き表示装置によれば、タッチパネル、タッチパネルの入力位置を検出するキー入力検出部、および表示データを表示する表示器とを有する表示ユニットと、表示ユニットを制御する制御ユニットとにインタフェースコネクタを備えて、このインタフェースコネクタによって表示ユニットと制御ユニットとを接続する構成とし、制御ユニットは表示ユニットに付与されている識別IDによって接続された表示ユニットを識別して、識別に応じた設定処理を表示ユニットに実行するようにしているので、表示ユニットと制御ユニットとを構造的に分離して単一の表示ユニットに対して複数の表示ユニットを組み合わせて使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、この発明にかかるタッチパネル付き表示装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
図1〜図7を用いてこの発明の実施の形態を説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態のタッチパネル付き表示装置の構成を示すブロック図である。この発明にかかる実施の形態のタッチパネル付き表示装置は、CPU(Central Processing Unit)10と、記憶部13と、発振器14と、タイミング制御部11と、インタフェースコネクタ12(特許請求の範囲でいうところの第2のインタフェースコネクタ)とを有する制御部1と、識別ID設定部22と、入力ポート23と、キー入力検出部24と、タッチパネル25と、液晶表示器21と、インタフェースコネクタ26(特許請求の範囲でいうところの第1のインタフェースコネクタ)とを有する表示部2とを備えている。表示データを生成する制御部1と、制御部1によって生成された表示データを液晶表示器21に表示する表示部2とはインタフェースコネクタ12,26によってケーブルなどで接続される分離構造となっている。なお、CPU10とタイミング制御部1とで特許請求の範囲でいうところの設定処理手段を実現している。
【0014】
記憶部13は、タッチパネル付き表示装置を動作させるファームウエアおよび表示部2を識別するための識別IDに対応して液晶表示器21の情報およびタッチパネル25の情報が定義された表示部情報テーブル(特許請求の範囲でいうところの情報テーブル)を記憶する。図2は、表示部情報テーブルの一例を示している。表示部情報テーブルには、たとえば、表示部2を識別する識別IDに対応して表示部2が有する液晶表示器21の液晶種別と表示解像度、および表示部2が有するタッチパネル25のタッチパネルマトリックスサイズが定義される。
【0015】
CPU10は、記憶部13に記憶されているファームウエアの処理を実行して、液晶表示器21に表示する表示データを生成する。また、CPU10は、識別ID設定部22に設定されている識別IDと記憶部13に記憶されている表示部情報テーブルとに基づいて液晶表示部2に用いる表示用クロックやタッチパネル25のスキャン領域を選択する。
【0016】
タイミング制御部11は、たとえば、PLL(Phase Locked Loop)回路で構成され発振器14を用いて複数の周期の表示用クロックを生成するクロック生成部113と、CPU10によって液晶表示部2に用いる表示用クロックの設定値が設定される表示用クロック設定レジスタ111と、表示用クロック設定レジスタ111に設定された表示用クロックの設定値に基づいてクロック生成部113によって生成された表示用クロックを選択する表示用クロックセレクタ112とを備え、液晶表示器21を動作させる表示用クロックを生成するとともに、制御部1および表示部2の各構成要素とのタイミングを制御する。
【0017】
液晶表示部2は、タイミング制御部11から入力される表示用クロックに基づいてCPU10から入力される表示データを表示する。識別ID設定部22には、予め定められた表示部2を識別するための識別IDが設定される。具体的には、たとえば、ビット毎に信号線を電源プルアップ、またはグランドプルダウンすることで識別IDが設定される。
【0018】
入力ポート23は、CPU10がインタフェースコネクタ12,26を介して識別ID設定部22に設定されている識別IDを読み出すためのインタフェースである。
【0019】
キー入力検出部24は、予め定められたスキャン周期ごとタッチパネル25からの入力をスキャンして、オペレータからタッチパネル25を介した入力があったか否かを検出する。
【0020】
キー入力検出部24は、タッチパネル25の垂直方向キー接点とキー入力検出部24とを接続する垂直方向キーバス241と、タッチパネル25の水平方向キー接点とキー入力検出部24を接続する水平方向キーバス244と、CPU10によって水平方向スキャン動作を実行するか否かが設定されるスキャンマスクレジスタ243と、タッチパネル25の水平方向1ライン中に押された箇所がある場合、すなわち垂直方向キーバス241が変化した場合のデータを保持する垂直方向キーレジスタ242と、タッチパネル25の垂直方向1ライン中に押された箇所がある場合、すなわち水平方向キーバス244が変化した場合のデータを保持する水平方向キーレジスタ245とを備え、タッチパネル25からの入力を検出するとインタフェースコネクタ26,12を介してCPU10に割り込みを発生させる。
