説明

タッチパネル式電子機器及びそのプロジェクタ表示システム

【課題】タッチパネル式の携帯端末をプロジェクタに接続してプレゼンテーションする場合に、タッチ操作位置を操作対象の表示内容に応じて適切に投影表示することが可能なタッチパネル式電子機器を提供する。
【解決手段】タッチパネル表示部14に対する教師のタッチ操作Tが検出されると、実行中の動作状態に対応した電卓画面G(式入力画面ga+グラフ表示画面gb)上に、そのタッチ操作Tの対象に応じたタッチ位置ポインタM1や移動軌跡ポインタM1〜M4が合成され、プロジェクタ20に出力されるので、スクリーン30に投影表示された電卓画面Gを見ている生徒であっても、グラフ関数電卓10のタッチパネル表示部14(各種の動作に応じた電卓画面)に対する教師によるタッチ操作の内容を明確に把握して、その意図を容易に理解できるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネル式の表示画面を備えた携帯端末などのタッチパネル式電子機器及びそのプロジェクタ表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネル式の表示画面を備えた携帯端末が急速に普及して実用されている。また従来は、一般にノートPCをプロジェクタに接続して同PCの表示データをスクリーンに投影表示させプレゼンテーションをしていたが、最近はPCに代えて携帯性に優れる前記タッチパネル式の携帯端末(タブレットPC)を使用するケースが増えている。
【0003】
前記ノートPCをプロジェクタに接続して同ノートPCの表示データをスクリーンに投影表示させた場合、ユーザ操作に伴うマウスポインタも画面上に表示されるので、聴取者はリアルタイムに説明者の操作位置を把握でき、その意図が分かり易い利点がある。
【0004】
しかしながら、前記タッチパネル式の携帯端末を使用した場合、その表示画面にユーザ操作に対応したマウスポインタ等は表示されないため、プロジェクタによって投影表示された当該表示画面からでは、聴取者は説明者の操作位置を把握し辛く、例えば表示データが突然変化するなど、その意図が理解し難い問題があった。
【0005】
従来のプレゼンテーションシステムにおいて、プレゼンテーションの途中に、その表示内容に対して手書きの画像を合成して表示させ、当該合成表示された手書き画像を設定時間の経過後か又はボタン操作により自動消去する手書き入力表示装置が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−080005号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
タッチパネル式の携帯端末をプロジェクタに接続してプレゼンテーションする場合に、説明者の操作内容を聴取者が容易に把握できるようにすることが望まれる。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、タッチパネル式の携帯端末をプロジェクタに接続してプレゼンテーションする場合に、タッチ操作の位置を操作対象の表示内容に応じて適切に投影表示することが可能になるタッチパネル式電子機器及びそのプロジェクタ表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るタッチパネル式電子機器は、タッチパネル付き表示部を有する電子機器において、前記タッチパネルにタッチ操作された位置を検出するタッチ位置検出手段と、このタッチ位置検出手段によりタッチ操作の位置が検出された際に、当該タッチ操作の位置に対応する前記表示部に表示中の表示内容を判断するタッチ対象判断手段と、前記タッチ位置検出手段により検出されたタッチ操作の位置を示す目印を、前記タッチ対象判断手段により判断された表示内容に応じた表示形態で、前記表示部に表示中の表示データに合成するタッチ位置合成手段と、前記表示部に表示中の表示データをプロジェクタへ出力する表示データ出力手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
本発明係るプロジェクタ表示システムは、タッチパネル付き表示部を有する電子機器とプロジェクタからなるプロジェクタ表示システムにおいて、前記電子機器は、前記表示部に表示中の表示データをプロジェクタへ出力する表示データ出力手段と、前記タッチパネルにタッチ操作された位置を検出するタッチ位置検出手段と、このタッチ位置検出手段によりタッチ操作の位置が検出された際に、当該タッチ操作の位置に対応して前記表示部に表示中の表示内容を判断するタッチ対象判断手段と、前記タッチ位置検出手段により検出されたタッチ操作の位置情報と前記タッチ対象判断手段により判断された当該タッチ操作の位置に対応する表示内容の情報とを前記プロジェクタへ出力するタッチ情報出力手段とを備え、前記プロジェクタは、前記電子機器から受信された表示データを投影する表示データ投影手段と、前記電子機器から受信されたタッチ操作の位置情報と当該タッチ操作の位置に対応する表示内容の情報とに基づき、前記電子機器のタッチパネルに対するタッチ操作の位置を示す目印を、前記表示内容に応じた表示形態で、前記表示データ投影手段により投影中の表示データに合成するタッチ位置合成手段とを備えた、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、タッチパネル式の携帯端末をプロジェクタに接続してプレゼンテーションする場合に、タッチ操作の位置を操作対象の表示内容に応じて適切に投影表示することが可能になるタッチパネル式電子機器及びそのプロジェクタ表示システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るタッチパネル式グラフ関数電卓10を使用したプロジェクタ表示システムの外観構成を示す図。
