説明

タッチパネル

【課題】タッチパネルにおいて、シールド膜と電位供給用端子との電気的な接続状態を容易且つ確実に検査する。
【解決手段】タッチパネルは、タッチパネル本体(110)と、タッチパネル本体の裏面に設けられたシールド膜(120)と、シールド膜に接続された接続基板(130)と、接続基板上に設けられた電位供給線(173)と、接続基板におけるシールド膜に面する側に設けられ、電位供給線及びシールド膜に電気的に接続された電位供給用接続端子(171)と、電位供給用接続端子に電位供給線を介して電気的に接続された第1の検査用端子(172)と、接続基板におけるシールド膜に面する側に設けられ、シールド膜に電気的に接続された検査用接続端子(191)と、検査用接続端子に電気的に接続された第2の検査用端子(192)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、光学方式等のものが知られている(例えば特許文献1及び2参照)。タッチパネルは、液晶パネル等の表示パネルに重なるように配置されることが多い。
【0003】
例えば、静電容量方式のタッチパネルでは、表示パネルからの電磁的なノイズを防ぐシールドとして、タッチパネルにおける表示パネル側の面(即ち、入力面とは反対側の面)に透明導電膜が設けられることがある(例えば特許文献1の図6参照)。このような透明導電膜は、タッチパネルに接続されたフレキシブル基板上に形成された電位供給用端子(或いは電位供給線)を介して所定電位が供給されることで、上述したシールドとして機能することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−511799号公報
【特許文献2】特開2004−118754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したシールドとしての透明導電膜が設けられたタッチパネルでは、その検査工程において、電位供給用端子と透明導電膜とが互いに電気的に接続されているか否かの検査が行われる。このような検査は、一般的には、電位供給端子における透明導電膜に接続される側とは反対側の端部と、透明導電膜とに検査用プローブを接触させて、その電位供給用端子及び透明導電膜間の抵抗値を測定することにより行われる。このように検査用プローブを透明導電膜に接触させる場合、検査用プローブの透明導電膜に対する接触状態が不安定となり、電位供給用端子及び透明導電膜間の抵抗値を安定して測定することが困難になるおそれがある。また、検査用プローブを透明導電膜に接触させるので、透明導電膜に傷がついてしまったり、透明導電膜が形成されたガラス基板が割れてしまったりするおそれがある。
【0006】
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、シールド膜と電位供給用端子との電気的な接続状態を容易且つ確実に検査することが可能なタッチパネルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のタッチパネルは上記課題を解決するために、タッチパネル本体と、前記タッチパネル本体の入力面とは反対側の裏面に設けられたシールド膜と、前記タッチパネルの前記シールド膜に接続された接続基板と、前記接続基板上に設けられ、所定電位を供給する電位供給線と、前記接続基板における前記シールド膜に面する側に設けられ、前記電位供給線及び前記シールド膜に電気的に接続された電位供給用接続端子と、前記電位供給用接続端子に前記電位供給線を介して電気的に接続された第1の検査用端子と、前記接続基板における前記シールド膜に面する側に設けられ、前記シールド膜に電気的に接続された検査用接続端子と、前記検査用接続端子に電気的に接続された第2の検査用端子とを備える。
【0008】
本発明のタッチパネルによれば、例えば、指やタッチペン等の対象物体の位置を検出する位置検出素子が例えばガラス基板等の基板上に形成されてなるタッチパネル本体の裏面(例えば、タッチパネル本体を構成する基板における位置検出素子が形成される一の基板面とは反対側の他の基板面)に、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の導電膜からなるシールド膜が設けられる。本発明のタッチパネルは、例えば液晶パネル等の表示パネルに重なるように配置された状態(即ち、タッチパネル本体の裏面側に表示パネルが配置された状態)で用いられる。本発明のタッチパネルの動作時には、タッチパネル本体に接続された例えばフレキシブル基板等である接続基板上に設けられた電位供給線によってシールド膜に所定電位が供給される。これにより、シールド膜は、表示パネルからの電磁的なノイズを防ぐシールドとして機能することができる。尚、所定電位は、例えば、接地電位或いはグランド電位の如く、時間軸に対して完全に一定電位に固定された電位であってもよいし、或いは、時間軸に対して変動する電位であってもよい。