【0021】
つぎに、図3〜図7を参照して、この発明にかかる実施の形態のタッチパネル付き表示装置の動作を説明する。まず、図3のフローチャートおよび図4を参照して、表示データと同期した表示用クロックを液晶表示部2に供給するクロック供給動作について説明する。
【0022】
CPU10は、入力ポート23を介して識別ID設定部22に設定されている識別IDを読み出す(ステップS100)。図4に示すように、識別ID設定部22に識別IDとして「0011h」が設定されていたとする。CPU10は、入力ポート23を介して識別ID「0011h」を読み出す。
【0023】
CPU10は、読み出した識別IDを検索キーとして、記憶部13に記憶されている表示部情報テーブルを検索して、接続されている表示部2を識別する(ステップS110)。ここでは読み出した識別IDが「0011h」であるので、CPU10は、図4に示すように、記憶部13に記憶されている表示部情報テーブルから識別IDが「0011h」の表示部2は液晶表示種別が「TFT(Thin Film Transistor)」、表示解像度が「VGA(Video Graphics Array)」、タッチパネルマトリックスサイズが「40×30」であることを識別する。
【0024】
CPU10は、識別した表示部2の液晶表示部2に対応する表示用クロックを選択する(ステップS120)。液晶表示部2に対応する表示用クロックの選択は、液晶表示種別や表示解像度に対応した表示用クロックを示す設定値を登録したテーブルを記憶部13に記憶しておき液晶表示種別や表示解像度を検索キーとして検索するようにしてもよいし、ファームウエアで選択するようにしてもよい。もちろん、識別IDに対応させて表示部情報テーブルに表示用クロックの設定値も定義しておいてもよい。図4の場合は、表示用クロックの設定値として「0101」が選択される。
【0025】
CPU10は、選択した表示用クロックの設定値を表示用クロック設定レジスタ111に設定する(ステップS130)。図4の場合、CPU10は、「0101」を表示用クロック設定レジスタ111に設定する。
【0026】
表示用クロックセレクタ112は、クロック生成部113によって生成された複数のクロックの中から、表示用クロック設定レジスタ111に設定された設定値が示すクロックを表示用クロックとして選択して液晶表示器21に出力する(ステップS140)。図4の場合は、設定値「0101」が示すクロックを表示用クロックとして選択して液晶表示器21に出力する。
【0027】
このように制御部1の記憶部13に識別IDに対応した表示器の情報(液晶種別、表示解像度)を定義した表示部情報テーブルを記憶しておき、CPU10が表示部2の識別ID設定部22に設定されている識別IDに基づいて表示部2が有する液晶表示器21の情報を読み出して液晶表示器21に応じた表示用クロックを選択するようにしているので、表示部2を置き換えた場合でもエンドユーザおよびセットメーカが液晶表示器21の設定を行う必要がなくなり、表示装置の立ち上げ工数を減少することができる。
【0028】
つぎに、図5のフローチャートおよび図6を参照して、タッチパネル25のスキャン領域を決定するスキャンマスクレジスタ243の設定動作について説明する。CPU10は、入力ポート23を介して識別ID設定部22に設定されている識別IDを読み出す(ステップS200)。
【0029】
CPU10は、読み出した識別IDを検索キーとして、記憶部13に記憶されている表示部情報テーブルを検索して、接続されている表示部2を識別する(ステップS210)。CPU10は、識別IDに対応するタッチパネルマトリックスサイズの垂直方向のサイズに応じたマスクパターンをスキャンマスクレジスタ243に設定する(ステップS220)。マスクパターンは、たとえば、タッチパネルマトリックスサイズの垂直方向のサイズに対応してマスクパターンを登録したテーブルを記憶部13に記憶しておき、タッチパネルマトリックスサイズの垂直方向のサイズを検索キーとして検索するようにしてもよいし、ファームウエアによって選択するようにしてもよい。もちろん、識別IDに対応させて表示部情報テーブルにマスクパターンを定義するようにしてもよい。
【0030】
図6は、キー入力検出部24がスキャン可能なタッチパネル25の最大領域251と、実際にスキャンすべきタッチパネルマトリックスサイズの領域252と、スキャンマスクレジスタ243の設定値との関係を示している。図6においては、最大領域251は、垂直方向ラインX0〜X7、水平方向ラインY0〜Y5のマトリックスであり、領域252は、垂直方向ラインX0〜X3、水平方向ラインY0〜Y2のマトリックスとなっている。また、スキャンマスクレジスタ243はMSBから順に水平方向ラインY0,Y1,Y2,Y3,Y4,Y5に対応している。
【0031】
キー入力検出部24は、スキャンマスクレジスタ243に「0」が設定されると水平方向スキャンを行い、スキャンマスクレジスタ243に「1」が設定されるとスキャンを行わない。すなわち、スキャンマスクレジスタ243に「1」が設定される状態がマスク状態となっている。
