説明

タッチパネル及びそれを備えた電子機器

【課題】 タッチパネル及びそれを備える電子機器を提供する。
【解決手段】 タッチパネルは、第1基板と、第2基板と、駆動電極対のアレイと、電気粘性流体と、を含む。第2基板は、第1基板と所定間隔で離隔して配されており、ユーザ接触面を有し、駆動電極対は、第1基板と第2基板とに備えられており、駆動電圧が印加されれば、第1基板と第2基板との間に局部的に電場を誘導する。そして、電気粘性流体は、第1及び第2基板間の間隙に満たされており、駆動電極対によって局部的に誘導された電場によって粘度が変化する。このようなタッチパネルは、駆動電圧が印加される領域の広さや位置、駆動電圧が解除される時点での上部基板の変位の大きさ、及び/または印加された駆動電圧が解除される領域の広さや位置を調節して、タッチパネルの作動力と復帰力とのうち少なくとも一つが変更されうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ入力装置(user’s input apparatus)に係り、より具体的に、ユーザ入力装置に使われるタッチパネル(touch panel)とそれを備えた電子機器とに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルは、ユーザからの接触を感知して、入力有無とともに入力位置を判定するユーザ入力装置の一つである。ユーザは、指やスタイラスペンなどを用いてタッチパネルの表面を接触または加圧することによって、データや信号などを入力することができる。タッチパネルは、ラップトップコンピュータやネットブックなどでマウスの代用に備えられるタッチパッド(touch pad)として使われるか、または電子機器の入力スイッチの代用として使われる。または、タッチパネルは、ディスプレイと一体に結合されて使われるが、このように、液晶表示装置(Liquid Crystal Display、LCD)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel、PDP)、陰極線管(Cathode Ray Tube、CRT)のようなディスプレイの画像表示面に設けられるタッチパネルを、‘タッチスクリーン(touch screen)’と言う。タッチスクリーンは、ディスプレイの画像表示面を構成するようにディスプレイと一体に設けられるか、またはディスプレイの画像表示面上にさらに付着されうる。
【0003】
タッチパネルは、キーボード、トラックボール、マウスのような機械的なユーザ入力装置を代替できるだけではなく、操作が簡単である。そして、タッチパネルは、実行されるアプリケーションの種類やアプリケーションの進行段階によって、さまざまな形の入力ボタンをユーザに提供することができる。したがって、タッチパネルは、現金自動預け払い機(Automated Teller Machine、ATM)、情報検索器、無人チケット発売機などはもとより、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、PMP(Portable MultimediaPlayer)、デジタルカメラ、携帯用ゲーム機、MP3プレーヤーのような電子機器の入力装置として幅広く使われている。
【0004】
タッチパネルは、ユーザからの入力有無を感知する方法によって、抵抗方式(resistive type)、静電容量方式(capacitive type)、ソウ方式(saw type)、赤外線方式(infrared type)などに区分することができる。例えば、静電容量方式のタッチパネルでは、接触または加圧による特定地点での静電容量の変化を感知することによって、当該地点での入力有無を判定する。ところが、既存のさまざまな類型のタッチパネルは、入力有無に対する感じ、すなわち、入力感またはハプティック感(haptic feeling)をユーザに伝達することができない。これを解決するために、タッチパネルの下部に振動モータを設置する方法が提案されたが、これによれば、入力感知されれば、振動モータを用いてタッチパネル全体を振動させることによって、ユーザに入力感またはハプティック感を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ユーザに触感を通じて多様な入力感またはクリック感を提供することができるタッチパネル及びそれを備えた電子機器を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、アプリケーションの種類やアプリケーションの進行段階によって、またはユーザの選択によって多様な入力感またはクリック感を提供することができるタッチパネル及びそれを備えた電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態によるタッチパネルは、第1基板と、第2基板と、駆動電極対のアレイと、電気粘性流体と、を含む。第2基板は、第1基板と間隙(gap)をおいて離隔して配されており、ユーザ接触面(user touch surface)を有する。駆動電極対は、第1基板と第2基板とに備えられており、駆動電圧が印加されれば、第1基板と第2基板との間に局部的に電場を誘導する。そして、電気粘性流体は、第1及び第2基板間の間隙に満たされており、駆動電極対によって局部的に誘導された電場によって粘度が変化する。このようなタッチパネルは、駆動電圧の印加及び/または解除を調節して、タッチパネルの作動力と復帰力とのうち少なくとも一つが変更されうる。
【0008】
他の実施形態によるタッチパネルは、第1基板と第2基板との間の間隙に電気粘性流体(electro−rheological fluid)が満たされており、駆動電圧が印加されれば、前記間隙に局部的に電場を誘導する駆動電極対のアレイ(array of driving electrodes’ pairs)が、上部及び下部基板に配列されているタッチパネル本体(touch panel body)を含む。そして、タッチパネルは、このタッチパネル本体の作動力が変更されるように、駆動電極対のアレイのうち駆動電圧が印加される駆動電極対の位置と個数とのうち少なくとも一つを調節する制御部も含む。