【0009】
接続基板は、例えば、タッチパネル本体の入力面側に接続される本体部と、この本体部から例えば裏面側に回り込むように延設され、シールド膜に接続される延設部とを有する。例えば、延設部には、電位供給線に電気的に接続された電位供給用接続端子がシールド膜に面するように設けられており、電位供給用接続端子がシールド膜に接触することにより、電位供給線とシールド膜との電気的な導通が可能となる。電位供給線は、例えば、接続基板の本体部に実装された集積回路(IC:Integrated Circuit)から接続基板の延設部に設けられた電位供給用接続端子まで引き回される。
【0010】
尚、接続基板がシールド膜に接続される接続部は、2つに分離していても(或は二股に分かれる構成であっても)よく、2つの部材からなっていてもよい。
【0011】
本発明では特に、シールド膜と電位供給用接続端子との電気的な接続状態の検査を行うための第1及び第2の検査用端子並びに検査用接続端子を備える。第1の検査用端子は、例えば、接続基板の本体部に設けられ、電位供給用接続端子に電位供給線を介して電気的に接続される。検査用接続端子は、例えば接続基板の延設部におけるシールド膜に面する側に設けられ、シールド膜に電気的に接続される。第2の検査用端子は、例えば接続基板の本体部及び延設部の少なくとも一方に設けられ、検査用接続端子に電気的に接続される。例えば、第2の検査用端子が接続基板の延設部に設けられる場合には、第2の検査用端子は、延設部におけるシールド膜に面しない側に設けられ、例えば延設部に形成されたスルーホールを介して、延設部におけるシールド膜に面する側に設けられた検査用接続端子に電気的に接続される。
【0012】
よって、タッチパネルの検査工程において、例えば、第1の検査用端子と第2の検査用端子との間の電気的な抵抗値を測定することで、電位供給用接続端子とシールド膜との電気的な接続状態を容易且つ確実に検査することができる。具体的には、例えば、第1及び第2の検査用端子の各々に検査用プローブを接触させて、第1の検査用端子と第2の検査用端子との間の電気的な抵抗値を測定する。ここで、例えば、第1の検査用端子は、接続基板の本体部に設けられ、第2の検査用端子は、接続基板の本体部、或いは接続基板の延設部におけるシールド膜に面しない側に設けられているので、例えば検査用プローブを容易に安定して接触させることができ、第1の検査用端子と第2の検査用端子との間の電気的な抵抗値を安定して測定することができる。したがって、電位供給用接続端子とシールド膜との電気的な接続状態を確実に検査することができる。尚、検査用プローブを用いて第1の検査用端子と第2の検査用端子との間の電気的な抵抗値を測定するのではなく、第1及び第2の検査用端子の各々を、接続基板上に或いは外部に設けられた検査用回路に電気的に接続し、この検査用回路によって第1の検査用端子と第2の検査用端子との間の電気的な抵抗値を測定するように構成することもできる。
【0013】
仮に、検査用接続端子及び第2の検査用端子が設けられず、第1の検査用端子とシールド膜との各々に検査用プローブを接触させて、第1の検査用端子とシールド膜との間の電気的な抵抗値を測定することにより、電位供給用接続端子とシールド膜との電気的な接続状態を検査する場合には、検査用プローブのシールド膜に対する接触状態が不安定となり、第1の検査用端子とシールド膜との間の電気的な抵抗値を安定して測定することが困難になってしまうおそれがある。また、検査用プローブをシールド膜に接触させるので、シールド膜に傷がついてしまったり、シールド膜が形成された、タッチパネル本体を構成する例えばガラス基板等の基板が割れてしまったりするおそれがある。しかるに、本発明によれば、上述したように、第1、第2及びの検査用端子並びに検査用接続端子を備えるので、第1の検査用端子と第2の検査用端子との間の電気的な抵抗値を測定することで、電位供給用接続端子とシールド膜との電気的な接続状態を容易且つ確実に検査することができる。更に、検査用プローブをシールド膜に接触させずに、電位供給用接続端子とシールド膜との電気的な接続状態を検査することができるので、シールド膜に傷がついてしまったり、シールド膜が形成された、タッチパネル本体を構成する例えばガラス基板等の基板が割れてしまったりする事態を回避することができる。