【0032】
CPU10は、表示部2の識別IDに対応するタッチパネルマトリックスサイズから実際にスキャンすべきタッチパネルマトリックスサイズの領域252を識別して、水平方向ラインY0〜Y2に対応するスキャンマスクレジスタ243に「0」を設定し、水平方向ラインY3〜Y5に対応するスキャンマスクレジスタ243に「1」を設定する。なお、スキャンマスクレジスタ243のディフォルト値が「1」(マスク状態)である場合には、水平方向ラインY0〜Y2に対応するスキャンマスクレジスタ243に「0」を設定すればよい。すなわち、水平方向にスキャンが必要な水平方向ラインのみマスクを解除すればよい。
【0033】
つぎに、図7を参照して、キー入力検出部24の水平方向スキャン動作について説明する。キー入力検出部24は、定常的にはプルアップされて“H”レベル(“1”)になっている垂直方向キーバス241を1行ずつ“L”レベル(“0”)にドライブする。オペレータによってタッチパネル25が押されると水平方向キーバス244と垂直方向キーバス241とが接続する。キー入力検出部24は、水平方向キーバス244と垂直方向キーバス241とが接続したことを検出して、検出した箇所の垂直方向キーレジスタ242および水平方向キーレジスタ245に「1」を設定する。
【0034】
まず、キー入力検出部24は、マトリックスの上部(水平方向ラインY0)から順にスキャンマスクレジスタ243の設定に基づいて水平方向スキャン(Hスキャン)を実行する。水平方向ラインY0に対応するスキャンマスクレジスタ243の設定値は「0」であるので、キー入力検出部24は、水平方向ラインY0の垂直方向キーバス241を「0」にドライブして水平方向ラインY0の垂直方向ライン数分(垂直方向ラインX0〜X7)のスキャンを行う。
【0035】
水平方向ラインY0の水平スキャンが終了すると、キー入力検出部24は、水平方向ラインY1に対応するスキャンマスクレジスタ243の設定値が「0」であるので、水平方向ラインY1の垂直方向キーバス241を「0」にドライブして水平方向ラインY1のライン数分の水平方向スキャンを行う。オペレータによってタッチパネル25が押されたため、領域252の水平方向ラインY1,垂直方向ラインX2では水平方向キーバス244と垂直方向キーバス241とが接続されている。キー入力検出部24は、水平方向ラインY2,垂直方向ラインX2において水平方向キーバス244と垂直方向キーバス241とが接続されていることを検出して、垂直方向キーレジスタ242および水平方向キーレジスタ245を「1」にする。この場合は、垂直方向キーレジスタ242のMSB(6ビット目)から順に水平方向ラインY0,Y1,Y2,Y3,Y4,Y5と対応しており、水平方向キーレジスタ245のLSB(0ビット目)から順に垂直方向ラインX0,X1,X2,X3,X4,X5,X6,X7と対応しているので、垂直方向キーレジスタ242の5ビット目を「1」にし、水平方向キーレジスタ245の2ビット目を「1」にする。
【0036】
水平方向ラインY1の水平スキャンが終了すると、キー入力検出部24は、水平方向ラインY2に対応するスキャンマスクレジスタ243の設定値が「0」であるので、水平方向ラインY2の垂直方向キーバス241を「0」にドライブして水平方向ラインY2のライン数分の水平方向スキャンを行う。
【0037】
水平方向ラインY3〜Y5に対応するスキャンマスクレジスタ243の設定値は「1」であるので、キー入力検出部24は、水平方向ラインY3〜Y5のスキャンを実行しない。すなわち、表示部2の識別IDに対応するタッチパネルマトリックスサイズから実際にキースキャンすべきタッチパネルマトリックスサイズの領域252のみを水平方向スキャンする。
【0038】
領域252の水平方向スキャン動作が終了した際に、垂直方向キーレジスタ242および水平方向キーレジスタ245に「1」が設定されている場合、すなわちタッチパネル25が押されていることを検出した場合には、CPU10に対して割り込みを発生させる。そして、予め定められたスキャン周期になると、水平方向ラインY0から水平方向スキャンを開始する。
【0039】
このように制御部1の記憶部13に識別IDに対応したタッチパネルの情報(タッチパネルマトリックスサイズ)を定義した表示部情報テーブルを記憶しておき、CPU10が表示部2の識別ID設定部22に設定されている識別IDに基づいて表示部2が有するタッチパネル25のマトリックスサイズを認識し、タッチパネル25のマトリックスサイズに応じた水平方向スキャンを行うようにスキャンマスクレジスタ243を設定し、キー入力検出部24がマスクされた水平方向ラインについては水平方向スキャンを行わないようにしているので、タッチパネル25のサイズにあわせた水平方向スキャンを行うことができ、タッチキーレスポンス性能の低下を抑制することができる。
【0040】
以上説明したように、この実施の形態では、タッチパネル25、タッチパネル25の入力位置を検出するキー入力検出部24、および表示データを表示する液晶表示器21を有する表示部2と、表示部2を制御する制御部1とにインタフェースコネクタ26,12を備えて、インタフェースコネクタ26,12によって表示部2と制御部2とを接続する構成とし、制御部1は表示部2に付与されている識別IDを読み出すことで接続された表示部2を識別するようにしているので、制御部1のみを制御盤内に設置し、制御部2と表示部1とをインタフェースコネクタ12,26によってケーブルなどで接続することができ、制御盤面のパネルカットを行うことなく、表示部2の設置自由度を向上することができる。