【0009】
また他の実施形態によるタッチパネルは、上部基板と下部基板との間の間隙に電気粘性流体が満たされており、駆動電圧が印加されれば、間隙に局部的に電場を誘導する駆動電極対のアレイが、上部及び下部基板に配列されているタッチパネル本体を含む。そして、タッチパネルは、間隙の大きさ変化を用いて、上部基板のユーザ接触面にユーザからの入力があるかどうかを判定する感知部を含むが、感知部(sensing unit)で入力があると判定する基準となる大きさ変化の値は調節されうる。
【0010】
タッチパネルは、駆動電圧が印加される領域の広さ及び/または位置を調節するか、印加された駆動電圧が解除される時点での上部基板の変位の大きさ(すなわち、バックリングポイントになる上部基板の変位の大きさ)を調節するか、または印加された駆動電圧が解除される領域の広さ及び/または位置を調節して、作動力及び/または復帰力を変化させることができる。このようなタッチパネルを利用すれば、ユーザに触感を通じて多様な入力感またはクリック感を提供することができる。それだけではなく、アプリケーションの種類やアプリケーションの進行段階によって、またはユーザの選択によって多様な入力感またはクリック感を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施形態によるタッチパネルの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のタッチパネルのタッチパネル本体の構成を示す分離斜視図である。
【図3】図2のIII−III’ラインに沿って切り取った断面図である。
【図4】メタルドームを有する機械的なキーパッドでの力と変位との関係を示すグラフである。
【図5A】電気粘性流体の流動が制限される場合に、流動抵抗が増加することを比較して示す図である。
【図5B】電気粘性流体の流動が制限される場合に、流動抵抗が増加することを比較して示す図である。
【図6】(a)及び(b)は、タッチパネルで駆動電圧が加えられる駆動電極対の個数を異ならせることを例示的に示す図である。
【図7】図6に示された例で変位による作動力の変化を示すグラフである。
【図8】(a)ないし(c)は、タッチパネルが相異なる変位で駆動電圧が解除されることを例示的に示す図である。
【図9】図8(a)ないし図8(c)に示された例で変位による作動力の変化を図式的に示すグラフである。
【図10】駆動電極対グループに含まれるあらゆる駆動電極対に駆動電圧が印加された状態を示す図である。
【図11】(a)ないし(d)は、図10の状態で印加された駆動電圧が解除される領域を異ならせることを例示的に示す図である。
【図12】図11(a)ないし図11(d)に示された例のそれぞれに対して変位による作動力及び復帰力の変化を図式的に示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を詳しく説明する。使われる用語は、実施形態での機能を考慮して選択された用語であって、その用語の意味は、ユーザ、運用者の意図または慣例などによって変わりうる。したがって、後述する実施形態で使われた用語の意味は、本明細書に具体的に定義された場合には、その定義に従い、具体的な定義がない場合は、当業者が一般的に認識する意味として解析せねばならない。
【0013】
後述するタッチパネルは、ユーザ入力装置としてさまざまな種類の電子機器に備えられうる。例えば、タッチパネルは、ノート型パソコンやネットブックなどのタッチパッドとして使われるということはもとより、タッチ入力機能が具現されたさまざまな種類の家庭用電子機器や事務用電子機器などで入力装置として使われる。それだけではなく、タッチパネルは、電子機器のディスプレイの上面に装着されて使われるタッチスクリーンとして使われうるが、例えば、携帯電話やPDA、PMP、電子ブック端末器(E−book terminal)、携帯用コンピュータのような携帯用電子機器や現金自動預け払い機(Automated Teller Machine、ATM)、情報検索器、無人チケット発売機などのような電子機器の入力装置として使われる。
【0014】
そして、タッチパネルは、入力するユーザに接触面を通じて多様な入力感またはクリック感を提供することができる。ユーザの選択によるか、及び/またはアプリケーション(application)の種類や進行段階によって、このような入力感またはクリック感は変わりうる。例えば、入力位置である接触地点から受ける力、すなわち、タッチパネルの反発力(reaction force)の差を通じてユーザは相異なる入力感またはクリック感を感じることができる。本実施形態では、このような反発力の大きさ差が具現されるように、上下部基板間の間隙に電気粘性流体(ER流体)が満たされているタッチパネルを利用し、また駆動電圧が印加されるタッチパネルの広さや駆動電圧が解除される時点のタッチパネルの変位の大きさなどを調節するが、これについては後述する。
【0015】
図1は、一実施形態によるタッチパネル100の構成を示すブロック図である。図1を参照すると、タッチパネル100は、タッチパネル本体(touch panel body)110、感知部(sensing unit)120、及び制御部(controlling unit)130を含む。タッチパネル本体110は、タッチパネル100を構成する物理的構造体を示す。一方、感知部120と制御部130は、タッチパネル本体110への入力有無を感知し、またタッチパネル本体110に対する駆動を制御する電気回路及び/またはハードウェア/ソフトウェアであり得る。本明細書で、単純に‘タッチパネル’と称する場合に、狭い意味では、タッチパネル本体110のみを示すが、広い意味では、感知部120と制御部130も含むタッチパネル100の全体を示すこともできる。
【0016】