【図2】前記プロジェクタ表示システムの教師用端末として使用されるタッチパネル式グラフ関数電卓10の電子回路の構成を示すブロック図。
【図3】前記タッチパネル式グラフ関数電卓10による第1実施形態の電卓処理を示すフローチャート。
【図4】前記タッチパネル式グラフ関数電卓10のタッチ操作に応じた電卓画面Gのプロジェクタ表示動作(具体例1)を示す図。
【図5】前記タッチパネル式グラフ関数電卓10のタッチ操作に応じた電卓画面Gのプロジェクタ表示動作(具体例2)を示す図。
【図6】本発明の第2実施形態に係るプロジェクタ表示システムに使用されるプロジェクタ20の電子回路の構成を示すブロック図。
【図7】前記タッチパネル式グラフ関数電卓10による第2実施形態の電卓処理を示すフローチャート。
【図8】前記プロジェクタ20による第2実施形態のプロジェクタ処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係るタッチパネル式グラフ関数電卓10を使用したプロジェクタ表示システムの外観構成を示す図である。
【0015】
本実施形態のプロジェクタ表示システムでは、例えば教育現場において、教師によりタッチ操作されるタッチパネル式グラフ関数電卓10をプロジェクタ20に接続する。そして、当該プロジェクタ20によりスクリーン30に投影表示される電卓画面Gを生徒が見ながら学習する場合について説明する。
【0016】
図1において、グラフ関数電卓10のタッチパネル表示部14には、式(グラフ式)入力画面gaとグラフ表示画面gbとからなる電卓画面Gが表示されており、この電卓画面Gの表示データがプロジェクタ20に出力され、スクリーン30に投影されて表示されている。
【0017】
このプロジェクタ表示システムは、グラフ関数電卓10のタッチパネル表示部14において、教師によりタッチ操作された位置やその移動軌跡に応じて、タッチ位置ポインタやその移動軌跡ポインタを表示させる機能を有する。
【0018】
例えば、式入力画面gaに入力表示された関数式「x+2x−2」をグラフ表示画面gbにドラッグ&ドロップしてグラフ化表示させる際に、式入力画面gaの関数式「x+2x−2」がタッチ操作Tされて反転表示hされると、タッチパネル表示部14にて検出されるタッチ位置座標に応じて、最初のタッチ位置ポインタM1が赤色で識別されて表示される。続いて、前記タッチ操作Tにより反転表示hされた関数式「x+2x−2」がグラフ表示画面gbへドラッグされると、その移動軌跡Hに応じた移動軌跡ポインタM2,M3,M4が順次表示される。この際、最新タッチ位置に対応する移動軌跡ポインタM4は点滅により識別されて表示される。そして、前記ドラッグされた関数式「x+2x−2」がグラフ表示画面gbにドロップされると、前記一連の移動軌跡ポインタM1〜M4が一定時間表示保持された後に消去され、当該ドロップされた関数式「x+2x−2」に対応するグラフが描画表示される。
【0019】
これにより、スクリーン30に投影表示された電卓画面Gを見ている生徒であっても、グラフ関数電卓10の電卓画面G(タッチパネル表示部14)に対する教師によるタッチ操作の内容を明確に把握して、その意図を容易に理解することができる。
【0020】
なお、前記プロジェクタ20によって投影表示される電卓画面Gに、グラフ関数電卓10のタッチ操作Tに応じたタッチ位置ポインタM1や移動軌跡ポインタM1〜Mnを表示させる等の機能は、後述の第1実施形態として説明するように、グラフ関数電卓10の単体に持たせてもよいし、さらに後述の第2実施形態として説明するように、プロジェクタ表示システムの全体(グラフ関数電卓10及びプロジェクタ20)に持たせてもよい。
【0021】
(第1実施形態)
図2は、前記プロジェクタ表示システムの教師用端末として使用されるタッチパネル式グラフ関数電卓10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0022】
このグラフ関数電卓10は、コンピュータであるCPU11を備えている。
【0023】
CPU11は、フラッシュROMなどの記憶装置12に予め記憶されるか外部から読み込まれた電卓制御プログラムに基づき、キー入力部13からのキー入力信号やタッチパネル表示部14からのタッチ位置検出信号に応じて回路各部の動作を制御する。
【0024】
また、前記CPU11には、作業用メモリとして機能するRAM15が接続され、当該RAM15には、CPU11の制御動作に応じた作業用のデータが必要に応じて一時的に記憶される。
【0025】
前記RAM15には、表示データメモリ15a、タッチ座標データメモリ15b、合成データメモリ15cの他、図示しない入力式データメモリ、計算データメモリ、グラフデータメモリ、表データメモリ、図形データメモリ等が備えられる。
【0026】
前記表示データメモリ15aには、前記タッチパネル表示部14に表示すべき表示データがビットマップのデータに展開されて記憶される。