【0014】
以上説明したように、本発明のタッチパネルによれば、検査工程において、シールド膜と電位供給用接続端子との電気的な接続状態を容易且つ確実に検査することができる。この結果、当該タッチパネルの信頼性を高めることができる。
【0015】
本発明のタッチパネルの一態様では、前記第2の検査用端子は、前記接続基板に設けられる。
【0016】
この態様によれば、第1の検査用端子と第2の検査用端子との間の電気的な抵抗値をより安定して測定することができる。
【0017】
本発明のタッチパネルの他の態様では、前記接続基板は、前記タッチパネル本体に信号を供給する本体部を有する。
【0018】
この態様によれば、タッチパネル本体に信号を確実に供給することができる。
【0019】
上述した接続基板が本体部を有する態様では、前記接続基板は、前記本体部から分離した延設部を有し、前記延設部には前記電位供給用接続端子と前記検査用接続端子が設けられてもよい。
【0020】
この場合には、電位供給用接続端子及び検査用接続端子を互いに近接して配置することができる。
【0021】
本発明のタッチパネルの他の態様では、前記第2の検査用端子は、前記接続基板における前記シールド膜に面しない側に設けられ、前記接続基板に形成されたスルーホールを介して前記検査用接続端子に電気的に接続される。
【0022】
この態様によれば、第2の検査用端子は、例えば、接続基板の延設部におけるシールド膜に面しない側(即ち、延設部に対して第2の検査用端子の反対側)に設けられ、延設部に形成されたスルーホールを介して検査用接続端子に電気的に接続されるので、検査用接続端子と第2の検査用端子とを電気的に接続するための配線を接続基板上に形成する必要がない。よって、例えば、接続基板の本体部における他の配線或いは電子素子のレイアウトの自由度が高まる。或いは、接続基板の本体部を小さくすることも可能となる。
【0023】
本発明のタッチパネルの他の態様では、前記接続基板は、前記タッチパネル本体の前記入力面側に接続され、前記接続基板は、前記入力面側から前記裏面側に回り込むように形成される。
【0024】
この態様によれば、例えば、接続基板は、その本体部がタッチパネル本体の入力面側に接続され、この本体部から裏面側に回り込むように形成された延設部を有している。よって、タッチパネル本体の入力面側に形成された、例えば位置検出素子に電気的に接続された端子等の各種端子に、接続基板の本体部上に形成された接続端子を電気的に接続することができる共に、タッチパネル本体部の裏面側に設けられたシールド膜に、接続基板の延設部に設けられた電位供給用接続端子及び検査用接続端子を電気的に接続することができる。
【0025】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1実施形態に係るタッチパネルの全体構成を概略的に示す断面図である。
【図2】第1実施形態に係るタッチパネルの構成を示す斜視図である。
【図3】第1実施形態に係るFPC延設部の構成を示す斜視図である。
【図4】図2のC1部分の拡大斜視図である。
【図5】第1実施形態に係るFPC上に設けられた検査用端子の構成を示す模式図である。
【図6】比較例に係るFPC上に設けられた検査用端子の構成を示す模式図である。
【図7】第2実施形態に係るFPC上に設けられた検査用端子の構成を示す模式図である。
【図8】第2実施形態に係るFPC延設部に設けられた2つの検査用端子の接続構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
【0028】
<第1実施形態>
第1実施形態に係るタッチパネルについて、図1から図5を参照して説明する。
【0029】
先ず、本実施形態に係るタッチパネルの全体構成について、図1及び図2を参照して概略的に説明する。
【0030】
図1は、本実施形態に係るタッチパネルの全体構成を概略的に示す断面図である。尚、図1では、本実施形態に係るタッチパネルを備えるタッチパネル付き液晶装置を示している。
【0031】