そして、感知部120と制御部130は、その機能による論理的な区分であって、両者は統合されて具現されるか、または分離されて個別的に具現可能である。また、感知部120と制御部130との論理的な機能区分も、単に説明の便宜のためのものであって、統合された一つの構成要素が、感知部120と制御部130とが行うあらゆる機能を行うか、またはその本質に反しない限り、何れか一つの構成要素(例えば、感知部120)で行われる一部機能が、他の構成要素(例えば、制御部130)で行われることもある。以下、タッチパネル本体110の構造及び動作に関して先に説明する。
【0017】
図2は、図1のタッチパネル100のタッチパネル本体110の構造を示す分離斜視図であり、図3は、図2のIII−III’ラインに沿って切り取った断面図である。図2及び図3を参照すると、タッチパネル本体110は、一対の基板、すなわち、下部基板111及び上部基板112とともに一対の基板111、112間の間隙に満たされて密封されている電気粘性流体113、及びマトリックス状に配列された駆動電極対114のアレイを含む。
【0018】
下部基板111は、タッチパネル本体110のベース基板であって、電気粘性流体113をタッチパネル本体110に満たすための容器の一面として機能する。タッチパネル100が、電子機器のタッチスクリーンとして機能する場合に、下部基板111は、電子機器の画像表示面自体になるか、または画像表示面上に付加的に付着される基板であり得る。下部基板111は、上部基板112との間に所定の引力や斥力が作用しても、変形されないことがある。そのために、下部基板111は、硬い材料で作られることができるが、例えば、透明ガラスで作られたガラス基板(glass substrate)であり得る。しかし、下部基板111が、必ずしも硬い材料で形成される必要はない。例えば、タッチパネル本体110が、硬いディスプレイの上部に付着される場合であれば、下部基板111は、透明なポリマーフィルム(polymer film)で作られることもできる。
【0019】
上部基板112の上面は、ユーザが入力する時に接触するユーザ接触面Sである。上部基板112は、所定の力が加えられれば、変形が生じることがある。例えば、ユーザが指やスタイラスペンなどを使ってユーザ接触面Sを接触または加圧する場合に、上部基板112は変形されうる。そのために、上部基板112は、透明で変形が可能なポリマーフィルムなどで作られることができる。ポリマーの種類には、特別な制限がない。上部基板112は、下部基板111と所定間隔で離隔して配され、上部基板112と下部基板111との間には、所定の大きさを有する間隙(gap)が形成される。間隙の大きさは、駆動電圧の大きさやタッチパネル本体110の広さ、駆動電極対114の断面積の大きさなどによって変わりうる。
【0020】
下部基板111と上部基板112との間の間隙には、電気粘性流体113が満たされている。電気粘性流体113は、外部から密封され、そのために、上下部基板112、111間のフレームには、密閉剤(sealant)116が配置される。電気粘性流体113は、一般的に電気絶縁性流体113aに非常に微細な粒子113bが分散されている懸濁液(suspension)を示す。電気粘性流体113bは、電場が印加されれば、流体の粘度(viscosity)が最大100,000倍程度増加する。そして、電気粘性流体113bのこのような粘度の変化は可逆的であって、電場が解除されれば、元の状態に復元される。
【0021】
電気粘性流体113は、透明な液体であるが、これを構成する流体113aとしては、例えば、シリコン油、ケロシン鉱油、オレフィン(PCSs)などが使われる。しかし、これに限定されるものではなく、温度の変化による粘性の変化が小さく、高い引火点、低い氷点などの物性を有し、粘性が印加される電場の関数の変化特性を有する物質は、電気粘性流体113として使われる。そして、電気粘性流体113に含まれる粒子113bの大きさは、最大50μm程度であって、非常に微細で透明な粒子である。このような粒子113bとしては、例えば、アルミノケイ酸塩(aluminosilicate)、ポリアニリン(polyaniline)、ポリピロール(polypyrrole)、フラーレン(fullerene)のような高分子物質やセラミックのような絶縁性物質が使われる。アプリケーションによっては、非透明ERFも使われる。
【0022】
そして、上下部基板112、111間の間隙には、スぺーサ115が配置されうる。スぺーサ115は、数十μm以下の小さくて透明な固体で作られた弾性体であって、電気粘性流体113内にランダムに、または規則的に分散されて配されている。(図2に示されているスぺーサ115は、その大きさが多少誇張されているが、これは、単に説明及び図面作成の便宜のためのものである)。スぺーサ115を構成する物質としては、特別な制限がなく、例えば、エラストマー(elastomer)が使われる。スぺーサ115は、上部基板112が変形された場合に、復元力を提供し、また上部基板112を構造的に支持する役割も行うことができる。すなわち、スぺーサ115は、上下部基板の間で弾性要素として機能し、クリック動作(これに関しては、後述する)後に非常に短い時間内に基板を元のフィルム状に復元させる。スぺーサ115は、タッチパネル100の全体に亘って均一な形態に分布されることが望ましい。しかし、復元力と構造的な支持機能とを提供する限り、スぺーサは、他の形態の分布パターンになることもできる。例えば、タッチパネルは、中央部分よりは縁部側がフィルムの張力がさらに大きい。したがって、縁部側により小さなスぺーサが分布されることもある。すなわち、タッチパネル内での位置によってスぺーサの分布が変わることもできる。
【0023】