【0027】
前記タッチ座標データメモリ15bには、前記タッチパネル表示部14により検出されたタッチ操作Tの位置に対応した座標データが記憶される。
【0028】
前記合成データメモリ15cには、前記表示データメモリ15aと同じサイズのメモリ領域が確保され、当該表示データメモリ15aに展開した前記電卓画面Gの表示データに合成して表示させるべきタッチ位置ポインタM1等の合成表示データがビットマップのデータに展開されて記憶される。
【0029】
また、前記CPU11には出力インターフェイス16が接続され、前記表示データメモリ15aに展開された電卓画面Gの表示データ、あるいは前記合成データメモリ15cに展開された合成表示データを合成した電卓画面Gの表示データは、当該出力インターフェイス16によりプロジェクタ20へ出力される。
【0030】
なお、この第1実施形態のプロジェクタ表示システムでは、プロジェクタ20は特別な機能を有さず、前記グラフ関数電卓10の出力インターフェイス16から出力された電卓画面Gの表示データをそのままスクリーン30に投影して表示する。
【0031】
次に、前記構成のタッチパネル式グラフ関数電卓10を使用したプロジェクタ表示システムの動作について説明する。
【0032】
図3は、前記タッチパネル式グラフ関数電卓10による第1実施形態の電卓処理を示すフローチャートである。
【0033】
タッチパネル式グラフ関数電卓10の電源がONされ、プロジェクタ20との接続が検知されると(ステップS1(Yes))、キー入力部13またはタッチパネル表示部14からのユーザ操作に応じた入力待ちの状態となる(ステップS2)。
【0034】
ここで、キー入力部13からキー信号が入力されると(ステップS3(Yes))、入力されたキー信号に応じた動作が実行されて電卓画面Gの表示データが生成され(ステップS4)、タッチパネル表示部14に表示されると共に、出力インターフェイス16からプロジェクタ20へ出力されてスクリーン30に投影表示される(ステップS5)。
【0035】
すなわち、例えば数式がキー入力されると、当該キー入力された数式を展開した電卓画面Gが表示出力される。
【0036】
図4は、前記タッチパネル式グラフ関数電卓10のタッチ操作に応じた電卓画面Gのプロジェクタ表示動作(具体例1)を示す図である。
【0037】
例えば、図4(A)に示すように、タッチパネル表示部14に電卓メニュー画面Gmを表示させた入力待ちの状態で(ステップS2)、任意のアイコン(例えば図形処理アイコン”Geometry”)がタッチ操作されたと判断されると(ステップS6,S7(Yes))、当該タッチ操作位置の座標データに応じて合成データメモリ15cにタッチ位置ポインタMsが書き込まれ、前記電卓メニュー画面Gmの図形処理アイコン”Geometry”のタッチ位置に合成されて一定時間表示される(ステップS8)。この際、前記タッチ位置ポインタMsは赤色で識別されて表示される。
【0038】
そして、前記電卓メニュー画面Gmの図形処理アイコン”Geometry”のタッチ位置に前記タッチ位置ポインタMsが一定時間識別表示された後に、当該図形処理アイコン”Geometry”に応じた動作が実行され、前記電卓メニュー画面Gmに替えて図形処理画面Gkが表示データメモリ15aに展開され(ステップS9)、タッチパネル表示部14に表示されると共に、プロジェクタ20へ出力されてスクリーン30に投影表示される(ステップS5)。
【0039】
これにより、スクリーン30上に投影表示された電卓メニュー画面Gmを見ている生徒であっても、教師によりタッチ操作されたアイコンが図形処理アイコン”Geometry”であることを明確に把握することでき、図形処理画面Gkに切り替えられた際に、その意図を確実に理解できるようになる。
【0040】
ここで、図4(B)では、図形処理画面Gkにおいて、ユーザ操作に応じて三角形ABCが描画表示され、当該三角形ABCの各辺に処理対象としての選択マークq1,q2,…が付加された状態を示している。
【0041】
例えば、前記三角形ABCのみが描画表示された図形処理画面Gkにおいて、図4(B)に示すように、当該図形処理画面Gkの上端に沿って配置されたツールバーのツールボタン(例えば図形選択ボタンBq)がタッチ操作されたと判断されると(ステップS2,S6,S10(Yes))、当該図形選択ボタンBqが反転表示hされると共に、タッチ操作位置の座標データに応じて合成データメモリ15cにタッチ位置ポインタPが書き込まれ、前記図形選択ボタンBqのタッチ位置に合成されて一定時間表示される(ステップS11)。この際、前記タッチ位置ポインタPは赤色で識別されて表示される。
【0042】
そして、前記図形選択ボタンBqのタッチ位置に前記タッチ位置ポインタPが一定時間識別表示された後、当該図形選択ボタンBqに応じた動作が実行され、図形処理画面Gkに表示中の三角形ABCの各辺に選択マークq1,q2,…が付加されて表示される(ステップS12,S5)。
【0043】
これにより、プロジェクタ20によりスクリーン30上に投影表示された図形処理画面Gkを見ている生徒であっても、教師によりタッチ操作されたツールボタンが図形選択ボタンBqであることを明確に把握することでき、表示中の三角形ABCに選択マークq1,q2,…が付加された際に、その意図を確実に理解できるようになる。
【0044】