図1において、本実施形態に係るタッチパネル付き液晶装置は、液晶パネル20と、バックライト40と、本実施形態に係るタッチパネル100とを備えている。
【0032】
液晶パネル20は、例えばガラス等の透光性材料から夫々形成された第1基板21及び第2基板22間に液晶層(図示省略)が挟持された構造を有する透過型の液晶パネルとして構成されている。第1基板21及び第2基板22は、枠状のシール材(図示省略)によって互いに貼り合わされている。この枠状のシール材によって規定される領域に液晶層が設けられている。尚、本発明では、液晶パネル20は、特定の構成に限定されず、周知の種々の構成を採り得る。
【0033】
より具体的には、液晶パネル20の第1基板21は、当該第1基板21の一辺において第2基板22より張り出した基板張出部21tを有している。基板張出部21t(より正確には、基板張出部21tにおける第2基板22側の表面)上には、例えば液晶パネル20を駆動するための駆動回路等を含む電子部品25が実装されている。第1基板21及び第2基板22の外面側には、偏光板27及び28が配置されている。
【0034】
バックライト40は、液晶パネル20に対して照射光を照射するバックライト(照明装置)として構成されている。
【0035】
図2は、本実施形態に係るタッチパネルの構成を示す斜視図である。尚、図2は、本実施形態に係るタッチパネルをその裏面側から見た場合の斜視図である。
【0036】
図1及び図2において、タッチパネル100は、本発明に係る「タッチパネル本体」の一例としてのセンサー基板110と、シールド膜120と、フレキシブル基板(FPC(Flexible printed circuits))130と、コントローラIC140(図1参照)と、接着層150(図1参照)と、カバー部材160とを備えている。
【0037】
センサー基板110は、例えばガラス基板上に位置検出素子等が形成されてなり、例えば静電容量方式のタッチパネルセンサー基板として構成されている。センサー基板110は、その入力面110sにおいて例えば指やタッチペン等の対象物体の位置を検出可能に構成されている。
【0038】
シールド膜120は、例えばITO等の透明導電膜からなり、センサー基板110の入力面110sとは反対側の裏面110rのほぼ全面にベタ状に形成されている。シールド膜120は、本実施形態に係るタッチパネル付きの液晶装置の動作時に、後述するコントローラIC140から所定電位が供給されるように構成されており、液晶パネル20からの電磁的なノイズを防ぐシールドとして機能する。尚、シールド膜120に供給される所定電位は、例えば、接地電位或いはグランド電位の如く、時間軸に対して完全に一定電位に固定された電位であってもよいし、或いは、時間軸に対して変動する電位であってもよい。
【0039】
FPC130は、センサー基板110の入力面110s側に接続されるFPC本体部131と、このFPC本体部131から延設され、シールド膜120に接続されるFPC延設部132とを有している。FPC本体部131の端部には、外部回路を接続するための接続端子部133(図2参照)が形成されている。FPC本体部131には、コントローラIC140が実装されている。FPC延設部132は、センサー基板110の入力面110s側から裏面110r側に回り込むように形成されている。尚、図3から図5を参照して後に詳細に説明するように、本実施形態では、FPC130上には、シールド膜120に所定電位を供給するための電位供給線173及び電位供給用端子171や検査用端子172、191及び192などが、例えば銅(Cu)などの金属をパターニングすることにより形成されている。電位供給用端子171は、本発明に係る「電位供給用接続端子」の一例である。
【0040】
コントローラIC140は、FPC本体部131に実装されており、センサー基板110(より正確には、センサー基板110が有する位置検出素子)を駆動するための回路及びシールド膜120に所定電位を供給するための回路を含んでいる。
【0041】
接着層150は、透光性を有する接着材からなり、センサー基板110とカバー部材160とを接着する。
【0042】
カバー部材160は、例えばガラス基板或いはプラスチック基板等の透明基板からなり、タッチパネル基板110を入力面110s側から覆うように設けられている。カバー部材160は、接着層150によってセンサー基板110の入力面110sに接着されている。尚、カバー部材160には、センサー基板110の入力面110sの周囲を囲む遮光膜が形成されていてもよい。