駆動電極対114は、それぞれ下部基板111と上部基板112とに備えられている一対の電極である。このような駆動電極対114は、タッチパネル本体110の全面(entire surface)または一部領域にマトリックス状(matrix type)に配列されることもある。マトリックス状に配列された駆動電極対114(すなわち、駆動電極対のアレイ)には、所定の組合わせで(例えば、一部の駆動電極対114にのみ)駆動電圧が印加されうる。そして、タッチパネル100は、駆動電極対114のアレイで駆動電圧が加えられる駆動電極対114の個数(例えば、駆動電圧が加えられる領域の広さ)、加えられた駆動電圧が解除される時点での上部基板112の変位(displacement)の大きさ、駆動電圧が解除される駆動電極対114の個数などを変化させることによって、ユーザに多様な大きさの入力感またはクリック感を提供することができるが、これに関しては後述する。
【0024】
図2に示されている駆動電極対のアレイは、マトリックス状に配列された駆動電極対114の一例である。図2を参照すると、下部基板111の上面と上部基板112の下面には、それぞれライン状の電極パターン114a、114bが多数個平行に形成されている。ここで、下部基板110に形成されている電極パターン、すなわち、下部電極パターン114aは第1方向に伸張され、上部基板112に形成されている電極パターン、すなわち、上部電極パターン114bは第1方向に垂直である第2方向に伸張されている。したがって、多数の下部電極パターン114aと多数の上部電極パターン114bとの交差点で、タッチパネル本体110の全面(entire area)にマトリックス状に配列された駆動電極対114が定義される。
【0025】
図2に示されたものとは異なって、駆動電極対114を構成する下部電極と上部電極は、それぞれドット状に上下部基板に配置される。この際、互いに対向する上下部電極は、マトリックス状に上下部基板の全面または一部領域に配置されていることもある。このような下部電極と上部電極は、それぞれ四角形のような多角形状や円状の電極パターンであり得る。そして、ドット状の駆動電極対は、スイッチングが可能なアクティブ素子(active device)と個別的に連結されうるが、これを利用すれば、制御部の制御信号に応答してドット状の駆動電極対は、個別的にスイッチングがなされることもある。すなわち、図2には、ライン状の電極パターンが示されている。しかし、上部基板と下部基板に、それぞれM×N電極アレイが配列され、各電極対は、独立したアドレス及び制御が可能である。
【0026】
駆動電極対114に印加される駆動電圧は、電気粘性流体113の粘度を局部的に変化させるための駆動力を提供する。このような駆動電圧は、タッチパネル100が設けられる電子機器の電源装置から供給されうる。そして、駆動電圧が加えられる駆動電極対114の個数、加えられた駆動電圧が解除される時点での上部基板112の変位の大きさ、加えられた駆動電圧が解除される駆動電極対114の個数などは、感知部120及び/または制御部130によって制御されうる。
【0027】
図3には、領域Iに位置した駆動電極対114にのみ駆動電圧が印加され、領域IIに位置した駆動電極対114には、駆動電圧が印加されていない場合が示されているが、そのために、上部電極パターン114bを接地(ground)した状態で、領域Iに位置した下部電極パターン114aにのみ所定大きさの電位(Vd)を印加し、領域IIに位置した下部電極パターン114aはフローティング(floating)状態に置くことができる。もちろん、上部電極パターン114aと下部電極パターン114bとに印加される電位は変わりうるということは当業者に自明である。
【0028】
図3の領域Iでのように、駆動電極対114に駆動電圧が印加(より具体的に、一つの駆動電極には、所定の電位を有する駆動電圧が連結され、他の一つの駆動電極は、接地と連結)されれば、当該駆動電極対114の位置に対応する上下部基板112、111間の間隙には、局部的に電場が誘導される。そして、誘導された電場によって、この部分(領域I)にある電気粘性流体113の粘度は増加する。電場によって、電気粘性流体113の粘性が増加することは、図3に示されたように、分極特性を有する粒子113bが一列に並ぶためである。一方、駆動電極対114に駆動電圧が印加されなければ、当該駆動電極対114の位置に対応する上下部基板112、111間には、電場が誘導されず、この部分(領域II)にある電気粘性流体113の粘度は変化がない。
【0029】
このような電気粘性流体の粘度変化を用いるタッチパネルの一例は、本出願の出願人が2009年6月19日に出願した韓国特許出願第2009−0055034、“タッチパネル及びそれを備える電子機器”に詳しく記述されている。前記韓国特許出願には、電気粘性流体の粘度変化を用いてユーザ接触面に所定の入力ボタン領域を限定し、また機械的なキーパッドを操作する時のようなクリック感をユーザに提供するタッチパネルが開示されているが、前記韓国特許出願は参照によって本明細書に完全に結合される。
【0030】
クリック感(click sensation)とは、携帯電話などで使われる機械的なキーパッド(key pad)またはキーボタン(key button)などを押す時、ユーザが得る、指を通じたしっかりとしたクリック感である。機械的なキーパッドには、メタルドーム(metal dome)またはポップル(popple)と言うドーム状の金属薄板がキーボタンの下部に設けられている。所定の大きさ以上の力で加圧し続けられる場合に、メタルドームはある瞬間にドーム状に急な変形が発生するが、これをバックリングポイント(buckling point)と言う。メタルドームが変形される過程には、このようなバックリングポイントが存在するために、ユーザは機械的なキーパッドを押す時、しっかりとしたクリック感を受けるようになるが、これをクリック感と言う。
【0031】