ここで、前記選択マークq1,q2,…の付加された三角形ABCを図形処理画面Gk内でコピーする場合に、当該選択された三角形ABCがタッチされドラッグされると(ステップS2,S13(Yes))、そのドラッグの対象が軌跡表示の必要な対象(本実施形態では「数式」)であるか否か判断される(ステップS14)。
【0045】
そして、前記ドラッグの対象である三角形ABCについて、軌跡表示の対象ではないと判断されると(ステップS14(No))、図4(C)に示すように、ドラッグ操作に応じて順次更新検出されるタッチ位置の座標に対応して前記選択マークq1,q2,…付きの三角形ABCがコピーされ三角形DEFとして移動表示されると共に、タッチ位置ポインタMtもリアルタイムに合成移動されて表示される(ステップS15)。
【0046】
この際、図形処理画面Gkにはメッセージ“移動中”mが表示され、前記タッチ位置ポインタMtは赤色で識別されて表示される。
【0047】
この後、図4(D)に示すように、前記図形処理画面Gk上でコピーされドラッグされた三角形DEFがドロップされると(ステップS16(Yes))、タッチ位置ポインタMtは消去され、ドロップされた位置にコピーされた三角形DEFが表示される(ステップS17,S5)。
【0048】
これにより、プロジェクタ20によりスクリーン30上に投影表示された図形処理画面Gkを見ている生徒であっても、選択された三角形ABCが教師によりタッチされた後、コピーされた三角形DEFがドラッグされる過程を明確に把握することでき、当該コピーされた三角形DEFがドロップされた際に、その意図を確実に理解できるようになる。
【0049】
図5は、前記タッチパネル式グラフ関数電卓10のタッチ操作に応じた電卓画面Gのプロジェクタ表示動作(具体例2)を示す図である。
【0050】
図5(A)に示すように、式入力画面gaとグラフ表示画面gbとが上下に配置されてなる電卓画面Gにおいて、式入力画面gaに表示された関数式「x+2x−2」に対応するグラフをグラフ表示画面gbに表示させる場合に、当該式入力画面gaの関数式「x+2x−2」がタッチされて反転表示hされドラッグされると(ステップS2,S13(Yes))、そのタッチ操作の対象が軌跡表示の必要な対象「数式」であると判断される(ステップS14(Yes))。
【0051】
すると、前記関数式「x+2x−2」に対する最初のタッチ位置に対応してタッチ位置ポインタM1が赤色で合成されて表示されると共に、図5(B)→図5(C)に示すように、ドラッグ操作に応じて順次検出更新されるタッチ位置に対応して前記関数式「x+2x−2」が移動表示され(ステップS18)、一定時間(又は一定間隔)毎に移動軌跡ポインタM2,M3,M4も合成されて表示される(ステップS19)。この際、最新のタッチ位置に対応する移動軌跡ポインタM4は点滅により識別されて表示される。
【0052】
この後、前記式入力画面gaからグラフ表示画面gbにドラッグされた関数式「x+2x−2」がドロップされると(ステップS20(Yes))、前記関数式「x+2x−2」のタッチ&ドラッグ操作に応じて合成表示された一連の移動軌跡ポインタM1〜M4は、一定時間表示保持された後に消去される(ステップS21)。
【0053】
すると、前記グラフ表示画面gbにドロップされた関数式「x+2x−2」に対応するグラフが描画されて表示される(ステップS22,S5)。
【0054】
これにより、プロジェクタ20によりスクリーン30上に投影表示された電卓画面Gを見ている生徒であっても、数式入力画面gaの関数式「x+2x−2」が教師によりタッチされた後、グラフ表示画面gbまでドラッグされる軌跡を明確に把握することでき、当該関数式「x+2x−2」がドロップされて対応するグラフが描画表示された際に、その意図を確実に理解できるようになる。
【0055】
したがって、前記構成のタッチパネル式グラフ関数電卓10を使用した第1実施形態のプロジェクタ表示システムによれば、タッチパネル表示部14に対する教師のタッチ操作Tが検出されると、実行中の動作状態に対応した電卓画面G,Gm,Gk上に、そのタッチ操作Tの対象に応じたタッチ位置ポインタMs,Mtや移動軌跡ポインタM1〜Mnが合成されて表示され、プロジェクタ20に出力されるので、スクリーン30に投影表示された電卓画面G,Gm,Gk等を見ている生徒であっても、グラフ関数電卓10のタッチパネル表示部14(各種の動作に応じた電卓画面)に対する教師によるタッチ操作の内容を明確に把握して、その意図を容易に理解できるようになる。
【0056】
なお、前記構成のタッチパネル式グラフ関数電卓10を使用した第1実施形態のプロジェクタ表示システムでは、タッチ操作Tの対象に応じたタッチ位置ポインタMs,Mtや移動軌跡ポインタM1〜Mnは、合成データメモリ15cに書き込み、表示データメモリ15aに展開してタッチパネル表示部14に表示中の各種の電卓画面G,Gm,Gkに合成して表示させる構成とした。これに対し、前記タッチ操作Tの対象に応じたタッチ位置ポインタMs,Mtや移動軌跡ポインタM1〜Mnは、前記表示データメモリ15aに展開した各種の電卓画面G,Gm,Gkに直接書き込み合成して表示させる構成としてもよい。
【0057】