【0041】
また、制御部1は、表示部2に付与された識別IDに対応して表示部2が備える液晶表示器21の情報およびタッチパネル25の情報が定義された表示部情報テーブルを備え、表示部2の識別IDを読み出して表示部2が有する液晶表示器21およびタッチパネル25を識別するようにしているので、接続する表示部2を置き換えた場合でも液晶表示器21およびタッチパネル25に関する設定を行う必要がなくなり、設置のための工数を減少することができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上のように、この発明にかかるタッチパネル付き表示装置は、制御盤から離れたところに表示ユニットを設置する場合に有用であり、特に、タッチパネルや表示器を変更することがある表示装置に適している。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明にかかる実施の形態のタッチパネル付き表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】表示部情報テーブルの一例を示す図である。
【図3】この発明にかかる実施の形態のタッチパネル付き表示装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】この発明にかかる実施の形態のタッチパネル付き表示装置の動作を説明するための図である。
【図5】この発明にかかる実施の形態のタッチパネル付き表示装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】この発明にかかる実施の形態のタッチパネル付き表示装置の動作を説明するための図である。
【図7】この発明にかかる実施の形態のタッチパネル付き表示装置の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0044】
1 制御部
2 表示部
10 CPU
11 タイミング制御部
12,26 インタフェースコネクタ
13 記憶部
14 発振器
21 液晶表示器
22 識別ID設定部
23 入力ポート
24 キー入力検出部
25 タッチパネル
111 表示用クロック設定レジスタ
112 表示用クロックセレクタ
113 クロック生成部
241 垂直方向キーバス
242 垂直方向キーレジスタ
243 スキャンマスクレジスタ
244 水平方向キーバス
245 水平方向キーレジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル、このタッチパネルの入力位置を検出するキー入力検出部、および表示データを表示する表示器を有する表示ユニットと、前記表示ユニットを制御する制御ユニットとを備えるタッチパネル付き表示装置において、
前記表示ユニットは、
当該表示ユニットを識別する識別IDを設定する識別ID設定部と、
前記制御ユニットとのインタフェース機能を有する第1のインタフェースコネクタと、
を備え、
前記制御ユニットは、
前記表示ユニットとのインタフェース機能を有し、前記第1のインタフェースコネクタに接続される第2のインタフェースコネクタと、
前記第1および第2のインタフェースコネクタを介して前記識別ID設定部に設定されている識別IDを読み出し、読み出した識別IDに基づいて当該制御ユニットに接続されている表示ユニットを識別し、この識別に応じた設定処理を接続された表示ユニットに対し実行する設定処理手段と、
を備えることを特徴とするタッチパネル付き表示装置。
【請求項2】
前記制御ユニットは、
表示ユニットが有する表示器の情報およびタッチパネルの情報が複数の異なる識別ID毎に定義された情報テーブルを有し、
前記設定処理手段は、この情報テーブルを用いて前記識別IDに対応する設定処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項3】
前記キー入力検出部は、
前記タッチパネルのマトリックスに対応したスキャンマスクレジスタを備え、
このスキャンマスクレジスタに基づいてスキャンを行うか否かを決定し、
前記制御ユニットの設定処理手段は、前記情報テーブルを用いて前記識別IDに対応するスキャンマスクレジスタの設定処理を実行することを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル付き表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−107097(P2006−107097A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−292487(P2004−292487)
【出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】