図4は、このようなメタルドームまたはポップルを有する機械的なキーパッドでの力(force)と変位(displacement)との関係を示すグラフである。図4を参照すると、初期にはユーザが加圧力によってメタルドームの変位が徐々に増加する。メタルドームの変位が増加すれば、それによってメタルドームの支持力(変形に対する抵抗力)も増加するので、ユーザが感じる反発力もそれほど増加する。そして、メタルドームの変位がx1に到逹すれば、メタルドームの支持力が最大(作動力)に到達されながら急減するが、このようにメタルドームの支持力が最大となる地点(すなわち、タッチパネルで作動力が作用する地点)がバックリングポイントである。バックリングポイントに到逹した以後にも、ユーザが加圧力を維持し続ければ、メタルドームの変位は増加し続けるが、変位がx2に到逹すれば、メタルドームは下部電極に触れるようになる。バックリングポイントに到逹した以後に、ユーザが加圧力を除去すれば、復帰力によってメタルドームは最初の状態に復元される。
【0032】
タッチパネル100は、このような機械的なキーパッドでのメカニズムを模写することによって、ユーザにクリック感を提供することができる。図3を参照して前述したように、タッチパネル100は、駆動電圧が加えられる駆動電極対114がある領域(領域I)にある電気粘性流体113は粘度が急増する。粘度が増加した領域I(以下、‘粘度増加領域’と称する)は、他の領域(領域II)に比べて加圧力に対してより大きな反発力を提供する。加圧力が増加するか、及び/または加圧力による上部基板112の変位が増加するほど反発力も増加する。そして、加圧力が一定レベル以上になるか、及び/または変位が一定の大きさ以上に到逹した時、加えられている駆動電圧を解除する。駆動電圧が解除されれば、電気粘性流体113の粘度が急減し、それによって、加圧力に対する反発力も急減する。このように、タッチパネル100で、ユーザは駆動電圧が解除される時点でバックリングポイントでのようなクリック感を感じることができる。
【0033】
前述した機械的なキーパッド(または、これを模写したタッチパネル100)で、ユーザが感知するクリック感を決定する要素としては、作動力と復帰力(または、クリックレート(Click Rate、CR))がある。作動力は、バックリングポイントに到逹する時のメタルドームの支持力またはメタルドームから受ける抵抗力、すなわち、最大反発力を示す。復帰力は、バックリングポイント以後に変形されたメタルドームが元の状態に帰ろうとする復元力を示す。そして、クリックレート(CR)は、式(1)のように作動力と復帰力との関数として定義されることができるが、式(1)を参照すると、クリックレート(CR)は、作動力と復帰力との差を作動力で割った値になる。式(1)による場合に、機械的なキーパッドの動作を模写したタッチパネル100は、作動力及び/または復帰力を適切に制御すれば、ユーザに多様なクリック感を提供することができる。
【0034】
【数1】

タッチパネル100で、作動力を変化させることができる一方法は、駆動電圧が加えられる駆動電極対の個数を異ならせることである。より多くの電極に駆動電圧を印加すれば、タッチパネル100の作動力は増加する。一方、より少ない電極に駆動電圧を印加すれば、タッチパネル100の作動力は減少する。例えば、一つの入力ボタン領域を限定する駆動電極対が、複数個(例えば、このように一つの入力ボタン領域を限定する複数の駆動電極対を‘駆動電極対グループ(driving electrodes’pair group)’と言える)である場合に、この入力ボタン領域の作動力は、この複数個の駆動電極対のうち駆動電圧が印加される駆動電極対の個数に比例する。もちろん、この駆動電極対グループに含まれる駆動電極対は、必ずしも入力ボタン領域に位置する必要はなく、これに隣接した周辺領域に位置する駆動電極対も駆動電極対グループに含まれうる。
【0035】
これは、駆動電圧が加えられた駆動電極対114間の間隙に位置した電気粘性流体113は、局部的に粘度が増加することを利用したものである。なぜならば、粘度が増加した電気粘性流体113は、その上側から加圧力に対してより大きな反発力を提供するためである。反発力は、粘度が増加した電気粘性流体113の領域に比例して増加することができるので、駆動電圧が加えられる駆動電極対114の広さが増加すれば、タッチパネルの作動力も増加することができる。
【0036】
それだけではなく、粘度が増加した電気粘性流体113は、周辺にある電気粘性流体113が流動することも制限する。図5A及び図5Bは、電気粘性流体の流動が制限される場合に、流動抵抗が増加することを比較して示す図である。図5Aは、加圧される領域Bの駆動電極対にのみ駆動電圧が印加されて粘度増加領域になるが、その周辺領域A、Cの駆動電極対には、駆動電圧が印加されていない場合であり,図5Bは、加圧される領域Bを含んで、その周辺領域A、Cの駆動電極対にも、駆動電圧が印加されて粘度増加領域になる場合である。図5A及び図5Bを参照すると、周辺領域A、Cの駆動電極対に駆動電圧が印加されていない場合(図5Aの場合)より印加された場合(図5Bの場合)に、流動方向に抵抗する力である流動抵抗がさらに大きいということが分かる。したがって、入力ボタン領域だけではなく、その周辺領域に位置した駆動電極対にも駆動電圧を印加すれば、タッチパネル100の抵抗力は増加することができる。但し、粘度増加領域が全部入力ボタン領域であるか、またはその周辺領域であるか、または入力ボタン領域から所定の距離ほど離隔しているかなどのよって、タッチパネル100からの反発力及び/または抵抗力は変わりうる。
【0037】
このように、電気粘性流体113の流動が制限されれば、タッチパネル100の上部基板112を押す場合に、ユーザが受けた抵抗感または反発力は増加する。そして、このような反発力は、流動が制限される程度(すなわち、駆動電圧が加えられた駆動電極対114の個数及び/または位置)に比例する。このようなタッチパネル100の特性を利用すれば、駆動電極対114のうち駆動電圧が加えられる駆動電極対114の個数(すなわち、粘度増加領域の広さ)及び/または位置を変化させて、クリック感を提供する時点でユーザが受けた反発力、すなわち、作動力を変化させることができる。
【0038】