また、前記第1実施形態のプロジェクタ表示システムでは、タッチパネル式グラフ関数電卓10自身において、各種の電卓画面G,Gm,Gkに対するタッチ操作Tの対象に応じたタッチ位置ポインタMs,Mtや移動軌跡ポインタM1〜Mnを合成して表示させ、プロジェクタ20へ出力する構成とした。これに対し、次の第2実施形態のプロジェクタ表示システムにおいて説明するように、タッチパネル式グラフ関数電卓10からタッチ操作Tに伴う対象や座標のデータをプロジェクタ20へ出力し、当該プロジェクタ20において、前記グラフ関数電卓10から受信された各種の電卓画面G,Gm,Gkに対して、前記タッチ操作Tの対象に応じたタッチ位置ポインタMs,Mtや移動軌跡ポインタM1〜Mnを合成して表示させる構成としてもよい。
【0058】
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態に係るプロジェクタ表示システムに使用されるプロジェクタ20の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0059】
このプロジェクタ20は、コンピュータであるCPU21を備えている。
【0060】
CPU21は、記憶装置22に予め記憶されるか外部から読み込まれたプロジェクタ制御プログラムに基づき、タッチパネル式グラフ関数電卓10から通信インターフェイス23を介して受信される電卓画面のデータと当該電卓画面上での教師のタッチ操作に伴うタッチ位置の座標やタッチ対象のデータに応じて回路各部の動作を制御し、スクリーン30に投影する表示データを生成する。
【0061】
前記CPU21には作業用メモリとして機能するRAM24が接続され、当該RAM24には、CPU21の制御動作に応じた作業用のデータが必要に応じて一時的に記憶される。
【0062】
前記RAM24には、表示データメモリ24a、受信画面データメモリ24b、タッチ座標データメモリ24c、ドラッグ軌跡座標データメモリ24d等が備えられる。
【0063】
前記表示データメモリ24aには、投影部25によりスクリーン30へ投影して表示すべき表示データが展開されて記憶される。
【0064】
前記受信画面データメモリ24bには、前記タッチパネル式グラフ関数電卓10から受信された電卓画面のデータが記憶される。
【0065】
前記タッチ座標データメモリ24cには、前記タッチパネル式グラフ関数電卓10から受信された当該関数電卓10のタッチパネル表示部14にて検出されたタッチ操作Tの位置に対応した座標データが記憶される。
【0066】
前記ドラッグ軌跡座標データメモリ24dには、前記タッチ座標データメモリ24cに記憶される座標データが連続的に変化(移動)した場合に、その変化(移動)開始から終了までの軌跡に対応した座標データが記憶される。
【0067】
なお、この第2実施形態のプロジェクタ表示システムでは、タッチパネル式グラフ関数電卓10は、当該関数電卓10自身のタッチパネル表示部14に表示させる電卓画面のデータをプロジェクタ20へ出力する機能と共に、前記タッチパネル表示部14にて検出された電卓画面上でのタッチ操作位置の座標データ及びその対象データをプロジェクタ20へ出力する機能を有する。
【0068】
次に、前記構成のタッチパネル式グラフ関数電卓10およびプロジェクタ20を使用した第2実施形態のプロジェクタ表示システムの動作について説明する。
【0069】
図7は、前記タッチパネル式グラフ関数電卓10による第2実施形態の電卓処理を示すフローチャートである。
【0070】
図8は、前記プロジェクタ20による第2実施形態のプロジェクタ処理を示すフローチャートである。
【0071】
タッチパネル式グラフ関数電卓10の電源がONされ、プロジェクタ20との接続が検知されると(ステップA1(Yes))、キー入力部13またはタッチパネル表示部14からのユーザ操作に応じた入力待ちの状態となる(ステップA2)。
【0072】
ここで、キー入力部13からキー信号が入力されると(ステップA3(Yes))、入力されたキー信号に応じた動作が実行されて電卓画面Gが生成され(ステップA4)、タッチパネル表示部14に表示されると共に(ステップA5)、出力インターフェイス16からプロジェクタ20へ出力される(ステップA6)。
【0073】
プロジェクタ20において、前記グラフ関数電卓10から出力された電卓画面Gが受信されると(ステップB1(Yes))、当該電卓画面Gのデータは受信画面データメモリ24bに書き込まれて保存され(ステップB2)、投影部25を介してスクリーン30に投影表示される(ステップB3)。
【0074】
すなわち、タッチパネル式関数電卓10において、例えば数式がキー入力されると、当該キー入力された数式を展開した電卓画面Gが、タッチパネル表示部14に表示されると共にプロジェクタ20へ出力され、スクリーン30へ投影表示される。
【0075】
一方、タッチパネル式関数電卓10において、図4(A)で示したように、タッチパネル表示部14に電卓メニュー画面Gmを表示させた入力待ちの状態で(ステップA2)、任意のアイコン(例えば図形処理アイコン”Geometry”)がタッチ操作されたと判断されると(ステップA7,A8(Yes))、当該タッチ操作位置の座標データとその対象データ(アイコンデータ)とがプロジェクタ20へ出力される(ステップA9)。
【0076】
プロジェクタ20において、前記グラフ関数電卓10から出力された図形処理アイコン”Geometry”に対するタッチ位置の座標データとその対象データ(アイコンデータ)とが受信されると(ステップB4(Yes))、表示データメモリ24aに展開されてスクリーン30へ投影表示されている前記電卓メニュー画面Gm上に、前記タッチ位置の座標に対応してタッチ位置ポインタMsが合成されて表示される(ステップB5)。