【0043】
次に、本実施形態に係るFPC上に設けられた検査用端子について、図3から図5を参照して説明する。
【0044】
図3は、本実施形態に係るFPC延設部の構成を示す斜視図である。図4は、図2のC1部分の拡大斜視図である。図5は、本実施形態に係るFPC上に設けられた検査用端子の構成を示す模式図である。尚、図3から図5は、本実施形態に係るタッチパネルの裏面側からFPC130を見た場合の斜視図である。
【0045】
図1及び図2を参照して上述したように、FPC130は、センサー基板110の入力面110s側に接続されるFPC本体部131と、このFPC本体部131から延設され、シールド膜120に接続されるFPC延設部132とを有している。
【0046】
図3及び図5において、FPC130上には、シールド膜120に所定電位を供給するための電位供給線173が形成されている。電位供給線173の一端は、図1を参照して上述したコントローラIC140に電気的に接続されており、電位供給線173の他端は、FPC延設部132の端部132aに形成された電位供給用端子171に電気的に接続されている。電位供給線173は、FPC本体部131におけるコントローラIC140が形成された部分からFPC延設部132の端部132aまで引き回されている。尚、本実施形態では、電位供給線173は、FPC130におけるコントローラIC140が実装された面とは反対側の面に形成されている。
【0047】
図3及び図4に示すように、FPC延設部132は、電位供給用端子171がシールド膜120に接触して電気的に接続されるように、センサー基板110の入力面110s側から裏面110r側に回り込むように曲げられている。電位供給用端子171とシールド膜120とは、例えばACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電フィルム)によって接続されている。本実施形態に係るタッチパネル付き液晶装置の動作時には、コントローラIC140から電位供給線173及び電位供給用端子171を介して所定電位がシールド膜120に供給される。
【0048】
尚、図3において、センサー基板110におけるFPC本体部131が接続される一辺に沿って支持部材139が設けられている。支持部材139は、FPC本体部131をセンサー基板110の裏面110r側から支持する。
【0049】
図3及び図5において、本実施形態では特に、シールド膜120と電位供給用端子171との電気的な接続状態の検査を行うための検査用端子172、191及び192がFPC130上に設けられている。
【0050】
検査用端子172は、本発明に係る「第1の検査用端子」の一例であり、FPC本体部131に設けられ、電位供給用端子171に電位供給線173を介して電気的に接続されている。
【0051】
検査用端子191は、本発明に係る「検査用接続端子」の一例であり、FPC延設部132におけるシールド膜120に面する側に(より具体的には、FPC延設部132の端部132aにおいて電位供給用端子171と並んで)設けられ、シールド膜120に電気的に接続されている。検査用端子191とシールド膜120とは、例えばACFによって接続されている。
【0052】
検査用端子192は、本発明に係る「第2の検査用端子」の一例であり、FPC本体部131に設けられ、上述した検査用端子191に検査用配線193を介して電気的に接続されている。検査用配線193は、検査用端子191及び192間を電気的に接続するように、FPC130上に形成されている。
【0053】
以上のように構成された検査用端子172、191及び192によれば、本実施形態に係るタッチパネルの検査工程において、例えば、検査用端子172と検査用端子192との間の電気的な抵抗値を測定することで、電位供給用端子171とシールド膜120との電気的な接続状態を容易且つ確実に検査することができる。具体的には、例えば、検査用端子172及び192の各々に検査用プローブを接触させて、検査用端子172と検査用端子192との間の電気的な抵抗値を測定する。ここで、検査用端子172及び192は、いずれもFPC本体部131上に設けられているので、例えば検査用プローブを容易に安定して接触させることができ、検査用端子172と検査用端子192との間の電気的な抵抗値を安定して測定することができる。したがって、電位供給用端子171とシールド膜120との電気的な接続状態を確実に検査することができる。尚、検査用プローブを用いて検査用端子172と検査用端子192との間の電気的な抵抗値を測定するのではなく、検査用端子172及び192の各々を、FPC130上に或いは外部に設けられた検査用回路に電気的に接続し、この検査用回路によって検査用端子172と検査用端子192との間の電気的な抵抗値を測定するように構成してもよい。