図6(a)、図6(b)、及び図7は、駆動電圧が加えられる駆動電極対の個数が増加するにつれて作動力が増加するということを示すための図であって、図6(a)及び図6(b)は、駆動電圧が加えられる駆動電極対の個数を異ならせることを例示的に示すものであり、図7は、図6(a)及び図6(b)に示された例で変位による作動力の変化を図式的に示すグラフである。
【0039】
図6(a)及び図6(b)に示されたタッチパネルは、総9個行(column)の下部電極パターン(c1〜c9)と総12個列(row)の上部電極パターン(r1〜r12)とを有する。そして、それぞれの数字ボタンには、3個の下部電極パターンと3個の上部電極パターンとが重畳される。その結果、タッチパネルは、総108(9x12)個の駆動電極対を含み((図6(a)及び図6(b)に示された駆動電極対の配列及び個数は、単に例示的なものである))、一つの数字ボタンには、9個の駆動電極対が配されている。このような場合に、一つの数字ボタン(入力ボタン領域)を限定する駆動電極対の個数(すなわち、駆動電極対グループを構成する駆動電極対の個数)は、9個であり得る。そして、図6に示された例で、タッチパネルの下部電極パターンは、いずれも接地されているとし、数字ボタン4、5、6を除いた他の数字ボタン1、2、3、7、8、9、*、0、#がある領域は論外にする。
【0040】
図6(a)を参照すると、タッチパネルは、4、5、6の数字ボタンがある列(row)に位置した3個の上部電極パターン(r4、r5、r6)のうち、二番目の列の駆動電極パターン(r5)にのみ所定大きさの駆動電圧が加えられ、残りの二つの列の駆動電極パターン(r4、r6)は、フローティング状態(すなわち、一つの数字ボタン当たり3個の駆動電極対にのみ駆動電圧が加えられた状態)である。一方、図6(b)を参照すると、タッチパネルは、4、5、6の数字ボタンがある列に位置した3個の上部電極パターン(r4、r5、r6)のいずれにも所定大きさの駆動電圧が加えられた状態(すなわち、一つの数字ボタン当たり9個の駆動電極対に駆動電圧が加えられた状態)である。図7を参照すると、図6(a)のタッチパネルの作動力((作動力(a))と図6(b)のタッチパネルの作動力((作動力(b))は、非常に大きな差があるということが分かる。そして、タッチパネルは、駆動電圧が加えられた駆動電極対の個数が多くなればなるほど作動力もさらに大きくなる。このようなタッチパネルの特性を利用すれば、駆動電圧が加えられる駆動電極対の個数を調節して、多様なクリック感をユーザに提供することができる。
【0041】
図8(a)ないし図8(c)及び図9は、駆動電圧が解除される時点の変位によって作動力が増加するということを示すための図であって、図8(a)ないし図8(c)は、相異なる変位で駆動電圧が解除されることを例示的に示すものであり、図9は、図8(a)ないし図8(c)に示された例で変位による作動力の変化を図式的に示すグラフである。図8(a)は、最も小さな変位x1’で駆動電圧を解除する場合であり、図8(c)が、最も大きな変位x1’’’で駆動電圧を解除する場合である。そして、図8(b)は、変位x1’’が、x1’とx1’’’との間である場合である。図8(a)ないし図8(c)及び図9を参照すると、駆動電圧が解除される時点の変位が大きいほどタッチパネルからユーザが感じる最大反発力はさらに大きい((作動力(a)>作動力(b)>作動力(c))ということが分かる。したがって、タッチパネルは、駆動電圧が解除される時点の変位を異なるように調節して、多様なクリック感をユーザに提供することができる。
【0042】
図10、図11(a)ないし図11(d)、及び図12は、駆動電圧が印加された駆動電極対(すなわち、入力ボタンの一例である数字ボタン‘5’を限定する駆動電極対グループ)のうち駆動電圧が解除される駆動電極対の個数が増加するにつれて復帰力が減少するということを示すための図である。ここで、図10は、図6(a)のタッチパネル((3個行(c4、c5、c6)の下部電極パターンがいずれも接地され、3個列(r4、r5、r6)の上部電極パターンにいずれも所定大きさの駆動電圧が加えられた場合))で数字ボタン‘5’がある部分(この部分は、いずれも9個の駆動電極対を有する)のみを拡大したものであり得る。そして、図11(a)ないし図11(d)は、図10の状態にあるタッチパネルで駆動電圧が解除される駆動電極対の個数を異ならせることを例示的に示しているが、図11(a)は、あらゆる駆動電極対(9個)に加えられた駆動電圧が解除される場合であり、図11(b)は、二つの列(r4、r6)に位置した駆動電極対(6個)に加えられた駆動電圧のみ解除される場合であり、図11(c)は、一つの列(r5)に位置した駆動電極対(3個)に加えられた駆動電圧のみ解除される場合であり、図11(d)は、一つの列(r5)に位置した駆動電極対(3個)に加えられた駆動電圧のみ解除するが、一つの行(c5)の下部電極パターンをフローティング状態に置く場合である。そして、図12は、このような図11(a)ないし図11(d)に示された例のそれぞれに対して変位による作動力及び復帰力の変化を図式的に示すグラフである。
【0043】
図10及び図12を参照すると、タッチパネルは、上部基板の変位がx1に至るまで駆動電極対グループに加えられていた駆動電圧は維持し続けられ、その結果、変位が増加するにつれてタッチパネルの反発力も増加する。そして、上部基板の変位がバックリングポイントであるx1に至れば、駆動電極対グループに属する駆動電極対の全部または一部に加えられていた駆動電圧が解除される。図11(a)ないし図11(d)及び図12を参照すると、バックリングポイント以後に解除される駆動電極対の個数が多くなるほど復帰力はさらに減少するということが分かる。したがって、タッチパネルは、駆動電圧が解除される駆動電極対の個数を調節して、多様なクリック感をユーザに提供することができる。
【0044】
前述したタッチパネルの動作は、図1に示されているタッチパネル100の感知部120及び/または制御部130によって具現することができる。以下、これについてより具体的に説明する。
【0045】