【0077】
この後、グラフ関数電卓10においては、前記タッチ操作された図形処理アイコン”Geometry”に応じた動作が実行され、前記電卓メニュー画面Gmに替えて図形処理画面Gkがタッチパネル表示部14に表示されると共に(ステップA10)、プロジェクタ20へ出力される(ステップA6)。
【0078】
プロジェクタ20において、前記グラフ関数電卓10から出力された図形処理画面Gkが受信され受信画面データメモリ24bが書き替えられると(ステップB6(Yes))、一定時間経過の後、表示データメモリ24aも同図形処理画面Gkに書き替えられ(ステップB7)、スクリーン30へ投影表示される(ステップB3)。
【0079】
これにより、スクリーン30上に投影表示された電卓メニュー画面Gmを見ている生徒であっても、教師によりタッチ操作されたアイコンが図形処理アイコン”Geometry”であることを明確に把握することでき、その後、図形処理画面Gkに切り替えられた際に、その意図を確実に理解できるようになる。
【0080】
次に、タッチパネル式グラフ関数電卓10で、例えば三角形ABCのみが描画表示された図形処理画面Gk(図4(B)参照)において、当該図形処理画面Gkの上端に沿って配置されたツールバーのツールボタン(例えば図形選択ボタンBq)がタッチ操作されたと判断されると(ステップA2,A7,A11(Yes))、当該図形選択ボタンBqが反転表示hされると共に、タッチ操作位置の座標データとその対象データ(ツールデータ)とがプロジェクタ20へ出力される(ステップA12)。
【0081】
プロジェクタ20において、前記グラフ関数電卓10から出力された図形選択ボタンBqに対するタッチ位置の座標データとその対象データ(ツールデータ)とが受信されると(ステップB8(Yes))、表示データメモリ24aに展開されてスクリーン30へ投影表示されている前記図形処理画面Gk上に、前記タッチ位置の座標に対応してタッチ位置ポインタPが合成され(ステップB9),一定時間そのタッチ位置が表示される(ステップB10)。
【0082】
この後、グラフ関数電卓10において、前記タッチ操作された図形選択ボタンBqに応じた動作が実行され、図形処理画面Gkに表示中の三角形ABCの各辺に選択マークq1,q2,…が付加されて表示されると(ステップA13)、当該更新された図形処理画面Gkがプロジェクタ20へ出力される(ステップA6)。
【0083】
すると、プロジェクタ20において、前記グラフ関数電卓10から受信された更新後の図形処理画面Gkが、表示データメモリ24aからスクリーン30へ投影されて表示される(ステップB1,B2,B3)。
【0084】
これにより、プロジェクタ20によりスクリーン30上に投影表示された図形処理画面Gkを見ている生徒であっても、教師によりタッチ操作されたツールボタンが図形選択ボタンBqであることを明確に把握することでき、表示中の三角形ABCに選択マークq1,q2,…が付加された際に、その意図を確実に理解できるようになる。
【0085】
ここで、前記グラフ関数電卓10において、選択マークq1,q2,…の付加された三角形ABCを図形処理画面Gk内でコピーする場合に、当該選択された三角形ABCがタッチされドラッグされると(ステップA2,A14(Yes))、ドラッグ操作に応じて順次検出更新されるタッチ位置の座標データが取得され、この座標データの更新に応じて前記三角形ABCがコピーされた三角形DEFが生成されて移動表示される(ステップA15)。
【0086】
この後、図4(D)に示すように、前記図形処理画面Gk上でコピーされドラッグされた三角形DEFがドロップされると(ステップA16(Yes))、ドロップされた位置にコピーされた三角形DEFが表示される(ステップA17)。
【0087】
ここで、前記ドラッグ&ドロップされてコピーされた三角形DEFについて、その対象が軌跡表示の必要な対象(本実施形態では「数式」)であるか否か判断され(ステップA18)、軌跡表示の対象ではないと判断されると(ステップA18(No))、当該コピーされた三角形DEFが表示される図形処理画面Gkの表示データが、プロジェクタ20へ出力され(ステップA6)、スクリーン30へ投影表示される(ステップB1〜B3)。
【0088】
また、式入力画面gaとグラフ表示画面gbとが上下に配置されてなる電卓画面G(図5(A)参照)において、式入力画面gaに表示された関数式「x+2x−2」に対応するグラフをグラフ表示画面gbに表示させる場合に、当該式入力画面gaの関数式「x+2x−2」がタッチされて反転表示hされドラッグされると(ステップA2,A14(Yes))、ドラッグ操作に応じて順次検出更新されるタッチ位置の座標データが取得され、この座標データの更新に応じて前記反転表示hされた関数式「x+2x−2」がグラフ表示画面gbへ移動表示される(ステップA15)。
【0089】
この後、図5(C)に示すように、前記グラフ表示画面gb上でドラッグされた関数式「x+2x−2」がドロップされると(ステップA16(Yes))、ドロップされた位置に関数式「x+2x−2」が反転表示hされた後、当該関数式「x+2x−2」に対応するグラフが描画されて表示される(ステップA17)。
【0090】