【0054】
更に、本実施形態では特に、検査用端子192は、FPC延設部132よりも大きく形成されるFPC本体部131に設けられるので、レイアウトの自由度が比較的高く、実践上有利である。
【0055】
図6は、比較例に係るFPC上に設けられた検査用端子の構成を示す模式図である。尚、図6において、図1から図5に示した第1実施形態に係る構成要素と同様の構成要素に同一の参照符合を付し、それらの説明は適宜省略する。
【0056】
図6に比較例として示すように、仮に、FPC130上に上述した検査用端子191及び192が設けられず、検査用端子172とシールド膜120との各々に検査用プローブPb1及びPb2を接触させて、検査用端子172とシールド膜120との間の電気的な抵抗値を測定することにより、電位供給用端子171とシールド膜120との電気的な接続状態を検査する場合には、検査用プローブPb2のシールド膜120に対する接触状態が不安定となり、検査用端子172とシールド膜120との間の電気的な抵抗値を安定して測定することが困難になってしまうおそれがある。また、検査用プローブPb2をシールド膜120に接触させるので、シールド膜120に傷がついてしまったり、シールド膜120が形成された、センサー基板110を構成する例えばガラス基板等の基板が割れてしまったりするおそれがある。
【0057】
しかるに、本実施形態によれば、上述したように、検査用端子172、191及び192を備えるので、検査用端子172と検査用端子192との間の電気的な抵抗値を測定することで、電位供給用端子171とシールド膜120との電気的な接続状態を容易且つ確実に検査することができる。更に、検査用プローブをシールド膜120に接触させずに、電位供給用端子171とシールド膜120との電気的な接続状態を検査することができるので、シールド膜120に傷がついてしまったり、シールド膜120が形成された、センサー基板110を構成する例えばガラス基板等の基板が割れてしまったりする事態を回避することができる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態によれば、検査工程において、シールド膜120と電位供給用端子171との電気的な接続状態を容易且つ確実に検査することができる。この結果、当該装置の信頼性を高めることができる。
【0059】
<第2実施形態>
第2実施形態に係るタッチパネルについて、図7及び図8を参照して説明する。
【0060】
図7は、第2実施形態に係るFPC上に設けられた検査用端子の構成を示す模式図である。図8は、第2実施形態に係るFPC延設部に設けられた2つの検査用端子の接続構成を示す断面図である。
【0061】
第2実施形態に係るタッチパネルは、上述した検査用端子192に代えて検査用端子292を備える点で、上述した第1実施形態に係るタッチパネルと異なり、その他の点については、上述した第1実施形態に係るタッチパネルと概ね同様に構成されている。
【0062】
図7及び図8において、検査用端子292は、本発明に係る「第2の検査用端子」の一例であり、FPC延設部132におけるシールド膜120に面しない側に設けられており、FPC延設部132に形成されたスルーホール293を介して検査用端子191に電気的に接続されている。
【0063】
よって、本実施形態に係るタッチパネルの検査工程において、例えば、検査用端子172と検査用端子292との間の電気的な抵抗値を測定することで、電位供給用端子171とシールド膜120との電気的な接続状態を容易且つ確実に検査することができる。具体的には、例えば、検査用端子172及び292の各々に検査用プローブを接触させて、検査用端子172と検査用端子292との間の電気的な抵抗値を測定する。ここで、検査用端子172は、FPC本体部131上に設けられ、検査用端子292は、FPC延設部132におけるシールド膜120に面しない側に設けられているので、例えば検査用プローブを容易に安定して接触させることができ、検査用端子172と検査用端子292との間の電気的な抵抗値を安定して測定することができる。したがって、電位供給用端子171とシールド膜120との電気的な接続状態を確実に検査することができる。尚、検査用プローブを用いて検査用端子172と検査用端子292との間の電気的な抵抗値を測定するのではなく、検査用端子172及び292の各々を、FPC130上に或いは外部に設けられた検査用回路に電気的に接続し、この検査用回路によって検査用端子172と検査用端子292との間の電気的な抵抗値を測定するように構成してもよい。