感知部120は、タッチパネル100にユーザからの入力があるかどうかを判定し、入力があると判定する場合には、入力位置(input location)も計算することができる。そして、感知部120で判定された入力有無に関する情報及び入力位置に関する情報は、制御部130に伝達されうる。感知部120で入力有無を判定する方法には、特別な制限がない。例えば、上部基板112のユーザ接触面にユーザからの入力(接触または加圧)があれば、当該位置で上部基板112は変形されて所定の変位が発生する。この場合に、感知部120は、このような上部基板112の変形による静電容量の変化(例えば、上下部基板111、112間の間隙の大きさ変化による静電容量の変化)を測定して、入力有無を判断することができる。この際、入力有無を判定する基準(上下部基板111、112間の静電容量の大きさ)を変更すれば、感知部120が入力があると判定する上部基板112の変位の大きさも変更されうる。したがって、タッチパネル100は、感知部120で入力有無を判定する基準を変更して、印加された駆動電圧が解除される変位を調節することができる。そして、これを利用すれば、タッチパネル100は、ユーザに多様なクリック感を提供することができる((図8(a)ないし図8(c)及び図9参照))。
【0046】
制御部130は、駆動電圧が印加される駆動電極対の個数及び/または位置を調節することができる。より具体的に、制御部130は、一つの入力ボタンを限定するために、駆動電圧が印加される駆動電極対の個数及び/または位置を異ならせうる((図6(a)、図6(b)、及び図7参照))。例えば、ユーザにより強い作動力(反発力)を提供するために、制御部130は、入力ボタンのある領域はもとより、その周辺領域(この場合に、隣接した周辺領域の一部分が入力ボタンと重畳されるか、または全然重畳されないこともあるということは当業者に自明である)に位置した駆動電極対にも駆動電圧を印加することができる。または、ユーザに弱い作動力(反発力)を提供するために、制御部130は、入力ボタンがある領域に位置した駆動電極対にのみ駆動電圧を印加し、その隣接した周辺領域に位置した駆動電極対には、駆動電圧を印加しないこともある。この場合に、隣接した周辺領域に位置した駆動電極対のうち駆動電圧が印加される駆動電極対の個数を段階的に変化させるか、または駆動電圧が印加される駆動電極対の位置(入力ボタン領域との距離など)を変化させれば、ユーザが感じる反発力も段階的に変わりうるということは当業者に自明である。
【0047】
そして、制御部130は、感知部120で入力確認がなされた以後(または、感知部120から入力確認信号を受信した以後)に駆動電圧が解除される駆動電極対の個数及び/または位置を調節することもできる。より具体的に、制御部130は、バックリングポイント以後に、駆動電圧が解除される駆動電極対の個数及び/または位置を異ならせうる(図10ないし図12参照)。例えば、ユーザにより強い復帰力を提供するために、駆動電圧が印加された駆動電極対のうち一部の駆動電極対にのみ駆動電圧が解除されるか、またはフローティング状態にさせうる。または、ユーザに弱い復帰力を提供するために、駆動電圧が印加された駆動電極対の大部分またはいずれもの駆動電圧を解除することもできる。この場合に、駆動電圧が解除される駆動電極対の個数を段階的に変化させれば、ユーザが感じる復帰力も段階的に変わりうるということは当業者に自明である。
【0048】
このように、感知部120で入力有無を判定する基準(例えば、入力があると判定する変位の大きさ及びそれによる反発力の大きさ)や制御部130で駆動電圧を印加するか、または解除する駆動電極対の個数や位置などは既定されているか、またはアプリケーションの種類やアプリケーションの進行程度によって変更されうる。後者の場合に、感知部120での判定基準や制御部130での動作基準は、あらかじめ入力されたプログラムによって調節されるか、またはユーザが意図的に動作基準を変更することもできる。例えば、ユーザは、パスワードなどのように重要な情報を入力するか、金融などと関連した重要なアプリケーションを実行する場合には、より大きなクリック感を感じるか、またはアプリケーションの進行程度によってクリック感が変わるように、感知部120及び/または制御部130を設定することができる。一方、ゲームをするような単純娯楽を実行する場合には、クリック感を最小化するか、またはアプリケーションの進行程度にかかわらずに一定のクリック感のみ提供されるように、感知部120及び/または制御部130を設定することもできる。
【0049】
以上の説明は、本発明の実施形態に過ぎず、この実施形態によって本発明の技術思想が限定されると解析されてはならない。本発明の技術思想は、特許請求の範囲に記載の発明によってのみ特定されなければならない。したがって、本発明の技術思想を外れない範囲で前述した実施形態は多様な形態に変形されて具現可能であるということは当業者に自明である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、タッチパネル及びそれを備えた電子機器関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0051】
100 タッチパネル
110 タッチパネル本体
111 下部基板
112 上部基板
113 電気粘性流体
113a 電気絶縁性流体
113b 粒子
114 駆動電極対
114a 上部電極パターン
114b 下部電極パターン
115 スペーサ
116 密閉剤
120 感知部
130 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板と間隙(gap)をおいて離隔して配されており、ユーザ接触面(user touch surface)を有する第2基板と、
前記第1基板と第2基板とに備えられており、駆動電圧が印加されれば、前記第1基板と前記第2基板との間に局部的に電場を誘導する駆動電極対のアレイ(array of driving electrodes’ pairs)と、