ここで、前記ドラッグの対象が軌跡表示の必要な対象「数式」であると判断されると(ステップA18(Yes))、前記ステップA15にて取得されたドラッグ位置の軌跡に応じた各座標データがプロジェクタ20へ出力された後に(ステップA19)、前記ステップA17においてグラフ表示画面gbに移動後の関数式「x+2x−2」とそのグラフが描画されてなる電卓画面Gの表示データがプロジェクタ20へ出力される(ステップA6)。
【0091】
プロジェクタ20において、前記グラフ関数電卓10から出力された関数式「x+2x−2」の移動に伴う各座標データが受信されると(ステップB11(Yes))、図5(C)に示すように、当該各座標データに従いタッチ位置の移動の軌跡に対応した移動軌跡ポインタM1,M2,M3,M4が、スクリーン30へ投影表示中の電卓画面G上に合成されて表示され(ステップB12)、さらにこの後、前記グラフ関数電卓10から受信されたグラフ表示画面gbに移動後の関数式「x+2x−2」とそのグラフが描画されてなる電卓画面Gの表示データがスクリーン30へ投影されて表示される(ステップB1〜B3)。
【0092】
これにより、プロジェクタ20によりスクリーン30上に投影表示された電卓画面Gを見ている生徒であっても、数式入力画面gaの関数式「x+2x−2」が教師によりタッチされた後、グラフ表示画面gbまでドラッグされる軌跡を明確に把握することでき、当該関数式「x+2x−2」がドロップされて対応するグラフが描画表示された際に、その意図を確実に理解できるようになる。
【0093】
したがって、前記構成の第2実施形態のプロジェクタ表示システムによれば、グラフ関数電卓10のタッチパネル表示部14に対する教師のタッチ操作Tが検出されると、実行中の動作状態に対応したタッチ操作の対象データとタッチ位置の座標データとがプロジェクタ20へ出力され、さらに当該タッチ操作に応じて変化した電卓画面G,Gmの表示データがプロジェクタ20へ出力される。するとプロジェクタ20において、前記グラフ関数電卓10から受信されてスクリーン30へ投影表示される各種の電卓画面G,Gm上に、前記タッチ操作の対象に応じたタッチ位置ポインタMsや移動軌跡ポインタM1〜Mnが合成されて表示されるので、当該スクリーン30に投影表示された電卓画面G,Gm等を見ている生徒であっても、グラフ関数電卓10のタッチパネル表示部14(各種の動作に応じた電卓画面)に対する教師によるタッチ操作の内容を明確に把握して、その意図を容易に理解できるようになる。
【0094】
なお、前記第2実施形態のプロジェクタ表示システムにおいて、タッチパネル式グラフ関数電卓10からプロジェクタ20へ出力するタッチ位置の座標データには、プロジェクタ20によって各種のポインタMs,M1〜Mnを合成表示させる際の当該ポインタの形状や点滅時間の情報も付加して出力してもよい。この場合、ポインタの形状情報としては、ポインタそれ自体のビットマップデータとしてもよいし、形状に応じて予め定義されたコードデータとしてもよい。
【0095】
また、前記タッチパネル式グラフ関数電卓10からプロジェクタ20へ出力するタッチ位置の座標データには、プロジェクタ20において前記タッチ位置の座標データに対応する各種のポインタMs,M1〜Mnを合成表示させてから次の電卓画面Gに切り替える迄の時間の情報を付加して出力してもよい。
【0096】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【0097】
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0098】
[1]
タッチパネル付き表示部を有する電子機器において、
前記タッチパネルにタッチ操作された位置を検出するタッチ位置検出手段と、
このタッチ位置検出手段によりタッチ操作の位置が検出された際に、当該タッチ操作の位置に対応する前記表示部に表示中の表示内容を判断するタッチ対象判断手段と、
前記タッチ位置検出手段により検出されたタッチ操作の位置を示す目印を、前記タッチ対象判断手段により判断された表示内容に応じた表示形態で、前記表示部に表示中の表示データに合成するタッチ位置合成手段と、
前記表示部に表示中の表示データをプロジェクタへ出力する表示データ出力手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【0099】
[2]
前記タッチ位置合成手段により前記タッチ操作の位置を示す目印を前記表示部に表示中の表示データに合成してから一定時間後に、当該表示部に表示中の表示データを次の表示データに切り替える表示データ切り替え手段を備えたことを特徴とする[1]に記載の電子機器。
【0100】
[3]
前記タッチ位置合成手段は、前記タッチ位置検出手段により検出されたタッチ操作の位置を示す目印を、前記タッチ対象判断手段により判断された表示内容に応じた表示形態で、前記表示部に表示中の表示データに一定時間合成する、
ことを特徴とする[1]に記載の電子機器。
【0101】
[4]
前記タッチ位置合成手段は、前記タッチ位置検出手段により検出されたタッチ操作の位置が移動する場合に、当該移動するタッチ位置の軌跡を示す目印を、前記表示部に表示中の表示データに一定時間合成する、
ことを特徴とする[1]に記載の電子機器。
【0102】
[5]
タッチパネル付き表示部を有する電子機器とプロジェクタからなるプロジェクタ表示システムにおいて、
前記電子機器は、