【0064】
更に、本実施形態では特に、検査用端子292は、FPC延設部132におけるシールド膜132に面しない側(即ち、FPC延設部132に対して検査用端子191の反対側)に設けられ、FPC延設部132に形成されたスルーホール293を介して検査用端子191に電気的に接続されるので、検査用端子191と検査用端子292とを電気的に接続するための配線をFPC本体部131上に形成する必要がない。よって、FPC本体部131における他の配線或いは電子素子のレイアウトの自由度が高まる。或いは、FPC本体部131を小さくすることも可能となる。
【0065】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うタッチパネルもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0066】
20…液晶パネル、40…バックライト、100…タッチパネル、110…センサー基板、120…シールド膜、130…FPC、131…FPC本体部、132…FPC延設部、140…コントローラIC、150…接着層、160…カバー部材、171…電位供給用端子、172…検査用端子、173…電位供給線、191、192…検査用端子、193…検査用配線、292…検査用端子、293…スルーホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル本体と、
前記タッチパネル本体の入力面とは反対側の裏面に設けられたシールド膜と、
前記タッチパネルの前記シールド膜に接続された接続基板と、
前記接続基板上に設けられ、所定電位を供給する電位供給線と、
前記接続基板における前記シールド膜に面する側に設けられ、前記電位供給線及び前記シールド膜に電気的に接続された電位供給用接続端子と、
前記電位供給用接続端子に前記電位供給線を介して電気的に接続された第1の検査用端子と、
前記接続基板における前記シールド膜に面する側に設けられ、前記シールド膜に電気的に接続された検査用接続端子と、
前記検査用接続端子に電気的に接続された第2の検査用端子と
を備えることを特徴とするタッチパネル。
【請求項2】
前記第2の検査用端子は、前記接続基板に設けられることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記接続基板は、前記タッチパネル本体に信号を供給する本体部を有することを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記接続基板は、前記本体部から分離した延設部を有し、前記延設部には前記電位供給用接続端子と前記検査用接続端子が設けられることを特徴とする請求項3に記載のタッチパネル。
【請求項5】
前記第2の検査用端子は、前記接続基板における前記シールド膜に面しない側に設けられ、前記接続基板に形成されたスルーホールを介して前記検査用接続端子に電気的に接続されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のタッチパネル。
【請求項6】
前記接続基板は、前記タッチパネル本体の前記入力面側に接続され、
前記接続基板は、前記入力面側から前記裏面側に回り込むように形成される
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のタッチパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−205220(P2010−205220A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53029(P2009−53029)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】