前記第1及び第2基板間の間隙に満たされており、前記駆動電極対によって誘導された電場によって粘度が変化する電気粘性流体と、を含み、
前記駆動電圧の印加または解除を調節して、作動力と復帰力とのうち少なくとも一つが変更されうることを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
前記駆動電極対のアレイのうち駆動電圧が印加される駆動電極対の位置と個数とのうち少なくとも一つが調節されうることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記駆動電圧が印加された駆動電極対のうち、前記駆動電圧が解除される駆動電極対の位置と個数とのうち少なくとも一つが調節されうることを特徴とする請求項2に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記ユーザ接触面に対するユーザの加圧による前記間隙の大きさ変化を用いて、前記ユーザからの入力があるかどうかを判定する制御器をさらに含み、
前記入力があると判定する基準となる前記大きさ変化の値は調節されうることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記駆動電圧が印加された駆動電極対のうち、前記駆動電圧が解除される駆動電極対の位置と個数とのうち少なくとも一つが調節されうることを特徴とする請求項4に記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記作動力または前記復帰力は、調整されうることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項7】
第1基板と第2基板との間の間隙に電気粘性流体(electro−rheological fluid)が満たされており、駆動電圧が印加されれば、前記間隙に局部的に電場を誘導する駆動電極対のアレイが、前記第1基板及び第2基板に配列されているタッチパネル本体(touch panel body)と、
前記タッチパネル本体の作動力が変更されるように、前記駆動電極対のアレイのうち、前記駆動電圧が印加される駆動電極対の位置と個数とのうち少なくとも一つを調節する制御部と、
を含むことを特徴とするタッチパネル。
【請求項8】
前記駆動電極対のアレイは、一つの入力ボタン領域を限定する複数の駆動電極対で構成された駆動電極対グループを一つまたは複数個含み、
前記制御部は、前記駆動電極対グループを構成する複数の駆動電極対のうち、前記駆動電圧が印加される駆動電極対の位置と個数とのうち少なくとも一つを調節することを特徴とする請求項7に記載のタッチパネル。
【請求項9】
前記間隙の大きさ変化を用いて、上部基板のユーザ接触面にユーザからの入力があるかどうかを判定する感知部(sensing unit)をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のタッチパネル。
【請求項10】
前記感知部で、前記入力があると判定する前記間隙の大きさ変化の値は調節されうることを特徴とする請求項9に記載のタッチパネル。
【請求項11】
前記制御部は、前記タッチパネル本体の復帰力が変更されるように、前記駆動電圧が印加された駆動電極対のうち、前記駆動電圧が解除される駆動電極対の位置と個数とのうち少なくとも一つを調節することを特徴とする請求項7に記載のタッチパネル。
【請求項12】
前記間隙の大きさ変化を用いて、上部基板のユーザ接触面にユーザからの入力があるかどうかを判定する感知部をさらに含み、
前記感知部で、前記入力があると判定する前記間隙の大きさ変化の値は調節されうることを特徴とする請求項11に記載のタッチパネル。
【請求項13】
第1基板と第2基板との間の間隙に電気粘性流体が満たされており、駆動電圧が印加されれば、前記間隙に局部的に電場を誘導する駆動電極対のアレイが、前記第1基板及び第2基板に配列されているタッチパネル本体と、
前記間隙の大きさ変化を用いて、前記第1基板のユーザ接触面にユーザからの入力があるかどうかを判定する感知部と、を含み、
前記感知部で、前記入力があると判定する前記間隙の大きさ変化の値は調節されうることを特徴とするタッチパネル。
【請求項14】
前記タッチパネル本体の作動力が変更されるように、前記駆動電極対のアレイのうち、前記駆動電圧が印加される駆動電極対の位置と個数とのうち少なくとも一つを調節する第1制御部をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載のタッチパネル。
【請求項15】
前記駆動電極対のアレイは、一つの入力ボタン領域を限定する複数の駆動電極対で構成された駆動電極対グループを一つまたは複数個含み、
前記第1制御部は、前記駆動電極対グループを構成する複数の駆動電極対のうち、前記駆動電圧が印加される駆動電極対の位置と個数とのうち少なくとも一つを調節することを特徴とする請求項14に記載のタッチパネル。
【請求項16】
前記タッチパネル本体の復帰力が変更されるように、前記駆動電圧が印加された駆動電極対のうち、前記駆動電圧が解除される駆動電極対の位置と個数とのうち少なくとも一つを調節する第2制御部をさらに含むことを特徴とする請求項13に記載のタッチパネル。
【請求項17】
請求項1に記載のタッチパネルをユーザ入力装置として備える電子機器。
【請求項18】
請求項7に記載のタッチパネルをユーザ入力装置として備える電子機器。
【請求項19】
請求項13に記載のタッチパネルをユーザ入力装置として備える電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−159276(P2011−159276A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248333(P2010−248333)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】