前記表示部に表示中の表示データをプロジェクタへ出力する表示データ出力手段と、
前記タッチパネルにタッチ操作された位置を検出するタッチ位置検出手段と、
このタッチ位置検出手段によりタッチ操作の位置が検出された際に、当該タッチ操作の位置に対応して前記表示部に表示中の表示内容を判断するタッチ対象判断手段と、
前記タッチ位置検出手段により検出されたタッチ操作の位置情報と前記タッチ対象判断手段により判断された当該タッチ操作の位置に対応する表示内容の情報とを前記プロジェクタへ出力するタッチ情報出力手段とを備え、
前記プロジェクタは、
前記電子機器から受信された表示データを投影する表示データ投影手段と、
前記電子機器から受信されたタッチ操作の位置情報と当該タッチ操作の位置に対応する表示内容の情報とに基づき、前記電子機器のタッチパネルに対するタッチ操作の位置を示す目印を、前記表示内容に応じた表示形態で、前記表示データ投影手段により投影中の表示データに合成するタッチ位置合成手段とを備えた、
ことを特徴とするプロジェクタ表示システム。
【符号の説明】
【0103】
10 …タッチパネル式グラフ関数電卓
11 …CPU
12 …記憶装置
13 …キー入力部
14 …タッチパネル表示部
15 …RAM
15a…表示データメモリ
15b…タッチ座標データメモリ
15c…合成データメモリ
16 …出力インターフェイス
20 …プロジェクタ
21 …CPU
22 …記憶装置
23 …通信インターフェイス
24 …RAM
24a…表示データメモリ
24b…受信画面データメモリ
24c…タッチ座標データメモリ
24d…ドラッグ軌跡座標データメモリ
25 …投影部
30 …スクリーン
G,Gm,Gk…電卓画面
ga …式入力画面
gb …グラフ表示画面
h …反転表示
T …タッチ操作
H …移動軌跡
Bq …図形選択ボタン
Ms,P…タッチ位置ポインタ
M1〜Mn…移動軌跡ポインタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル付き表示部を有する電子機器において、
前記タッチパネルにタッチ操作された位置を検出するタッチ位置検出手段と、
このタッチ位置検出手段によりタッチ操作の位置が検出された際に、当該タッチ操作の位置に対応する前記表示部に表示中の表示内容を判断するタッチ対象判断手段と、
前記タッチ位置検出手段により検出されたタッチ操作の位置を示す目印を、前記タッチ対象判断手段により判断された表示内容に応じた表示形態で、前記表示部に表示中の表示データに合成するタッチ位置合成手段と、
前記表示部に表示中の表示データをプロジェクタへ出力する表示データ出力手段と、を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記タッチ位置合成手段により前記タッチ操作の位置を示す目印を前記表示部に表示中の表示データに合成してから一定時間後に、当該表示部に表示中の表示データを次の表示データに切り替える表示データ切り替え手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記タッチ位置合成手段は、前記タッチ位置検出手段により検出されたタッチ操作の位置を示す目印を、前記タッチ対象判断手段により判断された表示内容に応じた表示形態で、前記表示部に表示中の表示データに一定時間合成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記タッチ位置合成手段は、前記タッチ位置検出手段により検出されたタッチ操作の位置が移動する場合に、当該移動するタッチ位置の軌跡を示す目印を、前記表示部に表示中の表示データに一定時間合成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項5】
タッチパネル付き表示部を有する電子機器とプロジェクタからなるプロジェクタ表示システムにおいて、
前記電子機器は、
前記表示部に表示中の表示データをプロジェクタへ出力する表示データ出力手段と、
前記タッチパネルにタッチ操作された位置を検出するタッチ位置検出手段と、
このタッチ位置検出手段によりタッチ操作の位置が検出された際に、当該タッチ操作の位置に対応して前記表示部に表示中の表示内容を判断するタッチ対象判断手段と、
前記タッチ位置検出手段により検出されたタッチ操作の位置情報と前記タッチ対象判断手段により判断された当該タッチ操作の位置に対応する表示内容の情報とを前記プロジェクタへ出力するタッチ情報出力手段とを備え、
前記プロジェクタは、
前記電子機器から受信された表示データを投影する表示データ投影手段と、
前記電子機器から受信されたタッチ操作の位置情報と当該タッチ操作の位置に対応する表示内容の情報とに基づき、前記電子機器のタッチパネルに対するタッチ操作の位置を示す目印を、前記表示内容に応じた表示形態で、前記表示データ投影手段により投影中の表示データに合成するタッチ位置合成手段とを備えた、
ことを特徴とするプロジェクタ表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−73595(P2013−73595A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214613(P2011−214613)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】